JP2024002048A - トップシール用発泡成形容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】トップシール用発泡成形容器においてフランジ部分を幅広に成形した場合であっても該フランジ部分の強度に優れ、容易に折れ曲がりや破断を生じることがなく、また、形状保持力が高いためにトップフィルム剥離時の剥離性にも優れる発泡成形容器を提供する。【解決手段】底部と該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から接続部を介して外側に向けて延出したフランジとを有するトップシール用発泡成形体であって、前記フランジの上面に平坦部を有し、前記接続部が内容物側表面にて曲面を形成しており、かつ、該曲面における断面視円弧の中間点Rmにおける垂線方向の厚み(t2)が、前記平坦部におけるフランジ厚み(t1)よりも大きい曲面状の厚肉部5を有する。【選択図】 図4

Description

本発明は、トップシール用途に適する発泡成形容器に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シートを真空熱成形や圧空熱成形等により成形した発泡成形容器は、お弁当やお惣菜を販売するための食品用包装容器としてスーパーやコンビニエンスストアなどで広く用いられている。
斯かる発泡成形容器に関しては、近年、環境負荷軽減の観点からプラスチック製容器使用量の削減が社会的な要請となっており、更に食品の賞味期限を延ばし食品ロス削減のニーズが高まっていること、また、収容する食品鮮度を高く保持できる点から、所謂トップシール方式の蓋材を用い、容器本体に食品を収容後、容器本体のフランジに該蓋材をヒートシールするタイプの発泡成形容器が広く用いられるようになってきている。
しかしながら、斯かるトップシール形の発泡成形容器は、食品の鮮度を高く保ち、プラスチック材の使用量を削減できるものの、容器本体全周に亘るフランジ面で均一なシール強度を実現することは難しく、部分的に強度不足の部位が生じてしまうことがあった。
そのため、従来より、トップシール形発泡成形容器において均一なシール強度を発現させる手法として例えば、特許文献1には容器本体開口部の全周に亘り、平坦で幅4mm以上の幅広のフランジを設けることによりシール時のシール強度の均一性を改善した発泡成形容器が開示されている。
しかしながら、特許文献1記載のシール強度の均一性をある程度改善できるものの、フランジの幅が広くなるためにフランジ部分の強度が劣ることとなり、外部からの力によってフランジ部分が折れ曲がったり、フランジの根元が破断したりし易くなる他、トップシールを剥離する場合にも、フランジの形状保持力が弱いために剥離方向にフランジが追随して折れ曲がり、トップフィルムの剥離が困難な状態になりやすく、無理に剥離した場合には、容器内側表層に位置するラミネートフィルムも一緒に剥離されてしまう所謂袋化現象を招きやすい、といった問題を有するものであった。他方、フランジ厚みをある程度厚くすることにより、フランジ部分の強度を向上させることはできるものの、この場合、熱融着時にシール金型による押し込み深さが大きくなり、シール強度に斑が生じるものであった。
特許第6908969号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、トップシール用発泡成形容器においてフランジ部分を幅広に成形した場合であっても該フランジ部分の強度に優れ、容易に折れ曲がりや破断を生じることがなく、また、形状保持力が高いためにトップフィルム剥離時の剥離性にも優れる発泡成形容器を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、発泡成形体の開口周縁から外側に延出したフランジの裏面においてフランジ裏面と容器本体側壁との接合部分を肉厚にすることにより、薄型幅広のフランジであってもフランジの機械的強度が飛躍的に高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、底部と該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から接続部を介して外側に向けて延出したフランジとを有するトップシール用発泡成形体であって、前記フランジの上面に平坦部を有し、前記接続部が内容物側表面にて曲面を形成しており、かつ、該曲面における断面視円弧の中間点における垂線方向の厚みが、前記平坦部におけるフランジ厚みよりも大きく、外側表面が曲面を構成する厚肉部を有することを特徴する、トップシール用発泡成形容器に関する。
本発明によれば、トップシール用発泡成形容器においてフランジ部分が幅広に成形した場合であっても該フランジ部分の強度に優れ、容易に折れ曲がりや破断を生じることがなく、また、形状保持力が高いためにトップフィルム剥離時の剥離性にも優れる発泡成形容器を提供できる。
図1は、本発明の発泡成形容器の斜視図である。 図2は、本発明の発泡成形容器の平面図である。 図3は、図2におけるA-A断面の断面図である。 図4は、図3にて点線で囲んだ部分の拡大図である。 図5は、本発明の発泡成形容器の平面図である。 図6は、図2におけるB-B断面の断面図である。 図7は、図6にて点線で囲んだ部分の拡大図である。 図8は、本発明の発泡成形容器の部分平面図である。 図9は、図8におけるC―C断面の端面図である。
本発明の発泡成形容器は、前記した通り、底部と該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から接続部を介して外側に向けて延出したフランジとを有するトップシール用発泡成形体であって、前記フランジの上面に平坦部を有し、前記接続部が内容物側表面にて曲面を形成しており、かつ、該曲面における断面視円弧の中間点における垂線方向の厚みが、前記平坦部におけるフランジ厚みよりも大きい外側表面が曲面状の厚肉部を有することを特徴するものである。
ここで、「曲面における断面視円弧の中間点」とは、同一曲率で構成される断面円弧を等しく二分する中間点を意味し、例えば、図4において、断面視の内壁に沿った直線と円弧との接点xから、フランジ上面の平坦部に沿った直線と円弧との接点yまで曲率Raを有しており、その円弧長さの中間点Rmで表すことができる。
本発明では、前記フランジの平坦部の厚み(t1)が、0.5~3mmの範囲であることが好ましい。即ち、フランジ強度を高め、かつ、ヒートシール時のシール金型の押し込みによるシール強度を高めるには、通常、厚み(t1)は厚い方が望ましいが、その一方でヒートシール時の押し込み幅も大きくなってフランジ全周において部分的に強度が弱くなるなどのシール斑が生じやすくなる。他方、厚み(t1)を薄くする場合には、シール斑は改善されるもののフランジ部分の強度は弱くなる。本発明の発泡成形容器は、フランジ根元部分の厚みを増し、容器外側において曲面状の厚肉部とすることによって、薄型フランジであってもフランジ部分の強度を向上させることができ、シール斑が少なく、かつ、フランジ強度に優れる、という特徴を有するものである。即ち、本発明では、厚み(t1)よりも厚み(t2)を大きくすることにより、シール斑低減と強度を向上させることがきるものである。然しながら厚み(t2)が大きくなり過ぎる場合には、ヒートシール時にフランジ裏面を支えるバケット表面の収まりが低下する。
斯かる観点から、前記曲面における断面視円弧の中間点における垂線方向の厚みをt2とした場合において、t1が0.5~3mmであって、かつ、t2/t1が1.5~3であることが好ましい。
前記厚み(t2)を構成するフランジ根元部分の曲面状の厚肉部の形状としては特に限定されるものではないが、外側に向けて膨出した断面視円弧形状である形状(形状パターン1:例えば図4で示される断面形状)であってもよいし、また、フランジ内容物側に湾曲した断面視円弧形状である形状(形状パターン2:例えば図7に示す断面形状)であってもよい。後者の形状パターン2の場合、フランジ根元部分の内容物側表面側曲率Ra’と、フランジ根元部分の外側曲率Rc’とが下記関係
Ra’<Rc’
となることにより、フランジ根元が厚肉化した形状となる。
本発明では、形状パターン1及び形状パターン2の何れの場合であっても、フランジ根本部分、即ち、側壁とフランジとの接続部において、内容物側と、外側とが共に、曲面で構成されており、特に、外側形状が、断面視において鋭角的乃至鈍角的な屈曲部分を持たず、直線と曲線とによって構成されていることがフランジ部分の機械的強度の点から好ましい。ここで、フランジの根元部分において、鋭角的乃至鈍角的な屈曲部分、具体的には曲率半径0.2mm以下の変曲部を持つ場合には、トップシールフィルム剥離時に加わる力や、商品落下時にフランジ部分に直接的に加わる外力が、該変曲部に作用したときに力を分散させることができず、当該部位において折れやすくなる。よって本発明では、フランジ部分におけるフランジ上面及び裏面の断面視直線部分を除く他、即ち、フランジ根元部分が、内側においても外側においても曲線的に構成されていることが外力等を適切に分散させてることができ好ましい。
具体的には、形状パターン1において、フランジ上面平坦部から内容物側壁面へと続く曲面における曲率半径(Ra)は2~6mm、フランジ上面平坦部から外側スカート部壁面へと続く曲面における曲率半径(Rb)は1~4mm、フランジ裏面から容器本体壁面へと続く波状曲面における曲率半径(Re)、曲率半径(Rc)、曲率半径(Rf)は、それぞれ曲率半径(Re)が0.3~1mm、曲率半径(Rc)が1~4mm、曲率半径(Rf)が0.3~1mmであること、また、フランジ裏面平坦部から外側スカート部内壁面へと続く曲面における曲率半径(Rd)は0.5~2mmであることが好ましい。
一方、形状パターン2において、フランジ上面平坦部から内容物側壁面へと続く曲面における曲率半径(Ra’)は2~6mm、フランジ上面平坦部から外側スカート部壁面へと続く曲面における曲率半径(Rb’)は1~4mm、フランジ裏面から容器本体壁面へと続く波状曲面における曲率半径(Rc’)は3~10mm(但し、Ra’<Rc’)、フランジ裏面平坦部から外側スカート部内壁面へと続く曲面における曲率半径(Rd’)は0.5~2mmであることが好ましい。
また、フランジ上部の平坦部の幅(例えば、図4又は図7における幅F)は、3~20mmであることが好ましい。ここで、フランジ上部の平坦部の幅とは、形状パターン1の場合、例えば、図4において、曲率半径Raの円弧とフランジ上面の平坦部に沿った直線との接点yから、曲率半径Raの円弧とフランジ上面の平坦部に沿った直線との接点zまでの長さF、また、形状パターン2の場合、例えば、図7において、曲率半径Ra’の円弧とフランジ上面の平坦部に沿った直線との接点yから、曲率半径Ra’の円弧とフランジ上面の平坦部に沿った直線との接点zまでの長さFである。
形状パターン1よりも形状パターン2の方が、フランジ上部の平坦部の幅Fは通常大きくなる。平坦部の幅Fが大きい程、シール幅を広くすることができるため融着性、シール強度に優れたものとなる。斯かる観点から形状パターン1における平坦部の幅Fは3~20mm、形状パターン2における平坦部の幅Fは4~25mmの範囲であることが好ましい。
一方、フランジ裏面には、フランジ上部の平坦部と略平行する裏面水平部が形成されている。斯かる裏面水平部は、断面視にて該裏面水平部と曲線部分との接点から一方から、他方の接点までの長さをいい、例えば、形状パターン1では図4における長さL、形状パターン2では図7における長さLで表される。本発明では、フランジの裏面水平部の幅Lが長い方が、ヒートシール時のバケット及びバケット上端に設けられた指示部材により、フランジが安定的に固定され、ヒートシールされた製品のヒートシール幅の再現性とシール強度とに優れたものとなる。斯かる観点からは形状パターン2よりも形状パターン1の方が、裏面水平部の幅Lを大きく確保できる点から好ましく、具体的には、形状パターン1の裏面水平部の幅Lは2~18mm、形状パターン2の裏面水平部の幅Fは2~18mmであることが好ましい。
前記した形状パターン1、形状パターン2で表される厚肉部は、フランジ根元部分の全周に亘って設けられてもよいし、また、フランジ根元部分の周縁に間欠的に設けられていてもよい。とりわけ、厚肉部におけるフランジ強度の向上効果が顕著なものとなる点からフランジ根元部分の全周に亘って設けられていることが好ましい。
また、本発明では、フランジ上面の少なくとも一か所の外縁側に、連続する微細凹凸形状の領域(以下、「連続微細凹凸形状領域」と略記することがある。)を有することが好ましい。
即ち、フランジ上面の少なくとも一か所に内容物側から見て外側に連続する微細凹凸形状を持たせることにより、トップシールフィルムを熱融着させた際に当該微細凹凸形状の領域が弱粘化でき、調理後、手でトップシールフィルムを持ち上げ乍ら開封する際に、この弱粘化したところから確実に剥離することができる。これにより、発泡成形体の内側表面に積層されているラミネートフィルムとトップフィルムの融着性が高い場合に、開封の際、ラミネートフィルムと発泡基材層との間で剥離し内容物が取り出せなくなる、所謂、袋化現象が生じることもあるが、このような袋化現象を良好に防止することができる。
更に、フランジコーナー部の外縁にのみ、連続微細凹凸形状領域を設けた場合には、該連続微細凹凸形状領域から繋がる内容物側領域は他のフランジ上面と連続的に繋がることとなる。これにより、内容物から見れば、フランジのシール部分は一様に熱融着された形となり、容器全体でのシール強度が確保されている。
前記連続微細凹凸形状領域は、具体的な形状としては、直線的な凹凸形状が連続的に並んだもの、連続する格子状形状、或いは複数のドット状凹部を有するもの等が挙げられる。 これらの中でも特に直線状の凹凸形状、或いは格子状の凹凸形状が剥離性が良好なものとなる点から好ましいが、とりわけ、発泡成形容器の開口部形状が略四角形である場合には、少なくとも一つの角部に連続微細凹凸形状領域が設けられていることが、開封の作業性の点から好ましい。この際、前記格子形状は、図8の格子状凹部9で表されるように該容器の長辺方向と短辺方向とを辺とする格子形状であることが、剥離時に格子頂点部から剥離が開始し、より小さな力で確実に開封できる点から好ましい。
ここで、連続微細凹凸形状領域が格子状形状から構成されている場合は、該格子状形状のサイズは、即ち、その一辺において平行して隣り合う凸部における凸部中心の間の長さ(例えば、図9における凸部中心間長さP)が、0.2~5mmの範囲、特に0.7~2.5mmの範囲の範囲であることがトップシールフィルムとの適度な接着性を確保しつつ弱粘化できる点から好ましい。
更に、連続微細凹凸形状領域が格子状形状である場合の凹部底面の一辺の距離(α)(例えば図9におけるα)は、0.5~2mm、なかでも0.7~1.5mmの範囲であることが、やはりトップシールフィルムとの密着性及び剥離性とのバランスの点から好ましい。
前記フランジ表面に形成された凹部深さ(d)(例えば、図9における凹部深さd)は、凹凸部を配設することによる強度向上効果が充分に発現され、かつ、シール部分の弱粘化の効果も効果的に得られる点から、0.2~1mmの範囲であることが好ましい。
本発明の発泡成形容器の開口部形状は、平面視で円形、楕円形状、矩形の何れであってもよく、内容物によって適宜選択すればよいが、手で容易に開封し易い点から矩形、特に略四角形であることが好ましい。この平面視四角形状の場合、底面部及び開口部が隅丸状に形成されていてもよい。
また、本発明におけるフランジは、前記フランジの外端から外側下方へ向けて伸長するスカート部と、該スカート部下端から外方へ延出する薄肉部とを有する構造を有することが該フランジの強度が一層良好となる点から好ましい。
また、側壁の傾斜角度、具体的には垂直方向を基準とした傾斜角度は、その最大値が30~60°、なかでも35~50°の範囲であることが容器本体の強度が優れたものとなる点から好ましい。
本発明では、上記した側壁の傾斜角度が大きい方が水平方向からの外力や衝撃に対して強靭な耐性を発現させることができ、また、傾斜角度が小さい方が容器上方からの衝撃や荷重に対する耐性に優れたものとなる。本発明では、このバランスを図ると共に、側壁が曲面で構成されることで、外力や衝撃が加わった際に力が特定箇所に集中することなく、伝播分散させることができ、靭性に優れたトップシール用発泡成形容器となる。
また、底面部の中央部には、上底部を有することが、電子レンジでの加熱効率の点から好ましい。この場合、上底部の周縁に沿って、該周縁から下方に膨出した膨出脚部(例えば、図1における膨出脚部7)を形成し、該膨出脚部の外縁端から上方に延びる側壁を有することが好ましい。
また、側壁には、更に段部、例えば図1~4における段部8、又は図5~7における段部8’を有することが好ましい。段部を設けることより容器を重ねた際のスタック性を発現させることができる。斯かる段部を有する場合、当該段部より上方は第二の側壁部となる。また、第二の側壁部は、垂直に対する傾斜角度が5°~20°であることが、スタック性の点から好ましい。
容器本体の高さHは、壁面角度を確保できるよう適宜選択すればよいが、例えば、30~70mmの範囲から選択することができる。
以上詳述した本発明のトップシール用発泡成形容器は、発泡基材層と、その表面に単層又は多層の熱可塑性フィルム層とを有するものであり、かつ、該熱可塑性フィルム層が、容器底面内面、側壁の内面、及びフランジの表面を構成しているものである。
ここで、発泡基材層は、ポリスチレン系発泡体、ポリエチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、ポリエステル系発泡体等、各種の発泡成形体であってよいが、特に強度と成形性とのバランスに優れる点からポリスチレン系発泡体であることが好ましい。
ここで、前記ポリスチレン系発泡体は、スチレン系樹脂組成物からなる発泡成形体であり、該スチレン系樹脂組成物としては、例えば、スチレン単独重合体(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、多分岐ポリスチレン、スチレン-アクリル系共重合体、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂、又は、これらの混合物等があげられる。これらの中でも、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂が好ましく、更に、該混合樹脂には、前記HIPSを含有させることが、耐熱性が良好となることに加え、とりわけ耐衝撃性が良好なものとなる点から好ましい。ここで、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂の場合、ポリフェニレンエーテルが1~40質量%となる割合で含有することが好ましい。
前記ポリスチレン系発泡基材層の発泡倍率は2~40倍の範囲であることが好ましく、とりわけ高耐熱性が求められる高発泡シートの場合、ポリスチレン系樹脂発泡層の発泡倍率10~40倍であることが好ましい。
また、本発明では、フランジの発泡倍率が2~15倍であって、かつ、フランジ根元の厚肉部における発泡倍率が5~25倍であることがフランジ強度に優れる点から好ましい。
次に、単層又は多層の熱可塑性フィルム層は、該発泡基材層に用いられる発泡シートに、非発泡の熱可塑性フィルムをラミネートし、これを所望の形状に成形することによって形成されるものである。斯かる、単層又は多層の熱可塑性フィルムは、スチレン系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルム、ガスバリアフィルム等の非発泡フィルム、及びこれらの複数を積層した多層フィルムが挙げられる。これらのなかでもオレフィン系樹脂フィルムが表面の光沢性や、内面の表面の強度に優れる点から好ましい。
次に、単層又は多層の熱可塑性フィルム層は、前記した通り、発泡シートに対して各種熱可塑性フィルムをラミネートし、熱成形することによって形成されるものであるが、具体的には、
構造1:発泡シートに対して、スチレン系樹脂フィルムを単体で熱ラミネーションし、その後、成形した構造;
構造2:発泡シートに対して、オレフィン系樹脂フィルムを、接着剤を介してラミネーションした後、成形した構造;
構造3:オレフィン系樹脂フィルムにスチレン系樹脂フィルムをドライラミネーション接着剤を介して積層し、該スチレン系樹脂フィルム側を発泡シートに熱ラミネーションし、その後成形した構造;
構造4:第1のオレフィン系樹脂とガスバリア層を構成する樹脂と第2のオレフィン系樹脂とを共押出して得られた積層フィルムの第2のオレフィン系樹脂層を接着剤を介して発泡シートに積層、成形した構造;
構造5:第1のオレフィン系樹脂とガスバリア層を構成する樹脂と第2のオレフィン系樹脂とを共押出して得られた積層フィルムを得、次いで、得られた積層フィルムの第2のオレフィン系樹脂層側にスチレン系樹脂フィルムをドライラミネーションし、該スチレン系樹脂フィルム表面を発泡シートに熱ラミネーションした後、成形した構造
が挙げられる。
これらのなかでも、発泡体基材がスチレン単独重合体の発泡体である場合には、
前記構造1:発泡体基材に対して、スチレン系樹脂フィルムを単体で熱ラミネーションして得らえれる構造が成形体表面の平滑性に加え、発泡成形体を回収、再度食品トレーへのリサイクルが容易になる点から好ましい。
また、トップシールフィルムをトップシールする際に内部を不活性ガス等でガス置換する場合には、ガスバリア層を設けることが好ましく、その場合、前記構造4及び構造5が好ましく、特に構造5の場合、発泡体基材とラミネートフィルムとの密着性が高く、袋化防止の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
また、発泡体基材がスチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂である場合、
前記構造2:発泡体基材に対して、オレフィン系樹脂フィルムを、接着剤を介してラミネーションした構造;
前記構造3:オレフィン系樹脂フィルムにスチレン系樹脂フィルムを、ドライラミネーション接着剤を介して積層し、該スチレン系樹脂フィルム側を発泡体基材に熱ラミネーションした構造;
前記構造4:第1のオレフィン系樹脂とガスバリア層を構成する樹脂と第2のオレフィン系樹脂とを共押出して得られた積層フィルムの第2のオレフィン系樹脂層を、接着剤を介して発泡体基材に積層した構造;
前記構造5:第1のオレフィン系樹脂とガスバリア層を構成する樹脂と第2のオレフィン系樹脂とを共押出して得られた積層フィルムの第2のオレフィン系樹脂層側にスチレン系樹脂フィルムを、ドライラミネーション接着剤を介して積層し、該スチレン系樹脂フィルム表面を発泡体基材に熱ラミネーションした構造が成形品表面の光沢や、耐油性が良好なものとなる点から好ましく、また、冷凍環境下であっても優れた耐衝撃性を発現できる点からオレフィン系樹脂フィルム又はこれを含む共押出フィルムを、スチレン系樹脂フィルムを介して発泡体基材に積層した構造3、及び構造5が特に好ましい。
構造2~5の様なオレフィン系樹脂フィルムを表層として有する構造の場合、耐油性に優れた食品容器になるものの、ヒートシール温度は120℃以上の高温条件を要するため、より高温条件であることがシール強度の点からは望ましい。その一方で、高温でのシールは、シール後の冷却時間が長くなるなど生産性は低下する。他方、比較的低温条件でシールする場合は、高速シールが可能となって生産性は向上するものの、十分なシール強度が得られ難い。このシール強度の問題はシール幅を幅広く確保することによって改善できる。とりわけ、発泡成形容器の場合、単位面積当たりのトップフィルムとの接着強度が強すぎる場合には、トップフィルム剥離時に、トップフィルムとラミネートフィルムとが融着したまま剥がれてしまう所謂袋化現象を生じる虞があるため、単位面積あたりの接着強度は適度な範囲に抑えつつ幅広にシールすることによって全体としてシール強度を確保することが肝要となる。
しかしながら、このようにシール幅を拡大させた場合、それに伴いフランジ強度は低下することなる。そこで、本発明のフランジ構造を採用することにより、オレフィン系樹脂フィルムを表層として有する場合であっても、ヒートシールの生産性に優れ、かつ高強度な容器を得ることができる。
ここで、前記ポリスチレン系樹脂フィルムを構成するポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、多分岐ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-αメチルスチレン共重合体などが挙げられるが、特にスチレン単独重合体(GPPS)であること、とりわけ二軸延伸ポリスチレンであることが好ましい。
次にオレフィン系樹脂フィルムを構成するオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン重合量が5質量%以下であるプロピレン-エチレンランダム共重合体、又は、プロピレン単独重合体とエチレン重合量が5質量%以下であるプロピレン-エチレンランダム共重合体との混合物等が挙げられる。これらのなかでもポリエチレン、ポリプロピレンであることが好ましく、特に表層にオレフィン系樹脂フィルムが位置する場合はポリプロピレンであることが耐油性、耐熱性の点から好ましい。また、容器への賦形性に優れる点から、無延伸ポリプロピレンであることが特に好ましい。
ガスバリア層は、不活性ガス、酸素、水蒸気等の透過性が低いものであればよく、エチレン- ビニルアルコール共重合体、ポリアミドが挙げられる。
これら熱可塑性非発泡フィルムから構成される層の厚さは、例えば、前記構造1の場合、スチレン系樹脂フィルム層の厚さは、5~100μmの範囲であることが、表面平滑性と光沢が良好となる点から好ましい。
前記構造2の場合、オレフィン系樹脂フィルム層の厚さは、5~100μmの範囲であることが、表面平滑性と光沢が良好となる点から好ましい。
前記構造3の場合、オレフィン系樹脂フィルム層の厚さは、15~100μmの範囲であることが好ましい。
すなわち、15μm以上とすることにより、耐油性に優れた容器とすることができる。また、100μm以下とすることにより、発泡体基材との密着性が良好なものとなる。特に、これらの性能バランスに優れる点から中でも20~50μmの範囲であることが好ましい。一方、ポリスチレン系樹脂フィルム層の厚みは10~40μmの範囲、特に10~17μmの範囲であることが発泡体基材との密着性と表面平滑性とのバランスに優れる点から好ましい。
前記構造4・構造5の場合、第1のオレフィン系樹脂フィルム層の厚さは、共押出フィルム層全体の厚みで20~150μmの範囲であることが好ましい。また、前記構造5の場合におけるスチレン系樹脂フィルム層の厚さは10~40μmの範囲、特に10~17μmの範囲であることが発泡体基材との密着性と表面平滑性とのバランスに優れる点から好ましい。
また、非発泡の熱可塑性フィルムを用いた場合、発泡成形容器のフランジ上面は適度に平滑性に優れたものとなり、その表面粗度(Ra)は3μm以下であることが好ましい。ここで、表面粗度(Ra)とは、基準長さにおける算術平均粗さをいい、例えば、成形容器の底面部の内面側表面をJIS B0601-2013に準拠して、キーエンス製レーザー顕微鏡(VK-X200series)を用いて拡大倍率1000倍で測定し、評価長さを2000μm、カットオフλsを2.5μm、カットオフλcを0.25mmとして算出することができる。
上記した発泡成形容器は、発泡基材としてポリスチレン系発泡体を使用する場合、ポリスチレン系発泡シートと、熱可塑性非発泡フィルムの単層フィルム又はこれを含む多層フィルム(以下、「非発泡フィルム」と略記する。)とを積層して複合シートとする工程1、次いで得られた複合シートを所定の形状に賦形して成形体とする工程2を経て得ることができる。
工程1のポリスチレン系発泡シートと非発泡フィルムとを積層する手段としては、サーマルラミネート、ドライラミネートする方法、或いはポリスチレン系樹脂を発泡押出してシート状に形成しながら、ラミネートさせる押出ラミによって貼合させる方法が挙げられる。 次いで、工程2は、工程1で得られた複合シートを熱成形することにより所望の容器形状に賦形する工程である。成形方法は定法によればよく、例えば、片面真空成形、或いは両面真空成形によって成形させることができるが、フランジ表面の平坦部を大きくするには両面成形にて成形することが好ましい。また、真空成形時に使用する上側の凸型金型のフランジ形成部位に所定形状のローレット処理を施すことにより、所望の形状の発泡成形容器を得ることができる。
更に、前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量は、好ましくは90~400g/mであり、より好ましくは100~350g/mである。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚みは、好ましくは0.5~4mmであり、より好ましくは1~3mmの範囲である。
以上詳述した本発明のトップシール用発泡成形容器は、内容物である食品を収容後、トップシールフィルムをヒートシールすることにより、食品包装に供することができる。この際、前記した様に、発泡成形容器にガスバリア層を設けている場合には、食品収容後、内部をガス置換し、トップシールすることが可能である。
ここで使用されるトップシールフィルムとしては、界面剥離タイプ、層間剥離タイプ、凝集剥離タイプの何れであってもよいが、発泡成形容器表面との密着性、密閉性に優れる点から層間剥離タイプ、凝集剥離タイプであることが好ましい。
かかる層間剥離タイプ、凝集剥離タイプのトップシールフィルムは、具体的は、基材フィルム上に凝集剥離層又は層間剥離層を有するものであればよく、少なくとも2層以上の多層構造であればよい。なかでも基材フィルム/支持フィルム/凝集剥離層(又は層間剥離層)の順に積層された多層フィルムであることが好ましい。
ここで、基材フィルムとしては各種のスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することができるが、とりわけ剛性の点からナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。基材フィルムの厚さは、例えば、5~20μmの範囲である。
前記支持フィルムとしては、凝集剥離層又は層間剥離層との親和性の高い樹脂材料を適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。斯かる支持フィルムの厚さは、1層で用いる場合は20~60μm、2層で用いる場合は合計で20~60μmとなる範囲であることが好ましい。
以上詳述した発泡成形容器と、トップシールフィルムとは任意に組み合わせて使用することができるが、発泡体基材として、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとの混合物をポリスチレン系発泡基材層として用い、前記構造3(オレフィン系樹脂フィルムにスチレン系樹脂フィルムをドライラミネーション接着剤を介して積層し、該スチレン系樹脂フィルム側を発泡シートに熱ラミネーションし、その後成形した構造)を有するものを用い、かつ、トップシールフィルムとして、凝集剥離層を有する多層フィルムを用いた場合、低温環境下における衝撃強度に優れたものなるため好ましい。
発泡成形容器にトップシールフィルムをヒートシールする方法としては、当該発泡成形容器に食品を収容後、トップシールフィルムを剥離層側が発泡成形容器のフランジに接するように被せ、フランジ裏面の平坦部をバケット上端部にて担持し、フランジ上方から熱板を押し付けてヒートシールすることによって得られる。本発明では、前記した形状パターン1のフランジ形状を有する場合、バケット上端部とフランジとの位置が安定し、シール部分のズレ等の問題を回避できる点から好ましい。
ここで、ヒートシールする際のシール幅は特に限定されるものではないが、発泡成形容器のフランジ上面のサイズに合わせて適宜選択することができ、形状パターン1の場合3.5~20mmの範囲であることが好ましく、形状パターン2の場合4.5~25mmの範囲であることが好ましい。
ヒートシールする際の温度条件は、100~200℃の範囲の中から所望のシール強度となる温度条件を適宜選択することができる。すなわち、食品包装用途において、用途に応じて所望のシール強度が要求されるところ、通常、シール温度が高くなるに従い、シール強度も強くなる為、上記温度範囲において、求められるシール強度においてシール温度を設定することができる。斯かるシール強度の調整という観点からは、シール温度変化に対するシール強度の追随性に優れ、設計の自由度が高くなる点から、凝集剥離層を有するトップシール用蓋材がとりわけ好ましい。
以下、本発明の発泡成形容器についての実施態様を図面に基づき説明する。
<実施態様1>
本実施態様は、図1における容器本体1で表されるものであり、平面視四角形状の底部2と、該底部2の外周縁よりから上方に伸びる側壁部3と、該側壁部から続く段部8、段部8から続く側壁部とその上端から外側に向けて延出したフランジ4とを有する発泡成形体である。ここで底部2の中央は、電子レンジで加熱する際の熱伝導性を高めるべく上げ底部を形成しており、おり、該上底部の周縁に沿って、該周縁から下方に膨出した膨出脚部7が形成されている。
図3は図2おけるA-A断面図であり、そのフランジ4の上面は平坦状に形成されている。このようにフランジ上面を平坦状に形成することによりトップシールフィルムとのシール強度が良好なものとなっている。
図4は、図3の点線で囲まれた部位の拡大端面図である。フランジ上部には平坦部、フランジと容器側壁との接合する部位には外側に膨出した、外側に曲面を形成する厚肉部5を有している。また、フランジの平坦部から更に外側に向けて垂下し、その端縁に薄肉部6を形成している。
フランジの裏面にも上部平坦部と平行するように水平部を有していて、前記厚肉部6に接合している。
当該厚肉部6の端面形状は、図4に示す様に、フランジ裏面平坦部から曲率半径Reで内容物側に向いた円弧形状と、これに続き外側を向いた曲率半径Rcの円弧形状と、更にこれに続き曲率半径Rfで内容物側に向いた円弧形状とから構成されている。
ここで、フランジ上部の平坦部とフランジ裏面の平坦部との最短長さがフランジ厚みt1となる。
また、本実施態様では、フランジ上部の平坦部から曲率半径Raの円弧状に内容物側に垂下している。この曲率半径Raの円弧は、フランジ上部平面との接点yから容器内壁に沿う直線との接点xまで続いており、その円弧状の中間点がRmとなる。このRmを通る接線の垂線を通る長さが厚肉部の厚みt2となる。
更に、フランジ裏面においては、裏面の平坦部の外縁端から曲率半径Rdの断面視円弧形状に繋がっている。
本実施態様において、フランジ厚さt1は1.5mm、厚肉部厚さt2は3.5mm、フランジ上部の平坦部の幅Fは7.4mm、フランジ裏面の平坦部の幅Lは5.0mm、曲率半径Raは3.5mm、曲率半径Rbは2mm、曲率半径Reは0.5mm、曲率半径Rcは2mm、曲率半径Rfは0.5mm、曲率半径Rdは1mmである。
また、容器本体1は、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合樹脂の発泡体であり、該発泡体の内容物側表面には、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)にポリスチレンフィルムをドライラミネートし、該ポリスチレンフィルム側が熱ラミネートされた構造を有している。
<実施態様2>
本実施態様は、図5の平面図における容器本体1’で表されるものであり、平面視四角形状の底部2’と、該底部2’の外周縁よりから上方に伸びる側壁部3’と、該側壁部の上端から外側に向けて延出したフランジ4’とを有する発泡成形体である。ここで底部2’の中央は、上げ底部を形成しており、おり、該上底部の周縁に沿って、該周縁から下方に膨出した膨出脚部7’が形成されている。
図6は図5おけるB-B断面図であり、そのフランジ4’の上面は平坦状に形成されている。このようにフランジ上面を平坦状に形成することによりトップシールフィルムとのシール強度が良好なものとなっている。
図7は、図6の点線で囲まれた部位の拡大端面図である。フランジ上部には平坦部、フランジと容器側壁との接合する部位には外側に膨出した厚肉部5’を有している。また、フランジの平坦部から更に外側に向けて垂下し、その端縁に薄肉部6を形成している。
フランジの裏面にも上部平坦部と平行するように水平部を有していて、前記厚肉部6に接合している。
当該厚肉部6’の端面形状は、図7に示す様に、フランジ裏面平坦部から曲率半径Rc’で内容物側に向いた円弧形状から構成されている。
ここで、フランジ上部の平坦部とフランジ裏面の平坦部との最短長さがフランジ厚みt1となる。
また、本実施態様では、フランジ上部の平坦部から曲率半径Ra’の円弧状に内容物側に垂下している。この曲率半径Ra’の円弧形状の中間点接線の垂線を通る長さが厚肉部の厚みt2となる。
更に、フランジ裏面においては、裏面の平坦部の外縁端から曲率半径Rd’の断面視円弧形状に繋がっている。
本実施態様において、フランジ厚さt1は1.5mm、厚肉部厚さt2は3.5mm、フランジ上部の平坦部の幅Fは11.4mm、フランジ裏面の平坦部の幅Lは5.0mm、曲率半径Ra’は3.5mm、曲率半径Rb’は2mm、曲率半径Rc’は7mm、曲率半径Rd’は1mmである。
また、容器本体1’は、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合樹脂の発泡体であり、該発泡体の内容物側表面には、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)にポリスチレンフィルムをドライラミネートし、該ポリスチレンフィルム側が熱ラミネートされた構造を有している。
実施例1
GPPS、HIPS及びポリフェニレンエーテルの混合物からなる耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート(坪量200g/m、一次厚み1.95mm)に、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)にポリスチレンフィルムをドライラミネートし、該ポリスチレンフィルム側を熱ラミネートして多層シートを得た。
真空成形機を用いて前記実施態様1の形状を有する容器に成形した(容器サイズ(含フランジ):20mm×15mm×15mm)。
得られた容器に、130gの食品サンプルを収容後、三井化学東セロ社製「CMPS017C」(厚さ30μm)をPETフィルム(厚さ12μm)にラミネートし、上記成形容器に「CMPS017C」が成形容器に接するよう配置し、120℃で、ヒートシールを行い、食品収容容器を得た。
この食品収容容器を段ボールに8個詰めして、JIS Z 0202:2017に準拠し、以下条件で落下試験を行った。
<自由落下試験>
・段ボールを40 cmの高さより落下
・落下回数:角からの落下1回、各稜からの落下(計3回)、各面からの落下(計6面)の合計10回
・雰囲気温度:1℃
落下後、各容器を目視で確認したところ、フランジの折れや割れは無く、破袋もなかった。また、蓋体であるトップフィルムの剥離操作も容易であった。
1・・・容器本体
1’・・・容器本体
2・・・底部
2’・・・底部
3・・・側壁
3’・・・側壁
4・・・フランジ
4’・・・フランジ
5・・・厚肉部
5’・・・厚肉部
6・・・薄肉部
6’・・・薄肉部
7・・・膨出脚部
7’・・・膨出脚部
8・・・段部
8’・・・段部
9・・・格子状凹部
x・・・直線と円弧との接点
y・・・直線と円弧との接点
z・・・直線と円弧との接点
Rm・・・円弧中間点
Ra・・・曲率半径
Rb・・・曲率半径
Rc・・・曲率半径
Ra’・・・曲率半径
Rb’・・・曲率半径
Rc’・・・曲率半径
t1・・・フランジ平坦部厚さ
t2・・・接続部曲面における断面視円弧の中間点における垂線方向の厚み
d・・・凹部深さ
P・・・凸部中心間長さ
α・・・凹部幅


Claims (6)

  1. 底部と該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から接続部を介して外側に向けて延出したフランジとを有するトップシール用発泡成形体であって、前記フランジの上面に平坦部を有し、前記接続部が内容物側表面にて曲面を形成しており、かつ、該曲面における断面視円弧の中間点における垂線方向の厚みが、前記平坦部におけるフランジ厚みよりも大きく、外側表面が曲面を構成する厚肉部を有することを特徴する、トップシール用発泡成形容器。
  2. 前記厚肉部の形状が、外側に向けて膨出した断面視円弧形状である請求項1記載のトップシール用発泡成形容器。
  3. 前記厚肉部の形状が、その外側表面がフランジ内容物側に湾曲した断面視円弧状であって、フランジ根元部分の内容物側表面側曲率Ra’と、フランジ根元部分の外側曲率Rc’とが下記関係
    Ra’<Rc’
    となるものである請求項1記載のトップシール用発泡成形容器。
  4. 前記フランジの平坦部の厚みをt1、前記曲面における断面視円弧の中間点における垂線方向の厚みをt2とした場合において、t1が0.5~3mmであって、かつ、t2/t1が1.5~3である、請求項2又は3記載のトップシール用発泡成形容器。
  5. フランジ上面の平坦部の幅が3~20mmである請求2記載のトップシール用発泡成形容器。
  6. スチレン系発泡基材と、該スチレン系発泡基材の内容物側にポリオレフィン系フィルム層が積層された構造を有する請求項1又は2記載のトップシール用発泡成形容器。


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