JP2019045648A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 給紙口にヒータが設けられた画像形成装置において、記録材の種類を精度良く判別し、高品位な画像を形成する画像形成装置を提供する。【解決手段】 本発明は、記録材が載置される載置部に発熱体を備えた画像形成装置において、画像を形成する画像形成部と、記録材の特性に関する情報を検知する検知部と、前記装置の周囲の水分量に関する情報を測定する測定部と、前記発熱体が通電している状態における前記載置部の周囲の水分量に関する情報が予め記憶された記憶部と、前記発熱体に通電していない場合、前記検知部の検知結果と前記測定部により測定された前記情報に基づいて、画像形成条件を設定し、前記発熱体に通電している場合、前記検知部の検知結果と前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記画像形成条件を設定する制御部と、を有することを特徴とする。【選択図】 図6
Description
本発明は、記録材の種類を判別し、判別結果に応じて記録材に対する画像形成条件を設定する画像形成装置に関する。
従来、複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、記録材の物理的な特性(坪量や表面性など)に関する情報を検知するセンサを備え、そのセンサの検知結果から記録材の種類を判別するものがある。これらの装置では、記録材の種類の判別結果に応じて、転写条件(例えば転写電圧や転写時の記録材の搬送速度)や定着条件(例えば定着温度や定着時の記録材の搬送速度)といった画像形成条件を設定し、画像品位を向上させている。
特許文献1では、記録材に含まれる水分量によって記録材の特性が変動することに着目し、画像形成装置の周囲の温度や湿度から求められる空気中の水分量に基づいて、センサの検知結果を補正している。例えば、高温高湿の環境下で空気中の水分量が多い場合は、記録材に含まれる水分量も多いと予測される。そして、記録材に含まれる水分量が多い場合は、水分の量に応じて記録材の坪量が増加する。画像形成装置はこのような記録材の含水量を考慮しセンサの検知結果を補正することで、より精度良く記録材の坪量を判別することができる。
しかしながら、記録材に含まれる水分量が多い状態で画像形成を行うと、特に画像の定着処理により記録材が熱せられる際に、記録材に含まれる水分が蒸発することに伴って、記録材にカールが発生しやすくなる。そのため、記録材の吸湿を抑制しカールの発生を抑えるため、一部の給紙口にヒータを設けて記録材を温める構成が知られている。
この構成をとった場合、画像形成装置の周囲の温度や湿度と、給紙口付近の温度や湿度が大きく異なってしまうため、特許文献1のように空気中の水分量に基づいて記録材の含水量を予測することができない。その結果、記録材の坪量の判別精度が低下し、誤った画像形成条件を設定して画像品位が低下してしまうおそれがある。
本発明の目的は、給紙口にヒータが設けられた画像形成装置において、記録材の種類を精度良く判別し、高品位な画像を形成する画像形成装置を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明の画像形成装置は、記録材が載置される載置部に発熱体を備えた画像形成装置において、前記載置部から搬送された記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材の特性に関する情報を検知する検知部と、前記画像形成装置の周囲の水分量に関する情報を測定する測定部と、前記発熱体が通電している状態における前記載置部の周囲の水分量に関する情報が予め記憶された記憶部と、前記発熱体に通電していない場合、前記検知部の検知結果と前記測定部により測定された前記情報に基づいて、前記画像形成部による画像形成条件を設定し、前記発熱体に通電している場合、前記検知部の検知結果と前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記画像形成条件を設定する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、給紙口にヒータが設けられた画像形成装置において、記録材の種類を精度良く判別し、高品位な画像を形成する画像形成装置を提供することができる。
[実施例1]
<画像形成装置の説明>
本実施例を適用可能である電子写真方式のレーザビームプリンタ1(以下、プリンタ1と表記する)について説明する。図1はプリンタ1の概略構成図である。プリンタ1は、タンデム式のカラーレーザビームプリンタであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の現像剤であるトナーを重ね合わせることで用紙P(記録材)にカラー画像を形成することができる。給紙カセット2は、載置部の一例であり、用紙Pが複数枚載置される。給紙カセット2には、カセットヒータ80と、通電検知センサ81が設けられている。カセットヒータ80は給紙カセット2に載置されている用紙Pの周囲を温めて、用紙Pの吸湿を抑制する。通電検知センサ81は、カセットヒータ80が通電状態にあるか否かを検知する。用紙Pの搬送路には、給紙カセット2から用紙Pを給紙する給紙ローラ4、給紙カセット2から給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対5、レジストレーションローラ対6が設けられている。さらに、用紙Pの搬送状態を検知するためのレジストレーションセンサ34及び定着排紙センサ35が設けられている。記録材判別装置30は給紙カセット2から搬送されてきた用紙Pの特性に関する情報を検知し、用紙Pの種類を判別する。記録材判別装置30について詳細は後述する。
<画像形成装置の説明>
本実施例を適用可能である電子写真方式のレーザビームプリンタ1(以下、プリンタ1と表記する)について説明する。図1はプリンタ1の概略構成図である。プリンタ1は、タンデム式のカラーレーザビームプリンタであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の現像剤であるトナーを重ね合わせることで用紙P(記録材)にカラー画像を形成することができる。給紙カセット2は、載置部の一例であり、用紙Pが複数枚載置される。給紙カセット2には、カセットヒータ80と、通電検知センサ81が設けられている。カセットヒータ80は給紙カセット2に載置されている用紙Pの周囲を温めて、用紙Pの吸湿を抑制する。通電検知センサ81は、カセットヒータ80が通電状態にあるか否かを検知する。用紙Pの搬送路には、給紙カセット2から用紙Pを給紙する給紙ローラ4、給紙カセット2から給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対5、レジストレーションローラ対6が設けられている。さらに、用紙Pの搬送状態を検知するためのレジストレーションセンサ34及び定着排紙センサ35が設けられている。記録材判別装置30は給紙カセット2から搬送されてきた用紙Pの特性に関する情報を検知し、用紙Pの種類を判別する。記録材判別装置30について詳細は後述する。
11(11Y、11M、11C、11K)は各色のトナーを担持する感光ドラムである。12(12Y、12M、12C、12K)は感光ドラム11を一様に所定の電位に帯電するための各色の帯電ローラである。13(13Y、13M、13C、13K)は、4色分のレーザスキャナである。また、14(14Y、14M、14C、14K)は、感光ドラム11上に形成された静電潜像を可視化するためのプロセスカートリッジである。15(15Y、15M、15C、15K)は、プロセスカートリッジ14内のトナーを感光ドラム11に送り出す現像ローラである。16(16Y、16M、16C、16K)は、感光ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト17に一次転写する一次転写ローラである。中間転写ベルト17は、駆動ローラ18によって回転する。二次転写ローラ19は、中間転写ベルト17上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。定着器20は、用紙Pを搬送させながら、用紙Pに二次転写されたトナー像を用紙Pに溶融定着させる。以上説明した感光ドラム11から定着器20までが、画像形成部50の一例を構成している。排紙ローラ21は、定着器20によって定着が行われた用紙Pを排紙する。
<記録材判別装置の構成>
本実施例を適用可能である記録材判別装置30の構成について説明する。図2は、記録材判別装置30の構成と、給紙カセット2の構成の一例を示したブロック図である。記録材判別装置30は、後述する温湿度センサ40と坪量検知部31と制御部10から構成される。温湿度センサ40(測定部)は、プリンタ1の周囲の空気中の水分量を求めるため、プリンタ1の周囲の温度及び湿度を測定する。なお、本実施例では温湿度センサ40を用いて説明するものの、空気中の水分量を検知できればよく、これに限定されるものではない。温湿度センサ40はプリンタ1の周囲の温湿度環境を精度良く測定できるように、プリンタ1の外装近く且つ熱源の影響を受けない場所に配置するのが望ましい。
本実施例を適用可能である記録材判別装置30の構成について説明する。図2は、記録材判別装置30の構成と、給紙カセット2の構成の一例を示したブロック図である。記録材判別装置30は、後述する温湿度センサ40と坪量検知部31と制御部10から構成される。温湿度センサ40(測定部)は、プリンタ1の周囲の空気中の水分量を求めるため、プリンタ1の周囲の温度及び湿度を測定する。なお、本実施例では温湿度センサ40を用いて説明するものの、空気中の水分量を検知できればよく、これに限定されるものではない。温湿度センサ40はプリンタ1の周囲の温湿度環境を精度良く測定できるように、プリンタ1の外装近く且つ熱源の影響を受けない場所に配置するのが望ましい。
坪量検知部31は、給紙カセット2から搬送された用紙Pの坪量を検知するための超音波センサである。ここで、坪量とは用紙Pの単位面積当たりの質量であり、その単位は[g/m2]である。以下、簡単のため単純に[g]と表記することもある。坪量検知部31は、超音波発信部31a及び超音波受信部31b(以下、それぞれ発信部31a、受信部31bと表記する)から構成される。制御部10は、CPU、メモリ等を備えたMPU(不図示)で構成され、坪量検知部31の制御と、温湿度センサ40の検知結果および、通電検知センサ81の検知結果の処理を行うとともに、プリンタ1の制御を司る機能も備える。制御部10は、温湿度センサ40の検知結果、通電検知センサ81の検知結果、坪量検知部31の検知値に基づいて、用紙Pの種類に応じた画像形成条件(印刷モード)を設定する。ここで、画像形成条件とは、画像形成部50が用紙Pに画像を形成する際の各種プロセス条件であり、詳しくは後述する。
本実施例において、制御部10は、坪量検知部31の制御と、温湿度センサ40および通電検知センサ81の検知結果の処理、電子写真プロセスの制御を一括して行っているが、各々に独立した制御部を設け機能を分担させてもよい。例えば、坪量検知部31の制御と、温湿度センサ40および通電検知センサ81の検知結果の処理を行う制御部と、電子写真プロセスの制御を行う制御部をそれぞれ独立して設け、各制御部は通信によりお互いの制御および検知値を共有しても良い。また例えば、坪量検知部31の制御を行う制御部と、温湿度センサ40と通電検知センサ81の検知結果の処理および電子写真プロセスの制御を行う制御部をそれぞれ独立して設け、各制御部は通信によりお互いの制御および検知値を共有しても良い。
<カセットヒータ80の構成>
図3は、本実施例を適用可能なカセットヒータ80の一例である。カセットヒータ80(発熱体)は、抵抗器82と、ヒューズ83で構成されており、商用電源などの外部電源84に接続される。外部電源84から供給される電力が抵抗器82で消費されることで、抵抗器82が発熱する。これにより、給紙カセット2の内部の温度が上昇する。ヒューズ83は、予期しない大電流が抵抗器82に流れることを防いでいる。本実施例では、外部電源84が抵抗器82に電力を供給する構成を一例として示したが、他の方法でも良い。例えば、プリンタ1の電源が抵抗器82に電力を供給する構成でも良い。
図3は、本実施例を適用可能なカセットヒータ80の一例である。カセットヒータ80(発熱体)は、抵抗器82と、ヒューズ83で構成されており、商用電源などの外部電源84に接続される。外部電源84から供給される電力が抵抗器82で消費されることで、抵抗器82が発熱する。これにより、給紙カセット2の内部の温度が上昇する。ヒューズ83は、予期しない大電流が抵抗器82に流れることを防いでいる。本実施例では、外部電源84が抵抗器82に電力を供給する構成を一例として示したが、他の方法でも良い。例えば、プリンタ1の電源が抵抗器82に電力を供給する構成でも良い。
<カセットヒータ80の効果>
高湿度環境に放置した用紙Pを印刷すると、用紙Pが多くの水分を吸湿しているので、印刷した用紙Pにカールが発生する。このカール対策として、給紙カセット2にカセットヒータ80を搭載し、給紙カセット2の内部の湿度を下げる方法がある。図4は、発明者らが検討した際の測定データの一例であり、高湿度環境(温度32.5℃、相対湿度80%)における用紙Pの含水量の時間変化を示している。用紙Pをパッケージから開梱したタイミング(時点A)における用紙Pの含水量は6.3%である。カセットヒータ80がない場合、用紙Pが空気中の水分を吸湿し、時点Bにおいて用紙Pの含水量は8.1%まで上昇する。一方、カセットヒータ80がある場合、給紙カセット2の内部の湿度が低いので、時点Bにおいて用紙Pの含水量は7.0%までしか上昇しない。このように、カセットヒータ80を搭載することで、高湿環境においても用紙Pの吸湿を抑制でき、カールを抑制できる。
高湿度環境に放置した用紙Pを印刷すると、用紙Pが多くの水分を吸湿しているので、印刷した用紙Pにカールが発生する。このカール対策として、給紙カセット2にカセットヒータ80を搭載し、給紙カセット2の内部の湿度を下げる方法がある。図4は、発明者らが検討した際の測定データの一例であり、高湿度環境(温度32.5℃、相対湿度80%)における用紙Pの含水量の時間変化を示している。用紙Pをパッケージから開梱したタイミング(時点A)における用紙Pの含水量は6.3%である。カセットヒータ80がない場合、用紙Pが空気中の水分を吸湿し、時点Bにおいて用紙Pの含水量は8.1%まで上昇する。一方、カセットヒータ80がある場合、給紙カセット2の内部の湿度が低いので、時点Bにおいて用紙Pの含水量は7.0%までしか上昇しない。このように、カセットヒータ80を搭載することで、高湿環境においても用紙Pの吸湿を抑制でき、カールを抑制できる。
<記録材判別装置の動作>
本実施例を適用可能な記録材判別装置30の動作について、図2を用いて説明する。前述したように、制御部10は温湿度センサ40によってプリンタ1の周囲の温度及び相対湿度を検知し、プリンタ1の周囲の空気中の水分量を求める。空気中の水分量は、制御部10のROMなどに予め記憶された温度に対する飽和水蒸気量から求めることができる。
本実施例を適用可能な記録材判別装置30の動作について、図2を用いて説明する。前述したように、制御部10は温湿度センサ40によってプリンタ1の周囲の温度及び相対湿度を検知し、プリンタ1の周囲の空気中の水分量を求める。空気中の水分量は、制御部10のROMなどに予め記憶された温度に対する飽和水蒸気量から求めることができる。
坪量検知部31は、超音波を発信する発信部31aと、超音波を受信する受信部31bから構成される。発信部31と受信部31bは同様の構成であり、機械的変位と電気信号の相互変換素子である圧電素子(ピエゾ素子ともいう)及び電極端子から成る。用紙Pが発信部31aと受信部31bの間に搬送されてくると、制御部10は送信制御部42に対して動作開始の指示を出す。発信部31aは送信制御部42の制御に従い、特定の周波数の超音波を用紙Pに向けて発信する。受信部31bは用紙Pを透過した超音波を受信する役割を担う。受信検知部43は、受信した波形のピーク値(振幅値)の電圧を検知値として制御部10のADポートに出力する。制御部10は受信検知部43の出力をCPU(不図示)のADポートで受信する。制御部10のADポートは、制御部10に入力された電源電圧を基準に256分割した分解能で検知可能であり、ADポートに入力された電圧が分解能に対して何倍の電圧であるかを検知することでdec値に変換し、検知値として確定する。例えば制御部10の電源電圧が3.3V且つdec値が128である場合、ADポートに入力された電圧は1.65Vとなる。なお本実施例では256分割で説明したものの一例に過ぎない。
制御部10は検知値を受信した後、送信制御部42に対して動作停止の指示を出す。用紙Pを透過した超音波は、用紙Pの坪量の増加に応じて減衰する。坪量が小さい用紙P(薄紙)の場合は超音波の減衰が小さく、ピーク値及び制御部10の検知値は高くなり、坪量が大きい用紙P(厚紙)の場合は超音波の減衰が大きく、ピーク値及び検知値も低くなる。よって例えば、制御部10の検知値が高い場合は薄紙、低い場合は厚紙と用紙Pの種類(紙種ともいう)を判別できる。一般的に、普通紙は115g以下の坪量であるのに対して、コート紙は115g超の坪量であることが多い。そのため、一例として坪量115gの用紙Pを坪量検知部31で検知した場合のピーク値を、検知値は256分割した値の90decと設定しておく。これにより、検知値が90dec以上であれば普通紙であると判別される。また、本実施例では紙種の判別のための検知値の閾値は90decとしたものの、判別したい紙種に応じて自在に設定可能である。一例として、一般的に薄紙の坪量は70g以下であることが多い。坪量70gの用紙Pを坪量検知部31で検知した場合の検知値を、制御部10のADポートで150decと設定しておくことで、検知値が150dec以上であれば薄紙であると判別される。
続いて紙種と画像形成条件について説明する。一般的に用紙Pの坪量によって用紙Pの抵抗値が異なり、トナーを転写するための転写電流などの転写条件を変更する必要がある。また、用紙Pの坪量に応じて熱容量が異なり、トナーを定着するための定着温度や定着時間、搬送速度などの定着条件を変更する必要がある。よって、画質の向上には紙種に応じて適切な転写条件や定着条件などの画像形成条件を設定することが望ましい。例えば、薄紙のような坪量が小さい用紙Pの場合、定着温度を低めに設定することで必要な電力が低減され、逆に厚紙のような坪量が大きい用紙Pの場合、定着温度を高めに設定したり用紙Pの搬送速度を遅くしたりすることで定着性が向上される。
次に、用紙Pの含水量と画像形成条件について説明する。含水量に応じて用紙Pの抵抗値や坪量は変化するため、これに合わせて画像形成条件を設定する必要がある。さらに、含水量に応じた用紙Pの抵抗値の変化は紙種によって異なる。よって、紙種及び含水量に応じた画像形成条件を設定することで、最適な画像形成を行うことができる。
<カセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正>
含水量が紙種の判別に及ぼす影響について説明する。用紙Pの含水量が多ければ用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が増加するため、含まれた水分量によって用紙Pの坪量が増加する。一方、含水量が少なければ用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が減少するため、用紙Pの坪量は減少する。そのため、含水量によって変化した坪量の検知値に基づいて紙種を判別すると、用紙Pを誤った紙種に判別してしまう可能性がある。そこで所望の判別精度を得るためには、用紙Pの含水量に応じた補正を行う必要がある。
含水量が紙種の判別に及ぼす影響について説明する。用紙Pの含水量が多ければ用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が増加するため、含まれた水分量によって用紙Pの坪量が増加する。一方、含水量が少なければ用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が減少するため、用紙Pの坪量は減少する。そのため、含水量によって変化した坪量の検知値に基づいて紙種を判別すると、用紙Pを誤った紙種に判別してしまう可能性がある。そこで所望の判別精度を得るためには、用紙Pの含水量に応じた補正を行う必要がある。
用紙Pの含水量は用紙Pの付近の空気中の水分量、つまり用紙Pが載置されている給紙カセット2の付近の空気中の水分量と相関がある。また、本実施例においては、給紙カセット2の付近の空気中の水分量を、温湿度センサ40によって求められるプリンタ1の周囲の空気中の水分量と同一として扱う。本実施例では水分量の一例として、温度と湿度に基づいて求められる絶対水分量(単位体積当たりの水分量)で説明し、絶対水分量が約11.5g(温度25℃、湿度50%RH相当)の環境を基準環境とする。なお、本実施例では絶対水分量を例にあげて説明するものの、用紙Pに含まれる水分量を予測できればよく、これに限定されない。一例として相対湿度に基づいて求められる水分量から予測することも可能である。例えば水分量の変化が小さい温度範囲で使用する場合は、用紙Pの周囲の相対湿度に基づいて用紙Pに含まれる水分量を予測してもよく、温度と湿度に基づいて求めた絶対水分量と同等の精度で予測することが可能である。
次に、温湿度センサ40の検知結果に基づいて検知した絶対水分量の変動が坪量検知部31の検知値に与える影響について、図5に示す発明者らの実験結果を用いて説明する。前述したように本実施例では用紙Pに含まれる水分量を予測するために、一例として温湿度センサ40により求められる絶対水分量を用いている。図5の横軸は温湿度センサ40の検知結果に基づいた絶対水分量を示している。図5の縦軸は絶対水分量が約11.5g(温度25℃、湿度50%RH相当)の環境を基準とした場合の、用紙Pの坪量の変動率W及び坪量検知部31の検知値の変動率Vを示したものである。ここでは一例として、坪量が60g、80g、90gの用紙P(普通紙)について示しており、各々の用紙Pは測定時の温湿度環境に十分に放置して馴染ませた後に測定している。前述したように絶対水分量の増減に応じて坪量も増減するため、図5に示すように絶対水分量と変動率Wは比例関係になる。また、前述したように、用紙Pの坪量が大きくなると、坪量検知部31の検知値は小さくなる。したがって、坪量の変動率Wの逆数が坪量検知部31の変動率Vである。絶対水分量を検知できれば図5から求めた変動率Vの近似式を用いることで、絶対水分量によって変動した坪量検知部31の検知値の変動率Vを予測できる。そして、検知値を予測した変動率Vで除算することで、同一の基準環境での検知値に補正することができる。
例えば、図5に示す通り、絶対水分量が20gの環境における用紙Pの坪量は、絶対水分量11.5gの基準環境における坪量の約1.022倍になる。それに伴い、絶対水分量が20gの環境における坪量検知部31の検知値は、絶対水分量11.5gの基準環境における坪量検知部31の検知値の約0.978(=1/1.022)倍になる。したがって、絶対水分量が20gの環境における坪量検知部31の検知値を0.978で除算することで、絶対水分量が20gの環境における坪量検知部31の検知値を絶対水分量11.5gの基準環境における坪量検知部31の検知値に変換できる。つまり、ある環境における坪量検知部31の検知値を、その環境における変動率Vで除算することで、坪量検知部31の検知値は絶対水分量は約11.5g(温度25℃、湿度50%RH相当)の基準環境の値に補正される。
また、図5で示した坪量の紙種(普通紙)については坪量に差異があっても変動率Vのばらつきは小さいことが分かる。よって、坪量の差異が小さい紙種において、変動率Vは紙種に応じて近似式を変更しなくとも精度の良い近似が可能である。本実施例の場合、温湿度センサ40から得られる水分量を下記の近似式1に代入することで坪量検知部31の検知値の変動率Vを求める。前述したように近似式1の係数は図5の坪量80gの用紙Pの水分量に対する検知値の変動率Vに基づいて近似を行い、算出している。
変動率V=1/(0.03×水分量[g]+0.98)・・・近似式1
ここで、変動率Vの近似式1は本実施例における一例であり、坪量検知部31の検知特性に合わせて適宜設定して良い。また前述した通り、本実施例においては、給紙カセット2の付近の空気中の水分量を、温湿度センサ40によって求められるプリンタ1の周囲の空気中の水分量と同一として扱っている。一般的に給紙カセット2や手差し給紙トレイ(不図示)、給紙オプションのカセット(不図示)などの載置部は、プリンタ1の電源や駆動源などの熱源の影響を大きく受けない場所に設けられている。よって、給紙カセット2の付近とプリンタ1の周囲の空気中の水分量は殆ど同等と考えることができる。
ここで、変動率Vの近似式1は本実施例における一例であり、坪量検知部31の検知特性に合わせて適宜設定して良い。また前述した通り、本実施例においては、給紙カセット2の付近の空気中の水分量を、温湿度センサ40によって求められるプリンタ1の周囲の空気中の水分量と同一として扱っている。一般的に給紙カセット2や手差し給紙トレイ(不図示)、給紙オプションのカセット(不図示)などの載置部は、プリンタ1の電源や駆動源などの熱源の影響を大きく受けない場所に設けられている。よって、給紙カセット2の付近とプリンタ1の周囲の空気中の水分量は殆ど同等と考えることができる。
<カセットヒータ80が通電している場合の検知値補正>
一方で、カセットヒータ80が通電している場合、給紙カセット2の付近の温湿度とプリンタ1の付近の温湿度が異なる。つまり、プリンタ1の付近の温湿度から求めた水分量により予測された用紙Pの含水量は、実際の用紙Pの含水量とは異なる。したがって、前述したカセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正のように、給紙カセット2の付近の水分量をプリンタ1の付近の水分量と同一として扱えない。そこで、制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいてカセットヒータ80が通電していると判断した場合には、制御部10に予め記憶された固定温湿度情報をもとに、給紙カセット2の付近の水分量を算出する。この固定温度情報は、事前に検討して決定した値であり、実際に使用される環境に近い環境においてカセットヒータ80を使用した時の給紙カセット2の付近の温湿度である。例えば、高温高湿環境(32.5℃、80%)でカセットヒータ80を使用した場合には、固定温湿度情報として「温度38℃、湿度58%」を予めROM等の記憶部に記憶しておく。制御部10は、固定温湿度情報から給紙カセット2の付近の水分量を算出し、その水分量をもとに変動率Vを算出する。また、固定温湿度情報でなく、固定温湿度情報から求められる水分量の情報そのものが記憶されていてもよい。その後の検知値補正については、カセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正と同じであるので、説明を省略する。
一方で、カセットヒータ80が通電している場合、給紙カセット2の付近の温湿度とプリンタ1の付近の温湿度が異なる。つまり、プリンタ1の付近の温湿度から求めた水分量により予測された用紙Pの含水量は、実際の用紙Pの含水量とは異なる。したがって、前述したカセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正のように、給紙カセット2の付近の水分量をプリンタ1の付近の水分量と同一として扱えない。そこで、制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいてカセットヒータ80が通電していると判断した場合には、制御部10に予め記憶された固定温湿度情報をもとに、給紙カセット2の付近の水分量を算出する。この固定温度情報は、事前に検討して決定した値であり、実際に使用される環境に近い環境においてカセットヒータ80を使用した時の給紙カセット2の付近の温湿度である。例えば、高温高湿環境(32.5℃、80%)でカセットヒータ80を使用した場合には、固定温湿度情報として「温度38℃、湿度58%」を予めROM等の記憶部に記憶しておく。制御部10は、固定温湿度情報から給紙カセット2の付近の水分量を算出し、その水分量をもとに変動率Vを算出する。また、固定温湿度情報でなく、固定温湿度情報から求められる水分量の情報そのものが記憶されていてもよい。その後の検知値補正については、カセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正と同じであるので、説明を省略する。
以上、本実施例では温湿度センサ40の検知結果から求めた水分量に基づいて検知値を補正したが、水分量に応じた紙種の判別結果が得られれば良いため、補正する方法には限定されない。例えば補正する対象が検知値ではなく紙種を判別するための、検知値に対する閾値を変更することでも同様の効果が得られる。閾値の一例として、普通紙とコート紙の閾値である90decが該当する。検知した水分量に基づいて90decという値を上下させることで、検知値を補正することなく、水分量に応じた紙種の判別が可能となる。また、検知値や閾値を補正する以外の方法として、制御部10に給紙カセット2の付近の水分量と検知値の関係を示すテーブルを記憶しておき、得られた水分量と検知値から紙種の判別を行うことも可能であり、本実施例と同様の効果が得られる。テーブルの一例として、水分量が11.5g、検知値が116gの場合に普通紙と判別し、水分量が5g、検知値が116gであればコート紙であると判別するテーブル等がある。
<フローチャートの説明>
本実施例の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいて、カセットヒータ80の通電状態を判断する(S100)。カセットヒータ80が非通電であると判断した場合、制御部10は温湿度センサ40の検知結果から水分量を求めて(S101)、求めた水分量から近似式1を用いて坪量の変動率Vを計算する(S102)。次に、制御部10は送信制御部42に対して動作開始の指示を出し(S103)、用紙Pを透過した超音波の受信波形のピーク値を受信検知部43から受信する(S104)。その後、制御部10は送信制御部42に対して動作停止の指示を出す(S105)。受信波形のピーク値は制御部10のADポートで検知され、坪量検知部31の検知値として制御部10に入力される。制御部10は検知値を変動率Vで除算し、その値を補正後検知値として求める(S106)。また、S100において、カセットヒータ80が通電していると判断した場合、制御部10は予め記憶された固定条件から水分量を求め(S107)、求めた水分量から近似式1を用いて坪量の変動率Vを計算する(S102)。次のステップ(S102)からは、カセットヒータ80が非通電であると判断した場合と同じフローであるので、説明を省略する。
本実施例の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいて、カセットヒータ80の通電状態を判断する(S100)。カセットヒータ80が非通電であると判断した場合、制御部10は温湿度センサ40の検知結果から水分量を求めて(S101)、求めた水分量から近似式1を用いて坪量の変動率Vを計算する(S102)。次に、制御部10は送信制御部42に対して動作開始の指示を出し(S103)、用紙Pを透過した超音波の受信波形のピーク値を受信検知部43から受信する(S104)。その後、制御部10は送信制御部42に対して動作停止の指示を出す(S105)。受信波形のピーク値は制御部10のADポートで検知され、坪量検知部31の検知値として制御部10に入力される。制御部10は検知値を変動率Vで除算し、その値を補正後検知値として求める(S106)。また、S100において、カセットヒータ80が通電していると判断した場合、制御部10は予め記憶された固定条件から水分量を求め(S107)、求めた水分量から近似式1を用いて坪量の変動率Vを計算する(S102)。次のステップ(S102)からは、カセットヒータ80が非通電であると判断した場合と同じフローであるので、説明を省略する。
本実施例によれば、前述のような構成と動作によって、次のような効果がある。記録材判別装置30は、温湿度センサ40の検知結果から求めた水分量に基づき、用紙Pの坪量の変化を予測しているため、紙種の判別精度を向上させることができる。例えば、従来は水分量による変動があるため明確に判別できなかった約10g以下の坪量差の紙種、例えば70gと80gの坪量の紙種の判別が可能になる。その結果、記録材判別装置30を備えたプリンタ1は、判別された紙種に応じて画像形成条件を適切に設定することができるため、画質の向上が可能となる。また、最適な画像形成条件を得るための方法の一例としては、制御部10に水分量と検知値と画像形成条件の関係を保存しておき、得られた水分量と検知値の関係から紙種の判別をすることなく、画像形成条件を決定することも可能である。
本実施例では、プリンタ1の近傍の水分量を検知する温湿度センサ40を用いて給紙カセット2の付近の水分量を求めたものの、給紙カセット2の付近の水分量を求められれば良く、その方法はこれに限定されない。
本実施例では、制御部10が通電検知センサ81の検知結果に基づいてカセットヒータ80の通電状態を判断したものの、その方法はこれに限定されない。例えば、ユーザーやサービスマンが制御部10にカセットヒータ80の状態を入力する方法もある。この方法では、制御部10は、入力された情報に基づいてカセットヒータ80の通電状態を判断すればよい。
[実施例2]
<記録判別装置の構成と動作>
本実施例を適用可能なプリンタ1は、記録材判別装置30を除いて実施例1で説明したプリンタ1と同じ構成である。よって、本実施例では、記録材判別装置30の説明を行い、その他の共通部分についての説明は省略する。
<記録判別装置の構成と動作>
本実施例を適用可能なプリンタ1は、記録材判別装置30を除いて実施例1で説明したプリンタ1と同じ構成である。よって、本実施例では、記録材判別装置30の説明を行い、その他の共通部分についての説明は省略する。
図7は、本実施例における、記録材判別装置30の構成と、給紙カセット2の構成の一例を示した図である。表面性検知部65は、照射制御部60と、照射部61(発光部)と、結像部62と、撮像部63(受光部)と、画像検知部64とで構成される。照射部61はLED等の部材によって構成され、用紙Pの表面に光を照射する。結像部62は、照射部61から照射された光によって用紙Pの表面から反射する反射光を受光し結像する。撮像部63はCMOSセンサ等の部材によって構成され、結像部62により結像された光を撮像する。
用紙Pが一定の速度で表面性検知部65の設置位置まで搬送されてくると、制御部10から照射制御部60へ照射を開始する信号を送信する。照射部61は照射制御部60の制御にしたがって用紙Pの表面に光を照射する。用紙Pに照射された光は、結像部62を介し、撮像部63にて撮像される。撮像された画像は用紙Pの表面画像であり、画像検知部64へ出力される。このとき、コロ等の部品(不図示)を用紙Pの裏側から用紙Pに対して押し当てることにより、用紙Pの搬送位置を撮像に必要な焦点距離の範囲内に収めている。ここで取得される表面画像は、用紙Pの表面性(凹凸)によって変化する。画像検知部64は表面画像に占める影の割合から用紙Pの表面性を算出し、用紙Pの表面性の検知結果としてアナログ電圧を制御部10のADポートに出力する。ここで、用紙Pの表面性の検知結果としては、例えば表面画像のデータに含まれる最大濃度値と最小濃度値の差分値など、表面性に関する情報であればよい。制御部10は受信検知部43の出力をCPU(不図示)のADポートで受信する。制御部10のADポートは、制御部10に入力された電源電圧を基準に256分割した分解能で検知可能であり、ADポートに入力された電圧が分解能に対して何倍の電圧であるかを検知することでdec値に変換し、検知値として確定する。例えば制御部10の電源電圧が3.3V且つdec値が128で有る場合、ADポートに入力された電圧は1.65Vとなる。なお本実施例では256分割で説明したものの一例に過ぎない。制御部10は検知値を確定した後、照射制御部44の動作停止指示を行う。更に制御部10は温湿度センサ40によって温度及び相対湿度を検知し、プリンタ1の周囲の水分量を求める。
表面性と紙種の関係について説明する。一般的にコート紙のような表面性が平滑な用紙Pは表面画像に占める影の割合が少なく、逆にボンド紙のような表面性が粗い用紙Pは表面画像に占める影の割合が多くなる。そのため一例として、表面性検知部65で表面性が平滑な用紙Pを検知した際の出力に対し、制御部10が確定する表面性の検知値を100decと対応させておく。これにより、検知値が100dec未満であればコート紙であり、100dec以上であれば普通紙と判別される。
続いて紙種と画像形成条件について説明する。一般的にコート紙のような表面性が平滑な用紙Pは抵抗値が比較的低く、ボンド紙のような粗い用紙Pに比べてトナー剤を転写するために転写電流などの転写条件を変更する必要がある。また、コート紙のような表面性が平滑な用紙Pは、ボンド紙のような粗い用紙Pに比べて必要な定着温度が低く、定着に必要な時間が短いため、定着温度や定着時間、搬送速度などの定着条件を変更する必要がある。よって画質の向上には紙種に応じて適切な画像形成条件(転写条件、定着条件)を設定することが望ましい。
次に、用紙Pの含水量と画像形成条件について説明する。含水量に応じて用紙Pの抵抗値や表面性は変化するため、これに合わせて画像形成条件を設定する必要がある。さらに、含水量に応じた用紙Pの抵抗値の変化は紙種によって異なる。よって、紙種及び含水量に応じた画像形成条件を設定することで、最適な画像形成を行うことができる。
<カセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正>
含水量が紙種の判別に及ぼす影響について説明する。用紙Pの含水量が多ければ、用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が増加するため繊維の隙間が埋まり、表面が平滑になる。一方、含水量が少なければ、用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が減少するため繊維の隙間が広がり、表面が粗くなる。そのため、含水量によって変化した表面性の検知値に基づいて紙種を判別すると、用紙Pを誤った紙種に判別してしまう可能性がある。そこで所望の判別精度を得るためには、用紙Pの含水量に応じた補正を行う必要がある。
含水量が紙種の判別に及ぼす影響について説明する。用紙Pの含水量が多ければ、用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が増加するため繊維の隙間が埋まり、表面が平滑になる。一方、含水量が少なければ、用紙Pを構成する繊維に含まれる水分量が減少するため繊維の隙間が広がり、表面が粗くなる。そのため、含水量によって変化した表面性の検知値に基づいて紙種を判別すると、用紙Pを誤った紙種に判別してしまう可能性がある。そこで所望の判別精度を得るためには、用紙Pの含水量に応じた補正を行う必要がある。
用紙Pの含水量は用紙Pの付近の空気中の水分量、つまり用紙Pが載置されている給紙カセット2の付近の空気中の水分量と相関がある。また、本実施例においては、給紙カセット2の付近の空気中の水分量を、温湿度センサ40によって求められるプリンタ1の周囲の空気中の水分量と同一として扱う。本実施例では水分量の一例として、温度と湿度に基づいて求められる絶対水分量で説明し、絶対水分量が約11.5g(温度25℃、湿度50%RH相当)の環境を基準環境とする。なお、本実施例では絶対水分量を例にあげて説明するものの、用紙Pに含まれる水分量を予測できればよく、これに限定されない。一例として相対湿度に基づいて求められる水分量から予測することも可能である。例えば水分量の変化が小さい温度範囲で使用する場合は、用紙Pの近傍の相対湿度に基づいて用紙Pに含まれる水分量を予測してもよく、温度と湿度に基づいて求めた絶対水分量と同等の精度で予測することが可能である。
次に、温湿度センサ40の検知結果に基づいて検知した水分量の変動が表面性検知部65の検知値に与える影響について図8に示す発明者らの実験結果を用いて説明する。前述したように本実施例では用紙Pに含まれる水分量を予測するために、一例として温湿度センサ40により求められる水分量を用いている。図8の横軸は温湿度センサ40の検知結果に基づいた水分量を示している。図8の縦軸は水分量が約11.5g(温度25℃、湿度50%RH相当)の環境を基準とした場合の表面性検知部65の検知値の変動率Vを示したものである。前述したように水分量の増減に応じて表面性の検知値も増減する。図8に示すように、水分量と検知値には二次曲線の関係がある。図8に基づいて変動率Vの近似式を算出することが可能である。よって、水分量を検知できれば変動率Vの近似式を用いて、予測した変動率Vで検知値を乗算することで、同一の基準環境での検知値に補正することができる。
一例として、図8で示す用紙Pは水分量が24gの環境では、水分量11.5gの環境と比較して検知値が0.96倍になることがわかる。よって、検知値を水分量11.5gの基準環境に換算するためには検知値を0.96で除算すればよい。つまり、検知値を変動率Vで除算することで、検知値は水分量が約11.5g(温度25℃、湿度50%RH相当)の基準環境の値に補正される。本実施例の場合、温湿度センサ40から得られるプリンタ1の付近の水分量を、図8の二次曲線に基づいて求めた下記の近似式2に代入することで検知値の変動率Vを求める。
変動率V=0.0002×(水分量[g])2−0.01×水分量[g]
+1.08・・・近似式2
変動率V=0.0002×(水分量[g])2−0.01×水分量[g]
+1.08・・・近似式2
ここで、変動率Vの近似式2は本実施例における一例であり、表面性検知部65の検知特性に合わせて適宜設定してよい。また前述した通り、本実施例においては、給紙カセット2の付近の空気中の水分量を、温湿度センサ40によって求められるプリンタ1の周囲の空気中の水分量と同一として扱っている。一般的に給紙カセット2や手差し給紙トレイ(不図示)、給紙オプションのカセット(不図示)などの載置部は、プリンタ1の電源や駆動源などの熱源の影響を大きく受けない場所に設けられている。よって、給紙カセット2の付近とプリンタ1の周囲の空気中の水分量は殆ど同等と考えることができる。
<カセットヒータ80が通電している場合の検知値補正>
一方で、カセットヒータ80が通電している場合、給紙カセット2の付近の温湿度とプリンタ1の付近の温湿度が異なる。つまり、プリンタ1の付近の温湿度から求めた水分量により予測された用紙Pの含水量は、実際の用紙Pの含水量とは異なる。したがって、前述したカセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正のように、給紙カセット2の付近の水分量をプリンタ1の付近の水分量と同一として扱えない。そこで、制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいてカセットヒータ80が通電していると判断した場合には、制御部10に予め記憶された固定温湿度情報をもとに、給紙カセット2の付近の水分量を算出する。この固定温度情報は、事前に検討して決定した値であり、実際に使用される環境に近い環境においてカセットヒータ80を使用した時の給紙カセット2の付近の温湿度である。例えば、高温高湿環境(32.5℃、80%)でカセットヒータ80を使用した場合には、固定温湿度情報として「温度38℃、湿度58%」を予めROM等の記憶部に記憶しておく。制御部10は、固定温湿度情報から給紙カセット2の付近の水分量を算出し、その水分量をもとに変動率Vを算出する。また、固定温湿度情報でなく、固定温湿度情報から求められる水分量の情報そのものが記憶されていてもよい。その後の検知値補正については、カセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正と同じであるので、説明を省略する。
一方で、カセットヒータ80が通電している場合、給紙カセット2の付近の温湿度とプリンタ1の付近の温湿度が異なる。つまり、プリンタ1の付近の温湿度から求めた水分量により予測された用紙Pの含水量は、実際の用紙Pの含水量とは異なる。したがって、前述したカセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正のように、給紙カセット2の付近の水分量をプリンタ1の付近の水分量と同一として扱えない。そこで、制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいてカセットヒータ80が通電していると判断した場合には、制御部10に予め記憶された固定温湿度情報をもとに、給紙カセット2の付近の水分量を算出する。この固定温度情報は、事前に検討して決定した値であり、実際に使用される環境に近い環境においてカセットヒータ80を使用した時の給紙カセット2の付近の温湿度である。例えば、高温高湿環境(32.5℃、80%)でカセットヒータ80を使用した場合には、固定温湿度情報として「温度38℃、湿度58%」を予めROM等の記憶部に記憶しておく。制御部10は、固定温湿度情報から給紙カセット2の付近の水分量を算出し、その水分量をもとに変動率Vを算出する。また、固定温湿度情報でなく、固定温湿度情報から求められる水分量の情報そのものが記憶されていてもよい。その後の検知値補正については、カセットヒータ80が非通電である場合の検知値補正と同じであるので、説明を省略する。
以上、本実施例では温湿度センサ40の検知結果から求めた水分量に基づいて検知値を補正したが、水分量に応じた紙種の判別結果が得られれば良いため、補正する方法には限定されない。例えば補正する対象が検知値ではなく紙種を判別するための、検知値に対する閾値を変更することでも同様の効果が得られる。閾値の一例として、普通紙とコート紙の閾値と設定した100decが該当する。検知した水分量に基づいて100decという閾値を上下させることで、検知値を補正することなく、水分量に応じた紙種の判別が可能となる。また、検知値や閾値を補正する以外の方法として、制御部10に用紙Pの近傍の水分量と検知値の関係を示すテーブルを記憶しておき、得られた水分量と検知値から紙種の判別を行うことも可能であり、本実施例と同様の効果が得られる。テーブルの一例として、検知値が98dec、水分量が11.5gの場合に普通紙と判別し、検知値が98dec、水分量が5gであればコート紙であると判別するテーブル等がある。
<フローチャートの説明>
本実施例の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいて、カセットヒータ80の通電状態を判断する(S200)。カセットヒータ80が非通電であると判断した場合、制御部10は温湿度センサ40の検知結果から水分量を求めて(S201)、求めた水分量から近似式2を用いて表面性の変動率Vを計算する(S202)。次に、制御部10は、照射制御部60に対して動作開始の指示を出し(S203)、画像検知部64の出力をADポートで受信する(S204)。受信した出力を検知値として確定後、制御部10は照射制御部60に対して動作停止の指示を出す(S205)。制御部10は検知値を変動率Vで除算し、その値を補正後検知値として求める(S206)。また、S200において、カセットヒータ80が通電していると判断した場合、制御部10は予め記憶された固定条件から水分量を求め(S207)、求めた水分量から近似式2を用いて表面性の変動率Vを計算する(S202)。次のステップ(S203)からは、カセットヒータ80が非通電であると判断した場合と同じフローであるので、説明を省略する。
本実施例の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。制御部10は、通電検知センサ81の検知結果に基づいて、カセットヒータ80の通電状態を判断する(S200)。カセットヒータ80が非通電であると判断した場合、制御部10は温湿度センサ40の検知結果から水分量を求めて(S201)、求めた水分量から近似式2を用いて表面性の変動率Vを計算する(S202)。次に、制御部10は、照射制御部60に対して動作開始の指示を出し(S203)、画像検知部64の出力をADポートで受信する(S204)。受信した出力を検知値として確定後、制御部10は照射制御部60に対して動作停止の指示を出す(S205)。制御部10は検知値を変動率Vで除算し、その値を補正後検知値として求める(S206)。また、S200において、カセットヒータ80が通電していると判断した場合、制御部10は予め記憶された固定条件から水分量を求め(S207)、求めた水分量から近似式2を用いて表面性の変動率Vを計算する(S202)。次のステップ(S203)からは、カセットヒータ80が非通電であると判断した場合と同じフローであるので、説明を省略する。
本実施例によれば、前述のような構成と動作によって、次のような効果がある。記録材判別装置30は、温湿度センサ40の検知結果から求めた水分量に基づき、用紙Pの表面性の検知値の変化を補正しているため、紙種の判別精度を向上させることができる。記録材判別装置30を備えたプリンタ1は、判別された紙種に応じて画像形成条件を適切に設定することができるため、画質向上が可能となる。また、最適な画像形成条件を得るための方法の一例としては、制御部10に水分量と検知値と画像形成条件の関係を保存しておき、得られた水分量と検知値の関係から紙種の判別をすることなく、画像形成条件を決定することも可能である。
本実施例では、プリンタ1の近傍の水分量を検知する温湿度センサ40を用いて給紙カセット2の付近の水分量を求めたものの、給紙カセット2の付近の水分量を求められれば良く、その方法はこれに限定されない。
本実施例では、制御部10が通電検知センサ81の検知結果に基づいてカセットヒータ80の通電状態を判断したものの、その方法はこれに限定されない。例えば、ユーザーやサービスマンが制御部10にカセットヒータ80の状態を入力する方法もある。この方法では、制御部10は、入力された情報に基づいてカセットヒータ80の通電状態を判断すればよい。
また、実施例1では記録材判別装置30が坪量検知部31を有する構成を説明し、実施例2では記録材判別装置30が表面性検知部65を有する構成を説明したが、これに限定されない。実施例1と実施例2を組み合わせて、記録材判別装置30が坪量検知部31と表面性検知部65の両方を有し、用紙Pの坪量と表面性から用紙Pの種類を判別する構成であってもよい。
[実施例3]
<記録材判別装置の構成>
本実施例を適用可能なプリンタ1は、記録材判別装置30と、カセットヒータ80とを除いて、実施例1で説明したプリンタ1と同じ構成である。よって、本実施例では、記録材判別装置30と、カセットヒータ80の説明を行い、その他の共通部分についての説明は省略する。
<記録材判別装置の構成>
本実施例を適用可能なプリンタ1は、記録材判別装置30と、カセットヒータ80とを除いて、実施例1で説明したプリンタ1と同じ構成である。よって、本実施例では、記録材判別装置30と、カセットヒータ80の説明を行い、その他の共通部分についての説明は省略する。
図10は、本実施例を適用可能なカセットヒータ80の一例である。カセットヒータ80は、抵抗器82と、ヒューズ83と、スイッチ86と、カセットヒータ制御部85で構成されており、商用電源などの外部電源84に接続される。カセットヒータ制御部85は、スイッチ86を制御することで、抵抗器82に投入する電力を制御する。カセットヒータ制御部85は、後述する記録材判別装置30の制御部10と接続されており、制御部10からの命令によってカセットヒータ80を制御する。
図11は、本実施例を適用可能な記録材判別装置30の一例である。制御部10は、カセットヒータ制御部85を制御する。これにより、制御部10は、カセットヒータ80のON時間をカウントできる。その他の部分については、実施例1の記録材判別装置30と共通であるので、説明を省略する。
<含水量の時間的変化>
図12は、用紙Pの含水量の時間的変化の一例である。図12のグラフは、横軸がカセットヒータ80をONにしてからの経過時間、縦軸が用紙Pの含水量を示している。時点0において、給紙カセット2に載置されている用紙Pは十分に空気中の水分を吸湿している。時点0で、カセットヒータ80が通電されると、給紙カセット2の内部の湿度が低下することで、用紙Pの含水量も低下していく。一定時間経過(時点2)すると、用紙Pの含水量の変化は平衡状態となる。例えば、時点0における含水量を1.0とすると、時点1における含水量は0.95、時点2における含水量は0.9のように変化する。
図12は、用紙Pの含水量の時間的変化の一例である。図12のグラフは、横軸がカセットヒータ80をONにしてからの経過時間、縦軸が用紙Pの含水量を示している。時点0において、給紙カセット2に載置されている用紙Pは十分に空気中の水分を吸湿している。時点0で、カセットヒータ80が通電されると、給紙カセット2の内部の湿度が低下することで、用紙Pの含水量も低下していく。一定時間経過(時点2)すると、用紙Pの含水量の変化は平衡状態となる。例えば、時点0における含水量を1.0とすると、時点1における含水量は0.95、時点2における含水量は0.9のように変化する。
<経時変化補正>
本実施例における記録材判別装置30の動作は、実施例1の記録材判別装置30と同じであるので、動作の説明を省略する。検知値の補正方法が実施例1と異なるので、検知値の補正方法について説明する。
本実施例における記録材判別装置30の動作は、実施例1の記録材判別装置30と同じであるので、動作の説明を省略する。検知値の補正方法が実施例1と異なるので、検知値の補正方法について説明する。
制御部10には、図12のようなカセットヒータ80が通電されてからの含水量の経時変化を式もしくはテーブルとして保存しておく。この式もしくはテーブルは、実際にプリンタ1を使用する環境でカセットヒータ80を使用した場合の実験結果から決定する。制御部10は、カセットヒータ80が通電されてからの経過時間をカウントし、カウントした時間をもとに用紙Pの含水量を予測する。
一例として、高温高湿環境(32.5℃、80%)の場合に、用紙Pの種類を判別するときの動作例を説明する。カセットヒータ80の通電開始時(時点0)のプリンタ1の周囲の環境は、高温高湿環境(32.5℃、80%)であり、その時の水分量は27.8gである。カセットヒータ80が通電された時点からの経過時間が時点1である場合、図12の曲線から、時点1における水分量を27.8g×0.95=26.41gと計算し、計算した水分量の値を用いて近似式1から変動率Vを計算する。図5から、この時の変動率Vは約1.033と計算できる。つまり、本実施例においてはカセットヒータ80の通電が開始される直前のプリンタ1の周囲の水分量とカセットヒータ80の通電が開始されてからの経過時間に基づき、用紙Pの含水率を予測している。
<フローチャートの説明>
本実施例の動作について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。制御部10はカセットヒータ80の通電開始を検知(S300)し、カセットヒータ80の通電時間をカウントする(S301)。その後、制御部10は印刷指示待ちとなり、印刷を開始する場合には、S303へと処理を進める。印刷を開始しない場合には、制御部10は引き続き通電時間をカウントする。S303において制御部10は、カセットヒータ80の通電時間と、温湿度センサ40の検知結果から前述した方法で水分量を計算する。そして、制御部10は計算した水分量に基づいて変動率Vを計算する(S304)。次に、制御部10は送信制御部42に対して動作開始の指示を出し(S305)、用紙Pを透過した超音波の受信波形のピーク値を受信検知部43から受信する(S306)。その後、制御部10は送信制御部42に対して動作停止の指示を出す(S307)。受信波形のピーク値は制御部10のADポートで検知され、坪量検知部31の検知値として制御部10に入力される。制御部10は検知値を変動率Vで除算し、その値を補正後検知値として求める(S308)。
本実施例の動作について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。制御部10はカセットヒータ80の通電開始を検知(S300)し、カセットヒータ80の通電時間をカウントする(S301)。その後、制御部10は印刷指示待ちとなり、印刷を開始する場合には、S303へと処理を進める。印刷を開始しない場合には、制御部10は引き続き通電時間をカウントする。S303において制御部10は、カセットヒータ80の通電時間と、温湿度センサ40の検知結果から前述した方法で水分量を計算する。そして、制御部10は計算した水分量に基づいて変動率Vを計算する(S304)。次に、制御部10は送信制御部42に対して動作開始の指示を出し(S305)、用紙Pを透過した超音波の受信波形のピーク値を受信検知部43から受信する(S306)。その後、制御部10は送信制御部42に対して動作停止の指示を出す(S307)。受信波形のピーク値は制御部10のADポートで検知され、坪量検知部31の検知値として制御部10に入力される。制御部10は検知値を変動率Vで除算し、その値を補正後検知値として求める(S308)。
本実施例では、カセットヒータ80に通電してからの経過時間に基づいて含水量の変動率を計算する方法について説明した。同様に、カセットヒータ80を非通電にした時点からの経過時間に基づいて水分量の変動率を計算することで、カセットヒータ80を非通電にした場合の含水量の検知精度を向上できる。
本実施例では、用紙Pの坪量に関する検知値に基づいて紙種を判別したものの、その判別方法はこれに限定されない。例えば、実施例2で説明したように、用紙Pの表面性に関する検知値に基づいて紙種を判別しても良い。また、坪量に関する検知値と表面性に関する検知値の両方を組合わせた検知結果から、紙種を判別しても良い。
上記の実施例においては、レーザビームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は複写機でもよい。
10 制御部
31 坪量検知部
40 温湿度センサ
50 画像形成部
65 表面性検知部
80 カセットヒータ
31 坪量検知部
40 温湿度センサ
50 画像形成部
65 表面性検知部
80 カセットヒータ
Claims (7)
- 記録材が載置される載置部に発熱体を備えた画像形成装置において、
前記載置部から搬送された記録材に画像を形成する画像形成部と、
記録材の特性に関する情報を検知する検知部と、
前記画像形成装置の周囲の水分量に関する情報を測定する測定部と、
前記発熱体が通電している状態における前記載置部の周囲の水分量に関する情報が予め記憶された記憶部と、
前記発熱体に通電していない場合、前記検知部の検知結果と前記測定部により測定された前記情報に基づいて、前記画像形成部による画像形成条件を設定し、前記発熱体に通電している場合、前記検知部の検知結果と前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記画像形成条件を設定する制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記測定部により測定された前記情報または前記記憶部に記憶された前記情報から、前記載置部に載置された記録材に含まれる水分量を求め、前記水分量に基づいて前記検知部の検知結果を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 記録材が載置される載置部に発熱体を備えた画像形成装置において、
前記載置部から搬送された記録材に画像を形成する画像形成部と、
記録材の特性に関する情報を検知する検知部と、
前記画像形成装置の周囲の水分量に関する情報を測定する測定部と、
前記検知部の検知結果と、前記発熱体への通電が開始される直前に前記測定部により測定された前記情報と、前記発熱体への通電が開始されてから経過した時間に基づいて、前記画像形成部による画像形成条件を設定する制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記発熱体への通電が開始される直前に前記測定部により測定された前記情報と、前記発熱体への通電が開始されてから経過した時間から、前記載置部に載置された記録材に含まれる水分量を求め、前記水分量に基づいて前記検知部の検知結果を補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記測定部は、前記画像形成装置の周囲の温度及び湿度を測定するセンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記検知部は、記録材に対して超音波を発信する発信部と、前記発信部から発信され、記録材を介して減衰した超音波を受信する受信部を含み、
前記制御部は、前記受信部によって受信された超音波の振幅値に基づいて、記録材の坪量を判別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記検知部は、記録材に対して光を照射する照射部と、前記照射部から照射され、記録材で反射された光を受光する受光部を含み、
前記制御部は、前記受光部によって受光された反射光に基づいて、記録材の表面性を判別することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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