JP2022546973A - 酸化処理による廃水中のホルムアルデヒドの除去 - Google Patents

酸化処理による廃水中のホルムアルデヒドの除去 Download PDF

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Abstract

本発明は、ホルムアルデヒドを含有する廃水の処理方法に関する。特に、本発明は、アクリル酸又はアクロレインの製造から生じる液体排出物の処理方法であって、これらの排出物中に存在するホルムアルデヒドを除去することを目的とする方法に関する。最後に、本発明は、このようにして得られた精製水溶液の、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の製造方法における使用に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ホルムアルデヒドを含有する廃水の処理方法に関する。特に、本発明は、液体排出物中に存在するホルムアルデヒドを除去することを目的とする、アクリル酸の製造から生じる液体排出物の処理方法に関する。本発明はまた、このようにして得られた精製水溶液の、自然環境に放出する前の処理のための使用に関する。本発明はまた、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の製造方法における、ホルムアルデヒドの大部分が除かれた排出物のリサイクルに関する。
プロピレン及び/又はプロパンからアクリル酸を製造する方法は、接触酸化反応の副生成物としてホルムアルデヒドを生成する。さらに、これらの方法は、大量の水(変換されるプロピレン1モル当たり少なくとも1モルの水)を生成する。ホルムアルデヒドは、水に非常に溶けやすい軽質不純物(常温にて気体)であり、水和物を形成することから、その水溶液から分離することが難しい。したがって、アクリル酸の回収及び精製段階の間に生成される廃水ストリームは、一般にホルムアルデヒドを主要な有機不純物として含有する。
ホルムアルデヒドのレベル及び排出は、厳しい規制の対象である。ホルムアルデヒドを用いて操業するプラントは、残留ガス中及び水性放出物中のホルムアルデヒドの濃度を抑える排出規制を遵守しなければならない。
廃水は、自然環境に最終的に放出する前に、その中の有機不純物を除去する処理をしなければならない。使用される方法は、一般に、資本コスト及び反応物の消費の点で高価である。産業廃水は、一般に、環境に放出される前に最終段階として生物学的処理ユニットに送られる。しかし、ホルムアルデヒドは、生物に対して有毒であり、細胞の生理的活性を阻害する。したがって、ホルムアルデヒドを高濃度で含有する廃水は微生物に対して有毒である。論文「A method for treating wastewater containing formaldehyde」(H.R.Lotfyら、Water Research,36(2002),633-637)には、ホルムアルデヒド濃度が300mg/lを超えると、生物学的処理プロセスが実質的に完全に阻害されることが記載されている。したがって、ホルムアルデヒド濃度は、廃水の生物学的処理を行う前に大幅に低減されなければならない。
プロピレン及び/又はプロパンからアクリル酸を製造する際に関与する気相接触酸化反応では、これらの原料を希釈形態で導入する必要がある。これらの反応は発熱性が高いため、プロセスの生産性を向上させるために反応物の濃度をむやみに高くすると、発生した熱を除去することが困難となり、その結果、選択性が著しく失われ、反応物の濃度が高すぎる条件下では爆発する危険性があるという問題に直面する。したがって、反応器に供給する混合物中のプロピレンの濃度は、通常、5~15体積%である。希釈は、通常、酸素及び蒸気の供給源として導入される空気に伴う窒素によって請け負われ、これは燃焼による酸化炭素の形成を抑え、触媒上の反応性物質が確実に首尾よく脱離するためにさらに必要である。制御された選択的な反応に必要な、反応器に供給する気体混合物中の反応物を十分に希釈するために、経済的なアクリル酸製造方法は、工場からの廃水の一部を気化した後にプロピレン及び/又はプロパンのための気体状希釈剤として使用するものである。これにより、この反応によって生成された水(変換されたプロピレン1モルあたり1モルの水を生成する)を使用することができるので、外部起源の水を添加しなくてすむ。プロピレンを希釈するための蒸気を得る目的でこの不純物を含む水を気化させる段階の間、ホルムアルデヒドの大部分は、プロピレンの酸化のために反応器に供給する際に水に取り込まれる。
しかし、ホルムアルデヒドは、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸及び中間体、アクロレインの製造のための反応にとって毒である。したがって、アクリル酸の製造ユニットでは、蒸気発生器の上部ストリーム中に存在し、反応器への供給物としてリサイクルされるホルムアルデヒドは、触媒の失活に起因してアクリル酸収率の損失を引き起こす可能性がある。
触媒に対するホルムアルデヒドの有害な影響に加えて、この不純物はまた、マレイン酸などの酸性物質の存在下でヒドロキノンと共にノボラックと呼ばれるフェノール-ホルムアルデヒドポリマーを形成するので、蒸気発生器のファウリングに直接関与する。
水性排出物中のホルムアルデヒドを除去するための多くの方法が提案されている。
蒸留又は樹脂への吸収により、水性媒体からより容易に分離可能なホルムアルデヒドとの付加物を形成する、第3の化合物の添加による化学処理を用いる前処理方法を使用することができる。
例えば、重亜硫酸ナトリウムとの反応後のホルムアルデヒドの除去に関する研究がChen Yuら(International Conference on Challenge in Environmental Science and Computer Engineering,2010)によって行われている。R.Kowacsらは、論文「Complex Behavior in the Formaldehyde-Sulfite Reaction」(J.Phys.Chem.A,2005,109,283-288)において、反応が非常に複雑である亜硫酸ナトリウム及びメタ重亜硫酸塩媒体中での処理による方法を記載している。
同様の例は、文献米国特許第5545336号に見られ、この文献は、酸性環境で二酸化硫黄を生成しないというさらなる利点を示すピロ亜硫酸ナトリウムを用いてホルムアルデヒドを除去する方法を記載している。一方、記載される処理は、アクリル酸の製造方法によって一般的に生成される廃水ストリーム(pH1.5~4)よりも高いpH(6~11)条件下で行われるため、バッファー混合物の添加を必要とする。さらに、それは除去しなければならない塩を生成し、プロセスを複雑にする。
これらの方法は比較的複雑であり、高価であるため、又は除去しなければならない反応物を含むストリームを生成するため、又は面倒な副生成物や固体の堆積物を生成するため、満足のいくものではない。
ホルムアルデヒドを破壊するために化学的酸化プロセスを適用することも可能である。最も単純で非常に一般的に使用される進歩した酸化プロセスは、一般にFe(II)をベースとする触媒の存在下で、酸化剤として過酸化水素を含むフェントンプロセスである。しかし、このプロセスは、高温廃水ストリームに対する使用を妨げる発熱反応を生じ、著しい固体堆積物を生成するため、頻繁な洗浄作業を必要とする。
その結果、今日まで、アクリル酸の製造プロセスから生じホルムアルデヒドを高濃度で含有する酸性水性排出物を、安価なプロセスによって効率的に処理する必要性がある。
この問題を解決するため、本発明は、プロピレン及び/又はプロパンからアクリル酸を製造する際に生じる廃水中のホルムアルデヒドを除去する方法を提供し、前記方法は、触媒の不在下における過酸化水素を使用したホルムアルデヒドの酸化をベースとする。
本発明は、第1に、アクリル酸又はアクロレインの製造から生じる廃水中のホルムアルデヒドを除去する方法に関し、前記方法は、反応部及び気化部を含むプラントで行われ、前記方法は、以下の段階、
i.反応部において廃水を過酸化水素で処理する段階、
ii.処理した廃水を気化部に移送する段階、及び
iii.処理した廃水を部分的に気化して、上部ストリーム及び底部ストリームを生成する段階であって、上部ストリーム及び底部ストリームのホルムアルデヒド濃度がそれぞれ1重量%未満である段階、
を含む。
一実施形態によれば、処理される廃水は、0.5~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%のホルムアルデヒドを含有する。
一実施形態によれば、ホルムアルデヒドに対する過酸化水素のモル比は、0.1/1~3/1である。
一実施形態によれば、過酸化水素は、水性形態で反応部へと導入される。
また本発明は、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の合成のための方法の提供も目的とする。この方法では、ホルムアルデヒドを含有する水性相を過酸化水素で処理することで、一方では、プロピレン及び/又はプロパンの酸化の段階にリサイクルされる気体状水性ストリームを得、他方では、大量のホルムアルデヒドが除かれた故に他の有機生成物を除去するための処理を行った後に自然環境に放出されることが可能となる液体水性ストリームを得ることが可能となる。
本発明は、最新技術の欠点を克服することを可能にする。より詳細には、本発明は、アクリル酸の製造方法から生じる廃水中のホルムアルデヒドを除去するための簡単で安価かつ効果的な処理方法を提供する。さらに、この方法は、ホルムアルデヒド濃度の高いストリームをリサイクルすることによるプロピレン及び/又はプロパンの酸化反応の収率の損失を回避することを可能にする。
また本発明の方法は、(メタ)アクリル系モノマーの製造から生じる、外部環境に放出される前に例えば生物学的処理又は焼却による処理が意図されるこの不純物を含有する廃水の中のホルムアルデヒド濃度を低下させるために、使用することもできる。
本発明の方法は、新しい生成物又は固体を生成しない。
反応は発熱性ではない。したがって、アクリル酸の製造方法から生じる、一般に蒸留カラムの底部で得られる廃水ストリーム(以下に記載される図1及び図2のストリーム9)は、このように高温で、反応の前に予冷してから続く気化段階を実行するために加熱する必要がない。
反応は、限定された反応体積で行うことができ、したがって静的ミキサー型管形反応器での連続処理が可能になり、従来の反応器と比較して資本コストが削減される。
一実施形態による本発明の方法を使用するアクリル酸の製造プラントの図である。 別の実施形態による本発明の方法を使用するアクリル酸の製造プラントの別の形態の図である。
本発明は、以下の説明において、より詳細かつ非限定的に説明される。
第1の態様によれば、本発明は、アクリル酸又はアクロレインの製造から生じる廃水中のホルムアルデヒドを除去する方法に関し、前記方法は、反応部及び気化部を含むプラントで行われ、前記方法は、以下の段階、
i.反応部において廃水を過酸化水素で処理する段階、
ii.処理した廃水を気化部に移送する段階、及び
iii.処理した廃水を部分的に気化して上部ストリーム及び底部ストリームを生成し、上部ストリーム及び底部ストリームのホルムアルデヒド濃度はそれぞれ1重量%未満である段階、
を含む。
様々な実施形態によれば、前記方法は、適切に組み合わせれば、以下の特徴を含む。
一実施形態によれば、アクリル酸又はアクロレインの製造は、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によって行われる。
一実施形態によれば、処理される廃水は、0.5~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%のホルムアルデヒドを含有する。
一実施形態によれば、前記廃水は、アクリル酸、酢酸、マレイン酸及びギ酸の混合物を含み、pHは1~3である。
一実施形態によれば、ホルムアルデヒドに対する過酸化水素のモル比は、0.1/1~3/1、好ましくは0.3/1~1/1である。
一実施形態によれば、過酸化水素は、水性形態で反応部へと導入される。使用される溶液の過酸化水素濃度は、20~70重量%、好ましくは30~70重量%である。
段階i)は、バッチ式又は連続的に実施することができる。好ましくは、反応部における過酸化水素を用いた廃水の処理は、連続的に行われる。
段階i)は、900Pa~1,300Paの絶対圧力下で実施することができる。好ましくは、反応部における過酸化水素を用いた廃水の処理は、900Pa~1,100Paの絶対圧力下で行われる。
段階i)の間の反応温度は、20~110℃まで変化し得る。好ましくは、酸化反応は、60℃を超える温度、特に75~105℃で起こる。有利には、アクリル酸の製造方法から生じる、一般に蒸留カラムの底部で得られる廃水ストリームは、このように高温で、反応前に実質的な予冷、すなわち10℃を超える温度低下を必要としない。
過酸化水素と処理される廃水との接触は、2分~2時間で変動し、好ましくは2~10分である。
反応部は、直列の1つ以上の撹拌反応器で作製することができる。処理される水性ストリームと過酸化水素反応物との確実な良好接触を可能にする任意のタイプの反応器、例えば、撹拌機又はポンプを介した再循環を備えた反応器を使用することができる。一実施形態によれば、反応器は、静的ミキサー型の管形反応器、又は媒体が乱流で流れてさらにわずかな冷却を提供する熱交換器、又はこれらのタイプの反応器の組み合わせであってもよい。
過酸化水素で処理された廃水は、この後に気化部に送られる。
一実施形態によれば、段階iii)の気化率は、30%~95%、好ましくは50%~90%である。
段階iii)は、大気圧又は過剰圧力下で行うことができる。生成された蒸気は、直列の2つの反応ゾーン(プロピレンを酸化してアクロレインを得、次いでアクロレインを酸化してアクリル酸を得る)を含む反応部のための供給物としてリサイクルされることが意図される。これらの2つの反応ゾーンに含まれる固体触媒はさらなる圧力降下を生じるので、気体状反応物は十分な圧力下で第1の反応ゾーンに供給しなければならない。好ましくは、処理した廃水の部分的な気化は、第1の反応ゾーンに供給する反応物の圧力よりわずかに高い圧力、すなわち2,000~2,700Paの絶対圧力下で行われる。別の可能な実施形態によれば、気化は、より低い圧力、例えば大気圧~1,300Paの絶対圧力で行うことができ、蒸気はその後、絶対圧力2,000~2,700Paに達するまで圧縮される。
この気化段階は、液体水性ストリームから蒸気を生成する当業者に知られている任意の種類の装置で行うことができる。例えば、蒸気発生器は、伝熱流体(蒸気又は熱媒油)を循環させる外部熱交換器を通る液体の再循環を備えた容器、又はより簡単には、伝熱流体を循環させる管束がケーシング内に配置された熱交換器を備えた容器で構成することができる。蒸発装置には、トレイ又はパッキングなどの内部個別要素を設けることもできる。気化装置における滞留時間は、プロセスの性能品質に大きな影響を与えない。
段階iii)の終了時には、上部ストリーム及び底部ストリームが得られ、各ストリームのホルムアルデヒド濃度は1重量%未満である。
一実施形態によれば、上部ストリームのホルムアルデヒド濃度は0.6重量%未満である。
一実施形態によれば、底部ストリームのホルムアルデヒド濃度は0.3重量%未満である。
プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の合成のための方法の場合、前記上部ストリームは、プロピレン及び/又はプロパンの酸化の段階にリサイクルされる。リサイクルストリーム中のホルムアルデヒドの濃度が実質的に低下することにより、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化のための反応の収率損失を回避することが可能となる。
底部ストリームは、1重量%未満、実際にはさらに少ない0.3重量%未満のホルムアルデヒドを含有する、すなわち、供給ストリームと底部ストリームとの間ではホルムアルデヒド濃度が約80%低下する。これにより、自然環境に放出する前の生物学的処理又は焼却による処理を行うことができる。
有利には、本発明の方法は、新しい生成物又は固体を生成しない。
また本発明は、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の合成のための方法にも関し、前記方法は、反応部におけるホルムアルデヒドを含有する水性相の過酸化水素を用いた酸化処理と、これにより形成された混合物の気化部への移送とを含み、気化部上部では、ホルムアルデヒド濃度1重量%未満の気体状水性ストリームを得て、これをプロピレン及び/又はプロパンの酸化の段階にリサイクルし、底部では、ホルムアルデヒド濃度1重量%未満、実際には0.3重量%未満の液体水性ストリームを得る。有利には、前記液体水性ストリームは、生物学的処理又は焼却による処理した後に、自然環境に放出される。
有利には、本発明によるアクリル酸の製造により生じる廃水中のホルムアルデヒドを除去する方法は、触媒を使用しない。この方法を、鉄(II)イオンの存在下で、アクリル酸の製造により生じる廃水に適用した場合、上部ストリーム中のホルムアルデヒド濃度は非常に高い(1重量%超)ままであることが分かった(比較例12)。
好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、図1及び図2に表されるプラントを使用して実施される。
図1及び図2を参照すると、アクリル酸を製造するためのプラントは、プロピレン及び/又はプロパンと酸素との混合物(1)が供給される第1反応器1を備え、ここでアクロレインに富む混合物が生成されて第2反応器2に送られ、そこでアクリル酸を提供するためのアクロレインの選択的酸化が実行される。
第2段階から生じる気体混合物(2)は、アクリル酸とは別に、関与する反応物から生じる未変換化合物、又は2つの反応段階のうちの少なくとも1つの段階中に生成される不純物、すなわち、
通常使用される温度及び圧力条件下で非凝縮性の軽質化合物、すなわち基本的に:プロピレン、プロパン、窒素、未変換酸素、一酸化炭素及び最終酸化によって少量形成される二酸化物、
凝縮性の軽質化合物、すなわち基本的に:水、軽質アルデヒド(例えば未変換アクロレイン、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド)、ギ酸、酢酸又はプロピオン酸、
重質化合物、すなわち具体的に:フルフラルデヒド、ベンズアルデヒド、マレイン酸及び無水物、又は安息香酸、
から構成される。
このプロセスで得られる気体混合物(2)の複雑さは、この気体状排出物の中に存在するアクリル酸を回収し、それをその最終用途に適合するアクリル酸グレードに変換するために一連の操作が必要であることを意味する。
この目的のために、気体混合物(2)は吸収カラム3に送られ、そこでアクリル酸及び他の酸化生成物が水による吸収によって凝縮され、非凝縮性化合物のストリーム(4)が除去される。
吸収カラム3から出る液体ストリーム(3)は、ユニット4において、水不混和性溶媒(7)の存在下で行われる、アクリル酸を得るための脱水段階に供される。
図1に表される第1の選択肢の形態では、脱水段階は、液体抽出カラム4内にて溶媒(7)の存在下でアクリル酸を液液抽出することによって行われ、水及びホルムアルデヒドを含む不純物を含有する底部ストリーム(5)と、溶媒中のアクリル酸に富む上部ストリーム(14)とを生成する。使用できる溶媒としては、例えば、アクリル酸エチル又は酢酸イソプロピルが挙げられる。
続いて、ストリーム(14)は、溶媒(16)を回収するために蒸留8に供され、溶媒(16)はストリーム(6)を介して抽出カラム4へとリサイクルされ、ストリーム(15)は、軽質不純物及び重質不純物の除去後、工業用グレードのアクリル酸を得る目的で精製部(図1には記載されていない)に供される。
少量の溶解溶媒を含む水性ストリーム(5)は、有利には、カラム5内での蒸留による溶媒回収段階に送られる。溶媒は上部(8)で回収され、ユニット4に供給されるストリーム(6)へとリサイクルされ、大量のホルムアルデヒドを含有する水性相が底部(9)で得られる。
本発明の方法は、反応部6において過酸化水素の添加によって水性相(9)を処理し、このようにして形成された混合物(11)を気化部7に送り、上部において、ホルムアルデヒドをほとんど含まない気体状水性ストリーム(13)を得て、これはプロピレン及び/又はプロパンの酸化反応の段階へとリサイクルされ、底部において、ホルムアルデヒドの大部分が除かれた液体水性ストリーム(17)を得ることにある。ストリーム(17)はその後、自然環境に放出される前に、例えば焼却又は生物学的処理によってそれが含有する有機生成物の大部分を除去するように処理される。
図2に表される第2の選択肢の形態では、脱水段階は、蒸留カラム4で溶媒(7)を用いた共沸蒸留によって行われ、カラム上部で二相媒体(6)を、つまりカラム4で還流としてリサイクルされる溶媒から本質的になる有機相(16)と、ホルムアルデヒドを含む不純物を含有する水性相(5)と、を生成する。使用できる溶媒としては、例えば、メチルイソブチルケトン(MIBK)又はトルエンが挙げられる。
共沸蒸留カラムの底部で、ストリーム(15)は、軽質不純物及び重質不純物の除去後、工業用グレードのアクリル酸を得る目的で精製部(図2には記載されていない)に供される。
図1及び図2に示されていない他の段階が、アクリル酸の精製部内にあってもよい。
以下の実施例は、本発明を限定することなく説明するものである。
実施例1(比較)
図1の図式によるアクリル酸の製造ユニットにおいて過酸化水素の添加を行わない場合、気化装置に供給する廃水のストリーム(9)は2.2%のホルムアルデヒドを含有し、この混合物の気化率は75%である。
2.31%のホルムアルデヒド、0.6%のアクリル酸、2.3%の酢酸、0.21%のマレイン酸及び0.26%のギ酸からなり、残りが水である、工場からの廃水ストリームの代用となる水性混合物を調製する。この混合物は、回転式蒸発装置内で大気圧下で気化される。この混合物の75%を気化させた後、2.55%のホルムアルデヒドを含有する上部ストリームが得られ、残りの未気化ホルムアルデヒドは1.55重量%の濃度を表す。
実施例2~10
ホルムアルデヒド濃度1%~2.3%、並びに0.6%のアクリル酸、2.3%の酢酸、0.2%のマレイン酸及び0.25%のギ酸からなり、残りが水である、工場からの廃水ストリームの代用となる水性混合物を調製する。この混合物は、第2のポンプによって導入される39%過酸化水素水溶液と同時に、ポンプによって撹拌ガラス反応器に導入される。撹拌反応器は、制御された温度で熱流体を循環させる際に通過するジャケットを有する。2つのストリームの混合物の流量は、反応器内で5分~60分の滞留時間を確保するように制御される。反応器内の初期温度は20℃~80℃である。反応段階の終了時に、反応混合物を回収し、この混合物150g~200gを実験室用回転式蒸発装置内で大気圧下にて気化に供する。気化率(供給ストリームに対する蒸留物ストリームの重量比)は69%~78%である。
得られたストリームの試験及び分析の動作条件を以下の表1に示す。これらの試験の過程で有意な温度上昇は観察されなかった。試験した全てのケースにおいて、反応混合物は透明のままであり、固体の沈殿はなかった。同様に、気化段階の終了時に、固体沈殿は観察されない。
Figure 2022546973000001
酸化反応によって生成されたストリームを完全分析したところ、廃水混合物中に最初に存在する生成物と比較して、新しい生成物は何もない。
これらの試験は、本発明の方法が、廃水中に存在するホルムアルデヒドの大部分を除去し、固体堆積物や新しい生成物を生成することなく、この不純物の濃度が非常に著しく低下するストリームを気化により生成することを可能にすることを示している。処理速度が非常に速いため、非常に低い滞留時間で連続的に反応を行うことが可能となり、よって必要な反応体積が減る。このため、反応器は、例えば静的ミキサー型の単純な管形ミキサー反応器とすることができるので、資本コストを抑える。さらに、予冷に頼ることなく、カラム底部から生じる高温廃水ストリームに対して処理を行うことができる。
実施例11(比較)
ホルムアルデヒド濃度が2.3%である、工場からの廃水ストリームの代用になる同じ水性混合物を調製する。11.4%の硫酸鉄(II)一水和物をこの混合物に溶解したあと、この混合物を流量235g/時間で、39%過酸化水素水溶液と同時に上記の撹拌反応器に導入する。最初に存在するホルムアルデヒドに対する過酸化水素のモル比は1.2/1であり、過酸化水素に対する硫酸鉄(II)のモル比は0.4/1である。反応器内の滞留時間は60分である。初期反応温度は22℃である。これらの条件下で4時間反応させた後、反応混合物の温度は60℃に達し、黄色がかった固体堆積物が反応器の壁に蓄積する。反応段階の終了時に、反応混合物を濾過し、この混合物203gを実験室用回転式蒸発装置内で大気圧下にて気化に供する。目標とする気化率(供給ストリームに対する蒸留物ストリームの重量比)は70%である。
蒸留されたストリーム中のホルムアルデヒドの濃度は1.57%である。

Claims (15)

  1. アクリル酸又はアクロレインの製造により生じた廃水中のホルムアルデヒドを除去するための方法であって、前記方法が、反応部及び気化部を含むプラント内で行われ、前記方法が以下の段階、
    i.反応部において廃水を過酸化水素で処理する段階、
    ii.処理した廃水を気化部に移送する段階、及び
    iii.処理した廃水の部分的な気化を行い、上部ストリーム及び底部ストリームを生成する段階であって、これらのストリームはそれぞれ、上部フローでは1重量%未満、好ましくは0.6重量%未満、底部フローでは1重量%未満、好ましくは0.3重量%未満のホルムアルデヒド濃度を有する、上部ストリーム及び底部ストリームを生成する段階、
    を含む、方法。
  2. 処理される廃水が、0.5~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%のホルムアルデヒドを含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記廃水が、アクリル酸、酢酸、マレイン酸及びギ酸の混合物を含み、1~3のpHを有する、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. ホルムアルデヒドに対する過酸化水素のモル比が0.1/1~3/1、好ましくは0.3/1~1/1で変動する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 過酸化水素が水性形態で反応部へと導入される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 段階i)がバッチ式又は連続的に行われ、好ましくは連続的に行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 段階i)が、900Pa~1,300Pa、好ましくは900Pa~1,100Paの絶対圧力下で行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 段階i)の反応温度が20~110℃、好ましくは75~105℃である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 段階i)の反応時間が2分~2時間、好ましくは2~10分である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 段階iii)における気化率が30%~95%、好ましくは50%~90%である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 段階iii)が2,000Pa~2,700Paの絶対圧力下で行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ホルムアルデヒドを含有する廃水が、プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の合成のための方法から生じる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 段階iii)で生成された底部ストリームが、自然環境中に放出される前に、生物学的処理又は焼却による処理に供される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. プロピレン及び/又はプロパンの接触酸化によるアクリル酸の合成のための方法であって、前記方法が、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法によるそこから生じる廃水の処理を含む方法。
  15. 前記液体水性ストリームが、生物学的処理又は焼却による処理の後に自然環境に放出される、請求項14に記載の方法。
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