JP6224675B2 - 燃料電池スタックの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個の単位セルが積層されることで積層体として構成される燃料電池スタックの製造方法に関する。
燃料電池は、カソード電極及びアノード電極で電解質膜(例えば、固体高分子電解質膜)を挟んだ電解質・電極構造体が1組のセパレータ間に介在される単位セルを備える。この単位セルが複数個積層されることにより、燃料電池スタックとして構成される。ここで、燃料電池スタックには、カソード電極に酸化剤ガスが供給される一方、アノード電極に燃料ガスが供給される。これらの反応ガスが外部に漏出することを防止するべく、電解質・電極構造体の外縁部にガスケットが組み込まれる。さらに、電解質・電極構造体とガスケットが接着剤を介して接合され、これによりシールがなされる。
また、特許文献1には、電解質膜の外縁部とセパレータをシート状両面接着剤によって接合し、これによりシールを行うことが記載されている。すなわち、この場合、電解質膜をカソード電極及びアノード電極に比して大面積とし、該電解質膜の外縁部をカソード電極及びアノード電極から露呈させる。そして、この露呈した外縁部とセパレータの間にシート状両面接着剤を介在させ、この状態で、外縁部をセパレータ同士の間に挟むようにしている。
特開平9−289029号公報
接着剤としては、通常、熱硬化性樹脂が採用される。しかしながら、この場合、タクトタイムが長いという不都合がある。一方、熱可塑性樹脂を接着剤として用いると、タクトタイムを短縮することが可能ではあるものの、燃料電池スタックを運転する際に軟化する懸念がある。このような事態が生じると、軟化した接着剤が反応ガス流路に侵入し、圧力損失が大きくなる原因となる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、タクトタイムを短縮することが可能であり、しかも、圧力損失が大きくなることを回避し得、さらに、運転の際に反応ガスが漏洩する懸念を払拭し得る燃料電池スタックの製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、電解質膜をアノード電極及びカソード電極で挟んだ電解質・電極構造体が1組のセパレータ間に介在される単位セルを備え、複数個の前記単位セルが積層されて構成される燃料電池スタックにおいて、
前記電解質膜は、前記アノード電極及び前記カソード電極に比して大面積であり、その外縁部が前記アノード電極及び前記カソード電極から露呈し、
前記電解質膜の、前記アノード電極及び前記カソード電極から露呈した前記外縁部が、前記セパレータの凸部の、親水性を示す親水部位に直接接合していることを特徴とする。
すなわち、本発明においては、電解質膜の外縁部を、接着剤を介在することなくセパレータに直接接合している。このため、接着剤を塗布する工程や、該接着剤を硬化させる工程が不要となる。この分、単位セルを得るまでのタクトタイムを短縮することができる。従って、単位セルを積層した燃料電池スタックの生産効率の向上を図ることもできる。
しかも、熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いる必要がないので、燃料電池スタックを運転中に電解質膜の外縁部とセパレータとの間が軟化することが回避される。このため、軟化した接着剤が反応ガス流路に侵入することや、このことに起因して圧力損失が大きくなることがない。その上、電解質膜の外縁部とセパレータとの間から反応ガスが漏洩する懸念を払拭し得る。
また、本発明は、電解質膜をアノード電極及びカソード電極で挟んだ電解質・電極構造体が1組のセパレータ間に介在される単位セルを複数個積層して燃料電池スタックを得る燃料電池スタックの製造方法において、
電解質膜の面積を、前記アノード電極及び前記カソード電極に比して大きく設定し、前記電解質・電極構造体を、該電解質膜の外縁部が前記アノード電極及び前記カソード電極から露呈するように作製する工程と、
前記セパレータの少なくとも凸部に対して親水化表面処理を施すことで親水部位を形成する工程と、
前記電解質膜の、前記アノード電極及び前記カソード電極から露呈した前記外縁部を、前記親水部位の間に挟持して前記凸部の裏面を押圧することにより、前記外縁部と前記1組のセパレータの前記凸部を直接接合する工程と、
を有することを特徴とする。
このような作業を行うことにより、セパレータの親水部位に対して電解質膜の外縁部を直接接合することができる。従って、単位セルを積層した燃料電池スタックの生産効率の向上を図ることができるとともに、該燃料電池スタックを運転中に電解質膜の外縁部とセパレータとの間から反応ガスが漏洩する懸念が払拭される。
セパレータにおける接合部位は、親水部位である。親水部位は、例えば、親水性基が存在することで親水性を示す。この種の親水性基としては、水酸基又はカルボキシル基が例示される。なお、水酸基又はカルボキシル基を設けるには、セパレータの表面に紫外線又はプラズマのいずれかを照射すればよい。
さらに、電解質膜は、その表面に親水性基が存在するものが好ましい。この場合、該親水性基と、セパレータの親水部位の親水性基とが、例えば、水素結合を介して結合する。このため、セパレータと電解質膜との接合力が大きくなるので、反応ガスが漏洩することを一層有効に回避することができる。
本発明によれば、セパレータに設けた親水部位に、電解質膜の、アノード電極及びカソード電極から露呈した外縁部を直接接合するようにしている。このために接着剤を用いる必要がないので、燃料電池スタックを得るまでのタクトタイムが短縮される。
しかも、熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いないので、燃料電池スタックの運転中、電解質膜の外縁部とセパレータとの接合部が軟化することが回避される。このため、反応ガス流路の圧力損失が大きくなることが回避されるとともに、電解質膜の外縁部とセパレータとの間から反応ガスが漏洩する懸念が払拭される。
本実施の形態に係る燃料電池スタックの、反応ガスの流通方向に直交する方向に沿って切断した要部断面図である。 図1の燃料電池スタックを構成する第1セパレータの概略正面図である。 電解質膜の外縁部とセパレータを接合するための押圧装置の要部概略斜視図である。 電解質膜の外縁部とセパレータとを接合している状態を示す要部縦断面図である。 別の形態に係る押圧装置の要部概略斜視図である。
以下、本発明に係る燃料電池スタックにつき、その製造方法との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る燃料電池スタック10の、酸化剤ガス及び燃料ガス(反応ガス)の流通方向に直交する方向に沿って切断した要部断面図である。この燃料電池スタック10は、複数個のセルユニット12が積層されて構成される。
1つのセルユニット12は、第1単位セル14aと第2単位セル14bを含む。この中の第1単位セル14aは、カソード電極16とアノード電極18とで電解質膜20を挟んで構成される電解質・電極構造体22と、この電解質・電極構造体22を挟持する第1セパレータ24、第2セパレータ26とで構成される。一方、第2単位セル14bは、第2セパレータ26と第3セパレータ28で電解質・電極構造体22を挟んで構成される。すなわち、第2セパレータ26は、第1単位セル14aの構成要素であり且つ第2単位セル14bの構成要素でもある。
カソード電極16及びアノード電極18は、それぞれ、電解質膜20側に臨む電極触媒層と、該電極触媒層に接合されたガス拡散層とを有する。このようなカソード電極16及びアノード電極18の構成は公知であることから、ここでは図示及び詳細な説明を省略する。
また、電解質膜20は、プロトンを伝導可能な固体高分子(樹脂)からなる。このような樹脂としては、例えば、スルホン酸基を有するナフィオン(デュポン社の商品名)等が挙げられる。周知の通り、スルホン酸基は親水性基である。又は、炭化水素化合物からなるものであってもよい。
電解質膜20は、カソード電極16及びアノード電極18に比して大面積に設定されている。このため、電解質膜20の外縁部は、カソード電極16及びアノード電極18から露呈する。
図2は、第1セパレータ24の正面図である。第1セパレータ24の左上隅角部には、酸化剤ガスを流通させるための第1ガス入口通路30が設けられている。一方、その対角位置である右下隅角部には、使用済の酸化剤ガスを流通させるための第1ガス出口通路32が設けられている。同様に、右上隅角部には燃料ガスを通過させるための第2ガス入口通路34が設けられ、その対角位置である左下隅角部には、使用済の燃料ガスを通過させるための第2ガス出口通路36が設けられている。第1セパレータ24には、さらに、第1ガス入口通路30と第2ガス出口通路36の間に冷媒入口通路38が設けられるとともに、第2ガス入口通路34と第1ガス出口通路32との間に冷媒出口通路40が設けられる。
なお、図2中の仮想線は、親水化表面処理が施されて電解質膜20が接合される部位を示す。以下、この部位を「親水部位」と表記し、その参照符号を42とする。
この場合、親水部位42には親水基が存在する。親水基の代表的な具体例としては、水酸基(−OH基)やカルボキシル基(−COOH基)が挙げられる。後述するように、この種の親水基は、紫外線照射やプラズマ照射によって設けられる。
第2セパレータ26及び第3セパレータ28にも、第1セパレータ24と同位置に第1ガス入口通路30、第1ガス出口通路32、第2ガス入口通路34、第2ガス出口通路36、冷媒入口通路38及び冷媒出口通路40が設けられる。
そして、第1セパレータ24におけるカソード電極16に対向する面には、該カソード電極16に酸化剤ガスを供給・排出するために山部と谷部を交互に形成した波状の第1通路形成部44が延在している。図1に示すように、第1通路形成部44の谷部の平坦な頂面は、カソード電極16から離間して中空部を形成している。酸化剤ガスは、この中空部を流通する。なお、山部の平坦な頂面は、カソード電極16に当接する。
第2セパレータ26にも、山部と谷部を交互に形成した波状の第2通路形成部46が設けられている。該第2通路形成部46の谷部の平坦な頂面はアノード電極18に当接し、山部の平坦な頂面は第2単位セル14bのカソード電極16に当接する。従って、山部とアノード電極18との間、谷部と第2単位セル14bのカソード電極16との間のそれぞれに中空部が形成される。前者の中空部には燃料ガスが流通し、後者の中空部には酸化剤ガスが流通する。
さらに、第3セパレータ28にも、山部と谷部を交互に形成した波状の第3通路形成部48が設けられている。第3通路形成部48の谷部の平坦な頂面は第2単位セル14bのアノード電極18に当接し、山部の平坦な頂面は、別のセルユニット12を構成する第1単位セル14aの第1セパレータ24の谷部の頂面に当接する。山部とアノード電極18との間に形成される中空部には、燃料ガスが流通する。
その一方で、第3セパレータ28の谷部と、第1単位セル14aの第1セパレータ24の山部との間に、比較的大容積の中空部が形成される。この中空部には、冷却媒体が流通する。
以上の第1セパレータ24、第2セパレータ26及び第3セパレータ28はいずれも、鉄系金属材であるSUS304やSUS316等のステンレス鋼で構成されている。なお、第1セパレータ24、第2セパレータ26及び第3セパレータ28の素材は、他の金属材、例えば、チタン系金属等であってもよいし、カーボン材であってもよい。
そして、図1に示すように、第1単位セル14aの電解質膜20の、カソード電極16及びアノード電極18から露呈した外縁部20aは、第1セパレータ24の凸部先端と第2セパレータ26の凸部先端の間、すなわち、親水部位42、42同士の間に挟まれる。また、第2単位セル14bの電解質膜20の、カソード電極16及びアノード電極18から露呈した外縁部20bは、第2セパレータ26の凸部先端と第3セパレータ28の凸部先端の間、すなわち、親水部位42、42同士の間に挟まれる。
あるセルユニット12において、第1単位セル14aの電解質膜20の被挟持部位50aは、第2単位セル14bの電解質膜20の被挟持部位50bに比してカソード電極16及びアノード電極18に近接する。これに対し、該セルユニット12に隣接する別のセルユニット12では、上記とは逆に、第1単位セル14aの電解質膜20の被挟持部位50aが、第2単位セル14bの電解質膜20の被挟持部位50bに比してカソード電極16及びアノード電極18から離間する。
電解質膜20、20の被挟持部位50a、50b(外縁部20a、20b)は、第1セパレータ24、第2セパレータ26及び第3セパレータ28の各親水部位42に対して直接接合している。すなわち、被挟持部位50a、50bと、第1セパレータ24、第2セパレータ26、第3セパレータ28との間には接着剤等が介在していない。そして、この接合により、被挟持部位50a、50b(電解質膜20)と、第1セパレータ24、第2セパレータ26、第3セパレータ28における各親水部位42との間のシールがなされる。
上記したように、親水部位42には、水酸基やカルボキシル基等の親水性基が存在する。一方、電解質膜20は、例えば、スルホン酸基等の親水性基を有する樹脂からなる。これらの親水性基同士の間には、水素結合等の化学結合が生じる。その結果として、接着剤を介在させることなく、電解質膜20、20の各被挟持部位50a、50bと、第1セパレータ24、第2セパレータ26、第3セパレータ28とが接合する。
なお、第2単位セル14bの第3セパレータ28と、別のセルユニット12を構成する第1単位セル14aの第1セパレータ24との間は、シール材52によってシールがなされる。又は、シール材52を用いることなく、第3セパレータ28と第1セパレータ24とを溶接等で直接接合するようにしてもよい。
次に、上記の燃料電池スタック10の製造方法につき説明する。
第1セパレータ24は、例えば、上記したようなステンレス鋼からなる金属板を打ち抜くプレス加工等により、成形品として得られる。この第1セパレータ24に対し、親水化表面処理を施す。具体的な親水化表面処理の手法としては、紫外線照射が挙げられる。
本実施の形態においては、親水化表面処理により、図2に仮想線で示す所定箇所に親水性基を設ける。このためには、第1セパレータ24に対し、親水部位42を形成する箇所以外をマスクする。次に、この状態の第1セパレータ24を紫外線照射装置内に導入し、紫外線を照射する。紫外線としては、極短波長の真空紫外線が好適である。
紫外線が照射された部位には、親水性基である水酸基やカルボキシル基等が生成する。すなわち、紫外線が照射された部位が親水部位42となる。
紫外線照射に代替し、プラズマ照射を行うようにしてもよい。この照射を行うための装置は大気プラズマ装置であってもよいし、O2プラズマ装置であってもよい。この場合においても紫外線照射と同様に、プラズマが照射された部位に水酸基やカルボキシル基等が生成する。すなわち、親水部位42が形成される。
第2セパレータ26及び第3セパレータ28に対しても同様にして、親水部位42を設ける。これにより、親水部位42を有する第1セパレータ24、第2セパレータ26及び第3セパレータ28が得られる。
その一方で、電解質・電極構造体22を作製する。すなわち、カソード電極16及びアノード電極18の各ガス拡散層に比して大面積となるように樹脂材を切断し、電解質膜20を得る。必要に応じ、電解質膜20に対して親水化表面処理を施すようにしてもよい。親水化表面処理は、上記と同様に紫外線やプラズマを照射することで行うことができる。なお、電解質膜20が親水性基を有する高分子(例えば、ナフィオン等)である場合には、親水化表面処理を行う必要は特にないが、行っても差し支えはない。
次に、例えば、デカール法によって電解質膜20の両面に電極触媒層を転写した後、前記ガス拡散層を電極触媒層に接合する。その結果、電解質膜20の外縁部がカソード電極16及びアノード電極18から露呈した電解質・電極構造体22が得られる。
以上のようにして得られた第1セパレータ24、電解質・電極構造体22、第2セパレータ26、電解質・電極構造体22、第3セパレータ28を積層して積層体60を組み立て、例えば、ベルトコンベア(図示せず)によって図3に示す押圧装置62まで搬送する。勿論、押圧装置62に搬送する途中で積層体60を組み立てるようにしてもよい。この時点で、電解質膜20の外縁部は、第1セパレータ24、第2セパレータ26、第3セパレータ28の親水部位42に当接している。
ここで、押圧装置62は下型64と上型66を有する。これら下型64及び上型66には、親水部位42の裏面を押圧する押圧凸部68、70がそれぞれ突出形成されている。また、下型64及び上型66は、図示しない昇降機構の作用下に、互いに対して接近又は離間する方向に変位する。
積層体60が下型64と上型66の間に位置すると、これら下型64及び上型66が互いに接近するように変位する。従って、図4に一部を拡大して示すように押圧凸部68、70が親水部位42の裏面に当接し、さらに、該押圧凸部68、70が親水部位42を電解質膜20の外縁部20a側に向かって押圧する。従って、親水部位42が電解質膜20の外縁部20a(被挟持部位50a)に押し当てられる。
第1単位セル14aを構成する電解質膜20の外縁部20a(被挟持部位50a)が第1セパレータ24の凸部先端と第2セパレータ26の凸部先端で挟まれる位置と、第2単位セル14bを構成する電解質膜20の外縁部20b(被挟持部位50b)が第2セパレータ26の凸部先端と第3セパレータ28の凸部先端で挟まれる位置とは互いに相違する。すなわち、上記したように、第1単位セル14aの被挟持部位50aは、第2単位セル14bの被挟持部位50bに比してカソード電極16及びアノード電極18側に近接(又は、離間)している。このため、被挟持部位50a、50bのそれぞれを、第1セパレータ24と第2セパレータ26ごと、又は第2セパレータ26と第3セパレータ28ごと押圧することが可能である。
電解質膜20の素材である樹脂は、上記したように親水性基を有している。この親水性基と、親水部位42の親水性基とが、例えば、水素結合を介して結合する。その結果、電解質膜20の外縁部20a、20b(被挟持部位50a、50b)が、常温であっても親水部位42と接合する。これにより、セルユニット12が得られる。
なお、下型64及び上型66を加温するようにしてもよい。被挟持部位50a、50bと親水部位42を、水素結合を介して結合させる場合、下型64及び上型66の温度は、電解質膜20の分解温度未満とすることが望ましい。
このように、本実施の形態においては、第1セパレータ24、第2セパレータ26及び第3セパレータ28に親水部位42を設け、この親水部位42に対して電解質膜20の外縁部を直接接合するようにしている。従って、電解質・電極構造体22をガスケットに組み込む必要や、電解質・電極構造体22とガスケット又はセパレータ24、26、28を、接着剤を介して接合する必要がない。この分、セルユニット12を得るまでのタクトタイムを短縮することができる。
以上のようにして得られたセルユニット12を、シール材52を介して積層する。さらに、最外方に位置するセルユニット12に対してエンドプレート等を積層し、押圧力を付与することにより、燃料電池スタック10が得られるに至る。上記したようにセルユニット12を得るタクトタイムが短縮されるので、燃料電池スタック10の生産効率の向上を図ることができる。
燃料電池スタック10を運転するに際しては、酸素を含有する酸化剤ガス(例えば、圧縮空気)が第1セパレータ24、第2セパレータ26及び第3セパレータ28の、図2に示す第1ガス入口通路30に供給されるとともに、水素を含有する燃料ガス(例えば、水素)が第2ガス入口通路34に供給される。さらに、冷媒入口通路38に、純水やエチレングリコール、オイル等の適宜の冷却媒体が供給される。
燃料ガスは、第1単位セル14aのアノード電極18と、第2セパレータ26の第2通路形成部46における山部との間の中空部に導入される。また、第2単位セル14bのアノード電極18と、第3セパレータ28の第3通路形成部48における山部との間の中空部にも導入される。各中空部に導入された燃料ガスは、図1の紙面に直交する方向に流通する。これにより、第1単位セル14a及び第2単位セル14bの各アノード電極18に燃料ガスが供給される。
アノード電極18では、燃料ガス中の水素が電離してプロトンが生じる反応が起こる。このプロトンは、電解質膜20のプロトン伝導作用によってカソード電極16に移動する。また、電子は、燃料電池スタック10に電気的に接続された外部負荷を付勢する電気エネルギ源として利用される。
一方、酸化剤ガスは、第1単位セル14aのカソード電極16と、第1セパレータ24の第1通路形成部44における谷部との間の中空部に導入される。同時に、第2単位セル14bのカソード電極16と、第2セパレータ26の第2通路形成部46における谷部との間の中空部にも導入される。各中空部に導入された酸化剤ガスが図1の紙面に直交する方向に流通することにより、第1単位セル14a及び第2単位セル14bの各カソード電極16に燃料ガスが供給される。なお、酸化剤ガスの流通方向は、燃料ガスの流通方向と逆である。
カソード電極16では、酸化剤ガス中の酸素と、電解質膜20を移動したプロトンと、前記外部負荷を付勢してカソード電極16に到達した電子とが反応し、水が生成する。このように、各アノード電極18と各カソード電極16にて電気化学反応が生起されることに伴い、燃料電池スタック10が発電する。
アノード電極18に供給された過剰の燃料ガスは、使用済ガスとして第2ガス出口通路36から排出される。また、カソード電極16に供給された過剰の酸化剤ガスは、使用済ガスとして第1ガス出口通路32から排出される。
そして、冷却媒体は、冷媒入口通路38から、第1単位セル14aの第3セパレータ28の第3通路形成部48における谷部と、第2単位セル14bの第1セパレータ24の第1通路形成部44における山部とで形成される中空部に導入される。冷却媒体も、図1の紙面に直交する方向に流通して冷媒出口通路40から排出される。この流通により、セルユニット12が冷却される。
以上のようにして燃料電池スタック10の発電が行われている間、燃料ガス及び酸化剤ガスが、電解質膜20とセパレータ24、26、28との間から漏洩することが回避される。上記したように、電解質膜20とセパレータ24、26、28とが直接接合しているからである。
また、熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いていないので、発電(運転)を継続することに伴って電解質膜20とセパレータ24、26、28との間が軟化して接合力が低下することがない。従って、接着剤が反応ガス流路(中空部)に侵入することに起因して圧力損失が大きくなる懸念が払拭される。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、電解質膜20の外縁部と親水部位42を接合する装置は、図5に示す押圧装置80であってもよい。この押圧装置80は、互いに同期して回転する下ローラ82と上ローラ84を有する。下ローラ82及び上ローラ84には、押圧凸部86、88がそれぞれ形成される。従って、下ローラ82と上ローラ84の間に積層体60が位置すると、電解質膜20の挟持部位が、押圧凸部86、88によってセパレータ24、26、28ごと押圧される。その結果、第1単位セル14aの電解質膜20の挟持部位が第1セパレータ24と第2セパレータ26の各親水部位42に接合するとともに、第2単位セル14bの電解質膜20の挟持部位が第2セパレータ26と第3セパレータ28の各親水部位42に接合する。
また、第1単位セル14aを第1セパレータ24と第2セパレータ26に挟んで電解質膜20の挟持部位をセパレータ24、26の親水部位42に接合した後、第2単位セル14bを構成する電解質・電極構造体22と第3セパレータ28を積層し、さらに、第2単位セル14bの電解質膜20の挟持部位をセパレータ26、28の親水部位42に接合するようにしてもよい。
そして、セパレータ24、26、28はカーボン製であってもよい。この場合においても上記に準じて親水化表面処理を施すことにより、親水部位42を設けることができる。
10…燃料電池スタック 12…セルユニット
14a、14b…単位セル 16…カソード電極
18…アノード電極 20…電解質膜
20a、20b…外縁部 22…電解質・電極構造体
24、26、28…セパレータ 42…親水部位
50a、50b…被挟持部位 60…積層体
62、80…押圧装置 64…下型
66…上型 68、70、86、88…押圧凸部
82…下ローラ 84…上ローラ

Claims (3)

  1. 電解質膜をアノード電極及びカソード電極で挟んだ電解質・電極構造体が1組のセパレータ間に介在される単位セルを複数個積層して燃料電池スタックを得る燃料電池スタックの製造方法において、
    電解質膜の面積を、前記アノード電極及び前記カソード電極に比して大きく設定し、前記電解質・電極構造体を、該電解質膜の外縁部が前記アノード電極及び前記カソード電極から露呈するように作製する工程と、
    前記セパレータの少なくとも凸部に対して親水化表面処理を直接施すことで親水部位を形成する工程と、
    前記電解質膜の、前記アノード電極及び前記カソード電極から露呈した前記外縁部を、前記親水部位の間に挟持して前記凸部の裏面を押圧することにより、前記外縁部と前記1組のセパレータの前記凸部を直接接合する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池スタックの製造方法。
  2. 請求項記載の製造方法において、前記親水化表面処理として、紫外線照射又はプラズマ照射のいずれかを行い、前記セパレータの表面に水酸基又はカルボキシル基を設けることを特徴とする燃料電池スタックの製造方法。
  3. 請求項又は記載の製造方法において、前記電解質膜として、その表面に親水性基が存在するものを選定することを特徴とする燃料電池スタックの製造方法。
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