JP2024013425A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用するインクリボンの製造時からの経過時間によらず、良好な品質の記録を行う。【解決手段】インクリボンを加熱することにより、インク層のインクを転写フィルムに一次転写して、画像部及び非画像部を有する画像を形成するサーマルヘッドと、転写フィルムに形成された画像を記録媒体に二次転写する二次転写部とを備える。制御部は、インクリボンの製造時から画像形成時までの経過時間が第1時間である場合に、サーマルヘッドがインクリボンの画像部を加熱する温度を第1温度とし、サーマルヘッドがインクリボンの非画像部を加熱する温度を第2温度とし、経過時間が第1時間よりも長い第2時間である場合に、サーマルヘッドがインクリボンの画像部を加熱する温度を第1温度より高い第3温度とし、サーマルヘッドがインクリボンの非画像部を加熱する温度を第2温度より高い第4温度とする。【選択図】図7

Description

本発明は、インクリボンを用いて記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
従来、インクリボンを用いて画像を形成する記録装置においては、サーマルヘッドによって画像データに応じてインクリボンを加熱して転写フィルムにインクを一次転写し、一次転写されたインクを転写フィルムから記録媒体に二次転写することにより記録媒体に画像を形成する方式の記録装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2019-209498号公報
このような熱転写方式の記録装置では、サーマルヘッドによってインクリボンを加熱して画像を形成しているが、インクリボンの製造時から画像形成時までのインクリボンが製造されてからの経時変化によって、記録に適した加熱温度が上昇することが知られている。即ち、インクリボンは、例えば、基材、離型層、剥離層、インク層が積層されて構成されており、剥離層には剥離層を離型層から容易に剥離させるための添加剤が含まれている。ところが、インクリボンの製造時から長期間経時すると、剥離層中の添加剤がインク層に移動する可能性がある。これにより、剥離層の剥離が起こりにくくなり、インクリボンから転写フィルムへの一次転写において、印字部(画像部)では印刷の文字が欠けたりして判読しにくくなる「カスレ」や、非印字部(非画像部)では印刷予定である染料の印字部が熱溶融のインクリボンに持っていかれている「ハガレ現象」が発生する虞があった。
しかしながら、上述の特許文献1に記載した記録装置では、インクリボンが製造されてからの経過時間に応じてサーマルヘッドにおける加熱温度を上昇することはしていなかったため、上述したカスレやハガレ現象によって、記録する画像の品質が低下する虞があった。
本発明は、使用するインクリボンの製造時からの経過時間によらず、良好な品質の記録を行うことが可能な記録装置を提供することを目的とする。
本発明の記録装置の態様は、第1基材と、インクを含有するインク層と、前記第1基材と前記インク層との間に介在されて前記インク層を前記第1基材から剥離する剥離層と、前記剥離層に含まれて前記剥離層の前記第1基材からの剥離を促進するための添加剤と、を有するインクリボンと、転写フィルムと、前記インクリボンを加熱することにより、前記インク層のインクを前記転写フィルムに一次転写して、画像部及び非画像部を有する画像を形成するサーマルヘッドと、前記転写フィルムに形成された画像を記録媒体に二次転写する二次転写部と、前記サーマルヘッドの温度を制御する制御手段と、前記インクリボンの製造時に関する情報を取得する情報取得手段と、を備え、前記制御手段は、前記インクリボンの製造時から画像形成時までの経過時間が第1時間である場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を第1温度とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を第2温度とし、前記経過時間が前記第1時間よりも長い第2時間である場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を前記第1温度より高い第3温度とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を前記第2温度より高い第4温度とする、ことを特徴とする。
本発明によれば、使用するインクリボンの製造時からの経過時間によらず、良好な品質の記録を行うことができる。
本実施形態に係る記録装置の概略構成を示す断面図。 本実施形態に係る記録装置の一次転写部及び二次転写部の概略構成を示す断面図。 本実施形態に係る記録装置の制御ブロック図。 本実施形態に係る転写フィルムを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すXf矢視断面図。 本実施形態に係るインクリボンを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すXc矢視断面図、(c)は(a)に示すXk矢視断面図。 本実施形態に係るインクリボンを示す図であり、(a)は短時間経時のインクリボンを示す断面図、(b)は長時間経時のインクリボンを示す断面図。 本実施形態に係るインクリボンについて、短時間経時のインクリボンと長時間経時のインクリボンとのそれぞれで、印字部の予備階調及び印字階調と、非印字部の予備階調とを示す図。 本実施形態に係るインクリボンにおける予備階調の内訳を示す図であり、(a)は非印字部、(b)は印字部。 本実施形態に係るインクリボンにおける経時年数と経時補正値との関係を示す表。 本実施形態に係る記録装置における画像形成制御を示すフローチャート。
本実施形態について、図1~図10を用いて説明する。まず、記録装置1の装置本体部MBの概略構成について、図1を用いて説明する。
[装置本体部]
記録装置1は、サーマルヘッドとインクリボンとを用いて転写媒体に画像を形成し、形成した画像を転写媒体から記録媒体に転写する印刷方式のプリンタ(以下、「サーマルプリンタ」とも記載する)である。記録装置1の装置本体部MBは、プラスチックカード、厚紙カードなどの記録媒体に情報を記録可能であり、情報が記録された記録媒体に画像形成可能なプリンタである。具体的には、記録媒体としての各種証明用のIDカード、商取引用のクレジットカードなどのカードCaに磁気情報、IC情報などの情報を記録し、これらのカードCaに文字、写真、マークなどの画像形成(印刷)を行う。記録装置1の装置本体部MBは、情報記録群Aと、画像形成ユニットBと、カード供給部Gと、カード収容部Dと、回転ユニットFと、を備えている。
[カード供給部]
カード供給部Gは、複数枚のカードCaを収納可能なカードカセット3と、カードカセット3からカードCaを供給する供給部としてのピックアップローラ19と、を備える。ピックアップローラ19は、図1に示すように、ハウジング1aに設けられ、カードカセット3からカードを1枚ずつ、後述する回転ユニットFに向けて供給する。
カードカセット3は、複数のカードCaを立位姿勢で整列して収納可能なカード寸法に適合する収容スペースを有する。複数のカードCaは、この収容スペース内に、水平方向に交差する方向である第1の方向と略平行(立位姿勢)に配置されており、第1の方向と交差する第2の方向(略水平方向)に重ねて収容されている。また、収容スペースの図示上方には、カードCaを出し入れする開口部が設けられ、開口部を開閉する不図示の開閉カバーがヒンジ連結されている。なお、IDカードやクレジットカードは、情報記録前であってもセキュリティレベルが高いため、開閉カバーを施錠可能な構成としても良い。
また、カードカセット3の収容スペース内には、複数のカードCaが、第2方向の一端(図示左端)から他端(右端)に整列して配置されており、左端から右端に向けてサポート部材12により付勢されている。そして、ピックアップローラ19で最右端(最前列)のカードCaが1枚ずつ装置内に供給されると、サポート部材12によりカードCaが右側に移動するようになっている。収容スペースの右端部の下側には、カードCaを装置内に供給可能な分離開口部7が形成されている。
分離開口部7には、分離ローラ9と、分離ローラ9と対向して設けられた偏心カム10とが設けられている。偏心カム10は、円板状の部材で、回転中心が円板の中心からずれている。このため、偏心カム10を回転させることで偏心カム10と分離ローラ9との間の距離が変化する。これにより、様々な厚さのカードに対応した隙間を分離開口部7に形成できる。
[回転ユニット]
次に、回転ユニットFについて説明する。上述のようにカードカセット3からピックアップローラ19により送られたカードCaは、クリーニングローラ22を通って回転ユニットFに送られる。クリーニングローラ22は、カードCaを挟持して搬送する一対のローラにより構成され、カードCaの画像が形成される面側のローラの表面を、例えば粘着性を有する構成としたものである。これにより、カードCaの画像が形成される側の面に付着したゴミなどを除去可能である。
回転ユニットFは、記録装置1の装置フレーム(不図示)に回転可能に軸受け支持されたユニットフレーム20と、ユニットフレーム20に支持された一対、或いは複数のローラ対21a,21bと、で構成される。回転ユニットFは、供給されたカードの搬送先を切り換え可能である。
複数のローラ対21a,21bは、ユニットフレーム20に対して距離を隔てて配置されており、供給されたカードの保持及び搬送が可能である。ローラ対21a,21bは、少なくとも一方のローラ対が駆動側のローラと従動側のローラとで構成され、駆動側のローラは回転と停止が可能である。そして、ローラ対21a,21bによりカードCaを挟持した状態でローラ対21a,21bの駆動側のローラの回転を停止することによりカードを保持し、ローラ対21a,21bの駆動側のローラを回転させることによりカードを搬送する。駆動側のローラは、不図示のモータにより正転及び逆転が可能である。
ユニットフレーム20は、ローラ対21a,21bを支持して回転するものであり、不図示のモータ(例えば、パルスモータなど)により駆動される。そして、ローラ対21a,21bによりカードを保持した状態でユニットフレーム20を回転させ、選択された搬送先(角度位置)でユニットフレーム20の回転を停止することで、カードの搬送方向を切り換える。これにより、ローラ対21a,21bによりカードを搬送する方向(搬送先)を切り換え可能である。なお、ユニットフレーム20を駆動するモータと、ローラ対21a,21bを駆動するモータを1つのモータとし、クラッチにより駆動を切り換えるようにしても良い。
カードカセット3に収容されたカードCaは、ピックアップローラ19によって繰出され、偏心カム10と分離ローラ9によって形成された分離ギャップで1枚ずつ分離され下流側の回転ユニットFに送られる。そして、回転ユニットFは、送られたカードCaをローラ対21a,21bで回転ユニットF内に搬入し、ローラ対21a,21bでニップした状態でユニットフレーム20を所定の方向に回転することで、カードCaの搬送先を切り換える。
[情報記録部]
次に、情報記録群Aが備える複数の情報記録部について説明する。情報記録群Aは、磁気記録ユニット24と不図示の非接触式IC記録ユニットとを有する。それぞれの記録ユニットが情報記録部及び情報読取部に対応する。磁気記録ユニット24と非接触式IC記録ユニットは、それぞれカードCaに情報を記録可能で、かつ、カードCaに記録された情報を読み取り可能である。なお、情報記録群Aは、カードCaに情報を記録可能で、かつ、カードCaに記録された情報を読み取り可能な接触式IC記録ユニットを、装置本体部MBの外部に設け、接続可能に構成されていてもよい。
[画像形成ユニット]
次に、画像形成ユニットBについて説明する。図1及び図2に示すように、画像形成ユニットBは、サーマルヘッド40と、インクリボンカセット42と、プラテンローラ45と、移送ローラ49と、フィルムカセット50と、支持ピン51と、センサSe2と、センサSe3と、を備えている。画像形成ユニットBは、回転ユニットFから搬送パスP1に送られたカードCaの表面に印字を行って画像を形成する。本実施形態では、情報記録群Aの何れかの記録ユニットで情報の記録が完了したカードに画像を形成する。搬送パスP1には、カードCaを搬送する搬送ローラ29,30(或いは、搬送ベルト)が配置され、搬送ローラ29,30は、図示しない搬送モータにより回転駆動される。搬送ローラ29,30は、正逆転切り換え可能に構成され、回転ユニットFから画像形成ユニットBにカードを搬送するのと同時に画像形成ユニットBからカードを回転ユニットFに搬送するようになっている。また、搬送ローラ29,30では、カードの斜行矯正を行う。例えば、搬送ローラ30を停止した状態で搬送ローラ29によりカードを搬送して、カードの先端を搬送ローラ30に突き当てることでカードの斜行矯正を行う。
画像形成ユニットBは、カードの表面又は裏面に顔写真、文字データなどの画像を形成する。本実施形態では、熱昇華型の染料を色材とした熱昇華性インクと、熱溶融型の結着材及び色材として顔料を用いた熱溶融性インクと、を有するインクリボンを用いて画像形成する。
画像形成ユニットBの下方には、一次転写部B1として、サーマルヘッド40と、インクリボン41と、転写フィルム46と、が配置されている。インクリボン41は、インクリボンカセット42に収納され、インクリボンカセット42に繰出ロール43と巻取スプール44が収容され、巻取スプール44にはワインドモータMr1が駆動連結されている。繰出ロール43には、図示しないワインドモータ(DCモータ)が連結されている。インクリボン41は、巻取スプール44と繰出ロール43に巻回され、プラテンローラ45とサーマルヘッド40との間を移送するように巻装されている。インクリボンカセット42は、ハウジング1aに対して着脱自在に構成され、インクリボン41の位置を検出するセンサSe1を有する。
インクリボン41は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを有する部分がインクリボン41の搬送方向に複数組並んで配置されている。インクリボン41を用いて転写フィルム46に画像を形成する場合には、インクリボン41の位置を適宜変えることで、各色の画像を重ねて転写フィルム46に形成する。この際、センサSe1によりインクリボン41の位置を検出することで、画像形成する色に対応したインクの部分がプラテンローラ45とサーマルヘッド40との間に位置するようにしている。
プラテンローラ45に対向する位置には、サーマルヘッド40が配置されている。サーマルヘッド40には、ICを含むヘッド駆動制御部212(図3参照)が連結され、サーマルヘッド40を加熱制御するようになっている。ヘッド駆動制御部212は、画像データに従ってサーマルヘッド40を加熱制御することによって、インクリボン41上のインクを転写フィルム46に転写し、転写フィルム46に画像形成する。即ち、サーマルヘッド40は、インクリボン41及び転写フィルム46を介してプラテンローラ45に対向して配置されており、印刷データに基づく画像を転写フィルム46に形成する。サーマルヘッド40は、インクリボン41を加熱することにより、インク層414K(図5(c)参照)のインクを転写フィルム46に一次転写して、画像部及び非画像部を有する画像を形成する。このとき、記録装置1では、サーマルヘッド40の熱制御と同期して巻取スプール44が回転し、インクリボン41を所定速度で巻き取るように構成されている。サーマルヘッド40は、冷却ファン39により冷却される。
転写フィルム46は、フィルムカセット50に収納され、フィルムカセット50に繰出ロール47と巻取ロール48が収容され、巻取ロール48にはワインドモータMr4が駆動連結されている。また、繰出ロール47には、ワインドモータMr2が駆動連結されている。転写フィルム46は、巻取ロール48と繰出ロール47に巻回され、転写プラテン31と転写ローラ33の間の再転写エリアB4に転写画像を移送するように巻装されている。
転写フィルム46は、移送ローラ49により移送される。移送ローラ49は、周面にピンチローラ32a,32bが配置され、移送ローラ49には図示しない駆動モータが駆動連結されている。そして、転写フィルム46は、インクリボン41と同一速度で図1中反時計方向に移動する。
画像形成ユニットBの上方には、二次転写部B2として、転写プラテン31、ピンチローラ32a、ピンチローラ32b、転写ローラ33、ガイドコロ34a、剥離コロ34b、デカール機構36、搬送ローラ37及び搬送ローラ38が配置されている。画像形成ユニットBは、一次転写部B1において転写フィルム46に形成した画像を、二次転写部B2において転写フィルム46に形成された画像を記録媒体であるカードCaに二次転写し、カードCaに画像を形成する。
転写プラテン31は、プラテンローラで構成されており、転写フィルム46を挟んで転写ローラ33が対向配置されている。転写プラテン31は、搬送ローラ29、搬送ローラ30、搬送ローラ37及び搬送ローラ38を駆動するステッピングモータと同一のステッピングモータによって駆動される。
転写プラテン31は、搬送ローラ30により搬送パスP1を搬送されるカードとフィルムカセット50より搬送されてくる転写フィルム46と、を、転写ローラ33との間で挟持して搬送し、転写フィルム46に形成された画像をカードCaに転写する。具体的には、転写プラテン31と転写ローラ33とは、転写フィルム46の剥離層463(図4(b)参照)を剥離し、受容層465(図4(b)参照)に形成された画像をカードCaに転写する。
ピンチローラ32aは、移送ローラ49に対向して配置されている。ピンチローラ32bは、移送ローラ49に対向して配置されている。転写ローラ33は、ヒートローラで構成されており、転写フィルム46上に形成された画像をカードCaに加熱圧接して転写する。転写ローラ33は、不図示の昇降機構によって、フィルムカセット50の内側から転写プラテン31への圧接又は転写プラテン31からの離間を実行するように移動可能に構成されている。
ガイドコロ34aは、転写プラテン31よりも搬送方向の上流側に設けられているとともにフィルムカセット50に取り付けられており、転写プラテン31に転写フィルム46を案内する。剥離コロ34bは、転写プラテン31よりも搬送方向の下流側に設けられているとともにフィルムカセット50に取り付けられており、転写フィルム46をカードから剥離する。剥離コロ34bは、不図示の昇降機構によって昇降可能になっている。
支持ピン51は、剥離コロ34bの搬送方向の下流側直後に設けられており、カードCaの転写面側を支持する。支持ピン51は、剥離コロ34bとの間で一定の位置関係を保持している。支持ピン51は、図示しない転写ローラ昇降部によって、搬出経路P2に位置する状態と搬出経路P2から退避する状態との間で移動可能になっている。
デカール機構36は、搬送ローラ37と搬送ローラ38との間に配置されており、搬送ローラ37と搬送ローラ38との間に保持されたカードCaの中央部を押圧してカードCaに生じたカールを矯正する。デカール機構36は、カム等の不図示の昇降機構によって図1において上下方向に移動可能に構成されている。
搬送ローラ37は、不図示の搬送モータ(ステッピングモータ)に連結されている。搬送ローラ37は、画像形成ユニットBの搬送方向の下流側において収容スタッカ55にカードCaを移送する搬出経路P2に設けられ、搬送モータが駆動することにより動作してカードCaを搬送する。搬送ローラ38は、不図示の搬送モータ(ステッピングモータ)に連結されている。搬送ローラ38は、搬出経路P2に設けられ、この搬送モータが駆動することにより動作してカードCaを搬送する。なお、搬送ローラ37及び搬送ローラ38に代えて搬送ベルトにしてもよい。
また、画像形成ユニットBには、装置内に発生した熱を外に排出する排気ファン35と、転写フィルム46の有無を検出するセンサSe2と、カードCaの有無を検出するセンサSe3と、を有している。
[カード収容部]
次に、カード収容部Dについて説明する。カード収容部Dは、画像形成ユニットBから送られたカードCaを、収容スタッカ55に収容するように構成されている。収容スタッカ55は、昇降機構56と、図示しないレベルセンサで、最上カードを検出し、昇降機構56で図1下側に下降移動するように構成されている。なお、昇降機構56を、収容スタッカ55を図1の上方に付勢するバネとして、収容スタッカ55にカードCaが積載されることで、収容スタッカ55がカードCaの重さによりバネの付勢力に抗して下方に移動するように構成しても良い。
[一次転写部]
図2は、一次転写部B1と二次転写部B2とを示す断面図である。図2に示すように、記録装置1では、プラテンローラ45とサーマルヘッド40とが対向して配置され、一次転写ニップN1が形成されている。一次転写部B1では、プラテンローラ45とサーマルヘッド40とによって、インクリボン41と転写フィルム46とが圧接される。
サーマルヘッド40は、ヘッド駆動制御部212(図3参照)により画像データに基づく加熱制御が実行され、インクリボン41の有するインクを転写フィルム46に転写し、転写フィルム46上に画像を形成する。
転写フィルム46への印刷が終了したインクリボン41は、剥離コロ25と剥離部材28とによって転写フィルム46から引き剥がされる。剥離部材28は、インクリボンカセット42に配設されている。剥離コロ25は、画像形成時に剥離部材28に当接する。一次転写部B1では、剥離コロ25と剥離部材28とで転写フィルム46とインクリボン41とを挟持することで剥離が行われる。
剥離されたインクリボン41は、ワインドモータMr1の駆動による巻取スプール44に巻き取られ、転写フィルム46は、移送ローラ49により、転写プラテン31と転写ローラ33とを含む二次転写部B2まで搬送される。
[制御構成]
次に、図3を用いて、本実施形態の記録装置1における画像形成に係る制御構成について説明する。記録装置1は、ホストPC201によって操作される。記録装置1は、制御手段の一例である制御部2を有しており、制御部2は、CPU203と、ROM204と、不図示のRAMと、情報記録部205と、計算処理部206と、画像処理部207を備えている。記録装置1では、記録装置1の外部に設けられたホストPC201の操作部201aが操作され、ホストPC201から記録装置1の制御部2が有する画像処理部207に向けて、印刷指示が送信される。画像処理部207は、受信した印刷指示に基づき画像処理を実行し、画像形成制御部210に向けて画像処理を実行した結果(画像データ)を出力する。情報記録部205は、インクリボン41の製造時に関する情報を取得する情報取得手段の一例である。
画像形成制御部210は、画像処理部207から出力された画像データに基づき、記録メディア搬送制御部211と、ヘッド駆動制御部212と、フィルム搬送制御部213と、を制御する。記録メディア搬送制御部211は、カード供給部G、回転ユニットF、記録媒体搬送手段等を構成する各種モータ、ローラ、センサを制御し、カードCaを搬送する。ヘッド駆動制御部212は、入力された画像データに基づき、サーマルヘッド40の加熱制御を実行する。フィルム搬送制御部213は、転写フィルム46とインクリボン41との搬送に係る制御を実行する。
[転写フィルム]
図4(a)は、本実施形態に係る記録装置1における転写フィルム46を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す転写フィルム46のXf矢視断面図である。図3(b)に示すように、転写フィルム46は、基材461、離型層462、剥離層463、保護層464、受容層465の順に積層された積層構造を転写フィルム46の全体に亘って略一様に有している。
基材461は、ベースフィルムである。剥離層463は、加熱された際に保護層464及び受容層465を離型層462から一体に剥離するために設けられている。保護層464は、剥離した受容層465の表面を保護するために設けられている。受容層465は、インクリボン41のインクを受容するために設けられている。また、受容層465には、転写フィルム46に接触したインクリボン41を剥離する際に、剥離を促進させるために離型剤が含有されている。
[インクリボン]
図5は記録装置1で使用されるインクリボンの構成を図示したものであり、図5(a)は平面図、図5(b)は、図5(a)に示すインクリボン41のXc矢視断面図、図5(c)は、図5(a)に示すインクリボン41のXk矢視断面図である。本実施形態のインクリボン41は、図5(a)に示すようにインク層Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)が面順次に配置されたパターンを有しており、パネルは前記面順で繰り返し形成されている。再転写プリンタにおいてカラーの色再現性を考慮した場合、カラーの配置は前述の順番で行われるのが好ましい。
サーマルプリンタでIDカード等を印刷する場合、単色のインク、例えばブラックインク単色による印刷を行う場合もあるが、複数色のインクによる画像を重ねてカラー画像を生成するカラー印刷が行われる場合が多い。このようなカラー印刷で使用されるインクリボンとしては、熱昇華型の染料を色材とした熱昇華性インクを有する熱昇華性インクリボンと、熱溶融型の結着材及び色材として顔料を用いる熱溶融性インクを有する熱溶融性インクリボンと、が用いられる。
熱昇華性インクリボンは、裏面に耐熱性滑性層を設けたベースフィルムの表面に熱昇華型染料インク層を設けて構成されている。熱昇華性インクリボンは、サーマルヘッドの熱により、熱昇華型染料インク層内の昇華型染料色素を昇華させ、転写媒体の受容層に吸収させることで、転写媒体の受容層に対して熱拡散させて転写させる。熱昇華型染料インクは、サーマルヘッドにより印加する熱の調整により、受容層に対して転写される色素量が変化するため、作成画像の濃度階調を表現することができる。このため、熱昇華型染料インクからなる3種のインク(イエロー、マゼンタ、シアン)で多重記録すれば、サーマルプリンタでは、銀塩写真に近い高品位のフルカラー画像を形成することができる。このため、カラーは熱昇華型の染料を用いることが多い。また、3種のインク(イエロー、マゼンタ、シアン)で多重記録すればブラックを表現することも可能である。
溶融型顔料インクリボンは、ベースフィルムと溶融型顔料インク層で構成され、サーマルヘッドの熱により、溶融型顔料インク層のインクが溶融して転写媒体に付着することで、転写媒体に転写される。溶融型顔料インクは略完全に転写媒体に転写されるので、文字形成などに極めて高い鮮明性を発揮できる。このため、ブラックのパネルをリボンに有する場合には溶融型顔料インクを用いられる。熱昇華性インクリボンと熱溶融性インクリボンとを用いて画像を形成することにより、高品質な画像を形成することができる。
図5(a)に示すように、インクリボン41は、長手方向において、イエローのインク層Yと、マゼンタのインク層Mと、シアンのインク層Cと、ブラックのインク層Kと、が順次配置されたパターンを有している。イエローのインク層Yと、マゼンタのインク層Mと、シアンのインク層Cと、は、各色の熱昇華性インクを有している。ブラックのインク層Kは、熱溶融性インクを有している。
図5(b)に示すように、熱昇華性インクを有するイエローのインク層Yでは、ベースフィルム411上にイエローの熱昇華性インクを含む熱昇華型染料インク層414Yが形成されている。ベースフィルム411は、例えばPET製の基材からなる。なお、熱昇華性インクを有するマゼンタのインク層Mと、シアンのインク層Cにおいても、イエローのインク層Yと同じく、ベースフィルム411上に各色の熱昇華性インクを含む熱昇華型染料インク層414M,414Cが形成されている。
図5(c)に示すように、熱溶融性インクを有するブラックのインク層Kでは、ベースフィルム411上に離型層412及び剥離層413を介してブラックの熱溶融型インクを含む熱溶融型顔料のインク層414Kが形成されている。即ち、インクリボン41は、第1基材の一例であるベースフィルム411及び離型層412と、インクを含有するインク層414Kと、離型層412とインク層414Kとの間に介在されてインク層414Kを離型層412から剥離する剥離層413と、剥離層413に含まれて剥離層413の離型層412からの剥離を促進するための添加剤415と、を有する。
[インクリボンの経時変化]
ここで、インクリボンが経時変化を経た場合に発生する可能性のある現象について、詳細に説明する。まず、前提として、本実施形態の記録装置1のような再転写プリンタにおいて、高精細で高速で印刷しようとした場合のサーマルヘッド40の制御方法である予備加熱について説明する。ここでの予備加熱とは、印刷しない箇所(非印字部、非印字箇所、非画像部)においても、サーマルヘッド40を転写しない範囲で電気エネルギを与えるために駆動させるものであり、サーマルヘッド40を予め温めておいたり、印字熱を逃がさないようにする効果がある。印刷する箇所(印字部、印字箇所、画像部)では、印字階調と合わせ、環境温度が変化しても高品位な画像を形成できるようにする。高速、高解像度、低温領域での印刷では、サーマルヘッド40を予め温めておかない場合、印字時において熱量が不足して、印刷の文字が欠けたりして判読しにくくなるカスレを発生する虞がある。即ち、予備加熱とは、印刷しない箇所においてもサーマルヘッド40を転写しない範囲で電気エネルギを与えることにより、高速、高解像度、低温領域での印刷でも、カスレを抑制できるヘッド駆動の制御である。
次に、ハガレ現象とは、以下の通りである。まず、熱溶融転写記録において、印字部以外の領域に行われる予備加熱により、転写フィルム46の受容層465とインクリボン41の熱溶融転写リボンとの密着性が高まり、インクリボン41と転写フィルム46がくっついた状態となる。ここでの予備加熱は、非印字部に与える熱量のことをいう。予備加熱で投入される電気エネルギは、通常の電気エネルギよりも少ないため、熱溶融転写リボンの剥離層413の剥離温度に達してない。しかし、転写フィルム46側の剥離層463は、先に行われている熱昇華転写記録により意図せず剥離温度に到達してしまうため、インクリボン41側に転写フィルム46が持っていかれる状態が発生する。最終的に印刷された画像は、印刷予定である染料の印字部が熱溶融のインクリボン41に持っていかれているため、印字部が全体的に欠ける画像不良を発生する可能性がある。ハガレとは、このようにして発生する画像不良のことである。
次に、インクリボン41の経時変化について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。インクリボン41の熱溶融転写リボンは、図6(a)に示す構成となっている。インク層414Kは色を出す色材と転写フィルム46に付着するための樹脂等で構成され、剥離層413はサーマルヘッド40による加熱によって剥離層413と離型層412の界面で剥がれ、インク層414Kが記録媒体に転写するような材料により構成されている。よって、剥離層413には離型層412と分離し易いように剥離を助長する添加剤415が含まれている。添加剤415は、例えばシリコン樹脂などからなる。
この剥離層413に含まれる剥離を助長する添加剤415は、インクリボン41の製造後、時間の経過に連れて図6(b)に示すように、インク層414Kに移動(マイグレーション)する。そのため、インクリボン41の製造後、時間が経過したインクリボン41については、マイグレーションでインク層414Kに移動してきた剥離を助長する添加剤415の影響で、インクが記録媒体に転写し難くなり、カスレの現象が発生し易くなる可能性がある。また、マイグレーションは一定期間を経過すると飽和し、それ以上進まなくなる。
このような印字不具合を回避するために、予備加熱の熱量を上げて、印字時の投入熱量を高くする必要があるが、その場合、インクリボン41製造から長時間を経過していないものについてはハガレ現象を発生してしまう。ここでの予備加熱は、印字部に与える熱量のことをさす。よって、インクリボン41製造からの経過時間が短いものについては非印字部でハガレ現象が発生しないようにし、一方、インクリボン41製造からの経過時間が長いものについては、印字部でカスレが発生しないようにするために、印加熱量を調整する必要がある。そこで、本実施形態では、経時したインクリボン41を用いて印刷する場合は、印字部に与える熱量と非印字部に与える熱量を大きくするようにしている。
[予備加熱の詳細]
予備加熱の詳細について、図7を用いて説明する。図7は、短時間経時したインクリボン41と、長時間経時したインクリボン41とについて、印字部と非印字部との予備階調及び印字階調を示している。画像処理部207(図2参照)は、印字部と非印字部でどういうヘッド駆動をするかを決定する。印字部では予備階調と印字階調の和を計算するのに対し、非印字部では予備階調のみとなる(図8参照)。ここでは、階調=サーマルヘッド40の印加熱量と捉える。非印字部での予備階調はサーマルヘッド40を温めておく役割があり、印字するときに瞬時にインクリボン41に熱を伝えられるようにする。溶融リボンの場合は、印字階調は256階調に設定される。予備階調は最大256階調あり、ヘッド温度や環境温度で補正される。低温になるほど熱が逃げやすいため、その分補正は高くなる傾向にある。非印字部の予備階調が例えば100階調を超えると「ハガレ現象」が発生し、印字部の予備階調が70階調を下回ると、カスレが発生する。
インクリボン41は時間が経過するとマイグレーションがおき、転写し難くなる。このとき、非印字部の予備階調が120階調を超えると「ハガレ現象」が発生し、印字部の予備階調が90階調を下回ると、カスレが発生する。このため、短時間経時のインクリボン41を使用して印字部の予備階調を80階調で使用していた場合、そのままの熱量では長時間経時のインクリボン41ではカスレを発生する。逆に、長時間経時したインクリボン41で非印字部の予備階調を110階調で使用していた場合、そのままの熱量では短時間経時のインクリボン41では「ハガレ現象」を発生する。
そこで、本実施形態では、インクリボン変更による印加熱量の最適化を実現するために、長時間経時したインクリボン41を使用する場合は、印字部にかける熱量と非印字部にかける熱量を増加するように経時補正値を設定して補正する。ここでの経時補正値による補正は、階調値の補正で行う。図8(a)及び図8(b)に示すように、非印字部及び印字部のいずれも、予備階調はヘッド温度補正と環境補正と経時補正値の和となる。
図9に示すように、経時補正値は、インクリボン41の経時年数によって設定される。本実施形態では、段階的に3種の経時補正値を有するものとしている。例えば、制御部2は、インクリボン41の製造時から画像形成時までの経過時間が第1時間(1年未満)である場合に、経時補正値を0として、サーマルヘッド40がインクリボン41の画像部を加熱する温度を第1温度(例えば、80階調)とし、サーマルヘッド40がインクリボン41の非画像部を加熱する温度を第2温度(例えば、90階調)とする。そして、制御部2は、経過時間が第1時間よりも長い第2時間(1年以上2年未満)である場合に、経時補正値を+10として、サーマルヘッド40がインクリボン41の上記と同じ画像部を加熱する温度を第1温度より高い第3温度(例えば、90階調)とし、サーマルヘッド40がインクリボン41の非画像部を加熱する温度を第2温度より高い第4温度(例えば、100階調)とする。
更に、制御部2は、経過時間が第2時間よりも長い第3時間(2年以上)である場合に、経時補正値を+20として、サーマルヘッド40がインクリボン41の上記と同じ画像部を加熱する温度を第3温度より高い第5温度(例えば、100階調)とし、サーマルヘッド40がインクリボン41の非画像部を加熱する温度を第4温度より高い第6温度(例えば、110階調)とする。
尚、添加剤415のマイグレーションは一定期間を経過すると飽和し、それ以上進まなくなるので、2年以上では経時補正値を一定としている。即ち、制御部2は、経過時間が所定時間(例えば、2年)を超えた場合に、経時補正値を+20で一定として、サーマルヘッド40がインクリボン41の上記と同じ画像部を加熱する温度を第5温度以上である第1上限温度(例えば、100階調)で一定とし、サーマルヘッド40がインクリボン41の非画像部を加熱する温度を第6温度以上である第2上限温度(例えば、110階調)で一定とする。
尚、経時補正値の設定については、1年単位で変更することには限られず、例えば、半年ごとに変更するようにしてもよい。また、ここでは、1年ごとに経時補正値を10ずつ増加させて2年以上で一定としているが、これには限られず、例えば、2年未満を0とし、2年以上を+10で一定としてもよい。この場合、制御部2は、経過時間が所定時間(例えば、2年)を超えた場合に、経時補正値を+10で一定として、サーマルヘッド40がインクリボン41の上記と同じ画像部を加熱する温度を第3温度以上である第1上限温度(例えば、90階調)で一定とし、サーマルヘッド40がインクリボン41の非画像部を加熱する温度を第4温度以上である第2上限温度(例えば、100階調)で一定とする。
また、インクリボン41には使用推奨期間があり、本実施形態では使用推奨期間を超えても経時判断を実行するようにしている。但し、使用推奨期間を超えている場合は、例えば、インクリボン41の交換を促す警告を表示するようにしてもよい。
[画像形成処理]
電源がオン状態になった記録装置1は、CPU203の情報記録部205にて情報取得を行う。ここでは、装着されたインクリボン41の製造年情報と現在時刻情報を取得する。製造年情報はインクリボン41に付帯してあるチップやインクリボン41自体に形成されたバーコードから情報を読み込んでもよいし、ユーザによるバーコード読み込みや直接入力によって情報を取得してもよい。現在時刻情報は記録装置1内部の時刻情報を読み込むか、ホストPC201またはユーザの直接入力によって情報を取得してもよい。
印字指示を受けた記録装置1はCPU203の計算処理部206にて先ほど取得したインクリボン41の製造年情報と現在時刻情報の差分を計算し、インクリボン41の製造年からの経過時間を算出する。また、経過時間(年数)に応じて加える補正値(熱量)が、ROM204に記憶されている(例えば、図9参照)。
カードCaに印字するために制御部2では記録メディア搬送制御部211とヘッド駆動制御部212とフィルム搬送制御部213にて前述のモータ、ローラ、センサを駆使しカードCaの搬送、サーマルヘッド40の印加制御、転写フィルム46とインクリボン41の搬送にそれぞれ必要な制御を実施している。
次に、記録装置1のサーマルヘッド40による印字処理の流れを、図10に示すフローチャートを参照して説明する。フローチャートで示された制御プログラムは、制御部2のROM204に記憶されており、CPU203により実行される。まず、記録装置1の電源がオンされると(S1)、CPU203内の情報記録部205がインクリボン41の製造年情報を取得し(S2)、現在時刻を取得する(S3)。計算処理部206は、取得した2つの情報からインクリボン41の経過年数を計算する(S4)。計算処理部206は、経過年数が1年以上であるか否かを判断する(S5)。計算処理部206は、経過年数が1年以上でないと判断した場合は(S5のNO)、経時補正値は0として補正しない(S6)。
計算処理部206は、経過年数が1年以上であると判断した場合は(S5のYES)、ROM204に記憶されている情報から経時補正値を取得し、サブヒート(予備加熱)値に加算する(S7)。その後、印字命令が入力されたときは(S8)、印字を開始する(S9)。制御部2は、印字後、他の印字命令があるか否かを判断する(S10)。他の印字命令がある場合は(S10のYES)、印字を継続し(S9)、他の印字命令がない場合は(S10のNO)、処理を終了する。
上述したように、本実施形態の記録装置1によれば、インクリボン41の経時が長いものほど、画像部にかける熱量と非画像部にかける熱量を大きくする。これにより、インクリボン製造からの経過時間が短いものについては非印字部で「ハガレ現象」が発生しないようにし、インクリボン製造からの経過時間が長いものについては「カスレ」が発生しないようにできるので、使用するインクリボン41の製造時からの経過時間によらず、良好な品質の記録を行うことができる。
また、本実施形態の記録装置1によれば、テストパッチを印刷したり、インクリボン41の物性などを直接調べることなく、経時的な判断でサーマルヘッド40の加熱温度を制御しているので、生産性を低下させることなく簡易に高品質を維持することができる。
<他の実施形態>
上述の実施形態では、経時補正値を利用する補正処理を熱溶融性インクリボンに対する制御として適用した場合について説明したが、これには限られず熱昇華性インクリボンに適用してもよい。
1…記録装置、2…制御部(制御手段)、40…サーマルヘッド、41…インクリボン、46…転写フィルム、205…情報記録部(情報取得手段)、411…ベースフィルム(第1基材)、412…離型層(第1基材)、413…剥離層、414K…インク層、415…添加剤、B2…二次転写部、Ca…カード(記録媒体)

Claims (4)

  1. 第1基材と、インクを含有するインク層と、前記第1基材と前記インク層との間に介在されて前記インク層を前記第1基材から剥離する剥離層と、前記剥離層に含まれて前記剥離層の前記第1基材からの剥離を促進するための添加剤と、を有するインクリボンと、
    転写フィルムと、
    前記インクリボンを加熱することにより、前記インク層のインクを前記転写フィルムに一次転写して、画像部及び非画像部を有する画像を形成するサーマルヘッドと、
    前記転写フィルムに形成された画像を記録媒体に二次転写する二次転写部と、
    前記サーマルヘッドの温度を制御する制御手段と、
    前記インクリボンの製造時に関する情報を取得する情報取得手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記インクリボンの製造時から画像形成時までの経過時間が第1時間である場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を第1温度とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を第2温度とし、
    前記経過時間が前記第1時間よりも長い第2時間である場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を前記第1温度より高い第3温度とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を前記第2温度より高い第4温度とする、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記経過時間が所定時間を超えた場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を前記第3温度以上である第1上限温度で一定とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を前記第4温度以上である第2上限温度で一定とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記経過時間が前記第2時間よりも長い第3時間である場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を前記第3温度より高い第5温度とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を前記第4温度より高い第6温度とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記経過時間が所定時間を超えた場合に、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記画像部を加熱する温度を前記第5温度以上である第1上限温度で一定とし、前記サーマルヘッドが前記インクリボンの前記非画像部を加熱する温度を前記第6温度以上である第2上限温度で一定とする、
    ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
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