JP2018058717A - 焼却灰粒子、有機ケイ素素材、研磨剤、及び有機ケイ素素材の製造方法 - Google Patents

焼却灰粒子、有機ケイ素素材、研磨剤、及び有機ケイ素素材の製造方法 Download PDF

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富田 康弘
Yasuhiro Tomita
康弘 富田
山本 誠
Makoto Yamamoto
山本  誠
訓久 深谷
Kunihisa Fukaya
訓久 深谷
準哲 崔
Juntetsu Sai
準哲 崔
▲祥▼ 片岡
Sho Kataoka
▲祥▼ 片岡
佐藤 一彦
Kazuhiko Sato
一彦 佐藤
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Abstract

【課題】各種素材として有効活用可能な焼却灰粒子を提供する。【解決手段】焼却灰粒子は、循環型流動層ボイラーにより燃焼された木質バイオマスの焼却灰から選別される。この焼却灰粒子は、燃焼時に添加された流動砂由来のケイ素を中心として、表面がカルシウムを含む物質で被覆された構造を有する。また、粒径が125〜500μmであるものが選別される。硫黄の含有量は、1.2重量%以下である。この焼却灰粒子は、有機ケイ素素材として、例えば、研磨剤の原料等に使用可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、循環型流動層ボイラーにより燃焼された木質バイオマスの焼却灰粒子、有機ケイ素素材、研磨剤、及び有機ケイ素素材の製造方法に関する。
従来から、効率的な燃焼を行う循環型流動層ボイラーが実用化されてきた。たとえば、特許文献1には、ボイラーの排ガス中の窒素酸化物、特に亜酸化窒素を低減する循環型流動層ボイラーが記載されている。
ここで、近年、CO2排出削減のための再生可能エネルギー利用の拡大に伴い、木チップ、建設廃材チップ、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)等のバイオマス燃料を燃焼させる循環型流動層ボイラーのニーズが高まっている。
これらのバイオマス燃料を循環型流動層ボイラーで燃焼させて発電することで、CO2排出削減に加え、化石燃料に比べて発熱量当たりの燃料単価が安くなり、プラント全体の経済性を大幅に向上させることが可能となる。
特開平5−52316号公報
しかしながら、従来、循環型流動層ボイラーでバイオマス燃料を燃焼させた場合、大量の灰が発生していた。再生可能エネルギーの利用の拡大に伴い、発電所の建設数も増え、灰の発生量も増えることが見込まれる。
この灰は、従来、セメント原料や土壌改良剤として少量使用されていたが、処理コスト、搬送コスト、製造コスト等がかかるため、あまり有効活用されていなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、循環型流動層ボイラーにより燃焼された焼却灰を有効活用する技術を提供し、上述の問題を解消することを目的とする。
本発明の焼却灰粒子は、循環型流動層ボイラーにより燃焼された木質バイオマスの焼却灰から選別され、燃焼時に添加された流動砂由来のケイ素を中心として、表面がカルシウムを含む物質で被覆された構造を有することを特徴とする。
本発明の焼却灰粒子は、粒径が125〜500μm、望ましくは250〜500μmであることを特徴とする。
本発明の焼却灰粒子は、硫黄の含有量が1.2重量%以下であることを特徴とする。
本発明の有機ケイ素素材は、前記焼却灰粒子を含むことを特徴とする。
本発明の研磨剤は、前記有機ケイ素素材を含むことを特徴とする。
本発明の有機ケイ素素材の製造方法は、循環型流動層ボイラーにより木質バイオマスを燃焼させ、生じた焼却灰から、粒径が125〜500μm、望ましくは250〜500μmの焼却灰粒子を選別して取得し、前記焼却灰粒子は、添加された流動砂由来のケイ素を中心として、表面がカルシウムを含む物質で被覆された構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、循環型流動層ボイラーにより燃焼された木質バイオマスの焼却灰であって、燃焼時に添加された流動砂由来のケイ素を中心として、表面がカルシウムを含む物質で被覆された構造を有するものを選別することで、従来にない用途に有効活用可能な焼却灰粒子を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る循環型流動層ボイラーのシステム構成図である。 本発明の実施の形態に係る焼却灰の選別の概念図である。 本発明の実施例に係る焼却灰の成分を示す表図である。 本発明の実施例に係る焼却灰の粒径分布を示す表図及びグラフである。 本発明の実施例に係る焼却灰及び比較例の外観を示す写真である。 本発明の実施例に係る焼却灰及び比較例の断面の光学顕微鏡写真である。 本発明の実施例に係る焼却灰及び比較例の断面の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例に係る焼却灰及び比較例の面分析の写真である。
<実施の形態>
〔循環型流動層ボイラーXの構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る循環型流動層ボイラーXの構成と焼却灰の取得の概略について説明する。
循環型流動層ボイラーXは、バイオマス燃料を燃焼させるMSFB(Multi−Solid Fluidized Bed)ボイラーである。図1において、各部を接続する矢印として、一点鎖線は水及び水蒸気の流れ、二点鎖線は空気の流れ、点線は砂及び灰を含む固形成分の流れを示している。
具体的に、循環型流動層ボイラーXによる燃焼と灰の取得の流れについて説明する。
燃料バンカー1は、木チップやRPF等のバイオマス燃料が蓄えられている。燃料バンカー1から供給されたバイオマス燃料は、まず、デンスベッド域Dに投入される。
デンスベッド域Dでは、砂とバイオマス燃料とが、PAファン12から投入され予熱された一次空気により下から吹き上げられて流動され、混合が促進されて燃焼される。この燃焼したガスと固形分が、コンバスター2へ送られる。
コンバスター2は、空気によって吹き上げられた高温のガスと砂の熱により、蒸気ドラム10から供給される水を加熱させる。
サイクロン3は、コンバスター2から送られてきた高温ガスと砂とを分離させる。また、サイクロン3から対流伝熱部5への連結部(出口)では、図示しない尿素水溶液が還元剤として投入されて、NOxを窒素と水蒸気とに分解させる。
EHE4は、外部熱交換器(External Heat Exchanger)であり、サイクロン3から送られてきた砂を含む熱いガスにより、蒸気ドラム10からの水及び水蒸気を過熱される。また、EHE4内には、図示しない砂バンカーから、例えば、川砂7号等の珪砂が流動砂として添加、投入される。また、EHE4内には、炉内脱硫用に石灰石粒が、図示しないバンカーにより投入される。また、EHE4の底部(ボトム)には、EHEファン14から流動化空気が供給されて、サイクロン3の効率を変化させ、灰を含む粒径の比較的小さな粒子のEHE4内の付着を防止させ、対流伝熱部5側にブローアップさせる。また、EHE4内で蒸気ドラム10からの水を蒸発器により蒸発させることで、流動砂の温度が低下される。この温度が低下した流動砂は、「リフトサイクル」として搬送され、PAファン12の空気によりコンバスター2内に直接吹き上げられる。また、この温度が低下した流動砂のうち、「リフトサイクル」として搬送される以外のものは、定期的に、後述する集塵器7の燃焼灰と合わせて灰16として処分される。また、サイクロン3から投入された高温を保ったままの流動砂は、「ホットリサイクル」として、デンスベッド域D内に投入される。また、EHE4で三次SHにより水蒸気を暖めて温度が少し低下した比較的温度の低い流動砂は、「コールドリサイクル」として、デンスベッド域D内に投入される。これらの温度の異なる流動砂を循環させることで、コンバスター2内の温度をコントロールすることが可能である。また、EHE4内に石灰石粒子を供給することで、SOxを削減する脱硫を行う。
また、流動砂は、デンスベッド域D、コンバスター2、サイクロン3、及びEHE4の間を循環されることで、後述するように、バイオマス燃料の灰や石灰由来の物質が層状に付着する。
対流伝熱部5は、サイクロン3で砂が分離された後の高温の燃焼ガスにより、蒸気ドラム10からの水蒸気を二次SH(過熱器)暖め、ボイラー給水ポンプ9から供給される水を節炭器で暖め、蒸気ドラム10からの水蒸気を一次SH(過熱器)で、それぞれ暖める。また、対流伝熱部5は、水及び水蒸気を暖めた後に、SAファン11からの二次空気を空気予熱器で暖め、更にPAファン12からの一次空気を空気予熱器で暖める。また、対流伝熱部5のPAファン12からの一次空気の空気予熱器付近にて、消石灰を粉体噴射し、反応物を下記の集塵器7のバグフィルターで捕集させることで、燃焼ガスからの脱塩を行うことが可能である。
灰バンカー6は、対流伝熱部5にて、重力により自然沈降して捕獲された燃焼灰粒子である灰15を蓄積させる。灰15は、比較的粒子径が大きく(重く)、シリカ(ケイ素、Si成分)を多く含んでおり、硫黄の含有量が比較的少ない。また、この灰15は、後述するように粒子径により選別されて、本実施形態の鉱物原料20(図2)として取得される。
集塵器7は、細かい灰16を取得するためのバグフィルター等の分離装置である。集塵器7は、灰バンカー6で捕獲されなかった細かい燃焼灰粒子である灰16を取得する。上述したように、灰16は、灰15よりシリカが少なく、消石灰との反応物や硫黄を多く含んでいる。灰16は、本実施形態の鉱物原料20(図2)としては使用されず、別途、処理される。
煙突8は、集塵器7で灰16が分離され、IDファン(図示せず)等で吸い出された排気ガスを排出させる煙突である。煙突8から排出される排気ガスには、ほぼ水蒸気及び二酸化炭素以外は含まれないため、環境を汚染しない。
ボイラー給水ポンプ9は、循環型流動層ボイラーX内部で加熱される水を供給するポンプである。この水は、上述したように、対流伝熱部5内部の節炭器で暖められた上で、蒸気ドラム10へ供給される。なお、ボイラー給水ポンプ9は、図示しないものの、一次SH及び二次SHにも水を供給して、水蒸気の温度を調整させる。
蒸気ドラム10は、ボイラー給水ポンプ9から供給された水を蓄積し、EHE4内で蒸発器により蒸発させて水蒸気にさせる。この水蒸気は、一次SH、二次SH、三次SHで加熱されて、主蒸気として図示しないタービンに送られる。タービンを回転させた後の水蒸気は、図示しない復水器で水に戻されて、ボイラー給水ポンプ9へ再び供給される。
SAファン11は、上述の二次空気を供給するファンである。SAファン11で供給される二次空気は、対流伝熱部5の空気予熱器で暖められた後、コンバスター2へ供給される。
PAファン12は、上述の一次空気を供給するファンである。PAファン12で供給される一次空気は、対流伝熱部5の空気予熱器で暖められた後、起動用熱風炉13を介してコンバスター2下部のデンスベッド域Dから吹き上げられる。また。一次空気の一部は、リフト空気として、EHE4からの「リフトサイクル」の流動砂をコンバスター2で吹き上げるために用いられる。
起動用熱風炉13は、PAファン12からの一次空気の温度調整をするヒーターである。起動用熱風炉13は、例えば、燃焼を始動させるために一次空気を暖める。
EHEファン14は、EHE4の下部から吹き上げるEHE空気を供給するファンである。このEHE空気により、上述のように流動砂を攪拌し、灰の付着を防ぐ。
〔鉱物原料20の構成〕
また、図2を参照して説明すると、灰バンカー6から取得された灰15は、フォークリフト等で運ばれて載置される。
コンベヤ17は、載置された灰15を、振動ふるい18へ搬送させる。
振動ふるい18は、搬送された灰15から、特定の粒子径のものを選別して取得する振動ふるい等である。後述するように、本実施形態では、振動ふるい18により、粒径で125〜500μm、望ましくは250〜500μmの燃焼灰粒子が鉱物原料20として取得される。この鉱物原料20は、下記で説明するような特徴的な構造を備えている。また、それ以外の粒径の燃焼灰粒子は、廃棄処理灰19として別途、処理される。
このようにして取得された本実施形態の焼却灰粒子である鉱物原料20は、循環型流動層ボイラーXで燃焼時に添加された流動砂由来のSiを中心として、表面がカルシウム(Ca)を含む物質で被覆された構造を有することを特徴としている。
上述したように、循環型流動層ボイラーXでは、流動砂がデンスベッド域D、コンバスター2、サイクロン3、及びEHE4の間を循環されることで、バイオマス燃料由来の灰が付着した層構造を有する燃焼灰粒子が生成されている。本実施形態では、この燃焼灰粒子を、対流伝熱部5にて、集塵器7に送られるものより粒径の大きく重い灰15を取得して、振動ふるい18で粒径を選別することで、本実施形態の鉱物原料20として取得することが可能となる。
また、本実施形態の鉱物原料20は、粒径で125〜500μm、望ましくは250〜500μmのものが選別されたことを特徴とする。
また、鉱物原料20は、硫黄の含有量が1.2重量%以下であることを特徴としている。
具体的には、灰バンカー5で取得した灰15を粒径により選別することで、他にない上述のようなユニークな層構造を備えた、鉱物原料20として取得することが可能である。粒径125μm未満又は500μmより大きいと、後述する実施例で示すように、シリカの含有量が少なくなり、CaOやNa2Oの比率が高くなる。また、粒径125μm未満又は500μmより大きいと、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)等の重金属の含有量が多くなるため好ましくない。言い換えると、上述の灰15から粒径で125〜500μm、望ましくは250〜500μmのものを選別することで、本実施形態の鉱物原料20は、例えば、塩素含有量は500ppm以下、鉛は60ppm以下にすることが可能である。
また、鉱物原料20は、硫黄の含有量が1.2重量%以下であることで、下記で示すような有機ケイ素素材として使用しやすくなる。
また、本実施形態の鉱物原料20は、有機ケイ素素材として使用可能である。
すなわち、鉱物原料20は、元々の流動砂由来のシリカが燃焼時に巡回されて角が取れた粒子状となり、更に、木質バイオマスに含まれる有機炭素を含むカルシウム層が付着されるというユニークな層構造の有機ケイ素である。このため、鉱物原料20は、有機ケイ素を化学メーカーの素材原料として各種の製品等に混入したり、加工用の原材料として使用したりすることが可能である。
より具体的には、例えば、鉱物原料20は、クレンザー等の研磨材の鉱物原料の代替として使用可能である。鉱物原料20は、粒が丸く粒径が比較的揃っており、重金属や塩素分、硫黄分等が少ないために、良好な研磨剤として用いることが可能である。
また、鉱物原料20は、次世代エコタイヤ等のようにゴムや各種プラスチックへの添加剤として用いることも可能である。
また、鉱物原料20は、珪藻土の代替の建築材料として、保温材や耐火材等にも用いることが可能である。
また、鉱物原料20は、農薬等を含む各種化学物質のキャリアー(担体)として使用することも可能である。
また、鉱物原料20は、メタノール等と反応させてテトラエトキシシラン等を有機ケイ素素材として生成させることも可能である。すなわち、分子内にSi−C結合を備えたシリコーン樹脂等の有機ケイ素素材の原料として用いることも可能である。
このテトラエトキシシランは、自動車用部材、太陽光発電用部材、化粧品、家電製品、宇宙航空用材料、シーリング材等の各種用途に好適に用いることができる。
次に図面に基づき本発明を実施例によりさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(灰15の成分、粒径の分析)
図3、図4によると、本発明者らは、上述の実施形態で説明した循環型流動層ボイラーXで木質バイオマスを燃焼させて得られた灰15にあたる焼却灰を取得して、成分及び粒径を分析した。
図3(a)は、11月4日〜11月14日の各日に取得した焼却灰の成分をそれぞれ、重量%(wt%)、mg/kg、g/cm3等の値で示す。また、各成分の測定の最低値を「下限値」、JIS等による分析方法について示す。このように、各日に取得された焼却灰は、ほぼ均質な組成を示した。特に、図示しないものの、取得された焼却灰は、灰16にあたる焼却灰に比べて、Sの含有量が低かった。
図3(b)は、11月4日及び11月11日に取得した灰15にあたる燃焼灰を振動ふるい18で粒径毎の分画に選別し、それぞれの分画について、重金属の含有量を測定した結果を示す。具体的には、125μm以下、125〜250μm、250〜500μm、500〜2000μm、2000μm以上の5つの粒径の分画について、JISZ8815の方式により、Pb、Cdの重金属の含有量(mg/kg)を測定した。この結果において、各日とも、500μm以上及び125μm以下の分画に比べ、125〜500μmの分画の重金属の含有量が低下していた。
図3(c)は、図3(a)(b)と同様に取得した別の灰15にあたる焼却灰(原灰)について、図3(b)と同様の分画で、その他の元素の含有量(wt%)を測定した結果を示す。図3(c)によると、原灰に比べて、125〜2000μmの粒径の分画でシリカ(SiO2)成分が多く含まれていた。また、原灰に比べて、500μm以下の粒径において、Ca(CaO)が多く含まれていた。
図4(a)は上述の11月4日の焼却灰の粒径分布表であり、図4(b)は粒径分布のグラフである。125〜500μmの粒径のものの頻度で70%弱となっていた。すなわち、125〜500μmの粒径の焼却灰粒子を選別することで、上述のように、重金属が少なく、シリカを比較的多く含む、有機ケイ素素材として好適な焼却灰粒子を効率的に取得することが可能となる。
さらに、望ましくは250〜500μmの粒径のものを取得することで、シリカを更に多く含む焼却灰粒子を取得することが可能である。
(外観観察)
次に、図5を参照して、上述の灰15にあたる焼却灰(以下、「実験例1」という。)と、EHE4に投入される流動砂(以下、「比較例1」という。)の外観について説明する。
図5(a)は比較例1の流動砂の写真、図5(b)は、実験例1の焼却灰の外観を示す写真である。
図5(a)によると、比較例1の流動砂は、黒色や茶色、白色、透明などの色調が混在した、角張った約φ0.5mm以下の粒が凝集したものであった。全体的には角ばった白色の粒子が多く認められた。また、僅かな黒色の微粉末状の粒子に磁性が認められたが、殆どの粒子に磁性は認められなかった。
図5(b)によると、実験例1の焼却灰は、黒色若しくは茶色、白色、半透明等の色調が混在した約φ2.5mm以下の粒が凝集したものであった。全体的には濃褐色の粒子が多く認められ、比較例1よりも黒っぽく丸みを帯びた状態であった。また、僅かな黒色の微粉末状のものに磁性が認められたが、殆どの粒に磁性は認められなかった。
(断面観察)
次に、図6を参照して、実験例1及び比較例1の粒子の断面について光学顕微鏡による観察を行った結果について説明する。
図6は、実験例1及び比較例1の断面拡大様相を示す写真である。
比較例1では、角ばった透明の粒子が多かった。
これに対して、実験例1では、やや丸みを帯びた粒子が多く、各粒子の周囲に薄い層が認められた。また、実験例1のやや大き目の粒では、周外表面と断面の色調が異なったものが比較的多く認められた。
(断面の電子顕微鏡観察)
実験例1及び比較例1の粒子の断面について走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。
図7(a)は、比較例1の粒子の断面の光学顕微鏡の写真、図7(b)は同試料のSEM像(二次電子像)観察の写真、図7(c)は同試料の反射電子像観察の写真である。
また、図7(d)は、実施例1の粒子の断面の光学顕微鏡の写真、図7(e)は同試料のSEM像(二次電子像)観察の写真、図7(f)は同試料の反射電子像観察の写真である。
結果として、比較例1の粒子の断面は、ポーラスな粒子及び緻密で均一な粒子等がみられ、色調によって断面様相が異なっていた。比較例1では、反射電子像により、組成の異なるものが混在した様相も見られた。
また、実験例1の粒子の断面も、ポーラスなものや緻密な均一な粒子等がみられ、色調によって断面様相が異なっていた。しかしながら、実験例1においては、いずれの粒子においても、外周に約20μm以下の薄い層が認められた。
(EPMAによる分析)
次に、ミクロ試料採取位置の対面側試料を用いて、EPMA−WDX(波長分散型電子線マイクロアナライザー)による各断面の定性分析を行った。使用装置は、EPMA−1600(島津製作所製)であった。
各定性分析検出元素の結果の一覧を下記の表1に示す:
Figure 2018058717
色調の異なる各粒子は、主にSi、酸素(O)であった。また、色調の差は微量元素の違いであった。
実験例1の粒子の端部、すなわち層状の部分には、主にCa、Oが存在した。この端部においては、比較例1の成分を除くと、その他にZn、P等が検出された。
(面分析)
次に、定性分析結果から検出された主な4元素(Si、Ca、O、C)において、各断面の面分析を行った。
図8に、面分析位置の反射電子像、及び各代表的元素の面分析結果を示す。
結果として、比較例1においては、各粒粒子にSi、Oが分布しており、Siの比較的少ない箇所は、他元素(Al、Fe、Ti等)が分布していると考えられた。また、一部の粒子ではCaが全面に分布していた。
実験例1においては、各粒子にSi、Oが分布していた。この上で、各粒子の周囲には約20μm以下の層が認められ、Ca、Oが分布していた。
(まとめ)
以上の結果から、比較例1は主にSi,Oが分布しており、実験例1は比較例1の周囲に約20μm以下のCa,Oの層が形成されていた。
(テトラメトキシシラン抽出)
磁気撹拌子を入れた20mL容積のSUS製オートクレーブ(日東高圧社製)に、焼却灰粒子0.22g、メタノール3.0g、有機脱水剤としてアセトンジメチルアセタール(2,2−ジメトキシプロパン)5.0g、水酸化カリウム0.02gを加え、25℃の温度下でボンベから二酸化炭素を、圧力計(スウェージロックFST社 PGI−50M−MG10)が示す圧力でオートクレーブ内が2MPaになるよう充填して10分間撹拌しながら保持し、密封した。その後、オートクレーブ内を1200rpmに攪拌しつつ242℃まで加熱し、24時間反応させた。冷却後、残存する二酸化炭素を放出し、反応混合物をガスクロマトグラフィー(島津製作所 GC−2014ATF/SPL)により分析した。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は2.5%であった。
本発明の焼却灰粒子は、木質バイオマスの焼却灰を各種素材、原料等として有効活用するものであり、産業上に利用することができる。
1 燃料バンカー
2 コンバスター
3 サイクロン
4 EHE
5 対流伝熱部
6 灰バンカー
7 集塵器
8 煙突
9 ボイラー給水ポンプ
10 蒸気ドラム
11 SAファン
12 PAファン
13 起動用熱風炉
14 EHEファン
15、16 灰
17 コンベヤ
18 振動ふるい
19 廃棄処理灰
20 鉱物原料
D デンスベッド域
X 循環型流動層ボイラー

Claims (6)

  1. 循環型流動層ボイラーにより燃焼された木質バイオマスの焼却灰から選別され、
    燃焼時に添加された流動砂由来のケイ素を中心として、表面がカルシウムを含む物質で被覆された構造を有する
    ことを特徴とする焼却灰粒子。
  2. 粒径が125〜500μm、望ましくは250〜500μmである
    ことを特徴とする請求項1に記載の焼却灰粒子。
  3. 硫黄の含有量が1.2重量%以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼却灰粒子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焼却灰粒子を含む
    ことを特徴とする有機ケイ素素材。
  5. 請求項4に記載の有機ケイ素素材を含む
    ことを特徴とする研磨剤。
  6. 循環型流動層ボイラーにより木質バイオマスを燃焼させ、
    生じた焼却灰から、粒径が125〜500μm、望ましくは250〜500μmの焼却灰粒子を選別して取得し、
    前記焼却灰粒子は、添加された流動砂由来のケイ素を中心として、表面がカルシウムを含む物質で被覆された構造を有する
    ことを特徴とする有機ケイ素素材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022050407A1 (ja) * 2020-09-07 2022-03-10 太平洋セメント株式会社 セメント製造方法、セメント混練体の製造方法、バイオマス灰粉粒物
JP2022044668A (ja) * 2020-03-24 2022-03-17 太平洋セメント株式会社 セメント原料組成物の製造方法及びセメント原料組成物

Cited By (2)

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