JP6514940B2 - 燃料電池の膜−電極接合体から固体電解質膜を取り外す方法 - Google Patents

燃料電池の膜−電極接合体から固体電解質膜を取り外す方法 Download PDF

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本発明は、燃料電池の膜−電極接合体(MEA)から固体電解質膜を取り外す方法、及び、取り外した固体電解質膜を分析する方法に関する。
固体高分子形燃料電池(PEMFC)の基本構造である単セルは、一対のセパレータと、セパレータ間に配された膜−電極接合体(MEA)とで構成される。
MEAを構成する素材には比較的高価なものが含まれているため、リサイクルされる場合がある。例えば、特許文献1には、MEAから、電解質膜に付着した白金触媒を担持した炭素粒子から成る電極剤粒子と電解質膜を回収するMEAの材料リサイクル方法であって、浸漬媒体である有機溶剤に、よりマイルドな25%以下のエタノール水溶液を用いる方法が記載されている。特許文献1の方法では、電解質膜から拡散層を剥離する際には攪拌を行い、電解質膜から電極剤粒子を剥離する際には超音波照射を行う。
特許文献2には、使用済みのMEAから、触媒物質を回収する方法において、触媒層に溶解性粘着テープを貼着し、次いで該溶解性粘着テープを剥がして触媒物質を高分子電解質膜から剥離する工程を含む方法が記載されている。
特開2010−114031(2010年5月20日公開) 特開2005−235511(2005年9月2日公開)
しかし、特許文献1に記載の方法では、エタノール水溶液によって、MEAを構成する電解質膜の、特に表面側が溶解するという問題がある。
特許文献2に記載の方法では、溶解性粘着テープを貼着して、触媒物質を高分子電解質膜から機械的に剥ぎ取るため、高分子電解質膜の表面が破壊されるという問題がある。
電解質膜の溶解及び機械的な破壊は、電解質膜を構成している素材(モノマー分子)をリサイクルする目的では許容される場合もある。しかし、特許文献1及び2に記載のような電解質膜に無視できない破損を与える方法は、例えば、回収した電解質膜の状態を分析する目的等には適しているとは言えない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電解質膜の破損を抑制しながら、MEAから電解質膜を取り外す方法に関するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下のいずれかのものを提供する。
(1)触媒層と固体電解質膜とが接合された、固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から、固体電解質膜を取り外す方法であって、触媒層に対してレーザを照射して、触媒層と固体電解質膜との接合を弱める工程を含む、方法。
(2)上記レーザは、触媒層と固体電解質とを貫くように照射される、(1)に記載の方法。
(3)上記レーザは、触媒層に吸収を示す、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)上記レーザの照射は、不活性ガス中で行われる、(1)から(3)の何れかに記載の方法。
(5)上記不活性ガスはヘリウムを含んでいる、(4)に記載の方法。
(6)上記触媒層は触媒と炭素粒子とを含んでなる、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
(7)固体電解質膜を取り外して、触媒層を回収する工程を含む、(1)〜(6)の何れかに記載の方法。
(8)固体高分子形燃料電池の固体電解質膜を分析する方法であって、固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から、(1)から(7)の何れかに記載の方法によって取り外した固体電解質膜を回収する工程と、回収された上記固体電解質膜を分析する工程と、を含む、方法。
(9)上記膜−電極接合体は、使用された固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体である、(8)に記載の方法。
本発明によれば、固体高分子形燃料電池のMEAから、固体電解質膜を、その破損を抑制しながら取り外すことが可能になるという効果を奏する。これによって、例えば、取り外した固体電解質膜を、燃料電池の性能評価、又は品質管理等に用いること等が可能となる。
本発明の一実施形態に係る固体電解質膜を取り外す方法を、模式的に表す図である。 本発明の一実施形態に関し、固体高分子形燃料電池を構成する単セルの一構造例を分解して示す概略図である。 本発明の一実施例に関し、膜−電極接合体から固体電解質膜を取り外す処理の前後におけるSEM観察の結果を示す図である。
〔1.固体電解質膜を取り外す方法〕
本発明の一実施形態に係る方法は、固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体(MEA)から固体電解質膜を取り外す方法であって、MEAの触媒層に対してレーザを照射して、触媒層と固体電解質膜との接合を弱める工程を含んでいる。以下、この方法についてより具体的に説明する。
(1)固体高分子形燃料電池(PEMFC)
図2は、固体高分子形燃料電池を構成する単セルの構造を分解して示す概略図である。単セル10は、一対のセパレータ1・1と、セパレータ1・1間に挟み込まれるように配された、一つの膜−電極接合体(MEA)4とを含んで構成される。膜−電極接合体4は、固体電解質膜3のそれぞれの面に、触媒層2とガス拡散層11とがこの順に積層されて接合されている積層体である。触媒層2とガス拡散層11との組み合わせで、アノード及びカソード(電極)が構成されている。なお、図2に示す例では、固体電解質膜3、触媒層2、及びガス拡散層11はいずれも、長方形の上面及び下面を持つ平板体である。
アノード側(セパレータ1とガス拡散層11との間)に水素又はメタノールを、カソード側(他方のセパレータ1とガス拡散層11との間)に酸素又は空気を供給し、アノードとカソードとの間に外部負荷回路を接続することで、単セル10は電池として作動する。アノードにおける触媒反応で生成したプロトンは、固体電解質膜3を通過してカソードへ移動し、酸素と反応して水を生成する。
ガス拡散層11の種類は固体高分子形燃料電池に使用可能なものであれば限定されず、例えば、多孔質カーボン材料等、からなるものが挙げられる。
固体電解質膜3の種類は固体高分子形燃料電池に使用可能なものであれば限定されず、例えば、様々なプロトン伝導性の高分子膜が使用可能である。プロトン伝導性の高分子膜として、具体的には例えば、スルホン酸基を有するイオン交換型の高分子膜が挙げられ、中でも、プロトン伝導性、強度、及び化学的安定性に優れた素材、例えばパーフルオロスルホン酸ポリマー等の、スルホン酸基を有するフッ素系ポリマーが使用される。スルホン酸基を有するフッ素系ポリマーとして、具体的には例えば、Nafion(商標)、Flemion(商標)、及びAciplex(商標)等が挙げられる。非フッ素系ポリマーとして、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリアリーレンエーテル、芳香族ポリイミド、ポリフォスファゼン、及びポリベンゾイミダゾ−ルなどから選択される芳香族系ポリマーにおける芳香環をスルホン化したものが挙げられ、これらはオレフィンとの共重合体として構成されていてもよい。
触媒層2としては、例えば、電気伝導性を有する担体に、金属系触媒(好ましくは貴金属系触媒)又は非金属性の触媒を担持させたものが使用され、好ましくは貴金属系触媒である。担体は、カーボンブラック等の、カーボン材料の粒子(炭素粒子)であることが好ましい。貴金属系触媒は、アノード側は、例えば、白金触媒、ルテニウム触媒、及びルテニウム−白金合金触媒等の、白金族金属(PGM)を含む金属粒子が好ましく、カソード側は、例えば、白金触媒等の金属粒子であることが好ましい。触媒層2において、担体と触媒とは、固体電解質膜3を構成する成分と同様の高分子材料により被覆されており、この高分子材料は、触媒層2と固体電解質膜3とを接合するバインダーとしても機能している。
(2)固体電解質膜を取り外す方法
図1は、本実施の形態に係る、固体高分子形燃料電池の解体方法の工程の一例を示す概略図である。
第一工程:
図2に示す単セル10からセパレータ1とガス拡散層11とを取り外して、固体電解質膜3のそれぞれの面に触媒層2が接合されている状態の膜−電極接合体4を回収する。第一工程は、例えば、必要に応じてカッターナイフ等の道具を用い、ガス拡散層11と触媒層2とを引きはがすという方法で容易に行うことが出来る。
第二工程:
第一工程で得られた膜−電極接合体4を構成する触媒層2に対してレーザ5aを照射し、レーザ5a照射前の状態と比較して、触媒層2と固体電解質膜3との接合を弱める。第二工程は、例えば、試料ステージ7とレーザ光源(レーザ照射部)5とを備えたチャンバ6を用いて行うことができる。膜−電極接合体4を試料ステージ7上に配置した状態で、レーザ光源5からレーザ5aを膜−電極接合体4に対して照射する。なお、触媒層2と固体電解質膜3との接合は、レーザ5aの照射によって、両者が自然に剥がれおちる程度まで弱められることが特に好ましい場合がある。
チャンバ6は、真空状態であっても、気体で満たされていても、液体で満たされていてもよいが、好ましくは気体で満たされている。チャンバ6を満たす気体は特に限定されず、空気等であってもよいが、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、及びこれらの混合気体等の不活性ガスであることが好ましい。不活性ガスの中でもヘリウム含有ガス(ヘリウムガス単体でもよい)は、熱拡散性に優れるため、レーザ5aの照射によって発生しうる熱によって固体電解質膜3が受け得る影響を最小限に抑制可能となる。
レーザ光源5の種類は特に限定されないが、例えば、YAGレーザ、YVO4レーザ等の固体レーザ;ガリウムヒ素レーザ等の半導体レーザ;エキシマレーザなどの気体レーザ;等が挙げられる。レーザ光源5の種類、及びレーザの照射条件(波長、照射時間、パワー等)は、照射されたレーザが、膜−電極接合体4を構成する材料のうち触媒層2に吸収を示し、固体電解質膜3を透過する特性を示すように適宜選択すればよい。なお、レーザ5aが触媒層2に吸収を示すとは、レーザ5aが、触媒層に含まれる担体及び触媒の少なくとも一方に吸収を示すことであればより好ましい。かかるレーザ5aの照射条件等は、担体及び触媒の種類に応じて適宜設定することができる。なお、本実施形態において、レーザ5aが触媒層2に吸収されるとは、レーザ5aの少なくとも一部が吸収されることを指し、すなわちレーザ5aの一部が触媒層2を透過してもよい。同様に、レーザ5aが固体電解質膜3を透過するとは、レーザ5aの一部が固体電解質膜3に吸収されることを排除するものではない。ただし、触媒層2と固体電解質膜3とを比較した場合において、レーザ5aは触媒層2により強く吸収される。
好ましい一態様において、レーザ5aは、その90%以上が固体電解質膜3を透過するものであるが、その10%以上が固体電解質膜3で吸収されるレーザを用いる場合には、固体電解質膜3の加工閾値を超えないパワーでレーザ5aを照射することで実施可能である。好ましい一態様において、レーザパワーは好ましくは0.1W以上で10W以下の範囲内であり、より好ましくは0.1W以上で1.0W以下の範囲内である。レーザの周波数は好ましくは1Hz以上で100kHz以下の範囲内であり、より好ましくは1kHz以上で50kHz以下の範囲内である。レーザの波長は好ましくは193nm以上で10600nm以下の範囲内であり、より好ましくは193nm以上で1064nm以下の範囲内である。
レーザ5aは、触媒層2a(2)に対して照射されればよいが、好ましくはレーザ5aの一部が触媒層2aと固体電解質膜3とを透過して、反対側の触媒層2b(2)まで到達するように照射される。これにより、触媒層2aと固体電解質膜3との接合、及び、触媒層2bと固体電解質膜3との接合を同時に弱めることができる。なお、レーザ照射により触媒層2と固体電解質膜3との接合が弱まる理由は必ずしも明らかではないが、レーザ5aが触媒層2に吸収されることによって、触媒層2において熱が発生することが一因と考えられる。
なお、レーザ5aは、触媒層2の一部領域に照射されてもよいが、触媒層2の略全面に照射されることが好ましい。触媒層2と固体電解質膜3との接合部の全体にわたって接合を弱めることによって、固体電解質膜3の取り外しがより容易となる。
第三工程:
第二工程を経てレーザ照射を受けた膜−電極接合体4から固体電解質膜3を取り外す。レーザ照射を受けることで触媒層2と固体電解質膜3との接合が弱められているため、例えば、機械的な剥離方法、或いは、物理的な刺激を与える剥離方法によって、容易に固体電解質膜3を取り外す(剥離する)ことができる。特に好ましい態様では、触媒層2と固体電解質膜3との接合は、両者が自然に剥がれおちる程度にまで弱められている。また、取り外された固体電解質膜3は、レーザ照射の影響を直接的に受けないため、破損が抑制されているか、実質的に非破壊な状態である。
取り外された固体電解質膜3は、固体高分子形燃料電池内にあったときの状態をよく反映している(破損が抑制されている)ため、例えば、固体高分子形燃料電池の性能評価のための分析に使用される。あるいは、固体電解質膜3から原料を回収して再利用してもよい。同様に、分離された触媒層2からは、担体、触媒、及び、高分子材料(バインダー)等を回収することができる。あるいは、取り外された固体電解質膜3は、固体高分子形燃料電池の品質評価のための分析に使用される。
〔2.固体電解質膜の分析方法〕
本発明の一実施形態に係る方法は、固体高分子形燃料電池の固体電解質膜を分析する方法であって、固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から、上記〔1.固体電解質膜を取り外す方法〕欄に記載の方法によって取り外した固体電解質膜を回収する工程と、回収された固体電解質膜を分析する工程とを含む、方法である。
固体電解質膜を分析する工程で行われる分析の種類は特に限定されない。一例においては顕微鏡観察である。他の例においては、機械的な物性の評価、例えば引っ張り強度試験である。さらに他の例においては、化学的な物性の評価、例えば元素分析である。分析の種類として、より具体的には例えば、JIS K7127(プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件)に準じた引張破断応力、及び引張弾性率の測定を挙げることができる。
上記の通り、取り外された固体電解質膜3は、固体高分子形燃料電池内にあったときの状態をよく反映している(破損が抑制されている)ため、例えば、固体高分子形燃料電池の性能評価のための分析に好適である。特に、使用された固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から回収された固体電解質膜は、固体高分子形燃料電池の性能評価のための分析に好適である。あるいは、取り外された固体電解質膜3は、固体高分子形燃料電池の品質評価のための分析に使用される。
〔3.その他の態様〕
本発明の他の実施形態は、固体高分子形燃料電池を構成する膜−電極接合体(MEA)にレーザを照射することで、触媒層及び固体電解質膜の少なくとも一方を単離する方法と捉えることもできる。
本発明の他の実施形態は、固体電解質膜を非破壊で回収する方法と捉えることもできる。
本発明の他の実施形態は、膜−電極接合体から、アノード側の触媒層とカソード側の触媒層とを別々に回収する方法と捉えることもできる。
本発明の他の実施形態によれば、固体高分子形燃料電池を構成する各層の内、レーザを用いて中間の固体電解質膜を非破壊に単離し、触媒層を効率的に剥離することができる。さらに、触媒層の接合状態に関わらず、触媒層を効率的に剥離することが可能である。さらに、固体電解質膜を非破壊で回収することで、固体電解質膜の特性評価、成分分析などを行うことが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(本発明に係る方法にしたがった電解質膜の回収方法)
市販品の固体高分子形燃料電池(Hydrogen Air MEA-5 layer 9cm*9cm、燃料電池ドットjp)を購入した。上記燃料電池は、図2に示すような5層構造(上から順に:GDL、カソード電極、ナフィオン212、アノード電極、およびGDL(それぞれ図2におけるガス拡散層11、触媒層2a、固体電解質膜3、触媒層2bおよびガス拡散層11に対応))を有している。上記燃料電池の仕様を以下の表に示す。
Figure 0006514940
上記燃料電池から両側のGDLを剥がして、GDLを除いたMEAのみの層構造を準備した。後述するレーザ照射処理の有効性を確認するために、この時点におけるMEAを走査型電子顕微鏡(FE-SEM: S-4800(日立ハイテクノロジーズ))を用いて、カソード電極、ナフィオン212およびアノード電極の状態を観察した。
続いて、観察を終えたMEAに対するレーザ照射処理について、図1を用いて説明する。図1に示すように、試料ステージ7上に、GDLを除いたMEAを水平に静置する。レーザ光源5からカソード電極(触媒層2a)に向けて、MEAの全面にレーザを照射した。レーザ光源5として、YVO4レーザを使用した。レーザ照射条件は、以下の通りである。
雰囲気ガス(ヘリウム)の流量=1L/分
レーザ出力=0.3W
周波数=20kHz
レーザ波長=532nm
以上のレーザ照射処理によって、ナフィオン212の層(固体電解質膜3)を、MEAから取り出して(自然に剥離する程度に接合が弱められていた)、回収した。当該層を本実施例の層と呼ぶ。
(従来の電解質膜の回収方法)
従来の方法にしたがって電解質膜の回収を行った。まず、上述の通りにMEAを、準備し、走査型電子顕微鏡(S-4800)を用いて観察した。50%v/vのエタノール水溶液(水:エタノール=1:1)をワイプに浸み込ませた。このワイプを用いてカソード電極およびアノード電極を擦ることによって、カソード電極およびアノード電極を取り除いた。結果物を乾燥させて、層状物(比較の層と呼ぶ)を得た。
(走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果)
未処理のMEA、本実施例の層および比較の層を、走査型電子顕微鏡(S-4800)を用いてそれぞれ観察した。それらの結果について、図3を参照して以下に説明する。図3は、走査型電子顕微鏡を用いた、処理前のMEAの画像(a)およびレーザ照射後の残余物の画像(b)を示す図である。
図3(a)に示すように、未処理のMEAは、固体電解質膜の上層として約10μmの触媒層を有していた。図3(b)に示すように、レーザ照射によって固体電解質膜の上にあった触媒層のみが、固体電解質膜の表面の形状を維持しながら、除去されていた。
以上の結果に対して、エタノール水溶液を用いた処理を受けた比較の層には、固体電解質膜の反りおよびうねりが観察された。さらに、比較の層の表面を段差測定器(P-16+(KLA Tencor))で測定したところ、比較の層における固体電解質膜では、約10〜20μm程度の厚さの低下を認めた。これは、エタノールによる固体電解質膜の溶解を示している。
以上のことから、本実施例にしたがえば固体電解質膜を損傷させることなく、MEAからの電解質膜の取出しが可能であることが分かった。その理由として、レーザ照射条件が、触媒層をアブレーションし、かつ固体電解質膜への影響を最小化する範囲に制御されている点を挙げることができる。このレーザ照射条件の制御の結果として、レーザ照射を受けた上部の触媒層は、レーザ光によってアブレーションされて、固体電解質膜から剥離する。さらに、固体電解質を透過したレーザ光は、下部の触媒層に入射して、触媒層をアブレーションする。このようにして、下部の触媒層も上部の触媒層と同様に、固体電解質膜から剥離する。
本発明により、固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から、レーザを用いて非破壊で固体電解質膜を回収することができる。これにより、固体電解質膜の物性の正確な分析が可能になり、燃料電池の性能の正確な評価、また燃料電池の性能向上に寄与する。
1 セパレータ
2・2a・2b 触媒層
3 固体電解質膜
4 膜−電極接合体(MEA)
5 レーザ光源
5a レーザ
6 ガスチャンバー
7 試料ステージ
10 単セル
11 ガス拡散層

Claims (9)

  1. 触媒層と固体電解質膜とが接合された、固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から、固体電解質膜を取り外す方法であって、
    触媒層に対してレーザを照射して、触媒層と固体電解質膜との接合を弱める工程を含む、方法。
  2. 上記レーザは、触媒層と固体電解質とを貫くように照射される、請求項1に記載の方法。
  3. 上記レーザは、触媒層に吸収を示す、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 上記レーザの照射は、不活性ガス中で行われる、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  5. 上記不活性ガスはヘリウムを含んでいる、請求項4に記載の方法。
  6. 上記触媒層は触媒と炭素粒子とを含んでなる、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
  7. 固体電解質膜を取り外して、触媒層を回収する工程を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  8. 固体高分子形燃料電池の固体電解質膜を分析する方法であって、
    固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体から、請求項1から7の何れか一項に記載の方法によって取り外した固体電解質膜を回収する工程と、
    回収された上記固体電解質膜を分析する工程と、を含む、方法。
  9. 上記膜−電極接合体は、使用された固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体である、請求項8に記載の方法。
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