JP2019119578A - 検知装置、画像読取装置、検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波センサの感度の個体差によらず、坪量等のシートの特性を正確に検知可能な検知装置を提供する。【解決手段】検知装置は、シートを搬送する搬送経路130の方向へ超音波を発信する超音波発信センサT1と、搬送経路130を挟んで超音波発信センサT1に対向する位置に設けられ、超音波発信センサT1の発信する超音波を受信して、該超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信センサT2と、からなる超音波センサ2000を備える。検知装置は、超音波発信センサT1と超音波受信センサT2との間にシートがない状態で超音波発信センサT1の発信する超音波に応じて超音波受信センサT2が出力する超音波受信信号の信号レベルが所定の範囲内に収まるように、超音波の特性を調整する。検知装置は、調整後の超音波に応じた超音波受信信号によりシートの坪量を検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば用紙等のシートを一枚ずつ分離して搬送する装置において、搬送するシートの厚さ等のシート特性を検知する技術に関する。
超音波センサは、シートの坪量検知に用いることができる。超音波センサは、超音波を発信する超音波発信センサと、超音波を受信する超音波受信センサとを備える。超音波受信センサは、受信した超音波の強度に応じた信号レベルの出力信号を出力する。出力信号の信号レベルにより、シートの坪量が検知できる。しかし、超音波センサは感度に個体差がある。そのために、坪量検知時には、超音波センサの感度のバラツキを考慮する必要がある。超音波センサの感度のバラツキを考慮してシートの坪量や表面性を検知する技術として特許文献1がある。特許文献1では、シートに対して超音波を複数回発信して、複数の出力信号を得る。複数の出力信号の振幅のバラツキ範囲に応じて、シートの坪量や表面性が検知される。この技術は、超音波センサ単体の感度のバラツキを許容するための技術である。
特開2013−56771号公報
超音波発信センサは、例えば圧電素子を内蔵する。圧電素子は、電気的エネルギーが供給されることで振動して超音波を発信する。超音波は、圧電素子の特性のバラツキにより、同じ種類の圧電素子に同じ電気的エネルギーが供給された場合であっても同じエネルギーで放出されるとは限らない。これが超音波センサの感度のバラツキの原因となる。超音波センサを用いてシートの坪量を検知する場合、感度のバラツキによって、同じシートであってもシート透過後の超音波のエネルギーが異なる。つまり、超音波センサの感度のバラツキにより、超音波受信センサから出力される出力信号の信号レベルに差が生じる。
超音波センサが検知する坪量範囲は広いため、出力信号の信号レベルのバラツキにより、異なるシートから検知した坪量範囲が重なる可能性がある。これは、坪量の正確な検知を困難にする。そのために検知した坪量(信号レベル)のバラツキを一定の範囲内に抑制する必要がある。
本発明は、上記の問題に鑑み、超音波センサの感度の個体差によらず、坪量等のシートの特性を正確に検知可能な検知装置を提供することを主たる課題とする。
本発明の検知装置は、シートを搬送する搬送手段と、超音波を発信する超音波発信手段と、シートの搬送経路を挟んで前記超音波発信手段に対向する位置に設けられ、前記超音波発信手段の発信する前記超音波を受信して、該超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信手段と、前記超音波発信手段に所定の特性の超音波を発信させるための超音波パルス信号を入力することで、前記搬送経路を搬送されるシートに向けて前記超音波発信手段に前記超音波を発信させ、該超音波を受信した前記超音波受信手段から出力される前記超音波受信信号に応じて、前記搬送経路を搬送される前記シートのシート特性を検知する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間にシートがない状態で前記超音波パルス信号を調整する処理を行い、調整後の超音波パルス信号に応じて、前記超音波発信手段に前記搬送経路を搬送されるシートに向けて前記超音波を発信させることを特徴とする。
本発明によれば、超音波センサの感度の個体差によらず、シートの坪量を正確に検知することができる。
画像読取装置の構成図。 制御ユニットの構成図。 超音波センサの説明図。 (a)、(b)は坪量検知の説明図。 超音波受信信号の処理の説明図。 超音波受信信号の振幅算出処理の説明図。 (a)、(b)は増幅器の説明図。 バースト波の波数と超音波受信信号の信号レベルの関係説明図。 重送検知時と坪量検知時の超音波受信信号の信号レベルの例示図。 (a)、(b)は超音波パルス信号のデューティー比と超音波センサの受信感度の説明図。 (a)、(b)は超音波センサの受信感度を保つ方法の説明図。 坪量検知処理を表すフローチャート。 (a)、(b)は超音波受信信号の信号レベルの調整処理の効果の説明図。
本発明の坪量検知装置を採用した画像読取装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(画像読取装置の構成)
図1は、本実施形態の坪量検知装置を備えた画像読取装置の構成図である。画像読取装置1は、自動原稿搬送部100と、リーダ部115とを備える。坪量検知装置を構成する超音波センサ2000は、自動原稿搬送部100に設けられる。
自動原稿搬送部100は、原稿トレイ101と、各種ローラ及びセンサが設けられる搬送経路130と、排紙トレイ114とを備える。自動原稿搬送部100は、原稿トレイ101に載置される用紙等のシートである原稿102を、搬送経路130の途中に設けられる原稿画像の読取位置を通過させて、排紙トレイ114に排出する。
原稿トレイ101は、原稿102の搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」という。)にトレイ原稿有無センサS1を備える。トレイ原稿有無センサS1は、原稿トレイ101の給紙可能な位置に載置される原稿102の有無を検知する。
原稿トレイ101の下流側の搬送経路130には、原稿102の搬送方向の上流側(以下、単に「上流側」という。)から順に、給紙ローラ103と、分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105と、が設けられる。給紙ローラ103と分離搬送ローラ104とは、同一駆動源により駆動される。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104の回転に従動して回転する。給紙ローラ103と、分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105とは、原稿トレイ101から原稿102を1枚ずつ搬送経路130に取り込んで搬送する。
給紙ローラ103は、不図示のアームに支軸されており、アームの揺動により上下に移動する。給紙ローラ103は、ユーザが原稿102を原稿トレイ101に載置する作業を阻害しないように、給紙時以外は、ホームポジションである上方に待避している。給紙ローラ103は、給紙時に下降して原稿トレイ101上の原稿102に当接して回転する。給紙ローラ103の回転により、原稿トレイ101上の原稿102が搬送経路130に取り込まれる。分離搬送ローラ104と分離搬送従動ローラ105とは、搬送経路130を挟んで対向して配置される。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104側に押圧されており、分離搬送ローラ104より僅かに摩擦が少ないゴム材等の樹脂部材で形成される。分離搬送ローラ104と分離搬送従動ローラ105とは、協働して、給紙ローラ103により取り込まれた原稿102を1枚ずつ捌いて搬送する。
分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105の下流側には、搬送経路130に給紙された原稿102を検知する分離後センサS2が設けられる。分離後センサS2の下流側には、原稿102のシート特性を検知するための超音波センサ2000が設けられる。本実施形態では、シート特性として原稿102の坪量を検知する。超音波センサ2000は、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2を備える。超音波発信センサT1と超音波受信センサT2とは、搬送経路130を挟んで対向する位置に配置される。超音波発信センサT1は、搬送経路130の方向へ超音波を発信する。超音波受信センサT2は、搬送経路130の方向からの超音波を受信する。超音波受信センサT2が受信する超音波の強度により、原稿102のシート特性が検知される。
超音波センサ2000の下流側には、レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107が、搬送経路130を挟んで対向して配置される。レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107は、静止時に、搬送されてきた原稿102の搬送方向先端が突き当てられる。これにより原稿102は、ループが生じて搬送方向先端が揃えられる。レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107は、原稿102の搬送方向先端が揃えられた後に回転を開始して、原稿102を搬送する。
レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107の下流側には、リードローラ108及びリード従動ローラ109が、搬送経路130を挟んで対向して配置される。リードローラ108及びリード従動ローラ109は、レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107から搬送される原稿102を、原稿画像の読取位置へ搬送する。原稿画像の読取位置には、プラテンガイド110が、リーダ部115側に設けられる読取ガラス116に対向して配置される。原稿102は、読取ガラス116とプラテンガイド110との間を搬送されながら、原稿画像が読み取られる。原稿画像の読取位置を通過した原稿102は、リーダ部115側に設けられるジャンプ台117により、読取ガラス116からすくい上げられる。
原稿画像の読取位置を通過した原稿102は、搬送経路130を挟んで対向して配置されるリード排出ローラ111及びリード排出従動ローラ112へ搬送される。リード排出ローラ111及びリード排出従動ローラ112は、原稿102を下流側に設けられる排紙ローラ113へ搬送する。排紙ローラ113は、原稿102を排紙トレイ114に排出する。
リーダ部115は、原稿102から原稿画像を読み取り、読み取った原稿画像を表す画像データを出力する。そのためにリーダ部115は、発光部119、受光部126、及び発光部119から照射されて原稿102により反射された光を受光部126に導くための光学系を備える。光学系は、ミラー120、121、122及びレンズ125を備える。発光部119及びミラー120は、第1ミラー台123に取り付けられている。ミラー121、122は、第2ミラー台124に取り付けられている。
発光部119は、例えばランプであり、原稿画像の読取位置(読取ガラス116上)を通過する原稿102に光を照射する。光は原稿102により反射され、光学系を介して受光部126の受光面に結像される。受光部126は、例えばCCD(Charge Coupled Device)素子が原稿102の搬送方向に直交する方向(主走査方向)に配列されるラインセンサであり、受光した反射光を光電変換し、原稿画像を表す電気信号である画像データを出力する。このように発光部119及び受光部126により、原稿画像が1ライン毎に読み取られる。
リーダ部115の自動原稿搬送部100に対向する面には、上記の読取ガラス116に続いて、端部に基準白板127を備える原稿台ガラス118が設けられる。原稿台ガラス118は、自動原稿搬送部100を用いずに原稿画像を読み取る際に原稿102が載置される。第1ミラー台123及び第2ミラー台124は、原稿台ガラス118に対して平行に移動可能である。原稿台ガラス118に載置された原稿102の全面から原稿画像を読み取る場合、第1ミラー台123及び第2ミラー台124が移動することで原稿102の全面が1ライン毎に読み取られる。
(制御ユニット)
図2は、画像読取装置1の動作を制御する制御ユニットの構成図である。制御ユニット10は、リーダ部115、超音波センサ2000、トレイ原稿有無センサS1、分離後センサS2、原稿搬送モータ202、及び操作部300に接続される。原稿搬送モータ202は、自動原稿搬送部100内の各種ローラを駆動するための駆動源であり、制御ユニット10により動作制御される。操作部300は、各種キーボタンやタッチパネル等の入力装置及びディスプレイ等の出力装置を備えるユーザインタフェースである。操作部300は、入力装置による指示等の入力内容を制御ユニット10に送信し、制御ユニット10による制御により出力装置から情報を出力する。例えば、操作部300は、制御ユニット10の制御によりディスプレイに情報を表示する。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)201、超音波駆動部203、増幅器204、AD変換器205、及びメモリ206を備える。制御ユニット10は、画像読取装置1に内蔵される。超音波センサ2000(超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2)と制御ユニット10とにより、坪量検出装置が構成される。
CPU201は、画像読取装置1の各部の動作制御を実行する。CPU201は、リーダ部115の動作を制御して、原稿102から原稿画像を読み取る。CPU201は、トレイ原稿有無センサS1及び分離後センサS2から検知結果を取得する。CPU201は、超音波センサ2000の動作を制御して、原稿102のシート特性を検知する。CPU201は、自動原稿搬送部100の動作を制御して、原稿102を原稿トレイ101から排紙トレイ114まで搬送経路130を介して搬送させる。CPU201は、AD変換器205によるAD変換のタイミング制御を行う。
CPU201は、分離後センサS2が原稿102を検知してから原稿搬送モータ202を駆動させるクロックが所定数カウントされると、超音波駆動部203にバースト信号を送信する。このバースト信号は、超音波発信センサT1の発信制御を行うための制御信号であり、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2の共振周波数に近い周波数、例えば300[kHz]の信号である。このバースト信号を以下、「発信制御信号」という。発信制御信号は、例えば、一定時間に渡る数周期分の300[kHz]のパルス信号である。発信制御信号は所定の時間間隔で発信される。1回の発信制御信号(バースト信号)のパルス数(周期の数)は、可変である。
超音波駆動部203は、CPU201から受信する発信制御信号を、超音波発信センサT1を駆動するための制御信号である超音波パルス信号に変換する。超音波パルス信号は、超音波発信センサT1の駆動に必要な電圧のバースト信号である。超音波発信センサT1は、超音波駆動部203から超音波パルス信号を受信し、超音波パルス信号に応じたバースト波に基づいて超音波を超音波受信センサT2に向けて発信する。超音波発信センサT1から発信された超音波は、原稿102を透過して、超音波受信センサT2に受信される。超音波受信センサT2は、受信した超音波の強度に応じたアナログ電気信号である出力信号を増幅器204に送信する。この出力信号を、以下「超音波受信信号」という。なお、搬送経路130上の超音波センサ2000の検知範囲に原稿102が存在しない場合、超音波発信センサT1が発信した超音波がそのまま超音波受信センサT2に受信される。
増幅器204は、超音波受信センサT2から受信した超音波受信信号を増幅して出力する。超音波発信センサT1と超音波受信センサT2との間を原稿102が通過する際に超音波発信センサT1から発信された超音波は、超音波受信センサT2に到達するまでに減衰して、微弱になる。超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号の振幅も超音波の強度に応じて小さくなる。増幅器204は、このような微弱な超音波受信信号を、シート特性の検知が可能な振幅に増幅する。
AD変換器205は、増幅器204によって増幅されたアナログ電気信号である超音波受信信号を、CPU201により指示されるタイミングでデジタル信号に変換して、CPU201へ送信する。
増幅器204及びAD変換器205の詳細については後述する。
CPU201は、AD変換器205から取得したデジタル変換された超音波受信信号により、超音波受信センサT2が受信した超音波の強度を表す信号レベル(振幅)を決定する。CPU201は、決定した信号レベルに基づいて原稿102のシート特性を検知する。CPU201は、複数枚の原稿102が重なって搬送される重送を検知した場合に、原稿搬送モータ202を停止する。メモリ206は、CPU201が決定した信号レベルを保存する。また、メモリ206は、超音波センサ2000の各種設定値を格納する。具体的には、メモリ206は、バースト信号のパルス数、超音波の振幅、発信周波数、超音波の発信時間間隔等の設定値、信号レベルとシートの坪量との関係に関する情報等を格納する。CPU201は、メモリ206に保持された各種設定値に基づいて、検知処理を行う。
(超音波センサ)
図3は、超音波センサ2000の説明図である。本実施形態では、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2は、搬送経路130に対して垂直な状態から所定の角度を設けた状態で自動原稿搬送部100に取り付けられている。搬送経路130に対して垂直な状態に超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2を取り付ける場合、原稿通紙時に、超音波が超音波受信センサT2と原稿102との間で反射を繰り返すことがある。これは残響となり、超音波受信センサT2の受信結果に影響し、シート特性検知の精度に影響する。そのために本実施形態は、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2を搬送経路130に対して垂直な状態から所定の角度を設けた状態で取り付け、残響の検知精度への影響を抑制している。
(坪量検知)
図4は、超音波センサ2000による坪量検知の説明図である。坪量検知は、搬送中の原稿102に対して行われる。CPU201は、超音波センサ2000による検知結果に応じて、原稿102が相対的に「坪量が高い紙」と「坪量が低い紙」のいずれであるかを判別する。
図4(a)は、超音波センサ2000の検知範囲内に坪量が低い原稿102が搬送される状態で発信された超音波パルス信号及び超音波受信信号を示す。図4(b)は、超音波センサ2000の検知範囲内に坪量が高い原稿102が搬送される状態で発信された超音波パルス信号及び超音波受信信号を示す。超音波パルス信号と超音波受信信号との時間差は、超音波発信センサT1が超音波を発信してから超音波受信センサT2が超音波を受信するまでの超音波到達時間である。
原稿102が超音波センサ2000の検知範囲である超音波発信センサT1と超音波受信センサT2とに挟まれた搬送経路130に有る場合、原稿102の坪量の違いにより、超音波の減衰量が変化する。減衰量は、原稿102の坪量が低い場合(図4(a))よりも坪量が高い場合(図4(b))の方が多くなる。減衰量が異なるために、超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号に応じて、原稿102の坪量が特定可能である。
(超音波受信信号処理)
図5は、超音波受信信号の処理の説明図である。図5では、増幅器204及びAD変換器205の構成の詳細を示している。増幅器204は、超音波受信センサT2から取得する微弱な超音波受信信号を複数の増幅度で増幅するために、複数段の増幅器により構成される。本実施形態では、増幅器204は、2段構成であり、第1反転増幅器501及び第2反転増幅器502を備える。AD変換器205は、増幅器204が備える増幅器の数に応じたAD変換器により構成される。本実施形態では、増幅器204が2段構成であるために、AD変換器205は、第1AD変換器503及び第2AD変換器504を備える。
第1反転増幅器501で増幅された超音波受信信号は、第1AD変換器503に入力される。第1反転増幅器501及び第2反転増幅器502で増幅された超音波受信信号は、第2AD変換器504に入力される。超音波発信センサT1から超音波受信センサT2へ印加される超音波の減衰量は、周囲環境により変動する。シート特性検知を正確に行うためには、周囲環境の変動を補正する必要がある。CPU201は、この補正を、原稿102が無い状態(通紙していない状態)で行う必要がある。そのためにCPU201は、原稿102が超音波センサ2000の検知範囲内に有る紙有りモードと、検知範囲内に無い状態の紙無しモードとで、増幅器204の増幅率を変更する。また、AD変換器205も、紙有りモードと紙無しモードとで、第1AD変換器503と第2AD変換器504とを使い分ける。
上述したように、原稿102の坪量により、超音波の減衰量が大きく異なる。そのために同じ増幅率で超音波受信信号を増幅して測定しようとすると、正確な測定ができないことがある。例えば、超音波受信信号は、振幅が大きい場合に、増幅器204の出力電圧範囲を超える或いはAD変換器205の入力電圧範囲を超えて飽和する。そのために原稿102の坪量が正確に測定されない。或いは超音波受信信号は、振幅が小さい場合に、暗ノイズに埋もれてしまう。そのために原稿102の坪量が正確に測定されない。
また紙無しモード時の補正は、原稿102の通紙直前に行われることが望ましい。これは、原稿通紙時の検出時と超音波センサ2000の周囲温度、超音波受信センサT2及び超音波発信センサT1のメカ的相対位置がほぼ同一での状態が成立しているため、高い精度での補正が可能となるためである。
図6は、超音波受信信号の振幅(信号レベル)算出処理の説明図である。
AD変換器205は、CPU201から受信するAD変換の開始を指示するトリガ信号に応じて、増幅器204で増幅された超音波受信信号を、離散的にデジタル信号としてサンプリングする。離散的にサンプリングを行う範囲は、超音波受信信号の波形の1周期分の期間(本実施形態では300[KHz]で超音波を発信するので1周期は3.3マイクロ秒)である。サンプリングの開始のタイミングは、超音波受信信号の振幅が最大となるタイミングである。このタイミングは、予め実験的に当該超音波センサ2000の超音波受信センサT2が受信する超音波の振幅が最大になるタイミングを測定することで決定される。サンプリングの開始のタイミングの設定値は、メモリ206に格納される。
超音波受信信号の振幅をできるだけ正確に検知するために、サンプリングの間隔は超音波の駆動周期に対して十分に小さくする必要がある。本実施形態では300[KHz]の超音波が発信されるため、超音波受信信号の周期が3.3マイクロ秒である。AD変換器205は、この周期に対して例えば8回のサンプリングを行うため0.41マイクロ秒の間隔でサンプリングを行う。このようにAD変換器205は、超音波の発信周期に対して十分に小さい間隔で超音波受信信号のサンプリングを行う。CPU201は、サンプリングされた値の最小値と最大値との差分をとることで超音波受信信号の1波分の振幅を取得することができる。
図6の例では、AD変換器205は、超音波受信信号をA〜Hのポイントでサンプリングを行う。これによりAD変換器205は、A〜Hのポイントの超音波受信信号の信号レベルを取得する。超音波受信信号の振幅は、これらの信号レベルに応じて、以下の式で表される。
(超音波受信信号の振幅) = MAX(A,B,C,D,E,F,G,H) − MIN(A,B,C,D,E,F,G,H)
図6では、超音波受信信号の最小値がポイントA、最大値がポイントEの信号レベルである。そのために超音波受信信号の振幅は以下の式で表される。
(超音波受信信号の振幅)=(ポイントEの信号レベル)−(ポイントAの信号レベル)
(増幅動作)
図7は、増幅器204の説明図である。図7(a)は増幅器204の具体的な構成を例示する。図5で説明したように、増幅器204は、増幅器204は第1反転増幅器501および第2反転増幅器502による2段構成である。超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号が、第1反転増幅器501のVin端子に入力される。第1反転増幅器501と第2反転増幅器502との間に設けられるVo1端子は、紙無しモード時の出力端子である。第2反転増幅器502のVo2端子は、紙有りモード時の出力端子である。Vo1端子及びVo2端子は、それぞれAD変換器205に接続される。
図7(b)は、Vin端子に入力される信号に対するVo1端子及びVo2端子から出力される信号の説明図である。Vin端子から入力される信号(超音波受信信号)は、第1反転増幅器501により位相が反転し、且つ第1反転増幅器501のゲインに応じて振幅が増幅される。Vo1端子からは、このような信号が出力される。第2反転増幅器502は、Vo1端子から出力される信号の位相を反転し且つ振幅をゲインに応じて増幅する。第1反転増幅器501のゲインを2倍、第2反転増幅器502のゲインを2倍、Vin端子に入力される信号(Vinと記載する)を1.0Vとする場合、Vo1端子とVo2端子から出力される信号(それぞれVo1、Vo2と記載する)は、以下のようになる。
|Vo1|=1.0[V]×2.0=2.0[V] (Vinと位相が反転)
|Vo2|=1.0[V]×2.0×2.0=4.0[V] (Vinと同位相)
第1反転増幅器501のゲインをA1、第2反転増幅器502のゲインをA2として上記の式を一般化すると、以下の式が得られる。
Vo1=−|Vin×A1| …(式1)
Vo2=|Vin×A1×A2| …(式2)
式1は、Vo1が、Vinに対して位相が反転し、振幅がVinのA1倍になることを示している。式2は、Vo2がVinと同位相となり、振幅がVinのA1×A2倍になることを示している。つまり式1、式2は、Vinにバラツキが生じた場合、Vo1、Vo2がゲインに比例してばらつくことを意味している。
(バースト波の波数)
図8は、バースト波の波数と超音波受信信号の信号レベル(電圧レベル)の関係説明図である。超音波発信センサT1は、超音波を発信するための圧電素子を内蔵する。超音波発信センサT1は、バースト波である超音波パルス信号が入力されることで、圧電素子に電気エネルギーが供給され、超音波を発信する。超音波パルス信号の波数が多くなることは、圧電素子に供給されるエネルギーを高めることに相当する。圧電素子に供給されるエネルギーが高くなることで、発信される超音波の強度が高められる。その結果、超音波を受信する超音波受信センサT2から出力される超音波受信信号の信号レベルが高くなる。
しかし、波数を一定数以上にすると、超音波受信信号の信号レベルは、波数に対する応答性が鈍くなり、飽和する。これは、圧電素子が振動可能な性能の限界に到達するためである。飽和領域が発生しないようにバースト波を選択することで、坪量の検知精度を上げることができる。
(超音波受信信号の信号レベル)
以下、シート特性として原稿102の坪量を検知する場合について説明する。図9は、重送検知時と坪量検知時の超音波受信信号の信号レベルの例示図である。図9(a)は、1枚の原稿102を搬送させた場合の原稿102(シート)の坪量と超音波受信信号の信号レベルとの関係を、超音波パルス信号(バースト波)の波数毎に例示する。ここでは、超音波パルス信号の波数が5波、4波、3波のときの坪量と信号レベルとの関係を表す。
超音波パルス信号の波数が5波の場合、坪量が所定値以上のシートでは、坪量に対する超音波受信信号の信号レベルがリニアに変化する。つまり、超音波受信信号の信号レベルから、搬送されるシートの坪量が判別可能である。しかし、坪量が所定値以下のシートは、シートに対して印加される超音波の強度が大きくなる。そのために、超音波受信信号の信号レベルは、限界値にかかって飽和する。つまり、坪量が所定値以下のシートは、超音波受信信号の信号レベルから判別困難である。
超音波パルス信号の波数を少なくすることでシートに印加される超音波の強度が下がり、坪量が所定値以下のシートであっても、超音波受信信号の信号レベルがリニアに変化する。例えば、超音波パルス信号の波数が3波の場合、5波の場合よりも坪量の小さいシートに対する超音波受信信号の信号レベルがリニアに変化する範囲が広がる。そのために、超音波受信信号の信号レベルから、搬送されるシートの坪量が判別可能である。つまり、坪量検知には、超音波パルス信号の波数が少ない方がよい。
本実施形態では、超音波パルス信号の強度を高める方法としてバースト波の波数を用いる方法を説明したが、バースト波を駆動する電圧などの他のパラメータにより、超音波パルス信号の強度を高めてもよい。
図9(b)は、超音波パルス信号(バースト波)の波数を「5」に固定して原稿102(シート)の坪量を変化させたときの、単送の場合と重送の場合の超音波受信信号の信号レベルを例示する。重送の場合、シートの坪量に関係なく、超音波受信信号の信号レベルが一定である。これは、シート間に形成される空気層により超音波が減衰するためである。
(超音波センサの受信感度)
図10は、超音波パルス信号(バースト波)のデューティー(duty)比と超音波センサ2000の受信感度の説明図である。図10(a)は、1周期が100マイクロ秒のバースト波の、デューティー比が50%、40%、30%の場合のそれぞれの波形を例示する。図10(b)は、横軸が超音波パルス信号のデューティー比、縦軸が超音波受信センサT2の受信感度を表す超音波センサ2000の特性図である。
超音波センサ2000の一般的な特性として、超音波パルス信号のデューティー比が50%のときに超音波受信センサT2の受信感度がピークとなる。これは、デューティー比が50%のときに、超音波パルス信号が超音波発信センサT1内の圧電素子の振動エネルギーに最も効率よく変換されることを表している。したがって、超音波センサ2000の超音波受信センサT2の受信感度を高くして使用したい場合、超音波パルス信号のデューティー比を50%にする必要がある。逆に、図10(b)は、超音波エネルギーが強すぎる場合に、超音波パルス信号のデューティー比を50%から40%、30%と、ずらしていくことで受信感度を下げることができることも意味する。
超音波センサ2000は、個体差により受信感度にバラツキがある。本実施形態では、超音波パルス信号の波数及びデューティー比を調整することで、超音波センサ2000の受信感度を所定の範囲内に一定に保ちながら原稿102の坪量検知を行う。図11は、超音波センサ2000の受信感度を保つ方法の説明図である。
図11(a)は、超音波パルス信号のデューティー比が50%のときの、超音波パルス信号の波数と超音波受信信号の信号レベルとの関係を表す。ここでは、紙無しモード時の受信感度が相対的に高い超音波センサと低い超音波センサの信号レベルが示される。
超音波パルス信号の波数を増やすことで、超音波センサの受信感度にかかわらず、信号レベルはリニアに増幅される。しかしながら、受信感度が低い超音波センサは、受信感度が高い超音波センサに比べて、同じ超音波パルス信号の波数に対する信号レベルの増幅度が低い。信号レベルの増幅度は、超音波発信センサT1の圧電素子の特性によって決まる。そのために、受信感度の低い超音波センサの紙無しモード時の信号レベルを規格範囲内に収める場合、受信感度の高い超音波センサよりも超音波パルス信号の波数を増やす必要がある。逆に、受信感度の高い超音波センサの信号レベルを規格範囲内に抑える場合、受信感度の低い超音波センサよりも超音波パルス信号の波数を減らす必要がある。図11(a)のような特性の場合、受信感度の高い超音波センサを2波の超音波パルス信号で、受信感度の低い超音波センサを3波の超音波パルス信号で駆動することで、各超音波センサの出力が規格範囲内に収まる。
図11(b)は、超音波パルス信号のデューティー比と信号レベルとの関係を表す。ここでは、紙無しモード時の超音波パルス信号のデューティー比が50%、40%、30%のときのそれぞれの信号レベルの変化が示される。図示するように、波数が3、デューティー比が50%の場合、信号レベルが規格範囲に入らない。そこでデューティー比を50%から変更することで、受信感度を低く設定することができる。よって、超音波パルス信号の波数を固定した場合、信号レベルを規格範囲内に収めるには、デューティー比を50%から下げながら調整していけばよい。図11(b)においては、デューティー比が約36%で信号レベルが規格範囲内になる。
このように超音波パルス信号の波数及びデューティー比を調整することで、超音波センサ2000の信号レベルを所定の範囲内(規格範囲内)に収めることができる。これにより、超音波センサ2000の個体差による感度のバラツキを吸収することができる。
(坪量検知処理)
図12は、原稿102の坪量検知処理を表すフローチャートである。この処理は、坪量検知を行う前に、超音波センサ2000の超音波受信信号の信号レベルを所定の範囲内(規格範囲内)に収めるための調整処理を含む。この処理では、超音波パルス信号を5波として説明するが、超音波センサ2000の取り付け公差などで個体差が大きい場合には、超音波パルス信号を6波に設定する。この波数は、例示であり、他の波数であってもよい。
CPU201は、超音波パルス信号の波数kをデフォルト値(5波)に初期化する(S101)。CPU201は、信号レベルの調整回数をカウントする調整カウンタNの値を「0」に初期化する(S102)。CPU201は、超音波発信センサT1に超音波パルス信号を入力して超音波を発信させる(S103)。このとき、原稿102の搬送は開始されておらず、制御ユニット10は紙無しモードで動作している。CPU201は、紙無しモード時の超音波受信信号の信号レベルVを測定する(S104)。CPU201は、調整カウンタNが閾値Nth未満であるか否かを判断する(S105)。これは、信号レベルの調整を何度も行わないようにするためである。本実施形態では、閾値Nth=3とする。調整カウンタNが3以上である場合(S105:N)、CPU201は、超音波センサ2000が故障していることを表す故障フラグに「1」を設定し、信号レベルの調整処理を終了する(S108)。つまりCPU201は、所定回数の調整を行っても信号レベルが規格範囲内に収まらない場合に、超音波発信センサT1及び超音波受信センサT2の少なくとも一方が故障していると判断する。故障フラグは超音波センサ2000が故障していることを表示するために使用される。故障フラグは超音波センサ2000が交換された際に「0」に設定される。
調整カウンタNが閾値Nth未満である場合(S105:Y)、CPU201は、信号レベルVが規格範囲の下限値V0を上回っているか否かを判断する(S106)。信号レベルVが下限値V0を上回っている場合(S106:Y)、CPU201は、信号レベルVが規格範囲の上限値V1を下回っているか否かを判断する(S107)。信号レベルVが上限値V1を下回っている場合(S107:Y)、信号レベルVが規格範囲内にあることになるので、CPU201は、信号レベルの調整処理を終了する。
信号レベルVが規格範囲の下限値V0以下の場合(S106:N)、CPU201は、超音波パルス信号の波数k及び調整カウンタNを1インクリメントする(S109、S110)。CPU201は、インクリメント後に、S103以降の処理を信号レベルが規格範囲内に収まるまで、或いは調整カウンタNが3以上になるまで繰り返し行う。
信号レベルVが上限値V1以上の場合(S107:N)、CPU201は、超音波パルス信号のデューティー比を変更し且つ調整カウンタNを1インクリメントする(S111、S110)。本実施形態では、CPU201は、超音波パルス信号のデューティー比を初期値の50%から3%ずつ増減する。なお、デューティー比の変更は、3%刻みに限らず、所定の数値であればよい。デューティー比の変更後にCPU201は、S103以降の処理を信号レベルが規格範囲内に収まるまで、或いは調整カウンタNが3以上になるまで繰り返し行う。
以上により、超音波センサ2000の超音波受信信号の信号レベルを所定の範囲内(規格範囲内)に収めるための調整処理が終了する。調整処理により、超音波パルス信号の特性(波数、デューティー比)及び超音波の特性(波数、デューティー比)が調整される。調整処理が終了すると、CPU201は、原稿トレイ101から原稿の給紙を開始する(S112)。このとき制御ユニット10は紙有りモードで動作する。
CPU201は、故障フラグの値が「0」に設定されているか否か確認する(S1121)。故障フラグの値が「0」の場合(S1121:Y)、CPU201は、給紙された原稿の重送を検知するために、超音波発信センサT1に、特性調整後の波数及びデューティー比の超音波パルス信号に応じた超音波を発信させる(S113)。CPU201は、超音波受信センサT2から超音波受信信号を取得し、その信号レベルVと重送判別のための閾値Vthとを比較して重送検知を行う。ここでは、CPU201は、信号レベルVが閾値Vthを上回っているか否かを判定する(S114)。
信号レベルVが閾値Vthを上回っている場合(S114:Y)、CPU201は、該信号レベルVに応じて原稿102の坪量を検知する(S115)。CPU201は、坪量検知後に、トレイ原稿有無センサS1の検知結果により、原稿トレイ101から原稿が無くなったか否かを判定する(S116)。なお、CPU201は、故障フラグの値が「1」の場合(S1121:N)にも、原稿トレイ101から原稿が無くなったか否かの判定を行う(S116)。次の原稿が原稿トレイ101に載置されている場合(S116:N)、CPU201は、S112以降の処理を、原稿トレイ101から原稿が無くなるまで繰り返し行う。原稿トレイ101から原稿が無くなった場合(S116:Y)、CPU201は、原稿の坪量検知処理を終了する。
信号レベルVが閾値Vth以下の場合(S114:N)、CPU201は、超音波パルス信号の波数k及びデューティー比をデフォルト値(5波、50%)に初期化する(S117)。CPU201は、超音波発信センサT1に初期化した超音波パルス信号に応じた超音波を発信させる(S118)。CPU201は、超音波受信センサT2から超音波受信信号を取得し、その信号レベルVが閾値Vthを上回っているか否かを判定する(S119)。
信号レベルVが閾値Vthを上回っている場合(S119:Y)、CPU201は、該信号レベルVに応じて原稿の坪量を検知する(S120)。CPU201は、坪量検知後に、S116以降の処理を行う。信号レベルVが閾値Vth以下の場合(S119:N)、CPU201は、原稿が重送されていると判定して給紙動作を停止し(S121)、原稿の坪量検知処理を終了する。
図13は、超音波受信信号の信号レベルの調整処理の効果の説明図である。図13は、横軸を坪量、縦軸を超音波受信信号の信号レベルとして、坪量毎に信号レベルが取り得る範囲を示す。信号レベルは、最大値(max)から最小値(min)の間の値を取り得る。
上記の通り、CPU201は、原稿搬送中に超音波受信センサT2から取得する超音波受信信号に応じて、超音波受信センサT2が受信した超音波の強度を表す信号レベルを決定する。メモリ206は、坪量毎の超音波受信信号の信号レベルの関係を表す情報を、バックアップデータとして予め格納する。CPU201は、決定した超音波受信信号の信号レベルと、メモリ206のバックアップデータとから、原稿102の坪量を特定する。超音波センサ2000の個体差により、信号レベルにバラツキが生じる。
図13(a)は、超音波受信信号の信号レベルの調整を行わない場合の坪量毎の信号レベルのバラツキを表す。図13(b)は、超音波受信信号の信号レベルの調整を行った場合の坪量毎の信号レベルのバラツキを表す。超音波受信信号の信号レベルの調整を行わない場合、信号レベルの取り得る範囲が、調整を行った場合よりも大きくなる。
そのために、超音波受信信号の信号レベルの調整を行わない場合、所定の坪量の原稿を検知したときの信号レベルの取り得る範囲が、他の坪量の原稿を検知したときの信号レベルの取り得る範囲に重なる可能性がある。信号レベルの取り得る範囲が重なる場合、CPU201は、原稿の坪量の判別ができなくなる。例えば、信号レベルの「175」の場合、図13(a)では、坪量が210[gsm(grams per square meter)]と坪量が250[gsm]とのいずれかの可能性があり、判別できない。
超音波受信信号の信号レベルの調整を行う場合、信号レベルのバラツキが抑制される。そのために、所定の坪量の原稿を検知したときの信号レベルの取り得る範囲が、他の坪量の原稿を検知したときの信号レベルの取り得る範囲に重ならない。信号レベルの取り得る範囲が重ならないために、CPU201は、坪量の判別が可能である。例えば図13(b)では、デジタル信号の値が「175」の場合、坪量が250[gsm]と判別できる。
以上のような本実施形態の画像読取装置1は、坪量検知の前に超音波センサ2000の出力が所定の範囲内に収まるように信号レベルの調整を行うことで、超音波センサ2000の個体差による感度のバラツキの影響を抑制することができる。具体的には、画像読取装置1は、超音波センサ2000が発信する超音波の特性を超音波パルス信号により調整することで、超音波センサ2000の出力が所定の範囲内に収まるように調整する。そのために画像読取装置1は、同じ坪量の紙であれば、常に、超音波センサ2000から同じレベル範囲の超音波受信信号を取得して、正確な坪量検知を実現することができる。

Claims (12)

  1. シートを搬送する搬送手段と、
    超音波を発信する超音波発信手段と、
    シートの搬送経路を挟んで前記超音波発信手段に対向する位置に設けられ、前記超音波発信手段の発信する前記超音波を受信して、該超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信手段と、
    前記超音波発信手段に所定の特性の超音波を発信させるための超音波パルス信号を入力することで、前記搬送経路を搬送されるシートに向けて前記超音波発信手段に前記超音波を発信させ、該超音波を受信した前記超音波受信手段から出力される前記超音波受信信号に応じて、前記搬送経路を搬送される前記シートのシート特性を検知する制御手段と、を備えており、
    前記制御手段は、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間にシートがない状態で前記超音波パルス信号を調整する処理を行い、調整後の超音波パルス信号に応じて、前記超音波発信手段に前記搬送経路を搬送されるシートに向けて前記超音波を発信させることを特徴とする、
    検知装置。
  2. 前記制御手段は、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間にシートがない状態で、前記超音波発信手段が発信する前記超音波を受信した前記超音波受信手段から出力される超音波受信信号の信号レベルが、所定の範囲内に収まるように前記超音波パルス信号を調整することを特徴とする、
    請求項1記載の検知装置。
  3. 前記制御手段は、前記超音波パルス信号の調整回数をカウントしており、所定回数の調整を行っても前記超音波受信信号の信号レベルが前記所定の範囲内に収まらない場合に、前記超音波発信手段及び前記超音波受信手段の少なくとも一方が故障していると判断することを特徴とする、
    請求項2記載の検知装置。
  4. 前記超音波発信手段は、バースト波に基づいて前記超音波を発信し、
    前記制御手段は、前記バースト波の波数を変更することで、前記超音波パルス信号を調整することを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項記載の検知装置。
  5. 前記超音波発信手段は、バースト波に基づいて前記超音波を発信し、
    前記制御手段は、前記バースト波のデューティー比を変更すること、前記超音波パルス信号を調整することを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1項記載の検知装置。
  6. 前記超音波発信手段は、バースト波に基づいて前記超音波を発信し、
    前記制御手段は、バースト波を駆動する電圧を変更することで、前記超音波パルス信号を調整することを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか1項記載の検知装置。
  7. 前記超音波受信信号と前記シート特性との関係を表す情報を予め格納する格納手段をさらに備えており、
    前記制御手段は、前記格納手段に格納された前記情報を参照して、前記超音波受信手段から取得した前記超音波受信信号に応じた前記シート特性を検知することを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれか1項記載の検知装置。
  8. 前記制御手段は、前記シート特性としてシートの坪量を検知することを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれか1項記載の検知装置。
  9. 前記制御手段は、前記超音波受信信号と複数枚のシートが重なって搬送される重送を判別するための閾値とを比較して重送検知を行い、シートが重送される場合に前記超音波パルス信号を初期化し、初期化した超音波パルス信号に応じて、前記超音波発信手段に前記搬送経路を搬送されるシートに向けて前記超音波を発信させ、該超音波を受信した前記超音波受信手段から出力される前記超音波受信信号に応じて、前記搬送経路を搬送される前記シートのシート特性を検知することを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれか1項記載の検知装置。
  10. 前記制御手段は、前記初期化した超音波パルス信号に応じて前記超音波発信手段が発信した前記超音波により前記超音波受信手段から出力される前記超音波受信信号と、前記閾値とを比較して重送検知を行い、シートが重送される場合に前記搬送手段による前記シートの搬送を停止させることを特徴とする、
    請求項9記載の検知装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の検知装置と、
    搬送経路を搬送されるシートの画像を読み取り、読み取った画像を表す画像データを出力するリーダ手段と、を備えることを特徴とする、
    画像読取装置。
  12. シートを搬送する搬送手段と、
    超音波を発信する超音波発信手段と、
    シートの搬送経路を挟んで前記超音波発信手段に対向する位置に設けられ、前記超音波発信手段の発信する前記超音波を受信して、該超音波に応じた超音波受信信号を出力する超音波受信手段と、を備えた装置により実行される方法であって、
    前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間にシートがない状態で前記超音波発信手段に所定の特性の超音波を発信させるための超音波パルス信号を、前記超音波受信信号が所定の範囲内に収まるように調整し、
    調整後の超音波パルス信号に応じて、前記超音波発信手段に前記搬送経路を搬送されるシートに向けて前記超音波を発信させ、該超音波を受信した前記超音波受信手段から出力される前記超音波受信信号に応じて、前記搬送経路を搬送される前記シートのシート特性を検知することを特徴とする、
    検知方法。
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