JP2003297373A - 触媒層用塗料とこれを用いた電解質膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

触媒層用塗料とこれを用いた電解質膜電極接合体の製造方法

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JP2003297373A JP2002104832A JP2002104832A JP2003297373A JP 2003297373 A JP2003297373 A JP 2003297373A JP 2002104832 A JP2002104832 A JP 2002104832A JP 2002104832 A JP2002104832 A JP 2002104832A JP 2003297373 A JP2003297373 A JP 2003297373A
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Junji Morita
純司 森田
Makoto Uchida
誠 内田
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Akihiko Yoshida
昭彦 吉田
Shinya Kosako
慎也 古佐小
Yasuo Takebe
安男 武部
Yoshihiro Hori
堀  喜博
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池の触媒層形成用塗料の混合分散工程
で、発熱、発火を防止し、同時に塗料の乾燥速度を制御
することで経時安定性を付与する。さらに、MEAを乾
燥状態にせず作製することで電池性能を向上する。 【解決手段】 塗料の溶媒に、水溶性で沸点が100℃
以上および20℃における蒸気圧が0.01mmHg以
上0.30mmHg以下である多価アルコール誘導体を
用いること。および作製工程の一つである溶媒除去工程
を水洗浄により行うこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素と酸素を燃料
とする高分子電解質型燃料電池の構成要素である電解質
膜電極接合体の製造方法と、これに用いる塗料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質を用いた燃料電池は、水素
を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガ
スとを電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同
時に発生させる。燃料ガスと酸化剤ガスとを併せて反応
ガスともいう。このような燃料電池は、水素イオンを選
択的に輸送する高分子電解質膜、および貴金属系触媒を
担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層とガス拡散
層とからなる多孔質電極を含む。そして、2枚の前記多
孔質電極が、前記触媒層が前記高分子電解質膜に接する
ような位置関係で前記高分子電解質膜を挟んでおり、前
記ガス拡散層は、反応ガスに対する通気性および電子伝
導性を有する。このような高分子電解質および2枚の多
孔質電極から構成される接合体は、電解質膜電極接合体
(MEA)と呼ばれている。
【0003】また、このMEAの両側には、反応ガスを
供給し、かつ生成ガスおよび余剰な反応ガスを運び去る
ためのガス流路が設けられたセパレータが配置される。
このMEAと一対のセパレータとからなる構造体は単セ
ルと呼ばれる。そして、単セル複数個を冷却板などを介
して積層し、数ボルトから数百ボルトの出力を発揮し得
る積層電池が得られる。この積層電池が燃料電池に相当
する。また、高分子電解質型燃料電池の電極の燃料極及
び酸化剤極では、それぞれ以下に示すような反応が生じ
る。
【0004】燃料極:H2→2H++2e- 酸化剤極:1/2O2+2H++2e-→H2O 上記反応式において、燃料極で発生した電子は外部回路
を通じて酸化剤極へ移動し、水素イオンは高分子電解質
膜を介して酸化剤極へ移動する。従来、この燃料電池の
電極の触媒層は、貴金属を担持したカーボン粉末と高分
子電解質の分散液とを混合分散した塗料を、高分子電解
質膜または樹脂フィルムなどに印刷あるいは塗工し、そ
の後、乾燥することで得られていた。このとき用いられ
る前記高分子電解質の分散液の溶媒成分は、メタノー
ル、エチルアルコール、n−プロパノールおよびイソプ
ロピルアルコールなどが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな燃料電池の電極の触媒層用の塗料は、主成分となる
溶媒の沸点が65℃〜98℃と低く、さらに20℃にお
ける蒸気圧が20mmHg以上と高い。そのため、貴金
属触媒担持カーボン粉末と混合分散するときに貴金属触
媒と溶媒成分が反応し、発熱あるいは発火を生じる場合
がある。また、このような塗料は乾燥速度が速いため、
粘度や固形分比などの物性変化が生じやすく、印刷によ
る触媒層の形成において塗料の取り扱いが難しい。さら
には、このような塗料は、乾燥工程時に体積の収縮が大
きくひび割れを発生し、均一な触媒層を形成するのが困
難である。
【0006】前述した、貴金属触媒と溶媒成分の反応に
よる発熱や発火を防止する方法として、あらかじめ触媒
担持カーボンをイオン交換水で濡らし、つづいて高分子
電解質の分散液を混合する方法も考えられる。また、特
開2001−266901号公報では、あらかじめ沸点
が100℃以上の多価アルコールを含む共沸水溶液を作
製し、そこへ触媒担持カーボンを分散することで塗料作
製時の発熱、発火を防止し、さらに触媒層中の残存溶媒
を、100℃〜130℃のMEA作製時の加熱により除
去する方法が提案されている。しかし、この方法では、
イオン交換水を用いて塗料を作製するため、乾燥速度の
制御が十分でなく、塗料の取り扱いの課題が残る。ま
た、MEA作製時の100℃以上の加熱により残存溶媒
を除去するため、電極およびMEAは全体的に乾燥状態
であるため電池性能の低下が生じる。
【0007】本発明は、以上のような課題を鑑み、燃料
電池用電極塗料の溶媒に水溶性で沸点が100℃以上お
よび20℃における蒸気圧が0.01mmHg以上0.
30mmHg以下である多価アルコール誘導体を用いる
ことで、塗料の混合分散工程の発熱、発火を防止する。
同時に塗料の乾燥速度を制御することで、塗料に経時安
定性を付与し、作業性を向上させることおよび均一で安
定なMEAを提供することを目的とする。
【0008】また、本発明のMEAの製造方法では、電
極塗料に用いる溶媒を水溶性で沸点が水より高く、20
℃における蒸気圧が0.01mmHg以上0.30mm
Hg以下である多価アルコール誘導体にすることで、工
程の一つである溶媒除去工程を水洗浄により行うことが
でき、MEAを乾燥状態にせず、電池性能を向上した燃
料電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を実現するた
め本発明の塗料は、燃料電池の電極の触媒層形成に用い
る塗料であって、触媒を担持した導電性炭素粉末と、イ
オン交換樹脂と、沸点が水より高く20℃における蒸気
圧が0.01mmHg以上0.30mmHg以下の多価
アルコール誘導体を含む有機溶媒とを混合して調製した
ことを特徴とする。
【0010】このとき、多価アルコール誘導体が、(化
2)で表されることを特徴とする請求項1記載の触媒層
用塗料。
【0011】
【化2】
【0012】また、この触媒層用塗料を、イオン交換樹
脂膜に塗布し乾燥したのち、前記触媒層にガス拡散層を
接合したことを特徴とする電解質膜電極接合体の製造方
法が有効である。さらに、触媒層用塗料を樹脂フィルム
に塗布し乾燥したのち、前記塗布面とイオン交換樹脂膜
とを加圧し加熱した後、前記樹脂フィルムを剥離し、こ
の後、前記触媒層を形成した前記イオン交換樹脂と、ガ
ス拡散層とを接合したことを特徴とする電解質膜電極接
合体の製造方法が望ましい。
【0013】このとき、製造方法において、触媒層中に
残留した触媒層用塗料中の溶媒を、水で洗浄することで
除去することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の塗料は、触媒担持カーボ
ン粉末とイオン交換樹脂と水溶性であり、沸点が水より
高く、20℃における蒸気圧が0.01mmHg以上
0.30mmHg以下である多価アルコール誘導体を少
なくとも含む有機溶媒とを混合分散して調製される。前
記の触媒担持カーボン粉末は、平均粒径が100〜50
0nmの平均粒径を有し、触媒として貴金属を担持した
炭素微粉末が好ましく用いられる。前記イオン交換樹脂
は、DuPont社製のNafion溶液や旭硝子社製
Flemion溶液に代表されるパーフルオロカーボン
スルホン酸分散液が好ましく用いられる。また、あらか
じめ前記触媒担持カーボンに前記イオン交換樹脂を付与
した触媒粉末が用いられる場合がある。
【0015】塗料に用いられる有機溶媒は、水溶性であ
り、沸点が100℃以上および20℃における蒸気圧が
0.01mmHg以上0.30mmHg以下である多価
アルコール誘導体が好ましく用いられる。このとき、有
機溶媒は、(化3)で表される多価アルコール誘導体が
好ましい。
【0016】
【化3】
【0017】多価アルコール誘導体が水溶性、沸点が1
00℃以上で20℃における蒸気圧が0.01mmHg
以上0.30mmHg以下であるためには、以上の条件
を満たす有機溶媒が好ましい。
【0018】イオン交換樹脂膜としては、DuPont
社製のNafion膜に代表されるパーフルオロスルホ
ン酸膜、ヘキスト社製の炭化水素系膜などが好ましく用
いられる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエ
チレン(PE)、ポリカーボネート(PC)などの厚み
50ミクロンμm〜150μmの樹脂フィルムが好まし
く用いられる。前記樹脂フィルムに限らず、それらの表
面を処理した樹脂フィルムを用いてもよい。
【0019】
【実施例】(実施例1)白金を50重量%担持したカー
ボン粉末(田中貴金属工業(株)製のTEC10E50
E)10g、イオン交換水34g、高分子電解質分散液
(旭硝子(株)社製のフレミオン9重量%エタノール溶
液)56gを超音波撹拌により、混合分散し、真空乾燥
を数回繰り返し、イオン交換樹脂を付与した白金担持カ
ーボン粉末を作製した。
【0020】このイオン交換樹脂を付与した白金担持カ
ーボン粉末5gと、水に可溶な多価アルコール誘導体1
0.6gと遊星ボールミルにより混合分散し、燃料電池
電極用塗料を作製した。
【0021】この塗料作製における溶媒種および触媒粉
末の発火の有無を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1より、塗料に水に可溶で沸点が100
℃以上であり20℃における蒸気圧が0.01mmHg
以上0.30mmHgである溶媒を用いた場合、触媒担
持カーボンの発火が生じないことがわかった。
【0024】(実施例2)白金を50重量%担持したカ
ーボン粉末(田中貴金属工業(株)製のTEC10E5
0E)10g、イオン交換水34g、高分子電解質分散
液(旭硝子(株)社製のフレミオン9重量%エタノール
溶液)56gを超音波撹拌により、混合分散し、真空乾
燥を数回繰り返し、イオン交換樹脂を付与した白金担持
カーボン粉末を作製した。
【0025】このイオン交換樹脂を付与した白金担持カ
ーボン粉末5gと水溶性で沸点242℃、20℃におけ
る蒸気圧が0.02mmHgである多価アルコール誘導
体トリプロピレングリコールモノメチルエーテル11.
6gとを遊星ボールミルにより混合分散し、塗料を作製
した。
【0026】(比較例1)白金を50重量%担持したカ
ーボン粉末(田中貴金属工業(株)製のTEC10E5
0E)10g、イオン交換水34g、高分子電解質分散
液(旭硝子(株)社製のフレミオン9重量%エタノール
溶液)56gを超音波撹拌により、混合分散し、真空乾
燥を数回繰り返し、イオン交換樹脂を付与した白金担持
カーボン粉末を作製した。
【0027】このイオン交換樹脂を付与した触媒担持カ
ーボン5gと水溶性で沸点150℃、20℃における蒸
気圧が1.5mmHgである多価アルコール誘導体プロ
ピレングリコールn−プロピルエーテル(PnP)1
1.6gとを遊星ボールミルにより混合分散し、塗料を
作製した。
【0028】(比較例2)白金を50重量%担持したカ
ーボン粉末(田中貴金属工業(株)製のTEC10E5
0E)10g、イオン交換水34g、高分子電解質分散
液(旭硝子(株)社製のフレミオン9重量%エタノール
溶液)56gを超音波撹拌により、混合分散し、真空乾
燥を数回繰り返し、イオン交換樹脂を付与した白金担持
カーボン粉末を作製した。
【0029】このイオン交換樹脂を付与した触媒担持カ
ーボン5gに、イオン交換水5gを添加し、遊星ボール
ミルで混合分散した。つづいて、水溶性で沸点197
℃、20℃における蒸気圧が0.7mmHgであるエチ
レングリコール(EG)5.6gを、これに加えて、遊
星ボールミルにより混合分散し、塗料を作製した。
【0030】図1に実施例2および比較例1,2で作製
した塗料の大気中および窒素気流化での重量変化率の経
時変化を示した。
【0031】実施例2および比較例1,2で作製した塗
料を用い、高分子電解質膜Nafion112(DuP
ont社製)上にスクリーン印刷により燃料電池用電極
60mm×60mmを作製した。
【0032】表2に燃料電池用電極を連続で20枚作製
した時の印刷前および印刷終了後の実施例2および比較
例1,2の粘度を示した。粘度測定は粘弾性測定装置
(HAAKASVR, HRA 9320-X100)を用いて行った。
【0033】
【表2】
【0034】図1および表2より、比較例1,2の20
℃における蒸気圧が0.3mmHg以上である溶媒を用
いる塗料は、物性の変化が大きく印刷における取り扱い
が困難であることがわかった。
【0035】(実施例3)白金を50重量%坦持したカ
ーボン粉末(田中貴金属社製、TEC10E50E)1
0gに、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
10gを加え撹拌、つづいて高分子電解質分散液(旭硝
子社製、9重量%FSSエタノール溶液)59gをこれ
に加えた。超音波攪拌により、これを混合分散し、塗料
を作製した。50μmのポリプロピレンフィルム上にギ
ャップ幅200μmのアプリケーターを用い、前記の塗
料を塗工し、60℃で乾燥し、燃料電池用電極を作製し
た。
【0036】(比較例3)白金を50重量%坦持したカ
ーボン粉末(田中貴金属社製、TEC10E50E)1
0gにイオン交換水10gを加え撹拌、つづいて高分子
電解質分散液(旭硝子社製、9重量%FSSエタノール
溶液)59gを加え超音波攪拌により、混合分散し、燃
料電池用電極塗料を作製し、50mmのポリプロピレン
フィルム上にギャップ幅200mmのアプリケーターを
用い塗工し、60℃で乾燥し、燃料電池用電極を作製し
た。
【0037】表3に実施例3および比較例3で作製した
燃料電池用電極の光沢度測定の結果を示した。
【0038】
【表3】
【0039】表3より、実施例3で水溶性で沸点242
℃、20℃における蒸気圧が0.02mmHgであるT
PMを加えることで、触媒担持カーボンの発火防止およ
び乾燥速度の制御による電極のヒビ割れ防止が可能にな
り、均一な電極作製が可能となった。
【0040】これはTPMに限定されず、表1に示した
水溶性で沸点が100℃以上で20℃における蒸気圧が
0.01mmHg以上0.03mmHg以下である多価
アルコール誘導体を用いても同様の効果が得られた。
【0041】(実施例4)燃料電池用電極および膜電極
接合体(MEA)を以下に示す工程に従い作製した。白
金を50重量%担持したカーボン粉末(田中貴金属工業
(株)製のTEC10E50E)10g、イオン交換水
34g、高分子電解質分散液(旭硝子(株)社製のフレ
ミオン9重量%エタノール溶液)56gを超音波撹拌に
より、混合分散した。この分散液を真空乾燥を3回繰り
返すことで、イオン交換樹脂を付与した白金担持カーボ
ン粉末を作製した。このイオン交換樹脂を付与した白金
担持カーボン粉末5gと、水溶性で沸点が206℃およ
び20℃における蒸気圧が0.02mmHgであるトリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)1
1.6gを加え、遊星ボールミルで混合分散し、塗料を
作製した。
【0042】つぎにこの塗料を、スクリーン印刷により
高分子電解質膜Nafion112(DuPont社
製)の両面に60mm×60mmの大きさで印刷した。
こののち、これにハサミこみ治具を取り付け、98℃の
イオン交換水中で1時間煮沸洗浄することで、残存溶媒
を除去した。
【0043】(比較例4)白金を50重量%担持したカ
ーボン粉末(田中貴金属工業(株)製のTEC10E5
0E)10g、イオン交換水34g、高分子電解質分散
液(旭硝子(株)社製のフレミオン9重量%エタノール
溶液)56gを超音波撹拌により、混合分散した。これ
を、真空乾燥を数回繰り返し、イオン交換樹脂を付与し
た白金担持カーボン粉末を作製した。このイオン交換樹
脂を付与した白金担持カーボン粉末5gとイオン交換水
5gを遊星ボールミルにより混合分散し、つづいて水溶
性で沸点が197℃および20℃における蒸気圧が0.
7mmHgであるエチレングリコール(EG)6.6gを
加え、遊星ボールミルで混合分散し、塗料を作製した。
【0044】この塗料をスクリーン印刷により高分子電
解質膜Nafion112(DuPont社製)の両面
に60mm×60mmの触媒層を形成した。これを13
0℃のホットプレスで熱処理することで残留溶媒を除去
した。
【0045】以上、実施例4および比較例4で得られた
触媒層に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と
カーボン粉末からなる撥水層を付与したカーボンペーパ
ー(TGP−H−090東レ社製)とガスケットを配置
することで単電池とした。
【0046】この単電池を、電流―電圧特性測定装置に
設置し、燃料極に水素、酸化剤極に空気を流し、電池温
度75℃、燃料利用率70%、空気利用率40%に設定
し、水素ガスは75℃、空気は60℃の露点になるよう
にガスを加湿した。表4に電流密度0.2A/cm2
0.7A/cm2における電池電圧の結果を示した。
【0047】
【表4】
【0048】比較例4の作製工程では、残留溶媒の除去
を130℃の温度で実施した。このことによりMEAが
乾燥状態で作製されるため電池性能が低くなった。これ
に対し、実施例4の燃料電池用電極の作製工程では、残
留溶媒を98℃のイオン交換水で煮沸洗浄することによ
り、MEAを湿潤状態で作製し電池性能を向上すること
を可能とした。
【0049】本発明の実施例2から実施例4までTPM
を用いて具体的に説明を行ったが、これに限らず表2で
示される水溶性で沸点が100℃以上であり、20℃に
おける蒸気圧が0.01mmHg以上0.3mmHg以
下である溶媒を用いた塗料で同様の効果が得られた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、触媒層用塗料の溶媒
に、水溶性で沸点が100℃以上および20℃における
蒸気圧が0.01mmHg以上0.30mmHg以下で
ある多価アルコール誘導体を用いることで、塗料の混合
分散工程の発熱、発火を防止し、同時に塗料の乾燥速度
を制御することで、塗料に経時安定性を付与し、燃料電
池用電極塗料作製の作業性を向上させること、および均
一で安定な燃料電池用電極を提供することができる。
【0051】また、電極作製工程の一つである溶媒除去
工程を水洗浄により行うことで電極およびMEAを乾燥
状態せず電池性能を向上した燃料電池用電極の製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2および比較例1,2で作製し
た塗料の重量変化率を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安本 栄一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉田 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古佐小 慎也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 武部 安男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 堀 喜博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 BB03 BB06 BB08 BB12 BB13 HH08 HH09 5H026 AA06 BB02 BB04 BB08 CX05 HH08 HH09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池の電極の触媒層形成に用いる塗
    料であって、触媒を担持した導電性炭素粉末と、イオン
    交換樹脂と、沸点が水より高く20℃における蒸気圧が
    0.01mmHg以上0.30mmHg以下の多価アル
    コール誘導体を含む有機溶媒とを混合して調製したこと
    を特徴とする触媒層用塗料。
  2. 【請求項2】 多価アルコール誘導体が、(化1)で表
    されることを特徴とする請求項1記載の触媒層用塗料。 【化1】
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の触媒層用塗料
    を、イオン交換樹脂膜に塗布し乾燥したのち、前記触媒
    層にガス拡散層を接合したことを特徴とする電解質膜電
    極接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の触媒層用塗料を
    樹脂フィルムに塗布し乾燥したのち、前記塗布面とイオ
    ン交換樹脂膜とを加圧し加熱した後、前記樹脂フィルム
    を剥離し、この後、前記触媒層を形成した前記イオン交
    換樹脂と、ガス拡散層とを接合したことを特徴とする電
    解質膜電極接合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の製造方法におい
    て、触媒層中に残留した触媒層用塗料中の溶媒を、水で
    洗浄することで除去することを特徴とする電解質膜電極
    接合体の製造方法。
JP2002104832A 2002-04-08 2002-04-08 触媒層用塗料とこれを用いた電解質膜電極接合体の製造方法 Withdrawn JP2003297373A (ja)

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