JP2023129134A - トップシール用発泡成形容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】トップシール用発泡成形容器において、発泡成形容器の機械的強度、特に外力に対する機械的強度に優れる、発泡成形容器を提供する。【解決手段】平面視で角部を隅丸状とした四角形状の底部2と、該底部2の外周縁より下方に膨出する膨出脚部6と、該膨出脚部6外縁から上方に伸びる側壁部3と、該側壁部から続く段部5、段部5から続く第二側壁部3’とその上端から外側に向けて延出したフランジ4とを有する発泡成形体であって、開口部が平面視にて略楕円形である。【選択図】 図1

Description

本発明は、トップシール用途に適する発泡成形容器に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シートを真空熱成形や圧空熱成形等により成形した発泡成形容器は、お弁当やお惣菜を販売するための食品用包装容器としてスーパーやコンビニエンスストアなどで広く用いられている。
斯かる発泡成形容器に関しては、近年、環境負荷軽減の観点からプラスチック製容器使用量の削減が社会的な要請となっており、更に食品の賞味期限を延ばし食品ロス削減のニーズが高まっていること、また、収容する食品鮮度を高く保持できる点から、所謂トップシール方式の蓋材を用い、発泡成形容器に食品を収容後、容器のフランジに該蓋材をヒートシールするタイプの発泡成形容器が広く用いられるようになってきている。
しかしながら、斯かるトップシール形の発泡成形容器は、食品の鮮度を高く保ち、プラスチック材の使用量を削減できるものの、容器本体全周に亘るフランジ面で均一なシール強度を実現することは難しく、部分的に強度不足の部位が生じてしまうことがあった。そのためシール後の商品運搬時や、商品の落下によって強度の脆弱部分から開封してしまう、といった問題があった。他方、全体的にシール強度を高めた場合には、開封が極めて困難なものとなり、無理やり力任せに開封した際に内容物が飛散してしまう、などの問題があった。
そのため、従来より、トップシール形発泡成形容器において均一で適度なシール強度を発現させる手法として例えば、特許文献1には容器本体開口部の全周に亘り、平坦で幅4mm以上の幅広のフランジを設けることによりシール時のシール強度の均一性を改善した包装容器が開示されている。
しかしながら、特許文献1記載のシール強度の均一性をある程度改善できるものの、発泡体成形品であることから、容器本体自体の強度が充分でなく、商品落下などの外部からの衝撃に対して変形に耐えられず、変形による破袋は避けられないものであった。
通常、非発泡の成形容器の場合には、このような機械的強度を高めるためには容器側面に複数の上下方向のリブを形成することにより、微細な屈曲部分を複数形成することによって高めることができる。
ところが、発泡成形容器においては、壁面自体に微細な凹凸状の屈曲部分を複数設けるといった細かい成形が難しい。例えば、特許文献1にも側面縦方向にリブ状の溝部を形成しているものの、その目的はガス充満させた際のガス循環性を高めるものであって、幅広の溝部が側壁に対して数本形成されているに過ぎず、発泡成形容器の強度向上に寄与するものではなかった。
特許第6908969号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、トップシール用発泡成形容器において、容器本体の機械的強度、特に外力に対する機械的強度に優れる、発泡成形容器を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、発泡成形容器において、容器底部を平面視矩形とし、かつ、該発泡成形容器の側壁上端の開口縁部を平面視で楕円形状乃至略楕円形状とすることにより、容器本体の機械的強度を飛躍的に高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、底部と、該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から外側に向けて延出しており、トップシールフィルムをヒートシールするためのフランジとを有する形状を有する発泡成形容器であって、
前記底部が平面視矩形であり、かつ、該発泡成形容器の側壁上端の開口縁部が平面視で楕円形状乃至略楕円形状であることを特徴とする、トップシール用発泡成形容器に関する。
本発明によれば、トップシール用発泡成形容器において、容器本体の機械的強度、特に外力に対する機械的強度に優れる、発泡成形容器を提供できる。
図1は、本発明の発泡成形容器の斜視図である。 図2は、本発明の発泡成形容器の平面図である。 図3は、図2におけるx-x端面図である。 図4は、図3の部分拡大図である。 図5は、図2におけるy-y端面図である。 図6は、図5の部分拡大図である。 図7は、図6を更に部分的に拡大した端面図である。 図8は、図2のZ-Z端面図である。
本発明の発泡成形容器は、底部と、該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から外側に向けて延出しており、トップシールフィルムをヒートシールするためのフランジとを有する形状を有しており、前記底部が平面視矩形であり、かつ、該発泡成形容器の側壁上端の開口縁部が平面視で楕円形状乃至略楕円形状であることを特徴としている。
本発明では、本体容器の前記底部が平面視矩形であって、かつ、開口縁部が平面視で略楕円形状を持つことから、平面視長軸方向(図2中「X方向」)からの外力、及び、平面視短軸方向(図2中「Y方向」)からの外力に対する強度に優れ、更に、容器本体側壁に角部を有することなく、曲面で形成されていることから衝撃を角部に集中させることなく容器全体に分散させることができるため、トップシールした際の商品が落下したり、或いは、外部から衝撃が加わった場合に容器本体の破壊を効果的に抑止することができる。
ここで、本体容器の平面視において、側壁における外面上端部を結ぶ線分のうち、短軸方向(Y方向)の長さの最大値Bと長軸方向(X方向)の長さの最大値Aとのアスペクト比[B/A]が1.1~1.8であることが、内容物の収容容積を確保ししつつ壁面の曲面の曲率を高められる点から好ましい。ここで、本体容器の側壁における外面上端部を結ぶ線分とは、例えば、図4で言えば、側壁3の外面の上部とフランジ4の裏面との接合部の位置、或いは段差(図4・図5の段差5)を有する場合には、当該段差5の外縁の位置(具体的には、図4における「A基準点」、及び図6における「B基準点」)を基準点として、平面視において2つの基準点を直線的に結ぶ線分をいう。
また、X方向で相対する開口部曲線の領域bでの曲率半径Rxは50~65mmであることが好ましい。他方、Y方向で相対する開口部曲線の領域aでの曲率半径Ryは145~165mmであることが好ましい。
ここで、X方向に相対する曲率半径Rxの二つの曲線は、例えば、図2に示すように、領域bの範囲で同一曲率をもって構成される。同様に、Y方向に相対する曲率半径Rxの二つの曲線は、領域aの範囲で同一曲率をもって構成される。
線分Aに対する領域aのX方向直線距離(a1)の比率[(a1)/A]は0.3~0.7の範囲であることが容器の機械的強度の点から好ましく、線分Bに対する領域bのY方向直線距離(b1)の比率[(b1)/B]は0.2~0.5の範囲であることが、やはり容器の機械的強度の点から好ましい。
また、側壁の傾斜角度、具体的には垂直方向を基準とした傾斜角度(例えば、図4における角度α、図6における角度β、図8における角度γ)は、その最大値が30~60°、なかでも35~50°の範囲であること、一方、その最小値が10~50°、15°~40°、特に15~30°の範囲であることが本体容器の強度が優れたものとなる点から好ましい。ここで側壁の傾斜角度の最大値は、通常、X方向又はY方向で相対して向き合う壁面となり、側壁の傾斜角度の垂直方向を基準とした最小値は、通常、平面視矩形状の底面の角部から延びる、壁面であり、例えば図2のZ-Zで表される箇所となり、例えば、図8における角度γで表すことができる。
本発明では、上記した側壁の傾斜角度が垂直方向を基準として大きい方が水平方向からの外力や衝撃に対して強靭な耐性を発現させることができ、また、傾斜角度が小さい方が容器上方からの衝撃や荷重に対する耐性に優れたものとなる。本発明では、このバランスを図ると共に、側壁が曲面で構成されることで、外力や衝撃が加わった際に力が特定箇所に集中することなく、伝播分散させることができ、靭性に優れたトップシール容器となる。
また、壁面には、更に段部、例えば図1、図4、図6における段部5を有していても良い。段部5を設けることより容器を重ねた際のスタック性を発現させることができる。斯かる段部を有する場合、当該段部より上方は第二側壁部(例えば図4における第二側壁部3’)となる。また、第二側壁部は、垂直に対する傾斜角度が5°~20°であることが、スタック性の点から好ましい。
本体容器の底部形状は、前記した通り、平面視矩形であるが、特に四角形であることが好ましい。本発明では底部形状が四角系であり開口部が略楕円形状であることから、全周に亘り側壁に傾斜角度を持たせつつ、また、容積収容効率を高めることができる。また、底面の長辺又は短辺側と角部とで傾斜角度が異なりつつ連続的な曲面形状を形成することから、前記した通り、水平方向のみならず上部からの外力、荷重に対する耐性に優れた容器となる。また、斯かる底面はそのコーナー部が隅丸状となっていることが、衝撃に対して力の該箇所への力の集中を回避しやすい点から好ましく、更に、前記短辺方向(Y方向)長さ(L2)に対する、底部の長辺方向(Y方向)長さ(L1)の比率[(L1)/(L2)]が、1.1~1.8の範囲であることが、開口部形状との歪による強度向上効果が得られやすい点から好ましい。
また、底面部は、図3に示す様に、上底状になっていることが、電子レンジでの加熱効率の点から好ましい。この場合、底面周縁に沿って下方に膨出した膨出脚部を形成し、該膨出脚部の外縁端から上方に延びる側壁を有することが好ましい。この際、膨出脚部の内側表面の幅、例えば図3における脚部内側表面6の幅よりも該膨出脚部の外側表面の幅を広く確保することにより、該膨出脚部をスタックリブとして機能させることができる。
前記膨出脚部からの高さ、例えば図3における高さHは、前記した開口部形状と、壁面角度を確保できるよう適宜選択すればよいが、例えば、30~70mmの範囲から選択することができる。
本発明の本体容器は、側壁部の上端から外側に向けて延出したフランジを有する。なお、前記した側壁に段部(例えば図4における段部5)を有する場合には、当該段部から続く第二側壁部の上端からフランジが形成された構造となる。本発明では、フランジ上面に後述するトップフィルムをヒートシールする、所謂トップシール型の包装容器とすることができる。前記した通り、トップシール型の包装容器とすることにより、食品の鮮度を高く保つことが可能となる他、嵌合方式の蓋材成形体を用いないため、プラスチック材の使用量を削減できる。
前記したフランジの形状は特に限定されるものではなく、その上面は、上方に膨出した曲面状であっても平坦状であってもよい。フランジ強度という観点からは曲面状であることが望ましいが、シール強度の点からは平坦状であることが望ましい。本発明では、発泡成形体としては高レベルの強度を有するものであるため、シール部分が外部からの力や衝撃に対してウイークポイントになり易い。そのため、本体容器の強度に見合った高レベルのシール強度とすべく、フランジ上面が平坦状であることが好ましい。
ここでフランジの幅は、シール強度が良好なものとなる点から、2.5mm以上、3mm以上、3.5mm以上、4mm以上、4.5mm以上、5mm以上、特に5.5mm以上であることが好ましい。ここで、フランジの幅とは、フランジから内容物側に繋がる内壁面に線の延長線と、フランジ上の頂点に接するか、又はフランジ上面が平坦である場合には該平坦に沿う水平線との交点をS1とし、また、フランジ上面が外側に向けて垂下し外縁に存在する肉薄部との境界から垂直に伸ばした線分と、前記水平線との交点をS2としたとき、このS1~S2の距離がフランジ幅となる。例えば、図6における交点S1と、交点2との距離がフランジ幅となる。
フランジ上面が平坦状である場合の該平坦部の幅は、トップシールフィルムとのヒートシール性に優れる点から3.2mm以上、なかでも3.5mm以上、特に4.5mm以上、更に5mm以上であることが、シール好ましい。ここで、平坦部の幅は実質的にヒートシールされた幅と等しくなる。
一方、シール強度を高めた場合には、本体容器内側表層にラミネートフィルムが積層されている場合には、該ラミネート強度よりもトップフィルムと前記フランジとのシール強度の方が強くなった場合に、トップシール剥離時にラミネートフィルムも一緒に剥がれてしまい内容物が取り出せなくなる所謂袋化現象を招きやすい。この問題を解決するために、たとえば、フランジ表面の平坦部における外側に微細な凹凸形状を設けることが好ましい。
斯かる凹凸形状は平行な直線状の凹凸であってもよいし、格子状であってもよいが、例えば図1及び図2における凹凸形状7に代表される格子状であることが、トップフィルム剥離が容易となる点から好ましい。また、剥離が容易となる点から、図2に示すように略楕円形状のコーナー部に有することが好ましい。
また、本発明におけるフランジは、前記フランジの外端から外側下方へ向けて伸長するスカート部と、該スカート部下端から外方へ延出する薄肉部とを有する構造(例えば、図4、図8における薄肉部8)であることが該フランジの強度の点から好ましい。ここで、該スカート部外側表面の曲率半径(例えば、図4におけるスカート曲線部R1の曲率半径)は、4mm以下、特に3.5mm以下であることが、前記した袋化現象をより効果的に防止できる点から好ましい。
一方、前記平坦部から内側(内容物側)へ延びる表面の曲率半径(例えば、図4の内側曲線部R2の曲率半径)は、より小さくすることによりフランジ上面の平坦部をより大きくすることが可能となること、更に本発明ではかかる曲率半径を小さくしても優れたフランジ強度を発現できることから、6mm以下、特に5mm以下であることが好ましい。
フランジの厚さ(t)、例えば、図7における厚さtは、特に限定されるものではないが、ヒートシール強度が良好なものとなる点から1~3.5mm、なかでも1~3mmの範囲であることが好ましい。
以上詳述した発泡成形容器は、具体的には、ポリスチレン系発泡体、ポリエチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、ポリエステル系発泡体等、各種の発泡成形体であってよいが、特に強度と成形性とのバランスに優れる点からポリスチレン系発泡体であることが好ましい。
発泡成形容器がポリスチレン系発泡体である場合、スチレン系樹脂組成物から発泡シートを得、発泡成形体とすることができる。ここで、スチレン系樹脂組成物としては、例えば、スチレン単独重合体(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、多分岐ポリスチレン、スチレン-アクリル系共重合体、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂、又は、これらの混合物等があげられる。これらの中でも、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂が好ましく、更に、該混合樹脂には、前記HIPSを含有させることが、耐熱性が良好となることに加え、とりわけ耐衝撃性が良好なものとなる点から好ましい。ここで、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂の場合、ポリフェニレンエーテルが1~40質量%となる割合で含有することが好ましい。
前記ポリスチレン系発泡体の発泡倍率は2~40倍の範囲であることが好ましく、とりわけ高耐熱性が求められる高発泡シートの場合、ポリスチレン系樹脂発泡シート層の発泡倍率10~40倍であることが好ましい。
また、本発明の発泡成形容器は、前記した各種発泡体を基材(以下、「発泡体基材」ということがある)として、該基材の内容物を収容する内面側表面側の全面に非発泡の熱可塑性フィルム層を設けた層構造を有することが、フランジのシール面の平滑性が良好なものとなる点から好ましい。
前記熱可塑性フィルム層は単層又は多層の熱可塑性フィルム層であればよく、前記発泡体の原料となる発泡シートに、非発泡の単層又は多層の熱可塑性フィルムをラミネートし、これを所望の形状に成形することによって形成することができる。斯かる、単層又は多層の熱可塑性フィルムは、スチレン系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルム、ガスバリアフィルム等の非発泡フィルム、及びこれらの複数を積層した多層フィルムが挙げられる。
上記した発泡体基材層と、その内側表面に位置する単層又は多層の熱可塑性フィルム層とから構成される具体的な層構造としては、
構造1:発泡シートに対して、スチレン系樹脂フィルムを単体で熱ラミネーションし、その後、成形した構造;
構造2:発泡シートに対して、オレフィン系樹脂フィルムを、接着剤を介してラミネーションした後、成形した構造;
構造3:オレフィン系樹脂フィルムにスチレン系樹脂フィルムをドライラミネーション接着剤を介して積層し、該スチレン系樹脂フィルム側を発泡シートに熱ラミネーションし、その後成形した構造;
構造4:第1のオレフィン系樹脂とガスバリア層を構成する樹脂と第2のオレフィン系樹脂とを共押出して得られた積層フィルムの第2のオレフィン系樹脂層を接着剤を介して発泡シートに積層、成形した構造;
構造5:第1のオレフィン系樹脂とガスバリア層を構成する樹脂と第2のオレフィン系樹脂とを共押出して得られた積層フィルムを得、次いで、得られた積層フィルムの第2のオレフィン系樹脂層側にスチレン系樹脂フィルムをドライラミネーションし、該スチレン系樹脂フィルム表面を発泡シートに熱ラミネーションした後、成形した構造
が挙げられる。
これらのなかでも、発泡体基材がスチレン単独重合体の発泡体である場合には、前記構造1:発泡体基材に対して、スチレン系樹脂フィルムを単体で熱ラミネーションして得らえれる構造が成形体表面の平滑性に加え、発泡成形体を回収、再度食品トレーへのリサイクルが容易になる点から好ましい。
また、トップシールフィルムをトップシールする際に内部を不活性ガス等でガス置換する場合には、ガスバリア層を設けることが好ましく、その場合、前記構造4及び構造5のフィルム構造が好ましく、特に構造5の場合、発泡体基材とラミネートフィルムとの密着性が高く、袋化防止の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
また、発泡体基材がスチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとを必須成分とする混合樹脂である場合、冷凍環境下での容器強度が良好なものとなり、ラミネートフィルムともより強固な接着性が求められることから、前記構造1、構造3、構造5が好ましく、特にガスバリア性を持たせる場合には、構造5が好ましい。
ここで、前記ポリスチレン系樹脂フィルムを構成するポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、多分岐ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-αメチルスチレン共重合体などが挙げられるが、特にスチレン単独重合体(GPPS)であること、とりわけ二軸延伸ポリスチレンであることが好ましい。
次にオレフィン系樹脂フィルムを構成するオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン重合量が5質量%以下であるプロピレン-エチレンランダム共重合体、又は、プロピレン単独重合体とエチレン重合量が5質量%以下であるプロピレン-エチレンランダム共重合体との混合物等が挙げられる。これらのなかでもポリエチレン、ポリプロピレンであることが好ましく、特に表層にオレフィン系樹脂フィルムが位置する場合はポリプロピレンであることが耐油性、耐熱性の点から好ましい。また、容器への賦形性に優れる点から、無延伸ポリプロピレンであることが特に好ましい。
ガスバリア層は、不活性ガス、酸素、水蒸気等の透過性が低いものであればよく、エチレン- ビニルアルコール共重合体、ポリアミドが挙げられる。
これら熱可塑性非発泡フィルムから構成される層の厚さは、例えば、前記フィルム構造1の場合、スチレン系樹脂フィルム層の厚さは、5~100μmの範囲であることが、表面平滑性と光沢が良好となる点から好ましい。前記フィルム構造2の場合、オレフィン系樹脂フィルム層の厚さは、5~100μmの範囲であることが、表面平滑性が良好となって光沢に優れる点から好ましい。前記フィルム構造3の場合、オレフィン系樹脂フィルム層の厚さは、15~100μmの範囲であることが好ましい。すなわち、15μm以上とすることにより、耐油性に優れた容器とすることができる。また、100μm以下とすることにより、発泡体基材との密着性が良好なものとなる。特に、これらの性能バランスに優れる点から中でも20~50μmの範囲であることが好ましい。一方、ポリスチレン系樹脂フィルム層の厚みは10~40μmの範囲、特に10~17μmの範囲であることが発泡体基材との密着性と表面平滑性とのバランスに優れる点から好ましい。
前記フィルム構造4・フィルム構造5の場合、第1のオレフィン系樹脂フィルム層の厚さは、共押出フィルム層全体の厚みで20~150μmの範囲であることが好ましい。
また、前記フィルム構造5の場合におけるスチレン系樹脂フィルム層の厚さは10~40μmの範囲、特に10~17μmの範囲であることが発泡体基材との密着性と表面平滑性とのバランスに優れる点から好ましい。
また、熱可塑性非発泡フィルムを用いた場合、包装容器のフランジ上面は適度に平滑性に優れたものとなり、その表面粗度(Ra)が3μm以下であることが好ましい。ここで、表面粗度(Ra)とは、基準長さにおける算術平均粗さをいい、例えば、成形容器の底面部の内面側表面をJIS B0601-2013に準拠して、キーエンス製レーザー顕微鏡(VK-X200series)を用いて拡大倍率1000倍で測定し、評価長さを2000μm、カットオフλsを2.5μm、カットオフλcを0.25mmとして算出することができる。
上記した包装容器は、発泡成形容器としてポリスチレン系発泡体を使用する場合、ポリスチレン系発泡シートと、熱可塑性非発泡フィルムの単層フィルム又はこれを含む多層フィルム(以下、「非発泡フィルム」と略記する。)とを積層して複合シートとする工程1、次いで得られた複合シートを所定の形状に賦形して成形体とする工程2を経て得ることができる。
工程1のポリスチレン系発泡シートと非発泡フィルムとを積層する手段としては、サーマルラミネート、ドライラミネートする方法、或いはポリスチレン系樹脂を発泡押出してシート状に形成しながら、ラミネートさせる押出ラミによって貼合させる方法が挙げられる。
次いで、工程2は、工程1で得られた複合シートを熱成形することにより所望の容器形状に賦形する工程である。成形方法は定法によればよく、例えば、片面真空成形、或いは両面真空成形によって成形させることができるが、フランジ表面の平坦部を大きくするには両面成形にて成形することが好ましい。
更に、前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量は、好ましくは90~400g/mであり、より好ましくは100~350g/mである。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚みは、好ましくは0.5~4mmであり、より好ましくは1~3mmの範囲である。
以上詳述した本発明の包装容器は、内容物である食品を収容後、トップフィルムをヒートシールすることにより、食品包装することができる。この際、前記した様に、包装容器にガスバリア層を設けている場合には、食品収容後、内部をガス置換し、トップシールすることが好ましい。
ここで使用されるトップフィルムとしては、界面剥離タイプ、層間剥離タイプ、凝集剥離タイプの何れであってもよいが、包装容器表面との密着性、密閉性に優れる点から層間剥離タイプ、凝集剥離タイプであることが好ましい。
かかる層間剥離タイプ、凝集剥離タイプのトップフィルムは、具体的は、基材フィルム上に凝集剥離層又は層間剥離層を有するものであればよく、少なくとも2層以上の多層構造であればよい。なかでも基材フィルム/支持フィルム/凝集剥離層(又は層間剥離層)の順に積層された多層フィルムであることが好ましい。
ここで、基材フィルムとしては各種のスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することができるが、とりわけ剛性の点からナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。基材フィルムの厚さは、例えば、5~20μmの範囲である。
前記支持フィルムとしては、凝集剥離層又は層間剥離層との親和性の高い樹脂材料を適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。斯かる支持フィルムの厚さは、1層で用いる場合は20~60μm、2層で用いる場合は合計で20~60μmとなる範囲であることが好ましい。
以上詳述した包装容器と、トップフィルムとは任意に組み合わせて使用することができるが、発泡体基材として、スチレン単独重合体(GPPS)とポリフェニレンエーテルとの混合物をポリスチレン系発泡基材とし、前記フィルム構造3(オレフィン系樹脂フィルムにスチレン系樹脂フィルムをドライラミネーション接着剤を介して積層し、該スチレン系樹脂フィルム側を発泡体基材に熱ラミネーションした構造)を有するものを用い、かつ、トップフィルムとして、凝集剥離層を有する多層フィルムを用いた場合、低温環境下における衝撃強度に優れたものなるため好ましい。具体的には、-30℃ほどの冷凍環境下で、落下や外部からの衝撃に対しても割れやシール部の破壊が生じることがなく、冷凍食品包装用途に特に適する。
包装容器にトップフィルムをヒートシールする方法としては、当該包装容器に食品を収容後、トップフィルムを剥離層側が包装容器のフランジに接するように被せ、フランジ上方から熱板を押し付けてヒートシールすることによって得られる。
ここで、ヒートシールする際のシール幅は特に限定されるものではないが、包装容器のフランジ上面のサイズに合わせて適宜選択することができる。例えば平坦状である場合には、3.5~10mmの範囲が挙げられる。
ヒートシールする際の温度条件は、100~200℃の中から所望のシール強度となる温度条件を適宜選択することができる。すなわち、食品包装用途において、用途に応じて所望のシール強度が要求されるところ、通常、シール温度が高くなるに従い、シール強度も強くなる為、上記温度範囲において、求められるシール強度においてシール温度を設定することができる。斯かるシール強度の調整という観点からは、シール温度変化に対するシール強度の追随性に優れ、設計の自由度が高くなる点から、凝集剥離層を有するトップシール用蓋材がとりわけ好ましい。
以下、本発明の包装容器の一実施態様を図面に基づき説明する。
本実施態様は、図1における発泡成形容器1で表されるものであり、平面視で角部を隅丸状とした四角形状の底部2と、該底部2の外周縁より下方に膨出する膨出脚部6と、該膨出脚部6外縁から上方に伸びる側壁部3と、該側壁部から続く段部5、段部5から続く第二側壁部3’とその上端から外側に向けて延出したフランジ4とを有する発泡成形体である。
ここで底部2の中央は、電子レンジで加熱する際の熱伝導性を高めるべく上げ底部状となっている。
包装容器の開口部は、図2の平面図に示すように略楕円形の形状を有している。図2において、開口部の短軸方向(Y方向)の長さの最大値Bと、長軸方向(X方向)の長さの最大値Aとのアスペクト比[A/B]は、[B/A]は1.37であり、X方向で相対する領域bにおける開口部曲線の曲率半径Rxは58mmである。他方、Y方向で相対する領域aにおける開口部曲線の曲率半径Ryは158mmである。
ここで、X方向に相対する曲率半径Rxの二つの曲線は、領域bの範囲で同一曲率をもって構成される。同様に、Y方向に相対する曲率半径Rxの二つの曲線は、領域aの範囲で同一曲率をもって構成される。
また、X方向長さの最大値Aに対する領域aの長さa/Aは凡そ0.5であり、Y方向長さの最大値Bに対する領域bの長さb/Bは凡そ0.35である。
フランジ4はその上面が平滑面となっており、その四隅には微細な凹凸形状7が設けられている。該凹凸形状7は、本実施形態では格子形状であり、格子一つ辺りの一辺の長さ(凹部底面の一辺の長さ)は1mmである。
また、フランジ4の外縁においてY方向で相対する領域aの一部乃至全部が直線的に構成されている。斯かる直線部を設けることにより商品表示用シュリンクフィルムを巻くことが可能となる。
図6に示すように第二壁面部の内壁面に沿う線の延長線と、フランジ上の水平線との交点をS1とし、また、フランジ上面が外側に向けて垂下し外縁に存在する肉薄部との境界から垂直に伸ばした線分と、前記水平線との交点をS2としたとき、このS1~S2の距離がフランジ幅となる。
また、フランジ4のその外端から外側下方へ向けて伸長するスカート部と、該スカート部下端から外方へ延出する薄肉部とを有する。
また該薄肉部の上面には、取扱の際の切傷防止等安全性の観点から端面側から見て波状の凹凸形状を有することが好ましい。
図3は、図2におけるx-x端面図であり、図4はその部分拡大図である。図4において段部5の外端を通る垂直線と側壁との角度αは38°であり、図5は、図2におけるy-y端面図であり、図6はその部分拡大図である。図6において段部5の外端を通る垂直線と側壁との角度βは38°である。図7は、図6のフランジ部分を更に拡大したものであり、図6中の8が前記肉薄部の一例となる。図8は、図2におけるZ-Z端面図であり、垂直方向を基準とした傾斜角度が最も小さく部位であり、段部5の外端を通る垂直線と側壁との角度γは23°である。
また、発泡成形容器1は、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合樹脂の発泡体であり、該発泡体の内容物側表面には、ポリプロピレンフィルムにポリスチレンフィルムをドライラミネートし、該ポリスチレンフィルム側が熱ラミネートされた構造を有している。
1・・・発泡成形容器
2・・・底部
3・・・側面
3’・・・第二側壁部
4・・・フランジ
5・・・段部
6・・・膨出脚部
7・・・凹凸形状
8・・・薄肉部
A・・・X方向長さの最大値
B・・・Y方向長さの最大値
a・・・Y方向で相対する領域
b・・・X方向で相対する領域
H・・・発泡成形容器高さ
t・・・フランジ厚さ
R1・・スカート曲線部
R2・・内側曲線部
α・・・壁面傾斜角度
β・・・壁面傾斜角度
γ・・・壁面傾斜角度

Claims (7)

  1. 底部と、該底部の外縁から上方に伸びる側壁部と、該側壁部の上端から外側に向けて延出しており、トップシールフィルムをヒートシールするためのフランジとを有する形状を有する発泡成形容器であって、
    前記底部が平面視矩形であり、かつ、該発泡成形容器の側壁上端の開口縁部が平面視で略楕円形状であることを特徴とする、トップシール用発泡成形容器。
  2. 前記開口縁部の平面視形状における、短軸方向の長さの最大値Bと、長軸方向の長さの最大値Aとのアスペクト比[A/B]が1.1~1.8の範囲である請求項1記載のトップシール用発泡成形容器。
  3. 前記フランジの上面が平滑面となっており、かつ、トップフィルムを熱融着可能なシール幅を有する請求項2記載のトップシール用発泡成形容器。
  4. 前記フランジの平面視形状において、前記開口縁部の平面視形状における長径と並行する、端縁部に直線部を有する請求項1記載のトップシール用発泡成形容器。
  5. 底部の平面視における、短辺方向長さ(L2)に対する、底部の長辺方向長さ(L1)の比率[(L1)/(L2)]が、1.1~1.8の範囲である請求項2記載の発泡成形容器。
  6. 底部長辺中央から上方に延びる側壁部の傾斜角度(垂直方向を基準とした傾斜角度)は、最大値が30~60°の範囲であって、最小値が10~50°の範囲である請求項5記載のトップシール用発泡成形容器。
  7. 平面視の開口部における隅丸状角部のフランジ上部表面の外側に凹凸形状を設けてなる請求項1~6の何れか一つに記載のトップシール用発泡成形容器。

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