JP7023651B2 - 重送検知装置、画像読取装置、重送検知方法 - Google Patents

重送検知装置、画像読取装置、重送検知方法 Download PDF

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本発明は、例えば用紙等のシートの搬送時に複数枚のシートが重なって搬送される重送を検知する重送検知技術及び搬送されるシートの坪量等のシート特性を検知するシート特性検知技術に関する。
シートの重送を検知するためのセンサとして超音波センサが用いられている。超音波センサは、超音波を発信する超音波発信センサと、超音波を受信する超音波受信センサとを備える。超音波受信センサは、受信した超音波の強度に応じた信号レベルの出力信号を出力する。出力信号の信号レベルにより、シートの重送が検知される。例えば、シートが重送されている場合、重なったシートの間の空気層によって超音波が減衰されることで超音波受信センサが受信する超音波の強度が弱くなり、重送されない場合よりも出力信号の信号レベルが低い値となる。また、超音波センサは、シートの坪量検知に用いることができる。特許文献1には、1つの超音波センサをシートの重送検知と坪量検知とに用いる技術が開示される。この超音波センサは、重送検知と坪量検知とで、異なる周波数で超音波を発信する。
特開2011-37524号公報
超音波センサは、超音波の残響の影響を考慮する必要がある。残響とは、超音波発信センサから放出された超音波が反射により周囲の空間に残り続けることである。超音波受信センサは、残響の影響を含む出力信号を出力することになる。1つの超音波センサで重送検知及び坪量検知を行う場合、重送検知に引き続き坪量検知が行われる。そのために重送検知時に発信される超音波の残響が、坪量検知時に影響しないように考慮する必要がある。
重送検知は、超音波受信センサから出力される出力信号が一定レベル以下か否かにより判定される。坪量検知は、出力信号の信号レベルにより判定される。そのために、重送検知用として出力される出力信号により坪量検知を行うと、以下のような問題が生じる。坪量が低いシートの場合、重送検知を行うときと同じエネルギー(強度)の超音波では、出力信号の信号レベルが飽和することがある。その結果、薄いシートの坪量が検知できないことになる。
以上のような制約下で重送検知装置は、素早くシートの重送を検知して、シートの搬送を停止させる必要がある。シートの重送には、大きく2つのタイプがある。一つは複数枚のシートが完全に重なった完全重送である。もう一つは、シートの一部が重なった連れ重送である。連れ重送では、シートの搬送方向に対して、先行紙の後端部と後続紙の先端部とが重なった状態で搬送される。重送検知では、連れ重送も検知する必要がある。そのために超音波センサは、シートが重なった部分に確実に超音波が当たるように、断続的に超音波を印加し続ける必要がある。坪量検知は、搬送されるシートの坪量を検知し、その検知結果を素早くフィードバックすることでシートに最適の搬送制御や画像読取時の光量制御を可能とする。
1つの超音波センサで重送検知と坪量検知とを行い、且つ連れ重送を検知するという2つの条件を満たすために、重送検知装置は、重送検知と坪量検知とを交互に繰り返し行う必要がある。しかし、重送検知と坪量検知とを交互に繰り返し行う場合、重送検知用の超音波の印加間隔が長くなり、連れ重送が検知できなくなる可能性がある。
本発明は、上記の問題に鑑み、1つの超音波センサによりシートの重送と坪量等のシート特性とを効率よく確実に検知することができる重送検知装置を提供することを主たる課題とする。
本発明の重送検知装置は、シートを搬送経路に搬送する搬送手段と、超音波を発信させるための超音波パルス信号が入力され、前記搬送経路の方向へ前記超音波パルス信号の波数に応じた強度の超音波を発信する超音波発信手段と、前記搬送経路を挟んで前記超音波発信手段に対向する位置に設けられ、前記超音波発信手段の発信する前記超音波を受信して、該超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信手段と、前記搬送手段により搬送されるシートの重送を検知する場合は、第1の波数の超音波パルス信号により第1の強度の超音波を前記超音波発信手段に発信させ、前記第1の強度の超音波に応じた超音波受信信号により前記シートの重送を検知し、シート特性を検知する場合は、前記第1の波数よりも少ない第2の波数の超音波パルス信号により前記第1の強度よりも小さい第2の強度の超音波を発信させ、前記第2の強度の超音波に応じた超音波受信信号により前記シート特性を検知する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、重送を検知する場合とシート特性を検知する場合とで超音波の強度を変更することで、1つの超音波センサによりシートの重送と坪量等のシート特性とを効率よく確実に検知することができる。
画像読取装置の構成図。 制御ユニットの構成図。 超音波センサの説明図。 (a)~(c)は重送検知の説明図。 超音波受信信号の処理の説明図。 超音波受信信号の振幅算出処理の説明図。 バースト波の波数と超音波受信信号の信号レベルの関係説明図。 (a)、(b)は超音波パルス信号の波数と残響の関係の説明図。 重送検知時と坪量検知時の超音波受信信号の信号レベルの例示図。 (a)~(c)は重送検知と坪量検知のタイミングの説明図。 坪量検知のためのテーブルの例示図。 重送及び坪量の検知処理を表すフローチャート。
本発明の重送検知装置を採用した画像読取装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態の重送検知装置を備えた画像読取装置の構成図である。画像読取装置1は、自動原稿搬送部100と、リーダ部115とを備える。重送検知装置を構成する超音波センサ2000は、自動原稿搬送部100に設けられる。
自動原稿搬送部100は、原稿トレイ101と、各種ローラ及びセンサが設けられる搬送経路130と、排紙トレイ114とを備える。自動原稿搬送部100は、原稿トレイ101に載置される用紙等のシートである原稿102を、搬送経路130の途中に設けられる原稿画像の読取位置を通過させて、排紙トレイ114に排出する。
原稿トレイ101は、原稿102の搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」という。)にトレイ原稿有無センサS1を備える。トレイ原稿有無センサS1は、原稿トレイ101の給紙可能な位置に載置される原稿102の有無を検知する。
原稿トレイ101の下流側の搬送経路130には、原稿102の搬送方向の上流側(以下、単に「上流側」という。)から順に、給紙ローラ103と、分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105と、が設けられる。給紙ローラ103と分離搬送ローラ104とは、同一駆動源により駆動される。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104の回転に従動して回転する。給紙ローラ103と、分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105とは、原稿トレイ101から原稿102を1枚ずつ搬送経路130に取り込んで搬送する。
給紙ローラ103は、不図示のアームに支軸されており、アームの揺動により上下に移動する。給紙ローラ103は、ユーザが原稿102を原稿トレイ101に載置する作業を阻害しないように、給紙時以外は、ホームポジションである上方に待避している。給紙ローラ103は、給紙時に下降して原稿トレイ101上の原稿102に当接して回転する。給紙ローラ103の回転により、原稿トレイ101上の原稿102が搬送経路130に取り込まれる。分離搬送ローラ104と分離搬送従動ローラ105とは、搬送経路130を挟んで対向して配置される。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104側に押圧されており、分離搬送ローラ104より僅かに摩擦が少ないゴム材等の樹脂部材で形成される。分離搬送ローラ104と分離搬送従動ローラ105とは、協働して、給紙ローラ103により取り込まれた原稿102を1枚ずつ捌いて搬送する。
分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105の下流側には、搬送経路130に給紙された原稿102を検知する分離後センサS2が設けられる。分離後センサS2の下流側には、複数枚の原稿102が重なって搬送される重送及び原稿102のシート特性を検知するための超音波センサ2000が設けられる。シート特性には、原稿102の坪量や紙種がある。超音波センサ2000は、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2を備える。超音波発信センサT1と超音波受信センサT2とは、搬送経路130を挟んで対向する位置に配置される。超音波発信センサT1は、搬送経路130の方向へ超音波を発信する。超音波受信センサT2は、搬送経路130の方向からの超音波を受信する。超音波受信センサT2が受信する超音波の強度により、原稿102の重送の発生やシート特性が検知される。超音波センサ2000による重送検知方法の詳細は後述する。
超音波センサ2000の下流側には、レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107が、搬送経路130を挟んで対向して配置される。レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107は、静止時に、搬送されてきた原稿102の搬送方向先端が突き当てられる。これにより原稿102は、ループが生じて搬送方向先端が揃えられる。レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107は、原稿102の搬送方向先端が揃えられた後に回転を開始して、原稿102を搬送する。
レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107の下流側には、リードローラ108及びリード従動ローラ109が、搬送経路130を挟んで対向して配置される。リードローラ108及びリード従動ローラ109は、レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107から搬送される原稿102を、原稿画像の読取位置へ搬送する。原稿画像の読取位置には、プラテンガイド110が、リーダ部115側に設けられる流し読みガラス116に対向して配置される。原稿102は、流し読みガラス116とプラテンガイド110との間を搬送されながら、原稿画像が読み取られる。原稿画像の読取位置を通過した原稿102は、リーダ部115側に設けられるジャンプ台117により、流し読みガラス116からすくい上げられる。
原稿画像の読取位置を通過した原稿102は、搬送経路130を挟んで対向して配置されるリード排出ローラ111及びリード排出従動ローラ112へ搬送される。リード排出ローラ111及びリード排出従動ローラ112は、原稿102を下流側に設けられる排紙ローラ113へ搬送する。排紙ローラ113は、原稿102を排紙トレイ114に排出する。
リーダ部115は、原稿102から原稿画像を読み取り、読み取った原稿画像を表す画像データを出力する。そのためにリーダ部115は、発光部119、受光部126、及び発光部119から照射されて原稿102により反射された光を受光部126に導くための光学系を備える。光学系は、ミラー120、121、122及びレンズ125を備える。発光部119及びミラー120は、第1ミラー台123に取り付けられている。ミラー121、122は、第2ミラー台124に取り付けられている。
発光部119は、例えばランプであり、原稿画像の読取位置に搬送されて流し読みガラス116上を通過する原稿102に光を照射する。光は原稿102により反射され、光学系を介して受光部126の受光面に結像される。受光部126は、例えばCCD(Charge Coupled Device)素子が原稿102の搬送方向に直交する方向(主走査方向)に配列されるラインセンサであり、受光した反射光を光電変換し、原稿画像を表す電気信号である画像データを出力する。このように発光部119及び受光部126により、原稿画像が1ライン毎に読み取られる。
リーダ部115の自動原稿搬送部100に対向する面には、上記の流し読みガラス116続いて、端部に基準白板127を備える原稿台ガラス118が設けられる。原稿台ガラス118は、自動原稿搬送部100を用いずに原稿画像を読み取る際に原稿102が載置される。第1ミラー台123及び第2ミラー台124は、原稿台ガラス118に対して平行に移動可能である。原稿台ガラス118に載置された原稿102の全面から原稿画像を読み取る場合、第1ミラー台123及び第2ミラー台124が移動することで原稿102の全面が1ライン毎に読み取られる。
(制御ユニット)
図2は、画像読取装置1の動作を制御する制御ユニットの構成図である。制御ユニット10は、リーダ部115、超音波センサ2000、トレイ原稿有無センサS1、分離後センサS2、原稿搬送モータ202、及び操作部300に接続される。原稿搬送モータ202は、自動原稿搬送部100内の各種ローラを駆動するための駆動源であり、制御ユニット10により動作制御される。操作部300は、各種キーボタンやタッチパネル等の入力装置及びディスプレイ等の出力装置を備えるユーザインタフェースである。操作部300は、入力装置による指示等の入力内容を制御ユニット10に送信し、制御ユニット10による制御により出力装置から情報を出力する。例えば、操作部300は、制御ユニット10の制御によりディスプレイに情報を表示する。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)201、超音波駆動部203、増幅器204、AD変換器205、及びメモリ206を備える。制御ユニット10は、画像読取装置1に内蔵される。超音波センサ2000(超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2)と制御ユニット10とにより、検出装置が構成される。
CPU201は、画像読取装置1の各部の動作制御を実行する。CPU201は、リーダ部115の動作を制御して、原稿102から原稿画像を読み取る。CPU201は、トレイ原稿有無センサS1及び分離後センサS2から検知結果を取得する。CPU201は、超音波センサ2000の動作を制御して、原稿102の重送やシート特性を検知する。CPU201は、自動原稿搬送部100の動作を制御して、原稿102を原稿トレイ101から排紙トレイ114まで搬送経路130を介して搬送させる。CPU201は、AD変換器205によるAD変換のタイミング制御を行う。
CPU201は、分離後センサS2が原稿102を検知してから原稿搬送モータ202を駆動させるクロックが所定数カウントされると、超音波駆動部203にバースト信号を送信する。このバースト信号は、超音波発信センサT1の発信制御を行うための制御信号であり、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2の共振周波数に近い周波数、例えば300[kHz]の信号である。このバースト信号を以下、「発信制御信号」という。発信制御信号は、例えば、一定時間に渡る数周期分の300[kHz]のパルス信号である。発信制御信号は所定の時間間隔で発信される。1回の発信制御信号(バースト信号)のパルス数(周期の数)は、可変である。
超音波駆動部203は、CPU201から受信する発信制御信号を、超音波発信センサT1を駆動するための制御信号である超音波パルス信号に変換する。超音波パルス信号は、超音波発信センサT1の駆動に必要な電圧のバースト信号である。超音波発信センサT1は、超音波駆動部203から超音波パルス信号を受信し、超音波パルス信号に応じたバースト波である超音波を超音波受信センサT2に向けて発信する。超音波発信センサT1から発信された超音波は、原稿102を透過して、超音波受信センサT2に受信される。超音波受信センサT2は、受信した超音波の強度に応じたアナログ電気信号である出力信号を増幅器204に送信する。この出力信号を、以下「超音波受信信号」という。なお、搬送経路130上の超音波センサ2000の検知範囲に原稿102が存在しない場合、超音波発信センサT1が発信した超音波がそのまま超音波受信センサT2に受信される。
増幅器204は、超音波受信センサT2から受信した超音波受信信号を増幅して出力する。超音波発信センサT1と超音波受信センサT2との間を原稿102が通過する際に超音波発信センサT1から発信された超音波は、超音波受信センサT2に到達するまでに減衰して、微弱になる。超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号の振幅も超音波の強度に応じて小さくなる。増幅器204は、このような微弱な超音波受信信号を、重送検知やシート特性の検知が可能な振幅に増幅する。
AD変換器205は、増幅器204によって増幅されたアナログ電気信号である超音波受信信号を、CPU201により指示されるタイミングでデジタル信号に変換して、CPU201へ送信する。
増幅器204及びAD変換器205の詳細については後述する。
CPU201は、AD変換器205から取得したデジタル変換された超音波受信信号により、超音波受信センサT2が受信した超音波の強度を表す信号レベル(振幅)を決定する。CPU201は、決定した信号レベルに基づいて原稿102の重送及びシート特性を検知する。CPU201は、重送を検知した場合に、原稿搬送モータ202を停止する。メモリ206は、CPU201が決定した信号レベルを保存する。また、メモリ206は、超音波センサ2000の各種設定値を格納する。具体的には、メモリ206は、バースト信号のパルス数、超音波の振幅、発信周波数、超音波の発信時間間隔等の設定値の情報を格納する。CPU201は、メモリ206に保持された各種設定値に基づいて、検知処理を行う。
(超音波センサ)
図3は、超音波センサ2000の説明図である。本実施形態では、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2は、搬送経路130に対して垂直な状態から所定の角度をつけた状態で取り付けられている。搬送経路130に対して垂直な状態に超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2を取り付ける場合、原稿通紙時に、超音波が超音波受信センサT2と原稿102との間で反射を繰り返すことがある。これは残響となり、超音波受信センサT2の受信結果に影響し、重送検知及びシート特性検知の精度に影響する。そのために本実施形態は、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2を搬送経路130に対して垂直な状態から所定の角度をつけた状態で取り付け、残響の検知精度への影響を抑制している。
(重送検知)
図4は、超音波センサ2000による重送検知の説明図である。図4(a)は、超音波センサ2000の検知範囲内に原稿102が無い場合の超音波パルス信号及び超音波受信信号を表す。図4(b)は、超音波センサ2000の検知範囲内に原稿102が1枚搬送される場合の超音波パルス信号及び超音波受信信号を表す。図4(c)は、超音波センサ2000の検知範囲内に原稿102が重送される場合の超音波パルス信号及び超音波受信信号を表す。超音波パルス信号と超音波受信信号との時間差は、超音波発信センサT1が超音波を発信してから超音波受信センサT2が超音波を受信するまでの超音波到達時間である。
原稿102が検知範囲内に無い場合(図4(a))と原稿102が検知範囲内に1枚搬送される場合(図4(b))とを比較すると、超音波が原稿102を透過することで大きく減衰することが分かる。複数枚の原稿102が重送されることで、原稿を透過する超音波の減衰量が更に大きくなる(図4(c))。これにより、単送(原稿102の1枚搬送)時と、重送時とで、超音波受信信号の振幅に差が発生することが分かる。CPU201は、この超音波受信信号の振幅に応じて重送を検知することができる。
なお、超音波は、原稿102の厚みや種類等のシート特性によっても減衰量が異なる。しかし、原稿102のシート特性の違いによる減衰量の変動は、原稿の枚数(単送、重送)の減衰量の変動に比べて圧倒的に小さい。そのために、シート特性の違いによらず、原稿102の重送は検知可能である。
(超音波受信信号処理)
図5は、超音波受信信号の処理の説明図である。図5では、増幅器204及びAD変換器205の構成の詳細を示している。増幅器204は、超音波受信センサT2から取得する微弱な超音波受信信号を複数の増幅度で増幅するために、複数段の増幅器により構成される。本実施形態では、増幅器204は、2段構成であり、第1反転増幅器501及び第2反転増幅器502を備える。AD変換器205は、増幅器204が備える増幅器の数に応じたAD変換器により構成される。本実施形態では、増幅器204が2段構成であるために、AD変換器205は、第1AD変換器503及び第2AD変換器504を備える。
第1反転増幅器501で増幅された超音波受信信号は、第1AD変換器503に入力される。第1反転増幅器501及び第2反転増幅器502で増幅された超音波受信信号は、第2AD変換器504に入力される。超音波発信センサT1から超音波受信センサT2へ印加される超音波の減衰量は、周囲環境により変動する。重送検知及びシート特性検知を正確に行うためには、周囲環境の変動を補正する必要がある。CPU201は、この補正を、原稿102が無い状態で行う必要がある。そのためにCPU201は、原稿102が超音波センサ2000の検知範囲内に有る紙有りモードと、検知範囲内に無い状態の紙無しモードとで、増幅器204の増幅率を変更する。また、AD変換器205も、紙有りモードと紙無しモードとで、第1AD変換器503と第2AD変換器504とを使い分ける。
上述したように、原稿102の有無により、超音波の減衰量が大きく異なる。そのために同じ増幅率で超音波受信信号を増幅して測定しようとすると、正確な測定ができないことがある。例えば、超音波受信信号は、振幅が大きい場合に、増幅器204の出力電圧範囲を超える或いはAD変換器205の入力電圧範囲を超えて飽和することで、正確に測定されない。或いは超音波受信信号は、振幅が小さい場合に、暗ノイズに埋もれてしまい正確に測定されない。
また紙無しモード時の補正は、原稿102の通紙直前に行われることが望ましい。これは、原稿通紙時の検出時と超音波センサ2000の周囲温度、超音波受信センサT2及び超音波発信センサT1のメカ的相対位置がほぼ同一での状態が成立しているため、高い精度での補正が可能となるためである。
図6は、超音波受信信号の振幅算出処理の説明図である。
AD変換器205は、CPU201から受信するAD変換の開始を指示するトリガ信号に応じて、増幅器204で増幅された超音波受信信号を、離散的にデジタル信号としてサンプリングする。離散的にサンプリングを行う範囲は、超音波受信信号の波形の1周期分の期間(本実施形態では300[KHz]で超音波を発信するので1周期は3.3マイクロ秒)である。サンプリングの開始のタイミングは、超音波受信信号の振幅が最大となるタイミングである。このタイミングは、予め実験的に当該超音波センサ2000の超音波受信センサT2が受信する超音波の振幅が最大になるタイミングを測定することで決定される。サンプリングの開始のタイミングの設定値は、メモリ206に格納される。
超音波受信信号の振幅をできるだけ正確に検知するために、サンプリングの間隔は超音波の駆動周期に対して十分に小さくする必要がある。本実施形態では300[KHz]で超音波が発信されるため、超音波受信信号の周期が3.3マイクロ秒である。AD変換器205は、この周期に対して例えば8回のサンプリングを行うため0.41マイクロ秒の間隔でサンプリングを行う。このようにAD変換器205は、超音波の発信周期に対して十分に小さい間隔で超音波受信信号のサンプリングを行い、その中の最小値と最大値との差分をとることで超音波受信信号の1波分の振幅を取得することができる。
図6の例では、AD変換器205は、超音波受信信号をA~Hのポイントでサンプリングを行う。これによりAD変換器205は、A~Hのポイントの超音波受信信号の信号レベルを取得する。超音波受信信号の振幅は、これらの信号レベルに応じて、以下の式で表される。
(超音波受信信号の振幅)=MAX(A, B, C, D, E, F, G, H)-MIN(A, B, C, D, E, F, G, H)
図6では、超音波受信信号の最小値がポイントA、最大値がポイントEの信号レベルである。そのために超音波受信信号の振幅は以下の式で表される。
(超音波受信信号の振幅)=(ポイントEの信号レベル)-(ポイントAの信号レベル)
超音波パルス信号による超音波発信センサT1の駆動間隔(図6のバースト信号間隔)が短いほどサンプリング時間が短くなり、1回の重送検知に必要な時間を短くすることができる。しかし、超音波パルス信号による超音波発信センサT1の駆動間隔が短い場合、残響が超音波受信信号の波形に影響する。超音波パルス信号による超音波発信センサT1の駆動間隔が短い場合、以前の超音波パルス信号により発信された超音波が残響となり、超音波受信センサT2は、以前に発信された超音波と今回発信された超音波とを合成した超音波を受信する。これにより超音波受信センサT2が「検知すべき超音波」と前のバースト波による「残響」とが合成された超音波に応じた超音波受信信号を出力する。そのために、正確な重送検知ができなくなる。従って、超音波パルス信号による超音波発信センサT1の駆動間隔は、残響の影響が十分に収束するように設定される必要がある。超音波パルス信号による超音波発信センサT1の駆動間隔の詳細については後述する。
超音波パルス信号の波数)
図7は、超音波パルス信号の波数と超音波受信信号の信号レベル(電圧レベル)の関係説明図である。超音波発信センサT1は、圧電素子を内蔵する。超音波発信センサT1は、バースト信号である超音波パルス信号が入力されることで、圧電素子に電気エネルギーが供給され、超音波を発信する。超音波パルス信号の波数が多くなることは、圧電素子に供給されるエネルギーを高めることに相当する。圧電素子に供給されるエネルギーが高くなることで、発信される超音波の強度が高められる。その結果、超音波を受信する超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号の信号レベルが高くなる。
しかし、波数を一定数以上にすると、超音波受信信号の信号レベルは、波数に対する応答性が鈍くなり、飽和する。これは、圧電素子が振動可能な性能の限界に到達するためである。本実施形態では、超音波パルス信号の波数を7以下に設定する。図7に示す通り、超音波パルス信号の波数が7以下であれば、超音波受信信号の信号レベルの波数に対する応答性が良好であるためである。
(超音波発信センサの駆動間隔)
超音波パルス信号(バースト信号)による超音波発信センサT1の駆動間隔の詳細について説明する。図8は、超音波パルス信号の波数と残響の関係の説明図である。超音波発信センサT1から放出された超音波は、周囲の部材に反射して空間内に残響として残る。しかし、次第にエネルギーが減衰して、残響はやがて消える。
図8(a)は、超音波パルス信号の波数が5波のときの超音波受信信号を例示する。図8(a)の例では、超音波発信センサT1の駆動開始から残響の影響が一定レベル以下になるまでの時間は、600マイクロ秒である。なお、本実施形態では、超音波発信センサT1の駆動開始から残響の影響が一定レベル以下になるまでの時間を「整定時間」という。
図8(b)は、超音波パルス信号の波数が3波のときの超音波受信信号を例示する。超音波パルス信号波の波数が3波になることで、超音波発信センサT1から放出される超音波のエネルギーが5波のときよりも小さくなる。超音波受信信号の信号レベルも、5波のときよりも小さくなる。超音波が周囲空間で反射され、残響として残り続ける時間も、5波のときよりも短くなる。図8(b)の例では、整定時間は、450マイクロ秒で、5波のときよりも150マイクロ秒短くなる。
以上のように、超音波パルス信号の波数が少なくなるほど、残響の影響が低減する。そのために超音波発信センサT1の駆動間隔を短く設定することができる。
(重送検知時と坪量検知時の超音波受信信号の信号レベル)
以下、シート特性として原稿102の坪量を検知する場合について説明する。図9は、重送検知時と坪量検知時の超音波受信信号の信号レベルの例示図である。図9(a)は、1枚の原稿102を搬送させた場合で、シートの坪量と超音波受信信号の信号レベルとの関係を、超音波パルス信号の波数毎に例示する。ここでは、超音波パルス信号の波数が5波、4波、3波のときの坪量と信号レベルとの関係を表す。
超音波パルス信号の波数が5波の場合、坪量の大きいシートは、超音波受信信号の信号レベルの差分が比較的リニアになる。つまり、超音波受信信号の信号レベルから、搬送されるシートの坪量が正確に判別可能である。しかし、坪量が所定値以下のシートは、シートに対して印加される超音波の強度が大きくなる。そのために、超音波受信信号の信号レベルは、限界値にかかって飽和する。つまり、坪量の小さいシートは、超音波受信信号の信号レベルから判別困難である。
超音波パルス信号の波数を少なくすることでシートに印加される超音波の強度が下がり、坪量の小さいシートであっても、超音波受信信号の信号レベルに差が生じる。例えば、超音波パルス信号の波数が3波の場合、5波の場合よりも坪量の小さいシートに対する超音波受信信号の信号レベルに差が生じる。そのために、超音波受信信号の信号レベルから、搬送されるシートの坪量が判別可能である。つまり、坪量検知には、超音波パルス信号の波数が少ない方がよい。
図9(b)は、超音波パルス信号の波数を固定してシートの坪量を変化させたときの、単送の場合と重送の場合の超音波受信信号の信号レベルを例示する。重送検知の場合、シートが重送されているか否かの検知が目的である。重送の場合、シートの坪量に関係なく、超音波受信信号の信号レベルが一定である(図4(c)参照)。単送の場合、超音波パルス信号の波数を少なく設定して重送検知を行うと、超音波受信信号の信号レベルが低くなり、閾値に対してのラチチュードが小さくなる。これは、単送であるにもかかわらず重送と誤検知する要因となる。つまり、重送検知には、超音波パルス信号の波数が多い方がよい。
以上のことから、重送検知時の超音波受信信号により坪量検知を行う場合、坪量の低い領域のシートの判別が困難になる。そのため、坪量検知と重送検知とで、超音波パルス信号の波数を変えることは有効である。
(重送検知と坪量検知のタイミング)
図10は、重送検知と坪量検知のタイミングの説明図である。図10(a)は、シートの搬送方向と、超音波の印加動作の説明図である。図10(b)は、搬送されるシートに対する超音波の印加位置を表す。重送検知時の超音波の印加位置(検知位置)は、黒の矩形で表される。坪量検知時の超音波の印加位置(検知位置)は、黒丸で表される。図10(c)は、重送検知と坪量検知とを交互に行う場合の超音波パルス信号と超音波受信信号との波形を例示する。
シートが重送されていることを検知した場合、シートの搬送がすぐに停止される必要がある。そのために重送検知は、シートが重なった部分を確実に検知できるように、シートの先端から断続的に繰り返し行われる。断続的に重送検知を行うことで、連れ重送の検知も可能である。坪量は、重送していないと判定されたときに測定されるべきパラメーターである。そのために坪量検知は、必ず重送検知の後に行われる。シートの坪量は、1枚のシートの中では著しく変化することはないために、シートの先端から後端まで、断続的に検知される必要は無い。よって、坪量検知はシートの先端の数か所(2か所もしくは3か所)で行われる。複数個所で坪量検知を行う理由は、1か所あたりの検知結果のばらつきを加味して処理を行い、坪量を正確に判定するためである。
坪量検知をシートの先端で数回行い、且つ坪量検知時の超音波パルス信号の波数を重送検知のときの波数よりも下げることで、重送検知から次の重送検知までにかかる時間を極力抑えることができる。重送検知と坪量検知とを交互に行い且つ坪量検知をシートの先端から後端部で断続的に行う場合に比べて、重送検知と坪量検知とを交互に行い且つシートの先端部の数か所のみ坪量検知する場合の方が、超音波センサ2000として分解能の低下が抑制される。本実施形態では、重送検知と坪量検知とを、シートの先端部分で2回繰り返して行った後に、重送検知を断続的に行う。
(坪量検知)
坪量検知は、AD変換器205によりデジタル値に変換された超音波受信信号を用いて行われる。CPU201は、例えばメモリ206に予め格納されるテーブルを参照して、超音波受信信号のデジタル値に応じた坪量を検知する。図11は、このような坪量検知のためのテーブルの例示図である。このテーブルは、シートの坪量と超音波受信信号のデジタル値との関係を示す。デジタル値が高いほど、超音波受信信号の振幅が大きいことを示し、デジタル値が低いほど、超音波受信信号の振幅が小さいことを示す。超音波受信信号の振幅が大きいほど、シートの坪量が小さくなる。超音波受信信号の振幅が小さいほど、シートの坪量が大きくなる。
CPU201は、シートの坪量検知時に、超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号のデジタル値をAD変換器205から取得する。CPU201は、取得した超音波受信信号のデジタル値に応じた坪量範囲を、メモリ206に格納されたテーブルから探索する。CPU201は、探索結果の坪量範囲を、シートの坪量範囲として特定する。以上のように、シートの坪量が決定される。例えば、超音波受信信号のデジタル値が「200」の場合、CPU201は、テーブルによりシートの坪量範囲を120~179[gsm]に特定する。CPU201は、少なくとも120~179[gsm]の坪量のシートが搬送されたと判定する。
(重送及び坪量検知処理)
図12は、以上のような画像読取装置1による原稿102の重送及び坪量の検知処理を表すフローチャートである。画像読取装置1は、原稿102を搬送し、該原稿102が超音波センサ2000の検知範囲を通過するときに、該原稿102の重送及び坪量の検知を行う。この処理は、例えば原稿102の読取処理に際して行われる。
CPU201は、操作部300から原稿102の読取開始信号を受信することで処理を開始する(S101)。CPU201は、読取開始信号に応じて、原稿102の読取開始前処理を開始する。CPU201は、まず、紙無しモードで動作を始める。CPU201は、原稿102の搬送を開始する前に、検知範囲に原稿102が無い状態で超音波発信センサT1に超音波を発信させる(S102)。これにより超音波受信センサT2は、原稿102による減衰の無い超音波を受信して、受信した超音波の強度に応じた図4(a)に例示するような超音波受信信号を出力する。なお、CPU201は、重送検知時と同じ強度で超音波発信センサT1に超音波を発信させる。CPU201は、紙無しモード時の超音波受信信号のデジタル値(「超音波受信レベルAD_0」)を検知する(S103)。CPU201は、検知した超音波受信レベルAD_0に応じて、重送判定用の閾値AD_thを設定する(S104)。CPU201は、坪量検知の回数をカウントする坪量検知カウンタNを初期化して「0」に設定する(S105)。以上によりCPU201は、原稿102の読取開始前処理を終了して、紙無しモードから紙有りモードへ動作モードを切り替える。
CPU201は、紙有りモードに切り替わると、原稿搬送モータ202により原稿102を原稿トレイ101から搬送経路130に給紙して、原稿102の搬送を開始する(S106)。CPU201は、重送検知用の超音波パルス信号の波数kを設定する(S107)。本実施形態では、CPU201は、波数k=5に設定する。重送検知用の超音波パルス信号の波数kは、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2の感度やセンサ間距離の取り付け公差により決定される値であり、「5」に限ったものではない。
CPU201は、分離後センサS2が原稿102を検知するタイミングに応じて、超音波駆動部203により波数k=5に応じた強度の超音波を超音波発信センサT1から発信させる(S108)。この超音波は、重送検知用の超音波である。これにより超音波受信センサT2は、原稿102を透過して減衰した超音波を受信し、受信した超音波の強度に応じた図4(b)又は図4(c)に例示するような重送検知用の超音波受信信号を出力する。CPU201は、重送検知用の超音波受信信号のデジタル値(「超音波受信レベルAD_1」)を検知する(S109)。
CPU201は、検知した超音波受信レベルAD_1と閾値AD_thとを比較して、原稿102が重送されているか否かを判定する(S110)。超音波受信レベルAD_1が閾値AD_thより小さい場合(S110:N)、CPU201は、原稿102が重送されていると判定する。この場合、CPU201は、原稿搬送モータ202の駆動を停止して、原稿102の搬送を停止する(S120)。原稿102の搬送停止後にCPU201は、操作部300のディスプレイ等により、ユーザに対して原稿102が重送されていることを報知して原稿102の読取処理を終了する。
超音波受信レベルAD_1が閾値AD_thより大きい場合(S110:Y)、CPU201は、原稿102が単送されていると判定する。この場合、CPU201は、坪量検知カウンタNが3未満であるか否かを判定する(S111)。坪量検知カウンタNが3未満の場合(S111:Y)、CPU201は、原稿102の坪量検知を開始する。
CPU201は、坪量検知のために、まず、坪量検知用の超音波パルス信号の波数kを設定する(S112)。本実施形態では、CPU201は、波数k=3に設定する。CPU201は、超音波駆動部203により波数k=3に応じた強度の超音波を超音波発信センサT1から発信させる(S113)。この超音波は、坪量検知用の超音波である。これにより超音波受信センサT2は、原稿102を透過して減衰した超音波を受信し、受信した超音波の強度に応じた坪量検知用の超音波受信信号を出力する。CPU201は、坪量検知用の超音波受信信号のデジタル値(「超音波受信レベルAD_2」)を検知する(S114)。CPU201は、メモリ206に格納するテーブルを参照し、超音波受信レベルAD_2に対応する坪量範囲を特定する(S115、S116)。坪量範囲を特定したCPU201は、坪量検知カウンタNに1加算して坪量検知を終了する(S117)。S112~S117が1回の坪量検知のルーチンとなる。
坪量検知カウンタNが3以上の場合(S111:N)、或いは1回の坪量検知のルーチンが終了した場合、CPU201は、分離後センサS2が原稿102を検知し続けているか否かを確認する(S118)。分離後センサS2が原稿102を検知し続けている場合(S118:Y)、CPU201は、重送検知を繰り返し行うためにS107以降の処理を繰り返し行うことになる。分離後センサS2が原稿102を検知していない場合(S118:N)、即ち、分離後センサS2により原稿の後端が検知されると、CPU201は、原稿トレイ101に次に読み取る原稿102が有るか否かを確認する。そのためにCPU201は、トレイ原稿有無センサS1の検知結果を確認する(S119)。原稿トレイ101に次に読み取る原稿が有る場合(S119:N)、CPU201は、次の原稿102に対する重送検知を行うためにS102以降の処理を行うことになる。原稿トレイ101に次に読み取る原稿が無い場合(S119:Y)、CPU201は、重送及び坪量検知処理を終了する。その後、CPU201は、原稿102の読取処理を行う。
以上のように本実施形態の画像読取装置1は、1組の超音波センサ2000によりシートの重送検知及び坪量等のシート特性検知が可能である。シート特性検知の場合、重送検知時よりも発信する超音波の強度が弱く設定される。具体的には、超音波を発信させるためのバースト波の波数が、重送検知時よりもシート特性検知時の方が少なくなる。これにより超音波センサ2000は、重送検知時の分解能の低下を極力押させて、薄紙から厚紙までのシートのシート特性(坪量)を正確に検知可能になる。
検知した坪量に応じて、CPU201は、以下のような制御を行うことができる。CPU201は、坪量に応じてシートを搬送するローラ等のメカ部材の駆動機構であるアクチュエータ(具体的にはステッピングモータ)の電流値を増減制御する。これにより、坪量に応じたアクチュエータの最適設計が実現可能である。アクチュエータの電流値を一律同じ値で制御する場合に比べ、坪量毎に最適な電流値でアクチュエータを制御するために、電力削減が可能となる。この制御は、坪量が大きいシートに対して有効である。また、CPU201は、発光部119が照射する光量を調整して、読み取った画像の不良(具体的には、光量が強すぎるために、裏面の画像まで読んでしまう現象)を抑制することができる。この制御は、坪量が小さいシートに対して有効である。
本実施形態では原稿給送装置を有する画像読取装置1の重送検知、坪量検知について説明したが、これ以外にも、シートを搬送する機構を備える装置であればどのような装置であっても本実施形態を適用可能である。例えば、超音波センサ2000を複写機や複合機等の画像形成装置のシートの搬送経路に設けることで、本実施形態を適用可能である。

Claims (10)

  1. シートを搬送経路に搬送する搬送手段と、
    超音波を発信させるための超音波パルス信号が入力され、前記搬送経路の方向へ前記超音波パルス信号の波数に応じた強度の超音波を発信する超音波発信手段と、
    前記搬送経路を挟んで前記超音波発信手段に対向する位置に設けられ、前記超音波発信手段の発信する前記超音波を受信して、該超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信手段と、
    前記搬送手段により搬送されるシートの重送を検知する場合は、第1の波数の超音波パルス信号により第1の強度の超音波を前記超音波発信手段に発信させ、前記第1の強度の超音波に応じた超音波受信信号により前記シートの重送を検知し、シート特性を検知する場合は、前記第1の波数よりも少ない第2の波数の超音波パルス信号により前記第1の強度よりも小さい第2の強度の超音波を発信させ、前記第2の強度の超音波に応じた超音波受信信号により前記シート特性を検知する制御手段と、を備えることを特徴とする、
    重送検知装置。
  2. 前記制御手段は、前記シートが重送されていない場合に、前記シート特性を検知するための超音波を前記超音波発信手段に発信させることを特徴とする、
    請求項記載の重送検知装置。
  3. 前記制御手段は、前記シートの重送の検知と前記シート特性の検知を交互に行うことを特徴とする、
    請求項1または2記載の重送検知装置。
  4. 前記制御手段は、前記超音波発信手段から発信された超音波による残響の影響が一定レベル以下になるまでの時間に応じて、前記超音波発信手段に次の超音波を発信させることを特徴とする、
    請求項1~のいずれか1項記載の重送検知装置。
  5. 前記制御手段は、前記シートが前記搬送経路に搬送されていない状態で前記超音波発信手段が発信した前記超音波に応じた超音波受信信号を前記超音波受信手段から取得し、取得した前記超音波受信信号に応じて、前記シートの重送を判定するための閾値を設定し、前記閾値に応じて前記シートの重送を検知することを特徴とする、
    請求項1~のいずれか1項記載の重送検知装置。
  6. 前記超音波受信信号と前記シート特性との関係を予め格納する格納手段をさらに備えており、
    前記制御手段は、前記格納手段に格納された前記超音波受信信号と前記シート特性との関係を参照して、取得した前記超音波受信信号に応じた前記シート特性を検知することを特徴とする、
    請求項1~のいずれか1項記載の重送検知装置。
  7. 前記制御手段は、前記シートの重送を検知すると、前記搬送手段に前記シートの搬送を停止させることを特徴とする、
    請求項1~のいずれか1項記載の重送検知装置。
  8. 前記制御手段は、前記シート特性としてシートの坪量を検知することを特徴とする、
    請求項1~のいずれか1項記載の重送検知装置。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の重送検知装置と、
    搬送経路を搬送されるシートの画像を読み取り、読み取った画像を表す画像データを出力するリーダ手段と、を備えることを特徴とする、
    画像読取装置。
  10. シートを搬送経路に搬送する搬送手段と、超音波を発信させるための超音波パルス信号が入力され、前記搬送経路の方向へ前記超音波パルス信号の波数に応じた強度の超音波を発信する超音波発信手段と、前記搬送経路を挟んで前記超音波発信手段に対向する位置に設けられ、前記超音波発信手段から発信された前記超音波を受信して、受信した超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信手段と、を備えた装置により実行される方法であって、
    前記搬送手段により搬送されるシートの重送を検知する場合は、第1の波数の超音波パルス信号により第1の強度の超音波を前記超音波発信手段に発信させ、前記第1の強度の超音波に応じた超音波受信信号により前記シートの重送を検知し、
    ート特性を検知する場合は、前記第1の波数よりも少ない第2の波数の超音波パルス信号により前記第1の強度よりも小さい第2の強度の超音波を発信させ、前記第2の強度の超音波に応じた超音波受信信号により前記シート特性を検知することを特徴とする、
    重送検知方法。
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