JP3828269B2 - カード作成装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はカード作成装置に係り、例えば、IDカードなどと称される個人識別カードに代表される証明カードを印刷機を用いて作成するカード作成装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IDカードなどに代表される顔写真付きカードを印刷機を用いて作成するカード作成装置として、次のようなものが知られている。
すなわち、この種のカード作成装置は、撮影装置により撮影された所持者の顔画像をカード供給部から供給されたカード媒体に印刷する写真印刷部、写真印刷部を介して顔写真が印刷されたカード媒体に証明カードとして必要な文字情報を印刷する文字印刷部、文字印刷部により所定の文字情報が印刷されたカード媒体の印刷面上に保護膜を形成する保護膜形成部、及び、作成された証明カードを収容するカード収容部とを有している。
【0003】
そして、この種のカード作成装置では、撮影装置により撮影されて符号化データとして供給されるカードの所有者の顔写真データに基づいて写真印刷部により所有者の顔写真を3色カラーで印刷し、さらに、文字印刷部を介して所定の文字情報を印刷した後に、カードの印刷面に表面保護膜が転写により形成される。
【0004】
このようにして形成された証明カードは、カード収容部に、形成順に、ストックされる。
ところで、この種のカード作成装置では、印刷面の表面保護膜として用いられる転写保護膜が、印刷により形成された文字、画像等を引っかき等の機械的な破損から保護する保護膜や、紫外線による面像の退色を防ぐUVカット剤を含有するリボン状の保護膜等による転写保護膜リボンカートリッジを用いて形成されている。
【0005】
この転写保護膜リボンカートリッジは、巻き取り軸と送り出し軸に、転写保護膜リボンの両端部が巻回されている。
この種のカード作成装置による転写保護膜の転写時には、ヒートローラが前記転写保護膜リボンを介してカードに圧接され、発熱したヒートローラにより、転写保護膜リボンの転写保護膜が溶融されカードに付着し、そのままヒートローラの回転により、カードが規定の速度で搬送されて転写が行われる。
【0006】
従来、このようなカード作成装置において、カードの搬送に伴って転写保護膜リボンが、カートリッジから引き出され、カードに転写保護膜が転写した後に、随時、カードから転写保護膜リボン基材を剥離させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、この種のカード作成装置による転写保護膜の転写時には、ヒートローラが前記転写保護膜リボンを介してカードに圧接され、発熱したヒートローラにより、転写保護膜リボンの転写保護膜が溶融されカードに付着し、そのままヒートローラの回転により、カードが規定の速度で搬送されて転写が行われており、従来、このようなカード作成装置において、カードの搬送に伴って転写保護膜リボンが、カートリッジから引き出され、カードに転写保護膜が転写した後に、随時、カードから転写保護膜リボン基材を剥離させるようにしている。
【0008】
すなわち、従来の技術では、カード後端部分である転写最終部分の転写保護膜リボン基材の剥離は、転写終了後もカードの搬送を行い、転写保護膜リボンの転写部分がヒートローラ部分から抜けた後、転写保護膜リボン基材の随時剥離を行うようにすることによってなされている。
【0009】
しかしながら、上記の場合、転写後端部分の最後端エッジは、転写部分から非転写部分への剥離が行なわれることになる。
その際、非転写部分の転写保護膜の一部が、リボン基材から剥離してしまう結果、それがカード上にのこり、エッジ部分の転写仕上がりを悪くする。
【0010】
そこで、この発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、被転写用カードに対する転写保護膜の転写時に、転写最後端部の仕上がりをよくすることができるカード作成装置及びその制御方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する検出手段と、
この検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0012】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する検出手段と、
この検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに、該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0013】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0014】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0015】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を前記送り出し軸側に設けられたエンコーダに基づいて検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0016】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0017】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0018】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を前記送り出し軸側に設けられたエンコーダに基づいて検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置が提供される。
【0019】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷工程と、この印刷工程により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成工程とを有するカード作成方法において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する工程と、
前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに所定のバックテンションを付加する工程と、
を具備したことを特徴とするカード作成方法が提供される。
【0020】
また、本発明によると、上記課題を解決するために、
カード媒体に所定の情報を印刷する印刷工程と、この印刷工程により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成工程とを有するカード作成方法において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する工程と、
少なくとも、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したこと検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を前記送り出し軸側に設けられたエンコーダに基づいて検出する工程と、
前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したこと検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する工程と、
を具備したことを特徴とするカード作成方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態として適用されるIDカード作成装置としてのカード作成装置1の概略構成を示す断面図である。
【0022】
すなわち、図1に示すように、このカード作成装置1は、装置本体2としての筐体2を有している。
この筐体2の前面部(図1を、参照符号が正立する方向から見た状態において右側方)には、カード媒体に印刷する個人データすなわち文字情報を入力する操作入力部4が配置されている。
【0023】
この操作入力部4には、カード作成装置1を単独で運用する情報および証明カードとして必要な情報を入力する第1の入力手段としての操作パネル6、所有者の顔写真データすなわち顔画像情報を直接入力する第2の入力手段としての光磁気ディスク装置8、及び、これらにより入力された情報内容や異常などを表示するための図示しない表示装置等が配置されている。
【0024】
また、筐体2の前面側上方には、最終的に、顔写真および文字情報が印刷されることにより、証明カード100として発行されることになるための印刷前の原券であるカード媒体10を保持するとともに、それを順次一枚ずつ取出して供給するカード媒体供給部12が設けられている。
【0025】
このカード媒体供給部12は、複数のカード媒体10を、被印刷面すなわち表面を上方に向けた水平状態で収納するカードホッパ14を有している。
このカードホッパ14は、作成するカードの種類あるいはカード発行機関により予め決められているカードの形式に応じて複数種用意されるとともに、カード媒体供給部12に着脱可能に形成されている。
【0026】
なお、カードホッパ14は、後述する背面印刷の際に、背面印刷が要求されたカードを1枚ずつ供給可能に形成された図示しない1枚フィードステージユニットと交換可能に形成されている。
【0027】
そして、カードホッパ14内には、収納されているカード媒体10を、下方へ押圧する重り16が設けられている。
また、カードホッパ14内のカード媒体10は、反時計方向に回転するゴムローラからなる取出ローラ18によって、カードホッパ14の最下部に位置されたカード媒体10から1枚ずつ取出される。
【0028】
なお、カードホッパ14のカード媒体取出し口部14aには、カード媒体10を重ね取り出しをしないように、カード媒体10の1枚の厚さよりも広く2枚の厚さよりも狭い隙間を有し、スロートナイフと呼ばれる図示しない重送防止機構が設けられている。
【0029】
図1を参照符号が正立する方向から見た状態においてカードホッパ14の左方には、取出ローラ18によりカードホッパ14から取り出されたカード媒体10に関し、取出し時のスロートナイフとの接触によりカード媒体10の表面(被印刷面)に付着する虞れのあるごみを接着層に接着させて剥離する糊ローラ20が配置されている。
【0030】
上記取出ローラ18によって取出されたカード媒体10は、糊ローラ20によりクリーニングされ、取出し時のスロートナイフとの接触により付着される虞れのあるごみが除去される。
【0031】
上記糊ローラ20の左方には、所有者の顔写真を印刷する第1の印刷手段としての感熱昇華カラー写真印刷部22が配置されている。
そして、上記糊ローラ20により表面のごみが除去されたカード媒体10は、カラー感熱昇華カラー写真印刷部22に送られる。
【0032】
この感熱昇華カラー写真印刷部22は、カード媒体10に対して所持者(更新者)の顔画像をフルカラーの多色印刷するもので、減色混合法に基づいて色分解された赤(R)、緑(G)および青(B)のそれぞれの色成分に対して補色の関係にあるイエロー(黄、以下Yまたは添字Yで示す)、マゼンタ(赤、以下Mまたは添字Mで示す9およびシアン(紫、以下Cまたは添字Cで示す)の3色を逐次重ね合わせて感熱昇華印刷するために、カード媒体10が搬送される方向に沿って順次配列されたイエロー印刷部24Y、マゼンタ印刷部24Mおよびシアン印刷部24Cを有している。
【0033】
上記感熱昇華カラー写真印刷部22に案内されたカード媒体10の表面には、光磁気ディスク装置8により供給された所有者の顔写真がY,MおよびCの3色の重ね合わせによりカラー印刷される。
【0034】
各印刷部24Y,24Mおよび24Cは、詳細には、プラテンローラ26Y,26Mおよび26C、感熱印刷ヘッド28Y,28Mおよび28C、それぞれのプラテンローラと感熱印刷ヘッドとの間に中途部を介在させたY,MおよびCの3色の感熱昇華印刷インクリボン30Y,30Mおよび30C、各インクリボン30Y,30Mおよび30Cの後端が巻付けられたインクリボン送出軸32Y,32Mおよび32C、ならびに、各インクリボン30Y,30Mおよび30Cの先端が巻付けられたインクリボン巻取軸34Y,34Mおよび34Cとから構成されている。
【0035】
プラテンローラ26Y,26Mおよび26Cは、カード媒体10との滑りを最小にするために、柔らかいゴムローラあるいはセラミック粉が植え込まれているセラミック植込みローラで形成されている。
【0036】
上記感熱昇華カラー写真印刷部22の後段すなわち図1において感熱昇華カラー写真印刷部22の左方には、第2の印刷手段としての溶融転写文字印刷部36が配置されている。
【0037】
そして、上記感熱昇華カラー写真印刷部22により顔画像が印刷されたカード媒体10は、この溶融転写文字印刷部36に送り込まれる。
なお、上記感熱昇華カラー写真印刷部22が感熱昇華型の3色カラー印刷であるに対して、この溶融転写文字印刷部36は、溶融転写型で黒のみを印刷するものである。
【0038】
このことは、溶融転写型の印刷は、昇華型の印刷と比較して必要となる印加エネルギーが低いことを利用して、印刷速度を高速にするものである。
すなわち、顔画像のカラー印刷に比較して印刷面積(長手方向の長さ)が広い文字印刷では溶融転写型の印刷が望ましい。
【0039】
上記溶融転写文字印刷部36は、カード媒体10に、所有者の個人データすなわち文字情報を印刷する黒印刷装置であって、プラテンローラ38、感熱印刷ヘッド40、溶融転写インクリボン42、インクリボン送出軸44およびインクリボン巻取軸46とから構成されている。
【0040】
この溶融転写文字印刷部36の後段には、保護膜形成手段としての耐光性向上保護膜(紫外線すなわちUltra Violet 保護膜(転写部)以下、UV保護膜転写部と示す)50が配置されている。
【0041】
このUV保護膜転写部50は、カラー顔写真および黒文字情報が印刷されたカード媒体10の表面に最終工程において、紫外線硬化形の表面保護膜を塗布することにより、表面保護膜がない場合に、引っかき等の機械的な破損から保護するとともに、保護膜昇華印刷をした顔画像が退色作用により色あせてしまうことを防止するために、防護膜を形成するものである。
【0042】
このUV保護膜転写部50は、加熱ローラ52、ピンチローラ54、UV保護膜シート56、UVシート送出軸58およびUVシート巻取軸60とから構成されている。
【0043】
そして、このUV保護膜転写部50に案内された顔写真および文字情報が印刷されたカード媒体10の表面には、最終工程において照射される紫外線から昇華印刷をした顔画像が色あせることを防止するために、UV保護膜転写部50によりUV保護膜が溶融転写される。
【0044】
なお、UV保護膜は、カード媒体10により形成された証明カード100が実際に使用される場合に、太陽光にさらされることによる色あせの防止(耐光性)にも利用される。
【0045】
また、UV保護膜は、感熱印刷インクリボンと同じように支持体リボンに透明なUV保護膜が連続的に形成されたシートを、内部に発熱体が埋め込まれたピンチローラ54と加熱ローラ52とにより加熱と同時に加圧することで、カード媒体10に、UV保護膜を転写するものである。
【0046】
なお、UV保護膜は、感熱印刷ヘッドにより転写することも可能であるが,カード媒体10の全面に転写されることから、より安価なヒートローラが利用される。
【0047】
そして、UV保護膜転写部50の後段には、既に、顔写真および文字情報が印刷されたカード媒体10の表面に、後述する表面保護膜を塗布する表面保護膜塗布部、及び、UV保護膜転写部50から表面保護膜塗布部に向けてカード媒体10を搬送するカード搬送機構が配置されている。
【0048】
上記UV保護膜転写部50によりUV保護膜を溶融転写されたカード媒体10は、クランプローラ62によりシュート部64に送り込まれ、シュート部64の下方のベルトコンベア66に移載される。
【0049】
詳細には、クランプローラ62で送られたカード媒体10の先端が落下シュート68に突き当たると、カード媒体10の後端(右端)がクランプローラ62から離脱するとともに時計方向に回転し、落下シュート68に沿って下方に落下する。
【0050】
この落下シュート68の下方の落下面には、水平状態のベルトコンベア66が設けられていて、落下したカード媒体10を受取って右方向へ搬送しながら、図示しない整列ガイドを介して落下により乱れた姿勢を次第に正しい姿勢にガイドをしつつ、表面保護膜塗布手段としての表面保護膜塗布部70へ搬送する。
【0051】
この表面保護膜塗布部70は、カード媒体10の表面にUV硬化液を塗布するもので、ピンチローラ72、UV硬化液タンク74、定量供給器76および塗布ペン78から構成されている。
【0052】
上記ベルトコンベア66で搬送されるカード媒体10は、ピンチローラ72によりベルトコンベア66上にしっかり押し付けられる。
カード媒体10の表面には、塗布ペン78を介して、UV硬化液タンク74からUV硬化液を吸い上げる定量供給器76で定量のUV硬化液が計測されて供給されたUV硬化液が全面に薄く塗布される。
【0053】
なお、UV硬化液は、塗布ペン78により提供される毛細管現象により、カード媒体10の全面に薄く拡散される。
なお、UV硬化液は、硬化すると表面が非常に硬くなるので、単なるオーバコート層に比較して表面の傷が着きにくく、カード媒体10の耐久性を向上することができる。
【0054】
そして、表面保護膜塗布部70を介してUV硬化液が塗布されたカード媒体10は、表面保護膜硬化手段としての表面保護膜硬化部80に送られる。
この表面保護膜硬化部80は、カード媒体10上に塗布されたUV硬化液を硬化させるもので、ベルトコンベア82およびその上方に10cm程度離して設置された水銀灯84から構成されている。
【0055】
上記ベルトコンベア66で搬送されるカード媒体10は、ベルトコンベア82に移載され、このベルトコンベア82により所定の時間をかけて搬送される。
このとき、ベルトコンベア82上の搬送されるカード媒体10の表面には、水銀灯84からの紫外線が照射される。
【0056】
これにより、塗布ペン78からカード媒体10の表面に塗布されたUV硬化液は、所定の時間すなわちベルトコンベア82によりカード媒体10が搬送される間に確実に硬化される。
【0057】
上記表面保護膜硬化部80を通過したカード媒体10すなわち完成した証明カード100は、表面保護膜硬化部80の図において右方向に設けられた区分集積手段としての区分集積部90に送り込まれ、カード収容手段としてのスタッカ92に収容されるようになっている。
【0058】
区分集積部90は、表面保護膜硬化部80から送出される証明カード100をスタッカ92に向けて搬出するカード搬出手段としての搬送ローラ対94を有している。
【0059】
すなわち、表面保護膜硬化部80から送出された証明カード100は、搬送ローラ対94によりスタッカ92の上部の開口に向けて搬送され、カードの後端が搬送ローラ対94から離れることで、スタッカ92の開口に落下される。
【0060】
なお、スタッカ92の上部に移動可能な1枚取り出しステージ96を配置することで、証明カード100をスタッカ92に落下させずにステージ96に案内すれば、図示しない外部からの取り出し口からカードを1枚ずつ抜き取ることも可能である。
【0061】
次に、以上のように構成されるカード作成装置1の動作を説明する。
通常の顔写真付きカードを作成する場合には、第1に、図示しない撮影装置を介して所有者の顔写真が撮影される。
【0062】
撮影された顔写真は、記憶媒体としての光ディスクに記憶され、光磁気ディスク装置8により顔写真データとしてカード作成装置1に供給される。
光ディスクにより供給された顔写真データは、図示しないビデオRAMまたはページメモリなどに代表される画像メモリに取り込まれ、カード媒体10に3色のカラー印刷をするためのY,MおよびCの印字データとして展開されて、保持される。
【0063】
操作パネル6によりカードの作成が指示されると、カード媒体供給部12のカードホッパ14の最下部から、取出ローラ18を介して、カード媒体10が1枚ずつ取り出される。
【0064】
カードホッパ14から取り出されたカード媒体10は、糊ローラ20によりクリーニングされ、カラー感熱昇華印刷部22に案内される。
カラー感熱昇華印刷部22に案内されたカード媒体10の表面には、画像メモリで保持されている印字データに対応するY,MおよびCの3色の画像の重ね合わせによりカラー印刷される。
【0065】
感熱昇華カラー写真印刷部22により顔画像が印刷されたカード媒体10は、溶融転写文字印刷部36に送り込まれる。
溶融転写文字印刷部36に案内されたカード媒体10の表面には、操作パネル6からの入力または図示しない外部装置あるいはフロッピーディスクにより供給される所有者の文字情報が黒により印字される。
【0066】
溶融転写文字印刷部36により文字情報が印刷されたカード媒体10は、UV保護膜転写部50に案内されてUV保護膜が形成されたのち、表面保護膜塗布部70および表面保護膜硬化部80を介して、紫外線硬化樹脂による保護膜が形成される。
【0067】
顔写真ならびに文字情報が印刷され、UV保護膜および紫外線硬化樹脂保護膜が形成された証明カード100は、区分集積部90のスタッカ92あるいは1枚取り出しステージ96のいづれかに排出される。
【0068】
次に、以上のように構成されるカード作成装置1において、上述したUV保護膜転写部50に相当する本発明の要部としての保護膜転写部202についての構成及び動作を説明する。
【0069】
図2は、保護膜転写部202の制御系を主体としたカード作成装置1の概略構成を示すブロック図である。
図3は、保護膜転写部202の機構系の概略構成を示すものである。
【0070】
図2及び図3に示すように、制御系は、カード作成装置1全体の制御を司るCPU201と、後述する転写保護膜リボンカードリッジ223とヒートローラ212とを用いて転写を行う保護膜転写部202と、転写されるカードCを搬送ローラ227で送る搬送部203と、カードの位置,各機構の状態を各種センサ222,229等を用いて検知する検知部204と、転写条件等を記憶するEEPROMなどの記憶部205と、搬送部203の搬送ローラ227を駆動するモータ230あるいは、ヒートローラ212を駆動するモータ228、後述する転写保護膜リボンカートリッジ223の内部に設けられる送り出し軸215及び巻き取り軸214をそれぞれ回転するモータ218,219等を駆動する駆動部206と、各種の入力を行う入力部207と、転写前の転写生カードを供給する前記カード媒体供給部12から溶融転写文字印刷部36までに相当するカード供給部208と、上位機種としてのホストコンピュータ等の外部装置からの転写データを受信する通信インターフェース209と、ヒートローラ212の温度制御を行なう温度制御部210とから構成されている。
【0071】
図3中の参照符号211は、上記カード媒体10に相当する媒体としてのカードCを搬送する搬送路である。
また、参照符号221は、上記CPU201の制御により、後述するタイマーカウント動作を行うタイマー回路である。
【0072】
上記搬送路211中には、搬送ローラ227と、ヒートローラ212とが設けられている。
このヒートローラ212には、その外周平坦部と径大部との間に設けられるもので、上記温度制御部210によって温度制御される図示しないヒートランプと、ヒートローラ212の回転角度(位置)を検知するためのセンサ229とが設けられている。
【0073】
このヒートローラ212の下方部にはバックアップローラ220が設けられている。
これらヒートローラ212とバックアップローラ220との間には、後述する転写保護膜リボンカートリッジ223から繰り出される転写材としての転写保護膜リボン213が介在されている。
【0074】
前記転写保護膜リボン13の両端部は、後述する転写保護膜リボンカートリッジ223の巻き取り軸214と送り出し軸215に巻回され、中途部は一対のガイドローラ226,226によってガイドされている。
【0075】
上記カートリッジ223の巻き取り軸214には、リボン搬送方向に駆動力を与えるリボン搬送モータ219が設けられている。
また、上記カートリッジ223の送り出し軸215には、リボン搬送方向と逆方向に駆動力を与える後端部剥離モータ218が設けられているとともに、この送り出し軸215と一緒に回転するエンコーダ217と、このエンコーダ217により送り出し軸215の回転を検知するセンサ222とが設けられている。
【0076】
図4は、上記転写保護膜リボン213を収納する転写保護膜リボンカートリッジ223を示すものである。
すなわち、この転写保護膜リボンカートリッジ223の内部には、上記巻き取り軸214と送り出し軸215とが配設されている。
【0077】
これら巻き取り軸214と送り出し軸215との端部には、リボンカートリッジ223が装置本体に装填されるとき、図示しない一対のリール軸に嵌合されるスプロケット224,225がそれぞれ装着されている。
【0078】
さらに、この転写保護膜リボンカートリッジ223の内部には、上記一対のガイドローラ226,226が配設されている。
転写動作時には、CPU201の制御により、カードCが搬送部203を介して搬送路211に沿って搬送され、バックアップローラ220上に位置してヒートローラ212に対向する転写開始位置で停止される。
【0079】
しかる後、CPU201の制御により、ヒートローラ212が駆動部206を介して反時計周りに回転し、カードCとの間に転写保護膜リボン213を介在してカードCに圧接される。
【0080】
このとき、ヒートローラ212はCPU201により設定された温度設定値に基づき、上記温度制御部210によって温度制御が行なわれている。
これにより、転写保護膜リボン213の転写保護膜が溶融され、カードCに転写される。
【0081】
そして、引き続き、ヒートローラ212の回転によるカードCの搬送方向への移動により、上記転写保護膜リボン213は、その転写保護膜がカードCに転写されるごとに所定量づつ上記リボンカートリッジ223の送り出し軸215より引き出されるとともに、巻き取り軸214の回転により巻きとられる。
【0082】
この場合、上記リボンカートリッジ223の巻き取り軸214は、CPU201の制御により、駆動部206を介して時計周りに回転している。
次に、このような構成において、カードCの後端部における転写保護膜リボン213の剥離動作について、図5を参照して説明する。
【0083】
図5は、カードCの後端部における転写保護膜リボン213のリボン剥離動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、搬送部203の搬送ローラ227を駆動するモータ230をスタートさせるとともに、上述した転写開始位置までカードCが搬入された状態で停止する(図3の状態)。
【0084】
次に、ステップS2において、ヒートローラ212を駆動するモータ228をスタートさせて、ヒートローラ212を反時計周りに回転させるとともに、その他の必要な転写開始処理を行わせる。
【0085】
そして、ステップS3において、ヒートローラ12の径大部がカードCにかみ込む角度がセンサ229により検出される(図6の状態)。
次に、ステップS4において、転写保護膜リボン巻き取りモータ214をスタートさせるとともに、搬送部203の搬送ローラ227を駆動するモータ230を転写スピードでスタートさせる。
【0086】
さらに、ステップS4においては、カードCの転写後端位置を検知するためのタイマー回路221のカウントをスタートさせるとともに、転写保護膜リボン213の巻き径検出処理をスタートさせる。
【0087】
なお、この場合、予備搬送力として搬送ローラ227を転写速度と同じ速度でスタートさせているものである。
そして、ヒートローラ212の回転により、転写保護膜リボン213がリボンカートリッジ223から引き出されることによって送り出し軸215が回転すると、エンコーダ217の変化がセンサ222で検出される。
【0088】
CPU201は、センサ222からの出力に基づいてエンコーダ217の変化の周期を測定し、さらにその周期に基づいて前記記憶部205に格納されているテーブルを参照するなどして、上記リボンカートリッジ223の送り出し軸215側に巻回されている転写保護膜リボン213の巻き径を算出する。
【0089】
また、ヒートローラ212による加圧及び加熱された転写保護膜リボン213は、ヒートローラ212の下流側のガイドローラ226近辺で、転写保護膜をカードC側に残し、リボン基材を剥離し、順次転写が完了して行く。
【0090】
次に、ステップS5において、カードCの転写後端位置を検知するためのタイマー回路221は、ヒートローラ212の径大部がカードCにかみ込んでからカードCの後端に達するまでの時間分カウントされるとタイムアウトとなる(図7の状態)。
【0091】
上記タイムアウトとなったら、ステップS6において、CPU201は、上述したようにして算出された巻き径に応じたトルク制御により、後端部剥離モータ218を搬送方向と反対側へ回転駆動する(図8の状態)。
【0092】
ここで、巻き径に応じたトルクとは、カードC及び転写保護膜リボン213が搬送方向へ搬送する速度への影響なく、以下の後端部剥離を行なうために十分な範囲で、送り出し軸215のUVカットリボン巻き径が変化しても一定な張力をによるバックテンションを発生させるための制御に必要となるトルクである。
【0093】
そして、そのままヒートローラ212が回転し、転写最後端エッジへの加圧,加熱が完了すると、ヒートローラ212はカードCから外れる。
その際、カードCの転写最後端エッジにおいて、前述の後端部剥離モータ218による張力によるバックテンションによって、転写保護膜リボン213は、被転写部分から転写部分への若干の剥離が行われるので、転写最後端部の仕上がりをよくすることができる。
【0094】
もし、ここで、巻き径に応じたトルク制御によるバックテンションを転写保護膜リボン213に付加するようにした上記動作を行なわなかったら、転写最後端エッジは、下流のガイドローラ226付近にて、転写部分から非転写部分への剥離が行なわれることになる。
【0095】
しかるに、その際、非転写部分の転写保護膜の一部が、リボン基材から剥離してしまう結果、それがカード上にのこり、上述した従来の技術による問題点として示したように、エッジ部分の仕上がりを悪くする。
【0096】
次に、ステップS7において、CPU201は、センサ229を介してヒートローラ212が動作開始時のイニシャルポジシヨンに戻ったことを検出する。
次に、ステップS8において、CPU201は、駆動部206を介してヒートローラ駆動モータ228をストップさせる。
【0097】
次に、ステップS9において、さらに、カードCが搬送ローラ227により排出方向に進み、カードCの排出を図示しないセンサを介してCPU201が確認する。
【0098】
これにより、ステップS10において、CPU201は、搬送モータ230、転写保護膜リボン巻き取りモータ219、後端部剥離モータ218をストップさせ、その他の終了処理を行なう。
【0099】
以上詳述したように、この発明によれば、カード作成装置において、転写保護膜の転写時に、転写最後端部の仕上がりをよくすることができる。
すなわち、本発明によれば、例えば、UVカット膜転写用の転写材としての転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジと、このカートリッジの巻き取り軸および送り出し軸とを回転させる駆動手段と、被転写用のカード及び前記カートリッジから繰り出される転写材に加圧、加熱を行うヒートローラと、これらを用いて前記被転写用のカードの転写を行う転写手段と、カード搬送路上で前記被転写用のカードを搬送するための搬送ローラと、この搬送ローラを回転させる駆動手段とを有するカード作成装置において、前記カートリッジの送り出し軸側の転写保護膜リボンの巻き径を検出する検出手段と、前記被転写用のカードの転写後端位置を検出する検出手段と、この検出手段で前記被転写用のカードの転写後端位置が検出される時点から、上記転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、前記転写保護膜リボンに張力を発生する手段とを具備したことを特徴とするカード作成装置であって、UVカット膜等の転写の後端エッジの仕上がりをよくするために、送り出し軸の巻き径を検出し、転写後端にてその巻き径に応じたトルクをバックテンションモータに発生させることにより、転写保護膜リボンは、被転写部分から転写部分への若干の剥離が行われるので、転写最後端部の仕上がりをよくすることができるようになる。
【0100】
【発明の効果】
したがって、以上詳述したように、この発明によれば、被転写用カードに対する転写保護膜の転写時に、転写最後端部の仕上がりをよくすることができるカード作成装置及びその制御方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態として適用されるIDカード作成装置としてのカード作成装置1の概略構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の要部としての保護膜転写部202の制御系を主体としたカード作成装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の要部としての保護膜転写部202の機構系の概略構成を示す図である。
【図4】図4は、転写保護膜リボン213を収納する転写保護膜リボンカートリッジ223を示す図である。
【図5】図5は、本発明の要部としてのカードCの後端部における転写保護膜リボン213ののリボン剥離動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の要部としてのカードCの後端部における転写保護膜リボン213ののリボン剥離動作を説明するための動作過程図である。
【図7】図7は、本発明の要部としてのカードCの後端部における転写保護膜リボン213ののリボン剥離動作を説明するための動作過程図である。
【図8】図8は、本発明の要部としてのカードCの後端部における転写保護膜リボン213ののリボン剥離動作を説明するための動作過程図である。
【符号の説明】
1…カード作成装置、
201…CPU、
223…転写保護膜リボンカードリッジ、
212…ヒートローラ、
202…保護膜転写部、
C…カード、
227…搬送ローラ、
203…搬送部、
222,229…センサ、
204…検知部、
205…記憶部、
218,219,228,230…モータ、
215…送り出し軸、
214…巻き取り軸、
206…駆動部、
207…入力部、
208…カード供給部、
209…通信インターフェース、
210…温度制御部、
211…搬送路、
221…タイマー回路、
220…バックアップローラ、
217…エンコーダ、
213…転写保護膜リボン、
224,225…スプロケット。
Claims (10)
- カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する検出手段と、
この検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する検出手段と、
この検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに、該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を前記送り出し軸側に設けられたエンコーダに基づいて検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じたトルクにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒ ートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷手段と、この印刷手段により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成手段とを有するカード作成装置において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する第1の検出手段と、
少なくとも、この第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を前記送り出し軸側に設けられたエンコーダに基づいて検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段で前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、前記第2の検出手段によって検出された該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する制御手段と、
を具備したことを特徴とするカード作成装置。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷工程と、この印刷工程により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成工程とを有するカード作成方法において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出する工程と、
前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに所定のバックテンションを付加する工程と、
を具備したことを特徴とするカード作成方法。 - カード媒体に所定の情報を印刷する印刷工程と、この印刷工程により前記所定の情報が印刷された前記カード媒体の印刷面に、転写保護膜リボンが巻き取り軸および送り出し軸との間に巻回されたカートリッジを用いてヒートローラにより保護膜を転写形成する保護膜形成工程とを有するカード作成方法において、
前記カード媒体に対する前記保護膜の転写形成時に、前記ヒートローラが前記カード媒体との間に前記転写保護膜リボンを介在して前記カード媒体に圧接された状態で、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したことを前記ヒートローラの回転位置に基づいて検出する工程と、
少なくとも、前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したこと検出した時点における前記カートリッジの前記送り出し軸側の前記転写保護膜リボンの巻き径を前記送り出し軸側に設けられたエンコーダに基づいて検出する工程と、
前記ヒートローラが前記カード媒体の転写後端位置に達したこと検出した時点から、前記カートリッジから繰り出される前記転写保護膜リボンに対して、該転写保護膜リボンの巻き径に応じて前記カートリッジの前記送り出し軸側を駆動するモータのトルクを制御することにより、所定のバックテンションを付加する工程と、
を具備したことを特徴とするカード作成方法。
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