JP2001352112A - 磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果型ヘッド

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JP2001352112A
JP2001352112A JP2000171166A JP2000171166A JP2001352112A JP 2001352112 A JP2001352112 A JP 2001352112A JP 2000171166 A JP2000171166 A JP 2000171166A JP 2000171166 A JP2000171166 A JP 2000171166A JP 2001352112 A JP2001352112 A JP 2001352112A
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Yasunari Sugita
康成 杉田
Yasuhiro Kawawake
康博 川分
Mitsuo Satomi
三男 里見
Hiroshi Sakakima
博 榊間
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    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】自由層5と酸化物層7との界面に酸素拡散防止
層6を形成することにより、自由層の酸化を抑制して軟
磁気特性とMR比を高め、自由層の軟磁気特性に優れた磁
気抵抗効果素子および磁気抵抗効果型ヘッドを提供す
る。 【解決手段】反強磁性層2、固定層3、非磁性層4、自由
層5のいずれかの層中か、または反強磁性層、固定層、
非磁性層、自由層のいずれかの界面に酸化物層7を形成
し、かつ前記反強磁性層、固定層、非磁性層及び自由層
から選ばれる少なくとも一つの層(以下「他層」という)
と、前記酸化物層7との間に、前記他層の酸化を抑制す
る為の酸素拡散防止層6を形成する。酸素拡散防止層6
は、Au,Pt,Ag,Ru,NiまたはNi1-xMx合金(ただし、MはFe,
Co,Cr,Taのうち1種以上、0≦x<40、xは原子組成比)の
いずれかを主成分とするのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外部磁界に対して磁
気抵抗変化により大きな出力を生ずる磁気抵抗効果素子
と、それを用いて構成される高密度磁気記録再生に適し
た磁気抵抗効果型ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクドライブの高密度
化は著しく、媒体に記録された磁化を読みとる再生磁気
ヘッドの進歩は著しい。中でも巨大磁気抵抗効果を利用
したスピンバルブと呼ばれる磁気抵抗効果素子(MR素
子という)は、現在用いられている磁気抵抗効果型ヘッ
ド(MRヘッドという)の感度を大幅に上昇されるもの
として盛んに研究されている。
【0003】スピンバルブは、非磁性層を介して2つの
強磁性体層が配置されて、一方の磁性層(固定層)の磁
化方向を反強磁性層による交換バイアス磁界を生じさせ
て固定し(この時の強磁性層と反強磁性層を併せて交換
結合膜と呼ぶ)、もう一方の磁性層(自由層)の磁化方
向を外部磁界に応じて比較的自由に動かすことにより、
固定層と自由層の磁化方向の相対角度を変化させて、電
気抵抗の変化を生じさせるものである。
【0004】スピンバルブ膜に用いられる材料として
は、当初、強磁性層としてNi−Fe膜、非磁性層とし
てCu、反強磁性層としてFe−Mnを用いたもので磁
気抵抗変化率(MR比)が約2%のものが提案された
(ジャーナル オブ マグネティズム アンド マグネ
ティック マテリアルズ 93第101項(1991
年)(Journal of Magnetism and Magnetic Materials
93,p101,1991))。このように反強磁性層としてFe−
Mnを用いたスピンバルブ膜はMR比が小さく、またブ
ロッキング温度(反強磁性体層による固定層の交換バイ
アス磁界が無くなる温度)が十分高くなく、またFe−
Mn自体の耐食性に難点があるので種々の反強磁性層を
用いたスピンバルブ膜が提案されている。中でも、Pt
−Mn系は耐食性と熱的安定性が良い。NiOやα-Fe2O3
等の酸化物反強磁性体を用いたスピンバルブ膜はMR比
が15%以上と非常に大きいものが得られている。また
非磁性層に接していない自由層界面にCuなどの伝導層
を設けた構造のスピンバルブ膜では伝導層がない場合と
比較してMR比が向上することが知られている。また、
自由層の表面に薄い酸化物層を形成したNiOスピンバ
ルブにおいてNiO/固定層及び自由層/酸化物層界面
における鏡面反射効果で高いMR比を示すことが報告さ
れている(ジャーナル オブ アプライド フィジックス
第82巻 No.12 第6142頁(1997年)(Journal of Applied
Physics Vol.82 No.12 p6142 1997))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、NiO
膜の場合はブロッキング温度が十分高くなく、NiOス
ピンバルブ膜の熱的安定性には問題がある。
【0006】また、α−Fe23スピンバルブ膜も金属
磁性膜のピン止め効果が弱い欠点があり、特にデュアル
スピンバルブ構造や固定層上にα−Fe23を付けた構
造のスピンバルブとした場合、上部のα−Fe23膜に
おいてこの傾向が顕著である。PtMn系は、NiOや
α−Fe23ほど大きなMR比が得られない課題があ
る。
【0007】更により金属膜部の総膜厚が薄く、より大
きなMR比を示す磁気抵抗効果素子を得るのが課題であ
った。
【0008】自由層表面を酸化して大きなMR比を得る
ことはできるが、自由層の軟磁気特性が劣化してしてし
まうという問題があった。
【0009】本発明では、前記従来の問題を解決するた
め、鏡面反射をする酸化物層を有するスピンバルブ膜に
おいて、酸化物層と接するスピンバルブ膜を構成する金
属層との界面に、酸素拡散防止層なる層を挿入すること
により、前記金属層の酸化を抑え、MR特性を向上させ
た磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果型ヘッドを提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の磁気抵抗効果素子は、反強磁性層と、外部
磁界により容易には磁化回転しない磁性層(固定層)
と、非磁性層と、外部磁界により容易に磁化回転が可能
な磁性層(自由層)が順次積層した多層膜であって、反
強磁性層、固定層、非磁性層、自由層のいずれかの層中
か、または、反強磁性層、固定層、非磁性層、自由層の
いずれかの界面に酸化物層を形成し、かつ、前記反強磁
性層、固定層、非磁性層及び自由層から選ばれる少なく
とも一つの層(以下「他層」という)と、前記酸化物層
との間に、前記他層の酸化を抑制する為の酸素拡散防止
層を形成したことを特徴とする。
【0011】また本発明の第1番目の磁気抵抗効果型ヘ
ッドは、前記の磁気抵抗効果素子に、さらにシールド部
を具備してなることを特徴とする。
【0012】次に第2番目の磁気抵抗効果型ヘッドは、
前記の磁気抵抗効果素子に、さらに検知すべき磁界を磁
気抵抗効果素子に導入するヨークを具備してなることを
特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、反強磁性層と、外部磁
界により容易には磁化回転しない磁性層(固定層)と、
非磁性層と、外部磁界により容易に磁化回転が可能な磁
性層(自由層)が順次積層した多層膜からなり、前記自
由層の表面に酸素拡散防止層を介して酸化物層を積層し
たことにより、前記金属層の酸化を抑え、MR特性を向
上させた磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果型ヘッドを
提供できる。このとき酸素拡散防止層と酸化物層の界面
が平坦であることが望ましい。
【0014】また本発明の他の磁気抵抗効果素子は、反
強磁性層と、外部磁界により容易には磁化回転しない磁
性層(固定層)と、非磁性層と、外部磁界により容易に
磁化回転が可能な磁性層(自由層)と、伝導層が順次積
層した多層膜からなり、伝導層の表面に酸素拡散防止層
を介して酸化物層が積層されることにより上記課題が解
決できる。このとき酸素拡散防止層と酸化物層の界面が
平坦であることが望ましい。
【0015】また本発明の他の磁気抵抗効果素子は、反
強磁性層と、外部磁界により容易には磁化回転しない磁
性層(固定層)と、非磁性層と、外部磁界により容易に
磁化回転が可能な磁性層(自由層)が順次積層した多層
膜からなり、前記固定層が前記反強磁性層と接する第1
金属磁性層、酸化物磁性層、第2金属磁性層が順次積層
されており、更に、前記酸化物磁性層と前記第1もしく
は第2金属磁性層との界面の少なくとも一方に酸素拡散
防止層が挿入されることにより上記課題が解決できる。
このとき磁性酸化物層と、磁性酸化物層と接する酸素拡
散防止層または金属磁性層との界面が平坦であることが
望ましい。
【0016】これら酸素拡散防止層がAu、Pt、A
g、Ru、Ni、Ni1-xx合金(ただし、MはFe、
Co、Cr、Taのうち1種以上、0≦x<40、xは
原子組成比)のいずれかを主成分とすることで、酸化物
層もしくは酸化物磁性層に接する金属層の酸化を抑制
し、本発明の磁気抵抗効果素子のMR特性を向上すること
が可能となる。ここで「主成分」とは、50atom%をい
う(以下においても「主成分」の定義は同様であ
る。)。
【0017】固定層に挿入する酸素拡散防止層はNiま
たはNi1-xx合金(ただし、MはFe、Co、Cr、
Taのうち1種以上、0≦x<40、xは原子組成比)
であることが望ましい。
【0018】本発明を構成する酸化物層が元素D(ただ
し、DはAl、Si、Ti、Ta、Fe、Co、Niを
少なくとも1種または2種以上含む元素)を主成分とす
る酸化物であってもよいし、AFe24(AはFe、C
o、Niのうち1種以上の元素)を主成分とする構成で
あるのが望ましい。
【0019】特に酸化物磁性層としては、AFe2
4(ただし、AはFe、Co、Niのうち1種以上の元
素)を主成分とする構成であるのが望ましいが、上記固
定層を構成する金属磁性層を酸化した磁性酸化物であっ
てもよい。
【0020】本発明の磁気抵抗効果素子を構成する伝導
層は、Cuを主成分とするのが望ましい。
【0021】本発明を構成する反強磁性層は、P―Mn合
金(ただし、PはPt、Pd、Ir、Rh、Ru、O
s、Ni、Crのうち少なくとも一種以上の元素を含
む)であることが望ましいが、α−Fe23またはNi
Oのいずれか、もしくはこれらの積層膜で構成されても
よい。
【0022】特殊な場合として、本発明を構成する固定
層が、非磁性層を介して反強磁性的に交換結合した2層
の強磁性層から構成された多層膜を含んでいてもよい。
【0023】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、本発明
の磁気抵抗効果素子に、更にシールド部を具備してなる
ものと、検知すべき磁界を磁気抵抗効果素子に導入すべ
く設けられたを軟磁性体を用いて構成されるヨ−クを具
備してなることを特徴とする2種類のものである。
【0024】以下本発明の磁気抵抗効果素子および磁気
抵抗効果型ヘッドを図面に基づいて説明する。
【0025】図1に本発明の磁気抵抗効果素子の構成を
示す断面図の一例を示す。図1では、基板1上に反強磁
性層2、固定層3、非磁性層4、自由層5、酸素拡散防
止層6、酸化物層7が順次積層されている。固定層3は
反強磁性層による交換バイアス磁界によりピン止めされ
ており、一方非磁性層4を介して積層されている自由層
5は非磁性層4により固定層3とは磁気的に分離されて
いるので、外部からの磁界により比較的自由に磁化方向
を変化させることが可能である。従って自由層5と固定
層3の磁化方向の相対的角度が変化することにより電気
抵抗(磁気抵抗)が変化する。磁気抵抗センサーとして
は外部からの磁界により生じた抵抗変化を電気信号とし
て読みとることができる。また図1の基板上の層構造を
上下逆にしてもよい。
【0026】一般的に磁気抵抗を支配する要因は磁性層
と非磁性層の界面でほぼ決まり磁性層の膜厚が厚くなる
とシャント効果によりMR比が減少する。反強磁性層と
してNiO等の酸化物反強磁性体を用いたスピンバルブ
膜はFe−Mn等の金属反強磁性体を用いたものに比べ
てMR比が高いことが知られている。この原因は、Ni
Oを用いたスピンバルブ膜の場合、反強磁性層(酸化物
層)/固定層(金属層)の界面での伝導電子の鏡面反射
が起こることで説明される(フィジカル レビュー B
第53巻第9108頁(1996年)(Physical Revie
w B Vol.53, p9180,1996-II))。この場合はNiOと
固定層の鏡面反射効果を用いているが、自由層の表面に
薄い酸化物層を形成したNiOスピンバルブにおいてN
iO/固定層及び自由層/酸化物層界面における鏡面反
射効果で高いMR比を示すことが報告されている(ジャ
ーナル オブ アプライド フィジックス 第82巻
NO.12 第6142頁(1997年)(Journal of
Applied Physics Vol.82NO.12 p6142 1997))。
【0027】本発明の特徴は、従来、鏡面反射を起こす
酸化物層を有するスピンバルブ膜において、酸化物層と
接する金属層が酸化され、その金属層が示す特性が劣化
する事を、酸化物層と金属層の界面に酸素拡散防止層を
挿入することにより前記金属層の特性劣化とスピンバル
ブのMR特性(MR比、自由層のHc、固定層の交換バ
イアス磁界Hex)を改善することである。
【0028】酸素拡散防止層6としては、Au、Pt、
Ag、Ru、Ni、Ni1-xx合金(ただし、MはF
e、Co、Cr、Taのうち1種以上、0≦x<40、
xは原子組成比)のいずれかを主成分であることが有効
である。酸素拡散防止層6の膜厚は、厚すぎるとシャン
ト効果によりMR比は小さくなるので0.2nm以上45
nm以下が好ましく、より望ましくは0.3nm以上2
nm以下である。また、酸素拡散防止層を図3に示すよ
うに固定層3に用いる場合は、強磁性を示すNiもしく
はNi高濃度のNi―Fe(−Co)合金が適してい
る。さらにこのNi―Fe(−Co)合金にCrやTa
を添加してもよく、その添加量は多すぎると飽和磁化が
小さくなるので原子組成比の10atom%以下、より望ま
しくは3atom%以下とするのが望ましい。
【0029】図1に示すように自由層5は酸素拡散防止
層6により酸化物層7による酸化が抑えられ、自由層5
の軟磁気特性は従来より向上する。
【0030】図2は図1の構成を基本として自由層の非
磁性層と接しない界面から順に伝導層8、酸素拡散防止
層6、酸化物層7を設けている。この伝導層8の特徴は
非磁性層4と接しない自由層界面での拡散散乱によるを
抑え、素子全体の抵抗を小さくすることでMR比が向上
することが報告されている(フィジカル レビュー レタ
ーズ 第71巻 No.24 第4023頁(1993
年)(Physical ReviewLetters Vol.71, No.24, p4023,
1993))。伝導層8としてはCuを主成分とすることが
よい。伝導層8の膜厚は厚すぎるとシャント効果により
MR比は低下してしまうので5nm以下、望ましくは3
nm以下が好ましい。この図2に示したように伝導層8
と酸化物層7との間に酸素拡散防止層6を挟む構成とす
ることにより、伝導層8の酸化が抑えられMR比が大き
くなる効果が得られる。
【0031】図3では固定層3が、反強磁性層2と交換
バイアス磁界によりピン止めされている金属磁性層3
a、酸素拡散防止層6a、酸化物磁性層71、酸素拡散
防止層6b、非磁性層4と接する金属磁性層3bから構
成されている。固定層3を構成する各層は強磁性的に結
合している。従って、金属磁性層3aと金属磁性層3b
の磁化方向は同じ方向である。金属磁性層3aまたは3
bは酸素拡散防止層6aまたは6bにより、酸化物磁性
層71を形成する前または後での酸化による磁気特性の
劣化、即ち、交換バイアス磁界の低下を抑えることがで
きる。しかも、酸化物磁性層の反射効果により大きなM
R比を得ることが可能となる。なお、図3では酸素拡散
防止層を2つ図示しているが、少なくとも1つあれば十
分である場合もある。
【0032】図4は図1の構成を基本として、自由層5
が、非磁性層5cを介して2つの金属磁性層5aと5b
とが磁化方向をそれぞれ反対方向を向くように非磁性層
5cの膜厚を適当な値(例えばRuを用いてその膜厚を
0.6〜0.8nm)とする事で反強磁性的に結合し
て、更に金属磁性層の膜厚もしくは飽和磁化が異なるこ
とを特徴とするものである。このように2つの金属磁性
層5aと5bの膜厚もしくは飽和磁化を異なるようにす
ると、2つの金属磁性層5aと5bの磁化はそれぞれ反
平行を向いているため自由層を構成する磁性層の実効的
な膜厚を低減して、外部からの磁界感度を向上させるこ
とが可能となる。さらに、酸素拡散防止層6を設けるこ
とで酸化による自由層の軟磁気特性の劣化を抑え、更に
酸化物層7の反射効果によりMR比を増大する事が可能
となる。同様に、図2で示した自由層5が図4に示した
自由層の構成をしていても図2で上述した効果が得られ
る。
【0033】図5は図3の構成を基本として、固定層3
を構成する金属磁性層31が反強磁性層2と隣接してお
り、非磁性層3cを介して金属磁性層3aaと金属磁性
層3abが積層されており、金属磁性層3aaと3ab
が非磁性層3cの膜厚を適当な値(例えばRuを用いて
その膜厚を0.6〜0.8nm)にすることで、反強磁
性的に交換結合させることが可能である。これにより、
反強磁性層2の交換バイアス磁界を大きくすることが可
能である。この場合でも、酸素拡散防止層6aまたは6
bにより、金属磁性層3abの酸化物磁性層71からの
酸化による磁気特性の劣化が抑えられて、交換バイアス
磁界を向上させる効果が期待できる。しかも図3で上述
したように酸化物磁性層71による反射効果で大きなM
R比を得ることができる。
【0034】図6は図1における固定層を図3に示した
ように金属磁性層3a、酸素拡散防止層6a、酸化物磁
性層71、酸素拡散防止層6b、非磁性層4と接する金
属磁性層3bから構成されている。この場合でも図1及
び図3を使って上述したように、酸素拡散防止層により
固定層と自由層の磁気特性の劣化を改善して、しかも反
射効果を示す酸化物層が膜の上下に設置されているので
図1から5に示した膜構成よりも大きなMR比を得るこ
とが可能となる。
【0035】なお本発明では、図1〜6に示した基板の
上の膜構成を上下逆にしても良い。また、図1〜5に示
した基板から上の膜構成の間に膜の配向性を向上させる
為に下地層を設けても良い。下地層としては、Taもし
くはNi−Fe合金もしくはNi−Fe合金にCrやN
bやRhやPdやTaを添加した合金もしくはこれらの
積層膜であってもよい。下地層の膜厚としては10nm
以下、望ましくは5nm以下がよい。
【0036】酸化物層としては、元素D(DはAl、S
i、Ti、Ta、Fe、Co、Niを少なくとも1種ま
たは2種以上含む元素)を主成分とする酸化物(Al2
3、SiO2、TiO2、Ta−O、Fe−O、Co−
Fe−O、Co−O、Ni−等)からなる絶縁層がよ
い。酸化物層の作成法は、Al23やSiO2の焼結タ
ーゲットをRFスパッタリングして作成したり、Alや
TiやFe等金属のターゲットを酸素ガスを含んだスパ
ッタガスで反応性スパッタリングを行って作成したり、
上記元素を主に含んだ金属ターゲットを作成し酸素雰囲
気のチャンバーにおいて後述する金属磁性層を酸化する
方法で酸化物層を形成しても良い。また、酸化物層とし
ては酸化物磁性体であるAFe24(AはFe、Co、N
iから選ばれる1種もしくは2種以上の元素)であって
もよい。特にAl23がよい。このとき、膜厚が薄すぎ
ると絶縁効果が低すぎるので、少なくとも0.4nm以
上、望ましくは0.6nm以上の膜厚は必要である。た
だし厚すぎると、表面粗さが増大し、電子の鏡面反射効
果が低下するので、10nm以下、より望ましくは2n
m以下がよい。
【0037】固定層3を構成する酸化物磁性層71とし
ては、AFe24(AはFe、Co、Niから選ばれる1
種もしくは2種以上の元素)がより望ましい。これらは
比較的高温まで強磁性を示し、Fe−richに比べC
o、Ni−richは極めて抵抗が高い。又Co−ri
chは磁気異方性が大きい特長があるので、これらの組
成比の調整により所望の特性のものが得られる。軟磁気
特性や飽和磁化の観点からはFe34を主成分とするも
のが望ましい。酸化物磁性層の作製法としては、膜厚を
0.1nmのオ−ダ−で精密にコントロ−ルする場合は
タ−ゲットに酸化物を用い、スパッタ法により成膜する
ことが望ましい。上記の場合、例えばFe34を主成分
とするタ−ゲットを用いてArガス等の不活性ガス、ま
たは、Arガスと酸素ガスの混合ガスによりスパッタす
れば、Fe34層の精密な膜厚コントロ−ルが可能であ
る。酸化物磁性層71としてFe34層を形成する方法
を、例えば図3の膜構成の場合を用いて説明する。Fe
34層を酸素ガスを含んだスパッタガスで形成する場合
等は、金属磁性層3aを形成して、本発明の酸素拡散防
止層61を形成しておけば、金属磁性層3aは混合スパ
ッタガスによる酸化の影響を受けず、金属磁性層3aの
磁気特性は劣化しない。なお、Fe34を酸素ガスを含
まないスパッタガスでスパッタする場合、スパッタ条件
(例えば投入電力やスパッタガス圧等)によってはスパ
ッタターゲットから微量に酸素ガスが抜け出ることもあ
るので、図3の膜構成の場合に酸化物磁性層71を形成
する前に酸素拡散防止層6aを形成すると金属磁性層3
aは酸化の影響を受けずに磁気特性の劣化はしない。こ
のとき、膜厚が薄すぎると絶縁効果が低すぎるので、少
なくとも0.4nm以上の膜厚は必要である。ただし厚
すぎると、表面粗さが増大し、電子の鏡面反射効果が低
下し、固定層を構成する金属磁性層の間の磁気的結合が
弱くなるので10nm以下、より望ましくは2nm以下
がよい。
【0038】固定層3を構成する酸化物磁性層71の別
の材料としては、金属磁性層を酸化させて酸化物磁性層
71として用いることができる。特に金属磁性層とし
て、Co−Fe層を用いた場合、Co−Fe−O層は良
好な酸化物磁性層となる。
【0039】このとき、酸化物磁性層71の形成方法と
しては、種々の方法がある。まず一つは、例えば図3を
用いて説明すると、金属磁性層3aを形成した後に酸素
拡散防止層6aを形成し、更に酸化すべき金属磁性層を
形成してこの金属磁性層を酸化する方法である。この場
合、本発明の酸素拡散防止層71があることにより金属
磁性層3aは酸化されず、所望の膜厚の酸化物磁性層7
1を形成することが可能となる。
【0040】金属磁性層を酸化させる方法は、プラズマ
酸化法、自然酸化法、ラジカルガンを用いる方法、イオ
ンガンを用いる方法などがある。プラズマ酸化法とは、
真空チャンバー中で酸素ガスを流しながら、金属膜表面
と電極との間にrfまたはDCの電位差を与え、膜表面と電
極との間にプラズマを発生させ、そのプラズマによって
金属膜表面を酸化させるものである。金属膜表面のダメ
ージも大きいが、比較的高抵抗の酸化膜が形成される。
自然酸化法は、金属膜を一度大気に暴露するという方法
もあるが、大気中では、湿度が一定でない等の問題もあ
り、より望ましくは、真空チャンバーに大気圧以下の圧
力に酸素ガスを導入し、金属膜の表面を酸化する方法が
よい。また、ラジカルガンを用いる方法は、ガンの内部
の放電によって発生した酸素ラジカルを、金属膜表面に
照射して酸化させる方法で、比較的金属膜にダメージ少
なく表面だけ酸化させるのに有効な方法である。また、
ラジカルではなくイオンを用いても膜表面を酸化するこ
とができる。イオン源としては、熱フィラメントを用い
るカウフマン型、ECR放電を利用するタイプなどいろい
ろあるが、いずれも本発明では有効である。この場合、
イオンガンで発生した酸素イオンを加速電圧を印可し
て、金属表面に衝突させる。加速電圧としては、あまり
高すぎると金属膜のダメージが大きくなるのでせいぜい
500V以下、望ましくは200V以下とするのがよ
い。
【0041】反強磁性層としては、金属膜としては不規
則合金系のIr−Mn、Rh−Mn、Ru−Mn、Cr
−Pt−Mn等があり、磁界中で成膜することにより磁
性膜と交換結合させることができ工程が簡便となる利点
がある。これらの膜を用いて素子を形成する場合は図1
〜6は上下逆の構成とすることが望ましい。一方規則合
金系のNi−Mn、Pt−(Pd)−Mn等は規則化の
ための熱処理が必要であるが、熱的安定性に優れてい
る。一般的にはこれらも素子に用いる場合は図1から5
とは上下逆の構成が望ましい。なおPt−Mn系は上下
どちらでも使用出来き、ピンニング効果も大きく、かつ
熱的にも安定なため望ましい特長を有する。特にPt−
Mnが優れている。PtZMn1-Z膜の適当な組成として
は、原子組成比で、 0.45≦z≦0.55 がよい。不規則合金系及び規則合金系の反強磁性層は適
当な下地層を設けたり、合金組成の最適化を行うことに
より図1から6に示すような膜構成でも交換バイアス磁
界を生じさせることは可能である。金属反強磁性体の膜
厚は、交換バイアス磁界を生じさせるためには少なくと
も2nm以上必要である。厚すぎるとシャント効果によ
りMR比が小さくなるため50nm以下が良い。ただし
あまり厚くなると将来の短波長化に対応できなくなる
で、30nm以下、より望ましくは20nm以下とする
のが望ましい。金属反強磁性体は次に述べる酸化物反強
磁性体に比べると、MR比は低いが熱安定性には優れて
いる。
【0042】反強磁性層として酸化物反強磁性体である
α−Fe23やNiOがあり、これらを用いると大きな
MR比を得ることができる。NiOは熱的安定性に課題
があるのでα−Fe23との積層膜にするとより望まし
い。酸化物反強磁性体の総膜厚は5nm以上40nm以
下が良い。
【0043】図に示した磁気抵抗効果素子の自由層5お
よび自由層5を構成する金属磁性層としては、Ni−C
o−Fe合金が適している。Ni−Co−Fe膜の原子
組成比としては、NiXCoyFez 0.6≦x≦0.9 0≦y≦0.4 0≦z≦0.3 のNi−richの軟磁性膜、もしくは、NiX'CoY'
FeZ' 0≦x≦0.4 0.2≦y≦0.95 0≦z≦0.5 のCo−rich膜を用いるのが望ましい。これらの組
成の膜はセンサーやMRヘッド用として要求される低磁
歪特性(1×10-5)を有する。また自由層5の他の材
料としては、Co−Mn−B、Co−Fe−B、Co−
Nb−Zr、Co−Nb−B等のアモルファス膜も良
い。
【0044】自由層5の膜厚としては0.5nm以上1
0nm以下がよい。膜厚が厚いとシャント効果でMR比
が低下するが、薄すぎると軟磁気特性が劣化する。より
望ましくは1nm以上7nm以下がよい。
【0045】固定層3の金属磁性膜としては、Coまた
はCo1-XFeX合金(0<x≦0.5、xは原子組成
比)またはNi−Fe−Co合金等の材料が優れてい
る。特にCo1-XFeX合金は、特に非磁性膜としてCu
を用いた場合、スピンに依存した散乱が大きく、結果と
してMR比が大きくなる。膜厚としては薄すぎるとMR
比が低下し、厚すぎると交換バイアス磁界が低下するの
で、1nm以上3nm以下、より望ましくは1.5nm
以上2.5nm以下とするのが望ましい。
【0046】また、MR比を更に大きくするために、強
磁性体層(固定層3または自由層5)と非磁性層4の界
面に界面磁性層を挿入するのも有効である。自由層は軟
磁気特性が必要なためNi−richが良いが、非磁性
層4と接する自由層の界面磁性層にはCo−richを
用い、その他はNi−richとすれば軟磁気特性を損
なうことなく高MR比とすることが可能である。自由層
の界面磁性層の膜厚が厚いと、軟磁気特性が劣化しMR
比の磁界感度が低下するので、界面磁性層の膜厚は2n
m以下、望ましくは1.8nm以下とする必要がある。
またこの界面磁性層が有効に働くためには、少なくとも
0.2nm以上の膜厚は必要であり、望ましくは0.5
nm以上の膜厚がよい。界面磁性層の材料としては、C
oまたはCo高濃度のCo−Fe合金が優れている。
【0047】図4の非磁性層53や図5の非磁性膜31
2には磁性層間の反強磁性的な交換結合を生じやすい非
磁性金属膜が望ましく、Cu、Ag、Auでも良いが、
界面の熱的安定性からはRu、Ir、Rh、Cr等のほ
うがより望ましく、特にRuが優れている。膜厚は0.
3nm以上1.2nm以下が良く、特に0.5nm以上
0.9nm以下が望ましい。図4では、自由層5を構成
する金属磁性層51および53は軟磁気特性に優れてい
るNi−richの金属磁性層が望ましい。金属磁性層
51及び53の膜厚はそれぞれ1nm以上3nm以下が
望ましい。図5では、固定層3を構成する金属磁性層3
bおよび3aaおよび3abはCo−richの金属磁
性層が望ましい。特に金属磁性層3aaおよび3abに
Co−richの金属磁性層を用いることで2つの磁性
層の反強磁性的な交換結合が強くなり、固定層のバイア
ス磁界が大きくなる。金属磁性層3bおよび3aaおよ
び3abの膜厚はそれぞれ1nm以上3nm以下が望ま
しい。
【0048】自由層5と固定層3の間の非磁性層4とし
ては、Cu、Ag、Au、Ru等があるが、特にCuが優
れている。非磁性層4の膜厚としては、磁性層間の相互
作用を弱くするために少なくとも0.9nm以上は必要
である。また非磁性層4が厚くなるとMR比が低下して
しまうので膜厚は10nm以下、望ましくは3nm以下
が望ましい。
【0049】基板1としては、ガラス、Si、Al−T
iC基板等表面の比較的平滑のなものを用いる。MRヘ
ッドを作成する場合には、Al−Ti−C基板を用い
る。
【0050】なお、以上述べた各層の構成方法として
は、スパッタリング法または蒸着法との併用で作製でき
る。スパッタリング法としては、DCスパッタリング
法、RFスパッタリング法、イオンビームスパッタリン
グ法等があるが、いずれの方法でも本発明の磁気抵抗効
果素子は作製できる。
【0051】以上述べたような本発明の磁気抵抗効果素
子を用いて、磁気抵抗効果型ヘッドを構成することがで
きる。図7にMRヘッドの構成の一例を示す。図7を矢
印Aの方向から見た図が、図8であり、点線Bで示した
平面で切った断面が図9に示してある。以下、図8を中
心にして説明する。
【0052】図8ではMR素子部109は上部および下
部のシールドキャップ14、11に挟まれるように構成
されている。シールドキャップ材としては、Al23
AlN、SiO2等の絶縁膜が使われる。シールドキャ
ップ11、14の更に外側は上部および下部のシールド
10、15があるがこれはNi−Fe、Fe−Al−S
i、Co−Nb−Zr合金などの軟磁性膜が使われる。
MR素子の自由層5の磁区制御のためにCo−Pt合金
等のハードバイアス部12によるバイアス磁界を加え
る。
【0053】ここでは、バイアスの印加方法としてはハ
ード膜を用いる場合について説明したが、Fe−Mn等
の反強磁性体を用いた場合も同様である。MR素子部1
09はシールドキャップ11、14によってシールド1
0、15等と絶縁されており、リード部13を介して電
流を流すことにより、MR素子部109の抵抗変化を読
みとる。
【0054】またMRヘッドは読みとり専用ヘッドなの
で、通常書き込み用の誘導型ヘッドと組み合わせて用い
られる。図10には再生ヘッド部32だけでなく、書き
込みヘッド部31も併せて描かれている。図8にさらに
書き込みヘッド部を形成した場合の図が、図10であ
る。書き込みヘッド部としては、上部シールド15上に
記録ギャップ部40を介して形成された上部記録コア1
6がある。
【0055】なお、図8、10は従来のアバティッド接
合(abutted junction)によるMRヘッド構造について説
明したが、高密度化による狭トラック化に伴い、よりト
ラック幅41の規制が精密にできる、図11に示したオ
ーバーレイ(overlaid)構造を用いたものも有効である。
【0056】次に、MRヘッドの記録再生のメカニズム
を図9を用いて説明する。図9に示すように、記録する
際には、コイル17に流した電流により発生した磁束
が、上部コア16と上部シールド15の間より漏れ、磁
気ディスク21に記録することができる。ヘッド30
は、ディスク21に対して相対的に矢印cの方向に進む
ので、コイル17に流す電流を反転させることにより、
記録磁化の方向23を反転させることができる。また、
高密度化に伴い、記録長22が短くなるので、それにと
もない記録ギャップ長19を小さくする必要がある。
【0057】再生する場合には、磁気ディスク21の記
録磁化部から漏れた磁束24が、シールド10、15に
挟まれたMR素子部109に作用して、MR素子の抵抗
を変化させる。MR素子部109には、リード部13を
介して電流が流されているので、抵抗の変化を電圧の変
化(出力)として読みとることができる。
【0058】将来のハードディスクドライブの高密度化
を考慮すると、記録波長を短くする必要性があり、その
ためには図8に示したシールド間の距離d(図9の距離
18)を短くする必要がある。そのためには図9から明
らかな様に、MR素子部109を薄くする必要があり、
MR素子部109の膜厚はなるべく薄いのが望ましく、
50nm以下、望ましくは30nm以下とするべきであ
る。
【0059】またMR素子部109においては、軟磁性
膜の磁化反転時にバルクハウゼンノイズの発生を押さえ
るために、図1の自由層5の磁化容易軸は、膜面内で検
知すべき信号磁界方向に概略垂直となるように構成され
ているのがよい。この時直線的な出力変化を起こさせる
ためには固定層3の磁化方向は膜面内でフリー層と垂直
方向に固定しておく必要がある。
【0060】また、以上はシールド型のGMRヘッドに
ついて説明したが、本発明は縦型のGMRヘッドやヨー
ク型GMRヘッドに対しても有効である。将来より高密
度になるとシールドギャップ18のうちに絶縁膜14、
11とMR素子部109を納めるのが困難である。シー
ルド型GMRヘッドが検知する磁界に対して電流方向が
垂直であるのに対して、縦型GMRヘッドは磁界に対し
て平行に電流を流すのを特徴とする。本発明の磁気ヘッ
ドの一例として図9のシ−ルド型とは別なヨ−ク型ヘッ
ドを図12に示す。図12において50はMR素子部1
09に検知すべき信号磁界をガイドする軟磁性膜で構成
されたヨ−クで、通常このヨ−ク部は導電性の金属磁性
膜を用いるため、MR素子部とショ−トしないように絶
縁膜51が設けられる。又このヘッドはヨ−クを用いる
ため感度では図9のタイプのヘッドより劣るが、図9の
ようにシ−ルドギャップ中にMR素子を置く必要がない
ため超狭ギャップ化では有利である。
【0061】図13は、本実施の形態に係るMRヘッド
を用いたハードディスク装置110の側面図であり、図
14は、その平面図である。
【0062】ハードディスク装置110は、本実施の形
態で説明したMRヘッドを保持するスライダ120と、
スライダを支持するヘッド支持機構130と、ヘッド支
持機構130を介してMRヘッドをトラッキングするア
クチュエータ114とディスク116を回転駆動するデ
ィスク駆動モータ112とを備える。ヘッド支持機構1
30は、アーム122とサスペンジョン124とを含
む。
【0063】ディスク駆動モータ112は、ディスク1
16を所定の速度で回転駆動する。アクチュエータ11
4は、MRヘッドがディスク116の所定のデータトラ
ックにアクセスできるように、MRヘッドを保持するス
ライダ120をディスク116の表面を横切って半径方
向に移動させる。アクチュエータ114は、代表的には
直線式または回転式のボイスコイルモータである。
【0064】MRヘッドを保持するスライダ120は、
例えば空気ベアリングスライダである。この場合には、
スライダ120は、ハードディスク装置110の起動・
停止動作時にはディスク116の表面と接触する。ハー
ドディスク装置110の情報記録再生動作時には、スラ
イダ120は回転するディスク116とスライダ120
との間で形成される空気ベアリングによりディスク11
6の表面上に維持される。スライダ120に保持された
MRヘッドは、ディスク116に情報を記録再生する。
【0065】
【実施例】本発明の磁気抵抗効果素子および磁気抵抗効
果型ヘッドについて以下具体的な実施例を用いて説明す
る。
【0066】(実施例1)多元スパッタリング装置を用
いて図1に示した構成の磁気抵抗効果素子を作製した。
基板にはガラス基板を用い、非磁性層用としてはCuを、
自由層用にはNi0.68Fe0.20Co0.12、Co0.9Fe0.1を主に用
い、固定層の金属磁性層用としてCo0.85Fe0.15を用い、
反強磁性層用タ−ゲットとしてPt0.45Mn0.55、Ir0.2Mn
0.8を用いた。PtMnの下地層としてTaを用いた。酸素拡
散抑制層としてAu、Pt、Ag、Ru、Ni、Ni0.8Fe0.2、Ni-F
e-Cr、Ni-Fe-Ta、を用い、NiFeにCrとTaを添加したNiFe
Cr及びNiFeTa合金はNiFeとCrおよびTaの同時スパッタリ
ングで成膜レートを適正に調整し、NiFe-Cr及びNiFe-Ta
のCrとTaの添加量は2.8atm%であった。真空チャンバー
内を1.33×10-6Pa(1×10-8Torr) 以下まで排気した後、
Arガスを約1.04×10-1Pa(0.8mTorr)になるように流しな
がら、下記の構成の磁気抵抗効果素子を作製した。酸化
物層はSiO2、TiO2を作成した。SiO2はSiタ−ゲットを用
い、ArとO2の混合ガスによる反応スパッタにより作製し
た。またTiO2はTiO2焼結ターゲットを1mTorrのArガスで
スパッタして作成した。ここで括弧内は各層の膜厚をn
m単位で示している。 A1:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/SiO2(2) A2:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/Au(0.5)/ SiO2(2) A3:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/Pt(0.5)/ SiO2(2) A4:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/Ag(0.5)/ SiO2(2) A5:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/Ru(0.5)/ SiO2(2) A6:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/Ni(0.5)/ SiO2(2) A7:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/NiFe(0.5)/ SiO2(2) A8:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/NiFeCr(0.5)/ SiO2(2) A9:Ta(3)/PtMn(30)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe(1)/NiFeCo
(3)/NiFeTa(0.5)/ SiO2(2) A10:TiO2(2)/CoFe(3)/Cu(2.5)/CoFe(2)/IrMn(20) A11:TiO2(2)/Ru(0.5)/CoFe(3)/Cu(2.5)/CoFe(2)/IrMn(2
0) ただし、試料A10とA11は図1とは逆の膜構成になってい
る。このようにして作製した磁気抵抗効果素子のMR特
性を室温で最高5kOeの磁界を印加して、直流4端子
法で評価した。MR素子の自由層の保磁力をHcとし測
定結果を(表1)に示す。
【0067】ここで、MR比は磁界を印加した場合の最
大の抵抗値をRmax、最小の抵抗値をRminとすると次式
で定義される。
【0068】 MR比(%)=(Rmax―Rmin)/Rmin×100
【0069】
【表1】
【0070】成膜したMR素子を真空中5kOeの磁界
中で300℃、約1時間熱処理した。
【0071】表1に示すように、A2〜A9は自由層NiFeCo
層と酸化物層SiO2層との間に本発明の酸素拡散防止層を
挿入したMR素子であり、従来例A1と比較するとMR比
ではほとんど変わりは無いが、Hcはどれも従来例A1よ
りも小さい値を示しており自由層の軟磁気特性が良くな
っている。これは酸化物層SiO2を形成する場合に自由層
であるNiFeCo層が酸化されていない為にHcが小さい。
しかもMR比はA1からA9まではほとんど変化は無いこと
から、酸化物層における電子の鏡面反射効果は酸素拡散
防止層を挿入しても変化が無かった。このことから、本
実施例は有効である。なお従来例A10と本発明の構造で
あるA11の比較から、図1の膜構成を反対にしても本発
明は同様に有効である。なお、自由層の膜構成を、NiFe
(3)/Ru/NiFe(2)とした図4の構成においても同様の結
果を得ている。
【0072】(実施例2)実施例1と同様に多元スパッ
タリング装置を用いて、図2に示した構造のMR素子を
作製した。伝導層としてCuを用いた。反強磁性層PtMn
の下地層としてTa/NiFeCrの積層膜を用いた。また酸化
物反強磁性用として焼結α-Fe2O3ターゲットを用いた。
酸化物層はAlターゲットをスパッタし、更にチャンバー
内が約2.66×103Pa(20Torr)になるまで酸素ガスを導入
して、保持し、Alを酸化させてAl23を作製した。A
23の膜厚はAlの膜厚を示している。基板はSi基板を
用いた。
【0073】B1:Ta(3)/NiFeCr(3)/PtMn(25)/CoFe(2)/Cu
(2.5)/CoFe(0.5)/NiFeCo(2)/Cu(1.5)/Ta(3) B2:Ta(3)/NiFeCr(3)/PtMn(25)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe
(0.5)/NiFeCo(2)/Cu(1.5)/Al-O(0.5) B3:Ta(3)/NiFeCr(3)/PtMn(25)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe
(0.5)/NiFeCo(2)/Cu(1.5)/Au(0.5)/Al-O(0.5) B4:Ta(3)/NiFeCr(3)/PtMn(25)/CoFe(2)/Cu(2.5)/CoFe
(0.5)/NiFeCo(2)/Cu(1.5)/NiFe(0.5)/Al-O(0.5) B5:α-Fe2O3(30)/CoFe(3)/Cu(2.2)/CoFe(1)/NiFeCo(4)/
Cu(1)/Al-O(0.5) B6:α-Fe2O3(30)/CoFe(3)/Cu(2.2)/CoFe(1)/NiFeCo(4)/
Cu(1)/Pt(0.5)/Al-O(0.5) B1は従来例B2との比較で保護層としてTaを設けた試料で
ある。
【0074】このようにして作製したMR素子を実施例
1と同様に評価した。測定結果を表2に示した。
【0075】
【表2】
【0076】従来例B2と本発明の構造のMR素子B3とB
4、および、従来例B5と本発明構造のB6とを比較する
と、本発明の構成とすることにより大きなMR比が得ら
れることがわかった。
【0077】(実施例3)多元スパッタリング装置を用
いて図3と5に示した構成の磁気抵抗効果素子を作製し
た。基板にはSi基板を用い、非磁性層用としてはCu
を、自由層用にはNi0.68Fe0.20Co0.12、Co0.9Fe0.1を主
に用い、固定層の金属磁性層用としてCo0.85Fe0.15を用
い、反強磁性層用タ−ゲットとしてPt0.45Mn0.55を用い
た。PtMnの下地層および素子の保護層としてTaを用い
た。固定層の酸化物磁性層としてFe34ターゲットを
Arと酸素の混合ガスでスパッタしてFe34を、また
は、金属磁性層であるCo0.85Fe0.15を1Torrになるまで
酸素ガスを導入して、適当な時間保持してCo-Feを酸化
させてCoFe-Oの酸化物磁性層を作製した。CoFe-Oの膜厚
はCoFeの膜厚を示してある。固定層の酸素拡散抑制層と
してNi0.8Fe0.2を用いた。真空チャンバー内を1.33×10
-6Pa(1×10-8Torr)以下まで排気した後、Arガスを約約
1.04×10-1Pa(0.8mTorr)になるように流しながら、下記
のMR素子を作製した。 C1:Ta(3)/PtMn(28)/CoFe(2)/Fe3O4(1)/CoFe(2)/Cu(3)/C
oFe(1)/NiFeCo(3)/Ta(3) C2:Ta(3)/PtMn(28)/CoFe(2)/NiFe(0.5)/Fe3O4(1)/CoFe
(2)/Cu(3)/CoFe(1)/NiFeCo(2)/Ta(3) C3:Ta(3)/PtMn(28)/CoFe(1.5)/NiFe(0.5)/CoFe(2)/Cu
(3)/CoFe(1)/NiFeCo(2)/Ta(3) C4:NiFeCo(4)/CoFe(0.5)/Cu(2.8)/CoFe(2)/CoFe-O(0.5)
/CoFe(2)/IrMn(15) C5:NiFeCo(4)/CoFe(0.5)/Cu(2.8)/CoFe(2)/NiFe(0.5)/C
oFe-O(0.5)/CoFe(2)/IrMn(15) C6:Ta(3)/PtMn(20)/CoFe(2)/Ru(0.7)/CoFe(2)/Fe3O4(1)
/CoFe(2)/Cu(2.2)/CoFe(1)/NiFeCo(3)/Ta(3) C7:Ta(3)/PtMn(20)/CoFe(2)/Ru(0.7)/CoFe(2)/NiFe(0.
5)/Fe3O4(1)/CoFe(2)/Cu(2.2)/CoFe(1)/NiFeCo(3)/Ta
(3) 試料C1、C6はそれぞれ図3,5の従来例の構成であり試
料C4は図3とは逆の膜構成の従来例である。試料C2から
C3、C7はそれぞれ図3,5の本発明の構成であり試料C5
は図3とは逆の膜構成の本発明の構造である。作製した
磁気抵抗効果素子のMR特性を室温で最高5kOeの磁
界を印加して、直流4端子法で評価した。素子の固定層
のバイアス磁界をHexとし、測定結果を(表3)に示
す。
【0078】
【表3】
【0079】C2とC3は従来例C1と比較してHexとMR
比は大きい値を示し特性が向上している。特にC3と従来
例C1とを比較すると、固定層の膜厚を同じとした場合で
の比較であり本発明の構成としたMR素子はMR比及び
Hexは向上して有効であることが分かる。同様に、C5
と従来例C4、および、C7と従来例C6とを比較すると両者
とも本発明の構造とすることでMR比とHexは向上し
ていることが分かる。特にC6とC7は固定層にRuの非磁性
層を介して反強磁性的に交換結合した磁性膜を用いた構
成であり、Hexの特性を向上させているが、本発明の
膜構成とすることで更にHexを向上することが可能で
あることが分かる。実施例3では酸化物磁性層としてFe
3O4層やCoFeを酸化させたCoFe-O層を用いているがCoFe2
O4やNiFe 2O4でも有効である。また、酸素拡散防止層と
して他に、NiやNiFeにCrやTaを添加したNiFeCr、NiFeTa
においても上記と同様にMR比とHexは向上してい
る。
【0080】(実施例4)多元スパッタリング装置を用
いて図6に示した構成の磁気抵抗効果素子を作製した。
基板にはSi基板を用い、非磁性層用としてはCuを、自
由層用にはCo0.9Fe0.1を主に用い、固定層の金属磁性層
用としてCo0.85Fe0.15を用い、反強磁性層用タ−ゲット
としてPt0.45Mn0.55を用いた。PtMnの下地層および素子
の保護層としてTaを用いた。固定層の酸化物磁性層とし
てFe34ターゲットをArと酸素の混合ガスでスパッ
タしてFe34を作製した。自由層側の酸化物層として
Al 23焼結ターゲットをスパッタしてAl23を作製
した。固定層の酸素拡散抑制層としてNi0.8Fe0.2を用
い、自由層の酸素拡散防止層としてAuを用いた。真空チ
ャンバー内を1.33×10-6Pa(1×10-8Torr)以下まで排気
した後、Arガスを約約1.04×10-1Pa(0.8mTorr)になるよ
うに流しながら、下記のMR素子を作製した。 D1:Ta(3)/PtMn(15)/CoFe(1.5)/Fe3O4(1)/CoFe(1.5)/Cu
(2.5)/CoFe(3)/Al2O3 (1.5)/Ta(3) D2:Ta(3)/PtMn(15)/CoFe(1.5)/NiFe(0.5)/Fe3O4(1)/CoF
e(1.5)/Cu(2.5)/CoFe(3)/Au(0.5)/ Al2O3(1.5)/Ta(3) このようにして作製したMR素子を室温で最高5kOe
の磁界を印加して、直流4端子法で評価した。素子の固
定層のバイアス磁界をHex、自由層の保磁力をHcと
して測定して表4の測定結果を得た
【0081】
【表4】
【0082】従来例D1と本発明の構成のD2を比較する
と、MR比とHexは大きな値を示し、自由層のHcは
小さくなっていることからMR特性は向上していること
が分かる。実施例1から4より酸化物層に本発明の酸素
拡散防止層を隣接させることにより、従来、酸化物層に
隣接した金属層の酸化が抑制されてMR特性が向上する
結果が得られ、本発明の構成としたMR素子は有効であ
る。
【0083】(実施例5)前記の試料A1とA4、B2とB3、
C1とC3をMR素子109として用いて、図8に示すよう
なMRヘッドを構成して、特性を評価した。この場合、
基板としてはAl2O 3-TiC基板を用い、シールド10、1
5材にはNi0.8Fe0.2合金を用い、シールドギャップ1
1、14にはAl2O3を用いた。
【0084】またハードバイアス部12にはCo-Pt合金
を用い、リード部13をAuで構成した。
【0085】また、自由層の磁化容易方向が検知すべき
信号磁界方向と垂直になるように、固定層の磁化容易軸
の方向が検知すべき信号磁界方向と平行になるように磁
性膜に異方性を付与した。この方法は、磁気抵抗効果素
子を作成後、まず、磁界中280℃で熱処理して、固定
層の容易方向を規定した後、更に、200℃で熱処理し
て、自由層の容易軸を規定して行った。
【0086】これらのヘッドに、センス電流として直流
電流を流し、約50Oeの交流信号磁界を印加して両ヘ
ッドの出力を評価し、本発明のMR素子を用いたMRヘ
ッド(A4、B3、C3)の出力を、従来例の磁気抵抗効果素
子をMR素子部に用いて同様に試作したヘッド(A1、B
2、C1)の出力とを比較した。従来例のMRヘッドの出
力を1とした場合の、本発明の出力を表5に示す。
【0087】
【表5】
【0088】この様に本発明の磁気ヘッドは従来のもの
に比較して大きな出力が得られることがわかった。
【0089】この磁気ヘッドを用いてHDDドライブを試
作したところ、40Gb/inch2以上の記録密度が達成可能
なことがわかった (実施例6)上記の試料番号D2のMR素子を用いて図
12に示したヨ−ク型ヘッドを作製した。この場合図1
2の絶縁膜51にはプラズマ酸化法で作製した厚さ2nm
のAl-O超薄膜を用いた。又ヨ−クには高透磁率のCoNbZr
系アモルファス合金膜を用いた。このようにして作製し
たヘッドの出力と試料番号D1のMR素子を用いたヘッド
出力を比較したところ約+6dBの出力アップが実現される
ことがわかった。
【0090】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の磁気抵抗
効果素子は、従来のものに比べて自由層の低保磁力化及
び固定層の高バイアス磁界化ができ、更に高MR化を実
現し、これを用いることにより高出力の磁気抵抗効果型
ヘッドを可能とし、更にはこのヘッドを用いて超高密度
の磁気記録装置を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子の断面の
模式図
【図2】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子の断面の
模式図
【図3】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子の断面の
模式図
【図4】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子の断面の
模式図
【図5】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子の断面の
模式図
【図6】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子の断面の
模式図
【図7】本発明の一実施例のMRヘッドの斜視図
【図8】本発明の一実施例の磁気抵抗効果型ヘッドの一
例を示す図
【図9】本発明の一実施例のMRヘッドと磁気ディスク
の断面図
【図10】本発明の一実施例の記録ヘッド一体型MRヘ
ッドの断面図
【図11】本発明の別の実施例のMRヘッドの断面図
【図12】本発明のヨ−ク型磁気抵抗効果型ヘッドの一
例を示す図
【図13】本発明の一実施例のハードディスク装置の側
面図。
【図14】本発明の一実施例のハードディスク装置の平
面図
【符号の説明】
1 基板 2 反強磁性層 3 磁性層(固定層) 3a、3b、3aa、3ab 金属磁性層 3c 非磁性層 4 非磁性層 5 磁性層(自由層) 5a、5b 金属磁性膜 5c 非磁性層 6、6a、6b 酸素拡散防止層 7、71 酸化物層 10 下部シールド 11 下部シールドギャップ 12 ハードバイアス部 13 リード部 14 上部シールドギャップ 15 上部シールド 16 上部記録コア 17 コイル 18 再生ギャップ長 19 記録ギャップ長 21 磁気ディスク 22 記録長 40 記録ギャップ部 50 ヨ−ク部 51 絶縁膜 52 記録ポ−ル部 53 巻き線部 54 記録兼再生ギャップ部 109 MR素子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/30 H01F 10/32 10/32 G01R 33/06 R (72)発明者 里見 三男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 榊間 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB05 AD55 5D034 BA05 BA21 BB08 BB12 DA07 5E049 AA04 AA07 AA09 AA10 AB02 AB09 AB10 AC00 AC05 BA12 BA16 DB04 DB12 DB20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反強磁性層と、外部磁界により容易には磁
    化回転しない磁性層(固定層)と、非磁性層と、外部磁
    界により容易に磁化回転が可能な磁性層(自由層)が順
    次積層した多層膜であって、 反強磁性層、固定層、非磁性層、自由層のいずれかの層
    中か、または、反強磁性層、固定層、非磁性層、自由層
    のいずれかの界面に酸化物層を形成し、 かつ、前記反強磁性層、固定層、非磁性層及び自由層か
    ら選ばれる少なくとも一つの層(以下「他層」という)
    と、前記酸化物層との間に、前記他層の酸化を抑制する
    為の酸素拡散防止層を形成したことを特徴とする磁気抵
    抗効果素子。
  2. 【請求項2】自由層の表面に、酸素拡散防止層を介して
    酸化物層を積層した請求項1に記載の磁気抵抗効果素
    子。
  3. 【請求項3】外部磁界により容易に磁化回転が可能な磁
    性層(自由層)の外側に、更に伝導層を形成し、前記伝
    導層の表面に酸素拡散防止層を介して酸化物層を積層し
    た請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】固定層が前記反強磁性層と接する第1金属
    磁性層、酸化物磁性層、第2金属磁性層が順次積層され
    ており更に、前記酸化物磁性層と前記第1もしくは第2
    金属磁性層との界面の少なくとも一方に酸素拡散防止層
    を挿入した請求項1〜3のいずれかに記載の磁気抵抗効
    果素子。
  5. 【請求項5】酸素拡散防止層が、Au、Pt、Ag、R
    u、Ni及びNi1-xx合金(ただし、MはFe、C
    o、Cr、Taのうち1種以上、0≦x<40、xは原
    子組成比)から選ばれる少なくとも一つを主成分とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】固定層を構成する酸素拡散防止層が、Ni
    またはNi1-xx合金(ただし、MはFe、Co、Cr
    及びTaから選ばれる少なくとも1種、0≦x<60、
    xは原子組成比)を主成分とする請求項4に記載の磁気
    抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】伝導層がCuを主成分とする請求項3に記
    載の磁気抵抗効果素子。
  8. 【請求項8】酸化物層が元素D(ただし、DはAl、S
    i、Ti、Ta、Fe、Co及びNiから選ばれる少な
    くとも1種の元素)を主成分とする酸化物からなる請求
    項1〜8のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 【請求項9】酸化物層がAFe24(ただし、AはF
    e、Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の元素)
    からなる請求項1〜7のいずれかに記載の磁気抵抗効果
    素子。
  10. 【請求項10】固定層を構成する磁性酸化物層がAFe
    24(ただし、AはFe、Co及びNiから選ばれる少
    なくとも1種の元素)からなる請求項4に記載の磁気抵
    抗効果素子。
  11. 【請求項11】固定層を構成する磁性酸化物層が、前記
    固定層を構成する第1もしくは第2金属磁性層の酸化物
    である請求項4に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 【請求項12】固定層を構成する第1もしくは第2金属
    磁性層がCo−Fe合金からなる請求項11に記載の磁
    気抵抗効果素子。
  13. 【請求項13】前記反強磁性層がP―Mn合金(ただし、
    PはPt、Pd、Ir、Rh、Ru、Os、Ni、Cr
    のうち少なくとも一種以上の元素を含む)である請求項
    1〜12のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  14. 【請求項14】反強磁性層がα−Fe23、NiOのい
    ずれか、もしくはこれらの積層膜からなる請求項1〜1
    2のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  15. 【請求項15】自由層が非磁性層を介して反強磁性的に
    交換結合した、膜厚または飽和磁化の異なる2層の強磁
    性層からなる請求項1〜14のいずれかに記載の磁気抵
    抗効果素子。
  16. 【請求項16】前記固定層が非磁性層を介して反強磁性
    的に交換結合した2層の強磁性層からなる請求項1〜1
    5のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  17. 【請求項17】酸化物層の膜厚が、0.4〜10nmの
    範囲である請求項1〜15のいずれかに記載の磁気抵抗
    効果素子。
  18. 【請求項18】酸素拡散防止層の膜厚が、0.2〜5n
    mの範囲である請求項1〜15のいずれかに記載の磁気
    抵抗効果素子。
  19. 【請求項19】請求項1〜18に記載の磁気抵抗効果素
    子に、さらにシールド部を具備してなる磁気抵抗効果型
    ヘッド。
  20. 【請求項20】請求項1〜18に記載の磁気抵抗効果素
    子に、さらに検知すべき磁界を磁気抵抗効果素子に導入
    するヨークを具備してなる磁気抵抗効果型ヘッド。
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