JP6977801B2 - 硫黄含有化合物及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法、並びに硫黄含有化合物の製造装置 - Google Patents

硫黄含有化合物及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法、並びに硫黄含有化合物の製造装置 Download PDF

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Description

本開示は、硫黄含有化合物及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法、並びに硫黄含有化合物の製造装置に関する。
セメントクリンカーは、石灰石、粘土、硅石、酸化鉄等を主原料として製造される。セメントクリンカーの製造では、これらの主原料の他に、各種産業副産物及び産業廃棄物等を原燃料として有効利用している。ところが、原材料の選択に応じて、セメントクリンカー中に、各種原燃料に由来するカドミウム、クロム、鉛等の重金属類が極少量混入することがある。
重金属類のうち、六価クロムは、他の重金属類とは異なり、クロム酸イオン(CrO 2−)等の安定なオキソ陰イオンの状態で存在し、高pH条件下であっても難溶性の水酸化物を形成しない。このため、セメント系地盤改良材を用いて地盤の固化処理を行う場合には、土質、添加量、及び強度発現性等、その使用条件によっては、六価クロムが溶出することが懸念される。セメント系固化材を用いた固化処理土からの六価クロムの溶出抑制方法については、多くの検討がなされている。例えば、特許文献1〜3では、セメントに亜硫酸塩等の還元材を添加することで固化処理土からの六価クロムの溶出を低減する方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。また、亜硫酸カルシウムのような硫黄系化合物を、亜硫酸ガスと消石灰、又は亜硫酸ナトリウムと消石灰とを液相で反応させて製造することが提案されている(特許文献4参照)。
特開2010−222795号公報 特開2016−121047号公報 特開2016−216548号公報 特開平7−215718号公報
市販されている亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩は高価であるため、市販品を用いるとセメント組成物やセメント系地盤改良材の製造原価が上がってしまう。そこで、本開示では、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物及びセメント組成物を低い製造コストで製造することが可能な硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造方法を提供する。また、低い製造コストで製造することが可能であり、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物及びセメント組成物を提供する。また、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することが可能な硫黄含有化合物の製造装置を提供する。
本開示の一側面に係るセメント組成物の製造方法は、硫黄含有廃棄物を加熱して亜硫酸ガスを得る加熱工程と、亜硫酸ガスと、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むアルカリ源と、を反応させて、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を得る反応工程と、を有する。
この製造方法では、硫黄含有廃棄物を用いて硫黄含有化合物を製造している。この硫黄含有化合物は亜硫酸塩を含むことから、六価クロムの溶出抑制に有効である。したがって、六価クロムの溶出抑制に有効な硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することができる。硫黄含有廃棄物としては、例えば、廃石膏ボード、脱硫スラッジ、及びスラグ等、石膏や硫化物等の硫黄を含む廃棄物・副産物が挙げられる。
上記加熱工程では、紙、廃プラスチック、炭素繊維、バイオマス、石炭及び石油からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む炭素源を、硫黄含有廃棄物とともに加熱することが好ましい。これによって、炭素源が硫黄含有廃棄物に含まれる酸素と反応し、硫黄含有廃棄物の分解を促進し、亜硫酸ガスや硫化水素を効率的に低い温度で生成することができる。
上記加熱工程では前記硫黄含有廃棄物100質量部とともに、10〜1000質量部の炭素源を加熱することが好ましい。これによって、亜硫酸ガスを好適な濃度で含むガスを円滑に得ることができる。
上記加熱工程の前に硫黄含有廃棄物を粉砕する粉砕工程を有し、硫黄含有廃棄物が、硫酸塩、硫化物及び硫黄からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これによって、亜硫酸ガスを好適な濃度で含むガスを円滑に得ることができる。
上記加熱工程では、亜硫酸ガスを100ppm〜5%の濃度で含むガスを得て、上記反応工程では、当該ガスをアルカリ源と接触させることが好ましい。これによって、硫黄含有化合物を円滑に生成することができる。
上記亜硫酸塩は、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、重亜硫酸カルシウム、重亜硫酸ナトリウム及び重亜硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これによって、六価クロムの溶出抑制に一層有効な硫黄含有化合物を製造することができる。
上記加熱工程では、硫黄含有廃棄物とともに、硫黄含有廃棄物とは異なる硫黄を含む硫黄源を加熱して反応させることが好ましい。これによって、硫黄が硫黄含有廃棄物に含まれる酸素と反応し、亜硫酸ガスを効率的に生成することができる。なお、加熱工程の前に硫黄を含む硫黄源を燃焼させる硫黄燃焼工程を有してもよい。この場合、硫黄燃焼工程からの高温の燃焼ガスを、加熱工程において硫黄含有廃棄物を分解するための熱源として利用してもよい。
上記加熱工程では、硫黄含有廃棄物とともに、ケイ酸塩化合物を含むケイ素源及び/又は酸化アルミニウムを含むアルミニウム源を加熱して反応させることが好ましい。これによって、加熱工程で硫黄含有廃棄物の中に含まれる石膏等に含有されるカルシウムが、カルシウムシリケート化合物やカルシウムアルミネートを生成し、硫黄含有廃棄物の分解が促進される。このような条件下で加熱することによって、低い温度領域で亜硫酸ガスを生成することが可能となり、硫黄含有化合物の製造コストを一層低減することができる。
上記加熱工程では、硫化物を含む灰分を得ることが好ましい。この硫化物を含む灰分は、気相中に含まれる亜硫酸ガスを反応させて生成した亜硫酸化合物とともに、例えばセメント製造の際の還元材として好適に用いることができる。加熱工程では、加熱ガス中の酸素濃度をできるだけ低くすることで、灰分の中に硫化物を生成させることができる。
アルカリ源がアルカリ金属化合物を含む場合、アルカリ金属化合物は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。また、アルカリ源がアルカリ土類金属化合物を含む場合、アルカリ土類金属化合物は、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、消石灰、酸化カルシウム、及び塩化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これによって、より安価に硫黄含有化合物を生成することができる。
アルカリ源として、セメントクリンカーの原料の粉砕時に発生する炭酸カルシウムを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部から抽出されるカルシウム化合物のダスト粒子、当該ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、セメント及びセメント水和物の少なくとも一方を含む汚泥、並びに加熱工程で発生する灰分からなる群より選ばれる少なくとも一種を利用することが好ましい。反応工程において、セメントクリンカーの製造設備における生成物(副生物)を用いることによって、より安価に硫黄系化合物を製造することが可能となる。
上記製造方法は、アルカリ源と水とを含む原料スラリーを調製するスラリー調製工程を有し、反応工程では、原料スラリーをアルカリ源として用いることが好ましい。原料スラリーを用いることによって、亜硫酸ガスとアルカリ源との反応を効率よく進行させることができる。また、反応工程で得られる硫黄含有化合物をスラリー状にして、セメント組成物の製造に好適に用いることができる。
原料スラリー中の固形分の割合は0.1〜90質量%であることが好ましい。これによって、原料スラリーの取り扱い性を良好に維持できる。
反応工程で発生する排ガスを、セメントクリンカー又はマグネシアクリンカーを製造するキルン内に吹き込む導入工程を有することが好ましい。反応工程からの排ガスには、微量の亜硫酸ガスや硫化水素を含む場合があるため、これらをセメントクリンカーの原料として利用することで、資源を有効活用することが可能となる。キルンへの吹き込みはキルン二次空気の中に入れてもよいし、サイクロンプレヒーターに吹き込んでもよい。
本発明の一側面に係る硫黄含有化合物の製造装置は、硫黄含有廃棄物を加熱して亜硫酸ガスを得る加熱部と、亜硫酸ガスと、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むアルカリ源と、を反応させて、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を得る反応部と、を備える。
この製造装置では、硫黄含有廃棄物を用いて硫黄含有化合物を製造する。この硫黄含有化合物は亜硫酸塩を含むことから、六価クロムの溶出抑制に有効である。したがって、六価クロムの溶出抑制に有効な硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することができる。
加熱部として、セメントクリンカー又はマグネシアクリンカーを製造するキルンを用いることが好ましい。硫黄含有化合物の製造装置の加熱部としてキルンを用いることによって、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することができる。
本開示の一側面に係る硫黄含有化合物は、上述のいずれかの製造方法によって得られる。この製造方法では硫黄含有廃棄物を用いていることから、六価クロムの溶出抑制に有効な亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することができる。
本開示の一側面に係るセメント組成物の製造方法は、上述のいずれかの製造方法で得られる硫黄含有化合物とセメントクリンカーとを用いてセメント組成物を得る工程を有する。この製造方法によれば、低い製造コストで六価クロムの溶出抑制に有効なセメント組成物を製造することができる。
本開示の別の側面に係るセメント組成物の製造方法は、上述のいずれかに記載の製造方法で得られる硫黄含有化合物及び上記加熱工程で得られる灰分の一方又は双方と、セメントクリンカーと、石膏と、を用いてセメント組成物を得る工程を有する。この製造方法によれば、低い製造コストで六価クロムの溶出抑制に有効なセメント組成物を製造することができる。
本開示の一側面に係るセメント組成物は、上述のどちらかの製造方法によって得られる。このセメント組成物は六価クロムの溶出抑制に有効であり、また、上述の硫黄含有化合物を用いて製造されるものであることから低い製造コストで製造することができる。
本開示によれば、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物及びセメント組成物を低い製造コストで製造すること可能な硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造方法を提供することができる。また、低い製造コストで製造することが可能であり、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物及びセメント組成物を提供することができる。また、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することが可能な硫黄含有化合物の製造装置を提供することができる。
図1は、熱力学平衡計算の結果を示す図である。図1(A)は、石膏1molの場合の熱力学平衡計算の結果である。図1(B)は、石膏1molに、炭素を0.4molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図1(C)は、石膏1molに、炭素を0.8molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。 熱力学平衡計算の結果を示す図である。図2(A)は、石膏1molに、硫黄を0.4molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図2(B)は、石膏1molに、硫黄を0.8molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図2(C)は、石膏1molに、硫黄を0.4mol及び炭素を0.4mol加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。 図3は、石膏1molに、硫黄を0.4mol、炭素を0.4mol、ケイ素を0.4mol及びアルミニウムを0.4mol加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。 図4は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置の一例を示す図である。 図5は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置の別の実施形態を示す図である。 図6は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置のさらに別の実施形態を示す図である。 図7は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置のさらに別の実施形態を示す図である。 図8は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置のさらに別の実施形態を示す図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。
本開示の一実施形態に係る硫黄含有化合物の製造方法は、硫黄含有廃棄物を加熱して亜硫酸ガスを得る加熱工程と、亜硫酸ガスと、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むアルカリ源と、を反応させて、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を得る反応工程と、を有する。
硫黄含有廃棄物としては、廃石膏ボード、廃タイヤ、脱硫スラグ、石膏、及びコークス類から選ばれる少なくとも一種を含むものが挙げられる。なお、本実施形態において、廃石膏ボードは、石膏ボードの表面に付着している紙分を含んでよい。
加熱工程では、硫黄含有廃棄物を、500〜1500℃、好ましくは700〜1400℃、より好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃に加熱して、亜硫酸ガスを発生させる。加熱雰囲気は、大気よりも低い酸素濃度を有する還元雰囲気であってよい。加熱雰囲気の酸素濃度は、例えば18体積%以下、好ましくは15体積%以下、さらに好ましくは10体積%以下、最も好ましくは5体積%以下である。このような条件で加熱することによって、効率よく亜硫酸ガスや硫化水素を発生させることができる。加熱工程で得られる亜硫酸ガスは、他の成分を含む排ガスに含まれた状態で得られてもよい。
加熱工程で得られる亜硫酸ガスの濃度は、好ましくは100ppm〜10%、より好ましくは500ppm〜5%、さらに好ましくは1000ppm〜2%である。亜硫酸ガスの濃度が100ppm未満であると硫黄含有化合物の生産量が少なくなり製造コストが高くなる傾向にある。一方、亜硫酸ガスの濃度が5%を超えると亜硫酸ガスとアルカリ源の反応効率が低くなる傾向にある。
硫黄含有廃棄物が石膏及び炭素を含む場合、加熱工程では例えば以下の反応式(1)で表される反応が進行する。SOの発生を促進するため、加熱工程では、硫黄含有化合物に炭素源を添加して加熱してもよい。炭素源は、紙、廃プラスチック、炭素繊維、バイオマス、石炭及び石油からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むものが挙げられる。
2CaSO+C→ 2CaO+2SO+CO (1)
図1は、熱力学平衡計算の結果を示す図である。図1(A)は、石膏1molの場合の熱力学平衡計算の結果である。図1(B)は、石膏1molに、炭素を0.4molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図1(C)は、石膏1molに、炭素を0.8molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図1に示すとおり、石膏を炭素とともに加熱することによって、そして、石膏に対する炭素の割合を増加することによって、石膏の分解が促進され、亜硫酸ガスの発生量を増加すること、又は加熱温度を低減することができる。このため、硫黄含有廃棄物が例えば廃石膏ボードのように石膏と紙のような炭素源とを含有すれば、亜硫酸ガスが円滑に発生する。また、硫黄含有廃棄物が炭素源を含まない場合、又は炭素源の含有量が少ない場合には、硫黄含有廃棄物を炭素源とともに加熱することが好ましい。
加熱工程では、硫黄含有廃棄物100質量部に対して、炭素源を、好ましくは10〜1000質量部、より好ましくは20〜500質量部、さらに好ましくは80〜200質量部の割合で配合して加熱してよい。炭素源の割合が10質量部未満であると十分に硫黄含有廃棄物が反応し難くなる傾向にある。一方、炭素源の割合が1000質量部を超えると過剰の炭素の燃焼により亜硫酸ガスの発生効率が低下する傾向にある。
加熱工程では、硫黄含有廃棄物を、硫黄を含む硫黄源とともに加熱することが好ましい。石膏を硫黄とともに加熱すると、加熱工程では例えば以下の反応式(2)で表される反応が進行する。
2CaSO+2S→ 2CaO+3SO (2)
また、硫黄を別の炉で燃焼させて、高濃度のSOを含み、酸素濃度の低い高温のガスを発生させ、そのガス温度を利用して石膏の分解を生じさせてもよい。このガスの温度は例えば800〜1500℃、好ましくは1000〜1500℃、より好ましくは1200〜1500℃である。
図2は、熱力学平衡計算の結果を示す図である。図2(A)は、石膏1molに、硫黄を0.4molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図2(B)は、石膏1molに、硫黄を0.8molを加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図1(A)、図2(A)及び図2(B)に示すとおり、石膏とともに硫黄を加熱することによって、そして、石膏に対する硫黄の割合を増加することによって、石膏の分解が促進され、亜硫酸ガスの発生量を増加すること、又は、加熱温度を低減することができる。
図2(C)は、石膏1molに、硫黄を0.4mol及び炭素を0.4mol加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図2(C)に示すとおり、硫黄と炭素の両方を、石膏とともに加熱することによって、石膏の分解が一層促進され、亜硫酸ガスの発生量を一層増加することができる。
加熱工程では、硫黄含有廃棄物を、炭素源及びケイ素源とともに加熱することが好ましい。硫酸カルシウムを炭素源及びケイ素源(ケイ酸塩化合物)とともに加熱すると、加熱工程では例えば以下の反応式(3)で表される反応が進行する。また、ケイ素源に加えてアルミニウム源(酸化アルミニウム等)も一緒に加熱してもよい。ケイ素源及びアルミニウム源としてはムライトやケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス等を含む廃棄物・副産物を用いてもよい。例えば、石炭灰、都市ごみ焼却灰、建設発生土、バイオマス灰などが利用できる。
2CaSO+C+ケイ素源(ケイ酸塩化合物)→
カルシウムシリケート系酸化物+2SO+CO (3)
加熱工程で生じる灰分は硫化物を含むことが好ましい。この硫化物を含む灰分は、セメント組成物を製造する粉砕工程に入れて、セメントクリンカーや石膏とともに粉砕することで、六価クロム溶出量を低減することが可能なセメント組成物を製造することができる。硫化物を含む灰分は、亜硫酸塩を含むスラリーに混合して粉砕工程で添加してもよい。
硫化物として含まれる、灰分中の硫黄の含有量(硫化物形態の硫黄の含有量)は、粉末X線回折測定で得られる回析パターンをリートベルト法により解析し、含まれる硫化物量の定量値から、以下の式で求めることができる。なお、複数種の硫化物が含まれる場合には、それぞれの硫化物形態の硫黄の含有量を求めた後、合算して求めることができる。
硫化物の含有量/硫化物の分子量×硫黄の分子量=硫化物形態の硫黄の含有量
硫化物形態の硫黄の含有量は、JIS R 5202「セメントの化学分析方法」の硫化物硫黄の定量方法に準拠して求めてもよい。
灰分中の硫化物形態の硫黄の含有量は、好ましくは0.1〜44質量%、より好ましくは1〜42質量%、さらに好ましくは5〜40質量%である。灰分中の硫化物形態の硫黄の含有量が0.1質量%未満であると十分に六価クロム溶出を低減することが難しくなる傾向にある。一方、灰分中の硫化物形態の硫黄の含有量が44質量%を超えると亜硫酸ガスの生産効率が悪くなり、硫黄含有化合物の製造コストが高くなる傾向にある。
図3は、石膏1molに、硫黄を0.4mol、炭素を0.4mol、ケイ素を0.4mol及びアルミニウムを0.4mol加えた場合の熱力学平衡計算の結果である。図3に示すとおり、硫黄、炭素、ケイ素及びアルミニウムを、石膏とともに加熱することによって、石膏の分解がより一層促進され、亜硫酸ガスの発生量を一層増加すること、又は、加熱温度を低減することができる。
図1〜図3は、硫黄含有廃棄物が石膏を含む場合の熱力学平衡計算の結果を示したが、これに限定されない。すなわち、硫黄含有廃棄物が石膏を含むことは必須ではなく、加熱工程で亜硫酸ガスを生じる硫黄含有廃棄物を適宜用いることが可能である。
反応工程では、例えば反応式(4)で示されるように、加熱工程で得られる亜硫酸ガスとアルカリ源とを反応させて、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を得る。なお、式(4)中、Mは、Na,K,Ca又はMgのいずれかを示す。
MO+SO → MSO (4)
アルカリ源は、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物のどちらか一方を含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。アルカリ源として用いられるアルカリ金属化合物は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいることが好ましい。これによって、反応工程において亜硫酸塩を十分に高い収率で発生させることができる。
アルカリ源として用いられるアルカリ土類金属化合物は、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、消石灰、酸化カルシウム、及び塩化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これによって、反応工程において亜硫酸塩を十分に高い収率で発生させることができる。
また、アルカリ源として、セメントクリンカーの原料の粉砕時に発生する炭酸カルシウムを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部から抽出されるカルシウム化合物のダスト粒子、当該ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、セメント及びセメント水和物の少なくとも一方を含む汚泥、並びに加熱工程で発生する灰分からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これによって、より安価に亜硫酸塩を生成させることができる。
反応工程で得られる硫黄含有化合物は亜硫酸塩(亜硫酸化合物)を含む。亜硫酸塩は、亜硫酸カルシウム(例えば半水和物)、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、重亜硫酸ナトリウム及び重亜硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムの複塩も上記亜硫酸塩に含まれる。これによって、六価クロムの溶出抑制に一層有効な硫黄含有化合物を製造することができる。硫黄含有化合物は、硫化カルシウム等の硫化物を含んでいてもよい。このような硫黄含有化合物は、例えばセメント製造の際の還元材として一層好適に用いることができる。
加熱工程で発生するガスに硫化水素が含まれる場合、反応工程では、亜硫酸塩に加えて硫化カルシウム、硫化ナトリウム、硫化マグネシウム等の塩も生成する。この場合、硫黄含有化合物は、亜硫酸塩に加えて硫化カルシウム、硫化ナトリウム、硫化マグネシウム等の塩を含む。
亜硫酸化合物はスラリー状であってよい(以下、「硫黄含有化合物スラリー」と称する。)。硫黄含有化合物スラリーにおける亜硫酸化合物(無水物換算)の含有量は、固形分全体に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
硫黄含有化合物スラリーは亜硫酸化合物以外の成分を含んでもよい。そのような成分として、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム及び硫酸カルシウム等が挙げられる。これらの成分の少なくとも一種を含んでよい。硫酸カルシウムは、二水和物(二水石膏)、半水和物(半水石膏)、及び無水物(無水石膏)のいずれを含んでもよい。
本実施形態の硫黄含有化合物の製造方法は、上述のアルカリ源と水とを混合して原料スラリーを調製する原料スラリー調製工程を有すること好ましい。この原料スラリーを加熱工程におけるアルカリ源として用いれば、亜硫酸ガスとアルカリ源との反応を効率よく進行させることができる。原料スラリーは、カルシウム化合物を含有することが好ましい。また、加熱工程で得られるCaOを含む灰分を含有してもよい。カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、並びに石灰(消石灰及び生石灰)等が挙げられる。カルシウム化合物も、加熱工程で生じるものを用いることができる。
原料スラリーは、無機粉末全体に対し、カルシウム化合物をCaOとして10〜98質量%含有することがより好ましい。原料スラリー中の固形分の割合は、ハンドリング性を良好にする観点から、0.1〜90質量%であることが好ましく、1〜85質量%であることがより好ましく、5〜80質量%であることがさらに好ましい。
原料スラリーは、セメントクリンカー製造工程で発生する無機化合物を回収して調製してもよい。このような無機化合物としては、クリンカー原料を粉砕する際に発生するCaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生したCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、並びに該ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子等が挙げられる。原料スラリーには、セメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥を配合して調製してもよい。汚泥としては、例えば、生コン工場で得られる生コンスラッジが挙げられる。
亜硫酸化合物は、上述のようはスラリー状でなくてもよい。変形例では、反応工程において、原料スラリーを亜硫酸ガス又はこれを含む排ガス中に噴霧して乾燥するスプレードライを行うことによって、粉状の亜硫酸化合物を得てもよい。また、別の変形例では、原料スラリー調製工程を行わずに、上述の原料スラリーに含まれる成分を固形(粉状)のまま、亜硫酸ガスと接触させて反応工程を行ってもよい。この場合、反応工程は、例えばアルカリ源、カルシウム化合物及び灰分等を固体粒子とする流動層を用いて行うことができる。この場合も、粉状の亜硫酸化合物を得ることができる。
反応工程で得られる排ガスを、セメントクリンカー又はマグネシアクリンカーを製造するキルン内に吹き込む導入工程を有することが好ましい。これによって、排ガスに含まれる微量な硫黄系ガスもクリンカーの原料に有効活用することができる。また、有害な排ガスの処理コストを低減することもできる。
本実施形態の硫黄含有化合物の製造方法は、加熱工程として、セメントクリンカーの製造を行ってもよい。セメントクリンカーの製造の際に発生する排ガスに含まれる亜硫酸ガスを原料スラリーと反応させて、硫黄含有化合物スラリーを得てもよい。この硫黄含有化合物スラリーとセメントクリンカーと配合してセメント組成物を得てもよい。この場合、本実施形態の製造方法は、セメント組成物の製造方法にも該当する。この製造方法によれば、大規模な新規設備の設置をしなくても六価クロムの溶出を低減できるセメント組成物を簡便に製造することができる。硫黄含有化合物スラリーは排ガスの脱硫にも寄与し、また、亜硫酸塩を乾燥させることなくスラリーのまま用いることから、脱硫及びセメント組成物の製造の一連のプロセスを簡素化することができる。また、セメント組成物の粉砕時における注水の代わりに硫黄含有化合物スラリーを使用できること、及びスラリー状であることから、亜硫酸化合物とセメントクリンカーとの混合性が良好となり、セメント組成物の製造工程の短縮及び設備の簡素化のみならず、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物の製造コストを大幅に削減できるという利点がある。
図4は、硫黄含有化合物及びセメント組成物を製造する製造装置の一実施形態を示す図である。製造装置100は、加熱部70、原料スラリー調製部34、及び反応部30を備える。加熱部70では、上述の説明内容に基づいて加熱工程を行うことができる。加熱部70では亜硫酸ガス又は亜硫酸ガスを含む排ガスが発生する(図では便宜的に「SO」と表示している。)。反応部30は例えばバブリング槽であり、上述の説明内容に基づいて反応工程を行うことができる。原料スラリー調製部34では、上述の説明内容に基づいて原料スラリー調製工程を行うことができる。
製造装置100は、反応部30の下流側に、スラリー濃度調整部36、配合部51、及びセメントミル52を備える。反応部30で得られた硫黄含有化合物スラリー(硫黄含有化合物)は、例えば以下に説明するように還元材としてセメント組成物の製造に用いてよい。なお、反応部30から排出される排ガスの少なくとも一部は、例えば加熱部70又は別のセメントキルンに導入してもよい。これによって、排ガスに亜硫酸ガスが含まれている場合に、亜硫酸ガスを有効活用することができる。
スラリー濃度調整部36では、スラリー濃度調整工程を行う。スラリー濃度調整部36は、乾燥、脱水又は加水によって、硫黄含有化合物スラリー中の固形分濃度を調整する。例えば、スラリー濃度調整部36は、脱水部及び乾燥部を有していてよい。脱水部で脱水された硫黄含有化合物スラリーと、乾燥部で乾燥して得られた固形分と、脱水されていない硫黄含有化合物スラリーとを配合して硫黄含有化合物スラリーの固形分濃度を調節してもよい。スラリー濃度調整後の硫黄含有化合物スラリー中の固形分濃度は、0.1〜95質量%であってよい。硫黄含有化合物スラリー中の固形分の割合は、好ましくは1〜70質量%であり、より好ましくは3〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜40質量%である。このような範囲であれば、硫黄含有化合物スラリーの取り扱い性を高水準に維持しつつ、硫黄含有化合物スラリーとセメント組成物との混合を十分に均一にすることができる。
硫黄含有化合物スラリーにおける固形分全体に対する亜硫酸塩の含有量(無水物換算)は、例えば5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上である。このようにしてスラリー濃度調整工程で得られる硫黄含有化合物スラリーを、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物として得てもよい。
配合部51では、スラリー濃度調整部36でスラリー濃度が調整された硫黄含有化合物スラリーとセメントクリンカーとを配合する配合工程を行う。得られるセメント組成物を100質量部としたときに、セメントクリンカーに、硫黄含有化合物スラリーを亜硫酸塩の無水物換算(又は亜硫酸カルシウムの無水物換算)で好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.15〜15質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部、特に好ましくは0.25〜5質量部配合する。これによって、得られるセメント組成物における亜硫酸塩の含有量を維持しつつ、配合物の粉砕を円滑に行うことができる。硫黄含有化合物スラリーが亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩を含む場合は、複塩における亜硫酸カルシウムが上述の質量割合で含有されてよい。
配合部51では、必要に応じて石膏を配合してもよい。配合される石膏は、二水石膏、半水石膏及び無水石膏のいずれの形態であってよい。各形態の石膏は単独で配合してもよく、複数種を組み合わせて配合してもよい。セメントクリンカー、硫黄含有化合物スラリー及び石膏の配合の順序は特に制限されず、これらのうちの2種を先に配合した後に残りの1種を配合してもよいし、3種を同時に配合してもよい。石膏の配合量は、セメントクリンカーに対して、SO換算で3〜10質量%程度としてよい。石膏は、硫黄含有化合物スラリーの一部を酸化及び脱水して調製したものであってよい。セメントクリンカー100質量部に対する石膏の配合比は、SO換算で1.5〜20質量部程度であってよい。
セメントミル52では、セメントクリンカー、硫黄含有化合物スラリー及び必要に応じて石膏を含む配合物を粉砕する粉砕工程を行う。セメントミル52は、ボールミルであってよいし竪型ミルであってもよい。このようにしてセメント組成物が得られる。すなわち、製造装置100は、セメント組成物の製造方法を行うセメント組成物の製造装置にも該当する。
このようにして得られるセメント組成物は、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を含有することから、六価クロムの溶出量を低減することができる。また、硫黄含有化合物は、硫黄含有廃棄物に由来するものであることから、セメント組成物を低い製造コストで製造することができる。なお、配合部51とセメントミル52を一体化して、配合と粉砕を同時に行ってもよい。この場合、セメントミル52には、セメントクリンカー、硫黄含有化合物スラリー、石膏、及び粉砕助剤等を導入し、粉砕しながら混合することでセメント組成物を製造する。
このようにして製造されるセメント組成物は、JIS R 5210「ポルトランドセメント」に規定のポルトランドセメントにすることができる。このようなポルトランドセメントとして、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等が挙げられる。更に、これらのポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカ質から選ばれる少なくとも1種を加えて混合セメントにしてもよい。
セメント組成物は亜硫酸塩を含むことから、セメント組成物における六価クロムの含有量を低減することができる。セメント組成物における亜硫酸塩の含有量は、例えば0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
セメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは2500〜6000cm/gであり、より好ましくは3000〜5000cm/gである。ブレーン比表面積が2500cm/g以上であれば、優れた強度発現性を達成しやすくなる。他方、ブレーン比表面積が6000cm/g以下であれば、コンクリート又は固化材スラリーとして使用したときの粘性を好適な範囲に制御しやすい。
セメント組成物に含まれる石膏の形態は、二水石膏又は無水石膏(II型)であることが好ましい。セメント組成物に含まれる石膏のうち、半水石膏の割合は二水石膏と無水石膏の合量に対して98質量%以下であってよく、0.1〜95質量%であることが好ましく、5〜85質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
加熱部70でカルシウム化合物(例えばCaO)を含む灰分が生じる場合は、原料スラリー調製部34に導入してよい。これによって、カルシウム化合物及び灰分の有効利用を図ることができる。加熱部70で硫化物(例えばCaS)を含む灰分が生じる場合は、例えば配合部51においてセメント組成物に添加してもよい。これによって、六価クロムの溶出を一層低減することが可能なセメント組成物を得ることができる。
図5は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置の別の実施形態を示す図である。図5の製造装置101は、反応部30Aがスプレードライによって粉状の硫黄含有化合物を得る点、及び、スラリー濃度調整部36を備えない点で、図4の製造装置100と異なっている。製造装置101のその他の構成は、図4の製造装置100と同様である。
反応部30Aでは、原料スラリー調製部34で調製された原料スラリーが、亜硫酸ガス中に噴霧して乾燥される。これによって粒子状の亜硫酸化合物が得られる。反応部30Aで得られた亜硫酸化合物は、配合部51に導入され、セメントクリンカー及び必要に応じて石膏と配合される。配合後、セメントミル52における粉砕工程によってセメント組成物が製造される。
図6は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置のさらに別の実施形態を示す図である。図6の製造装置102は、反応部30Bが流動層であり、アルカリ源、CaO及び灰分が、固形のまま、亜硫酸ガスと接触する点、原料スラリー調製部34を備えない点で、図5の製造装置101と異なっている。製造装置102のその他の構成は、図5の製造装置101と同様である。
製造装置102であれば、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を粉状で得ることができる。加熱部70でカルシウム化合物(例えばCaO)及び灰分等が生じる場合は、これらを反応部30Bに導入してよい。これによって、カルシウム化合物及び灰分の有効利用を図ることができる。アルカリ源も、粉状のまま反応部30Bに直接導入してよい。
図7は、硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造装置のさらに別の実施形態を示す図である。製造装置104は、加熱工程をそれぞれ行う2つの加熱部70,71を備える。加熱部71は、セメントクリンカー焼成部である。加熱部70は別のセメントクリンカー焼成部であってもよいし、セメントクリンカー焼成部とは異なる加熱部であってもよい。加熱部70及び加熱部71で加熱工程が行われる。
製造装置104は、硫黄含有原料及びクリンカー原料を焼成してセメントクリンカーを生産するセメントキルン部10、排ガスを抽気するバイパス部12及び1つ又は複数のサイクロンを有するプレヒータ部16を備える加熱部71と、加熱部71から排ガスに含まれる亜硫酸ガスを原料スラリーに吸収して、亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーを得る脱硫部60と、セメントクリンカーと硫黄含有化合物スラリーとを含む配合物を粉砕してセメント組成物を得る粉砕部50と、を備える。
プレヒータ部16は、原料とセメントキルン部10からの排ガスとを接触させて原料を予熱する。バイパス部12は、セメントキルン部10の窯尻10aとプレヒータ部16のボトムサイクロン(最下部にあるサイクロン)又は仮焼炉(不図示)との間から亜硫酸ガスを含む排ガスを抽気する。このバイパス部12は塩素バイパス部であってよい。セメントキルン部10で製造されたセメントクリンカーは、冷却部11において40〜220℃に冷却されて、サイロ18に導入される。
脱硫部60は、バイパス部12から抽気された排ガス及び窯尻10aから抜き出された排ガスを、例えば400℃以下、好ましくは100〜200℃に冷却して凝集する塩素化合物を含むダスト粒子を生成する冷却部17と、排ガスに含まれるダスト粒子の少なくとも一部を除去して、亜硫酸ガスを含む排ガスを得る集塵部19と、排ガスとカルシウム化合物を含む原料スラリーとを接触させて、亜硫酸化合物として亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーを得る反応部30と、原料スラリーを調製する原料スラリー調製部34を備える。反応部30及び原料スラリー調製部34において、反応工程及び原料スラリー調製工程が行われる。
セメントキルン部10では、石炭、及び石油コークス等が燃焼するとともに原料が反応して、亜硫酸ガスを含む排ガスが発生する。セメントキルン部10の窯尻10aとプレヒータ部16との間に、バイパス部12を構成する抽気管から抽気されたガスが排ガスとして回収される。このバイパス部12からの排ガス中の亜硫酸ガスの濃度は、体積基準(標準状態)で、例えば100〜5000ppm程度であってよい。なお、本開示における亜硫酸ガスの濃度は、特に断りがない限り、体積基準(標準状態)の濃度である。
排ガスは、窯尻10aから抜き出されてもよい。窯尻10aから抜き出される排ガスの温度は例えば700〜1200℃であり、亜硫酸ガスの濃度は500〜10000ppmであってよい。窯尻10aから抜き出された排ガスとバイパス部12からの排ガスは、合流して又は個別に、冷却部17に導入され、例えば100〜200℃程度に冷却される(冷却工程)。冷却部17における冷却は、排ガスに外気(空気)等を混ぜることによって行ってもよいし、冷却水又は空気等との熱を用いたクーラーによって行ってもよい。
排ガスを冷却することによって、排ガスに元々含まれるダスト粒子の表面に揮発性の塩素化合物等が凝集する。このようなダスト粒子の少なくとも一部は、集塵部19によって取り除かれる(集塵工程)。集塵部19は、例えばバグフィルタを有する。排ガスがダスト粒子を含んでいてもよい場合、排ガスは、集塵部19をバイパスして、反応部30に直接導入してもよい。
集塵部19で捕集されたダスト粒子は、水洗部31で水洗され塩分が低減される。水洗部31で塩分が低減された水洗ダスト粒子は、例えば、CaO及び/又はCa(OH)を含有する。この水洗ダスト粒子は、原料スラリー調製部34に導入されて排ガスの脱硫のみならず亜硫酸カルシウムの原料として有効活用される。なお、集塵部19で捕集されたダスト粒子は水洗されずに、そのまま原料スラリー調製部34に導入されてもよい。
集塵部19においてダスト粒子の少なくとも一部が取り除かれた排ガスは、反応部30に導入される。反応部30では、原料スラリーと亜硫酸ガスを含む排ガスとを接触させる。これによって、亜硫酸ガスが原料スラリーに取り込まれて、硫黄含有化合物スラリーを得ることができる。また、大気中への放出が規制される亜硫酸ガスの有効利用を図ることができる。このように反応部30は、排煙脱硫部としても機能する。なお、原料スラリーと排ガスの接触手段はバブリングに限定されるものではなく、原料スラリーをスプレー散布する方法(スプレードライ)であってもよい。
反応部30には、加熱部70からの亜硫酸ガス又はこれを含む排ガスも導入される。加熱部70からの亜硫酸ガス(排ガス)と集塵部19からの排ガスは、合流した後に反応部30に導入されてもよいし、個別に反応部30に導入されてもよい。加熱部70を備えることは必須ではなく、加熱部71で生成する亜硫酸ガスのみを用いて硫黄含有化合物スラリー及びセメント組成物を製造してもよい。
反応部30には、空気を導入してもよい。これによって、亜硫酸カルシウムの一部を酸化して硫酸カルシウムの二水和物を得てもよい。これによって、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムの二水和物とを含む硫黄含有化合物スラリーを得ることができる。このようにして得られる硫黄含有化合物スラリーは、セメント組成物の製造に用いてもよいし、他の用途に用いてもよい。セメント組成物の製造に用いる場合、硫黄含有化合物スラリーが硫酸カルシウムの二水和物を含有することによって、配合部51における石膏の配合量を低減又はなくすことができる。
反応部30には、原料スラリー調製部34から原料スラリーが連続的又は断続的に供給される。原料スラリー調製部34には、水及びクリンカー原料(例えば石灰石)を粉砕する粉砕部82で発生するCaCOを主成分とする微粒子粉末が供給される。原料スラリー調製部34には、この他に、加熱部70で発生するCaO及び灰分が供給されてもよい。また、原料スラリー調製部34には、上述のダスト粒子及び水洗ダスト粒子に加えて、セメント又はセメント水和物を含む汚泥が導入されてもよい。汚泥としては、例えば、生コン工場で得られる生コンスラッジが挙げられる。
反応部30で脱硫された排ガスは、冷却部11に導入されセメントクリンカーと熱交換する流路を流通して、セメントキルン部10に導入される。これによって、排ガスに残存する亜硫酸ガスを有効活用することができる。また、排ガスがNOxを含有する場合に、大気中へのNOxの放出を抑制することができる。導入経路はこれに限定されず、プレヒータ部又は仮焼炉等を介して、セメントキルンに導入してもよい。また、集塵部19においてダスト粒子が低減された排ガスの一部は、反応部30をバイパスし、冷却部11を経由する流路によってセメントキルン部10に導入されてもよい。
反応部30で調製された硫黄含有化合物スラリーの少なくとも一部は、スラリー濃度調整部36に導入される。反応部30で調製された硫黄含有化合物スラリーの別の一部は、酸化処理部42において酸化処理されてよい。酸化処理は例えば空気をバブリングすることによって行う。このようにして亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーから石膏を含む石膏スラリーが得られる。石膏スラリーは脱水部44で脱水されて石膏が得られる。このようにして得られた石膏は配合部51に導入される。
スラリー濃度調整部36における硫黄含有化合物スラリー中の固形分濃度は、セメントクリンカーの温度Tr、セメントミル52から導出されるセメント組成物の温度Tm、及びセメント組成物の強熱減量Igに基づいて上記濃度範囲に制御される。具体的には、セメントクリンカーの温度Tr、セメント組成物の温度Tm、及びセメント組成物の強熱減量Igのそれぞれの測定値が入力信号として制御部38に入力される。制御部38は、3つの入力信号のいずれかを選択し、スラリー濃度調整部36に、硫黄含有化合物スラリー中の固形分濃度の目標値に関する制御信号を出力する。制御部38は、複数の入力信号のうち、固形分濃度を最も多く調整する信号を選択してよい。スラリー濃度調整部36では、制御部38からの制御信号に基づいて、硫黄含有化合物スラリー中の固形分濃度を調整する。制御部38は、上述の3つの測定値と硫黄含有化合物スラリーの固形分濃度との関係を示すテーブルデータを有していてもよいし、相関式データを有していてもよい。
反応部30とスラリー濃度調整部36とを個別に設けることは必須ではない。変形例では、反応部30において硫黄含有化合物スラリーの固形分濃度の調整を行ってもよい。この場合、制御部38からの制御信号は反応部30に入力されてもよい。また、制御部38に入力される測定値は、セメントクリンカーの温度Tr、セメントミル52から導出されるセメント組成物の温度Tm、及びセメント組成物の強熱減量Igから選ばれるいずれか一つであってもよいし、二つであってもよい。
固形分濃度が調製された硫黄含有化合物スラリーと、サイロ18に貯留されていたセメントクリンカーは、粉砕部50における配合部51に導入される。セメントクリンカーは、一旦サイロ18に貯留された後に導入されてもよいし、冷却部11から直接導入されてもよい。配合部51に導入されるセメントクリンカーの温度Trは、例えば40〜220℃である。
配合部51では、必要に応じて石膏を配合してもよい。硫黄含有化合物スラリーは、亜硫酸カルシウムの半水和物、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、及び、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの亜硫酸化合物を含有することが好ましい。この場合、セメント組成物を100質量部としたときに、セメントクリンカーに、硫黄含有化合物スラリーを上記亜硫酸化合物の無水物換算(又は亜硫酸カルシウムの無水物換算)で好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.15〜15質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部、特に好ましくは0.25〜5質量部配合する。これによって、得られるセメント組成物における亜硫酸化合物の含有量を維持しつつ、配合物の粉砕を円滑に行うことができる。亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩を含む場合は、複塩における亜硫酸カルシウムが上述の質量割合で含有されてよい。セメントクリンカー100質量部に対する石膏の配合比は、SO換算で1.5〜20質量部程度であってよい。
セメントクリンカー、硫黄含有化合物スラリー及び必要に応じて石膏を含む配合物は、セメントミル52に導入される。セメントミル52は、ボールミルであってよいし竪型ミルであってもよい。セメントミル52は、粉砕時の摩擦熱により温度が上昇する傾向にある。セメントミル52内部の温度が過剰に上昇しないようにセメントミル52内に散水することが行われる。したがって硫黄含有化合物スラリーが適量の水分を含むことによって、セメントミル52内の過剰な温度上昇を抑制することができる。このため、亜硫酸化合物をスラリー状で配合することは、セメントミル52内への散水量の低減にも寄与する。
セメントミル52の出口におけるセメント組成物の温度Tmは、20℃〜180℃であってよく、好ましくは40℃〜150℃であり、より好ましくは50℃〜140℃であり、さらに好ましくは60〜95℃である。温度Tmが低くなり過ぎると、硫黄含有化合物スラリーの水分がセメント組成物と水和反応を起こす傾向がある。一方、温度Tmが高くなり過ぎると、亜硫酸カルシウムが酸化されて硫酸カルシウムに変化する傾向がある。すなわち、温度Tmを上述の温度範囲にすることによって、亜硫酸カルシウムの酸化を抑制しつつ、配合物の乾燥が十分な速度で進行する。また、セメントクリンカー、亜硫酸カルシウム及び石膏を十分均一に混合することができる。
このようにして得られる、六価クロムの溶出量を低減することが可能なセメント組成物は、サイロ54に収容される。セメント組成物の強熱減量Ig(ig.loss)は、例えば1.0〜8.0質量%であってよい。
集塵部19の下流側には、排ガスのSO濃度Sgを測定する測定器が設置されていてもよい。また、窯尻10aには、ダスト中のSO濃度Spを測定する測定器が設置されていてもよい。SO濃度Sgは、加熱部71に供給される原料の硫黄分を調整して500〜10000ppmに制御されてよい。原料の硫黄分の調整は、硫黄含有原料の供給量を変更して行ってもよいし、硫黄含有原料中の硫黄濃度を変更して行ってもよい。
本実施形態では、粉砕部50は、配合部51とセメントミル52を備えるが、これに限定されない。例えば、変形例では、セメントクリンカー、硫黄含有化合物スラリー及び必要に応じて配合される石膏は、セメントミル52に直接導入され、セメントミル52で配合及び粉砕を行ってもよい。また、セメントクリンカーと石膏を配合部51で配合し、配合部51からセメントミル52に得られた配合物を搬送するベルトコンベア上において、配合物に硫黄含有化合物スラリーを散布し、セメントミル52で粉砕を行ってもよい。
別の変形例では、セメントキルン部10から導出されるセメントクリンカーのクロム含有量に応じて、セメントクリンカーに対する硫黄含有化合物スラリーの配合比を調整する制御部を備えていてもよい。セメントクリンカーのクロム含有量は、所定の頻度でサイロ18からサンプリングして計測してもよいし、加熱部71に導入される原料に含まれるクロム含有量から計算で求めてもよい。
制御部は、上述のようにして求められるセメントクリンカーのクロム含有量の入力値に基づいて、セメントクリンカーに配合される硫黄含有化合物スラリーの量を算出する。制御部は、セメントクロム含有量と硫黄含有化合物スラリーの配合量の関係を示すテーブルデータを有していてもよいし、両者の相関式データを有していてもよい。制御部は、このようなデータを用いて硫黄含有化合物スラリーの配合量を算出する。制御部は算出結果に基づいて、例えば、硫黄含有化合物スラリーの流量を調節する流量調節弁の制御を行う。このようにして、セメントクリンカーに対する硫黄含有化合物スラリーの配合比を調整することができる。このような制御は、流動性を有するスラリーであるために簡便な設備で実施することができる。
本開示のセメント組成物の製造方法は、上述の製造装置100,101,102,104のいずれかを用いて行ってよい。一実施形態に係るセメント組成物の製造方法は、硫黄分を含む原料を焼成してセメントクリンカーを製造するセメントクリンカー製造工程と、亜硫酸ガス又はこれを含む排ガスを原料スラリーに吸収させて亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物(硫黄含有化合物スラリー)を得る反応工程と、セメントクリンカーと硫黄含有化合物(硫黄含有化合物スラリー)とを含む配合物を粉砕し、セメント組成物を得る粉砕工程を有する。
セメントクリンカー製造工程で得られるセメントクリンカーは、その種類に特に制限はなく、JIS R 5210:2003「ポルトランドセメント」に規定の各種ポルトランドセメントのいずれであってもよい。本実施形態のセメント組成物によれば、十分に六価クロムの溶出を抑制できる。セメントクリンカーの全クロム量は、例えば、20mg/kg〜250mg/kgであってもよく、80mg/kg〜200mg/kgであってもよく、100〜150mg/kgであってもよい。セメント協会標準試験方法JCAS I−53−2018記載の方法に準拠して測定されるセメントクリンカーの水溶性六価クロムの量は、例えば、3〜40mg/kgであってもよく、10〜40mg/kgであってもよく、20〜30mg/kgであってもよい。
一例として、粉砕工程では、セメントクリンカーと硫黄含有化合物スラリーと石膏を配合した後、これらを含む配合物を粉砕してセメント組成物を得てもよい。別の例として、粉砕工程では、セメントクリンカーと硫黄含有化合物スラリーと石膏の配合と粉砕を同時に行ってもよい。さらに別の例として、粉砕工程では、セメントクリンカーをある程度粉砕した後、硫黄含有化合物スラリーと石膏を配合し、得られた配合物をさらに粉砕してもよい。
セメントクリンカー製造工程で用いる原料としては、例えば、硫黄含有原料とクリンカー原料が挙げられる。ただし、硫黄含有原料を用いることは必須ではなく、燃料が硫黄を含有していてもよい。硫黄分を含む原燃料を用いてセメントクリンカーを製造するセメントクリンカー製造工程からは、亜硫酸ガスを含む排ガスが発生する。この排ガスを原料スラリーと接触させることで硫黄含有化合物スラリーを効率良く製造することができる。特に、セメントキルン部の窯尻から仮焼炉の間のガスには硫黄酸化物が多く含まれるため、この間の排ガスを利用すれば、亜硫酸塩を多く含む硫黄含有化合物スラリーを十分に高い効率で製造することができる。なお、本開示における「窯尻から仮焼炉の間」とは、窯尻、仮焼炉及びこれらの間を含む。
セメントキルン部の窯尻から仮焼炉にかけての排ガスを抽気する設備として塩素バイパス部が設置されている場合、塩素バイパス部からガスを抽気して排ガスを得てもよい。また、セメントキルンの窯尻から排ガスを抜き出して得てもよい。このような排ガスは高温(例えば700〜1200℃)であることから、排ガスを400℃以下に冷却する冷却工程を有してもよい。このような排ガスと原料スラリーとを接触させれば硫黄含有化合物スラリーを効率よく調製することができる。原料スラリーとして石灰を含むものを用い、石灰法によって硫黄含有化合物スラリーを得てもよい。
製造装置100,101,102,104は、上述のセメント組成物の製造方法の内容に基づいて使用してもよい。したがって、セメント組成物の製造方法で説明した内容はセメント組成物の製造装置にも適用することができる。また、製造装置100,101,102,104及びその変形例の説明内容は、上述の硫黄含有化合物の製造方法及びセメント組成物の製造方法にも適用することができる。本開示のセメント組成物の製造装置は、硫黄含有化合物スラリーの製造と、排ガスの脱硫を併せて行うことが可能であるうえに、スラリーの脱水設備等を設けたり、脱水後の固形物用の専用タンク、計量機、輸送設備を設けたりすることが必要ではなくなる。このため、設備の導入コスト及び運転コストを十分に低減することができる。ただし、本開示は、このような設備を備えるものを排除するものではない。
図8は、硫黄含有化合物及びセメント組成物を製造する製造装置のさらに別の実施形態を示す図である。この実施形態では、セメント組成物の製造装置105は、亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーを調製する反応部30に代えて、亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーを調製する第1反応部30C及び第1反応部30Cで調製された亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーとカルシウム化合物とを混合して亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーを調製する第2反応部32を備える点で、製造装置101と異なっている。その他の要素は、図7の製造装置104と同じであることから、製造装置104と異なる点を説明する。
第1反応部30Cでは、水酸化マグネシウムを含む水溶液に、亜硫酸ガスを含む排ガスが吸収される。これによって、亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーが得られる。亜硫酸マグネシウムは、亜硫酸カルシウムに比べて水に対する溶解度が高いため、第1反応部30Cにおける固形分の閉塞を抑制することができる。第1反応部30Cで調製された水溶液又はスラリーには、第1反応部30Cの下流側に設けられた第2反応部32において原料スラリー調製部34から原料スラリーが加えられる。原料スラリーは、例えば、クリンカー原料を粉砕するときに発生する、CaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生するCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、並びにセメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。これによって、第2反応部32では亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーを得ることができる。
第1反応部30Cは、排ガスが外部に放出されることを抑制するため、ある程度の気密性を維持する必要がある。このため、メンテナンス頻度を低くすることが好ましい。本実施形態では、亜硫酸塩の中で、亜硫酸カルシウムをよりも水に対する溶解度が高い亜硫酸マグネシウムをまず生成させ、その後、第2反応部32で亜硫酸カルシウムを含む硫黄含有化合物スラリーを調製している。したがって、亜硫酸カルシウムのスケーリングによる第1反応部30Cのメンテナンス頻度を低減し、プロセスの安定性を向上することができる。
本実施形態では、第1反応部30Cにおいて水酸化マグネシウムを用いたがこれに限定されず、亜硫酸カルシウムよりも水に対して高い溶解度を有する亜硫酸化合物を生成することが可能な塩を用いることができる。このような塩として、Ca及びMgとは異なるアルカリ土類金属又はアルカリ金属の塩を用いることが可能であり、例えば、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムが挙げられる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図7の製造装置104では、図4と同様の反応部30を備えているがこれに限定されない。例えば、反応部30に代えて、図5に示されるようなスプレードライ方式で粒状の硫黄含有化合物を得る反応部30Aを備えていてもよい。また、図6に示されるような流動層方式で粒状の硫黄含有化合物を得る反応部30Bを備えていてもよい。これらの場合、図7のスラリー濃度調整部36はなくてもよいし、粉状の硫黄含有化合物をスラリー化する硫黄含有化合物スラリー調製部に置換してもよい。
本開示の加熱工程について、いくつかの具体例を参照して以下に説明する。ただし、本開示は以下の実験例に限定されるものではない。
チューブ炉及びロータリーキルンを用いて、以下のとおり加熱工程を行い、生成物の評価を行った。
[チューブ炉による焼成]
以下の原材料を準備した。
(1)廃石膏ボード破砕品
(2)廃プラスチック(RPF)
廃石膏ボード破砕品100質量部に対して廃プラスチック(RPF)を150質量部配合して混合し原料を調製した。この原料10gを、アルミナ製の船形るつぼに入れ、チューブ炉(光洋サーモスシステム株式会社製:KTF434−S)を使用して、窒素ガス2L/minの流通雰囲気下、表1に示す温度で60分間加熱した。
XRD−リートベルト法によって、るつぼに残存した生成物(灰分)の組成分析を行った。組成分析には、X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、加速電圧:30kV、電流10mA、管球:Cu)を用いた。得られた粉末X線回折パターンのリートベルト解析を行い、石膏(CaSO)、硫化カルシウム(CaS)、酸化カルシウム(CaO)及び石英(SiO)の量を測定した。リートベルト解析には、解析ソフトウェア(ブルカー・エイエックス株式会社製、Topas)を用いた。
XRD−リートベルト法によって求めた組成分析の結果は表1に示すとおりであった。硫化物形態の硫黄、すなわち硫化物として含まれる硫黄の含有量を、XRD−リートベルト法で測定したCaS量を用いて、以下の式で求めた。結果は表1に示すとおりであった。
[CaSの含有量]/[CaSの分子量:72]×[Sの分子量:32]=[硫化物形態の硫黄の含有量]
Figure 0006977801
実験例1〜3に示すとおり、いずれも石膏が反応し、CaS又はCaOが生成した。CaOはCaSOが上述の反応式(1)で反応し、亜硫酸ガスが生成した後の残留物である。反応の際に発生したガス中には、亜硫酸ガスが含まれていた。また、表1の結果から、加熱温度が高くなるほど石膏の分解が進む傾向があることが確認された。
[ロータリーキルンによる焼成]
以下の原材料を準備した。
(1)廃石膏ボード破砕品
(2)おが屑(集成材)
廃石膏ボード破砕品100質量部に対して、おが屑を表2に示す割合で配合して混合したものを原料とした。スクリューフィーダーを用いて、原料をロータリーキルン炉(中央化工機株式会社製)に投入し、空気30L/minの流通雰囲気下で、950℃で加熱した。ロータリーキルンの回転数は3rpm、傾斜角は5%とした。加熱後の生成物を、実験例1〜3と同じ方法で組成分析して、各成分の含有量と、硫化物形態の硫黄の含有量を求めた。
Figure 0006977801
実験例4〜6についても、いずれも石膏(CaSO)が反応し、CaS又はCaOが生成し、おが屑の配合割合が高くなるほど石膏の反応が進む傾向がみられた。なお、おが屑が無添加の実験例7の場合、上述の焼成条件では石膏は反応しなかった。なお、CaOはCaSOが上述の反応式(1)で反応し、亜硫酸ガスが生成した後の残留物である。実験例4〜実験例6では、亜硫酸ガスの濃度が5000ppmであるガスを得ることができた。
本開示によれば、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物及びセメント組成物を低コストで製造できる硫黄含有化合物及びセメント組成物の製造方法が提供される。また、低い製造コストで製造することが可能であり、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物及びセメント組成物が提供される。また、六価クロムの溶出低減に有効な硫黄含有化合物を低い製造コストで製造することが可能な硫黄含有化合物の製造装置が提供される。
10…セメントキルン部、10a…窯尻、11…冷却部、12…バイパス部、16…プレヒータ部、17…冷却部、18…サイロ、19…集塵部、30,30A,30B…反応部、30C…第1反応部、31…水洗部、32…第2反応部、34…原料スラリー調製部、36…スラリー濃度調整部、38…制御部、42…酸化処理部、44…脱水部、50…粉砕部、51…配合部、52…セメントミル、54…サイロ、60…脱硫部、70,71…加熱部、82…粉砕部、100,101,102,104,105…製造装置。

Claims (18)

  1. 硫黄含有廃棄物を加熱して亜硫酸ガスと硫化物を含む灰分とを得る加熱工程と、
    前記亜硫酸ガスと、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むアルカリ源と、を反応させて、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を得る反応工程と、を有し、
    前記硫化物として含まれる、前記灰分の硫黄の含有量が1〜44質量%である、硫黄含有化合物の製造方法。
  2. 前記反応工程において前記亜硫酸ガスと前記アルカリ源を含む原料スラリーとを反応させて得られた前記亜硫酸塩を含むスラリーと、前記硫化物を含む前記灰分と、を混合して、前記亜硫酸塩と前記灰分とを含むスラリー状の硫黄含有化合物を得る工程を有する、請求項1に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  3. 前記硫化物として含まれる、前記灰分の硫黄の含有量が5〜40質量%である、請求項1又は2に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  4. 前記加熱工程では、紙、廃プラスチック、炭素繊維、バイオマス、石炭及び石油からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む炭素源を、前記硫黄含有廃棄物とともに加熱する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  5. 前記加熱工程の前に前記硫黄含有廃棄物を粉砕する廃棄物粉砕工程を有し、
    前記硫黄含有廃棄物が、硫酸塩、硫化物及び硫黄からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  6. 前記加熱工程は、廃石膏ボード、廃タイヤ、脱硫スラグ、石膏、及びコークス類からなる群より選ばれる少なくとも一種である前記硫黄含有廃棄物100質量部とともに、紙、廃プラスチック、炭素繊維、バイオマス、石炭及び石油からなる群より選ばれる少なくとも一種である炭素源10〜1000質量部を加熱する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  7. 前記加熱工程では、前記亜硫酸ガスを100ppm〜5%の濃度で含むガスを得て、
    前記反応工程では、前記ガスを前記アルカリ源と接触させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  8. 前記亜硫酸塩が、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、重亜硫酸カルシウム、重亜硫酸ナトリウム及び重亜硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜7のいずれか一項に硫黄含有化合物の製造方法。
  9. 前記加熱工程では、前記硫黄含有廃棄物とともに、硫黄を加熱する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  10. 前記加熱工程では、前記硫黄含有廃棄物とともに、ケイ酸塩化合物を含むケイ素源及び/又は酸化アルミニウムを含むアルミニウム源を加熱して反応させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  11. 前記アルカリ源が前記アルカリ金属化合物を含む場合、
    前記アルカリ金属化合物は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、
    クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、
    前記アルカリ源が前記アルカリ土類金属化合物を含む場合、
    前記アルカリ土類金属化合物は、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、消石灰、酸化カルシウム、及び塩化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  12. 前記アルカリ源として、セメントクリンカーの原料の粉砕時に発生する炭酸カルシウムを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部から抽出されるカルシウム化合物のダスト粒子、当該ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、セメント及びセメント水和物の少なくとも一方を含む汚泥、並びに前記加熱工程で発生する灰分からなる群より選ばれる少なくとも一種を利用する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  13. 前記アルカリ源と水とを含む原料スラリーを調製するスラリー調製工程を有し、
    前記反応工程では、前記原料スラリーを前記アルカリ源として用いる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  14. 前記原料スラリー中の固形分の割合が0.1〜90質量%である、請求項13に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  15. 前記反応工程で発生する排ガスを、セメントクリンカー又はマグネシアクリンカーを製造するキルン内に吹き込む導入工程を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の硫黄含有化合物の製造方法。
  16. 硫黄含有廃棄物を加熱して亜硫酸ガスと硫化物を含む灰分とを得る加熱部と、
    前記亜硫酸ガスと、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むアルカリ源と、を反応させて、亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物を得る反応部と、を備え、
    前記硫化物として含まれる、前記灰分の硫黄の含有量が1〜44質量%である、硫黄含有化合物の製造装置。
  17. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造方法で得られる、前記亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物及び前記硫化物を含む前記灰分と、セメントクリンカーと、を用いてセメント組成物を得る工程を有する、セメント組成物の製造方法。
  18. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造方法で得られる、前記亜硫酸塩を含む硫黄含有化合物及び前記硫化物を含む前記灰分と、セメントクリンカーと、石膏と、を用いてセメント組成物を得る工程を有する、セメント組成物の製造方法。
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