JP6036536B2 - 燃料電池用フレーム - Google Patents

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本発明は、燃料電池に用いられるフレームに関する。
燃料電池として、MEGA(Membrane Electrode and Gas Diffusion Layer Assembly)やMEA(Membrane Electrode Assembly)などの発電体と、発電体の周縁部を取り囲むフレームと、発電体およびフレームとを挟む2つのセパレータとを備える燃料電池が用いられている(特許文献1,2)。また、燃料電池に用いられるフレームとして、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂製のフレームが用いられている(特許文献2)。
特開2008−146872号公報 特開2007−141739号公報
燃料電池用フレームとして、熱硬化性樹脂製のフレームを用いる場合、フレームの製造工程において金型を用いた射出成形が行われる。この射出成形では、樹脂を硬化させるために、長い時間(数十秒から15分程度)加熱および加圧を行わなくてはならないため、燃料電池の製造効率が低いという問題があった。また、硬化完了後には、フレームとセパレータとを接着させるための接着剤を、フレームに塗布する作業を要するため、燃料電池の製造効率が低いという問題があった。これらの問題を解決するために、燃料電池の製造ラインを複数設けると、燃料電池の製造コストの上昇を招くという問題があった。そのほか、従来の燃料電池または燃料電池用フレームについて、低コスト化、製造時における省電力化、製造の容易化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、燃料電池用フレームが提供される。この燃料電池用フレームは、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、前記カソード側セパレータと前記アノード側セパレータとに挟まれた発電体と、を有する燃料電池に用いられる、燃料電池用フレームであって;前記カソード側セパレータに接する第1セパレータ側接着層を有する、熱可塑性樹脂製の第1フレーム部と;前記アノード側セパレータに接する第2セパレータ側接着層を有する、熱可塑性樹脂製の第2フレーム部と;前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とに挟まれ、前記発電体の周縁部と接する第3フレーム部と;を備え;前記第1フレーム部と前記第3フレーム部とのうち、少なくとも一方に、前記第1フレーム部と前記第3フレーム部とを接着するための第1のフレーム部間接着層が形成され;前記第2フレーム部と前記第3フレーム部とのうち、少なくとも一方に、前記第2フレーム部と前記第3フレーム部とを接着するための第2のフレーム部間接着層が形成されている。
この形態の燃料電池装置用フレームによれば、熱可塑性樹脂製の第1フレーム部と、熱可塑性樹脂製の第2フレーム部とを有するので、各フレーム部(第1フレーム部と第2フレーム部)を、熱可塑性樹脂の溶融押し出しにより形成できる。したがって、燃料電池用フレームの製造時において、加工時間の長い加熱および加圧工程を省略することができる。また、第1フレーム部と第2フレーム部とが熱可塑性樹脂で形成されているので、カソード側セパレータとアノード側セパレータと発電体と燃料電池用フレームとを組み付けて全体を加熱することにより、カソード側セパレータと第1フレーム部との接着、およびアノード側セパレータと第2フレーム部との接着を同時に行うことができる。したがって、燃料電池用フレームの製造時間を短縮できるので、燃料電池の製造効率を向上できる。加えて、少なくとも3つのフレーム部の多層構造を有するので、発電体の周縁部が複雑な形状を有していても、各フレーム部において発電体に対応する部分の形状を単純化することができる。このため、各フレーム部を容易に製造できる。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池用フレームが提供される。この燃料電池装置は、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、前記カソード側セパレータと前記アノード側セパレータとに挟まれた発電体と、を有する燃料電池に用いられる、燃料電池用フレームであって、前記カソード側セパレータに接する第1セパレータ側接着層を有する、熱可塑性樹脂製の第1フレーム部と、前記アノード側セパレータに接する第2セパレータ側接着層を有する、熱可塑性樹脂製の第2フレーム部と、を備える。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、熱可塑性樹脂製の第1フレーム部と、熱可塑性樹脂製の第2フレーム部とを有するので、各フレーム部(第1フレーム部と第2フレーム部)を、熱可塑性樹脂の溶融押し出しにより形成できる。したがって、燃料電池用フレームの製造時において、加工時間の長い加熱および加圧工程を省略することができる。また、第1フレーム部と第2フレーム部とが熱可塑性樹脂で形成されているので、カソード側セパレータとアノード側セパレータと発電体と燃料電池用フレームとを組み付けて全体を加熱することにより、カソード側セパレータと第1フレーム部との接着、およびアノード側セパレータと第2フレーム部との接着を同時に行うことができる。したがって、燃料電池用フレームの製造時間を短縮できるので、燃料電池の製造効率を向上できる。
(2)上記燃料電池装置用フレームにおいて、さらに、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とに挟まれ、前記発電体の周縁部と接する第3フレーム部を備え、前記第1フレーム部と前記第3フレーム部とのうち、少なくとも一方に、前記第1フレーム部と前記第3フレーム部とを接着するための第1のフレーム部間接着層が形成され、前記第2フレーム部と前記第3フレーム部とのうち、少なくとも一方に、前記第2フレーム部と前記第3フレーム部とを接着するための第2のフレーム部間接着層が形成されていてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、少なくとも3つのフレーム部の多層構造を有するので、発電体の周縁部が複雑な形状を有していても、各フレーム部において発電体に対応する部分の形状を単純化することができる。このため、各フレーム部を容易に製造できる。
(3)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第1のフレーム部間接着層の溶融温度は、前記第1セパレータ側接着層の溶融温度よりも低くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、発電体と、燃料電池用フレームが組み付けられた状態において加熱した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第1のフレーム部間接着層を溶融させ易くできる。したがって、第1フレーム部と第3フレーム部との間の接着性を向上できる。
(4)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第1のサブフレーム間接着層が形成され、前記第1のサブフレーム間接着層の溶融温度は、前記第1のフレーム部間接着層の溶融温度よりも低くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、発電体と、燃料電池用フレームが組み付けられた状態において加熱した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第1のサブフレーム間接着層を溶融させ易くできる。したがって、複数のサブフレームのうち、少なくとも互いに隣接する1組のサブフレーム間の接着性を向上できる。
(5)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第2のフレーム部間接着層の溶融温度は、前記第2セパレータ側接着層の溶融温度よりも低くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、発電体と、燃料電池用フレームが組み付けられた状態において加熱した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第2のフレーム部間接着層を溶融させ易くできる。したがって、第2フレーム部と第3フレーム部との間の接着性を向上できる。
(6)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第2のサブフレーム間接着層が形成され、前記第2のサブフレーム間接着層の溶融温度は、前記第2のフレーム部間接着層の溶融温度よりも低くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、発電体と、燃料電池用フレームが組み付けられた状態において加熱した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第2のサブフレーム間接着層を溶融させ易くできる。したがって、複数のサブフレームのうち、少なくとも互いに隣接する1組のサブフレーム間の接着性を向上できる。
(7)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第1のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率は、前記第1セパレータ側接着層のレーザー光吸収率よりも高くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、燃料電池用フレームが積層された状態においてレーザー照射した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第1のフレーム部間接着層を溶融させ易くできる。したがって、第1フレーム部と第3フレーム部との間の接着性を向上できる。
(8)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第3サブフレーム間接着層が形成され、前記第3サブフレーム間接着層のレーザー光吸収率は、前記第1のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、発電体と燃料電池用フレームが組み付けられた状態においてレーザー照射した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第3サブフレーム間接着層を溶融させ易くできる。したがって、複数のサブフレームのうち、少なくとも互いに隣接する1組のサブフレーム間の接着性を向上できる。
(9)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第2のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率は、前記第2セパレータ側接着層のレーザー光吸収率よりも高くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、発電体と燃料電池用フレームが組み付けられた状態においてレーザー照射した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第2のフレーム部間接着層を溶融させ易くできる。したがって、第2フレーム部と第3フレーム部との間の接着性を向上できる。
(10)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第4サブフレーム間接着層が形成され、前記第4サブフレーム間接着層のレーザー光吸収率は、前記第2のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、発電体と燃料電池用フレームが組み付けられた状態においてレーザー照射した際に、他の接着層に比べてより内部に位置する第4サブフレーム間接着層を溶融させ易くできる。したがって、複数のサブフレームのうち、少なくとも互いに隣接する1組のサブフレーム間の接着性を向上できる。
(11)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第1セパレータ側接着層のレーザー光吸収率は、前記第1のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、カソード側セパレータに第1フレーム部を接合するために、第1フレーム部の外表面(カソード側セパレータと接しない側の表面)からレーザー光を照射する場合に、第1セパレータ側接着層においてレーザー光を吸収させることができる。このため、カソード側セパレータと第1フレーム部とを接合させることができる。
(12)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第2セパレータ側接着層のレーザー光吸収率は、前記第2のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高くてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、アノード側セパレータに第2フレーム部を接合するために、第2フレーム部の外表面(アノード側セパレータと接しない側の表面)からレーザー光を照射する場合に、第2セパレータ側接着層においてレーザー光を吸収させることができる。このため、アノード側セパレータと第2フレーム部とを接合させることができる。
(13)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第1のフレーム部間接着層は、前記第1フレーム部に形成されていてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、第1フレーム部は、両方の端面側に接着層(第1セパレータ側接着層および第1のフレーム部間接着層)を有するので、一方の端面側にのみ接着層を有する構成に比べて、層の特性の相違に起因する反り(クリープ)の発生を抑制できる。
(14)上記燃料電池用フレームにおいて、前記第2のフレーム部間接着層は、前記第2フレーム部に形成されていてもよい。この形態の燃料電池装置用フレームによれば、第2フレーム部は、両方の端面側に接着層(第2セパレータ側接着層および第2のフレーム部間接着層)を有するので、一方の端面側にのみ接着層を有する構成に比べて、層の特性の相違に起因する反り(クリープ)の発生を抑制できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池や、燃料電池システムや、燃料電池が搭載された車両や、燃料電池用フレームの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の燃料電池用フレームを適用した燃料電池を示す分解斜視図である。 図1に示すMEGAフレーム200の分解斜視図である。 周縁フレーム205の構造を示す分解斜視図である。 燃料電池100の部分断面図である。 周縁フレーム205を構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。 燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。 カソード側フレーム部201の製造工程の一部を模式的に示す説明図である。 第2実施形態の燃料電池100aの部分断面図を示す。 第2実施形態の周縁フレーム205aを構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。 第2実施形態における燃料電池の製造手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の周縁フレーム205bを構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。 第3実施形態における燃料電池の製造手順を示すフローチャートである。 第4実施形態の周縁フレーム205cを構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。 第4実施形態における燃料電池の製造手順を示すフローチャートである。
A.実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本発明の燃料電池用フレームを適用した燃料電池を示す分解斜視図である。燃料電池100は、カソード側セパレータ300と、アノード側セパレータ400と、MEGAフレーム200とからなる積層体を複数備え、これら複数の積層体が積層された構造を有する。なお、図1では、図示の便宜上、1組の積層体のみ表している。燃料電池100は、いわゆる固体高分子型燃料電池であり、燃料ガスとして供給される水素ガスと、酸化剤ガスとして供給される空気とを用いて発電を行う。また、燃料電池100内には、冷却媒体としての水が循環され、燃料電池100内の温度が、発電に適切な温度に調整される。
燃料電池100は、酸化剤ガス供給マニホールド21と、酸化剤ガス排出マニホールド22と、燃料ガス供給マニホールド31と、燃料ガス排出マニホールド32と、冷却媒体供給マニホールド41と、冷却媒体排出マニホールド42とを備えている。各マニホールド21、22、31、32、41、42は、いずれも、積層体の積層方向(Z軸方向)に沿って燃料電池100の内部に形成された貫通孔である。なお、「Z軸方向」とは、+Z方向と−Z方向との両方の方向を意味する。図1に示すように、MEGAフレーム200と、カソード側セパレータ300と、アノード側セパレータ400には、積層方向に沿って見て互いに同じ位置に、厚み方向に形成された貫通孔を有している。これらの貫通孔が積層方向に重なることにより、前述の各マニホールド21、22、31、32、41、42が形成されている。
図1に示すように、カソード側セパレータ300は、矩形の平面視形状を有する薄い板状の部材である。カソード側セパレータ300は、導電性を有する基材により形成されている。導電性を有する基材として、例えば、ステンレスやカーボン等を用いてもよい。カソード側セパレータ300は、MEGAフレーム200の+Z方向に位置し、MEGAフレーム200と接している。なお、図示は省略しているが、カソード側セパレータ300の+Z方向には、アノード側セパレータ400と同じ構成を有するアノード側セパレータが配置されており、カソード側セパレータ300は、かかるアノード側セパレータと接している。
カソード側セパレータ300は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部321と、酸化剤ガス排出マニホールド形成部322と、燃料ガス供給マニホールド形成部331と、燃料ガス排出マニホールド形成部332と、冷却媒体供給マニホールド形成部341と、冷却媒体排出マニホールド形成部342とを備えている。各マニホールド形成部321、322、331、332、341、342は、いずれも、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔である。また、カソード側セパレータ300の一方の面(MEGAフレーム200と対向する面)には、多数のリブ351が形成されている。各リブ351は、カソード側セパレータ300の長手方向(X軸方向)に沿って延設され、Y軸方向に沿って等間隔に並んで配置されている。このリブ351は、後述するように、酸化剤ガス流路を形成するために用いられる。なお、図示は省略しているが、カソード側セパレータ300の他方の面(図示しないアノード側セパレータと対向する面)にも、多数のリブが形成されている。このリブは、リブ351と同様にX軸方向に沿って延設され、Y軸方向に沿って等間隔に並んで配置されている。かかるリブは、後述するように、冷却媒体流路を形成するために用いられる。
アノード側セパレータ400は、矩形の平面視形状を有する薄い板状の部材である。アノード側セパレータ400は、カソード側セパレータ300と同様に、導電性を有する基材により形成されている。アノード側セパレータ400は、MEGAフレーム200の−Z方向に位置し、MEGAフレーム200と接している。なお、図示は省略しているが、アノード側セパレータ400の−Z方向には、カソード側セパレータ300と同じ構成を有するカソード側セパレータが配置されており、アノード側セパレータ400は、かかるカソード側セパレータと接している。
アノード側セパレータ400は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部421と、酸化剤ガス排出マニホールド形成部422と、燃料ガス供給マニホールド形成部431と、燃料ガス排出マニホールド形成部432と、冷却媒体供給マニホールド形成部441と、冷却媒体排出マニホールド形成部442とを備えている。各マニホールド形成部421、422、431、432、441、442は、いずれも、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔である。また、アノード側セパレータ400の一方の面(図示しないカソード側セパレータと対向する面)には、多数のリブ451が形成されている。各リブ451は、アノード側セパレータ400の長手方向(X軸方向)に沿って延設され、Y軸方向に沿って等間隔に並んで配置されている。リブ451は、後述するように、冷却媒体流路を形成するために用いられる。
図2は、図1に示すMEGAフレーム200の分解斜視図である。MEGAフレーム200は、MEGA(Membrane Electrode and Gas Diffusion Layer Assembly)210と、周縁フレーム205とを備えている。MEGA210は、電解質膜10と、カソード側触媒層11cと、アノード側触媒層11aと、カソード側ガス拡散層12cと、アノード側ガス拡散層12aとを備えている。カソード側触媒層11cおよびアノード側触媒層11aは、電解質膜10を挟んで配置されている。カソード側ガス拡散層12cは、カソード側触媒層11c上に配置されている。アノード側ガス拡散層12aは、アノード側触媒層11a上に配置されている。
電解質膜10は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性を有するイオン交換膜を用いて構成されており、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。カソード側触媒層11cおよびアノード側触媒層11aは、いずれも白金や白金合金等の触媒を担持した触媒担持カーボンを含んでいる。カソード側ガス拡散層12cおよびアノード側ガス拡散層12aは、いずれも多孔質の拡散層用基材で構成されている。このような拡散層用基材として、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスやガラス状カーボン等のカーボン多孔質体や、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体を用いることができる。
周縁フレーム205は、熱可塑性樹脂で形成され、図2に示すように矩形の平面視形状を有する。周縁フレーム205は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部221と、酸化剤ガス排出マニホールド形成部222と、燃料ガス供給マニホールド形成部231と、燃料ガス排出マニホールド形成部232と、冷却媒体供給マニホールド形成部241と、冷却媒体排出マニホールド形成部242とを備えている。各マニホールド形成部221、222、231、232、241、242は、いずれも、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔である。また、周縁フレーム205は、中央部分にMEGA配置部254を備えている。MEGA配置部254は、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔であり、図1に示すようにMEGA210が配置される。MEGA配置部254の周縁部(内壁部分)には、段差部255が配置されている。MEGA配置部254において、段差部255を挟んで−Z方向の開口面積は、段差部255を挟んで+Z方向の開口面積に比べて大きい。周縁フレーム205は、段差部255を利用して、アノード側フレーム部214に固定される。
図3は、周縁フレーム205の構造を示す分解斜視図である。図3に示すように、周縁フレーム205は、カソード側フレーム部201と、中間フレーム部202と、アノード側フレーム部203とが、Z軸方向に積層された構造を有する。これらの3つのフレーム部201、202および203は、いずれも矩形の平面視形状を有する熱可塑性樹脂製の薄板部材である。カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とは、互いに接着されている。また、中間フレーム部202とアノード側フレーム部203とは、互いに接着されている。
本実施形態では、周縁フレーム205を、熱可塑性樹脂の複数のフレーム部(薄板部材)の積層構造とすることにより、周縁フレーム205を溶融押出成形により形成するようにしている。これにより、周縁フレーム205の製造時間を、熱硬化性樹脂の射出成形を採用する構成に比べて短縮化することができる。
カソード側フレーム部201は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部521と、酸化剤ガス排出マニホールド形成部522と、燃料ガス供給マニホールド形成部531と、燃料ガス排出マニホールド形成部532と、冷却媒体供給マニホールド形成部541と、冷却媒体排出マニホールド形成部542とを備えている。各マニホールド形成部521、522、531、532、541、542は、いずれも、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔である。また、カソード側フレーム部201は、中央部分に酸化剤ガス流通部514を備えている。酸化剤ガス流通部514は、MEGA固定部214の+Z方向に位置する。酸化剤ガス流通部514は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部521および酸化剤ガス排出マニホールド形成部522と接続されている。酸化剤ガス流通部514は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部521から供給された酸化剤ガスを、MEGA210に供給し、また、カソード側オフガスを酸化剤ガス排出マニホールド形成部522に導く。
中間フレーム部202は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部621と、酸化剤ガス排出マニホールド形成部622と、燃料ガス供給マニホールド形成部631と、燃料ガス排出マニホールド形成部632と、冷却媒体供給マニホールド形成部641と、冷却媒体排出マニホールド形成部642とを備えている。各マニホールド形成部621、622、631、632、641、642は、いずれも、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔である。また、中間フレーム部202は、中央部分にMEGA固定部614を備えている。MEGA固定部614は、前述の段差部255を有している。MEGA固定部614には、MEGA210が嵌め合わされる。MEGA固定部614において、段差部255よりも−Z方向の領域のZ軸方向の長さは、MEGA210のアノード或いはカソードのZ軸方向の長さとほぼ同じである。
アノード側フレーム部203は、酸化剤ガス供給マニホールド形成部721と、酸化剤ガス排出マニホールド形成部722と、燃料ガス供給マニホールド形成部731と、燃料ガス排出マニホールド形成部732と、冷却媒体供給マニホールド形成部741と、冷却媒体排出マニホールド形成部742とを備えている。各マニホールド形成部721、722、731、732、741、742は、いずれも、厚さ方向(Z軸方向)に形成された貫通孔である。また、アノード側フレーム部203は、中央部分に燃料ガス流通部714を備えている。燃料ガス流通部714は、MEGA固定部214の−Z方向に位置する。燃料ガス流通部714は、燃料ガス供給マニホールド形成部731および燃料ガス排出マニホールド形成部732と接続されている。燃料ガス流通部714は、燃料ガス供給マニホールド形成部731から供給された燃料ガスを、MEGA210に供給し、また、アノード側オフガスを燃料ガス排出マニホールド形成部732に導く。
図4は、燃料電池100の部分断面図である。図4では、図1に示すA−A断面のうち、酸化剤ガス供給マニホールド21の近傍の断面を示している。
図4に示すように、アノード側セパレータ400において、カソード側セパレータ300と対向する面には、リブ451が、X軸方向に沿って延設されている。カソード側セパレータ300において、アノード側セパレータ400と対向する面には、リブ361が、X軸方向に沿って延設されている。アノード側セパレータ400のリブ451と、カソード側セパレータ300のリブ361とは互いにZ軸方向に接して配置されている。このため、アノード側セパレータ400とカソード側セパレータ300との間には、互いに接するリブ451及びリブ361により仕切られた、X軸方向に延びる空間150が形成されている。かかる空間は、冷却媒体流路として用いられる。
図4に示すように、カソード側セパレータ300において、冷却媒体供給マニホールド形成部341の周囲には、シール部801および壁部370が配置されている。シール部801は、空間150を流れる冷却媒体(水)が、冷却媒体供給マニホールド形成部341から漏洩することを抑制する。シール部801としては、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴム等により構成することができる。壁部370は、シール部801の位置ずれを防止すると共に、冷却媒体の漏洩を抑制する。壁部370は、カソード側セパレータ300の一部として形成することもでき、また、カソード側セパレータ300とは別の部材として構成することもできる。なお、図1では、図示の便宜上、シール部801および壁部370は省略している。
図4に示すように、カソード側セパレータ300とMEGAフレーム200との間には、酸化剤ガス流路352が形成されている。この酸化剤ガス流路352は、カソード側フレーム部201の酸化剤ガス流通部514と、カソード側セパレータ300のリブ351と、MEGAフレームのカソード側ガス拡散層12cとで囲まれた空間と、カソード側フレーム部201の酸化剤ガス流通部514と、カソード側セパレータ300のリブ351と、中間フレーム部202の段差部255とで囲まれた空間とからなる。なお、図示は省略しているが、カソード側セパレータ300とMEGA200との間には、Y軸方向に略等間隔で並んだ複数の酸化剤ガス流路352が形成されている。この酸化剤ガス流路352には、酸化剤ガス供給マニホールド21から供給された空気が導入される。また、酸化剤ガス流路352は、MEGA200から排出されたカソード側オフガス(反応に用いられなかった余剰空気を含む)を、酸化剤ガス排出マニホールド22へと排出する。
図3に示すように、カソード側フレーム部201において、酸化剤ガス供給マニホールド形成部521と酸化剤ガス流通部514とは連通している。このため、図4に示すように、カソード側フレーム部201において酸化剤ガス供給マニホールド21(酸化剤ガス供給マニホールド形成部521)の内部側(−X方向側)には、樹脂層が存在しない。したがって、MEGA200において酸化剤ガス供給マニホールド21よりも内部側では、周縁フレーム205は、二層になっている。これに対して、MEGAフレーム200において酸化剤ガス供給マニホールド21の外側(+X方向側)は三層になっている。
図4に示すように、MEGAフレーム200の周縁部は、段差形状を有している。具体的には、カソード側触媒層11cおよびカソード側ガス拡散層12cのXY平面の面積は、電解質膜10、アノード側触媒層11a、およびアノード側ガス拡散層12aのXY平面の面積に比べて小さい。したがって、図4に示すように、カソード側触媒層11cおよびカソード側ガス拡散層12cのX軸方向の長さは、電解質膜10、アノード側触媒層11a、およびアノード側ガス拡散層12aのX軸方向の長さに比べて短い。このように、MEGAフレーム200の周縁部を段差形状とすることにより、アノード側の端部とカソード側の端部との間の距離を長くして、短絡を抑制している。
図4に示すように、アノード側セパレータ400において、MEGA200と対向する面には、X軸方向に延設された図示しない多数のリブが、Y軸方向に沿って略等間隔に並んで配置されている。この図示しないリブと、MEGA200のアノード側ガス拡散層12aとが接することにより、MEGAフレーム200と、アノード側セパレータ400との間には、X軸方向に略等間隔で並んだ複数の燃料ガス流路452が形成されている。かかる燃料ガス流路452は、図示しないリブと、アノード側ガス拡散層12aと、アノード側フレーム部203の燃料ガス流通部714とにより構成されている。燃料ガス流路452には、燃料ガス供給マニホールド31から供給された燃料ガスが導入される。また、燃料ガス流路452は、MEGA200から排出されたアノード側オフガス(反応に用いられなかった余剰燃料ガスを含む)を、燃料ガス排出マニホールド32へと排出する。
図5は、周縁フレーム205を構成する各フレーム部201、202、203の接合箇所を拡大して示す説明図である。図5に示すように、中間フレーム部202は単一の層で構成されている。これに対して、カソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203は、それぞれ三層構造を有する。
具体的には、カソード側フレーム部201は、第1接着層201aと、中間層201bと、第2接着層201cとが、Z軸方向に並んだ構成を有している。なお、各層の平面視形状は互いに同じである。第1接着層201aは、中間フレーム部202と接している。第1接着層201aは、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とを接合(接着)する。中間層201bは、第1接着層201aと第2接着層201cとに挟まれている。第2接着層201cは、カソード側セパレータ300と接している。第2接着層201cは、カソード側フレーム部201(MEGAフレーム200)とカソード側セパレータ300とを接合(接着)する。
同様に、アノード側フレーム部203は、第1接着層203aと、中間層203bと、第2接着層203cとが、Z軸方向に並んだ構成を有している。なお、各層の平面視形状は、互いに同じである。第1接着層203aは、中間フレーム部202と接している。第1接着層203aは、アノード側フレーム部203と中間フレーム部202とを接合(接着)する。中間層203bは、第1接着層203aと第2接着層203cとに挟まれている。第2接着層203cは、アノード側セパレータ400と接している。第2接着層203cは、アノード側フレーム部203(MEGAフレーム200)とアノード側セパレータ400とを接合(接着)する。
第1実施形態では、カソード側フレーム部201を構成する各層201a,201b,201cの溶融温度が互いに異なる。具体的には、第1接着層201aの溶融温度TmAと、中間層201bの溶融温度TmBと、第2接着層201cの溶融温度TmCとは、以下の式(1)の関係を満たす。
TmA<TmC<TmB ・・・(1)
なお、カソード側フレーム部201の第1接着層201aと、アノード側フレーム部203の第1接着層203aとは、互いに同じ基材で形成されている。同様に、カソード側フレーム部201の中間層201bとアノード側フレーム部203の中間層203bとは、互いに同じ基材で形成されている。同様に、カソード側フレーム部201の第2接着層201cとアノード側フレーム部203の第2接着層203cとは、互いに同じ基材で形成されている。したがって、アノード側フレーム部203を構成する各層203a,203b,203cの溶融温度(TmA,TmB,TmC)は、上記式(1)と同じ関係を満たす。
このように、カソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203において、中間フレーム部202と接する第1接着層201a,203aの溶融温度を、カソード側セパレータ300またはアノード側セパレータ400と接する第2接着層201c,203cの溶融温度よりも小さくすることにより、後述する燃料電池100の製造処理を実行した場合に、燃料電池の製造時間を短縮することができる。なお、上述した各層間の溶融温度の制御方法については、後述する。
周縁フレーム205は、請求項における燃料電池用フレームに相当する。また、MEGA210は請求項における発電体に、カソード側フレーム部201は請求項における第1フレーム部に、アノード側フレーム部203は請求項における第2フレーム部に、中間フレーム部202は請求項における第3フレーム部に、第2接着層201cは請求項における第1セパレータ側接着層に、第1接着層201aは請求項における第1のフレーム部間接着層に、第2接着層203cは請求項における第2セパレータ側接着層に、第1接着層203aは請求項における第2のフレーム部間接着層に、それぞれ相当する。
A2.燃料電池の製造:
図6は、燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。まず、カソード側フレーム部201と、中間フレーム部202の基体と、アノード側フレーム部203とを、溶融押出成形により製造する(ステップS105)。
図7は、カソード側フレーム部201の製造工程の一部を模式的に示す説明図である。第1実施形態では、ステップS105における溶融押出成形を実現するために、3つの溶融押出機51,52,および53と、ダイヘッド70とを用いる。3つの溶融押出機51〜53の構成は、公知の溶融押出機の構成と同じであるので、説明を省略する。溶融押出機51は、パイプ54によりダイヘッド70と接続されている。同様に、溶融押出機52はパイプ55により、溶融押出機53はパイプ56により、それぞれダイヘッド70に接続されている。ダイヘッド70は、各溶融押出機51〜53から押出された基材を三層構造のシート状の基材80として排出する。具体的には、基材80は、第1層80aと、第二層80bと、第三層80cとを有する。第1層80aは、前述の第1接着層201aに相当する。第二層80bは、前述の中間層201bに相当する。第三層80cは、前述の第2接着層201cに相当する。
ここで、3つの溶融押出機51〜53には、互いに異なる融点の熱可塑性樹脂のペレットが投入される。具体的には、溶融押出機51には、融点の比較的低い熱可塑性樹脂のペレット61が投入される。ペレット61としては、例えば、ポリ塩化ビニルのペレットを採用してもよい。また、溶融押出機52には、融点が比較的高い熱可塑性樹脂のペレット62が投入される。ペレット62としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートのペレットを採用してもよい。また、溶融押出機53には、融点が中程度の熱可塑性樹脂のペレット63が投入される。ペレット63としては、例えば、ポリカーボネイトのペレットを採用してもよい。なお、上述した熱可塑性樹脂の具体例(ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネイト)は、一例に過ぎず、他の任意の熱可塑性樹脂を採用してもよい。また、接着層に相当する第1層80aおよび第三層80cを押出す溶融押出機51、53には、熱可塑性樹脂のペレットに加えて、接着性を有する樹脂を投入してもよい。接着性を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートにカルボン酸などの極性基を変性させて導入して得られた樹脂を用いてもよい。
前述のようにして得られたシート状の基材80を、ローラーで圧延して各フレーム部201、202、203の大きさに切断する。次に、切断された基材を各マニホールド形成部および酸化剤ガス流通部514等に相当する貫通孔を打ち抜き加工により形成する。このようにして、カソード側フレーム部201が得られる。
上述のように、基材80を構成する各層80a、80b、80cは、いずれも熱可塑性樹脂により形成されているため、基材80の製造、圧延、切断、および打ち抜き加工に要する時間は短い。これは、熱硬化性樹脂を用いた射出成形により形成する場合に比べて、比較的長い時間を要する加熱および加圧工程を省略できるからである。
なお、アノード側フレーム部203は、前述のカソード側フレーム部201と同様にして製造することができる。中間フレーム部202は、3つの溶融押出機51〜53のうち、溶融押出機52のみを用いる点が異なり、他の手順は前述のカソード側フレーム部201の手順と同様にして、製造することができる。
図6に示すように、ステップS105で得られた中間フレーム部202の基体に段差部255を形成し、中間フレーム部202を製造する(ステップS110)。ステップS110は、例えば、中間フレーム部202の基体の中央部分に形成された貫通孔の周りを圧縮成形することにより実現してもよい。また、この圧縮成形により内側(貫通孔側)にはみ出た基材は、改めて打ち抜き加工することにより取り除くことができる。
ステップS110で得られた中間フレーム部202にMEGA210を配置し、中間フレーム部202とMEGA210とを接合する(ステップS115)。図4に示すように、MEGA210におけるアノード側の周縁部は、カソード側の周縁部に比べて縁方向(外側)に突出している。そこで、ステップS115では、かかる突出した部分が中間フレーム部202の段差部255に載置されるように、MEGA210が中間フレーム部202に配置される。ステップS115における接合としては、例えば、加熱による接合や、接着剤による接合を採用してもよい。
MEGA210が配置された中間フレーム部202を、ステップS105で得られたカソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203で挟む(ステップS120)。
MEGAフレーム200を挟むように、カソード側セパレータ300とアノード側セパレータ400とを積層して、燃料電池100の元となる積層体を形成する(ステップS125)。このとき、隣接するカソード側セパレータ300とアノード側セパレータ400との間に、シール部801を配置する。
ステップS125で得られた積層体全体を加熱する(ステップS130)。このとき、積層体全体の温度が、第2接着層201c,203cの溶融温度TmCよりも高い温度となるように加熱する。この加熱により、周縁フレーム205のカソード側フレーム部201において、第2接着層201cが溶融し、隣接するカソード側セパレータ300と接着する。また、カソード側フレーム部201において、第1接着層201aが溶融し、隣接する中間フレーム部202と接着する。同様に、前述の加熱により、周縁フレーム205のアノード側フレーム部203において、第2接着層203cが溶融し、隣接するアノード側セパレータ400と接着する。また、アノード側フレーム部203において、第1接着層203aが溶融し、隣接する中間フレーム部202と接着する。
図5に示すように、第1接着層201a,203aは、第2接着層201c,203cに比べて、周縁フレーム205においてより内側に位置しているため、ステップS130において積層体全体を加熱した場合に、熱が伝えられ難い。しかしながら、第1実施形態の燃料電池100では、積層体においてより内側に位置する第1接着層201a,203aの溶融温度を、より外側に位置する第2接着層201c,203cの溶融温度よりも低くなるように構成されている。このため、積層体全体を加熱した際に、第1接着層201a,203aを溶融させ易くでき、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202との接着性、およびアノード側フレーム部203と中間フレーム部202との接着性を向上させることができる。
前述のステップS130が実行された後、各層が接着された積層体の両端に、それぞれ、集電板と、絶縁板と、エンドプレートとがこの順序で重ねられ、両端のエンドプレート同士をテンションプレートにより接続することにより、積層体全体を締結する(ステップS135)。このようにして、燃料電池100が完成する。
以上説明した第1実施形態の周縁フレーム205は、厚さ方向の形状が比較的単純な形状の複数のフレーム部(カソード側フレーム部201、中間フレーム部202、アノード側フレーム部203)が積層された構造を有する。このため、各フレーム201、202、203を熱可塑性樹脂の溶融押し出しにより形成できるので、各フレーム部201、202、203の製造時において加工時間の長い加熱および加圧工程を省略することができる。また、各フレーム部201、202、203を熱可塑性樹脂で形成するので、積層体全体を加熱することにより、カソード側フレーム部201とカソード側セパレータ300との接着、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202との接着、アノード側フレーム部203とアノード側セパレータ400との接着、およびアノード側フレーム部203と中間フレーム部202との接着を、同時に行うことができる。したがって、周縁フレーム205の製造時間を短縮できるので、燃料電池の製造効率を向上できる。
また、周縁フレーム205を構成するカソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203では、より内側(燃料電池100の端部からより離れている側)に位置する第1接着層201a、203aの溶融温度が、より外側(燃料電池100の端部により近い側)に位置する第2接着層201c、203cの溶融温度よりも低く設定されている。このため、積層体全体を加熱した際に、より内部に位置し、熱が届き難い第1接着層201a、203aを溶融させ易くできる。したがって、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202との接着性、およびアノード側フレーム部203と中間フレーム部202との接着性を向上できる。
また、カソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203において、積層方向の両方の端面側に接着層を設けているので、一方の端面側にのみ接着層を設ける構成に比べて、周縁フレーム205の変形を抑制できる。一方の端面側にのみ接着層を設けた場合、カソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203は、接着層および中間層の二層構造となるため、両層の特性の相違から反り(クリープ)が発生する可能性が高い。これに対して、両方の端面側に接着層を設ける場合、2つの接着層により中間層を挟み込むため、特性の相違がキャンセルされる可能性があり、特性の相違に起因する反りを抑制できる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態の燃料電池100aの部分断面図を示す。図8では、図4と同様に、図1に示すA−A断面と同じ位置の断面のうち、酸化剤ガス供給マニホールド21の近傍の断面を示している。図9は、第2実施形態の周縁フレーム205aを構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。
第2実施形態の燃料電池100aは、中間フレーム部202に代えて、中間フレーム部202aを備えている点において、第1実施形態の燃料電池100と異なり、他の構成は、第1実施形態の燃料電池100と同じである。図8および図9に示すように、中間フレーム部202aは、厚さ方向に積層された2つのサブフレーム(第1サブフレーム211および第2サブフレーム212)から構成されている。図8に示すように、第1サブフレーム211は、MEGA210のカソード側触媒層11cおよびカソード側ガス拡散層12cの周縁に配置されている。これに対して、第2サブフレーム212は、電解質膜10、アノード側触媒層11aおよびアノード側ガス拡散層12aの周縁に配置されている。すなわち、段差部255の各段に、第1サブフレーム211または第2サブフレーム212が配置されている。
図9に示すように、第1サブフレーム211は、厚さ方向に積層された2つの層(第3接着層211aおよび主層211b)により構成されている。第3接着層211aは、第2サブフレーム212と接している。主層211bは、カソード側フレーム部201の第1接着層201aと接している。
第2サブフレーム212は、厚さ方向に積層された2つの層(第3接着層212aおよび主層212b)により構成されている。第3接着層212aは、第1サブフレーム211と接している。主層212bは、アノード側フレーム部203の第1接着層203aと接している。なお、上述した第3接着層211a、212aは、請求項における第1のサブフレーム間接着層および第2のサブフレーム間接着層に相当する。
主層211bおよび主層212bの溶融温度は、中間層201bおよび中間層203bの溶融温度TmBと同じである。第3接着層211aの溶融温度と、第3接着層212aの溶融温度とは、互いに等しい値(TmD)である。ここで、各層の溶融温度TmA、TmB、TmC、TmDは、以下の式(2)の関係を満たす。
TmD<TmA<TmC<TmB ・・・(2)
上記式(2)は、TmDがTmAよりも小さい点を除き、上記式(1)と同じである。上記式(2)からも理解できるように、第3接着層211a、212aの溶融温度は、他の接着層の溶融温度TmA、TmCよりも低い。
図10は、第2実施形態における燃料電池の製造手順を示すフローチャートである。第2実施形態における燃料電池100aの製造手順は、ステップS105に代えてステップS105aを実行する点と、ステップS110に代えてステップS110aを実行する点において、図6に示す第1実施形態における燃料電池の製造手順と異なり、他の手順は、第1実施形態における燃料電池の製造手順と同じである。
まず、カソード側フレーム部201と、アノード側フレーム部203と、第1サブフレーム211と、第2サブフレーム212とを溶融押出成形により製造する(ステップS105a)。上述したように、第1サブフレーム211および第2サブフレーム212は、二層構造であるので、例えば、図7に示す3つの溶融押出機のうちの2つの溶融押出機に、互いに異なる融点の熱可塑性樹脂のペレットを投入し、押出により得られた基材の圧延、切断、打ち抜き加工を行って形成することができる。
次に、ステップS105aにより得られた第1サブフレーム211および第2サブフレーム212を重ねることにより、段差部255を形成する(ステップS110a)。上述したように、段差部255の各段に合わせて第1サブフレーム211および第2サブフレーム212を形成しているので、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、段差部255を圧縮成形する必要はない。その後、上述したステップS120〜S135が実行されて、燃料電池100aが完成する。なお、ステップS130において、第1サブフレーム211の第3接着層211aと、第2サブフレーム212の第3接着層212aとが溶解し、互いに接着する。
以上説明した第2実施形態の周縁フレーム205aは、第1実施形態の周縁フレーム205と同様な効果を有する。加えて、中間フレーム部202aをMEGA210の縁の形状(段差部255)の形状に合わせて複数層構造(二層構造)としているので、段差部255を形成するための圧縮成形の工程を省略できる。
加えて、第3接着層211a、212aの溶融温度TmDを、第1接着層201a、203aの溶融温度TmA、および第2接着層201c、203cの溶融温度TmCよりも低く設定している。このため、積層体全体を加熱した際に、より内部に位置し、熱が届き難い第3接着層211a、212aを溶融させ易くでき、第1サブフレーム211と第2サブフレーム212との接着性を向上させることができる。
C.第3実施形態:
図11は、第3実施形態の周縁フレーム205bを構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。
第3実施形態の燃料電池は、カソード側フレーム部201に代えてカソード側フレーム部213を備えている点と、アノード側フレーム部203に代えてアノード側フレーム部214を備えている点とにおいて、第1実施形態の燃料電池100と異なり、他の構成は、第1実施形態の燃料電池100と同じである。
図11に示すように、第3実施形態のカソード側フレーム部213は、第1実施形態のカソード側フレーム部201と同様に、三層構造を有している。また、第3実施形態のアノード側フレーム部214は、第1実施形態のアノード側フレーム部203と同様に、三層構造を有している。
カソード側フレーム部213は、第1接着層213aと、中間層213bと、第2接着層213cとが、Z軸方向に並んだ構成を有している。なお、各層の平面視形状は、互いに同じである。
第3実施形態では、第1接着層213aは、レーザー吸収色素材を含む点において、第1実施形態の第1接着層201aと異なり、他の構成は、第1接着層201aと同じである。中間層213bは、第1実施形態の中間層201bと同じ構成であり、第2接着層213cは、第1実施形態の第2接着層201cと同じ構成である。したがって、中間層213bおよび第2接着層213cは、第1接着層213aとは異なり、レーザー吸収色素材を含んでいない。このため、第3実施形態では、第1接着層213aのレーザー吸収率は、中間層213bのレーザー吸収率および第2接着層213cのレーザー吸収率によりも高い。
アノード側フレーム部214は、第1接着層214aと、中間層214bと、第2接着層214cとが、Z軸方向に並んだ構成を有している。なお、各層の平面視形状は、互いに同じである。
第3実施形態では、第1接着層214aは、レーザー吸収色素材を含む点において、第1実施形態の第1接着層203aと異なり、他の構成は、第1接着層203aと同じである。中間層214bは、第1実施形態の中間層203bと同じ構成であり、第2接着層214cは、第1実施形態の第2接着層203cと同じ構成である。したがって、中間層214bおよび第2接着層214cは、第1接着層214aとは異なり、レーザー吸収色素材を含んでいない。このため、第3実施形態では、第1接着層214aのレーザー吸収率は、中間層214bのレーザー吸収率および第2接着層214cのレーザー吸収率によりも高い。
このように、カソード側フレーム部213およびアノード側フレーム部214において、中間フレーム部202と接する第1接着層213a、214aのレーザー吸収率を、カソード側セパレータ300またはアノード側セパレータ400と接する第2接着層213c、214cのレーザー吸収率よりも高くすることにより、燃料電池の製造時間を短縮し、製造効率を向上できる。なお、上述した各層間のレーザー吸収率差の制御方法については、後述する。
図12は、第3実施形態における燃料電池の製造手順を示すフローチャートである。第3実施形態における燃料電池の製造手順は、ステップS122を追加して実行する点において、図6に示す第1実施形態における燃料電池の製造手順と異なり、他の手順は、第1実施形態における燃料電池の製造手順と同じである。
第3実施形態のステップS105において、カソード側フレーム部213およびアノード側フレーム部214を製造する際に、カソード側フレーム部213およびアノード側フレーム部214における各層のレーザー吸収率を制御する。例えば、図7に示すような3つの溶融押出機51〜53およびダイヘッド70を用いる場合には、溶融押出機51(第1接着層213aに相当する層(第1層80a)を成形する押出機)に、熱可塑性樹脂のペレットに加えて、レーザー吸収色素材を含むペレットを投入する。これに対して、溶融押出機52(中間層213bに相当する層(第二層80b)を成形する押出機)および溶融押出機53(第2接着層213cに相当する層(第三層80c)を成形する押出機)には、熱可塑性樹脂のペレットのみ投入し、レーザー吸収色素材は投入しない。第3実施形態では、レーザー吸収色素材として、カーボンブラックを用いる。なお、カーボンブラックに代えて、他の任意の顔料系色素材を用いてもよい。また、顔料系色素材に代えて、または、顔料系色素材に加えて、染料系色素材を用いてもよい。
図12に示すように、その後、ステップS110〜S120が実行されてMEGAフレーム200の元となる積層体が形成されると、かかる積層体にレーザーを照射することで、3つのフレーム部213、202および214を接合する(ステップS122)。このとき、積層体端面において、例えば、各種マニホールドの周囲や積層体の周縁部に対して、積層方向に沿ってレーザーを照射する。なお、照射するレーザーとしては、例えば、炭酸ガスレーザーや、YAGレーザーを用いることができる。
図11に示すように、第1接着層213a,214aは、第2接着層213c,214cに比べて、周縁フレーム205bにおいてより内側に位置している。しかしながら、第1実施形態の燃料電池100では、より内側に位置する第1接着層213a,214aのレーザー吸収率を、より外側に位置する第2接着層213c,214cのレーザー吸収率よりも高くなるように構成している。このため、積層体にレーザー照射した際に、レーザー光を、第2接着層213c,214cを透過させて第1接着層213a,214aにおいて吸収させ、第1接着層213a,214aを溶融させることができる。したがって、カソード側フレーム部213と中間フレーム部202との接着性、およびアノード側フレーム部214と中間フレーム部202との接着性を向上できる。
ステップS122が実行された後、上述したステップS125〜S135が実行される。なお、第3実施形態のステップS130では、周縁フレーム205cにおける第2接着層213cおよび第2接着層214cが溶融され、周縁フレーム205bとアノード側セパレータ400とが接合すると共に、周縁フレーム205bとカソード側セパレータ300とが接合する。
以上説明した第3実施形態の周縁フレーム205bは、第1実施形態の周縁フレーム205と同様な効果を有する。加えて、周縁フレーム205bを構成するカソード側フレーム部213およびアノード側フレーム部214では、より内側(燃料電池の端部からより離れている側)に位置する第1接着層213a、214aのレーザー吸収率が、より外側(燃料電池の端部により近い側)に位置する第2接着層213c、214cのレーザー吸収率よりも高く設定されている。このため、積層体全体にレーザーを照射した際に、レーザー光を、第2接着層213c,214cを透過させて第1接着層213a,214aにおいて吸収させ、第1接着層213a,214aを溶融させることができる。したがって、カソード側フレーム部213と中間フレーム部202との接着性、およびアノード側フレーム部214と中間フレーム部202との接着性を向上できる。
D.第4実施形態:
図13は、第4実施形態の周縁フレーム205cを構成する各フレームの接合箇所を拡大して示す説明図である。
第4実施形態の燃料電池は、カソード側フレーム部201に代えてカソード側フレーム部215を備えている点と、アノード側フレーム部203に代えてアノード側フレーム部216を備えている点とにおいて、第1実施形態の燃料電池100と異なり、他の構成は、第1実施形態の燃料電池100と同じである。
図13に示すように、第4実施形態のカソード側フレーム部215は、第1実施形態のカソード側フレーム部201と同様に、三層構造を有している。また、第3実施形態のアノード側フレーム部216は、第1実施形態のアノード側フレーム部203と同様に、三層構造を有している。
カソード側フレーム部215は、第1接着層215aと、中間層215bと、第2接着層215cとが、Z軸方向に並んだ構成を有している。なお、各層の平面視形状は、互いに同じである。
第4実施形態では、第2接着層215cは、レーザー吸収色素材を含む点において、第1実施形態の第1接着層201cと異なり、他の構成は、第1接着層201cと同じである。中間層215bは、第1実施形態の中間層201bと同じ構成であり、第1接着層215aは、第1実施形態の第1接着層201aと同じ構成である。したがって、中間層215bおよび第1接着層215aは、第2接着層215cとは異なり、レーザー吸収色素材を含んでいない。このため、第4実施形態では、第2接着層215cのレーザー吸収率は、中間層215bのレーザー吸収率および第1接着層215aのレーザー吸収率よりも高い。
アノード側フレーム部216は、第1接着層216aと、中間層216bと、第2接着層216cとが、Z軸方向に並んだ構成を有している。なお、各層の平面視形状は、互いに同じである。
第4実施形態では、第2接着層216cは、レーザー吸収色素材を含む点において、第1実施形態の第2接着層203cと異なり、他の構成は、第2接着層203cと同じである。中間層216bは、第1実施形態の中間層203bと同じ構成であり、第1接着層216aは、第1実施形態の第1接着層203aと同じ構成である。したがって、中間層216bおよび第1接着層216aは、第2接着層216cとは異なり、レーザー吸収色素材を含んでいない。このため、第4実施形態では、第2接着層216cのレーザー吸収率は、中間層216bのレーザー吸収率および第1接着層216aのレーザー吸収率によりも高い。
図14は、第4実施形態における燃料電池の製造手順を示すフローチャートである。第4実施形態における燃料電池の製造手順は、ステップS125に代えて、ステップS126およびS128を実行する点において、図6に示す第1実施形態における燃料電池の製造手順と異なり、他の手順は、第1実施形態における燃料電池の製造手順と同じである。
第4実施形態のステップS105では、第3実施形態のステップS105と同様に、カソード側フレーム部215およびアノード側フレーム部216を製造する際に、カソード側フレーム部215およびアノード側フレーム部216における各層のレーザー吸収率を制御する。例えば、図7に示すような3つの溶融押出機51〜53およびダイヘッド70を用いる場合には、溶融押出機53(第2接着層215cに相当する層(第三層80c)を成形する押出機)に熱可塑性樹脂のペレットに加えて、レーザー吸収色素材を含むペレットを投入する。これに対して、溶融押出機52(中間層215bに相当する層(第二層80b)を成形する押出機)および溶融押出機51(第1接着層215aに相当する層(第1層80a)を成形する押出機)には、熱可塑性樹脂のペレットのみ投入し、レーザー吸収色素材は投入しない。第4実施形態におけるレーザー吸収色素材は、第3実施形態のレーザー吸収色素材と同様にカーボンブラックである。なお、第3実施形態と同様に、カーボンブラックに代えて、他の任意の顔料系色素材を用いてもよい。また、顔料系色素材に代えて、または、顔料系色素材に加えて、染料系色素材を用いてもよい。
図14に示すように、第4実施形態の燃料電池の製造手順によると、第1実施形態と同様に、まずステップS105〜S115が実行される。続いて、カソード側フレーム部215とカソード側セパレータ300とをレーザー溶接すると共に、アノード側フレーム部216とアノード側セパレータ400とをレーザー溶接し、2つのセパレータアセンブリ(接合体)を製造する(ステップS126)。具体的には、カソード側フレーム部215とカソード側セパレータ300とのレーザー溶接は、第2接着層215cがカソード側セパレータ300と接するように、第2接着層215cとカソード側セパレータ300とを重ね合わせ、その後、第1接着層215aの外表面からレーザーを照射することにより実行する。上述したように、第1接着層215aにはレーザー吸収色素材が含まれていないのに対して、第2接着層215cにはレーザー吸収色素材が含まれている。したがって、第1接着層215aの外表面から照射されたレーザーは、第1接着層215aを透過して、第2接着層215cにおいて吸収される。このため、第2接着層215cが溶融して、カソード側フレーム部215とカソード側セパレータ300とが溶接される。同様にして、アノード側フレーム部216とアノード側セパレータ400とがレーザー溶接される。すなわち、第1接着層216aの外表面から照射されたレーザーは、第1接着層216aを透過して、第2接着層216cにおいて吸収される。このため、第2接着層216cが溶融して、アノード側フレーム部216とアノード側セパレータ400とが溶接される。
ステップS126により製造された2つのセパレータアセンブリにより、ステップS115においてMEGA210が接合された中間フレーム部202を挟み、積層体を形成する(ステップS128)。その後、上述したステップS130およびS135が実行される。第4実施形態のステップS130では、第1接着層215aおよび第1接着層216aが溶融することにより、2つのセパレータアセンブリと中間フレーム部202とが溶接される。
以上説明した第4実施形態の周縁フレーム205cは、第1実施形態の周縁フレーム205と同様な効果を有する。すなわち、周縁フレーム205cを、厚さ方向の形状が比較的単純な形状の複数のフレーム部(カソード側フレーム部215、中間フレーム部202、アノード側フレーム部216)が積層された構造とするので、各フレーム部215、202、216を熱可塑性樹脂の溶融押し出しにより形成できる。このため、各フレーム部215、202、216の製造時において加工時間の長い加熱および加圧工程を省略することができる。
E.変形例:
E1.変形例1:
第1実施形態では、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とを接着するための接着層(第1接着層201a)は、カソード側フレーム部201に形成されており、アノード側フレーム部203と中間フレーム部202とを接着するための接着層(第1接着層203a)は、アノード側フレーム部203に形成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、カソード側フレーム部201から第1接着層201aを省略し、中間フレーム部202において、カソード側フレーム部201と接する端面側に接着層を設けてもよい。同様に、アノード側フレーム部203から第1接着層203aを省略し、中間フレーム部202において、アノード側フレーム部203と接する端面側に接着層を設けてもよい。
また、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とを接着するための接着層を、カソード側フレーム部201および中間フレーム部202とは別体として形成することもできる。具体的には、燃料電池の製造処理のステップS110において、カソード側フレーム部201、中間フレーム部202およびアノード側フレーム部203を、いずれも単層構造となるように形成する。ステップS110とステップS115との間において、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とのうちの少なくとも一方に、接着剤を塗布する。このようにして、カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とを接着させるための接着層を、接着剤により形成することができる。なお、アノード側フレーム部203と中間フレーム部202とを接着するための接着層も同様にして形成することができる。また、第2実施形態および第3実施形態における各接着層も同様にして形成することができる。
E2.変形例2:
第1および第2実施形態では、燃料電池100,100aの元となる積層体全体を加熱していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6,10に示すステップS120により得られる積層体(カソード側フレーム部201と中間フレーム部202とアノード側フレーム部203とが積層され、中間フレーム部202にMEGA210が配置された構造物)を加熱し、その後ステップS125以降を実行することもできる。このような構成により、ステップS120により得られる積層体について検査を行うことができるので、不具合箇所があった場合に容易に特定することができる。したがって、検査を合格した積層体を用いてステップS125以降の処理を実行でき、完成後の燃料電池における不具合の発生を抑制できる。また、例えば、1つのカソード側セパレータ300と、1つのMEGAフレーム200と、1つのアノード側セパレータ400とからなる単位積層体(単セル)を形成するごとに、加熱を行ってもよい。このようにすることで、単セル毎に検査を行ってから、燃料電池100,100aの元となる積層体を構成できるので、不具合箇所があった場合に容易に特定することができる。したがって、検査を合格した単セルを用いて燃料電池を構成でき、完成後の燃料電池における不具合の発生を抑制できる。
E3.変形例3:
第2実施形態では、第1サブフレーム211において、第2サブフレーム212と接する端面側にのみ第3接着層211aが形成されていたが、これに代えて、または、これに加えて、カソード側フレーム部201と接する端面側に接着層を形成してもよい。同様に、第2サブフレーム212において、第1サブフレーム211と接する端面側にのみ第3接着層212aが形成されていたが、これに代えて、または、これに加えて、アノード側フレーム部203と接する端面側に接着層を形成してもよい。第1サブフレーム211および第2サブフレーム212において、両端面側に接着層を設ける構成を採用すると、第1実施形態と同様に、第1サブフレーム211および第2サブフレーム212の反りの発生を抑制できる。
E4.変形例4:
第1実施形態では、周縁フレーム205は、3つのフレーム部201、202、203により形成されていたが、2つ以上の任意の数のフレーム部により形成してもよい。同様に、第3実施形態では、周縁フレーム205bは、3つのフレーム部202、213、214により形成されていたが、2つ以上の任意の数のフレーム部により形成してもよい。すなわち、一般には、カソード側セパレータ300と接する接着層を有する熱可塑性樹脂製のフレーム部と、アノード側セパレータ400と接する接着層を有する熱可塑性樹脂製のフレーム部とを、少なくとも備える周縁フレームを、本発明の燃料電池用フレームとして採用することができる。
また、第2実施形態では、中間フレーム部202aは、2つのサブフレーム211、212により形成されていたが、3つ以上の任意の数のサブフレームにより形成してもよい。
E5.変形例5:
各実施形態において、MEGA210の形状は、周縁部に段差を有していたが、かかる段差を省略することもできる。この場合、MEGA210の形状に合わせて、中間フレーム部202の段差部255を省略することもできる。
E6.変形例6:
第3実施形態では、第1接着層213a、214aのレーザー吸収率と、第2接着層213c、214cのレーザー吸収率とを異ならせていたが、他の層との間においてもレーザー吸収率を異ならせることもできる。例えば、第4実施形態において、第2実施形態と同様に、中間フレーム部202aを2層構造とする。そして、中間フレーム部202aを構成する2つの層を接着するための第3接着層211a、212aのレーザー吸収率を、第1接着層213a、214aのレーザー吸収率と、第2接着層213c、214cのレーザー吸収率と異ならせてもよい。具体的には、第3接着層211a、212aのレーザー吸収率を、第1接着層213a、214aのレーザー吸収率、および第2接着層213c、214cのレーザー吸収率よりも高くしてもよい。このような構成により、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この構成において、第1接着層213a、214aは、請求項における第3サブフレーム間接着層および第4サブフレーム間接着層に相当する。
E7.変形例7:
各実施形態では、MEGA210を用いていたが、MEGA210に代えて、MEA(Membrane Electrode Assembly)と、ガス拡散層用部材とを用いることもできる。この構成では、燃料電池の製造処理におけるステップS115よりも前に、MEAの両端面を、ガス拡散層用部材で挟む工程を実行する。ガス拡散層用部材としては、例えば、エキスパンドメタルや、カーボンペーパーなどを採用してもよい。なお、このような構成においては、MEAと、MEAを挟み込む一対のガス拡散層用部材とは、請求項における発電体に相当する。
E8.変形例8:
第1実施形態では、各層の溶融温度TmA、TmB、TmCおよびTmDが上記式(2)を満たすために、各層を形成する熱可塑性樹脂として、互いに融点が異なる熱可塑性樹脂を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、いずれの層も同じ種類の熱可塑性樹脂をベースとして、各樹脂の分子量、組成および構造を互いに異ならせることにより、各層の溶融温度TmA、TmB、TmCおよびTmDが上記式(2)を満たすようにしてもよい。このように共通的に用いるベースとなる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)を用いてもよい。
E9.変形例9:
各実施形態では、中間フレーム部202,202aに、MEGA210を配置して接合した後に(ステップS115の後に)、中間フレーム部202,202aを、カソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203で挟んでいたが(ステップS120)、これらの処理の実行順序を反対にしてもよい。すなわち、中間フレーム部202,202aを、カソード側フレーム部201およびアノード側フレーム部203で挟んで3層構造のフレームを製造しておき、かかるフレームにMEGA210を配置して接合してもよい。
E10.変形例10:
第3実施形態では、カソード側フレーム部213において、中間層213bおよび第2接着層213cには、レーザー吸収色素材が含まれていなかったが、これに代えて、これら2つの層213b,213cもレーザー吸収色素材を含む構成を採用してもよい。この構成においては、3つの層213a,213b,213cにおいて、レーザー吸収率を、第1接着層213aが最も高く、第2接着層213cが2番目に高く、中間層213bが3番目に高くなるように構成することが好ましい。このようなレーザー吸収率の制御は、例えば、ステップS105において混入するレーザー吸収色素材の量を制御することにより実現できる。
本発明は、上述の実施形態や実施形態、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…電解質膜
11a…アノード側触媒層
11c…カソード側触媒層
12a…アノード側ガス拡散層
12c…カソード側ガス拡散層
21…酸化剤ガス供給マニホールド
22…酸化剤ガス排出マニホールド
31…燃料ガス供給マニホールド
32…燃料ガス排出マニホールド
41…冷却媒体供給マニホールド
42…冷却媒体排出マニホールド
51,52,53…溶融押出機
54,55,56…パイプ
61,62,63…ペレット
70…ダイヘッド
80…基材
80a…第1層
80b…第二層
80c…第三層
100,100a…燃料電池
150…空間
200…MEGAフレーム
201…カソード側フレーム部
201a…第1接着層
201b…中間層
201c…第2接着層
202,202a…中間フレーム部
203…アノード側フレーム部
203a…第1接着層
203b…中間層
203c…第2接着層
205,205a,205b,205c…周縁フレーム
210…MEGA
211…第1サブフレーム
211a…第3接着層
211b…主層
212…第2サブフレーム
212a…第3接着層
212b…主層
213…カソード側フレーム部
213a…第1接着層
213b…中間層
213c…第2接着層
214…アノード側フレーム部
214a…第1接着層
214b…中間層
214c…第2接着層
215…カソード側フレーム部
215a…第1接着層
215b…中間層
215c…第2接着層
216…アノード側フレーム部
216a…第1接着層
216b…中間層
216c…第2接着層
221…酸化剤ガス供給マニホールド形成部
222…酸化剤ガス排出マニホールド形成部
231…燃料ガス供給マニホールド形成部
232…燃料ガス排出マニホールド形成部
241…冷却媒体供給マニホールド形成部
242…冷却媒体排出マニホールド形成部
254…MEGA配置部
255…段差部
300…カソード側セパレータ
321…酸化剤ガス供給マニホールド形成部
322…酸化剤ガス排出マニホールド形成部
331…燃料ガス供給マニホールド形成部
332…燃料ガス排出マニホールド形成部
341…冷却媒体供給マニホールド形成部
342…冷却媒体排出マニホールド形成部
351…リブ
352…酸化剤ガス流路
361…リブ
370…壁部
400…アノード側セパレータ
421…酸化剤ガス供給マニホールド形成部
422…酸化剤ガス排出マニホールド形成部
431…燃料ガス供給マニホールド形成部
432…燃料ガス排出マニホールド形成部
441…冷却媒体供給マニホールド形成部
442…冷却媒体排出マニホールド形成部
451…リブ
452…燃料ガス流路
514…酸化剤ガス流通部
521…酸化剤ガス供給マニホールド形成部
522…酸化剤ガス排出マニホールド形成部
531…燃料ガス供給マニホールド形成部
532…燃料ガス排出マニホールド形成部
541…冷却媒体供給マニホールド形成部
542…冷却媒体排出マニホールド形成部
614…MEGA固定部
621…酸化剤ガス供給マニホールド形成部
622…酸化剤ガス排出マニホールド形成部
631…燃料ガス供給マニホールド形成部
632…燃料ガス排出マニホールド形成部
641…冷却媒体供給マニホールド形成部
642…冷却媒体排出マニホールド形成部
714…燃料ガス流通部
721…酸化剤ガス供給マニホールド形成部
722…酸化剤ガス排出マニホールド形成部
731…燃料ガス供給マニホールド形成部
732…燃料ガス排出マニホールド形成部
741…冷却媒体供給マニホールド形成部
742…冷却媒体排出マニホールド形成部
801…シール部

Claims (13)

  1. カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、前記カソード側セパレータと前記アノード側セパレータとに挟まれた発電体と、を有する燃料電池に用いられる、燃料電池用フレームであって、
    前記カソード側セパレータに接する第1セパレータ側接着層を有する、熱可塑性樹脂製の第1フレーム部と、
    前記アノード側セパレータに接する第2セパレータ側接着層を有する、熱可塑性樹脂製の第2フレーム部と、
    前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とに挟まれ、前記発電体の周縁部と接する第3フレーム部と、
    を備え
    前記第1フレーム部と前記第3フレーム部とのうち、少なくとも一方に、前記第1フレーム部と前記第3フレーム部とを接着するための第1のフレーム部間接着層が形成され、
    前記第2フレーム部と前記第3フレーム部とのうち、少なくとも一方に、前記第2フレーム部と前記第3フレーム部とを接着するための第2のフレーム部間接着層が形成されている、燃料電池用フレーム。
  2. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第1のフレーム部間接着層の溶融温度は、前記第1セパレータ側接着層の溶融温度よりも低い、燃料電池用フレーム。
  3. 請求項または請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、
    前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第1のサブフレーム間接着層が形成され、
    前記第1のサブフレーム間接着層の溶融温度は、前記第1のフレーム部間接着層の溶融温度よりも低い、燃料電池用フレーム。
  4. 請求項から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第2のフレーム部間接着層の溶融温度は、前記第2セパレータ側接着層の溶融温度よりも低い、燃料電池用フレーム。
  5. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、
    前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第2のサブフレーム間接着層が形成され、
    前記第2のサブフレーム間接着層の溶融温度は、前記第2のフレーム部間接着層の溶融温度よりも低い、燃料電池用フレーム。
  6. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    熱可塑性樹脂を溶融させるためのレーザー光のレーザー吸収率であって前記第1のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率は、前記第1セパレータ側接着層のレーザー光吸収率よりも高い、燃料電池用フレーム。
  7. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、
    前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第3サブフレーム間接着層が形成され、
    前記第3サブフレーム間接着層のレーザー光吸収率は、前記第1のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高い、燃料電池用フレーム。
  8. 請求項から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第2のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率は、前記第2セパレータ側接着層のレーザー光吸収率よりも高い、燃料電池用フレーム。
  9. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第3フレーム部は、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部と前記第3フレーム部との積層方向に沿って積層された熱可塑性樹脂製の複数のサブフレームからなり、
    前記複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームには、隣接するサブフレームと接着するための第4サブフレーム間接着層が形成され、
    前記第4サブフレーム間接着層のレーザー光吸収率は、前記第2のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高い、燃料電池用フレーム。
  10. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第1セパレータ側接着層のレーザー光吸収率は、前記第1のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高い、燃料電池用フレーム。
  11. 請求項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第2セパレータ側接着層のレーザー光吸収率は、前記第2のフレーム部間接着層のレーザー光吸収率よりも高い、燃料電池用フレーム。
  12. 請求項から請求項11までのいずれか一項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第1のフレーム部間接着層は、前記第1フレーム部に形成されている、燃料電池用フレーム。
  13. 請求項から請求項12までのいずれか一項に記載の燃料電池用フレームにおいて、
    前記第2のフレーム部間接着層は、前記第2フレーム部に形成されている、燃料電池用フレーム。
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