JP2022151144A - 包装箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラップアラウンド方式の箱体において、上方から荷重が作用したときに、胴膨れを抑制し、壁部および角部の座屈を防ぐことができる包装箱を提供する。【解決手段】包装箱1Aであって、側壁40に折れ線L1を介してそれぞれ連設された左右の横フラップ61,61と、頂板20に連設された上フラップ62と、底板30に連設された下フラップ63と、を備えている。側壁40および横フラップ61に形成された第一傾斜罫線L10,L11は、下端部から上方に向かうに連れて折れ線L1から離れている。下フラップ63に形成された第二傾斜罫線L12は、下端部から上方に向かうに連れて折れ線L1から離れている。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年9月2日に発明に係る包装箱を株式会社啓文社に販売
本発明は、包装箱に関する。
段ボール製の包装箱を積み重ねたときには、上方からの荷重によって、壁部が外側に膨らむ胴膨れが発生し、最終的には胴部の壁部および角部が座屈する場合がある。
そこで、従来のA式の包装箱としては、胴部の角部の折れ線の下端部を起点とする二本の傾斜罫線を、折れ線を挟んでV字形状に配置しているものがある(例えば、特許文献1参照)。この包装箱では、上方から荷重が作用したときに、傾斜罫線において壁部を規則的に変形させることで、壁部および角部の座屈を防ぐことができ、胴部が変形したときでも見栄えを良くできる。
特許第6733719号公報
ラップアラウンド方式の包装箱は、頂板、底板および左右の側壁を有する角筒状の胴部と、両側壁にそれぞれ連設された左右の横フラップと、頂板に連設された上フラップと、底板に連設された下フラップと、を備えている。ラップアラウンド方式の包装箱では、左右の横フラップに上フラップおよび下フラップを重ねることで、胴部の前後の開口部に端壁を設けている。
前記したA式の包装箱の傾斜罫線を、ラップアラウンド方式の包装箱に適用した場合には、隣り合う側壁および横フラップにそれぞれ傾斜罫線を形成することになる。この場合には、胴部に対して上方から荷重が作用したときに、横フラップに重ねられた上フラップおよび下フラップによって、横フラップの変形が妨げられるため、胴部の開口部に設けられた端壁が規則的に変形し難いという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、ラップアラウンド方式の箱体において、上方から荷重が作用したときに、胴膨れを抑制し、壁部および角部の座屈を防ぐことができる包装箱を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、包装箱であって、頂板、底板および左右の側壁を有する角筒状の胴部を備えている。また、前記包装箱は、前記両側壁に折れ線を介してそれぞれ連設された左右の横フラップと、前記頂板に連設され、前記両横フラップに重ねられた上フラップと、前記底板に連設され、前記両横フラップに重ねられた下フラップと、を備えている。前記側壁および前記横フラップには、前記折れ線の下端部に向けて延びている第一傾斜罫線が形成され、前記第一傾斜罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記折れ線から離れるように、前記折れ線に対して傾斜している。前記下フラップには、前記折れ線の下端部に向けて延びている第二傾斜罫線が形成されている。前記第二傾斜罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記折れ線から離れるように、前記折れ線に対して傾斜している。
本発明の包装箱では、側壁と横フラップとの間の折れ線の下端部を起点とする二本の第一傾斜罫線が、折れ線を挟んでV字形状に配置されている。さらに、本発明の包装箱では、下フラップにも、横フラップの第一傾斜罫線と同じ向きに延びている第二傾斜罫線が形成されている。
この構成では、包装箱に対して上方から荷重が作用したときに、側壁および横フラップが両第一傾斜罫線において規則的に変形するとともに、下フラップが第二傾斜罫線において規則的に変形する。これにより、横フラップは、下フラップに妨げられることなく、第一傾斜罫線において規則的に変形できる。
したがって、本発明の包装箱では、上方から荷重が作用したときに、壁部が規則的に変形することで、胴膨れを抑制し、壁部および角部の座屈を防ぐことができる。これにより、本発明の包装箱では、上方からの荷重によって壁部が変形したときでも見栄えを良くできる。
前記した包装箱において、前記側壁および前記上フラップの少なくとも一方には、前記第一傾斜罫線の上端部に向けて延びている上部罫線を形成し、前記上部罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記折れ線に近づくように、前記折れ線に対して傾斜させることが好ましい。
この構成では、上方からの荷重が上部罫線に沿って第一傾斜罫線に入力され、上方からの荷重が角部の下端部に向けて確実に作用するため、胴膨れを効果的に抑制できる。
前記した包装箱において、前記側壁には、前記第一傾斜罫線の上端部に向けて延びている分岐罫線を形成し、前記分岐罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記側壁の上縁部に近づくように、前記側壁の上縁部に対して傾斜させることが好ましい。
この構成では、上方からの荷重が分岐罫線に沿って第一傾斜罫線に入力され、上方からの荷重が角部の下端部に向けて確実に作用するため、胴膨れを効果的に抑制できる。
前記した包装箱において、前記側壁の上部には、前記側壁の上縁部に沿って延びている横罫線を形成することが好ましい。
この構成では、包装箱に上方から荷重が作用して、横罫線において側壁が変形すると、側壁の上縁部と横罫線との間に傾斜面が形成されるため、上方から荷重が作用して側壁が変形したときでも、包装箱の見栄えを良くできる。
本発明では、ラップアラウンド方式の包装箱に対して上方から荷重が作用したときに、角部の両側で壁部が規則的に変形することで、胴膨れを抑制し、壁部および角部の座屈を防ぐことができる。したがって、本発明では、ラップアラウンド方式の包装箱において、上方からの荷重によって壁部が変形したときでも見栄えを良くできる。
本発明の第一実施形態に係る包装箱を前方左上から見た斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る包装箱を後方右上から見た斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。 本発明の第一実施形態に係る包装箱において上フラップおよび下フラップを閉じる前の状態を示した斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る包装箱を示した左側面図である。 本発明の第一実施形態に係る包装箱を示した正面図である。 本発明の第二実施形態に係る包装箱を示した左側面図である。 本発明の第二実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
以下の説明において、前後左右方向とは、実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の包装箱の構成を限定するものではない。
[第一実施形態]
第一実施形態の包装箱1Aは、図1に示すように、頂板20、底板30および左右の側壁40,40を有する角筒状の胴部10と、胴部10の前後の開口部に設けられた前後の端壁60,60と、を備えているラップアラウンド方式の段ボール箱である。
第一実施形態の包装箱1Aは、図3に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS1を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図3に示すブランクシートS1は内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートS1の折れ線は、ブランクシートS1の表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートS1を折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
底板30は、図1に示すように、四角形の平板である。底板30の左縁部には、折れ線を介して左側の側壁40が連設され、底板30の右縁部には、右側の側壁40が連設されている。左右の側壁40,40は、同じ四角形の壁体であり、底板30に対して垂直に形成されている。
左側の側壁40の上縁部には、折れ線を介して頂板20が連設されている。頂板20は、底板30と同じ四角形の平板であり、左側の側壁40に対して垂直に形成されている。
右側の側壁40の上縁部には、折れ線を介して接合片50が連設されている。接合片50は、右側の側壁40の上縁部に沿って帯状に延びている。
ブランクシートS1(図3参照)を各折れ線で折り曲げつつ、右側の側壁40の上縁部に連設された接合片50を頂板20の内面に接合することで、右側の側壁40、底板30、左側の側壁40および頂板20が角筒状に形成されている。
前側の端壁60は、左右の側壁40,40にそれぞれ連設された左右の横フラップ61,61と、頂板20に連設された上フラップ62と、底板30に連設された下フラップ63と、を備えている。
横フラップ61は、図4に示すように、側壁40の前縁部に折れ線L1を介して連設された四角形の平板であり、側壁40に対して垂直に形成されている。左右の横フラップ61,61は左右対称に形成されている。
第一実施形態では、左右の横フラップ61,61が突き合わされているが、左右の横フラップ61,61を左右方向に間隔を空けて配置してもよい。
上フラップ62は、図1に示すように、頂板20の前縁部に折れ線を介して連設された四角形の平板であり、頂板20に対して垂直に形成されている。上フラップ62は、左右の横フラップ61,61の外面の上部に重ねられている。
上フラップ62と下フラップ63とは上下対称に形成されている。下フラップ63は、底板30の前縁部に折れ線を介して連設されおり、左右の横フラップ61,61の外面の下部に重ねられている。
上フラップ62および下フラップ63は、接着剤によって左右の横フラップ61,61に貼り付けられている。
第一実施形態では、上フラップ62と下フラップ63とが上下方向に間隔を空けて配置されているが、上フラップ62と下フラップ63とを突き合わせてもよい。
前側の端壁60と後側の端壁60とは前後対称に形成されている。後側の端壁60では、図2に示すように、左右の側壁40,40の後縁部にそれぞれ折れ線L1を介して連設された左右の横フラップ61,61の外面に、頂板20の後縁部に連設された上フラップ62と、底板30の後縁部に連設された下フラップ63とが貼り付けられている。
左側の側壁40には、図5に示すように、前後二本の第一傾斜罫線L10,L10と、前後二本の第一上部罫線L30,L30と、横罫線L40と、が形成されている。第一傾斜罫線L10、第一上部罫線L30および横罫線L40は、側壁40の内面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。
第一傾斜罫線L10は、上下方向に延びている直線状の罫線である。前側の第一傾斜罫線L10は、側壁40の前部に形成され、後側の第一傾斜罫線L10は、側壁40の後部に形成されている。
前側の第一傾斜罫線L10は、下端部から上方に向かうに連れて、側壁40の前側の折れ線L1(前縁部)から離れるように、前側の折れ線L1に対して傾斜している。つまり、前側の第一傾斜罫線L10は、下端部よりも上端部が後方に配置されるように、側壁40の下縁部に対して傾斜している。前側の第一傾斜罫線L10は、前側の折れ線L1の下端部に向けて延びている。
前後の第一傾斜罫線L10,L10は前後対称に形成されている。後側の第一傾斜罫線L10は、下端部から上方に向かうに連れて、側壁40の後側の折れ線L1(後縁部)から離れている。
側壁40の第一傾斜罫線L10は、側壁40の下縁部に対して60度から80度の間の傾斜角度に形成されている。なお、側壁40の下縁部に対する第一傾斜罫線L10の傾斜角度は70度であることが好ましい。
第一傾斜罫線L10の上端部は、側壁40の上縁部から離れているとともに、第一傾斜罫線L10の下端部は、側壁40の下縁部から離れている。また、前後の第一傾斜罫線L10,L10の上端部は、前後方向に間隔を空けて配置されている。
第一上部罫線L30は、左右方向に延びている直線状の罫線である。前側の第一上部罫線L30は、側壁40の前上部に形成され、後側の第一上部罫線L30は、側壁40の後上部に形成されている。
前側の第一上部罫線L30は、後端部よりも前端部が上方に配置されるように、側壁40の上縁部に対して傾斜している。前側の第一上部罫線L30は、下端部から上方に向かうに連れて、側壁40の前側の折れ線L1(前縁部)に近づくように、前側の折れ線L1に対して傾斜している。
前側の第一上部罫線L30は、前側の第一傾斜罫線L10の上端部に向けて延びている。第一実施形態では、前側の第一上部罫線L30の下端部が、前側の第一傾斜罫線L10の上端部に接続されている。第一上部罫線L30の上端部は、側壁40の上縁部から離れている。
前後の第一上部罫線L30,L30は前後対称に形成されている。後側の第一上部罫線L30は、下端部から上方に向かうに連れて、側壁40の後側の折れ線L1(後縁部)に近づいている。
横罫線L40は、側壁40の上部において、左右方向の中央部に形成されている。横罫線L40は、前側の第一傾斜罫線L10の上端部から後側の第一傾斜罫線L10の上端部に亘って延びている直線状の罫線である。また、横罫線L40は、側壁40の上縁部に平行している。
図2に示すように、右側の側壁40にも、左側の側壁40と同様に、前後二本の第一傾斜罫線L10,L10と、前後二本の第一上部罫線L30,L30と、横罫線L40と、が形成されている。
前側の端壁60には、図6に示すように、左右二本の第一傾斜罫線L11,L11と、左右二本の第二傾斜罫線L12,L12と、左右二本の第二上部罫線L31,L31と、が形成されている。第一傾斜罫線L11、第二傾斜罫線L12および第二上部罫線L31は、端壁60の内面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。
第一傾斜罫線L11は、図4に示すように、上下方向に延びている直線状の罫線である。左側の第一傾斜罫線L11は、左側の横フラップ61に形成され、右側の第一傾斜罫線L11は、右側の横フラップ61に形成されている。
左側の第一傾斜罫線L11は、下端部から上方に向かうに連れて、左側の横フラップ61の左側の折れ線L1(左縁部)から離れるように、左側の折れ線L1に対して傾斜している。つまり、左側の第一傾斜罫線L10は、下端部よりも上端部が右方に配置されるように、端壁60の下縁部に対して傾斜している。左側の第一傾斜罫線L10は、左側の折れ線L1の下端部に向けて延びている。
左右の第一傾斜罫線L11,L11は左右対称に形成されている。右側の第一傾斜罫線L10は、下端部から上方に向かうに連れて、右側の横フラップ61の右側の折れ線L1(右縁部)から離れている。
第一傾斜罫線L11は、端壁60の下縁部に対して60度から80度の間の傾斜角度に形成されている。なお、端壁60の下縁部に対する第一傾斜罫線L11の傾斜角度は70度であることが好ましい。
第一傾斜罫線L11の上端部は、上フラップ62の上縁部から離れている。第一実施形態では、図6に示すように、第一傾斜罫線L10の上端部が、上フラップ62の下縁部と下フラップ63の上縁部との間に配置されている。また、左右の第一傾斜罫線L11,L11の上端部は、左右方向に間隔を空けて配置されている。
第一傾斜罫線L11の下部は、下フラップ63に覆われている(図4参照)。第一傾斜罫線L11の下端部は、端壁60の下縁部から離れている。
左右の第二傾斜罫線L12,L12は、下フラップ63に形成されている。第二傾斜罫線L12は、上下方向に延びている直線状の罫線である。
左側の第二傾斜罫線L12は、下端部から上方に向かうに連れて、端壁60の左側の折れ線L1(左縁部)から離れるように、左側の折れ線L1に対して傾斜している。つまり、左側の第二傾斜罫線L12は、下端部よりも上端部が右方に配置されるように、端壁60の下縁部に対して傾斜している。左側の第二傾斜罫線L12は、左側の折れ線L1の下端部に向けて延びている。
左右の第二傾斜罫線L12,L12は左右対称に形成されている。右側の第二傾斜罫線L12は、下端部から上方に向かうに連れて端壁60の右側の折れ線L1(右縁部)から離れている。
第二傾斜罫線L12は、端壁60の下縁部に対して60度から80度の間の傾斜角度に形成されている。なお、端壁60の下縁部に対する第二傾斜罫線L12の傾斜角度は70度であることが好ましい。
第二傾斜罫線L12の上端部は、下フラップ63の上縁部から離れているとともに、第二傾斜罫線L12の下端部は、端壁60の下縁部から離れている。また、左右の第二傾斜罫線L12,L12の上端部は、左右方向に間隔を空けて配置されている。
第二傾斜罫線L12は、第一傾斜罫線L11の下部の外側で、第一傾斜罫線L11に沿って形成されている。なお、第二傾斜罫線L12は、包装箱1の正面視において第一傾斜罫線L11の下部に重なるか、第一傾斜罫線L11の下部に対して左右方向に僅かにずれた位置に配置することが好ましい。
左右の第二上部罫線L31,L31は、上フラップ62に形成されている。第二上部罫線L31は、左右方向に延びている直線状の罫線である。
左側の第二上部罫線L31は、右端部よりも左端部が上方に配置されるように、端壁60の上縁部に対して傾斜している。左側の第二上部罫線L31は、下端部から上方に向かうに連れて、端壁60の左側の折れ線L1(左縁部)に近づくように、左側の折れ線L1に対して傾斜している。
左側の第二上部罫線L31は、左側の第一傾斜罫線L11の上端部に向けて延びている。第二上部罫線L31の下端部は、第一傾斜罫線L11の上端部から離れている。また、第二上部罫線L31の上端部は、端壁60の上縁部から離れている。
左右の第二上部罫線L31,L31は左右対称に形成されている。右側の第二上部罫線L31は、下端部から上方に向かうに連れて、端壁60の右側の折れ線L1(右縁部)に近づいている。
第一実施形態では、上フラップ62に形成された左右の第二上部罫線L31,L31と、下フラップ63に形成された左右の第二傾斜罫線L12,L12と、が上下対称に形成されている。
図2に示すように、後側の端壁60にも、前側の端壁60と同様に、左右二本の第一傾斜罫線L11,L11と、左右二本の第二傾斜罫線L12,L12と、左右二本の第二上部罫線L31,L31と、が形成されている。
第一実施形態の包装箱1Aでは、図1および図2に示すように、側壁40と横フラップ61との角部の折れ線L1の下端部を起点とする二本の第一傾斜罫線L10,L11が、折れ線L1を挟んでV字形状に配置されている。
第一実施形態の包装箱1Aでは、右前、右後、左前、左後の各角部において、角部ごとに二本の第一傾斜罫線L10,L11が形成されている。
また、第一実施形態の包装箱1Aでは、端壁60の下フラップ63には、横フラップ61の第一傾斜罫線L11と同じ向きに延びている第二傾斜罫線L12が形成されている。
以上のような包装箱1Aでは、胴部10に上方から荷重が作用したときに、側壁40および横フラップ61が両第一傾斜罫線L10,L11において規則的に変形するとともに、下フラップ63が第二傾斜罫線L12において規則的に変形する。
これにより、左右の横フラップ61,61は、下フラップ63に妨げられることなく、それぞれ第一傾斜罫線L11において規則的に変形できる。
したがって、ラップアラウンド方式の包装箱1Aに対して、上方から荷重が作用したときに、壁部が規則的に変形することで、胴膨れを抑制し、壁部および角部の座屈を防ぐことができる。これにより、ラップアラウンド方式の包装箱1Aが、上方からの荷重によって壁部が変形したときでも見栄えを良くできる。
また、第一実施形態の包装箱1Aでは、上方からの荷重が第一傾斜罫線L10,L11に沿って角部の下端部に向けて作用する。さらに、第一実施形態の包装箱1Aでは、上方からの荷重が第一上部罫線L30に沿って第一傾斜罫線L10に集中するとともに、第二上部罫線L31に沿って第一傾斜罫線L11に集中する。
したがって、第一実施形態の包装箱1Aでは、上方からの荷重が角部の下端部に向けて確実に作用するため、胴膨れを効果的に抑制できる。
第一実施形態の包装箱1Aでは、上方から荷重が作用して、側壁40の横罫線L40において側壁40が変形すると、側壁40の上縁部と横罫線L40との間に傾斜面が形成される。したがって、第一実施形態の包装箱1Aでは、上方から荷重が作用して側壁40が変形したときでも見栄えを良くできる。
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態の包装箱1Aでは、図1および図2に示すように、第一傾斜罫線L10,L11全体が直線状に形成されているが、第一傾斜罫線L10,L11の少なくとも下部が直線状に形成されていればよく、第一傾斜罫線L10,L11の上部が湾曲や屈曲していてもよい。
第一実施形態の包装箱1Aでは、側壁40に二本の第一上部罫線L30が形成されるとともに、端壁60に二本の第二上部罫線L31が形成されているが、第一上部罫線L30および第二上部罫線L31の本数は限定されるものではない。例えば、側壁40に第一上部罫線L30を形成しなくてもよい。また、端壁60に第二上部罫線L31を形成しなくてもよい。
また、第一上部罫線L30および第二上部罫線L31の形状は限定されるものではなく、第一上部罫線L30全体および第二上部罫線L31全体が湾曲していてもよい。
第一実施形態の包装箱1Aでは、端壁60の第一傾斜罫線L11と、側壁40の第一傾斜罫線L10とが折れ線L1に対して同じ角度で傾斜しているが、端壁60の第一傾斜罫線L11と、側壁40の第一傾斜罫線L10とを折れ線L1に対して異なる角度で傾斜させてもよい。
第一実施形態の包装箱1Aでは、側壁40に横罫線L40が形成されているが、端壁60にも横罫線を形成してもよい。また、横罫線L40の形状は限定されるものではなく、横罫線L40が湾曲や屈曲していてもよい。
第一実施形態の包装箱1Aは段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱を形成してもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の包装箱1Bについて説明する。第二実施形態の包装箱1Bは、図7および図8に示すように、第一実施形態の包装箱1A(図1参照)と略同様の構成であり、側壁40に形成された罫線の構成が異なる。
第二実施形態の包装箱1Bは、図8に示すブランクシートS2を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図8に示すブランクシートS2は内面側が見えるように配置されている。
第二実施形態の横罫線L40は、前側の第一傾斜罫線L10の上端部と後側の第一傾斜罫線L10の上端部との間に配置されている。第二実施形態の横罫線L40の両端部は、前後の第一傾斜罫線L10,L10から離れている。
第二実施形態の側壁40では、横罫線L20の前後の端部から下方に向けて前後の縦罫線L50,L50が延びている。左右の縦罫線L50,L50は、上下方向に延びている直線状の罫線である。
前側の縦罫線L50は、上端部から下方に向かうに連れて、前側の折れ線L1から離れるように、前側の折れ線L1に対して傾斜している。
後側の縦罫線L50は、上端部から下方に向かうに連れて、後側の折れ線L1から離れるように、後側の折れ線L1に対して傾斜している。
前後の縦罫線L50,L50の前後方向の間隔は、上端部から下端部に向かうに連れて狭くなっている。
両縦罫線L50,L50の下端部は、側壁40の下縁部から離れている。
第二実施形態の側壁40では、前側の第一傾斜罫線L10の上端部に向けて延びている前側の分岐罫線L60と、後側の第一傾斜罫線L10の上端部に向けて延びている後側の分岐罫線L60と、が形成されている。
前側の分岐罫線L60は、前端部よりも後端部が上方に配置されるように、側壁40の上縁部に対して傾斜している。前側の分岐罫線L60は、下端部から上方に向かうに連れて、側壁40の上縁部に近づくように、側壁40の上縁部に対して傾斜している。前側の分岐罫線L60の下端部は、前側の第一傾斜罫線L10の上端部に接続されている。また、前側の分岐罫線L60の上端部は、側壁40の上縁部から離れている。
前後の分岐罫線L60,L60は前後対称に形成されている。後側の分岐罫線L60は、後端部よりも前端部が上方に配置されるように、側壁40の上縁部に対して傾斜している。
図8に示すように、右側の側壁40にも左側の側壁40と同様に、前後の第一傾斜罫線L10,L10と、横罫線L40と、前後の縦罫線L50,L50と、前後の分岐罫線L60,L60が形成されている。
第二実施形態の包装箱1Bでは、図7に示すように、上方からの荷重が第一上部罫線L30および分岐罫線L60に沿って第一傾斜罫線L10に集中するため、上方からの荷重を角部の下端部に向けて確実に作用させることができる。
また、第二実施形態の包装箱1Bでは、横罫線L40から前後の縦罫線L50,L50に荷重が作用し、両縦罫線L50,L50において側壁40が規則的に変形することで、側壁40の胴膨れを抑制できる。
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、本発明は前記第二実施形態に限定されることなく、前記第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
1A 包装箱(第一実施形態)
1B 包装箱(第二実施形態)
10 胴部
20 頂板
30 底板
40 側壁
50 接合片
60 端壁
61 横フラップ
62 上フラップ
63 下フラップ
L1 折れ線
L10 第一傾斜罫線
L11 第一傾斜罫線
L12 第二傾斜罫線
L30 第一上部罫線
L31 第二上部罫線
L40 横罫線
L50 縦罫線
L60 分岐罫線
S1 ブランクシート(第一実施形態)
S2 ブランクシート(第二実施形態)

Claims (4)

  1. 頂板、底板および左右の側壁を有する角筒状の胴部と、
    前記両側壁に折れ線を介してそれぞれ連設された左右の横フラップと、
    前記頂板に連設され、前記両横フラップに重ねられた上フラップと、
    前記底板に連設され、前記両横フラップに重ねられた下フラップと、を備え、
    前記側壁および前記横フラップには、前記折れ線の下端部に向けて延びている第一傾斜罫線が形成され、
    前記第一傾斜罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記折れ線から離れるように、前記折れ線に対して傾斜しており、
    前記下フラップには、前記折れ線の下端部に向けて延びている第二傾斜罫線が形成され、
    前記第二傾斜罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記折れ線から離れるように、前記折れ線に対して傾斜していることを特徴とする包装箱。
  2. 請求項1に記載の包装箱であって、
    前記側壁および前記上フラップの少なくとも一方には、前記第一傾斜罫線の上端部に向けて延びている上部罫線が形成され、
    前記上部罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記折れ線に近づくように、前記折れ線に対して傾斜していることを特徴とする包装箱。
  3. 請求項1または請求項2に記載の包装箱であって、
    前記側壁には、前記第一傾斜罫線の上端部に向けて延びている分岐罫線が形成され、
    前記分岐罫線は、下端部から上方に向かうに連れて前記側壁の上縁部に近づくように、前記側壁の上縁部に対して傾斜していることを特徴とする包装箱。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装箱であって、
    前記側壁の上部には、前記側壁の上縁部に沿って延びている横罫線が形成されていることを特徴とする包装箱。
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