JP5181695B2 - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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この発明は、燃料電池用膜電極接合体に関する。
燃料電池は、通常、電解質膜を2つの電極によって挟持した発電体(膜電極接合体)を備える。また、膜電極接合体の2つの電極と電解質膜との間には、燃料電池反応を促進するための触媒が担持された触媒層が設けられる(特許文献1等)。
特開2006−278073号公報 特開2005−222894号公報 特開昭63−218164号公報
燃料電池では、膜電極接合体における電解質膜と電極との間の接合性を向上させることによって接触抵抗を低減し、その発電効率を向上させることが要求されている。そのため、膜電極接合体の製造工程においては、例えば、電解質膜及び電極を加熱するとともに加圧して接合するホットプレス法などが採用されてきた。
しかし、ホットプレス法によって過度に高温まで加熱した場合や、過度に加圧した場合には、電解質膜や触媒層が劣化してしまう場合があった。電極と電解質膜との接合工程における膜電極接合体の劣化は、ホットプレス法による接合工程に限られた問題ではなく、他の方法による接合工程においても共通する問題であった。しかし、これまでこうした問題に対して十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、膜電極接合体の劣化を抑制しつつ、電解質膜と電極との接合性を向上する技術を提供することを目的とする。
[適用例1]燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
(a)電解質膜を準備する工程と、
(b)前記電解質膜の第1の表面に触媒を担持した触媒層を設ける工程と、
(c)前記電解質膜の前記第1の表面と対向する第2の表面側から、前記電解質膜と前記触媒層とに挟まれた境界領域に到達する波動を照射して前記境界領域を加熱することによって、前記電解質膜と前記触媒層とを接合する工程とを備える、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、電解質膜と触媒層との接触界面を含む境界領域を局所的に加熱して電解質膜と触媒層とを接合できる。従って、膜電極接合体の劣化を抑制しつつ、電解質膜と電極との接合性を向上できる。
[適用例2]適用例1記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、前記波動は、レーザ光である、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、電解質膜を透過するレーザ光によって触媒層の電解質膜との接触面を発熱させることができるため、電解質膜と触媒層との接触界面を局所的に加熱することができる。従って、膜電極接合体の劣化を抑制しつつ、電解質膜と電極との接合性を向上できる。
[適用例3]適用例1記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、前記波動は、超音波である、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、超音波を電解質膜と触媒層との接触界面まで到達させて接触界面を局所的に加熱することができる。従って、膜電極接合体の劣化を抑制しつつ、電解質膜と電極との接合性を向上できる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、前記境界領域には、前記電解質膜よりガラス転移温度が低い電解質によって形成された中間電解質層が設けられている、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、中間電解質層を接着層として電解質膜と触媒層とを熱融着することができる。また、電解質膜のガラス転移温度より低い温度で熱融着できるため、電解質膜の加熱による劣化及び構造の変化を抑制できる。従って、膜電極接合体の劣化を抑制しつつ、電解質膜と電極との接合性を向上できる。
[適用例5]適用例4記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、前記中間電解質層は内部に水分を含み、前記波動は前記水分を加熱するマイクロ波である、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、マイクロ波を照射することによって中間電解質層の水分を加熱することによって、中間電解質層を軟化させて接着層として機能させ、電解質膜と触媒層との接合度を向上させることができる。従って、膜電極接合体の劣化を抑制しつつ、電解質膜と電極との接合性を向上できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。この燃料電池100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電を行う固体高分子型燃料電池である。なお、燃料電池100としては、固体高分子型燃料電池でなくとも良く、任意の種々のタイプの燃料電池に本発明を適用することが可能である。
燃料電池100は、複数の発電モジュール110が積層された、いわゆるスタック構造を有する。発電モジュール110は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10を挟持する2つのセパレータ20,30とを備えている。膜電極接合体10は、アノード12及びカソード13によって挟持された電解質膜11を備える発電体である。
電解質膜11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す高分子薄膜である。具体的には、電解質膜11は、イオン伝導性を実現するイオン交換基としてスルホン酸基を備え、ペルフルオロカーボンスルホン酸ポリマとして構成される樹脂(例えば、ナフィオン、デュポン社製)を採用することが可能である。
アノード12及びカソード13はそれぞれ、電解質膜11と接する外面に、発電反応を促進するための触媒層14を有しており、電解質膜11と接しない外面に、供給された反応ガスを全面に行き渡らせるためのガス拡散層15を有している。なお、触媒層14の触媒としては、例えば、白金(Pt)を用いることができる。また、ガス拡散層15としては、例えば、カーボンペーパを用いることができる。
2つのセパレータ20,30は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。アノードセパレータ20は、膜電極接合体10のアノード12側に配置され、カソードセパレータ30は、膜電極接合体10のカソード13側に配置される。2つのセパレータ20,30のそれぞれには、電極(アノード12又はカソード13)と接する面側に、水素又は酸素を誘導するためのガス流路21,31が設けられている。
ガス流路21,31は、発電に供される発電領域全体に渡って併走する複数の流路溝として構成されている。反応ガスは、セパレータ20,30のガス流路21,31を介して各電極12,13に供給される。これによって、電解質膜11の膜中の水分を介してプロトンが伝導するとともに、各電極12,13において電気化学反応が生じて、膜電極接合体10は発電する。なお、2つのセパレータ20,30は、他の構成であっても良く、例えば、多層構造を有するセパレータであっても良い。また、セパレータ20,30と電極12,13との間にはガス流路及び導電パスとして機能する導電性を有する多孔質部材が配置されるものとしても良い。
ところで、燃料電池では一般に、各膜電極接合体における電解質膜と電極との接合性を向上させることによって、その接触抵抗を低減し、燃料電池の発電効率を向上させることができる。そこで、本実施例では、膜電極接合体10における電解質膜11とカソード13との接合性を向上させるために、膜電極接合体10を以下に説明する工程によって製造する。
図2〜図3は、本実施例における膜電極接合体の製造工程を工程順に説明するための説明図である。図2(A)は、電解質膜11を準備する工程を示す模式図である。電解質膜11の厚みは数μm程度であるものとしても良い。
図2(B)は、カソード側の触媒層14の形成工程を示す模式図である。この工程では、電解質膜11のカソード側となる一方の表面に、水溶性溶媒または有機溶媒に触媒担持カーボンを分散させた触媒インクをスプレー200によって直接的に塗布し、乾燥させることによって触媒層14を設ける。
図3(A)は、電解質膜11と触媒層14とのレーザー光照射による熱融着工程を示す模式図である。この工程ではまず、図2(B)の工程で触媒層14が設けられた電解質膜11を、その両側から第1と第2のプレス板301,302によって挟持して加圧する。なお、電解質膜11側に配置される第1のプレス板301は、レーザ光を透過可能なガラス板などで構成されている。
次に、電解質膜11及び触媒層14を積層方向に加圧した状態で、レーザ光源装置400によって、第1のプレス板301側から電解質膜11の全面に渡って略均一にレーザ光を照射する。ここで、電解質膜11は一般に透明性が高いため、レーザ光は電解質膜11を透過する。従って、レーザ光によって触媒層14の電解質膜11と接触する表面が発熱して、電解質膜11と触媒層14との接触界面の温度を上昇させることができる。なお、触媒層14表面におけるレーザ光による発熱を確認するために、本発明の発明者は以下のような実験を行った。
図4(A)〜(D)は、触媒層14の表面におけるレーザ光による発熱を確認するための実験を説明するための説明図である。図4(A)は、積層体500の積層方向の一方の面から、レーザ光源装置400によって、積層方向に沿ってレーザ光を照射している状態を模式的に示している。この実験では、試料の熱拡散率や熱伝導率を計測するために行われるレーザーフラッシュ法と同様に、積層体500の片面をパルスレーザの均一照射によって瞬間加熱する。
積層体500は、電解質膜11の両面に触媒層14を設けた実験用膜電極接合体10Aの一方の面にガス拡散層510と多孔体520とセパレータ530とを順に積層したものである。即ち、積層体500は、一般的な燃料電池の構成の一部を模式的に再現したものである。なお、多孔体520は、例えば、カーボン焼結体や、多孔質金属など、一般に燃料電池において反応ガスの流路を構成するガス流路部材である。
図4(B)は、レーザ光が照射された触媒層14と対向する面上の観測点S1における温度変化を示すグラフである。観測点S1では、レーザ光による瞬間加熱の後の時刻t1において最大温度Tm1が計測されている。なお、グラフには最大温度Tm1の半分の値であるTm1/2に到達するまでに要する時刻(ハーフタイム)をth1として示してある。
図4(C)は、比較のための実験を説明するための模式図である。図4(C)は、積層体500Aの一方の面から、レーザ光源装置400によって、積層方向に沿ってレーザ光を照射している状態を模式的に示している。図4(C)は、積層体500Aが実験用膜電極接合体10Aを有していない点以外は図4(A)とほぼ同じである。即ち、この比較実験では、図4(A)の実験と同様にレーザ光源装置400のレーザ光照射によって、積層体500Aのガス拡散層510側の面から積層体500Aを瞬間加熱する。
図4(D)は、積層体500Aのセパレータ530の外表面上にある観測点S2における温度変化を示すグラフである。観測点S2では、レーザ光による瞬間加熱の後の時刻t2において最高温度Tm2が計測されている。なお、グラフには、最大温度Tm2のハーフタイムをth2として示してある。
図4(B)及び図4(D)のグラフを比較すると、実験用膜電極接合体10Aを有する積層体500の方がハーフタイムが長い(th1>th2)。積層体500ではレーザ光の照射によって実験用膜電極接合体10Aが発熱しているため、このようなハーフタイムの差が生じているものと推定できる。また、上述したように、一般に電解質膜11はレーザ光を透過する性質を有するため、レーザ光照射による実験用膜電極接合体10Aの発熱は、触媒層14の電解質膜11との接触面における発熱であると推定される。
図3(B)は、図3(A)の工程の後に、2つのプレス板301,302から取り外された電解質膜11と触媒層14とを示す模式図である。レーザ光照射によって触媒層14の電解質膜11との接触面が発熱し、電解質膜11と触媒層14との接触界面が熱融着される。従って、電解質膜11と触媒層14との接合性が向上する。
ここで、レーザ光照射による発熱量は、電解質膜11の触媒層14との接触面を、電解質膜11のガラス転移温度程度まで昇温させて軟化させることができる程度であることが好ましい。例えば、電解質膜11として、面積が約200cm2程度、密度が約2170kg/m3程度、比熱が約0.96kJ/kg・K程度、ガラス転移温度が約110℃であるものを想定する。すると、電解質膜11の触媒層14側の面の厚み5μm程度を、室温(約30℃)から約110℃まで昇温させるために、レーザ光の照射によって、約16Jの熱量を発生させることが好ましい。なお、この場合には、レーザ光源装置400として、ルビーレーザ(6J/Pulse以上)を用いることができる。
上記工程の後、電解質膜11のアノード側となる面に触媒層14を、図2(B)の工程と同様に形成し、アノード側及びカソード側のそれぞれの触媒層14の外表面にガス拡散層15を配置することによって膜電極接合体10を形成することができる(図1)。なお、膜電極接合体10を2つのセパレータ20,30で挟持して発電モジュール110を構成し、さらに、複数の発電モジュール110を積層することによって燃料電池100を構成することができる。
このように、本実施例の工程によれば、レーザ光照射によって電解質膜11とカソード側の触媒層14との接触界面を局所的に加熱することができるため、電解質膜11及び触媒層14の加熱による劣化を抑制しつつ、両者の接合度を向上することができる。従って、電解質膜11及び触媒層14の全体を加熱して接合する場合に比較して、電解質膜11及び触媒層14の耐久性を向上させることができる。
また、加熱・加圧による電解質膜11の構造変化が抑制されるため、電解質膜11中の水分の移動経路(水パス)を良好な状態で保持することができ、電解質膜11におけるプロトン伝導性を向上させることができる。従って、燃料電池の発電効率を向上することができる。
B.第2実施例:
図5〜図6は、本発明の第2実施例としての膜電極接合体の製造工程を工程順に説明するための説明図である。なお、第2実施例の製造工程は、以下に説明する点以外は、第1実施例の製造工程と同様である。
図5(A)は、電解質膜11の準備工程を示している。この第2実施例では、電解質膜11の一方の面に液体電解質をスプレー200によって塗布・乾燥させて、中間電解質層16を形成する。
図5(B)は、カソード側の触媒層14の形成工程を示す模式図である。図5(B)は、電解質膜11と触媒層14との間に中間電解質層16が追加されている点以外は、図2(B)とほぼ同じである。即ち、この工程では、中間電解質層16の外表面に触媒層14がスプレー塗布によって形成される。
図6(A)は、電解質膜11と中間電解質層16と触媒層14とのレーザー光照射による熱融着工程を示す模式図である。図6(A)は、中間電解質層16が追加されている点以外は、図3(A)とほぼ同じである。レーザ光源装置400からのレーザ光は、電解質膜11及び中間電解質層16を透過するため、触媒層14の中間電解質層16との接触面が発熱する。これによって、中間電解質層16をそのガラス転移温度程度まで昇温して軟化させることができる。
図6(B)は、図6(A)の工程の後に、2つのプレス板301,302から取り外した電解質膜11及び中間電解質層16、触媒層14とを示す模式図である。レーザ光の照射による発熱によって軟化した中間電解質層16は、その一部が電解質膜11及び触媒層14のそれぞれの接触面の凹部に侵入して硬化する。即ち、この第2実施例では、中間電解質層16を接着層として機能させ、いわゆるアンカー効果によって、電解質膜11と触媒層14との接合性を向上させることができる。
なお、中間電解質層16を構成する電解質は、電解質膜11及び触媒層14よりガラス転移温度が低いものを採用することが好ましい。これによって、電解質膜11及び触媒層14の加熱による劣化及びその構造変化をさらに抑制することができる。
C.第3実施例:
図7〜図8は、本発明の第3実施例としての膜電極接合体の製造工程を工程順に説明するための説明図である。なお、第3実施例の製造工程は、以下に説明する点以外は、第2実施例の製造工程と同様である。
図7(A)は、電解質膜11の準備工程を示しており、中間電解質層16に換えて含水状態にある含水中間電解質層16wが設けられている点以外は、図5(A)とほぼ同じである。含水中間電解質層16wは、第2実施例の中間電解質層16の内部に水分を含ませたものである。
図7(B)は、カソード側の触媒層14の形成工程を示す模式図である。この工程では、触媒層14が一方の面に形成されたテフロンシート600を予め準備しておき、触媒層14が含水中間電解質層16wと接するように、テフロンシート600と電解質膜11とを重ねる。これによって、触媒層14を含水中間電解質層16wへと転写可能な状態とする。
図8(A)は、触媒層14の中間電解質層16への転写工程を示す模式図である。この工程では、2つのプレス板302によって、前工程において積層配置された電解質膜11、含水中間電解質層16w、触媒層14、テフロンシート600を外側から挟持して加圧する。この状態で、電解質膜11の側から含水中間電解質層16wに向かって、水分子を共振させて加熱可能なマイクロ波(例えば、2.45GHz程度の周波数のマイクロ波)を照射する。これによって、含水中間電解質層16wの内部に含まれる水分を加熱して、含水中間電解質層16wをそのガラス転移温度まで昇温させる。
図8(B)は、図8(A)の工程の後に、2つのプレス板302及びテフロンシート600を取り外した状態を示す模式図であり、図6(B)とほぼ同じである。なお、含水中間電解質層16wの内部に存在した水分は前工程において除去されるため、第2実施例と同様な中間電解質層16として示してある。
この第3実施例の製造方法によれば、含水中間電解質層16wをマイクロ波によって直接加熱することが可能である。従って、電解質膜11及び触媒層14の加熱による劣化及びその構造変化をさらに抑制することが可能である。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、電解質膜11とカソード側の触媒層14との接合度を向上していたが、同様の方法により、電解質膜11とアノード側の触媒層14との接合度を向上するものとしても良い。ただし、以下の理由により、電解質膜11とカソード側の触媒層14との接合度を向上させる方が好ましい。
一般に、発電中の燃料電池では、カソード側に大量の水分が発生する。電解質膜11とカソード側の触媒層14との接合度を向上すれば、その接触界面におけるエネルギ障壁を低下させ、カソード側に発生する水分の電解質膜11内部への移動度を向上させることができる。従って、燃料電池100における濃度過電圧の発生を抑制し、発電効率を向上させることができる。ここで、「濃度過電圧」とは、発電の際に燃料電池反応によってカソード側に発生した大量の水分が、カソードと電解質膜との接触界面に滞留することによって、カソード側における反応ガスの流れを阻害し、燃料電池の電圧を降下させる現象を言う。
D2.変形例2:
上記第1実施例において、レーザ光の照射によって電解質膜11と触媒層14との接触界面を加熱していたが、レーザ光以外の波動の照射によって加熱するものとしても良い。例えば、レーザ光に換えて超音波を照射するものとしても良い。この場合には、超音波による共振によって電解質膜11と触媒層14との間の領域が加熱されるように、電解質膜11の膜厚を考慮して、当該領域へ超音波が到達可能な周波数を設定することが好ましい。
また、膜電極接合体10の一方の触媒層14を第1実施例と同様にレーザ光照射による加熱・接合した後に、他方の触媒層14を上述したように超音波によって加熱・接合するものとしても良い。このようにすれば、電解質膜11及び触媒層14の劣化を抑制しつつ、アノード側及びカソード側のいずれにおいても電解質膜11と触媒層14との接合度を向上させることができる。
燃料電池の構成を示す概略断面図。 第1実施例における電解質膜準備工程及び触媒層形成工程を示す模式図。 第1実施例における電解質膜と触媒層との接合工程を示す模式図。 レーザ光照射による触媒層表面の発熱を確認する実験を説明するための説明図。 第2実施例における電解質膜準備工程及び触媒層形成工程を示す模式図。 第2実施例における電解質膜と触媒層との接合工程を示す模式図。 第3実施例における電解質膜準備工程及び触媒層形成工程を示す模式図。 第3実施例における電解質膜への触媒層の転写工程を示す模式図。
符号の説明
10…膜電極接合体
10A…実験用膜電極接合体
11…電解質膜
12…アノード
13…カソード
14…触媒層
15…ガス拡散層
16…中間電解質層
16w…含水中間電解質層
20,30…セパレータ
21,31…ガス流路
100…燃料電池
110…発電モジュール
200…スプレー
301…第1のプレス板
302…第2のプレス板
400…レーザ光源装置
500,500A…積層体
510…ガス拡散層
520…多孔体
530…セパレータ
600…テフロンシート

Claims (5)

  1. 燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    (a)電解質膜を準備する工程と、
    (b)前記電解質膜の第1の表面に触媒を担持した触媒層を設ける工程と、
    (c)前記電解質膜の前記第1の表面と対向する第2の表面側から、前記電解質膜と前記触媒層とに挟まれた境界領域に到達する波動を照射して前記境界領域を加熱することによって、前記電解質膜と前記触媒層とを接合する工程と、
    を備え
    前記波動はレーザ光である、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  2. 請求項1記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    前記境界領域には、前記電解質膜よりガラス転移温度が低い電解質によって形成された中間電解質層が設けられている、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  3. 燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    (a)電解質膜を準備する工程と、
    (b)前記電解質膜の第1の表面に触媒を担持した触媒層を設ける工程と、
    (c)前記電解質膜の前記第1の表面と対向する第2の表面側から、前記電解質膜と前記触媒層とに挟まれた境界領域に到達する波動を照射して前記境界領域を加熱することによって、前記電解質膜と前記触媒層とを接合する工程と、
    を備え、
    前記境界領域には、前記電解質膜よりガラス転移温度が低い電解質によって形成された中間電解質層が設けられている、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  4. 請求項記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    前記中間電解質層は内部に水分を含み、前記波動は前記水分を加熱するマイクロ波である、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  5. 請求項3記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    前記波動は、超音波である、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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