JP2001025948A - 球体研磨砥石 - Google Patents

球体研磨砥石

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JP2001025948A
JP2001025948A JP11202554A JP20255499A JP2001025948A JP 2001025948 A JP2001025948 A JP 2001025948A JP 11202554 A JP11202554 A JP 11202554A JP 20255499 A JP20255499 A JP 20255499A JP 2001025948 A JP2001025948 A JP 2001025948A
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spherical
polishing
ball
groove
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JP11202554A
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Kimihisa Watanabe
公寿 渡邊
Yoshihiro Tanaka
吉弘 田中
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Noritake Co Ltd
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨加工量が大きくなっても、球体の自転の
減少や、研削液の流入や切粉の排出の低下がなく、十分
な耐久性が得られる球体研磨砥石を提供する。 【解決手段】 球体研磨砥石10によれば、環状溝14
の底部には、その環状溝14の1対の側壁面18、20
の交点Pよりも深く且つボール16の径Dより小さい開
口幅寸法W2 を有する小幅溝24が設けられていること
から、球体研磨砥石10の研摩加工量が増大しても、す
なわち1対の側壁面18、20が摩耗しても、ボール1
6の1対の側壁18、20に対する接点幅がそれほど広
くならないので、ボール16の自転の減少や、研削液の
流入や切粉の排出の低下がなく、研摩に必要な研磨加工
時間が変化することもなく、球体研摩砥石10の十分な
耐久性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球体を研磨するた
めの球体研磨砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ころがり軸受などに用いられる鋼球、セ
ラミック球などの球体は、研磨加工によって仕上げられ
るのが一般的である。このような研磨加工に用いられる
球体研磨砥石48は、たとえば図6および図7に示すよ
うに、1対の側壁面50、52から成る断面V字形状の
環状溝54を同心円状に備えており、その一面に対向す
る図示しない固定研磨板との間で環状溝54内のボール
56を挟持しつつ、その固定研磨板に対して相対回転す
ることによってその環状溝54内のボール56を転動さ
せて、そのボール56を研磨するようになっている。上
記ボール56は、互いにV字状を為す1対の側壁面5
0、52と上記固定研磨板とに点接触した状態で挟持さ
れた状態で転動させられると、内外周速度差による自転
もボール56に加えられて、表面が研磨されるとともに
その真円(球)度が高められるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、球体研磨砥
石48が長時間使用されて研磨加工量(累積値)が大き
くなると、環状溝54内のボール56との接触部分が摩
耗し、その環状溝54の断面形状がボール56と同径の
たとえば図8に示すような半円断面形状に向かって比較
的速やかに変化する。このような図8に示す断面形状と
なると、ボール56の接触面積の増大による自転の減少
や、研削液の流入や切粉の排出が困難となって研磨効果
や研磨能率が低下するとともに、必要な研磨加工時間が
変化することから、球体研磨砥石48を交換しなければ
ならないので、球体研磨砥石の交換時期が短く、耐久寿
命が十分に得られないという欠点があった。
【0004】これに対し、ドレッシングにより上記球体
研磨砥石の環状溝の断面形状をV字状に戻すことが考え
られるが、高価な放電加工機を用いた長時間のドレッシ
ングを必要とするために、作業コストが製品原価に大き
く影響し、現実的ではない。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、研磨加工量が大
きくなっても、球体の自転の減少や、研削液の流入や切
粉の排出の低下がなく、十分な耐久性が得られる球体研
磨砥石を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研磨加工
量が増大しても球体の1対の側壁に対する接点幅が広く
ならないような溝形状を種々検討した結果、環状溝の溝
底にさらに矩形またはV字形状の小幅溝を形成すると、
上記接点幅の増加が抑制されるとともに、切削液の加工
点(接触点)に対する流入や切粉の排出が好適に維持さ
れて、研磨性能が安定して砥石寿命が向上するという事
実を見いだした。本発明はこのような知見に基づいて為
されたものである。
【0007】すなわち、本発明の要旨とするところは、
1対の側壁面から成る断面V字形状の環状溝を一面に備
え、その環状溝内において球体を転動させる過程で研磨
する球体研磨砥石において、前記1対の側壁面の交点よ
りも深く且つ前記球体の径より小さい開口幅寸法を有す
る小幅溝を、前記環状溝の底部に設けたことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、環状溝の底部には、
その環状溝の1対の側壁面の交点よりも深く且つ前記球
体の径より小さい開口幅寸法を有する小幅溝が設けられ
ていることから、球体研磨砥石の研摩加工量が増大して
も、すなわち1対の側壁面が摩耗しても、球体の1対の
側壁に対する接点幅が広くならないので、球体の自転の
減少や、研削液の流入や切粉の排出の低下がなく、研摩
に必要な研磨加工時間が変化することもなく、球体研摩
砥石の十分な耐久性が得られる。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記球体研磨砥
石の小幅溝は、前記球体の径に対して20%乃至50%
の幅寸法を備えたものである。このようにすれば、球体
の1対の側壁に対する接点幅の拡大が好適に抑制され、
球体の自転の減少や、研削液の流入や切粉の排出の低下
も一層抑制される。小幅溝の開口幅が前記球体の径の2
0%を下回ると、上記球体の1対の側壁に対する接点幅
の拡大抑制作用、球体の自転の減少抑制作用、研削液の
流入や切粉の排出の抑制作用がある程度限定的となる。
また、小幅溝の開口幅が前記球体の径の50%を上回る
と、1対の側壁面の摩耗が早くなるので、球体研摩砥石
の耐久性がある程度限定的となる。
【0010】また、好適には、前記小幅溝は、互いに平
行な相対向する一対の側壁面を有するU字状の断面形状
を備えたものである。このようにすれば、研磨による砥
石摩耗により球体の沈み込みが進んでも、球体に対する
研磨砥石の接触面積すなわち研磨面積がそれほど変化せ
ず、研摩に必要な研磨加工時間の設定を変えなくてもよ
い利点がある。
【0011】また、好適には、前記小幅溝は、前記環状
溝の一対の側壁面の交点に形成されるV字の頂角よりも
小さな頂角のV字状の断面形状を備えたものである。こ
のようにすれば、成形型により形成される場合には型抜
きが容易となり、或いは放電加工により形成される場合
には放電加工が容易となるので、小幅溝の加工コストが
低減される利点がある。
【0012】また、好適には、前記球体研磨砥石は、ダ
イヤモンド砥粒、CBN砥粒、アルミナ質砥粒、炭化珪
素質砥粒の少なくとも1つから選択された砥粒が、メタ
ルボンド、レジンボンド、ビドリファイドボンドのいず
れかのボンドにより結合された砥石組織を備えたもので
ある。このようにすれば、研摩性能或いは耐久性に優れ
た球体研摩砥石が得られる。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の一実施例の球体研磨砥石1
0の約半分を示す正面図であり、図2はその球体研磨砥
石10の断面図を示している。この球体研磨砥石10
は、円盤状或いは円板状を成し、その両面のうちの一面
である研磨面12には、同心円に沿って複数本(本実施
例では3本)の環状溝14が径方向において等間隔に形
成されている。この環状溝14は、図3に示すように、
ボール16をその一部が突き出した状態で周方向に案内
するためのものであるから、ボール案内溝として機能し
ている。上記環状溝14は初期的には交点Pにおいて9
0度程度の頂角θ 1 を成す一対の側壁面18、20から
左右対称に形成されるV字状の断面形状を有し、その深
さは、上記ボール16の径Dの10〜30%程度たとえ
ば0.3mm程度に設定されている。上記ボール16は、
ボール状の被研磨材であって、たとえばSUS440C
のようなステンレス鋼製、SUJ−2のようなスチール
製、或いはセラミック製の球体であり、なお、22は、
球体研磨砥石10の中心に設けられた取付穴である。
【0015】図3或いは図4に詳しく示すように、上記
環状溝14の溝底には、上記1対の側壁面18、20の
交点Pよりも深く且つ環状溝14の開口幅寸法W1 およ
びボール16の径Dよりもそれぞれ十分に小さい開口幅
寸法W2 を有する小幅溝24が設けられている。この小
幅溝24は、図3に示すように上記環状溝14と共通の
中心線Cを基準とした左右対称形状であって、互いに平
行な相対向する一対の側壁面26、28を有するU字状
の断面形状を備えたものであるか、或いは図4に示すよ
うに上記環状溝14と共通の中心線Cを基準とした左右
対称形状であって、深さ方向に向かうほど互いに接近す
る相対向する一対の側壁面26、28を有するV字状の
断面形状であって、環状溝14の側壁面18、20が交
点Pで形成する頂角θ1 よりも上記一対の側壁面26、
28が成す頂角θ2 が小さいもの、たとえば45度程度
のものである。本実施例の小幅溝24の深さdすなわち
P点からの深さは、たとえば工具寿命時のボール16の
沈み込み量をボール16の径Dの40〜60%とすれ
ば、ボール16の径Dの20〜50%に設定される。こ
のとき、研磨面12から小幅溝24の底までの深さすな
わち総溝深さは、ボール16の径Dの30〜80%とな
る。
【0016】上記小幅溝24の深さdには、適正な深値
が存在する。球体研磨砥石10と是に対向して設けられ
る後述の固定研磨盤34との間の隙間が小さくなって研
削液の流入や切り屑の排出が困難となったり、双方の砥
石摩耗によって両者が干渉してしまうので、研磨面12
から小幅溝24の底までの深さすなわち総溝深さが、ボ
ール16の径Dの80%を越える場合には明らかに不都
合が発生する。
【0017】上記小幅溝24の開口幅寸法W2 は、好適
には、環状溝14の開口幅寸法W1或いはボール16の
径Dの20%乃至50%の幅寸法に設定される。すなわ
ち、W2 /W1 或いはW2 /Dが0.2〜0.5の範囲
内であるように設定される。小幅溝24の開口幅W2
ボール16の径Dの20%を下回ると、上記ボール16
の1対の側壁面18、20に対する接点幅すなわち接点
間隔の拡大抑制作用が制限されて、研磨中のボール16
の自転の減少抑制が制限され、その研磨中のボール16
の球体研磨砥石10に対する接触点或いは接触面すなわ
ち研磨点或いは研磨面に対する研削液の流入や切粉の排
出の抑制作用が限定的となる。また、小幅溝24の開口
幅W2 がボール16の径Dの50%を上回ると、1対の
側壁面18、20の摩耗が早くなる傾向となるので、球
体研摩砥石10の耐久性を高める効果が限定的となる。
【0018】上記球体研磨砥石10は、たとえば、ダイ
ヤモンド砥粒、CBN砥粒、アルミナ質砥粒、炭化珪素
質砥粒の少なくとも1つから選択された砥粒が、メタル
ボンド、レジンボンド、ビドリファイドボンドのいずれ
かのボンドにより結合された砥石組織を備えた、メタル
ボンド砥石、レジノイド砥石、或いはビドリファイド砥
石である。また、ボール16を低速研磨するために、炭
化ホウ素〔ボロンカーバイトB4 C、実際にはB12+x
3-x (但し、0≦x≦1)〕砥粒を含む砥粒がよく知ら
れたフェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂
により結合された砥石組織から成る所謂レジノイド砥石
が用いられてもよい。
【0019】上記球体研磨砥石10は、よく知られたメ
タルボンド砥石の製造工程、レジノイド砥石の製造工
程、或いはビドリファイド砥石の製造工程を経て製造さ
れる。環状溝14および小幅溝24は、一般的にはプレ
ス金型を用いて砥石成形工程において形成されるが、た
とえば、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒を用いたメタル
ボンド砥石では、小幅溝24と同様の断面形状を備えた
凸状電極を用いた放電加工によりその小幅溝24が好適
に形成される。特に、小幅溝24の幅寸法が小さい場合
にはそのような放電加工が最適である。
【0020】上記球体研磨砥石10は、たとえば図5に
示すボール研磨装置30においてボール16を低速研磨
するために装着される。ボール研磨装置30は、径方向
において外周から中央に至る切欠32が形成され、且つ
前記環状溝14と同様の図示しない環状溝が研磨面に形
成された鋳鉄、或いは上記球体研磨砥石10と同様の砥
石組織からなる固定研磨盤(板)34と、その固定研磨
盤34の研磨面に研磨面12を所定間隔を隔てて相対向
するようにその固定研磨盤34と共通の軸心まわりに回
転可能に設けられた前記球体研磨砥石10とを備えてい
る。上記球体研磨砥石10は固定研磨盤34に向かって
押圧されているので、上記所定間隔は、固定研磨盤34
と球体研磨砥石10とにより挟持されるボール16によ
り決定される。図3或いは図4は、上記ボール研磨装置
30を用いてボール16が研磨されるときの当初の状態
を示す図である。なお、図5では、理解を容易とするた
めに固定研磨盤34と球体研磨砥石10との間が大きく
離された状態が示されている。
【0021】回転駆動装置36によって球体研磨砥石1
0がたとえば矢印に示す方向に比較的低速たとえば周速
が10m/sec 以下、好適には3m/sec 以下の低速で回転
駆動され、且つ油性研磨液が連続的に供給される状態
で、多数の未研磨のボール16が供給樋38から供給さ
れると、未研磨のボール16は固定研磨盤34の環状溝
と球体研磨砥石10の環状溝14とに挟まれつつ周方向
に案内される過程で、固定研磨盤34と球体研磨砥石1
0との相対回転により転動させられつつ研磨された後、
切欠32内に解放されて受樋40上に受けられる。この
受樋40上のボール16は貯留桶42を経て供給樋38
上に再び搬送されて、同様に研磨される。このような湿
式研磨が所定時間内において繰り替えされることにより
ボール16の表面が仕上げられる。低速研磨の場合、球
体研磨砥石10の最大周速すなわちボール16に対する
最大相対研磨速度は3m/秒以下、好適には1m/秒以
下である。
【0022】以下において、上記球体研磨砥石10の研
磨性能を明らかにするために本発明者等が行った研磨試
験条件および研磨試験結果を説明する。この試験では、
前記球体研磨砥石10と、それと同様の砥石組織を備え
るが小幅溝24を備えない対照試験用球体研磨砥石と
が、図5に示す研磨試験装置30を用いて、以下に示す
共通の研磨試験条件下でそれそれ研磨加工に用いられ
た。
【0023】試験試料 球体研磨砥石:SD2000l75M 外径300mmφ×厚み40mm×内径150mmφ V溝形状 :頂角θ1 が90度のV溝、深さ0.3mm、開口幅W1 0.6mm 小幅溝の形状:頂角θ2 が45度のV溝、深さ0.4mm、開口幅W1 0.2mm (但し、対照球体研磨砥石には小幅溝なし。) 球体 :SUJ−2の鋼球、 1.0mmφ
【0024】研磨試験条件 砥石回転速度:50r.p.m. ボール1個当たりの加工圧力:1kg/個 取代 :0.02mmφ 研磨油 :軽油
【0025】上記の研磨試験によれば、小幅溝24を備
えた球体研磨砥石10は、その小幅溝24を備えない球
体研磨砥石に対して、交換までの工具寿命が約4倍であ
ることが確認された。すなわち、小幅溝24を備えない
球体研磨砥石によれば、砥石の研磨面12からの深さが
0.4mmまでが研磨能力が維持される限界であったが、
小幅溝24を備えた球体研磨砥石10によれば0.7mm
まで研磨能力が維持されて研磨加工に使用できたことか
ら、砥石の使用代が0.1mmから0.4mmまで拡大され
たので、交換までの工具寿命が約4倍となったのであ
る。
【0026】上述のように、本実施例の球体研磨砥石1
0によれば、環状溝14の底部には、その環状溝14の
1対の側壁面18、20の交点Pよりも深く且つボール
16の径Dより小さい開口幅寸法W2 を有する小幅溝2
4が設けられていることから、球体研磨砥石10の研摩
加工量が増大しても、すなわち1対の側壁面18、20
が摩耗しても、ボール16の1対の側壁面18、20に
対する接点幅がそれほど広くならないので、ボール16
の自転の減少や、研削液の流入や切粉の排出の低下がな
く、研摩に必要な研磨加工時間が変化することもなく、
球体研摩砥石10の十分な耐久性が得られる。
【0027】また、本実施例によれば、球体研磨砥石1
0の小幅溝24は、ボール16の径Dに対して20%乃
至50%の幅寸法を備えたものであるので、ボール16
の1対の側壁面18、20に対する接点幅の拡大が好適
に抑制され、ボール16の自転の減少や、研削液の流入
や切粉の排出の低下も一層抑制される。小幅溝24の開
口幅W2 がボール16の径Dの20%を下回ると、上記
ボール16の1対の側壁面18、20に対する接点幅の
拡大抑制作用、球体の自転の減少抑制作用、研削液の流
入や切粉の排出の抑制作用がある程度限定的となる。ま
た、小幅溝24の開口幅W2 がボール16の径Dの50
%を上回ると、1対の側壁面18、20の摩耗による球
体の沈み込みが大きくなるので、球体研摩砥石の耐久性
がある程度限定的となる。
【0028】また、本実施例によれば、前記小幅溝24
が、互いに平行な相対向する一対の側壁面26、28を
有するU字状の断面形状を備えたものである場合には、
摩耗によるボール16の沈み込みが進んでも、そのボー
ル16に対する球体研磨砥石10の接触面積すなわち研
磨面積がそれほど変化せず、研摩に必要な研磨加工時間
の設定を変えなくてもよい利点がある。
【0029】また、本実施例によれば、前記小幅溝24
が、環状溝14の一対の側壁面18、20の交点Pに形
成されるV字の頂角θ1 よりも小さな頂角θ2 のV字状
の断面形状を備えたものであるとき、成形型により小幅
溝24が形成される場合には型抜きが容易となり、或い
は放電加工により小幅溝24が形成される場合には放電
加工が容易となるので、小幅溝24の加工コストが低減
される利点がある。
【0030】また、本実施例によれば、球体研磨砥石1
0は、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒、アルミナ質砥
粒、炭化珪素質砥粒の少なくとも1つから選択された砥
粒が、メタルボンド、レジンボンド、ビドリファイドボ
ンドのいずれかのボンドにより結合された砥石組織を備
えたものであるので、研摩性能或いは耐久性に優れた球
体研摩砥石が得られる。
【0031】以上、本発明の一実施例を図面を用いて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0032】たとえば、前述の環状溝14の底に形成さ
れる小幅溝24は、中心線Cを境とした左右対称のU字
状或いはV字状の断面形状であったが、他の断面形状で
あってもよいし、中心線Cを境とした左右対称形状でな
くてもよい。
【0033】また、前述の実施例では、環状溝14の1
対の側壁面18、20と小幅溝24の1対の26、28
との接続部分は不連続面であったが、滑らかに連続した
面で接続されていてもよい。
【0034】また、前述の実施例の固定研磨盤34にも
球体研磨砥石10と同様の環状溝14が形成されていた
が、平坦面であってもよいし、前述の球体研磨砥石10
の研磨面12には環状溝14が同心円状に形成されてい
たが、渦巻き状に形成されていてもよい。
【0035】また、前述の実施例の球体研磨砥石10に
は、環状溝14の長手方向の全部の溝底に小幅溝24が
形成されていたが、環状溝14の一部の溝底に小幅溝2
4が形成されていても一応の効果が得られる。
【0036】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の球体研磨砥石の構成を説明
する一部を切り欠いた正面図である。
【図2】図1の球体研磨砥石の構成を説明する一部を切
り欠いた断面図である。
【図3】図1の球体研磨砥石の研磨面に形成された環状
溝および小幅溝の形状を詳しく説明する要部断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例の小幅溝の形状を詳しく説
明する要部断面図であって、図3に相当する図である。
【図5】図1の球体研磨砥石を用いたボール研磨装置の
構成を説明する斜視図である。
【図6】従来の球体研磨砥石の構成を説明する一部を切
り欠いた断面図であって、図2に相当する図である。
【図7】図6の従来の球体研磨砥石を用いてボールが研
磨されるときの当初の状態を示す図である。
【図8】図6の従来の球体研磨砥石を用いてボールが研
磨されたときの寿命限界状態を示す図である。
【符号の説明】
10:球体研磨砥石 12:研磨面 14:環状溝 16:ボール(球体) 18、20:側壁面 24:小幅溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C049 AA04 AA09 AA16 AA18 AB08 CA01 CB03 3C063 AA02 AB05 BA06 BA26 BB01 BB03 BB04 BC02 BC03 BC05 EE01 FF08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の側壁面から成る断面V字形状の環
    状溝を一面に備え、該環状溝内において球体を転動させ
    る過程で研磨する球体研磨砥石において、 前記1対の側壁面の交点よりも深く且つ前記球体の径よ
    り小さい開口幅寸法を有する小幅溝を、前記環状溝の底
    部に設けたことを特徴とする球体研磨砥石。
  2. 【請求項2】 前記球体研磨砥石の小幅溝は、前記球体
    の径の20%乃至50%の幅寸法を備えたものである請
    求項1の球体研磨砥石。
  3. 【請求項3】 前記小幅溝は、互いに平行な相対向する
    一対の側壁面を有するU字状の断面形状を備えたもので
    ある請求項1または2の球体研磨砥石。
  4. 【請求項4】 前記小幅溝は、前記環状溝の一対の側壁
    面の交点に形成されるV字の頂角よりも小さな頂角のV
    字状の断面形状を備えたものである請求項1または2の
    球体研磨砥石。
  5. 【請求項5】 前記球体研磨砥石は、ダイヤモンド砥
    粒、CBN砥粒、アルミナ質砥粒、炭化珪素質砥粒の少
    なくとも1つから選択された砥粒が、メタルボンド、レ
    ジンボンド、ビドリファイドボンドのいずれかのボンド
    により結合された砥石組織を備えたものである請求項1
    または2の球体研磨砥石。
JP11202554A 1999-07-16 1999-07-16 球体研磨砥石 Pending JP2001025948A (ja)

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