JP2009140652A - 膜・電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜・電極接合体を構成する各層間の接合において、各層の構造破壊や構成材料の劣化を防止しつつ、優れた接合性を達成可能な膜・電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】高分子電解質膜と、該高分子電解質膜を狭持し、且つ、高分子電解質を含有する触媒層及びガス拡散層を有する一対の電極と、を備える膜・電極接合体の製造方法であって、(1)前記高分子電解質膜を含む第1の被接合体と、前記触媒層を含む第2の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記高分子電解質膜と前記触媒層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記高分子電解質膜と前記触媒層を圧着する圧着工程、或いは、(2)前記触媒層を含む第3の被接合体と、前記ガス拡散層を含む第4の被接合体とを、前記触媒層と前記ガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記触媒層と前記ガス拡散層を圧着する圧着工程、の少なくとも一方を備えることを特徴とする、膜・電極接合体の製造方法。
【選択図】図3
【解決手段】高分子電解質膜と、該高分子電解質膜を狭持し、且つ、高分子電解質を含有する触媒層及びガス拡散層を有する一対の電極と、を備える膜・電極接合体の製造方法であって、(1)前記高分子電解質膜を含む第1の被接合体と、前記触媒層を含む第2の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記高分子電解質膜と前記触媒層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記高分子電解質膜と前記触媒層を圧着する圧着工程、或いは、(2)前記触媒層を含む第3の被接合体と、前記ガス拡散層を含む第4の被接合体とを、前記触媒層と前記ガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記触媒層と前記ガス拡散層を圧着する圧着工程、の少なくとも一方を備えることを特徴とする、膜・電極接合体の製造方法。
【選択図】図3
Description
本発明は、膜・電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に燃料と酸化剤を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜・電極接合体を基本構造とする単セルを複数積層して構成されている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池において、燃料極(アノード)では下記(1)式の反応が進行する。
H2 → 2H+ + 2e- ・・・(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、酸化剤極(カソード)に到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、電気浸透により固体高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ということがある)内を燃料極側から酸化剤極側に移動する。
一方、酸化剤極では下記(2)式の反応が進行する。
4H+ + O2 + 4e- → 2H2O ・・・(2)
H2 → 2H+ + 2e- ・・・(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、酸化剤極(カソード)に到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、電気浸透により固体高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ということがある)内を燃料極側から酸化剤極側に移動する。
一方、酸化剤極では下記(2)式の反応が進行する。
4H+ + O2 + 4e- → 2H2O ・・・(2)
電解質膜を狭持する燃料極及び酸化剤極は、電解質膜側から順に、触媒層、ガス拡散層が積層した構造を有するのが一般的である。触媒層は、電極反応の場であり、通常、電極反応に対して触媒活性を有する電極触媒や高分子電解質等で構成された多孔質構造を有している。ガス拡散層は、触媒層への反応ガスの供給性や触媒層の排水性、集電性等を高める機能を有しており、カーボンシートやカーボンペーパー等の導電性多孔質体から構成される。
電解質膜を燃料極及び酸化剤極で狭持してなる膜・電極接合体は、例えば、(a)電極触媒及び高分子電解質を溶媒に溶解、分散してなる触媒インクを塗布し、電解質膜表面に触媒層を形成した電解質膜−触媒層複合体を、2枚の導電性多孔質体(ガス拡散層)で狭持し、圧着する方法、(b)転写基材表面に触媒インクを塗布、乾燥して作製された触媒層転写シートを用いて、電解質膜表面に触媒層を圧着、転写した電解質膜−触媒層複合体を、2枚の導電性多孔質体で狭持し、圧着する方法、(c)触媒インクを塗布し、ガス拡散層表面に触媒層を形成したガス拡散層−触媒層複合体2枚で、電解質膜を狭持し、圧着する方法、(d)触媒層転写シートを用いて、ガス拡散層表面に触媒層を圧着、転写したガス拡散層−触媒層複合体2枚で、電解質膜を狭持し、圧着する方法、などが挙げられる。
電解質膜を燃料極及び酸化剤極で狭持してなる膜・電極接合体は、例えば、(a)電極触媒及び高分子電解質を溶媒に溶解、分散してなる触媒インクを塗布し、電解質膜表面に触媒層を形成した電解質膜−触媒層複合体を、2枚の導電性多孔質体(ガス拡散層)で狭持し、圧着する方法、(b)転写基材表面に触媒インクを塗布、乾燥して作製された触媒層転写シートを用いて、電解質膜表面に触媒層を圧着、転写した電解質膜−触媒層複合体を、2枚の導電性多孔質体で狭持し、圧着する方法、(c)触媒インクを塗布し、ガス拡散層表面に触媒層を形成したガス拡散層−触媒層複合体2枚で、電解質膜を狭持し、圧着する方法、(d)触媒層転写シートを用いて、ガス拡散層表面に触媒層を圧着、転写したガス拡散層−触媒層複合体2枚で、電解質膜を狭持し、圧着する方法、などが挙げられる。
膜・電極接合体を構成する各層間における接合性、具体的には、高分子電解質膜と触媒層の接合性、触媒層とガス拡散層の接合性は、膜・電極接合体におけるプロトン伝導性、電子伝導性、水移動性、さらには耐久性等を大きく左右する重要な因子である。すなわち、各層間の接合性を向上させることで、膜・電極接合体の発電性能の改善、長寿命化が可能である。
そのため、膜・電極接合体を構成する各層間の接合性を高めるために、圧着温度、圧着圧力を高くすることが行われている。しかしながら、高温で圧着する場合、高分子電解質膜や触媒層に含有される高分子電解質の劣化が生じやすく、また、高圧で圧着する場合、触媒層が押しつぶされ、多孔質構造が保持されてなくなるおそれがある。ゆえに、圧着時の温度条件、圧力条件には上限があり、圧着温度や圧着圧力の制御により充分な接合力を得ることは困難である。
そのため、膜・電極接合体を構成する各層間の接合性を高めるために、圧着温度、圧着圧力を高くすることが行われている。しかしながら、高温で圧着する場合、高分子電解質膜や触媒層に含有される高分子電解質の劣化が生じやすく、また、高圧で圧着する場合、触媒層が押しつぶされ、多孔質構造が保持されてなくなるおそれがある。ゆえに、圧着時の温度条件、圧力条件には上限があり、圧着温度や圧着圧力の制御により充分な接合力を得ることは困難である。
電解質膜と電極との接合性を高める技術として、例えば、特許文献1〜4が挙げられる。
特許文献1には、固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散層電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む電解質膜−電極接合体の製造方法であって、熱プレスの際に、固体高分子電解質膜の含水率が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする電解質膜−電極接合体の製造方法が記載されている。特許文献1に記載の方法は、上記範囲の含水率に制御された、柔らかい状態の電解質膜と、電極とを熱プレスすることによって、電解質膜と電極の接合部の接着性を改良するものである。
特許文献1には、固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散層電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む電解質膜−電極接合体の製造方法であって、熱プレスの際に、固体高分子電解質膜の含水率が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする電解質膜−電極接合体の製造方法が記載されている。特許文献1に記載の方法は、上記範囲の含水率に制御された、柔らかい状態の電解質膜と、電極とを熱プレスすることによって、電解質膜と電極の接合部の接着性を改良するものである。
また、特許文献2には、固体高分子電解質膜と触媒層を接合するに際して、固体高分子電解質膜及び触媒層の少なくとも一方を、超音波振動等により活性化させ、固体高分子電解質膜を触媒層の間に挟んだ状態でホットプレスすることを特徴とする固体高分子電解質膜と触媒層の接合方法が記載されている。
また、特許文献3には、触媒を極性溶媒に溶解した後、イオン導電性高分子溶液に分散させたスラリーを電解質膜の少なくとも一方の面に直接塗布した後、加圧下に加熱を行って電極触媒層を形成する際、前記溶媒を残存させることが望ましく、該溶媒により電解質膜の表面が溶解されることによって、触媒の電解質膜への浸入が容易となり、電解質膜と電極の剥離が抑制されるとの記載がある。
さらに、特許文献4には、電極間に高分子電解質膜を挟み込み、プレス接合する高分子電解質型燃料電池の製造方法において、高分子電解質膜周囲の温度が高分子電解質膜と同程度で、且つ、高分子電解質膜周囲の圧力が高分子電解質膜温度における飽和水蒸気圧より高く、しかも高分子電解質膜を加湿した状態でプレスすることを特徴とする高分子電解質膜型燃料電池の製造方法が記載されている。特許文献4に記載の方法は、プレス接合時の電解質膜中の水分の蒸発を抑制することによって高分子電解膜の収縮を防止し、使用時に湿潤状態となった際の寸法変化による膜・接合体のひずみを抑制するものである。
特許文献1に記載の技術では、高分子電解質膜の含水率を特定された範囲に制御したとしても、電解質膜−電極間の充分な接合性を達成できるほど、高分子電解質膜が充分に柔らかくならないおそれがある。すなわち、接合性を確保するためには、熱プレス条件を高温及び/又は高圧にする必要がある。また、熱プレス時に、空気中の酸素により高分子電解質のプロトン伝導性基が酸化され、脱離してしまう。
同様に、特許文献4に記載の技術のように、飽和水蒸気で高分子電解質膜を加湿した状態でプレスするとしても、電解質膜−電極間の充分な接合性を達成できるほど、高分子電解質膜を充分に柔らかくすることはできないため、プレス条件を高温及び/又は高圧にする必要がある。また、熱プレス時のプロトン伝導性基脱離も発生する。
特許文献2〜3に記載の技術においても、充分な接合性が得られにくく、圧着条件を高温及び/又は高圧にする必要があるため、高分子電解質の劣化防止や触媒層の多孔質構造保持は難しい。
同様に、特許文献4に記載の技術のように、飽和水蒸気で高分子電解質膜を加湿した状態でプレスするとしても、電解質膜−電極間の充分な接合性を達成できるほど、高分子電解質膜を充分に柔らかくすることはできないため、プレス条件を高温及び/又は高圧にする必要がある。また、熱プレス時のプロトン伝導性基脱離も発生する。
特許文献2〜3に記載の技術においても、充分な接合性が得られにくく、圧着条件を高温及び/又は高圧にする必要があるため、高分子電解質の劣化防止や触媒層の多孔質構造保持は難しい。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、膜・電極接合体を構成する各層間の接合において、各層の構造破壊や構成材料の劣化を防止しつつ、優れた接合性を達成可能な膜・電極接合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の膜・電極接合体の製造方法は、高分子電解質膜と、該高分子電解質膜を狭持し、且つ、高分子電解質を含有する触媒層及びガス拡散層を有する一対の電極と、を備える膜・電極接合体の製造方法であって、
(1)前記高分子電解質膜を含む第1の被接合体と、前記触媒層を含む第2の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記高分子電解質膜と前記触媒層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記高分子電解質膜と前記触媒層を圧着する圧着工程、或いは、(2)前記触媒層を含む第3の被接合体と、前記ガス拡散層を含む第4の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記触媒層と前記ガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記触媒層と前記ガス拡散層を圧着する圧着工程、の少なくとも一方を備えることを特徴とする。
(1)前記高分子電解質膜を含む第1の被接合体と、前記触媒層を含む第2の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記高分子電解質膜と前記触媒層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記高分子電解質膜と前記触媒層を圧着する圧着工程、或いは、(2)前記触媒層を含む第3の被接合体と、前記ガス拡散層を含む第4の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記触媒層と前記ガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記触媒層と前記ガス拡散層を圧着する圧着工程、の少なくとも一方を備えることを特徴とする。
本発明の膜・電極接合体の製造方法は、液体中に浸漬した状態で被接合体をプレスするため、被接合体中の高分子電解質膜や触媒層中の高分子電解質は前記液体を充分に吸収し、柔らかくなった状態でプレスされる。そのため、接合面に存在する高分子電解質膜及び/又は触媒層の高分子電解質が、接合相手である触媒層やガス拡散層の接合面の凹凸部に入りこむ、いわゆるアンカー効果が高く、その結果、強い接合性が得られる。また、高分子電解質膜や触媒層中の高分子電解質が柔らかくなっている状態において、高分子電解質膜や触媒層の接合面は、接合相手の接合面に対する追従性が高いため、高い密着性が得られる。
以上のように、本発明の膜・電極接合体の製造方法は、プレス時の温度や圧力を高くすることなく、膜・電極接合体を構成する層間の接合性を高めることが可能である。ゆえに、高圧プレスによる触媒層の多孔質構造の破壊を防止することが可能である。
また、被接合体を液体中に浸漬することによって、酸素を遮断することができるため、高分子電解質の酸化劣化を防止することも可能である。すなわち、本発明によれば、従来の方法では、高分子電解質のプロトン伝導性基脱離等の酸化劣化が発生していたような高温条件でもプレスすることが可能であり、高温プレスによりさらなる接合性の向上も可能である。
以上のように、本発明の膜・電極接合体の製造方法は、プレス時の温度や圧力を高くすることなく、膜・電極接合体を構成する層間の接合性を高めることが可能である。ゆえに、高圧プレスによる触媒層の多孔質構造の破壊を防止することが可能である。
また、被接合体を液体中に浸漬することによって、酸素を遮断することができるため、高分子電解質の酸化劣化を防止することも可能である。すなわち、本発明によれば、従来の方法では、高分子電解質のプロトン伝導性基脱離等の酸化劣化が発生していたような高温条件でもプレスすることが可能であり、高温プレスによりさらなる接合性の向上も可能である。
前記圧着工程におけるプレスは、接合性の観点から、熱プレスであることが好ましい。
前記液体は、前記高分子電解質膜及び/又は高分子電解質が該液体を吸収し、柔らかくなるものであれば、特に限定されないが、前記高分子電解質膜及び/又は高分子電解質が、乾燥重量に対して1〜100重量%吸収可能であるものが好ましい。具体的な前記液体としては、水又は水溶液が挙げられ、該水溶液としては酸性水溶液及びアルコール水溶液の少なくとも1種が挙げられる。
前記液体は、前記高分子電解質膜及び/又は高分子電解質が該液体を吸収し、柔らかくなるものであれば、特に限定されないが、前記高分子電解質膜及び/又は高分子電解質が、乾燥重量に対して1〜100重量%吸収可能であるものが好ましい。具体的な前記液体としては、水又は水溶液が挙げられ、該水溶液としては酸性水溶液及びアルコール水溶液の少なくとも1種が挙げられる。
前記第2の被接合体及び/又は前記第3の被接合体において、前記触媒層は、圧着面の表面における水接触角が90°以下であることが好ましい。触媒層の圧着面表面の親水性が高いことにより、触媒層の前記液体吸収性が高まり、効率良く触媒層中に前記液体を含浸させ、触媒層を柔軟化させることができるからである。該圧着面表面は、親水化処理を施すことによって上記水接触角を示す親水性を付与してもよい。
本発明によれば、各層の構造破壊や構成材料の劣化を防止しつつ、高分子電解質膜−触媒層間、及び/又は、触媒層−ガス拡散層間の接合性を高めることが可能であり、優れた発電性能及び高い耐久性を示す膜・電極接合体を提供することができる。
本発明の膜・電極接合体の製造方法は、高分子電解質膜と、該高分子電解質膜を狭持し、且つ、高分子電解質を含有する触媒層及びガス拡散層を有する一対の電極と、を備える膜・電極接合体の製造方法であって、(1)前記高分子電解質膜を含む第1の被接合体と、前記触媒層を含む第2の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記高分子電解質膜と前記触媒層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記高分子電解質膜と前記触媒層を圧着する圧着工程、或いは、(2)前記触媒層を含む第3の被接合体と、前記ガス拡散層を含む第4の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記触媒層と前記ガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記触媒層と前記ガス拡散層を圧着する圧着工程、の少なくとも一方を備えることを特徴とする。
図1に本発明に係る製造方法により得られる膜・電極接合体を備える単セルの一形態例を示す。
図1において、膜・電極接合体6は、高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ということがある)1の一面側に燃料極(アノード)2、及び酸化剤極(カソード)3が設けられている。燃料極2及び酸化剤極3は共に、電解質膜1側から順に触媒層4(4a、4b)及びガス拡散層5(5a、5b)が積層した構造を有している。尚、本実施形態においては、燃料極2及び酸化剤極3共に上記積層構造を有しているが、触媒層のみからなる単層構造であっても、触媒層及びガス拡散層以外の層を備える層構造を有していてもよい。
図1において、膜・電極接合体6は、高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ということがある)1の一面側に燃料極(アノード)2、及び酸化剤極(カソード)3が設けられている。燃料極2及び酸化剤極3は共に、電解質膜1側から順に触媒層4(4a、4b)及びガス拡散層5(5a、5b)が積層した構造を有している。尚、本実施形態においては、燃料極2及び酸化剤極3共に上記積層構造を有しているが、触媒層のみからなる単層構造であっても、触媒層及びガス拡散層以外の層を備える層構造を有していてもよい。
膜・電極接合体6は、二つのセパレータ7(7a、7b)で狭持され、単セル100が構成される。各セパレータ7の片面には、反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)の流路8(8a、8b)を形成する溝が設けられており、これらの溝と燃料極2、酸化剤極3の外面とで燃料ガス流路8a、酸化剤ガス流路8bが画成される。燃料ガス流路8aは、燃料極2に燃料ガス(水素を含む又は水素を発生させる気体)を供給するための流路であり、酸化剤ガス流路8bは、酸化剤極3に酸化剤ガス(酸素を含む又は酸素を発生させる気体)を供給するための流路である。
本発明の製造方法は、電解質膜1と触媒層4及び/又は触媒層4とガス拡散層5を圧着接合する圧着工程に特徴を有するものである。電解質膜1と触媒層4の接合は、電解質膜を含む第1の被接合体と触媒層を含む第2の被接合体を、電解質膜と触媒層が対面するように重ね合わせてプレスすることで行うことができる(図2(A)、(B)参照)。また、触媒層4とガス拡散層5の接合は、触媒層4を含む第3の被接合体とガス拡散層を含む第4の被接合体を、触媒層とガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスすることで行うことができる(図2(C)、(D)参照)。
電解質膜を含む第1の被接合体としては、典型的には、電解質膜そのものでよいが、基材上に電解質膜が形成されたものでもよい。また、触媒層4を含む第2の被接合体としては、転写基材9上に触媒層4が形成された触媒層転写シートLaや、ガス拡散層5上に触媒層4が形成された触媒層−ガス拡散層複合体Lb等が挙げられる(図2(A)、(B)参照)。また、触媒層4を含む第3の被接合体としては、転写基材9上に触媒層4が形成された触媒層転写シートLaや、電解質膜1上に触媒層4が形成された電解質膜−触媒層複合体Lc等が挙げられる。
ガス拡散層5を含む第4の被接合体としては、ガス拡散層を構成するガス拡散層シート、ガス拡散層と該ガス拡散層のセパレータ側に設けられた機能層との積層体等が挙げられる。
電解質膜を含む第1の被接合体としては、典型的には、電解質膜そのものでよいが、基材上に電解質膜が形成されたものでもよい。また、触媒層4を含む第2の被接合体としては、転写基材9上に触媒層4が形成された触媒層転写シートLaや、ガス拡散層5上に触媒層4が形成された触媒層−ガス拡散層複合体Lb等が挙げられる(図2(A)、(B)参照)。また、触媒層4を含む第3の被接合体としては、転写基材9上に触媒層4が形成された触媒層転写シートLaや、電解質膜1上に触媒層4が形成された電解質膜−触媒層複合体Lc等が挙げられる。
ガス拡散層5を含む第4の被接合体としては、ガス拡散層を構成するガス拡散層シート、ガス拡散層と該ガス拡散層のセパレータ側に設けられた機能層との積層体等が挙げられる。
第1の被接合体と第2の被接合体のプレスにおいて、第1の被接合体の接合面は電解質膜、第2の被接合体の接合面は触媒層であり、両接合面に高分子電解質が存在している。また、第3の被接合体と第4の被接合体のプレスにおいて、第3の被接合体の接合面は触媒層、第4の被接合体の接合面はガス拡散層であり、第3の被接合体の接合面に高分子電解質が存在している。このように接合面に高分子電解質が存在する場合、被接合体を液体中に浸漬すると、該接合面に存在する高分子電解質は該液体を吸収し、膨潤する。そして、被接合体を液体に浸漬した状態でその積層方向にプレスすることで、膨潤し、軟化した高分子電解質が、接合相手の接合面と密着し、また、接合面の凹凸部分に入り込む(アンカー効果)ため、これら接合面同士が強く接合される。
本発明においては、被接合体を液体中に浸漬させるため、高湿度雰囲気下でプレスする場合や高分子電解質膜に水分を含浸させた状態とは、高分子電解質の湿潤状態が大きく異なり、多くの液体を吸収し、より柔らかくなっている。従って、本発明によれば、より高いアンカー効果及びより高い密着性が得られ、接合面の接合性を大きく向上させることができる。
ゆえに、本発明の製造方法によれば、従来の方法と比較して小さな圧力で圧着させることが可能であり、触媒層に過度の圧力がかかることによる多孔質構造の変化等を防止することができる。プレス温度や高分子電解質の種類等にもよるが、例えば、1〜2MPaでのプレスでも充分な接合性を得ることができる。
ゆえに、本発明の製造方法によれば、従来の方法と比較して小さな圧力で圧着させることが可能であり、触媒層に過度の圧力がかかることによる多孔質構造の変化等を防止することができる。プレス温度や高分子電解質の種類等にもよるが、例えば、1〜2MPaでのプレスでも充分な接合性を得ることができる。
被接合体を浸漬する液体は、高分子電解質膜や触媒層に含有される高分子電解質が、該液体を吸収し、膨潤して、柔らかくなるものであれば、特に限定されるものではなく、使用する高分子電解質や、圧着工程におけるプレス温度、プレス圧力等に合わせて適宜選択すればよい。具体的には、高分子電解質膜及び/又は高分子電解質が、乾燥重量に対して1〜100重量%、特に10〜50重量%の前記液体を吸収可能であることが好ましい。
なお、高分子電解質膜、高分子電解質の乾燥重量は、120℃真空乾燥機で乾燥させて絶乾状態にし、真空乾燥機から取り出した直後の重量とし、前記液体の吸収量は、室温にて液体に浸漬し、飽和量の液体を吸収させた状態(電解質がこれ以上液体を吸収できない状態)で表面の液体を速やかにふき取った直後の重量と上記乾燥重量との差から算出することができる。
なお、高分子電解質膜、高分子電解質の乾燥重量は、120℃真空乾燥機で乾燥させて絶乾状態にし、真空乾燥機から取り出した直後の重量とし、前記液体の吸収量は、室温にて液体に浸漬し、飽和量の液体を吸収させた状態(電解質がこれ以上液体を吸収できない状態)で表面の液体を速やかにふき取った直後の重量と上記乾燥重量との差から算出することができる。
被接合体を浸漬する前記液体としては、例えば、入手容易性や取扱い容易性等の観点からは、水が好適であるが、コンタミ除去、液体吸収率の向上(液体吸収による軟質化の向上)等を目的として、水にその他の成分を混合した水溶液を用いることも好ましい。水溶液としては、例えば、硫酸水溶液等の酸性水溶液、エタノール水溶液、メタノール水溶液等のアルコール水溶液等が挙げられる。プロトン伝導性基としてスルホン酸基を有する高分子電解質を用いる場合、上記液体として硫酸水溶液を用いることによって、圧着工程以前の工程において、スルホン酸塩に変化してしまっていた基を再度スルホン酸基に戻すことができ、高分子電解質のプロトン伝導性を回復させることができる(コンタミ除去の例)。
また、150℃以上のような高温条件下でプレスを行う場合には、エチレングリコール、フッ素系有機溶媒等の沸点の高い有機溶媒を用いることが好ましい。
尚、上記液体が、高分子電解質に対して溶解性を有する成分を含有する場合、該液体中に高分子電解質が溶出してしまうため好ましくない。
また、150℃以上のような高温条件下でプレスを行う場合には、エチレングリコール、フッ素系有機溶媒等の沸点の高い有機溶媒を用いることが好ましい。
尚、上記液体が、高分子電解質に対して溶解性を有する成分を含有する場合、該液体中に高分子電解質が溶出してしまうため好ましくない。
圧着工程において、圧着接合するのは、2つの被接合体に限定されず、2つ以上であれば、例えば、3つでも4つでもよい。具体的には、電解質膜(第1の被接合体)を、第2の被接合体で挟み込み、電解質膜の両面に触媒層を同時に接合させてもよいし、電解質膜の両面に触媒層が形成された複合体(第3の被接合体)を、ガス拡散層(第4の被接合体)で挟み込み、両極のガス拡散層と触媒層を同時に接合させてもよい。
2つ以上の被接合体は、上記液体中に浸漬され、接合体中の高分子電解質膜及び/又は高分子電解質が充分に軟化した状態で、その積層方向にプレスされる(図3参照)。被接合体を液体に浸漬した状態でプレスできれば、液体の量、プレス方法等に特に限定はない。例えば、プレス方法としては、平型プレス、ロールプレス等、一般的な方法を用いることができる。
また、液体中に浸漬させた状態の接合体をプレスする装置としては、特に限定されず、例えば、液体10を充填し、被接合体(例えば、触媒層転写シートLaと電解質膜1)を配置、密閉可能な空間を有し、該空間内で被接合体をプレスできるものが挙げられる(図3参照)。
また、液体中に浸漬させた状態の接合体をプレスする装置としては、特に限定されず、例えば、液体10を充填し、被接合体(例えば、触媒層転写シートLaと電解質膜1)を配置、密閉可能な空間を有し、該空間内で被接合体をプレスできるものが挙げられる(図3参照)。
また、被接合体のプレスは、熱プレスであっても、冷間プレスであってもよい。上記したように液体を吸収し、柔らかくなった高分子電解質のアンカー効果や密着性により、加熱しなくても、圧着による接合が可能である。より高い接合性を得るためには、やはり熱プレスが好ましい。高分子電解質の軟化、溶融等が生じ、アンカー効果を高めることができるからである。また、本発明においては、実質酸素が存在しない液体中でプレスを行うため、熱プレスであっても、高分子電解質の酸化劣化が発生しない。さらには、高分子電解質の酸化劣化防止の観点から、従来の方法では難しかった高温、例えば、150〜180℃のような高温プレスも、酸素による劣化が生じない本発明では可能であり、プレス温度の上昇による接合性の向上が達成可能である。
尚、代表的な高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂は、空気中で加熱すると150℃でSO2が発生するが、窒素ガス中で加熱すると200℃を超えてもSO2は発生せず、さらに温度を上げても空気中と比較してSO2発生量が大幅に少ないことが確認されている(図4参照)。すなわち、高分子電解質の加熱は、酸素が存在しない雰囲気で行うことによって、酸素存在雰囲気と比較して高分子電解質の劣化を大幅に抑制することが可能である。なお、図4は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を一定の昇温条件下、空気中又は窒素ガス中において、加熱した際のSO2発生量である。
圧着工程における具体的な圧力条件、温度条件等は、特に限定されず、高分子電解質の種類、要求される接合力、接着界面における電子伝導度等に応じて適宜決定すればよいが、通常、1〜5MPa、110〜150℃、特に、110〜130℃の条件でプレスすることが好ましい。このようなプレス圧及びプレス温度でプレスすることで、電解質膜や触媒層を構成する高分子電解質の酸化劣化を防止し、且つ、触媒層の多孔質構造を維持しつつ、電解質膜−触媒層間、及び/又は、触媒層−ガス拡散層間における高い接合力を得ることができる。
第2の被接合体又は第3の被接合体として、転写基材表面に触媒層が形成された触媒転写シートを用いる場合、該触媒層は、電解質膜と圧着される圧着面又はガス拡散層と圧着される圧着面の表面が、親水性を有していることが好ましい。圧着面表面が親水性を有することによって、触媒層への吸水が促進されるためである。具体的には、触媒層の圧着面表面の水接触角が90°以下であることが好ましく、特に70°以下であることが好ましい。触媒層の水接触角は、一般的な方法に準じて、水接触角計を用いて測定することができる。
触媒層の圧着面表面の水接触角を上記範囲とするため、親水化処理を施してもよい。親水化処理としては、特に限定されず、例えば、プラズマ処理、コロナ処理等が挙げられる。中でも、プラズマ処理が好ましい。具体的には、酸素雰囲気中、触媒層圧着面表面をプラズマ処理することで、水接触角を140°から65°に変化させることが可能である。
触媒層の圧着面表面の水接触角を上記範囲とするため、親水化処理を施してもよい。親水化処理としては、特に限定されず、例えば、プラズマ処理、コロナ処理等が挙げられる。中でも、プラズマ処理が好ましい。具体的には、酸素雰囲気中、触媒層圧着面表面をプラズマ処理することで、水接触角を140°から65°に変化させることが可能である。
転写基材としては、特に限定されず、一般的に使用されているもの、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)フィルム等を挙げることができる。
また、ガス拡散層を含む被接合体を用いる場合には、ガス拡散層中の空気を除去するような工程を設けてもよい。ガス拡散層は、電極の排水性を高めるべく、撥水性が付与されることが多く、液体中に浸漬する際に、その多孔質構造内に液体が含浸されにくいためである。ガス拡散層中の空気を除去することで、高分子電解質の軟化効果や非酸素雰囲気における熱プレス効果を高めることができる。
以下、膜・電極接合体を構成する各層について説明する。
電解質膜としては、特に限定されず、例えば、ナフィオン(商品名)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂等のフッ素系高分子電解質や、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエチレンスルフィド等の炭化水素系高分子にスルホン酸基、ボロン酸基、水酸基等のプロトン伝導性基を導入した炭化水素系高分子電解質等を含有するものが挙げられる。高分子電解質膜の膜厚は特に限定されないが、通常、1〜100μm程度が好ましい。
電解質膜としては、特に限定されず、例えば、ナフィオン(商品名)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂等のフッ素系高分子電解質や、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエチレンスルフィド等の炭化水素系高分子にスルホン酸基、ボロン酸基、水酸基等のプロトン伝導性基を導入した炭化水素系高分子電解質等を含有するものが挙げられる。高分子電解質膜の膜厚は特に限定されないが、通常、1〜100μm程度が好ましい。
触媒層は、電極触媒と高分子電解質とを含有する触媒インクを用いて形成することができる。
電極触媒としては、通常、触媒成分を導電性粒子に担持させたものが用いられる。触媒成分としては、燃料極の燃料の酸化反応又は酸化剤極の酸化剤の還元反応に対して触媒活性を有しているものであれば、特に限定されず、固体高分子型燃料電池に一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、白金、又はルテニウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、銅等の金属と白金との合金等が挙げられる。触媒担体である導電性粒子としては、カーボンブラック等の炭素粒子や炭素繊維のような導電性炭素材料、金属粒子や金属繊維等の金属材料も用いることができる。導電性粒子は、触媒層及び撥水層のガス透過性や排水性の観点から、0.03〜1μm程度の一次粒径を有するものが好ましく用いられる。
電極触媒としては、通常、触媒成分を導電性粒子に担持させたものが用いられる。触媒成分としては、燃料極の燃料の酸化反応又は酸化剤極の酸化剤の還元反応に対して触媒活性を有しているものであれば、特に限定されず、固体高分子型燃料電池に一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、白金、又はルテニウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、銅等の金属と白金との合金等が挙げられる。触媒担体である導電性粒子としては、カーボンブラック等の炭素粒子や炭素繊維のような導電性炭素材料、金属粒子や金属繊維等の金属材料も用いることができる。導電性粒子は、触媒層及び撥水層のガス透過性や排水性の観点から、0.03〜1μm程度の一次粒径を有するものが好ましく用いられる。
高分子電解質としては、固体高分子型燃料電池において使用されるものであれば特に限定されず、上記電解質膜を構成する高分子電解質と同様のものを用いることができる。電解質膜中の高分子電解質と触媒層中の高分子電解質は同材料であっても異なる材料であってもよい。
触媒インクは上記のような電極触媒と高分子電解質とを、溶媒に溶解又は分散させて得られる。触媒インクの溶媒は、適宜選択すればよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒、又はこれら有機溶媒の混合物やこれら有機溶媒と水との混合物を用いることができる。触媒インクには、電極触媒及び高分子電解質以外にも、必要に応じて結着剤や撥水性樹脂等のその他の成分を含有させてもよい。
触媒層の形成方法は特に限定されず、転写基材表面に形成する場合(被接合体La)には、触媒インクを転写基材表面に塗布、乾燥する方法が挙げられる。また、電解質膜表面に触媒層を形成する場合(被接合体Lc)には、触媒インクを電解質膜表面に直接塗布、乾燥する方法の他、転写基材表面に触媒層が形成された触媒層転写シートを用い、触媒層を電解質膜表面に転写する方法も挙げられる。また、ガス拡散層の表面に触媒層を形成する場合(被接合体Lb)には、ガス拡散層を構成するガス拡散層シートの表面に触媒インクを塗布、乾燥方法が挙げられる。
触媒インクの塗布方法、乾燥方法等は適宜選択することができる。例えば、塗布方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法などが挙げられる。また、乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。減圧乾燥、加熱乾燥における具体的な条件に制限はなく、適宜設定すればよい。
触媒インクの塗布量は、触媒インクの組成や、電極触媒に用いられる触媒金属の触媒性能等によって異なるが、触媒層単位面積当りの触媒成分量が、0.1〜1mg/cm2程度となるようにすればよい。
触媒インクの塗布量は、触媒インクの組成や、電極触媒に用いられる触媒金属の触媒性能等によって異なるが、触媒層単位面積当りの触媒成分量が、0.1〜1mg/cm2程度となるようにすればよい。
ガス拡散層を構成するガス拡散層シートとしては、触媒層に効率良くガスを供給することができるガス拡散性、導電性、及びガス拡散層を構成する材料として要求される強度を有するもの、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素質多孔質体や、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケル−クロム合金、銅及びその合金、銀、アルミ合金、亜鉛合金、鉛合金、チタン、ニオブ、タンタル、鉄、ステンレス、金、白金等の金属から構成される金属メッシュ又は金属多孔質体等の導電性多孔質体から構成されるものが挙げられる。該導電性多孔質体の厚さは、50〜300μm程度であることが好ましい。
ガス拡散層シートは、上記したような導電性多孔質体の表面をポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂等の撥水性樹脂で被覆したものを用いることもできる。
ガス拡散層シートは、上記したような導電性多孔質体の表面をポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂等の撥水性樹脂で被覆したものを用いることもできる。
尚、本発明において、被接合体は、電解質膜、触媒層、ガス拡散層、転写基材以外にも、その他の層を含んでいてもよい。
1…高分子電解質膜
2…燃料極
3…酸化剤極
4…触媒層(4a:燃料極側触媒層、4b:酸化剤極側触媒層)
5…ガス拡散層(5a:燃料極側ガス拡散層、5b:酸化剤極側ガス拡散層)
6…膜・電極接合体
7(7a、7b)…セパレータ
8…ガス流路(8a:燃料ガス流路、8b:酸化剤ガス流路)
9…転写基材
10…液体
100…単セル
2…燃料極
3…酸化剤極
4…触媒層(4a:燃料極側触媒層、4b:酸化剤極側触媒層)
5…ガス拡散層(5a:燃料極側ガス拡散層、5b:酸化剤極側ガス拡散層)
6…膜・電極接合体
7(7a、7b)…セパレータ
8…ガス流路(8a:燃料ガス流路、8b:酸化剤ガス流路)
9…転写基材
10…液体
100…単セル
Claims (7)
- 高分子電解質膜と、該高分子電解質膜を狭持し、且つ、高分子電解質を含有する触媒層及びガス拡散層を有する一対の電極と、を備える膜・電極接合体の製造方法であって、
(1)前記高分子電解質膜を含む第1の被接合体と、前記触媒層を含む第2の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記高分子電解質膜と前記触媒層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記高分子電解質膜と前記触媒層を圧着する圧着工程、或いは、(2)前記触媒層を含む第3の被接合体と、前記ガス拡散層を含む第4の被接合体とを、液体中に浸漬した状態で、前記触媒層と前記ガス拡散層が対面するように重ね合わせてプレスし、前記触媒層と前記ガス拡散層を圧着する圧着工程、の少なくとも一方を備えることを特徴とする、膜・電極接合体の製造方法。 - 前記圧着工程において、前記プレスが熱プレスである、請求項1に記載の膜・電極接合体の製造方法。
- 前記高分子電解質膜及び/又は高分子電解質は、乾燥重量に対して1〜100重量%の前記液体を吸収可能である、請求項1又は2に記載の膜・電極接合体の製造方法。
- 前記液体が、水又は水溶液である、請求項1乃至3のいずれかに記載の膜・電極接合体の製造方法。
- 前記水溶液が、酸性水溶液及びアルコール水溶液の少なくとも1種である、請求項4に記載の膜・電極接合体の製造方法。
- 前記第2の被接合体及び/又は前記第3の被接合体において、前記触媒層は、圧着面表面の水接触角が90°以下である、請求項1乃至5のいずれかに記載の膜・電極接合体の製造方法。
- 前記触媒層の圧着面表面は、親水化処理が施されている、請求項6に記載の膜・電極接合体の製造方法。
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-
2007
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