JP2010061865A - 膜電極構造体の製造方法、及び該製造方法で製造される膜電極構造体 - Google Patents

膜電極構造体の製造方法、及び該製造方法で製造される膜電極構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな細孔容量及び高い含水率を有する触媒層を備えた膜電極構造体の製造方法、及び該製造方法によって製造される膜電極構造体を提供する。
【解決手段】電解質膜及び該電解質膜を挟持する一対の触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体の製造方法であって、ガラス転移温度がaのアイオノマーAと、ガラス転移温度がb(但し、a<bとする。)のアイオノマーBと、触媒金属を担持した導電性担体と、を含むインク状組成物を作製する、インク状組成物作製工程、該インク状組成物を基材シート上に塗布・乾燥し、触媒層を作製する、触媒層作製工程、触媒層を温度T(但し、a<T<bとする。)で熱処理する、熱処理工程、及び、触媒層と電解質膜とを温度T´(但し、a<T´<bとする。)で熱圧着する、熱圧着工程を備える、燃料電池用膜電極構造体の製造方法、並びに、該製造方法で製造される膜電極構造体とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に備えられる膜電極構造体の製造方法、及び該製造方法によって製造される膜電極構造体に関する。
燃料電池は、電解質層(以下「電解質膜」という。)と、電解質膜の両面側にそれぞれ配設される電極(アノード触媒層及びカソード触媒層)とを備える膜電極構造体(以下「MEA」ということがある。)で電気化学反応を起こし、当該電気化学反応により発生した電気エネルギーを外部に取り出す装置である。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下「PEFC」ということがある。)は、低温領域で運転することができる。このPEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車の動力源や携帯用電源として注目されている。
PEFCの単セルは、MEAと、当該MEAを狭持する一対の集電体と、を備え、MEAには、含水状態に保たれることによりプロトン伝導性能を発現するプロトン伝導体(プロトン伝導性ポリマー)が含有される。PEFCの運転時には、アノードに水素含有ガス(以下「水素」という。)が、カソードに酸素含有ガス(以下「空気」という。)が、それぞれ供給される。アノードへと供給された水素は、アノード触媒層に含まれる触媒金属の作用下でプロトンと電子に分離し、水素から生じたプロトンは、アノード触媒層及び電解質膜を通ってカソード触媒層へと達する。一方、電子は、外部回路を通ってカソード触媒層へと達し、かかる過程を経ることにより、電気エネルギーを取り出すことが可能になる。そして、カソード触媒層へと達したプロトン及び電子と、カソード触媒層へと供給された空気に含有されている酸素とが、カソード触媒層に含まれる触媒金属の作用下で反応することにより、水が生成される。
このような電気化学反応を起こすMEAを作製する方法としては、電解質膜をアノード触媒層及びカソード触媒層(以下においてこれらをまとめて単に「触媒層」ということがある。)で挟持し、それらを熱圧着する方法が、これまでに提案されている。例えば、特許文献1には、高分子電解質(アイオノマー)と導電性炭素粒子とを含むインクを高分子電解質のガラス転移温度で加熱することによって触媒層を形成し、該触媒層と高分子電解質膜とを高分子電解質のガラス転移温度でホットプレスすることによって、高分子電解質が導電性炭素粒子に固定化されたMEAを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、熱可塑性バインダ(アイオノマー)に触媒成分を分散させた触媒スラリーを拡散層に塗布し、該バインダを溶融・結着させるために該バインダのガラス転移温度以上の温度でホットプレスすることによって電極を形成し、該電極で電解質膜を挟持してMAEを製造する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、基材上に、触媒層/電解質膜/触媒層の順で重ねて作製された積層体を120〜200℃で熱処理することによって、高分子電解質(アイオノマー)の結晶性の向上を図り、電解質膜の機械的強度が向上されたMEAを製造する方法が開示されている。
特開2004−6266号公報 特開2004−79506号公報 特開2005−108770号公報
上述したように、MEAに於いて電気化学反応が起こる際には水素や空気が触媒層を通るため、触媒層には水素や空気が流通できる細孔を備えさせる必要がある。しかし、上記特許文献1〜3に開示されているようなMEAの製造方法では、触媒層に含まれるアイオノマーのガラス転移温度以上の温度で触媒層を加熱してプレスしているため、そのアイオノマーが軟化している状態でプレスされることとなり、触媒層の細孔構造が潰れる虞があった。そして、細孔構造が潰れた触媒層では、水素や空気が流れ難くなるため電気化学反応が阻害され、電圧が低下するという問題があった。また、触媒層を高温で熱処理した場合、触媒層に含まれるアイオノマーの結晶度が高まることによって含水率が低下するため、低加湿におけるプロトン伝導度が低くなり、性能が低下するという問題もあった。
そこで本発明は、大きな細孔容量及び高い含水率を有する触媒層を備えた膜電極構造体の製造方法、及び該製造方法によって製造される膜電極構造体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
第1の本発明は、電解質膜及び該電解質膜を挟持する一対の触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体の製造方法であって、ガラス転移温度がaのアイオノマーAと、ガラス転移温度がb(但し、a<bとする。)のアイオノマーBと、触媒金属を担持した導電性担体と、を含むインク状組成物を作製する、インク状組成物作製工程、インク状組成物作製工程で作製されたインク状組成物を基材シート上に塗布し、インク状組成物を乾燥させることで触媒層を作製する、触媒層作製工程、触媒層作製工程で作製された触媒層に、温度T(但し、a<T<bとする。)で熱処理を施す、熱処理工程、及び、熱処理工程の後に、触媒層と電解質膜とを温度T´(但し、a<T´<bとする。)で熱圧着する、熱圧着工程、を備える、燃料電池用膜電極構造体の製造方法である。
本発明において、「電解質膜」は、燃料電池用の電解質膜として用いられる公知のものを用いることができる。そのような電解質膜の具体例としては、Nafion(「Nafion」は米国デュポン社の登録商標。)やフレミオン(「フレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)、セレミオン等(「セレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)を挙げることができる。
さらに、「アイオノマーA」及び「アイオノマーB」は、プロトンの通り道となり得るイオン交換基を具備する電解質樹脂を意味し、その具体例としては、パーフルオロスルホン酸樹脂などを挙げることができる。ただし、アイオノマーA及びアイオノマーBとしては、異なるガラス転移温度を有するものを選択する。
さらに、「触媒金属」は、触媒層で生じる電気化学反応の触媒として機能する物質を意味する。当該触媒金属の具体例としては、Ptのほか、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを有するPt合金等を挙げることができる。
さらに、「導電性担体」は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等に代表される炭素材料のほか、炭化ケイ素等に代表される炭素化合物等を用いることができる。
さらに、「インク状組成物」は、上述した、アイオノマーA、アイオノマーB、触媒、及び導電性担体を含むインク状の組成物を意味し、インク状とする際の分散媒としては、アルコール系有機溶媒や水を用いることができる。
さらに、「基材シート」は、その表面に触媒層を形成させることができるシートであれば特に限定されない。基材シートの具体例としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどの炭化水素系樹脂からなるシート、該炭化水素系樹脂シートの表面をSiもしくはフッ素で処理したシート、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂シートを挙げることができる。これらのシートは耐熱性及び触媒層との剥離性を有するため好ましい。本発明の燃料電池用膜電極構造体の製造方法で製造される膜電極構造体を備える燃料電池にガス拡散層が備えられる形態の場合には、上記したシートの他に、基材シートとして、カーボンペーパー、カーボンクロスなどのガス拡散層を構成する多孔質導電性電極基材を用いることもできる。
本発明において、TとT´は、T=T´の関係であることが好ましい。T>T´の場合、熱圧着の際に膜と触媒層強度が不足する可能性があり、T<T´の場合、熱圧着の際にアイオノマーが軟化する可能性があるためである。
第2の本発明は、電解質膜及び該電解質膜を挟持する一対の触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体であって、一対の触媒層の少なくとも一方が、ガラス転移温度がaのアイオノマーAと、ガラス転移温度がb(但し、a<bとする。)のアイオノマーBと、触媒金属を担持した導電性担体と、を含み、該触媒層は温度T(但し、a<T<bとする。)で熱処理された後に、温度T´(但し、a<T´<bとする。)で電解質膜と熱圧着されていることを特徴とする、燃料電池用膜電極構造体である。
第1の本発明によれば、触媒層と電解質膜とを熱圧着する前の熱処理工程において、アイオノマーAのガラス転移温度より高い温度で触媒層に熱処理を施すため、アイオノマーAの結晶度が高まる。そして、触媒層と電解質膜を熱圧着する際には、熱処理工程において触媒層に熱履歴がかかっているため、触媒層構造の強度が高められており、触媒層の細孔構造を維持したまま触媒層と電解質膜とを熱圧着することができる。また、触媒層に施される熱処理の温度がアイオノマーBのガラス転移温度より低いことによって、アイオノマーBの含水率(触媒層の含水率)を高く維持することができるため、低加湿における触媒層のプロトン伝導性を維持できる。すなわち、第1の本発明によれば、大きな細孔容量及び高い含水率を有する触媒層を備えた燃料電池用膜電極構造体の製造方法を提供することができる。
第2に本発明によれば、大きな細孔容量及び高い含水率を有する触媒層を備えた燃料電池用膜電極構造体を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
1.燃料電池用膜電極構造体の製造方法
図1は、本発明にかかる燃料電池用膜電極構造体の製造方法(以下、単に「本発明のMEA製造方法」という。)の工程を概略的に示すフローチャートである。図2は、本発明のMEA製造方法に備えられる工程の一部を簡略化して示す概念図である。図2(a)は基材シート2上に触媒層1が形成された積層体4を、図2(b)は積層体4の触媒層1側の面と電解質膜3とが熱圧着された様子を、図2(c)は基材シート2を剥離している様子を、それぞれ概略的に示している。以下、図1及び図2を参照しつつ、本発明のMEA製造方法について説明する。
図1に示すように、本発明のMEA製造方法には、インク状組成物作製工程(S1)と、触媒層作製工程(S2)と、熱処理工程(S3)と、熱圧着工程(S4)と、が備えられる。
1.1.インク状組成物作製工程(S1)
工程S1は、触媒金属を担持した導電性担体、ガラス転移温度がaのアイオノマーA、及びガラス転移温度がb(但し、a<bとする。)のアイオノマーBを含むインク状の組成物を作製する工程である。インク状とする際には、分散媒としてアルコール系有機溶媒や水を用いることができる。
本発明において、触媒金属は、Ptのほか、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを有するPt合金等を用いることができる。また、導電性担体としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等に代表される炭素材料のほか、炭化ケイ素等に代表される炭素化合物等を用いることができる。さらに、アイオノマーA及びアイオノマーBとしては、パーフルオロスルホン酸樹脂などを用いることができる。ただし、アイオノマーA及びアイオノマーBには、それぞれのガラス転移温度が異なるものを用いる。
1.2.触媒層作製工程(S2)
工程S2は、工程S1で作製されたインク状組成物を基材シート2上に塗布し、さらに乾燥させることで、触媒層1を作製する工程である。
本発明に用いることができる基材シート2としては、その表面に触媒層1を形成されることができるものであれば特に限定されない。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどの炭化水素系樹脂からなるシート、該炭化水素系樹脂シートの表面をSiもしくはフッ素で処理したシート、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂シートを挙げることができる。これらのシートは耐熱性及び触媒層との剥離性を有し、後述する工程で行う熱処理の環境に耐えることができ、さらに後述する工程で触媒層から基材シート2を剥離する際、容易に剥離することができるため好ましい。
本発明の燃料電池用膜電極構造体の製造方法で製造される膜電極構造体を備える燃料電池にガス拡散層が備えられる形態の場合には、上記したシートの他に、基材シート2として、カーボンペーパー、カーボンクロスなどのガス拡散層を構成する多孔質導電性電極基材を用いることができる。基材シート2としてガス拡散層を用いた場合には、触媒層1から基材シート2を剥離する工程は不要となる。
インク状組成物を基材シート2上に塗布する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。インク状組成物を基材シート上に塗布する方法の具体例としては、スクリーン印刷法、スプレー塗工法、ドクターブレード法、ロールコーター法などを挙げることができる。
インク状組成物を基材シート2上に塗布した後、インク状組成物を乾燥させることで、触媒層1を作製することができる。
1.3.熱処理工程(S3)
工程S3は、工程S2の後に、触媒層1と基材シート2からなる積層体4(図2(a)参照)に温度T(但し、a<T<bとする。)で熱処理を施す工程である。
工程S3で行う熱処理の温度Tは、アイオノマーAのガラス転移温度aより高く、アイオノマーBのガラス転移温度bより低い。熱処理温度TをアイオノマーAのガラス転移温度aより高い温度とすることによって、アイオノマーAの結晶度が高まり、触媒層構造の強度を高めることができる。したがって、後述する熱圧着工程(S4)で触媒層1の細孔構造が潰れることを防げることができる。また、熱処理温度Tを、アイオノマーBのガラス転移温度bより低い温度とすることによって、アイオノマーBの含水率(触媒層1の含水率)を高く維持することができる。したがって、低加湿における触媒層1のプロトン伝導性を維持することができる。
1.4.熱圧着工程(S4)
工程S4は、積層体4の触媒層1側の面と電解質膜3とが接するように、2つの積層体4で電解質膜3を挟持し、触媒層1と電解質膜3とを温度T´(但し、a<T´<bとする。)で熱圧着する工程である。図2(b)では、電解質膜3の一方の面に触媒層1(積層体4)が熱圧着された様子を示しているが、実際には電解質膜3の他方の面にも同様に触媒層1を熱圧着する。
TとT´は、T=T´の関係であることが好ましい。T>T´の場合、熱圧着の際に膜と触媒層強度が不足する可能性があり、T<T´の場合、熱圧着の際にアイオノマーが軟化する可能性があるためである。
触媒層1には上記工程S3において一度熱履歴がかかっているため、工程S4において触媒層1と電解質膜3とを熱圧着する際、触媒層1の細孔構造を維持したまま電解質膜3と触媒層1とを熱圧着することができる。すなわち、大きな細孔容量を有する触媒層1を備えた膜電極構造体を製造することができる。
2.燃料電池用膜電極構造体
本発明にかかる燃料電池用膜電極構造体(以下「本発明のMEA」という。)は、上述した本発明のMEA製造方法によって製造される。したがって、本発明のMEAは、大きな細孔容量を有するとともに含水率が高い触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体とすることができる。
以下、実施例を参照しつつ、本発明についてさらに説明する。
1.触媒インク作製工程
白金をカーボンに対して50質量%担持させた触媒1gに対して、純水を7g加えて攪拌し、さらにエタノールを7g加えて攪拌した。次に、アイオノマーB(ガラス転移温度135℃)と触媒担体のカーボンとの質量比が1:2になるようにアイオノマーBを固溶したアイオノマーB溶液を加えて攪拌し、超音波ホモジナイザーで分散を30分行った。さらに、アイオノマーA(ガラス転移温度110℃)と触媒担体のカーボンとの質量比が1:2になるようにアイオノマーAを固溶したアイオノマーA溶液を加えて攪拌した。
2.触媒層作製工程
上記工程で作製した触媒インクを、アプリケーターを用いて白金質量が0.4mg/cmになるようにテフロン(登録商標)シート上に塗布して乾燥させることで、触媒層を作製した。
3.熱処理、プレス(熱圧着)工程
上記工程を経た触媒層を4つ作製し、下記条件で熱処理を行ったものと、下記条件でプレスを行ったものと、下記条件で熱処理+プレスを行ったものと、これらの処理を行っていないものとを用意した。
熱処理:120℃で30分間熱処理
プレス:3MPaの圧力を120℃で3分間付与
熱処理+プレス:120℃で30分間熱処理した後、室温まで冷却し、3MPaの圧力を120℃で3分間付与
<細孔容量の測定>
作製した触媒層の細孔容量を水銀圧入法で測定した。その結果を表1に示す。表1において、「未処理」とは作製した触媒層に熱及び圧力を意図的には加えていないものを意味し、「プレス」とは作製した触媒層に3MPaの圧力を120℃で3分間付与したものを意味し、「熱処理」とは作製した触媒層を120℃で3分間熱処理したものを意味し、「熱処理+プレス」とは作製した触媒層を120℃で30分間熱処理した後、室温まで冷却し、3MPaの圧力を120℃で3分間付与したものを意味する。
Figure 2010061865
表1に示すように、熱処理を行わずにプレスしたものは、未処理のものに比べて細孔容量が減少している。一方、熱処理をしたものは未処理のものに比べて細孔容量が維持されており、さらに、熱履歴を一度与えたものはプレス工程を経ても未処理のものに比べて細孔容量が維持されることがわかる。これは、アイオノマーが固溶した溶液からアイオノマーが固化した際にガラス転移温度を超える温度を一度かけると結晶度(アイオノマーの配向性)が高まり、アイオノマー構造の強度が高まることが原因として考えられる。すなわち、一度熱履歴を経て配向性が高まり強度が高まると、その後はガラス転移温度を越えるある程度の温度(アイオノマーが壊れない程度の温度)であっても、軟化の傾向を抑制することができる。
<アイオノマーキャスト膜の作製>
アイオノマーAが固溶している電解質溶液をガラスシャーレに滴下し、それぞれの温度にて1時間熱処理を行い、アイオノマーキャスト膜を作製した。表2中の、80℃、100℃、120℃、及び140℃は、それぞれ熱処理の温度を示している。
<含水率の測定>
作製したアイオノマーキャスト膜について、80℃で30分間真空乾燥した後に測定した乾燥質量と、80℃の熱水に30分間浸した際に測定した含水質量とを用いて下記式で含水率を算出した。
(含水質量−乾燥質量)/乾燥質量
Figure 2010061865
表2からわかるように、熱処理温度が高温になるほど含水率が低下している。これは、熱処理温度が高温になるにつれてアイオノマーの結晶度が高まるためだと考えられる。本発明ではガラス転移温度が異なる2種のアイオノマーを用い、一方のアイオノマーのガラス転移温度より低い温度で熱処理を行うことによって、一方のアイオノマーの含水率が高く維持された触媒層を得ることができる。
なお、80℃で熱処理を行った場合は、アイオノマーキャスト膜の強度(結晶度)が低く、含水率を測定するために水に浸すとキャスト膜が溶解してしまい、含水率を測定することができなかった。
本発明にかかる燃料電池用膜電極構造体の製造方法の工程を概略的に示すフローチャートである。 本発明にかかる燃料電池用膜電極構造体の製造方法に備えられる工程の一部を簡略化して示す概念図である。
符号の説明
1…触媒層
2…基材シート
3…電解質膜
4…積層体

Claims (2)

  1. 電解質膜及び該電解質膜を挟持する一対の触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体の製造方法であって、
    ガラス転移温度がaのアイオノマーAと、ガラス転移温度がb(但し、a<bとする。)のアイオノマーBと、触媒金属を担持した導電性担体と、を含むインク状組成物を作製する、インク状組成物作製工程、
    前記インク状組成物作製工程で作製された前記インク状組成物を基材シート上に塗布し、前記インク状組成物を乾燥させることで触媒層を作製する、触媒層作製工程、
    前記触媒層作製工程で作製された前記触媒層に、温度T(但し、a<T<bとする。)で熱処理を施す、熱処理工程、及び、
    前記熱処理工程の後に、前記触媒層と前記電解質膜とを温度T´(但し、a<T´<bとする。)で熱圧着する、熱圧着工程、
    を備える、燃料電池用膜電極構造体の製造方法。
  2. 電解質膜及び該電解質膜を挟持する一対の触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体であって、
    前記一対の触媒層の少なくとも一方が、ガラス転移温度がaのアイオノマーAと、ガラス転移温度がb(但し、a<bとする。)のアイオノマーBと、触媒金属を担持した導電性担体と、を含み、該触媒層は温度T(但し、a<T<bとする。)で熱処理された後に、温度T´(但し、a<T´<bとする。)で前記電解質膜と熱圧着されていることを特徴とする、燃料電池用膜電極構造体。
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