JP2023157589A - D-アルロース顆粒物の製造方法 - Google Patents

D-アルロース顆粒物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、流動性に優れるD-アルロース顆粒物の製造方法を提供することにあり、特に大容量で処理できる装置に適する製造方法を提供することにある。【解決手段】 D-アルロースを50質量%以上含む原料粉末を、給気温度20℃~70℃の気体により流動化させた状態で、水溶性多糖類を含むバインダー液で顆粒化することにより上記課題は達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、D-アルロース顆粒物の製造方法に関する。
D-アルロースは、D-フラクトース(果糖)のエピマーであり、砂糖の約60~70%の甘味度を有する「希少糖」である。D-アルロースは、甘味料として利用される一方で、各種生理機能、例えば、体重増加抑制作用、体脂肪蓄積軽減作用、血糖値上昇抑制作用、肝臓脂肪合成関連酵素活性抑制作用などの生理機能を有することが知られ、注目されている食品素材の1つである。
近年、D-アルロースは、大量生産技術の開発によって入手が比較的容易となり、例えば、粉末状のD-アルロース(松谷化学工業株式会社製「Astraea」)が入手可能である。
しかしながら、粉末状のD-アルロースは流動性や成形性が悪いという問題がある。この問題を解決するため、例えば、特許文献1には、打錠に適するD-アルロース顆粒を得る方法、すなわち、300gのD-アルロース粉末を60℃の空気で流動化させ、D-アルロースを約16.7質量%含む水溶液を噴霧することにより顆粒化する方法が開示されている。
特表2017-522032
D-アルロース粉末の流動性の問題を解決しようと、特許文献1に具体的に開示される上記顆粒化方法によりD-アルロース顆粒物を試作したところ、その顆粒物の流動性はいまだ不十分であり、特に、バッチ容量が大きい造粒装置では、流動性に優れるD-アルロース顆粒物を得ることができなかった。
本発明の課題は、流動性に優れるD-アルロース顆粒物の製造方法を提供することにあり、特に、大容量装置を用いる実製造に適したD-アルロース顆粒物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、水溶性多糖類を含む溶液をバインダー液とし、かつ、流動槽に供給する空気の温度(以降、「給気温度」という。)を20℃~70℃としてD-アルロースを顆粒化することにより、上記課題が解決されることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下の[1]~[8]から構成されるものである。
[1] D-アルロースを50質量%以上含む原料粉末を、給気温度20℃~70℃の気体により流動化させた状態で、水溶性多糖類を含むバインダー液を噴霧して顆粒化する工程を含む、D-アルロース顆粒物の製造方法。
[2] D-アルロースを85質量%以上含む原料粉末を、給気温度20℃~70℃の気体により流動化させた状態で、水溶性多糖類を含むバインダー液を噴霧して顆粒化する工程を含む、D-アルロース顆粒物の製造方法。
[3] 水溶性多糖類が、でん粉分解物、加工でん粉分解物及び難消化性デキストリンからなる群より選ばれる一以上である、上記[1]又は[2]に記載のD-アルロース顆粒物の製造方法。
[4] 給気温度が20℃~40℃である、上記[1]又は[2]に記載のD-アルロース顆粒物の製造方法。
[5] D-アルロースを含む原料粉末100質量部に対して、水溶性多糖類を5~30%(w/w)で含むバインダー液10~40質量部を噴霧して顆粒化する工程を含む、上記[1]又は[2]に記載のD-アルロース顆粒物の製造方法。
[6] D-アルロースを50質量%以上含み、圧縮度が18.5%以下であるD-アルロース顆粒物。
[7] さらに、水溶性多糖類を含む、上記[6]に記載のD-アルロース顆粒物。
[8] 水溶性多糖類が、でん粉分解物、加工でん粉分解物及び難消化性デキストリンからなる群より選ばれる一以上である、上記[7]に記載のD-アルロース顆粒物。
流動性に優れるD-アルロース顆粒物を大量に製造できる。
本発明にいう「原料粉末」とは、顆粒化工程に供給される粉末状の原料を指す。本発明の原料粉末は、D-アルロースを50質量%以上含み、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上含む。D-アルロースは、例えば、「Astraea」(松谷化学工業株式会社製のD-アルロース95%以上の結晶品)を使用することができる。
前記原料粉末は、D-アルロース以外のものを含んでよく、本発明の原料粉末に含まれうる成分(以下、その他原料成分という。)としては、例えば、D-アルロース以外の単糖、二糖、オリゴ糖、でん粉、でん粉分解物、加工でん粉、加工でん粉分解物、難消化性デキストリン(還元物も含む)、ポリデキストロース、イヌリンなどである。
バインダー液とは、前記原料粉末を結着させて顆粒化するために噴霧使用される液体をいい、本発明のバインダー液は、水溶性多糖類を必須成分として含む。先述のとおり、アルロースなどの単糖類をバインダーとして用いたD-アルロース顆粒物は、流動性が不十分であり、水溶性多糖類をバインダーとして用いたときに流動性が改善する。水溶性多糖類は多糖類のうち冷水に溶解するものであり、例えば、でん粉分解物、加工でん粉分解物、難消化性デキストリン(還元物も含む)、冷水可溶性でん粉(α化でん粉など)、ポリデキストロース、イヌリン、セルロース、増粘多糖類などである。本発明で使用する水溶性多糖類は、好ましくは、でん粉分解物、加工でん粉分解物、難消化性デキストリンであり、より好ましくは、加工でん粉分解物、難消化性デキストリンである。
バインダー液に含まれる水溶性多糖類の含有割合は、5~30質量%、好ましくは5~20質量%である。5質量%を下回っても、30質量%を上回っても顆粒ができにくくなり不都合である。バインダー液の使用量は、原料粉末100質量部に対して、例えば、10~40質量部、好ましくは20~40質量部である。
前記バインダー液は、空中で流動する原料粉末に対して噴霧されるものであり、粉末粒がバインダー液を介して結着し顆粒化するところ、原料粉末の流動化にもっとも適する機器は流動層造粒機である。流動層造粒機は、原料粉末を流動化させるための気体(空気、窒素など)の供給口(給気口)を備えるが、当該給気口における温度(給気温度)が通常の給気温度(70℃~100℃)より低い温度に設定されることを要し、そのような低い温度に設定することにより、流動性に優れたD-アルロース顆粒物を製造することができる。給気温度が20℃を下回ると粉末粒の表面に水分が残りやすく顆粒物がブロッキングしやすくなり、70℃を上回るとD-アルロースがラバー状になり固まりやすくなるため、20℃~70℃にすることが必須であり、20℃~55℃、又は20℃~40℃とすることが好ましい。
前記工程で得られたD-アルロース顆粒物は、付着したバインダー液の水分を乾燥により取り除く必要があり、その乾燥方法に限定はないが、例えば、前記顆粒化工程後にバインダー液の供給のみ止めて、気体の供給を一定時間継続することにより乾燥することができる。本発明のD-アルロース顆粒物の水分は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
上述した方法により得られるD-アルロース顆粒物は、圧縮度は18.5%以下であり、好ましくは17.5%以下、より好ましくは16.0%以下である。また、かたみ嵩比重は好ましくは0.65g/cc以下である。また、当該顆粒物に含まれるD-アルロースの含有割合は70質量%以上であり、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。また、平均粒子径は240μm以上であり、好ましくは300μm以上である。
なお、D-アルロース顆粒物の圧縮度(流動性)、平均粒子径、溶解性、水分は、以下の方法により測定する。
「 圧縮度(流動性) 」
顆粒物の流動性は、圧縮度の値により評価する。圧縮度とは、(「かたみ嵩比重」-「ゆるみ嵩比重」)/「かたみ嵩比重」の値であり、流動性を評価する指標の1つである。ここで、「ゆるみ嵩比重」とは、容器内へ顆粒物を静かに充填した状態で計測した嵩比重であり、「かたみ嵩比重」とは、容器内へ顆粒物を静かに充填した後、一定の振動を与えることで顆粒物を強制的に流動させた後に計測した嵩比重である。流動性の良い顆粒ほど、振動の有無による嵩比重の変化(圧縮度)が小さくなる。つまり、圧縮度の値が小さいほど顆粒の流動性は良いと判断できる。
「 粒度分布、平均粒子径 」
顆粒物の粒度分布、平均粒子径は、篩分け法により測定する。具体的には、目開き90μm、125μm、180μm、250μm、355μm、500μmの篩を、目開きの小さな篩から順に受け皿上に積み重ね、最上部の500μmの篩の上から顆粒物を入れて振とうし、分画した後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該物の質量を測定して粒度分布を得て、下記数式により平均粒子径を算出する。
ここで、a値は、受け皿と各篩との質量頻度を積算していったときに積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きの大きさ(μm)であり、b値は、a値より一段小さい篩の目開きの大きさ(μm)であり、c値は、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値(%)であり、d値は、受け皿からbμmの篩までの質量頻度の積算値(%)である。
「 溶解性 」
顆粒の溶解性は、顆粒5gを1Lの水(20±2℃)に投入し、1分経過後に、溶け残りの有無や溶け残った試料の大きさを確認して判断する。
「 水分 」
顆粒の水分は赤外線水分計(例えば、ケット科学研究所の赤外線水分計)により測定する。
本発明のD-アルロース顆粒物は、食品、医薬品、化粧品、工業化学品などに利用でき、特に、粉状、顆粒状、固形状の形態のものに有利に利用できる。食品、特に粉状又は顆粒状の食品に利用する場合であれば、例えば、卓上甘味料をはじめとする甘味料として用いる甘味組成物、粉末顆粒飲料、粉末顆粒調味料、顆粒スープ、から揚げ粉やケーキミックス粉などのプレミックス粉などに有利に利用できる。また、固形状の食品に利用する場合であれば、打錠菓子、チョコレート、ガムなど、製造工程において本発明の顆粒物の形状が比較的保持される食品形態に有利に利用できる。
以後、実施例をもって本発明について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
<D-アルロース顆粒物の製造>
表1に記載された原料粉末(2kg)とバインダー液(0.6kg)を用いて、流動層造粒機(装置名FLO-5A、容量20L、フロイント産業製)によりD-アルロース顆粒物を製造した。原料粉末流動用の空気の給気温度は20℃~100℃(表1に記載)、風量は1.0~3.0m3/分とした。なお、使用したD-アルロース粉末は「Astraea」(松谷化学工業株式会社製、純度95%以上の結晶D-アルロース)、難消化性デキストリンは「ファイバーソル2」(松谷化学工業株式会社製)、加工でん粉分解物は「フードテックス」(松谷化学工業株式会社製)である。
<D-アルロース顆粒の評価>
得られたD-アルロース顆粒物の圧縮度、粒度分布、平均粒子径、溶解性、水分値を表2に記載の方法で測定した。結果を表3に示す。
給気温度を70℃に設定して調製したD-アルロース顆粒物の圧縮度(流動性の指標)は、バインダー液としてD-アルロースを含む液を使用した場合に21.3%(試験1)、難消化性デキストリンを含む液を使用した場合に18.0%(試験2)と小さくなり、バインダー液として難消化性デキストリンを含む液を使用すると、流動性が良好なD-アルロース顆粒物が得られることがわかった。
また、給気温度を70℃(試験2)又は20℃(試験3)に設定して調製したD-アルロース顆粒物を比較すると、給気温度が低いほうが圧縮度が小さく、流動性は良好であった。給気温度を100℃にすると(試験4)、顆粒化工程中に粉体が凝集してしまい、顆粒物として回収することができなかった。なお、バインダー液としてD-アルロースを含む液を使用し、給気温度20℃で顆粒化しても、製造直後に顆粒が凝集してしまい、流動性の好ましいD-アルロース顆粒物を得ることはできなかった。
また、バインダー液として加工でん粉分解物を含む液を使用して調製したD-アルロース顆粒物(試験5)は、圧縮度が15.5%であり、試験1の顆粒物の圧縮度より小さく、流動性は良好であった。難消化性デキストリンをバインダー液として用いるだけでなく原料粉末の一部として配合し調製したD-アルロース顆粒物(試験6)についても、その圧縮度は18.8%と試験1の顆粒物の圧縮度より小さく、流動性は良好であった。

Claims (8)

  1. D-アルロースを50質量%以上含む原料粉末を、給気温度20℃~70℃の気体により流動化させた状態で、水溶性多糖類を含むバインダー液を噴霧して顆粒化する工程を含む、D-アルロース顆粒物の製造方法。
  2. D-アルロースを85質量%以上含む原料粉末を、給気温度20℃~70℃の気体により流動化させた状態で、水溶性多糖類を含むバインダー液を噴霧して顆粒化する工程を含む、D-アルロース顆粒物の製造方法。
  3. 水溶性多糖類が、でん粉分解物、加工でん粉分解物及び難消化性デキストリンからなる群より選ばれる一以上である、請求項1又は2に記載のD-アルロース顆粒物の製造方法。
  4. 給気温度が20℃~40℃である、請求項1又は2に記載のD-アルロース顆粒物の製造方法。
  5. D-アルロースを含む原料粉末100質量部に対して、水溶性多糖類を5~30%(w/w)で含むバインダー液10~40質量部を噴霧して顆粒化する工程を含む、請求項1又は2に記載のD-アルロース顆粒物の製造方法。
  6. D-アルロースを50質量%以上含み、圧縮度が18.5%以下であるD-アルロース顆粒物。
  7. さらに、水溶性多糖類を含む、請求項6に記載のD-アルロース顆粒物。
  8. 水溶性多糖類が、でん粉分解物、加工でん粉分解物及び難消化性デキストリンからなる群より選ばれる一以上である、請求項7に記載のD-アルロース顆粒物。
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