JP2011000749A - 印刷装置および熱転写印画方法 - Google Patents

印刷装置および熱転写印画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱転写による印画を行う場合に、高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーに違いがあっても、その違いに起因する被記録媒体上での画像濃度境界での凹凸発生を抑制する。
【解決手段】被記録媒体1を搬送する媒体搬送部12,15a,15bと、色材層と保護層とが走行方向に並んで形成された熱転写シート16を走行させるシート走行部17a,17bと、前記被記録媒体1および前記熱転写シート16を挟持した状態で熱エネルギーを印加して当該被記録媒体1上に前記色材層および前記保護層を順に熱転写する印画部13,14と、前記被記録媒体1および前記熱転写シート16に対する挟持力について、前記色材層を熱転写する場合の力P1と前記保護層を熱転写する場合の力P2とが力P1<力P2の関係となるように、当該挟持力を可変させる圧力可変機構部と、を備える印刷装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写による印画を行う印刷装置および当該印刷装置で用いられる熱転写印画方法に関する。
近年、ディジタルカメラの普及に伴い、高画質で銀塩写真に匹敵する写真プリントへの要望が拡大している。このような写真プリントへの要望に応える印刷技術としては、例えば昇華方式、熱溶融方式または感熱方式といった熱転写方式による印刷技術が知られている。
熱転写方式による印刷技術では、例えば昇華方式のものであれば、サーマルヘッドに対して画像信号により制御された熱エネルギーを加え、その熱エネルギーに応じて熱転写シート上の色材(染料インク)を昇華させる。そして、昇華させた色材を被記録媒体上に転写することで、当該被記録媒体上への印画を行うようになっている。このような印刷技術によれば、使用する色材が染料インクであることから非常に鮮明であり、透明性に優れている。また、印加する熱量を細かく制御することでインク量の調節ができるため、得られる画像は中間色の再現性や階調性等に優れたものとなる。つまり、銀塩写真に匹敵する画像を形成することが可能である。
熱転写方式による印刷に用いられる被記録媒体については、色材を受容する染料受容層の他に、断熱機能を付与した空隙層を中間層として設けることが、一般的に知られている。空隙層は、サーマルヘッドからの熱を保持し、色材転写に必要な熱エネルギーを高効率で得ることを目的としている。そのため、空隙層としては、例えば、熱可塑性樹脂に微細粒子を添加し二軸延伸することで空隙を設けたフィルムや、中空粒子をバインダー樹脂と混合して塗布形成された層が用いられる。
具体的には、空隙層に用いるフィルムとして、特定の比重を持つポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)フィルムを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、芯材層の少なくとも一面に、中空粒子を含有するクッション層および熱可塑性樹脂フィルム層が順次積層されたシート状支持体と、その熱可塑性樹脂フィルム層上に形成された画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、熱可塑性樹脂フィルム層を、接着剤層を介してクッション層上に積層することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、木材パルプ、合成パルプを主体としたパルプ紙からなる支持体の上に、加熱時に熱転写媒体から熱溶融または昇華により移行する染料を受容する受像層を設けた熱転写用受像シートにおいて、支持体と受像層との間に中間層を設けてなり、その中間層が球状中空粒子とゴム弾性体微粒子を主成分とすることが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。また、シート状支持体の少なくとも片面上に、隔壁が重合体材料により形成され、かつ内側に気孔を有する中空粒子を含有する中間層、画像受容層とを順次積層した熱転写受容シートにおいて、中間層が、中空粒子として、ガラス転移温度が130℃以上である重合体材料により隔壁の形成された中空粒子を少なくとも含有することが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2004−181888号公報 特開2005−169945号公報 特開平8−80685号公報 特開2006−96024号公報
ところで、例えば昇華式熱転写印刷方式では、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色成分の昇華性染料を、サーマルヘッドから印加される熱エネルギーによって昇華させて、染料受容層を有した被記録媒体上へ印画すべき画像を形成する。このことから、高濃度画像部分には相対的に多量の熱エネルギーが供給されることなり、低濃度画像部分には少量の熱エネルギーが供給されることとなる。
その一方で、画像が形成される被記録媒体には、上述したように、染料受容層の他に、空隙層(または中間層)が設けられている。ただし、被記録媒体に設けられている空隙層は、概して耐熱性に優れていない。このことは、上記特許文献1〜4に開示されたいずれの構成についても共通する。
したがって、空隙層が設けられた被記録媒体上への印画を行う場合には、色材転写時のサーマルヘッドからの熱エネルギーおよび当該サーマルヘッドから付与される圧力によって、当該空隙層の部分につぶれが発生してしまうおそれがある。そして、当該空隙層に発生し得るつぶれ量は、熱エネルギーの大小に比例する。
このことから、印画後の被記録媒体は、例えば高濃度画像部分のつぶれが大きく、低濃度画像部分のつぶれは少ないといったように、画像濃度の境界で凹凸が存在するものとなってしまうことが考えられる。このような凹凸は、印刷画像の高画質化を損ねるものであるため、その発生を抑制すべきである。
そこで、本発明は、熱転写による印画を行う場合に、高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーに違いがあっても、その違いに起因する被記録媒体上での画像濃度境界での凹凸発生を抑制することのできる印刷装置および熱転写印画方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された印刷装置で、被記録媒体を搬送する媒体搬送部と、シート上に色材層と保護層とが走行方向に並んで形成された熱転写シートを走行させるシート走行部と、前記被記録媒体および前記熱転写シートを挟持した状態で熱エネルギーを印加して、当該被記録媒体上に前記色材層および前記保護層を順に熱転写する印画部と、前記被記録媒体および前記熱転写シートに対する挟持力について、前記色材層を熱転写する場合の力P1と前記保護層を熱転写する場合の力P2とが力P1<力P2の関係となるように、当該挟持力を可変させる圧力可変機構部とを備える印刷装置である。
上記構成の印刷装置では、被記録媒体上への色材層の熱転写後に、当該被記録媒体上への保護層の熱転写を行う。このとき、色材層の熱転写時には高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーの大小が生じるが、保護層の熱転写時には被記録媒体上の全面で均一な熱転写を行う。しかも、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とは、力P1<力P2の関係にある。したがって、色材層の熱転写時に高濃度画像部分と低濃度画像部分との境界で凹凸が発生しても、その凹凸は、保護層の熱転写時に与える熱エネルギーおよび挟持力によって平滑化されることになる。また、当該平滑化を保護層の熱転写時に行うので、色材層および保護層の熱転写とは別に当該平滑化のための処理ステップが必要になることもない。
本発明によれば、色材層の熱転写時に被記録媒体上に発生し得る凹凸に対して、保護層の熱転写時に平滑化を行う。したがって、熱転写による印画を行う場合に、色材層の熱転写時において高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーに違いがあっても、その違いに起因する画像濃度境界での凹凸発生を抑制することができる。しかも、保護層の熱転写時に平滑化を行うので、熱転写による印画の生産性低下を招いてしまうこともない。
本発明が適用されるプリンタ装置の概略構成例を模式的に示す側断面図である。 本発明が適用されるプリンタ装置の要部構成例を示す説明図である。 本発明が適用されるプリンタ装置において被記録媒体として用いられるロール紙の構成例を具体的に示す説明図である。 本発明が適用されるプリンタ装置における処理動作例の概要を示す説明図(その1)である。 本発明が適用されるプリンタ装置における処理動作例の概要を示す説明図(その2)である。 熱転写後の被記録媒体の表面状態の一具体例を模式的に示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態における処理動作例の概要を示す説明図である。 本発明が適用されたプリンタ装置にて得られる印画物の凹み評価結果および絹目調画像評価結果の一具体例を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(印刷装置の概略構成例、印刷装置の要部構成例、被記録媒体の構成例、印刷装置における処理動作例)
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.具体的な実施例
<1.第1の実施の形態>
[印刷装置の概略構成例]
先ず、本発明が適用される印刷装置の概略構成について、昇華式サーマルプリンタ装置を例に挙げて説明する。
昇華式サーマルプリンタ装置(以下、単に「プリンタ装置」という。)は、サーマルヘッド内の発熱素子に通電したときの発熱エネルギーを利用して、インクリボンに塗布された昇華性染料インクを昇華させ、被記録媒体上に転写させて印画するように構成されている。被記録媒体としては、ロール紙が用いられる。ロール紙は、ロール形状を成して給紙カセットにセットされており、必要に応じてそこから引き出して搬送されるようになっている。
図1は、本発明が適用されるプリンタ装置の概略構成例を模式的に示す側断面図である。
図例のプリンタ装置において、ロール紙1は、給紙カセット11内に収納されている。この状態で、給紙ローラ12を回転駆動させると、給紙カセット11内からロール紙1が繰り出され、当該給紙カセット11の給紙口11aから排出されることになる。
給紙口11aから排出されたロール紙1は、プラテン13とサーマルヘッド14との間を通過しつつ、グリップローラ15aおよびピンチローラ15bによって搬送されることになる。つまり、ロール紙1を繰り出す給紙ローラ12、繰り出されたロール紙1を搬送するグリップローラ15aおよびピンチローラ15bは、当該ロール紙1についての搬送を行う媒体搬送部として機能することになる。
なお、給紙カセット11の給紙口11aからプラテン13とサーマルヘッド14との間へ至る搬送経路には、ロール紙1の搬送方向を折り返して反転させる折り返し部を組み込むことが考えられる。この折り返し部を組み込むことにより、プリンタ装置内の限定されたスペースを有効に活用することができる上、給紙カセット11や排紙トレイ等を同じ向き(装置前面側)に配置することが可能となり、操作性を向上させることができる。また、折り返し部の経路をロール紙1の巻き癖方向とは逆方向に湾曲したものとすれば、当該ロール紙1がここを通過することで、当該ロール紙1に対してカール矯正が施されることにもなる。
また、プラテン13とサーマルヘッド14との間は、ロール紙1の他に、インクリボン16も通過する。
インクリボン16は、基材となるシート上に、イエロー、マゼンタおよびシアンといったインク色毎に色分けされた色材(染料インク)層と、ラミネート処理のための保護層とが、当該インクリボン16の走行方向に並んで配されてなる。つまり、インクリボン16は、シート上に色材層と保護層とが走行方向に並んで形成された熱転写シートとして機能する。
このようなインクリボン16は、リボンカセットに収められており、供給リール17aから引き出されると、各ガイドローラに導かれて、プラテン13とサーマルヘッド14との間を通り、巻取りリール17bへ順次給送されるようになっている。つまり、インクリボン16の供給リール17aおよび巻取りリール17bは、当該インクリボン16を走行させるシート走行部として機能することになる。
そして、非印画時はサーマルヘッド14が上昇しておりプラテン13から少し離れて位置しているが、印画の際は、印画指令の入力に応じて、上昇していたサーマルヘッド14が下降してプラテン13の側へ接近する。これにより、サーマルヘッド14およびプラテン13は、ロール紙1とインクリボン16とを合わせて挟持するとともに、これらを当該サーマルヘッド14が当該プラテン13に圧接させた状態となる。
ここで、サーマルヘッド14には、複数の発熱素子(発熱抵抗体)がライン状に、ロール紙1の幅方向(ライン方向)に配列されている。したがって、サーマルヘッド14およびプラテン13がロール紙1とインクリボン16とを合わせて挟持すると、当該サーマルヘッド14の発熱抵抗体は、プラテン13上で、インクリボン16を介して、ロール紙1に圧接されることになる。
この状態で、印画する画像についての画像データが入力されると、グリップローラ15aの回転駆動により、ロール紙1が順次搬送される。また、巻取りリール17bの回転駆動により、ロール紙1と同じ速さでインクリボン16が順次巻き取られる。同時に、サーマルヘッド14に配列された発熱抵抗体が駆動制御信号によって選択的に通電駆動され、当該発熱抵抗体からインクリボン16に熱エネルギーが付与される。すると、サーマルヘッド14の発熱抵抗体の発熱量に応じて、インクリボン16上の染料インクが昇華され、ロール紙1上に熱転写されることになる。
これを転写する各層毎に繰り返すことによって、ロール紙1上へのカラー印画が行われる。つまり、色毎に色分けされた各色の色材層と、ラミネート処理のための保護層とが、順次ロール紙1上に熱転写されて、当該ロール紙1上に画像を形成するのである。
このように、ロール紙1には、サーマルヘッド14およびプラテン13からなる印画部の動作によって、当該ロール紙1上へのカラー印画が行われるようになっている。
そして、印画済みのロール紙1は、カッターによって印画部分が所定サイズにカットされ、排出口から排出トレイ上へ排出される。
[印刷装置の要部構成例]
続いて、以上のようなプリンタ装置の要部構成例として、サーマルヘッド14を含むヘッド機構部の構成例を説明する。
図2は、本発明が適用されるプリンタ装置の要部構成例を示す説明図である。
図例のヘッド機構部では、サーマルヘッド14が、ヘッド支持板21に取り付けられている。
ヘッド支持板21は、図示せぬベース部材に突設された支持軸23によって揺動可能に支持されている。そして、その一端側にサーマルヘッド14が取り付けられているとともに、他端側にはコイルバネ24が連結している。
また、支持軸23には、ヘッド支持板21に加えて、ヘッド加圧板22が揺動可能に支持されている。そして、ヘッド加圧板22の一端側には、コイルバネ24が連結している。このコイルバネ24の付勢力によって、ヘッド支持板21は、ヘッド加圧板22に追従して揺動するようになっている。
さらに、ヘッド加圧板22には、ヘッド駆動カム25におけるカム溝26に嵌合してガイドされるピン27が設けられている。
ヘッド駆動カム25は、図示せぬ駆動源によって回転駆動される。このヘッド駆動カム25に形成されているカム溝26は、ヘッド駆動カム25の回転角に応じて当該ヘッド駆動カム25の回転中心からの距離が変化するようなプロファイルを有している。
したがって、ヘッド加圧板22のピン27をヘッド駆動カム25のカム溝26に沿わせた状態で当該ヘッド駆動カム25を回転させると、当該ヘッド加圧板22は、支持軸23を中心として揺動する。さらに、ヘッド加圧板22に追従するように、ヘッド支持板21についても、支持軸23を中心として揺動する。これにより、ヘッド支持板21は、その一端側に取り付けられたサーマルヘッド14を上下に変位させることになる。つまり、ヘッド駆動カム25の回転を通じて、サーマルヘッド14のプラテン13側へ下降、またはプラテン13から離れた位置への上昇が、動作制御される構造となっている。
サーマルヘッド14がプラテン13側へ下降した際には、これらがロール紙1とインクリボン16とを挟持することになる。このときの挟持力、すなわちサーマルヘッド14のプラテン13側への押圧力は、ヘッド支持板21とヘッド加圧板22とを連結するコイルバネ24の変形量(撓み量)に依存して特定される。このコイルバネ24の変形量は、詳細を後述するように、ヘッド駆動カム25の回転を通じて制御されるようになっている。
なお、ここでは、ヘッド機構部がヘッド駆動カム25を備えた構造である場合を例に挙げたが、サーマルヘッド14の上下動作および当該サーマルヘッド14による押圧力を制御可能であれば、他の構造によってヘッド機構部を構成しても構わない。他の構造としては、その一例として、電磁ソレノイド等の駆動源を用いてサーマルヘッド14を直接的に上下動させる構造が挙げられる。
[被記録媒体の構成例]
次いで、以上のような構成のプリンタ装置において、被記録媒体として用いられるロール紙1について、その構成例を簡単に説明する。
図3は、被記録媒体として用いられるロール紙の構成例を具体的に示す説明図である。
図3(a)に示すように、被記録媒体として用いられるロール紙1は、基材となる支持体2上に、少なくとも色材(染料インク)を受容する染料受容層3が形成されてなる。そして、支持体2と染料受容層3との間には、断熱機能を付与した空隙層が中間層4として設けられている。中間層4は、サーマルヘッド14からの熱を保持し、色材層転写に必要な熱エネルギーを高効率で得ることを目的としている。このことから、中間層4としては、例えば、熱可塑性樹脂に微細粒子を添加し二軸延伸することで空隙を設けたフィルムや、中空粒子をバインダー樹脂と混合して塗布形成された層が用いられる。
このような構成のロール紙1は、以下に述べる手順によって形成することが考えられる。先ず、支持体2として、例えば厚さ150μmのアート紙を使用する。そして、その片面に、例えば図3(b)に示す組成の中間層塗工液を、固形分塗工量が40g/m2となるよう塗工乾燥させて、中間層4を形成する。さらには、中間層4を塗工乾燥後の基材に対し、例えば図3(c)に示す組成の染料受容層塗工液を、固形分塗工量が5g/m2となるよう塗工乾燥させた後、50℃で48時間硬化させて、染料受容層3を形成する。
なお、被記録媒体として用いられるロール紙1は、上述した構成のものに限定されることはなく、昇華性染料インクの熱転写に対応可能なものであれば、他の構成によるものであっても構わない。
[印刷装置における処理動作例]
次に、以上のような構成のプリンタ装置における処理動作例について説明する。
図4〜5は、本発明が適用されるプリンタ装置における処理動作例の概要を示す説明図である。
図4(a)は、サーマルヘッド14がプラテン13から離れた位置へ上昇している状態を示している。この状態からヘッド駆動カム25を回転させると、ヘッド加圧板22のピン27の位置が当該ヘッド駆動カム25のカム溝26に沿って制御され、当該ヘッド駆動カム25の回転中心に近づく方向へ変位する。この変位に応じてヘッド加圧板22が揺動すると、コイルバネ24の付勢力によって、ヘッド加圧板22も追従して揺動する。これにより、ヘッド支持板21は、サーマルヘッド14がプラテン13側へ近づく方向へ揺動することになる。
図4(b)は、インクリボン16の頭出しの状態を示している。インクリボン16上では、シート上に色材層と保護層とが走行方向に並んで形成されている。したがって、サーマルヘッド14をプラテン13側へ下降させ、これらによってロール紙1とインクリボン16とを合わせて挟持する場合には、当該挟持に先立って、転写すべき色材層または保護層についての頭出しを行うのである。このような頭出しを、各色材層または保護層のそれぞれについて行うことで、当該頭出しに続けて行う転写対象がどの色材層なのか、または保護層なのかが明確になる。なお、頭出しは、例えばインクリボン16上に配されたインデックスマークを利用するといったように、公知の技術を用いて行えばよい。
図4(c)は、サーマルヘッド14が下降してプラテン13の外周面に到達した状態を示している。この状態までは、ヘッド駆動カム25の回転に追従してヘッド支持板21が揺動することになる。そして、サーマルヘッド14がプラテン13の外周面に到達することで、ロール紙1とインクリボン16とが挟持されることになる。
図5(a)は、インクリボン16からロール紙1に対して、イエロー、マゼンタまたはシアンといった色材層の転写を行う場合の状態を示している。この状態では、図4(c)に示した状態から、さらにヘッド駆動カム25を所定量だけ回転させている。このとき、ヘッド加圧板22は、ヘッド駆動カム25の回転量に応じて揺動する。ただし、サーマルヘッド14が既にプラテン13の外周面に到達していることから、ヘッド駆動カム25を回転させても、ヘッド支持板21は、それ以上揺動することができない。そのため、ヘッド駆動カム25を所定量だけ回転させると、ヘッド支持板21とヘッド加圧板22とで揺動角に違いが生じ、この分だけ両者を連結するコイルバネ24に変形(撓み)が生じることになる。このようにして、コイルバネ24に変形が生じると、フックの法則に基づき、当該変形の量に応じた押圧力が、ヘッド支持板21に取り付けられたサーマルヘッド14に加わることになる。つまり、サーマルヘッド14には、コイルバネ24の変形量に応じた圧力が加わるのである。
このときのサーマルヘッド14による押圧力、すなわちロール紙1およびインクリボン16に対する挟持力を、色材層を熱転写する場合の「力P1」という。力P1は、プリンタ装置の仕様、さらに詳しくはサーマルヘッド14における発熱素子や使用するロール紙1等に応じて、予め設定されているものとする。具体的には、例えば力P1=1.2MPaとなるように設定することが考えられる。なお、ここで挙げた力P1の設定値は、一具体例に過ぎず、これに限定されないことは勿論である。
図5(b)は、インクリボン16からロール紙1に対して、ラミネート処理のための保護層の転写を行う場合の状態を示している。この状態では、図5(a)に示した状態から、さらにヘッド駆動カム25を所定量だけ回転させている。つまり、色材層を熱転写する場合に対して、さらにヘッド駆動カム25を回転させているのである。これにより、ヘッド支持板21はそれ以上揺動できないのに対して、ヘッド加圧板22がさらに揺動することになり、これらを連結するコイルバネ24の変形量がさらに増大することになる。したがって、保護層の転写時には、フックの法則に基づき、色材層の転写時に比べて、さらに大きな圧力がサーマルヘッド14に加わるのである。
このときのサーマルヘッド14による押圧力、すなわちロール紙1およびインクリボン16に対する挟持力を、保護層を熱転写する場合の「力P2」という。力P2は、力P1<力P2の関係となるように、予め設定されているものとする。ただし、その設定値は、保護層転写時にロール紙1等の悪影響を与えない(例えば、値ところを上限とする(必要以上にロール紙1を潰さない、ロール紙1の走行に支障を来さない等)範囲を上限とする。具体的には、例えば力P1=1.8MPaとなるように設定することが考えられる。なお、ここで挙げた力P2の設定値についても、力P1の設定値と同様に、一具体例に過ぎず、これに限定されないことは勿論である。
以上のように、色材層を熱転写する場合と保護層を熱転写する場合とでは、サーマルヘッド14による押圧力を相違させる。そして、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とが、力P1<力P2の関係となるようにする。つまり、色材層転写時と保護層転写時とで、力P1<力P2となるように、ロール紙1およびインクリボン16に対する挟持力を可変させるのである。
ロール紙1およびインクリボン16に対する挟持力の可変は、ヘッド駆動カム25の回転制御を通じて行う。つまり、色材層転写時と保護層転写時とでヘッド駆動カム25の回転角を相違させることにより、ロール紙1およびインクリボン16に対する挟持力を可変させるのである。したがって、ヘッド駆動カム25を回転駆動する駆動源および当該駆動源の駆動を制御するコントローラは、当該挟持力を可変させる圧力可変機構部として機能することになる。
図6は、熱転写後の被記録媒体の表面状態の一具体例を模式的に示す説明図である。
図6(a)は、色材層を熱転写した後におけるロール紙1の表面状態を模式的に示している。既に説明したように、色材層の熱転写時には、高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーの大小が生じる。したがって、色材層の熱転写後においては、例えば高濃度画像部分のつぶれが大きく、低濃度画像部分のつぶれは少ないといったように、画像濃度の境界で凹凸が発生してしまうおそれがある。
色材層の熱転写後には、続いて、保護層についての熱転写を行う。
図6(b)は、一般的な手法で保護層を熱転写した後におけるロール紙の表面状態を模式的に示している。保護層の熱転写時には、ロール紙1に対して、サーマルヘッド14からの熱エネルギーおよび当該サーマルヘッド14からの加圧力が付与される。このとき、一般的には、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とが、力P1=力P2の関係にある。したがって、保護層についての熱転写を行っても、色材層の熱転写時に生じた凹凸は、多少緩和されることはあっても、ロール紙1上から完全に消え去ることはない。
図6(c)は、本実施形態で説明する手法で保護層を熱転写した後におけるロール紙1の表面状態を模式的に示している。本実施形態で説明する手法では、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とが、力P1<力P2の関係にある。色材層の熱転写時に発生した凹凸は、保護層の熱転写時に与える熱エネルギーおよび挟持力によって平滑化されることになる。つまり、保護層の熱転写時に凹凸の平滑化処理をも行うことによって、上述した一般的な手法の場合に比べて、当該凹凸の発生を大幅に抑制することができるのである。
以上に説明したように、本実施形態におけるプリンタ装置では、ロール紙1上への色材層の熱転写後に、当該ロール紙1上への保護層の熱転写を行う。このとき、色材層の熱転写時には高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーの大小が生じるが、保護層の熱転写時には被記録媒体上の全面で均一な熱転写を行う。しかも、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とは、力P1<力P2の関係にある。したがって、色材層の熱転写時に高濃度画像部分と低濃度画像部分との境界で凹凸が発生しても、その凹凸は、保護層の熱転写時に与える熱エネルギーおよび挟持力によって平滑化されることになる。また、当該平滑化を保護層の熱転写時に行うので、色材層および保護層の熱転写とは別に当該平滑化のための処理ステップが必要になることもない。
つまり、本実施形態におけるプリンタ装置によれば、色材層の熱転写時にロール紙1上に発生し得る凹凸に対して、保護層の熱転写時に平滑化を行う。したがって、熱転写による印画を行う場合に、色材層の熱転写時において高濃度画像部分と低濃度画像部分とで印加する熱エネルギーに違いがあっても、その違いに起因する画像濃度境界での凹凸発生を抑制することができる。しかも、保護層の熱転写時に平滑化を行うので、熱転写による印画の生産性低下を招いてしまうこともない。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。ただし、ここでは、主として、上述した第1の実施の形態との相違点を説明する。
例えば、写真プリントに関しては、その付加価値を高める手法の一つとして、絹目調仕上げが挙げられる。銀塩写真における絹目調仕上げとは、表面に微細な凹凸を設けることで光の散乱を発生させて正反射光を減少させるものであり、表面のミクロ的な光沢を維持しつつ写像性を低下させることでより高級感のある画像を得るものである。絹目調仕上げは、特にポートレートサイズ等の大判写真への高級感付与に有効な手段であり、昇華式熱転写印刷方式においても絹目調仕上げへの対応が求められている。
このような要望に応えるべく、絹目調仕上げに対応した昇華式熱転写印刷技術として、例えば保護層に加熱条件下で表面が凹凸形状を有するエンボス版を型押しすることが提案されている(例えば、特開2006−182012号公報参照。)。しかしながら、本技術では、エンボス版を型押しするために、プリンタ装置とは別の大掛かりな構成や当該プリンタ装置による印画とは別工程等を必要としてしまい、コスト面や生産性等の点で難がある。
また、他の昇華式熱転写印刷技術として、例えば保護層の形成材料に粒径が5〜20μm程度の未膨張合成熱可塑性高分子微小球体を含有しておき、当該保護層を転写する際の加熱時に当該微小球体の粒径を20〜120μm程度に膨張させることが提案されている(例えば、特開2000−153674号公報参照。)。しかしながら、本技術では、絹目調仕上げに必要な表面の凹凸が得られるとは限らず、銀塩写真並みの絹目調を得ることができない。また、保護層に微小球体を含むことから、艶消面が常に付与されることとなり、状況に応じた光沢仕上げ像、絹目調仕上げの使い分けができない。
さらに他の昇華式熱転写印刷技術として、例えば熱可塑性樹脂と無機層状化合物とからなる保護層を用い、熱転写時の加熱量を可変制御して、当該保護層の表面光沢量を可変させることが提案されている(例えば、特開2004−106260号公報参照。)。しかしながら、本技術では、表面に光沢の差が生じているのみで、絹目調仕上げに必要な表面の凹凸が得られておらず、結果として銀塩写真並みの絹目調を得ることができない。
これらのことを鑑み、ここで説明する第2の実施の形態では、コスト面や生産性等を損なうことなく、銀塩写真並みの絹目調を確実に得ることを実現可能にする。そのために、第2の実施の形態におけるプリンタ装置では、第1の実施の形態で説明したように、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とを、力P1<力P2の関係にすることに加え、以下のような処理動作を行うようになっている。
図7は、本発明の第2の実施の形態における処理動作例の概要を示す説明図である。
本実施形態におけるプリンタ装置では、保護層を熱転写する場合に、サーマルヘッド14から与える熱エネルギーを、選択的に変化させる。具体的には、図例のように、ライン状に配列されたサーマルヘッド14の各発熱抵抗体に対して、所定数(例えば、一つ。)毎に低熱エネルギー印加部分と高熱エネルギー印加部分とが交互に存在するように通電駆動を行う。さらには、各発熱抵抗体に対して、ロール紙1およびインクリボン16が所定量だけ送られる都度、低熱エネルギー印加状態と高熱エネルギー印加状態とが繰り返されるように、通電駆動の切り換えを行う。このようにして、保護層を熱転写する場合における主走査方向および副走査方向のそれぞれについて、低熱エネルギー印加部分と高熱エネルギー印加部分とが所定パターン(例えば、格子状パターン)で混在するように、サーマルヘッド14からの熱エネルギーを選択的に変化させるのである。
サーマルヘッド14から与える熱エネルギーの選択的な変化は、当該サーマルヘッド14における発熱抵抗体に対する通電駆動制御を通じて行えばよい。すなわち、発熱抵抗体に対する通電を行う際の駆動電圧値を切り換えることで、当該発熱抵抗体が発生させる熱エネルギーを変化させるようにする。したがって、サーマルヘッド14における発熱抵抗体に対する通電駆動制御を行う制御コントローラは、当該サーマルヘッド14からの熱エネルギーを選択的に変化させる印画制御部として機能することになる。
発熱抵抗体に対する駆動電圧値は、低熱エネルギー印加状態と高熱エネルギー印加状態とのそれぞれについて、予め設定されているものとする。具体的には、保護層を熱転写可能な電圧値を下限値とし、熱転写後の表面状態にダメージを与えることのない電圧値を上限値とする範囲内で、低熱エネルギーと高熱エネルギーとのそれぞれにつき、互いに相違する少なくとも二つの駆動電圧値を適宜設定することが考えられる。
このようにして、サーマルヘッド14における発熱抵抗体の熱エネルギーを選択的に変化させると、保護層の熱転写後のロール紙1の表面上には、凹凸パターンが形成されることになる。熱エネルギーの大小に比例して、ロール紙1のつぶれ量が相違するからである。すなわち、ロール紙1上には、低熱エネルギー印加部分と高熱エネルギー印加部分との混在パターンに対応した凹凸パターンが形成されるのである。この凹凸パターンは、絹目調仕上げのために表面に形成された微細な凹凸に相当する。
ところで、色材層を熱転写する場合の力P1と、保護層を熱転写する場合の力P2とは、力P1<力P2の関係にある。したがって、保護層を熱転写する場合におけるロール紙1のつぶれ量は、力P1=力P2の関係にある場合に比べて増大する。
このことは、保護層転写時のロール紙1のつぶれ量増大を通じて、当該保護層転写時における凹凸パターンの形成について、その容易化が図れることを意味する。つまり、保護層転写時のサーマルヘッド14による加圧力を上げることで、より鮮明な絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成することが可能となるのである。
以上に説明したように、本実施形態におけるプリンタ装置では、保護層転写時のサーマルヘッド14の加圧力を上げつつ、当該サーマルヘッド14からの熱エネルギーを選択的に変化させて、ロール紙1上に絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成する。そのため、色材層熱転写時に発生し得る凹凸に対する平滑化が可能になることに加え、保護層転写時に鮮明な絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成することが可能となる。つまり、色材層熱転写時の凹凸発生有無に拘らず、保護層転写時に絹目調仕上げのための凹凸パターンを確実に形成することができる。
したがって、本実施形態におけるプリンタ装置によれば、絹目調仕上げに必要な表面の凹凸を得られるので、結果として銀塩写真並みの絹目調を実現することが可能になる。しかも、そのために大掛かりな構成や別工程等を必要とすることがなく、コスト面や生産性等の点でも好適なものとなる。さらには、保護層転写時における熱エネルギー制御を通じて絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成するので、状況に応じた光沢仕上げ像、絹目調仕上げ等の使い分けも容易に実現することが可能となる。
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。ただし、ここでは、主として、上述した第2の実施の形態との相違点を説明する。
第3の実施の形態で説明するプリンタ装置では、第2の実施の形態で説明したように、保護層転写時におけるサーマルヘッド14からの熱エネルギーを選択的に変化させることに加えて、以下のような処理動作を行うようになっている。すなわち、本実施形態におけるプリンタ装置では、保護層を熱転写する場合のロール紙1の搬送速度を、色材層を熱転写する場合のロール紙1の搬送速度よりも遅くする。
ロール紙1の搬送速度は、当該ロール紙1を搬送するグリップローラ15aおよびピンチローラ15bに対する駆動制御を通じて、その速さを切り換えるようにすればよい。すなわち、グリップローラ15aおよびピンチローラ15bを駆動する際の回転速度を切り換えることで、ロール紙1の搬送速度を可変させるようにする。したがって、グリップローラ15aおよびピンチローラ15bを回転駆動する駆動源および当該駆動源の駆動を制御するコントローラは、ロール紙1の搬送速度を可変させる搬送制御部として機能することになる。
また、ロール紙1の搬送速度は、色材層転写時と保護層転写時とのそれぞれにについて、予め設定されているものとする。例えば、色材層転写時の搬送速度については、印画の生産性を考慮して、0.7msec/lineという値に設定することが考えられる。また、保護層転写時の搬送速度については、十分な絹目効果が得られる速度として、3.0〜5.0msec/lineの範囲に属する値、好ましくは4.0msec/lineという値に設定することが考えられる。ただし、ここで挙げた設定値は、一具体例に過ぎず、これに限定されないことは勿論である。
なお、色材層転写時および保護層転写時には、ロール紙1に加えてインクリボン16についても、サーマルヘッド14とプラテン13との間を移動する。したがって、インクリボン16の走行速度についても、ロール紙1の搬送速度可変に合わせて変化させるようにする。インクリボン16の走行速度可変は、供給リール17aおよび巻取りリール17bを駆動する際の回転速度を切り換えることで行えばよい。
このようにして、ロール紙1の搬送速度を可変させて、保護層を熱転写する場合の搬送速度を、色材層を熱転写する場合の搬送速度よりも遅くすると、色材層転写時に比べて保護層転写のために多くの時間を費やせるようになる。つまり、保護層転写時の搬送速度を遅くせずに色材層転写時と同一である場合に比べて、保護層転写のための時間を増大させることが可能になる。
熱転写のための時間増大が可能になると、サーマルヘッド14からは、単位時間あたりの熱エネルギー量の増大を招くことなく、多くの熱エネルギーを与え得るようになる。したがって、保護層転写のための時間を増大させれば、色材層転写時に比べて多くの熱エネルギーを与え得るようになるので、鮮明な絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成することが可能となる。しかも、単位時間あたりの熱エネルギー量が過大になってしまうことがないので、保護層転写時にロール紙1の表面にダメージを与えてしまうおそれもない。さらには、保護層転写時にのみロール紙1の搬送速度を遅くするので、色材層転写時と保護層転写時との両方を遅くする場合に比べて、印画の生産性低下を抑制することができる。
以上に説明したように、本実施形態におけるプリンタ装置では、保護層転写時のロール紙1の搬送速度を色材層転写時より遅くすることで、速度可変を行わない場合に比べて保護層転写時の総熱エネルギーを増大させるようになっている。したがって、速度可変を行わない場合に比べて、より一層鮮明な絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成することが可能となり、その結果として銀塩写真並みの絹目調を実現することが可能になる。しかも、そのために印画後の表面にダメージが及ぶことがなく、また印画の生産性が極端に悪化することもない。
<4.具体的な実施例>
ここで、上述した第1〜第3の各実施形態で説明したプリンタ装置にて得られる印画物の凹み評価結果および絹目調画像評価結果について、具体例を挙げて説明する。
図8は、本発明が適用されたプリンタ装置にて得られる印画物の凹み評価結果および絹目調画像評価結果の一具体例を示す説明図である。
図例では、いずれの場合も、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料インク層およびラミネート処理のための保護層を有する熱転写シートをインクリボン16として用い、図3を用いて説明した構成のロール紙1上に対して、例えば334dpiの解像度で一般写真画像の印画を行った場合の評価結果を示している。
第1実施形態で説明した構成については、色材層転写時のヘッド圧力=1.2MPa、保護層転写時のヘッド圧力=1.8MPaである場合を示している。なお、へッド圧については、例えばプレスケール(富士フィルム株式会社製、圧力を受けると赤く発色し、圧力の大きさに応じて濃度が変化するフィルム)を用いて測定し確認することが可能である。また、保護層転写時の印画速度は、色材層転写時と同一で、0.7msec/lineである場合を示している。さらに、保護層転写パターンは、光沢(サーマルヘッド14の発熱素子毎の熱エネルギーは一定。)である。
第2実施形態で説明した構成については、色材層転写時のヘッド圧力=1.2MPa、保護層転写時のヘッド圧力=1.8MPaである場合を示している。また、保護層転写時の印画速度は、色材層転写時と同一で、0.7msec/lineである場合を示している。さらに、保護層転写パターンは、マット(サーマルヘッド14の発熱素子のエネルギーを選択的に変化させたラミネートパターン。)である。
第3実施形態で説明した構成については、色材層転写時のヘッド圧力=1.2MPa、保護層転写時のヘッド圧力=1.8MPaである場合を示している。また、保護層転写時の印画速度は、色材層転写時が0.7msec/lineであるのに対して、4.0msec/lineとなる低搬送速度である場合を示している。ただし、低搬送速度時には、ストローブパルス幅を調整し、各階調において高搬送速度時(0.7msec/line)の場合と同一の記録濃度特性を示すように調整しておく。さらに、保護層転写パターンは、マット(サーマルヘッド14の発熱素子のエネルギーを選択的に変化させたラミネートパターン。)である。
なお、図例では、各実施形態との比較のために、比較例1〜3についても示している。これらの比較例1〜3は、色材層転写時と保護層転写時のヘッド圧力がいずれも1.2MPaである点で、上述した第1〜第3の各実施形態の場合とは異なる。ただし、その他の条件については、上述した第1〜第3の各実施形態の場合に対応したものとなっている。
印画物の凹み評価は、上述した各条件でロール紙1上への印画を行った後、その印画物の凹みの有無を目視することで行っている。図中において、○印は、高濃度画像部と低濃度画像部の境界線に段差が見られない状態を示している。△印は、高濃度画像部と低濃度画像部の境界線に段差が見られる不良状態である。×印は、高濃度画像部と低濃度画像部の境界線に大きな段差が見られる不良状態を示している。
以上のような印画物の凹み評価の結果、第1実施形態においては、保護層転写時のヘッド圧を増加させることにより、色材層転写時に形成された高濃度画像部分と低濃度画像部分の境界の段差が解消されていることが分かる。これに対して、比較例1においては、保護層転写時のヘッド圧力が低いため、色材層転写時に形成された段差が解消されていない。
絹目調画像についての評価は、上述した各条件でロール紙1上への印画を行った後、その印画物の表面における絹目調画像を目視することで行っている。図中において、◎印は、銀塩写真と同等の絹目調が再現されており非常に良好である状態を示している。○印は、銀塩写真には劣るが絹目調が再現されており良好である状態を示している。×印は、銀塩写真とはかけ離れた絹目調でつや消し感が強すぎる不良状態を示している。
以上のような絹目調画像についての評価の結果、第2実施形態においては、保護層転写時のヘッド圧力を増加させつつ熱エネルギーを選択的に変化させることにより、銀塩写真同等の絹目調が再現されていることが分かる。また、第3実施形態においては、さらに印画速度を遅くすることで、より好ましい絹目調が再現されていることが分かる。これに対して、比較例2,3においては、保護層転写時にマットパターンを印画しているものの所望の凹凸が得られていない。これは、色材層転写時に空隙層の多くが潰れており、熱エネルギーに応じた凹凸を形成できていないことによると考えられる。一方、第2,3実施形態の場合には、色材層転写時の空隙層潰れについては同様の挙動を示すが、保護層転写時のヘッド圧力を増加させることで、潰れていない領域の空隙層をつぶすことが可能となる。したがって、第2,3実施形態の場合には、比較例2,3の場合に比べて、絹目調仕上げのための凹凸パターンを形成することが可能となる。
なお、上述した各実施形態および実施例では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されることはない。
例えば、各実施形態で例示した各構成要素の形状や材質、移動方向等は、あくまでも一具体例に過ぎず、本発明がその例示した内容に限定されることはない。
このように、本発明は、各実施形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
1…ロール紙、11…給紙カセット、12…給紙ローラ、13…プラテン、14…サーマルヘッド、15a…グリップローラ、15b…ピンチローラ、16…インクリボン、17a…供給リール、17b…巻取りリール、21…ヘッド支持板、22…ヘッド加圧板、23…支持軸、24…コイルバネ、25…ヘッド駆動カム、26…カム溝、28…ピン

Claims (4)

  1. 被記録媒体を搬送する媒体搬送部と、
    シート上に色材層と保護層とが走行方向に並んで形成された熱転写シートを走行させるシート走行部と、
    前記被記録媒体および前記熱転写シートを挟持した状態で熱エネルギーを印加して、当該被記録媒体上に前記色材層および前記保護層を順に熱転写する印画部と、
    前記被記録媒体および前記熱転写シートに対する挟持力について、前記色材層を熱転写する場合の力P1と前記保護層を熱転写する場合の力P2とが力P1<力P2の関係となるように、当該挟持力を可変させる圧力可変機構部と
    を備える印刷装置。
  2. 前記保護層を熱転写する場合に前記印画部が印加する熱エネルギーを選択的に変化させて、当該保護層を熱転写した後の前記被記録媒体上に凹凸パターンを形成する印画制御部
    を備える請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記保護層を熱転写する場合の前記媒体搬送部による前記被記録媒体の搬送速度を、前記色材層を熱転写する場合の前記媒体搬送部による前記被記録媒体の搬送速度よりも遅くする搬送制御部
    を備える請求項2記載の印刷装置。
  4. 被記録媒体と少なくとも色材層が形成された熱転写シートとを挟持した状態で熱エネルギーを印加して、当該被記録媒体上に前記色材層を熱転写する色材層転写ステップと、
    前記色材層の熱転写後に、前記被記録媒体と少なくとも保護層が形成された熱転写シートとを挟持した状態で熱エネルギーを印加して、当該被記録媒体上に前記保護層を熱転写する保護層転写ステップと、
    前記被記録媒体および前記熱転写シートに対する挟持力について、前記色材層を熱転写する場合の力P1と前記保護層を熱転写する場合の力P2とが力P1<力P2の関係となるように、当該挟持力を可変させる圧力可変ステップと
    を含む熱転写印画方法。
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