JP2022088671A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップ部品と金属端子とを確実かつ強固に連結することができる金属端子と、その金属端子を持つ電子部品を提供すること。【解決手段】チップ部品20に連結される金属端子30を有する電子部品である。金属端子30は、端子本体部36と、チップ部品20を保持するように端子本体部36に具備してある保持片31a,31bと、を有する。一対の保持片31a,31bの内の一方の保持片31aが、端子本体部36の上端に形成してあり、その保持片31aの幅、突出長さまたは突出面積が、他方の保持片31bの幅、突出長さまたは突出面積と異なっている。【選択図】図1C

Description

本発明は、金属端子付きの電子部品に関する。
セラミックコンデンサ等の電子部品としては、単体で直接基板等に面実装等する通常のチップ部品の他に、たとえば特許文献1に示すように、チップ部品に金属端子が取り付けられたものが提案されている。
金属端子が取り付けられている電子部品は、実装後において、チップ部品が基板から受ける変形応力を緩和したり、チップ部品を衝撃等から保護する効果を有することが報告されており、耐久性および信頼性等が要求される分野において使用されている。
しかしながら、従来の金属端子付き電子部品では、チップ部品の端子電極と金属端子とはハンダのみで接合してあり、その接合に課題があった。たとえばハンダ付けの際には、チップ部品の端子電極と金属端子とを位置合わせしながらハンダ付け作業を行う必要がある。特に、複数のチップ部品を一対の金属端子にハンダ付けする際には、その作業が繁雑であると共に、接合の確実性が低下するおそれがある。また、高温環境や温度変化の大きい環境で使用された場合、ハンダと金属端子との熱膨張率の違いなどにより、チップ部品と金属端子との接合が解除されてしまうおそれもある。
特開2000-235932号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、チップ部品と金属端子とを確実かつ強固に連結することができる金属端子を持つ電子部品を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る電子部品は、
素子本体の外部に形成してある端子電極を持つチップ部品と、
前記チップ部品の端子電極に接続される金属端子と、を有する電子部品であって、
前記金属端子は、
前記チップ部品の端子電極の端面に向き合う部分を持つ端子本体部と、
前記端子本体部に成形され、前記チップ部品を両側から挟み込む一対の保持片と、
を有し、
一対の前記保持片の内の一方の保持片の幅が、他方の保持片の幅と異なっていることを特徴とする。
本発明の第2の観点に係る電子部品は、
素子本体の外部に形成してある端子電極を持つチップ部品と、
前記チップ部品の端子電極に接続される金属端子と、を有する電子部品であって、
前記金属端子は、
前記チップ部品の端子電極の端面に向き合う部分を持つ端子本体部と、
前記端子本体部に成形され、前記チップ部品を両側から挟み込む一対の保持片と、
を有し、
一対の前記保持片の内の一方の保持片の突出長さが、他方の保持片の突出長さと異なっていることを特徴とする。
本発明の第3の観点に係る電子部品は、
素子本体の外部に形成してある端子電極を持つチップ部品と、
前記チップ部品の端子電極に接続される金属端子と、を有する電子部品であって、
前記金属端子は、
前記チップ部品の端子電極の端面に向き合う部分を持つ端子本体部と、
前記端子本体部に成形され、前記チップ部品を両側から挟み込む一対の保持片と、
を有し、
一対の前記保持片の内の一方の保持片の突出面積が、他方の保持片の突出面積と異なっていることを特徴とする。
本発明の電子部品の金属端子では、一対の保持片の内の一方の保持片の幅、突出長さあるいは突出面積が、他方の保持片の幅、突出長さあるいは突出面積と異なっている。このため、一方の保持片の保持力を調整することが容易になり、他方の保持片の保持力とのバランス調整が可能となる。その結果、一対の保持片によるチップ部品の把持が安定し、チップ部品と金属端子とを確実かつ強固に連結することができる。
たとえば保持片の幅、突出長さあるいは突出面積を変化させることで、保持片によるチップ部品への保持力が変化する。そこで、保持片の幅、突出長さあるいは突出面積を調整することで、一方の保持片によるチップ部品への保持力を、他方の保持片の保持力とバランスさせて最適化することができる。
たとえば一方の保持片の幅を小さくすることで、一方の保持片によるチップ部品への保持力を弱めて最適化することができるが、幅を大きくすることで、最適化してもよい。また、一方の保持片の突出長さを長くすることで、一方の保持片によるチップ部品への保持力を弱めて最適化することができるが、突出長さを短くすることで、最適化してもよい。同様に、一方の保持片の突出面積を他方の保持片の突出面積と変化させることでも、一対の保持片によるチップ部品への保持力を最適化することができる。
たとえば一方の保持片の幅は、他方の保持片の幅に対して、0.2~0.95倍の範囲で小さくしてもよい。あるいは、一方の保持片の長さは、他方の保持片の長さに対して、0.5~0.95倍の範囲で小さくしてもよい。あるいは、一方の保持片の突出面積は、他方の保持片の突出面積に対して、0.5~1.5倍の範囲で調整してもよい。
一対の前記保持片の内の一方の保持片の先端部の幅が基端部から先端部に向けて変化していてもよい。このように構成することにより、一対の保持片によるチップ部品への保持がより確実に強固なものとなる。また、チップ部品の端子電極と接触する面積を増大させることも可能であり、より確実にチップ部品を保持することができる。
一対の保持片の内の他方が、端子本体部に形成してある抜き穴に対応する板片で構成され、端子本体部の途中位置に形成してあってもよい。抜き穴に対応する板片で構成される他方の保持片の保持力に合わせて、一方の保持片の保持力をバランスさせることが可能になり、一対の保持片によるチップ部品の把持が安定する。
好ましくは、金属端子は、実装面に実装される実装部をさらに有し、
一対の保持片は、チップ部品の端子電極の端面の長手方向に沿って両側に位置するように、端子本体部に形成してあり、
一方の保持片が、他方の保持片よりも、実装部から遠い側に位置する。
このような配置とすることで、複数のチップ部品を水平方向に並んで配置させて金属端子で保持することが容易になる。
たとえば端子本体部は、水平方向に並んで配置される複数のチップ部品の端部にそれぞれ接続可能になっており、
それぞれのチップ部品毎に、一対の保持片が端子本体部に形成してあり、
一対の保持片の内の一方が、端子本体部の一端に形成してある。
好ましくは、端子本体部と端子電極の端面との間には、
端子本体部と端子電極の端面とを接続する接続部材が、所定範囲内の接合領域で存在し、
接合領域の縁部と保持片との間には非接合領域が形成してある。
本発明に係る電子部品では、金属端子の保持片でチップ部品を保持し、しかもハンダなどの接続部材により所定範囲内の接合領域で、金属端子とチップ部品との接続を行うため、チップ部品と金属端子とを確実かつ強固に連結することができる。なお、接続部材としては、ハンダに限定されず、導電性接着剤などを用いることもできる。
また、非接合領域では、保持片に向けて、端子本体部と端子電極の端面との間の非接合隙間が大きくしてもよい。このように構成することで、非接合領域では、金属端子の端子本体部は、端子電極に拘束されずに自由に撓み弾性変形が可能であり、応力が緩和される。そのため、その非接合領域に連続する保持片の弾力性が良好に確保され、保持片でチップ部品を良好に保持することができる。また、金属端子が、撓み弾性変形し易くなると共に、音鳴き現象を効果的に抑制することができる。
好ましくは、端子本体部には、複数のチップ部品の端子電極の端面が複数の接合領域で並んで接合され、隣り合う前記接合領域の間にも、非接合領域が形成してある。このように構成することで、複数のチップ部品を一対の金属端子で連結することが容易になり、しかも、チップ部品の相互間に存在する非接合領域の存在により、音鳴き現象を良好に抑制することができる。
接合領域では、端子本体部の表裏面を貫通する貫通孔が形成してあってもよい。貫通孔を通して、接合領域内の接続部材の塗布状態を外部から観察が可能になる。また、貫通孔を通して、ハンダなどの接続部材に含まれる気泡を逃がすことができる。このため、ハンダなどの接続部材の量が少なくても接合が安定化する。
接合領域において、端子本体部の内面には、端子電極の端面に向けて突出する突起が形成してもよい。このように構成することで、接続部材の塗布領域を容易に制御することができると共に、接合領域の厚みも容易に制御することが可能となる。また、接合部材の量が少なくても接合が安定化する。
図1Aは、本発明の実施形態に係るセラミック電子部品を示す概略斜視図である。 図1Bは、図1Aに示す金属端子の概略斜視図である。 図1Cは、図1Bに示す金属端子の平面図である。 図1Dは、本発明の他の実施形態に係るセラミック電子部品を示す概略斜視図である。 図2Aは、図1Aに示すセラミック電子部品の正面図である。 図2Bは、図2Aに示すセラミック電子部品の要部拡大図である。 図3Aは、図1に示すセラミック電子部品の左側面図である。 図3Bは、図3Aに示す実施形態の変形例に係るセラミック電子部品の左側面図である。 図3Cは、本発明のその他の実施形態に係るセラミック電子部品の左側面図である。 図3Dは、本発明のさらにその他の実施形態に係るセラミック電子部品の左側面図である。 図3Eは、本発明のさらにその他の実施形態に係るセラミック電子部品の左側面図である。 図4は、図1Aに示すセラミック電子部品の上面図である。 図5は、図1Aに示すセラミック電子部品の底面図である。 図6は、図1Aに示すセラミック電子部品のY軸に垂直な断面図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係るセラミック電子部品を示す概略斜視図である。 図8は、図7に示すセラミック電子部品の正面図である。 図9は、図7に示すセラミック電子部品の左側面図である。 図10は、図7に示すセラミック電子部品の上面図である。 図11は、図7に示すセラミック電子部品の底面図である。 図12は、図7に示す実施形態の変形例に係るセラミック電子部品を示す概略斜視図である。 図13は、図12に示す実施形態の変形例に係るセラミック電子部品を示す概略斜視図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る電子部品としてのコンデンサ10を示す概略斜視図である。コンデンサ10は、チップ部品としてのコンデンサチップ20と、一対の金属端子30,40とを有する。第1実施形態に係るコンデンサ10は、2つのコンデンサチップ20を有するが、コンデンサ10が有するコンデンサチップ20の数は、単数でも複数でもよく、複数であれば数に制限はない。
なお、各実施形態の説明では、コンデンサチップ20に金属端子30,40が取り付けられたコンデンサを例に説明を行うが、本発明のセラミック電子部品としてはこれに限られず、コンデンサ以外のチップ部品に金属端子30,40が取り付けられたものであっても良い。
また、図面において、X軸とY軸とZ軸とは、相互に垂直であり、X軸は、図1Aに示すように、コンデンサチップ20が並べられる方向に平行であり、Z軸は、コンデンサ10の実装面からの高さ方向に一致し、Y軸は、チップ20の一対の端子電極22,24が相互に反対側に位置する方向に一致する。
コンデンサチップ20は、略直方体形状であり、2つのコンデンサチップ20は、互いに略同一の形状およびサイズを有している。図2Aに示すように、コンデンサチップ20は、互いに対向する一対のチップ端面を有しており、一対のチップ端面は、第1端面20aと第2端面20bとで構成されている。図1A、図2Aおよび図4に示すように、第1端面20aおよび第2端面20bは略長方形であり、第1端面20aおよび第2端面20bの長方形を構成する4辺のうち、長い方の一対の辺がチップ第1辺20g(図2A参照)であり、短い方の一対の辺がチップ第2辺20h(図4参照)である。
コンデンサチップ20は、第1端面20aと第2端面20bとが実装面に対して垂直になるように配置されている。言い換えると、第1端面20aと第2端面20bとを繋ぐコンデンサチップ20のチップ第3辺20j(図2A参照)が、コンデンサ10の実装面と平行になるように配置されている。なお、コンデンサ10の実装面は、後述する金属端子30,40の実装部38,48が対向するように、コンデンサ10がハンダ等によって取り付けられる面であり、図1Aに示すXY平面に平行な面である。
図2Aに示すチップ第1辺20gの長さL1と、図4に示すチップ第2辺20hとの長さL2とを比較すると、チップ第2辺20hの方がチップ第1辺20gより短い(L1>L2)。チップ第1辺20gとチップ第2辺20hとの長さの比は特に限定されないが、たとえばL2/L1は、0.3~0.7程度である。
コンデンサチップ20は、図2Aに示すように、チップ第1辺20gが実装面に対して垂直になり、図4に示すように、チップ第2辺20hが実装面に対して平行になるように配置される。したがって、第1端面20aと第2端面20bとを接続する4つのチップ側面である第1~第4側面20c~20fのうち、面積の広い第1側面20cおよび第2側面20dは実装面に対して垂直に配置され、第1側面20cおよび第2側面20dより面積が小さい第3側面20eおよび第4側面20fは、実装面に対して平行に配置される。また、第3側面20eは、下方の実装部38,48とは反対方向を向く上方側面であり、第4側面20fは、実装部38,48と向き合う下方側面である。
図1A、図2Aおよび図4に示すように、コンデンサチップ20の第1端子電極22は、第1端面20aから第1~第4側面20c~20fの一部に回り込むように形成されている。したがって、第1端子電極22は、第1端面20aに配置される部分と、第1側面20c~第4側面20fに配置される部分とを有する。
また、コンデンサチップ20の第2端子電極24は、第2端面20bから側面20c~20fの他の一部(第1端子電極22が回り込んでいる部分とは異なる部分)に回り込むように形成されている。したがって、第2端子電極24は、第2端面20bに配置される部分と、第1側面20c~第4側面20fに配置される部分を有する(図1A、図2Aおよび図4参照)。また、第1側面20c~第4側面20fにおいて、第1端子電極22と第2端子電極24とは所定の距離を隔てて形成されている。
コンデンサチップ20の内部構造を模式的に表す図6に示すように、コンデンサチップ20は、内部電極層26と誘電体層28とが積層された積層コンデンサである。内部電極層26は、第1端子電極22に接続しているものと、第2端子電極24に接続しているものとがあり、第1端子電極22に接続する内部電極層26と、第2端子電極24に接続している内部電極層26とが、誘電体層28を挟んで交互に積層されている。
図6に示すように、コンデンサチップ20における内部電極層26の積層方向は、X軸に平行でY軸に垂直である。つまり、図6に示す内部電極層26は、Z軸およびY軸の平面に平行で、実装面に対して垂直に配置される。
コンデンサチップ20における誘電体層28の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムまたはこれらの混合物などの誘電体材料で構成される。各誘電体層28の厚みは、特に限定されないが、1μm~数百μmのものが一般的である。本実施形態では、各誘電体層28の厚みは、好ましくは1.0~5.0μmである。また、誘電体層28は、コンデンサの静電容量を大きくできるチタン酸バリウムを主成分とすることが好ましい。
内部電極層26に含有される導電体材料は特に限定されないが、誘電体層28の構成材料が耐還元性を有する場合には、比較的安価な卑金属を用いることができる。卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。また、内部電極層26は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよい。内部電極層26の厚みは用途等に応じて適宜決定すればよい。
第1および第2端子電極22,24の材質も特に限定されず、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。第1および第2端子電極22,24の厚みも特に限定されないが、通常10~50μm程度である。なお、第1および第2端子電極22,24の表面には、Ni、Cu、Sn等から選ばれる少なくとも1種の金属被膜が形成されていても良い。
コンデンサチップ20の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。コンデンサチップ20は、たとえば、縦(図2Aに示すL3)1.0~6.5mm、好ましくは3.2~5.9mm×横(図2Aに示すL1)0.5~5.5mm、好ましくは1.6~5.2mm×厚み(図4に示すL2)0.3~3.5mm、好ましくは0.8~3.2mm程度である。複数のコンデンサチップ20を有する場合は、互いに大きさや形状が異なっていてもかまわない。
コンデンサ10における一対の金属端子30,40は、一対のチップ端面である第1および第2端面20a,20bに対応して設けられる。すなわち、一対の金属端子30,40の一方である第1金属端子30は、一対の端子電極22、24の一方である第1端子電極22に対応して設けられており、一対の金属端子30,40の他方である第2金属端子40は、一対の端子電極22,24の他方である第2端子電極24に対応して設けられている。
第1金属端子30は、第1端子電極22に対向する端子本体部36を有する。また、第1金属端子30は、コンデンサチップ20をチップ第1辺20gの両端側からZ軸方向に挟んで把持する複数対の嵌合アーム部(保持片)31a,31b,33a,33bを有する。さらに、第1金属端子30は、端子本体部36からコンデンサチップ20側へ延びており少なくとも一部が端子本体部36に対して略垂直である実装部38を有する。
図2Aに示すように、端子本体部36は、実装面に垂直であるチップ第1辺20gに略平行な一対の端子第1辺36gと、図3Aに示すように実装面に平行であるチップ第2辺20hに略平行な一対の端子第2辺36ha,36hbとを有する略矩形平板状である。
図3Aおよび図3B(第1変形例)に示すように、実装面に平行である端子第2辺36ha,36hbの長さは、端子第2辺36ha,36hbと平行に配置されるチップ第2辺20hの長さL2(図4参照)の数倍±αである。すなわち、端子本体部36のX軸間幅は、図3Aに示すコンデンサ10または図3Bに示すコンデンサ200に含まれるコンデンサチップ20の数とコンデンサチップ20のX軸幅とを積算した長さに対して同等であってもよく、僅かに短くても良く、僅かに長くてもよい。
たとえば、図3Bに示す第1変形例に係るコンデンサ200では、コンデンサ200がコンデンサチップ20を2つ含んでおり、実装面に平行である端子第2辺36ha,36hbの長さは、端子第2辺36ha,36hbと平行に配置されるチップ第2辺20hの長さL2の2倍より短い。なお、コンデンサ200は、コンデンサチップ20におけるチップ第2辺の長さが、実施形態に係るコンデンサチップ20のチップ第2辺20hの長さより長いことを除き、図1A~図6に示すコンデンサ10と同様である。
一方、図3Aに示す第1実施形態では、コンデンサ10がコンデンサチップ20を2つ含んでおり、実装面に平行である端子第2辺36ha,36hbの長さは、端子第2辺36ha,36hbと平行に配置されるチップ第2辺20hの長さL2の2倍と同一または僅かに長い。図1Aに示すように、金属端子30,40に対して組み合わせることのできるコンデンサチップの寸法は、1種類に限定されず、金属端子30,40は、X軸方向の長さが異なる複数種類のコンデンサチップ20に対応して、電子部品を構成することが可能である。
端子本体部36は、対向する第1端面20aに形成された第1端子電極22に対して、電気的および機械的に接続されている。たとえば、図2Aに示す端子本体部36と第1端子電極22との隙間に、はんだや導電性接着剤等の導電性の接続部材50を介在させて、端子本体部36と第1端子電極22とを接続することができる。
接続部材50により端子本体部36と第1端子電極22の端面とが接合する領域が接合領域50aと規定され、接続部材50が介在されずに端子本体部36と第1端子電極22の端面とが接合されずに隙間が存在する領域が非接合領域50bと規定される。非接合領域50bにおける端子本体部36と第1端子電極22の端面との間の隙間は、接続部材50の厚み程度の隙間である。本実施形態では、接続部材50の厚みは、後述する突起36aの突出高さなどに応じて決定される。図2Aに示す接合領域50aのZ軸方向高さが、第1所定高さに対応する。
本実施形態では、端子本体部36における第1端面20aに面する部分には、第1貫通孔36b(図1A参照)が形成されている。第1貫通孔36bは、コンデンサ10に含まれる各コンデンサチップ20に対応するように2つ形成されているが、第1貫通孔36bの形状および数はこれに限定されない。本実施形態では、第1貫通孔36bは、接合領域50aの略中央部に形成される。
図3Aに示すように、接合領域50aは、第1貫通孔36bのZ軸方向の両側にそれぞれ位置する初期塗布領域50cに、接続部材50(図2A参照)が塗布されることにより形成される。すなわち塗布の後に、端子本体部36の外面から発熱体を接触させてチップ20の端面に向けて端子本体部36を押し付けることにより、初期塗布領域50cに塗布されている接続部材50が広がって接合領域50aが形成される。接続部材50が広がりきれない領域が非接合領域50bとなる。本実施形態において、端子本体部36と端子電極22のY軸端面との間では、非接合領域50bの合計面積が、接合領域50aの合計面積の3/10よりも大きく、さらに好ましくは1/2~10倍である。
本実施形態では、はんだからなる接続部材50は、第1貫通孔36bの周縁と第1端子電極22との間にはんだブリッジを形成することにより、端子本体部36と第1端子電極22とを強く接合することができる。また、第1貫通孔36bを通して、接合領域50a内の接続部材50の塗布状態を外部から観察が可能になる。また、第1貫通孔36bを通して、ハンダなどの接続部材50に含まれる気泡を逃がすことができる。このため、ハンダなどの接続部材50の量が少なくても接合が安定化する。
また、端子本体部36には、コンデンサチップ20の第1端面20aへ向かって突出し、第1端面20aに接触する複数の突起36aが、第1貫通孔36aを囲むように形成してある。しかも、突起36aは、初期塗布領域50cの外側に形成されてもよく、突起36aと第1貫通孔36bとの間に、初期塗布領域50cが位置するようになっていてもよい。なお、初期塗布領域50cは、突起36aと第1貫通孔36bとの間からはみ出していてもよい。
突起36aは、端子本体部36と第1端子電極22との接触面積を低減することにより、コンデンサチップ20で発生した振動が第1金属端子30を介して実装基板に伝わることを防止し、コンデンサ10の音鳴きを防止することができる。
また、突起36aを第1貫通孔36bの周辺に形成することにより、はんだ等の接続部材50が広がって形成される接合領域50aを調整することが可能である。本実施形態では、接合領域50aは、突起36aの外側を少し超える位置に縁部を有する。特に、図1Aに示すように、接合領域50aのZ軸方向の下端縁部は、後述する第2貫通孔(開口部)36cの上部開口縁の近くに位置する。
このようなコンデンサ10は、端子本体部36と第1端子電極22との接合強度を適切な範囲に調整しつつ、音鳴きを防止することができる。なお、コンデンサ10では、1つの第1貫通孔36bの周りに、4つの突起36aが形成されているが、突起36aの数および配置は、これに限定されない。
端子本体部36には、複数対の嵌合アーム部31a,31b,33a,33bの一つである下部アーム部31bまたは下部アーム部33bが接続する周縁部を有する第2貫通孔(開口部)36cが形成されている。下部アーム部31bまたは下部アーム部33bは、端子本体部36に形成してある抜き穴(第2貫通孔36c)に対応する板片で構成され、端子本体部36のZ軸方向の途中位置に形成してある。第2貫通孔36cは、第1貫通孔36bより実装部38の近くに位置しており、第1貫通孔36bとは異なり、はんだ等の接続部材は設けられていない。すなわち、第2貫通孔36cは、非接合領域50bの範囲内に形成される。
このような第1金属端子30では、コンデンサチップ20を支持する下部アーム部31b,33bが形成してある第2貫通孔36cのX軸方向の両側に位置する非開口領域36c1は、端子電極22との間で非接合領域50bとなり、弾性変形しやすい形状となっている。このため、コンデンサ10に生じる応力を緩和する作用や、コンデンサチップ20の振動を吸収する作用を、効果的に奏することができる。したがって、このような第1金属端子30を有するコンデンサ10は、音鳴きを好適に防止することが可能であり、また、実装時における実装基板との接合信頼性が良好である。
第2貫通孔36cの形状は特に限定されないが、第2貫通孔36cは、端子第2辺36ha,36hbに平行な方向(X軸方向)である幅方向の開口幅が、第1貫通孔36bより広いことが好ましい。第2貫通孔36cの開口幅を広くすることにより、第1金属端子30による応力緩和作用や、音鳴き防止効果を、効果的に高めることができる。また、第1貫通孔36bの開口幅を第2貫通孔36cより狭くすることにより、接続部材が広がりすぎない。その結果、コンデンサチップ20と端子本体部36との接合強度が過度に高まることを防止することができ、音鳴きを抑制することができる。
図3Aに示す第2貫通孔36cに対応するZ軸方向高さ(第2所定高さ)L4の範囲内の端子本体部36の非開口領域36c1には、図2Aに示すように、端子本体部36と端子電極22の端面との間で接続部材50が存在しない非接合領域50bが存在する。第2貫通孔36cに対応するZ軸方向高さ(第2所定高さ)L4は、本実施形態では、接合領域50aに対してZ軸方向の下側に位置する非接合領域50bのZ軸方向高さに略一致するが、それよりも小さくてもよい。
本実施形態では、各チップ20毎に形成してある各第2貫通孔36cのX軸方向の幅は、各チップ20のX軸方向の幅よりも小さいことが好ましく、各チップ20のX軸方向の幅に対して、好ましくは1/6~5/6、さらに好ましくは1/3~2/3である。
端子本体部36において、下部アーム部31bが接続する第2貫通孔36cは、実装部38が接続する下方の端子第2辺36hbに対して、高さ方向に所定の距離を離して形成されており、第2貫通孔36cと端子第2辺36hbの間には、スリット36dが形成されている。
スリット36dは、端子本体部36において、実装部38の近くに位置する下部アーム部31bの端子本体部36に対する接続位置(第2貫通孔36cの周縁部下辺)と、実装部36が接続する下方の端子第2辺36hbとの間に形成されている。スリット36dは、端子第2辺36ha,36hbと平行な方向に延びている。スリット36dは、コンデンサ10を実装基板に実装する際に使用されるはんだが、端子本体部36をはい上がることを防止し、下部アーム部31b,33bや第1端子電極22まで繋がるはんだブリッジを形成することを防止できる。したがって、このようなスリット36dが形成されたコンデンサ10は、音鳴きを抑制する効果を奏する。
図1Aおよび図2Aに示すように、第1金属端子30の嵌合アーム部31a,31b,33a,33bは、端子本体部36からコンデンサチップ20のチップ側面である第3側面20eまたは第4側面20fに延びている。嵌合アーム部31a,31b,33a,33bの1つである下部アーム部31b(または下部アーム部33b)は、端子本体部36に形成された第2貫通孔36cのZ軸下端周縁部から折り曲げられて成形してある。また、嵌合アーム部31a,31b,33a,33bの他の一つである上部アーム部31a(または上部アーム部33a)は、端子本体部36における上方(Z軸正方向側)の端子第2辺36haから折り曲げられて成形してある。すなわち、本実施形態では、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)は、端子本体部36のZ軸方向上端に形成してある。
上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のX軸方向幅Xa(図1B参照)は、本実施形態では、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のX軸方向幅Xbと異ならせてあり、好ましくはXa<Xbの関係にある。Xa/Xbは、たとえば0.2~0.95の範囲で変化させることが可能であり、好ましくは0.5~0.95の範囲である。このような関係にあるときに、各上部アーム部31a,33aの保持力を調整することが容易になり、下部アーム部31b,33bの保持力とのバランス調整が可能となる。その結果、一対のアーム部31a,31b(33a,33b)によるコンデンサチップ20の把持が安定し、コンデンサチップ20と金属端子30とを確実かつ強固に連結することができる。
たとえば一方の保持片である下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性は、抜き穴である第2貫通孔36cの影響により、弾性変形しやすくなるので、音鳴きに対しては効果があるが、剛性が低くなる。そのため、抜き穴で形成しない他方の保持片である上部アーム部31a(または上部アーム部33a)と幅を同じにしても保持が安定しないことがある。そこで、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)の幅を小さくすることで、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性と近づけることが好ましい。上部アーム部31a(または上部アーム部33a)は抜き穴で形成されていないため、その幅を調整することが容易である。
また、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)付近には、はんだブリッジ防止のため、スリット36dが形成されることがある。その場合は、より下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性が低くなるので、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)で調整することがより好ましくなる。すなわち、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のX軸方向幅Xaを、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のX軸方向幅Xbに比較して小さくすることで、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)の剛性を、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性に近づけることができる。このようにして、一方の上部アーム部31a(または上部アーム部33a)によるコンデンサチップ20への保持力を、他方の下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の保持力とバランスさせて最適化することができる。
また、本実施形態では、図1Cに示すように、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のY軸方向の突出長さYaは、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のY軸方向の突出長さYbと異ならせてもよく、好ましくはYa>Ybの関係にあってもよい。Yb/Yaは、たとえば0.5~0.95の範囲で変化させることが可能である。このような関係にあるときにも、XaおよびXbの関係と同様に、各上部アーム部31a,33aの保持力を調整することが容易になり、下部アーム部31b,33bの保持力とのバランス調整が可能となる。その結果、一対のアーム部31a,31b(33a,33b)によるコンデンサチップ20の把持が安定し、コンデンサチップ20と金属端子30とを確実かつ強固に連結することができる。
たとえば一方の保持片である下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性は、抜き穴である第2貫通孔36cの影響により、弾性変形しやすくなるので、音鳴きに対しては効果があるが、剛性が低くなる。そのため、抜き穴で形成しない他方の保持片である上部アーム部31a(または上部アーム部33a)とY軸方向の突出長さを同じにしても保持が安定しないことがある。そこで、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のY軸方向の突出長さを大きくすることで、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性と近づけることが好ましい。上部アーム部31a(または上部アーム部33a)は抜き穴で形成されていないため、そのY軸方向の突出長さを調整することが容易である。
また、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)付近には、はんだブリッジ防止のため、スリット36dが形成されることがある。その場合は、より下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性が低くなるので、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)で調整することがより好ましくなる。すなわち、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のY軸方向の突出長さYaを、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のY軸方向の突出長さYbに比較して大きくすることで、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)の剛性を、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性に近づけることができる。このようにして、一方の上部アーム部31a(または上部アーム部33a)によるコンデンサチップ20への保持力を、他方の下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の保持力とバランスさせて最適化することができる。
さらに、図1Cに示すように、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のZ軸から見た突出面積Aa(=Xa×Ya)は、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のZ軸から見た突出面積Ab(=Xb×Yb)と異ならせてもよい。Aa/Abは、たとえば0.5~1.5の範囲で変化させることが可能である。このような関係にあるときにも、XaおよびXbの関係と同様に、各上部アーム部31a,33aの保持力を調整することが容易になり、下部アーム部31b,33bの保持力とのバランス調整が可能となる。その結果、一対のアーム部31a,31b(33a,33b)によるコンデンサチップ20の把持が安定し、コンデンサチップ20と金属端子30とを確実かつ強固に連結することができる。
たとえば一方の保持片である下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性は、抜き穴である第2貫通孔36cの影響により、弾性変形しやすくなるので、音鳴きに対しては効果があるが、剛性が低くなる。そのため、抜き穴で形成しない他方の保持片である上部アーム部31a(または上部アーム部33a)とY軸方向の突出長さを同じにしても保持が安定しないことがある。そこで、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)の突出面積を調整することで、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性と近づけることが好ましい。上部アーム部31a(または上部アーム部33a)は抜き穴で形成されていないため、その突出面積を調整することが容易である。
また、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)付近には、はんだブリッジ防止のため、スリット36dが形成されることがある。その場合は、より下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性が低くなるので、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)で調整することがより好ましくなる。すなわち、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)の突出面積を、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の突出面積に比較して調整することで、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)の剛性を、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の剛性に近づけることができる。このようにして、一方の上部アーム部31a(または上部アーム部33a)によるコンデンサチップ20への保持力を、他方の下部アーム部31b(または下部アーム部33b)の保持力とバランスさせて最適化することができる。
図1Aに示すように、端子本体部36は、コンデンサチップ20の第1端面20aに面しており第1端面20aと重複する高さに位置するチップ対向部36jと、チップ対向部36jより下方に位置する端子接続部36kを有する。端子接続部36kは、チップ対向部36jと実装部38とを接続する位置にある。
第2貫通孔36cは、その周縁部がチップ対向部36jと端子接続部36kとに跨るように形成されており、下部アーム部31b,33bは、端子接続部36kから延びている。すなわち、下部アーム部31b,33bの基端は、第2貫通孔36cにおける略矩形の周縁部における下辺(実装部38に近い開口縁)に接続している。
下部アーム部31b,33bは、その基端からY軸方向の内側(チップ20の中心側)へ屈曲しながら延びて、コンデンサチップ20の第4側面20fに接触し、コンデンサチップ20を下方から支持する(図2A参照)。なお、下部アーム部31b,33bは、チップ20の取付前の状態で、第2貫通孔36cの周縁部の下辺よりZ軸方向の上に向けて傾斜していてもよい。下部アーム部31b,33bの弾力性でチップ20の第4側面20fに接触するようにするためである。
コンデンサチップ20の第1側面20aの下端(下方のチップ第2辺20h)は、下部アーム部31b,33bの基端である第2貫通孔36cの周縁部の下辺よりわずかに上方に位置する。また、図3Aに示すように、コンデンサチップ20をY軸方向から見た場合、第2貫通孔36cを通してコンデンサ10の側方から、コンデンサチップ20の第1側面20aの下端(下方のチップ第2辺20h)を、視認することができる。
図1Aに示すように、上部アーム部31aと下部アーム部31bとが対を成して1つのコンデンサチップ20を把持しており、上部アーム部33aと下部アーム部33bとが対を成して他の1つのコンデンサチップ20を把持している。第1金属端子30では、一対の嵌合アーム部31a,31b(または嵌合アーム部33a,33b)が、複数ではなく1つのコンデンサチップ20を把持しているため、各コンデンサチップ20を確実に把持することができる。
また、一対の嵌合アーム部31a,31bは、第1端面20aの短辺であるチップ第2辺20hではなく、長辺であるチップ第1辺20gの両端側からコンデンサチップ20を把持している。これにより、上部アーム部31a,33aと下部アーム部31b,33bとの間隔が長くなり、コンデンサチップ20の振動を吸収しやすくなるので、コンデンサ10は、音鳴きを好適に防止できる。なお、下部アーム部31b,33bが端子接続部36kから延びていることにより、これらがチップ対向部36jに接続している場合に比べて、コンデンサチップ20の第1端子電極22と実装基板との伝送経路が短くなる。
実装部38は、端子本体部36における下方(Z軸負方向側)の端子第2辺36hbに接続している。実装部38は、下方の端子第2辺36hbからコンデンサチップ20側(Y軸負方向側)へ延びており、端子本体部36に対して略垂直に曲がっている。なお、実装部38におけるコンデンサチップ20側の表面である実装部38の上面は、コンデンサチップ20を基板に実装する際に使用されるはんだの過度な回り込みを防止する観点から、実装部38の下面より、はんだに対する濡れ性が低いことが好ましい。
コンデンサ10は、図1Aおよび図2Aに示すように、実装部38が下方を向く姿勢で実装基板等の実装面に実装されるため、コンデンサ10では、Z軸方向の長さが、実装時の高さとなる。コンデンサ10では、実装部38が端子本体部36における一方の端子第2辺36hbに接続しており、上部アーム部31a,33aが他方の端子第2辺36haに接続しているため、Z軸方向の長さに無駄がなく、低背化に対して有利である。
また、実装部38が、端子本体部36における一方の端子第2辺36hbに接続しているため、実装部38が端子本体部36における端子第1辺36gに接続する従来技術に比べてZ軸方向からの投影面積が小さく、実装面積を小さくすることが可能である。また、図1Aおよび図5等に示すように、コンデンサチップ20の第1~第4側面20c,20d,20e,20fのうち、面積の小さい第3側面20eおよび第4側面20fが実装面と平行に配置されるため、コンデンサチップ20を高さ方向に重ねて配置しない構成であっても、実装面積を小さくすることができる。
図1Aおよび図2Aに示すように、第2金属端子40は、第2端子電極24に対向する端子本体部46と、コンデンサチップ20をチップ第1辺20gの両端側からZ軸方向に挟んで把持する複数対の嵌合アーム部41a,41b,43a,43bと、端子本体部46からコンデンサチップ20側へ延びており少なくとも一部が端子本体部46に対して略垂直である実装部48とを有する。
第2金属端子40の端子本体部46は、第1金属端子30の端子本体部36と同様に、チップ第1辺20gに略平行な一対の端子第1辺46gと、チップ第2辺20hに略平行な端子第2辺46haとを有する。端子本体部46には、端子本体部36に設けられている突起36a、第1貫通孔36b、第2貫通孔36cおよびスリット36dと同様な突起(図示省略)、第1貫通孔(図示省略)、第2貫通孔(図示省略)およびスリット46d(図6参照)が形成されている。
図2Bに示すように、本実施形態では、非接合領域50bでは、保持片としてのアーム部31a,31bに向けて、金属端子30の端子本体部36が、端子電極22の端面から離れる方向に反っている。その結果、非接合領域50bでは、アーム部31a,31bに向けて、端子本体部36と端子電極22の端面との間の非接合隙間50dが大きくなっている。
端子電極22の端面に対するZ軸上側の非接合領域50bでの端子本体部36の反り角度θaは、Z軸下側の非接合領域50bでの端子本体部36の反り角度θbと同じでも異なっていてもよい。また、非接合隙間50dの隙間幅の最大値は、非接合隙間50dの隙間幅の最小値の1.2~7倍である。
なお、非接合隙間50dの隙間幅の最小値は、接続部材50の厚み程度である。このような範囲にあるときに、非接合領域50bに連続するアーム部31a,31bの弾力性が良好に確保され、アーム部31a,31bでコンデンサチップ20を良好に保持することができる。また、金属端子30が、撓み弾性変形し易くなると共に、音鳴き現象を効果的に抑制することができる。
図1Aに示すように、第2金属端子40は、第1金属端子30に対して対称に配置されており、コンデンサチップ20に対する配置が第1金属端子30とは異なる。しかし、第2金属端子40は、配置が異なるだけで、第1金属端子30と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第1金属端子30および第2金属端子40の材質は、導電性を有する金属材料であれば特に限定されず、たとえば鉄、ニッケル、銅、銀等若しくはこれらを含む合金を用いることができる。特に、第1および第2金属端子30,40の材質に銅を用いることが、第1および第2金属端子30,40の比抵抗を抑制し、コンデンサ10のESRを低減する観点から好ましい。
積層コンデンサチップ20の製造方法
以下に、コンデンサ10の製造方法について説明する。
積層コンデンサチップ20の製造では、まず、焼成後に内部電極層26となる電極パターンが形成されたグリーンシート(焼成後に誘電体層28となる)を積層して積層体を作製したのち、得られた積層体を加圧・焼成することによりコンデンサ素体を得る。さらに、コンデンサ素体に第1端子電極22および第2端子電極24を、端子電極用塗料焼き付けおよびめっき等により形成することにより、コンデンサチップ20を得る。
積層体の原料となるグリーンシート用塗料や内部電極層用塗料、端子電極の原料並びに積層体および電極の焼成条件等は特に限定されず、公知の製造方法等を参照して決定することができる。本実施形態においては、誘電体材料としてチタン酸バリウムを主成分とするセラミックグリーンシートを用いる。また、端子電極は、Cuペーストを浸漬、焼付処理することで焼付層を形成し、さらに、Niめっき、Snめっき処理を行なうことで、Cu焼付層/Niめっき層/Snめっき層を形成する。
金属端子30,40の製造方法
第1金属端子30の製造では、まず、平板状の金属板材を準備する。金属板材の材質は、導電性を有する金属材料であれば特に限定されず、たとえば鉄、ニッケル、銅、銀等若しくはこれらを含む合金を用いることができる。次に、金属板材を機械加工することにより、嵌合アーム部31a~33bや端子本体部36、実装部38等の形状を付与した中間部材を得る。
次に、機械加工により形成された中間部材の表面に、めっきによる金属被膜を形成することにより、第1金属端子30を得る。めっきに用いる材料としては、特に限定されないが、たとえばNi、Sn、Cu等が挙げられる。また、めっき処理の際、実装部38の上面にレジスト処理を施すことにより、めっきが実装部38の上面に付着することを防止することができる。これにより、実装部38の上面と下面のはんだに対する濡れ性に差異を発生させることができる。なお、中間部材全体にめっき処理を施して金属被膜を形成した後、実装部38の上面に形成された金属被膜のみをレーザー剥離等で除去しても、同様の差異を発生させることができる。
なお、第1金属端子30の製造では、帯状に連続する金属板材から、複数の第1金属端子30が、互いに連結された状態で形成されてもよい。互いに連結された複数の第1金属端子30は、コンデンサチップ20との接続前、またはコンデンサチップ20に接続された後に、個片に切断される。なお、図2Bに示す金属端子30の非接合領域50bでの反りは、帯状に連続する金属板材から、複数の第1金属端子30が、互いに連結された状態で形成される際に、同時に形成してもよいし、その後の工程で形成してもよい。第2金属端子40の製造方法も、第1金属端子30と同様である。
コンデンサ10の組み立て
上述のようにして得られたコンデンサチップ20を2つ準備し、図1Aに示すように第2側面20dと第1側面20cとが接触するように配列して保持する。そして、第1端子電極22のY軸方向の端面に、第1金属端子30の裏面を向き合わせると共に、第2端子電極24のY軸方向端面に、第2金属端子40を向き合わせる。
その際に、第1端子電極22のY軸方向の端面、または第1金属端子30の裏面で、図1Aおよび図3Aに示す初期塗布領域50cに、ハンダなどの接合部材50(図2A参照)を塗布する。また同様にして、第2端子電極24のY軸方向の端面、または第2金属端子40の裏面で、図1Aおよび図3Aに示す初期塗布領域50cに対応する位置に、ハンダなどの接続部材50(図2A参照)を塗布する。
その後に、端子本体部36(46も同様)の外面から発熱体(図示省略)を接触させてチップ20の端面に向けて端子本体部36を押し付けることにより、初期塗布領域50cに塗布されている接続部材50が広がって接合領域50aが形成される。接続部材50が広がりきれない領域が非接合領域50bとなる。これにより、第1および第2金属端子30,40をコンデンサチップ20の第1端子電極22および第2端子電極24に電気的および機械的に接続し、コンデンサ10を得る。
このようにして得られるコンデンサ10は、コンデンサ10の高さ方向(Z軸方向)が、コンデンサチップ20の長辺であるチップ第1辺20gの方向と同じ方向であり、しかも、実装部38,48が端子第2辺36hbからコンデンサチップ20の下方に曲げられて形成されているため、コンデンサ10における高さ方向(Z軸方向)からの投影面積が小さい(図4および図5参照)。したがって、このようなコンデンサ10は、実装面積を小さくすることができる。
また、複数のコンデンサチップ20を実装面に平行な方向に並べて配置する構成としたコンデンサ10では、たとえば一対の嵌合アーム部31a,31bの間には、嵌合方向(Z軸方向)に沿って1つだけのコンデンサチップ20が把持される構成となるため、コンデンサチップ20と金属端子30,40との接合信頼性が高く、衝撃や振動に対する信頼性が高い。
さらに、複数のコンデンサチップ20を実装面に平行な方向に配列し、かつ、コンデンサチップ20の積層方向を実装面と平行な方向にしたことにより、コンデンサ10の伝送経路が短くなるため、コンデンサ10は、低ESLを実現できる。また、コンデンサチップ20を把持する方向が、コンデンサチップ20の積層方向とは直交する方向であるため、把持されるコンデンサチップ20の積層数が変化し、コンデンサチップ20のチップ第2辺20hの長さL2が変化した場合であっても、第1および第2金属端子30,40は、問題なくコンデンサチップ20を把持することができる。このように、コンデンサ10では、第1および第2金属端子30,40が、多様な積層数のコンデンサチップ20を把持することが可能であるため、設計変更に柔軟に対応することができる。
また、コンデンサ10は、上部アーム部31a,33aと下部アーム部31b,33bとが、コンデンサチップ20における第1端面20aの長辺であるチップ第1辺20gの両端側から、コンデンサチップ20を挟んで把持している。このため、第1および第2金属端子30,40が応力の緩和効果を効果的に発揮し、コンデンサチップ20から実装基板への振動の伝達を抑制し、音鳴きを防止することができる。
特に、下部アーム部31b,33bが第2貫通孔36cの下端開口縁から折り曲げられて成形してあることにより、コンデンサチップ20を支持する下部アーム部31b,33bおよび下部アーム部31b,33bを支える端子本体部36,46が、弾性変形しやすい形状となっている。したがって、第1および第2金属端子30、40は、コンデンサ10に生じる応力を緩和する作用や、振動を吸収する作用を、効果的に奏することができる。
しかも本実施形態では、一対のアーム部31a,31b(33a,33bも同じ/以下同様)の内の上部アーム部31aの幅Xa、突出長さYaあるいは面積Aaのいずれか一つが、他方の下部アーム部31bの幅Xb、突出長さYbあるいは面積Abのいずれかと異なっている。このため、一方の上部アーム部31aを、他方の下部アーム部31bにバランスさせて弾性変形し易くさせることもできる。その結果、一対のアーム部31a,31bによるコンデンサチップ20の把持が安定し、コンデンサチップ20と金属端子30とを確実かつ強固に連結することができる。
たとえば一方の上部アーム部31aの幅Xaを幅Xbよりも小さくする(突出長さYa=Yb)ことで、上部アーム部31aによるコンデンサチップ20への保持力を弱めて、下部アーム部31bの保持力とバランスさせることができる。あるいは、一方の上部アーム部31aの突出長さYaを突出長さYbより長くする(幅Xa=Xb)ことで、上部アーム31aによるコンデンサチップ20への保持力を弱めて下部アーム部31bの保持力とバランスさせることができる。同様に、一方の上部アーム部31aの突出面積Aaを下部アーム部31bの突出面積Abに比較して変化させることでも、上部アーム31aによるコンデンサチップ20への保持力を弱めて下部アーム部31bの保持力とバランスさせることができる。
また、第2貫通孔36cの下端開口縁に下部アーム部31b,33bが折り曲げられて成形してあることにより、コンデンサ10では、実装面に垂直な方向(Z軸方向)から見た場合、下部アーム部31b,33bを、実装部38に対して重なる位置に配置することが可能である(図2Aおよび図5参照)。したがって、コンデンサ10は、実装部38を広くすることが可能であり、また、小型化の観点で有利である。
また、第1貫通孔36bが形成されていることにより、コンデンサ10は、第1および第2金属端子30,40とコンデンサチップ20との接合状態を、外部から容易に視認することができるため、品質のばらつきを低減し、良品率を向上させることが可能である。
特に本実施形態に係るコンデンサ10では、金属端子30(40も同様)の一対の嵌合アーム部(弾性を持つ保持片)31a,31b,33a,33b(41a,41b,43a,43bも同様)がチップ20をZ軸の両側から挟み込み保持する。しかもハンダなどの接続部材50(図2参照)により所定範囲内の接合領域50aで、金属端子30,40とチップ20との接続を行うため、チップ20と金属端子30,40とを確実かつ強固に連結することができる。
また、接合領域50aの縁部と嵌合アーム部31a,31b,33a,33b(41a,41b,43a,43bも同様)との間には、端子本体部36(46)と端子電極22(24)の端面とを接続しない非接合領域50bが形成してある。非接合領域50bでは、金属端子30(40)の端子本体部36(46)は、端子電極22(24)に拘束されずに自由に撓み弾性変形が可能であり、応力が緩和される。そのため、その非接合領域50bに連続する嵌合アーム部31a,31b,33a,33b(41a,41b,43a,43b)の弾力性が良好に確保され、一対の嵌合アーム部31a,31b,33a,33b(41a,41b,43a,43b)の間で各チップ20を良好に把持することができる。また、金属端子30(40)が、撓み弾性変形し易くなると共に、音鳴き現象を効果的に抑制することができる。
端子本体部36(46)と端子電極22(24)の端面との間では、非接合領域50bの合計面積が、接合領域50aの合計面積の3/10よりも大きく所定範囲内である。このように構成することで、本実施形態の作用効果が大きくなる。
また、非接合領域50bでは、端子本体部36(46)と端子電極22(24)の端面との間には、接続部材50の厚み程度の非接合隙間50dが存在している。非接合領域50bでは、アーム部31a,31b,33a,33b(41a,41b,43a,43b)に向けて、端子本体部36(46)と端子電極22(24)の端面との間の非接合隙間50dが大きくなっている。
このため、非接合領域50bでは、金属端子30(40)の端子本体部36(46)は、端子電極22,24に拘束されずに自由に撓み弾性変形が可能であり、応力が緩和される。そのため、その非接合領域50bに連続するアーム部31a,31b,33a,33b(41a,41b,43a,43b)の弾力性が良好に確保され、アーム部でコンデンサチップ20を良好に保持することができる。また、金属端子30(40)が、撓み弾性変形し易くなると共に、音鳴き現象を効果的に抑制することができる。
さらに、図3Aに示すように、端子本体部36(46)には、複数のチップ20の端子電極22(24)の端面が複数の接合領域50aで並んで接合されてもよく、隣り合う接合領域50aの間にも、非接合領域50bが形成してある。このように構成することで、複数のチップ20を一対の金属端子30,40で連結することが容易になり、しかも、チップ20の相互間に存在する非接合領域50bの存在により、音鳴き現象を抑制することができる。
さらに本実施形態では、非接合領域50bにおいて、端子本体部36(46)には、表裏面を貫通する第2貫通孔36cが形成してある。第2貫通孔36cの開口縁からアーム部31b,33b(41b,43b)が延びている。第2貫通孔36cを形成することで、非接合領域50bを容易に形成することができると共に、アーム部31b,33b(41b,43b)を容易に成形することができ、チップ20の把持も確実なものとなる。
さらに本実施形態では、接合領域50aにおいて、端子本体部36(46)の内面には、端子電極22(24)の端面に向けて突出する突起36aが形成してある。このように構成することで、接続部材50の接合領域50aを容易に制御することができると共に、接合領域50aの厚みも容易に制御することが可能となる。また、接合部材の量が少なくても接合が安定化する。
また、本実施形態では、第2貫通孔36cでは、チップ20からの振動が金属端子30に伝達しない。特に、チップ20の内部電極26が誘電体層を介して積層してある部分では、電歪現象によりチップ20に振動が生じやすいが、本実施形態では、第2貫通孔36cが形成してある部分で振動の伝達を避けることができる。
また、本実施形態では、図3Aに示す第2貫通孔36cに対応する所定高さL4の範囲内の端子本体部36の非開口領域36c1には、図2Bに示すように、端子本体部36と端子電極22の端面との間で接続部材50が存在しない非接合領域50bが存在する。非接合領域50bでは、金属端子30の端子本体部36は、端子電極22に拘束されずに自由に撓み弾性変形が可能であり、応力が緩和される。そのため、その非接合領域36c1に連続する保持片としての下部アーム部31b,33bの弾力性が良好に確保され、下部アーム部31b,33bでチップ20を良好に保持することができる。また、金属端子30が撓み弾性変形し易くなると共に、音鳴き現象を効果的に抑制することができる。
さらに本実施形態では、下部アーム部31b,33bは、第2貫通孔36cの実装部側に形成してある。このように構成することで、実装部38に近い側で、内部電極26の電歪振動が金属端子30に伝達することを抑制することができる。また、下部アーム部31b,33bは、電歪振動の影響を受けにくく、チップ20を確実に保持することができる。
本実施形態では、第2貫通孔36cの開口縁から折り曲げられて成形してある。このように構成することで、第2貫通孔36cと下部アーム部31b,33bとを容易に成形することができる。また、第2貫通孔36cと下部アーム部31b,33bとが近くに配置され、チップ20からの金属端子30への振動伝達と、金属端子30から実装基板への振動伝達とを、より効果的に防止することができる。
第2実施形態
図1Dは、図1Aに示すコンデンサ10の変形例に係るコンデンサ10aの概略斜視図である。図1Dに示すように、コンデンサ10aの金属端子30では、一対のアーム部31a,31b(33a,33bも同じ/以下同様)の内の上部アーム部31aの基端部(アーム部31aと端子本体部36との境界)の幅Xaを、下部アーム部31bの幅Xbよりも小さくすると共に、アーム部31aの先端部の幅が基端部から先端部に向けて大きくなるように変化してある。しかも本実施形態では、上部アーム部31aのZ軸方向から見た突出面積Saを、下部アーム部31bの突出面積Abよりも小さくしてある。なお、金属端子40に関しても、金属端子30と同様な構成にしてある。
このように構成することにより、一対のアーム部31a,31bによるコンデンサチップ20の把持が安定し、コンデンサチップ20と金属端子30とを確実かつ強固に連結することができる。また、コンデンサチップ20の端子電極22と接触する面積を増大させることも可能であり、より確実にコンデンサチップ20を保持することができる。本実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。
第3実施形態
図7は、本発明の他の実施形態に係るコンデンサ100の概略斜視図であり、図8、図9、図10、図11は、それぞれコンデンサ100の正面図、左側面図、上面図および底面図である。図7に示すように、コンデンサ100は、3つのコンデンサチップ20を有している点と、第1金属端子130および第2金属端子140に含まれる第1貫通孔36b等の数が異なる他は、第1実施形態または第2実施形態に係るコンデンサ10または10aと同様である。したがって、コンデンサ100の説明においては、コンデンサ10または10aと同様の部分については、コンデンサ10または10aと同様の符号を付し、説明を省略する。
図7に示すように、コンデンサ100に含まれるコンデンサチップ20は、図1に示すコンデンサ10に含まれるコンデンサチップ20と同様である。コンデンサ100に含まれる3つのコンデンサチップ20は、図8に示すように、チップ第1辺20gが実装面に対して垂直になり、図10に示すように、チップ第2辺20hが実装面に対して平行になるように配置される。コンデンサ100に含まれる3つのコンデンサチップ20は、隣接するコンデンサチップ20の第1端子電極22同士が互いに接触し、隣接するコンデンサチップ20の第2端子電極24同士が互いに接触するように、実装面に平行に配列されている。
コンデンサ100に含まれる第1金属端子130は、第1端子電極22に対向する端子本体部136と、コンデンサチップ20を把持する3対の嵌合アーム部31a,31b,33a,33b,35a,35bと、端子本体部136における端子第2辺136hbからコンデンサチップ20側へ垂直に曲がっている実装部138とを有する。端子本体部136は略矩形平板状であり、チップ第1辺20gに略平行な一対の端子第1辺136gと、チップ第2辺20hに略平行な一対の端子第2辺136ha、136hbとを有する。
図9に示すように、第1金属端子130には、図3Aに示す第1金属端子30と同様に、突起36a、第1貫通孔36b、第2貫通孔36c、スリット36dが形成されている。ただし、第1金属端子130には、第1貫通孔36b、第2貫通孔36c、スリット36dが3つずつ形成されており、1つの第1貫通孔36b、第2貫通孔36c、スリット36dが、1つのコンデンサチップ20に対応している。また、第1金属端子130には、合計12個の突起36aが形成されており、4つの突起36aが1つのコンデンサチップ20に対応している。
また、図10に示すように、第1金属端子130において、上部アーム部31aおよび下部アーム部31bは1つのコンデンサチップ20を把持しており、上部アーム部33aおよび下部アーム部33bは他の1つのコンデンサチップ20を把持しており、上部アーム部35aおよび下部アーム部35bは上記2つとは異なる他の1つのコンデンサチップ20を把持している。上部アーム部31a,33a,35aは、端子本体部36における上方(Z軸の上側)の端子第2辺136haに接続しており、下部アーム部31b,33b,35bは第2貫通孔36cの周縁部に接続している。
図8および図11に示すように、第1金属端子130の実装部138は、端子本体部136における下方(Z軸負方向側)の端子第2辺136hbに接続している。実装部138は、下方の端子第2辺136hbからコンデンサチップ20側(Y軸奥側)へ延びており、端子本体部136に対して略垂直に曲がっている。
第2金属端子140は、第2端子電極24に対向する端子本体部146と、コンデンサチップ20をチップ第1辺20gの両端側からZ軸方向に挟んで把持する複数対の嵌合アーム部141a,143a,145aと、端子本体部146からコンデンサチップ20側へ延びており少なくとも一部が端子本体部146に対して略垂直である実装部148とを有する。
第2金属端子140の端子本体部146は、第1金属端子130の端子本体部36と同様に、チップ第1辺20gに略平行な一対の端子第1辺146gと、チップ第2辺20hに略平行な端子第2辺140haとを有しており、端子本体部146には、突起46a、第1貫通孔、第2貫通孔、スリットが形成されている。図7に示すように、第2金属端子140は、第1金属端子130に対して対称に配置されており、コンデンサチップ20に対する配置が第1金属端子130とは異なる。しかし、第2金属端子140は、配置が異なるだけで、第1金属端子130と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
本実施形態に係るコンデンサ100も、第1実施形態に係るコンデンサ10と同様の効果を奏する。なお、コンデンサ100において、第1金属端子130に含まれる上部アーム部31a~33a、下部アーム部31b~33b、第1貫通孔36b、第2貫通孔36c、スリット36dの数は、コンデンサ100に含まれるコンデンサチップ20の数と同様であるが、コンデンサ100に含まれる嵌合アーム部等の数はこれに限定されない。たとえば、第1金属端子130には、コンデンサチップ20の2倍の数の第1貫通孔36bが形成されていてもよく、X軸方向に連続する1つの長いスリット36dが形成されていてもよい。
第4実施形態
図3Cは、本発明のその他の実施形態に係るコンデンサ300を示す左側面図である。本実施形態に係るコンデンサ300は、第1および第2金属端子330に形成されたスリット336dの形状が異なることを除き、第1~第2実施形態に係るコンデンサ10,10aと同様である。図3Cに示すように、第1および第2金属端子330には、X軸方向に連続する1つのスリット336dが、2つの第2貫通孔36cの下方に形成されている。このように、スリット336dは、コンデンサチップ20の第1端面20aに対向する部分の下端(下方のチップ第2辺20h)と端子第2辺36hbとの間(すなわち端子接続部36k)に形成されている限り、その形状および数は限定されない。
第5実施形態
図3Dは、本発明のさらに実施形態に係るコンデンサ500を示す左側面図である。本実施形態に係るコンデンサ500は、第1および第2金属端子530に形成された切り欠き(開口部)536cが、第2貫通孔36cの代わりに形成してあることを除き、第1~第2実施形態に係るコンデンサ10または10aと同様である。図3Dに示すように、第1および第2金属端子530には、X軸方向の中央部に、非開口領域36c1が形成してあり、その両側に、切り欠き536cがそれぞれ形成してある。この切り欠き536cは、内部電極層26のZ軸方向の下端部に対応する端子電極22の一部(下端部の一部)が外部に露出するように、端子本体部36に形成してある。
第6実施形態
図3Eは、本発明のさらに他の実施形態に係るコンデンサ600を示す左側面図である。本実施形態に係るコンデンサ600は、単一のコンデンサチップ20のみが第1および第2金属端子630に接続してあることを除き、第1~第2実施形態に係るコンデンサ10または10aと同様である。本実施形態においても、第1~第2実施形態と同様な作用効果を奏する。
その他の実施形態
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、図1Bに示す例では、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のX軸方向幅Xaは、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のX軸方向幅Xbよりも小さくしてあるが、その逆でもよい。また、図1Cに示す例では、上部アーム部31a(または上部アーム部33a)のY軸方向の突出長さYaは、下部アーム部31b(または下部アーム部33b)のY軸方向の突出長さYbよりも小さくしてあるが、その逆でもよい。
また、金属端子30,130,40,140,330,530,630には、突起36a、第1貫通孔36b、および必要に応じてスリット36d(または336d)が形成されているが、金属端子としては、これに限定されず、これらのうち1つまたは複数の部分が形成されていない変形例も、本発明に係る金属端子を有する電子部品に含まれる。
また、本発明では、電子部品が有するチップの数は、単数でも複数でもよく、複数であれば数に制限はない。たとえば図12に示すコンデンサ700では、金属端子130と140とで、X軸方向に5つコンデンサチップ20を保持している。さらに、図13に示すコンデンサ800では、金属端子130と140とで、X軸方向に10のコンデンサチップ20を保持している。
さらに、たとえば上述した第1実施形態では、図2Bに示すアーム部31a,31b,33a,33bの全てが各コンデンサチップ20の第1端子電極22に接触しているが、接合領域50aが形成された後は、必ずしも全てのアーム部31a,31b,33a,33bが第1端子電極22に接触している必要はない。その他の上述した実施形態でも同様である。
10,10a,100,200,300,500,600,700…コンデンサ
20…コンデンサチップ
20a…第1端面
20b…第2端面
20c…第1側面
20d…第2側面
20e…第3側面
20f…第4側面
20g…チップ第1辺
20h…チップ第2辺
20j…チップ第3辺
22…第1端子電極
24…第2端子電極
26…内部電極層
28…誘電体層
30,130,40,140,330,430,530…金属端子
31a,33a,35a,41a,43a,45a…上部アーム部(保持片)
31b,33b,35b,41b,43b…下部アーム部(保持片)
36,136,46,146…端子本体部
36a,46a…突起
36b…第1貫通孔
36c…第2貫通孔
36c1…非開口領域
36d,46d…スリット
36g…端子第1辺
36ha,36hb…端子第2辺
38,138,48,148…実装部
50…接続部材
50a…接合領域
50b…非接合領域
50c…初期塗布領域
50d…非接合隙間

Claims (8)

  1. 素子本体の外部に形成してある端子電極を持つチップ部品と、
    前記チップ部品の端子電極に接続される金属端子と、を有する電子部品であって、
    前記金属端子は、
    前記チップ部品の端子電極の端面に向き合う部分を持つ端子本体部と、
    前記端子本体部に成形され、前記チップ部品を両側から挟み込む一対の保持片と、
    を有し、
    一対の前記保持片の内の一方の保持片の突出長さが、他方の保持片の突出長さと異なっていることを特徴とする電子部品。
  2. 素子本体の外部に形成してある端子電極を持つチップ部品と、
    前記チップ部品の端子電極に接続される金属端子と、を有する電子部品であって、
    前記金属端子は、
    前記チップ部品の端子電極の端面に向き合う部分を持つ端子本体部と、
    前記端子本体部に成形され、前記チップ部品を両側から挟み込む一対の保持片と、
    を有し、
    一対の前記保持片の内の一方の保持片の突出面積が、他方の保持片の突出面積と異なっていることを特徴とする電子部品。
  3. 一対の前記保持片の内の一方の保持片の先端部の幅が基端部から先端部に向けて変化している請求項1または2のいずれかに記載の電子部品。
  4. 一対の前記保持片の内の他方が、前記端子本体部に形成してある抜き穴に対応する板片で構成され、前記端子本体部の途中位置に形成してある請求項1~3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 一対の前記保持片の内の他方が形成してある位置の近くで前記端子本体部には、スリットが形成してある請求項1~4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記金属端子は、実装面に実装される実装部をさらに有し、
    一対の前記保持片は、前記チップ部品の端子電極の端面の長手方向に沿って両側に位置するように、前記端子本体部に形成してあり、
    一方の前記保持片が、他方の前記保持片よりも、前記実装部から遠い側に位置する請求項1~5のいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記端子本体部は、水平方向に並んで配置される複数のチップ部品の端部にそれぞれ接続可能になっており、
    それぞれの前記チップ部品毎に、一対の前記保持片が前記端子本体部に形成してあり、
    一対の前記保持片の内の一方が、前記端子本体部の一端に形成してあることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の電子部品。
  8. 前記端子本体部と前記端子電極の端面との間には、
    前記端子本体部と前記端子電極の端面とを接続する接続部材が、所定範囲内の接合領域で存在し、
    前記接合領域の縁部と前記保持片との間には非接合領域が形成してある請求項1~7のいずれかに記載の電子部品。
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