以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るカード作成装置について説明をする。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態としてのカード作成装置100の構成例を示すブロック図である。
この実施形態ではカード部材にICチップ内蔵型が使用される場合であって、白黒用の画像形成ユニットの下流側に記録再生装置が取り付けられ、カード部材内のICチップに電子情報内容を記録するようになされる。また、カード発行要求者の個人識別情報を付加した顔画像情報及び文字情報に基づいて所定のカード部材にカラー顔画像と文字画像とを形成する場合に、個人識別情報の同一性を確認するようにカラー用及び白黒用の画像形成ユニットによる画像形成過程を管理する管理装置を備え、当該顔画像情報に付加された個人識別情報と同一性の無い誤った個人識別情報に係る文字情報のセット動作を阻止できるようにすると共に、高信頼度かつ高画像品質のIDカード等を提供できるようにしたものである。
図1に示すカード作成装置100はIDカードを作成する装置であって、カード発行要求者の個人識別情報を付加した顔画像情報及び文字情報に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像と文字画像とを形成するものである。IDカードはカード部材30にカラー顔画像及び文字画像を形成したものをいい、キャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、身分証明書、外国人登録証及び各種運転免許証などが対象となる。
個人識別情報はカード発行要求者(以下で単に発行要求者という)を識別できる情報なら、識別符号、識別コード等何でも良い。この例では個人識別情報の一例となる個人識別番号IDを用いることにする。個人識別番号IDは発行要求者(カード所有者)本人を識別するための所定桁数を有した整列番号(数字)等である。
顔画像情報は本人の顔部位を撮影して得た顔画像に係るカラーのデジタルデータである。文字情報は発行要求者の氏名、住所、生年月日、IDカードの発行年月日及び有効期限等をデジタル化した白黒のデータである。以下で個人識別番号ID、顔画像情報D1、文字情報D2等を総称してプリント用の電子情報内容ともいう。
このカード作成装置100にはカード供給搬送手段の一例となるホッパー11及び搬送ベルト装置12が設けられている。ホッパー11には所定枚数の枚葉状のカード部材30が収納されており、搬送ベルト装置12上に1枚ずつ排出するようになされる。搬送ベルト装置12はカード部材30を所定の方向へ搬送するようになされる。カード部材30にはICチップ内蔵型及びICチップ非内蔵型の生カード基板等が使用される。
このホッパー11の下流側にはタンデム方式の画像形成部が備えられており、カラー用の画像形成ユニット13を構成するイエロー色の画像形成ユニット(以下でY色画像形成ユニットという)15、マゼンタ色の画像形成ユニット(以下でM色画像形成ユニットという)16及びシアン色の画像形成ユニット(以下でC色画像形成ユニットという)17が順に並設されている。
Y色画像形成ユニットでは搬送ベルト装置12によって搬送されるカード部材30に、当該個人識別番号IDに付加されたイエロー色の顔画像情報D1(Y)に基づいてイエロー顔画像(Y色顔画像)を形成するようになされる。同様にしてM色画像形成ユニット16では搬送ベルト装置12によって搬送されるカード部材30に、当該個人識別番号IDに付加されたマゼンタ色の顔画像情報D1(M)に基づいてマゼンタ顔画像(M色顔画像)を形成するようになされる。更にC色画像形成ユニット17では搬送ベルト装置12によって搬送されるカード部材30に、当該個人識別番号IDに付加されたシアン色の顔画像情報D1(C)に基づいてシアン顔画像(C色顔画像)を形成するようになされる。
このC色画像形成ユニット17の下流側には白黒用の画像形成ユニット(以下でK色画像形成ユニット18という)が設けられ、カラー顔画像を形成されたカード部材30に個人識別番号IDに係る文字情報D2に基づいて文字画像を形成するようになされる。
各々のユニットには複数画面分のバッファメモリが設けられ、発行要求者の顔画像情報D1や文字情報D2が格納(セット)される。また、これらのユニット内にはインクリボンやサーマルヘッドなどが備えられる。
上述したホッパー11、搬送ベルト装置12、Y色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18には管理装置90が接続されており、個人識別番号IDの同一性を確認するようにホッパー11や、搬送ベルト装置12等におけるカード部材30の供給搬送及び、これらの画像形成ユニット15〜18における画像形成過程を管理するようになされる。
この管理装置90は制御手段55、カード作成来歴管理テーブルT1、バッファテーブルT2、画像形成管理テーブル(以下でプリント管理テーブルという)T3を有している。制御手段55では個人識別番号IDを付加したR(赤色),G(緑色)、B(青色)のカラー用の顔画像情報D1及び白黒用の文字情報D2を発行要求者毎に上位のホストコンピュータ等より入力すると、R、G、B色の顔画像情報D1が制御手段55によってY色顔画像情報D1(Y)、M色顔画像情報D1(M)及びC色顔画像情報D1(C)に変換される。
この制御手段55からY色画像形成ユニット15にはY色顔画像情報D1(Y)が出力され、同様にしてM色画像形成ユニット16にはM色顔画像情報D1(M)が出力され、C色画像形成ユニット17にはC色顔画像情報D1(C)が各々出力され、当該個人識別番号IDに係るこれらのY色顔画像情報D1(Y)、M色顔画像情報D1(M)及びC色顔画像情報D1(C)がバッファメモリにセットされる。また、K色画像形成ユニット18には当該個人識別番号IDに係る文字情報D2が出力されてバッファメモリにセットされる。以下でY色顔画像情報D1(Y)、M色顔画像情報D1(M)及びC色顔画像情報D1(C)を総称して顔画像情報D1ともいう。
この制御手段55にはバッファテーブルT2が接続され、この制御手段55によって複数のバッファメモリにセットされる個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2のセット状態を発行要求者毎に管理するようになされる。
この制御手段55には更にカード作成来歴管理テーブルT1が接続され、順次、制御手段55に入力される複数の発行要求者の個人識別番号IDを管理するようになされる。また、制御手段55には更にプリント管理テーブルT3が接続され、制御手段55に順次、入力される複数の発行要求者の個人識別番号IDを管理するようになされる。
プリント管理テーブルT3ではカード作成来歴管理テーブルT1及びバッファテーブルT2に関してホッパー11、搬送ベルト装置12、Y色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18毎に管理するようになされる。
図1に示すカード作成装置100はICチップ内蔵型のカード部材30にカラーの顔画像及び白黒の文字画像を形成すると共に、この顔画像及び文字画像形成後のICチップ内に電子情報内容ID+D1+D2を記録するようになされる。電子情報内容ID+D1+D2はカードリードライト装置14によって書き込まれる。
このICチップ内蔵型のカード部材30は基板用の部材と、当該発行要求者の顔画像が熱転写される受像層を有した表面用の部材と、この基板用の部材と表面用の部材との間に電子部品を有するものである。電子部品は電子情報内容ID+D1+D2を記憶するICチップ及びこのICチップに接続されたコイル状のアンテナ体等から構成されるものである(図22参照)。
図1に示す制御手段55にはICカード制御装置35が接続されており、このICカード制御装置35にはカードリードライト装置14が接続されている。このカードリードライト装置14及びICカード制御装置35は記録再生手段を構成する。カードリードライト装置14は電子カード内に設けられたICチップに発行要求者の顔画像情報D1、文字情報D2及び個人識別番号IDを書き込み又はそれを読み出すものである。
例えば、カードリードライト装置14は図18に示すように、カードリードライト部70及び情報書込み読出し制御部71を有している。カードリードライト部70はカード挿入側が凹状を成したスライド部72を有しており、カード部材30が例えば、スライド挿入される。このスライド部72の左右の内部にはアンテナ体73が取り付けられる。このアンテナ体73はカード部材30内のアンテナ体に電磁結合され、カード内のICチップへの駆動電源を供給しつつ、文字情報D2や個人識別番号IDが書き込み又は読み出される。
この情報書込み読出し制御部71は内部バス81に接続された送受信部74、RAM75、ROM76、通信インタフェース77、CPU78及び電源部79を有している。上述したカードリードライト部70のアンテナ体73には送受信部74が接続され、情報書き込み時に所定の変調電波に変調された顔画像情報D1、文字情報D2及び個人識別番号IDが送信される。情報読み出し時には、予めカード部材30内で所定の変調信号に変調されたこれらの電子情報内容ID+D1+D2がアンテナ体73を介して取り込まれ復調される。
この送受信部74には内部バス81を介してRAM75及びROM76が接続され、送受信部74で復調された顔画像情報D1、文字情報D2及び個人識別番号IDが一時記憶される。ROM76には、情報書込み読出し手順などの制御データが格納される。内部バス81には通信インタフェース77が接続され、RS−232C(又はRS−422)の通信プロトコルに準拠した通信回線を介して外部の端末装置が接続される。このカードリードライト装置14とICカード制御装置35を介して制御手段55との間でデータ通信を行うようになされる。
この通信インタフェース77には内部バス81を介してCPU78が接続され、情報書込み読出し時に、送受信部74、RAM75及びROM76の入出力が制御される。例えば、情報読み出し時には、送受信部74から得られた電子情報内容ID+D1+D2が通信インタフェース77を介して外部の端末装置などに転送される。情報書き込み時には、制御手段55から転送されてきた電子情報内容ID+D1+D2が送受信部74に出力される。
また、情報書込み読出し制御部71には電源部79が設けられ、カード部材内のICチップを駆動するための所定の周波数の高周波信号がアンテナ体73に供給される。もちろん、送受信部74、RAM75、ROM76、通信インタフェース77及びCPU78には直流電源VCCが供給される。
この例で図1に示したプリント管理テーブルT3にはカードリードライト装置14を制御するカードリードライトステージ(以下でR/Wステージという)が記述され、制御手段55ではプリント管理テーブルT3において、KステージからR/WステージへバッファテーブルNo及びカード作成来歴管理テーブルNoをシフトするようになされる。
これと共に、R/WステージにおけるバッファテーブルNoによって管理される当該発行要求者の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルNoによって管理される当該発行要求者の個人識別番号IDとが比較される。この比較結果で、両方の個人識別番号IDの一致を検出した後にカードリードライト装置14によって当該発行要求者の個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2を記録するようになされる。
図2A及びBはプリント用の電子情報内容のデータフォーマットを示している。図2Aに示すデータフォーマットによれば、そのヘッダ部に個人識別番号IDが記述され、データ部にはR(赤色),G(緑色)、B(青色)のカラー用の顔画像情報D1と白黒用の文字情報D2が記述されている。これらの一連のデータストリームが発行要求者一名分のプリント用の電子情報内容として上位のホストコンピュータ等より転送されてくる。このデータフォーマットは撮影装置内で個人識別番号IDに基づいて顔画像情報D1と文字情報D2とを編成する場合に適している。
図2Bに示すデータフォーマットによれば、そのヘッダ部に個人識別番号IDが記述され、データ部に上述したカラー用の顔画像情報D1が記述された第1のデータストリームと、そのヘッダ部に個人識別番号IDが記述され、データ部に上述した白黒用の文字情報D2が記述された第2のデータストリームとに分割する方法が採られる。このデータフォーマットは撮影装置等から直接、カード作成装置100に顔画像情報D1を転送し、また、端末装置等からカード作成装置100へ文字情報D2を転送し、当該カード作成装置100で編成する場合に適している。
図3はバッファメモリ#1〜#6の構成例を示すイメージ図である。図3に示すバッファメモリ#1〜#6はカード作成装置100内に設けられ、当該個人識別番号IDに係るY色顔画像情報D1(Y)、M色顔画像情報D1(M)、C色顔画像情報D1(C)及び文字情報D2を格納するために6画面分のメモリ領域が準備される。これは時分割に画像形成処理を行なうためであり、6画面分の顔画像情報D1を時分割に書込み読出し処理することによりメモ画像形成処理の高速化を図れる。
バッファメモリ#1〜#6は6画面分の全部を制御手段55内に設けてもよいが、これをY色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17、及びK色画像形成ユニット18にそれぞれ分割してバッファメモリ#1〜#6を設け、当該個人識別番号IDに係るY色顔画像情報D1(Y)、M色顔画像情報D1(M)、C色顔画像情報D1(C)及び文字情報D2を個別に格納するようにしてもよい。
図4はカード作成来歴管理テーブルT1における個人識別番号IDの管理例を示すイメージ図である。図4に示すカード作成来歴管理テーブルT1には、複数の発行要求者の個人識別番号IDが記述され管理される。個人識別番号IDはホストコンピュータ等から制御手段55に入力される当該発行要求者のプリント用の電子情報内容ID+D1+D2から抽出(複写)される。この例ではシリアルの制御番号No1〜nに対して、No1〜No7まで「空」であり、No8には例えば、発行要求者(丸付き数字1)が記述されている。この制御番号No8を指定すると発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDを読み出すことができる。
以下、制御番号No9には発行要求者X9、No10には発行要求者X10、No11には発行要求者X11・・・・、Nonには発行要求者Xnが記述されている。この記述内容はカード作成時の発行要求者の個人識別番号IDの同一性を確認するために使用される。
図5はバッファテーブルT2におけるバッファメモリ#1〜#6の管理例を示すイメージ図である。図5に示すバッファテーブルT2には制御手段55によってバッファメモリ#1〜#6にセットされる個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2のセット状態を発行要求者毎に管理するようになされる。この例ではバッファメモリ#1に、発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2がセットされている場合を示している。他のバッファメモリ#2〜#6にはいずれの個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2もセットされておらず、「空」の場合を示している。
図6A〜Cはプリント管理テーブルT3におけるデータシフト例を示す状態遷移図である。図6Aに示すプリント管理テーブルT3に当該発行要求者に関するバッファテーブル番号(No)及びカード作成来歴管理テーブル番号(No)を記述した欄が設けられる。このバッファテーブルNo及びカード作成来歴管理テーブルNoに対応してホッパーステージ、Yステージ、Mステージ、Cステージ及びKステージを記述した欄が設けられる。
このホッパーステージはホッパー11及び搬送ベルト装置12を制御する制御テーブルである。YステージはY色画像形成ユニット15を制御する制御テーブルである。MステージはM色画像形成ユニット16を制御する制御テーブルである。CステージはC色画像形成ユニット17を制御する制御テーブルである。KステージはK色画像形成ユニット18を制御する制御テーブルである。
この例で、図6Aに示すプリント管理テーブルT3のバッファテーブルNoには当該発行要求者(丸付き数字1)に関するバッファメモリ#1がセットされ、カード作成来歴管理テーブルNoには制御番号「8」がセットされる。制御手段55ではバッファテーブルNoによって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルT1によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDとが比較される。この比較結果に基づいて両方の個人識別番号IDが一致した場合にホッパー11から搬送ベルト装置12上へ1枚のカード部材30を排出するような制御がなされる。
この例ではまた、図6Aに示したホッパーステージから図6Bに示すYステージへバッファテーブルNoのバッファメモリ#1及びカード作成来歴管理テーブルNoの制御番号「8」を共にシフトするようになされる。カード部材30がホッパー11からY色画像形成ユニット15下に移動するためである。このときY色画像形成ユニット15では、Y色顔画像情報D1(Y)に基づいてカード部材30にY色顔画像を形成するような制御がなされる。
この例では更に図6Bに示したYステージから図6Cに示すMステージへバッファテーブルNoのバッファメモリ#1及びカード作成来歴管理テーブルNoの制御番号「8」を共にシフトするようになされる。カード部材30がY色画像形成ユニット15からM色画像形成ユニット16下に移動するためである。このときM色画像形成ユニット16では、M色顔画像情報D1(M)に基づいてカード部材30にM色顔画像が形成される。
同様にして、プリント管理テーブルT3のバッファテーブルNo及びカード作成来歴管理テーブルNoを順次参照して、カード作成時の発行要求者の個人識別番号IDの同一性を確認することにより、他のC色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18を制御することができる。
次に、カード作成装置100における処理例について説明をする。図7〜図11はカード作成装置100における処理例(その1〜5)を示すフローチャートである。
この実施形態ではカード発行要求者の個人識別情報を付加した顔画像情報及び文字情報に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像と文字画像とを形成する場合を前提とする。もちろん、個人識別情報の同一性を確認するようにホッパー11、搬送ベルト装置12、Y色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18による画像形成過程を管理する管理装置90を備えるものである。管理装置90にはカード作成来歴管理テーブルT1、バッファテーブルT2及びプリント管理テーブルT3が準備される場合を想定する。
これを前提にして図7に示すフローチャートのステップA1でホストコンピュータ等から制御手段55にプリント用の電子情報内容ID+D1+D2を入力する。その後、ステップA2で制御手段55はプリント管理テーブルT3のホッパーステージにバッファテーブルNoとして「#1」及びカード作成来歴管理テーブルNoとして「8」をセットする。
そして、ステップA3でホッパーステージにおけるバッファテーブルNo=#1によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルNo=「8」によって管理される当該発行要求者の個人識別番号IDとが制御手段55によって比較される。
その後、ステップA4に移行して両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。両方の個人識別番号IDが一致する場合には、ステップA5に移行してホッパー11から1枚のカード部材30が搬送ベルト装置12へ排出される。その後、カード部材30が搬送ベルト装置12によってY色画像形成ユニット15に搬送され、ステップA6でY色画像形成ユニット15へのカード部材30の到達及びそのセットが検出される。カード部材到達は図示しないが、周知の光学センサ等により検出される。センサ出力は制御手段55へ出力される。
その後、ステップA7に移行してプリント管理テーブルT3において、ホッパーステージからYステージへバッファテーブルNo=「#1」及びカード作成来歴管理テーブルNo=「8」がシフトされる。このシフトはカード部材30の移動に合わせるためである。そして、図8に示すフローチャートのステップA8でYステージにおけるバッファテーブルNo=「#1」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルNo=「8」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDとが制御手段55によって比較される。
そして、ステップA9で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。両方の個人識別番号IDが一致する場合には、ステップA10でYステージにてY色画像形成ユニット15によりカード部材30にイエロー色の顔画像が形成される。その後、ステップA11でY色画像形成ユニット15からM色画像形成ユニット16へ搬送ベルト装置12によってカード部材30が搬送され、ステップA12でM色画像形成ユニット16へのカード部材30の到達及びそのセットが検出される。
その後、ステップA13に移行してプリント管理テーブルT3において、YステージからMステージへバッファテーブルNo=「#1」及びカード作成来歴管理テーブルNo=「8」がシフトされる。そして、図9に示すフローチャートのステップA14でMYステージにおけるバッファテーブルNo=「#1」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルNo=「8」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDとが制御手段55によって比較される。
その後、ステップA15で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。両方の個人識別番号IDが一致する場合には、ステップA16でMステージにてM色画像形成ユニット16によりカード部材30のY色顔画像上にマゼンタ色の顔画像が形成される。その後、ステップA17でY色画像形成ユニット15からM色画像形成ユニット16へ搬送ベルト装置12によってカード部材30が搬送され、ステップA18でC色画像形成ユニット17へのカード部材30の到達及びそのセットが検出される。
そして、ステップA19に移行してプリント管理テーブルT3において、MステージからCステージへバッファテーブルNo=「#1」及びカード作成来歴管理テーブルNo=「8」がシフトされる。その後、図10に示すフローチャートのステップA20に移行して、CステージにおけるバッファテーブルNo=「#1」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルNo=「8」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDとが制御手段55によって比較される。
そして、ステップA21で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。両方の個人識別番号IDが一致する場合には、ステップA22でCステージにてC色画像形成ユニット17によりカード部材30のM色顔画像上にシアン色の顔画像が形成される。その後、ステップA23でC色画像形成ユニット17からK色画像形成ユニット18へ搬送ベルト装置12によってカード部材30が搬送され、ステップA24でK色画像形成ユニット18へのカード部材30の到達及びそのセットが検出される。
そして、ステップA24に移行してプリント管理テーブルT3において、CステージからKステージへバッファテーブルNo=「#1」及びカード作成来歴管理テーブルNo=「8」がシフトされる。その後、図11に示すフローチャートのステップA26に移行して、CステージにおけるバッファテーブルNo=「#1」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDと、カード作成来歴管理テーブルNo=「8」によって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDとが制御手段55によって比較される。
その後、ステップA27で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。両方の個人識別番号IDが一致する場合には、ステップA28でKステージにてK色画像形成ユニット18によりカード部材30に文字画像が形成される。その後、ステップA29で搬送ベルト装置12によってK色画像形成ユニット18からカード部材30が排出される。その後、ステップA30でカード排出が検出される。カード排出検出は図示しないが、周知の光学センサ等により検出される。センサ出力は制御手段55へ出力される。
なお、ステップA4、ステップA9、ステップA15、ステップA21及びステップA27で各々の両方の個人識別番号IDが一致しない場合は、ステップA31に移行してエラー処理がなされる。このエラー処理ではYステージ、Mステージ、Cステージ又はKステージによって管理される当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDが一致しない旨の表示がなされる。このエラー表示ではこのまま画像形成処理を継続すると、異なった色の顔画像や、他人の文字画像が形成されることが警告される。
そして、ステップA32に移行して、IDカードの作成が全部終了したかが周知の方法により制御手段55によってチェックされる。オペレータはこれを確認し、IDカードの作成を全部終了した場合は処理を終了する。IDカードの作成を全部終了していない場合はステップA1に戻って上述した処理を継続する。
このように、本発明に係る第1の実施形態としてのカード作成装置100によれば、個人識別番号IDを付加した顔画像情報D1及び文字情報D2に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像と文字画像とを形成する場合に、個人識別番号IDの同一性を確認するようにホッパー11及び搬送ベルト装置12におけるカード部材30の供給搬送過程と、Y色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18における画像形成過程とを管理装置90によって管理するようになされる。
しかも、図1に示したK色画像形成ユニット18の下流側にカードリードライト装置14が取り付けられ、顔画像及び文字画像形成済みのカード部材30内のICチップに電子情報内容を記録するようになされる。
従って、当該顔画像情報D1及び文字情報D2に付加された個人識別番号IDと同一性の無い誤った個人識別番号IDに係る電子情報内容ID+D1+D2による書込みを阻止できるので、当該個人識別番号IDによりカラー顔画像及び文字画像が形成されたカード部材30に、この個人識別番号IDと同一性の無い異なった個人識別番号ID’に係る電子情報内容ID+D1+D2によるデータ記録を無くすことができる。
これにより、本人の顔画像が形成されたカード部材30に他人の氏名や住所等が印刷される事態を無くすことができる。しかも、本人の顔画像及び文字画像が形成されたカード部材30に他人の顔画像情報D1や文字情報D2等が記録される事態を無くすことができる。高信頼度かつ高画像品質のIDカード等を提供することができる。
(2)第2の実施形態
図12は本発明に係る第2の実施形態としてのカード作成装置200の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では発行要求者の個人識別番号IDを付加した顔画像情報D1及び文字情報D2に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像と文字画像とを形成する場合に、この個人識別番号IDのリレー制御を実行する制御装置を備え、当該発行要求者の個人識別番号IDをカード供給搬送手段に設定する。
これと共に、ここで設定された個人識別番号IDを比較基準値としてカード供給搬送手段からカラー用の画像形成ユニット、白黒用の画像形成ユニットへと順次受け渡すようにして、カラー用の画像形成ユニットにおいて個人識別番号IDの同一性を確認した後に顔画像を形成できるようにすると共に、及び、白黒用の画像形成ユニットにおいても個人識別番号IDの同一性を確認した後に文字画像を形成できるようにしたものである。
図12に示すカード作成装置200は発行要求者の個人識別番号IDを付加した顔画像情報D1及び文字情報D2に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像と文字画像とを形成する装置である。
このカード作成装置200には第1の実施形態と同様にしてカード供給搬送手段の一例となるホッパー11及び搬送ベルト装置12と、カラー用の画像形成ユニットの一例となるY色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16及びC色画像形成ユニット17と、白黒用の画像形成ユニットの一例となるK色画像形成ユニット18とが設けられる。
このカード作成装置200でも、カラー顔画像を形成されたカード部材30に個人識別番号IDに係る文字情報D2に基づいて文字画像を形成するようになされる。なお、第1の実施形態と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
このホッパー11、搬送ベルト装置12、Y色、M色、C色及びK色画像形成ユニット15、16、17及び18には制御装置65が接続されており、当該発行要求者の個人識別番号IDをホッパー11の駆動制御用のステージ(ホッパーステージ)に設定すると共に、そのホッパーステージに設定された個人識別番号IDを比較基準値としてY色画像形成ユニット15から、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18へ順次受け渡すようなリレー制御を実行するようになされる。
この実施形態ではカード部材30にICチップ内蔵型が使用される場合であって、第1の実施形態で説明したK色画像形成ユニット18の下流側に記録再生装置を構成するカードリードライト装置14が取り付けられ、カード部材30内のICチップに電子情報内容を記録するようになされる。
図12に示すカード作成装置400はICチップ内蔵型のカード部材30にカラーの顔画像及び白黒の文字画像を形成すると共に、この顔画像及び文字画像形成後のICチップ内に電子情報内容ID+D1+D2を記録するようになされる。電子情報内容ID+D1+D2はカードリードライト装置14によって書き込まれる。なお、第1の実施形態と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
図12に示す制御装置65にはICカード制御装置35が接続されており、このICカード制御装置35にはカードリードライト装置14が接続されている。このカードリードライト装置14はカード部材内に設けられたICチップ24Aに発行要求者の顔画像情報D1、文字情報D2及び個人識別番号IDを書き込み又はそれを読み出すものである。
この制御装置65のリレー制御においてはK色画像形成ユニット18による文字画像形成が終了すると、個人識別番号IDがカードリードライト装置14へ受け渡され、カードリードライト装置14ではICカード制御装置35から設定される個人識別番号IDと、K色画像形成ユニット18から受け取った個人識別番号IDとが比較される。この比較結果に基づいて両方の個人識別番号IDの一致を検出した後に、カード部材30内に当該発行要求者に係る個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報を記録するようになされる。
この個人識別番号IDの比較処理はICカード制御装置35内で行ってもよい。その場合には、K色画像形成ユニット18から受け取った個人識別番号IDと制御装置65から受け取った個人識別番号IDとがICカード制御装置35によって比較される。この比較結果に基づいて両方の個人識別番号IDの一致を検出した後に、ICカード制御装置35からカードリードライト装置14へ書込み許可がなされ、カード部材30内に当該発行要求者に係る個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報を記録するようになされる。
続いて、カード作成装置200における処理例について説明をする。図13〜図17はカード作成装置200における処理例(その1〜5)を示すフローチャートである。
この実施形態ではカード発行要求者の個人識別情報を付加した顔画像情報及び文字情報に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像と文字画像とを形成する場合を前提とする。制御装置65では当該発行要求者の個人識別番号IDをホッパーステージに設定すると共に、そのホッパーステージに設定された個人識別番号IDを比較基準値としてY色画像形成ユニット15から、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18へ順次受け渡すようなリレー制御を実行する場合を想定する。
これを前提にして図13に示すフローチャートのステップB1でホストコンピュータ等から制御装置65にプリント用の電子情報内容ID+D1+D2を入力する。その後、ステップB2で制御装置65は当該発行要求者(丸付き数字1)の個人識別番号IDをホッパーステージに設定する。ホッパーステージはホッパー11を制御する制御ステージである。
これと共に、ホッパー11は1枚のカード部材30を搬送ベルト装置12上に排出する。そして、搬送ベルト装置12によりカード部材30がY色画像形成ユニット15へ搬送開始される。他方で、ホッパー11からY色画像形成ユニット15へ個人識別番号IDが受け渡(通知)される。
また、ステップB3では制御装置65からY色画像形成ユニット15へ電子情報内容ID+D1(Y)が転送される。ステップB4ではY色画像形成ユニット15へのカード部材30の到達及びそのセットが検出される。カード部材到達は図示しないが、周知の光学センサ等により検出される。センサ出力は制御装置65へ出力される。
その後、ステップB5でY色画像形成ユニット15では制御装置65から設定された個人識別番号IDと、ホッパー11から受け取った個人識別番号IDとが比較される。そして、ステップB6で比較結果に基づいて両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。両方の個人識別番号IDが一致する場合には、ステップB7でカード部材30に当該個人識別番号IDに係る顔画像情報D1(Y)に基づいてイエロー色の顔画像が形成される。
そして、Y色顔画像の形成が終了すると、図14に示すフローチャートのステップB8に移行して個人識別番号IDがY色画像形成ユニット15からM色画像形成ユニット16へ受け渡(通知)される。また、ステップB9では制御装置65からM色画像形成ユニット16へ電子情報内容ID+D1(M)が転送される。
その後、ステップB10ではカード部材30のM色画像形成ユニット16への到達及びカード部材30のセットが検出される。そして、ステップB11でM色画像形成ユニット16では制御装置65から設定された個人識別番号IDと、Y色画像形成ユニット15から受け取った個人識別番号IDとが比較される。
その後、ステップB12で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。個人識別番号IDが一致する場合には、ステップB13でカード部材30に当該個人識別番号IDに係る顔画像情報D1(M)に基づいてマゼンタ色の顔画像が形成される。
そして、M色顔画像の形成が終了すると、図15に示すフローチャートのステップB14に移行して個人識別番号IDがC色画像形成ユニット17へ受け渡(通知)される。また、ステップB15では制御装置65からC色画像形成ユニット17へ電子情報内容ID+D1(C)が転送される。
その後、ステップB16ではカード部材30のC色画像形成ユニット17への到達及びカード部材30のセットが検出される。そして、ステップB17でC色画像形成ユニット17では制御装置65から設定された個人識別番号IDと、Y色画像形成ユニット15から受け取った個人識別番号IDとが比較される。
その後、ステップB18で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。個人識別番号IDが一致する場合には、ステップB19でカード部材30に当該個人識別番号IDに係る顔画像情報D1(C)に基づいてシアン色の顔画像が形成される。
そして、C色画像形成ユニット17によるC色顔画像の形成が終了すると、図16に示すフローチャートのステップB20に移行して個人識別番号IDがK色画像形成ユニット18へ受け渡(通知)される。また、ステップB21では制御装置65からK色画像形成ユニット18へ電子情報内容ID+D2が転送される。そして、ステップB22ではK色画像形成ユニット18へのカード部材30の到達及びそのセットが検出される。その後、ステップB23でK色画像形成ユニット18では制御装置65から設定される個人識別番号IDと、C色画像形成ユニット17から受け取った個人識別番号IDとが比較される。
その後、ステップB24で両方の個人識別番号IDが一致するかが検出される。個人識別番号IDが一致する場合には、ステップB25でカード部材30に当該個人識別番号IDに係る文字情報D2に基づいて黒色の文字画像が形成される。
そして、図17に示すフローチャートのステップB26に移行して搬送ベルト装置12によってK色画像形成ユニット18からカード部材30が排出される。その後、ステップB27でカード排出が検出される。カード排出検出は図示しないが、周知の光学センサ等により検出される。センサ出力は制御装置65へ出力される。
なお、ステップB6、ステップB12、ステップB18、ステップB24で各々の両方の個人識別番号IDが一致しない場合は、ステップB28に移行してエラー処理がなされる。そして、ステップB29に移行して、IDカードの作成が全部終了したかがオペレータによってチェックされる。IDカードの作成を全部終了した場合は処理を終了する。IDカードの作成を全部終了していない場合はステップB1に戻って上述した処理を継続する。
このように、本発明に係る第2の実施形態としてのカード作成装置200によれば、発行要求者の個人識別番号IDを付加した顔画像情報D1及び文字情報D2に基づいて所定のカード部材30にカラー顔画像及び文字画像を形成する場合に、制御装置65では当該発行要求者の個人識別番号IDをホッパーステージに設定すると共に、ここで設定された個人識別番号IDを比較基準値として、Y色画像形成ユニット15からM色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17及びK色画像形成ユニット18へ順次受け渡すようなリレー制御が実行される。
しかも、図1に示したK色画像形成ユニット18の下流側にカードリードライト装置14(図18参照)が取り付けられ、顔画像及び文字画像形成済みのカード部材30内のICチップに電子情報内容を記録するようになされる。
従って、当該個人識別番号IDによりカラー顔画像が形成されたカード部材30に、この個人識別番号IDと同一性の無い異なった個人識別番号IDに係る文字情報D2による文字画像形成を無くすことができる。
しかも、当該顔画像情報D1及び文字情報D2に付加された個人識別番号IDと同一性の無い誤った個人識別番号IDに係る電子情報内容ID+D1+D2による書込みを阻止できるので、当該個人識別番号IDによりカラー顔画像及び文字画像が形成されたカード部材30に、この個人識別番号IDと同一性の無い異なった個人識別番号ID’に係る電子情報内容ID+D1+D2によるデータ記録を無くすことができる。
これにより、本人の顔画像が形成されたカード部材30に他人の氏名や住所等が印刷される事態を無くすことができる。しかも、本人の顔画像及び文字画像が形成されたカード部材30に他人の顔画像情報D1や文字情報D2等が記録される事態を無くすことができる。第1の実施形態と同様にして高信頼度かつ高画像品質のIDカード等を提供することができる。
(3)実施例
図19は本発明に係る実施例としての従業者証プリンタ66を応用した従業者証発行システム500の構成例を示すブロック図である。
この実施例では第1又は第2の実施形態に係るカード作成装置を応用した従業者証プリンタ66を備え、この従業者証プリンタ66によって従業者証30を発行する従業者証発行システム500を構築できるようにしたものである。この従業者証発行システム500ではパスワードを登録するようになされる。
図19に示す従業者証発行システム500は、例えば各県支社毎に配置され、少なくとも、カード面の記載情報内容を電子情報内容にしてカード内に電気的に記録し、この電子情報内容が記録されたカード部材の一例となる従業者証30を発行するシステムである。
カード面の記載情報内容としては氏名、住所、生年月日、個人識別番号ID、従業者証の発行年月日及び有効期限等である。電子情報内容は個人識別番号ID、顔画像情報D1、文字情報D2、申請書イメージデータD3等である。
この従業者証発行システム500には従業者証30を発行制御するためにホストコンピュータ63が備えられている。ホストコンピュータ63にはID情報データベース64は接続されており、従業者証30の発行に関して氏名、住所、生年月日、個人識別番号ID、従業者証の発行年月日及び有効期限等の個人情報を管理するようになされる。
この個人情報が文字情報D2となる。ホストコンピュータ63には通信回線19が接続されており、各種情報を送受信するようになされる。通信回線19にはスーパーデジタル回線等が使用される。
この通信回線19には端末装置62が接続されており、従業者証30の発行時等に個人識別番号IDやパスワード、文字情報D2などが入力される。通信回線19には更に撮影装置61及び従業者証プリンタ66を接続して使用される。撮影装置61では更新時や再発行時に発行要求者の顔部位を撮影して顔画像情報D1を出力するようになされる。撮影装置61にはカラー用の静止画用デジタルカメラや、動画用ビデオカメラが使用され、赤色、青色、緑色の3色の色信号R,G,Bや、輝度信号Yなどのコンポジット信号を出力されるものが好ましい。
従業者証プリンタ66はカード作成装置の一例であり、第1、第2、第3又は第4の実施形態で説明したいずれかのカード作成装置が応用される。例えば、第3又は第4の実施形態に係るカード作成装置を応用した場合は、撮影装置61から得られた発行要求者の顔画像情報D1、予め取得された発行要求者の個人識別番号ID、文字情報D2及び発行許可に基づいて発行要求者の顔画像情報D1及び文字情報D2とを画像形成し、かつ、その発行要求者の顔画像情報D1、文字情報D2をICチップ内書き込んだ従業者証30を作成するようになされる。
続いて、当該従業者証発行システム500で使用される発行申請書40について説明する。図20は発行申請書40の構成例を示すイメージ図である。
図20に示す発行申請書40は例えばA4サイズの上質紙から成る。その右上端には顔写真貼付領域P1が設けられ、発行要求者の顔写真を貼付するようになされている。この発行申請書40内には顔写真貼付領域P1の他に「従業者証発行申請書」、「住所」、「氏名」、「生年月日」などを記載する欄や、手数料の証紙などを貼付する証紙貼付領域P2が設けられる。カード表面には個人識別番号IDも記載される場合がある。
この発行申請書40は各県毎に異なる場合もあるし、従業者証30の発行時と更新発行時とで紙の色が異なる場合もある。従って、発行要求者は、所定の色の発行申請書40に必要事項を記載すると共に、予め準備した顔写真を発行申請書40に貼るようになる。
続いて、カード部材の一例となる従業者証30について説明する。図21は従業者証30の構成例を示すイメージ図であり、図22はその上部の保護シートを除いた従業者証30の積層構造例を示す斜視図である。
この従業者証発行システム500で作成される電子カードとしての従業者証30は、図21において、例えば、縦の長さが6cm程度で、横の長さが9cm程度で、厚みが0.5〜1.0mm程度を有している。その従業者証30の所定領域P3には画像表示情報が印刷される。画像表示情報は、例えば「○○○従業者証」、「個人識別番号」、「氏名」、「発行日」・・・などである。
図21に示す従業者証30の所定位置には従業者証所有者(発行要求者)の個人識別番号IDが記録される。個人識別番号IDは更新時等において、端末装置62により手入力又は図示しない申請書スキャナ等によって読み取られ、ホストコンピュータ63によって個人識別番号IDを認識するようになされる。
例えば、ホストコンピュータ63では申請書スキャナによって読み取られた、個人識別番号IDに係るn=12桁の整列番号「123456789123」のうち特定番号「1234567891」を計算してカード面の記載情報内容又は/及びカード内の電子情報内容の正否を判定するようになされる。この例では下2桁の数字「23」がチェックデジットに割当られ、この下2桁の数字「23」を除く10桁の連続する特定番号「1234567891」を、ある計算式で計算してその計算結果がチェックデジット=「23」に一致するか否かをチェックするようになされる。このチェックによって、個人識別番号IDの正否を判定することができる。
図22に示した従業者証30では所定領域P3の他に顔画像形成領域P4が割り当てられ、当該従業者証30の発行要求者の顔画像が形成される。この顔画像及び画像表示情報を保護するように、そのカード表面が保護シート51によって覆われている。つまり、図22に示す従業者証30は上層の保護シート51及び中層の接着部材22A、22Bを除いて大きく分けると裏面シート21と、電子部品24と、表面シート25の3層構造を有している。従業者証30の最下層には基板用の部材としての厚さが100μm程度の裏面シート21が設けられる。裏面シート21は50μm〜300μm程度のシート厚が好ましい。裏面シート21にはペンで書ける、図示しない筆記層を更に有している。
この例で裏面シート21上にはカード用の電子部品24が設けられる。電子部品24は当該従業者証30の利用者に関した個人識別番号IDや、顔画像情報D1、文字情報D2などを電気的に記録するICチップ24A及びそのICチップ24Aに接続されたコイル状のアンテナ体24Bである。
この電子部品24上には表面用の部材としての厚さ100μm程度の表面シート25が設けられ、その電子部品24が封入されている。この例では、少なくとも、裏面シート21と表面シート25と電子部品24とを薄シート状の接着部材(以下単に接着シートという)22A、22Bを介在して貼り合せた積層構造を有している。
例えば、厚み50μm〜300μm程度の第1の接着シート22AによってICチップ24Aの裏面と裏面シート21との間が貼合され、ICチップ24Aの表面と表面シート25の間は、厚み50μm〜300μm程度の第2の接着シート22Bによって貼合されている。これらの接着シート22A、22Bにはホットメルト樹脂又は反応型ホットメルト樹脂を予め薄シート状に形成したものが使用される。この表面シート25上には透明な保護シート51が設けられ、顔画像が形成された後に表面シート25上を覆うように保護される。
図23はICチップ24Aの内部構成例を示すブロック図である。この電子カードとしての従業者証30は非接触式であるため、情報入出力用の端子が設けられていない。図22に示すICチップ24AはROM23、送受信部26、RAM27、不揮発メモリ28、電源生成部29、CPU38及びクロック生成部39を有している。
上述したアンテナ体24Bには送受信部26が接続され、情報書き込み時に所定の変調電波に変調された電子情報内容ID+D1+D2が受信される。情報読み出し時には、電子情報内容ID+D1+D2が所定の変調信号に変調されてアンテナ体24Bへ送出される。
この送受信部26にはROM23及びRAM27が接続され、ROM23には情報書込み読出し手順などの制御プログラムデータが記述されている。RAM27には送受信部26で復調された個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2が一時記憶される。送受信部26には不揮発メモリ28が接続され、ROM23から読み出した制御プログラムデータに基づいてCPU38により個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2が記録される。
この不揮発メモリ28には電気的な情報の消去及び書き込みが可能なメモリ(EEPROM)などが使用される。従って、電源を切っても、個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2が不揮発メモリ28に記録保持される。
上述のROM23、送受信部26、RAM27及び不揮発メモリ28にはCPU38が接続され、情報書込み読出し時に、送受信部26、RAM27及び不揮発メモリ28の入出力が制御される。例えば、情報読み出し時には、不揮発メモリ28から読み出した、顔画像情報D1、文字情報D2及び個人識別番号IDが送受信部26に出力される。情報書き込み時には、送受信部26から得られたこれらの電子情報内容D1+D2+IDが不揮発メモリ28に記録される。
このCPU38にはクロック生成部39が接続され、情報の書込み読出し動作を実行するためのシステムクロックが供給される。上述のROM23、送受信部26、RAM27、不揮発メモリ28、CPU38及びクロック生成部39には電源生成部29が接続され、通常の非接触式のICカードで使用される方法で、その外部からの電磁気エネルギーをアンテナ体24Bによって取り込み、この電磁気エネルギーに基づいて生成した直流電源VCCが供給される。
例えば、カードリードライト装置14側からの電磁誘導によって生じる起電力Vφを整流することにより直流電源VCCを得る。もちろん、この他に外部からの高周波電磁エネルギーによる電力をアンテナ体24B又はその他の物体に取り込むことにより電源を生成する方法も考えられる。なお、CPU38を持たずにその部分のCPUの内容を制御ロジック回路で構成してもよい。
続いて、従業者証発行システム500で使用する従業者証プリンタ66について説明する。図24は従業者証プリンタ66の構成例を示す概念図である。この例では従業者証用のカード部材30に顔画像及び文字情報を記録した後に、枚葉状の保護シート51を形成する場合について説明する。
図24に示す従業者証プリンタ66は所定形状で所定の大きさを有した筐体60を備えている。筐体60の内部右側にはカードマガジン11’が設けられ、例えば3種類の従業者証用のカード部材30を収納するようにして使用される。各々のカード部材30は予め枚葉状にカットされており、顔画像形成領域面を上に向けてストックされている。
もちろん、カード部材30には電子部品24が内蔵されている。第1種類のカード部材30はホッパーHP1に収納されており、第2種類のカード部材30はホッパーHP2に収納されており、第3種類のカード部材30はホッパーHP3に収納されている。発行要求者の従業者証発行条件によってカード部材30を変えるためである。
ホッパーHP1〜HP3の下方には図示しない搬送ベルト装置が設けられ、ホッパーHP1、HP2又はHP3から排出・投下されたカード部材30をプリント部67の方へ搬送するようになされる。プリント部67の下部には搬送ベルト装置12が設けられ、プリント部67を構成するY色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16、C色画像形成ユニット17、P色画像形成ユニット31及び、K色画像形成ユニット18にカード部材30を搬送するようになされる。
搬送ベルト装置12上のカード部材30は右側から左側に搬送される間に、Y色画像形成ユニット15、M色画像形成ユニット16及びC色画像形成ユニット17によってカード部材30の顔画像形成領域P4に発行要求者20の顔画像が形成され、P色画像形成ユニット31及びK色画像形成ユニット18によってカード部材30の所定領域P3に発行要求者20の氏名や、従業者証発行日などが記録される。
この搬送ベルト装置12の下流側にはカードリードライト装置14が設けられ、発行要求者20の顔画像情報D1、文字情報D2及び個人識別番号IDが従業者証内のICチップ24Aに書き込まれる。カードリードライト装置14の下方にはカード落下部46が設けられ、情報記録済みのカード部材30の顔画像形成領域面を上に向けて落下するように姿勢が制御され、そのカード部材30が下方のホットスタンパーHS1に導かれる。
このカード落下部46の途中には廃棄カードストッカー56が設けられ、画像形成不良に係るカード部材30を排出するようになされる。ホットスタンパーHS1ではカード部材30にフィルム状の保護シート51が供給されてカード券面を保護される。この例で保護シート51にはラミネートフィルムをロール状に巻き取ったものが備えられ、そのラミネートフィルムは一方の面に図示しない接着シートを有している。もちろん、保護シート51にはラミネートフィルムを枚葉状に積層したものを使用してもよい。
また、保護シート51はラミネートフィルムに限定されることはなく、ホットスタンプフィルムをロール状に巻き取ったもの、又は、ホットスタンプフィルムをカットシート状に積層されたものも使用できる。ホットスタンパーHS1には真空熱プレス装置52が設けられ、カード落下部46からのカード部材30とホットスタンパーHS1からの保護シート51とを受け、そのカード部材30とその保護シート51とが図示しない接着シートを介して張り合わされる。この際に、接着シート上の紙シートは剥離され、カス紙として巻き取られる。
この真空熱プレス装置52は搬送路上に配置された平型のプレス部を有しており、保護シート51の上方から所定の圧力が加えられる。そのために、プレス部が上下方向に移動できるようになされている。このプレス部には電気ヒータ(図示せず)が設けられ、保護シート51及びカード部材30を所定の温度に加熱するようになされている。
この例では接着シートの種類にもよるが加熱温度は40℃〜120℃程度であり、加熱時間は10秒〜120秒程度である。この接着シートは熱を加えると溶融し、それが冷えると固化するものである。保護シート51を加熱貼合する装置は真空熱プレス装置52に限られることはなく、通常の熱プレスでも、ヒートローラ装置であってもよい。
また、真空熱プレス装置52の下流側には冷却部53が設けられ、加熱貼合されたカード部材30が冷却される。冷却部53にはメインフィルタ54が取り付けられており、このメインフィルタ54によって冷却空気を清浄化するようになされる。
このホットスタンパーは1機に限られることはなく、図24の波線に示すようにホットスタンパーHS1の後段にホットスタンパーHS2を設け、カード部材30にホログラムシート等を形成するようにしてもよい。これにより完成した顔画像及び文字画像入り、情報記録済み、保護シート付きの従業者証30はカードストッカー57に収納される。
また、筐体60には操作パネル59が設けられ、例えば、発行要求者のパスワードを入力するようになされる。このパスワードは記号やローマ字等をそのまま使用したり、また、これらを組み合わせて使用される。パスワードを情報読出し時の「鍵」として使用するためである。これは発行要求者本人がカード部材30のICチップ24Aに記録されたデータを他人に読まれたくない場合に対処するようにしたためである。この場合にICチップ24Aにパスワードを比較基準値として記録しておく必要があるからである。もちろん、操作パネル59ではカード部材30の画像形成時に操作情報も入力される。
この筐体60内にはカードマガジン11’、プリント部67、カードリードライト装置14、廃棄カードストッカー56、ホットスタンパーHS1、カードストッカー57の他に、電源部58、MPUラック68及びブレーカー69が設けられている。電源部58ではMPUラック68やブレーカー69等に接続されており、プリント部67、カードリードライト装置14、ホットスタンパーHS1及びMPUラック68等に電源を供給するようになされる。
図25は従業者証プリンタ66の制御系の構成例を示すブロック図である。図25に示す従業者証プリンタ66にはメインコントローラ505が設けられており、このメインコントローラ505にはカードホッパー部メカ用の制御基板101がRS232C通信ケーブルにより接続されている。制御基板101にはカードホッパーメカユニット102が接続されており、ホッパーHP1、HP2又はHP3から搬送ベルト装置へカード部材30を排出・投下するようになされる。
このメインコントローラ505にはSCSI−2ケーブルによって、Yプリント部メカ/ヘッド用の制御基板501、Mプリント部メカ/ヘッド用の制御基板601、Cプリント部メカ/ヘッド用の制御基板701、Pプリント部メカ/ヘッド用の制御基板301、Kプリント部メカ/ヘッド用の制御基板801がデジーチェーン接続されている。
制御基板501にはY色画像形成ユニットを構成するドライバ基板502及びYプリントメカユニット504が接続され、カード部材30にY色画像を形成するようになされる。ドライバ基板502には6画面分のバッファメモリ#1〜#6が設けられると共に顔画像情報D1(Y)を格納するようになされる。ドライバ基板502にはDC/DC基板503が接続されており、所望の直流電圧をドライバ基板502に供給するようになされる。
また、制御基板601にはM色画像形成ユニットを構成するドライバ基板602及びMプリントメカユニット604が接続され、カード部材30にM色画像を形成するようになされる。ドライバ基板602には6画面分のバッファメモリ#1〜#6が設けられると共に顔画像情報D1(M)を格納するようになされる。ドライバ基板602にはDC/DC基板603が接続されており、所望の直流電圧をドライバ基板602に供給するようになされる。
更に、制御基板701にはC色画像形成ユニットを構成するドライバ基板702及びCプリントメカユニット704が接続され、カード部材30にC色画像を形成するようになされる。ドライバ基板702には6画面分のバッファメモリ#1〜#6が設けられると共に顔画像情報D1(C)を格納するようになされる。ドライバ基板702にはDC/DC基板703が接続されており、所望の直流電圧をドライバ基板702に供給するようになされる。
また、制御基板301にはP色画像形成ユニットを構成するドライバ基板302及びPプリントメカユニット304が接続され、カード部材30にフォト色画像を形成するようになされる。フォト色画像形成は、カラー画像形成されたカード部材30の後処理であり、また、カラー画像形成されたカード部材30に文字画像を形成するための前処理でもある。ドライバ基板302には6画面分のバッファメモリ#1〜#6が設けられると共に顔画像情報D1(P)を格納するようになされる。ドライバ基板302にはDC/DC基板303が接続されており、所望の直流電圧をドライバ基板302に供給するようになされる。
更に制御基板801にはK色画像形成ユニットを構成するドライバ基板802及びKプリントメカユニット804が接続され、カード部材30に黒色の文字画像を形成するようになされる。ドライバ基板802には6画面分のバッファメモリ#1〜#6が設けられると共に顔画像情報D1(K)を格納するようになされる。ドライバ基板802にはDC/DC基板803が接続されており、所望の直流電圧をドライバ基板802に供給するようになされる。
また、メインコントローラ505にはRS232C通信ケーブルを介してICカードR/W用の制御基板305が接続されており、この制御基板305にはICカード制御装置35等が取り付けられる。制御基板305にはカードリードライト装置(ICカードR/Wユニット)14や、カード落下部メカユニット401が接続されている。
カードリードライト装置14では顔画像及び文字画像形成済みのカード部材30内のICチップ24Aに電子情報内容ID+D1+D2を記録するようになされる。カード落下部メカユニット401はカード落下部46を構成するものであり、情報記録済みのカード部材30の顔画像形成領域面を上に向けて落下するように姿勢が制御され、そのカード部材30が下方のホットスタンパーHS1に導かれる。
このホットスタンパーHS1はRS232C通信ケーブルを介してメインコントローラ505に接続されており、カード部材30にフィルム状の保護シート51を供給してカード券面を保護するようになされる。更に、メインコントローラ505にはRS232C通信ケーブルを介してオペレーションパネル用の基板509が接続されており、この基板309には操作パネル59が取り付けられ、発行要求者のパスワードを入力したり、カード部材30の画像形成時に操作情報が入力される。
続いて、従業者証発行システム500における処理例について説明をする。図26は従業者証発行システム500における処理例を示すフローチャートである。
この実施例では当該従業者証発行システム500を設置した都道府県の支社に従業者証30の初回発行を受ける者(発行要求者)が出向する。そして、従業者証(カード部材)30のICチップ24Aに個人識別番号ID、顔画像情報D1及び文字情報D2に加えてパスワードを記録する場合を前提とする。
この従業者証発行システム500には例えば第2の実施形態で説明したカード作成装置の一例となる従業者証プリンタ66が設けられ、この従業者証発行システム500では顔画像及び文字画像入り、パスワードを含む情報記録済み、保護シート付きの従業者証30を発行するようになされる。
これを前提にして、図26に示すフローチャートのステップC1で支社では端末装置62を使用して発行要求者の個人識別番号ID、住所・氏名等の個人情報(文字情報)D2に加えてパスワードが入力される。
その後、ステップC2で個人識別番号ID+個人情報(文字情報)D2+パスワードが、ホストコンピュータ63を通してID情報データベース64に登録される。更新時等にパスワードを使用するためであり、個人情報D2の不正読出しを防止するためである。
そして、発行要求者は撮影室等に移動し、ステップC3で担当官は撮影装置61の情報入力機能を使用して個人識別番号IDを入力する。この撮影装置61からホストコンピュータ63を通してID情報データベース64がアクセスされる。このアクセスによってID情報データベース64からホストコンピュータ63を通して撮影装置61に、個人識別番号ID+個人情報D2+パスワードを入力するようになされる。そして、ステップC4で撮影装置61により発行要求者の顔部位を撮影して顔画像情報D1が取得される。
ここで取得された個人識別番号ID+顔画像情報D1+個人情報D2+パスワードはステップC5で撮影装置61から従業者証プリンタ66へ転送される。個人識別番号ID+顔画像情報D1+個人情報D2+パスワードはメインコントローラ505に入力される。
従業者証プリンタ66ではステップC6で顔画像及び文字画像入り、パスワードを含む情報記録済み、保護シート付きの従業者証30を形成するようになされる。例えば、カードホッパーメカユニット102によってカード部材30が搬送ベルト装置上に排出される。そして、Yプリントメカユニット504、Mプリントメカユニット604、Cプリントメカユニット704によってカード券面に顔画像が形成され、その後、Pプリントメカユニット304によって後処理がなされる。その後、Kプリントメカユニット804によってカード券面に文字画像が形成される。
そして、顔画像と個人情報をプリントされたカード部材30のICチップ24Aに個人識別番号ID+顔画像情報D1+個人情報D2に加えてパスワードがカードリードライト装置14によって記録される。その後、カード落下部メカユニット401によって情報記録済みのカード部材30が、その顔画像形成領域面を上に向けて落下するように姿勢が制御され、下方のホットスタンパーHS1に導かれる。
このホットスタンパーHS1ではカード部材30にフィルム状の保護シート51を供給してカード券面を保護するようになされる。その後、顔画像及び文字画像入り、パスワードを含む情報記録済み、保護シート付きの従業者証30がカードストッカー57に収納される。
そして、ステップC7で担当官によって従業者証30の作成を全部終了したかがチェックされる。従業者証30の作成を全部終了した場合は処理を終了する。従業者証30の作成を全部終了していない場合はステップC1に戻って上述した処理を継続する。
このように、本発明に係る実施例としての従業者証発行システム500によれば、カード作成装置の一例となる従業者証プリンタ66が設けられ、この従業者証発行システム500では顔画像及び文字画像入り、パスワードを含む情報記録済み、保護シート付きの従業者証30を発行するようになされる。
従って、パスワードが一致しない場合は、従業者証30から個人識別番号IDや、顔画像情報D1、個人情報D2等を読み出せなくなるので、個人識別番号ID、個人情報D2の不正読出しを原因とする偽造従業者証の作成を防止できる。
なお、ICチップ内に書き込んだ情報は2度と書き換えたくない場合がある。この場合には書き換え禁止符号をパスワードと同時にICチップ24Aに記録するようにしてもよい。更新時あるいは再発行時には、旧従業者証30に代わって新たな従業者証が発行されるためである。
(4)他の実施例
図27は本発明に係る他の実施例としてのパスワードの記録例が適用されるカード作成装置400のブロック図である。この例ではカード作成装置300又は400においてパスワードを入力するようにしたものである。図19に示したようなID情報データベース64には登録されないものである。
例えば、図27に示すオフラインシステムのカード作成装置400では制御装置65にパスワード入力手段85が接続されており、デフォルト又は本人しか知らない正規のパスワードを入力するように操作される。この例では、カード券面に顔画像と文字画像をプリントした後に、ICチップ24A内に顔画像情報D1+個人識別番号IDに加えてデフォルトパスワードを記録するようになされる。
このデフォルトパスワードが記録されたカード部材30は、そのままカードリードライト装置14に通せば、その内容が自由に読み出すことができる。つまり、デフォルトパスワードのままの従業者証30は誰でもカードリードライト装置14を使用して内容を確認することができる。
他人にICチップ24A内の電子情報内容を読まれたくない場合は、図27に示すオフラインシステムにより発行要求者本人しか知らないパスワードを入力し、ICチップ24A内のデフォルトパスワードを正規のパスワードに書き換えるようになされる。以後は、パスワードが一致しない限り、従業者証30から個人識別番号IDや、顔画像情報D1、個人情報D2等を読み出せなくなる。
従って、個人識別番号ID、個人情報D2の不正読出しを原因とする偽造従業者証の作成を防止できる。この例でも、書き換え禁止符号をパスワードと同時にICチップ24Aに記録するようにしてもよい。