JP2018162154A - 搬送装置、及び、これを有する読取装置、画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】重送検知における出力音波強度の変動を抑制することができる搬送装置を提供する。【解決手段】搬送装置は、シートが搬送される搬送路を挟んだ一方に配置され、当該搬送路方向に向けて超音波を発信する超音波発信センサ、超音波発信手段の駆動信号を生成する超音波センサ駆動回路を有する。また、搬送路を挟んだ他方に配置され、超音波発信手段から発信された超音波を受信する超音波受信センサを有する。搬送装置は、両センサ間にシートがない状態で、且つ、超音波センサ駆動回路が生成する駆動信号のデューティ比を変えて複数回超音波受信センサを駆動し、その際の受信波振幅レベルに応じて、両センサ間にシートがある状態における超音波発信センサの駆動信号のデューティ比を決定する。また、決定した駆動信号に応じて発信された超音波の受信結果に基づいてシートが重送されているか否かを判別する。【選択図】図8
Description
本発明は、搬送される原稿などのシートの重なりを検知する技術に関する。
原稿などのシートを搬送する搬送装置では、搬送中のシートの重なりを検知する機能を有するものがある。シートの重なりを検知する手段として、例えばシートの搬送経路を挟むように超音波を発信する超音波発信部、超音波を受信する超音波受信部を設ける。
そして、搬送されるシートが1枚送り(以下、単送と称す)である場合と、搬送されるシートが複数枚重なって送られている場合(以下、重送と称す)との超音波の減衰量の違いを検知する。このように、受信波の振幅レベルに基づいて減衰量を検知するなどして、搬送されるシートが重送状態であるか否かを判別する。
そして、搬送されるシートが1枚送り(以下、単送と称す)である場合と、搬送されるシートが複数枚重なって送られている場合(以下、重送と称す)との超音波の減衰量の違いを検知する。このように、受信波の振幅レベルに基づいて減衰量を検知するなどして、搬送されるシートが重送状態であるか否かを判別する。
また、重送検知を行う際には、超音波発信センサの周波数特性(共振振動数)が環境に応じて変動してしまうと、超音波強度(出力音波強度)が変動してしまい、超音波受信センサにおける受信レベルが変動してしまうことがある。そのため、例えば同じシートを検知した場合であっても環境に応じて重送状態であるか否かの判別結果にバラつきが出てしまうことがある。
例えば、シート搬送中に駆動周波数をスイープ(掃引)変化させながら当該シートに向けて超音波を発信する。そして、受信レベルと所定の重送判定閾値を比較して重送状態であるか否かを判別する。これにより、例えば超音波センサの個体バラつきがあったとしても誤検知の発生を抑制する、というものがある(例えば 特許文献1)
しかしながら、超音波発信センサの出力音波強度は、周波数に加えて超音波発信センサ駆動信号のDUTY(デューティ比)にも影響を受ける。そのため従来技術では、例えば超音波発信センサを含む構成機器の温度特性などを要因とする誤検知の発生を防ぐことが難しい、という課題が残る。
また、超音波発信センサは、例えば圧電素子により構成されており、電気的な超音波発信センサ駆動信号を圧電素子の振動エネルギーに変換して音波を発信している。そのため、超音波発信センサに印加される駆動信号はDUTYが50[%]である場合に最大効率となり、また、DUTYが50[%]を基準にその値から離れるほど効率が下がる。
また、同一の駆動電圧であっても超音波発信センサに印加される駆動信号はDUTYが変動すると、これに応じて出力音波強度が変動して超音波発信センサが受信する受信レベルが変動してしまう。これにより誤検知が発生してしまうという問題が残る。
また、同一の駆動電圧であっても超音波発信センサに印加される駆動信号はDUTYが変動すると、これに応じて出力音波強度が変動して超音波発信センサが受信する受信レベルが変動してしまう。これにより誤検知が発生してしまうという問題が残る。
本発明は、重送検知における出力音波強度の変動を抑制することができる搬送装置を提供することを、主たる目的とする。
本発明の搬送装置は、シートを搬送する搬送手段と、前記シートが搬送される搬送路を挟んだ一方に配置され、当該搬送路方向に向けて超音波を発信する超音波発信手段と、前記超音波発信手段の駆動信号を生成する生成手段と、前記搬送路を挟んだ他方に配置され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する超音波受信手段と、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがない状態で、且つ、前記生成手段が生成する前記駆動信号のデューティ比を変えて複数回当該超音波発信手段を駆動し、その際の前記超音波受信手段の受信結果に応じて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがある状態における前記駆動信号のデューティ比を決定する制御手段と、前記制御手段が決定した前記駆動信号に応じて発信された超音波の受信結果に基づいてシートが重送されているか否かを判別する判別手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、重送検知における出力音波強度の変動を抑制することができる。
以下、本発明を原稿などのシートを搬送する搬送装置(例えば、ADF:Auto Document Feeder 、自動原稿搬送装置)を有する画像形成システムに適用した場合を例に挙げて説明を進める。
なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確立されるのであって、以下で説明する個別の実施形態によって限定されるものではない。また、実施形態では、シートとして、原稿の重送を検知する場合を例に挙げて説明するが、例えば記録画像が形成されるべき記録媒体(例えば、用紙)の重送の検知にも適用することができる。
なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確立されるのであって、以下で説明する個別の実施形態によって限定されるものではない。また、実施形態では、シートとして、原稿の重送を検知する場合を例に挙げて説明するが、例えば記録画像が形成されるべき記録媒体(例えば、用紙)の重送の検知にも適用することができる。
[第1実施形態]
[装置の全体構成例]
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す概略縦断面図である。
なお、画像形成システムSは、原稿などのシートを搬送する搬送装置100、及び、搬送装置100が搬送するシートの画像情報を読み取る画像読取部115を含んで構成される読取装置300、画像形成装置150を含んで構成される。
[装置の全体構成例]
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す概略縦断面図である。
なお、画像形成システムSは、原稿などのシートを搬送する搬送装置100、及び、搬送装置100が搬送するシートの画像情報を読み取る画像読取部115を含んで構成される読取装置300、画像形成装置150を含んで構成される。
図1に示す画像形成装置150は、公知の電子写真方式により画像形成を行う画像形成部411を備える。画像形成部411は、感光体、露光器、現像器、転写部、及び定着器を備える。
露光器は、読取装置300が原稿102を読み取ることで生成される読取データ(画像データ)に基づいて、感光体に静電潜像を形成する。
現像器は、感光体に形成された静電潜像を現像剤により現像して、感光体に現像剤像を形成する。転写部は、感光体に形成された現像剤像を所定の記録媒体(例えば、用紙)に転写する。定着器は、記録媒体に転写された現像剤像を記録媒体に定着させる。以上のような構成により、画像形成部411は、記録媒体に画像データに応じた画像を形成する。
露光器は、読取装置300が原稿102を読み取ることで生成される読取データ(画像データ)に基づいて、感光体に静電潜像を形成する。
現像器は、感光体に形成された静電潜像を現像剤により現像して、感光体に現像剤像を形成する。転写部は、感光体に形成された現像剤像を所定の記録媒体(例えば、用紙)に転写する。定着器は、記録媒体に転写された現像剤像を記録媒体に定着させる。以上のような構成により、画像形成部411は、記録媒体に画像データに応じた画像を形成する。
搬送装置100が有する原稿トレイ101には、原稿102が積載される。また、原稿トレイ101には、トレイ原稿有無センサS1が配置される。トレイ原稿有無センサS1は、原稿102が給紙可能な位置に積載されているか否かを検知する。
原稿トレイ101の下流には、給紙ローラ103が設けられる。給紙ローラ103は、分離搬送ローラ104と同一駆動源に接続され、その回転に連動して回転して原稿102を給紙する。
給紙ローラ103は、通常、ホームポジションである上方の位置に退避しており、原稿のセット作業を阻害しないように構成される。給紙動作が開始されると、給紙ローラ103は下降して原稿102の上面に当接する。なお、給紙ローラ103は、図示しないアームに軸支されており、当該アームが揺動することによりこれに連動して上下に移動する。
原稿トレイ101の下流には、給紙ローラ103が設けられる。給紙ローラ103は、分離搬送ローラ104と同一駆動源に接続され、その回転に連動して回転して原稿102を給紙する。
給紙ローラ103は、通常、ホームポジションである上方の位置に退避しており、原稿のセット作業を阻害しないように構成される。給紙動作が開始されると、給紙ローラ103は下降して原稿102の上面に当接する。なお、給紙ローラ103は、図示しないアームに軸支されており、当該アームが揺動することによりこれに連動して上下に移動する。
分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104の対向側に配置されており、分離搬送ローラ104側に押圧される。
分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104より僅かに摩擦が少ないゴム材等から形成されており、分離搬送ローラ104と協働して、給紙ローラ103によって給紙される原稿102を1枚ずつ捌いて給紙する。
分離センサS2は、分離搬送従動ローラ105及び分離搬送ローラ104を原稿102が通過したタイミングを検出する。
分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104より僅かに摩擦が少ないゴム材等から形成されており、分離搬送ローラ104と協働して、給紙ローラ103によって給紙される原稿102を1枚ずつ捌いて給紙する。
分離センサS2は、分離搬送従動ローラ105及び分離搬送ローラ104を原稿102が通過したタイミングを検出する。
超音波発信センサT1、超音波受信センサT2は、これら2つのセンサに挟まれた原稿搬送路上を通過する原稿102に対して超音波発信センサT1が超音波を発信し、超音波発信センサT1より発信された超音波を超音波受信センサT2が受信をする。これにより、搬送される原稿102の重なりの有無(重送であるか否か)を検知する。詳細は後述する。
レジストローラ106、レジスト従動ローラ107は、給紙された原稿の先端を揃える。具体的には、静止したレジストローラ106とレジスト従動ローラ107とのニップ部に向けて分離した原稿の先端を突き当てて当該原稿に撓みを生じさせてその先端の斜行を補正する。
リードローラ108、リード従動ローラ109は、原稿を読取ガラス116に向けて搬送する。なお、読取ガラス116の対向側には、プラテンガイド110が配置される。
リードローラ108、リード従動ローラ109は、原稿を読取ガラス116に向けて搬送する。なお、読取ガラス116の対向側には、プラテンガイド110が配置される。
読取ガラス116上を通過する原稿102は、その表面の画像情報が画像読取部115により読み取られる。具体的には、画像読取部115が有するラインセンサの一例であるCCD(Charge Coupled Device)126を介して画像情報が取得される。
その後、リード排出ローラ111、リード排出従動ローラ112は、読み取り後の原稿を排紙ローラ113側に搬送する。
ジャンプ台117は、読取ガラス116を通過する原稿を当該読取ガラス116からシートをすくい上げる。排紙ローラ113は、原稿を排紙トレイ114に排出する。以下、原稿102の画像情報を取得する画像読取部115の構成について説明する。
その後、リード排出ローラ111、リード排出従動ローラ112は、読み取り後の原稿を排紙ローラ113側に搬送する。
ジャンプ台117は、読取ガラス116を通過する原稿を当該読取ガラス116からシートをすくい上げる。排紙ローラ113は、原稿を排紙トレイ114に排出する。以下、原稿102の画像情報を取得する画像読取部115の構成について説明する。
画像読取部115は、読み取り原稿面に対して光を照射するランプ119、および原稿102からの反射光をレンズ125およびCCD126に導くミラー120、121、122を有する。
ランプ119、ミラー120は、第1ミラー台123に取り付けられる。また、ミラー121、122は、第2ミラー台124に取り付けられる。
ランプ119、ミラー120は、第1ミラー台123に取り付けられる。また、ミラー121、122は、第2ミラー台124に取り付けられる。
各ミラー台123、124は、ワイヤ(図示せず)を介して駆動モータ(図示せず)と結合されており、駆動モータの回転駆動により原稿台ガラス118と平行に移動する。
また、原稿台ガラス118の端部には読み取り輝度の基準となる基準白板127が取り付けられる。原稿からの反射光は、ミラー120、121、122を介してレンズ125に導かれ、レンズ125によってCCD126の受光部に結像される。CCD126は、結像した反射光を受光素子で光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力する。このようにして、原稿の画像情報を取得する。
また、原稿台ガラス118の端部には読み取り輝度の基準となる基準白板127が取り付けられる。原稿からの反射光は、ミラー120、121、122を介してレンズ125に導かれ、レンズ125によってCCD126の受光部に結像される。CCD126は、結像した反射光を受光素子で光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力する。このようにして、原稿の画像情報を取得する。
図2は、搬送装置100の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。
搬送装置100は、CPU(Central Processing Unit)201、原稿搬送モータ202、超音波センサ駆動回路203、増幅回路204、AD変換回路205、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2、トレイ原稿有無センサS1、分離センサS2を有する。
搬送装置100は、CPU(Central Processing Unit)201、原稿搬送モータ202、超音波センサ駆動回路203、増幅回路204、AD変換回路205、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2、トレイ原稿有無センサS1、分離センサS2を有する。
CPU201は、搬送装置100の動作を制御する制御手段として機能する。
また、CPU201は、トレイ原稿有無センサS1、分離センサS2のセンサ出力の検出、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2等の制御、AD変換回路205のAD変換タイミングの制御等を行う。
また、CPU201は、トレイ原稿有無センサS1、分離センサS2のセンサ出力の検出、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2等の制御、AD変換回路205のAD変換タイミングの制御等を行う。
原稿搬送モータ202は、搬送装置100が有する各搬送ローラを駆動する。
超音波センサ駆動回路203は、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2の共振周波数に近い周波数(例えば、300[kHz])のパルス信号をCPU201より受信する。そして、超音波発信センサT1の駆動に必要な電圧となるようにパルス信号の電圧を変換する。即ち、超音波センサ駆動回路203は、超音波発信センサT1を駆動するためのパルス信号を生成する。
超音波センサ駆動回路203は、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2の共振周波数に近い周波数(例えば、300[kHz])のパルス信号をCPU201より受信する。そして、超音波発信センサT1の駆動に必要な電圧となるようにパルス信号の電圧を変換する。即ち、超音波センサ駆動回路203は、超音波発信センサT1を駆動するためのパルス信号を生成する。
超音波発信センサT1は、超音波センサ駆動回路203から出力されたパルス信号を受信して、超音波を超音波受信センサT2に向けて発信する。
超音波受信センサT2は、超音波発信センサT1によって発信された超音波を受信して、受信した超音波の信号を電気信号に変換して増幅回路204に出力する。
超音波受信センサT2は、超音波発信センサT1によって発信された超音波を受信して、受信した超音波の信号を電気信号に変換して増幅回路204に出力する。
増幅回路204は、超音波受信センサT2より受信した受信信号を増幅(電圧増幅)して出力する。
AD変換回路205は、CPU201から出力されるAD変換タイミング指示信号に応じて、増幅回路204が増幅したアナログの受信信号をデジタル信号に変換する。変換結果は、CPU201へ出力される。
CPU201は、AD変換回路205の出力結果であるAD変換後の受信信号に基づいて、受信波の振幅レベル(受信波振幅)を算出する。この算出結果に基づいて搬送原稿の重送の有無が検知されることになる。なお、メモリ206は、各種データを保存する記憶手段として機能する。
AD変換回路205は、CPU201から出力されるAD変換タイミング指示信号に応じて、増幅回路204が増幅したアナログの受信信号をデジタル信号に変換する。変換結果は、CPU201へ出力される。
CPU201は、AD変換回路205の出力結果であるAD変換後の受信信号に基づいて、受信波の振幅レベル(受信波振幅)を算出する。この算出結果に基づいて搬送原稿の重送の有無が検知されることになる。なお、メモリ206は、各種データを保存する記憶手段として機能する。
図3は、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2の配置関係を説明するための部分拡大図である。
超音波発信センサT1は、図3に示すように、原稿102が搬送される搬送路を挟んだ一方に配置され、当該搬送路方向に向けて超音波を発信する。また、超音波受信センサT2は、搬送路を挟んだ他方に配置され、超音波発信センサT1から発信された超音波を受信する。このように、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2それぞれが配置される。
超音波発信センサT1は、図3に示すように、原稿102が搬送される搬送路を挟んだ一方に配置され、当該搬送路方向に向けて超音波を発信する。また、超音波受信センサT2は、搬送路を挟んだ他方に配置され、超音波発信センサT1から発信された超音波を受信する。このように、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2それぞれが配置される。
また、超音波発信センサT1から発せられた超音波は、原稿搬送路上の原稿102を透過して当該超音波受信センサT2に向けて伝搬し、伝搬してきた超音波は超音波受信センサT2により受信される。超音波受信センサT2が受信した超音波(受信信号)は、その強弱が電圧振幅に変換される。そして、変換結果は増幅回路204を介して増幅され、AD変換回路205を介してデジタル値に変換される。
図4は、超音波センサを用いて行う原稿102の単送、又は重送の識別方法の概要を説明するための図である。
なお、図中に示す「P1」は、超音波発信センサT1が超音波センサ駆動回路203から受け取るパルス信号であり、「P2」は、超音波受信センサT2が受信した超音波を電気信号に変換して出力した信号の波形である。なお、超音波発信センサT1が超音波センサ駆動回路203から受け取るパルス信号は、図4(a)〜(c)共通である。
なお、図中に示す「P1」は、超音波発信センサT1が超音波センサ駆動回路203から受け取るパルス信号であり、「P2」は、超音波受信センサT2が受信した超音波を電気信号に変換して出力した信号の波形である。なお、超音波発信センサT1が超音波センサ駆動回路203から受け取るパルス信号は、図4(a)〜(c)共通である。
図4(a)では、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に原稿が無い状態における、各超音波センサそれぞれの発信又は受信信号の波形を示している。
図4(b)では、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に1枚の原稿が存在する状態(単送状態)における、各超音波センサそれぞれの発信又は受信信号の波形を示している。
図4(c)は、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に2枚の原稿が存在する状態(重送状態)における、各超音波センサそれぞれの発信又は受信信号の波形を示している。
なお、超音波発信センサT1の入力に対して、超音波受信センサT2の出力のタイミングの遅れは、超音波発信センサT1が超音波を発信してから受信センサT2が超音波を受信するまでの超音波到達時間を表している。
図4(b)では、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に1枚の原稿が存在する状態(単送状態)における、各超音波センサそれぞれの発信又は受信信号の波形を示している。
図4(c)は、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に2枚の原稿が存在する状態(重送状態)における、各超音波センサそれぞれの発信又は受信信号の波形を示している。
なお、超音波発信センサT1の入力に対して、超音波受信センサT2の出力のタイミングの遅れは、超音波発信センサT1が超音波を発信してから受信センサT2が超音波を受信するまでの超音波到達時間を表している。
例えば、原稿102が両センサ間の原稿搬送路上に存在しない場合(図4(a))、超音波の振幅が減衰しない(原稿による減衰:無し)。これと比較して、原稿102が両センサ間の原稿搬送路上に存在する場合(図4(b))、超音波が原稿102を透過する際に超音波の振幅が相対的に大きく減衰することが見て取れる(原稿による減衰:小)。
また、両センサ間の原稿搬送路上に原稿102が複数枚存在する場合(図4(c))、この大きな減衰が複数回発生するため、複数枚の原稿を透過した超音波の振幅は原稿が1枚であった場合に比べてさらに大きく減衰することが見て取れる(原稿による減衰:大)。
つまり、原稿102の「単送」時における受信波の振幅と、原稿102の「重送」時における受信波の振幅には差分が生じる。例えば、「重送」時における振幅の方が相対的に小さくなることから、この差分に基づいて重送であるか否かを判別することができる。
つまり、原稿102の「単送」時における受信波の振幅と、原稿102の「重送」時における受信波の振幅には差分が生じる。例えば、「重送」時における振幅の方が相対的に小さくなることから、この差分に基づいて重送であるか否かを判別することができる。
なお、一般に原稿の厚みや種類によっても超音波の減衰量は異なるが、原稿の厚みや種類による減衰量の変動に比べて原稿枚数(1枚又は複数枚)による減衰量の差分の方が圧倒的に大きい。そのため、原稿の厚みや種類によらず重送であるか否かを検知することは可能である。
図5は、超音波センサ駆動回路203の詳細を示す図である。
CPU201は、通常3.3[V]程度の電圧で動作をしている。そのためCPU201が出力する超音波発信信号も3.3[V]振幅のパルス信号となる。
一方、超音波発信センサT1が出力した超音波を超音波受信センサT2に伝達させるためにはより高電圧(例えば、24[V])による駆動が必要となる。
CPU201は、通常3.3[V]程度の電圧で動作をしている。そのためCPU201が出力する超音波発信信号も3.3[V]振幅のパルス信号となる。
一方、超音波発信センサT1が出力した超音波を超音波受信センサT2に伝達させるためにはより高電圧(例えば、24[V])による駆動が必要となる。
例えば、超音波発信センサT1に与えるパルスの電圧が低すぎる場合、超音波受信センサT2が受信できる超音波強度が小さくなってしまう。そのため、大きな増幅度をかけたとしても受信信号は暗ノイズに埋もれてしまい重送状態であるか否かの判別ができない。このような理由で超音波センサ駆動回路203はCPU201が出力したパルス信号の振幅(電圧)を3.3[V]から24[V]へと変換する回路となる。
搬送装置100では、例えばトランジスタ(TR1)とFET(TR2)を用いて3.3[V]から24[V]へと変換を行っている。
なお、このような回路では立ち上がり特性と立下り特性が同じではないために入力波形(3.3[V])と出力波形(24[V])のDUTY(デューティ比)が異なるのが通常である。
この特性差はトランジスタ(FET)のON/OFF特性差、トランジスタのベース(FETのゲート)の駆動信号の立ち上がり/下がり時間差等が要因となり発生をする。
そのため、回路構成が決定した時点で入力波形(3.3[V])と出力波形(24[V])におけるDUTYの変動を加味した上で出力波形のDUTYが50[%]になるように入力波形(3.3[V])のDUTYを決定する必要がある。
なお、このような回路では立ち上がり特性と立下り特性が同じではないために入力波形(3.3[V])と出力波形(24[V])のDUTY(デューティ比)が異なるのが通常である。
この特性差はトランジスタ(FET)のON/OFF特性差、トランジスタのベース(FETのゲート)の駆動信号の立ち上がり/下がり時間差等が要因となり発生をする。
そのため、回路構成が決定した時点で入力波形(3.3[V])と出力波形(24[V])におけるDUTYの変動を加味した上で出力波形のDUTYが50[%]になるように入力波形(3.3[V])のDUTYを決定する必要がある。
なお、DUTYの変動要因であるトランジスタ(FET)のON/OFF特性等は、製造バラつき、あるいは固有の温度特性を有している。そのため、機体毎に最適な入力波形のDUTYが異なるため、同一機体であっても環境変動に応じて最適な入力波形のDUTYが変化することになる。
図6は、増幅回路204、AD変換回路205の構成の一例を説明するための図である。
増幅回路204は、超音波受信センサT2からの微小な信号に対し大きな増幅をかけるため複数段の増幅回路によって構成される。
例えば、増幅回路204は、反転増幅回路601、602を含んで構成される。また、AD変換回路205は、AD変換器603、604を含んで構成される。
増幅回路204は、超音波受信センサT2からの微小な信号に対し大きな増幅をかけるため複数段の増幅回路によって構成される。
例えば、増幅回路204は、反転増幅回路601、602を含んで構成される。また、AD変換回路205は、AD変換器603、604を含んで構成される。
反転増幅回路601の出力は、AD変換器603へ入力される。また、反転増幅回路602の出力は、AD変換器604へ入力される。
これは、超音波発信センサT1に対する超音波発信センサ駆動信号のDUTYの変動を補正するための制御を「原稿が無い状態での検出」を行うためである。詳細は後述する。
これは、超音波発信センサT1に対する超音波発信センサ駆動信号のDUTYの変動を補正するための制御を「原稿が無い状態での検出」を行うためである。詳細は後述する。
前述したように、超音波センサを用いた検知では、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2との間に「原稿が無い状態」の場合と「原稿が存在する状態」の場合とでは超音波の減衰量が大きく異なる。そのため、同じ増幅率で受信波を測定しようとすると、いずれか一方の信号が飽和、あるいは信号がつぶれてしまい正しく受信波を測定することができなくなる。
なお、信号が飽和するとは、振幅が大き過ぎて増幅回路204の出力電圧範囲を超える場合、あるいはAD変換回路205の入力電圧範囲を超える場合のような状態である。また、信号がつぶれるとは、振幅が小さすぎてしまい暗ノイズに埋もれるような状態である。
なお、信号が飽和するとは、振幅が大き過ぎて増幅回路204の出力電圧範囲を超える場合、あるいはAD変換回路205の入力電圧範囲を超える場合のような状態である。また、信号がつぶれるとは、振幅が小さすぎてしまい暗ノイズに埋もれるような状態である。
図7は、増幅回路204、AD変換回路205の機能の一例を説明するための図である。
図7(a)は、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2の両センサ間の原稿搬送路上に原稿が無い状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器603の入力信号の波形を示している。
図7(b)は、両センサ間の原稿搬送路上に原稿が無い状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器604の入力信号の波形を示している。
図7(c)は、両センサ間の原稿搬送路上に原稿が存在する状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器603の入力信号の波形を示している。
図7(d)は、両センサ間の原稿搬送路上に原稿が存在する状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器604の入力信号の波形を示している。
図7(a)は、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2の両センサ間の原稿搬送路上に原稿が無い状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器603の入力信号の波形を示している。
図7(b)は、両センサ間の原稿搬送路上に原稿が無い状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器604の入力信号の波形を示している。
図7(c)は、両センサ間の原稿搬送路上に原稿が存在する状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器603の入力信号の波形を示している。
図7(d)は、両センサ間の原稿搬送路上に原稿が存在する状態で超音波発信センサT1から超音波を発信させた際のAD変換器604の入力信号の波形を示している。
例えば、図7(b)に示すような場合では、超音波の減衰量が少ない「原稿が無い状態」(紙無し時)のときに大きな増幅率の回路(反転増幅回路601と反転増幅回路602)を介して増幅していることになる。そのため、増幅した波形は反転増幅回路602の出力電圧範囲を超えており波形が飽和していることが見て取れる。つまりこの場合、正確に受信波振幅を取得することができないことになる。
また、図7(c)に示すような場合では、超音波の減衰量が大きい「原稿が存在する状態」(紙有り時)のときに小さな増幅率の回路(反転増幅回路601)を介して増幅していることになる。そのため、十分な増幅率をかけていないため増幅した波形は暗ノイズ(暗ノイズレベル)に受信波が埋もれていることが見て取れる。つまりこの場合でも、正確に受信波振幅を取得することができないことになる。
このように「原稿が無い状態」のときに大きな増幅率をかけてしまうと信号が飽和してしまい正しい振幅差が検知できない。また、「原稿が存在する状態」のときに増幅率を小さくしてしまうと信号がつぶれてしまい、同様に正しい振幅差が検知できない。
このような問題を解決するためには、超音波の減衰量が小さい「原稿が無い状態」、つまり紙無し時における振幅レベルは増幅率が小さな信号(図7(a))の振幅を検知する必要がある。また、減衰量の大きい「原稿が存在する状態」、つまり紙有り時における振幅レベルは増幅率の大きな信号(図7(d))の振幅を検知する必要がある。
なお、「原稿が存在する状態」の場合に単送もしくは重送が検知されることになる。また、反転増幅回路によって極性が反転してしまうが、検知するのは受信波の振幅であるため問題は無い。
このような問題を解決するためには、超音波の減衰量が小さい「原稿が無い状態」、つまり紙無し時における振幅レベルは増幅率が小さな信号(図7(a))の振幅を検知する必要がある。また、減衰量の大きい「原稿が存在する状態」、つまり紙有り時における振幅レベルは増幅率の大きな信号(図7(d))の振幅を検知する必要がある。
なお、「原稿が存在する状態」の場合に単送もしくは重送が検知されることになる。また、反転増幅回路によって極性が反転してしまうが、検知するのは受信波の振幅であるため問題は無い。
図8は、搬送装置100が行う重送検知処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示す各処理は、主としてCPU201により実行される。
CPU201は、読み取り開始指示を受けた場合、超音波発信センサ駆動信号のDUTYを初期値「Ds」に設定する(S801)。なお、本実施形態においては、例えばDs=45[%]とする。
CPU201は、超音波発信センサT1から超音波を発信させる(S802)。
具体的には、CPU201が超音波センサ駆動回路203を介して超音波発信センサ駆動信号を出力し、超音波センサ駆動回路203からの信号を受信した超音波発信センサT1は、超音波受信センサT2に向けて超音波を発信する。また、超音波発信センサT1によって発信された超音波を受信した超音波受信センサT2は、受信した超音波の信号を電気信号に変換して増幅回路204に出力する。
具体的には、CPU201が超音波センサ駆動回路203を介して超音波発信センサ駆動信号を出力し、超音波センサ駆動回路203からの信号を受信した超音波発信センサT1は、超音波受信センサT2に向けて超音波を発信する。また、超音波発信センサT1によって発信された超音波を受信した超音波受信センサT2は、受信した超音波の信号を電気信号に変換して増幅回路204に出力する。
また、増幅回路204は、超音波受信センサT2が受信した受信信号を電圧増幅して出力する。なお、この場合には反転増幅回路601の出力信号を用いる。AD変換器603は、増幅された受信信号に対してCPU201から出力されるAD変換開始信号に応じてAD変換を行いCPU201へと出力する。
CPU201は、AD変換後に出力された受信信号に対してサンプリング、平均化を行い、超音波受信センサT2の受信結果である受信波の振幅レベル(受信波振幅レベル)を算出する(S803)。なお、受信波振幅レベルの算出方法の詳細は後述する。
CPU201は、算出結果を「DUTY=45[%]」時における受信波振幅レベルをA45としてメモリ206に記憶する(S804)。
なお、ステップS804の処理では、DUTYの設定値と受信波振幅レベルを対応させてメモリ206に記憶する。例えば、「DUTY=45[%]」時における受信波振幅レベルをA45、「DUTY=46[%]」時における受信波振幅レベルをA46、「DUTY=55[%]」時における受信波振幅レベルをA55などとして記憶する。
CPU201は、算出結果を「DUTY=45[%]」時における受信波振幅レベルをA45としてメモリ206に記憶する(S804)。
なお、ステップS804の処理では、DUTYの設定値と受信波振幅レベルを対応させてメモリ206に記憶する。例えば、「DUTY=45[%]」時における受信波振幅レベルをA45、「DUTY=46[%]」時における受信波振幅レベルをA46、「DUTY=55[%]」時における受信波振幅レベルをA55などとして記憶する。
CPU201は、超音波発信センサ駆動信号のDUTYが所定の値De(例えば、De=55[%])よりも小さいか否かを判別する(S805)。DUTYが所定値Deよりも小さい場合(S805:Yes)、CPU201は、DUTYの設定値を所定値(例えば、1[%])だけ増加させる。その後、ステップS802の処理に戻る。
CPU201は、DUTYが所定の値Deよりも大きい場合(S805:No)、各設定値それぞれにおいて取得した受信波振幅レベル(A45〜A55)の中で最も振幅値の大きなものを特定する。特定した受信波振幅レベルを、シート通紙時の超音波発信センサ駆動信号のDUTY(以下、駆動DUTYと称す)の設定値「Dr」として決定する(S807)。
このように最も大きな振幅値のDUTYを駆動DUTYとして決定することにより、先述した超音波センサ駆動回路203の素子バラつきによるDUTYの変動があった場合にも対処することができる。具体的には、超音波発信センサを駆動する超音波センサ駆動回路203の出力信号のDUTYを最大効率となる50[%]に合わせ込むことができる。
このように最も大きな振幅値のDUTYを駆動DUTYとして決定することにより、先述した超音波センサ駆動回路203の素子バラつきによるDUTYの変動があった場合にも対処することができる。具体的には、超音波発信センサを駆動する超音波センサ駆動回路203の出力信号のDUTYを最大効率となる50[%]に合わせ込むことができる。
CPU201は、原稿の給紙、搬送を開始する(S808)。
CPU201は、原稿の先端が分離部を通過したことを分離センサS2を介して検出(紙パスセンサON)した後(S809)、原稿の先端が超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に到達するまで所定時間待機する(S810)。この所定時間は、分離センサS2から超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上の位置までの距離と搬送速度から決められた時間である。
CPU201は、原稿の先端が分離部を通過したことを分離センサS2を介して検出(紙パスセンサON)した後(S809)、原稿の先端が超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に到達するまで所定時間待機する(S810)。この所定時間は、分離センサS2から超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上の位置までの距離と搬送速度から決められた時間である。
CPU201は、超音波発信センサT1から超音波を発信させる(S811)。
具体的には、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に原稿が存在する状態において、CPU201は、超音波を発信するための駆動信号を設定値「Dr」で出力する。
超音波発信センサT1は、超音波センサ駆動回路203からのパルス信号を受信し超音波を超音波受信センサT2に向けて発信する。また、超音波受信センサT2は、超音波発信センサT1によって発信された超音波を受信し、受信した超音波の信号を電気信号に変換して増幅回路204に出力する。
具体的には、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に原稿が存在する状態において、CPU201は、超音波を発信するための駆動信号を設定値「Dr」で出力する。
超音波発信センサT1は、超音波センサ駆動回路203からのパルス信号を受信し超音波を超音波受信センサT2に向けて発信する。また、超音波受信センサT2は、超音波発信センサT1によって発信された超音波を受信し、受信した超音波の信号を電気信号に変換して増幅回路204に出力する。
また、増幅回路204は、超音波受信センサT2より受信した受信信号を電圧増幅して出力する。なお、この場合には反転増幅回路602からの出力信号を用いる。AD変換器604は、増幅された受信信号に対してCPU201から出力されるAD変換開始信号に応じてAD変換を行いCPU201へと出力する。
CPU201は、超音波発信センサT1、超音波受信センサT2に挟まれた原稿搬送路上に原稿が存在する状態における超音波受信センサT2の受信結果の受信波振幅レベル(以下、紙有り時受信波振幅レベルと称す)を算出する(S812)。
CPU201は、搬送される原稿が重送であるか否かを判別する(S813)。具体的には、算出した紙有り時受信波振幅レベルが予め定められた閾値と比較し、比較結果に応じて重送状態であるか否かを検知する。例えば、閾値を上回った場合には「単送」であると判別し、閾値を下回った場合には「重送」であると判別する。なお、重送状態と単送状態を識別するための閾値は、予め実験等にて決定される値である。
CPU201は、搬送される原稿が重送であるか否かを判別する(S813)。具体的には、算出した紙有り時受信波振幅レベルが予め定められた閾値と比較し、比較結果に応じて重送状態であるか否かを検知する。例えば、閾値を上回った場合には「単送」であると判別し、閾値を下回った場合には「重送」であると判別する。なお、重送状態と単送状態を識別するための閾値は、予め実験等にて決定される値である。
例えばこの閾値は、搬送対象となる原稿の内、単送状態で最も超音波の減衰量の高い(受信波の振幅が小さいもの)シートの受信波振幅レベルと、重送状態で最も超音波の減衰量の低い(受信波の振幅が大きいもの)シートの受信波振幅レベルから決定する。具体的には、単送状態における受信波レベルと重送状態における受信波レベルの間に含まれるように閾値レベルを設定する。
CPU201は、原稿の搬送状態が重送状態であると判別した場合(S813:Yes)、重送処理として原稿搬送モータ202の駆動を停止させる(S814)。
このように制御することにより、搬送装置100では、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2間の搬送路上に原稿が存在しないタイミングに超音波発信センサ駆動信号のDUTYをスイープさせる。そして、超音波受信信号の受信レベルが所定値(本実施形態では最大振幅)となるようにDUTYの調整を行う。このようにして出力音波強度の変動を抑制する。
なお、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2間の搬送路上に原稿が存在しないタイミングは、例えばJOB開始前、電源ON直後の初期調整期間、搬送されるシートと次のシートとの間などのタイミングである。
なお、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2間の搬送路上に原稿が存在しないタイミングは、例えばJOB開始前、電源ON直後の初期調整期間、搬送されるシートと次のシートとの間などのタイミングである。
図9は、超音波受信センサT2が受信した受信波の振幅を算出する方法の一例を説明するための図である。
超音波受信センサT2は、超音波発信センサT1から発信された超音波を受信して、受信した超音波の信号を電気信号に変換して変換結果を増幅回路204に出力する。
増幅回路204は、超音波受信センサT2が受信した受信信号を電圧増幅して出力する。
AD変換器603は、CPU201から出力されるAD変換開始信号を受信した時点から離散的にサンプリングし、デジタル値への変換を行う。
なお、離散的にサンプリングを行う範囲は、図9に示すように、受信波形の任意の1周期分の期間(本実施形態では、300[kHz]で超音波を駆動するため1周期は3.3[μs])である。
超音波受信センサT2は、超音波発信センサT1から発信された超音波を受信して、受信した超音波の信号を電気信号に変換して変換結果を増幅回路204に出力する。
増幅回路204は、超音波受信センサT2が受信した受信信号を電圧増幅して出力する。
AD変換器603は、CPU201から出力されるAD変換開始信号を受信した時点から離散的にサンプリングし、デジタル値への変換を行う。
なお、離散的にサンプリングを行う範囲は、図9に示すように、受信波形の任意の1周期分の期間(本実施形態では、300[kHz]で超音波を駆動するため1周期は3.3[μs])である。
また、受信波形の振幅を正しく検知するためのサンプリング間隔は超音波の駆動周期に対して十分に小さい必要がある。
例えば、本実施形態に係る搬送装置100では、300[kHz]で超音波を駆動するのでその1周期は3.3[μs]となる。この周期に対して8回のサンプリングを行う場合、0.41[μs]のサンプリング間隔でデジタル値への変換を行う。
このように音波の駆動周期に対して十分に小さい間隔でサンプリングを行い、そこに含まれる最小値と最大値との差分を取得して受信波の任意の1波分の振幅を算出する。
例えば、本実施形態に係る搬送装置100では、300[kHz]で超音波を駆動するのでその1周期は3.3[μs]となる。この周期に対して8回のサンプリングを行う場合、0.41[μs]のサンプリング間隔でデジタル値への変換を行う。
このように音波の駆動周期に対して十分に小さい間隔でサンプリングを行い、そこに含まれる最小値と最大値との差分を取得して受信波の任意の1波分の振幅を算出する。
例えば、図9下段に示すサンプルポイントA〜Hでは、受信波振幅=MAX(A、B、C、D、E、F、G、H)−MIN(A、B、C、D、E、F、G、H)となる。つまり、電圧値が最小なのはサンプルポイントA、電圧値が最大なのはサンプルポイントEであるので受信波振幅=サンプルポイントEの電圧値−サンプルポイント値Aの電圧値となる。
なお、超音波受信センサT2の出力は微小であり増幅回路204において大きな増幅率をかけているため、外来ノイズによる影響が大きくなる。つまり、各サンプルポイントで1度のサンプリングの結果のみに基づいて受信波振幅を算出してしまうと、正しい振幅レベルを算出することができないことになる。
そのため、振幅検知のために超音波発信センサの駆動を複数回行い(例えば、8回)、各サンプルポイント毎に複数回のサンプリング結果の平均値を用いて振幅を算出することが望ましい。
なお、超音波受信センサT2の出力は微小であり増幅回路204において大きな増幅率をかけているため、外来ノイズによる影響が大きくなる。つまり、各サンプルポイントで1度のサンプリングの結果のみに基づいて受信波振幅を算出してしまうと、正しい振幅レベルを算出することができないことになる。
そのため、振幅検知のために超音波発信センサの駆動を複数回行い(例えば、8回)、各サンプルポイント毎に複数回のサンプリング結果の平均値を用いて振幅を算出することが望ましい。
図10は、受信波を複数回(8回)サンプリングしたときの各サンプルポイントの電圧値算出方法の一例を説明するための図である。
なお、図10では、同一のサンプルタイミングで複数回サンプリングしてその結果を平均化したもの(例えば サンプルポイントAでは、A[1]〜A[8])を前述した「紙無し時発信有りサンプル値」(以下、A[ave]と称す)として示している。
例えば、サンプルポイントAでは、A[ave]=(A[1]+A[2]+A[3]+A[4]+A[5]+A[6]+A[7]+A[8])/8となる。
なお、図10では、同一のサンプルタイミングで複数回サンプリングしてその結果を平均化したもの(例えば サンプルポイントAでは、A[1]〜A[8])を前述した「紙無し時発信有りサンプル値」(以下、A[ave]と称す)として示している。
例えば、サンプルポイントAでは、A[ave]=(A[1]+A[2]+A[3]+A[4]+A[5]+A[6]+A[7]+A[8])/8となる。
なお、複数回の超音波受信センサT2の駆動を行った場合であっても時間方向へのばらつきはほとんど無い。そのため、平均化の処理を行うことによって外来ノイズ(振幅方向でのバラつき)の除去を行うことができる。
このように、本実施形態に係る搬送装置100では、超音波発信センサ駆動信号のDUTYをスイープさせて超音波受信信号の受信レベルが所定値となるようにDUTYの調整を行う。これにより、例えば超音波発信駆動回路の温度変化、あるいは製造バラつきなどを要因とする出力音波強度の変動を抑制することができるため、より精度の高い重送検知を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では自動で原稿を搬送する搬送装置を例に挙げて説明を行ったが、その他にも原稿などのシートを順次搬送する搬送装置などにも本発明を適用することができる。
また、本実施形態では増幅回路が2つ有する場合を例に挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、単一の増幅回路にて複数の増幅率(第1の増幅率、第2増幅率など)それぞれで波形の増幅が可能な可変増幅率の増幅回路を用いても良い。
なお、本実施形態では自動で原稿を搬送する搬送装置を例に挙げて説明を行ったが、その他にも原稿などのシートを順次搬送する搬送装置などにも本発明を適用することができる。
また、本実施形態では増幅回路が2つ有する場合を例に挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、単一の増幅回路にて複数の増幅率(第1の増幅率、第2増幅率など)それぞれで波形の増幅が可能な可変増幅率の増幅回路を用いても良い。
上記説明した実施形態は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲が、これらの例に限定されるものではない。
100・・・搬送装置、101・・・原稿トレイ、102・・・原稿、103・・・給紙ローラ、104・・・分離搬送ローラ、105・・・分離搬送従動ローラ、106・・・レジストローラ、107・・・レジスト従動ローラ、108・・・リードローラ、109・・・リード従動ローラ、110・・・プラテンガイド、111・・・リード排出ローラ、112・・・リード排出従動ローラ、113・・・排紙ローラ、114・・・排紙トレイ、115・・・画像読取部、116・・・読取ガラス、117・・・ジャンプ台、118・・・原稿台ガラス、119・・・ランプ、120、121、122・・・ミラー、123・・・第1ミラー台、124・・・第2ミラー台、125・・・レンズ、126・・・CCD(ラインセンサ)、127・・・基準白板、201・・・CPU、202・・・原稿搬送モータ、203・・・超音波センサ駆動回路、204・・・増幅回路、205・・・AD変換回路、206・・・メモリ、601、602・・・反転増幅回路、603、604・・・AD変換器、S・・・画像形成システム、T1・・・超音波発信センサ、T2・・・超音波受信センサ、S1・・・トレイ原稿有無センサ、S2・・・分離センサ。
Claims (10)
- シートを搬送する搬送手段と、
前記シートが搬送される搬送路を挟んだ一方に配置され、当該搬送路方向に向けて超音波を発信する超音波発信手段と、
前記超音波発信手段の駆動信号を生成する生成手段と、
前記搬送路を挟んだ他方に配置され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する超音波受信手段と、
前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがない状態で、且つ、前記生成手段が生成する前記駆動信号のデューティ比を変えて複数回当該超音波発信手段を駆動し、その際の前記超音波受信手段の受信結果に応じて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがある状態における前記駆動信号のデューティ比を決定する制御手段と、
前記制御手段が決定した前記駆動信号に応じて発信された超音波の受信結果に基づいてシートが重送されているか否かを判別する判別手段と、を有することを特徴とする、
搬送装置。 - 前記制御手段は、前記生成手段が生成する前記駆動信号のデューティ比が所定の値を超えるまで当該デューティ比を変えて前記超音波発信手段を駆動することを特徴とする、
請求項1に記載の搬送装置。 - 前記制御手段は、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがない状態で、且つ、前記生成手段が生成する前記駆動信号のデューティ比を変えて複数回当該超音波発信手段を駆動し、その際の前記超音波受信手段の受信結果の中で最も振幅値の大きいものを前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがある状態における前記駆動信号のデューティ比として決定することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の搬送装置。 - 前記超音波受信手段の受信信号を増幅する増幅手段を有し、
前記増幅手段は、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがない状態では前記超音波受信手段の受信信号を第1の増幅率で増幅し、
前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがある状態では前記超音波受信手段の受信信号を前記第1の増幅率よりも相対的に高い第2の増幅率で増幅することを特徴とする、
請求項1、2又は3に記載の搬送装置。 - 前記増幅手段は、前記第1の増幅率で前記受信信号を増幅する第1の増幅手段と、前記第2の増幅率で前記受信信号を増幅する第2の増幅手段と、を有することを特徴とする、
請求項4に記載の搬送装置。 - 前記第1の増幅率で増幅された受信信号をデジタル値に変換して出力する第1の変換手段と、
前記第2の増幅率で増幅された受信信号をデジタル値に変換して出力する第2の変換手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1の変換手段の出力結果に基づいて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に前記シートがある状態における前記駆動信号のデューティ比を決定し、
前記判別手段は、前記第2の変換手段の出力結果と所定の閾値を比較して、比較結果に応じてシートが重送されているか否かを判別することを特徴とする、
請求項4又は5に記載の搬送装置。 - 前記制御手段は、前記判別手段がシートが重送されていると判別した場合、前記搬送手段の駆動を停止することを特徴とする、
請求項1乃至6いずれか一項に記載の搬送装置。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載の搬送装置が搬送するシートの画像を読み取る読取手段を有することを特徴とする、
読取装置。 - 請求項8に記載の読取装置が読み取った読取データに基づいて所定の記録媒体に画像を形成する画像形成手段を有することを特徴とする、
画像形成装置。 - 請求項8に記載の読取装置と、
前記読取装置で読み取られた読取データに基づいて所定の記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、を有することを特徴とする、
画像形成システム。
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2017
- 2017-03-27 JP JP2017061758A patent/JP2018162154A/ja active Pending
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