JP2022044668A - セメント原料組成物の製造方法及びセメント原料組成物 - Google Patents

セメント原料組成物の製造方法及びセメント原料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマス灰を確実に資源化する。【解決手段】このセメント原料組成物は、バイオマス灰の水洗物であって、特定の組成及び比表面積に調製されてなる改質バイオマス灰を含有し、セメントクリンカと混合されるセメント混合材又はコンクリート用混和材の用途に用いられるものであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス発電等で発生する燃焼灰をセメント原料などとして資源化する技術に関する。
近年、再生可能エネルギーの普及に向けた各所事業体における諸般の取り組みにより、バイオマス発電設備の建設・運開ラッシュとなっている。それに伴い、バイオマス発電で発生する燃焼灰(バイオマス灰)の発生量も増大しており、都市ゴミで発生する焼却灰と同様に、セメント原料などとして資源化することが望まれている。
このような課題に関連して、例えば、下記非特許文献1では、バイオマス灰をセメント混和材に適用することが検討されている。また、下記非特許文献2では、バイオマス灰の資源化のため塩類の溶出挙動について調べられている。
佐川孝広ら著「木質バイオマス焼却灰のセメント混和材への適用」第70回セメント技術大会講演要旨、2016〔1307〕 繁泉恒河ら著「木質廃棄物由来焼却灰の塩類等の溶出挙動」フジタ技術研究報告、第51号、2015年、第79-84頁
しかしながら、本発明者らの検討によれば、バイオマス灰はセメントやコンクリートにおいて有害となる成分が含まれていたり、易反応性のカルシウム成分の存在により品質の安定性が悪く、それによってセメント原料などとしての資源化が制約を受ける懸念があった。この点、上記非特許文献1では、焼却灰がそのままセメント混和材として使用されていた。また、上記非特許文献2では、塩類の溶出挙動について調べられているものの、カラム充填して散水する方式であるため、その塩類溶出による安定化の効果は十分とはいえなかった。
よって、本発明は、バイオマス灰を確実に資源化することを目的として、その改質方法及びバイオマス灰のセメント原料化システムを提供することにある。また、セメントと合わせて使用したときのそのセメント強度発現性に及ぼす品質等において良好な品質を呈する改質バイオマス灰を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、その第1の観点では、
バイオマス灰に水を加えてスラリーにするスラリー化工程と、
前記スラリーを水洗する水洗工程と、
前記水洗を行った前記スラリーを脱水する脱水工程を備えていることを特徴とするバイオマス灰の改質方法を提供するものである。
本発明により提供される改質方法によれば、バイオマス灰に水を加えてスラリーにして水洗した後、脱水してその脱水物を得るので、セメント忌避成分である塩素や、環境汚染のおそれのあるセレンやクロム等の重金属類を効率よく除くことができる。加えて、バイオマス灰中に含まれる易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムが除かれて品質を安定化させることができる。得られた改質バイオマス灰は、セメント原料として好適に使用され得る。具体的には、例えばセメント製造設備における、セメントクリンカの原料の調合のための混合機への投入や、ロータリーキルン前のプレヒータートップや仮焼炉への投入や、ロータリーキルン窯尻や窯前への投入や、焼成して得られたセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラーへの投入や、セメントクリンカを粉砕するためのミルへの投入や、混合セメントの混合機への投入など、様々なセメント製造段階に投入可能なセメント原料として好適に使用され得る。
上記改質方法においては、前記スラリーを酸性側にpH調整して水洗することが好ましい。これによれば、pHを酸性側に調整しない場合に比べて、塩素をより効率よく除くことができる。また、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を、遅速反応性の炭酸カルシウムや硫酸カルシウムの形態にして、得られる改質バイオマス灰の品質をより安定化させやすい。
上記改質方法においては、前記pH調整は、前記スラリーへの二酸化炭素含有ガスの吹込みによるものであることが好ましい。これによれば、二酸化炭素(CO)によりpHを酸性側に調整することにより、塩素をより効率よく除くことができるとともに、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を炭酸化して炭酸カルシウムの形態へとより安定化させやすくなる。また、ガスの吹込みによりスラリーを攪拌するのにも役立つ。特に、例えばセメント製造設備のロータリーキルンの燃焼排ガスやバイオマスの焼却設備やバイオマス発電所の燃焼排ガスには二酸化炭素(CO)が含まれているので、その燃焼排ガスをスラリーに吹込むことにより、pHを酸性側に調整することができるとともに、燃焼排ガスの熱量によりスラリーを加温するのにも役立つ。あるいは燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)などの有害ガスを固定化する効果も期待できる。
上記改質方法においては、前記pH調整は、前記スラリーへの酸溶液の添加によるものであることが好ましい。これによれば、酸溶液によりスラリーのpHを酸性側に調整することにより、塩素をより効率よく除くことができる。また、特に、例えば廃硫酸等の酸溶液を活用すると、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を硫酸カルシウム(石膏)の形態にして更に安定化させやすい。更に、これにより得られる改質バイオマス灰は、新たな石膏代替素材の提供にもつながる。
上記改質方法においては、前記pH調整は、前記スラリーをpH11以下にするものであることが好ましい。これによれば、上記したバイオマス灰の改質効果をより安定に享受することができる。
上記改質方法においては、前記スラリーに、アミン系二酸化炭素回収装置で廃棄される廃液を、該スラリーの一部として混合して水洗することが好ましい。これによれば、廃液に含まれるアミンによりスラリー中での炭酸イオンの形成が促され、カルシウム成分を炭酸カルシウムの形態へと更により安定化させやすい。
上記改質方法においては、前記脱水工程後の脱水物に二酸化炭素含有ガスを吹込む工程を更に備えることが好ましい。これによれば、脱水物中に残る易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムを炭酸化することで、得られる改質バイオマス灰の更なる品質の安定化を図ることができる。また、脱水物中に含まれる水分の乾燥にも役立つ。
上記改質方法においては、前記脱水工程後の脱水物を粉砕する工程を更に備えることが好ましい。これによれば、得られる改質バイオマス灰の比表面積を調整して、セメントに合わせて使用したときのそのセメントの強度発現性を向上させることができる。
上記改質方法においては、前記バイオマス灰は、飛灰であることが好ましい。これによれば、得られる改質バイオマス灰の反応性が高いので、セメントにした時の強度発現性の低下が抑制される。また、水洗により塩素等のセメント忌避成分を除去する効果がより享受できる。
上記改質方法においては、前記バイオマス灰は、乾燥灰であることが好ましい。これによれば、バイオマス灰の塩素等のセメント忌避成分が水洗により低減させやすい。
上記目的を達成するために、本発明は、その第2の観点では、
収容されたバイオマス灰に水を加えてスラリーにして水洗するための粉体溶解槽と、
前記粉体溶解槽から排出されたスラリーを脱水するための固液分離装置と、
前記固液分離装置で分離された脱水物をセメント製造設備に搬送するための搬送装置を備えていることを特徴とするバイオマス灰のセメント原料化システムを提供するものである。
本発明により提供されるバイオマス灰のセメント原料化システムよれば、バイオマス灰に水を加えてスラリーにして水洗するための粉体溶解槽と、スラリーを脱水するための固液分離装置と、その脱水物をセメント製造設備に搬送するための搬送装置を備えているので、そのシステムにより、セメント忌避成分である塩素や、環境汚染のおそれのあるセレンやクロム等の重金属類を効率よく除くことができる。加えて、バイオマス灰中に含まれる易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムが除かれて品質を安定化させることができる。得られた改質バイオマス灰は、セメント原料として好適に使用され得る。具体的には、例えばセメント製造設備における、セメントクリンカの原料の調合のための混合機への投入や、ロータリーキルン前のプレヒータートップや仮焼炉への投入や、ロータリーキルン窯尻や窯前への投入や、焼成して得られたセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラーへの投入や、セメントクリンカを粉砕するためのミルへの投入や、混合セメントの混合機への投入など、様々なセメント製造段階に投入可能なセメント原料として好適に使用され得る。
上記セメント原料化システムにおいては、前記粉体溶解槽に収容された前記スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹込むための第1二酸化炭素含有ガス供給装置を更に備えていることが好ましい。これによれば、スラリーに二酸化炭素(CO)含有ガスを吹込んで酸性側にpH調整するのが容易となり、そのpH調整により、pHを酸性側に調整しない場合に比べて、塩素をより効率よく除くことができる。また、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を、遅速反応性の炭酸カルシウムや硫酸カルシウムの形態にして、得られる改質バイオマス灰の品質をより安定化させやすくすることができる。更に、ガスの吹込みによりスラリーを攪拌するのにも役立つ。特に、例えばセメント製造設備のロータリーキルンの燃焼排ガスやバイオマスの焼却設備やバイオマス発電所の燃焼排ガスには二酸化炭素(CO)が含まれているので、その燃焼排ガスをスラリーに吹込むことにより、pHを酸性側に調整することができるとともに、燃焼排ガスの熱量によりスラリーを加温するのにも役立つ。あるいは燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)などの有害ガスを固定化する効果も期待できる。
上記セメント原料化システムにおいては、前記粉体溶解槽に収容された前記スラリーに酸溶液を添加するための酸溶液供給装置を更に備えていることが好ましい。これによれば、スラリーに酸溶液を添加して酸性側にpH調整するのが容易となり、そのpH調整により、pHを酸性側に調整しない場合に比べて、塩素をより効率よく除くことができる。また、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を、遅速反応性の炭酸カルシウムや硫酸カルシウムの形態にして、得られる改質バイオマス灰の品質をより安定化させやすくすることができる。特に、例えば廃硫酸等の酸溶液を活用すると、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を硫酸カルシウム(石膏)の形態にして更に安定化させやすい。また、これにより得られる改質バイオマス灰は、新たな石膏代替素材の提供にもつながる。
上記セメント原料化システムにおいては、前記粉体溶解槽に収容された前記スラリーのpHを測定するためのpH測定装置と、前記pH測定装置により測定された測定値を受信し、その測定値に応じて前記二酸化炭素含有ガスの吹込み量及び/又は前記酸溶液の添加量を制御するための制御装置とを更に備えていることが好ましい。これによれば、スラリーのpH変化に応じて酸性側にpH調整するのが容易となる。
上記セメント原料化システムにおいては、前記固液分離装置で分離された脱水物に二酸化炭素含有ガスを吹込むための第2二酸化炭素含有ガス供給装置を更に備えていることが好ましい。これによれば、脱水物中に残る易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムを炭酸化することで、得られる改質バイオマス灰の更なる品質の安定化を図ることができる。また、脱水物中に含まれる水分の乾燥にも役立つ。
上記セメント原料化システムにおいては、前記セメント製造設備がクリンカクーラー又はミルであることが好ましい。
上記セメント原料化システムにおいては、前記バイオマス灰は、飛灰であることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明は、その第3の観点では、バイオマス灰の水洗物であって、KO含有率が3~8質量%であり、SO含有率が0.5~8質量%であり、Cl濃度が0.035質量%以下であり、水酸化カルシウムの含有量が0.1質量%以下であり、炭酸カルシウムの含有量が8~20質量%であることを特徴とする改質バイオマス灰を提供するものである。
本発明により提供される改質バイオマス灰によれば、セメントと合わせて使用したときのそのセメント強度発現性に及ぼす品質等において良好な品質を呈する。
上記改質バイオマス灰においては、ブレーン比表面積が4000~10000cm/gであることが好ましいい。これによれば、セメントと合わせて使用したときのそのセメントの強度発現性がより良好となる。
上記改質バイオマス灰においては、CaO含有率が10~40質量%であることが好ましいい。これによれば、易反応性のカルシウム成分が低減され、より品質が安定化される効果が享受できる。
上記改質バイオマス灰においては、セレンの溶出量が0.01mg/L以下であり、六価クロム溶出量が0.1mg/L以下であることが好ましいい。これによれば、環境汚染リスクを低減したものとすることができる。
上記改質バイオマス灰においては、前記バイオマス灰は、飛灰であることが好ましい。これによれば、得られる改質バイオマス灰の反応性が高いので、セメントにした時の強度発現性の低下が抑制される。
上記改質バイオマス灰においては、前記バイオマス灰は、流動床式燃焼炉により生じる流動床飛灰であることが好ましい。これによれば、流動床飛灰であるバイオマス灰中には易反応性のカルシウム成分が多く含まれるところ、得られる改質バイオマス灰の品質がより安定化される効果が享受できる。
上記改質バイオマス灰においては、セメント混合材又はコンクリート用混和材用途であることが好ましい。これによれば、セメントと合わせて使用したとき、良質で品質や製造時の作業性のばらつきが少ないコンクリートを製造できる。
本発明に係るバイオマス灰の改質方法の一実施形態を説明するフローチャートである。 本発明に係るバイオマス灰の改質方法の他の実施形態を説明するフローチャートである。 本発明に係るバイオマス灰の改質方法の更に他の実施形態を説明するフローチャートである。 本発明に係るバイオマス灰の改質方法の更に別の実施形態を説明するフローチャートである。 本発明に係るバイオマス灰のセメント原料化システムの一実施形態を説明する概略構成説明図である。 本発明に係るバイオマス灰のセメント原料化システムの他の実施形態を説明する概略構成説明図である。 本発明に係るバイオマス灰のセメント原料化システムの更に他の実施形態を説明する概略構成説明図である。 本発明に係るバイオマス灰のセメント原料化システムの更に別の実施形態を説明する概略構成説明図である。
まず、本発明が適用されるバイオマス灰について説明する。
本発明が適用されるバイオマス灰としては、広く一般にバイオマスの燃焼灰であるものを含み、例えば草木竹の燃焼灰や食品残渣の燃焼灰を含む。なかでも草木竹の燃焼灰はKOの含有率が比較的高く、セメント混合材又はコンクリート混和材として資源化する観点から、活性度指数が高くなるので好ましい。KO含有率は、2質量%~10質量%であることが好ましく、3質量%~8質量%であることがより好ましく、3質量%~5質量%であることが更により好ましい。バイオマス灰のKO含有率が2質量%未満であると、セメント混合材又はコンクリート混和材として用いた場合のコンクリートの強度が低くなる。バイオマス灰のKO含有率が10質量%を超えると、セメントクリンカの原料として用いた場合の使用量が制限される。なお、バイオマス灰は燃焼灰であるので、石炭灰と同様にポゾラン反応性を有するガラス成分を含んでおり、カリウムのほとんどはそのガラス相に包埋されて含まれている。
バイオマス発電所では、バイオマスと石炭との混焼を行う場合もあるが、本発明が適用されるバイオマス灰には、そのような混焼を行う場合に生じる灰も含まれる。ただし、一般に石炭を燃焼した石炭灰はKO含有率が低くなるので、混焼時の石炭の使用量によりバイママス灰の活性が異なる。そのため、セメント混合材又はコンクリート混和材として資源化する観点からは、石炭との混焼である場合、燃料中のバイオマスの比率が50質量%以上のものから得られた灰であることが好ましい。
本発明が適用されるバイオマス灰としては、草木竹の燃焼灰のなかでもパーム椰子殻を燃料として得られたパーム椰子殻灰(PKS灰)も好適に例示される。パーム椰子殻はパーム油生産の副産物であり、天然バイオマス・エネルギー産業で主に使用されている。パーム椰子殻は、灰分の少ない黄褐色の繊維状物質で、その粒径は5mm~40mm程度であり、発熱量は4000Kcal/kg程度であるため、再生可能資源を用いたエネルギー生産において、パーム椰子殻は、近年、バイオマス発電の燃料としての利用が増えている。
一般に、このようなパーム椰子殻を燃料とするバイオマス発電の燃焼炉には、ストーカ式や流動床式があるが、流動床式である循環流動床式や加圧式流動床式の燃焼炉では炉内で脱硫を行うために石灰石が投入される。そこで、そのような燃焼炉からのバイオマス灰には、カルシウム成分や硫黄成分が多く含まれており、例えばCaO含有率は、一般に5質量%~45質量%となっている。また、投入した石灰石由来のCa化合物の形態として、CaO(生石灰)、Ca(OH)(消石灰)、CaCO(石灰石)、CaSO(石膏)等の形態が含まれることになる。
本発明が適用されるバイオマス灰のCaO含有率は、セメント混合材又はコンクリート混和材として資源化した場合のコンクリートの強度の観点から、8質量%~30質量%であることが好ましく、10質量%~25質量%であることがより好ましい。
本発明が適用されるバイオマス灰としては、バイオマス発電の燃焼炉等で炉底に燃え残る主灰であってもよく、燃焼排ガスに含まれて気体として浮遊する煤塵を集塵機により収集して得られる飛灰であってもよい。このうち飛灰は、水洗により塩素等のセメント忌避成分を除去させやすく好適である。また、飛灰は反応性が高いので、セメントに混合して使用した場合の強度発現性の低下が抑制される。また、飛灰は、主灰より易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムが多く含まれる。粒度は、例えば、メジアン径(D50)が100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。粒度は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置が使用でき、例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製 MW3300EXIIにてエタノールを分散媒とし、1分間の超音波分散後に測定することなどにより測定することができる。
また、本発明が適用されるバイオマス灰としては、一度も水を噴霧されたことのない乾燥灰であることが好ましい。乾燥灰とは、一度も水を噴霧されたことのなく、粒状であったり、水和物を生成していない灰を指す。水を噴霧され、粒状になったり、生成した水和物に塩素が取り込まれると、後述の改質による塩素等のセメント忌避成分の除去率が低下する場合がある。乾燥灰としては、例えば、粉末X線回折法により水和物であるフリーデル氏塩、またはエトリンガイトが検出されないことが好ましい。または、含水率は10質量%以下が好ましく、5%質量以下がより好ましい。または、強熱減量が10%以下であることが好ましい。含水率は、105℃で乾燥した際の質量減少率として求めることができる。また、強熱減量は、105℃で乾燥された対象物を975℃で加熱した際の質量減少率として求めることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について更に具体的に説明する。
図1には、本発明に係るバイオマス灰の改質方法の一実施形態を説明するフローチャートを示す。図1中の実線の矢印は各工程に持ち込まれる物質の流れを表している(以下、図2~図4において同様である。)。
図1の実施形態に示されるように、本発明に係る改質方法は、バイオマス灰M1に水W1を加えてスラリーS1にするスラリー化工程と、そのスラリーS1を水洗する水洗工程と、その水洗後のスラリーS2を脱水する脱水工程を備えている。スラリー化は、バイオマス灰M1と水W1を収容するための容器と、それらを混合してスラリーS1となすための攪拌手段を少なくとも備えた粉体溶解槽を使用して行い得る。水洗は、スラリーS1を所定時間静置又は攪拌することによりなされる。これにより、バイオマス灰M1の溶解性成分がスラリーの液相に溶出した状態のスラリーS2となる。その状態のスラリーS2を粉体溶解槽から排出して、フィルタープレス等の固液分離装置で脱水する。
スラリー化工程におけるバイオマス灰M1と水W1との質量比(W1/M1)は、4~10が好ましく、4~7がより好ましく、4~5が特に好ましい。質量比(W1/M1)が4よりも小さいと、バイオマス灰M1からの塩素等のセメント忌避成分の溶出が不十分となるなど、改質効果が不十分となる場合がある。また、質量比(W1/P1)が10よりも大きいと、排水W3の量が多くなってしまう。
水洗工程の所要時間は、バイオマス灰M1を水W1で十分に改質するため、30分間以上とすることが好ましく、45分間以上がより好ましい。また、温度条件は、高い程、バイオマス灰M1からの塩素等のセメント忌避成分の溶出効率がよくなるが、処理に係るコストの観点からは、5℃~50℃とすることが好ましく、25℃~50℃がより好ましい。
脱水工程においては、スラリーS2中に含まれる塩素等のセメント忌避成分が液相と共に残留することを防ぐため、脱水物の水分は20質量%~90質量%とすることが好ましく、30質量%~70質量%とすることがより好ましい。また、本発明の限定されない任意の態様においては、脱水物に水W2を加えて再度脱水する。これによれば、スラリーS2の液相がほとんど水に置き換わるので、より好ましい。
このようにして得られる改質バイオマス灰M2は、塩素等のセメント忌避成分が十分に減じられており、なお且つ、セメントの強度発現性や流動性に影響を及ぼす易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムの含有量が十分に減じられているので、セメント原料としての好適な品質を保つことが容易となる。よって、バイオマス灰を確実に資源化するこができる。
図2には、本発明に係るバイオマス灰の改質方法の他の実施形態が示される。
図2に示す実施形態では、図1で説明した実施形態において、更にpH調整剤を加えて水洗を行っている。水洗の際のpHを酸性側に調整する、すなわちpHを低減させることで、pH調整しない場合に比べて、塩素をより効率よく除くことができる。また、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を、遅速反応性の炭酸カルシウムやセメント製造時にセメントクリンカに添加される硫酸カルシウムの形態へと安定化させやすくなる。pH調整剤としては、スラリーS1のpHを低減することができるものであれば特に制限はない。例えば、酸溶液、CО含有ガス等が挙げられる。なかでもpH調整剤の酸溶液A1として廃硫酸を用いると、廃物の資源化になるとともに、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を硫酸カルシウム(石膏)の形態にして更に安定化させやすい。また、これにより得られる改質バイオマス灰は、新たな石膏代替素材の提供にもつながる。一方、pH調整剤としては、CО含有ガスG1であってもよい。すなわち、例えば、セメント製造設備のロータリーキルンの燃焼排ガスやバイオマスの焼却設備やバイオマス発電所の燃焼排ガスには二酸化炭素(CO)が含まれているので、その燃焼排ガスをスラリーS1に吹込むことにより、pHを弱アルカリ性に低減することができる。これによれば、バイオマス灰中に含まれるカルシウム成分を炭酸化して炭酸カルシウムの形態へとより安定化させやすくなる。CО含有ガスは二酸化炭素が含まれていればよいが、効率的な炭酸化を促すためには、二酸化炭素濃度は10%以上が好ましく、20%がより好ましい。また、燃焼排ガスのなかでも、特にセメント製造設備の塩素バイパスダストを捕集後のガスには硫黄酸化物(SOx)などの有害ガスが含まれるので、これを固定化する効果も期待できる。このようにセメント製造設備の燃焼排ガスを用いれば、その場で二酸化炭素を含有する燃焼排ガスを得てバイオマス灰の改質に利用して、改質されたバイオマス灰はセメント混合材として利用できる。また、バイオマスの焼却設備やバイオマス発電所の燃焼排ガスを用いれば、その場で得た二酸化炭素を含有する燃焼排ガスとバイオマス灰により改質を行い、セメント製造設備に輸送すればすぐさまセメント混合材として利用できる。
スラリーS1の水洗の際のpH条件としては、pH4~12.5であることが好ましく、pH5~12であることがより好ましい。
図2に示す実施形態では、更にスラリーS1にアミン系二酸化炭素回収装置から得た廃液B1を加えて水洗を行っている。ここで、工場などの排ガスから二酸化炭素を回収するためのアミン二酸化炭素回収装置では、劣化したアミン類を含む液は廃棄されるので、これを廃物利用するものである。アミン類は、二酸化炭素と反応して炭酸イオンの生成を促進する作用があることが知られており、効率よくカルシウム成分の炭酸化を進めることができる。また、一方、アミン類は、セメントクリンカ合わせてミルでの粉砕する際には、粉砕助剤として機能することも知られている。そのようなアミン類としては、分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有するものであり、粉砕助剤として使用されるアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジグリコールアミン(DGA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)等が挙げられる。よって、添加した廃液からアミン類が改質バイオマス灰M2に持ち込まれた場合、そのような後工程での粉砕助剤としての機能性の付与も期待できる。
図3には、本発明に係るバイオマス灰の改質方法の更に他の実施形態が示される。
図3に示す実施形態では、図1で説明した実施形態において、更に脱水工程後の脱水物C1にCO含有ガスG2を吹込んでいる。これによれば、脱水物C1中に残る易反応性のカルシウム成分を炭酸化することで、得られる改質バイオマス灰の更なる品質の安定化を図ることができる。また、脱水物C1中に含まれる水分の乾燥にも役立つ。ガスの吹込み手段としては、脱水物をCO含有ガスと接触させることができればよく、脱水物を充填した容器にCO含有ガスを流通させたり、排ガス煙道中を通過させたりする等の手段を使用すればよい。また、上記したスラリーS1への吹込みと同様に、例えば、セメント製造設備のロータリーキルンの燃焼排ガスやバイオマスの焼却設備やバイオマス発電所の燃焼排ガスには二酸化炭素(CO)が含まれているので、その燃焼排ガスを脱水物C1に吹込むことでもよい。
図4には、本発明に係るバイオマス灰の改質方法の更に別の実施形態が示される。
図4に示す実施形態では、図1で説明した実施形態において、更にpH調整剤を加えて水洗を行ったり、その際に更にアミン系二酸化炭素回収装置から得た廃液B1を加えたりするとともに、図3で説明したように、脱水工程後の脱水物C1にCO含有ガスG2を吹込む工程を備えている。そのような構成を採用したことによる技術的効果については、上述したとおりである。
図5には、本発明に係るバイオマス灰のセメント原料化システムの一実施形態を説明する概略構成説明図を示す。図5中の実線の矢印はスラリー、洗液等の固体又は液体の流れを、点線の矢印はセメント製造設備の焼成キルンからの燃焼排ガス等の気体の流れを、一点鎖線は制御信号等の信号の経路をそれぞれ表わしている(以下、図6~図8において同様である。)。
図5の実施形態に示されるように、本発明に係るセメント原料化システムは、収容されたバイオマス灰M1に水W1を加えてスラリーS1にして水洗するための粉体溶解槽1と、その水洗後、粉体溶解槽1から排出されたスラリーS2を脱水するための固液分離装置2と、固液分離装置2で分離された脱水物C1を改質バイオマス灰M2としてセメント製造設備20に搬送するための搬送装置3を備えている。更に、図5に示す実施形態では、粉体溶解槽1には、粉体溶解槽1にバイオマス灰M1を供給するための粉体供給装置11、水W1を供給するための液体供給装置12、酸溶液A1を供給するための酸溶液供給装置13、及びアミン系二酸化炭素回収装置から得た廃液B1を供給するための廃液供給装置14が付設されている。また、バイオマス灰M1と水W1の混合、及び、その混合によって生成したスラリーS1の攪拌のために攪拌翼を備えたスラリー攪拌装置15が付設されている。
粉体溶解槽1では、バイオマス灰M1と水W1を混合撹拌してスラリーS1を生成するスラリー化処理、及び、そのスラリーS1中で塩素等のセメント忌避成分を液相に溶出させる水洗処理が行われる。そのためのスラリー攪拌装置15としては、例えば、パドル型やスクリュー型の一般的な撹拌装置を使用することができる。
水洗の後、塩素等のセメント忌避成分がスラリー中で液相に溶出された状態となったスラリーS2は、粉体溶解槽1から排出され、固液分離装置2に移送される。スラリーS2の移送には、スラリー用渦巻きポンプ、ピストンポンプ、モーノポンプ等の通常のスラリー液用輸送装置(不図示)を用いればよい。
固液分離装置2では、スラリーS2を固液分離して脱水物C1を得る。スラリーS2の液相に溶出させた成分は排水W3へと除かれるので、得られる脱水物C1は、原灰に比べて塩素等のセメント忌避成分の量が減じられている。一方で、排水W3には、原灰に含まれていた重金属類等も溶出されているので、適宜に水質浄化処理を行ったうえで環境中に放流してもよい。なお、この実施形態では、固液分離装置2に水洗浄装置21を設けて水W2でケーキを洗浄できるようにしている。これにより、スラリーS2の液相のほぼすべてを水で置換でき、溶出させた成分の除去をより確実にすることができる。
固液分離装置2としては、フィルタープレス、加圧葉状ろ過装置、スクリュープレス、ベルトプレス、ベルトフィルター、沈降分離等の通常のろ過装置等を用いればよい。
固液分離装置2で分離された脱水物C1は、改質バイオマス灰M2として、搬送装置3によりセメント製造設備20に搬送されてセメント原料として資源化される。搬送装置3としては、例えば、ベルトコンベア、スクリューコンベア、パイプコンベア等の一般的なケーキ輸送装置を使用することができる。
なお、図5に示す実施形態では、セメント製造設備20で発生した燃焼排ガスG1を第1二酸化炭素含有ガス供給装置4を介して粉体溶解槽1に収容したスラリーS1に供給できるようにしている。上述したように、そのようなCO含有ガスG1の吹込みによりスラリーのpHを酸性側に調整することができるとともに、スラリーの攪拌や加温にも役立てることも可能である。
更に、図5に示す実施形態では、粉体溶解槽1には、粉体溶解槽1に収容されて生成したスラリーのpHを測定するpH測定装置16が付設されている。そして、pH測定装置16の測定結果が、制御装置10に随時送信され、制御装置10が、pH測定装置16の測定結果に基づいて、酸性溶液A1の供給量及び/又は燃焼排ガスG1の送気量を制御するようにしている。具体的な制御態様としては、例えば、制御装置10からの信号に基づいて、酸溶液供給装置13の排出バルブの開度を制御したり、第1二酸化炭素含有ガス供給装置4の排気バルブの開度を制御したりすることなどが挙げられる。
pH測定装置16としては、公知の測定機器を用いればよく、特に、高濃度懸濁液用の測定機器を用いることが好ましい。
スラリーS1の水洗の際のpH条件としては、上述したように、pH4~13であることが好ましく、pH5~12であることがより好ましい。
図6には、本発明に係るセメント原料化システムの他の実施形態が示される。
図6に示す実施形態では、図5で説明した実施形態のスラリー攪拌装置として筒型散気装置30が使用され、セメント製造設備20で発生した燃焼排ガスG1を第1二酸化炭素含有ガス供給装置4を介して粉体溶解槽1に収容したスラリーS1に供給できるようにしている。
筒型散気装置3は、燃焼排ガスG1を外部から取り込んで吹込むためのノズル31と、ノズル31を内部端に配置する円筒状の円筒管32から構成されている。そして、ノズル31から吹込まれた燃焼排ガスG1は、円筒管32の円筒内部のスラリーを巻き込みながらそのスラリーとともに上方に上昇し、燃焼排ガスG1とスラリーS1との混合噴流となって円筒管32の上端開口部32aから噴出されるようにしている。一方、円筒管32の下端開口部32bからは、円筒内部のスラリーの上方への上昇にともなって円筒管32の円筒内部の下方側が上方側に比べて陰圧となることによって、粉体溶解槽1の底部側に滞留したスラリーが円筒管32の円筒内部に吸引されるようにしている。このような筒型散気装置30の機構により、粉体溶解槽1に収容されたスラリーには、その下層及び上層にわたって燃焼排ガスG1がスラリーS1を巻き込みながら還流する、上記スラリーと上記ガスとの混合撹拌流を形成されて、粉体溶解槽1に収容されたスラリーの全体を撹拌するようにしている。
図7には、本発明に係るセメント原料化システムの更に他の実施形態が示される。
図7に示す実施形態では、図5で説明した実施形態において、固液分離装置2で分離された脱水物C1にCO含有ガスを吹込むための第2二酸化炭素含有ガス供給装置5を更に備えている。そして、セメント製造設備20で発生した燃焼排ガスG2を、第2二酸化炭素含有ガス供給装置5を介して、搬送装置3によってセメント製造設備20に搬送される前に脱水物C1に吹込むことができるようにしている。ガスの吹込み手段としては、脱水物をCO含有ガスと接触させることができればよく、脱水物を充填した容器にCO含有ガスを流通させたり、排ガス煙道中を通過させたりする等の手段を使用すればよい。上述したように、そのようなCO含有ガスの吹込みにより、脱水物C1中に残る易反応性のカルシウム成分を炭酸化することで、得られる改質バイオマス灰の更なる品質の安定化を図ることができる。また、脱水物C1中に含まれる水分の乾燥にも役立つ。
図8には、本発明に係るセメント原料化システムの更に別の実施形態が示される。
図8に示す実施形態では、図6で説明した実施形態において、固液分離装置2で分離された脱水物C1にCO含有ガスを吹込むための第2二酸化炭素含有ガス供給装置5を更に備えている。そのような構成を採用したことによる技術的効果については、上述したとおりである。
本発明により得られる改質バイオマス灰は、通常、その塩素濃度が、例えば典型的には0.1質量%以下の濃度、より典型的には0.002質量%~0.1質量%の濃度、更により典型的には0.005質量%~0.035質量%の濃度にまで低減している。
また、セレンの溶出量が、例えば典型的には0.02mg/L以下、より典型的には0.002mg/L~0.01mg/Lにまで低減している。
また、六価クロム溶出量が、例えば典型的には0.1mg/L以下、より典型的には0.01mg/L~0.05mg/Lにまで低減している。
また、後述する試験例で示されるように、セメントの強度発現性や流動性に影響を及ぼす易反応性の酸化カルシウムや水酸化カルシウムの含有量が十分に減じられ、カルシウム成分が炭酸カルシウムや硫酸カルシウム(石膏)の形態へと安定化している。
例えば、水酸化カルシウムの含有量は、典型的には0.5質量%以下、より典型的には0.1質量%以下である。
また、例えば、炭酸カルシウムの含有量は、典型的には8~20質量%、より典型的には10~15質量%である。
また、例えば、硫酸カルシウム(石膏)の含有量は、典型的にはSO換算で0.5質量%以上、より典型的には3質量%以上である。
更に、例えば、酸化物量換算のCaO含有率は、典型的には10~40質量%、より典型的には8質量%~30質量%、更により典型的には10質量%~25質量%である。
また、例えば、酸化物量換算のSO含有率、典型的には0.5質量%~8質量%、より典型的には1質量%~3質量%、更に典型的には1.2質量%~2.5質量%である。
また、例えば、酸化物量換算のKO含有率、典型的には3質量%~8質量%、より典型的には3.5質量%~6質量%である。
なお、上記した塩素濃度は、周知の方法で測定することができ、例えば、酸分解処理した後、電位差滴定法により測定する方法などが好ましく例示される。
また、上記したセレン(Se)及び六価クロム(Cr6+)の溶出量は、周知の方法で測定することができ、例えば、JIS K 0058-1「スラグ類の化学物質試験方法-第1部:溶出試験方法 5.利用有姿による試験」に準拠し検液を作成し、セレン(Se)はICP質量分析法によって、六価クロム(Cr6+)はジフェニルカルバジド吸光光度法によって測定する方法などが好ましく例示される。
また、上記した水酸化カルシウムの含有量は、周知の方法で測定することができ、例えば、DSC(示差操作熱量計)による400℃付近の脱水に熱量の測定により求める方法などが好ましく例示される。
また、上記した硫酸カルシウム(石膏)の含有量は、周知の方法で測定することができ、例えば、X線粉末回折のパターンから、リートベルト法により定量する方法などが好ましく例示される。
また、K、Na、C、Mg、Al、Si、P、S、Ca、Fe等元素の酸化物換算量は、周知の方法で測定することができ、例えば、蛍光X線装置を使用したファンダメンタルパラメーター法(FP法)、蛍光X線装置を使用したセメント原料用フライアッシュ又は粘土の検量線法などが好ましく例示される。
本発明は水洗の方法によりバイオマス灰を改質するものであるので、得られる改質バイオマス灰M2には、水洗に使用した水分が持ち込まれる場合があるが、バイオマス灰が反応して水和物を形成し、セメントの混合材として使用した場合に、セメントの強度発現性や流動性が低下することがある。水和物の形成を防ぐには、乾燥状態にして保管することが好ましい。また、得られた改質バイオマス灰M2に水分が含まれたまま使用する場合には、セメント製造設備20に搬送して、含まれる水分が迅速に蒸発する加熱状態の処理を行うことが好ましい。
以下には、改質バイオマス灰M2のセメント製造設備20に搬送した後の利用態様について、更に具体的な例示を挙げて説明する。
(クリンカクーラーへの投入)
改質バイオマス灰M2は、セメント製造設備20におけるクリンカクーラーに直接投入され得る。投入方法としては、クーラー内の所望の温度の位置に、クーラーの上部から落下させる方法が挙げられる。投入量は、セメントの質量に対して0.5~20%程度となるように設定する。なお、エアクエンチングクーラーを使用すれば、クーラー内の所定の位置に改質バイオマス灰M2を投入することができるので、好適である。
改質バイオマス灰M2をクーラーに投入する場合、クリンカ製造とは直接関係のない熱エネルギーを利用することができ好都合である。また、クーラー内に粉塵が大量に発生することを防ぐ意味から、改質バイオマス灰M2は含水率を好ましくは50質量%以下とし、塊状か粒状のまま投入することが好ましい。
また、クリンカクーラー内の温度は、通常は200~1200℃であり、その投入位置に応じて加熱温度を選択することができる。しかし、改質バイオマス灰M2に含有されているCaCOが分解して生石灰(CaO)を生成したり、二酸化炭素を放出したりすることがないよう、200℃~800℃の低温部分に投入することが好ましい。
クーラーから排出された後には、ミルにおいて必要に応じて石膏とともに粉砕・混合されて混合セメントとなる。その際、必要に応じて散水や粉砕助剤を添加することができる。クーラーに投入されたバイオマス灰は、ミルに投入される前に乾燥しているので、粉砕は従来と同様の運転管理で行うことができる。
(ミルへの投入)
改質バイオマス灰M2は、セメントクリンカ、必要に応じて石膏を投入して粉砕、混合を行うミルに直接投入され得る。ミルは仕上げ粉砕機とも呼ばれ、円筒状のドラムの中で鋼鉄のボールとセメントクリンカ、石膏がドラムの回転によって互いに衝突しながら粉砕される。石膏を使用する場合、その石膏は、特に限定されるものではなく、例えば、天然二水石膏、排煙脱硫石膏、リン酸石膏、チタン石膏、フッ酸石膏等が例示できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明により提供される改質方法によって、バイオマス灰中のカルシウム成分が硫酸カルシウム(石膏)の形態に改質していると、その石膏の機能性も期待し得る。
改質バイオマス灰M2は、セメントの一部と置換するものであり、セメントの質量に対して0.5質量%~30質量%添加することが好ましい。また、石膏は、SO換算で好ましくは1.5質量%~5.0質量%添加することが、セメントの強度発現性および流動性を向上するうえで好ましい。
ミルでの粉砕・混合の際、改質バイオマス灰M2は、含まれた水分が石膏の変質等を防ぐためにミル内の温度制御のために利用できる。また、水分過剰の場合には沈降分離などで簡易的に脱水可能であるし、水分が不足する場合には適切な量をミルに散水すればよい。なお、上述した廃液B1を使用した場合に、改質バイオマス灰M2にアミン類が残留していると、粉砕助剤としての機能性も期待し得る。また、上述したアミン類の残留による効果が期待できない場合には、適宜に適当な粉砕助剤を添加して、粉砕の効率を向上させることができる。
ミルにおいて粉砕された微粉末はセメントとして回収される。
また、改質バイオマス灰M2を別途粉砕してもよい。改質バイオマス灰の粉砕に用いる装置は、特に限定されず、例えば、チューブミル、竪型ミル、ジェットミル等が挙げられる。水洗を伴いながら湿式で行うこともできる。
また、改質バイオマス灰M2を分級して、ブレーン比表面積の高い微粉分を回収して用いてもよい。分級に用いる装置は、前記のように数十μmオーダーの分級点で分級できる装置であれば特に限定されず、例えば、ふるい、慣性分級装置、遠心分級装置、または重力式分級装置等が使用でき、特に分級精度の観点から、サイクロン型エアセパレータ、およびふるい分け装置等が好ましい。水洗を伴う場合は湿式で行うこともできる。
改質バイオマス灰M2は、セメントの強度発現性を高める観点からブレーン比表面積が4000cm/g以上に粉砕することが好ましい。また、石膏は、SO換算で好ましくは1.5質量%~5.0質量%添加することが、セメントの強度発現性を向上するうえで好ましい。なお、該ブレーン比表面積は、好ましくは4250cm/g以上、より好ましくは5000cm/g以上である。また、バイオマス灰のブレーン比表面積は、セメント質硬化体を製造する際の作業性を確保する観点から、好ましくは10000cm/g以下である。また、改質バイオマス灰M2は、セメントの凝結を促進する観点からは、ブレーン比表面積が5500cm/g以上に粉砕することが好ましい。
本発明により得られる改質バイオマス灰は、塩素が除去されており、石炭灰と比較しアルカリ分が高いため、焼成時の易焼性が向上する点や、初期の水和反応を促進する点から、セメントクリンカ原料として好適に資源化され得る。また、六価クロムとセレンの溶出量が低減されており、急激な水和熱の抑制や、流動性低下の抑制、石膏代替などの機能の点から、セメント混合材、あるいはコンクリート用混和材として好適に資源化され得る。
具体的には、例えば、上記改質バイオマス灰を含むセメント、あるいは改質バイオマス灰を混和材としてセメントに混合してコンクリート(モルタル、コンクリートまたはセメントペースト)を製造することができる。また、上記改質バイオマス灰は、セメントとともに水及び他の材料と混練し、その後養生するように使用してもよい。その場合、他の材料としては、特に限定されるものではなく、細骨材や、粗骨材や、水や、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等の各種混和剤や、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等の各種混和材等が挙げられる。
最後に、試験例を挙げて本発明について更に詳細に説明する。ただし、これらの試験例は本発明の範囲を限定するものではない。
以下の試験において使用したバイオマス灰の粒度、強熱減量を以下のようにして測定した。
(粒度)
エタノールに分散させたうえ1分間の超音波分散処理後の試料に対して、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製 MW3300EXII)を使用して測定した。
(強熱減量)
一度も水を噴霧されたことのない乾燥灰又は105℃で乾燥した灰を、750℃又は975℃にて恒量になるまで加熱して、強熱減量を求めた。
[試験例1]
木質バイオマス(間伐材)を燃料にして循環流動床炉による発電を実施しているバイオマス発電施設Aから飛灰(粒度:メジアン径D50(頻度)が45.3μm、乾燥灰、強熱減量:750℃における強熱減量2.3%)を入手して、これを水洗すること、ならびにその水洗の際のpH条件が成分組成にどのような影響を与えるか調べた。具体的に、以下の手順で試験を行った。
〔1.試験〕
(a)バイオマス灰100gと水道水400gをビーカーに投入し、スラリーにして、攪拌機にて400rpmで30分間攪拌した。
(b)pH調整して洗浄を行う場合には、上記スラリーに10wt%硫酸水溶液を加えることで所定のpHに調整後、30分間攪拌した。
(c)また、pH調整を硫酸水溶液に代えてCOガス(二酸化炭素100%)で行う場合には、pHメーターで液中pHを監視しながら流量を調整した。
(d)攪拌を停止後、ブフナーロートを使用して濾別し、得られた濾紙上のケーキには更に水道水400gを投入してスラリーを洗浄後、回収した。
(e)回収したケーキを自然乾燥後、重量を測定し、各種分析を行った。
表1には、各水洗条件の水準をまとめた。
Figure 2022044668000002
〔2.分析〕
・Clの定量:試料を硝酸分解処理した後、電位差滴定法により測定した。
・K,Naの定量:試料を酸分解処理した後、ICP発行分光分析法により測定した。
・Se,Cr6+の溶出試験:JIS K 0058-1「スラグ類の化学物質試験方法-第1部:溶出試験方法 5.利用有姿による試験」に準拠し検液を作成し、SeはICP質量分析法によって、Cr6+はジフェニルカルバジド吸光光度法によって測定した。
・C,Mg,Al,Si,P,S,Ca,Feの定量:40℃乾燥処理を施した試料を蛍光X線装置(FP法:ファンダメンタルパラメーター法)によって測定した。結果は、酸化物量換算で示した。
(1-1.灰組成定量及び溶出試験)
表2、3には、各水洗条件の水準とともに各定量試験または溶出試験の結果をまとめて示す。なお、水準1-1のスラリーのpHは12.7となった。
Figure 2022044668000003
Figure 2022044668000004
その結果、表2に示されるように、原灰を水洗することによりセメント忌避成分である塩素が有効に除かれ、セメントを水硬化した後の鉄筋等への腐食作用の虞がないと評価される許容基準0.035質量%以下を満たすことができた。これに対して、カリウムやナトリウムはほとんどが灰にとどまる傾向となった。これは、原灰が燃焼灰でありガラス相を含むため、これらの成分はそのガラス相に包埋された形態で存在しているためと考えられた。
一方、原灰に含まれる水溶性セレンや六価クロムも水洗により有効に除かれており、混合材として用いた場合の重金属類の溶出の虞も低減することが明らかとなった。
表3に示されるように、このバイオマス灰は、シリカやカルシウムが主要な構成元素であった。なかでもKO含有率は水洗後も4質量%以上であり、セメント強度を高めるためのポゾラン混和材として有用であることが明らかとなった。
また、水洗を、COガスを吹き込みながら行うとCO含有率が上昇し、硫酸を添加して行うとSO含有率が上昇することが明らかとなった。よって、これらのpH調整のための成分は、水洗の操作後にはその少なくとも一部が灰中に固定化されているものと考えられた。
(1-2.カルシウム形態の特定)
表4には、XRD法(X線回折法)により灰中のカルシウム成分の存在形態とその量を調べた結果を示す。
Figure 2022044668000005
その結果、表4に示されるように、原灰ではカルシウム成分の形態として、CaO(生石灰)、Ca(OH)(消石灰)、CaCO(炭酸カルシウム)、CaSO(石膏)の各Ca化合物の存在が確認された。これに対して、pH調整せずに水洗した水準1-1では、CaO(生石灰)の存在は消失し、Ca(OH)(消石灰)の存在の減少がみられた。また、COガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準1-2では、CaO(生石灰)とCa(OH)(消石灰)の存在が消失した。硫酸水溶液を添加しpH9の条件で水洗した水準1-3でも、同様に、CaO(生石灰)とCa(OH)(消石灰)の存在が消失した。一方、硫酸水溶液の添加によりpH7又は5に調整した水準1-4、1-5では、更にCaCO(炭酸カルシウム)の存在の減少もみられ、バイオマス灰中に含まれるCa化合物の形態がCaSO(石膏)へと収束する傾向が確認された。
(1-3.カルシウム成分の定量)
表5には、原灰ならびに水洗後の水準1-1及び水準1-2について、熱重量・示差熱同時測定(TG-DTA)により灰中の水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量を調べた結果を示す。
具体的には、水酸化カルシウム(Ca(OH))は、高温示差走査熱量計(NETZSCH社製DSC404F3)を使用して、窒素雰囲気中で試料約50mgを1000℃まで昇温速度10℃/分にて400℃付近の吸熱量を求め、標準試薬との重量減少との比率により求めた。また、炭酸カルシウム(CaCO)は、高温示差走査熱量計(NETZSCH社製TG-DTA2000SR)を使用して、窒素雰囲気中で試料約50mgを1000℃まで昇温速度20℃/分にて600℃~700℃付近の質量減少量を求め、標準試薬との重量減少との比率により求めた。
Figure 2022044668000006
その結果、表5に示されるように、上記表4に示したXRD法(X線回折法)による試験結果と同様の傾向が確認できた。すなわち、原灰ではカルシウム成分の形態として、Ca(OH)(消石灰)及びCaCO(炭酸カルシウム)の各Ca化合物の存在が確認された。また、pH調整せずに水洗した水準1-1では、原灰に比べてCa(OH)(消石灰)の量が顕著に減少した。これに対して、COガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準1-2では、Ca(OH)(消石灰)の量の減少が顕著であるとともにCaCO(炭酸カルシウム)の量が顕著に増加した。よって、原灰の水洗を、COガスを吹込みながら行うことにより、原灰に含まれるカルシウム成分が炭酸カルシウムの形態へと炭酸化されることが確認された。
(1-4.セメント試験)
上記に使用した原灰ならびに水洗後の水準1-1及び水準1-2について、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に従い、ブレーン比表面積を測定した。また、水準1-2を更に粉砕した試料を調製し、そのブレーン比表面積を測定した。
これら試料について、普通ポルトランドセメントに30質量%混合し、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に従い、28日圧縮強さを測定した。また、比較対照として炭酸カルシウム粉末(試薬)を用いて同様に試験した。
Figure 2022044668000007
その結果、表6に示されるように、pH調整せずに水洗した水準1-1では、原灰を用いた水準に比べて若干の強度の低下がみられた。これに対して、COガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準1-2では、炭酸カルシウム粉末を用いた水準と同等の強度が得られた。また、水準1-2を粉砕することにより、炭酸カルシウム粉末を用いた水準に比べて更に強度発現性に優れることが明らかとなった。
[試験例2]
木質ペレットおよびパーム椰子殻を燃料にしてストーカ炉による発電を実施しているバイオマス発電施設Bから焼却飛灰(粒度:メジアン径D50(頻度)が20.0μm、乾燥灰、強熱減量:750℃における強熱減量6.1%)を入手して、試験例1と同様の試験を行った。
表5には、各水洗条件の水準をまとめた。
Figure 2022044668000008
また、表8,9には、各水洗条件の水準とともに各定量試験の結果をまとめて示す。
Figure 2022044668000009
Figure 2022044668000010
その結果、表8に示されるように、原灰を水洗することによりセメント忌避成分である塩素が有効に除かれ、セメントを水硬化した後の鉄筋等への腐食作用の虞がないと評価される許容基準0.035質量%以下を満たすことができた。これに対して、カリウムはほとんどが灰にとどまる傾向となった。これは、原灰が燃焼灰でありガラス相を含むため、カリウムはそのガラス相に包埋された形態で存在しているためと考えられた。
表9に示されるように、このバイオマス灰は、シリカやカーボンが主要な構成元素であった。なかでもKO含有率は3質量%以上であり、セメント強度を高めるためのポゾラン混和材として有用であることが明らかとなった。
また、水洗を、硫酸を添加して行うとSO含有率が上昇することが明らかとなった。よって、pH調整のための硫酸成分は、水洗の操作後にはその少なくとも一部が灰中に固定化されているものと考えられた。
[試験例3]
木質バイオマス(間伐材)を燃料にして循環流動床炉による発電を実施しているバイオマス発電施設Cから飛灰(粒度:メジアン径D50(頻度)が47.2μm、乾燥灰、強熱減量:975℃における強熱減量4.17%)を入手して、試験例1と同様の試験を行った。
表10には、各水洗条件の水準をまとめた。なお、水準3-1及び水準3-2は入手した乾燥状態のまま使用した。水準3-3及び水準3-4は、一度水を散布された灰であり、外割で20質量%の水を加えた(含水率16.7質量%)のちに20℃で3日間保管し、105℃で乾燥し使用した。
Figure 2022044668000011
(3-1.灰組成定量)
表11,12には、各水洗条件の水準とともに各定量試験の結果をまとめて示す。なお、本試験例の化学成分は、蛍光X線装置(セメント原料(粘土)の検量線法)によって測定した。強熱減量は、975℃にて恒量になるまで加熱して求めた。
Figure 2022044668000012
Figure 2022044668000013
その結果、表11に示されるように、原灰を水洗することによりセメント忌避成分である塩素が有効にとり除かれ、セメントを水硬化した後の鉄筋等への腐食作用の虞がないと評価される許容基準0.035質量%以下を満たすことができた。なかでもCOガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準では、より塩素が有効にとり除かれていた。また、乾燥灰は一度水を散布された灰よりもより塩素が有効にとり除かれていた。
また、表12に示されるように、COガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準では、水準3-4よりも水準3-2のほうが、強熱減量が高かった。よって、一度水を散布されたことのない乾燥灰のほうが、COガスとより反応し、原灰に含まれるカルシウム成分が炭酸カルシウムの形態へと炭酸化されることが確認された。また、強熱減量は水準3-3よりも水準3-1のほうが高く、一度水を散布されることで水和物が生成したことが確認された。
(3-2.カルシウム成分の定量)
表13には、原灰ならびに水洗後の水準3-1及び水準3-2について、上述した熱重量・示差熱同時測定(TG-DTA)により灰中の水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量を調べた結果を示す。
Figure 2022044668000014
その結果、表13に示されるように、原灰ではカルシウム成分の形態として、Ca(OH)(消石灰)及びCaCO(炭酸カルシウム)の各Ca化合物の存在が確認された。また、pH調整せずに水洗した水準3-1では、原灰に比べてCa(OH)(消石灰)の量の若干の減少がみられた。これに対して、COガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準3-2では、Ca(OH)(消石灰)の量の減少が顕著であるとともにCaCO(炭酸カルシウム)の量が顕著に増加した。よって、原灰の水洗を、COガスを吹込みながら行うことにより、原灰に含まれるカルシウム成分が炭酸カルシウムの形態へと炭酸化されることが確認された。
(3-3.セメント試験)
上記に使用した原灰ならびに水準3-1及び水準3-2について、粉砕によりブレーン比表面積がおよそ5500cm/g程度になるよう調整したうえ、普通ポルトランドセメントに5質量%又は10質量%混合して、これら試料について凝結試験を行った。
凝結試験では、水セメント比は基材セメントの標準軟度水量(W/C=0.277)とした。練り混ぜたセメントペーストを深さ6mm程度の容器(本試験ではPE広口瓶100mLの内蓋を使用)に詰め、表面を平滑にしたものを各水準3つずつ用意した。供試体を養生する湿気箱内の温度は20±1℃とし、相対湿度は90%とした。終結時間の測定には、ビガー針装置に終結用標準針を取り付け、セメントペースト表面に徐々に降下させ、セメントペーストの表面に残る跡が、付属小片環による跡を残さないようになったときの時間を終結とし、セメントに注水したときから終結までの時間をもって終結時間とした。ただし、作製した3つの供試体のうち2つ以上の供試体で針による跡が付属小片環による跡を残さない場合となった時点で終結時間と判定した。また、比較として炭酸カルシウム粉末を用いて同様に試験した。また、比較対照として炭酸カルシウム粉末(試薬)を用いて同様に試験した。
Figure 2022044668000015
その結果、表14に示されるように、pH調整せずに水洗した水準3-1やCOガスを吹込みながらpH9の条件で水洗した水準3-2では、炭酸カルシウム粉末を用いた水準に比べてセメントの凝結が促進されていた。
1…粉体溶解槽、11…粉体供給装置、12…液体供給装置、13…酸溶液供給装置、14…廃液供給装置、15…スラリー攪拌装置、16…pH測定装置、2…固液分離装置、21…水洗浄装置、3…搬送装置、4…第1二酸化炭素含有ガス供給装置、5…第2二酸化炭素含有ガス供給装置、10…制御装置、30…筒型散気装置、31…ノズル、3…円筒管、32a…上端開口部、32b…下端開口部、A1…pH調整剤(酸溶液)、B1…廃液、C1…脱水物、M1…バイオマス灰、M2…改質バイオマス灰、S1…スラリー(水洗前)、S2…スラリー(水洗後)、W1、W2…水、W3…排水

Claims (14)

  1. セメントクリンカと混合されるセメント混合材又はコンクリート用混和材の用途に用いられるセメント原料組成物の製造方法であって、
    バイオマス灰に水を加えてスラリーにするスラリー化工程と、
    前記スラリーを水洗する水洗工程と、
    前記水洗を行った前記スラリーを脱水する脱水工程と、
    前記脱水工程後の脱水物を粉砕又は分級する工程を備え、
    前記脱水物として、
    O含有率が3~8質量%であり、
    SO含有率が0.5~8質量%であり、
    Cl濃度が0.035質量%以下であり、
    水酸化カルシウムの含有量が0.1質量%以下であり、
    炭酸カルシウムの含有量が8~20質量%である改質バイオマス灰を得、
    前記粉砕又は分級する工程により、前記改質バイオマス灰であってブレーン比表面積が4000~10000cm/gであるものを得る、セメント原料組成物の製造方法。
  2. 前記スラリーを酸性側にpH調整して水洗する、請求項1記載のセメント原料組成物の製造方法。
  3. 前記pH調整は、前記スラリーへの二酸化炭素含有ガスの吹込みによるものである、請求項2記載のセメント原料組成物の製造方法。
  4. 前記pH調整は、前記スラリーへの酸溶液の添加によるものである、請求項2又は3に記載のセメント原料組成物の製造方法。
  5. 前記pH調整は、前記スラリーをpH11以下にするものである、請求項2~4のいずれか1項に記載のセメント原料組成物の製造方法。
  6. 前記スラリーに、アミン系二酸化炭素回収装置で廃棄される廃液を、該スラリーの一部として混合して水洗する、請求項1~5のいずれか1項に記載のセメント原料組成物の製造方法。
  7. 前記脱水工程後の脱水物に二酸化炭素含有ガスを吹込む工程を更に備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のセメント原料組成物の製造方法。
  8. 前記バイオマス灰は、飛灰である、請求項1~7のいずれか1項に記載のセメント原料組成物の製造方法。
  9. 前記バイオマス灰は、乾燥灰である、請求項1~8のいずれか1項に記載のセメント原料組成物の製造方法。
  10. バイオマス灰の水洗物であって、
    O含有率が3~8質量%であり、
    SO含有率が0.5~8質量%であり、
    Cl濃度が0.035質量%以下であり、
    水酸化カルシウムの含有量が0.1質量%以下であり、
    炭酸カルシウムの含有量が8~20質量%である改質バイオマス灰を含有し、
    前記改質バイオマス灰はブレーン比表面積が4000~10000cm/gに調製されてなるものであり、
    セメントクリンカと混合されるセメント混合材又はコンクリート用混和材の用途に用いられるものであることを特徴とするセメント原料組成物。
  11. 前記改質バイオマス灰は、CaO含有率が10~40質量%である、請求項10に記載のセメント原料組成物。
  12. 前記改質バイオマス灰は、セレンの溶出量が0.01mg/L以下であり、六価クロム溶出量が0.1mg/L以下である、請求項10又は11に記載のセメント原料組成物。
  13. 前記バイオマス灰は、飛灰である、請求項10~12のいずれか1項に記載のセメント原料組成物。
  14. 前記バイオマス灰は、流動床式燃焼炉により生じる流動床飛灰である、請求項13記載のセメント原料組成物。
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