JP2022178667A - 測定装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象の物性を高精度に測定できるようにする。【解決手段】測定装置は、超音波の付与により測定対象を振動させて前記測定対象の物性を測定する測定部であって、予め定められた物性値の第一範囲に感度を有する第一バースト波を用いて物性を測定する第一モードと、前記第一範囲とは異なる物性値の第二範囲に感度を有する第二バースト波を用いて物性を測定する第二モードと、を有する前記測定部と、前記第一モード及び前記第二モードの少なくとも一つを実行させる制御を前記測定部に対して行う制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、測定装置、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、シートの搬送路であって、前記シートとして第一のシート及び前記第一のシートより小さい第二のシートが搬送される前記搬送路において、前記シートの第一の面に対向するように設けられ、超音波を発射するように構成された発射ユニットと、前記搬送路において、前記シートの前記第一の面とは反対側の第二の面に対向するように設けられて、前記超音波を受信するように構成された受信ユニットと、前記受信ユニットで受信された前記超音波の強度である受信強度を計測するように構成された計測ユニットと、前記計測ユニットにより計測された前記受信強度に基づき、前記搬送路における前記発射ユニット及び前記受信ユニットに挟まれた領域における前記シートの搬送状態を判別するように構成された判別ユニットと、を備えるシート搬送装置が、開示されている。
当該シート搬送装置では、前記判別ユニットは、前記超音波が発射された後の複数時期の夫々において前記計測ユニットにより計測された前記受信強度に基づき、前記搬送状態として、前記第一のシートが単一で搬送されている第一状態、前記第一のシートが複数枚重ねて搬送されている第二状態、及び、前記第二のシートが搬送されている第三状態を判別し、前記複数時期は、前記発射ユニットから前記領域に存在する前記シートを透過して前記受信ユニットに伝播する前記超音波の成分である直接波が前記受信ユニットで受信される第一の時期、及び、前記直接波が前記受信ユニットで受信されずに前記発射ユニットから前記第二のシートを迂回して前記受信ユニットに伝播する前記超音波の成分である回折波が前記受信ユニットで受信される第二の時期を含む。
特開2017-210349号公報
測定装置としては、超音波の付与により測定対象を振動させて測定対象の物性(例えば坪量)を測定する測定装置が考えられる。当該測定装置において、超音波として、一種類のバースト波を用いた場合では、バースト波が特定の物性値の範囲にしか感度を持たないため、測定対象の物性を高精度の測定できない場合がある。
本発明は、測定対象の物性を測定する際に、一種類のバースト波しか用いることができない構成に比べ、測定対象の物性を高精度に測定できるようにすることを目的とする。
第1態様は、超音波の付与により測定対象を振動させて前記測定対象の物性を測定する測定部であって、予め定められた物性値の第一範囲に感度を有する第一バースト波を用いて物性を測定する第一モードと、前記第一範囲とは異なる物性値の第二範囲に感度を有する第二バースト波を用いて物性を測定する第二モードと、を有する前記測定部と、前記第一モード及び前記第二モードの少なくとも一つを実行させる制御を前記測定部に対して行う制御部と、を備える。
第2態様では、前記制御部は、前記第二モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲に含まれていない場合に、前記第一モードを実行させる制御を前記測定部に対して行う。
第3態様では、前記制御部は、前記第二モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲に含まれていない場合に、前記測定部における超音波の付与を停止した後、前記第一モードを実行させる制御を前記測定部に対して行う。
第4態様では、前記制御部は、前記第二モードにより測定した測定対象の物性が前記第二範囲に含まれている場合に、前記第一モードを実行させない制御を前記測定部に対して行う。
第5態様では、前記測定部は、前記第一範囲及び前記第二範囲とは異なる物性の第三範囲に感度を有する第三バースト波を用いて物性を測定する第三モード、を更に有し、前記制御部は、前記第一モード、前記第二モード、及び前記第三モードの少なくとも一つを実行させる制御を前記測定部に対して行う。
第6態様では、前記第二範囲は、前記第一範囲よりも低く且つ前記第三範囲よりも高い物性値の範囲であり、前記制御部は、前記第二モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲よりも高い物性値を有する場合に、前記第一モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲よりも低い物性値を有する場合に、前記第三モードを実行させる制御を前記測定部に対して行う。
第7態様では、第1~第6態様のいずれか1つの態様に係る測定装置と、前記測定装置によって前記物性が測定された前記測定対象としての記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記測定装置によって測定された物性に基づき、前記画像形成部の画像形成動作を制御する制御装置と、を備える。
第1態様の構成によれば、測定対象の物性を測定する際に、一種類のバースト波しか用いることができない構成に比べ、測定対象の物性を高精度に測定できる。
第2態様の構成によれば、第二モードにより測定した物性が第二範囲に含まれていない場合に第一モードを実行させずに処理を終了させる制御を行う構成に比べ、測定対象の物性を高精度に測定できる。
第3態様の構成によれば、超音波を連続的に測定対象に付与しながら、第二バースト波から第一バースト波に変化させる構成に比べ、測定対象の物性を測定する測定時間を短くできる。
第4態様の構成によれば、第二モードを実行させた後、常に、第一モードを実行させる制御を測定部に対して行う構成に比べ、測定対象の物性を測定する測定時間を短くできる。
第5態様の構成によれば、測定対象の物性を測定する際に、二種類のバースト波しか用いることができない構成に比べ、測定対象の物性を高精度に測定できる。
第6態様の構成によれば、第一モード又は第三モードを実行した後に、他の2つのモードの少なくとも一方を実行する構成に比べ、測定対象の物性を短時間で高精度に測定できる。
第7態様の構成によれば、記録媒体の物性に関係なく画像形成部の画像形成動作が実行される構成に比べ、高画質の画像を記録媒体に形成できる。
本実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る測定装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る中坪量測定モードにおいて、処理部で得られた測定値と、実測値との相関関係を示すグラフである。 本実施形態に係る高坪量測定モードにおいて、処理部で得られた測定値と、実測値との相関関係を示すグラフである。 本実施形態に係る低坪量測定モードにおいて、処理部で得られた測定値と、実測値との相関関係を示すグラフである。 本実施形態に係る制御回路のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態に係る制御回路のプロセッサの機能構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態に係る制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(画像形成装置10)
本実施形態に係る画像形成装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を示すブロック図である。
図1に示される画像形成装置10は、画像を形成する装置である。具体的には、画像形成装置10は、図1に示されるように、画像形成装置本体11と、媒体収容部12と、画像形成部14と、搬送機構15と、制御装置16と、測定装置20と、を備えている。画像形成装置10は、ユーザ端末19との間で送受信が可能とされている。以下、画像形成装置10の各部について説明する。
(画像形成装置本体11)
図1に示される画像形成装置本体11は、画像形成装置10の各構成部が設けられる部分である。具体的には、画像形成装置本体11は、例えば、箱状に形成された筐体で構成されている。本実施形態では、媒体収容部12、画像形成部14、及び搬送機構15が、画像形成装置本体11の内部に設けられている。
(媒体収容部12)
図1に示される媒体収容部12は、画像形成装置10において、用紙Pを収容する部分である。この媒体収容部12に収容された用紙Pが、画像形成部14へ供給される。なお、用紙Pは、「記録媒体」の一例である。
(画像形成部14)
図1に示される画像形成部14は、媒体収容部12から供給された用紙Pに画像を形成する機能を有している。画像形成部14としては、例えば、インクを用いて用紙Pに画像を形成するインクジェット式の画像形成部、及び、トナーを用いて用紙Pに画像を形成する電子写真式の画像形成部などが挙げられる。
インクジェット式の画像形成部では、例えば、吐出部から用紙Pにインク滴を吐出して用紙Pに画像を形成する。インクジェット式の画像形成部としては、吐出部から転写体にインク滴を吐出し、当該インク滴を転写体から用紙Pに転写することで、用紙Pに画像を形成してもよい。
電子写真式の画像形成部では、例えば、帯電、露光、現像、転写及び定着の各工程を行い、用紙Pに画像を形成する。電子写真式の画像形成部としては、帯電、露光、現像、転写の各工程を行って転写体に画像を形成し、当該画像を転写体から用紙Pに転写した後、当該画像を用紙Pに定着することで、用紙Pに画像を形成してもよい。
なお、画像形成部の一例としては、前述のインクジェット式の画像形成部、及び、前述の電子写真式の画像形成部に限られず、種々の画像形成部を用いることが可能である。
(搬送機構15)
図1に示される搬送機構15は、用紙Pを搬送する機構である。搬送機構15は、一例として、搬送ロール及び搬送ベルト等の搬送部材(図示省略)によって、用紙Pを搬送する。搬送機構15は、予め定められた搬送経路にて、媒体収容部12から画像形成部14へ用紙Pを搬送する。
(ユーザ端末19、制御装置16、及び測定装置20の概要)
図1に示されるユーザ端末19は、例えば、スマートフォン、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等の端末で構成されている。ユーザ端末19は、無線又は有線により、測定装置20及び制御装置16と通信可能とされている。測定装置20及び制御装置16は、図1に示されるように、一例として、画像形成装置本体11の外部に設けられている。なお、ユーザ端末19及び制御装置16の各々は、プロブラムが記録されたストレージ等で構成された記録部と、プログラムに従って動作するプロセッサと、を有する制御部(制御基板)を有して構成されている。
本実施形態では、画像形成装置10の使用者(すなわちユーザ)は、例えば、画像を形成したい用紙Pを測定装置20に配置し、ユーザ端末19から測定指示を行う。測定装置20は、ユーザ端末19から測定指示を取得すると、用紙Pの物性を測定し、物性の測定値を示す測定値情報をユーザ端末19へ送信する。
画像形成装置10の使用者(すなわちユーザ)は、例えば、測定装置20による測定を行った用紙Pを、媒体収容部12に収容し、ユーザ端末19から測定指示及び画像形成指示を行う。なお、画像形成指示は、測定指示を兼ねていてもよい。
制御装置16は、ユーザ端末19から取得指示を取得すると、ユーザ端末19から測定値情報を取得する。制御装置16は、ユーザ端末19から画像形成指示を取得すると、画像形成部14及び搬送機構15に画像形成動作を実行させる共に、測定値情報に基づき、画像形成部14及び搬送機構15の動作を制御する。具体的には、制御装置16は、測定値情報に基づき、搬送機構15における用紙Pの搬送速度、並びに、画像形成部14における転写電圧及び定着温度などを制御する。
なお、前述の例では、制御装置16は、画像形成装置本体11の外部に設けられていたが、画像形成装置本体11の内部に設けられていてもよい。また、制御装置16は、ユーザ端末19を介して、測定装置20の測定値情報を取得していたが、測定装置20から直接、測定値情報を取得する構成であってもよい。
また、測定装置20は、画像形成装置本体11の外部に設けられていたが、画像形成装置本体11の内部に設けられていてもよい。具体的には、測定装置20は、媒体収容部12又は、用紙Pの搬送経路において、物性を測定する装置として構成されていてもよい。
(測定装置20の具体的な構成)
図2は、本実施形態に係る測定装置20の構成を示す概略図である。なお、図中に示す矢印UPは、装置の上方(鉛直上方)を示し、矢印DOは、装置の下方(鉛直下方)を示す。また、図中に示す矢印LHは、装置の左方を示し、矢印RHは、装置の右方を示す。また、図中に示す矢印FRは、装置の前方を示し、矢印RRは、装置の後方を示す。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。なお、装置の各方向において、「装置」の語を省略して示す場合がある。すなわち、例えば、「装置の上方」を、単に「上方」と示す場合がある。
また、下記の説明では、「上下方向」を、「上方及び下方の両方」又は「上方及び下方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。「左右方向」を、「右方及び左方の両方」又は「右方及び左方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。「左右方向」は、横方向、水平方向ともいえる。「前後方向」を、「前方及び後方の両方」又は「前方及び後方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。前後方向は、横方向、水平方向ともいえる。また、上下方向、左右方向、前後方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
測定装置20は、画像形成装置10に用いられる用紙Pの物性を測定する装置である。具体的には、測定装置20は、用紙Pの坪量、電気抵抗、及び塗工層の有無を測定する。なお、「測定」は、物性の値(すなわち程度)を測ることを意味するが、当該物性の値は、0(ゼロ)を含む概念である。換言すれば、「測定」には、物性の値が0(ゼロ)であるか否かを測ること、すなわち、物性を有するか否かを測ることが含まれる。
測定装置20は、具体的には、図2に示されるように、第一筐体21と、第二筐体22と、坪量測定部30と、抵抗測定部50と、塗工層測定部70と、を備えている。以下、測定装置20の各部について説明する。
(第一筐体21)
第一筐体21は、測定装置20の各構成部の一部が設けられる部分である。この第一筐体21は、測定装置20の下方側の部分を構成している。第一筐体21は、用紙Pの下面に対向する対向面21Aを有している。対向面21Aは、用紙Pを下方側から支持する支持面でもある。第一筐体21の内部には、坪量測定部30の一部、及び抵抗測定部50の一部が配置されている。
(第二筐体22)
第二筐体22は、測定装置20の各構成部の他の一部が設けられる部分である。この第二筐体22は、測定装置20の上方側の部分を構成している。第二筐体22は、用紙Pの上面に対向する対向面22Aを有している。第二筐体22の内部には、坪量測定部30の他の一部、塗工層測定部70、及び抵抗測定部50の他の一部が配置されている。測定装置20では、第一筐体21と第二筐体22との間に、測定対象の一例としての用紙Pが配置される。
なお、第二筐体22は、例えば、第一筐体21に対して、接近及び離間する方向(具体的には、上下方向)に相対移動可能とされ、第一筐体21と第二筐体22との間に用紙Pが配置された後、第一筐体21に対して接近する方向に相対移動して、図2に示される位置に位置する構成とされる。
(抵抗測定部50)
図2に示される抵抗測定部50は、用紙Pの表面抵抗値[Ω]を測定する機能を有している。抵抗測定部50は、具体的には、図2に示されるように、電気回路51と、一対の端子52と、電源53と、一対の対向部材54と、検知回路55と、処理部56と、を有している。
一対の端子52は、例えば、第一筐体21に配置されている。この一対の端子52は、互いに左右方向に間隔を有した状態で、第一筐体21に形成された開口25を通じて、用紙Pの下面に対して接触する。一対の端子52の各々は、電気回路51を通じて、電源53に電気的に接続されている。
一対の対向部材54の各々は、一対の端子52の各々との間に用紙Pが配置された状態で、一対の端子52の各々に対向している。一対の対向部材54の各々は、第二筐体22に形成された開口26を通じて、用紙Pの上面に対して接触する。すなわち、一対の対向部材54の各々と一対の端子52の各々とで用紙Pを挟む。一対の対向部材54の各々及び一対の端子52の各々は一例として、ロールで構成されている。
電源53は、電気回路51を通じて一対の端子52に予め定められた電圧([V])を印加する。これにより、一対の端子52の間には、用紙Pの表面抵抗に応じた電流が流れる。検知回路55は、一対の端子52に電気的に接続されている。この検知回路55は、一対の端子52の間を流れる電流を検知することで検知信号を生成する。
このように、抵抗測定部50では、一対の端子52及び検知回路55が、用紙Pの表面抵抗を示す情報(具体的には用紙Pを流れる電流)を検知する検知部(具体的には検知センサ)を構成している。当該検知部を駆動する回路を電気回路51が構成している。
処理部56は、検知回路55から取得した検知信号に対して、増幅等の処理を行って測定値(具体的には電流値[A])を得る。さらに、処理部56は、得られた測定値を示す測定値情報をユーザ端末19へ出力する。この処理部56は、一例として、増幅回路等を含む電気回路により構成されている。
処理部56で得られた測定値は、用紙Pの表面抵抗値と相関を有する値である。したがって、抵抗測定部50における測定には、用紙Pの表面抵抗値自体を測定する場合だけでなく、用紙Pの表面抵抗値と相関がある測定値を測定することが含まれる。なお、抵抗測定部50において、処理部56で得られた測定値に基づき、用紙Pの表面抵抗値を算出してもよい。
なお、抵抗測定部50では、一対の端子52に予め定められた電圧を印加し、一対の端子52の間を流れる電流を検知することで表面抵抗値を求める構成とされていたが、これに限られない。例えば、一対の端子52に予め定められた電流値の電流を流し、一対の端子52の間の電圧を検知することで表面抵抗値を求める構成であってもよい。
本実施形態では、抵抗測定部50は、電気抵抗としての表面抵抗値を測定していたが、これに限られない。抵抗測定部50は、例えば、電気抵抗として、用紙Pの体積抵抗、その他の物性を測定する構成であってもよい。なお、用紙Pの体積抵抗を測定する場合は、一対の端子52の一方が用紙Pの上面側に配置され、他方が用紙Pの下面側に配置され、一対の端子52が用紙Pを上下方向に挟む。
(塗工層測定部70)
図2に示される塗工層測定部70は、用紙Pの塗工層の有無を測定する機能を有している。塗工層は、用紙の表面に塗工剤を塗布することで形成される層である。換言すれば、塗工層測定部70は、用紙Pが塗工紙(すなわちコート紙)であるか否かを測定する。塗工層測定部70は、具体的には、図2に示されるように、駆動回路71と、光照射部72と、受光部75と、処理部76と、を有している。
光照射部72は、光を用紙Pへ照射する機能を有している。光照射部72は、第二筐体22に配置されている。すなわち、光照射部72は、用紙Pの一方の面(具体的には、上面)に対して隙間を有した状態で対向する位置に配置されている。なお、第二筐体22における光照射部72の下方側には、光照射部72からの光を用紙Pへ通過させる開口28が形成されている。
駆動回路71は、光照射部72を駆動させる回路である。この駆動回路71が光照射部72を駆動することで、光照射部72は、光を用紙Pへ照射し、当該光は用紙Pで反射する。
受光部75は、用紙Pで反射した反射光を受光する機能を有している。受光部75は、第二筐体22に配置されている。すなわち、受光部75は、用紙Pの一方の面(具体的には、上面)に対して隙間を有した状態で対向する位置に配置されている。受光部75は、用紙Pで反射した反射光を受光することで、受光信号を生成する。なお、第二筐体22における受光部75の下方側には、用紙P側からの光を受光部75へ通過させる開口29が形成されている。
このように、塗工層測定部70では、光照射部72及び受光部75が、用紙Pの塗工層の有無を示す情報(具体的には用紙Pで反射した反射光)を検知する検知部(具体的には検知センサ)を構成している。当該検知部を駆動する回路を駆動回路71が構成している。
処理部76は、受光部75から取得した受光信号に対して、増幅等の処理を行って測定値を得る。さらに、処理部76は、得られた測定値を示す測定値情報をユーザ端末19へ出力する。この処理部76は、一例として、増幅回路等を含む電気回路により構成されている。
処理部76で得られた測定値は、用紙Pの塗工層の有無と相関を有する値である。したがって、塗工層測定部70における測定には、用紙Pの塗工層の有無自体を測定する場合だけでなく、用紙Pの塗工層の有無と相関がある測定値を測定することが含まれる。
なお、塗工層測定部70において、処理部76で得られた測定値に基づき、用紙Pの塗工層の有無を測定してもよい。具体的には、塗工層の有無は、例えば、測定値が、予め定められた閾値を超えるか否によって、測定される。
(坪量測定部30)
図2に示される坪量測定部30は、超音波の付与により用紙Pを振動させて用紙Pの坪量[g/m]を測定する機能を有している。坪量測定部30は、「測定部」の一例である。用紙Pは、「測定対象」の一例である。坪量は、「物性」の一例であり、「物性値」の一例でもある。坪量測定部30は、具体的には、図2に示されるように、駆動回路31と、発信部32と、受信部35と、処理部36と、を有している。
発信部32は、超音波を用紙Pへ発信する機能を有している。発信部32は、第二筐体22に配置されている。すなわち、発信部32は、用紙Pの一方の面(具体的には、上面)に対向する位置に配置されている。なお、第二筐体22における発信部32の下方側には、発信部32からの超音波を用紙Pへ通過させる開口24が形成されている。
駆動回路31は、発信部32を駆動させる回路である。この駆動回路31が発信部32を駆動することで、発信部32は、超音波を用紙Pの上面側から付与し、用紙Pを振動させる。振動された用紙Pは、用紙Pの下方側の空気を振動させる。換言すれば、発信部32からの超音波は、用紙Pを透過する。
受信部35は、用紙Pを透過した超音波を受信する機能を有している。受信部35は、第一筐体21に配置されている。すなわち、受信部35は、用紙Pの他方の面(具体的には、下面)に対向する位置に配置されている。受信部35は、用紙Pを透過した超音波を受信することで、受信信号を生成する。なお、第一筐体21における受信部35の上方側には、用紙P側からの超音波を受信部35へ通過させる開口23が形成されている。
このように、坪量測定部30では、発信部32及び受信部35が、用紙Pの坪量を示す情報(具体的には用紙Pを透過した超音波)を検知する検知部(具体的には検知センサ)を構成している。当該検知部を駆動する回路を駆動回路31が構成している。
処理部36は、受信部35から取得した受信信号に対して、増幅等の処理を行って測定値を得る。さらに、処理部36は、得られた測定値を示す測定値情報をユーザ端末19へ出力する。この処理部36は、一例として、増幅回路等を含む電気回路により構成されている。
処理部36で得られた測定値は、用紙Pの坪量と相関を有する値である。したがって、坪量測定部30における測定には、用紙Pの坪量自体を測定する場合だけでなく、用紙Pの坪量と相関がある測定値を測定することが含まれる。
なお、坪量測定部30において、処理部36で得られた測定値に基づき、用紙Pの坪量を算出してもよい。具体的には、坪量測定部30は、例えば、測定値と坪量との相関を示す相関データから、坪量を算出する。
(坪量測定部30の測定モード)
坪量測定部30は、複数の測定モードを有している。具体的には、坪量測定部30は、第一、第二、第三測定モードを有している。第一、第二、第三測定モードの各々は、予め定められた坪量の範囲に感度を有するバースト波を用いて坪量を測定するモードである。
第一測定モードは、一例として、300[g/m]を超え、600[g/m]以下の範囲(以下、高坪量範囲(図4参照)という)に感度を有する第一バースト波を用いて坪量を測定するモードである。換言すれば、第一測定モードは、高坪量範囲において、他の坪量範囲(具体的には、後述の中坪量範囲及び低坪量範囲)よりも高精度に坪量を測定可能なモードである。
第一バースト波は、高坪量範囲に対して感度を有するように、超音波の出力(すなわち振動エネルギー)が設定されている。したがって、第一バースト波は、後述の中坪量範囲及び低坪量範囲に対する感度よりも、高坪量範囲に対して感度が高くなっている。なお、感度が高い状態とは、処理部36で得られた測定値と、用紙Pにおける実際の坪量と相関性が高い状態である。
以下、第一測定モードを「高坪量測定モード」と称する。なお、高坪量測定モードは、「第一モード」の一例である。高坪量範囲は、「第一範囲」の一例である。
第二測定モードは、一例として、100[g/m]を超え、300[g/m]以下の範囲(以下、中坪量範囲(図3参照)という)に感度を有する第二バースト波を用いて坪量を測定するモードである。換言すれば、第二測定モードは、中坪量範囲において、他の坪量範囲(具体的には、高坪量範囲及び後述の低坪量範囲)よりも高精度に坪量を測定可能なモードである。
第二バースト波は、中坪量範囲に対して感度を有するように、超音波の出力(すなわち振動エネルギー)が設定されている。したがって、第一バースト波は、高坪量範囲及び後述の低坪量範囲に対する感度よりも、中坪量範囲に対して感度が高くなっている。なお、第二バースト波は、高坪量測定モードにおける第一バースト波の出力が低く設定される。すなわち、高坪量測定モードにおいて、第二測定モードよりも、バースト波の出力が高く設定されている。これは、高坪量範囲では、中坪量範囲よりも用紙Pが振動しにくく、受信部35で受信される信号(超音波)が微小となるためである。
以下、第二測定モードを「中坪量測定モード」と称する。なお、中坪量測定モードは、「第二モード」の一例である。中坪量範囲は、「第二範囲」の一例である。
第三測定モードは、一例として、0[g/m]を超え、100[g/m]以下の範囲(以下、低坪量範囲(図5参照)という)に感度を有する第三バースト波を用いて坪量を測定するモードである。換言すれば、第三測定モードは、低坪量範囲において、他の坪量範囲(具体的には、高坪量範囲及び中坪量範囲)よりも高精度に坪量を測定可能なモードである。
第三バースト波は、低坪量範囲に対して感度を有するように、超音波の出力(すなわち振動エネルギー)が設定されている。したがって、第三バースト波は、高坪量範囲及び中坪量範囲に対する感度よりも、低坪量範囲に対して感度が高くなっている。なお、第三バースト波は、中坪量測定モードにおける第二バースト波の出力が低く設定される。すなわち、中坪量測定モードにおいて、第三測定モードよりも、バースト波の出力が高く設定されている。これは、中坪量範囲では、低坪量範囲よりも用紙Pが振動しにくく、受信部35で受信される信号(超音波)が微小となるためである。
以下、第三測定モードを「低坪量測定モード」と称する。なお、低坪量測定モードは、「第三モード」の一例である。低坪量範囲は、「第三範囲」の一例である。
ここで、図3には、第二バースト波を用いて坪量を測定する中坪量測定モードにおいて、処理部36で得られた測定値(以下、単に「測定値」という、実線参照)と、用紙Pにおける実際の坪量(以下、「実測値」という、プロット参照)との相関関係を示すグラフが示されている。図4には、第一バースト波を用いて坪量を測定する高坪量測定モードにおいて、測定値(実線参照)と、坪量の実測値(プロット参照)との相関関係を示すグラフが示されている。図5には、第三バースト波を用いて坪量を測定する低坪量測定モードにおいて、測定値(実線参照)と、坪量の実測値(プロット参照)との相関関係を示すグラフが示されている。
図3に示されるように、中坪量測定モードでは、中坪量範囲において、測定値(実線参照)と、坪量の実測値(プロット参照)との相関性が、高坪量範囲及び低坪量範囲における相関性に比べ、相対的に高くなっている。すなわち、中坪量測定モードでは、高坪量範囲及び低坪量範囲における測定値と実測値との一致率よりも、中坪量範囲における測定値と実測値との一致率が高くなっている。
これに対して、図4に示されるように、高坪量測定モードでの高坪量範囲において、測定値(実線参照)と、坪量の実測値(プロット参照)との相関性が、中坪量測定モードでの高坪量範囲における相関性に比べ、相対的に高くなっている。すなわち、中坪量測定モードでの高坪量範囲における測定値と実測値との一致率よりも、高坪量測定モードでの高坪量範囲における測定値と実測値との一致率が高くなっている。なお、図4に示されていないが、高坪量測定モードでの中坪量範囲及び低坪量範囲における測定値と実測値との一致率よりも、高坪量測定モードでの高坪量範囲における測定値と実測値との一致率が高くなっている。
また、図5に示されるように、低坪量測定モードでの低坪量範囲において、測定値(実線参照)と、坪量の実測値(プロット参照)との相関性が、中坪量測定モードでの低坪量範囲における相関性に比べ、相対的に高くなっている。すなわち、中坪量測定モードでの低坪量範囲における測定値と実測値との一致率よりも、低坪量測定モードでの低坪量範囲における測定値と実測値との一致率が高くなっている。なお、図5に示されていないが、低坪量測定モードでの高坪量範囲及び中坪量範囲における測定値と実測値との一致率よりも、低坪量測定モードでの低坪量範囲における測定値と実測値との一致率が高くなっている。
(制御回路80)
制御回路80は、坪量測定部30の動作を制御する制御機能を有している。具体的には、制御回路80は、図6に示されるように、プロセッサ81と、メモリ82と、ストレージ83と、を有している。
プロセッサは、広義的なプロセッサを指し、プロセッサ81としては、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)及び、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)などが用いられる。
ストレージ83は、制御プログラム83A(図7参照)を含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ83は、具体的には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記録装置により実現される。
メモリ82は、プロセッサ81が各種プログラムを実行するための作業領域であり、プロセッサ81が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。プロセッサ81は、ストレージ83から制御プログラム83Aを含む各種プログラムをメモリ82に読み出し、メモリ82を作業領域としてプログラムを実行する。
制御回路80において、プロセッサ81は制御プログラム83Aを実行することにより、各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのプロセッサ81とソフトウェア資源としての制御プログラム83Aの協働によって実現される機能構成について説明する。図7は、プロセッサ81の機能構成を示すブロック図である。
図7に示されるように、制御回路80において、プロセッサ81は、制御プログラム83Aを実行することにより、取得部81Aと、制御部81Bとして機能する。取得部81Aは、ユーザ端末19から、用紙Pの坪量を測定する測定指示を取得する。
制御部81Bは、取得部81Aが測定指示を取得すると、坪量を測定する測定制御を坪量測定部30に対して行う。測定制御では、制御部81Bは、高坪量測定モード、中坪量測定モード、及び低坪量測定モードの少なくとも一つを実行させる制御を行う。
具体的には、本実施形態では、測定制御において、制御部81Bは、まず、中坪量測定モードを実行させる制御を行う。制御部81Bは、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれている場合に、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量を、測定値(測定結果)として用い、低坪量測定モード及び高坪量測定モードを実行させない制御を行う。すなわち、制御部81Bは、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれている場合に、低坪量測定モード及び高坪量測定モードを実行せずに、処理を終了する。
さらに、測定制御では、制御部81Bは、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に、高坪量測定モード及び低坪量測定モードの少なくとも一方を実行させる制御を行う。具体的には、本実施形態では、制御部81Bは、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に、当該坪量が、中坪量範囲より高い場合に、高坪量測定モードを実行させる制御を行い、当該坪量が、中坪量範囲より低い場合に、低坪量測定モードを実行させる制御を行う。
制御部81Bは、中坪量測定モードを実行させた後に、高坪量測定モード及び低坪量測定モードの少なくとも一方を実行させる場合には、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、高坪量測定モード及び低坪量測定モードの少なくとも一方を実行させる制御を行う。すなわち、制御部81Bは、用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、高坪量測定モード及び低坪量測定モードの少なくとも一方を実行させる制御を行う。
本実施形態では、制御回路80が「制御部」の一例である。なお、プロセッサ81又は制御部81Bを「制御部」の一例と把握することも可能である。
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態の作用の一例について説明する。図8は、制御回路80によって実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。
本処理は、プロセッサ81が、ストレージ83から制御プログラム83Aを読み出して実行することにより行なわれる。本処理は、一例として、プロセッサ81がユーザ端末19から測定指示を取得した場合に実行が開始される。
図8に示されるように、プロセッサ81は、まず、中坪量測定モードを坪量測定部30に実行させる(ステップS201)。次に、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれているか否かを判定にする(ステップS202)。プロセッサ81は、当該坪量が中坪量範囲に含まれていると判定した場合に(ステップS202:YES)、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量を、測定結果として用いると共に(ステップS203)、本処理を終了する。換言すれば、プロセッサ81は、当該坪量が中坪量範囲に含まれていると判定した場合に(ステップS202:YES)、高坪量測定モード及び低坪量測定モードを坪量測定部30に実行させることなく、本処理を終了する。
プロセッサ81は、当該坪量が中坪量範囲に含まれていないと判定した場合には(ステップS202:NO)、当該坪量が中坪量範囲よりも高いか否かを判定する(ステップS204)。
プロセッサ81は、当該坪量が中坪量範囲よりも高いと判定した場合に(ステップS204:YES)、高坪量測定モードを坪量測定部30に実行させ(ステップS205)、本処理を終了する。なお、ステップS205では、プロセッサ81は、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、高坪量測定モードを実行させる。すなわち、用紙Pに対して超音波として第二バースト波を付与する状態を停止してから、用紙Pに対して超音波として第一バースト波を付与する状態を開始する。また、ステップS205では、高坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が測定結果として用いられる。
一方、プロセッサ81は、当該坪量が中坪量範囲よりも高くないと判定した場合に(ステップS204:NO)、低坪量測定モードを坪量測定部30に実行させ(ステップS206)、本処理を終了する。換言すれば、プロセッサ81は、当該坪量が中坪量範囲よりも低いと判定した場合に、低坪量測定モードを坪量測定部30に実行させ(ステップS206)、本処理を終了する。なお、ステップS206では、プロセッサ81は、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、低坪量測定モードを実行させる。すなわち、用紙Pに対して超音波として第二バースト波を付与する状態を停止してから、用紙Pに対して超音波として第三バースト波を付与する状態を開始する。また、ステップS206では、低坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が測定結果として用いられる。
以上のように、本実施形態では、高坪量範囲に感度を有する第一バースト波を用いて坪量を測定する高坪量測定モードと、中坪量範囲に感度を有する第二バースト波を用いて坪量を測定する中坪量測定モードと、低坪量範囲に感度を有する第三バースト波を用いて坪量を測定する低坪量測定モードと、を有している。換言すれば、本実施形態では、用紙Pの坪量を測定する際に、複数種類のバースト波を用いて坪量を測定可能とされている。このため、用紙Pの坪量を測定する際に、一種類のバースト波しか用いることができない構成に比べ、用紙Pの坪量を高精度に測定可能となる。
具体的には、本実施形態では、用紙Pの坪量を測定する際に、三種類のバースト波を用いて坪量を測定可能とされている。このため、用紙Pの坪量を測定する際に、二種類のバースト波しか用いることができない構成に比べ、用紙Pの坪量を高精度に測定可能となる。
また、本実施形態では、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に(ステップS202:NO)、高坪量測定モード及び低坪量測定モードの少なくとも一方を実行させる。具体的には、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に(ステップS202:NO)、当該坪量が中坪量範囲より高い場合に(ステップS204:YES)、高坪量測定モードを実行させ(ステップS205)、当該坪量が中坪量範囲より低い場合に(ステップS204:NO)、低坪量測定モードを実行させる(ステップS206)。
このため、プロセッサ81が、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に(ステップS202:NO)高坪量測定モード及び低坪量測定モードのいずれも実行させずに、処理を終了させる構成に比べ、用紙Pの坪量を高精度に測定可能となる。
また、本実施形態では、ステップS205において、プロセッサ81は、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、高坪量測定モードを実行させる。すなわち、用紙Pに対して超音波として第二バースト波を付与する状態を停止してから、用紙Pに対して超音波として第一バースト波を付与する状態を開始する。
ここで、超音波を連続的に用紙Pに付与しながら、第二バースト波から第一バースト波に変化させる構成(以下、構成Aという)では、第二バースト波が第一バースト波に安定するまでの時間が必要になる。このため、構成Aに比べ、用紙Pの坪量を測定する測定時間が短くなる。
なお、本実施形態では、ステップS206では、プロセッサ81は、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、低坪量測定モードを実行させる。この構成についても、前述の場合と同様に、超音波を連続的に用紙Pに付与しながら、第二バースト波から第三バースト波に変化させる構成に比べ、用紙Pの坪量を測定する測定時間が短くなる。
また、本実施形態では、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれていると判定した場合に(ステップS202:YES)、高坪量測定モード及び低坪量測定モードを坪量測定部30に実行させることなく、本処理を終了する。
このため、中坪量測定モードを実行させた後、常に、高坪量測定モード及び低坪量測定モードを実行させる構成に比べ、用紙Pの坪量を測定する測定時間が短くなる。
また、本実施形態では、前述のように、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に(ステップS202:NO)、当該坪量が中坪量範囲より高い場合に(ステップS204:YES)、高坪量測定モードを実行させ(ステップS205)、当該坪量が中坪量範囲より低い場合に(ステップS204:NO)、低坪量測定モードを実行させる(ステップS206)。
このように、本実施形態では、中坪量測定モードを先に実行することで、測定された用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に(ステップS202:NO)、当該坪量が中坪量範囲に対して、高いか低いかによって、次に実行するモードを決定できるため、モード選択を適切に行える。
例えば、高坪量測定モードを先に実行し、測定された用紙Pの坪量が高坪量範囲に含まれない場合に、当該坪量がどの程度低いかまで把握できないと、次に、中坪量測定モードと低坪量測定モードのどちらを選択してよいか決定できない。
したがって、本実施形態によれば、高坪量測定モード又は低坪量測定モードを実行した後に、他の2つのモードを実行する構成に比べ、用紙Pの坪量を短時間で高精度に測定可能となる。
また、本実施形態では、制御装置16は、ユーザ端末19から画像形成指示を取得すると、画像形成部14及び搬送機構15に画像形成動作を実行させる共に、測定値情報に基づき、画像形成部14及び搬送機構15の動作を制御する。このため、用紙Pの物性に関係なく画像形成動作が実行される構成に比べ、高画質の画像が用紙Pに形成される。
(変形例)
本実施形態では、測定対象の一例として、記録媒体を用いたが、これに限られない。測定対象の一例としては、画像を形成する以外の用途に用いるものであってもよい。また、本実施形態では、記録媒体の一例として、用紙Pを用いたが、これに限られない。記録媒体の一例としては、用紙P以外の、金属製又は樹脂製のフィルム等のシート状の記録媒体であってもよい。
また、本実施形態では、測定部の一例として、用紙Pの坪量[g/m]を測定する坪量測定部30を用いたが、これに限られない。測定部の一例としては、測定対象の厚さ[m]、密度[g/m]、及び質量[g]、その他の物性を測定する測定部であってもよい。すなわち、物性の一例としては、例えば、測定対象の厚さ[m]、密度[g/m]、及び質量[g]、その他の物性であってもよい。
また、本実施形態では、坪量測定部30は、高坪量測定モード、中坪量測定モード、及び低坪量測定モードの3つの測定モードを有していたが、これに限られない。坪量測定部30は、例えば、高坪量測定モード、及び中坪量測定モードの2つの測定モードを有する構成であってもよく、少なくとも、2つの測定モードを有していればよい。
また、本実施形態では、ステップS205において、プロセッサ81は、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、高坪量測定モードを実行させていたが、これに限られない。例えば、超音波を連続的に用紙Pに付与しながら、第二バースト波から第一バースト波に変化させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、ステップS206において、プロセッサ81は、坪量測定部30における超音波の付与を停止した後、低坪量測定モードを実行させていたが、これに限られない。例えば、超音波を連続的に用紙Pに付与しながら、第二バースト波から第三バースト波に変化させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれていると判定した場合に(ステップS202:YES)、高坪量測定モード及び低坪量測定モードを坪量測定部30に実行させることなく、本処理を終了していたが、これに限られない。例えば、中坪量測定モードを実行させた後、常に、高坪量測定モード及び低坪量測定モードを実行させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、プロセッサ81は、中坪量測定モードにより測定した用紙Pの坪量が中坪量範囲に含まれない場合に(ステップS202:NO)、当該坪量が中坪量範囲より高い場合に(ステップS204:YES)、高坪量測定モードを実行させ(ステップS205)、当該坪量が中坪量範囲より低い場合に(ステップS204:NO)、低坪量測定モードを実行させていたが(ステップS206)、これに限られない。例えば、高坪量測定モード又は低坪量測定モードを実行した後に、他の2つのモードを実行する構成であってもよい。
本実施形態では、測定装置20は、抵抗測定部50及び塗工層測定部70を備えていたが、これに限られない。測定装置20は、例えば、抵抗測定部50及び塗工層測定部70の少なくとも一方を備えていない構成であってもよく、少なくとも、坪量測定部30を備えていればよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例に含まれる構成は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
10 画像形成装置
14 画像形成部
16 制御装置
20 測定装置
30 坪量測定部(測定部の一例)
80 制御回路(制御部の一例)
P 用紙(測定対象の一例)

Claims (7)

  1. 超音波の付与により測定対象を振動させて前記測定対象の物性を測定する測定部であって、予め定められた物性値の第一範囲に感度を有する第一バースト波を用いて物性を測定する第一モードと、前記第一範囲とは異なる物性値の第二範囲に感度を有する第二バースト波を用いて物性を測定する第二モードと、を有する前記測定部と、
    前記第一モード及び前記第二モードの少なくとも一つを実行させる制御を前記測定部に対して行う制御部と、
    を備える測定装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第二モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲に含まれていない場合に、前記第一モードを実行させる制御を前記測定部に対して行う
    請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第二モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲に含まれていない場合に、前記測定部における超音波の付与を停止した後、前記第一モードを実行させる制御を前記測定部に対して行う
    請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記制御部は、
    前記第二モードにより測定した測定対象の物性が前記第二範囲に含まれている場合に、前記第一モードを実行させない制御を前記測定部に対して行う
    請求項2又は3に記載の測定装置。
  5. 前記測定部は、前記第一範囲及び前記第二範囲とは異なる物性の第三範囲に感度を有する第三バースト波を用いて物性を測定する第三モード、を更に有し、
    前記制御部は、
    前記第一モード、前記第二モード、及び前記第三モードの少なくとも一つを実行させる制御を前記測定部に対して行う
    請求項1~4のいずれか1項に記載の測定装置。
  6. 前記第二範囲は、前記第一範囲よりも低く且つ前記第三範囲よりも高い物性値の範囲であり、
    前記制御部は、
    前記第二モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲よりも高い物性値を有する場合に、前記第一モードを実行させ、前記第二モードにより測定した物性が前記第二範囲よりも低い物性値を有する場合に、前記第三モードを実行させる制御を前記測定部に対して行う
    請求項5に記載の測定装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の測定装置と、
    前記測定装置によって前記物性が測定された前記測定対象としての記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記測定装置によって測定された物性に基づき、前記画像形成部の画像形成動作を制御する制御装置と、
    を備える画像形成装置。
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