JP2022119230A - 磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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高広 鵜飼
Takahiro Ukai
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Takanao Ebisawa
和也 丹羽
Kazuya Niwa
孝幸 紺野
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Abstract

【課題】耐腐食性の高い磁気記録媒体を提供する。【解決手段】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性基板の上に、下地層、垂直磁性層、拡散防止層及び保護層をこの順に備え、前記垂直磁性層は、多層構造であり、前記垂直磁性層の最上層は、磁性粒子にCo又はFeを含み、前記垂直磁性層の最上層以外の層の少なくとも1層は、酸化物を含み、前記拡散防止層は、前記垂直磁性層と前記保護層との間に設けられ、Si、Ti、Cr、B及びRuからなる群から選ばれる1つ以上の成分、又はその炭化物及び酸化物の少なくとも一方を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び磁気記録媒体の製造方法に関する。
各種データを記録して保管するための記録媒体として、磁気記録媒体が広く使用されている。磁気記録媒体は、一般に、非磁性基板上に、下地層、垂直磁性層、保護層をこの順に積層して構成されている。
磁気記録媒体の記録密度を向上させるためには、垂直磁性層の結晶配向性が重要である。そこで、垂直磁性層に、柱状の磁性粒子の周囲を酸化物等で覆った、いわゆるグラニュラー構造を有する磁性層を用いた磁気記録媒体が開発されている。
このようなグラニュラー構造を有する磁性層を用いた磁気記録媒体として、例えば、非磁性基板上に少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が非磁性基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層とが設けられ、垂直磁性層が2層以上の磁性層からなり、少なくとも1層がCoを主成分とするとともにPtを含む、酸化物を含んだ層であり、他の少なくとも1層がCoを主成分とするとともにCrを含む、酸化物を含まない層からなる磁気記録媒体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-310910号公報
ここで、磁気記録再生装置の適用範囲が広くなるに伴い、磁気記録媒体の記録密度の更なる向上が求められている。磁気記録媒体の記録密度を高める方法として、垂直磁性層の成膜温度を高めて、垂直磁性層の結晶配向性を高める方法がある。
しかしながら、垂直磁性層の形成時の成膜温度を高めると、垂直磁性層を構成する元素が磁気記録媒体を構成する他の層に拡散することで、垂直磁性層の組成が変動し、磁気特性の低下等を生ずるという問題があった。特に、垂直磁性層に含まれる酸化物が製造時の加熱により磁気記録媒体の表面まで熱拡散すると、この拡散経路を通じて大気中の不純物が磁気記録媒体の内部に侵入して、磁気記録媒体が腐食するという問題があった。
本発明の一態様は、耐腐食性の高い磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る磁気記録媒体は、非磁性基板の上に、下地層、垂直磁性層、拡散防止層及び保護層をこの順に備え、前記垂直磁性層は、多層構造であり、前記垂直磁性層の最上層は、磁性粒子にCo又はFeを含み、前記垂直磁性層の最上層以外の層の少なくとも1層は、酸化物を含み、前記拡散防止層は、前記垂直磁性層と前記保護層との間に設けられ、Si、Ti、Cr、B及びRuからなる群から選ばれる1つ以上の成分、又はその炭化物及び酸化物の少なくとも一方を含む。
本発明の一態様によれば、耐腐食性の高い磁気記録媒体を提供することができる。
本実施形態の磁気記録媒体の構造の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の磁気記録媒体の構造の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の磁気記録再生装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書において数値範囲を示すチルダ「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<第1の実施形態>
[磁気記録媒体]
本発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体について説明する。本実施形態に係る磁気記録媒体は、非磁性基板の上に、軟磁性層、シード層、下地層、垂直磁性層、拡散防止層及び保護層を非磁性用基板側からこの順に積層して備え、垂直磁性層がCoCr系合金を含むものである。
図1は、本実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、磁気記録媒体10は、非磁性基板11、軟磁性層12、シード層13、下地層14、垂直磁性層15、拡散防止層16及び保護層17を非磁性基板11側からこの順に積層して備える。
非磁性基板11を構成する材料としては、例えば、AlMg合金等のAl合金、ソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、アモルファスガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、サファイア、石英、樹脂等が挙げられる。これらの中でも、Al合金や、結晶化ガラス、アモルファスガラス等のガラスが好ましい。
軟磁性層12は、非磁性基板11の上に設けられ、磁気記録媒体10に信号を記録する際に、磁気ヘッドからの記録磁界を導き、垂直磁性層15に対して記録磁界の垂直成分を効率よく印加する機能を有する。
軟磁性層12を構成する材料としては、例えば、FeCo系合金、CoZrNb系合金、CoTaZr系合金等の軟磁性合金等が挙げられる。
軟磁性層12は、アモルファス構造を有することが好ましい。これにより、軟磁性層12の表面平滑性を向上させることができ、その結果、磁気ヘッドの浮上量を低減することができ、磁気記録媒体10の記録密度をさらに向上させることができる。
なお、Ru膜等の非磁性層を介して、軟磁性層12を複数層成膜し、反強磁性交換結合(AFC)膜としてもよい。
軟磁性層12の厚さの合計は、磁気記録媒体10の記録再生特性とOW(Over Write)特性とのバランスにより適宜決定されるが、20nm~120nmが好ましい。
シード層13は、軟磁性層12の上に設けられ、下地層14の(002)面配向性を向上させる機能を有する。
シード層13を構成する材料としては、hcp構造、fcc構造、アモルファス構造の材料を用いることが好ましく、例えば、Ru系合金、Ni系合金、Co系合金、Pt系合金、Cu系合金等を挙げることができる。
シード層13の厚さは、0.5nm~20nmの範囲内であることが好ましく、3nm~10nmの範囲内であることがより好ましい。シード層13の厚さを上記の好ましい範囲内とすることで、下地層14を安定的に(002)面配向させることができる。
下地層14は、シード層13の上に設けられ、下地層14は、垂直磁性層15の(002)面配向性を向上させる機能を有する。
下地層14を構成する材料としては、hcp構造を有するRu又はその合金を用いることができる。
下地層14の平均結晶粒径は、6nm~20nmの範囲内であることが好ましく、6nm~8nmの範囲内であることがより好ましい。
下地層14の厚さは、適宜設計可能であり、例えば、5nm~30nmであることが好ましい。
垂直磁性層15は、下地層14の上に設けられ、情報が記録される。垂直磁性層15は、最上層151と、最上層以外の層152とからなる多層構造であり、本実施形態では、垂直磁性層15は、CoCr系合金を含むため、最上層151が磁性粒子にCoを含み、最上層以外の層152は酸化物を含む。最上層以外の層152が、複数の層を含む場合、最上層以外の層152の少なくとも1層が酸化物を含めばよい。
垂直磁性層15を構成する材料としては、例えば、垂直磁性層15が酸化物を含まない場合は、CoCr、CoCrPt、CoCrPtB等が上げられる。垂直磁性層15を構成する材料としては、垂直磁性層15が酸化物を含む場合は、CoCrPt-B、CoCrPt-SiO、CoCrPt-Cr、CoCrPt-TiO、CoCrPt-ZrO、CoCrPt-Nb、CoCrPt-Ta、CoCrPt-TiO等が挙げられる。
垂直磁性層15が酸化物を含む場合は、CoCr系合金の結晶粒の周りを酸化物が取り囲んでグラニュラー構造を形成することで、CoCr系合金の結晶粒同士の磁気的相互作用が小さくなり、ノイズが減少する。
軟磁性層12、シード層13、下地層14及び垂直磁性層15の成膜方法としては、DCマグネトロンスパッタリング法又はRFスパッタリング法を用いることができる。
軟磁性層12、シード層13、下地層14及び垂直磁性層15を成膜する際には、必要に応じて、RF(Radio Frequency)バイアス、DCバイアス、パルスDC、パルスDCバイアス等を用いてもよい。
反応性ガスとして、Oガス、HOガス、Nガス等を用いてもよい。
スパッタリングガス圧は、各層の特性が最適になるように適宜調整されるが、通常、0.1Pa~30Pa程度の範囲内である。
拡散防止層16は、多層構造の垂直磁性層15と、保護層17との間に設けられ、垂直磁性層15に含まれる酸化物が磁気記録媒体10の表面に拡散することを防止する機能を有する。拡散防止層16は、垂直磁性層15に含まれる酸化物が磁気記録媒体10の表面に拡散することを防止することで、磁気記録媒体10の腐食経路をなくし、耐腐食性を高めることができる。
本願発明者の検討によると、磁気記録媒体10を製造する際の非磁性基板11の加熱により、垂直磁性層15に含まれる酸化物が垂直磁性層15や保護層17の結晶粒界等を通じて表層部に拡散する。そして、その際の拡散経路を通じて、大気中の不純物が磁気記録媒体10の内部に侵入して、磁気記録媒体10を構成する各層を腐食させることに着目した。特に、磁気記録媒体10の表層部に拡散しやすい物質として、Coの酸化物やFeの酸化物があり、これらの拡散を抑えることが重要であることに着目した。
そこで、垂直磁性層15と保護層17との間に特定の組成の拡散防止層16を設けることを検討した。拡散防止層16は、基本的には情報記録に関与しない層であるので、垂直磁性層15と磁気ヘッドとの間に設けると、両者間の距離を遠ざけ、情報の読み書きの障害となる。そのため、拡散防止層16は、薄膜であっても前記酸化物の拡散を防ぎ、かつ、垂直磁性層15の最上層151と保護層17との高い密着性及び格子整合性が得られる必要がある。
本願発明者は、これらを満たす物質を検討し、拡散防止層16として、Si、Ti、Cr、B及びRuからなる群から選ばれる1つ以上、又はこれらの炭化物若しくは酸化物を用いることができることを見出した。具体的には、単体としては、Si、Ti、Cr、B、Ru等が、これらの炭化物としては、SiC、TiC、Cr23、Cr、BC、RuC等が、これらの酸化物としては、TiO、Cr、B、RuO、RuO等が挙げられる。
拡散防止層16に含まれる、Si、Ti、Cr、B及びRuの含有量は、酸化物の拡散を抑制する点から、0.5at%~10at%が好ましく、2at%~4at%がより好ましい。
拡散防止層16の層厚は、酸化物の拡散を防ぎ、かつなるべく薄くするという観点から、0.02nm~0.4nmが好ましく、0.4nm~2nmがより好ましい。
拡散防止層16は、さらに酸化コバルト又は酸化鉄を含有させるのが好ましい。前述のように、磁気記録媒体10の表層部に拡散しやすい物質にCoの酸化物及びFeの酸化物があるが、これらの物質を拡散防止層16に含有させることで、酸化物の拡散防止効果を高めることができる。
酸化コバルト、酸化鉄の具体例としては、CoO、Fe、FeO等が挙げられる。
酸化コバルト、酸化鉄の含有量は、0.1mol%~4mol%が好ましい。
拡散防止層16は、さらにCを含有するのが好ましい。拡散防止層16がCを含むと、垂直磁性層15の最上層151と保護層17との密着性と格子整合性を高めることができる。なお、Cとしては、拡散防止層16の形成時の成膜ガス、ターゲットからの析出物、保護層17からの拡散物等がある。
Cの含有量は、20at%以上が好ましい。
拡散防止層16は、スパッタ法等の公知の方法で形成できる。拡散防止層16の結晶性を高めることで薄膜化し、拡散防止層16と接する層との密着性と格子整合性を高めるため、反応性スパッタ、イオン注入、イオンエッチング等を使用できる。
反応性スパッタを用いて、Siを含む拡散防止層16を形成する場合は、Si、SiC、SiO、Si-Co、SiO-Co、SiO-CoO、SiC-CoO等のターゲットを使用し、スパッタガスに酸素を添加し、RFスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ法等を成膜方法として用いることで、Siを含む拡散防止層16を形成できる。
イオン注入を用いて、Siを含む拡散防止層16を形成する場合は、垂直磁性層15の成膜表面にSiをイオン注入する。Si源としては、有機珪素化合物を含むガスを用いるのが好ましい。有機珪素化合物は、Si以外にCを含んでいるため、拡散防止層16にCを効率的に含めることができる。また、有機珪素化合物は、Hを含んでいるため、成膜空間のプラズマを活性化することができる。そのため、拡散防止層16は、高い結晶性を有することができる。
また、イオン注入を用いる場合、垂直磁性層15の表面に、Si膜、Si-Co膜等を形成した後、酸素イオン又は炭素イオン等をSi膜、Si-Co膜等に注入することで、Siを含む拡散防止層16を形成することもできる。
イオンエッチングを用いて、Siを含む拡散防止層16を形成する場合は、垂直磁性層15の表面に、Si膜、Si-Co膜等を形成した後、酸素イオン又は炭素イオン等を用いて膜表面をエッチングすることで、Siを含む拡散防止層16を形成することもできる。
また、垂直磁性層15の表面を、有機珪素化合物を含むガスでエッチングすることも有効である。有機珪素化合物は、Cを含んでいるため、拡散防止層16にCを効率的に含めることができる。
拡散防止層16が、Ti、Cr、B、Ru等を含む場合、上記のSiを含む場合と同様の製造方法等を用いることができる。
保護層17は、磁気ヘッドと磁気記録媒体10との接触による損傷等から磁気記録媒体10を保護する機能を有する。
保護層17は、カーボンを含むことができる。
保護層17の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、プラズマCVD法、イオンビーム法等を用いることができる。
保護層17の厚さは、1nm~10nmが好ましく、2nm~6nmがより好ましい。
本実施形態に係る磁気記録媒体10は、非磁性基板11の上に、下地層14、垂直磁性層15、拡散防止層16及び保護層17をこの順に備え、垂直磁性層15を多層構造とし、垂直磁性層15の最上層151は磁性粒子にCo又はFeを含み、垂直磁性層15の最上層以外の層152は酸化物を含む。そして、拡散防止層16は、垂直磁性層15と保護層17との間に設けられ、Si、Ti、Cr、B及びRuからなる群から選ばれる1つ以上の成分、又はその炭化物及び酸化物の少なくとも一方を含む。これにより、垂直磁性層15に含まれる酸化物が磁気記録媒体10の表面に拡散することを防止することで、磁気記録媒体10の腐食経路を低減できる。よって、磁気記録媒体10は、高い耐腐食性を有することができる。
磁気記録媒体10は、拡散防止層16に含まれる、Si、Ti、Cr、B及びRuの含有量を0.5at%~10at%にできる。これにより、Coの酸化物やFeの酸化物が磁気記録媒体10の表層部に拡散することを抑制できるため、磁気記録媒体10を構成する各層の腐食の進行をより確実に抑えることができる。よって、磁気記録媒体10は、より耐腐食性を高めることができる。
磁気記録媒体10は、拡散防止層16の層厚を、0.02nm~0.4nmにできる。これにより、Coの酸化物やFeの酸化物が磁気記録媒体10の表層部に拡散することを抑制できるため、磁気記録媒体10を構成する各層の腐食の進行をより確実に抑えることができると共に、拡散防止層16の厚さの増大を抑えることができる。よって、磁気記録媒体10は、より耐腐食性を高めることができると共に、薄膜化を図ることができる。
磁気記録媒体10は、拡散防止層16に酸化コバルト又は酸化鉄を含むことができる。酸化コバルト又は酸化鉄は、酸化物の中でも、特に磁気記録媒体10の表層部に拡散し易い物質であり、これらの酸化物を拡散防止層16に含めることで、酸化物の拡散防止効果を高めることができる。よって、磁気記録媒体10は、より確実に耐腐食性を高めることができる。
磁気記録媒体10は、拡散防止層16に、Cを含むことができる。拡散防止層16がCを含むことで、垂直磁性層15の最上層151と保護層17との密着性と格子整合性を高めることができるため、磁気記録媒体10は、垂直磁性層15と保護層17との密着性を高めることができる。
<磁気記録再生装置>
本実施形態に係る磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置について説明する。図3は、本実施形態の磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。図3に示すように、磁気記録再生装置30は、磁気記録媒体31と、磁気記録媒体31を回転させるための磁気記録媒体駆動部32と、先端部に近接場光発生素子を備えた磁気ヘッド33と、磁気ヘッド33を移動させるための磁気ヘッド駆動部34と、記録再生信号処理部35を有することができる。磁気記録媒体31は、上述の本実施形態に係る磁気記録媒体10及び20が用いられる。
磁気記録再生装置30は、磁気記録媒体31の中心部をスピンドルモータの回転軸に取り付けて、スピンドルモータにより回転駆動される磁気記録媒体31の面上を磁気ヘッド33が浮上走行しながら、磁気記録媒体31に対して情報の書き込み又は読み出しを行う。
本実施形態に係る磁気記録再生装置30は、本実施形態に係る磁気記録媒体10又は20を用いることで、磁気記録媒体10又は20の腐食を抑制できるため、高い耐久性を有することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体について説明する。本実施形態に係る磁気記録媒体は、非磁性基板の上に、シード層、下地層、垂直磁性層、拡散防止層及び保護層を非磁性用基板側からこの順に積層して備え、下地層が複数の層で構成され、垂直磁性層がFePt系合金及びCoPt系合金の少なくとも一方を含むものである。
図2は、本実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、磁気記録媒体20は、非磁性基板21、シード層22、下地層23、垂直磁性層24、拡散防止層25及び保護層26を非磁性用基板1側からこの順に積層して備える。下地層23は、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2を非磁性用基板1側からこの順に積層して備える。なお、非磁性基板21、拡散防止層25及び保護層26は、上述の図1に示す第1の実施形態に係る磁気記録媒体10が備える、非磁性基板11、拡散防止層16及び保護層17と同様であるため、これらの説明は省略する。
シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2は、垂直磁性層24と格子整合していることが好ましい。これにより、垂直磁性層24の(001)配向性がさらに向上する。
シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2としては、例えば、(100)配向したCr、W、MgO等を用いることができる。シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2を、(100)配向したCr、W、MgO等で形成し、これらの層を多層構造とすることで、シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の各層の間の格子ミスフィットは10%以下とすることができる。
第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2を確実に(100)配向とするため、シード層22、第1の下地層23-1又は第2の下地層23-2の下に、bcc構造を有するCr層若しくはCrを主成分としたCr合金層、又はB2構造を有する合金層をさらに形成してもよい。
Cr合金層を形成するCr合金としては、Cr-Mn合金、Cr-Mo合金、Cr-W合金、Cr-V合金、Cr-Ti合金、Cr-Ru合金等が挙げられる。
B2構造を有する合金としては、Ru-Al合金、Ni-Al合金等が挙げられる。
また、シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の少なくとも1層は、酸化物を含んでもよい。これにより、シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の少なくとも1層は、垂直磁性層24との格子整合性を向上させることができる。
酸化物としては、例えば、Ni、Cr、Mo、Nb、Ta、V及びWからなる群より選択される1種以上の金属の酸化物等が挙げられる。これらの中でも、好ましい金属の酸化物として、NiO、CrO、Cr、CrO、MoO、MoO、Nb、Ta、V、VO、WO、WO、WO等が挙げられる。
シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の少なくとも1層中の酸化物の含有量は、2mol%~30mol%の範囲内であることが好ましく、10mol%~25mol%の範囲内であることがより好ましい。シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の少なくとも1層中の酸化物の含有量が上記の好ましい範囲内であれば、垂直磁性層24の(001)配向性をさらに向上させることができると共に、シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の少なくとも1層の(100)配向性をさらに向上させることができる。
第1の下地層23-1を形成する材料として、例えば、Tiの含有量が50at%、残部がCoであるCoTi系合金を用いることができる。第1の下地層23-1の厚さは、例えば、30nm~100nmが好ましく、50nm程度がより好ましい。
第2の下地層23-2を形成する材料として、例えば、NiOを用いることができる。第2の下地層23-2の厚さは、例えば、3nm~10nmが好ましく、5nm程度がより好ましい。
シード層22、第1の下地層23-1及び第2の下地層23-2の形成方法としては、スパッタリング法等の公知の方法を用いることができる。
垂直磁性層24は、第2の下地層23-2の上に設けられ、FePt系合金又はCoPt系合金を含む。
垂直磁性層24は、L1型結晶構造を有する合金を含み、(001)配向とするのが好ましい。
L1型構造を有する合金は、高い磁気異方性定数Kuを有しているのが好ましく、合金の規則化を促進するために、成膜時に加熱処理することが好ましい。
垂直磁性層24は、情報を記録する機能を有し、多層構造で構成されている。垂直磁性層24が、FePt系合金、CoPt系合金を含む場合は、垂直磁性層24の最上層241は、磁性粒子にCo又はFeを含み、最上層以外の層242は酸化物を含む構成とする。最上層以外の層242が、複数の層を含む場合、最上層以外の層242の少なくとも1層が酸化物を含めばよい。
最上層151の磁性粒子に含まれるCo又はFeは、FePt系合金、CoPt系合金のCo、Feでもよいし、それ以外の合金のCo、Feでもよい。例えば、L1型構造を有する、FePt系合金、CoPt系合金を含む磁性層の上に、Co磁性層、Fe磁性層、CoCr系磁性層、CoCrPt系磁性層を設けてもよい。これらの磁性層は、hcp構造、bcc構造としてもよい。
垂直磁性層24に含まれる、最上層以外の層152は、L1型構造を有するFePt系合金、CoPt系合金の磁性粒子と、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、GeO、MnO、TiO、ZnO、Bからなる群より選択される1種以上の酸化物を含む構造とすることが好ましい。これにより、結晶粒子間の交換結合をより確実に分断し、磁気記録媒体20のシグナルノイズ比(SNR)をさらに向上させることができる。
垂直磁性層24は、具体的には、例えば、(Fe-45at%Pt)-8mol%SiO-4mol%Cr系合金(SiOの含有量が8mol%、Crの含有量が4mol%、残部(Ptの含有量が45at%、残部がFe)である合金)を用いることができる。
垂直磁性層24に含まれる磁性粒子の平均粒径は、記録密度を増大させる観点から、10nm以下であることが好ましい。一般に、磁性粒子の平均粒径が小さくなると、磁性層44に磁気情報を書き込んだ直後の熱ゆらぎの影響を受け易くなる。
なお、磁性粒子の平均粒径は、TEM観察画像を用いて決定することができる。例えば、TEMの観察画像から、200個の磁性粒子の粒径(円相当径)を測定し、積算値50%における粒径を平均粒径とすることができる。ここで、磁性粒子の平均粒界幅は、0.3nm~2.0nmであることが好ましい。
垂直磁性層24の厚さは、1nm~20nmであることが好ましく、3nm~15nmであることがより好ましい。垂直磁性層24の厚さが上記の好ましい範囲内であれば、再生出力を向上させることができると共に、結晶粒子の肥大化を抑制することができる。なお、垂直磁性層24が多層構造を有する場合、垂直磁性層24の厚さは、全ての層の合計の厚さを意味する。
シード層22、第1の下地層23-1、第2の下地層23-2及び垂直磁性層24は、いずれも、スパッタリング法等の公知の方法を用いて成膜することできる。
本実施形態に係る磁気記録媒体20は、非磁性基板21の上に、下地層23、垂直磁性層24、拡散防止層25及び保護層26をこの順に備え、垂直磁性層24を多層構造とし、垂直磁性層24の最上層241は磁性粒子にCo又はFeを含み、垂直磁性層24の最上層以外の層242は酸化物を含む。そして、拡散防止層25は、第1の実施形態に係る磁気記録媒体10の拡散防止層16と同様の構成を有するため、拡散防止層25に含まれる酸化物が磁気記録媒体20の表面に拡散することを防止することで、磁気記録媒体20の腐食経路を低減できる。よって、磁気記録媒体20は、磁気記録媒体10と同様、高い耐腐食性を有することができる。
拡散防止層25は、第1の実施形態に係る磁気記録媒体10の拡散防止層16と同様の構成を有するため、磁気記録媒体20は、磁気記録媒体10と同様、以下の効果を発揮できる。
即ち、磁気記録媒体20は、拡散防止層25に含まれる、Si、Ti、Cr、B及びRuの含有量を0.5at%~10at%にできる。これにより、Coの酸化物やFeの酸化物が磁気記録媒体10の表層部に拡散することを抑制できるため、磁気記録媒体20を構成する各層の腐食の進行をより確実に抑えることができる。よって、磁気記録媒体20は、より耐腐食性を高めることができる。
磁気記録媒体20は、拡散防止層25の層厚を、0.02nm~0.4nmにできる。これにより、Coの酸化物やFeの酸化物が磁気記録媒体20の表層部に拡散することを抑制できるため、磁気記録媒体20を構成する各層の腐食の進行をより確実に抑えることができると共に、拡散防止層25の厚さの増大を抑えることができる。よって、磁気記録媒体20は、より耐腐食性を高めることができると共に、薄膜化を図ることができる。
磁気記録媒体20は、拡散防止層25に酸化コバルト又は酸化鉄を含むことができる。酸化コバルト又は酸化鉄は、酸化物の中でも、特に磁気記録媒体20の表層部に拡散し易い物質であり、これらの酸化物を拡散防止層25に含めることで、酸化物の拡散防止効果を高めることができる。よって、磁気記録媒体20は、より確実に耐腐食性を高めることができる。
磁気記録媒体20は、拡散防止層25に、Cを含むことができる。拡散防止層25がCを含むことで、垂直磁性層24の最上層241と保護層26との密着性と格子整合性を高めることができるため、磁気記録媒体20は、垂直磁性層24と保護層26との密着性を高めることができる。
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
<実施例1>
[磁気記録媒体の作製]
以下の方法により、磁気記録媒体を作製した。
洗浄済みの外径2.5インチのガラス製の非磁性基板(HOYA社製)を、DCマグネトロンスパッタリング装置(C-3040、アネルバ社製)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度が1×10-5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
次に、Cr-50at%Ti(Tiの含有量50at%、残部Cr)のターゲットを用いて、厚さ10nmの密着層を非磁性基板上に形成した。
次に、Co-20at%Fe-5at%Zr-5at%Ta(Feの含有量20at%、Zrの含有量5at%、Taの含有量5at%、残部Co)のターゲットを用いて、非磁性基板の温度を100℃以下にして、厚さ25nmの軟磁性層を密着層上に形成した。
次に、Ruのターゲットを用いて、厚さ0.7nmのRu層を非磁性層として軟磁性層上に形成した。
次に、Co-20at%Fe-5at%Zr-5at%Taのターゲットを用いて、非磁性基板の温度を100℃以下にして、厚さ25nmの軟磁性層をRu層上に形成して、軟磁性下地層とした。
次に、Ni-6at%W(Wの含有量6at%、残部Ni)のターゲット及びRuのターゲットを用いて、それぞれ厚さ5nmのNi-6at%W層及び厚さ20nmのRu層を、この順で軟磁性下地層上に形成し、配向制御下地層とした。
次に、91mol%(Co-15at%Cr-18at%Pt)-6mol%SiO-3mol%TiO(Crの含有量15at%、Ptの含有量18at%、残部Coの合金の含有量91mol%、SiOの含有量6mol%、TiOの含有量3mol%)のターゲットを用いて、厚さ9nmのグラニュラー構造を有する垂直磁性層を配向制御下地層上に形成した。このとき、スパッタ圧力を2Paとした。
次に、88mol%(Co-30at%Cr)-12mol%TiO(Crの含有量30at%、残部Coの合金の含有量8mol%、TiOの含有量12mol%)のターゲットを用いて、厚さ0.3nmのグラニュラー構造を有する非磁性層を垂直磁性層上に形成した。
次に、92mol%(Co-11at%Cr-18at%Pt)-5mol%SiO-3mol%TiO(Crの含有量11at%、Ptの含有量18at%、残部Coの合金の含有量92mol%、SiOの含有量5mol%、TiOの含有量3mol%)のターゲットを用いて、厚さ6nmのグラニュラー構造を有する垂直磁性層を非磁性層上に形成した。このとき、スパッタ圧力を2Paとした。
次に、Co-11at%Cr-18at%Pt(Crの含有量11at%、Ptの含有量18at%、残部Coの合金)のターゲットを用いて、厚さ10nmの垂直磁性層を形成した。このとき、スパッタ圧力を0.6Paとした。なお、垂直磁性層を形成する際の基板温度は310℃であった。
次に、Co-11at%Cr-18at%Ptのターゲットを用いて作製した垂直磁性層の表面にイオン注入を行うことで、拡散防止層を形成した。反応ガスには、イオン注入には反応ガスには、テトラメチルシラン(C12Si)とアルゴンとの混合ガス(C12Si:Ar=1:10)を、RFプラズマでイオン化して行った。
次に、イオンビーム法により保護層を形成行い、拡散防止層と保護層との合計の厚さが2.6nmになるようにした。
保護層を形成した後、拡散防止層をXPSで調べたところ、厚さ0.1nmの3mol%C-SiO-3mol%CoO(SiOが3mol%、CoOが3mol%、残部がC)層が形成していた。なお、拡散防止層に含まれるCoOは、垂直磁性層からの拡散物、Cはテトラメチルシランからの析出物と保護層からの拡散物と考えられる。
次に、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を保護層上に形成し、磁気記録媒体を得た。
磁気記録媒体を構成する、垂直磁性層の種類及び成膜温度と、拡散防止層の組成、厚さ、形成方法、ターゲットの種類及び形成に用いたガスと、拡散防止層と保護層の合計の厚さとを表1に示す。
[性能]
(耐腐食性)
90℃、90%RHの環境下に、磁気記録媒体を96時間放置した後、光学式表面検査機を用いて、磁気記録媒体の表面に発生したコロージョンスポット[個/面]をカウントし、耐腐食性を評価した。このとき、検出精度を直径5μm以上に設定した。コロージョンスポットの測定結果を表1に示す。
<実施例2~10>
実施例1において、拡散防止層を表1に示す条件で作製したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例11>
実施例1において、[磁気記録媒体の作製]を以下の方法に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。
[磁気記録媒体の作製]
耐熱ガラス基板上に、厚さ50nmの,50at%Cr-50at%Ti(50at%Cr-50at%Ti合金)からなる下地層と、厚さ25nmの、75at%Co-20at%Ta-5at%B合金からなる軟磁性下地層をこの順で成膜した。次に、基板を250℃まで加熱した後、厚さ10nmのCr下地層を成膜した。成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用いた。
次に、RFスパッタ法を用いて、厚さ2nmのMgO下地層を成膜した。
次に、基板を520℃まで加熱した後、DCマグネトロンスパッタ法を用いて、厚さ5nmの82mol%(52at%Fe-48at%Pt)-18mol%SiOからなる垂直磁性層、厚さ3nmの52at%Fe-48at%Ptからなる垂直磁性層を成膜した。
次に、FePt垂直磁性層の表面にイオン注入を行うことで、拡散防止層を形成した。反応ガスには、イオン注入には反応ガスには、テトラメチルシラン(C12Si)とアルゴンとの混合ガス(C12Si:Ar=1:10)を、RFプラズマでイオン化して行った。
次に、イオンビーム法により保護層を形成行い、拡散防止層と保護層との合成の厚さが2.2nmになるようにした。
保護層を形成した後、拡散防止層をXPSで調べたところ、厚さ0.15nmの3SiO-2Fe-C(SiOが3mol%、Feが2mol%、残部がC)層が形成していた。なお、拡散防止層に含まれるFeは垂直磁性層からの拡散物、Cはテトラメチルシランからの析出物と保護層からの拡散物と考えられる。
次に、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を保護層上に形成し、磁気記録媒体を得た。
<実施例12~19>
実施例11において、拡散防止層を表1に示す条件で作製したこと以外は、実施例11と同様に行った。
<比較例1、2>
実施例1において、[磁気記録媒体の作製]の際に拡散防止層を形成せず、保護層の膜厚を2.4nmに変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。また、垂直磁性層の形成温度を、比較例1では290℃とし、比較例2では310℃とした。
<比較例3>
実施例11において、[磁気記録媒体の作製]の際に拡散防止層を形成せず、保護層の膜厚を2.2nmに変更したこと以外は、実施例11と同様に行った。
各実施例及び比較例の、磁気記録媒体を構成する、垂直磁性層の種類及び成膜温度と、拡散防止層の組成、厚さ、形成方法、ターゲットの種類及び形成に用いたガスと、拡散防止層と保護層の合計の厚さと、コロージョンスポットの測定結果を表1に示す。
Figure 2022119230000002
表1より、実施例1~実施例19では、コロージョンスポットが108個/面以下であった。一方、比較例1~3では、コロージョンスポットが150個/面以上であった。
実施例1~実施例19の磁気記録媒体は、比較例1~3の磁気記録媒体と異なり、垂直磁性層と保護層との間に。Si、Ti、Cr、B及びRuからなる群から選ばれる1つ以上の成分、又はその炭化物及び酸化物の少なくとも一方を含む拡散防止層を備えることで、コロージョンスポットの数を低減でき、耐腐食性を向上させることができることが確認された。したがって、本実施形態に係る磁気記録媒体は、磁気記録再生装置に有効に用いることができるといえる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、20、31 磁気記録媒体
11、21 非磁性基板
12 軟磁性層
13、22 シード層
14 下地層
15、24 垂直磁性層
151、241 最上層
152、242 最上層以外の層
16、25 拡散防止層
17、26 保護層
23-1 第1の下地層
23-2 第2の下地層
30 磁気記録再生装置
32 磁気記録媒体駆動部
33 磁気ヘッド
34 磁気ヘッド駆動部
35 記録再生信号処理部

Claims (8)

  1. 非磁性基板の上に、下地層、垂直磁性層、拡散防止層及び保護層をこの順に備え、
    前記垂直磁性層は、多層構造であり、
    前記垂直磁性層の最上層は、磁性粒子にCo又はFeを含み、
    前記垂直磁性層の最上層以外の層の少なくとも1層は、酸化物を含み、
    前記拡散防止層は、前記垂直磁性層と前記保護層との間に設けられ、Si、Ti、Cr、B及びRuからなる群から選ばれる1つ以上の成分、又はその炭化物及び酸化物の少なくとも一方を含む磁気記録媒体。
  2. 前記拡散防止層に含まれる、Si、Ti、Cr、B及びRuの含有量は、0.5at%~10at%である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記拡散防止層の層厚は、0.02nm~0.4nmである請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記拡散防止層は、酸化コバルト又は酸化鉄を含む請求項1~3の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記拡散防止層は、Cを含む請求項1~4の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載の磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置。
  7. 請求項1~5の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
    反応性スパッタ、イオン注入又はイオンエッチングを使用して、前記拡散防止層を形成する磁気記録媒体の製造方法。
  8. イオン注入を使用する場合、
    Si源として有機珪素化合物を含むガスを用いて、前記拡散防止層を形成する請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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