以下、本発明の一側面に係る重送検出装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、イメージスキャナとして構成された重送検出装置100を示す斜視図である。なお、以下では、重送検出装置100が、用紙又はプラスチックカード等の原稿を搬送する原稿搬送装置である場合を例にして説明するが、重送検出装置100は、用紙又はプラスチックカード等の媒体を搬送する装置であればどのような装置でもよい。例えば、重送検出装置100は、ファクシミリ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
重送検出装置100は、原稿搬送装置であり、下側筐体101、上側筐体102、原稿台103、排出台105及び操作ボタン106等を備える。
上側筐体102は、重送検出装置100の上面を覆う位置に配置され、原稿つまり時、重送検出装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
原稿台103は、原稿を載置可能に下側筐体101に係合している。原稿台103には、原稿の搬送方向と直行する方向に移動可能なサイドガイド104a及び104bが設けられている。以下では、サイドガイド104a及び104bを総じてサイドガイド104と称する場合がある。
排出台105は、矢印A1で示す方向に回転可能なように、ヒンジにより下側筐体101に係合しており、図1のように開いている状態では、排出された原稿を保持することが可能となる。
操作ボタン106は、上側筐体102の表面に配置され、押下されると、操作検出信号を生成して出力する。
図2は、重送検出装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
重送検出装置100内部の搬送経路は、原稿検出センサ111、給送ローラ112、リタードローラ113、超音波発振器115a、超音波受信器115b、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第1撮像装置119a、第2撮像装置119b、第2搬送ローラ120及び第2従動ローラ121等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
下側筐体101の上面は原稿の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は原稿の搬送路の上側ガイド107bを形成する。図2において矢印A2は原稿の搬送方向を示す。以下では、上流とは原稿の搬送方向A2の上流のことをいい、下流とは原稿の搬送方向A2の下流のことをいう。
原稿検出センサ111は、給送ローラ112及びリタードローラ113の上流側に配置される接触検出センサを有し、原稿台103に原稿が載置されているか否かを検出する。原稿検出センサ111は、原稿台103に原稿が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する原稿検出信号を生成して出力する。
超音波発振器115a及び超音波受信器115bは、原稿の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発振器115aは所定期間毎に超音波を出力する。一方、超音波受信器115bは、超音波発振器115aにより発振され、原稿を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波発振器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と称する場合がある。
第1撮像装置119aは、主走査方向に直線状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の裏面を読み取ってアナログの画像信号を生成して出力する。同様に、第2撮像装置119bは、主走査方向に直線状に配列されたCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の表面を読み取ってアナログの画像信号を生成して出力する。なお、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを一方だけ配置し、原稿の片面だけを読み取るようにしてもよい。また、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)を利用することもできる。以下では、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを総じて撮像装置119と称する場合がある。
原稿台103に載置された原稿は、給送ローラ112が図2の矢印A3の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を原稿搬送方向A2に向かって搬送される。リタードローラ113は、原稿搬送時、図2の矢印A4の方向に回転する。給送ローラ112及びリタードローラ113の働きにより、原稿台103に複数の原稿が載置されている場合、原稿台103に載置されている原稿のうち給送ローラ112と接触している原稿のみが分離される。これにより、分離された原稿以外の原稿の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。給送ローラ112及びリタードローラ113は、原稿の分離部として機能する。
原稿は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117の間に送り込まれる。原稿は、第1搬送ローラ116が図2の矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置119aと第2撮像装置119bの間に送り込まれる。撮像装置119により読み取られた原稿は、第2搬送ローラ120が図2の矢印A6の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
図3は、重送検出装置100の概略構成を示すブロック図である。
重送検出装置100は、前述した構成に加えて、第1画像A/D変換器130a、第2画像A/D変換器130b、絶対値信号生成回路131、超音波A/D変換器132、ピーク検出回路133、駆動装置134、インタフェース装置135、温度センサ136、湿度センサ137、気圧センサ138、記憶装置150、CPU(Central Processing Unit)160及び処理回路170等をさらに有する。
第1画像A/D変換器130aは、第1撮像装置119aから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU160に出力する。同様に、第2画像A/D変換器130bは、第2撮像装置119bから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU160及び処理回路170に出力する。以下、これらのデジタルの画像データを読取画像と称する。また、以下では、第1画像A/D変換器130a及び第2画像A/D変換器130bを総じて画像A/D変換器130と称する場合がある。
絶対値信号生成回路131は、超音波センサ115から出力されたアナログの超音波信号の絶対値を取った絶対値信号を生成し、超音波A/D変換器132及びピーク検出回路133に出力する。
超音波A/D変換器132は、絶対値信号生成回路131から出力された絶対値信号をアナログデジタル変換してデジタルの超音波信号を生成し、CPU160に出力する。
ピーク検出回路133は、絶対値信号生成回路131から出力された絶対値信号のピークを検出し、ピークが発生した時間を示すピーク検出信号を生成し、CPU160に出力する。
駆動装置134は、1つ又は複数のモータを含み、CPU160からの制御信号によって、給送ローラ112、リタードローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ120を回転させて原稿の搬送動作を行う。
インタフェース装置135は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置135の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
温度センサ136は、重送検出装置100における温度(気温)を検出し、検出した温度を示す温度情報をCPU160に出力する。
湿度センサ137は、重送検出装置100における湿度を検出し、検出した湿度を示す湿度情報をCPU160に出力する。
気圧センサ138は、重送検出装置100における気圧を検出し、検出した気圧を示す気圧情報をCPU160に出力する。
記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、重送検出装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等である。さらに、記憶装置150には、読取画像が格納される。
CPU160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、CPU160に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等が用いられてもよい。また、CPU160に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
CPU160は、操作ボタン106、原稿検出センサ111、第1撮像装置119a、第2撮像装置119b、第1画像A/D変換器130a、第2画像A/D変換器130b、超音波A/D変換器132、ピーク検出回路133、駆動装置134、インタフェース装置135、温度センサ136、湿度センサ137、気圧センサ138、記憶装置150及び処理回路170等と接続され、これらの各部を制御する。CPU160は、駆動装置134の駆動制御、撮像装置119の原稿読取制御等を行い、読取画像を取得する。また、CPU160は、ピーク検出回路133及び超音波A/D変換器132から出力された各信号に基づいて重送検出処理等を行う。
処理回路170は、読取画像から出力された読取画像に所定の画像処理を実行し、画像処理が実行された読取画像を記憶装置150に格納する。なお、処理回路170の代わりに、DSP、LSI,ASIC又はFPGA等が用いられてもよい。
図4は、ピーク検出回路133の回路図の一例を示す。
図4に示すように、ピーク検出回路133は、オペアンプ142、147、ダイオード143、抵抗144、146、148及びコンデンサ145等を有する。入力端子141は絶対値信号生成回路131と接続され、出力端子149はCPU160と接続される。
オペアンプ142の非反転入力端子は入力端子141に接続され、その出力端子はダイオード143のアノードに接続され、その反転入力端子はダイオード143のカソードに接続される。ダイオード143のカソードは、さらに抵抗144を介してコンデンサ145の一端に接続される。コンデンサ145の他端は、アースに接続される。ダイオード143のカソードは、さらに抵抗146を介してアースに接続される。また、ダイオード143のカソードは、さらにオペアンプ147の非反転入力端子に接続される。オペアンプ147の反転入力端子は、入力端子141に接続され、その出力端子は出力端子149に接続されるとともに、抵抗148を介してその非反転入力端子に接続される。
ダイオード143は、オペアンプ142の出力端子側への電流の流れを阻止する。オペアンプ142は、非反転入力端子と反転入力端子における電位差が0Vになるように出力電圧を制御し、その結果、ダイオード143の順方向電圧降下により降下した電圧を上昇させる。コンデンサ145は、入力端子141からの入力電圧によって充電され、一定の時定数(=(コンデンサ145の容量値C)/(抵抗144の抵抗値R1+抵抗146の抵抗値R2))に従って放電される。なお、コンデンサ145の容量値C及び抵抗144の抵抗値R1は、概ね次式を満たすように設定される。
f=1/(2π・R1・C)
ここで、fは入力端子141からの入力電圧の(立ち上がりの)基本周波数である。
オペアンプ147は、コンパレータとして動作し、入力端子141からの入力電圧が、コンデンサ145に充電された電圧より小さくなったタイミングで出力電圧を変化させる。また、ピーク検出回路133では、オペアンプ147の出力電圧を抵抗148を介して正帰還させている。これにより、ピーク検出回路133の雑音耐性が向上し、特に、入力端子141からの入力電圧のSN比(信号対雑音比)が小さい場合等に、入力電圧のピークが誤検出されることが抑制される。
図5は、重送検出装置100が生成する各信号(電圧)の例を示すグラフである。図5に示す各グラフの横軸は時間を示し、縦軸は信号値を示す。
図5に示すグラフ500は、超音波発振器115aに超音波を出力させるために、超音波発振器115aに入力される駆動信号501の例を示す。図5に示すように、駆動信号501は、信号値が、超音波発振器115aに超音波を出力させる値と超音波発振器115aに超音波を出力させない値との間で一定周期毎に所定回数(図5に示す例では4回)変化するクロック信号である。
グラフ510は、駆動信号501に従って出力される超音波に対して生成された超音波信号の絶対値を取った絶対値信号511の例を示す。絶対値信号511は、図4のA点において計測される。図5に示すように、超音波発振器115aにより送信された超音波は、原稿を通過してから超音波受信器115bに達するため、伝搬時間T1が経過してから超音波受信器115bに伝搬される。超音波受信器115bは、超音波発振器115aにより出力された超音波を駆動信号501の周期毎に累積して検出する。そのため、絶対値信号511の信号値は、駆動信号501の最初の周期に対応する超音波を受信したタイミングP1から徐々に増大していき、駆動信号501の最後の周期に対応する超音波を受信したタイミングP2から徐々に低下していく。
グラフ520は、絶対値信号511が入力端子141に入力された場合に、図4のオペアンプ142の出力端子に現れる信号521と、ダイオード143を通過した通過信号522の例を示す。図5に示すように、オペアンプ142の反転入力端子信号522と、非反転入力端子信号511との電位差が0Vとなるように出力信号521が制御されるため、出力信号521の信号値は、絶対値信号511の信号値に対して、ダイオード143の順方向電圧降下によってわずかに高い電位となっている。
グラフ530は、絶対値信号511が入力端子141に入力された場合に、図4のC点において計測されるピークホールド信号531の例を示す。図5に示すように、通過信号522の信号値がタイミングP2において低下し始めてからも、ピークホールド信号531のピーク値(極大値)はホールドされ、一定の時定数に従ってゆるやかに低下する。
グラフ540は、絶対値信号511が入力端子141に入力された場合に、出力端子149から出力されるピーク検出信号541の例を示す。ピーク検出信号541は、図4のD点において計測される。図5に示すように、ピーク検出信号541の信号値は、タイミングP2まではピークを検出していないことを示す未検出値のままであり、タイミングP2においてピークを検出したことを示す検出値に変化する。
このように、ピーク検出回路133は、超音波受信器115bが出力した超音波信号の信号値の絶対値が最初にピーク値になるタイミングを検出する。
図6は、記憶装置150及びCPU160の概略構成を示す図である。
図6に示すように、記憶装置150には、制御プログラム151、画像生成プログラム152、重送判定プログラム153及び検出プログラム154等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。CPU160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部161、画像生成部162、重送判定部163及び検出部164として機能する。
図7は、重送検出装置100の原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図7に示したフローチャートを参照しつつ、重送検出装置100の原稿読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により重送検出装置100の各要素と協働して実行される。図7に示す動作のフローは、定期的に実行される。
最初に、制御部161は、利用者により、原稿の読み取りを指示するための操作ボタン106が押下されて、原稿の読み取りを指示する操作検出信号を操作ボタン106から受信するまで待機する(ステップS101)。
次に、制御部161は、原稿検出センサ111から受信する原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。
原稿台103に原稿が載置されていない場合、制御部161は、ステップS101へ処理を戻し、操作ボタン106から新たに操作検出信号を受信するまで待機する。
一方、原稿台103に原稿が載置されている場合、制御部161は、駆動装置134を駆動して給送ローラ112、リタードローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ120を回転させて、原稿を搬送させる(ステップS103)。
次に、画像生成部162は、搬送された原稿を撮像装置119に読み取らせ、画像A/D変換器130を介して読取画像を取得する(ステップS104)。
次に、画像生成部162は、読取画像をインタフェース装置135を介して不図示の情報処理装置へ送信する(ステップS105)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像生成部162は、読取画像を記憶装置150に記憶しておく。
次に、制御部161は、原稿検出センサ111から受信する原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が残っているか否かを判定する(ステップS106)。
原稿台103に原稿が残っている場合、制御部161は、ステップS103へ処理を戻し、ステップS103〜S106の処理を繰り返す。一方、原稿台103に原稿が残っていない場合、制御部161は、一連のステップを終了する。
図8は、重送判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図8に示したフローチャートを参照しつつ、重送検出装置100の重送判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により重送検出装置100の各要素と協働して実行される。図8に示す動作のフローは、原稿搬送時に実行される。また、図8に示す動作のフローが実行されている間、制御部161は、所定期間毎に、超音波発振器115aに図5に示した駆動信号501を入力して、超音波発振器115aに超音波を出力させる。
最初に、重送判定部163は、超音波A/D変換器132を介して超音波センサ115からデジタルの超音波信号を取得する(ステップS201)。なお、重送判定部163は、所定期間毎に、出力された各超音波に対応する各超音波信号を取得する。
次に、重送判定部163は、複数の所定期間に取得したデジタルの超音波信号の信号値の平均値(以下、信号平均値と称する)を算出する(ステップS202)。重送判定部163は、所定期間毎に取得した、それぞれのデジタルの超音波信号の信号値の最大値を算出し、算出した各最大値の平均値を信号平均値として算出する。
次に、検出部164は、超音波発振器115aから超音波受信器115bへの超音波の伝搬時間を検出する(ステップS203)。検出部164は、所定期間毎に、制御部161から、制御部161が駆動信号501の出力を停止したタイミング(図5に示した駆動信号501の最後の周期における立ち下がりタイミングD)を取得する。また、検出部164は、所定期間毎に、ピーク検出回路133からピーク検出信号を取得し、ピーク検出信号が未検出値から検出値に変化するタイミング(図5に示したピーク検出信号541の立ち上がりタイミングP2)を取得する。検出部164は、タイミングDからタイミングP2までの時間(図5に示した時間T2)を超音波の伝搬時間として検出する。検出した伝搬時間は、超音波発振器115aが超音波の出力を停止してから、超音波受信器115bが出力した超音波信号の信号値の絶対値が最初にピーク値になるまでの時間を示す。
図5に示すように、伝搬時間T2は、伝搬時間T1と略同一の時間である。しかしながら、超音波受信器115bが超音波を受信し始めるタイミングP1では、絶対値信号511は徐々に増大していくため、超音波受信器115bが超音波を受信し始めるタイミングP1を精度良く検出することは難しい。したがって、検出部164は、伝搬時間T1の終了タイミングを精度良く検出することは難しく、伝搬時間T1を精度良く検出することは難しい。一方、絶対値信号511は、超音波受信器115bが超音波を受信し終えるタイミングP2において、ピーク値を有する。ピーク検出回路133により絶対値信号511のピークは精度良く検出されるため、検出部164は、伝搬時間T2の終了タイミングを精度良く検出することができ、伝搬時間T2を精度良く検出することができる。
次に、検出部164は、複数の所定期間に出力された超音波の伝搬時間の平均値(以下、伝搬時間平均値と称する)を算出する(ステップS204)。検出部164は、所定期間毎に検出した各伝搬時間の平均値を伝搬時間平均値として算出する。
次に、重送判定部163は、算出した信号平均値が第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS205)。第1閾値は、例えば、一枚のPPC(Plain Paper Copier)用紙が搬送された場合に算出される信号平均値と、二枚の薄紙(例えば0.07mm以下の用紙)が搬送された場合に算出される信号平均値の間の値に予め設定される。
算出した信号平均値が第1閾値より大きい場合、重送判定部163は、重送が発生していないと判定し(ステップS206)、処理をステップS201に戻す。
一方、算出した信号平均値が第1閾値以下である場合、重送判定部163は、算出した信号平均値が第2閾値以下であるか否かを判定する(ステップS207)。第2閾値は、第1閾値より小さい値であり、例えば、二枚の薄紙が搬送された場合に算出される信号平均値と、二枚のPPC用紙が搬送された場合に算出される信号平均値の間の値に予め設定される。
算出した信号平均値が第2閾値以下である場合、重送判定部163は、重送が発生したと判定する(ステップS208)。その場合、重送判定部163は、異常処理として、不図示のスピーカ、LED(Light Emitting Diode)等により、異常が発生したことを利用者に通知し、処理をステップS201に戻す。また、重送判定部163は、異常処理として、原稿の搬送を停止させてもよい。
なお、重送判定部163は、信号平均値が第2閾値以下である回数が連続して第2所定数未満である場合は、まだ重送が発生したと判定せず、処理をステップS209へ移行してもよい。その場合、重送判定部163は、信号平均値が第2閾値以下である回数が連続して第2所定数以上になった場合に限り、重送が発生したと判定する。第2所定数は、二以上の値に予め設定される。これにより、重送判定部163は、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生したと誤って判定してしまうことを抑制することができる。
一方、算出した信号平均値が第2閾値より大きい場合、重送判定部163は、算出した伝搬時間平均値が第3閾値以下であるか否かを判定する(ステップS209)。第3閾値は、例えば、PPC用紙が搬送された場合に算出される伝搬時間平均値と、プラスチックカードが搬送された場合に算出される伝搬時間平均値の間の値に予め設定される。なお、超音波の伝搬時間は、重送検出装置100が設置された環境(気圧、気温、湿度等)に応じて変化する。そこで、重送判定部163は、重送検出装置100の起動時又は原稿読取処理が実行されていない任意のタイミング等に、媒体が搬送されていない状態で、超音波の伝搬時間を計測し、計測した伝搬時間に基づいて第3閾値を設定してもよい。例えば、重送判定部163は、複数回、伝搬時間を計測し、計測した各伝搬時間の中央値を算出し、算出した中央値から所定値(例えば2μs)を減算した値を第3閾値に設定する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置された環境に応じて適切な第3閾値を設定することができる。
なお、重送判定部163は、信号平均値が第2閾値より大きい場合であっても、信号平均値が第1閾値以下である回数が連続して第1所定数未満である場合は、処理をステップS209へ移行せずに、まだ重送が発生していないと判定してもよい。その場合、重送判定部163は、信号平均値が第1閾値以下である回数が連続して第1所定数以上になった場合に限り、処理をステップS209へ移行する。第1所定数は、二以上の値であり且つ第2所定数より大きい値に予め設定される。これにより、重送判定部163は、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生したと誤って判定してしまうことを抑制することができる。
算出した伝搬時間平均値が第3閾値以下であるときは、重送判定部163は、プラスチックカード(樹脂カード)が搬送されていると判定する(ステップS210)。プラスチックカードは分離部での分離エラー率が非常に低く、重送する可能性が非常に低いため、この場合、重送判定部163は、重送が発生していないと判定し(ステップS206)、処理をステップS201に戻す。
一方、算出した伝搬時間平均値が第3閾値より大きいときは、重送判定部163は、用紙が搬送されていると判定する(ステップS211)。この場合、重送判定部163は、重送が発生したと判定し(ステップS208)、異常処理を実行して、処理をステップS201に戻す。
このように、重送判定部163は、超音波信号及び超音波の伝搬時間に基づいて、重送が発生したか否かを判定する。
なお、重送検出装置100は、ステップS202の処理を省略し、複数の超音波信号の信号値の平均値ではなく、一つの超音波信号の信号値に基づいて、重送が発生したか否かを判定してもよい。同様に、重送検出装置100は、ステップS204の処理を省略し、複数の伝搬時間の平均値ではなく、一つの伝搬時間に基づいて、重送が発生したか否かを判定してもよい。
以下、超音波信号及び超音波の伝搬時間に基づいて、重送が発生したか否かを判定することの技術的意義について説明する。
図9Aは、超音波信号の特性について説明するための図である。
図9Aの縦軸は超音波信号の信号値を示す。図9Aにおいて、範囲901は一枚の薄紙が搬送されている場合の信号値が取り得る範囲を示し、範囲902は二枚の薄紙が搬送されている場合の信号値が取り得る範囲を示す。また、範囲903は一枚のPPC用紙が搬送されている場合の信号値が取り得る範囲を示し、範囲904は二枚のPPC用紙が搬送されている場合の信号値が取り得る範囲を示す。また、範囲905はプラスチックカードが搬送されている場合の信号値が取り得る範囲を示す。
図9Aに示すように、重送判定部163は、信号値が第1閾値より大きい場合、一枚の薄紙又はPPC用紙が搬送されていると判定することができ、信号値が第2閾値以下である場合、二枚のPPC用紙が搬送されていると判定することができる。しかしながら、重送判定部163は、信号値が第1閾値以下であり且つ第2閾値より大きい場合、搬送されている媒体が二枚の薄紙であるかプラスチックカードであるかを正確に判定できない。
図9Bは、超音波の伝搬時間の特性について説明するための図である。
図9Bの縦軸は超音波の伝搬時間を示す。図9Bにおいて、範囲911は用紙が搬送されている場合の伝搬時間が取り得る範囲を示し、範囲912はプラスチックカードが搬送されている場合の伝搬時間が取り得る範囲を示す。
図9Bに示すように、重送判定部163は、伝搬時間が第3閾値より大きい場合、用紙が搬送されていると判定することができ、伝搬時間が第3閾値以下である場合、プラスチックカードが搬送されていると判定することができる。
なお、音波が媒体を介して伝搬される場合の、媒体の特性と、音波の伝搬速度の関係は、以下の式により示される。
ここで、cは音波の伝搬速度[m/s]であり、Eはヤング率(縦弾性係数)[Pa]であり、ρは密度[kg/m3]であり、νはポアソン比である。
媒体が用紙である場合、ヤング率は2.0×109[Pa]であり、密度は1160[kg/m3]であり、ポアソン比は0.30であるため、音波の伝搬速度は1500[m/s]となる。一方、媒体がプラスチックカードである場合、ヤング率は3.2×109[Pa]であり、密度は1400[kg/m3]であり、ポアソン比は0.38であるため、音波の伝搬速度は2100[m/s]となる。なお、媒体が存在しない場合(音波が空気層を伝搬する場合)の音波の伝搬速度(音速)は332[m/s]である。
例えば、超音波が1.4[mm]の経路を通過するときに、その経路に1.4[mm]の厚さを有するプラスチックカードが存在する場合と、それぞれ0.04[mm]の厚さを有する二枚の薄紙が存在する場合の伝搬時間の差について説明する。1.4[mm]の厚さを有するプラスチックカードを通過する超音波の伝搬時間は、以下のようになる。
1.4[mm]/2100[m/s]=0.7[μs]
一方、0.04[mm]の厚さを有する二枚の薄紙と、1.32[mm]の空間(空気層)を通過する超音波の伝搬時間は、以下のようになる。
(0.04[mm]×2)/1500[m/s]+1.32[mm]/332[m/s]=4.1[μs]
このように、各伝搬時間の間には3.4[μs]の時間差が存在し、この時間差は、重送検出装置100により十分に判別可能な大きさである。
即ち、第3閾値をプラスチックカードが搬送された場合の超音波の伝搬時間と用紙が搬送された場合の超音波の伝搬時間の間の値に設定することにより、重送判定部163は、搬送された媒体がプラスチックカードであるか用紙であるかを判別することができる。したがって、重送判定部163は、信号値が第1閾値以下であり且つ第2閾値より大きい場合には、超音波の伝搬時間を用いて、搬送された媒体がプラスチックカードであるか用紙であるかを判定し、重送が発生したか否かを判定することができる。
以上詳述したように、重送検出装置100は、図8に示したフローチャートに従って動作することによって、超音波信号の信号値が第1閾値以下であり且つ第2閾値より大きい場合、超音波の伝搬時間に基づいて、重送が発生したか否かを判定する。したがって、重送検出装置100は、より精度良く重送を検出することが可能となった。
特に、重送検出装置100は、プラスチックカードが搬送された場合に、薄紙が二枚搬送されたと誤って判定してしまい、原稿の搬送を中断して、スキャニング作業の作業効率を低下させることを抑制することが可能となった。また、利用者は、用紙とプラスチックカードを混在させてスキャニング作業を実施することが可能となり、利用者の利便性を向上させることが可能となった。また、重送検出装置100は、プラスチックカードを検出するための特殊なセンサを設ける必要がないため、装置サイズの増大及び装置コストの増大を抑制しつつ、プラスチックカードが搬送されたことを検出することが可能となった。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、重送検出装置100は、アナログの超音波信号(絶対値信号)に基づいて、信号値のピークを検出するのではなく、デジタルの超音波信号に基づいて、信号値のピークを検出してもよい。その場合、ピーク検出回路133は省略され、代わりに、検出部164がデジタルの超音波信号の信号値を時系列に走査していき、所定幅以上の信号値の低下を検出することにより、信号値のピークを検出する。この場合、ピーク検出回路133が省略されるため、重送検出装置100は、装置サイズ及び装置コストの低減を図ることが可能となる。一方、ピーク検出回路133によりピークを検出する場合、重送検出装置100は、ソフトウェアによるピーク検出処理の処理負荷を低減させることが可能となる。
また、重送判定部163は、重送検出装置100における温度、湿度又は気圧に基づいて、第1閾値、第2閾値又は第3閾値を補正してもよい。
図10Aは、重送検出装置100が設置されている環境の温度及び高度(気圧)と、重送検出装置100が各環境に設置されている場合に出力される超音波信号の信号値との関係を示すグラフである。
図10Aの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。グラフ1001は、重送検出装置100における温度が60℃である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1002は、重送検出装置100における温度が25℃である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1003は、重送検出装置100における温度が0℃である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1004は、重送検出装置100における温度が60℃である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1005は、重送検出装置100における温度が25℃である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1006は、重送検出装置100における温度が0℃である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。
図10Aに示すように、重送検出装置100における温度が低い程、超音波は減衰し、超音波信号の信号値は低くなる。そこで、重送判定部163は、温度センサ136から温度情報を取得し、温度情報に示される温度が低い程、低くなるように、第1閾値及び第2閾値を補正する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置されている環境の温度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かをより精度良く判定することができる。
また、図10Aに示すように、重送検出装置100が設置されている高度が高い程、即ち、重送検出装置100における気圧が低い程、超音波は減衰し、超音波信号の信号値は低くなる。そこで、重送判定部163は、気圧センサ138から気圧情報を取得し、気圧情報に示される気圧が低い程、低くなるように、第1閾値及び第2閾値を補正する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置されている場所の高度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かをより精度良く判定することができる。
図10Bは、重送検出装置100が設置されている環境の湿度及び高度(気圧)と、重送検出装置100が各環境に設置されている場合に出力される超音波信号の信号値との関係を示すグラフである。
図10Bの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。グラフ1011は、重送検出装置100における湿度が80%である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1012は、重送検出装置100における湿度が50%である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1013は、重送検出装置100における湿度が30%である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1014は、重送検出装置100における湿度が80%である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1015は、重送検出装置100における湿度が50%である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1016は、重送検出装置100における湿度が30%である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。
図10Bに示すように、重送検出装置100における湿度に応じて、超音波信号の信号値は変化する。そこで、重送検出装置100は、重送検出装置100における湿度毎に、一枚のPPC用紙が搬送された場合の信号値と、二枚の薄紙が搬送された場合の信号値と、二枚のPPC用紙が搬送された場合の信号値とを予め測定して記憶装置150に記憶しておく。重送判定部163は、湿度センサ137から湿度情報を取得し、湿度情報に示される湿度に対応して記憶された、一枚のPPC用紙が搬送された場合の信号値と、二枚の薄紙が搬送された場合の信号値との間の値になるように第1閾値を補正する。また、重送判定部163は、湿度情報に示される湿度に対応して記憶された、二枚の薄紙が搬送された場合の信号値と、二枚のPPC用紙が搬送された場合の信号値との間の値になるように第2閾値を補正する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置されている環境の湿度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かをより精度良く判定することができる。
図11Aは、重送検出装置100が設置されている環境の温度と、重送検出装置100が各環境に設置されている場合の超音波の伝搬時間との関係を示すグラフである。
図11Aの横軸は重送検出装置100における温度[℃]を示し、縦軸は伝搬時間[μs]を示す。グラフ1101は、超音波がプラスチックカードを伝搬するときの伝搬時間を示し、グラフ1102は、超音波がPPC用紙を伝搬するときの伝搬時間を示し、グラフ1103は、超音波が空気を伝搬するときの伝搬時間を示す。図11Aに示すように、重送検出装置100における温度が低い程、超音波の伝搬時間は大きくなる。そこで、重送判定部163は、温度センサ136から温度情報を取得し、温度情報に示される温度が低い程、高くなるように、第3閾値を補正する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置されている環境の温度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かをより精度良く判定することができる。
図11Bは、重送検出装置100が設置されている環境の湿度と、重送検出装置100が各環境に設置されている場合の超音波の伝搬時間との関係を示すグラフである。
図11Bの横軸は重送検出装置100における湿度[%]を示し、縦軸は伝搬時間[μs]を示す。グラフ1111は、超音波がプラスチックカードを伝搬するときの伝搬時間を示し、グラフ1112は、超音波がPPC用紙を伝搬するときの伝搬時間を示し、グラフ1113は、超音波が空気を伝搬するときの伝搬時間を示す。図11Bに示すように、重送検出装置100における湿度が低い程、超音波の伝搬時間は大きくなる。そこで、重送判定部163は、湿度センサ137から湿度情報を取得し、湿度情報に示される湿度が低い程、高くなるように、第3閾値を補正する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置されている環境の温度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かをより精度良く判定することができる。
図11Bは、重送検出装置100が設置されている高度と、重送検出装置100が各高度に設置されている場合の超音波の伝搬時間との関係を示すグラフである。
図11Cの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は伝搬時間[μs]を示す。グラフ1121は、超音波がプラスチックカードを伝搬するときの伝搬時間を示し、グラフ1122は、超音波がPPC用紙を伝搬するときの伝搬時間を示し、グラフ1123は、超音波が空気を伝搬するときの伝搬時間を示す。図11Cに示すように、重送検出装置100が設置されている高度が高い程、即ち、重送検出装置100における気圧が低い程、超音波の伝搬時間は大きくなる。そこで、重送判定部163は、気圧センサ138から気圧情報を取得し、気圧情報に示される気圧が低い程、高くなるように、第3閾値を補正する。これにより、重送判定部163は、重送検出装置100が設置されている高度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かをより精度良く判定することができる。
図12は、他の実施形態に係る重送検出装置における処理回路270の概略構成を示す図である。処理回路270は、制御回路271、画像生成回路272、重送判定回路273及び検出回路274等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
制御回路271は、制御部の一例である。制御回路271は、駆動装置134に制御信号を送信して、駆動装置134を駆動し、原稿を搬送させる。
画像生成回路272は、画像生成部の一例である。画像生成回路272は、画像A/D変換器130を介して撮像装置119から読取画像を取得し、インタフェース装置135を介して不図示の情報処理装置へ送信する。
重送判定回路273は、重送判定部の一例である。重送判定回路273は、超音波A/D変換器132を介して超音波センサ115からデジタルの超音波信号を取得するとともに、検出回路274から超音波の伝搬時間を取得する。重送判定回路273は、超音波信号及び伝搬時間に基づいて、重送が発生したか否かを判定し、判定結果を示す検出信号をCPU160に送信する。
検出回路274は、検出部の一例である。検出回路274は、ピーク検出回路133からピーク検出信号を取得し、取得したピーク検出信号に基づいて、超音波の伝搬時間を検出し、重送判定回路273に送信する。
以上詳述したように、重送検出装置は、処理回路270を用いる場合においても、より精度良く重送を検出することが可能となった。