JP3072671U - 研削工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの工具で多種の研削・研磨加工を同時に
できるようにすることにある。 【解決手段】 回転円盤２の表面に、ダイアモンド砥
粒、無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒等を
固着した研磨シート材３と、研磨ブラシ材４とを、周方
向に沿って交互に固定した構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、加工対象物のバリ取りや研磨を施すための研削工具に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

加工対象物のバリ取りや研磨を施すための研削工具として、回転円盤の表面に 研磨シート材を固定した構成の製品がある。この研削工具は、回転円盤を回転さ せながらその表面を加工対象物に摺接させ、加工対象物のバリを取ったり、表面 を研削・研磨するものである。

【０００３】 そして回転円盤の表面に装着される研磨シート材は、加工対象物の加工処理の 目的形態、即ちバリ取り、表面の研削・研磨等の目的の相違によって、材質が異 なっている。

【０００４】 例えば、ワークのバリ取りや表面の研削加工には、ダイアモンド砥粒を固着し た研磨シート材や、無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒を固着した研 磨シート材が用いられ、表面の仕上げ研磨加工には、研磨ブラシ材が用いられる ことが多い。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで従来は、加工対象物の加工処理の目的形態が異なる場合は、夫々それに 対応した材質の異なる研磨材を固定した研削工具に交換して使用しなければなら なかったため、手間のかかるものになっていた。

【０００６】 本考案は、上述した従来の研削工具の欠点や不満点を解消し、要求に応えるべ く考案された研削工具であって、一つの工具で多種の研削・研磨加工を同時にで きるようにすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上述した従来の課題を解決するための本考案は、回転円盤の表面に、材質の異 なる二種以上の研磨材を、周方向に沿って交互に固定したことを特徴とする構成 である。

【０００８】 材質の異なる研磨材としては、ダイアモンド砥粒、無機質材・金属材から選ば れる１種以上の砥粒等を固着した研磨シート材と、研磨ブラシ材とを適宜に組み 合わせるものであればよいし、或いは、ダイアモンド砥粒、無機質材・金属材か ら選ばれる１種以上の砥粒等を固着した研磨シート材を巻回して端面を露出させ た研磨材と、研磨ブラシ材とでも良い。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態を図面にしたがって説明すると、本考案にかかる研削 工具１は、回転円盤２の表面に、研磨材としての研磨シート材３と研磨ブラシ材 ４とを、周方向に沿って交互に固定した構成である。

【００１０】 研磨シート材３は、例えばミクロン単位の大きさのダイアモンド砥粒を固着し たり、無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒を固着したりして構成し、 比較的硬度の高い加工対象物の研削加工処理に適している。

【００１１】 ダイアモンド砥粒を固着した研磨シート材３は、チタン・セラミック・超硬合 金・石材・ガラス等の面取りや平面研削に最適であり、また無機質材・金属材か ら選ばれる１種以上の砥粒を固着した研磨シート材３は、仕上げの研削に適して いる。

【００１２】 そして研磨シート材３としては、ダイアモンド砥粒のみを固着した形態、無機 質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒のみを固着した形態、更に両者を混合 させた形態等、使用目的に応じて適宜選択される。

【００１３】 また、研磨ブラシ材４は、微細なダイアモンド砥粒を合成樹脂に混合させたブ ラシ毛、無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒を合成樹脂に混合させた ブラシ毛、金属ワイヤで構成したブラシ毛、天然繊維で構成したブラシ毛、合成 繊維で構成したブラシ毛、等であり、主として研磨シート材３により研削された 加工対象物の表面を仕上げ研磨する。

【００１４】 この場合にも、研磨ブラシ材４としてのブラシ毛は上記複数種の中から使用目 的に応じて適宜選択され、二種以上を混合させても良いものである。

【００１５】 図１は、研磨ブラシ材４を回転円盤２の表面に放射状に植設し、各研磨ブラシ 材４の間に研磨シート材３を固定した構成である。図示実施例で研磨ブラシ材４ は５本の筋条であり、研磨シート材３は扇形状の複数枚を積層した形態とし、研 磨ブラシ材４の突出高さを最上位の研磨シート材３よりも上位にしている。

【００１６】 従って、加工対象物に摺接させて加工する際、研磨ブラシ材４は弾性変形して 加工対象物に摺接し、同時に研磨シート材３の最上面に摺接する。そして使用に したがって、研磨シート材３も研磨ブラシ材４も摩耗するが、研磨シート材３は 下位のそれが露出し、研磨ブラシ材４は毛脚が徐々に短くなるだけで、最後まで 使用することができる。

【００１７】 図２は、回転円盤２を四分割し、研磨シート材３と研磨ブラシ材４とを、相互 に若干の間隔を設けて周方向に沿って交互に固定した構成であり、図３は、回転 円盤２を二分割し、研磨シート材３と研磨ブラシ材４とを半分ずつ固定した構成 である。

【００１８】 図４は、回転円盤２を四分割し、種類が相違する研磨シート材３と研磨ブラシ 材４とを、相互に周方向に沿って交互に固定した構成で、向かい合う研磨シート 材３の種類を変えたり、研磨ブラシ材４の種類を変えた状態を示している。 即ち、対向する研磨シート材３を、例えば微細なダイヤモンド砥粒を付着させ た研磨シート材と金属砥粒を付着させた研磨シート材とし、また対向する研磨ブ ラシ材４は、ダイヤモンド砥粒を混合したブラシ毛と金属ブラシ毛からなるもの である。したがって、研磨シート材と研磨ブラシ材とは、最大４種類の材質から なる。

【００１９】 次に図５の実施例では、研磨材５として、前記したダイアモンド砥粒、無機質 材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒等を固着した研磨シート材３を巻回して 端面を露出させた構成にし、この研磨材５と、研磨ブラシ材４とを、周方向に沿 って交互に固定した構成にしている。

【００２０】 ここでも使用にしたがって研磨材５は摩耗するが、研磨シート材３の端面では 固着したダイアモンド砥粒、無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒等が 常に露出するので、加工機能は充分に確実に達成される。

【００２１】 以上本考案を図面に示す実施例に基づいて説明したが、本考案は前記実施例に 限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲の構成を変更しない限りどの ようにでも実施することができる。例えば、図１から図５までの各実施例におい て、研磨シート材と研磨ブラシ材とをさらに多数に区分けして多種類の研磨シー ト材と研磨ブラシ材とを使用することもでき、加工対象物の材質や硬度、表面仕 上げの状態により、研磨シート材と研磨ブラシ材とをどのような種類のものでも 使用することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の研削工具は、構成が簡単でありながら、材質の異 なる二種以上の研磨材が装着されているため、二種以上の研磨材の相乗効果によ り、一つの工具で且つ一回の動作で加工対象物の粗削りから仕上げ研磨に至る、 バリ取りや研削・研磨等の多種の加工を確実に達成することができる等、多くの 優れた作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の研削工具の斜視図である。

【図２】他の実施例を示す斜視図である。

【図３】他の実施例を示す斜視図である。

【図４】他の実施例を示す斜視図である。

【図５】他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 研削工具 ２ 回転円盤 ３ 研磨シート材 ４ 研磨ブラシ材 ５ 研磨材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転円盤の表面に、材質の異なる二種以
   上の研磨材を、周方向に沿って交互に固定したことを特
   徴とする研削工具。
2. 【請求項２】 回転円盤の表面に、ダイアモンド砥粒、
   無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒等を固着
   した研磨シート材と、研磨ブラシ材とを、周方向に沿っ
   て交互に固定したことを特徴とする研削工具。
3. 【請求項３】 回転円盤の表面に、ダイアモンド砥粒、
   無機質材・金属材から選ばれる１種以上の砥粒等を固着
   した研磨シート材を巻回して端面を露出させた研磨材
   と、研磨ブラシ材とを、周方向に沿って交互に固定した
   ことを特徴とする研削工具。