JP2022118942A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極シートと支持フレームとの間を、熱可塑性樹脂を用いて構成された接合体で接合するための新規な手法を提供する。【解決手段】燃料電池の製造方法は、少なくとも電解質膜を有する電極シートを用意する工程と、電解質膜上に、熱可塑性樹脂で構成された接合体を枠状に配置する工程と、電解質膜上に配置された接合体上に、開口部を有する支持フレームを配置する工程と、支持フレーム上にレーザを照射して接合体を溶融し、電解質膜と支持フレームとを互いに溶着する第1レーザ照射工程と、支持フレームの開口部内に位置する接合体上にレーザを照射して接合体を溶融し、接合体を電解質膜に溶着させる第2レーザ照射工程と、を備える。【選択図】図14

Description

本明細書が開示する技術は、燃料電池の製造方法に関する。
特許文献1に、燃料電池が開示されている。この燃料電池は、電極シートと、電極シートに接合された支持フレームとを備える。電極シートは、電解質膜と、電解質膜の一方の面に積層された第1触媒層及び第1ガス拡散層と、電解質膜の他方の面に積層された第2触媒層及び第2ガス拡散層とを備える。第1触媒層及び第1ガス拡散層は、平面視において電解質膜よりも小さなサイズを有しており、それらの周囲で露出する電解質膜の表面に、支持フレームが接合体を介して接合されている。接合体は、熱可塑性樹脂を用いて構成されており、支持フレームと電極シートとの間の接合は、熱プレスによる熱圧着によって行われている。即ち、支持フレームと電極シートとの間に配置された接合体を、熱プレスによって加圧しながら溶融することで、支持フレームと電極シートとを互いに接合している。
特開2017-068956号公報
上記した燃料電池では、第1触媒層及び第1ガス拡散層が、支持フレームの開口部内に位置しており、支持フレームの開口部と第1ガス拡散層との間には、隙間が存在している。このような構成であると、当該隙間が存在する位置では、電極シートの厚みが局所的に小さくなるために、電極シート(特に、電解質膜)に応力が集中しやすく、電極シートがダメージを受けるおそれがある。これを避けるためには、支持フレームと電極シートとの間に配置した接合体を、支持フレームの開口部内まで延出することによって、電極シートを補強することが考えられる。しかしながら、支持フレームと電極シートとの間に配置された接合体を、支持フレームを介して熱圧着するだけでは、支持フレームの開口部内に位置する部分まで、電極シートへ十分に溶着させることは難しい。
上記の実情を鑑み、本明細書は、電極シートと支持フレームとの間を、熱可塑性樹脂を用いて構成された接合体で接合するための新規な手法を提供する。
本明細書が開示する技術は、燃料電池の製造方法に具現化される。この燃料電池の製造方法は、少なくとも電解質膜を有する電極シートを用意する工程と、前記電解質膜上に、熱可塑性樹脂で構成された接合体を枠状に配置する工程と、前記電解質膜上に配置された前記接合体上に、開口部を有する支持フレームを配置する工程と、前記支持フレーム上にレーザを照射して前記接合体を溶融し、前記電解質膜と前記支持フレームとを互いに溶着する第1レーザ照射工程と、前記支持フレームの前記開口部内に位置する前記接合体上にレーザを照射して前記接合体を溶融し、前記接合体を前記電解質膜に溶着させる第2レーザ照射工程と、を備える。
上記した製造方法では、支持フレーム上にレーザを照射する第1レーザ照射工程と、支持フレームの開口部内に位置する接合体上にレーザを照射する第2レーザ照射工程とを備える。第1レーザ照射工程では、支持フレームと電極シートとの間に位置する接合体を溶融させることで、電極シートと支持フレームとを互いに溶着する。第2レーザ照射工程では、支持フレームの開口部内に位置する接合体を溶融させることで、接合体を電解質膜に溶着させる。レーザの照射を用いることで、支持フレームと電極シートとの間に位置する部分だけでなく、支持フレームの開口部内に位置する部分も含めて、接合体の任意の位置を選択的に溶融させることができる。これにより、支持フレームと電極シートとを互い接合するとともに、それらの間から延出する接合体を電解質膜に溶着させることによって、電極シートの脆弱部を補強することができる。
実施例の燃料電池10の概略構成を示す図。 燃料電池セル12の概略構成を示す分解図。 MEGA14の概略構成を示す分解図。 MEGA14の上面図。 図4のV-V線における断面図。 電解質膜22を含むMEGA14又はその半製品を用意する工程を示す図。 電解質膜22上に接合体34を配置する工程を説明する図。 電解質膜22上に接合体34を配置する貼付装置38を説明する図。 図8におけるIX部の拡大図。 接合体34上に支持フレーム16を配置する工程を説明する図。 第1レーザ照射工程を説明する図。 第1レーザ照射工程におけるレーザLの照射軌跡L1を示す図。 第2レーザ照射工程を説明する図。 第2レーザ照射工程におけるレーザLの照射軌跡L2を示す図。 熱プレス工程を説明する図。 複数の第1テープ材52を電解質膜22上へ配置する工程を説明する図。 複数の第2テープ材54を複数の第1テープ材52上へ配置する工程を説明する図。 図17のXVIII-XVIII線における断面図。熱プレス工程前を示す。 熱プレス工程後の図18の断面図。
本技術の一実施形態において、第2レーザ照射工程においてレーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーは、第1レーザ照射工程においてレーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーよりも小さくてもよい。第1レーザ照射工程では、支持フレームを介して接合体にレーザを照射することで、接合体を溶融させる必要がある。一方、第2レーザ照射工程では、支持フレームを介することなく、接合体にレーザを直接的に照射することができ、接合体を容易に溶融させることができる。即ち、接合体を溶融させるのに要する単位面積当たりのエネルギーは、第2レーザ照射工程の方が、第1レーザ照射工程よりも小さい。そのことから、第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程とで同じようにレーザを照射した場合、第1レーザ照射工程において接合体の加熱が不十分となる、あるいは、第2レーザ照射工程において接合体の加熱が過剰となるおそれがある。これを避けるためには、上述したように、第2レーザ照射工程においてレーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーを、第1レーザ照射工程においてレーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーよりも小さくすることができる。これにより、第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程とのそれぞれにおいて、接合体を過不足なく加熱することができる。
上記の一実施形態において、第2レーザ照射工程におけるレーザのエネルギー密度を、第1レーザ照射工程におけるレーザのエネルギー密度よりも小さくしてもよい。第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程との間で、照射するレーザのエネルギー密度を変更することにより、レーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーを相違させることができる。照射するレーザのエネルギー密度は、汎用のレーザ装置においても、容易に変更することができる。従って、特別な装置が必要とされることがなく、工程の簡素化及びそれに伴う省スペース化を図ることができる。
上記の一実施形態において、第2レーザ照射工程におけるレーザの走査速度は、第1レーザ照射工程におけるレーザの走査速度よりも大きくてもよい。第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程との間で、照射するレーザの走査速度を変更することによっても、レーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーを相違させることができる。この場合、レーザのエネルギー密度を必ずしも変更する必要はない。レーザの走査速度は、汎用のレーザ装置においても、容易に変更することができる。従って、特別な装置が必要とされることがなく、工程の簡素化及びそれに伴う省スペース化を図ることができる。
本技術の一実施形態において、第1レーザ照射工程では、枠状の支持フレームに沿って、レーザを少なくとも一巡するように走査し、第2レーザ照射工程では、支持フレームの開口部内で枠状に露出する接合体に沿って、レーザを少なくとも一巡するように走査してもよい。この場合、第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程とのそれぞれにおいて、照射されるレーザの軌跡は連続的であってもよいし、断続的であってもよい。但し、レーザの軌跡が途切れることなく連続的に一巡していると、支持フレームと電極シートとの間において、接合体によるシール性を高めることができる。
上記した各々の実施形態において、接合体を枠状に配置する工程では、熱可塑性樹脂で構成されたテープ材を用い、複数のテープ材を枠状に配置することが考えられる。この場合、接合体によるシール性を高めるためには、隣り合うテープ材の間に隙間が生じないように、それらの端部が互いに重なるように配置することが考えられる。しかしながら、2つのテープ材が重なり合う位置では、接合体の厚みが局所的に増大することになり、電極シートや支持フレームに意図しない応力集中が生じるおそれがある。これを避けるためには、隣り合うテープ材が重ならないように、それらのテープ材の間に隙間を設けることが考えられるが、そのような隙間は接合体によるシール性を低下させる要因となる。
上記を鑑みて、本技術の一実施形態では、接合体を枠状に配置する工程が、熱可塑性樹脂で構成された複数の第1テープ材を電解質膜上へ枠状に配置する工程と、熱可塑性樹脂で構成された複数の第2テープ材を複数の第1テープ材上へ枠状に積層する工程とを備えてもよい。この場合、複数の第1テープ材は、互いに第1の隙間を形成しながら配置され、複数の第2テープ材は、第1の隙間とは異なる位置において、互いに第2の隙間を形成しながら配置されてもよい。この場合、特に限定されないが、複数の第1テープ材の各々、及び、複数の第2テープ材の各々は、同一の幅を有する直線形状を有していてもよい。
このような製造方法によると、複数の第1テープ材と複数の第2テープ材とのいずれにおいても、隣り合うテープ材が重なり合うことがないので、電極シートや支持フレームに意図しない応力集中が生じることを避けることができる。また、接合体を複数の第1テープ材と複数の第2テープ材との2層構造で構成することで、各層を構成するテープ材の厚みをそれぞれ小さくすることができ、各層の中で隣り合うテープ材の間に生じる空間も小さくすることができる。さらに、複数の第1テープ材において形成される隙間と、複数の第2テープ材において形成される隙間とは、それらの位置が互いに異なるように形成されるので、それらの隙間が繋がって大きな隙間が形成されることもない。これにより、接合体によるシール性の低下を回避又は抑制することができる。
上記の一実施形態において、第1レーザ照射工程及び第2レーザ照射工程後に実施される熱プレス工程をさらに備えてもよい。熱プレス工程では、支持フレームと電極シートとの間の接合体が再溶融し、支持フレームと電解質膜との間が熱圧着される。この場合、特に限定されないが、電解質膜と支持フレームとの間が熱圧着と同時に、電極シートに対して少なくとも1つのガス拡散層が熱圧着されてもよい。このような製造方法によると、支持フレームと電極シートとを互いに強固に接合できるとともに、それらの間から延出する接合体を電解質膜に溶着させることによって、電極シートの脆弱部をより確実に補強することができる。さらに、電解質膜の表面を接合体(及びその他のガス不透過性を備える構成部材)で覆うことにより、電解質膜に供給される気体(例えば、水素ガス及び酸素ガス)が、電解質膜を透過して他極側へ漏洩することを抑制できる。
本明細書が開示する技術は、燃料電池の他の製造方法にも具現化される。その燃料電池の製造方法は、少なくとも電解質膜を有する電極シートを用意する工程と、前記電解質膜上に、熱可塑性樹脂で構成された接合体を枠状に配置する工程と、前記電解質膜上に配置された前記接合体上に、開口部を有する支持フレームを配置する工程と、前記接合体を溶融して、前記支持フレームと前記電解質膜との間を熱圧着する工程とを備える。前記接合体を枠状に配置する工程は、前記熱可塑性樹脂で構成された複数の第1テープ材を、前記電解質膜上へ枠状に配置する工程と、前記熱可塑性樹脂で構成された複数の第2テープ材を、前記複数の第1テープ材上へ枠状に積層する工程とを備える。前記複数の第1テープ材は、互いに第1の隙間を形成しながら配置され、前記複数の第2テープ材は、前記第1の隙間とは異なる位置において、互いに第2の隙間を形成しながら配置される。
図面を参照して、実施例の燃料電池10及びその製造方法について説明する。図1に示すように、燃料電池10は、複数の燃料電池セル12を備える。各々の燃料電池セル12は、X軸及びZ軸と平行に配置されており、複数の燃料電池セル12は、Y軸に沿って積層されている。詳しくは後述するが、燃料電池セル12は、それぞれが単独で発電可能な構成要素である。燃料電池10は、特に限定されないが、例えば、燃料電池車といった燃料電池を電源とする車両に採用することができる。
図2に示すように、燃料電池セル12は、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode and Gas Diffusion Layer Assembly、以下MEGAと称する)14と、支持フレーム16と、アノード側セパレータ18と、カソード側セパレータ20とを備える。MEGA14は、電極シートの一例であって、その外周を囲む支持フレーム16によって支持されている。MEGA14及び支持フレーム16は、アノード側セパレータ18とカソード側セパレータ20との間に配置されている。アノード側セパレータ18及びカソード側セパレータ20は、例えば、チタンやチタン合金等の金属によって形成される板状部材といった、ガス不透過性の導電性材料により構成される。
図3に示すように、MEGA14は、電解質膜22と、アノード触媒層24と、カソード触媒層26と、アノードガス拡散層28と、カソードガス拡散層30とを備える。電解質膜22と、アノード触媒層24と、カソード触媒層26とは、矩形形状を有している。電解質膜22は、アノード触媒層24とカソード触媒層26との間に配置されており、これら三者により膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly、以下「MEA」と称する)32が形成される。アノードガス拡散層28及びカソードガス拡散層30は、矩形形状を有している。MEA32は、アノードガス拡散層28及びカソードガス拡散層30との間に配置されており、これら三者によりMEGA14が形成される。電解質膜22は、例えば、フッ素系のイオン交換樹脂により形成されたプロトン性のイオン交換膜により構成される。アノード触媒層24及びカソード触媒層26は、例えば、白金等の触媒を担持したカーボン粒子同士を樹脂で連結した多孔質材料により構成される。アノードガス拡散層28及びカソードガス拡散層30は、例えば、カーボン多孔質体や金属多孔質体といった、ガス透過性を有する導電性材料により構成される。
図4に示すように、電解質膜22に垂直な方向から見たときに、アノード触媒層24及びアノードガス拡散層28の外形は、電解質膜22の外形と同等の大きさを有する。カソード触媒層26の外形及びカソードガス拡散層30の外形は、電解質膜22の外形よりも小さい。また、カソード触媒層26の外形は、カソードガス拡散層30の外形よりも小さい。なお、カソード触媒層26の外形とカソードガス拡散層30の外形との大小関係は特に限定されない。即ち、カソード触媒層26の外形は、カソードガス拡散層30の外形よりも大きくてもよい。
図4に示すように、支持フレーム16は、開口部OPを備えた枠形状を有する。電解質膜22に垂直な方向から見たときに、開口部OPは、カソード触媒層26の外形及びカソードガス拡散層30の外形よりも大きい。支持フレーム16は、コア材16aと、コア材16aの表面及び裏面に形成される2つの接着層16b、16cとを備える3層構造を有する。コア材16aは、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂といった、熱硬化性樹脂により構成される。2つの接着層16b、16cは、例えば、ポリプロピレン樹脂やエポキシ樹脂といった、熱可塑性樹脂により構成される。支持フレーム16は、上記の通り、MEGA22(即ち、電解質膜22、アノード触媒層24、カソード触媒層26、アノードガス拡散層28、カソードガス拡散層30)を支持する。なお、コア材16aは、例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂といった、熱可塑性樹脂により構成されてもよい。なお、図示省略するが、支持フレーム16には、アノードガスやカソードガスといった流体が通過する貫通孔や、それらの流体のための流路を形成する凹凸が設けられている。
接合体34は、例えばオレフィン樹脂といった、熱可塑性樹脂により構成される。そのため、接合体34は、融点以下では固体である一方、融点以上に加熱されると溶融する。また、溶融した後に融点以下まで冷却されると再び固化し、さらに融点以上まで再加熱されれば再溶融することができる。即ち、接合体34は、加熱による溶融と、冷却による固化とを繰り返す性質を有する。詳しくは後述するが、接合体34は、レーザ照射により溶融されることによって、電解質膜22と支持フレーム16とを互いに溶着する部材である。また、接合体34の一部は、支持フレーム16の開口部OP内まで延出し、MEGA14の電解質膜22に溶着することによって、電解質膜22を保護する機能も有する。図示省略するが、接合体34の内側縁は、カソード触媒層26に乗り上げてもよく、これにより、不可避的な製造公差が生じる場合においても、電解質膜22を接合体34によって確実に覆うことができる。
図5に示すように、電解質膜22の上面(+Y方向側の面)22a上には、カソード触媒層26が配置されている。カソード触媒層26の外形は電解質膜22の外形よりも小さいので、カソード触媒層26の外周は、電解質膜22の外周よりも内側に位置している。カソード触媒層26上には、カソードガス拡散層30が配置されている。カソードガス拡散層30の外形は、カソード触媒層26の外形よりも大きいが、電解質膜22の外形よりも小さいので、カソードガス拡散層30の外周は、電解質膜22の外周よりも内側に位置するとともに、カソード触媒層26の外周よりも外側に位置する。電解質膜22の上面22aには、カソード触媒層26が存在しない枠形状の第1領域A1が形成されている。第1領域A1には、接合体34が配置されている。同様に、電解質膜22の下面(-Y方向側の面)22b上には、アノード触媒層24が配置されている。アノード触媒層24上には、アノードガス拡散層28が配置されている。電解質膜22の外形と、アノード触媒層24の外形と、アノードガス拡散層28の外形とは、同等の大きさを有するため、それら三者の外周の位置は一致している。
図5に示すように、接合体34は、電解質膜22と支持フレーム16との間に位置しており、それらを互いに接合している。接合体34の一方の面34a上には、支持フレーム16が配置されている。支持フレーム16は、カソードガス拡散層30の外周を囲んでおり、支持フレーム16の開口部OP内に、カソードガス拡散層30が位置している。前述したように、接合体34の一部は、支持フレーム16の開口部OP内まで延出している。従って、接合体34の一方の面34aには、支持フレーム16が配置された枠形状の第2領域A2と、支持フレーム16が配置されない枠形状の第3領域A3とが存在する。即ち、接合体34が配置された第1領域A1は、第2領域A2と、その内側に位置する第3領域A3とに区分することができる。なお、図5における各構成部材の厚さは、理解を図るために便宜的に示したものであり、実際の構成部材の厚みを反映しているわけではない。
図4に示すように、電解質膜22に垂直な方向から見たときに、第1領域A1は、枠形状を有する。第1領域A1は、接合体34が配置されている領域と一致し、具体的には、接合体34の外周から、接合体34とカソード触媒層26との境界までの領域である。上記した通り、第2領域A2と第3領域A3とはともに、枠形状を有する。第2領域A2は、接合体34の外周から支持フレーム16の開口部OPの内周までの領域である。第3領域A3は、支持フレーム16の開口部OPの内周から、接合体34とカソード触媒層26との境界までの領域である。第2領域A2では、電解質膜22と支持フレーム16との間に接合体34が位置し、接合体34によって電解質膜22と支持フレーム16とが互いに接合されている。第3領域A3では、支持フレーム16の開口部OP内に接合体34が位置し、接合体34が電解質膜22のみに溶着している。詳しくは後述するが、第2領域A2は、第1レーザ照射工程においてレーザが照射される範囲を含み、第3領域A3は、第2レーザ照射工程においてレーザが照射される範囲を含む。
上記した構成では、接合体34が、第2領域A2において、電解質膜22と支持フレーム16との間に位置しており、第3領域A3において、支持フレーム16の開口部OP内に位置している。そのため、第2領域A2では、接合体34によって電解質膜22と支持フレーム16とが互いに接合されており、第3領域A3では、接合体34がMEGA14の電解質膜22に溶着することによって、電解質膜22を保護している。上記のような構成を採用することで、MEGA14を構成する電解質膜22と支持フレーム16とを互い接合するとともに、それらの間から延出する接合体34を電解質膜22に溶着させることによって、電解質膜22のようなMEGA14の脆弱部を補強することができる。
図6-図13を参照して、燃料電池10の製造方法を説明する。図6に示すように、まず、電解質膜22を有するMEGA14又はその半製品を用意する工程が実施される。この工程では、例えば、プレス装置36を用いて、MEGA14を構成する層を電解質膜22の各面へ圧着する。プレス装置36は、ステージ36aと上型36bとを備える。アノード触媒層24及びアノードガス拡散層28を電解質膜22の下面22bに積層させた状態でステージ36a上に配置し、上型36bを下降させることにより、当該三者を圧着する(図6参照)。この場合、電解質膜22の上面22aには、異物の付着を防止するために保護フィルム等を設けるとよい。その後、同様に、カソード触媒層26を電解質膜22の上面22aに配置した状態で、それらをステージ36a上に設置し、上型36bを下降させることで、カソード触媒層26を電解質膜22に圧着する。なお、MEGA14の構成及びMEGA14を構成する各層の外形の大きさ等によっては、プレス装置36による圧着の回数や順序等を適宜変更することができる。
次いで、図7に示すように、電解質膜22上に接合体34を枠状に配置する工程が実施される。この工程では、例えば、図8に示すような貼付装置38を用いて、接合体34を電解質膜22上に配置する。貼付装置38は、ロール支持具40と、ローラ42とを備える。この場合、接合体34は、長尺なテープ材48が環状に巻き取られたロール44として用意される。詳しくは、図9に示すように、ロール44から巻き出されたテープ材48は、熱可塑性樹脂で構成された接合体34と、その一方の面に配置されたバックシート46との2層構造を有する。ロール支持具40及びローラ42は、各軸40a及び42aを中心にそれぞれ回転可能である。ロール44の内径寸法は、ロール支持具40の外径寸法とほぼ等しく、ロール44はロール支持具40に対して着脱可能に構成されている。なお、接合体34の幅は、例えば、5mm以上15mm以下であってよい。ただし、接合体34の幅は燃料電池10の大きさ及び構成によって適宜変更することができる。
図8を参照して、電解質膜22上に接合体34を枠状に配置する工程を段階的に説明する。まず、ロール支持具40が回転することで、ロール44で環状に積層されている2層シート48をローラ42へ送る。次に、ローラ42が回転することによって、2層シート48をステージ(不図示)上に配置されている電解質膜22に押し付ける。このとき、2層シート48の電解質膜22と接する面には、接合体34が設けられており、2層シート48のローラ42と接する面には、バックシート46が設けられている。そのため、ローラ42が、2層シート48を電解質膜22に押し付けることにより、電解質膜22に接合体34を圧着する。その後、接合体34からバックシート46を剥離することにより、電解質膜22上には接合体34のみが配置される。なお、接合体34は、電解質膜22に圧着される前に必要な長さに切断されてもよいし、電解質膜22に圧着された後に切断されてもよい。また、接合体34は、他の機能を有する層を備えてもよい。例えば、接合体34は、電解質膜22に対して強固に接合する層をさらに備えた2層構造であってもよい。
その後、図10に示すように、電解質膜22上に配置された接合体34上に、支持フレーム16を配置する工程が実施される。支持フレーム16は、支持フレーム16の開口部OPの中心とMEGA14の中心が等しくなるように、電解質膜22上に配置された接合体34上に配置される。支持フレーム16の外形は、MEGA14を構成する電解質膜22や接合体34の外形よりも大きく、支持フレーム16の開口部OPは、MEGA14を構成する電解質膜22や接合体34の外形よりも小さい。上述したように、支持フレーム16の開口部OPは、カソード触媒層26の外形よりも大きいため、支持フレーム16の開口部OPよりも内側では、支持フレーム16に覆われない接合体34が存在する。ただし、支持フレーム16を、電解質膜22上に配置された接合体34上に配置する際、支持フレーム16の位置は特に限定されない。後の工程において、支持フレーム16の開口部OP内にカソードガス拡散層30が配置できるように、支持フレーム16が配置されていればよい。
続いて、図11に示すように、第1レーザ照射工程が実施される。第1レーザ照射工程では、支持フレーム16上にレーザLを照射することによって、支持フレーム16を介して、電解質膜22と支持フレーム16との間に配置された接合体34を溶融する。これにより、接合体34を介して、電解質膜22と支持フレーム16とを互いに溶着する。第1レーザ照射工程におけるレーザLの照射軌跡(以下「第1レーザ照射軌跡」と称することがある)L1は、図12に示すように、第2領域A2内に含まれる。なお、第1レーザ照射工程におけるレーザLの照射軌跡L1は、第1レーザ照射工程におけるレーザLの照射範囲の一例である。この場合、特に限定されないが、本実施例の製造方法では、枠状の支持フレーム16に沿って、レーザLを少なくとも一巡するように走査する。即ち、第1レーザ照射軌跡L1は、第2領域A2内において、支持フレーム16の開口部OPの外周を少なくとも一巡している。
その後、同様に、図13に示すように、第2レーザ照射工程を実施する。第2レーザ照射工程では、電解質膜22と支持フレーム16との間に配置された接合体34を溶融する。支持フレーム16の開口部OP内に位置する接合体34上にレーザLを照射することによって、接合体34を溶融する。これにより、接合体34を電解質膜22に溶着させる。第2レーザ照射工程におけるレーザLの照射軌跡(以下「第2レーザ照射軌跡」と称することがある)L2は、図14に示すように、第3領域A3内に含まれる。なお、第2レーザ照射工程におけるレーザLの照射軌跡L2は、第2レーザ照射工程におけるレーザLの照射範囲の一例である。この場合、特に限定されないが、本実施例の製造方法では、支持フレーム16の開口部OP内で枠状に露出する接合体34に沿って、レーザLを少なくとも一巡するように走査する。即ち、第2レーザ照射軌跡L2は、第3領域A3内において、支持フレーム16の開口部OPの内周かつ、カソード触媒層26の外周を少なくとも一巡している。なお、第1レーザ照射軌跡L1と第2レーザ照射軌跡L2とは、それぞれが独立した軌跡である必要はなく、一連の軌跡であってもよい。さらに、各レーザ照射軌跡L1、L2は、連続的であってもよいし、断続的であってもよい。また、第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程とを実施する順序は特に限定されない。即ち、本実施例のように第1レーザ照射工程の後に第2レーザ照射工程を行ってもよいし、第2レーザ照射工程の後に第1レーザ照射工程を行ってもよい。
上記した製造方法では、支持フレーム16上にレーザLを照射する第1レーザ照射工程と、支持フレーム16の開口部OP内に位置する接合体34上にレーザLを照射する第2レーザ照射工程とを備える。第1レーザ照射工程では、支持フレーム16とMEGA14に含まれる電解質膜22との間に位置する接合体34を溶融させることで、電解質膜22と支持フレーム16とを互いに溶着する。第2レーザ照射工程では、支持フレーム16の開口部OP内に位置する接合体34を溶融させることで、接合体34を電解質膜22に溶着させる。レーザLの照射を用いることで、支持フレーム16と電解質膜22との間に位置する部分だけでなく、支持フレーム16の開口部OP内に位置する部分も含めて、接合体34の任意の位置を選択的に溶融させることができる。これにより、支持フレーム16と電解質膜22とを互い接合するとともに、それらの間から延出する接合体34を電解質膜22に溶着させることによって、電解質膜22といったMEGA14の脆弱部を補強することができる。
一例ではあるが、第2レーザ照射軌跡L2に与えられる単位面積当たりのエネルギーは、第1レーザ照射軌跡L1に与えられる単位面積当たりのエネルギーよりも小さい。第1レーザ照射工程では、支持フレーム16を介して接合体34にレーザLを照射することで、接合体34を溶融させる必要がある。一方、第2レーザ照射工程では、支持フレーム16を介することなく、接合体34にレーザLを直接的に照射することができ、接合体34を容易に溶融させることができる。即ち、接合体34を溶融させるのに要する単位面積当たりのエネルギーは、第2レーザ照射工程の方が、第1レーザ照射工程よりも小さい。本変形例の製造方法を採用すると、第1レーザ照射工程と第2レーザ照射工程とのそれぞれにおいて、接合体34を過不足なく加熱することができる。なお、第1レーザ照射軌跡L1及び第2レーザ照射軌跡L2に与えられる単位面積当たりのエネルギーを相違させるためには、照射するレーザLのエネルギー密度を変更することができる。照射するレーザLのエネルギー密度を変更することに代えて、又は加えて、レーザLの走査速度を変更することによっても、各レーザ照射軌跡L1、L2に与えられる単位面積当たりのエネルギーを相違させることができる。
図15に示すように、第1レーザ照射工程及び第2レーザ照射工程が実施された後は、熱プレス工程が実施される。熱プレス工程では、支持フレーム16に固定されたMEGA14又はその半製品を熱プレスすることで、支持フレーム16とMEGA14との間の接合体34が再溶融し、支持フレーム16と電解質膜22との間が強固に熱圧着される。加えて、この熱プレス工程では、MEGA14のカソード触媒層26上に、カソードガス拡散層30が配置され、カソード触媒層26とカソードガス拡散層30との間の熱圧着も同時に実施される。一例ではあるが、熱プレス工程は、図15に示すプレス装置50を用いて実施することができる。プレス装置50は、ステージ50aと上型50bとを備える。特に限定されないが、カソード触媒層26及び接合体34上に、カソードガス拡散層30が配置された状態で、ステージ50a上に配置し、上型50bを下降させる。これにより、支持フレーム16と電解質膜22との間の接合体34が再溶融し、接合体34を介して電解質膜22と支持フレーム16との間が熱圧着される。
その後、他の必要な工程が実施されることで、支持フレーム16に固定されたMEGA14が完成する。完成したMEGA14は、アノード側セパレータ18及びカソード側セパレータ20とともに積層されることで、燃料電池10を構成する。
上記した製造方法において、テープ状の接合体34を、電解質膜22上へ枠状に配置する工程では、接合体34の伸びや皺を避けるために、テープ状の接合体34を適宜切断しながら、それぞれの接合体34を直線的に配置するとよい。この場合、接合体34によるシール性を高めるために、隣り合うテープ状の接合体34を隙間なく、かつ、それらが重畳しないように配置することが考えられる。しかしながら、製造公差を考慮すると、隣り合うテープ状の接合体34を隙間なく正確に配置することは難しい。そこで、他の一実施形態として、接合体34を枠状に配置する工程が、複数の第1テープ材52を電解質膜22上へ枠状に配置する工程と、複数の第2テープ材54を複数の第1テープ材52上へ枠状に積層する工程とを備えてもよい。第1テープ材52及び第2テープ材54は、燃料電池10において接合体34となる材料の一例であり、接合体34と同様に、例えばオレフィン樹脂といった、熱可塑性樹脂より構成される。ここで、第1テープ材52と第2テープ材54とは、同一の材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。特に限定されないが、例えば、第1テープ材52として、電解質膜22と強固に接合する材質が採用され、第2テープ材54として、支持フレーム16と強固に接合する材質が採用されてもよい。
図16に示すように、複数の第1テープ材52は、互いに第1の隙間56を形成しながら配置される。複数の第1テープ材52の各々は、同一の幅を有する直線形状を有する。複数の第1テープ材52は、電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52と、電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52とを含む。この場合、電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52の長さは、電解質膜22の長手方向における長さと製造公差内で一致している。ここでいう製造公差内とは、設計値に対して±5%の範囲内のことをいう。電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52の長さは、電解質膜22の短手方向における長さよりも短く、電解質膜22上に配置されたときに、隣接する一対の第1テープ材52との間に第1の隙間56が設けられる長さである。そのため、電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52の端と、それに隣接する一対の第1テープ材52の長手方向の端部との間には、第1の隙間56が形成される。第1の隙間56は、特に限定されないが、小さいほど好ましく、例えば第1テープ材52よりも小さいとよく、さらには当該幅の1/5以下であるとよい。なお、複数の第1テープ材52の各々は、異なる幅を有する直線形状を有していてもよい。例えば、電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52と、電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第1テープ材52とは、異なる幅を有していてもよい。
その後、図17に示すように、複数の第2テープ材54は、第1の隙間56とは異なる位置において、互いに第2の隙間58を形成しながら配置される。複数の第2テープ材54の各々は、同一の幅を有する直線形状を有する。複数の第2テープ材54は、電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54と、電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54とを含む。この場合、電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54の長さは、電解質膜22の短手方向における長さと製造公差内で一致している。ここでいう製造公差内とは、設計値に対して±5%の範囲内のことをいう。電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54の長さは、電解質膜22の長手方向における長さよりも短く、第1テープ材52(又は電解質膜22)上に配置されたときに、隣接する一対の第2テープ材54との間に第2の隙間58が設けられる長さである。そのため、電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54の端と、それに隣接する一対の第2テープ材54の短手方向の端部との間には、第2の隙間58が形成される。第2の隙間58は、特に限定されないが、小さいほど好ましく、例えば第2テープ材54の幅よりも小さいとよく、さらには当該幅の1/5以下であるとよい。なお、複数の第2テープ材54の各々は、異なる幅を有する直線形状を有していてもよい。例えば、電解質膜22の長手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54と、電解質膜22の短手方向に沿って配置される一対の第2テープ材54とは、異なる幅を有していてもよい。
このような製造方法によると、複数の第1テープ材52と複数の第2テープ材54とのいずれにおいても、隣り合うテープ材52、54が重ならないため、MEGA14中の電解質膜22や支持フレーム16に意図しない応力集中が生じることを回避できる。また、接合体34を第1テープ材52と第2テープ材54との2層構造で構成することで、各層を構成するテープ材52、54の厚みをそれぞれ小さくすることができ、各層の中で隣り合うテープ材52、54の間に生じる空間も小さくすることができる。即ち、各テープ材52、54の厚みを小さくすることにより、各テープ材52、54が配置されている部分と配置されていない部分(各隙間56、58)とで、各テープ材52、54の厚さ方向の差を小さくすることができる。さらに、複数の第1テープ材52において形成される第1の隙間56と、複数の第2テープ材54において形成される第2の隙間58とは、それらの位置が互いに異なるように形成されるので、2つの隙間56、58繋がって大きな隙間が形成されることもない。これにより、接合体34によるシール性の低下を回避又は抑制することができる。
第1テープ材52及び第2テープ材54が配置された後は、前述したように、MEGA14又はその半製品上に支持フレーム16を配置して、第1レーザ照射工程及び第2レーザ照射工程が実施される。その後、熱プレス工程が実施される。図18に示すように、熱プレス工程前は、複数の第2テープ材54は、互いに第2の隙間58を形成している。ここでは、便宜上、説明に必要な第1テープ材52及び第2テープ材54の2層構造を有する接合体34を抜き出して図示している。接合体34は、厚さtを有し、例えば、第1テープ材52及び第2テープ材54は、互い等しい厚さ0.5tを有する。この場合、第1テープ材52と第2テープ材54とが積層している部分は、2つのテープ材52、54の合計の厚さtを有する。その一方、第2の隙間58が設けられているとともに、第1テープ材52のみが配置されている部分は、第1テープ材52の厚さ0.5tを有する。なお、特に限定されないが、接合体34は、5μm以上20μm以下の厚さを有してもよく、各テープ材52、54は、2.5μm以上10μm以下の厚さを有してもよい。
その後、熱プレス工程が実施されると、図19に示すように、熱可塑性材料で構成される各テープ材52、54が再溶融し、第2の隙間58に流れ込むことで、複数の第2テープ材54が互いに接合する。熱プレス工程の前後では、各テープ材52、54の厚さは、ほとんど変化しない。言い換えると、第1テープ材52と第2テープ材54とが積層している部分は、2つのテープ材52、54の合計の厚さ略tを有する。その一方で、第2の隙間58が設けられていた部分では、熱プレス工程が実施されることにより、各テープ材52、54が再溶融し、第2の隙間58に流れ込むため、複数の第2テープ材54が互いに接合する。そのため、第2の隙間58が設けられていた部分は、2つのテープ材52、54の合計の厚さよりも薄くなり、例えば略0.8tの厚さを有する。即ち、第2の隙間58が設けられていた部分の接合体34の厚さは、第1テープ材52の厚さ0.5tから2つのテープ材52、54の合計の厚さ略0.8tまで増加する。これにより、第2テープ材54の有無による接合体34の厚さの差を小さくすることができる。なお、図示省略するが、複数の第1テープ材52間に形成される第1の隙間56についても、熱プレス工程における熱圧着により、各テープ材52、54が再溶融し、複数の第1テープ材52が互いに接合するため、同様の効果が得られる。
このような製造方法によると、支持フレーム16と電解質膜22とを互いに強固に接合できるとともに、それらの間から延出する接合体34を電解質膜22に溶着させることによって、電解質膜22のようなMEGA14の脆弱部をより確実に補強できる。さらに、電解質膜22の表面を第1テープ材52及び第2テープ材54と、アノード触媒層24と、カソード触媒層26とで覆うことにより、電解質膜22に供給される気体(例えば、水素ガス及び酸素ガス)が、電解質膜22を透過して他極側へ漏洩することを抑制できる。
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは組み合わせによって技術的有用性を発揮するものである。
10 :燃料電池
12 :燃料電池セル
16 :支持フレーム
22 :電解質膜
24 :アノード触媒層
26 :カソード触媒層
28 :アノードガス拡散層
30 :カソードガス拡散層
34 :接合体
36 :プレス装置
38 :貼付装置
50 :プレス装置
52 :第1テープ材
54 :第2テープ材
56 :第1の隙間
58 :第2の隙間
L :レーザ
L1 :第1レーザ照射軌跡
L2 :第2レーザ照射軌跡
OP :開口部

Claims (10)

  1. 燃料電池の製造方法であって、
    少なくとも電解質膜を有する電極シートを用意する工程と、
    前記電解質膜上に、熱可塑性樹脂で構成された接合体を枠状に配置する工程と、
    前記電解質膜上に配置された前記接合体上に、開口部を有する支持フレームを配置する工程と、
    前記支持フレーム上にレーザを照射して前記接合体を溶融し、前記電解質膜と前記支持フレームとを互いに溶着する第1レーザ照射工程と、
    前記支持フレームの前記開口部内に位置する前記接合体上にレーザを照射して前記接合体を溶融し、前記接合体を前記電解質膜に溶着させる第2レーザ照射工程と、
    を備える製造方法。
  2. 前記第2レーザ照射工程において前記レーザの照射範囲に与えられる単位面積当たりのエネルギーは、前記第1レーザ照射工程において前記レーザの照射範囲に与えられる前記単位面積当たりのエネルギーよりも小さい、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2レーザ照射工程における前記レーザのエネルギー密度は、前記第1レーザ照射工程における前記レーザのエネルギー密度よりも小さい、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記第2レーザ照射工程における前記レーザの走査速度は、前記第1レーザ照射工程における前記レーザの走査速度よりも大きい、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記第1レーザ照射工程では、枠状の前記支持フレームに沿って、前記レーザを少なくとも一巡するように走査し、
    前記第2レーザ照射工程では、前記支持フレームの前記開口部内で枠状に露出する前記接合体に沿って、前記レーザを少なくとも一巡するように走査する、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記接合体を枠状に配置する工程は、
    前記熱可塑性樹脂で構成された複数の第1テープ材を、前記電解質膜上へ枠状に配置する工程と、
    前記熱可塑性樹脂で構成された複数の第2テープ材を、前記複数の第1テープ材上へ枠状に積層する工程と、を備え、
    前記複数の第1テープ材は、互いに第1の隙間を形成しながら配置され、
    前記複数の第2テープ材は、前記第1の隙間とは異なる位置において、互いに第2の隙間を形成しながら配置される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記複数の第1テープ材の各々、及び、前記複数の第2テープ材の各々は、同一の幅を有する直線形状を有する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記第1レーザ照射工程及び前記第2レーザ照射工程後に実施される熱プレス工程をさらに備え、
    前記熱プレス工程では、前記支持フレームと前記電極シートとの間の前記接合体が再溶融し、前記支持フレームと前記電解質膜との間が熱圧着される、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記熱プレス工程では、前記支持フレームと前記電解質膜との間の熱圧着と同時に前記電極シートに対して少なくとも1つのガス拡散層が熱圧着される、請求項8に記載の製造方法。
  10. 燃料電池の製造方法であって、
    少なくとも電解質膜を有する電極シートを用意する工程と、
    前記電解質膜上に、熱可塑性樹脂で構成された接合体を枠状に配置する工程と、
    前記電解質膜上に配置された前記接合体上に、開口部を有する支持フレームを配置する工程と、
    前記接合体を溶融して、前記支持フレームと前記電解質膜との間を熱圧着する工程と、を備え、
    前記接合体を枠状に配置する工程は、
    前記熱可塑性樹脂で構成された複数の第1テープ材を、前記電解質膜上へ枠状に配置する工程と、
    前記熱可塑性樹脂で構成された複数の第2テープ材を、前記複数の第1テープ材上へ枠状に積層する工程と、を備え、
    前記複数の第1テープ材は、互いに第1の隙間を形成しながら配置され、
    前記複数の第2テープ材は、前記第1の隙間とは異なる位置において、互いに第2の隙間を形成しながら配置される、
    製造方法。
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