JP2017039589A - シート給送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置場所の気圧に拘わらず、シートの重送を精度よく判別することができるシート給送装置を提供する。
【解決手段】シート給送装置100は、シート積載部101に積載されたシートを一枚ずつ分離して給送するシート給送手段132と、超音波を発信する超音波発信手段T1と、超音波発信手段に対向して設けられ超音波を受信する超音波受信手段T2と、超音波受信手段からの受信信号と閾値Vthとに基づいてシートが二枚以上重ねて給送されているか否かを判別する重送判別手段201と、を備え、閾値は、シートが超音波発信手段と超音波受信手段との間に存在しないときに超音波受信手段から出力された第一の信号と、基準シートSrefが超音波発信手段と超音波受信手段との間に存在するときに超音波受信手段から出力された第二の信号とに基づいて設定される。
【選択図】図8

Description

本発明は、シートが重送されているか否かを判別することができるシート給送装置に関する。
プリンタ業界において、紙が重なって搬送される現象(以下、重送という。)を検知するために重送検知センサが提案されている。重送検知センサの中でも、超音波式の重送検知センサが一般的である。超音波式の重送検知センサは、超音波発信器から超音波を発信させ、超音波受信器で検出した受信信号の電圧レベルから重送を検出する。一般的に、重送検知センサの出力レベルは薄紙だと受信信号の電圧レベルが高く、厚紙だと低い。また、重送した紙の場合、紙1枚のときの受信信号の電圧レベルよりも低くなる。そのため、あらかじめ、重送したときの受信信号のレベルと紙1枚のときの受信信号のレベルから重送を判別するための閾値を設定する。
特許文献1は、超音波発信器と超音波受信器を紙面に対して斜めに対向させて取り付けることを開示している。強音波発信器から超音波を発信し、超音波受信器で検出した受信信号のレベルから重送を検出する。
特許第3860126号公報
特許文献1においては、超音波発信器と超音波受信器の間に紙が無い場合(以下、紙無しという。)の受信信号の電圧レベルから閾値を設定している。しかし、この技術では、気圧の低い環境(標高が2000mを超えるような高地)にシート給送装置が設置された場合、超音波の威力が下がるため、紙無しの時の受信信号の電圧レベルも1気圧の環境に比べて小さくなる。超音波の威力が弱くなると、単送時の受信信号の電圧レベルも小さくなる。さらに、紙の厚みや密度などの物性は気圧には依存しないので、気圧変化に対する紙無し時の受信信号の電圧レベルの変化率と気圧変化に対する任意のシートの単送時の受信信号の電圧レベルの変化率とを比べると後者の方が大きい。そのため、特許文献1のように紙無し時の受信信号の電圧レベルから重送を判別する閾値を算出する技術では、厚紙のように受信信号の電圧レベルが低い場合、受信信号の電圧レベルが閾値を超えないために重送と判断され、誤検知してしまう課題がある。
そこで、本発明は、シート給送装置が設置されている場所の気圧に拘わらず、シートの重送を精度よく判別することができるシート給送装置を提供する。
上記課題を解決するために、シート給送装置は、
シートが積載されるシート積載部と、
前記シート積載部に積載されたシートを一枚ずつ分離して給送するシート給送手段と、
超音波を発信する超音波発信手段と、
前記超音波発信手段に対向して設けられ前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する超音波受信手段と、
前記超音波受信手段からの受信信号と閾値とに基づいてシートが二枚以上重ねて給送されているか否かを判別する重送判別手段と、
を備え、
前記閾値は、前記シート給送手段により給送されたシートが前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に存在しないときに前記超音波受信手段から出力された第一の信号と、前記シート給送手段により給送された基準シートが前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に存在するときに前記超音波受信手段から出力された第二の信号とに基づいて設定されることを特徴とする。
本発明によれば、シート給送装置が設置されている場所の気圧に拘わらず、シートの重送を精度よく判別することができる。
自動原稿給送装置が設けられた画像読取装置の断面図。 自動原稿給送装置の制御ブロック図。 超音波信号のパルス波の違いによる超音波受信信号の電圧レベルの変化を示す図。 バースト波の波数と超音波受信信号の電圧レベルの関係を示す図。 増幅回路を詳細に示す回路図。 CPUにより実行される閾値を算出するアルゴリズムを示す流れ図。 CPUにより実行される初期設定モードの制御動作を示す流れ図。 CPUにより実行される閾値設定の制御動作を示す流れ図。 気圧範囲と電圧レベルの比率とからなる探索表を示す図。 CPUにより実行される閾値設定の制御動作を示す流れ図。 気圧範囲と電圧レベルの第一及び第二の比率とからなる探索表を示す図。 原稿の単送時と重送時の超音波受信信号の電圧レベルを示す図。 気圧の変化に対する超音波受信信号の電圧レベルの変化を示す図。 バースト波の波数に対する超音波受信信号の電圧レベルを示す図。 超音波発信器を駆動させる超音波パルス信号の波形と超音波受信器が受信する超音波受信信号の波形を示す図。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
以下に、第一の実施形態を説明する。図1は、自動原稿給送装置100が設けられた画像読取装置115の断面図である。自動原稿給送装置(シート給送装置)100は、使用者により原稿(シート)Dが積載される原稿トレイ(シート積載部)101が設けられている。自動原稿給送装置100は、原稿Dが積載された原稿トレイ101から画像読取装置(画像読取部)115へ原稿Dを一枚ずつ給送する。原稿トレイ101上にはトレイ原稿有無センサS1が配置されている。トレイ原稿有無センサS1は、原稿トレイ101上の給紙可能な位置に原稿Dが積載されているか否かを検知する。原稿トレイ101の下流には、給送ローラ103が設けられている。給送ローラ103は、分離搬送ローラ104と同一駆動源に接続され、その回転に連れて回転し、原稿Dを給送する。
原稿給送部(シート給送手段)132は、原稿トレイ101上に積載された原稿Dを一枚ずつ分離して給送する。原稿給送部132は、給送ローラ103および分離部130を有する。給送ローラ103は、通常、ホームポジションである上方の位置に退避しており、原稿Dのセット作業を阻害しないようになっている。給送動作が開始されると、給送ローラ103は下降して原稿Dの上面に当接する。給送ローラ103は、アーム(不図示)に軸支されているので、アームが揺動することにより上下に移動する。
分離部130は、分離搬送従動ローラ105と分離搬送ローラ104とからなる。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104の対向側に配置されており、分離搬送ローラ104に押圧されている。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104より僅かに摩擦が少ないゴム材等から形成されており、分離搬送ローラ104と協働して、給送ローラ103により給送される原稿Dを一枚ずつ給送する。
分離後センサS2は、分離搬送従動ローラ105及び分離搬送ローラ104を原稿Dが通過したタイミングを検出する。
重送検知センサ(重送検知手段)2000は、原稿給送部132により原稿搬送路(シート搬送路)131上を給送される原稿Dが二枚以上重ねて給送されているか否かを検知する。以下、原稿Dが二枚以上重ねて給送されることを重送という。重送検知センサ2000は、超音波発信器(超音波発信手段)T1と超音波受信器(超音波受信手段)T2から成る。原稿給送部132により原稿Dが給送される原稿搬送路131は、超音波発信器T1と超音波受信器T2との間に設けられている。超音波発信器T1は、原稿給送部132により給送される原稿Dhe超音波を発信する。超音波受信器T2は、原稿搬送路131を挟んで超音波発信器T1に対向して設けられ、超音波発信器T1から発信された超音波を受信する。超音波発信器T1と超音波受信器T2とに挟まれた原稿搬送路131を通過する原稿Dに対し超音波発信器T1が超音波を発信し、超音波発信器T1より発信された超音波を超音波受信器T2が受信をすることで原稿Dの重なりの有無を検知する。原稿Dの重なりの検知方法は、後述する。
レジストローラ106およびレジスト従動ローラ107は、分離部130から給送された原稿Dの先端部を揃える。分離部130により分離された原稿Dの先端部は、静止したレジストローラ106とレジスト従動ローラ107とにより形成されるニップ部に突き当てられ、原稿Dにループを生じさせてその先端部を揃える。リードローラ108およびリード従動ローラ109は、原稿Dを流し読みガラス116へ向けて搬送する。プラテンガイド110は、流し読みガラス116に対向して配置されている。
CCDラインセンサ(画像読取手段)126は、流し読みガラス116上を通過する原稿Dの表面の画像情報を読み取る。CCDラインセンサ126により表面の画像が読み取られた原稿Dは、リード排出ローラ111およびリード排出従動ローラ112により排出ローラ113へ搬送される。ジャンプ台117は、流し読みガラス116から原稿Dをすくい上げる。排出ローラ113は、原稿Dを排出トレイ114上へ排出する。
画像読取装置115は、原稿Dの読み取り面へ光を照射するランプ(光源)119、および原稿Dからの反射光をレンズ125およびCCDラインセンサ126へ導くミラー120、121、122を有する。ランプ119およびミラー120は、第1ミラー台123に取り付けられている。また、ミラー121、122は、第2ミラー台124に取り付けられている。
ミラー台123、124は、ワイヤ(不図示)により駆動モータ(不図示)に結合され、駆動モータの回転駆動により原稿台ガラス118と平行に移動する。また、原稿台ガラス118の端部には読み取り輝度の基準となる基準白板127が取り付けられている。原稿Dからの反射光は、ミラー120、121、122を介してレンズ125へ導かれ、レンズ125によりCCDラインセンサ126の受光部に結像される。CCDラインセンサ126は、結像した反射光を受光素子で光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力する。
図2を用いて本実施例の制御構成を説明する。図2は、自動原稿給送装置100の制御ブロック図である。
原稿搬送モータ202は、自動原稿給送装置100内のローラを駆動するためのものであり、CPU201により制御される。また、CPU201は、先に説明したトレイ原稿有無センサS1、分離後センサS2、重送検知センサ2000(超音波発信器T1、超音波受信器T2)等の制御全般及びセンサ出力の検出を行う。超音波駆動回路203は、超音波発信器T1及び超音波受信器T2の共振周波数に近い周波数のパルス信号をCPU201より受信し超音波発信器T1の駆動に必要な電圧にパルス信号の電圧を変換する。超音波発信器T1は、超音波駆動回路203からのパルス信号を受信し超音波を超音波受信器T2へ向けて発信する。超音波受信器T2は、超音波発信器T1によって発信された超音波を受信し、受信した超音波を電気信号(出力電圧)へ変換し、増幅回路204へ出力する。増幅回路204は、超音波受信器T2からの出力電圧(超音波受信信号)を増幅し出力する。AD変換器205は、増幅回路204により増幅された出力電圧(超音波受信信号)を一定間隔でAD変換を行い、その結果をCPU201へ出力する。CPU(重送判別手段)201は、AD変換器205の出力電圧(超音波受信信号)を閾値Vthと比較し、比較結果から原稿Dの重送を判別する。メモリ(記憶手段)206は、補正用に用いる原稿が無い状態での補正値を保存しておくためのものである。
図2に示す超音波発信器T1は、重送検知センサ2000を構成する。超音波発信器T1は、図1に示す自動原稿給送装置100内の搬送路を通過する原稿Dへ超音波を発信する。具体的には、超音波発信器T1は、後述する超音波駆動回路203から入力される超音波パルス信号に従って超音波を発信する。超音波受信器T2は、超音波発信器T1が発信する超音波を受信する。尚、図1に示すように、超音波受信器T2は、原稿Dを透過した超音波を受信できるように原稿搬送路131を挟んで超音波発信器T1と対向するように設置されている。これにより、超音波発信器T1から発信された超音波は、原稿Dを透過して、その透過波を超音波受信器T2が受信する。また、超音波受信器T2は、受信した超音波の受信強度に応じて変化する出力電圧(超音波受信信号)を出力する。超音波発信器T1と超音波受信器T2との間の原稿搬送路131に原稿Dが存在する場合、原稿Dを透過した超音波が超音波受信器T2により受信される。しかし、超音波発信器T1と超音波受信器T2との間の原稿搬送路131に原稿Dが存在しない場合、超音波発信器T1が発信した超音波がそのまま超音波受信器T2により受信される。CPU201は、超音波発信信号として300kHzのパルス信号(以下、超音波信号という。)を超音波駆動回路203へ供給する。超音波駆動回路203は、CPU201から供給された超音波信号を増幅させ超音波パルス信号を出力する。これにより、超音波発信器T1は、増幅された超音波パルス信号を基に300kHzの超音波を発信させる。なお、CPU201が超音波駆動回路203へ供給する超音波信号は、例えば、一定時間に渡る数周期分の300kHzのパルス信号を発信する信号である。これは、一般にバースト波と呼ばれる。バースト波は、数ms(ミリ秒)に一度発信される。また、CPU201は、超音波信号として1回のバースト波のパルス数(周期の数)やバースト波の振幅を制御することができる。
増幅回路(信号増幅手段)204は、超音波受信器T2から出力される超音波受信信号を増幅する。これは、超音波発信器T1と超音波受信器T2の間に搬送対象である原稿Dが入ると、超音波発信器T1から発信された超音波は、超音波受信器T2へ到達するまでに減衰し、非常に微弱な信号となってしまう。そのため、超音波受信器T2が出力する超音波受信信号も振幅が微弱となる。そこで、超音波受信器T2から出力される超音波受信信号を増幅回路204で増幅し、重送検知判断の可能な信号振幅へ引き上げる。
AD変換器205は、増幅回路204により増幅された超音波受信信号(アナログ信号)を、デジタル信号へ変換してCPU201へ出力する。CPU201は、制御手段であり、AD変換器205によりデジタル化された超音波受信信号を解析して原稿搬送モータ202の駆動/停止を制御する。メモリ(記憶手段)206は、図1に示す重送検知センサ2000の各設定値を保持する。具体的には、メモリ206は、発信パルス数、超音波の振幅、発信周波数、超音波取得時間、重送検知レベル(閾値)などの設定値を保持する。また、CPU201は、メモリ206に保持される、それらの設定値を使用して重送検知を行うよう超音波発信器T1及び超音波受信器T2を制御する。
次に、図12を用いて、超音波受信信号の電圧レベル(信号強度)と重送判定について説明する。図12は、原稿Dの単送時と重送時の超音波受信信号の電圧レベルを示す図である。図12(a)は、原稿Dが一枚給送(単送)された時の超音波受信器T2の受信波形を横軸に時間、縦軸に超音波受信器T2の超音波受信信号の電圧レベルとして示している。図12(b)は、原稿D1及びD2が二枚以上給送(重送)された時の超音波受信器T2の受信波形を横軸に時間、縦軸に超音波受信器T2の超音波受信信号の電圧レベルとして示している。
二枚以上の原稿D1及びD2が重送している場合の超音波受信信号の電圧レベルは原稿Dが一枚の場合に比べて小さくなる。したがって、原稿D1及びD2が重送している場合の超音波受信信号の電圧レベル(Vdoble)と原稿Dが一枚の場合の超音波受信信号の電圧レベル(Vsingle)の間に重送かどうかを判別する閾値電圧(以下、閾値という。)Vthを設ける。図12において、閾値Vthは不図示だが、大小関係は以下のようになる。
Vdouble<Vth<Vsingle
そして、原稿Dの給送ごとに超音波受信信号の電圧レベルを測定し、閾値Vthを下回る電圧レベルを得た場合には重送と判定する。
次に、図3及び図4を用いて超音波を発生させるバースト波の波数と超音波受信信号の電圧レベルについて説明する。図3は、超音波信号のパルス数の違いによる超音波受信信号の電圧レベルの変化を示す図である。超音波信号のパルス数は、バースト波の波数である。図3(a)、図3(b)及び図3(c)は、それぞれの異なる超音波信号のパルス数と、そのパルス数の超音波信号により発生した超音波を受信したときの超音波受信信号の電圧レベルを示している。図3(a)は、超音波信号のバースト波の波数が3波の時の、超音波受信器T2の超音波受信信号の電圧レベルVp-p1を示す図である。図3(b)は、超音波信号のバースト波の波数が5波の時の、超音波受信器T2の超音波受信信号の電圧レベルVp-p2を示す図である。図3(c)は、超音波信号のバースト波の波数が7波の時の、超音波受信器T2の超音波受信信号の電圧レベルVp-p3を示す図である。なお、電圧レベルVp-p1、Vp-p2、Vp-p3は下記の関係にある。
Vp-p1<Vp-p2<Vp-p3
図3(a)、図3(b)及び図3(c)に示すように、超音波信号のパルス数の増加に従って、超音波受信信号の電圧レベルVp-pも増大する。
次に、図4を用いてバースト波の波数と超音波受信信号の電圧レベルの関係を説明する。図4は、横軸にバースト波の波数を縦軸に超音波受信信号の電圧レベルを示している。一般に、超音波発信器T1の内部には圧電素子が内蔵されており、この圧電素子にバースト波を入力することで、圧電素子が振動し、超音波が発生する。超音波発信器T1に入力させるバースト波の波数を増やしていくと、超音波受信器T2が出力する超音波受信信号の電圧レベルも比例して増加していく。ただし、超音波受信信号の電圧レベルは、無限に増加していくわけではなく、ある波数を超えると波数に対する超音波受信信号の電圧レベルの増加量も抑えられる。やがて波数をいくら増やしても超音波受信信号の電圧レベルが一定となる(飽和する)。これは、図4のβの領域である。図4に示す曲線(A)の特性の場合、AD変換器205を動作させる電源電圧に従ってAD変換値(デジタルデータ)へ変換できる範囲が制限されるため曲線(A)のように飽和してしまう。曲線(B)の特性の場合には、内部の圧電素子を最大限に振動させてもそれ以上の超音波出力を出すことができないことを示している。なお、重送検知センサ2000は、超音波発信器T1へ入力する波数に比例して、超音波受信器T2における超音波受信信号の電圧レベルが増加する特性領域を利用することが前提である(図4のαの領域)。なお、図4中の曲線(A)の特性は重送検知センサ2000の送受感度が高いセンサを示し、曲線(B)の特性は送受感度が低いものを示している。
次に、図5及び図15を用いて、紙無し時の受信信号の電圧レベルから閾値Vthを決定する処理方法を説明する。図15は、超音波発信器T1を駆動させる超音波パルス信号の波形と超音波受信器T2が受信する超音波受信信号の波形を示す図である。超音波発信器T1の内部には、圧電素子が内蔵されている。超音波発信器T1へ矩形波を入力することにより、圧電素子が振動し、超音波を発信する。超音波発信器T1と超音波受信器T2の間の距離をΔd、音速をVとすると図15中のΔtは下記の式で表され、駆動信号の入力からΔtだけ遅延して超音波受信器T2が超音波を受信する。
Δt=Δd/V
このとき、超音波受信信号の波形において、振幅が最大となるポイントを超音波受信信号の電圧レベルVp-pと定義する。
図5は、増幅回路204を詳細に示す回路図である。図5のInputには超音波受信器T2からの超音波受信信号が入力される。Inputから入力された超音波受信信号は、第1の増幅器11(本実施例においてはオペアンプとする)、第2の増幅器12および第3の増幅器13で信号が増幅される。増幅とは、信号の振幅を大きくすることである。例えば、振幅が1Vの信号を増幅率3倍の増幅器によって増幅させると振幅が3Vになることを意味する。
第1の増幅器11、第2の増幅器12および第3の増幅器13は、それぞれ所定の増幅率となるように設計されている。増幅回路204のOutput1とOutput2は、AD変換器205へ並列に接続されている。AD変換器205は、Output1の信号及びOutput2の信号をサンプリングし、デジタル値へ変換する。
超音波発信器T1と超音波受信器T2の間に原稿Dが存在しない場合、Output1の信号がAD変換され、紙無し時の紙無しの信号の受信強度データとなる。超音波発信器T1と超音波受信器T2の間に原稿Dが存在する場合、Output2の信号がAD変換され、単送時や重送時の紙有りの信号の受信強度データとなる。つまり、原稿搬送路131に原稿Dが有るか否かに従って、Output1の信号とOutput2の信号を切り替えて使用する。Output1の信号とOutput2の信号の切り替えは、分離後センサS2のON/OFF信号に従って行われる。分離後センサS2が原稿DによってONしている時は、紙有りの信号であるOutput2の信号が紙有り時の超音波受信信号としAD変換される。分離後センサS2がOFFしている時は、紙無しの信号であるOutput1の信号が超音波受信信号としてAD変換される。
分離後センサS2がOFF状態のときInputへ入力される超音波受信信号は、第1の増幅器11により増幅されて、Output1から紙無しの信号として出力される。また、分離後センサS2がON状態のときInputへ入力される超音波受信信号は、第1の増幅器11、第2の増幅器12および第3の増幅器13により増幅されて、Output2から紙有りの信号として出力される。このように、紙無しの信号の増幅率は、紙有りの信号の増幅率と異なる。Inputへ入力される超音波受信信号に対する紙有りの信号の増幅率は、Inputへ入力される超音波受信信号に対する紙無しの信号の増幅率より大きい。紙無しの信号と紙有りの信号で増幅率を変えているのは、紙無しの信号の増幅率で紙有りの信号をモニタしても、紙有りの信号の振幅が微弱でノイズに埋もれてしまうためである。逆に、紙有りの信号の増幅率で紙無しの信号をモニタしようとすると、紙無しの信号が、出力できる範囲の限界まで達してしまう状態、いわゆる飽和状態になってしまう。また、紙の厚みが薄い紙の場合、紙有りの信号の増幅率であっても紙有りの信号の振幅が飽和状態になってしまうことがある。そのため、紙有りの信号の増幅率で紙無しの信号をモニタしても、薄い紙の紙有りの信号をモニタしたのか、紙無しの信号をモニタしたのかを判別できなくなる。
そこで、分離後センサS2がOFF状態のときの紙無しの信号の増幅率は上げずにモニタし、分離後センサS2がON状態のときの紙有りの信号の増幅率は高くしてモニタできる構成としている。
次に、図6を用いて、CPU201が重送を判別するための閾値Vthを算出するアルゴリズムを説明する。図6は、CPU201により実行される閾値Vthを算出するアルゴリズムを示す流れ図である。CPU201は、メモリ206に格納されている制御プログラムに基づいて閾値Vthを算出するアルゴリズムを実行する。閾値Vthは、分離後センサS2がOFF状態のときに増幅回路204のOutput1から出力される紙無し信号をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルに基づいて決定される。
閾値Vthを算出するアルゴリズムが開始されると、CPU201は、超音波発信器T1を駆動させる電源(24V)が投入されているか否かを判断する(S101)。電源が投入されていない場合(S101でNO)、電源エラーとなり(S108)、アルゴリズムを終了する。電源が投入されている場合(S101でYES)、CPU201は、分離後センサS2がOFFしているか否かを判断する(S102)。分離後センサS2がONしていた場合(S102でNO)、原稿搬送路131内に原稿Dが滞留していると判断し、滞留ジャムとして処理する(S107)。CPU201は、アルゴリズムを終了する。分離後センサS2がOFFしている場合(S102でYES)、超音波発信器T1を駆動させ、超音波を発信させる(S103)。CPU201は、増幅回路204のOutput1の電圧レベルV1を計測する(S104)。
CPU201は、電圧レベルV1に基づいて閾値Vthを算出する(S105)。閾値Vthは、次の式から算出される。
Vth=V1×K1
ここで、係数K1は、比率である。係数K1は、超音波受信器T2の感度、超音波発信器T1および超音波受信器T2のメカ的な取付け公差、及び周囲温度などを考慮して、あらゆる種類の原稿Dの中でも、単送時に受信電圧レベルが最も低い原稿Dでも重送と誤検知されないように設定される。本実施例において、係数K1は、0.8とする。CPU201は、S105で算出した閾値Vthをメモリ206に記憶させる(S106)。CPU201は、アルゴリズムを終了する。
上記した閾値Vthの算出方法は、個々の重送検知センサ2000の感度および取り付け公差ならびに温度環境のばらつきを考慮したアルゴリズムに従って閾値Vthを設定する。しかし、超音波はあくまでも音波であり、音波の媒質は空気である。空気の密度が下がれば音波の威力も弱くなる。つまり、高地などの空気の薄い環境では超音波受信器T2により受信される超音波の威力も弱くなるため、紙無し時、単送時を問はず、超音波受信器T2が受信する電圧レベルは、低くなる。この現象を図13及び図14を用いて説明する。
図13は、気圧の変化に対する超音波受信信号の電圧レベルの変化を示す図である。図13において、横軸は、気圧を示し、縦軸は、超音波受信器T2の強音波受信信号の電圧レベルを示している。曲線31は、紙無し時の電圧レベルV1から得られる閾値Vthの電圧レベルを示す。曲線32は、原稿Dの単送時の超音波受信信号の電圧レベルを示す。曲線33は、原稿Dの重送時の強音波受信特性の電圧レベルを示す。なお、バースト波の波数は5波で一定であり、係数K1の値は0.8である。気圧が下がると、曲線31に示すように紙無し時の電圧レベルV1から得られる閾値Vthの電圧レベルが下がり、曲線32に示すように原稿Dの単送時の超音波受信信号の電圧レベルも下がる。特徴的な現象は、気圧変動に対する超音波受信信号の電圧レベルの低下率が紙無し時の電圧レベルV1から得られる閾値Vthの電圧レベルの低下率に比べて、原稿Dの単送時の超音波受信信号の電圧レベルの低下率の方が大きいことである。特に、0.6気圧では、原稿Dの単送時の超音波受信信号の電圧レベルと閾値Vthの電圧レベルとが逆転している。そのため、0.6気圧の環境下において、原稿Dの単送でも常に重送と判定されてしまう。
重送を判定する閾値Vthを算出するための前記した式における係数K1は、1気圧環境下における電圧レベルV1に対して設定されている。しかし、自動原稿給送装置100が設置される標高は、1気圧の地帯から0.6気圧の地帯まで幅が広い。したがって、前述したアルゴリズムに従って閾値Vthの電圧レベルが決定された自動原稿給送装置100が0.6気圧の環境下に設置されると、原稿Dを一枚だけ給紙搬送させた場合でも重送と誤検知してしまう。
誤検知を防止するためには、次のような対策がある。一つ目の手法は、係数K1の値を小さく設定するようにすることである。係数K1の値を小さくすることにより、1気圧から0.6気圧まで原稿Dの単送時の超音波受信信号の電圧レベルと閾値Vthの電圧レベルの関係が逆転することなく設定できる。しかし、係数K1の値を小さくし過ぎると、1気圧における閾値Vthの電圧レベルと原稿Dの重送時の超音波受信信号の電圧レベルとの差が小さくなりすぎてしまう。特に、原稿Dと原稿Dとが静電気の力で吸着した状態の重送原稿(静電吸着原稿)の場合、原稿Dと原稿Dとの間に空気層ができにくいので、原稿Dの重送時の超音波受信信号の電圧レベルが大きくなり、原稿Dの単送時の超音波受信信号の電圧レベルに近づく。そのため、原稿Dの重送時の超音波受信信号の電圧レベルが閾値Vthの電圧レベルを超えてしまい、重送しているにもかかわらず、単送と誤検知してしまう。したがって、係数K1の値を極端に小さく設定することはできない。
また、工場から製品を出荷する際に出荷先に応じて係数K1の値を変更する方法もある。しかし、出荷先に従って工場の量産ライン工程を分けると、作業効率が低下し、作業工数が増え、結果的にコストアップになる。
二つ目の手法は、自動原稿給送装置100が設置された環境の気圧を測定し、その測定結果に基づき係数K1の値を変更することである。しかし、この手法では自動原稿給送装置100に気圧計を設置しなければならず、コストアップになる。
以上から、自動原稿給送装置100が設置されている気圧環境を、装置のコストアップをさせずに特定し、特定した気圧環境ごとに重送を判別するための閾値Vthを設定することが求められる。なお、気圧環境を特定するための調整作業は、自動原稿給送装置100を使用者のもとに設置したりメンテナンスを行ったりする作業員(以下、サービスマンという。)が行うことを前提とする。
図14は、バースト波の波数に対する超音波受信信号の電圧レベルを示す図である。図14において、横軸は、超音波発信器T1へ入力されるバースト波(超音波パルス信号)の波数を示し、縦軸は、超音波受信器T2の超音波受信信号の電圧レベルを示す。曲線41は、1気圧での規格シートSrefの単送時(分離後センサS2がON状態)の増幅回路204のOutput2から出力される紙有り信号をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルを示す。曲線42は、1気圧より低い気圧環境での規格シートSrefの単送時(分離後センサS2がON状態)の増幅回路204のOutput2から出力される紙有り信号をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV0を示す。曲線43は、係数K1が0.8の場合、第二の閾値Vth2の電圧レベルを示す。閾値Vth2は、係数K1が0.8の場合に、分離後センサS2がOFF状態のときに増幅回路204のOutput1から出力される紙無し信号をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV1に基づいて決定される。曲線44は、係数K1が0.6の場合の第一の閾値Vth1の電圧レベルを示す。第一の閾値Vth1は、係数K1が0.6の場合、電圧レベルV1に基づいて決定される。
まず、工場出荷時に、基準となる気圧環境下で、規格シートrefを自動原稿給送装置100により給送し、バースト波の各波数に対する超音波受信信号の電圧レベルを測定し、測定データ(曲線41)をメモリ206に記憶させる。本実施例において、基準となる気圧環境(基準気圧)は、1気圧であるが、1気圧ではなく任意の気圧でもよい。
自動原稿給送装置100が使用者のもとに設置された際に、バースト波の各波数に対する紙無し時の電圧レベルV1を測定する。サービスマンが規格シート(基準シート)Srefを自動原稿給送装置100に給送させ、バースト波の各波数に対する規格シートSrefの単送時の超音波受信信号の電圧レベルV0を測定し、測定データ(曲線42)を得る。そして、メモリ206に格納されている気圧範囲ごとの紙無し時の電圧レベルV1と規格シートSrefの電圧レベルV0との比率(V0/V1)の探索表から、5波のバースト波の比率(V0/V1)の比率に対応する気圧範囲を求める。これによって、自動原稿給送装置100が設置された気圧環境(気圧範囲)Pを特定することができる。なお、メモリ206に格納されている探索表については、図9を参照して後述する。特定された気圧環境Pが所定値Pth未満の場合、本実施例では、気圧環境Pが0.8気圧未満の場合、係数K1の値を0.6に設定して、第一の閾値Vth1を算出する。第一の閾値Vth1を用いて重送検知を行うように設定する。より具体的には、紙無し時の電圧レベルV1と規格シートSrefの電圧レベルV0との比率(V0/V1)が基準値より小さいか否かを判断する。電圧レベルの比率(V0/V1)が基準値より小さい場合、閾値Vthを第一の閾値Vth1に設定する。電圧レベルの比率(V0/V1)が基準値以上の場合、閾値Vthを第二の閾値Vth2に設定する。閾値Vthの設定は、図7及び図8を参照して後述する初期設定モードで実行される。一度、閾値Vthが設定されると、使用者の操作では閾値Vthの変更ができないようにしてもよい。
次に、図9を用いてメモリ206に格納された探索表を説明する。図9は、気圧範囲と電圧レベルの比率(V0/V1)とからなる探索表を示す図である。図9は、気圧範囲ごとの紙無し時の超音波受信信号の電圧レベルV1に対する規格シートSrefの超音波受信信号の電圧レベルV0の比率(V0/V1)を示している。自動原稿給送装置100が設置された気圧環境P下においてサービスマンが規格シートSrefを通紙させる。CPU201は、その時の紙無し時と単送時の電圧レベルV1およびV0を計測し、紙無し時の電圧レベルV1に対する単送時の電圧レベルV0の比率(V0/V1)を算出する。CPU201は、図9の探索表から、比率(V0/V1)がどの気圧範囲に対応しているかを決定し、自動原稿給送装置100が設置された気圧環境Pを特定することができる。
例えば、紙無し時の電圧レベルV1の測定値が2.5Vであるとする。次に、規格シートSrefを通紙したときに超音波受信器T2からの超音波受信信号の電圧レベルV0の測定値が2.37Vであるとする。この場合、CPU201の内部では下記の計算が行われる。
2.37÷2.5=0.95
この計算結果から、CPU201は、自動原稿給送装置100が設置された気圧環境は0.8気圧以上1気圧未満の気圧範囲と判断する。なお、探索表の数値は、重送検知センサ2000の個々の感度のばらつきや取り付け公差のばらつきを含めて取り得る値の範囲が事前の詳細な基礎検討から設定されているとよい。
次に、図7及び図8を用いて、閾値Vthを設定する制御動作を説明する。図7は、CPU201により実行される初期設定モードの制御動作を示す流れ図である。CPU201は、メモリ206に格納されている制御プログラムに基づいて初期設定モードの制御動作を実行する。
自動原稿給送装置100が設置され、電源が投入されると自動的に初期設定モードに入る。初期設定モードが開始されると、CPU201は、重送検知機能の有無を判別する(S301)。重送検知機能の有無の判別は、超音波発信器T1及び超音波受信器T2の接続検知により行われる。接続検知は、次のように行われる。超音波発信器T1及び超音波受信器T2に接続検知用の信号線がつけられている。超音波発信器T1及び超音波受信器T2が接続している場合、信号線からの信号の論理がLowになるような回路が基板上に設けられている。その論理は、CPU201へ入力される。CPU201は、その論理に基づいて、超音波発信器T1及び超音波受信器T2が接続しているか否かを判断する。CPU201は、重送検知機能が無いと判断した場合(S301でNO)、通常動作モード(S303)を設定し、初期設定モードを終了する。CPU201は、重送検知機能が有ると判断した場合(S301でYES)、重送を判別するための閾値Vthの設定を行う(S302)。
図8は、CPU201により実行される閾値設定の制御動作を示す流れ図である。図8は、図7のS302のサブルーチンを示している。CPU201は、メモリ206に格納されている制御プログラムに基づいて閾値設定の制御動作を実行する。
閾値設定の制御動作が開始されると、CPU201は、重送検知に必要な電源(24V)が立ち上がっているか否かを判断する(S401)。電源が立ち上がっていない場合(S401でNO)、電源エラーとして処理され(S410)、CPU201は、閾値設定の制御動作を終了する。電源が正常に立ち上がっている場合(S401でYES)、増幅回路204のOutput1から出力される紙無し信号(第一の信号)をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV1を測定する(S402)。次に、サービスマンによって、規格シートSrefを通紙させる(S403)。規格シートSrefの単送時(分離後センサS2がON状態)の増幅回路204のOutput2から出力される紙有り信号(第二の信号)をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV0を測定する(S404)。CPU201は、メモリ206に格納されている電圧レベルの比率の基準値Rを読み込む(S405)。本実施形態において、基準値Rは、例えば、0.9に設定されているが、これに限定されるものではなく、任意の値に設定することができる。CPU201は、測定した電圧レベルV1に対する測定した電圧レベルV0の比率(V0/V1)を算出する(S406)。CPU201は、比率(V0/V1)が基準値Rより小さいか否かを判断する(S407)。比率(V0/V1)が基準値Rより小さい場合(S407でYES)、CPU(閾値設定手段)201は、係数K1の値を0.6に設定した閾値特性(第一の閾値特性)にて重送判別用の第一の閾値Vth1を設定する(S408)。CPU201は、第一の閾値Vth1をメモリ206に格納して、閾値設定の制御動作を終了する。比率(V0/V1)が基準値R以上である場合(S407でNO)、CPU(閾値設定手段)201は、係数K1の値を0.8に設定した閾値特性(第二の閾値特性)にて重送判別用の第二の閾値Vth2を設定する(S409)。CPU201は、第二の閾値Vth2をメモリ206に格納して、閾値設定の制御動作を終了する。
本実施形態によれば、閾値Vthは、比率(V0/V1)が基準値Rより小さいか否かに基づいて第一の閾値Vth1と第二の閾値Vth2とに切り替えられる。
このようにして、自動原稿給送装置100を工場から出荷する段階ではどちらにするのかを決められないパラメータについては、機体を使用者環境に設置後サービスマンの手で初期設定を行うようにする。このようにすることで重送判別の閾値と受信信号の電圧レベルとにマージンを持った設定が可能となり、誤検知を防ぐことができる。また、この手法を実現させるために、規格シートSrefを自動原稿給送装置100と同梱させることでサービスマンが使用者のもとで自動原稿給送装置100の設置直後に調整させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、原稿Dを給送する自動原稿給送装置100を説明したが、画像が形成される記録媒体(シート)を画像形成装置の画像形成部へ給送するシート給送装置にも本実施形態を適用することができる。本実施形態によれば、シート給送装置が気圧の低い場所に設置された場合でも、シートの重送を検出することができる。
以下に、第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では一種類の規格シートSrefを用いたが、複数種類の規格シートの基礎データを組み合わせて閾値Vthの設定を行ってもよい。第二の実施形態では、複数種類の規格シートSrefAおよびSrefBを用いて閾値Vthを設定する。なお、本実施形態の画像読取装置および制御システムは、第一の実施形態と同一であるので、第一の実施形態の図で代用し、同一の構造には同一の符号を付してその部分の説明を省略する。
図11を用いて、メモリ206に格納された探索表を説明する。図11は、気圧範囲と電圧レベルの第一の比率(V0A/V1)及び第二の比率(V0B/V1)とからなる探索表を示す図である。図11は、気圧範囲ごとの紙無し時の超音波受信信号の電圧レベルV1に対する規格シートSrefAおよびSrefBの超音波受信信号の電圧レベルV0AおよびV0Bの第一の比率(V0A/V1)及び第二の比率(V0B/V1)を示している。自動原稿給送装置100が設置された気圧環境P下においてサービスマンが第一の規格シートSrefAおよび第二の規格シートSrefBを通紙させ、CPU201は、その時の紙無し時と単送時の電圧レベルV1、V0AおよびV0Bを計測する。CPU201は、紙無し時の電圧レベルV1に対する単送時の電圧レベルV0AおよびV0Bの第一の比率(V0A/V1)及び第二の比率(V0B/V1)を算出する。CPU201は、図11の探索表から、第一の比率(V0A/V1)及び第二の比率(V0B/V1)がどの気圧範囲に対応しているかを決定し、自動原稿給送装置100が設置された気圧環境Pを特定することができる。
本実施形態においては、第一の比率(V0A/V1)が0.8気圧以上1気圧未満の範囲に対応するが、第二の比率(V0B/V1)が0.6気圧以上0.8気圧未満の範囲に対応する場合、気圧範囲の低い方を優先することが特徴である。これは、重送を判別する閾値Vthと第一および第二の規格シートSrefAおよびSrefBの単送時の超音波受信信号の電圧レベルV0AおよびV0Bとの差が小さい方を優先することにより、重送の誤検知を防ぐことができるからである。第一の比率(V0A/V1)及び第二の比率(V0B/V1)の算出方法は、第一の実施形態の比率の算出方法と同様であるので説明を省略する。
次に、図10を用いて、閾値Vthを設定する制御動作を説明する。図10は、CPU201により実行される閾値設定の制御動作を示す流れ図である。図10は、図7のS302のサブルーチンを示している。CPU201は、メモリ206に格納されている制御プログラムに基づいて閾値設定の制御動作を実行する。
閾値設定の制御動作が開始されると、CPU201は、重送検知に必要な電源(24V)が立ち上がっているか否かを判断する(S501)。電源が立ち上がっていないと判断した場合(S501でNO)、電源エラーとして処理され(S513)、CPU201は、閾値設定の制御動作を終了する。電源が正常に立ち上がっている場合(S501でYES)、増幅回路204のOutput1から出力される紙無しの信号(第一の信号)をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV1を測定する(S502)。次に、サービスマンによって、第一の規格シートSrefAを通紙させる(S503)。第一の規格シートSrefAの単送時(分離後センサS2がON状態)の増幅回路204のOutput2から出力される紙有り信号(第二の信号)をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV0Aを測定する(S504)。次に、サービスマンによって、第二の規格シート(もう一つの基準シート)SrefBを通紙させる(S505)。第二の規格シートSrefBの単送時(分離後センサS2がON状態)の増幅回路204のOutput2から出力される紙有り信号(第三の信号)をAD変換器205によりAD変換した超音波受信信号(デジタル信号)の電圧レベルV0Bを測定する(S506)。CPU201は、メモリ206に格納されている電圧レベルの第一の比率(V0A/V1)の第一の基準値RA及び第二の比率(V0B/V1)の第二の基準値(もう一つの基準値)RBを読み込む(S507)。本実施形態において、第一の基準値RAは、例えば、0.9に設定され、第二の基準値RBは、例えば、0.9に設定されているが、これらに限定されるものではなく、任意の値に設定することができる。CPU201は、測定した電圧レベルV1に対する測定した電圧レベルV0Aの第一の比率(V0A/V1)及び測定した電圧レベルV1に対する測定した電圧レベルV0Bの第二の比率(V0B/V1)を算出する(S508)。CPU201は、第一の比率(V0A/V1)が第一の基準値RAより小さいか否かを判断する(S509)。第一の比率(V0A/V1)が第一の基準値RAより小さい場合(S509でYES)、CPU201は、係数K1の値を0.6に設定した閾値特性(第一の閾値特性)にて重送判別用の第一の閾値Vth1を設定する(S510)。CPU201は、第一の閾値Vth1をメモリ206に格納して、閾値設定の制御動作を終了する。第一の比率(V0A/V1)が第一の基準値RA以上である場合(S509でNO)、CPU201は、第二の比率(V0B/V1)が第二の基準値RBより小さいか否かを判断する(S511)。第二の比率(V0B/V1)が第二の基準値RBより小さい場合(S511でYES)、CPU201は、係数K1の値を0.6に設定した第一の閾値Vth1を設定する(S510)。第二の比率(V0B/V1)が第二の基準値RB以上である場合(S511でNO)、CPU201は、係数K1の値を0.8に設定した閾値特性(第二の閾値特性)にて重送判別用の第二の閾値Vth2を設定する(S512)。CPU201は、第二の閾値Vth2をメモリ206に格納して、閾値設定の制御動作を終了する。
以上のように、2種類以上の規格シートを用いて、閾値Vthを設定することができる。本実施形態によれば、第一の比率(V0A/V1)と第二の比率(V0B/V1)とに基づいて、閾値Vthが第一の閾値Vth1と第二の閾値Vth2とに切り替えられる。第一の比率と第二の比率(もう一つの比率)のどちらか一方が基準値RA、RBより小さい場合、閾値Vthを第一の閾値Vth1に設定する。第一の比率と第二の比率のどちらも基準値以上の場合、閾値Vthを第二の閾値Vth2に設定する。第一の実施形態と同様に、本実施形態は、画像が形成される記録媒体(シート)を画像形成装置の画像形成部へ給送するシート給送装置にも適用することができる。本実施形態によれば、シート給送装置が気圧の低い場所に設置された場合でも、シートの重送を検出することができる。シート給送装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置へシートを給送するシート給送装置として、また、画像読取装置へ原稿を給送するシート給送装置として用いることができる。
100・・・自動原稿給送装置(シート給送装置)
101・・・原稿トレイ(シート積載部)
132・・・原稿給送部(シート給送手段)
201・・・CPU(重送判別手段)
D・・・原稿(シート)
Sref・・・規格シート(基準シート)
T1・・・超音波発信器(超音波発信手段)
T2・・・超音波受信器(超音波受信手段)
Vth・・・閾値
Vth1・・・第一の閾値
Vth2・・・第二の閾値

Claims (8)

  1. シート給送装置であって、
    シートが積載されるシート積載部と、
    前記シート積載部に積載されたシートを一枚ずつ分離して給送するシート給送手段と、
    超音波を発信する超音波発信手段と、
    前記超音波発信手段に対向して設けられ前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する超音波受信手段と、
    前記超音波受信手段からの受信信号と閾値とに基づいてシートが二枚以上重ねて給送されているか否かを判別する重送判別手段と、
    を備え、
    前記閾値は、前記シート給送手段により給送されたシートが前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に存在しないときに前記超音波受信手段から出力された第一の信号と、前記シート給送手段により給送された基準シートが前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に存在するときに前記超音波受信手段から出力された第二の信号とに基づいて設定されることを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記閾値は、前記第一の信号に対する前記第二の信号の比率が基準値より小さい場合、第一の閾値に設定され、前記比率が基準値以上の場合、前記第一の閾値よりも大きい第二の閾値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記第二の信号は、前記第一の信号の増幅率よりも大きい増幅率で増幅されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート給送装置。
  4. 前記閾値は、前記第一の信号と、前記第二の信号と、前記シート給送手段により給送されたもう一つの基準シートが前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に存在するときに前記超音波受信手段から出力された第三の信号とに基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  5. 前記閾値は、前記第一の信号に対する前記第二の信号の第一の比率が第一の基準値より小さい場合または前記第一の信号に対する前記第三の信号の第二の比率が第二の基準値より小さい場合、第一の閾値に設定され、前記第一の比率が前記第一の基準値以上かつ前記第二の比率が前記第二の基準値以上の場合、前記第一の閾値よりも大きい第二の閾値に設定されることを特徴とする請求項4に記載のシート給送装置。
  6. 前記第二の信号および前記第三の信号は、前記第一の信号の増幅率よりも大きい増幅率で増幅されることを特徴とする請求項4又は5に記載のシート給送装置。
  7. 前記シートは、原稿であり、
    前記シート給送装置は、前記原稿を、前記原稿の画像を読み取る画像読取部へ給送することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシート給送装置。
  8. 前記シートは、記録媒体であり、
    前記シート給送装置は、前記記録媒体を、前記記録媒体に画像を形成する画像形成部へ給送することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシート給送装置。
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