JP2022062070A - エネルギー感受性組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 - Google Patents

エネルギー感受性組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱重量安定性に優れたエネルギー感受性組成物、並びにこれを硬化した硬化物及び硬化物の製造方法を提供する。【解決手段】(P1)カチオン重合性化合物と、(Q)下記式(a1)で表されるスルホニウム塩と、金属酸化物粒子とを含むエネルギー感受性組成物。TIFF2022062070000079.tif69134【選択図】なし

Description

本発明は、スルホニウム塩を含むエネルギー感受性組成物、該組成物を硬化した硬化物及び該硬化物の製造方法に関する。
従来より、有機EL表示素子用封止剤又はウエハレベルレンズ用のエネルギー感受性組成物にエポキシ化合物を含有することが提案されている。例えば、特許文献1には、有機EL表示素子の劣化の要因となるアウトガスの発生を抑制することができるエネルギー感受性樹脂として、エポキシ基又はオキセタニル基を有し、且つエポキシ基又はオキセタニル基以外にエーテル結合及びエステル結合を含まないエネルギー感受性樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2には、高温環境下においても黄変が抑制されて透明性及び硬化性に優れるエネルギー感受性樹脂として、特定の構造を有する脂環式エポキシ化合物、分子内に2以上のグリシジル基を有するシロキサン化合物、及び硬化剤を含むエネルギー感受性樹脂組成物が提案されている。
国際公開第2015/064410号 国際公開第2015/129503号
しかしながら、これまでのエネルギー感受性組成物においては、高温環境下における重量安定性が求められる。
本発明は、熱重量安定性に優れたエネルギー感受性組成物、該組成物を硬化した硬化物及び該硬化物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構造を有するスルホニウム塩を用いることにより、熱重量安定性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、(P1)カチオン的及び/若しくは酸触媒的に重合性並びに/又は架橋性の化合物、(P2)酸の作用下での現像液におけるその溶解性を増大させる化合物、並びに(Px)ラジカル重合性又は架橋性の化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物成分(P)と、(Q)下記式(a1)で表されるスルホニウム塩とを含むエネルギー感受性組成物である。
Figure 2022062070000001
(式中、R及びRは独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は下記式(a2)で表される基を示し、R及びRは相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成してもよく、Rは下記式(a3)で表される基又は下記式(a4)で表される基を示し、AはS、O、又はSeを示し、Xは1価のアニオンを示し、但し、R及びRは、同時に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基ではない。)
Figure 2022062070000002
(式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アルキルチオ基、チエニル基、チエニルカルボニル基、フラニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニル基、セレノフェニルカルボニル基、複素環式脂肪族炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m1は0以上の整数を示す。)
Figure 2022062070000003
(式中、Rはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基又は下記式(a5)で表される基を示し、Rはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は下記式(a6)で表される基を示し、Aは単結合、S、O、スルフィニル基、又はカルボニル基を示し、n1は0又は1を示す。)
Figure 2022062070000004
(式中、R及びRは独立に、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基又は下記式(a5)で表される基を示し、R及びR10は独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は上記式(a2)で表される基を示し、R及びR10は相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成してもよく、Aは単結合、S、O、スルフィニル基、又はカルボニル基を示し、Xは前記のとおりであり、n2は0又は1を示し、但し、R及びR10は、同時に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基ではない。)
Figure 2022062070000005
(式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、R11はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m2は0以上の整数を示す。)
Figure 2022062070000006
(式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、R12はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m3は0以上の整数を示す。)
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様のエネルギー感受性組成物を硬化した硬化物である。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様のエネルギー感受性組成物を重合及び/又は架橋させることを含む、硬化物の製造方法である。
本発明によれば、熱重量安定性に優れたエネルギー感受性組成物、該組成物を硬化した硬化物及び該硬化物の製造方法を提供することができる。
実施例3の熱重量変化を示すTG/DSC曲線である。 比較例7の熱重量変化を示すTG/DSC曲線である。 比較例8の熱重量変化を示すTG/DSC曲線である。 比較例9の熱重量変化を示すTG/DSC曲線である。 参考例の熱重量変化を示すTG/DSC曲線である。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、例えば「カチオン的及び/若しくは酸触媒的に」等のように「A及び/若しくはB」、「A及び/又はB」、「A並びに/又はB」等の記載は、「A及びBからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。ここでA及びBは任意の用語である。
<エネルギー感受性組成物>
本発明に係るエネルギー感受性組成物は、(P1)カチオン的及び/若しくは酸触媒的に重合性並びに/又は架橋性の化合物、(P2)酸の作用下での現像液におけるその溶解性を増大させる化合物、並びに(Px)ラジカル重合性又は架橋性の化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物成分(P)と、(Q)上記式(a1)で表されるスルホニウム塩とを含む。
本発明に係るエネルギー感受性組成物は、上記式(a1)で表されるスルホニウム塩(以下、「スルホニウム塩(Q)」ともいう。)を含むことにより、化合物成分(P)とスルホニウム塩(Q)とを含む系中で、昇温に伴いプロトンの濃度が高まるため、化合物成分(P)における逐次重合が継続的に進みポリマー化が促進され、熱によって分解するモノマーが少ないと推測される。これにより、本発明に係るエネルギー感受性組成物は、熱に対する重量安定性が向上すると推測される。なお、スルホニウム塩(Q)がプロトンを発生する態様としては、スルホニウム塩(Q)自体の分解によりプロトンを発生させる態様、系中の成分から水素を引き抜くことによりプロトンを発生させる態様とを含む。
[(P1)カチオン的及び/若しくは酸触媒的に重合性並びに/又は架橋性の化合物]
カチオン的及び/若しくは酸触媒的に重合性並びに/又は架橋性の化合物(以下、「化合物(P1)」ともいう。)は、例えばアルキル基又はアリール基含有カチオンにより、或いはプロトンによりカチオン重合され得る化合物を含む。それらの例としては、環状エーテル、とりわけエポキシ化合物やオキセタン化合物、更に、ビニルエーテル化合物、ヒドロキシ含有化合物が挙げられる。また、ラクトン化合物及び環状チオエーテル化合物並びにビニルチオエーテル化合物も使用され得る。但し、本明細書において、エチレン性不飽和基(ビニル基)を有する化合物は、エポキシ基及び/又はオキセタニル基をも有する化合物(エポキシ・オキセタニル基含有/ビニル基含有化合物)である場合、化合物(P1)とし、それ以外の化合物(エポキシ・オキセタニル基非含有/ビニル基含有化合物)である場合、化合物(Px)とする。本明細書において、「エポキシ」は、特に別の記載をしない限り、一般に、オキシラニルのみならずオキセタニル及び脂環式エポキシをも含む。
更なる例としては、アミノプラスチック又はフェノール系レゾール樹脂が挙げられる。これらは、とりわけメラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアルキド樹脂であるが、とりわけメラミン樹脂とのアクリル樹脂、ポリエステル樹脂又はアルキド樹脂の混合物である。また、これらとしては、変性表面コーティング樹脂(例えば、アクリル変性ポリエステル樹脂やアクリル変性アルキド樹脂等)が挙げられる。用語の表面コーティング樹脂は、好ましくは、アミノ樹脂を含む。それらの例としては、エーテル化及び非エーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、グアニジン樹脂、ビウレット樹脂が挙げられる。エーテル化アミノ樹脂(例えば、メチル化メラミン樹脂又はブチル化メラミン樹脂(N-メトキシメチル-メラミン又はN-ブトキシメチル-メラミン)やメチル化/ブチル化グリコールウリル)を含む表面コーティングの硬化用酸触媒が特に重要である。
化合物(P1)がエポキシ化合物である場合には、分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されないが、好ましくは分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。エポキシ化合物は、従来から硬化性組成物に配合されているエポキシ基を有する種々の化合物から選択できる。エポキシ化合物は、非重合体であるエポキシ基を有する低分子化合物であってもよく、エポキシ基を有する重合体であってもよいが、非重合体が好ましい。エポキシ基を有する非重合体としては、エネルギー感受性組成物を用いて形成される硬化物が熱重量安定性に優れる点から、芳香族基を含まない脂肪族エポキシ化合物が好ましい。脂肪族エポキシ化合物の中では、開環重合により逐次重合が進み、ポリマー化が促進される点で、脂環式エポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物が好ましい。
脂環式エポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタ-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β-メチル-δ-バレロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、エチレングリコールのジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、及びエポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシル、トリシクロデセンオキサイド基を有するエポキシ樹脂や、下記式(P1-1)~(P1-5)で表される化合物が挙げられる。これらの脂肪族エポキシ化合物の具体例の中では、逐次重合が進み、ポリマー化が促進される点で、下記式(P1-1)~(P1-4)で表される脂環式エポキシ化合物が好ましく、下記式(P1-1)~(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物がより好ましい。これらの脂環式エポキシ化合物は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。化合物成分(P)ないし化合物(P1)としては、特に、アウトガスを低減させることが望ましい場合、式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物、式(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物、及び式(P1-8)で表される脂環式エポキシ化合物からなる群の少なくとも1つを含むことが好ましく、化合物成分(P)ないし化合物(P1)全体における割合は1~99質量%であってよく、10~90質量%、20~80質量%、30~70質量%、40~60質量%等である。また、式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物と式(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物との併用が、アウトガス低減とエネルギー感受性組成物)の粘度を低下させられる点で好ましい。式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物と式(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物とを併用する場合、式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物と式(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物との合計量に対する式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物の含有量としては、特に限定されず、例えば1~99質量%であってよく、10~90質量%、20~80質量%、30~70質量%、40~60質量%等であってもよい。
Figure 2022062070000007
(式(P1-1)中、Zは単結合又は連結基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。Ra1~Ra18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基であり、例えば、水素原子、ハロゲン原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
連結基Zとしては、例えば、2価の炭化水素基、-O-、-O-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CBr-、-C(CBr-、-C(CF-、及び-Ra19-O-CO-からなる群より選択される2価の基及びこれらが複数個結合した基等を挙げることができる。
連結基Zである二価の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1~18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。炭素原子数が1~18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。上記二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
a19は、炭素原子数1~8のアルキレン基であり、メチレン基又はエチレン基であるのが好ましい。
式(P1-1)で表される化合物としては、脱水素により共役系構造(特に、π電子共役系構造)をとりにくい化合物が、熱重量安定性に加え、透明性に優れた硬化物を得ることができる点で好ましく、特に、脂環式エポキシ化合物、具体的には、一分子内の2個の脂環式エポキシ基が4級炭素及び/又はヘテロ原子を含有する連結基を介して結合している化合物が好ましい。
また、化合物(P1)としては、下記式(P1-2)~(P1-5)で表される脂環式エポキシ化合物が挙げられる。
Figure 2022062070000008
(式(P1-2)中、Ra1~Ra12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基であり、例えば、水素原子、ハロゲン原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Ra2及びRa10は、互いに結合してもよい。)
Figure 2022062070000009
(式(P1-3)中、Ra1~Ra10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基であり、例えば、水素原子、ハロゲン原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Ra2及びRa8は、互いに結合してもよい。)
Figure 2022062070000010
(式(P1-4)中、Ra1~Ra12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基であり、例えば、水素原子、ハロゲン原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Ra2及びRa10は、互いに結合してもよい。)
Figure 2022062070000011
(式(P1-5)中、Ra1~Ra12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基であり、例えば、水素原子、ハロゲン原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
式(P1-1)中、Ra1~Ra12が有機基である場合、有機基は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、炭化水素基であっても、炭素原子とハロゲン原子とからなる基であっても、炭素原子及び水素原子と共にハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子のようなヘテロ原子を含むような基であってもよい。ハロゲン原子の例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。
有機基としては、炭化水素基と、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる基と、ハロゲン化炭化水素基と、炭素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる基と、炭素原子、水素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる基とが好ましい。有機基が炭化水素基である場合、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でも、脂肪族炭化水素基でも、芳香族骨格と脂肪族骨格とを含む基でもよい。有機基の炭素原子数は1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5が特に好ましい。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、及びn-イコシル基等の鎖状アルキル基;ビニル基、1-プロペニル基、2-n-プロペニル基(アリル基)、1-n-ブテニル基、2-n-ブテニル基、及び3-n-ブテニル基等の鎖状アルケニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、ビフェニル-4-イル基、ビフェニル-3-イル基、ビフェニル-2-イル基、アントリル基、及びフェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、α-ナフチルエチル基、及びβ-ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基の具体例は、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、及びパーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、及びパーフルオロデシル基等のハロゲン化鎖状アルキル基;2-クロロシクロヘキシル基、3-クロロシクロヘキシル基、4-クロロシクロヘキシル基、2,4-ジクロロシクロヘキシル基、2-ブロモシクロヘキシル基、3-ブロモシクロヘキシル基、及び4-ブロモシクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基等のハロゲン化アリール基;2-クロロフェニルメチル基、3-クロロフェニルメチル基、4-クロロフェニルメチル基、2-ブロモフェニルメチル基、3-ブロモフェニルメチル基、4-ブロモフェニルメチル基、2-フルオロフェニルメチル基、3-フルオロフェニルメチル基、4-フルオロフェニルメチル基等のハロゲン化アラルキル基である。
炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる基の具体例は、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、及び4-ヒドロキシ-n-ブチル基等のヒドロキシ鎖状アルキル基;2-ヒドロキシシクロヘキシル基、3-ヒドロキシシクロヘキシル基、及び4-ヒドロキシシクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;2-ヒドロキシフェニル基、3-ヒドロキシフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、2,3-ジヒドロキシフェニル基、2,4-ジヒドロキシフェニル基、2,5-ジヒドロキシフェニル基、2,6-ジヒドロキシフェニル基、3,4-ジヒドロキシフェニル基、及び3,5-ジヒドロキシフェニル基等のヒドロキシアリール基;2-ヒドロキシフェニルメチル基、3-ヒドロキシフェニルメチル基、及び4-ヒドロキシフェニルメチル基等のヒドロキシアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、及びn-イコシルオキシ基等の鎖状アルコキシ基;ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、2-n-プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、1-n-ブテニルオキシ基、2-n-ブテニルオキシ基、及び3-n-ブテニルオキシ基等の鎖状アルケニルオキシ基;フェノキシ基、o-トリルオキシ基、m-トリルオキシ基、p-トリルオキシ基、α-ナフチルオキシ基、β-ナフチルオキシ基、ビフェニル-4-イルオキシ基、ビフェニル-3-イルオキシ基、ビフェニル-2-イルオキシ基、アントリルオキシ基、及びフェナントリルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α-ナフチルメチルオキシ基、β-ナフチルメチルオキシ基、α-ナフチルエチルオキシ基、及びβ-ナフチルエチルオキシ基等のアラルキルオキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-プロポキシメチル基、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、2-n-プロポキシエチル基、3-メトキシ-n-プロピル基、3-エトキシ-n-プロピル基、3-n-プロポキシ-n-プロピル基、4-メトキシ-n-ブチル基、4-エトキシ-n-ブチル基、及び4-n-プロポキシ-n-ブチル基等のアルコキシアルキル基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n-プロポキシメトキシ基、2-メトキシエトキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-n-プロポキシエトキシ基、3-メトキシ-n-プロポキシ基、3-エトキシ-n-プロポキシ基、3-n-プロポキシ-n-プロポキシ基、4-メトキシ-n-ブチルオキシ基、4-エトキシ-n-ブチルオキシ基、及び4-n-プロポキシ-n-ブチルオキシ基等のアルコキシアルコキシ基;2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、及び4-メトキシフェニル基等のアルコキシアリール基;2-メトキシフェノキシ基、3-メトキシフェノキシ基、及び4-メトキシフェノキシ基等のアルコキシアリールオキシ基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、及びデカノイル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基、α-ナフトイル基、及びβ-ナフトイル基等の芳香族アシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブチルオキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、及びn-デシルオキシカルボニル基等の鎖状アルキルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、α-ナフトキシカルボニル基、及びβ-ナフトキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、及びデカノイルオキシ基等の脂肪族アシルオキシ基;ベンゾイルオキシ基、α-ナフトイルオキシ基、及びβ-ナフトイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基である。
a1~Ra18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~5のアルキル基、及び炭素原子数1~5のアルコキシ基からなる群より選択される基が好ましく、特にエネルギー感受性組成物を用いて得られる硬化物が機械的特性に優れる点からRa1~Ra18が全て水素原子であるのがより好ましい。
式(P1-2)~(P1-5)中、Ra1~Ra12は、式(P1-1)におけるRa1~Ra12と同様である。式(P1-2)及び式(P1-4)において、Ra2及びRa10が、互いに結合する場合に形成される2価の基としては、例えば、-CH-、-C(CH-が挙げられる。式(P1-3)において、Ra2及びRa8が、互いに結合する場合に形成される2価の基としては、例えば、-CH-、-C(CH-が挙げられる。
式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、下記式(P1-1a)(P1-1b)(P1-1c)で表される脂環式エポキシ化合物や、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパン[=2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロパン]等を挙げることができる。
Figure 2022062070000012
Figure 2022062070000013
Figure 2022062070000014
式(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、下記式(P1-2a)で表されるビシクロノナジエンジエポキシド、又はジシクロノナジエンジエポキシド等が挙げられる。
Figure 2022062070000015
式(P1-3)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、Sスピロ[3-オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン-6,2’-オキシラン]等が挙げられる。
式(P1-4)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、4-ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジペンテンジオキシド、リモネンジオキシド、1-メチルー4-(3-メチルオキシラン-2-イル)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン等が挙げられる。
式(P1-5)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
以上説明した脂環式エポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物以外に、化合物(P1)として使用し得る、エポキシ基を有する非重合体の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等のエポキシアルキル(メタ)アクリレート;2-グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、3-グリシジルオキシ-n-プロピル(メタ)アクリレート、4-グリシジルオキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、5-グリシジルオキシ-n-ヘキシル(メタ)アクリレート、6-グリシジルオキシ-n-ヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシアルキルオキシアルキル(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールADノボラック型エポキシ樹脂等のノボラックエポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂のエポキシ化物等の環式脂肪族エポキシ樹脂;ナフタレン型フェノール樹脂のエポキシ化物等の芳香族エポキシ樹脂;9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)フェニル]-9H-フルオレン、9,9-ビス[4-[2-(グリシジルオキシ)エトキシ]フェニル]-9H-フルオレン、9,9-ビス[4-[2-(グリシジルオキシ)エチル]フェニル]-9H-フルオレン、9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)-3-メチルフェニル]-9H-フルオレン、9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)-3,5-ジメチルフェニル]-9H-フルオレン、及び9,9-ビス(6‐グリシジルオキシナフタレン-2-イル)-9H-フルオレン、9,9-ビス(6-グリシジルオキシナフタレン-1-イル)-9H-フルオレン、9,9-ビス(5-グリシジルオキシナフタレン-1-イル)-9H-フルオレン等の9,9-ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン類;9,9-ビス[6-(2-グリシジルオキシエトキシ)ナフタレン-2-イル]-9H-フルオレン、9,9-ビス[6-(2-グリシジルオキシプロポキシ)ナフタレン-2-イル]フルオレン、9,9-ビス[5-(2-グリシジルオキシエトキシ)ナフタレン-1-イル]フルオレン、9,9-ビス[5-(2-グリシジルオキシプロポキシ)ナフタレン-1-イル]フルオレン等の9,9-ビス(グリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類;9,9-ビス{6-[2-(2-グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]ナフタレン-2-イル}-9H-フルオレン、9,9-ビス{6-[2-(2-グリシジルオキシプロポキシ)プロポキシ]ナフタレン-2-イル}-9H-フルオレン、9,9-ビス{5-[2-(2-グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]ナフタレン-1-イル}-9H-フルオレン、9,9-ビス{5-[2-(2-グリシジルオキシプロポキシ)プロポキシ]ナフタレン-1-イル}-9H-フルオレン等の9,9-ビス(グリシジルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;等のエポキシ基含有フルオレン化合物;ダイマー酸グリシジルエステル、及びトリグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、及びテトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂;フロログリシノールトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシフェニルメタントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、及び1,3-ビス[4-[1-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-1-[4-[1-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]-2-プロパノール等の3官能型エポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルエタンテトラグリシジルエーテル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル、及びテトラグリシドキシビフェニル等の4官能型エポキシ樹脂、及び2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物が挙げられる。2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物は、EHPE-3150(ダイセル社製)として市販される。
また、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、2-エチルヘキシルオキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタニルメタクリレート、ビス-1-エチル-3-オキセタニルメチルエーテル、1,4-ビス-3-エチルオキセタン-3-イルメトキシメチルベンゼン、3-エチル-3-2-エチルへキシロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-フェノキシメチルオキセタン等一官能又は二官能以上のオキセタン化合物も好適に挙げられる。
脂環式エポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物以外に、化合物(P1)として使用し得る、エポキシ基を有する非重合体のうち、高屈折率化の点で、好ましくはエポキシ基含有フルオレン化合物であり、9,9-ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン類を含む下記式(P1‐8)がより好ましい。
Figure 2022062070000016
(式(P1-8)中、環Zは縮合多環式芳香族炭化水素環、RP35及びRP36は置換基、RP37は水素原子又はメチル基を示し、k1は0~4の整数、k2は0以上の整数、k3は1以上の整数である。)
上記式(P1-8)において、環Zで表される縮合多環式芳香族炭化水素環としては、縮合二環式炭化水素環(例えば、インデン環、ナフタレン環等のC8~C20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10~C16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合二~四環式炭化水素環等が挙げられる。好ましい縮合多環式芳香族炭化水素環としては、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられ、特にナフタレン環が好ましい。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
なお、フルオレンの9位に置換する環Zの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9位に置換するナフチル基は、1-ナフチル基、2-ナフチル基等であってもよく、特に2-ナフチル基であるのが好ましい。
また、上記式(P1-8)において、RP35で表される置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基等のC6~C10アリール基)等]等の非反応性置換基が挙げられ、特に、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基(特にアルキル基)である場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基等のC1~C6アルキル基(例えば、C1~C4アルキル基、特にメチル基)等が例示できる。なお、k1が複数(2以上)である場合、RP35は互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、フルオレン(又はフルオレン骨格)を構成する2つのベンゼン環に置換するRP35は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレンを構成するベンゼン環に対するRP35の結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましいk1は、0~1、特に0である。なお、フルオレンを構成する2つのベンゼン環において、k1は、互いに同一又は異なっていてもよい。
環Zに置換するRP36としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1~C12アルキル基、好ましくはC1~C8アルキル基、さらに好ましくはC1~C6アルキル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロへキシル基等のC5~C8シクロアルキル基、好ましくはC5~C6シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等のC6~C14アリール基、好ましくはC6~C10アリール基、さらに好ましくはC6~C8アリール基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等のC6~C10アリール基とC1~C4アルキル基とが結合してなるアラルキル基等)等の炭化水素基;アルコキシ基(例えば、メトキシ基等のC1~C8アルコキシ基、好ましくはC1~C6アルコキシ基等)、シクロアルコキシ基(C5~C10シクロアルキルオキシ基等)、アリールオキシ基(C6~C10アリールオキシ基等)等の基-ORP38[式中、RP38は炭化水素基(上記例示の炭化水素基等)を示す。];アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基等のC1~C8アルキルチオ基、好ましくはC1~C6アルキルチオ基等)等の基-SRP38(式中、RP38は上記と同じ。);アシル基(例えば、アセチル基等のC1~C6アシル基等);アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基等のC1~C4アルコキシ基とカルボニル基とが結合してなるアルコキシカルボニル基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等);ヒドロキシル基;ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基等)等が挙げられる。
これらのうち、RP36は、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基等であるのが好ましく、特に、好ましいRP36は、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1~C6アルキル基)]、アルコキシ基(C1~C4アルコキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)等である。
なお、同一の環Zにおいて、k2が複数(2以上)である場合、RP36は互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、2つの環Zにおいて、RP36は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、好ましいk2は、0~8、好ましくは0~6(例えば、1~5)、さらに好ましくは0~4、特に0~2(例えば、0~1)であってもよい。なお、2つの環Zにおいて、k2は、互いに同一又は異なっていてもよい。
なお、上記式(P1-8)において、RP37は、水素原子又はメチル基であり、好ましいRP37は水素原子である。
上記式(P1-8)において、k3は、1以上であればよく、例えば、1~4、好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、特に1であってもよい。なお、k3は、それぞれの環Zにおいて、同一又は異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。なお、エポキシ基含有基の置換位置は、特に限定されず、環Zの適当な置換位置に置換していればよい。特に、エポキシ基含有基は、縮合多環式炭化水素環において、フルオレンの9位に結合した炭化水素環とは別の炭化水素環(例えば、ナフタレン環の5位、6位等)に少なくとも置換している場合が多い。
上記式(P1-8)で表される具体的な化合物としては、例えば、9,9-ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9-ビス(6-グリシジルオキシ-2-ナフチル)フルオレン、9,9-ビス(5-グリシジルオキシ-1-ナフチル)フルオレン等]等の上記式(P1-8)においてk3が1である化合物等が挙げられる。
(エポキシ基を有する重合体)
エポキシ基を有する重合体は、エポキシ基を有する単量体又はエポキシ基を有する単量体を含む単量体混合物を重合させて得られる重合体であってもよく、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等の反応性を有する官能基を有する重合体に対して、例えばエピクロルヒドリンのようなエポキシ基を有する化合物を用いてエポキシ基を導入したものであってもよい。また、1,2-ポリブタジエンのような側鎖に不飽和脂肪族炭化水素基を有する重合体の部分酸化物もエポキシ基を有する重合体として好適に使用することができる。かかる部分酸化物は、側鎖に含まれる不飽和結合の酸化により生成したエポキシ基を含む。
入手、調製、重合体中のエポキシ基の量の調整等が容易であることから、エポキシ基を有する重合体としては、エポキシ基を有する単量体又はエポキシ基を有する単量体を含む単量体混合物を重合させて得られる重合体と、側鎖に不飽和脂肪族炭化水素基を有する重合体の部分酸化物と、が好ましい。
(エポキシ基を有する単量体又はエポキシ基を有する単量体を含む単量体混合物の重合体)
エポキシ基を有する重合体の中では、調製が容易であることや、エネルギー感受性組成物の基材への塗布性等の点から、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体か、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体が好ましい。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、鎖状脂肪族エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルであっても、後述するような、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。また、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、芳香族基を含んでいてもよい。エネルギー感受性組成物を用いて形成される硬化物の透明性の点から、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの中では、鎖状脂肪族エポキシ基を有する脂肪族(メタ)アクリル酸エステルや、脂環式エポキシ基を有する脂肪族(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、脂環式エポキシ基を有する脂肪族(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
芳香族基を含み、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、4-グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート、3-グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート、2-グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート、4-グリシジルオキシフェニルメチル(メタ)アクリレート、3-グリシジルオキシフェニルメチル(メタ)アクリレート、及び2-グリシジルオキシフェニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
鎖状脂肪族エポキシ基を有する脂肪族(メタ)アクリル酸エステルの例としては、エポキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエポキシアルキルオキシアルキル(メタ)アクリレート等のような、エステル基(-O-CO-)中のオキシ基(-O-)に鎖状脂肪族エポキシ基が結合する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。このような(メタ)アクリル酸エステルが有する鎖状脂肪族エポキシ基は、鎖中に1又は複数のオキシ基(-O-)を含んでいてもよい。鎖状脂肪族エポキシ基の炭素原子数は、特に限定されないが、3~20が好ましく、3~15がより好ましく、3~10が特に好ましい。
鎖状脂肪族エポキシ基を有する脂肪族(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等のエポキシアルキル(メタ)アクリレート;2-グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、3-グリシジルオキシ-n-プロピル(メタ)アクリレート、4-グリシジルオキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、5-グリシジルオキシ-n-ヘキシル(メタ)アクリレート、6-グリシジルオキシ-n-ヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシアルキルオキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式エポキシ基を有する脂肪族(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば下記式(a2-1)~(a2-15)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、下記式(a2-1)~(a2-5)で表される化合物が好ましく、下記式(a2-1)~(a2-3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2022062070000017
Figure 2022062070000018
Figure 2022062070000019
上記式中、Ra20は水素原子又はメチル基を示し、Ra21は炭素原子数1~6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra22は炭素原子数1~10の2価の炭化水素基を示し、tは0~10の整数を示す。Ra21としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra22としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
エポキシ基を有する重合体としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、及びエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体の何れも用いることができるが、エポキシ基を有する重合体中の、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%であるのが最も好ましい。
エポキシ基を有する重合体が、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体である場合、他の単量体としては、不飽和カルボン酸、エポキシ基を持たない(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。エネルギー感受性組成物の保存安定性や、エネルギー感受性組成物を用いて形成される硬化物のアルカリ等に対する耐薬品性の点からは、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体は、不飽和カルボン酸に由来する単位を含まないのが好ましい。
不飽和カルボン酸の例としては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アミド;クロトン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、これらジカルボン酸の無水物が挙げられる。
エポキシ基を持たない(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t-オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2-ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート;脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。エポキシ基を持たない(メタ)アクリル酸エステルの中では、エネルギー感受性組成物を用いて形成される硬化物の透明性の点から、脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、脂環式骨格を構成する脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。
脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば下記式(a3-1)~(a3-8)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、下記式(a3-3)~(a3-8)で表される化合物が好ましく、下記式(a3-3)又は(a3-4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2022062070000020
上記式中、Ra23は水素原子又はメチル基を示し、Ra24は単結合又は炭素原子数1~6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra25は水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を示す。Ra24としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra25としては、メチル基、エチル基が好ましい。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N-アリール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-アリール(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル-N-メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物の例としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類;アリルオキシエタノール;等が挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1-メチル-2,2-ジメチルプロピルビニルエーテル、2-エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル-2,4-ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル-β-フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等が挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4-メトキシ-3-メチルスチレン、ジメトキシスチレン等のアルコキシスチレン;クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2-ブロモ-4-トリフルオロメチルスチレン、4-フルオロ-3-トリフルオロメチルスチレン等のハロスチレン;等が挙げられる。
(側鎖に不飽和脂肪族炭化水素基を有する重合体の部分酸化物)
側鎖に不飽和脂肪族炭化水素を有する重合体は特に限定されないが、入手や合成が容易であること等から、側鎖にビニル基を有する1,2-ポリブタジエンが好ましい。1,2-ポリブタジエンを部分的に酸化することによって、側鎖にオキシラニル基とビニル基とを有する、エポキシ化ポリブタジエンが得られる。このようなエポキシ化ポリブタジエンにおけるオキシラニル基の比率は、オキシラニル基とビニル基との総モル数に対して10~70モル%が好ましく、10~50モル%がより好ましく、10~40モル%がより好ましい。エポキシ化ポリブタジエンとしては、日本曹達株式会社より市販される、JP-100、及びJP-200を好適に使用することができる。
以上説明した、エポキシ基を有する重合体の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、ポリスチレン換算の質量平均分子量として、3,000~30,000が好ましく、5,000~15,000がより好ましい。
また、化合物(P1)としては、下記式(P1-6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022062070000021
(式(P1-6)中、RP31~RP33は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、アリーレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。E~Eは、エポキシ基、オキセタニル基、エチレン性不飽和基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、チオール基、カルボキシ基、水酸基及びコハク酸無水物基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基又は水素原子である。但し、E~Eのうち少なくとも1つは、エポキシ基及びオキセタニル基からなる群より選択される少なくとも1種である。)
式(P1-6)中、RP31とE、RP32とE、及びRP33とEで示される基は、例えば、少なくとも1つが下記式(P1-6a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つが、それぞれ、下記式(P1-6a)で表される基であることがより好ましく、何れもが、それぞれ、下記式(P1-6a)で表される基であることが更に好ましい。1つの化合物に結合する式(P1-6a)で表される基は、同じ基であることが好ましい。
-L-C (P1-6a)
(式(P1-6a)中、Lは直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、アリーレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であり、Cはエポキシ基及びオキセタニル基からなる群より選択される少なくとも1種である。式(P1-6a)中、LとCとが結合して環状構造を形成していてもよい。)
式(P1-6a)中、Lとしての直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、また、Lとしてのアリーレン基としては、炭素原子数5~10のアリーレン基が好ましい。式(P1-6a)中、Lは、直鎖状の炭素原子数1~3のアルキレン基、フェニレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であることが好ましく、メチレン基等の直鎖状の炭素原子数1~3のアルキレン基及びフェニレン基の少なくとも1種、又は、これらと、-O-、-C(=O)-及びNH-の少なくとも1種との組み合わせからなる基が好ましい。
式(P1-6a)中、LとCとが結合して環状構造を形成している場合としては、例えば、分岐鎖状のアルキレン基とエポキシ基とが結合して環状構造(脂環構造のエポキシ基を有する構造)を形成している場合、下記式(P1-6b)又は(P1-6c)で表される有機基が挙げられる。
Figure 2022062070000022
(式(P1-6b)中、RP34は、水素原子又はメチル基である。)
Figure 2022062070000023
以下、式(P1-6)で表される化合物の例としてオキシラニル基、オキセタニル基、及び脂環式エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基を有するエポキシ化合物の例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2022062070000024
Figure 2022062070000025
Figure 2022062070000026
Figure 2022062070000027
Figure 2022062070000028
また、化合物(P1)としては、例えば、分子内に2以上のグリシジル基を有するシロキサン化合物(以下、「シロキサン化合物(B)」ともいう。)を挙げることができる。
シロキサン化合物(B)は、得られる硬化物に、長期に亘って高温環境下に曝した場合の黄変防止性(=耐熱透明性)を付与することができ、分子内に2以上のグリシジル基を有し、更に、シロキサン結合(Si-O-Si)により構成されたシロキサン骨格を有する化合物である。シロキサン化合物(B)におけるシロキサン骨格としては、例えば、環状シロキサン骨格やポリシロキサン骨格(例えば、直鎖状又は分岐鎖状のシリコーン(直鎖状又は分岐鎖状ポリシロキサン)や、かご型やラダー型のポリシルセスキオキサン等)等を挙げることができる。
シロキサン化合物(B)としては、なかでも、硬化性に優れ、得られる硬化物が耐熱透明性に特に優れる点で、下記式(B-1)で表される環状シロキサン骨格を有する化合物(以下、「環状シロキサン」という場合がある)が好ましい。
Figure 2022062070000029

式(B-1)中、RB1、RB2は、グリシジル基を含有する一価の基又はアルキル基を示す。但し、式(B-1)で表される化合物におけるn個のRB1及びn個のRB2のうち、少なくとも2個はグリシジル基を含有する一価の基である。また、式(B-1)中のnは3以上の整数を示す。尚、式(B-1)で表される化合物におけるRB1、RB2は同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、複数のRB1は同一であってもよいし、異なっていてもよい。複数のRB2も同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記グリシジル基を含有する一価の基としては、-D-O-RB3で表されるグリシジルエーテル基[Dはアルキレン基を示し、RB3はグリシジル基を示す]が好ましい。上記D(アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基等の炭素原子数が1~18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基等を挙げることができる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1~18(好ましくは炭素原子数1~6、特に好ましくは炭素原子数1~3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。
式(B-1)中のnは3以上の整数を示し、なかでも、エネルギー感受性組成物の硬化性、及び硬化物の耐熱性及び機械強度に優れる点で3~6の整数が好ましい。
シロキサン化合物(B)が分子内に有するグリシジル基の数は2個以上であり、エネルギー感受性組成物の硬化性、硬化物の耐熱性及び機械強度の観点から2~6個が好ましく、特に好ましくは2~4個である。
シロキサン化合物(B)のエポキシ当量(JlS K7236に準拠)は、エネルギー感受性組成物の硬化性、及び硬化物の耐熱透明性に優れる点で100~350が好ましく、特に好ましくは150~300、最も好ましくは200~270である。
本実施態様のエネルギー感受性組成物には、シロキサン化合物(B)以外にも他のシロキサン化合物(例えば、脂環式エポキシ基含有環状シロキサン、特開2008-248169号公報に記載の脂環式エポキシ基含有シリコーン樹脂、特開2008-19422号公報に記載の1分子中に少なくとも2個のエポキシ官能性基を有するオルガノポリシルセスキオキサン樹脂等)を含有していてもよい。
シロキサン化合物(B)としては、より具体的には、下記式で表される、分子内に2以上のグリシジル基を有する環状シロキサン等を挙げることができる。また、シロキサン化合物(B)としては、例えば、商品名「X-40-2701」、「X-40-2728」、「X-40-2738」、「X-40-2740」(以上、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
Figure 2022062070000030
[(P2)酸の作用下での現像液におけるその溶解性を増大させる化合物]
酸の作用下での現像液におけるその溶解性を増大させる化合物(以下、「化合物(P2)」ともいう。)の例としては、例えば以下に挙げるモノマーの共重合により得ることができるオリゴマー、ポリマー、コポリマーが挙げられる。
非環状又は環状第二級及び第三級アルキル(メタ)アクリレート[例えば、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、3-オキソシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、5-ノルボルネン-2-tert-ブチルエステル、8-エチル-8-トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、(2-テトラヒドロピラニル)オキシノルボルニルアルコールアクリレート、(2-テトラヒドロピラニル)オキシメチルトリシクロドデカンメタノールメタクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、(2-テトラヒドロピラニル)オキシノルボルニルアルコールアクリレート、(2-テトラヒドロピラニル)オキシメチルトリシクロドデカンメタノールメタクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート]、o-/m-/p-(3-オキソシクロヘキシルオキシ)スチレン、o-/m-/p-(1-メチル-1-フェニルエトキシ)スチレン、o-/m-/p-テトラヒドロピラニルオキシスチレン、o-/m-/p-アダマンチルオキシスチレン、o-/m-/p-シクロヘキシルオキシスチレン、o-/m-/p-ノルボルニルオキシスチレン、非環状又は環状アルコキシカルボニルスチレン[例えばo-/m-/p-tert-ブトキシカルボニルスチレン、o-/m-/p-(3-オキソシクロヘキシルオキシカルボニル)スチレン、o-/m-/p-(1-メチル-1-フェニルエトキシカルボニル)スチレン、o-/m-/p-テトラヒドロピラニルオキシカルボニルスチレン、o-/m-/p-アダマンチルオキシカルボニルスチレン、o-/m-/p-シクロヘキシルオキシカルボニルスチレン、o-/m-/p-ノルボルニルオキシカルボニルスチレン]、非環状又は環状アルコキシカルボニルオキシスチレン[例えばo-/m-/p-tert-ブトキシカルボニルオキシスチレン、o-/m-/p-(3-オキソシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)スチレン、o-/m-/p-(1-メチル-1-フェニルエトキシカルボニルオキシ)-スチレン、o-/m-/p-テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシスチレン、o-/m-/p-アダマンチルオキシカルボニルオキシスチレン、o-/m-/p-シクロヘキシルオキシカルボニルオキシスチレン、o-/m-/p-ノルボルニルオキシカルボニルオキシスチレン]、非環状又は環状アルコキシカルボニルアルコキシスチレン[例えばo-/m-/p-ブトキシカルボニルメトキシスチレン、p-tert-ブトキシカルボニルメトキシスチレン、o-/m-/p-(3-オキソシクロヘキシルオキシカルボニルメトキシ)スチレン、o-/m-/p-(1-メチル-1-フェニルエトキシカルボニルメトキシ)スチレン、o-/m-/p-テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメトキシスチレン、o-/m-/p-アダマンチルオキシカルボニルメトキシスチレン、o-/m-/p-シクロヘキシルオキシカルボニルメトキシスチレン、o-/m-/p-ノルボルニルオキシカルボニルメトキシスチレン、トリメチルシロキシスチレン、ジメチル(ブチル)シロキシスチレン]、不飽和アルキルアセテート(例えばイソプロペニルアセテート、その誘導体)、5-ノルボルネニル-2-tert-ブチルエステル
低活性化エネルギーを有する酸不安定基を担持するモノマー[例えば、p-又はm-(1-メトキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-メトキシ-1-メチルエトキシ)-メチルスチレン、p-又はm-(1-メトキシ-1-メチルプロポキシ)スチレン、p-又はm-(1-メトキシ-1-メチルプロポキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-メトキシエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-メトキシエトキシ)-メチルスチレン、p-又はm-(1-エトキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-エトキシ-1-メチル-エトキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-エトキシ-1-メチルプロポキシ)スチレン、p-又はm-(1-エトキシ-1-メチルプロポキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-エトキシエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-エトキシエトキシ)-メチルスチレン、p-(1-エトキシフェニルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-n-プロポキシ-1-メチルエトキシ)-スチレン、p-又はm-(1-n-プロポキシ-1-メチルエトキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-n-プロポキシエトキシ)-スチレン、p-又はm-(1-n-プロポキシエトキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシ-1-メチルエトキシ)-スチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシ-1-メチルエトキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシエトキシ)-スチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシエトキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシ-1-メチルプロポキシ)スチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシ-1-メチルプロポキシ)-メチルスチレン、p-又はm-(1-イソ-プロポキシプロポキシ)スチレン、p-又はm-(1-イソプロポキシプロポキシ)-メチルスチレン、p-又はm-(1-n-ブトキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-n-ブトキシエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-イソブトキシ-1-メチル-エトキシ)-スチレン、p-又はm-(1-tert-ブトキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-n-ペンチルオキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-イソアミルオキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-n-ヘキシルオキシ-1-methyl-エトキシ)スチレン、p-又はm-(1-シクロヘキシルオキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-トリメチルシリルオキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-トリメチルシリルオキシ-1-メチルエトキシ)-メチルスチレン、p-又はm-(1-ベンジルオキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-ベンジルオキシ-1-メチルエトキシ)メチルスチレン、p-又はm-(1-メトキシ-1-メチルエトキシ)スチレン、p-又はm-(1-メトキシ-1-メチルエトキシ)-メチルスチレン、p-又はm-(1-トリメチルシリルオキシ-1-メチルエトキシ)-スチレン、p-又はm-(1-トリメチルシリルオキシ-1-メチルエトキシ)メチルスチレン]
化合物(P2)としては、アルコキシアルキルエステル酸不安定基を有するポリマーであってもよい。アルコキシアルキルエステル酸不安定基を有するポリマーの例は、US5225316及びEP829766において明らかにされ得る。アセタール保護基を有するポリマーの例は、例えば、US5670299、EP780732、US5627006、US5558976、US5558971、US5468589、EP704762、EP762206、EP342498、EP553737、並びにACS Symp.Ser.614,Microelectronics Technology,pp.35-55(1995),J.Photopolymer Sci.Technol.Vol.10,No.4(1997),pp.571-578,J.Photopolymer Sci.Technol.Vol.12,no.4(1999)pp.591-599及び“Proceedings of SPIE”,Advances in Resist Technology and Processing XVII,Vol.3999,Part One,pp.579-590,28.Feb.-1.March 2000に記載されている。しかしながら、本実施態様による組成物に適切なポリマーは、それらに限定されない。
また、酸不安定基を有するモノマーは、適切な場合、特定の溶解性及び付着性を確立するために、酸不安定基を担持しない他のフリーラジカル重合性モノマー[例えば、スチレン、アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、4-ヒドロキシスチレン、4-アセトキシスチレン、4-メトキシスチレン、4-ビニルシクロヘキサノール、ノルボルネン、エチルノルボルネン、無水マレイン酸]で共重合され得る。或いは、酸不安定基は、ポリマー類似反応において続いて導入され得るだけである。プレポリマーが、例えば部分水素化、部分アルキル化、部分アセチル化によりかかるポリマー類似反応の前に目標とする方法で変性され得ることは、当業者にも既知である。すなわち、酸不安定基を有するポリマーが、全ての場合において共重合によりモノマーから合成されなくてもよいということである。
例えば、H.-T.Schacht,P.Falcigno,N.Muenzel,R.Schulz and A.Medina,ACS Symp.Ser.706(Micro- and Nanopatterning Polymers),pp.78-94,1997;H.-T.Schacht,N.Muenzel,P.Falcigno,H.Holzwarth and J.Schneider,J.Photopolymer Science and Technology,Vol.9,(1996),573-586に記載されているように、酸不安定架橋を導入することも可能である。かかる酸架橋系は、熱安定性の観点から好ましい。また、かかる酸不安定架橋は、二及び多官能性ビニルエーテルとのフェノール基含有ポリマー(例えば4-ヒドロキシスチレンコポリマー)との反応により得ることが可能である。
化合物(P2)の他の例は、カルボン酸基又はフェノール性OH基のそれぞれが酸不安定保護基によってブロックされたモノマー化合物(例えばカルボン酸及びフェノール基含有化合物)である。かかる酸不安定ブロッキングは、例えば、tert-ブチルエステル基、2-メチル-2-アダマンチルエステル基、8-エチル-8-トリシクロデカニルエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基又は幾つかの他の酸開裂性エステル基へのカルボキシ基の転化により行うことが可能である。フェノール性OH基は、例えば酸開裂性tert-ブチルカーボネート基、シリルエーテル、アセタール基及びケタール基に転化することによる既知の方法に従ってブロックされ得る。
また、化合物(P2)は、脂環式コポリマー、4-ヒドロキシ-フェニル基含有コポリマー、無水マレイン酸含有コポリマー、アクリル酸含有コポリマー、アクリル酸エステル含有コポリマー及びメタクリル酸エステル含有コポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であるエネルギー感受性組成物であって、それらのコポリマーが、酸との反応後にアルカリ性現像液におけるポリマーの溶解性を増加させる官能基を担持する。
[(Px)ラジカル重合性又は架橋性の化合物]
ラジカル重合性又は架橋性の化合物(本明細書において、「化合物(Px)」ともいう。)は、例えば、反応性官能基を有するアクリレートが挙げられる。反応性官能基は、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、イソシアネート基、無水物基、カルボキシ基、アミノ基及びブロック化アミノ基からなる群より選択され得る。OH基含有不飽和アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。また、化合物(Px)は、任意の所望の構造のものでもよい(例えば、それは、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテル等の単位を含有してよい)が、それは、エチレン性不飽和二重結合及び更に遊離OH基、COOH基、NH基又はNCO基を含有する。
また、化合物(Px)は、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸とエポキシ官能性オリゴマーとを反応させることにより得ることも可能である。ビニル性二重結合を有するOH官能性オリゴマーの典型例は、
Figure 2022062070000031
であって、CH=CHCOOHと
Figure 2022062070000032
との反応により得られるものである。
化合物(Px)を得る別の可能な方法は、例えば、エポキシ基を1個だけ含有し、且つ、分子中の別の位置で遊離OH基を有するオリゴマーの反応である。
また、化合物(Px)としては、下記式(Px-1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022062070000033
(式(Px-1)中、RP31~RP33は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、アリーレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。E~Eは、化合物(P1)と式(Px-1)で表される化合物との間、若しくは式(Px-1)で表される化合物同士の間でラジカル的に重合又は架橋し得る官能基或いは水素原子である。但し、E~Eのうち少なくとも1つは、該官能基である。)
式(Px-1)中、RP31とE、RP32とE、及びRP33とEで示される基は、例えば、少なくとも1つが下記式(Px-1a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つが、それぞれ、下記式(Px-1a)で表される基であることがより好ましく、何れもが、それぞれ、下記式(Px-1a)で表される基であることが更に好ましい。1つの化合物に結合する式(Px-1a)で表される基は、同じ基であることが好ましい。
-L’-C’ (Px-1a)
(式(Px-1a)中、L’は直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、アリーレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であり、C’は、エチレン性不飽和基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル基、チオール基、カルボキシ基、水酸基、ピラゾリル基、アルコキシ基、ケトン基、ラクトン環及びコハク酸無水物基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基である。また、式(Px-1a)中、L’とC’とが結合して環状構造を形成していてもよい。)
式(P1-6a)中、L’としての直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、また、Lとしてのアリーレン基としては、炭素原子数5~10のアリーレン基が好ましい。式(Px-1a)中、L’は、直鎖状の炭素原子数1~6のアルキレン基、フェニレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であることが好ましく、メチレン基等の直鎖状の炭素原子数1~6のアルキレン基及びフェニレン基の少なくとも1種、又は、これらと、-O-、-C(=O)-及びNH-の少なくとも1種との組み合わせからなる基が好ましい。分岐鎖状のアルキレン基とコハク酸無水物基とが結合して環状構造を形成している場合、具体的には、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物が挙げられる。
Figure 2022062070000034
Figure 2022062070000035
Figure 2022062070000036
Figure 2022062070000037
Figure 2022062070000038
Figure 2022062070000039
なお、本実施態様のエネルギー感受性組成物において、化合物成分(P)の含有量は、組成物全体(但し、溶剤を除く。)に対して、80~99.999質量%であることが好ましく、90~99.99質量%であることがより好ましく、92質量%~99.9質量%であることが更に好ましい。化合物成分(P)の含有量が上記範囲内であると、熱重量安定性が良好となる傾向がある。
化合物成分(P)は、化合物(P1)、化合物(P2)、及び化合物(Px)からなる群より選択される化合物を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上組み合わせて使用する場合には、化合物(P1)を含むことが好ましい。この場合、化合物(P1)の含有量は、化合物成分(P)中、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。化合物(P1)の含有量が上記範囲であることにより、特に熱重量安定性の向上効果が大きい。また、エネルギー感受性組成物を3D印刷用に用いる場合、化合物(P1)に化合物(Px)を組み合わせてもよく、その場合、ラジカル光重合開始剤等の光重合開始剤を併用することが好ましい。
[(Q)上記式(a1)で表されるスルホニウム塩]
上記式(a1)で表されるスルホニウム塩(以下、「スルホニウム塩(Q)」ともいう。)は、上記式(a1)中のベンゼン環において、Aが結合する炭素原子に対してオルト位の炭素原子にメチル基が結合していることを特徴とする。スルホニウム塩(Q)は、上記の位置にメチル基を有するため、従来のスルホニウム塩と比較して、プロトンを発生しやすく、紫外線等の活性エネルギー線に対する感度が高い。
上記式(a1)において、R及びRの何れもが上記式(a2)で表される基であることが好ましい。R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(a1)において、R及びRが相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成する場合、形成される環は、硫黄原子を含めて3~10員環であることが好ましく、5~7員環であることがより好ましい。形成される環は多環でもよく、5~7員環が縮合したものであることが好ましい。
上記式(a1)において、Rは上記式(a3)で表される基であることが好ましい。
上記式(a1)において、Aは、S又はOであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
上記式(a2)において、Rは、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、置換されていてよいアミノ基、又はニトロ基であることが好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アルキルカルボニル基、又はチエニルカルボニル基であることがより好ましい。
上記式(a2)において、m1は、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0~4の整数、好ましくは0~3の整数、より好ましくは0~2の整数であってもよい。
上記式(a3)において、Rは、アルキレン基;ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、若しくはニトロ基で置換されたアルキレン基;又は上記式(a5)で表される基であることが好ましく、上記式(a5)で表される基であることがより好ましい。
上記式(a3)において、Rは、アルキル基;ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、若しくはニトロ基で置換されたアルキル基;又は上記式(a6)で表される基であることが好ましく、上記式(a6)で表される基であることがより好ましい。
上記式(a3)において、AはS又はOであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
上記式(a3)において、n1は0であることが好ましい。
上記式(a4)において、R及びRは独立に、アルキレン基;ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、若しくはニトロ基で置換されたアルキレン基;又は上記式(a5)で表される基であることが好ましく、上記式(a5)で表される基であることより好ましい。R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(a4)において、R及びR10の何れもが上記式(a2)で表される基であることが好ましい。R及びR10は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(a4)において、R及びR10が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成する場合、形成される環は、硫黄原子を含めて3~10員環であることが好ましく、5~7員環であることがより好ましい。形成される環は多環でもよく、5~7員環が縮合したものであることが好ましい。
上記式(a4)において、Aは、S又はOであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
上記式(a4)において、n2は0であることが好ましい。
上記式(a5)において、R11は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、又はニトロ基であることが好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基であることがより好ましい。
上記式(a5)において、m2は、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0~4の整数、好ましくは0~3の整数、より好ましくは0~2の整数であってもよい。
上記式(a6)において、R12は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、置換されていてよいアミノ基、又はニトロ基であることが好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アルキルカルボニル基、又はチエニルカルボニル基であることがより好ましい。
上記式(a6)において、m3は、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0~4の整数、好ましくは0~3の整数、より好ましくは0~2の整数であってもよい。
上記式(a1)において、Xは、スルホニウム塩(Q)に活性エネルギー(熱、可視光、紫外線、電子線、及びX線等)を照射することにより発生する酸(HX)に対応する1価のアニオンである。スルホニウム塩(Q)を酸発生剤として用いる場合、Xとしては、1価の多原子アニオンが好適に挙げられ、MY 、(Rf)PF6-b 、Rx1 BY4-c 、Rx1 GaY4-c 、Rx2SO 、(Rx2SO、又は(Rx2SOで表されるアニオンがより好ましい。また、Xは、ハロゲンアニオンでもよく、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
Mは、リン原子、ホウ素原子、又はアンチモン原子を表す。
Yはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
Rfは、水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基(炭素原子数1~8のアルキル基が好ましい。)を表す。フッ素置換によりRfとするアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分岐鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。Rfにおいてこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている割合は、もとのアルキル基が有していた水素原子のモル数に基づいて、80モル%以上が好ましく、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。フッ素原子による置換割合がこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩(Q)の光感応性が更に良好となる。特に好ましいRfとしては、CF-、CFCF 、(CFCF、CFCFCF 、CFCFCFCF 、(CFCFCF 、CFCF(CF)CF及び(CFが挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
Pはリン原子、Fはフッ素原子を表す。
x1は、水素原子の一部が少なくとも1個の元素又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。そのような1個の元素の例としては、ハロゲン原子が含まれ、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のRx1は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子を表す。
x2は、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のフルオロアルキル基又は炭素原子数6~20のアリール基を表し、アルキル基及びフルオロアルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れでもよく、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基(例えば、上記式(a2)~(a6)に関する後述の説明中で例示するものが挙げられる。)、ニトロ基等が挙げられる。
また、Rx2で表されるアルキル基、フルオロアルキル基又はアリール基における炭素鎖は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有していてもよい。特に、Rx2で表されるアルキル基又はフルオロアルキル基における炭素鎖は、2価の官能基(例えば、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、イミド結合、スルホニル結合、スルホニルアミド結合、スルホニルイミド結合、ウレタン結合等)を有していてもよい。
x2で表されるアルキル基、フルオロアルキル基又はアリール基が上記置換基、ヘテロ原子、又は官能基を有する場合、上記置換基、ヘテロ原子、又は官能基の個数は、1個であっても2個以上であってもよい。
Sは硫黄原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
aは4~6の整数を表す。
bは、1~5の整数が好ましく、更に好ましくは2~4の整数、特に好ましくは2又は3である。
cは、1~4の整数が好ましく、更に好ましくは4である。
MY で表されるアニオンとしては、SbF 、PF 又はBF で表されるアニオン等が挙げられる。
(Rf)PF6-b で表されるアニオンとしては、(CFCFPF 、(CFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、(CFCFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、(CFCFCFCFPF 又は(CFCFCFCFPF で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、((CFCFCFPF 又は((CFCFCFPF で表されるアニオンが好ましい。
x1 BY4-c で表されるアニオンとしては、好ましくは
x1 BY4-c
(式中、Rx1は水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、cは1~4の整数を示す。)
であり、例えば、(C、((CF、(CF、(CBF 、CBF 又は(Cで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C又は((CFで表されるアニオンが好ましい。
x1 GaY4-c で表されるアニオンとしては、(CGa、((CFGa、(CFGa、(CGaF 、CGaF 又は(CGaで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CGa又は((CFGaで表されるアニオンが好ましい。
x2SO で表されるアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン又はp-トルエンスルホン酸アニオンが好ましい。
(Rx2SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO又は(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
(Rx2SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO又は(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
一価の多原子アニオンとしては、MY 、(Rf)PF6-b 、Rx1 BY4-c 、Rx1 GaY4-c 、Rx2SO 、(Rx2SO又は(Rx2SOで表されるアニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO 、BrO 等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO 、ClSO 等)、硫酸イオン(CHSO 、CFSO 、HSO 等)、炭酸イオン(HCO 、CHCO 等)、アルミン酸イオン(AlCl 、AlF 等)、ヘキサフルオロビスマス酸イオン(BiF )、カルボン酸イオン(CHCOO、CFCOO、CCOO、CHCOO、CCOO、CFCOO等)、アリールホウ酸イオン(B(C 、CHCHCHCHB(C 等)、チオシアン酸イオン(SCN)及び硝酸イオン(NO )等が使用できる。
これらのXのうち、カチオン重合性能の点では、MY 、(Rf)PF6-b 、Rx1 BY4-c 、Rx1 GaY4-c 及び(Rx2SOで表されるアニオンが好ましく、SbF 、PF 、(CFCFPF 、(C、((CF、(CGa、((CFGa及び(CFSOがより好ましく、Rx1 BY4-c が更に好ましい。
上記式(a2)、(a5)、及び(a6)において、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8-20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10-16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2ないし4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。芳香族炭化水素環は、ベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
上記式(a1)~(a6)において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
上記式(a1)~(a6)において、アルキル基としては、炭素原子数1~18の直鎖アルキル基(メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-オクチル、n-デシル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、及びn-オクタデシル等)、炭素原子数3~18の分岐鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル、及びイソオクタデシル等)、並びに炭素原子数3~18のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及び4-デシルシクロヘキシル等)等が挙げられる。特に、上記式(a1)、(a2)、及び(a4)~(a6)において、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基とは、アルキル基及びハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、上記の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、又はシクロアルキル基における少なくとも1個の水素原子をハロゲン原子で置換した基(モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル等)等が挙げられる。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基のうち、R、R、R、又はR10については、トリフルオロメチル基が特に好ましく、R、R、R11、又はR12については、メチル基が特に好ましい。
上記式(a2)~(a6)において、アルコキシ基としては、炭素原子数1~18の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、及びオクタデシルオキシ等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、アルキルカルボニル基におけるアルキル基としては、上述の炭素原子数1~18の直鎖アルキル基、炭素原子数3~18の分岐鎖アルキル基又は炭素原子数3~18のシクロアルキル基が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、炭素原子数2~18の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルカルボニル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、2-メチルプロピオニル、ヘプタノイル、2-メチルブタノイル、3-メチルブタノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、シクロペンタノイル基、及びシクロヘキサノイル基等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールカルボニル基としては、炭素原子数7~11のアリールカルボニル基(ベンゾイル及びナフトイル等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数2~19の直鎖又は分岐鎖アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、オクチロキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、及びオクタデシロキシカルボニル等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数7~11のアリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル及びナフトキシカルボニル等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールチオカルボニル基としては、炭素原子数7~11のアリールチオカルボニル基(フェニルチオカルボニル及びナフトキシチオカルボニル等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、アシロキシ基としては、炭素原子数2~19の直鎖又は分岐鎖アシロキシ基(アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、テトラデシルカルボニルオキシ、及びオクタデシルカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールチオ基としては、炭素原子数6~20のアリールチオ基(フェニルチオ、2-メチルフェニルチオ、3-メチルフェニルチオ、4-メチルフェニルチオ、2-クロロフェニルチオ、3-クロロフェニルチオ、4-クロロフェニルチオ、2-ブロモフェニルチオ、3-ブロモフェニルチオ、4-ブロモフェニルチオ、2-フルオロフェニルチオ、3-フルオロフェニルチオ、4-フルオロフェニルチオ、2-ヒドロキシフェニルチオ、4-ヒドロキシフェニルチオ、2-メトキシフェニルチオ、4-メトキシフェニルチオ、1-ナフチルチオ、2-ナフチルチオ、4-[4-(フェニルチオ)ベンゾイル]フェニルチオ、4-[4-(フェニルチオ)フェノキシ]フェニルチオ、4-[4-(フェニルチオ)フェニル]フェニルチオ、4-(フェニルチオ)フェニルチオ、4-ベンゾイルフェニルチオ、4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ、4-ベンゾイル-3-クロロフェニルチオ、4-ベンゾイル-3-メチルチオフェニルチオ、4-ベンゾイル-2-メチルチオフェニルチオ、4-(4-メチルチオベンゾイル)フェニルチオ、4-(2-メチルチオベンゾイル)フェニルチオ、4-(p-メチルベンゾイル)フェニルチオ、4-(p-エチルベンゾイル)フェニルチオ4-(p-イソプロピルベンゾイル)フェニルチオ、及び4-(p-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、アルキルチオ基としては、炭素原子数1~18の直鎖又は分岐鎖アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、tert-ペンチルチオ、オクチルチオ、デシルチオ、ドデシルチオ、及びイソオクタデシルチオ等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリール基としては、炭素原子数6~10のアリール基(フェニル、トリル、ジメチルフェニル、及びナフチル等)等が挙げられる。
上記式(a2)において、複素環式脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数2~20(好ましくは4~20)の複素環式炭化水素基(ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、複素環式炭化水素基としては、炭素原子数4~20の複素環式炭化水素基(チエニル、フラニル、セレノフェニル、ピラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、キサンテニル、チアントレニル、フェノキサジニル、フェノキサチイニル、クロマニル、イソクロマニル、ジベンゾチエニル、キサントニル、チオキサントニル、及びジベンゾフラニル等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールオキシ基としては、炭素原子数6~10のアリールオキシ基(フェノキシ及びナフチルオキシ等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、アルキルスルフィニル基としては、炭素原子数1~18の直鎖又は分岐鎖スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、tert-ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、tert-ペンチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、及びイソオクタデシルスルフィニル等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールスルフィニル基としては、炭素原子数6~10のアリールスルフィニル基(フェニルスルフィニル、トリルスルフィニル、及びナフチルスルフィニル等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、アルキルスルホニル基としては、炭素原子数1~18の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert-ペンチルスルホニル、オクチルスルホニル、及びオクタデシルスルホニル等)等が挙げられる。
上記式(a3)~(a6)において、アリールスルホニル基としては、炭素原子数6~10のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル、トリルスルホニル(トシル基)、及びナフチルスルホニル等)等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、HO(AO)-(式中、AOは独立にエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基を表し、qは1~5の整数を表す。)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基等が挙げられる。
上記式(a2)~(a6)において、置換されていてよいアミノ基としては、アミノ基(-NH)及び炭素原子数1~15の置換アミノ基(メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、n-プロピルアミノ、メチル-n-プロピルアミノ、エチル-n-プロピルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、イソプロピルメチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、エチルフェニルアミノ、n-プロピルフェニルアミノ、及びイソプロピルフェニルアミノ等)等が挙げられる。
上記式(a3)及び(a4)において、アルキレン基としては、炭素原子数1~18の直鎖又は分岐鎖アルキレン基(メチレン基、1,2-エチレン基、1,1-エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,1-ジイル基、ブタン-2,2-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、2-エチルヘキサン-1,6-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、及びヘキサデカン-1,16-ジイル基等)等が挙げられる。
スルホニウム塩(Q)は、例えば、下記スキームに従って合成することができる。具体的には、下記式(b1)で表される1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼンに、水酸化カリウム等の塩基の存在下で、下記式(b2)で表される化合物を反応させて、下記式(b3)で表されるニトロ化合物を得、次いで、還元鉄の存在下で還元を行って、下記式(b4)で表されるアミン化合物を得る。このアミン化合物とMaNO(式中、Maは金属原子、例えば、ナトリウム原子等のアルカリ金属原子を示す。)で表される亜硝酸塩(例えば、亜硝酸ナトリウム)とを反応させてジアゾ化合物を得、次いで、このジアゾ化合物とCuX’(式中、X’は臭素原子等のハロゲン原子を示す。以下、同じ)で表されるハロゲン化第一銅とHX’で表されるハロゲン化水素とを混合し、反応を進行させて、下記式(b5)で表されるハロゲン化物を得る。このハロゲン化物及びマグネシウムからグリニャール試薬を調製し、次いで、クロロトリメチルシランの存在下で、このグリニャール試薬と下記式(b6)で表されるスルホキシド化合物とを反応させて、下記式(b7)で表されるスルホニウム塩を得ることができる。更に、このスルホニウム塩をMbX”(式中、Mbは金属カチオン、例えば、カリウムイオン等のアルカリ金属カチオンを示し、X”はXで表される1価のアニオン(但し、ハロゲンアニオンを除く。)を示す。)で表される塩と反応させて塩交換を行うことにより、下記式(b8)で表されるスルホニウム塩を得ることができる。なお、下記式(b2)~(b8)において、R~R及びAは、上記式(a1)と同様である。
<スキーム>
Figure 2022062070000040
上記式(a1)で表されるスルホニウム塩(Q)のカチオン部の具体例としては、以下のものが挙げられる。上記式(a1)で表されるスルホニウム塩(Q)のアニオン部の具体例としては、上記Xの説明で挙げたもの等、従来公知のものを挙げることができる。上記式(a1)で表されるスルホニウム塩(Q)は上記スキームに従って合成することができ、必要に応じ更に塩交換することにより、カチオン部を所望のアニオン部と組み合わせることができ、特に、Rx1 BY4-c (式中、Rx1は水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、cは1~4の整数を示す。)で表されるアニオンとの組み合わせが好ましい。
る。
Figure 2022062070000041
Figure 2022062070000042
なお、本実施態様のエネルギー感受性組成物において、スルホニウム塩(Q)の含有量は、組成物全体(但し、溶剤を除く。)に対して、0.001~20質量%であることが好ましく、0.01~10質量%であることがより好ましく、0.1~8質量%であることが更に好ましい。スルホニウム塩(Q)の含有量が上記範囲内であると、熱重量安定性が良好となる傾向がある。特に、エネルギー感受性組成物の粘度を例えば、後述する1000mPa・s(1000cP)以下のように低粘度に調製する場合、スルホニウム塩(Q)の含有量は、組成物全体(但し、溶剤を除く。)に対して、上記範囲内であってもよいが、0.001~1質量%であってもよく、0.005~0.1質量%であってもよく、0.008~0.05質量%であってもよい。
[その他の成分]
(その他のスルホニウム塩等)
本実施形態のエネルギー感受性組成物は、スルホニウム塩(Q)と共に、スルホニウム塩(Q)以外のオニウム塩を含有していてもよい。
かかるオニウム塩としては、例えば、上記式(a1)におけるXで表される1価のアニオンと、上記式(a1)におけるX以外のカチオンとは異なるオニウムイオンとからなるオニウム塩等が挙げられ、スルホニウム塩(本明細書において、「スルホニウム塩(Q’)」ともいう。)が好ましい。Xで表される1価のアニオンとしては、上述のRx1 BY4-c が好ましい。
x1 BY4-c で表される1価のアニオンを有するスルホニウム塩(Q’)としては、例えば下記式(a1’)で表されるスルホニウム塩が挙げられる。
Figure 2022062070000043
(式中、R、R、R、A、Rx1、Y及びcは上述のとおり。)
上記式(a1’)で表されるスルホニウム塩(Q’)のカチオン部の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2022062070000044
スルホニウム塩(Q’)としては、また、上記式(a1)(但し、式中、R及びRは独立に、下記式(a2’)で表される基を示す。)で表されるスルホニウム塩が挙げられる。
Figure 2022062070000045
(式中、環Z及びm1は上述のとおりであり、R4’はアリール基を示す。)
かかるスルホニウム塩(Q’)のカチオン部の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2022062070000046
スルホニウム塩(Q’)のカチオン部の具体例としては、また、以下のものが挙げられる。
Figure 2022062070000047
(溶剤)
スルホニウム塩(Q)は、カチオン重合性化合物への溶解を容易にするため、あらかじめカチオン重合を阻害しない溶剤(S)に溶かしておいてもよい。
溶剤としては、カーボネート(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等);エステル(酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル等の鎖状アルキルエステル;酢酸シクロペンチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロオクチル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸エチルシクロヘキシル、酢酸プロピルシクロヘキシル、酢酸イソプロピルシクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘキシル、酢酸イソブチルシクロヘキシル、酢酸s-ブチルシクロヘキシル、酢酸t-ブチルシクロヘキシル、酢酸ペンチルシクロヘキシル等の環状アルキルエステル:乳酸エチル、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等);β-ケトエステル化合物(アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸-n-プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸-n-ブチル、α-アセチル-γ-ブチロラクトン等);β-ジケトン化合物(アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、2,4-ヘプタンジオン等);エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等);及びエーテルエステル(エチレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル、プロピレングリコールモノエチルエーテル酢酸エステル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル酢酸エステル等)等が挙げられ、単独又は2種以上で用いることができる。
その他、従来公知のケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、炭化水素系溶剤を用いてもよい。また、プロトン性溶剤及び/又は塩基性溶剤として知られる溶剤を用いてもよい。
プロトン性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の一価アルコール及びエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールのようなアルコール類;酢酸、ギ酸、(メタ)アクリル酸のようなカルボン酸類;エチレンジアミン、ジエチルアミンのようなアミン類;N-メチルピロリドン(NMP)のような環状アミド(ラクタム)類;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミドのようなアミド類;フェノール、p-ブチルフェノールのようなフェノール類;アセチルアセトン、マロン酸ジエチルのような活性メチレン化合物が挙げられる。
塩基性溶剤としては、例えば、上記のアミン類及び上記の窒素含アミド類の例の他、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N,N’,N’-テトラメチルウレア、N,N,2-トリメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、本実施態様のエネルギー感受性組成物全体に対して、例えば、1~99質量%が好ましく、より好ましくは10~95質量%である。
(アルカリ可溶性樹脂)
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物には、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂(A)を含有させることができる。
なお、本明細書においてアルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
アルカリ可溶性樹脂としては、ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂(A1)、カルボキシ基、フェノール水酸基、又はスルホ基(-SOH)等のアルカリ可溶性基を有する従来公知の樹脂(A2)等が挙げられる。本明細書において、好ましくは、アルカリ可溶性樹脂(A2)は、アルカリ可溶性樹脂(A1)以外のアルカリ可溶性樹脂を表す。これらのアルカリ可溶性樹脂は、得られる硬化物が耐熱性を有することが望ましい場合にも好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A2)としては、カルド構造を有する樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂、カルボキシ基含有樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂よりなる群から選択される樹脂を含有することが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A2)としては、特に限定されず、従来公知のアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。このアルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和基を有するものであってもよく、エチレン性不飽和基を有さないものであってもよい。
エチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物と不飽和カルボン酸との反応物を、さらに多塩基酸無水物と反応させることにより得られる樹脂を用いることができる。
その中でも、下記式(f-1)で表される樹脂が好ましい。この式(f-1)で表される樹脂は、それ自体が、光硬化性が高い点で好ましい。
Figure 2022062070000048
上記一般式(f-1)中、Xは、下記式(f-2)で表される基を示す。
Figure 2022062070000049
上記一般式(f-2)中、Rf1は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~6の炭化水素基、又はハロゲン原子を示し、Rf2は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Wは、単結合又は下記式(f-3)で表される基を示す。
Figure 2022062070000050
また、上記一般式(f-1)中、Yは、ジカルボン酸無水物から酸無水物基(-CO-O-CO-)を除いた残基を示す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記一般式(f-1)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を示す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記一般式(f-1)中、mは、0~20の整数を示す。
また、エチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とを縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等を用いることもできる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸との両方を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとの両方を意味する。
一方、エチレン性不飽和基を有さないアルカリ可溶性樹脂としては、不飽和カルボン酸と脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物と脂環式基含有不飽和化合物とを少なくとも共重合させて得られる樹脂を用いることができる。
不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、得られる樹脂のアルカリ溶解性、入手の容易性等の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。これらの不飽和カルボン酸は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-オキサテトラシクロ-[6.2.1.02,7 03,5]ウンデカニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステル類;α-エチルアクリル酸グリシジル、α-n-プロピルアクリル酸グリシジル、α-n-ブチルアクリル酸グリシジル、α-エチルアクリル酸6,7-エポキシヘプチル等のα-アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル類;o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、硬化後の樹脂の強度等の点から、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、及びp-ビニルベンジルグリシジルエーテルが好ましい。これらのエポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
脂環式基含有不飽和化合物としては、脂環式基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。具体的に、脂環式基含有不飽和化合物としては、例えば下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022062070000051
上記一般式中、Ra3は水素原子又はメチル基を示し、Ra4は単結合又は炭素数1~6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra5は水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を示す。Ra4としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra5としては、例えばメチル基、エチル基が好ましい。
このアルカリ可溶性樹脂中における上記不飽和カルボン酸に由来する構成単位の割合は、3~25質量%であることが好ましく、5~25質量%であることがより好ましい。また、上記エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位の割合は、71~95質量%であることが好ましく、75~90質量%であることがより好ましい。また、上記脂環式基含有不飽和化合物に由来する構成単位の割合は、1~25質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、5~15質量%であることがさらに好ましい。上記の範囲とすることにより、得られる樹脂のアルカリ溶解性を適度なものとしながら、得られる硬化物が十分な耐熱性を有することができる。
アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量は、1000~40000であることが好ましく、2000~30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、得られる硬化物が十分な耐熱性を有することができる。
また、アルカリ可溶性樹脂(A2)におけるカルボキシ基含有樹脂としては、ケイ素含有樹脂であってもよく、例えば、下記の構成単位を含むシロキサン樹脂が挙げられる。
下式(A2-1)で示される構成単位を含有するものであってもよい。
Figure 2022062070000052
式(A2-1)中、Rr1は、その構造中にカルボキシ基を少なくとも1つ有する有機基である。カルボキシ基は連結基を介してSi原子に結合していることが好ましく、連結基は、例えば、炭素原子数1~10の直鎖でも分岐鎖であってもよいアルキレン基、シクロアルキレン基、若しくはアリーレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基である。
連結基は、エーテル結合、アミノ結合、アミド結合、又はビニル結合を有していてもよく、アミド結合を有していることが好ましい。Rr1は、例えば以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下式中*は式(A2-1)中のSiと結合する、Rr1の結合手の末端を意味する。
Figure 2022062070000053
ケイ素含有樹脂中の式(A2-1)の構成単位の割合は、例えば、1~90質量%である。ケイ素含有樹脂は(A2-1)以外の従来公知の構成単位を有していてもよい。
ケイ素含有樹脂の質量平均分子量は、例えば、300~100000であり、500~70000がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、エネルギー感受性組成物全体(ただし、溶剤を除く。)に対して、例えば、60質量%以下であり、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましく、これらの範囲内であれば、含有量の下限値としては、0質量%超であってよく、例えば3質量%以上、5質量%以上であってもよい。上記の範囲とすることにより、得られる硬化物が十分な耐熱性を有することができる。
(界面活性剤)
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物には、必要に応じて、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
(金属酸化物粒子)
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物には、必要に応じて、金属酸化物粒子を含有させることができる。それにより、屈折率の調整ができ、低反射性及び/又は高透明の硬化物を得ることができる。金属酸化物粒子としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、ランタン、セリウム、ネオジム、ガドリニウム、ホルミウム、ルテチウム、ハフニウム、及びタンタルから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物粒子等が挙げられる。ジルコニウム、チタニウム、又はセリウムの酸化物を好ましく用いることができ、高屈折率化の点で、特に好ましくはチタニウム酸化物又はセリウム酸化物である。これら金属酸化物粒子の形状は特に限定されず、平均粒径が動的散乱法で1~200nmのものを用いることができ、より好ましくは3~100nmである。金属酸化物粒子の含有割合は、エネルギー感受性組成物の溶剤を除く成分のうち、例えば1~120質量%であり、3~110質量%が好ましく、5~100質量%がより好ましい。
また、本実施態様に係るエネルギー感受性組成物には、必要に応じて、公知の添加剤(ラジカル光重合開始剤、増感剤、顔料、分散剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤、着色防止剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等)を含有させることができる。
特に、ラジカル光重合開始剤等を組み合わせることで、本実施態様に係るエネルギー感受性組成物の熱反応性と光反応性のバランスを適宜調整することができる。
[特性]
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、空気気流中、10℃/分により230℃までの昇温する熱重量測定(TG)において、ピーク値からの重量減少率が好ましくは10%以下である。
上述したように、スルホニウム塩(Q)を含むことにより、化合物成分(P)とスルホニウム塩(Q)とを含む系中で、プロトンの濃度が上がり、化合物成分(P)における逐次重合が継続的に進みポリマー化が促進されていると推測される。これにより、本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、230℃までの昇温した場合でも重量減少率が好ましくは10%以下と少ない。
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、有機EL表示素子用封止材又はウェハレベルレンズ用硬化性組成物に用いられて好ましい。本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、高温に晒されても重量安定性に優れ、長期に亘って品質が保持されることから、有機EL表示素子用封止材又はウェハレベルレンズに用いられて好ましい。また、熱反応性と光反応性の両方を備えるため3D印刷用組成物に用いられて好ましい。
また、本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、例えばコーティング液として調製して、ポリイミドフィルム等の被塗布物にスピンコータ―、ディップコーター、バーコータ―、スリットコータ―等の塗布装置を用いて塗布した後硬化することにより、ハードコートを形成することができる。該コーティング液は、被塗布物が例えば膜厚10mm以下、好ましくは100μm以下、例えば50μm以下、30μm以下、20μm以下、更には15μm以下のような薄膜であっても、コーティング液ないしハードコートの硬化による被塗布物のカール等の変形の程度を抑えることができる。被塗布物の膜厚は、例えば10μm以上であってよい。
また、一般に、組成物の粘度を下げるためには、低分子量である化合物(P1)、例えばエポキシモノマーが利用されるが、一方で、低分子量である化合物が配合されるほど耐熱性が低下しやすく、アウトガスが発生しやすくなる。しかし、本実施形態に係るエネルギー感受性組成物は、スルホニウム塩(Q)を含むことにより、粘度が低くても、耐熱性に優れ、アウトガスの発生を低減できることが確認された。また、意外にも、スルホニウム塩(Q)の添加量は、一般的なカチオン重合開始剤等の添加量に比べて少ない添加量であっても、エネルギー感受性組成物の低粘度化、耐熱性の向上及びアウトガスの発生低減の効果が得られることが、後述する実験により確認された。
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、低粘度でありながら、耐熱性に優れ、アウトガスの発生を低減できることから、低粘度のインクを要求されるインクジェット印刷においても好ましく用いられる。インクジェットインクは、生産性等の点から、比較的大きな面積に塗布する場合、例えばタッチパネル等の表示体に好ましく用いられ、また、有機EL表示素子用封止材等の用途に好ましく用いられる。
<ウェハレベルレンズの製造方法>
ウェハレベルレンズは、上述したエネルギー感受性組成物を成型(例えば、キャスティング成型法、射出成型法)に付すことで製造することができる。尚、ウェハレベルレンズ金型は、金属製、ガラス製、及びプラスチック製の何れであってもよい。
キャスティング成型法には同時成型法や個片成型法が含まれ、それぞれ下記工程を有する。
(同時成型法)
工程1:上記エネルギー感受性組成物を複数個のレンズ型が一定方向に整列した形状を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射を施して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズが複数個結合した形状を有する硬化物を得る
工程3:ウェハレベルレンズが複数個結合した形状を有する硬化物を個片化してウェハレベルレンズを得る
(個片成型法)
工程1:上記エネルギー感受性組成物を1個のレンズ型を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射を施して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズを得る
(射出成型法)
工程1:上記エネルギー感受性組成物を射出成型用ウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射を施して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、バリを切除して、ウェハレベルレンズを得る
上述した工程における加熱処理は、例えば100~200℃程度(好ましくは120~160℃)の温度で短時間(例えば1~10分間程度、好ましくは1~3分)でよい。光照射は、その光源として、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、メタルハライドランプ、太陽光、電子線、レーザー光等を使用することができる。また、光照射後、例えば50~180℃程度の温度で加熱処理を施して更に硬化反応を進行させてもよい。
アニール処理により、内部歪みを除去することができる。アニール処理は、例えば100~200℃の温度で30分~1時間程度加熱することが好ましい。
上記同時成型法においては、エネルギー感受性組成物は低粘度で流動性に優れることが、金型への充填性に優れる点で好ましい。上記同時成型法において使用されるエネルギー感受性組成物の25℃、せん断速度20(1/s)における粘度は、例えば0.05~5Pa・s程度、好ましくは0.1~2Pa・sである。上記範囲の粘度を有するエネルギー感受性組成物は流動性に優れ、気泡が残存しにくく、注入圧の上昇を抑制しつつ金型へ充填することができる。すなわち、塗布性及び充填性に優れ、成型作業全体に亘り、作業性に優れる。
エネルギー感受性組成物の硬化物は100~250℃程度の高温環境下でも優れた耐熱性を有する。そのため、金型から外した後にアニール処理を施しても、優れたレンズ中心位置精度を有するウェハレベルレンズを効率よく製造することができる。そのため、上記同時成型法の工程3では、ウェハレベルレンズが複数個結合した形状を有する硬化物を複数枚重ね、最上部の硬化物を基準に切断ラインの位置を決定して切断することにより、ウェハレベルレンズを破損することなく分離させることができ、ウェハレベルレンズ又はその積層体を、低コストで効率よく製造することができる。
本実施態様のエネルギー感受性組成物により得られるウェハレベルレンズは高温環境下に長期に亘って曝しても黄変を防止することができ、高い透明性を維持することができる。そのため、例えば、カメラ(車載カメラ、デジタルカメラ、PC用カメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ等のカメラ、特にウェハレベルカメラ)の撮像用レンズ、メガネレンズ、光ビーム集光レンズ、光拡散用レンズ等として、とりわけ耐熱性が求められる車載カメラ用ウェハレベルレンズとして好適に使用することができる。
更にまた、本実施態様のエネルギー感受性組成物により得られるウェハレベルレンズは耐熱性に優れるため、回路基板に実装する場合、リフローによってハンダ付け実装が可能である。そのため、このようなウェハレベルレンズを備えるカメラは、PCB(Printed Circuit Board)基盤上に、他の電子部品の表面実装と同一のハンダリフロープロセスにて、直接実装することができ、極めて効率的な製品製造が可能となる。
<硬化物>
本発明に係る硬化物は、上述した化合物(P1)、化合物(P2)、及び化合物(Px)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物成分(P)と、スルホニウム塩(Q)とを含むエネルギー感受性組成物を硬化した硬化物である。本発明に係る硬化物は、上述したように、熱に対する重量安定性に優れている。これは、エネルギー感受性組成物中にスルホニウム塩(Q)を含むことにより、化合物成分(P)とスルホニウム塩(Q)とを含む系中で、プロトンの濃度が上がるため、化合物成分(P)における逐次重合が継続的に進んでポリマー化が促進され、熱による分解するモノマーが少ないためと推測される。該硬化物は、例えば、有機EL表示素子用封止材、ウェハレベルレンズ、上述のハードコート等として好適である。また、フレキシブルデバイス用にも好適である。
本実施態様の硬化物は、また、エネルギー感受性組成物の成分を選択することにより、屈折率が高い硬化物とすることができる。高屈折率の硬化物を得る観点で好ましい成分としては、例えば、金属酸化物粒子、化合物(P1)としてのエポキシ基含有フルオレン化合物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができ、高屈折率化の点で、金属酸化物粒子を用いることが好ましい。得られる硬化物の屈折率は、例えば、波長633nmでの屈折率として、1.7以上の高屈折率が得られ、金属酸化物粒子を用いる場合、1.75以上、更に1.8以上の高屈折率化も可能である。該波長633nmでの屈折率の上限は特に限定されないが、例えば、1.9以下、1.85以下、等である。
<硬化物の製造方法>
本発明に係る硬化物の製造方法は、上述した化合物(P1)、化合物(P2)、及び化合物(Px)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物成分(P)と、スルホニウム塩(Q)とを含むエネルギー感受性組成物を重合及び/又は架橋させることを含む。エネルギー感受性組成物は、エネルギー感受性を有するため、活性エネルギーを付与することにより重合及び/又は架橋させて硬化させることが可能である。付与する活性エネルギーとしては、スルホニウム塩(Q)の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、熱、可視光、紫外線、電子線、及びX線等が挙げられる。
<インクジェットインク>
本実施態様に係るエネルギー感受性組成物は、粘度を例えば、25℃でE型粘度計を用いて測定した値で、5000mPa・s(5000cP)以下、好ましくは100mPa・s(100cP)以下のように低く調製する場合、インクジェットインクとして好ましく用いることができる。インクジェットインクとして用いる本実施態様のエネルギー感受性組成物の粘度は、上記範囲内であれば、例えば1mPa・s(1cP)以上であってもよく、10mPa・s(10cP)以上であってもよい。インクジェットインクとして用いる該エネルギー感受性組成物は、上述の低粘度に調製する場合のスルホニウム塩(Q)の含有量であることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示し、本発明について更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<<実施例1~3及び比較例1~9>>
実施例1~3及び比較例1~9では、下記に示す化合物(P1)とスルホニウム塩等とを表1に示す配合比で混合し、混合液を作製した。なお、表1中、配合比の単位は質量部である。
<材料>
[化合物(P1)]
・下記式(P1-1a)で表される化合物
Figure 2022062070000054
・下記式(P1-1c)で表される化合物
Figure 2022062070000055
・下記式(P1-2a)で表される化合物
Figure 2022062070000056
[スルホニウム塩]
・下記式(Q1)で表されるスルホニウム塩
Figure 2022062070000057
・下記式(z1)で表されるスルホニウム塩
Figure 2022062070000058
・下記式(z2)で表されるスルホン化合物
Figure 2022062070000059
・トリフェニルスルホニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ボレート
[評価1]
実施例1~3及び比較例1~9で得られた混合液を、示差熱/熱重量測定装置(TG/DTA-6200、セイコーインスツル社製)により、空気気流中、昇温速度10℃/分の条件下で20℃から250℃まで昇温し、TG/DSC曲線を得た。得られたTG曲線において、ピーク値からの重量減少率を算出した。その結果を表1に示す。なお、重量減少率の評価は、下記の基準による。
〇:重量減少率が10%以下
△:重量減少率が10%超40%未満
×:重量減少率が40%以上
なお、実施例3、比較例7、8、9で得られたTG/DSC曲線を図1~図4に示す。また、同様の条件で式(P1-2a)で表される化合物(P1)を昇温した場合のTG/DSC曲線を参考例として図5に示す。
Figure 2022062070000060
[考察]
表1及び図1~4に示すTG曲線に示すとおり、化合物(P1)とスルホニウム塩(Q)を用いた実施例1~実施例3では、重量減少率が10%以下であり、比較例1~9に比べ良好な高耐熱性を示した。なお、図1に示す実施例3のDSC曲線では、110.6℃、222.3℃になだらかなピークが見られた。これは、化合物(P1)のエポキシ基が開環し、逐次重合が進んでいることを示すピークと推察され、110℃付近の低温から重合が進んでいると推察される。これに対し、図2~4に示す比較例のDSC曲線では、鋭いピークが見られた。これは、上記式(z1)で表されるスルホニウム塩又は上記式(z2)で表されるスルホン化合物が分解していることを示すピークと推察され、これにより、重量減少率が大きくなってしまうと推察される。例えば、図2に示すように、比較例7では、170℃付近で重量が約65%減少している。図3に示すように、比較例8では、150℃付近で重量が約30%減少している。図4に示すように、比較例9では170℃付近で重量が約50%も低下している。なお、図5の結果から、式(P1-2a)で表される化合物(P1)単独では、DSC曲線において50℃以下に鋭いピークが見られ、50℃以下で式(P1-2a)で表される化合物(P1)の分解が始まり、100℃付近から重量が下がり始め165℃付近で約80%も減少することが確認された。
[評価2]
実施例1で得られた混合液の質量比率を式(P1-1a)の化合物:式(Q1)のスルホニウム塩=99:1に変更した混合液をガラス基板上にスピンコーターで塗布して得た厚さ20μmの塗膜に対し、HMW-532D(ORC社製)を用いて1000mJ/cmの露光量でghi線を照射した後、該膜の波長400nmにおける透過率をMCPD-3000(大塚電子社製)を用いて測定した。透過率は99.6%であった。
[考察]
この結果から、後述の実施例6~9において、実施例1と同じ化合物(P1)とスルホニウム塩(Q)とを含有するコーティング液をポリイミドフィルム上に塗布して形成したハードコートについてもその透過率に悪影響を及ぼさないであろうことが示唆される。
<<実施例4、5>>
化合物(P1)として上記式(P1-1a)で表される脂環式エポキシ化合物又は下記式(P1-7a)で表されるオキセタン化合物であるビス-1-エチル-3-オキセタニルメチルエーテル、及び、上記式(Q1)で表されるスルホニウム塩を表2に示す配合比で混合し、得られた混合物に対し、紫外線硬化機を用いて露光量100mJ/cmによる露光(ブロードバンド)の後、実施例4は150℃、2分間のポストベークを行い、実施例5ではポストベークを行わないという硬化条件により硬化を試みたところ、実施例4,5の混合物は何れも、タックを生じることなく硬化した。なお、表2中、配合比の単位は、質量部である。
Figure 2022062070000061
Figure 2022062070000062
[考察]
実施例4及び5の結果から、化合物成分(P)ないし化合物(P1)としてオキセタン化合物を用いる場合であっても、スルホニウム塩(Q)を配合することにより、良好な硬化性を示すことが確認された。また、実施例5の結果から、化合物(P1)としてオキセタン化合物と脂環式エポキシ化合物とを併用しても良好な硬化性を示すことが確認された。
<<実施例6~9及び比較例10~13>>
まず、ポリイミドからなるポリイミドフィルム1~4を下記のとおり用意した。
[ポリイミドフィルム1の製造方法]
反応器として、撹拌器、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器及び冷却器を備えた1L反応器に窒素を通過させながらN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)832gを満たした後、反応器の温度を25℃にした後、ビストリフルオロメチルベンジジン(TFDB)64.046g(0.2mol)を反応容器内の溶媒に溶解し、この溶液を25℃に維持した。そして、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジ二無水物(6FDA)31.09g(0.07mol)とビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)8.83g(0.03mol)を投入した後、一定時間のうちに撹拌して溶解及び反応させた。この際、溶液の温度は25℃に維持した。そして、塩化テレフタロイル(TPC)20.302g(0.1mol)を添加して、固形分濃度13重量%のポリアミック酸溶液を得た。該ポリアミック酸溶液にピリジン25.6g、無水酢酸33.1gを投入して25℃で30分撹拌した後、更に70℃で1時間撹拌し、常温に冷却し、これをメタノール20Lに沈澱させ、沈澱された固形分を濾過して粉砕した後、100℃で真空で6時間乾燥して111gの固形分粉末のポリイミドを得た。
表面にOH基が結合された非晶質シリカ粒子0.03g(0.03wt%)をN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)に分散濃度0.1%で投入し、溶媒が透明になるまで超音波処理を施した後、上記100gの固形分粉末のポリイミドを670gのN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして13wt%の溶液を収得した。このように収得された溶液をステンレス板に塗布した後、340μmの厚さでキャスティングし、130℃の熱風で30分乾燥した後、フィルムをステンレス板から剥離し、フレームにピンで固定した。フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から300℃まで2時間のうちに徐々に加熱した後、徐々に冷却し、フレームから分離してポリイミドフィルムを収得した。その後、最終熱処理工程として、更に300℃で30分間熱処理した。得られたポリイミドフィルム1の膜厚は50μm、全光線透過率は88%、黄色度(YI)は2.5であった。
[ポリイミドフィルム2の製造方法]
ポリイミドフィルム1の一面に、重量平均分子量が2000g/molのポリシラザン(MOPS-1800、Az Materials社製)をジブチルエーテル(DBE)に2wt%で溶かした溶液をワイヤで塗布した後、約80℃の温度で乾燥して厚さ300nmのポリシラザン膜を形成した。その後、常温で約5分間放置した後、ポリシラザン膜を約250℃の温度で熱硬化させてシリコン酸化物層を形成し、無色透明ポリイミドフィルム/シリコン酸化物層の構造を持つポリイミドフィルム2を製造した。得られたポリイミドフィルム2の膜厚は50μm、全光線透過率は92%、黄色度(YI)は1.0であった。
[ポリイミドフィルム3の製造方法]
オイルバスを備えた撹拌棒付き3Lセパラブルフラスコに、窒素ガスを導入しながら、N-メチルピロリドン(NMP)1000gを加え、3,3-(ジアミノジフェニル)スルホン(ジアミン1という)を232.4g撹拌しながら加え、続いてピロメリット酸二無水物を218.12g加えて、室温で30分撹拌した。これを50℃に昇温し、12時間撹拌した後、両末端アミン変性メチルフェニルシリコーンオイル(信越化学社製:X22-1660B-3(数平均分子量4400))105.6gをNMP298gに溶解し、滴下漏斗を使用して滴下して加えた。80℃に昇温し、1時間撹拌した後、オイルバスを外して室温に戻し、透明なポリアミド酸のNMP溶液(以下、ワニスとも記す)を得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は84000であった。
上記ワニスを、バーコーターで無アルカリガラス基板(厚さ0.7mm)に塗工し、室温で5分間~10分間レベリングを行い、縦型キュアオーブン(光洋リンドバーグ社製、型式名VF-2000B)にて140℃にて60分間加熱し、更に窒素雰囲気(酸素濃度100ppm)下で350℃にて60分間加熱し、室温に24時間静置し、樹脂フィルムをガラスから剥離し、ポリイミドフィルムを作製した。得られたポリイミドフィルム3の膜厚は20μm、全光線透過率は88%、黄色度(YI)は7.0であった。
[ポリイミドフィルム4の製造方法]
(イミダゾール化合物(d)の合成)
まず、下記式の構造の桂皮酸誘導体30gをメタノール200gに溶解させた後、メタノール中に水酸化カリウム7gを添加した。次いで、メタノール溶液を40℃で撹拌した。メタノールを留去し、残渣を水200gに懸濁させた。得られた懸濁液にテトラヒドロフラン200gを混合、撹拌し、水相を分液した。氷冷下、塩酸4gを添加、撹拌した後に酢酸エチル100gを混合、撹拌した。混合液を静置した後、油相を分取した。油相から目的物を晶析させ、析出物を回収して、下記構造のイミダゾール化合物(d)を得た。
Figure 2022062070000063
Figure 2022062070000064
(テトラカルボン酸二無水物の調製)
国際公開第2011/099518号の合成例1、実施例1及び実施例2に記載された方法に従って、下記式で表されるテトラカルボン酸二無水物(ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物)を調製した。
Figure 2022062070000065
(ポリアミド酸の調製)
先ず、30mlの三口フラスコをヒートガンで加熱して十分に乾燥させた。次に、三口フラスコ内の雰囲気ガスを窒素で置換し、三口フラスコ内を窒素雰囲気とした。三口フラスコ内に、4,4’-ジアミノベンズアニリド0.2045g(0.90mmol:日本純良薬品社製:DABAN)を添加した後、N,N,N’,N’-テトラメチルウレア(TMU)を3.12g添加した。三口フラスコの内容物を撹拌して、TMU中に芳香族ジアミン(DABAN)が分散したスラリー液を得た。
次に、三口フラスコ内に上記式のテトラカルボン酸二無水物0.3459g(0.90mmol)添加した後、窒素雰囲気下に、室温(25℃)で12時間フラスコの内容物を撹拌して反応液を得た。このようにして反応液中にポリアミド酸が15質量%(TMU溶剤:85質量部)となる反応液を形成した。
(イミダゾール化合物(d)の添加工程)
上述のようにして得られた反応液に、窒素雰囲気下で合成したイミダゾール化合物(d)(0.206g、反応液を100質量部とした場合に対して5.6質量部)を加えた。次いで、反応液を、25℃で12時間撹拌して、イミダゾール化合物(d)とポリアミド酸とを含む液状の組成物を得た。該組成物における固形分100質量部に対し、添加剤として、下記式で表されるシランカップリング剤を1.5質量部添加したポリイミド前駆体組成物を得た。
Figure 2022062070000066
(ポリイミド膜の調製)
ガラス基板(大型スライドグラス、松浪硝子工業社製の商品名「S9213」、縦:76mm、横52mm、厚み1.3mm)上に、上述のようにして得られたポリイミド前駆体組成物を、加熱硬化後の塗膜の厚みが13μmとなるようにスピンコートして、塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたガラス基板を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置して、該塗膜から溶媒を蒸発させて除去した。
溶媒の除去後、塗膜の形成されたガラス基板を3L/分の流量で窒素が流れているイナートオーブンに投入した。イナートオーブン内で、窒素雰囲気(酸素濃度100ppm)下、25℃の温度条件で0.5時間静置した後、135℃の温度条件で0.5時間加熱し、更に300℃の温度条件(最終加熱温度)で1時間加熱して、塗膜を硬化させて、上記ガラス基板上にポリイミドからなる薄膜(ポリイミドフィルム)がコートされたポリイミドコートガラスを得た。
得られたポリイミドコートガラスを、90℃の湯の中に浸漬して、ガラス基板からポリイミドフィルムを剥離させて、ポリイミドフィルム4(縦76mm、横52mm、厚み13μmの大きさのフィルム)を得た。
得られたポリイミドフィルムの材質である樹脂の分子構造を同定するため、IR測定機(日本分光株式会社製、商品名:FT/IR-4100)を用いて、ポリイミドフィルムの試料のIRスペクトルを測定した。測定の結果、ポリイミドフィルムの材質である樹脂のIRスペクトルでは、イミドカルボニルのC=O伸縮振動が1696.2cm-1に観察されることが分かった。このような結果等に基づいて同定された分子構造から、得られたポリイミドフィルムは、確かにポリイミド樹脂からなるものであることが確認された。
得られたポリイミドフィルム4の全光線透過率は88%、黄色度(YI)は3.5であった。
なお、フィルムの全光線透過率の値(単位:%)、及び黄色度(YI)は、測定装置として日本電色工業社製の商品名「ヘーズメーターNDH-5000」を用いて、JIS K7361-1(1997年発行)に準拠した測定を行うことにより求めた。
[コーティング液の調製]
上記式(P1-1a)で表される化合物(P1)と上記式(Q1)で表されるスルホニウム塩とをその質量比99:1で含有するエネルギー感光性組成物を溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))に溶解させて、溶剤の比率が80質量%となるコーティング液1を用意した。
[比較用のコーティング液の調製]
アクリルモノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)と重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)とをその質量比99:1で含有する感光性組成物を溶剤(PGMEA)に溶解させて溶剤の比率が80質量%となる比較用のコーティング液2を用意した。
[評価3]
コーティング液1及び比較用のコーティング液2それぞれをウエハに張り付けたポリイミドフィルム1~4の一面にスピンコーターで塗布した後、80℃の温度で乾燥して厚さ4μmの塗膜を得た。その後、365nmの波長の紫外線硬化機を用い、100mJ/cmでコーティング層に照射して、ハードコート(硬化膜)が一面に形成された各ポリイミドフィルムを得た。得られた各ポリイミドフィルムをウエハから剥離し、外観を目視にて観察した。
[結果・考察]
本実施例に係るコーティング液1を用いたハードコートを形成したポリイミドフィルム1~4(実施例6~9)では、何れもフィルムの透明性が落ちることなく、また、コーティング液ないしハードコートの硬化によるフィルムのカールの程度が小さく、硬化収縮が小さいことが確認された。
これに対し、比較用のコーティング液2を用いたハードコートを形成したポリイミドフィルム1~3(比較例10~12)では、若干黄色く変色し、コーティング液ないしハードコートの硬化によるカールが大きかった。本実施例に係るコーティング液1よりなるハードコートは、コーティング液2よりなるハードコートに比べ、硬化収縮率が小さいと考えられ、塗布対象であるポリイミドフィルムの変形の程度が抑えられることが確認された。
[評価4]
評価3においてポリイミドフィルム1~4上に形成した各ハードコートの表面抵抗値をHiresta MCP-HT450(三菱アナリテック社製)、プローブUR-100、測定電圧1,000Vにより測定した。表面抵抗値は何れも1×1015Ω超であった。
この結果から、本実施例に係るコーティング液1は表面抵抗が高いハードコートを形成できることが確認された。
<<実施例10~14及び比較例14~15>>
実施例10~13及び比較例14~15では、実施例1、3で用いた化合物(P1-1a)、(P1-2a)、スルホニウム塩(Q1)、下記に示す化合物(P1-6d)、スルホニウム塩等(z3)を表1に示す配合比で混合し、混合液を作製した。なお、表3中、配合比の単位は質量部である。
<材料>
[化合物(p1-6d)]
Figure 2022062070000067
[スルホニウム塩等(z3)]
Figure 2022062070000068
[評価5]
実施例10~14及び比較例14~15で得られた混合液の粘度を、E型粘度計を用いて25℃、1~100rpmの条件で測定した。その結果を表1に示す。なお、化合物(P1-1a)の粘度は60mPa・s(60cP)程度、化合物(P1-2a)の粘度は20mPa・s(20cP)程度、化合物(P1-6d)の粘度は200mPa・s(200cP)程度であった。
実施例10~14及び比較例14~15で得られた混合液0.3gを、ガラスバイアルに精秤密封し、紫外線照射器(HMW-532D、ORC社製)を用いて露光量1500mJ/cmにより露光した後、100℃で15分、85℃で100時間ポストベークを行い、各試料を作製した。
該各試料を、ヘッドスペースサンプラー(TurboMatrix ATD、パーキンスエルマー社製)にセットし、100℃で30分間加熱した後、ガスクロマトグラフ質量分析装置(Clarus580、パーキンスエルマー社製)を用いてアウトガスを測定した。その結果を表3に示す。なお、表中、比較例14の測定値(面積%)を100とした相対値で示した。
Figure 2022062070000069
[考察]
表3に示すとおり、化合物(P1-1a)と、スルホニウム塩(Q1)とを用いた実施例10は、スルホニウム塩(Q1)を用いない比較例14に比べ、粘度が同等でありながら、アウトガスの発生量も少ないことが確認された。同様に、化合物(P1-1a)と化合物(P1-6d)と、スルホニウム塩(Q1)とを用いた実施例14は、スルホニウム塩(Q1)を用いない比較例15に比べ、粘度が同等でありながら、アウトガスの発生量が少ないことが確認された。
また、実施例10、11の結果からわかるように、スルホニウム塩(Q1)の量は、極めて少量であっても、混合液(エネルギー感受性組成物)の粘度を低下させ、アウトガスを低減させる効果があることが確認された。同様に、実施例12、13の結果からわかるように、スルホニウム塩(Q1)の量は、極めて少量であっても、混合液(エネルギー感受性組成物)の粘度を低下させ、アウトガスを低減させる効果があることが確認された。
実施例11、12の結果から、化合物成分(P)ないし化合物(P1)の合計含有量が同じである場合、化合物成分(P)ないし化合物(P1)としては、化合物(P1-1a)単独よりも、化合物(P1-1a)と化合物(P1-2a)とを併用する方が、混合液(エネルギー感受性組成物)の粘度を低下させ、アウトガスを低減させる効果があることが確認された。このことから、化合物成分(P)ないし化合物(P1)としては、上述の式(P1-1)で表される脂環式エポキシ化合物と式(P1-2)で表される脂環式エポキシ化合物とを併用することが好ましい場合があることが示唆される。
<<実施例15~24>>
[高屈折率のエネルギー感受性組成物の調製]
実施例15~24では、下記に示すカチオン的及び/若しくは酸触媒的に重合性並びに/又は架橋性の化合物(P1)とスルホニウム塩等とを表4に示す配合比で混合し、エネルギー感受性組成物を作製した。なお、表4中、配合比の単位は質量部であり、溶剤の配合比率は質量比である。実施例23では、実施例15の(P1)成分と(Q1)の総和100質量部に対して、10質量部の酸化セリウム(平均粒径:50nm)をさらに添加して調製した。実施例24では、実施例15の(P1)成分と(Q1)の総和100質量部に対して、100質量部の酸化チタン(平均粒径:5~10nm)をさらに添加して調製した。実施例15~23では、溶剤を除いた成分の濃度が20質量%となるように溶剤量を調整した。実施例24では、溶剤を除いた成分の濃度が10質量%となるように溶剤量を調整した。
Figure 2022062070000070
<材料>
[化合物(P)](化合物(P1))
・下記式(P1-8a)で表される化合物(9,9-ビス(6‐グリシジルオキシナフタレン-2-イル)-9H-フルオレン)
Figure 2022062070000071
・(P1-9)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応物)
[アルカリ可溶性樹脂]
・アルカリ可溶性樹脂(A1a)の調製
まず、500ml四つ口フラスコ中に3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート0.34mol、アクリル酸0.68mol、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート139.0g及び臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)2.15gを仕込み、100~105℃で加熱下に20hr撹拌して反応させた。次に、フラスコ内に3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物0.12mol、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物0.27molを仕込み、120~125℃で加熱下に8時間撹拌して反応させた。更に、メタクリル酸グリシジル0.28molを仕込み、100~105℃で加熱下に8時間撹拌し、アルカリ可溶性樹脂(A1a)を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂(A1a)の固形分濃度は57.0wt%、酸価(固形分換算)は82mgKOH/g、GPC分析によるMwは3500であった。
・アルカリ可溶性樹脂(A2a)の調製
まず、500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量235)235g、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90~100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。この際、溶液は次第に透明粘稠になったが、そのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標値に達するまで12時間を要した。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状の下記式(f-4)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
Figure 2022062070000072
次いで、このようにして得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0gに3-メトキシブチルアセテート600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110~115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、カルド構造を有するアルカリ可溶性樹脂(A2a)を得た。酸無水物基の消失はIRスペクトルにより確認した。
なお、このカルド構造を有するアルカリ可溶性樹脂(A2a)は、上述の一般式(f-1)で表される化合物に相当する。
[添加剤]
・(Add-1)
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン〔ビックケミー・ジャパン社製、BYK302〕
・(Add-2)
パーフルオロアルキル基含有オリゴマー〔DIC社製、F-477〕
[溶剤]
・(S1) 酢酸シクロヘキシル
・(S2) ジエチレングリコールモノブチルエーテル酢酸エステル
・(S3) プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル
・(S4) ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
・(S5) N-メチルピロリドン
[評価6]
実施例15~24の各エネルギー感受性組成物をガラス基板にスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークを行い、紫外線硬化機を用いて露光量100mJ/cmによる露光(ブロードバンド)の後、150℃20分間(実施例24は230℃20分間)のポストベーク処理を行った。実施例15~23の硬化膜の膜厚は500nmであり、実施例24は50nmであった。各硬化膜は耐熱性がある。各硬化膜に対し、波長633nmでの屈折率を測定した。いずれの組成も1.7以上と高屈折率を有していることが確認できた。特に、金属酸化物粒子である酸化セリウムが添加された実施例23の硬化膜は、屈折率が1.75以上と、実施例24は1.8以上で、高屈折率化(透明化)を図ることができた。

Claims (7)

  1. (P1)カチオン的及び/若しくは酸触媒的に重合性並びに/又は架橋性の化合物、
    (P2)酸の作用下での現像液におけるその溶解性を増大させる化合物、並びに
    (Px)ラジカル重合性又は架橋性の化合物
    からなる群より選択される少なくとも1つの化合物成分(P)と、
    (Q)下記式(a1)で表されるスルホニウム塩と
    を含むエネルギー感受性組成物。
    Figure 2022062070000073
    (式中、R及びRは独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は下記式(a2)で表される基を示し、R及びRは相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成してもよく、Rは下記式(a3)で表される基又は下記式(a4)で表される基を示し、AはS、O、又はSeを示し、Xは1価のアニオンを示し、但し、R及びRは、同時に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基ではない。)
    Figure 2022062070000074
    (式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アルキルチオ基、チエニル基、チエニルカルボニル基、フラニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニル基、セレノフェニルカルボニル基、複素環式脂肪族炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m1は0以上の整数を示す。)
    Figure 2022062070000075
    (式中、Rはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基又は下記式(a5)で表される基を示し、Rはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は下記式(a6)で表される基を示し、Aは単結合、S、O、スルフィニル基、又はカルボニル基を示し、n1は0又は1を示す。)
    Figure 2022062070000076
    (式中、R及びRは独立に、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基又は下記式(a5)で表される基を示し、R及びR10は独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は上記式(a2)で表される基を示し、R及びR10は相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成してもよく、Aは単結合、S、O、スルフィニル基、又はカルボニル基を示し、Xは前記のとおりであり、n2は0又は1を示し、但し、R及びR10は、同時に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基ではない。)
    Figure 2022062070000077
    (式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、R11はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m2は0以上の整数を示す。)
    Figure 2022062070000078
    (式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、R12はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m3は0以上の整数を示す。)
  2. 前記化合物成分(P)は、前記(P1)化合物であり、
    前記(P1)化合物は、オキシラニル基、オキセタニル基、及び脂環式エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基を有するエポキシ化合物である、請求項1記載のエネルギー感受性組成物。
  3. 前記スルホニウム塩は、前記Xで示される前記1価のアニオンが下記一般式で表されるホウ素含有アニオンである、請求項1又は2記載のエネルギー感受性組成物。
    x1 BY4-c
    (式中、Rx1は水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、cは1~4の整数を示す。)
  4. 空気気流中、昇温速度10℃/分により230℃まで昇温する熱重量測定(TG)においてピーク値からの重量減少率が10%以下である、請求項1~3の何れか1項記載のエネルギー感受性組成物。
  5. 有機EL表示素子用封止材又はウェハレベルレンズ用硬化性組成物である、請求項1~4の何れか1項記載のエネルギー感受性組成物。
  6. 請求項1~5の何れか1項記載のエネルギー感受性組成物を硬化した硬化物。
  7. 請求項1~5の何れか1項記載のエネルギー感受性組成物を重合及び/又は架橋させることを含む、硬化物の製造方法。
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