JP2022033769A - 強化されたアゴニスト活性を有する、Fcが遺伝子操作を受けた抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体及びその使用方法 - Google Patents

強化されたアゴニスト活性を有する、Fcが遺伝子操作を受けた抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強化されたアゴニスト活性を有する遺伝子操作を受けた抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体及びその使用方法を提供する。【解決手段】単離された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体であって、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異又はE345R/E430G/S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、前記突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する、前記抗体を提供する。【選択図】なし

Description

(配列表)
本出願は、EFS-Webを介して提出される配列表を含み、その全内容は参照により
その全体が本明細書に組み込まれている。2017年7月31日に作成されたASCII
テキストファイルは、ファイル名がJBI5095WOPCT_ST25.txtであり
、サイズは168キロバイトである。
(発明の分野)
本発明は、強化されたアゴニスト活性を有する遺伝子操作を受けた抗TNFRスーパー
ファミリーメンバー抗体及びその使用方法に関する。
抗腫瘍免疫効果を賦活するモノクローナル抗体は、癌治療法の重要な分類として台頭し
つつある。これらの多くは、免疫賦活性腫瘍壊死因子受容体(tumor necrosis factor re
ceptor、TNFR)スーパーファミリーメンバーに対するものである。最近の研究によっ
て、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のアゴニスト活性及び治療活性が、Fc
を介したFcγ受容体(FcγR)への架橋に依存していることが示された(Li et
al.(2011)Science 333:1030~4;White et al
.(2013)Cancer Immunol Immunother 62:941~
8)。Fcγ受容体、特にFcγRIIBは、スカフォールドとして作用して、下流の細
胞内シグナル伝達を活性化するための必要条件である受容体のクラスタリングを促進する
抗体の多量体化を促進する(Bruhns et al.(2009)Blood 11
3:3716~25)。
抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体の抗腫瘍活性を更に最適化するためのアプ
ローチでは、そのFcγRIIB会合を改善するために抗体のFc領域を遺伝子操作して
きた。置換S267E/L328F及びE233D/G237D/P238D/H268
D/P271G/A330Rは、FcγRIIB会合を選択的に強化することが報告され
ている(Chu et al.(2008)Mol Immunol 45:3926~
33;Mimoto et al.(2013)Protein Eng Des Se
l 26:589~98)。FcγRIIB会合の最適化は実行可能なアプローチである
が、このような遺伝子操作を受けた抗体のアゴニスト活性は、局所腫瘍微小環境における
FcγR発現細胞の密度に依存するので、このような抗体の有効性が多少制限されること
がある。
したがって、更なる最適化された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体が必要と
されている。
本発明は、単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー
抗体であって、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異、又はE345R
/E430G/S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、当
該突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する、上記抗体を提
供する。
本発明は、本発明の抗体と、薬学的に許容できる担体とを含む、医薬組成物も提供する
また、本発明は、被験体における抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のアゴニ
スト活性を強化する方法であって、E345R突然変異、E345R/E430G突然変
異、又はE345R/E430G/S440Y突然変異を抗体に導入して、TNFRスー
パーファミリーメンバーに特異的に結合する遺伝子操作を受けた抗体を生成することと、
遺伝子操作を受けた抗体を被験体に投与することとを含む、上記方法を提供する。
また、本発明は、被験体における癌を治療する方法であって、癌を治療するのに十分な
時間、E345R突然変異、E430G突然変異、E345R/E430G突然変異、又
はE345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗TNFRスーパーファミリーメ
ンバー抗体を被験体に投与することを含む、上記方法を提供する。
また、本発明は、単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメ
ンバー抗体であって、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異、又はE3
45R/E430G/S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含
み、癌の治療における使用について、突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴ
ニスト活性を有する、上記抗体を提供する。
また、本発明は、癌を治療するための医薬品の製造における、E345R突然変異、E
345R/E430G突然変異、又はE345R/E430G/S440Y突然変異(残
基の付番はEUインデックスに従う)を含む、単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNF
R)スーパーファミリーメンバー抗体の使用を提供する。
抗OX40抗体のアゴニスト活性が架橋依存性であることを示す。OX40SF2IgG1は、HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイにおいて架橋剤であるプロテインGビーズの存在下でのみシグナル伝達を誘導した。プロテインGビーズの存在下又は非存在下において漸増濃度(1ng/mLから1000ng/mL)のOX40リガンド又はOX40SF2IgG1を、OX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞及びNFκB誘導性プロモーターの制御下にある分泌型アルカリホスファターゼ(secreted embryonic alkaline phosphatase、SEAP)リポーター遺伝子と共にインキュベートした。SEAPリポーター遺伝子の発現を反映する650nmにおけるODを、試験剤の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=4)として提示する。 Raji細胞と共培養しても、天然ヒトIgG1 Fcを有するSF2抗体のアゴニスト活性を有意に強化することはできないことを示す。Raji細胞と共培養して又は共培養せずに、漸増濃度(10から1000ng/mL)のOX40SF2IgG1抗体をHEK-Blue:OX40細胞と共にインキュベートし、HEK-Blue NF-κBリポーターアッセイによってそのアゴニスト活性を評価した。1μg/mL OX40リガンドによって駆動されたものに対する活性パーセントとして正規化された抗OX40抗体のアゴニスト活性を、試験抗体の濃度に対してプロットした(データを平均±SEM(n=14)として提示した)。 OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12は、野生型IgG1(OX40SF2IgG1)と比べてFcγRIIBに対する結合が強化されたことを示す。FcγRIIBを発現しているExpi293F細胞を漸増濃度(1ng/mLから10000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12と共にインキュベートし、抗体の結合をフローサイトメトリーを用いて評価した。平均蛍光シグナルを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=2)として提示する。 OX40SF2IgG1S267E/L328Fは、野生型IgG1(OX40SF2IgG1)と比べてFcγRIIAに対する結合が強化されたが、OX40SF2IgG1V12は同等の結合を有していた。FcγRIIAを発現しているExpi293F細胞を漸増濃度(1ng/mLから10000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12と共にインキュベートし、抗体の結合をフローサイトメトリーを用いて評価した。平均蛍光シグナルを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=2)として提示する。 OX40SF2IgG1V12は、野生型IgG1(OX40SF2IgG1)と比べてFcγRIに対する結合が減少したが、OX40SF2IgG1S267E/L328Fは同等の結合を有していた。FcγRIを発現しているExpi293F細胞を漸増濃度(1ng/mLから10000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12と共にインキュベートし、抗体の結合をフローサイトメトリーを用いて評価した。平均蛍光シグナルを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=2)として提示する。 OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12は、FcγRIIIAに対する結合が消失したことを示す。FcγRIIIAを発現しているExpi293F細胞を漸増濃度(1ng/mLから10000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12と共にインキュベートし、抗体の結合をフローサイトメトリーを用いて評価した。平均蛍光シグナルを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=2)として提示する。 OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12は、野生型IgG1(OX40SF2IgG1)と比べてFcγRIIB受容体を発現しているRaji細胞に対する結合が強化されたことを示す。漸増濃度(3ng/mLから10000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12を、フローサイトメトリーアッセイによってRaji細胞に対する結合について評価した。平均蛍光シグナルを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=3)として提示する。 OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12のRaji細胞に対する結合がFcγRIIB依存性であることを示す。Raji細胞を5μg/mLの抗FcγRIIB抗体2B6で前処理し、1μg/mLの抗体のRaji細胞への結合をフローサイトメトリーによって評価した。指定のとおり2B6抗体によってプレブロックした又はしなかった結合の平均蛍光シグナルを、平均±SEM(n=3)として棒グラフで提示する。 OX40SF2IgG1S267E/L328Fのアゴニスト活性がRaji細胞におけるFcγRIIBによる抗体架橋に依存することを示す。一部のアッセイでは共培養の開始前に5μg/mLの抗FcγRIIB抗体2B6抗体と共にプレインキュベートしたRaji細胞と共培養するか又はせずに、漸増濃度(10ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1S267E/L328Fを、OX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)と共にインキュベートした。y軸は、1μg/mL OX40リガンドによって媒介される活性パーセントとして正規化された抗OX40抗体のアゴニスト活性を示す。データを平均±SEM(n≧6)として提示する。 OX40SF2IgG1V12のアゴニスト活性がRaji細胞におけるFcγRIIBによる抗体架橋に依存することを示す。一部のアッセイでは共培養の開始前に5μg/mLの抗FcγRIIB(2B6)抗体と共にプレインキュベートしたRaji細胞と共培養するか又はせずに、漸増濃度(10ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1V12を、OX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)と共にインキュベートした。y軸は、1μg/mL OX40リガンドによって媒介される活性パーセントとして正規化された抗OX40抗体のアゴニスト活性を示す。データを平均±SEM(n≧6)として提示する。 OX40SF2IgG1V12及びOX40SF2IgG1S267E/L328Fは、ADCCが消失させたことを示す。漸増濃度(10ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1S267E/L328F、OX40SF2IgG1V12及びOX40SF2IgG1を、エフェクター細胞と共培養した、OX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞と共にインキュベートし、ADCCリポーターバイオアッセイを実施した。ADCC活性の活性倍数(抗体を添加しなかった対照サンプルに対する)を試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n≧6)として提示する。 OX40SF2IgG1V12及びOX40SF2IgG1S267E/L328Fは、ADCP活性を保持することを示す。漸増濃度(1ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1S267E/L328F、OX40SF2IgG1V12及びOX40SF2IgG1を、分化したマクロファージと共培養した、OX40を安定的に発現しているGFP陽性HEK-Blue(商標)細胞と共にインキュベートし、GFP陽性標的細胞の貪食をフローサイトメトリーアッセイによって評価した。ADCP活性を反映する、排除されたGFP陽性細胞のパーセントを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n≧6)として提示する。 OX40SF2IgG1V12は分化したマクロファージに対する結合が減少したが、OX40SF2IgG1S267E/L328Fは野生型抗体(OX40SF2IgG1)と同様のレベルでマクロファージに結合することを示す。漸増濃度(1ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12抗体を分化したマクロファージと共にインキュベートし、その結合をフローサイトメトリーアッセイによって評価した。平均蛍光シグナルを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=2)として提示する。 OX40SF2IgG1V12及びOX40SF2IgG1S267E/L328FはCDCを媒介しないことを示す。漸増濃度(10から10,000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12抗体を、ウサギ補体の存在下でOX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞と共にインキュベートした。溶解した細胞のサイトゾルから放出された乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogenase、LDH)活性を測定することによってCDC活性を定量し、Triton X-100によって溶解したものに対する細胞傷害パーセントとして表した(データを平均±S.E.(n=7)として提示する)。 OX40発現細胞の表面上における抗体の多量体化の程度の指標である、OX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG1E430G、OX40SF2IgG1E345R/E430G及びOX40SF2IgG1E345R/E430G/S440YについてのNanoBRET(商標)PPIアッセイから得られた、補正された生物発光共鳴エネルギー転移(bioluminescence resonance energy transfer、BRET)比を示す。OX40SF2IgG1-n、OX40SF2IgG1E345R-n、OX40SF2IgG1E430G-n、OX40SF2IgG1E345R/E430G-n及びOX40SF2IgG1E345R/E430G/S440Y-nは、C末端Nanoluc配列とインフレームである構造物である。OX40SF2IgG1-h、OX40SF2IgG1E345R-h、OX40SF2IgG1E430G-h、OX40SF2IgG1E345R/E430G-h及びOX40SF2IgG1E345R/E430G/S440Y-hは、C末端Halotag配列とインフレームである構造物である。漸増濃度(10ng/mLから1000ng/mL)のNanoluc(登録商標)ドナー抗体及びHalo Tag(登録商標)アクセプター抗体の両方を、OX40細胞を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞に適用し、NanoBRET PPIアッセイを実施した。補正された平均BRET比を試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n≧2)として提示する。 HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイにおいてOX40SF2IgG1と比べて、OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG1E430G、OX40SF2IgG1E345R/E430G及びOX40SF2IgG1E345R/E430G/S440Yのアゴニスト活性が強化されたことを示す。漸増濃度(10ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG1E430G、OX40SF2IgG1E345R/E430G及びOX40SF2IgG1E345R/E430G/S440Y抗体を、OX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞に適用し、SEAP分泌を測定した。1μg/mL OX40リガンドによって駆動されたものに対する活性パーセントとしてアゴニスト活性を正規化し、試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n≧9)として提示する。 OX40SF2IgG1E345RとRaji細胞との架橋は、HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイにおいて抗体のアゴニスト活性を更に増強することを示す。抗FcγRIIB抗体2B6によるRaji細胞におけるFcγRIIBのプレブロックによって増強は抑制された。1μg/mL OX40リガンドによって駆動されたものに対する活性パーセントとしてアゴニスト活性を正規化し、試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=8)として提示する。 単独の又はRaji細胞の存在下で架橋したFc受容体に対する結合においてサイレント(無変化:silent)であるOX40SF2IgG2sigma抗体は、HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイにおいてアゴニスト活性を有しないことを示す。1μg/mL OX40リガンドによって駆動されたものに対する活性パーセントとしてアゴニスト活性を正規化し、試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=8)として提示する。 E345R突然変異が、HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイにおいてOX40SF2IgG2sigmaのアゴニスト活性をレスキューしたことを示す。しかし、Raji細胞との架橋がそのアゴニスト活性を更に増強することはできなかった。1μg/mL OX40リガンドによって駆動されたものに対する活性パーセントとしてアゴニスト活性を正規化し、試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n=8)として提示する。 OX40SF2IgG1E345Rは野生型抗体(OX40SF2IgG1)と比べて強化されたADCCを有し、FcサイレントOX40SF2IgG2sigma及びOX40SF2IgG2sigmaE345R抗体はADCCを抑制したことを示す。漸増濃度(10ng/mLから1000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG2sigma及びOX40SF2IgG2sigmaE345Rを、エフェクター細胞と共培養した、OX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞と共にインキュベートし、ADCCリポーターバイオアッセイを実施した。抗体を含まないサンプルと比べたADCCの活性化倍数を試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n≧4)として提示する。 OX40SF2IgG1E345Rは野生型IgG1(OX40SF2IgG1)と同等のADCPを有し、E345Rはエフェクターサイレント抗体(OX40SF2IgG2sigmaE345R)においてADCPをレスキューすることを示す。漸増濃度(1ng/mLから10000ng/mL)のOX40SF2IgG1/OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG2sigma及びOX40SF2IgG2sigmaE345R抗体を、分化したマクロファージと共に、OX40を安定的に発現しているGFP陽性HEK-Blue(商標)細胞と共にインキュベートし、GFP陽性標的細胞の貪食をフローサイトメトリーアッセイによって評価した。ADCP活性を反映する、排除されたGFP陽性細胞のパーセントを試験抗体の濃度に対してプロットした。データを平均±SEM(n≧9)として提示する。 E345R突然変異によって、OX20SF2IgG1E345RのCDC活性は強化されたが、エフェクターサイレントOX40SF2IgG2sigmaE345Rに対する効果はなかったことを示す。漸増濃度(10から10,000ng/mL)のOX40SF2IgG1、OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG2sigma及びOX40SF2IgG2sigmaE345R抗体を、ウサギ補体の存在下でOX40を安定的に発現しているHEK-Blue(商標)細胞と共にインキュベートした。溶解した細胞のサイトゾルから放出されたLDH活性を測定することによってCDC活性を定量し、Triton X-100によって溶解したものに対する細胞傷害パーセントとして表した(データを平均±S.E.(n=6)として提示する)。
本明細書に引用されている特許及び特許出願を含む(ただしそれらに限定されない)全
ての刊行物は、参照によりそれらの全体が記載されているのと同様に、本明細書に援用さ
れる。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的でのみ使用され、限定を
意図するものではないと理解すべきである。特に断らない限り、本明細書において使用さ
れる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一
般的に理解されているものと同じ意味を有する。
本明細書に記載されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料を、本発明の試験
を実施するために使用できるが、例示となる材料及び方法を本明細書に記載する。本発明
を説明及び特許請求する上で以下の用語が用いられる。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「a
n」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象
を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ以上の細胞
の組み合わせ、及びこれに類するものなどが含まれる。
「抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体」又は「抗TN
FRスーパーファミリーメンバー抗体」とは、TNFRスーパーファミリーメンバーに特
異的に結合する抗体を指す。
「TNFRスーパーファミリーメンバー」には、TNFRの自然発生変異体をはじめと
する、表1に示す受容体などのTNFRスーパーファミリーに属する受容体が含まれる。
TNFRは、典型的には、I型膜貫通タンパク質として発現し、その細胞外ドメインに1
~6個のシステインリッチドメインを含有する。シグナル伝達は、TNFR三量体として
生じる。各TNFRごとに1つのアイソフォームのアミノ酸配列を表1に示す。TNFR
のリガンドも表1に示す。
Figure 2022033769000001
「特異的結合」又は「特異的に結合する」又は「結合する」とは、抗TNFRスーパー
ファミリーメンバー抗体が、特定のTNFRスーパーファミリーメンバー又は当該特定の
TNFRスーパーファミリーメンバー内のエピトープに対して、他の抗原に対するよりも
高い親和性で結合することを指す。典型的には、抗体は、結合についての平衡解離定数(
)が約1×10-8M以下、例えば約1×10-9M以下、約1×10-10M以下
、約1×10-11M以下又は約1×10-12M以下であるときに「特異的に結合し、
典型的には、非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)への結合については、そのK
の少なくとも100分の1のKで結合する。解離定数は標準的手法を用いて測定するこ
とができる。しかし、特定のTNFRスーパーファミリーメンバー又は当該特定のTNF
Rスーパーファミリーメンバー内のエピトープに特異的に結合する抗TNFRスーパーフ
ァミリーメンバー抗体は、他の関連抗原、例えば、ヒト又はサル、例えば、Macaca
fascicularis(カニクイザル、cyno)、Pan troglodyt
es(チンパンジー、chimp)、又はCallithrix jacchus(コモ
ンマーモセット、marmoset)などの他の種由来の同じ抗原(ホモログ)に対して
交差反応性を有する場合がある。単一特異性抗体は、1つの抗原又は1つのエピトープに
特異的に結合するのに対し、二重特異性抗体は、2つの異なる抗原又は2つの異なるエピ
トープに特異的に結合する。
「抗体」は、広義の意味を有し、マウス、ヒト、ヒト化及びキメラモノクローナル抗体
を含むモノクローナル抗体、抗体フラグメント、二重特異性又は多重特異性抗体、二量体
、四量体又は多量体抗体、一本鎖抗体、ドメイン抗体、並びに必要とされる特異性の抗原
結合部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾された構造を含む免疫グロブリン分
子を含む。「完全長抗体分子」は、ジスルフィド結合によって相互に接続されている2本
の重鎖(heavy chains、HC)及び2本の軽鎖(light chains、LC)、並びにこれらの
多量体(例えば、IgM)から構成される。各重鎖は、重鎖可変領域(heavy chain vari
able region、VH)及び重鎖定常領域(CH1、ヒンジ、CH2、及びCH3のドメイ
ンで構成される)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(
CL)から構成される。VH領域及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)が散在し
ており相補性決定領域(CDR)と呼称される超可変領域に更に分類され得る。各VH及
びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序:FR1、CDR1、F
R2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4で配置された、3つのCDR及び4つの
FRセグメントで構成される。
「相補性決定領域(CDR)」は、抗体における「抗原結合部位」である。CDRは、
様々な用語を用いて定義され得る:(i)VH内に3つ(HCDR1、HCDR2、HC
DR3)及びVL内に3つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3)存在する相補性決定
領域(Complementarity Determining Regions、CDR)は配列多様性に基づく(Wu
et al.(1970)J Exp Med132:211~50;Kabat et
al.,Sequences of Proteins of Immunologi
cal Interest,5th Ed.Public Health Servic
e,National Institutes of Health,Bethesda
,Md.,1991)。(ii)VH内に3つ(H1、H2、H3)及びVL内に3つ(
L1、L2、L3)存在する「超可変性領域」、「HVR」又は「HV」は、Choth
ia及びLeskによって定義されているとおり、構造が超可変性である抗体可変ドメイ
ンの領域を指す(Chothia et al.(1987)Mol Biol 196
:901~17)。International ImMunoGeneTics(IM
GT)データベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位につ
いての標準化付番及び定義を提供する。CDR、HV、及びIMGTの表記間の対応関係
については、(Lefranc et al.,(2003)Dev Comp Imm
unol 27:55~77に記載されている。本明細書で使用されている「CDR」、
「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」、
及び「LCDR3」という用語は、本明細書において別途記載のない限り、上掲のKab
at、Chothia、又はIMGTにより記載されている方法のいずれかにより定義さ
れるCDRを含む。
免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス、
すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及び
IgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIg
G4へと更に細分類される。どのような脊椎動物種の抗体軽鎖も、その定常ドメインのア
ミノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なるタイプ、すなわち、カッパ(κ)及びラムダ
(λ)のうちの一方に割り当てることができる。
「抗体フラグメント」とは、重鎖及び/又は軽鎖抗原結合部位、例えば、重鎖相補性決
定領域(HCDR)1、2、及び3、軽鎖相補性決定領域(LCDR)1、2、及び3、
重鎖可変領域(VH)、又は軽鎖可変領域(VL)を保持する免疫グロブリン分子の一部
を指す。抗体フラグメントとしては、周知のFab、F(ab’)2、Fd及びFvフラ
グメント、並びに1つのVHドメインからなるドメイン抗体(dAb)が挙げられる。合
成リンカーを介してVHドメイン及びVLドメインを互いに連結して様々な種類の一本鎖
抗体の設計を形成することが可能であり、その場合、VH/VLドメインは、分子内で対
形成してもよく、又はVHドメイン及びVLドメインが別々の一本鎖抗体構造物によって
発現される場合には分子間で対形成して、一本鎖Fv(scFv)などの一価抗原結合部
位又はダイアボディを形成してもよい。これらは、例えば、国際公開第1998/440
01号、同第1988/01649号、同第1994/13804号及び同第1992/
01047号に記載されている。
「モノクローナル抗体」とは、抗体重鎖からC末端リシンを除去するなどの可能な周知
の変化、あるいはメチオニンの酸化又はアスパラギン若しくはグルタミンの脱アミドなど
のアミノ酸の翻訳後修飾による変化を除いて、各重鎖及び各軽鎖のアミノ酸組成が単一で
ある抗体集団を指す。モノクローナル抗体は、2つの異なる抗原エピトープに結合する二
重特異性のモノクローナル抗体を除き、典型的には1つの抗原エピトープに結合する。モ
ノクローナル抗体は、抗体集団中に不均一なグリコシル化を有し得る。モノクローナル抗
体は、単一特異性若しくは多重特異性、又は一価、二価、若しくは多価であり得る。二価
抗体は、モノクローナル抗体という用語に含まれる。
「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体又
は抗体フラグメントを指す(例えば、例えばOX-40に特異的に結合する単離された抗
体は、OX-40以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。「単離され
た抗体」は、純度が80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%
、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%
、98%、99%、又は100%の抗体など、高純度に単離された抗体を包含する。
「ヒト化抗体」とは、抗原結合部位が非ヒト種に由来し、可変領域フレームワークがヒ
ト免疫グロブリン配列に由来する、抗体を指す。ヒト化抗体は、フレームワーク内に置換
を含んでいてもよく、その結果、当該フレームワークが、発現したヒト免疫グロブリン又
はヒト免疫グロブリン生殖系列遺伝子の配列の正確なコピーでない場合もある。
「ヒト抗体」とは、フレームワーク及び抗原結合部位の両方がヒト起源の配列に由来す
る重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗体を指し、ヒト被験体に投与されたときに免
疫応答が最小限に抑えられるように最適化される。抗体が定常領域又は定常領域の一部を
含む場合、定常領域もヒト起源の配列に由来する。
ヒト抗体は、抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロ
ブリン遺伝子を使用する系から得られた場合のヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領
域又は軽鎖可変領域を含む。そのような系の代表的なものには、ファージ上に提示された
ヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリー、及び本明細書に記載されるヒト免疫グロブリン
遺伝子座を保有するマウス又はラットなどといったヒト以外の遺伝子導入動物を含む。「
ヒト抗体」は、抗体及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を得るために用いられる系間の違い
、体細胞突然変異の導入、あるいはフレームワーク若しくは抗原結合部位又はこれら両方
への意図的な置換の導入により、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロ
ブリン遺伝子と比べてアミノ酸の相違を含み得る。典型的には、「ヒト抗体」は、ヒト生
殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされている
アミノ酸配列に対して、アミノ酸配列が少なくとも約80%、81%、82%、83%、
84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、
94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である。場合によっては、「ヒ
ト抗体」は、例えば(Knappik et al.(2000)J Mol Biol
296:57~86)に記載されているヒトフレームワーク配列解析から得られたコン
センサスフレームワーク配列、又は例えば(Shi et al.(2010)J Mo
l Biol 397:385~96及び国際公開第2009/085462号に記載さ
れている、ファージにディスプレイされたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーに組み
込まれた合成HCDR3を含み得る。
ヒト免疫グロブリン配列に由来するヒト抗体は、ファージディスプレイ組み込み合成C
DR及び/又は合成フレームワークなどの系を用いて作製することもでき、in vit
ro突然変異誘発に供して抗体特性を改善した結果、in vivoにおけるヒト抗体生
殖系列レパートリーでは発現されない抗体を得ることもできる。
抗原結合部位が非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれない。
「組み換え体」とは、組み換え手段によって調製、発現、作製、又は単離された抗体及
びその他のタンパク質を指す。
「エピトープ」は、抗体が特異的に結合する抗原の部分を指す。エピトープは典型的に
は、化学的に活性な(極性、非極性又は疎水性など)部分の表面集団、例えばアミノ酸又
は多糖側鎖などの部分の表面集団からなり、特定の三次元構造特性並びに特定の電荷特性
を有し得る。エピトープは、立体配座上の空間単位を形成する連続的な及び/又は不連続
なアミノ酸によって構成され得る。不連続なエピトープでは、抗原の直鎖配列の異なる部
分にあるアミノ酸が、タンパク質分子の折り畳みにより三次元空間でごく近接するように
なる。抗体の「エピトープ」は、エピトープを同定するために使用される方法論に依存す
る。
「二重特異性」は、2つの異なる抗原、又は同じ抗原中の2つの異なるエピトープと特
異的に結合する抗体を指す。二重特異性抗体は、他の関連抗原、例えば、ヒト又はサル、
例えばMacaca fascicularis(カニクイザル、cyno)、Pan
troglodytes(チンパンジー、chimp)、又はCallithrix j
acchus(コモンマーモセット、marmoset)などの他の種由来の同じ抗原(
ホモログ)に対して交差反応性を有し得るか、あるいは2つ以上の異なる抗原間で共有さ
れているエピトープに結合し得る。
「多重特異性」とは、2つ以上の異なる抗原又は同じ抗原内の2つ以上の異なるエピト
ープに特異的に結合する抗体を指す。
「ベクター」は、生物系内で複製可能な、又はそのような系間を移動することができる
、ポリヌクレオチドを指す。ベクターポリヌクレオチドは、典型的には、ベクターを複製
することができる生物学的要素を利用して、例えば、細胞、ウイルス、動物、植物などの
生物系及び再構成された生物系におけるこれらポリヌクレオチドの複製又は維持を促進す
る機能を有する、複製起点、ポリアデニル化シグナル又は選択マーカーなどのエレメント
を含有する。ベクターポリヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖のDNA若しくはRNA分
子、又はこれらのハイブリッドであり得る。
「発現ベクター」は、発現ベクター中に存在するポリヌクレオチド配列によってコード
されるポリペプチドの翻訳を指令するために、生物系又は再構成された生物系において利
用できるベクターを指す。
「ポリヌクレオチド」は、糖-リン酸骨格又は他の等価な共有結合化学によって共有結
合したヌクレオチド鎖を含む合成分子を指す。cDNAは、合成ポリヌクレオチドの典型
例である。
「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド結合によって連結されてポリペプチ
ドを形成する少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を指す。50個未満のアミノ酸か
らなる小分子ポリペプチドは、「ペプチド」と称され得る。
本明細書で使用されるとき、「癌細胞」又は「腫瘍細胞」は、in vivo、ex
vivo又は組織培養のいずれかにおいて、自然発生的な又は導入された表現型の変化を
有する癌性、前癌性、又は形質転換細胞を指す。これら変化は、必ずしも新たな遺伝物質
の取り込みを伴うものではない。形質転換は、形質転換ウイルスの感染及び新たなゲノム
核酸の組み込み、外因性核酸の取り込みにより発生させることもでき、自然発生的に又は
発癌物質に曝露した後に発生し、それによって内因性の遺伝子が変異する場合もある。形
質転換/癌は、in vitro、in vivo、及びex vivoにおける、形態
学的変化、細胞の不死化、異常な増殖制御、病巣の形成、増殖、悪性病変、腫瘍特異的マ
ーカーレベルの調節、浸潤性、ヌードマウスなどの好適な動物宿主における腫瘍の増殖な
どによって例示される(Freshney,Culture of Animal Ce
lls:A Manual of Basic Technique(第3版、1994
年))。
「約」は、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であるこ
とを意味し、これは、その値が測定又は決定される方法、すなわち測定システムの制限事
項にある程度依存する。特定のアッセイ、結果、又は実施形態の文脈において実施例又は
明細書のその他の箇所に別途明示的に記載のない限り、「約」は、当該技術分野の実施に
従う1つの標準偏差又は5%までの範囲のいずれか大きい方の範囲内であることを意味す
る。
「価数」は、分子中の抗原に対して特異的な結合部位が指定された数存在することを指
す。そのため、「1価」、「2価」、「4価」、及び「6価」なる用語はそれぞれ、抗原
に対して特異的な結合部位が分子中に1個、2個、4個、及び6個存在することを指す。
「アゴニスト」とは、TNFRスーパーファミリーメンバーの少なくとも1つの生物活
性を誘導する抗体であって、TNFRスーパーファミリーメンバーの天然リガンドによっ
て誘導されるものに結合する抗体を指す。例示的なアゴニスト活性としては、in vi
troアッセイにおいてNFκB誘導性プロモーターの制御下で発現する分泌型アルカリ
ホスファターゼ(SEAP)の産生の誘導、樹状細胞(dendritic cell、DC)における
CD80、CD83、CD86及びHLA-DRの表面発現の増加によって評価されるD
C分化の誘導、B細胞増殖の増加又はB細胞におけるCD23、CD80、CD83、C
D86及びHLA-DRの表面発現の増加によって評価されるB細胞の活性化、抗原に既
に曝露された患者から単離されたPBMCによるインターフェロン-γ(IFN-γ)の
産生によって評価される抗原特異的T細胞リコール応答の誘導、並びにCD4又はCD
T細胞増殖の誘導が挙げられる。アゴニスト活性(例えば、アゴニズム)は、架橋依
存性である場合もあり、抗体架橋に依存しない場合もある。
「強化されたアゴニスト活性」又は「強化されたアゴニズム」とは、NFκB誘導性プ
ロモーターの制御下で発現する分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の抗TNFR
スーパーファミリーメンバー抗体によって誘導される産生によってアゴニスト活性が測定
されるとき、親野生型抗体と比べて遺伝子操作を受けた抗TNFRスーパーファミリーメ
ンバー抗体のアゴニズムが改善されたことを指す。遺伝子操作を受けた抗体は、架橋依存
的又は架橋非依存的に1μg/mLの抗体濃度の野生型親抗体と比べて少なくとも20%
高いレベルでSEAP産生を誘導するとき、「強化されたアゴニスト活性」を有する。
「架橋」とは、FcγR、例えば、シス型又はトランス型のFcγRIIbに結合する
抗体によって誘導され、その結果、TNFRの抗体によって誘導される多量体化及びTN
FRアゴニスト活性の誘導が生じる、TNFRスーパーファミリーメンバーを発現してい
る細胞における抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体の高次多量体化を指す。架橋
は、本明細書に記載されるとおり、架橋剤としての抗ヒトF(ab’)2、又はRaji
細胞などのFcγRIIbを発現している細胞を使用することによってin vitro
で評価することができる。
「抗体架橋に依存しないアゴニスト活性」とは、FcγR、例えば、FcγRIIBを
発現しているRaji細胞の非存在下において、溶液中で本明細書の実施例3に記載のH
EK-Blue(商標)リポーターアッセイにおいてSEAPの産生を抗体が誘導するこ
とを意味する。
「被験体」は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」には、例えば、非ヒ
ト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などの哺乳動物
及び非哺乳動物などのすべての脊椎動物が含まれる。
本明細書全体を通して、抗体の定常領域におけるアミノ酸残基の付番は、特に明示的に
指定しない限り、Kabat et al.,Sequences of Protei
ns of Immunological Interest,第5版.Public
Health Service,National Institutes of He
alth,Bethesda,MD.(1991)に記載のとおりEUインデックスに従
う。
表2に示すとおり、従来の1文字及び3文字アミノ酸コードが本明細書で使用される。
Figure 2022033769000002
組成物
本発明は、抗体エフェクター機能のアイソタイプ依存性調節に加えて強化されたアゴニ
スト活性を示す、改善された特性を有する遺伝子操作を受けた抗TNFRスーパーファミ
リーメンバー抗体を提供する。本発明は、少なくとも部分的に、表面細胞において抗TN
FRスーパーファミリーメンバー抗体を多量体化する置換が、架橋に依存せずに当該抗体
のアゴニスト活性を強化するという知見に基づいている。
本発明は、単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー
抗体であって、E345R突然変異を含み、所望により、E430G突然変異、S440
Y突然変異、又はE430G/S440Y突然変異を更に含み(残基の付番はEUインデ
ックスに従う)、突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する
、上記抗体を提供する。
また、本発明は、単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメ
ンバー抗体であって、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異、又はE3
45R/E430G/S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含
み、突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する、上記抗体を
提供する。
E345R置換は、本明細書において、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体の
アゴニスト活性を強化することが示された。
E430G置換は、本明細書において、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体の
アゴニスト活性を強化することが示された。
E345R/E430G置換は、本明細書において、抗TNFRスーパーファミリーメ
ンバー抗体のアゴニスト活性を強化することが示された。
E345R/E430G/S440Y置換は、本明細書において、抗TNFRスーパー
ファミリーメンバー抗体のアゴニスト活性を強化することが示された。
また、本発明は、単離された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体であって、E
345R突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、E345R突然変異
を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する、上記抗体を提供する。
また、本発明は、単離された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体であって、E
430G突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、E430G突然変異
を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する、上記抗体を提供する。
また、本発明は、単離された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体であって、E
345R/E430G突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、E34
5R/E430G突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する
、上記抗体を提供する。
また、本発明は、単離された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体であって、E
345R/E430G/S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を
含み、E345R/E430G/S440Y突然変異を有しない親抗体と比べて強化され
たアゴニスト活性を有する、上記抗体を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、F
cγR抗体架橋に依存しないアゴニスト活性を有する。したがって、FcγR架橋に依存
しないアゴニスト活性を有する本発明の抗体は、そのアゴニスト活性について、腫瘍微小
環境においてFcγRを発現している細胞のバイオアベイラビリティ及び密度に依存せず
、十分なFcγR細胞浸潤を欠く環境においてTNFRシグナル伝達を誘導することがで
きる。
本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、天然リガンドよりも低いアゴ
ニズムのレベルを示し得るので、改善された安全性プロファイルを提供することができる
「親抗体」とは、本発明の遺伝子操作を受けた抗体を産生するために使用される抗TN
FRスーパーファミリーメンバー抗体を指す。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞傷害(antibody-dependent cel
lular cytotoxicity、ADCC)を媒介する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞貪食(antibody-dependent cel
l phagocytosis、ADCP)を媒介する。
いくつかの実施形態では、抗体は、CDCを媒介する。
いくつかの実施形態では、E345R突然変異を含む本発明の抗体は、抗体Fc媒介性
エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然変異を更に含み得る。したがって、E
435R突然変異及び抗体Fc媒介性エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然
変異を含む本発明の抗体は、TNFR発現細胞の枯渇が望ましくない場合に使用すること
ができる。例示的なこのような場合は、抗CD40又は抗CD27抗体による治療的処置
である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A/L235A突然変異を更
に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234F/L235E/D265A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてK214T/E233P/L234V
/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M突然変
異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A/L235A/G237A
/P238S/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、野生型IgG1と比べてL234A/L235A/G237A/P238S
/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A/G237A/P238S
/H268A/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、野生型IgG2と比べてV234A/G237A/P238S/H268A
/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A/G237A突然変異を更
に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG2と比べてH268Q/V309L/A330S
/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG3アイソタ
イプである。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてF234A/L235A突然変異を更
に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
/G236欠失/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A突然変異を含
む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、抗体架橋に依存し
ないアゴニスト活性を有し、当該アゴニスト活性は、Hek-293細胞由来のNFκB
誘導性プロモーターの制御下で発現する分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の抗
体によって誘導される産生を測定することによって測定される。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバー腫瘍壊死因子受容体1(配列番号1)、腫瘍壊死因子受容体2(配列
番号2)、リンホトキシンベータ受容体(配列番号3)、OX40(配列番号4)、CD
40(配列番号5)、Fas受容体(配列番号6)、デコイ受容体3(配列番号7)、C
D27(配列番号8)、CD30(配列番号9)、CD137(配列番号10)、デス受
容体4(配列番号11)、デス受容体5(配列番号12)、デコイ受容体1(配列番号1
3)、デコイ受容体2(配列番号14)、RANK(配列番号15)、オステオプロテゲ
リン(配列番号16)、TWEAK受容体(配列番号17)、TACI(配列番号18)
、BAFF受容体(配列番号19)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(配列番号2
0)、神経成長因子受容体(配列番号21)、B細胞成熟抗原(配列番号22)、GIT
R(配列番号23)、TROY(配列番号24)、デス受容体6(配列番号25)、デス
受容体3(配列番号26)、又はエクトジスプラシンA2受容体(配列番号27)に結合
する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーOX40(配列番号4)、CD27(配列番号8)、CD40(配列
番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配列番号23)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーOX40(配列番号4)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーCD27(配列番号8)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーCD40(配列番号5)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーCD137(配列番号10)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーGITR(配列番号23)に結合する。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療において使用するのに好適
である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療において使用するの
に好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺癌の治療において使用するのに好
適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC
)の治療において使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療におい
て使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、腎細胞癌腫(renal cell carcinoma
、RCC)(例えば、腎明細胞癌腫又は腎乳頭状細胞癌腫)、又はその転移巣の治療にお
いて使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(nasopharyngeal carcino
ma、NPC)の治療において使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療において使用する
のに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治療において使用するのに好
適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治療において使用するのに好
適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肝臓癌の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療において使用するの
に好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌腫の治療におい
て使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療におい
て使用するのに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、乳癌の治療において使用するのに好
適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、脳癌の治療において使用するのに好
適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療において使用するのに
好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿生殖器癌の治療において使用する
のに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療において使用する
のに好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療において使用するの
に好適である。
E345R突然変異を含む抗体は、治療、例えば、当該癌の転移巣の治療において使用
するのに好適である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞貪食(ADCP)を媒介する。
いくつかの実施形態では、抗体は、CDCを媒介する。
いくつかの実施形態では、E430G突然変異を含む本発明の抗体は、抗体Fc媒介性
エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然変異を更に含み得る。したがって、E
430G突然変異及び抗体Fc媒介性エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然
変異を含む本発明の抗体は、TNFR発現細胞の枯渇が望ましくない場合に使用すること
ができる。例示的なこのような場合は、抗CD40又は抗CD27抗体による治療的処置
である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A/L235A突然変異を更
に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234F/L235E/D265A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてK214T/E233P/L234V
/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M突然変
異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A/L235A/G237A
/P238S/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG1アイソタ
イプであり、野生型IgG1と比べてL234A/L235A/G237A/P238S
/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A/G237A/P238S
/H268A/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、野生型IgG2と比べてV234A/G237A/P238S/H268A
/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A/G237A突然変異を更
に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG2アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG2と比べてH268Q/V309L/A330S
/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG3アイソタ
イプである。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてF234A/L235A突然変異を更
に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
/G236欠失/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、IgG4アイソタ
イプであり、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A突然変異を含
む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、抗体架橋に依存し
ないアゴニスト活性を有し、当該アゴニスト活性は、Hek-293細胞由来のNFκB
誘導性プロモーターの制御下で発現する分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の抗
体によって誘導される産生を測定することによって測定される。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバー腫瘍壊死因子受容体1(配列番号1)、腫瘍壊死因子受容体2(配列
番号2)、リンホトキシンベータ受容体(配列番号3)、OX40(配列番号4)、CD
40(配列番号5)、Fas受容体(配列番号6)、デコイ受容体3(配列番号7)、C
D27(配列番号8)、CD30(配列番号9)、CD137(配列番号10)、デス受
容体4(配列番号11)、デス受容体5(配列番号12)、デコイ受容体1(配列番号1
3)、デコイ受容体2(配列番号14)、RANK(配列番号15)、オステオプロテゲ
リン(配列番号16)、TWEAK受容体(配列番号17)、TACI(配列番号18)
、BAFF受容体(配列番号19)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(配列番号2
0)、神経成長因子受容体(配列番号21)、B細胞成熟抗原(配列番号22)、GIT
R(配列番号23)、TROY(配列番号24)、デス受容体6(配列番号25)、デス
受容体3(配列番号26)、又はエクトジスプラシンA2受容体(配列番号27)に結合
する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーOX40(配列番号4)、CD27(配列番号8)、CD40(配列
番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配列番号23)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーOX40(配列番号4)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーCD27(配列番号8)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーCD40(配列番号5)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーCD137(配列番号10)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E430G突然変異を含み、TNFRスーパー
ファミリーメンバーGITR(配列番号23)に結合する。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療において使用するのに好適
である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療において使用するのに好適
である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療において使用するの
に好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺癌の治療において使用するのに好
適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC
)の治療において使用するのに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療におい
て使用するのに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、腎細胞癌腫(RCC)(例えば、腎
明細胞癌腫又は腎乳頭状細胞癌腫)、又はその転移巣の治療において使用するのに好適で
ある。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の治療において
使用するのに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療において使用する
のに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌の
治療において使用するのに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治療において使用するのに好
適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治療において使用するのに好
適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肝臓癌の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療において使用するの
に好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌腫の治療におい
て使用するのに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療におい
て使用するのに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、乳癌の治療において使用するのに好
適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、脳癌の治療において使用するのに好
適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療において使用するのに
好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿生殖器癌の治療において使用する
のに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療において使用する
のに好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療において使用するの
に好適である。
E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、当該癌の転移巣の治療において使用
するのに好適である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞貪食(ADCP)を媒介する。
いくつかの実施形態では、抗体は、CDCを媒介する。
いくつかの実施形態では、E345R/E430G突然変異を含む本発明の抗体は、抗
体Fc媒介性エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然変異を更に含み得る。し
たがって、E345R/E430G突然変異及び抗体Fc媒介性エフェクター機能を低減
又は消失させる第2の突然変異を含む本発明の抗体は、TNFR発現細胞の枯渇が望まし
くない場合に使用することができる。例示的なこのような場合は、抗CD40又は抗CD
27抗体による治療的処置である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A/L235A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234F/L235E
/D265A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてK214T/E233P
/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L3
58M突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A/L235A
/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G1アイソタイプであり、野生型IgG1と比べてL234A/L235A/G237A
/P238S/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G2アイソタイプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A/G237A
/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G2アイソタイプであり、野生型IgG2と比べてV234A/G237A/P238S
/H268A/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G2アイソタイプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A/G237A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G2アイソタイプであり、所望により、野生型IgG2と比べてH268Q/V309L
/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G3アイソタイプである。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてF234A/L235A
突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A
/L235A/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A
/L235A/G236欠失/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P/F234A
/L235A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、Ig
G4アイソタイプであり、野生型IgG4と比べてS228P/F234A/L235A
突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、抗体
架橋に依存しないアゴニスト活性を有し、当該アゴニスト活性は、Hek-293細胞由
来のNFκB誘導性プロモーターの制御下で発現する分泌型アルカリホスファターゼ(S
EAP)の抗体によって誘導される産生を測定することによって測定される。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバー腫瘍壊死因子受容体1(配列番号1)、腫瘍壊死因子受
容体2(配列番号2)、リンホトキシンベータ受容体(配列番号3)、OX40(配列番
号4)、CD40(配列番号5)、Fas受容体(配列番号6)、デコイ受容体3(配列
番号7)、CD27(配列番号8)、CD30(配列番号9)、CD137(配列番号1
0)、デス受容体4(配列番号11)、デス受容体5(配列番号12)、デコイ受容体1
(配列番号13)、デコイ受容体2(配列番号14)、RANK(配列番号15)、オス
テオプロテゲリン(配列番号16)、TWEAK受容体(配列番号17)、TACI(配
列番号18)、BAFF受容体(配列番号19)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター
(配列番号20)、神経成長因子受容体(配列番号21)、B細胞成熟抗原(配列番号2
2)、GITR(配列番号23)、TROY(配列番号24)、デス受容体6(配列番号
25)、デス受容体3(配列番号26)、又はエクトジスプラシンA2受容体(配列番号
27)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバーOX40(配列番号4)、CD27(配列番号8)、C
D40(配列番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配列番号23)に
結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバーOX40(配列番号4)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバーCD27(配列番号8)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバーCD40(配列番号5)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバーCD137(配列番号10)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G突然変異を含み、TN
FRスーパーファミリーメンバーGITR(配列番号23)に結合する。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療において使用
するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療において使用
するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療におい
て使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺癌の治療において使
用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、扁平上皮非小細胞肺癌
(NSCLC)の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLC
の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、腎細胞癌(RCC)(
例えば、腎明細胞癌又は腎乳頭状細胞癌)、又はその転移巣の治療において使用するのに
好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療にお
いて使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、前立腺癌又は去勢抵抗
性前立腺癌の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治療において使
用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治療において使
用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肝臓癌の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療におい
て使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌腫
の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫
の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、乳癌の治療において使
用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、脳癌の治療において使
用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿生殖器癌の治療にお
いて使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療にお
いて使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療におい
て使用するのに好適である。
E345R/E430G突然変異を含む抗体は、治療、例えば、当該癌の転移巣の治療
において使用するのに好適である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、抗体依存性細胞貪食(ADCP)を媒介する。
いくつかの実施形態では、抗体は、CDCを媒介する。
いくつかの実施形態では、E345R/E430G/S440Y突然変異を含む本発明
の抗体は、抗体Fc媒介性エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然変異を更に
含み得る。したがって、E345R/E430G/S440Y突然変異及び抗体Fc媒介
性エフェクター機能を低減又は消失させる第2の突然変異を含む本発明の抗体は、TNF
R発現細胞の枯渇が望ましくない場合に使用することができる。例示的なこのような場合
は、抗CD40又は抗CD27抗体による治療的処置である。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A
/L235A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234F
/L235E/D265A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてK214T
/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D3
65E/L358M突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG1アイソタイプであり、所望により、野生型IgG1と比べてL234A
/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S突然変異
を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG1アイソタイプであり、野生型IgG1と比べてL234A/L235A
/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG2アイソタイプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A
/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S突然変異
を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG2アイソタイプであり、野生型IgG2と比べてV234A/G237A
/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG2アイソタイプであり、所望により、野生型IgG2と比べてV234A
/G237A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG2アイソタイプであり、所望により、野生型IgG2と比べてH268Q
/V309L/A330S/P331S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG3アイソタイプである。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてF234A
/L235A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P
/F234A/L235A/G237A/P238S突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P
/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238S突然変異を更に含む
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG4アイソタイプであり、所望により、野生型IgG4と比べてS228P
/F234A/L235A突然変異を更に含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、IgG4アイソタイプであり、野生型IgG4と比べてS228P/F234A
/L235A突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、抗体架橋に依存しないアゴニスト活性を有し、当該アゴニスト活性は、Hek-
293細胞由来のNFκB誘導性プロモーターの制御下で発現する分泌型アルカリホスフ
ァターゼ(SEAP)の抗体によって誘導される産生を測定することによって測定される
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバー腫瘍壊死因子受容体1(配列番号1)、腫
瘍壊死因子受容体2(配列番号2)、リンホトキシンベータ受容体(配列番号3)、OX
40(配列番号4)、CD40(配列番号5)、Fas受容体(配列番号6)、デコイ受
容体3(配列番号7)、CD27(配列番号8)、CD30(配列番号9)、CD137
(配列番号10)、デス受容体4(配列番号11)、デス受容体5(配列番号12)、デ
コイ受容体1(配列番号13)、デコイ受容体2(配列番号14)、RANK(配列番号
15)、オステオプロテゲリン(配列番号16)、TWEAK受容体(配列番号17)、
TACI(配列番号18)、BAFF受容体(配列番号19)、ヘルペスウイルス侵入メ
ディエーター(配列番号20)、神経成長因子受容体(配列番号21)、B細胞成熟抗原
(配列番号22)、GITR(配列番号23)、TROY(配列番号24)、デス受容体
6(配列番号25)、デス受容体3(配列番号26)、又はエクトジスプラシンA2受容
体(配列番号27)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバーOX40(配列番号4)、CD27(配列
番号8)、CD40(配列番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配列
番号23)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバーOX40(配列番号4)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバーCD27(配列番号8)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバーCD40(配列番号5)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバーCD137(配列番号10)に結合する。
いくつかの実施形態では、当該抗体は、E345R/E430G/S440Y突然変異
を含み、TNFRスーパーファミリーメンバーGITR(配列番号23)に結合する。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療
において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、癌の治療
において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、固形腫瘍
の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、黒色腫の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺癌の治
療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、扁平上皮
非小細胞肺癌(NSCLC)の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、非扁平上
皮NSCLCの治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肺腺癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、腎細胞癌
(RCC)(例えば、腎明細胞癌又は腎乳頭状細胞癌)、又はその転移巣の治療において
使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、中皮腫の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、上咽頭癌
(NPC)の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、結腸直腸
癌の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、前立腺癌
又は去勢抵抗性前立腺癌の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治
療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵巣癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、胃癌の治
療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、肝臓癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、膵臓癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、甲状腺癌
の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、頭頸部の
扁平上皮癌腫の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、食道又は
胃腸管の癌腫の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、乳癌の治
療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、卵管癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、脳癌の治
療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿道癌の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、尿生殖器
癌の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮内膜
症の治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、子宮頸の
治療において使用するのに好適である。
E345R/E430G/S440Y突然変異を含む抗体は、治療、例えば、当該癌の
転移巣の治療において使用するのに好適である。
「抗体依存性細胞傷害」、「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」又は「ADCC」は、エ
フェクター細胞で発現するFcガンマ受容体(FcγR)を介した、抗体被膜標的細胞と
、ナチュラルキラー細胞、単球、マクロファージ及び好中球などの溶解活性を有するエフ
ェクター細胞との相互作用に依存して、細胞死を誘導する機序である。例えば、NK細胞
はFcγRIIIAを発現し、一方、単球はFcγRI、FcγRII、及びFcγRI
IIAを発現する。TNFR発現細胞などの抗体被膜標的細胞の死滅は、膜孔形成タンパ
ク質及びプロテアーゼの分泌を通じたエフェクター細胞の活性により生じる。本発明の抗
体のADCC活性を評価するために、抗体を免疫エフェクター細胞と組み合わせてTNF
R発現細胞に添加してよく、当該免疫エフェクター細胞は抗原抗体複合体によって活性化
され、その結果、標的細胞の細胞溶解が生じ得る。細胞溶解は、溶解した細胞からの標識
(例えば、放射性基質、蛍光染料又は天然細胞内タンパク質)の放出によって検出するこ
とができる。そのようなアッセイの代表的なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞
(PBMC)及びNK細胞が挙げられる。例示的な標的細胞としては、Tregなどの内
因的に又は組み換えでTNFRを発現する細胞が挙げられる。例示的なアッセイでは、標
的細胞は、1標的細胞に対して50エフェクター細胞の比で使用される。標的細胞を、3
7℃で20分間BATDA(PerkinElmer)で予標識し、2回洗浄し、DME
M、10%熱不活性化FBS、2mM L-グルタミン(全てInvitrogen製)
に再懸濁させる。標的(1×10細胞)及びエフェクター細胞(0.5×10細胞)
を合わせ、100μLの細胞を96ウェルU底プレートのウェルに添加する。試験抗体を
含むか又は含まない、更なる100μLを添加する。プレートを200gで3分間遠心分
離し、37℃で2時間インキュベートし、次いで、200gで3分間再び遠心分離する。
1ウェル当たり合計20μLの上清を除去し、200μLのDELPHIA Europ
ium系試薬(PerkinElmer)の添加によって細胞溶解を測定する。0.67
%Triton X-100(Sigma Aldrich)による最大の細胞傷害に対
してデータを正規化し、また任意の抗体の非存在下における標的細胞からのBATDAの
自然放出によって最小対照を求める。あるいは、受容体の活性化が本明細書に記載される
ルシフェラーゼリポーターの発現を引き起こすリポーター遺伝子アッセイにおいてFcγ
RIIIAの活性化を評価することによってADCC活性を評価することができる。
「抗体依存性細胞貪食」(「ADCP」)とは、例えばマクロファージ又は樹状細胞な
どの貪食細胞による取り込みにより、抗体被覆標的細胞を排除する機序を指す。ADCP
は、エフェクター細胞として単球由来マクロファージを用い、GFP又は別の標識分子を
発現するように遺伝子操作された標的細胞として、Daudi細胞(ATCC(登録商標
)CCL-213(商標))、又はTNFRを発現しているB細胞性白血病若しくはリン
パ腫若しくは腫瘍の細胞を用いて評価され得る。エフェクター:標的細胞比は、例えば4
:1とすることができる。エフェクター細胞は、本発明の抗体を添加し又は添加せずに、
標的細胞と共に4時間インキュベートしてよい。インキュベーション後、細胞は、アクタ
ーゼを用いて剥離できる。マクロファージは、蛍光標識に結合した抗CD11b抗体及び
抗CD14抗体を用いて同定され得、貪食の割合は、標準的な方法を用いて、CD11
CD14マクロファージにおけるGFP蛍光の割合(%)に基づいて決定され得る。
本発明の抗体のエフェクター機能、例えば、ADCC、ADCP及び/又はCDCは、
活性化Fcγ受容体(FcγR)、又は補体への当該抗体の結合を強化する抗体Fcに更
なる突然変異を導入することによって更に強化され得る。
活性化Fcγに対する本発明の抗体の結合を増加させるため及び/又は抗体のエフェク
ター機能を強化するために変異させることができるFcの位置は、例えば米国特許第6,
737,056号、米国特許公開第2015/0259434号、Shields et
al.(2001)J Biol Chem 276:6591~604、Lazar
et al.(2006)Proc Natl Acad Sci U S A 10
3:4005~10、Stavenhagen et al.(2007)Cancer
Res 67:8882~90、Richards et al.(2008)Mol
Cancer Ther 7:2517~27及びDiebolder et al.
(2014)Science 343:1260~3に記載されているものであり、23
6、239、243、256、290、292、298、300、305、312、32
6、330、332、333、334、360、339、378、396、又は430位
を含む(残基の付番はEUインデックスに従う)。単独で又は組み合わせて行うことがで
きる代表的な突然変異は、G236A、S239D、F243L、T256A、K290
A、R292P、S298A、Y300L、V305L、K326A、A330K、I3
32E、E333A、K334A、A339T及びP396L突然変異である。ADCC
又はADCPが増加した抗体が生じる例示的な突然変異の組み合わせは、IgG1におけ
るS239D/I332E、S298A/E333A/K334A、F243L/R29
2P/Y300L、F243L/R292P/Y300L/P396L、F243L/R
292P/Y300L/V305I/P396L及びG236A/S239D/I332
E突然変異である。
本発明の抗体のCDCを強化するために突然変異させることができるFcの位置は、例
えば国際公開第2014/108198号、Idusogie et al.(2001
)J Immunol 166:2571~5及びMoore et al.(2010
)MAbs 2:181~9に記載されているものであり、267、268、324、3
26、333、345及び430位を含む。単独で又は組み合わせて行うことができる代
表的な突然変異は、S267E、H268F、S324T、K326A、K326W、E
333A、E430S、E430F及びE430T突然変異である。CDCが増加した抗
体が生じる例示的な突然変異の組み合わせは、IgG1におけるK326A/E333A
、K326W/E333A、H268F/S324T、S267E/H268F、S26
7E/S324T及びS267E/H268F/S324T突然変異である。
「補体依存性細胞傷害」又は「CDC」は、標的に結合した抗体のFcエフェクタード
メインが補体成分C1qに結合して活性化し、次に、当該補体成分が補体カスケードを活
性化して標的細胞を死に至らしめる、細胞死を誘導する機序を指す。補体の活性化はまた
、標的細胞表面に対する補体成分の沈着を生じさせて、白血球への補体受容体(例えば、
CR3)の結合によって、ADCCを容易にする。TNFR発現細胞のCDCは、例えば
、RPMI-B(1% BSAを補給したRPMI)に1×10細胞/ウェル(50μ
L/ウェル)でDaudi細胞をプレーティングし、0~100μg/mLの最終的な濃
度になるように50μLの試験抗体をウェルに添加し、反応物を室温で15分間インキュ
ベートし、11μLのプールしたヒト血清をウェルに添加し、反応物を37℃で45分間
インキュベートすることによって測定できる。溶解した細胞の割合(%)は、標準の方法
を使用して、FACSアッセイ内のヨウ化プロピジウム染色細胞の%として検出され得る
本発明の抗体のADCCを誘導する能力は、当該抗体のオリゴ糖成分を遺伝子操作する
ことによっても強化することができる。ヒトIgG1又はIgG3は、Asn297にお
いてN-グリコシル化され、グリカンの大部分は、周知の二分岐G0、G0F、G1、G
1F、G2、又はG2Fの形態である。遺伝子操作されていないCHO細胞により産生さ
れる抗体は、典型的には、少なくとも約85%のグリカンフコース含量を有する。Fc領
域に結合した二分岐の複合体型オリゴ糖からのコアフコースの除去は、抗原結合又はCD
C活性を変更することなく、改善されたFcγRIIIa結合によって抗体のADCCを
増強する。このようなmAbは、二分岐の複雑なタイプのFcオリゴ糖を有する、比較的
高度に脱フコシル化された抗体の発現を成功させることが報告されている様々な方法、例
えば、培養浸透圧の制御(Konno et al.(2012)Cytotechno
logy 64:249~65)、宿主細胞株としての変異体CHO株Lec13の適用
(Shields et al.2002)J Biol Chem 277:2673
3~40)、宿主細胞株としての変異体CHO株EB66の適用(Olivier et
al.(2010)MAbs 2:405~15)、宿主細胞株としてのラットハイブ
リドーマ細胞株YB2/0の適用(Shinkawa et al.(2003)J B
iol Chem 278:3466~73)、α1,6-フコシルトランスフェラーゼ
(FUT8)遺伝子に対して特異的な低分子干渉RNAの導入(Mori et al.
(2004)Biotechnol Bioeng 88:901~8)、又はβ-1,
4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIIとゴルジα-マンノシダーゼ
II若しくは強力なアルファ-マンノシダーゼI阻害剤であるキフネンシンとの共発現(
Ferrara et al.(2006)J Biol Chem 281:5032
~6;Ferrara et al.(2006)Biotechnol Bioeng
93:851~61;Zhou et al.(2008)Biotechnol B
ioeng 99:652~65)などを使用して実現され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、抗
体のADCC、ADCP及び/又はCDCを強化する第2の突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、G
236A突然変異、S239D突然変異、F243L突然変異、T256A突然変異、K
290A突然変異、R292P突然変異、S298A突然変異、Y300L突然変異、V
305L突然変異、K326A突然変異、A330K突然変異、I332E突然変異、E
333A突然変異、K334A突然変異、A339T突然変異、P396L突然変異、S
267E突然変異、H268F突然変異、S324T突然変異、K326A突然変異、K
326W突然変異、E333A突然変異、E430S突然変異、E430F突然変異及び
E430T突然変異からなる群から選択される、抗体のADCC、ADCP及び/又はC
DCを強化する第2の突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、S
239D/I332E突然変異、S298A/E333A/K334A突然変異、F24
3L/R292P/Y300L突然変異、F243L/R292P/Y300L/P39
6L突然変異、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L突然変異
、G236A/S239D/I332E突然変異、K326A/E333A突然変異、K
326W/E333A突然変異、H268F/S324T突然変異、S267E/H26
8F突然変異、S267E/S324T突然変異及びS267E/H268F/S324
T突然変異からなる群から選択される、抗体のADCC、ADCP及び/又はCDCを強
化する第2の突然変異を含む。
本発明の抗体のADCCを誘導する能力は、当該抗体のオリゴ糖成分を遺伝子操作する
ことによって強化することができる。ヒトIgG1又はIgG3は、Asn297におい
てN-グリコシル化され、大部分のグリカンは、周知の二分岐G0、G0F、G1、G1
F、G2、又はG2Fの形態である。遺伝子操作されていないCHO細胞により産生され
る抗体は、典型的には、少なくとも約85%のグリカンフコース含量を有する。Fc領域
に結合した二分岐の複合体型オリゴ糖からのコアフコースの除去は、抗原結合又はCDC
活性を変更することなく、改善されたFcγRIIIa結合によって抗体のADCCを増
強する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、約
0%~約15%、例えば、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8
%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又は0%のフコース含量を有する二分岐
グリカン構造を有する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、約
50%、40%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、
13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、
1%又は0%のフコース含量を有する二分岐グリカン構造を有する。
「フコース含量」とは、Asn297における糖鎖内のフコース単糖類の量を意味する
。フコースの相対量は、全糖構造に関するフコース含有構造の割合である。これらは、複
数の方法、例えば、1)国際公開第2008/077546号に記載されているとおり、
N-グリコシダーゼFで処理されたサンプル(例えば、複合体、ハイブリッド、並びにオ
リゴ構造及び高マンノース構造)のMALDI-TOFの使用、2)Asn297グリカ
ンの酵素放出、その後の誘導体化、並びに蛍光検出を備えたHPLC(UPLC)及び/
又はHPLC-MS(UPLC-MS)による検出/定量化、3)第1のGlcNAc単
糖類と第2のGlcNAc単糖類との間を切断し、フコースを第1のGlcNAcに結合
したままにさせる、Endo S又は他の酵素によるAsn297グリカンの処理を伴う
か又はこの処理なしでの、天然又は還元mAbのインタクトプロテイン分析、4)酵素を
用いた消化(例えば、トリプシン又はエンドペプチダーゼLys-C)による、mAbの
成分ペプチドへの消化、並びにそれに続くHPLC-MS(UPLC-MC)による分離
、検出、及び定量化、あるいは5)Asn297でPNGase Fを用いた酵素による
特異的脱グリコシル化による、mAbオリゴ糖のmAbタンパク質からの分離、により特
徴付けられ、定量化され得る。放出されるオリゴ糖は、フルオロフォアで標識し、実験的
質量を理論的質量と比較することによるマトリックス支援レーザ脱離イオン化(matrix-a
ssisted laser desorption ionization、MALDI)質量分析、イオン交換HPLC(
GlycoSep C)によるシアル化度の決定、順相HPLC(GlycoSep N
)による親水性基準に準拠するオリゴ糖型の分離及び定量化、並びに高性能キャピラリー
電気泳動-レーザ誘起蛍光(high performance capillary electrophoresis-laser induc
ed fluorescence、HPCE-LIF)によるオリゴ糖の分離及び定量化によって、グリ
カン構造の精密な特性評価を可能にする様々な補助的技術によって分離及び同定すること
ができる。
「低フコース」又は「低フコース含量」とは、抗体が約0%~15%のフコース含量を
有することを指す。
「正常なフコース」又は「正常なフコース含量」とは、抗体が約50%を超える、典型
的には、約60%、70%、80%を超える、又は85%を超えるフコース含量を有する
ことを指す。
エフェクター機能が望ましくない場合、本発明の抗体を更に遺伝子操作して、活性化F
cγ受容体(FcγR)に対する当該抗体の結合を減少させる及び/又はC1q結合、補
体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)若しくは抗体
依存性細胞媒介性細胞貪食(ADCP)などのFcエフェクター機能を低下させる少なく
とも1つの突然変異を当該抗体Fcに導入してもよい。
活性化FcγRに対する抗体の結合を減少させ、続いて、エフェクター機能を低下させ
るために突然変異させることができるFcの位置は、例えば、Shields et a
l.(2001)J Biol Chem 276:6591~604、国際公開第20
11/066501号、米国特許第6,737,056号及び同第5,624,821号
、Xu et al.(2000)Cell Immunol,200:16~26、A
legre et al.(1994)Transplantation 57:153
7~43、Bolt et al.(1993)Eur J Immunol 23:4
03~11、Cole et al.(1999)Transplantation,6
8:563~71、Rother et al.(2007)Nat Biotechn
ol 25:1256~64、Ghevaert et al.(2008)J Cli
n Invest 118:2929~38、An et al.(2009)MAbs
,1:572~9に記載されているものであり、214、233、234、235、23
6、237、238、265、267、268、270、295、297、309、32
7、328、329、330、331及び365位を含む。単独で又は組み合わせて行う
ことができる例示的な突然変異は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4における
K214T、E233P、L234V、L234A、G236の欠失、V234A、F2
34A、L235A、G237A、P238A、P238S、D265A、S267E、
H268A、H268Q、Q268A、N297A、A327Q、P329A、D270
A、Q295A、V309L、A327S、L328F、A330S及びP331S突然
変異である。ADCCを低減するために行うことができる例示的な組み合わせ突然変異は
、IgG1におけるL234A/L235A、IgG2におけるV234A/G237A
/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、IgG4におけるF
234A/L235A、IgG4におけるS228P/F234A/L235A、IgG
1、IgG2、IgG3又はIgG4におけるN297A、IgG2におけるV234A
/G237A、IgG1におけるK214T/E233P/L234V/L235A/G
236-欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、IgG2におけるH
268Q/V309L/A330S/P331S、IgG1におけるS267E/L32
8F、IgG1におけるL234F/L235E/D265A、IgG1におけるL23
4A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、I
gG4におけるS228P/F234A/L235A/G237A/P238S及びIg
G4におけるS228P/F234A/L235A/G236-欠失/G237A/P2
38Sである。IgG2由来の残基117~260及びIgG4由来の残基261~44
7を有するFcなどのハイブリッドIgG2/4 Fcドメインを使用してもよい。
IgG4の安定性を強化するために、IgG4抗体にS228P突然変異を施してよい
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、K214T突然変異、E233P突然変異
、L234V突然変異、L234A突然変異、G236の欠失、V234A突然変異、F
234A突然変異、L235A突然変異、G237A突然変異、P238A突然変異、P
238S突然変異、D265A突然変異、S267E突然変異、H268A突然変異、H
268Q突然変異、Q268A突然変異、N297A突然変異、A327Q突然変異、P
329A突然変異、D270A突然変異、Q295A突然変異、V309L突然変異、A
327S突然変異、L328F突然変異、A330S突然変異及びP331S突然変異か
らなる群から選択される第2の突然変異を含み、残基の付番はEUインデックスに従う。
更なるFc突然変異、例えば、Dall’Acqua et al.(2006)J
Biol Chem 281:23514~24,Zalevsky et al.(2
010)Nat Biotechnol 28:157~9,Hinton et al
.(2004)J Biol Chem 279:6213~6,Hinton et
al.(2006)J Immunol 176:346~56,Shields et
al.(2001)J Biol Chem 276:6591~604,Petko
va et al.(2006)Int Immunol 18:1759~69,Da
tta-Mannan et al.(2007)Drug Metab Dispos
35:86~94,Vaccaro et al.(2005)Nat Biotec
hnol 23:1283~8,Yeung et al.(2010)Cancer
Res 70:3269~77 and Kim et al.(1999)Eur J
Immunol 29:2819~25に記載されており、250、252、253、
254、256、257、307、376、380、428、434、及び435位を含
むものを導入することによって、本発明の抗体を更に遺伝子操作して抗体の半減期を調節
することもできる。単独で又は組み合わせて行うことができる代表的な突然変異は、T2
50Q、M252Y、I253A、S254T、T256E、P257I、T307A、
D376V、E380A、M428L、H433K、N434S、N434A、N434
H、N434F、H435A及びH435R突然変異である。抗体の半減期を延長するた
めに行うことができる例示的な単独又は組み合わせの突然変異は、M428L/N434
S、M252Y/S254T/T256E、T250Q/M428L、N434A及びT
307A/E380A/N434A突然変異である。抗体の半減期を短縮するために行う
ことができる例示的な単独又は組み合わせの突然変異は、H435A、P257I/N4
34H、D376V/N434H、M252Y/S254T/T256E/H433K/
N434F、T308P/N434A及びH435R突然変異である。
保存的修飾を更に含む本発明の抗体も本発明の範囲内である。
「保存的修飾」とは、アミノ酸配列を含有する抗体の結合特性に大きく影響する又はこ
れを変えることのないアミノ酸の修飾のことを指す。保存的修飾は、アミノ酸の置換、付
加、及び欠失を含む。保存的置換は、アミノ酸が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置
き換えられる置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、明確に定義
されており、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性側鎖(例えば
、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、非荷電極性側鎖(例え
ば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン
、トリプトファン)、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチ
ジン、チロシン)、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、セリン、スレオニン)、アミド(例えば、アスパラギン、グルタミン)、β分
岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び含硫黄側鎖(システイン、
メチオニン)を有するアミノ酸を含む。更に、アラニンスキャニング突然変異誘発につい
て既に記載されているように(MacLennan et al.(1998)Acta
Physiol Scand Suppl 643:55~67;Sasaki et
al.(1998)Adv Biophys 35:1~24)、ポリペプチド中の任
意の天然残基をアラニンで置換することもできる。本発明の抗体に対するアミノ酸置換は
、例えばPCR突然変異誘発(米国特許第4,683,195号)などの既知の方法によ
って行うことができる。あるいは、変異体のライブラリーは、例えば、ランダムコドン(
NNK)、又は非ランダムコドン(例えば11個のアミノ酸(Ala、Cys、Asp、
Glu、Gly、Lys、Asn、Arg、Ser、Tyr、Trp)をコード化するD
VKコドン)を用いて生成することもできる。結果として生じる抗体変異体は、それらの
特性に関して、本明細書に記載のアッセイを用いて試験することができる。
本発明の抗体を、グリコシル化、異性化、脱グリコシル化、又はポリエチレングリコー
ル部分の付加(ペグ化)及び脂質化などの非自然発生的な共有結合修飾などのプロセスに
よって翻訳後修飾され得る。こうした修飾はin vivoあるいはin vitroで
行われ得る。例えば、本発明の抗体にポリエチレングリコールを融合させる(PEG化)
することによって薬物動態のプロファイルを向上させることができる。融合は当業者に既
知の技術によって行われ得る。治療用抗体をPEGと接合させると、機能に干渉すること
なく薬力学的動態が強化されることが示されている(Leong et al.(200
1)Cytokine 16:106~19;Yang et al.(2003)Pr
otein Eng 16:761~70;Knight et al.(2004)P
latelets 15:409~18)。
安定性、選択性、交差反応性、親和性、免疫原性、又は他の望ましい生物学的若しくは
生物物理学的特性を改善するために修飾され得る本発明の抗体は、本発明の範囲内である
。抗体の安定性は、分子内力及び分子間力の中でも特に、(1)固有の安定性に影響を及
ぼす個々のドメインのコアパッキング、(2)HCとLCとの対合に影響するタンパク質
/タンパク質界面相互作用、(3)極性残基及び帯電残基の埋没、(4)極性残基及び帯
電残基のH結合ネットワーク、並びに(5)表面電荷及び極性残基の分布を含む多くの要
因によって影響を受ける(Worn et al.(2001)J Mol Biol
305:989~1010)。構造を不安定化させる可能性のある残基は、抗体の結晶構
造に基づいて、又は場合によっては分子モデリングによって同定することができ、また、
抗体の安定性に対する該残基の効果は、同定された残基において変異を保有する変異体を
作製及び評価することによって試験することができる。抗体の安定性を高める方法の1つ
には、示差走査熱量計法(DSC)によって測定したときの熱転移中点温度(T)を高
くするというものがある。一般に、タンパク質のTはその安定性と相関しており、溶液
中でのアンフォールディング及び変性のし易さ、並びに当該タンパク質がアンフォールデ
ィングする傾向に依存する分解プロセスとは逆相関している(Remmele et a
l.(2000)Biopharm.13:36~46)。多数の研究で、DSCによっ
て熱安定性として測定された処方の物理的安定性のランク付けと他の方法によって測定さ
れた物理的安定性との間に相関が見出されている(Maa et al.(1996)I
nt.J.Pharm.140:155~68;Remmele et al.(199
7)Pharm.Res.15:200~8;Gupta et al.(2003)A
APS PharmSci.5E8:2003;Bedu-Addo et al.(2
004)Pharm.Res.21:1353~61;Zhang et al.(20
04)J.Pharm.Sci.93:3076~89)。配合物の研究により、Fab
のTは、対応するmAbの長期物理的安定性と密接な関係があることが示唆されている
C末端リシン(C-terminal lysine、CTL)は、血流中の内因性循環カルボキシペプ
チダーゼによって注入された抗体から除去され得る(Cai et al.(2011)
Biotechnol Bioeng 108:404~12)。製造中、米国特許出願
公開第20140273092号に記載のとおり、細胞外Zn2+、EDTA、又はED
TA-Fe3+の濃度を制御することによって、CTLの除去を最高レベル未満に制御す
ることができる。抗体のCTL含量は、公知の方法を用いて測定することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、約10%~約90%、約20%~約80%
、約40%~約70%、約55%~約70%又は約60%のC末端リシン含量を有する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、約0%、5%、10%、20%、30%、
40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%のC末端リシン含量を有
する。
本発明の抗体を生成する方法
Fcドメインが遺伝子操作を受けた本発明の抗体は、テンプレートとして野生型のIg
G1、IgG2、IgG3、又はIgG4配列を使用し、標準的なクローニング及び発現
技術を用いて生成することができる。例えば、部位特異的突然変異誘発又はPCR媒介突
然変異誘発を実施して、抗体Fcに突然変異を導入することができ、本明細書に記載され
る方法を用いてFcγRへの抗体結合、アゴニスト活性、又は他の所望の特性に対する効
果を評価することができる。
抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のVHドメイン及びVLドメインは、de
novo生成することができる。
例えば、Kohler and Milstein,Nature 256:495,
1975のハイブリドーマ法を使用してモノクローナル抗体を作製することができる。ハ
イブリドーマ法では、マウス又は他の宿主動物、例えばハムスター、ラット又はサルなど
を、ヒトTNFR又はTNFRの細胞外ドメインで免疫し、続いて、標準的な方法を使用
して、免疫した動物由来の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマ細胞を形成
する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principl
es and Practice,pp.59~103,Academic Press
,1986)。1個の不死化したハイブリドーマ細胞から発生したコロニーを、結合特異
性、交差反応性又はその欠如、及び抗原の親和性などの所望の特性を有する抗体の生成に
ついてスクリーニングする。
様々な宿主動物を使用して、本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体を産
生することができる。例えば、Balb/cマウスを使用して、抗ヒトTNFRスーパー
ファミリーメンバー抗体を生成することができる。Balb/cマウス及び他のヒト以外
の動物において作製された抗体を、様々な技術を使用してヒト化して、よりヒトに近い配
列を生成することもできる。
ヒトアクセプターフレームワークの選別を含む例示的なヒト化技術は公知であり、CD
Rグラフト化(米国特許第5,225,539号)、SDRグラフト化(米国特許第6,
818,749号)、リサーフェシング(Padlan(1991)Mol Immun
ol 28:489~98)、特異性決定残基のリサーフェシング(米国特許出願公開第
2010/0261620号)、ヒトフレームワーク適応(米国特許第8,748,35
6)、又は超ヒト化(米国特許第7,709,226号)を含む。これらの方法では、C
DRの長さの類似性若しくは標準構造の同一性、又はこれらの組み合わせに基づいて、親
フレームワークに対する全体的な相同性に基づいて選択され得るヒトフレームワークに親
抗体のCDRを移植する。
ヒト化抗体は、国際公開第1090/007861号及び同第1992/22653号
に記載されているものなどの技術によって、結合親和性を保存するように変化させたフレ
ームワーク支持残基を組み込むことによって(復帰突然変異)、又は任意のCDRに変異
を導入して、例えば抗体の親和性を改善することによって、所望の抗原に対するその選択
性又は親和性を改善するように更に最適化させてもよい。
ゲノム中にヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子座を保有する遺伝子導入動物、例えば、
マウス又はラットは、標的タンパク質に対するヒト抗体を生成するために使用することが
でき、例えば、米国特許第6,150,584号、国際公開第99/45962号、同第
2002/066630号、同第2002/43478号、同第2002/043478
号、及び同第1990/04036号、Lonberg et al.(1994)Na
ture 368:856~9;Green et al.(1994)Nat Gen
et 7:13~21;Green et al.(1998)J Exp Med 1
88:483~95;Lonberg et al.(1995)Int Rev Im
munol 13:65~93;Bruggemann et al.(1991)Eu
r J Immunol 21:1323~6;Fishwild et al.(19
96)Nat Biotechnol 14:845~51;Mendez et al
.(1997)Nat Genet 15:146~56;Green(1999)J
Immunol Methods 231:11~23;Yang et al.(19
99)Cancer Res 59:1236~43;Bruggemann et a
l.(1997)Curr Opin Biotechnol 8:455~8に記載さ
れている。このような動物の内因性免疫グロブリン遺伝子座を破壊又は欠失させてもよく
、相同又は非相同組み換えを用いて、導入染色体(transchromosome)を用いて、又はミ
ニ遺伝子を用いて、少なくとも1つの完全な又は部分的なヒト免疫グロブリン遺伝子座を
該動物のゲノムに挿入してもよい。Regeneron(http://_www_re
generon_com)、Harbour Antibodies(http://_
www_harbourantibodies_com)、Open Monoclon
al Technology,Inc.(OMT)(http://_www_omti
nc_net)、KyMab(http://_www_kymab_com)、Tri
anni(http://_www.trianni_com)、及びAblexis(
http://_www_ablexis_com)などの企業は、上記の技術を使用し
て、選択された抗原に対するヒト抗体を提供するべく取り組んでいる可能性がある。
ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン又はその一部、例えばFab、一本鎖抗体(scFv
)、又は対合していない若しくは対合している抗体可変領域などを発現するようにファー
ジが遺伝子操作されたファージディスプレイライブラリーから選択され得る(Knapp
ik et al.(2000)J Mol Biol 296:57~86;Kreb
s et al.(2001)J Immunol Methods 254:67~8
4;Vaughan et al.(1996)Nat Biotechnol 14:
309~14;Sheets et al.(1998)Proc Natl Acad
Sci U S A 95:6157~62;Clackson et al.(19
91)Nature 352:624~8;Marks et al.(1991)J
Mol Biol 222:581~97)。本発明の抗体は、例えば、Shi et
al.(2010)J Mol Biol 397:385~96及び国際公開第09/
085462号)に記載されているバクテリオファージpIXコートタンパク質との融合
タンパク質として抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を発現するファージディスプレイライブラ
リーから単離され得る。当該ライブラリーを、ヒト及び/又はカニクイザルTNFRに対
するファージの結合についてスクリーニングし、得られた陽性クローンの特性評価を更に
行い、Fabをクローンの溶解物から単離し、完全長IgGとして発現させることができ
る。ヒト抗体を単離するためのこのようなファージディスプレイ法は、例えば、米国特許
第5,223,409号、同第5,403,484号、同第5,571,698号、同第
5,427,908号、同第5,580,717号、同第5,969,108号、同第6
,172,197号、同第5,885,793号、同第6,521,404号、同第6,
544,731号、同第6,555,313号、同第6,582,915号及び同第6,
593,081号に記載されている。
免疫原性抗原の調製及びモノクローナル抗体の生成は、組み換えタンパク質生成などの
任意の好適な技術を用いて実施することができる。免疫原性抗原は、精製タンパク質、あ
るいは細胞全体又は細胞若しくは組織抽出物を含むタンパク質混合物の形態で動物に投与
されてもよく、抗原は、該抗原又はその一部をコードしている核酸から動物の体内でde
novo形成されてもよい。
本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のVH/VL領域は、既存の抗T
NFRスーパーファミリー受容体抗体から得ることもできる。
米国特許第8133983号、同第7960515号、米国特許出願公開第2013/
0280275号、国際公開第2013/028231号及び米国特許出願公開第201
4/0377284号に記載されている抗OX40抗体のVH及びVLの領域を使用して
本発明の抗体を遺伝子操作することができる。更に、抗OX40抗体のVH/VL領域M
EDI-6469、BMS-986178、MOXR-0916、MEDI-6383、
MEDI-0562、PF-04518600又はGSK-3174998を使用しても
よい。本発明の遺伝子操作を受けた抗OX40抗体を生成するために使用することができ
る更なる例示的なVH及びVLの領域は、以下のとおりである:
配列番号51(米国特許出願公開第2014/0377284号に記載されている抗体
SF2のVH)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQA
PGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAY
MELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVS
配列番号52(米国特許出願公開第2014/0377284号に記載されている抗体
SF2のVL)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGAAVAWYQQKP
GKAPKLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQYINYPLTFGGGTKVEIK
配列番号53(米国特許出願公開第2014/0377284号に記載されている12
H3VH1VL1のVH)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQA
PGQGLEWMGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTITADKSTSTAY
MELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVS
配列番号54(米国特許出願公開第2014/0377284号に記載されている12
H3VH1VL1のVL)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGAAVAWYQQKP
GKAPKLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQYINYPLTFGGGTKVEIK
配列番号55(米国特許出願公開第2014/0377284号に記載されている20
E5VH3VL2のVH)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYVMHWVRQA
PGQRLEWIGYINPYNDGTKYNEKFKGRATLTSDKSASTAY
MELSSLRSEDTAVYYCANYYGSSLSMDYWGQGTLVTVSS
配列番号56(米国特許出願公開第2014/0377284号に記載されている20
E5VH3VL2のVL)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISNYLNWYQQKP
GKAVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQP
EDFATYFCQQGNTLPWTFGQGTKVEIK
本発明の抗体を遺伝子操作するために使用することができる抗CD40抗体のVH及び
VLの領域は、それぞれ、米国特許第7,288,251号(抗体21.4.1)及び米
国特許第8,303,955号に記載されているCP-870,893及びヒト化S2C
6、並びに国際公開第2001/056603号、同第2001/083755号、同第
2013/034904号及び同第2014/070934号に記載されている抗CD4
0抗体のものである。本発明の遺伝子操作を受けた抗CD40抗体を生成するために使用
することができる更なる例示的なVH及びVLの領域は、以下である:
配列番号57(M9抗体のVH)
QLQLQESGPGLVKPSEILSLTCTVSGGSISSSSYYWGWIR
QPPGKGLEWIGNIYYRGDTYYSPSLKSRVTISVDTSKNQF
SLKLNSVTAADTAVYYCAKGFRFDYWGQGTLVTVSS
配列番号58(M9抗体のVL)
QSALTQPPSASGSPGQSVTISCTGTSSDVGGYNYVSWYQQ
HPGKAPKLMIYEVSKRPSGVPDRFSGSKSGNTASLTVSGL
QAEDEADYYCSSYAGSNNLVFGGGTKLTVL
本発明の抗体を遺伝子操作するために使用することができる抗GITR抗体のVH及び
VLの領域は、米国特許第7,812,135号、同第8,591,886号、及び同第
7,618,632号、又は国際公開第2011/028683号、同第2013/03
9954号、同第2005/007190号及び同第2007/133822号に記載さ
れているものである。
本発明の抗体を遺伝子操作するために使用することができる抗CD27抗体のVH及び
VLの領域は、米国特許第9169325号及び米国特許出願公開第201301833
16号に記載されているものである。
本発明の抗体を遺伝子操作するために使用することができる抗CD137抗体のVH及
びVLの領域は、米国特許第7288638号、同第8716452号及び同第8821
867号に記載されているものである。
完全長二重特異性抗体に遺伝子操作された本発明の抗体も本発明の範囲内である。
「完全長抗体」とは、2本の完全長抗体重鎖と2本の完全長抗体軽鎖とを有する抗体を
指す。完全長抗体重鎖(HC)は、周知の重鎖可変ドメイン及び定常ドメイン、VH、C
H1、ヒンジ、CH2及びCH3からなる。完全長抗体重鎖(LC)は、周知の軽鎖可変
ドメイン及び定常ドメイン、VL及びCLからなる。完全長抗体は、一方又は両方の重鎖
のいずれかにC末端リシン(K)を欠いていてもよい。
完全長二重特異性抗体は、例えば、in vitroでの無細胞環境において又は共発
現を使用して、異なる特異性を有する2つの抗体半分子のヘテロ二量体形成に好都合にな
るように各半分子における重鎖CH3界面に置換を導入することによって、2つの一特異
性二価抗体間でのFabアーム交換(又は半分子交換)を使用して生成され得る。「Fa
bアーム」又は「半分子」とは、抗原に特異的に結合する一対の重鎖-軽鎖を意味する。
Fabアーム交換反応は、ジスルフィド結合異性化反応及びCH3ドメインの解離-会
合の結果である。親単一特異性抗体のヒンジ領域における重鎖ジスルフィド結合は減少す
る。親単一特異性抗体のうちの1つの得られた遊離システインは、第2の親単一特異性抗
体分子のシステイン残基と重鎖内ジスルフィド結合を形成し、同時に、親抗体のCH3ド
メインは、解離-会合により解放及び再形成する。FabアームのCH3ドメインは、ホ
モ二量体化より好ましいヘテロ二量体化に操作されてもよい。得られる生成物は、それぞ
れ異なるエピトープ、すなわち、TNFRにおけるエピトープ及び第2の抗原におけるエ
ピトープに結合する、2つのFabアーム又は半分子を有する二重特異性抗体である。
「ホモ二量体化」とは、同一のCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖の相互作用を指
す。「ホモ二量体」とは、同一のCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖を有する抗体を
指す。
「ヘテロ二量体化」とは、同一でないCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖の相互作
用を意味する。「ヘテロ二量体」は、同一でないCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖
を有する抗体を指す。
本発明の抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、Knob-in-Hole(
Genentech)、CrossMAb(Roche)及び静電的適合(electrostati
cally-matched)(Chugai,Amgen,NovoNordisk,Oncome
d)、LUZ-Y(Genentech)、Strand Exchange Engi
neered Domain body(SEEDbody)(EMD Serono)
、Biclonic(Merus)を使用して二重特異性フォーマットに遺伝子操作する
ことができる。
Knob-in-Holeストラテジ(例えば、国際公開第2006/028936号
を参照)では、ヒトIgGにおけるCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸
をCH3ドメイン相互作用に影響を及ぼす位置において突然変異させて、ヘテロ二量体形
成を促進することができる。小さな側鎖を有するアミノ酸(ホール)が、第1の抗原に特
異的に結合する抗体の重鎖内に導入され、大きな側鎖を有するアミノ酸(ノブ)が、第2
の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に導入される。2つの抗体の共発現後に、「ホー
ル」を有する重鎖と「ノブ」を有する重鎖との優先的な相互作用によりヘテロ二量体が形
成される。ノブ及びホールを形成する例示的なCH3置換ペアは、T366Y/F405
A、T366W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T3
94S/Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S、及びT366
W/T366S_L368A_Y407Vである(第1の重鎖の第1のCH3ドメインに
おける修飾位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける修飾位置として表現)。
CrossMAb技術では、「knob-in-hole」ストラテジを利用してFa
bアーム交換を促進することに加えて、半アームのうちの1つが、得られる二重特異性抗
体の軽鎖を確実に正しく対合させるために交換されたCH1及びCLドメインを有する(
例えば、米国特許第8,242,247号を参照)。
他のクロスオーバーストラテジを使用して、一方のアーム又は両方のアームのいずれか
において、二重特異性抗体の重鎖と軽鎖との間若しくは重鎖内で可変ドメイン若しくは定
常ドメイン、又は両方のドメインを交換することによって、完全長二重特異性抗体を生成
することができる。これらの交換としては、例えば、国際特許公開第2009/0802
54号、同第2009/080251号、同第2009/018386号、及び同第20
09/080252号に記載されるVH-CH1とVL-CL、VHとVL、CH3とC
L、及びCH3とCH1が挙げられる。
他のストラテジ、例えば、あるCH3表面における正に帯電した残基及び第2のCH3
表面における負に帯電した残基を置換することによる静電的相互作用を使用する重鎖ヘテ
ロ二量体化の促進を使用して二重特異性抗体を生成することができ、これは、米国特許出
願公開第2010/0015133号、米国特許出願公開第2009/0182127号
、米国特許出願公開第2010/028637号、又は米国特許出願公開第2011/0
123532号に記載されるように使用されてもよい。他の戦略では、ヘテロ二量体化は
、米国特許出願公開第2012/0149876号又は米国特許出願公開第2013/0
195849号に記載されるように、下記置換:L351Y_F405A Y407V/
T394W、T366I_K392M_T394W/F405A_Y407V、T366
L_K392M_T394W/F405A_Y407V、L351Y_Y407A/T3
66A_K409F、L351Y_Y407A/T366V_K409F、Y407A/
T366A_K409F、又はT350V_L351Y_F405A_Y407V/T3
50V_T366L_K392L_T394W(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにお
ける修飾位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける修飾位置として表現)により
促進されてもよい。
LUZ-Y技術を利用して、二重特異性抗体を生成することができる。この技術では、
(Wranik et al.(2012)J Biol Chem 287:4333
1~9)に記載されているように、ロイシンジッパーをCH3ドメインのC末端に付加し
て、精製後に除去される親mAbからヘテロ二量体アセンブリを駆動する。
SEEDbody技術を利用して、二重特異性抗体を生成することができる。SEED
bodyは、それらの定常ドメインにおいて、米国特許第2007/0287170号に
記載されるように、ヘテロ二量体化を促進するためにIgA残基で置換された選択IgG
残基を有する。
二重特異性抗体は、国際特許出願公開第2011/131746号に記載の方法(Du
oBody技術)に従って、2つの一特異性ホモ二量体抗体のCH3領域に非対称な突然
変異を導入し、ジスルフィド結合を異性化させる還元条件下で2つの親一特異性ホモ二量
体抗体から二重特異性ヘテロ二量体抗体を形成することによって、無細胞環境においてi
n vitroで生成されてもよい。この方法においては、第1の単一特異性二価抗体及
び第2の単一特異性二価抗体は、ヘテロ二量体の安定性を促進するCH3ドメインにおけ
る特定の置換を有するように操作されるが、これらの抗体は、ヒンジ領域におけるシステ
インがジスルフィド結合の異性化を受けるのに十分な還元条件下においてともにインキュ
ベートされ、それにより、Fabアーム交換によって二重特異性抗体が生成される。イン
キュベート条件は、最適には、非還元条件に戻され得る。使用され得る例示的な還元剤は
、2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)、ジチオトレイトール(DTT)、ジチオ
エリトリトール(DTE)、グルタチオン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン
(TCEP)、L-システイン及びベータ-メルカプトエタノールである。例えば、少な
くとも20℃の温度で、少なくとも25mMの2-MEAの存在下又は少なくとも0.5
mMのジチオスレイトールの存在下で、pH5~8、例えばpH7.0又はpH7.4で
、少なくとも90分間のインキュベートを用いることができる。
抗体のドメイン及び付番は周知である。「非対称」とは、抗体の2本の別個の重鎖の2
つのCH3ドメインにおける非同一の置換を指す。IgG1 CH3領域は、典型的には
、IgG1における残基341~446からなる(残基の付番はEUインデックスに従う
)。
本発明の抗体は、様々な周知の抗体形態に設計されてもよい。
医薬組成物/投与
本発明は、本発明の抗体と、薬学的に許容できる担体とを含む、医薬組成物を提供する
。治療用途では、本発明の抗体は、薬学的に許容できる担体中に活性成分として有効量の
抗体を含有する医薬組成物として調製することができる。「担体」は、本発明の抗体と一
緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又はビヒクルを指す。このようなビヒクルは、
水、及び石油、動物、植物、又は合成物由来のものを含む油、例えば、落花生油、大豆油
、鉱油、ゴマ油などの液体であってよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリ
シンを用いてよい。これらの溶液は滅菌されており、一般には粒子状物質を含まない。こ
れらは、従来の周知の滅菌法(例えば、濾過)によって滅菌することができる。組成物は
、生理学的条件に近づけるために必要とされる薬学的に許容できる補助物質、例えば、p
H調整剤及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤などを含有し得る。このような
医薬製剤中の本発明の抗体の濃度は、約0.5重量%未満から通常少なくとも約1重量%
まで、最大で15又は20重量%まで変動し得、また、選択される具体的な投与方法に従
って、必要とされる用量、流体体積、粘度などに主に基づいて選択され得る。好適なビヒ
クル及び製剤(他のヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミンを含む)は、例えば、R
emington:The Science and Practice of Pha
rmacy,21st Edition,Troy,D.B.ed.,Lipincot
t Williams and Wilkins,Philadelphia,PA 2
006,Part 5,Pharmaceutical Manufacturing
pp691~1092に記載されており、特にpp.958~989を参照されたい。
本発明の抗体を治療的に使用するための投与方法は、例えば、錠剤、カプセル剤、液剤
、粉剤、ゲル、粒子の、注射器、埋め込み式装置、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイク
ロポンプに入れられた製剤を使用する非経口投与、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈
内、又は皮下、肺内、経粘膜(経口、鼻腔内、膣内、直腸)投与;又は当該技術分野にお
いて周知の、当業者が理解する他の手段など、薬剤を宿主に送達する任意の好適な経路で
あってよい。部位特異的投与は、例えば、腫瘍内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、
軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨
盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑
液嚢内、胸郭内、子宮内、血管内、膀胱内、病巣内、膣内、直腸内、口腔内、舌下、鼻腔
内、又は経皮送達によって達成され得る。
本発明の抗体は、例えば、静脈内(i.v.)注入又はボーラス注射により非経口的に
、筋肉内又は皮下又は腹腔内になどの任意の好適な経路によって被験体に投与することが
できる。静脈内注入は、例えば、15、30、60、90、120、180、若しくは2
40分間にわたって、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは
12時間にわたって行ってよい。
被験体に投与される用量は、治療されている疾患を軽減するか又は少なくとも部分的に
抑止するのに十分(「治療的に有効な量」)であり、時に、0.005mg~約100m
g/kg、例えば、約0.05mg~約30mg/kg、若しくは約5mg~約25mg
/kg、又は約4mg/kg、約8mg/kg、約16mg/kg、若しくは約24mg
/kg、又は例えば約1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10mg/kgであ
り得るが、更に多量、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、2
3、24、25、30、40、50、60、70、80、90若しくは100mg/kg
であってもよい。
例えば、50、100、200、500、若しくは1000mgの固定単位用量を与え
てもよく、又は患者の表面積に基づいて、例えば、500、400、300、250、2
00、若しくは100mg/mの用量を与えてもよい。通常、1~8用量(例えば、1
、2、3、4、5、6、7、又は8)が患者を治療するために投与されるが、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれよりも多い用
量を与えてもよい。
本発明の抗体の投与は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週
間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月後に、
又はそれ以上後に繰り返すことができる。治療コースの繰り返しも可能であり、長期にわ
たる投与も同様に可能である。繰り返し投与は、同一用量であってもよいし、又は異なる
用量であってもよい。例えば、本明細書に記載される本発明の抗体は、静脈内注入によっ
て、8週間にわたって1週間間隔で8mg/kg又は16mg/kgで投与し、続いて、
更に16週間にわたって2週間ごとに8mg/kg又は16mg/kgで投与し、続いて
、4週間ごとに8mg/kg又は16mg/kgで投与してよい。
例えば、本発明の方法における抗体は、単回投与、又は24、12、8、6、4若しく
は2時間ごとの分割投与、又はこれらの任意の組み合わせを使用して、約0.1~100
mg/kg、例えば、1日当たり0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、
50、60、70、80、90又は100mg/kgの量の1日投薬量として、治療開始
後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、3
0、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40日目のうちの少な
くとも1日に、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13
、14、15、16、17、18、19又は20週目のうちの少なくとも1週に、あるい
はこれらの任意の組み合わせで提供され得る。
また、本発明の方法における抗体は、癌の発現リスクを低下させる、癌の進行における
事象の発生の開始を遅延させる、及び/又は癌が寛解したときの再発リスクを低下させる
ために予防的に投与されてもよい。
本発明の抗体を、保管のために凍結乾燥し、使用前に好適な担体に溶解させてもよい。
この技術は、従来のタンパク質調製物に関して有効であることが示されており、周知の凍
結乾燥及び再構成技術を用いることができる。
方法及び使用
本発明の抗体は、in vitro及びin vivoにおいて、診断上の有用性、並
びに治療及び予防上の有用性を有する。例えば、本発明の抗体は、in vitro若し
くはex vivoにおいて培養中の細胞に、又はがん及び感染性疾患などの様々な障害
を治療、予防及び/若しくは診断するために被験体に投与してよい。
また、本発明は、被験体における抗TNFRスーパーファミリーメンバーのアゴニスト
活性を強化する方法であって、E345R突然変異、E430G突然変異、E345R/
E430G突然変異、又はE345R/E430G/S440Y突然変異を抗体に導入し
て、TNFRファミリーの受容体に特異的に結合する遺伝子操作を受けた抗体を生成する
ことと、当該アゴニスト活性を強化するのに十分な時間、当該遺伝子操作を受けた抗体を
当該被験体に投与することとを含む、上記方法を提供する。
また、本発明は、被験体における抗TNFRスーパーファミリーメンバーのアゴニスト
活性を強化する方法であって、E345R突然変異、E430G突然変異、E345R/
E430G突然変異、又はE345R/E430G/S440Y突然変異を抗体に導入し
て、TNFRファミリーの受容体に特異的に結合する遺伝子操作を受けた抗体を生成する
ことと、当該遺伝子操作を受けた抗体を当該被験体に投与することとを含む、上記方法を
提供する。
また、本発明は、被験体における癌を治療する方法であって、当該癌を治療するのに十
分な時間、E345R突然変異、E430G突然変異、E345R/E430G突然変異
、又はE345R/E430G/S440Y突然変異を含むTNFRファミリーの受容体
に特異的に結合する抗体を当該被験体に投与することを含む、上記方法を提供する。
また、本発明は、被験体における癌を治療する方法であって、当該癌を治療するのに十
分な時間、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異、又はE345R/E
430G/S440Y突然変異を含む抗TNFRスーパーファミリー抗体を当該被験体に
投与することを含む、上記方法を提供する。
本発明の方法では、当該抗体はADCCを媒介する。
本発明の方法では、当該抗体はADCPを媒介する。
本発明の方法では、当該抗体は、抗体架橋に依存しない抗TNFRスーパーファミリー
メンバーのアゴニスト活性を強化する。
本発明の方法では、当該抗体は、所望により、ADCCを低減する第2の突然変異を更
に含む。
本発明の方法では、当該被験体はウイルス感染を有する。
本発明の方法では、当該被験体は癌を有する。
本発明の方法では、当該癌は固形腫瘍である。
本発明の方法では、当該固形腫瘍は、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCL
C)、非扁平上皮NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣
癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌腫、食道又は胃腸管の癌腫、
乳癌、卵管癌、脳癌、尿道癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌又は癌の転移巣である
本発明の方法では、当該TNFRは、腫瘍壊死因子受容体1(配列番号1)、腫瘍壊死
因子受容体2(配列番号2)、リンホトキシンベータ受容体(配列番号3)、OX40(
配列番号4)、CD40(配列番号5)、Fas受容体(配列番号6)、デコイ受容体3
(配列番号7)、CD27(配列番号8)、CD30(配列番号9)、CD137(配列
番号10)、デス受容体4(配列番号11)、デス受容体5(配列番号12)、デコイ受
容体1(配列番号13)、デコイ受容体2(配列番号14)、RANK(配列番号15)
、オステオプロテゲリン(配列番号16)、TWEAK受容体(配列番号17)、TAC
I(配列番号18)、BAFF受容体(配列番号19)、ヘルペスウイルス侵入メディエ
ーター(配列番号20)、神経成長因子受容体(配列番号21)、B細胞成熟抗原(配列
番号22)、GITR(配列番号23)、TROY(配列番号24)、デス受容体6(配
列番号25)、デス受容体3(配列番号26)、又はエクトジスプラシンA2受容体(配
列番号27)である。
本発明の方法では、当該TNFRは、OX40(配列番号4)、CD27(配列番号8
)、CD40(配列番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配列番号2
3)である。
本発明の方法では、当該TNFRはOX40(配列番号4)である。
本発明の方法では、当該TNFRはCD27(配列番号8)である。
本発明の方法では、当該TNFRはCD40(配列番号5)である。
本発明の方法では、当該TNFRはCD137(配列番号10)である。
本発明の方法では、当該TNFRはGITR(配列番号23)である。
TNFR1/2/TNF-α、CD70/CD27/CD27、CD137/4-1B
B、OX40/OX40L、CD40/CD40L、GITR/GITRLを含むTNF
Rスーパーファミリーメンバー及びそのリガンドの多くは、癌治療の標的として示されて
おり(Bremer,Hindawi Publishin Corporation
ISRN oncology Volume 2013,Article ID 371
854,25 pages;Sanmamed et al)、TNFRスーパーファミ
リーメンバーを標的とするいくつかのアゴニスト抗体、例えば、抗CD40、抗OX-4
0、抗GITR、抗CD27、抗CD137抗体が、様々な固形腫瘍並びに非ホジキンリ
ンパ腫及びB細胞悪性腫瘍などのヘム悪性腫瘍のために臨床開発されている。所望により
エフェクター機能と合わせて、強化されたアゴニスト活性の観点で改善された特性を有す
る抗CD40、抗OX40、抗GITR、抗CD27、抗CD137及び他の本発明の抗
TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、固形腫瘍を含む様々な癌の治療において治
療的に有効であろう。
以上、本発明を一般論として説明したが、本発明の各実施形態を、特許請求の範囲を限
定するものとして解釈されるべきではない以下の実施例において更に開示する。
実施例1:抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のアゴニスト活性を改善するた
めのFc遺伝子操作アプローチ
腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する免疫賦活性受容体に対す
るアゴニスト抗体は、癌の免疫療法の有望な薬剤候補として台頭しつつある。アゴニスト
活性及び/又はエフェクター機能を強化することによって抗TNFR抗体の抗腫瘍活性を
増強できるいくつかのFc遺伝子操作アプローチが最近見出された。
抗腫瘍免疫を賦活するモノクローナル抗体は、癌治療法の重要な分類として台頭しつつ
ある(Mellman et al.(2011)Nature 480:480~9;
Chen et al.(2013)Nat Rev Immunol 13:227~
42)。免疫チェックポイント受容体を標的とする抗体であるCTLA-4及びPD-1
は、進行黒色腫、肺癌の単剤療法として承認されており、他の種類のヒト癌の治療につい
て評価されている。阻害経路を標的とすることに加えて、T細胞及び抗原提示細胞上の免
疫賦活性受容体に対するアゴニスト抗体も抗腫瘍免疫を賦活することができ、癌免疫療法
の臨床開発の有望な領域として台頭しつつある(Schaer et al.(2014
)J Immunother Cancer 2:7)。
多くの免疫賦活性受容体は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーに属し
ている。これらのうち、OX40、CD27、4-1BB及びGITRは、エフェクター
T細胞及びそのリガンドで発現し、アゴニスト抗体はこれら受容体を活性化してT細胞の
増殖及び活性化を刺激することができる(Kanamaru et al.(2004)
J Immunol 172:7306~14;Gramaglia et al.(1
998)J Immunol 161:6510~7;Pollok et al.(1
993)J Immunol 150:771~81;Ramakrishna et
al.(2015)J Immunother Cancer 3:37)。CD40は
抗原提示細胞で発現し、この受容体の活性化が、活性化T細胞に対する腫瘍抗原のより効
果的な提示を促進する(Mangsbo et al.(2015)Clin Canc
er Res 21:1115~26)。これらTNF受容体に対する治療用抗体のアゴ
ニスト活性がその抗腫瘍活性にとって重要であることを多くのエビデンスが示している(
Mangsbo et al.(2015)Clin Cancer Res 21:1
115~26;He et al.(2013)J Immunol 191:4174
~83;Wilson et al.(2011)Cancer Cell 19:10
1~13)。他方、いくつかのTNFRスーパーファミリーメンバー、例えば、OX40
及びGITRは、腫瘍免疫を負に調節する制御性T細胞(Treg)において発現が増加
した。いくつかの研究で、抗OX40及び抗GITR抗体が、抗体のエフェクター機能に
よって腫瘍微小環境における制御性T細胞の選択的除去を促進し得ることが明らかになっ
ている(Bulliard et al.(2013)J Exp Med 210:1
685~93;Bulliard et al.(2014)Immunol Cell
Biol 92:475~80)。制御性T細胞のこのような抗体媒介性死滅は、治療
用抗OX40及び抗GITR抗体の抗腫瘍活性について、抗体媒介性エフェクターT細胞
の活性化よりも重要であり得る。
蓄積されつつあるエビデンスでは、免疫調節性抗体は、そのアゴニスト活性及びエフェ
クター機能のために様々な種類のFc受容体と会合することが示された。下流のシグナル
伝達経路を活性化するためには、TNFRの三量化が必要である。しかし、1つの抗体分
子は、一般的に、十分なTNF受容体をクラスタリングするのに十分ではなく、その代わ
り、in vitroアッセイにおける受容体活性化には抗体の架橋が必要である(Mo
rris et al.(2007)Mol Immunol 44:3112~21.
Recent studies in mice indicated that th
e engagement to the inhibitory FcγRIIB r
eceptor is critical for the agonistic ac
tivity of antibodies to a number of TNFR
targets,including CD40(Li et al.(2011)S
cience 333:1030~4;White et al.(2013)Canc
er Immunol Immunother 62:941~8),death re
ceptor 5(DR5)(Wilson et al.(2011)Cancer
Cell 19:101~13;Li et al.(2012)Proc Natl
Acad Sci U S A 109:10966~71)and CD95(Xu
et al.(2003)J Immunol 171:562~8)。IgG Fcの
FcγRIIB受容体への架橋によって、1よりも多くの抗体分子を多量体化することが
でき、続いて、シグナル伝達経路を活性化するために十分なTNFRのクラスタリングを
促進することができる。他方、抗体のエフェクター機能、例えば、ADCC及びADCP
は、様々な活性化Fcγ受容体との相互作用に依存している。腫瘍内制御性T細胞を選択
的に除去することによって活性化Fcγ受容体が免疫調節性抗OX40及び抗GITR抗
体の抗腫瘍活性に寄与することが、マウスにおける研究によって明らかになった(Bul
liard et al.(2013)J Exp Med 210:1685~93;
(Bulliard et al.(2014)Immunol Cell Biol
92:475~80).Human IgG antibodies have poo
r binding affinities to the majority of
human Fc receptors except FcγRI(Guilliam
s et al.(2014)Nat Rev Immunol 14:94~108)
免疫賦活性TNF受容体に対するアゴニスト抗体の抗腫瘍活性を最適化するために、1
つのアプローチは、IgG抗体のFc領域を遺伝子操作してそのFcγ受容体の会合、特
に、TNF受容体抗体のアゴニズムを媒介するFcγRIIB受容体との会合を改善する
ことである。これに関して、Chuらは、FcγRIIB結合親和性が強化されたIgG
1 FcにおけるS267E/L328F突然変異について記載している(Chu et
al.(2008)Mol Immunol 45:3926~33。このような突然
変異を有するように遺伝子操作を受けた抗CD19抗体は、初代ヒトB細胞のB細胞受容
体媒介性活性化の阻害を改善することが示された。しかし、更なる研究によって、このよ
うなFc変異体が活性化FcγRIIA受容体のR131アロタイプへの結合も強化する
ことが明らかになった(Mimoto et al.(2013)Protein En
g Des Sel 26:589~98。近年、Mimotoらは、FcγRIIA受
容体のH131アロタイプ又はR131アロタイプへの結合増加を伴わずにFcγRII
B会合が選択的に強化された、V12突然変異と総称されるIgG1 Fcにおける6つ
の突然変異のセットを報告した(Mimoto et al.(2013)Protei
n Eng Des Sel 26:589~98。遺伝子操作を受けたV12突然変異
を有する抗CD137アゴニスト抗体は、FcγRIIB会合に依存してはるかに強化さ
れたアゴニスト活性を示した。
FcγRIIB会合の最適化は実行可能なアプローチであるが、このような遺伝子操作
を受けた抗体のアゴニスト活性は、局所腫瘍微小環境におけるFcγ受容体の発現に大き
く依存し、このような抗体の有効性は解剖学的作用部位に限定されることがある。Fcγ
受容体の会合に依存しない免疫賦活性抗体のアゴニズムを増強する試みにおいて、ヒトI
gG2が、CD40、4-1BB及びCD28受容体について、免疫賦活性抗体に超アゴ
ニスト活性を付与し得ることがWhiteらによって最近報告された(White et
al.(2015)Cancer Cell 27:138~48)。この活性は、I
gG2サブタイプのヒンジ領域におけるジスルフィド結合の独特な構造によって付与され
、FcγRIIB会合には依存しない。他方、FcγRIIBに対する架橋の目的が受容
体を活性化するためにアゴニスト抗体のクラスタリングを増加させることのみである場合
、本発明者らは、抗体の多量体化を促進し得るこれらFc突然変異が、FcγRIIBを
架橋させる必要なくTNF受容体への抗体のアゴニズムを強化し得ると仮定した。Die
bolderらは、選択的Fc突然変異が、細胞表面の標的に結合した際にIgG抗体の
六量体の形成を促進し得ると報告した(Diebolder et al.(2014)
Science 343:1260~3)。このようなIgG六量体は補体依存性細胞傷
害(complement-dependent cytotoxicity、CDC)を大きく活性化できることが報告さ
れているが、本発明者らは、別の出願で、TNF受容体を認識するオリゴマー化抗体が受
容体のクラスタリングを促進することによってこのような受容体を活性化できると請求し
ている。
この研究は、抗OX40抗体のアゴニズムの強化に対する様々なFc遺伝子操作アプロ
ーチの評価について説明している。更に、遺伝子操作を受けた抗体のADCC及びADC
Pエフェクター機能に対するFc突然変異の効果についても評価された。このような研究
は、抗腫瘍活性が改善されたOX40及び他のTNF受容体に対する遺伝子操作を受けた
抗体の設計の指針に役立ち得る。
実施例2:材料及び方法
抗OX40抗体のFc遺伝子操作
抗OX40抗体SF2のVH及びVLの領域(VH:配列番号51、VL:配列番号5
2)をヒト野生型IgG1又はIgG2にクローニングし、選択置換でFcを遺伝子操作
して、抗体のアゴニスト活性及びエフェクター機能に対する当該置換の効果を評価した。
生成された抗体及びそのFc置換の名称を表3に示す。
Figure 2022033769000003
配列番号63 E345R突然変異を有するIgG1
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVS
WNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQT
YICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPRRPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPV
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
配列番号64 E430G突然変異を有するIgG1
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVS
WNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQT
YICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPV
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHGALHNHYT
QKSLSLSPGK
配列番号65 E345R/E430G突然変異を有するIgG1
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVS
WNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQT
YICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPRRPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPV
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHGALHNHYT
QKSLSLSPGK
配列番号66 E345R/E430G/S440Y突然変異を有するIgG1
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVS
WNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQT
YICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPRRPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPV
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHGALHNHYT
QKYLSLSPGK
配列番号67 E345R突然変異を有するIgG2sigma
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVS
WNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQT
YTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVF
LFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDG
VEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKC
KVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPRRPQVYTLPPSREEMTKN
QVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSD
GSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSL
SLSPGK
抗体の発現及び精製
抗体の重鎖(HC)及び軽鎖(LC)をコードしているプラスミドを、トランスフェク
ションキットの説明書(Life Technologies)に従って1:3(HC:
LC)のモル比でExpi293F細胞にコトランスフェクトした。トランスフェクショ
ンの5日後に細胞をスピンダウンし、上清を0.2μmのフィルタに通した。Octet
(ForteBio)を使用して、抗体発現の力価を定量した。キットの説明書(GE
Healthcare Life Sciences)に従ってプレパックドプロテイン
Aスピンカラムを使用して抗体の精製を実施した。精製された抗体を透析によってDPB
S(pH7.2)にバッファ交換し、280nmにおけるUV吸光度によってタンパク質
濃度を求めた。還元されたサンプル及び還元されていないサンプルの高性能サイズ排除ク
ロマトグラフィ(high-performance size-exclusion chromatography、HP-SEC)及
びSDS-PAGEによって、分子の品質及び完全性を評価した。
NanoBRETタンパク質-タンパク質相互作用アッセイ
抗OX40 SF2抗体の軽鎖のコーディング配列を、それぞれ、C末端Nanolu
c及びHalotag配列とインフレームになるようにpNLF-C及びpHTC ha
lotagベクター(Promega,Madison,WI)にクローニングした。N
anoluc又はHalotagが軽鎖のC末端に結合しているFcが遺伝子操作を受け
たSF2を発現させるために、これら軽鎖をOX40SF2IgG1、OX40SF2I
gG1E345R、OX40SF2IgG1E345R/E430G及びOX40SF2
IgG1E345R/E430G/S440Y抗体の重鎖と対合させた。標準的なプロテ
インAスピンカラムを使用して、これら修飾された抗体を精製した。
NanoBRETタンパク質-タンパク質相互作用アッセイ(Promega,Mad
ison,WI)によって細胞表面における抗体の多量体化について調べるために、96
ウェルアッセイプレートの各ウェルに0.25×10個のHEK-Blue:OX40
細胞を播種し、37℃で一晩培養した。次の日、50μLのアッセイ培地(Opti-M
EM I還元血清培地、フェノールレッド無し+4% FBS)中、等濃度のNanol
ucタグ付抗体(ドナー)及びHalotagタグ付抗体(アクセプター)を細胞に適用
した。50μLのアッセイ培地で1:1000希釈されたHalotag 618リガン
ドを実験ウェルに添加し、アッセイ培地でDMSOを1:1000希釈することによって
リガンド無しの対照ウェルも設定した。37℃で30分間インキュベートした後、細胞を
アッセイ培地で2回洗浄し、100μLのアッセイ培地に再懸濁した。FBSを含まない
アッセイ培地で1:200希釈した25μLのNano-Glo基質を各ウェルに添加し
た。30秒間振盪した後、ドナーの発光(460nm)及びアクセプターの発光(618
nm)をEnvisionによって測定した。ミリBRET単位(mBU)による生のN
anoBRET比の値をRawBRET=618nmEm/460nmEm×1000と
して算出した。ドナーが寄与するバックグラウンド又は蛍光漏れ(bleed through)を計
算に入れるために、ミリBRET単位による補正されたNanoBRET比の値をCor
rectedBRET=RawBRET実験サンプル-RawBRETリガンド無し対照
サンプルとして算出し、これは、タンパク質-タンパク質相互作用に起因する生物発光タ
ンパク質ドナーから蛍光タンパク質アクセプターへのエネルギー転移を反映している。
フローサイトメトリー染色
ヒトFcγRI(NM_000566)(配列番号59)、FcγRIIA(NM_0
21642)(配列番号60)、FcγRIIB(NM_004001)(配列番号61
)及びFcγRIIIA(NM_000569)(配列番号62)(Origene)を
コードしているcDNAを発現するプラスミドを、Expifectmine293トラ
ンスフェクションキット(Life Technologies)によってExpi29
3F細胞に一過的にトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後にフロー
サイトメトリーアッセイを実施した。トランスフェクトされたFc受容体の発現を確認す
るために、その特異的抗体、FcγRIについては10.1(BD Pharminge
n)、FcγRIIAについてはIV.3(StemCell Technologie
s)、FcγRIIBについては2B6(インハウスで調製)(Veri et al.
(2007)Immunology 121:392~404、及びFcγRIIIAに
ついては3G8(BD Pharmingen)を、陽性対照としてフローサイトメトリ
ー染色において使用した。抗OX40抗体のFcγRIIB受容体への結合を試験するた
めにRaji細胞(ATCC:CCL-86)も使用した。
96ウェルプレートに1ウェル当たり2×10個の細胞を播種し、BSA染色バッフ
ァ(BD Biosciences,San Jose,USA)中において4℃で30
分間ブロックした。細胞を、氷上において4℃で1.5時間、試験抗体と共にインキュベ
ートした。BSA染色バッファで2回洗浄した後、R-PEで標識された抗ヒト又は抗マ
ウスIgG二次抗体(Jackson Immunoresearch Laborat
ories)と共に細胞を4℃で45分間インキュベートした。細胞を染色バッファで2
回洗浄し、次いで、1:200希釈したDRAQ7 live/dead stain(
Cell Signaling Technology,Danvers,USA)を含
有する150μLの染色バッファ中に再懸濁させた。それぞれB2及びB4チャネルを使
用して、Miltenyi MACSQuantフローサイトメータ(Miltenyi
Biotec,Auburn,USA)によって、染色された細胞のPE及びDRAQ
7シグナルを検出した。生細胞をDRAQ7排除でゲートし、収集された少なくとも10
,000生細胞事象について幾何平均蛍光シグナルを求めた。解析にはFlowJoソフ
トウェア(Tree Star)を使用した。データを、平均蛍光シグナルに対する抗体
濃度の対数としてプロットした。GraphPad Prism 6(GraphPad
Software,Inc.)によって非線形回帰分析を行い、EC50値を算出した
配列番号59
MWFLTTLLLWVPVDGQVDTTKAVITLQPPWVSVFQEETVT
LHCEVLHLPGSSSTQWFLNGTATQTSTPSYRITSASVNDS
GEYRCQRGLSGRSDPIQLEIHRGWLLLQVSSRVFTEGEPL
ALRCHAWKDKLVYNVLYYRNGKAFKFFHWNSNLTILKTNI
SHNGTYHCSGMGKHRYTSAGISVTVKELFPAPVLNASVTS
PLLEGNLVTLSCETKLLLQRPGLQLYFSFYMGSKTLRGRN
TSSEYQILTARREDSGLYWCEAATEDGNVLKRSPELELQV
LGLQLPTPVWFHVLFYLAVGIMFLVNTVLWVTIRKELKRK
KKWDLEISLDSGHEKKVISSLQEDRHLEEELKCQEQKEEQ
LQEGVHRKEPQGAT
配列番号60
MTMETQMSQNVCPRNLWLLQPLTVLLLLASADSQAAPPKA
VLKLEPPWINVLQEDSVTLTCQGARSPESDSIQWFHNGNL
IPTHTQPSYRFKANNNDSGEYTCQTGQTSLSDPVHLTVLS
EWLVLQTPHLEFQEGETIMLRCHSWKDKPLVKVTFFQNGK
SQKFSHLDPTFSIPQANHSHSGDYHCTGNIGYTLFSSKPV
TITVQVPSMGSSSPMGIIVAVVIATAVAAIVAAVVALIYC
RKKRISANSTDPVKAAQFEPPGRQMIAIRKRQLEETNNDY
ETADGGYMTLNPRAPTDDDKNIYLTLPPNDHVNSNN
配列番号61
MGILSFLPVLATESDWADCKSPQPWGHMLLWTAVLFLAPV
AGTPAAPPKAVLKLEPQWINVLQEDSVTLTCRGTHSPESD
SIQWFHNGNLIPTHTQPSYRFKANNNDSGEYTCQTGQTSL
SDPVHLTVLSEWLVLQTPHLEFQEGETIVLRCHSWKDKPL
VKVTFFQNGKSKKFSRSDPNFSIPQANHSHSGDYHCTGNI
GYTLYSSKPVTITVQAPSSSPMGIIVAVVTGIAVAAIVAA
VVALIYCRKKRISALPGYPECREMGETLPEKPANPTNPDE
ADKVGAENTITYSLLMHPDALEEPDDQNRI
配列番号62
MAEGTLWQILCVSSDAQPQTFEGVKGADPPTLPPGSFLPG
PVLWWGSLARLQTEKSDEVSRKGNWWVTEMGGGAGERLFT
SSCLVGLVPLGLRISLVTCPLQCGIMWQLLLPTALLLLVS
AGMRTEDLPKAVVFLEPQWYRVLEKDSVTLKCQGAYSPED
NSTQWFHNESLISSQASSYFIDAATVDDSGEYRCQTNLST
LSDPVQLEVHIGWLLLQAPRWVFKEEDPIHLRCHSWKNTA
LHKVTYLQNGKGRKYFHHNSDFYIPKATLKDSGSYFCRGL
FGSKNVSSETVNITITQGLAVSTISSFFPPGYQVSFCLVM
VLLFAVDTGLYFSVKTNIRSSTRDWKDHKFKWRKDPQDK
HEK-Blue NFκBリポーターアッセイ
NF-κB誘導性プロモーター(IFN-βミニマルプロモーター)の制御下で分泌型
アルカリホスファターゼ(SEAP)受容体遺伝子を発現するように遺伝子操作を受けた
HEK-Blue(商標)Null1細胞にOX40発現プラスミド(pUNO1-hO
X40)をトランスフェクトすることによって、ヒトOX40を発現する安定なHEK-
Blueリポーター細胞株(HEK-Blue:OX40)を樹立した。リポーターアッ
セイでは、200μLの培養培地に再懸濁させた1×10個のHEK-Blue:OX
40細胞を96ウェルアッセイプレートの各ウェルに分注し、OX40リガンド又は抗O
X40抗体を添加した。架橋の効果を試験するために、1μLのプロテインG磁気ビーズ
(Pierce)、又は1×10個のRaji細胞を同じアッセイウェルに添加した。
37℃で一晩インキュベートした後、Quanti-Blue検出キット(Invivo
gen)を使用して誘導された分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)リポーター遺
伝子の発現を定量することによって、抗体のアゴニスト活性を評価した。簡潔に述べると
、40μLの細胞培養上清を160μLのQuanti-Blue試薬と混合し、適切な
青色を発色するまで37℃でインキュベートした。SpectraMaxマイクロプレー
トリーダー(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を使用
して650nmにおけるODを測定した。抗OX40抗体のアゴニスト活性を、1μg/
mL OX40リガンドによって誘導されたものに対する活性パーセントとして正規化し
た。
ADCCアッセイ
製造業者(Promega)によって指示されているとおり、ADCCリポーターバイ
オアッセイによって抗OX40抗体のADCC活性を評価した。簡潔に述べると、一晩9
6ウェルプレートにプレーティングした1ウェルあたり25,000個のHEK-Blu
e:OX40細胞を、FcγRIIIA受容体の活性化によってルシフェラーゼリポータ
ーが発現する遺伝子操作を受けたエフェクター細胞と混合した。抗OX40抗体を細胞に
添加し、37℃で6時間インキュベートした。次いで、Bio-Gloルシフェラーゼ試
薬を添加し、ルシフェラーゼシグナルをEnvisionによって定量した。抗OX40
抗体のADCC活性を、試験抗体を添加しなかったものに対するルシフェラーゼシグナル
の活性化の倍数として表した。
ADCPアッセイ
Turbo GFP形質導入粒子(Sigma Aldrich)をHEK-Blue
:OX40細胞に感染させることによって、GFPを発現するOX40標的細胞株を樹立
した。安定なGFP発現細胞をピューロマイシンで選抜した。CD16が枯渇していない
ネガティブヒト単球濃縮キット(StemCell Technologies)を使用
して、PBMC(Biologics Specialty)からヒトCD14CD1
単球を単離した。10% FBSを含有するX-VIVO-10培地(Lonza)
に単離された単球をプレーティングし、7日間にわたって25ng/mLのマクロファー
ジコロニー刺激因子(R&D Systems)を添加することによって単球からマクロ
ファージを分化させた。分化の最後の24時間、IFNγ(50ng/mL;R&D S
ystems)を添加した。ADCPアッセイでは、1×10細胞/ウェルの分化した
マクロファージを、96ウェルU底プレートにおける200μLの培地(DMEM+10
% FBS)中0.25×10細胞/ウェルのGFP発現HEK-Blue:OX40
細胞と混合した(4:1比)。試験抗体を添加し、37℃のインキュベータ内で24時間
プレートをインキュベートした。次いで、Accutase(Sigma)を使用して細
胞を剥離し、BSA染色バッファに再懸濁させた。Alexa Fluor 647(I
nvitrogen)に結合している抗CD11b及び抗CD14抗体(BD Bios
ciences)でマクロファージを染色した。Miltenyi MACSQuant
フローサイトメータ(Miltenyi Biotec,Auburn,USA)を使用
して、フローサイトメトリーによってGFP陽性HEK-Blue:OX40標的細胞及
びAlexa647陽性マクロファージを同定した。FlowJoソフトウェア(Tre
e Star)を用いてデータを解析し、以下の式を用いてGFP蛍光の減少を測定する
ことによって、ADCP媒介性細胞死滅を求めた:死滅した標的細胞の割合=((最低濃
度の抗体によるGFP、CD11b、CD14細胞の割合)-(試験濃度の抗体に
よるGFP、CD11b、CD14細胞の割合))/(最低濃度の抗体によるGF
、CD11b、CD14細胞の割合)×100。
CDCアッセイ
補体媒介性細胞死滅アッセイによって抗OX40抗体のCDC活性を評価した。簡潔に
述べると、1×10個のHEK-Blue:OX40細胞を6.7%(v/v)ウサギ
補体(Cedar Lane Labs,Burlington,Canada)及び試
験抗体と共に1時間インキュベートした。製造業者の指示書(Roche Diagno
stics,Indianapolis,IN)に従って、溶解したHEK-Blue:
OX40細胞のサイトゾルから上清に放出された乳酸デヒドロゲナーゼの活性を細胞傷害
検出キットによって測定した。補体媒介性細胞傷害を、0.67%(v/v)Trito
n X-100によって溶解したものに対する細胞傷害のパーセントとして表した。
実施例3.抗OX40抗体のアゴニズムを評価するためのNFκBリポーターアッセイ
の確立
TNF受容体スーパーファミリーのメンバーであるOX40は、TNF受容体関連因子
(TRAF)に結合することによって核因子カッパB(NFkB)シグナル伝達経路を活
性化する。OX40抗体のアゴニスト活性に対するFc遺伝子操作の寄与について調べる
ために、NFκB誘導性プロモーター下で安定的にヒトOX40及びSEAPを発現する
HEK-Blue(商標)リポーター細胞株を樹立した。OX40リガンドは、SEAP
リポーター遺伝子を発現させるトランスフェクトされたOX40受容体を用量依存的に活
性化した(図1A)。次いで、このリポーターアッセイによって、OX40SF2IgG
1抗体をそのアゴニスト活性について評価した。抗体は単独でわずかにアゴニスト活性を
示したが、プロテインGビーズに固定化されたOX40SF2IgG1抗体は、用量依存
的に、1000ng/mLではOX40リガンドよりも高いレベルまでリポーター遺伝子
の発現を刺激することができ(図1A)、これは、アゴニスト活性に抗体架橋が必要であ
ることを示す。
最近の研究では、FcγRIIBにより架橋活性がもたらされ、TNF受容体抗体のア
ゴニスト活性を促進できることが明らかになった(Li et al.(2012)Ce
ll Cycle 11:3343~4)。FcγRIIBが主に発現するヒトBリンパ
芽球Raji細胞と共にHEK-Blue:OX40細胞を共培養することによって、リ
ポーターアッセイにおいてFcγRIIBの架橋効果を評価した(Rankin et
al.(2006)Blood 108:2384~91)。しかし、Raji細胞と共
培養しても天然IgG1を有するSF2抗体のアゴニスト活性を有意に強化することはで
きなかった(図1B)。
実施例4.S267E/L328F及びV12突然変異を有する抗OX40抗体の特性
評価
抗体FcにおけるS267E/L328F突然変異及びE233D/G237D/P2
38D/H268D/P271G/A330R突然変異(本明細書ではV12突然変異と
称する)は、FcγRIIB受容体に対する当該抗体の結合を強化することが判明してい
る。抗OX40抗体におけるこのような突然変異の効果を評価するために、S267E/
L328F二重突然変異(OX40SF2IgG1S267E/L328F)及びV12
突然変異(OX40SF2IgG1V12)を有するIgG1として抗OX40抗体SF
2をクローニングした。
FcγRへの結合
一過的にトランスフェクトされたExpi293F細胞において発現している様々なF
cγRに対する遺伝子操作を受けた抗体の結合を、フローサイトメトリーによって評価し
た。FcγRIIBについて、天然IgG1を有するOX40SF2抗体の結合は少ない
が、遺伝子操作を受けたFc突然変異は、FcγRIIBに対する結合親和性の増大を伴
う抗OX40抗体を強く助長し、EC50(OX40SF2IgG1S267E/L32
8Fについては459ng/mL及びOX40SF2IgG1V12については502n
g/mL)は2B6(431ng/mL)と同等であり、抗体は、OX40SF2IgG
1よりもはるかに高く、FcγRIIBを優先的に認識する(図2A)。同様のフローサ
イトメトリーアッセイを実施して、一過的にトランスフェクトされたExpi293F細
胞において発現しているFcγRIIAのR131アロタイプに対する、遺伝子操作を受
けた抗OX40抗体の結合を評価した。OX40SF2IgG1V12はOX40SF2
IgG1と同様にFcγRIIAに対して少ない結合を示したが、S267E/L328
F突然変異は、20倍効力が高いFcγRIIAR131(EC50:216ng/mL
)に対するより強力な結合を促進する(図2B)。このデータは、S267E/L328
F及びV12突然変異がいずれもFcγRIIB結合の強化を促進するが、V12突然変
異の効果がより特異的であるという以前の知見と一致している。
FcγRIでは、OX40SF2IgG1は高い親和性を示し、EC50は326ng
/mLであった(図2C)。OX40SF2IgG1S267E/L328F抗体は、O
X40SF2IgG1と同様の結合特性を示したが、V12突然変異は、FcγRIに対
するOX40SF2IgG1V12抗体の結合を有意に抑制する。フローサイトメトリー
アッセイによって、FcγRIIIA受容体に対する遺伝子操作を受けた抗OX40抗体
の結合も評価した。OX40SF2IgG1抗体は、EC50は744ng/mLでFc
γRIIIAに対する結合を示したが、OX40SF2IgG1S267E/L328F
及びOX40SF2IgG1V12は、FcγRIIIAに対する結合活性を示さなかっ
た(図2D)。
アゴニズム
S267E/L328F及びV12突然変異は、FcγRIIBに対する結合親和性の
増大を伴うOX40SF2IgG1抗体を助長するので、これら強化された結合によって
抗OX40抗体のアゴニズムが増加し得るかどうかをHEK-Blue NFκBリポー
ターアッセイによって評価した。まず、遺伝子操作を受けた抗OX40抗体のRaji細
胞への結合をフローサイトメトリーアッセイによって評価した。FcγRIIB受容体で
トランスフェクトされたExpi293F細胞(図2A)と比べて効力は低かったが、O
X40SF2IgG1S267E/L328F及びOX40SF2IgG1V12は、R
aji細胞に対して用量依存的結合を示し、OX40SF2IgG1は示さなかった(図
3A)。Raji細胞に対する結合がFcγRIIBによって媒介されることを確認する
ために、Raji細胞を5μg/mLの2B6抗体で前処理した後、遺伝子操作を受けた
抗OX40抗体のRaji細胞に対する結合を評価した。2B6抗体によるRaji細胞
におけるFcγRIIBのプレブロックはOX40SF2IgG1S267E/L328
F及びOX40SF2IgG1V12のRaji細胞への結合を有意に抑制することが観
察された(図3B)。
HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイでは、OX40SF2IgG1
S267E/L328FもOX40SF2IgG1V12も、Raji細胞の非存在下に
おいて有意なアゴニスト活性を示さなかった。しかし、Raji細胞とHEK-Blue
:OX40細胞を共培養すると、これら遺伝子操作を受けた抗OX40抗体は劇的に増加
したアゴニズムを示し、1000ng/mLにおける効力は同濃度のOX40リガンドと
比べて2倍超高かった(図3C及び図3D)。更に、Raji細胞におけるFcγRII
Bをプレブロックするために2B6抗体を添加したとき、OX40SF2IgG1S26
7E/L328F及びOX40SF2IgG1V12抗体については、アゴニズムのRa
ji細胞依存性強化が有意に抑制され(図3C及び図3D)、これは、遺伝子操作を受け
た抗体のアゴニスト活性がFcγRIIB架橋によって媒介されたことを示す。
Fcのエフェクター機能
エフェクター細胞における生物発光リポーター遺伝子の発現がFcγRIIIA媒介性
ADCCの活性化を反映するリポーターバイオアッセイによって、S267E/L328
F及びV12突然変異を有する抗OX40抗体のADCC活性を調べた。HEK-Blu
e:OX40標的細胞とFcγRIIIAを発現しているエフェクター細胞とを共培養し
たとき、OX40SF2IgG1はリポーター遺伝子の発現を用量依存的に活性化した。
しかし、OX40SF2IgG1S267E/L328FもOX40SF2IgG1V1
2もリポーター遺伝子の発現を誘導せず(図4A)、これは、S267E/L328F及
びV12突然変異がOX40SF2IgG1抗体のADCC活性を抑制したことを示す。
この結果は、遺伝子操作を受けた抗体におけるFcγRIIIAへの結合活性の喪失と一
致する(図2D)。
単離された単球から分化したマクロファージによるGFPを発現しているHEK-Bl
ue:OX40細胞の貪食を評価するアッセイにおいて、S267E/L328F及びV
12突然変異を有する抗OX40抗体の抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性についても
調べた。OX40SF2IgG1抗体は、マクロファージによるHEK-Blue:OX
40標的細胞の死滅を用量依存的に媒介した。S267E/L328F突然変異もV12
突然変異も、OX40SF2IgG1抗体のADCP活性を有意に変化させなかった(図
4B)。遺伝子操作を受けた抗OX40抗体の分化したマクロファージへの結合をフロー
サイトメトリーアッセイによって評価した。OX40SF2IgG1S267E/L32
8F抗体はOX40SF2IgG1抗体と同様のマクロファージへの結合親和性を有して
いたが、OX40SF2IgG1V12抗体は、ADCPアッセイでは活性があったもの
の、マクロファージに対する結合は有意に減少した(図4C)。
ウサギ補体の存在下におけるHEK-Blue:OX40細胞の溶解を評価するアッセ
イにおいて、抗体媒介性CDCについて調べた。OX40SF2IgG1抗体は、10,
000ng/mL以下でHEK-Blue:OX40標的細胞に対する有意なCDC活性
を引き起こさなかった。同様に、V12突然変異もS267E/L328F突然変異も、
天然ヒトIgG1 Fcドメインを有する抗体よりも高いCDC活性を促進しなかった(
図4D)。
実施例5.E345R、E430G及びS440Y突然変異を単独で又は組み合わせて
有する抗OX40抗体の特性評価
Diebolderらは、細胞表面抗原に結合したときにIgG1抗体の六量体化を誘
導し、抗体のエフェクター機能ADCC及びCDCを強化するFc突然変異のセット(E
345R、E430G及びS440Y)を同定した(Diebolder et al.
(2014)Science 343:1260~3)。このような多量体化抗体が、受
容体を活性化するための必要条件であるTNFRスーパーファミリーメンバーの凝集を促
進することによって抗TNFRスーパーファミリー抗体のアゴニズムを強化し得ると仮定
した。
仮説を検証するために、抗OX40抗体SF2のIgG1に対して単独のE345R、
E430G及びS440Y突然変異、又は当該突然変異の組み合わせで遺伝子操作を行い
、表3に示す得られた抗体OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG1
E430G、OX40SF2IgG1 E345R/E430G及びOX40SF2Ig
G1 E345R/E430G/S440Yを特性評価した。
抗体の多量体化
SEC分析によって、OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG1E
430G及びOX40SF2IgG1E345R/E430G抗体が、OX40SF2I
gG1のように溶液中でモノマーとして存在することが明らかになった。しかし、SEC
分析によって、三重変異抗体OX40SF2IgG1E345R/E430G/S440
Yのピークが約900kDaであることが明らかになり、これは、その抗体の六量体の存
在を示す。この所見は、E345R/E430G/S440Y突然変異が溶液相において
容易に六量体の形成を促進するという報告された知見と一致する(Diebolder
et al.(2014)Science 343:1260~3。
遺伝子操作を受けた抗体が、細胞表面における抗原に結合したときに多量体化するかど
うかを評価するために、NanoBRET(商標)タンパク質-タンパク質相互作用(pr
otein-protein interaction、PPI)アッセイを実施した。このアッセイは、生物発光
タンパク質ドナーから蛍光タンパク質アクセプターへのエネルギー転移を測定することに
よってタンパク質-タンパク質相互作用を検出する、近接度に基づくアッセイである。生
成された抗体OX40SF2IgG1E345R、OX40SF2IgG1E430G、
OX40SF2IgG1E345R/E430G及びOX40SF2IgG1E345R
/E430G/S440Yを、それぞれ、ドナー及びアクセプターとして抗体軽鎖のC末
端に結合しているNanoluc(登録商標)ルシフェラーゼ又は蛍光標識されたHal
oTag(登録商標)のいずれかを有するように更に遺伝子操作した。タグ付き抗体は、
HEK-Blue NFκBリポーターアッセイにおいて対応するタグの付いていない抗
体と同等の機能活性を示した(データ不図示)。ドナー及びアクセプター抗体をHEK-
Blue:OX40細胞に適用することによってNanoBRET PPIアッセイを実
施し、算出され補正されたNanoBRET比は多量体化抗体の会合を反映する。OX4
0SF2IgG1抗体はバックグラウンドの補正されたNanoBRET比を示したが、
IgGの六量体化を促進する突然変異を有するSF2抗体は、10~1000ng/mL
の濃度にわたってはるかに高い補正されたNanoBRET比を示した(図5)。補正さ
れたNanoBRET比の値によって反映される細胞表面における抗体会合の程度は、以
下の順序であった:OX40SF2IgG1E345R/E430G>OX40SF2I
gG1E345R/E430G/S440Y>OX40SF2IgG1E345R>OX
40SF2IgG1E430G>OX40SF2IgG1。この結果は、会合の程度が異
なるにもかかわらず、野生型IgG1を除く全ての抗体が細胞表面で多量体化したことを
示した。
遺伝子操作を受けた抗OX40抗体のアゴニズムの改善はFcγRIIB架橋に依存し
ない
抗体のアゴニスト活性に対するE345R、E430G及びS440Y置換の効果を評
価するために、遺伝子操作を受けた抗体をHEK-Blue(商標)NFκBリポーター
アッセイで特性評価した。生成された抗体は全てアゴニスト活性を示した。抗体は最も高
い多量体化度を有さなかったが(図5)、OX40SF2IgG1E345Rは、OX4
0リガンドの活性と比べて最も改善されたアゴニスト活性を示した(図6A)。
OX40SF2IgG1E430Gは、最も低いアゴニスト活性の改善を示したが、O
X40SF2IgG1 E345R/E430G及びOX40SF2IgG1E345R
/E430G/S440Yは、OX40SF2IgG1E345RとOX40SF2Ig
G1E430Gとの間のアゴニズムの程度を示した(図6A)。
E345は、IgGサブタイプの中で保存されている残基である。また、サイレントI
gG2sigmaFcを有する抗OX40抗体においてもE345R突然変異の遺伝子操
作を行い、その結果、抗体OX40SF2IgG2sigmaE345Rが得られた。H
EK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイによって、OX40SF2IgG2
sigmaはわずかしかアゴニスト活性を有しないが(図6C)、OX40SF2IgG
2sigmaE345Rは用量依存的にアゴニズムを示す(図6D)ことが明らかになっ
た。これは、E345R突然変異が複数のIgGサブタイプにわたってアゴニズムの強化
を促進し得ることを示した。
FcγRIIB架橋は、IgGサブタイプに依存してE345R突然変異を有する抗O
X40抗体のアゴニズムを更に増強する
E345R突然変異はFcγRIIB架橋に依存せずにIgG1又はIgG2sigm
aのFcを有する抗OX40抗体のアゴニズムを促進し得るが、それでもなお、Raji
細胞と共培養したHEK-Blue:OX40細胞に遺伝子操作を受けた抗体を適用した
HEK-Blue(商標)NFκBリポーターアッセイによって、FcγRIIB架橋の
効果について調べた。Raji細胞の存在は、OX40SF2IgG1E345R抗体の
アゴニズムを更に増強することができ、Raji細胞と共培養しない場合と比べて試験濃
度全体にわたって活性が2倍を超えて増加する(図6B)ことが観察された。Raji細
胞におけるFcγRIIB受容体をプレブロックするために2B6抗体を添加したとき、
OX40SF2IgG1E345RのアゴニズムのRaji細胞媒介性増強は完全に阻害
され、アゴニスト活性はRaji細胞と共培養しない場合と同様のレベルまで低下したが
、これはアゴニズムの増強がFcγRIIB架橋によって駆動されることを示す。
E345R突然変異を有するか又は有しないOX40SF2IgG2sigma抗体の
アゴニズムに対するFcγRIIB架橋を評価するために、同様のアッセイを設定した。
Raji細胞の存在は、OX40SF2IgG2sigma又はOX40SF2IgG2
sigmaE345R抗体のいずれにおいてもアゴニスト活性を増強できないことが見出
された(図6C及び図6D)。このデータは、E345R突然変異を有する抗OX40抗
体のアゴニズムのRaji細胞によって媒介される増強がIgGサブタイプに依存してお
り、IgG1 Fcに対しては効果があるが、サイレントIgG2sigma Fcに対
しては効果がないことを示した。
E345R突然変異を有する遺伝子操作を受けた抗OX40抗体のエフェクター機能
FcγRIIIA媒介性ADCCリポーターバイオアッセイによって、E345R突然
変異を有する抗OX40抗体のADCC活性を調べた。E345R突然変異は、抗OX4
0抗体のADCCを改善した。OX40SF2IgG1E345Rは、OX40SF2I
gG1と比べてADCCを改善した(図7A)。対照的に、OX40SF2IgG2si
gmaはADCC活性を示さず、OX40SF2IgG2sigmaへのE345R突然
変異の導入はADCCに対して効果を有しなかった。
分化したマクロファージによるGFPを発現しているHEK-Blue:OX40細胞
の貪食によって、E345R突然変異を有する抗OX40抗体のADCP活性についても
調べた。OX40SF2IgG1抗体は、マクロファージによるHEK-Blue:OX
40標的細胞の死滅を用量依存的に媒介したが、E345R突然変異の導入はOX40S
F2IgG1抗体のADCP活性をわずかに強化しただけであった(図7B)。対照的に
、OX40SF2IgG2sigmaはADCP活性を有していなかったが、OX40S
F2IgG2sigmaへのE345R突然変異の導入はADCPを改善した(図7B)
ウサギ補体の存在下におけるHEK-Blue:OX40細胞の溶解を評価するアッセ
イにおいて、抗体媒介性CDCについて調べた。OX40SF2IgG1抗体はHEK-
Blue:OX40標的細胞に対する有意なCDC活性を媒介しなかったが、E345R
突然変異は、CDC活性の増加を伴うOX40SF2IgG1抗体を用量依存的に助長し
た。対照的に、OX40SF2IgG2sigma抗体はこのアッセイにおいてCDC活
性を有しておらず、OX40SF2IgG2sigma抗体におけるE345R突然変異
は、そのCDC活性におけるサイレンシングを変化させなかった(図7C)。
考察
免疫賦活性TNFRスーパーファミリーメンバーに対するアゴニスト抗体は、癌治療法
のための有望な薬剤として台頭しつつある。最近のFcを遺伝子操作する試みは、置換S
267E/L328F及びV12をFcに導入することによって抗TNFRスーパーファ
ミリー抗体のFcγRIIBとの会合を最適化することを介してそのアゴニスト活性を強
化することによって、当該抗体をその抗腫瘍免疫について最適化することに向けられてい
る(Chu et al.(2008)Mol Immunol 45:3926~33
;Mimoto et al.(2013)Protein Eng Des Sel
26:589~98)。
本明細書において抗OX40抗体に適用したとき、報告されたS267E/L328F
及びV12突然変異は、トランスフェクトされたExpi293F細胞又はRaji細胞
のいずれかで発現したFcγRIIBに対する遺伝子操作を受けた抗OX40抗体の結合
を強化し、架橋依存的にアゴニスト活性を強化した。アゴニズムの程度は、S267E/
L328F及びV12突然変異のいずれについても同等であった。OX40抗体における
S267E/L328F及びV12突然変異は、FcγRIIBへの結合を強化すると同
時にFcγRIIIAへの抗体結合を阻害したが、これは、Mimotoによって報告さ
れた結果と一致している(Mimoto et al.(2013)Protein E
ng Des Sel 26:589~98。結果として、S267E/L328F及び
V12突然変異は、遺伝子操作を受けた抗OX40抗体のADCCを完全に阻害したが、
このADCCは、NK細胞で発現しているFcγRIIIAによって大部分が媒介される
CD20などの腫瘍関連抗原に対する抗体の六量体化を誘導する突然変異(Diebo
lder et al.(2014)Science 343:1260~3(E345
R、E430G、S440Y)が抗OX40抗体のアゴニスト活性を誘導することも本明
細書において見出された。しかし、S267E/L328F及びV12突然変異について
報告されたものとは対照的に、改善されたアゴニスト活性はFcγRIIB架橋に依存し
ていなかった。E345R、E430G、及びE345R/E430G二重突然変異を有
する抗OX40抗体は溶液中でモノマーとして存在するが、当該抗体は細胞表面における
OX40に結合すると多量体化した。多量体化した抗体は、FcγRIIB発現細胞の非
存在下において強化されたアゴニスト活性を示したが、これは恐らく細胞上におけるOX
40のクラスタリングの増加が促進されたことによるものである。二重E345R/E4
30G及び三重E345R/E430G/S440Y突然変異によって、単一突然変異の
みと比べてより高次の抗体多量体化が生じたが、単一のE345R突然変異から最高のア
ゴニスト活性を有する抗体が得られた。何らかの特定の理論に束縛されるものではないが
、E345R突然変異を有するオリゴマー化した抗体は、E430G突然変異を有する抗
体よりもOX40受容体のクラスタリングの促進についてより好ましい構造を有すると考
えられる。
E345R突然変異はFcγRIIB架橋に依存せずにアゴニズムを強化したが、Fc
γRIIB発現細胞の存在がE345R突然変異を有する抗体のアゴニズムを更に強化す
ることが見出された。このアゴニズムの更なる増強は、遺伝子操作を受けた抗体とRaj
i細胞で発現しているFcγRIIBとの相互作用に依存していたが、その理由は、Fc
γRとの結合においてサイレントであるIgGsigma抗体ではアゴニズムの増強がみ
られず、Raji細胞で発現しているFcγRIIBをプレブロックすることによってア
ゴニズムが抑制されたためである。多量体化抗体はモノマーの抗体と比べてFcγ受容体
に対してより高い親和性を有することが報告されている(Luo et al.(200
9)MAbs 1:491~504)。実際、本明細書に提示される結果は、溶液中で部
分的に六量体形態であるOX40SF2E345R/E430G/S440Yが、溶液中
でモノマーとして存在するOX40SF2IgG1及びOX40SF2IgG1E345
R抗体と比べて、トランスフェクトされたExpi293F細胞で発現しているFcγR
IIBに対してはるかに強力な結合を有することを示す(データ不図示)。細胞表面にお
けるOX40に結合しているオリゴマー化OX40SF2IgG1E345Rは、Raj
i細胞におけるFcγRIIBに対する結合を増加させ得、次に、抗体の多量体化を更に
安定化し、アゴニズムの増強をもたらす受容体のクラスタリングを促進すると仮定する。
抗OX40抗体に導入されたE345R突然変異は、抗体のADCC活性の効力を強化
した。この効果は、FcγRIIIAに結合することができるIgG1における遺伝子操
作を受けた抗体に特異的であったが、FcγRIIIAに結合しないIgG2sigma
における抗体に対しては特異的ではなかった。これら所見は、IgG1抗体のE345R
媒介性ADCC活性の強化が、細胞表面におけるOX40を認識した際のFcγRIII
Aとオリゴマー化抗体との結合増加を介したものである可能性が高いことを示唆していた
天然IgG1 Fcを有する抗OX40抗体に対して、S267E/L328FもV1
2突然変異もADCPに有意な影響を与えなかった。これは、貪食を媒介するマクロファ
ージで発現している主なFc受容体であるFcγRIIAに対する結合を強化することが
報告された(Mimoto et al.(2013)Protein Eng Des
Sel 26:589~98)S267E/L328F突然変異については予想外であ
り得る。しかし、FcγRIIAに加えて、FcγRI及びFcγRIIIAを含むいく
つかのFc受容体は、標的細胞のIgG抗体によって媒介される貪食に寄与する(Ind
ik et al.(1995)Blood 86:4389~99)。OX40SF2
IgG1S267E/L328F抗体は、OX40SF2IgG1と同様のFcγRIに
対する結合効力を示したが、FcγRIIIAに対する結合は抑制した。更に、強化され
たFcγRIIA結合の程度は、高親和性FcγRI受容体に対する結合と全く同等のレ
ベルであった。その結果、OX40SF2IgG1S267E/L328F抗体は、OX
40SF2IgG1と同様のマクロファージに対する結合効力を示し、OX40SF2I
gG1に比べてADCP活性の強化は示さなかった。対照的に、OX40SF2IgG1
V12抗体は、FcγRI及びFcγRIIIAに対する結合が減少し、FcγRIIA
に対する結合効力は変化しなかったが、これによって、マクロファージに対する結合の有
意な減少を説明することができる。それにもかかわらず、OX40SF2IgG1V12
抗体は、OX40SF2IgG1と同様のADCP活性を示した。この矛盾の理由は未知
である。同様に、E345R突然変異を有するOX40SF2IgG1抗体についてAD
CP活性の有意な増加は観察されなかったが、このような突然変異は、遺伝子操作を受け
た抗体のADCC活性を有意に強化した。興味深いことに、OX40SF2IgG2si
gmaはADCP活性を有していなかったが、E345R突然変異は、サイレントFcを
有するこの抗体に対して有意なADCP活性を付与した。
本研究において評価されたいくつかのFc遺伝子操作アプローチはそれぞれ、同時に遺
伝子操作を受けた抗体のアゴニスト活性を強化し、エフェクター機能を調節することにお
いて独特の特性を与える。ADCCの要件に依存して、様々な遺伝子操作アプローチは、
TNFRスーパーファミリーメンバーに結合する治療用抗体に対して想定され得る。例え
ば、CD40及びCD27に結合する抗体は、細胞枯渇のリスクを最小化するために、改
善されたアゴニスト活性ではあるが最小のADCCから利点を享受し得る。したがって、
IgG1におけるS267E/L328F若しくはV12、又はIgG2sigmaにお
けるE345Rを使用して、改善されたCD40及びCD27抗体を生成し得る。対照的
に、例えば制御性T細胞を除去するためにADCC活性が望ましいとき、IgG1におけ
るE345R突然変異を使用することができる。例えば、OX40又はGITRに結合す
る抗体は、改善されたアゴニスト活性及び強化されたADCCの利点を享受し得る。
別の検討事項は、FcγRIIB架橋に対する依存性がアゴニズムの強化にとって望ま
しいかどうかである。E345R突然変異は、FcγRIIB架橋に依存せずにアゴニズ
ムの増加を促進することができ、これにより、局所微小環境におけるFcγRの発現レベ
ルに関係なく規定の治療活性を有する抗体を備えておくことができ、特に、FcγR低発
現細胞が浸潤している癌の種類について有利である。しかし、FcγRIIB架橋に依存
しないことで、アゴニズムが非特異的に賦活されることがあり、これによって望ましくな
いオフターゲット効果が生じる場合がある。このような場合、S267E/L328F又
はV12突然変異を使用され得る。異なるFc受容体に対する結合活性の変化、免疫原性
、PKプロファイル、及び遺伝子操作を受けた抗体の開発可能性を含む他の要因も、最適
な遺伝子操作アプローチの選択において考慮しなければならない。

Claims (33)

  1. 単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体であっ
    て、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異又はE345R/E430G
    /S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、前記突然変異を
    有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有する、前記抗体。
  2. 前記E345R突然変異を含む、請求項1に記載の抗体。
  3. 前記E345R/E430G突然変異を含む、請求項1に記載の抗体。
  4. 前記E345R/E430G/S440Y突然変異を含む、請求項1に記載の抗体。
  5. 抗体架橋に依存しないアゴニスト活性を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の
    抗体。
  6. IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のアイソタイプである、請求項1~5のい
    ずれか一項に記載の抗体。
  7. 配列番号63、64、65、66又は67のアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいず
    れか一項に記載の抗体。
  8. 第2の突然変異を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体。
  9. 前記第2の突然変異が、IgG1におけるL234A/L235A突然変異、IgG2
    におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/
    P331S突然変異、IgG4におけるF234A/L235A突然変異、IgG4にお
    けるS228P/F234A/L235A突然変異、全てのIgアイソタイプにおけるN
    297A突然変異、IgG2におけるV234A/G237A突然変異、IgG1におけ
    るK214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P3
    31A/D365E/L358M突然変異、IgG2におけるH268Q/V309L/
    A330S/P331S突然変異、IgG1におけるL234F/L235E/D265
    A突然変異、IgG1におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H2
    68A/A330S/P331S突然変異、IgG4におけるS228P/F234A/
    L235A/G237A/P238S突然変異、又はIgG4におけるS228P/F2
    34A/L235A/G236欠失/G237A/P238S突然変異である、請求項7
    に記載の抗体。
  10. 前記第2の突然変異が、IgG2における前記V234A/G237A/P238S/
    H268A/V309L/A330S/P331S突然変異である、請求項9に記載の抗
    体。
  11. 前記第2の突然変異が、IgG1における前記L234A/L235A/G237A/
    P238S/H268A/A330S/P331S突然変異である、請求項9に記載の抗
    体。
  12. 前記第2の突然変異が、IgG4における前記S228P/F234A/L235A突
    然変異である、請求項9に記載の抗体。
  13. 前記TNFRファミリーの前記受容体が、OX40(配列番号4)、CD27(配列番
    号8)、CD40(配列番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配列番
    号23)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容できる担体とを含む、医
    薬組成物。
  15. 被験体における抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のアゴニスト活性を強化す
    る方法であって、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異又はE345R
    /E430G/S440Y突然変異を前記抗体に導入して、前記TNFRスーパーファミ
    リーメンバーに特異的に結合する遺伝子操作を受けた抗体を生成することと、前記遺伝子
    操作を受けた抗体を前記被験体に投与することとを含む、前記方法。
  16. 前記抗体が、第2の突然変異を更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第2の突然変異が、IgG1におけるL234A/L235A突然変異、IgG2
    におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/
    P331S突然変異、IgG4におけるF234A/L235A突然変異、IgG4にお
    けるS228P/F234A/L235A突然変異、全てのIgアイソタイプにおけるN
    297A突然変異、IgG2におけるV234A/G237A突然変異、IgG1におけ
    るK214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P3
    31A/D365E/L358M突然変異、IgG2におけるH268Q/V309L/
    A330S/P331S突然変異、IgG1におけるL234F/L235E/D265
    A突然変異、IgG1におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H2
    68A/A330S/P331S突然変異、IgG4におけるS228P/F234A/
    L235A/G237A/P238S突然変異、又はIgG4におけるS228P/F2
    34A/L235A/G236欠失/G237A/P238S突然変異である、請求項1
    6に記載の方法。
  18. 前記第2の突然変異が、IgG2における前記V234A/G237A/P238S/
    H268A/V309L/A330S/P331S突然変異である、請求項17に記載の
    方法。
  19. 前記第2の突然変異が、IgG1における前記L234A/L235A/G237A/
    P238S/H268A/A330S/P331S突然変異である、請求項17に記載の
    方法。
  20. 前記第2の突然変異が、IgG4における前記S228P/F234A/L235A突
    然変異である、請求項17に記載の方法。
  21. 前記被験体が癌を有する、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記癌が固形腫瘍である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記固形腫瘍が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮N
    SCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣癌、胃癌、肝臓癌、
    膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌腫、食道又は胃腸管の癌腫、乳癌、卵管癌、脳癌
    、尿道癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は前記癌の転移巣である、請求項22
    に記載の方法。
  24. 前記TNFRスーパーファミリーメンバーが、OX40(配列番号4)、CD27(配
    列番号8)、CD40(配列番号5)、CD137(配列番号10)、又はGITR(配
    列番号23)である、請求項15~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 被験体における癌を治療する方法であって、前記癌を治療するのに十分な時間、E34
    5R突然変異、E345R/E430G突然変異又はE345R/E430G/S440
    Y突然変異を含む抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体を前記被験体に投与するこ
    とを含む、前記方法。
  26. 前記抗体が、第2の突然変異を更に含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第2の突然変異が、IgG1におけるL234A/L235A突然変異、IgG2
    におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/
    P331S突然変異、IgG4におけるF234A/L235A突然変異、IgG4にお
    けるS228P/F234A/L235A突然変異、全てのIgアイソタイプにおけるN
    297A突然変異、IgG2におけるV234A/G237A突然変異、IgG1におけ
    るK214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P3
    31A/D365E/L358M突然変異、IgG2におけるH268Q/V309L/
    A330S/P331S突然変異、IgG1におけるL234F/L235E/D265
    A突然変異、IgG1におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H2
    68A/A330S/P331S突然変異、IgG4におけるS228P/F234A/
    L235A/G237A/P238S突然変異又はIgG4におけるS228P/F23
    4A/L235A/G236欠失/G237A/P238S突然変異である、請求項26
    に記載の方法。
  28. 前記癌が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCL
    C、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌
    、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌腫、食道又は胃腸管の癌腫、乳癌、卵管癌、脳癌、尿道
    癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は前記癌の転移巣である、請求項25~27
    のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記TNFRファミリーの前記受容体が、OX40(配列番号4)、CD27(配列番
    号8)、CD40(配列番号5)、CD137(配列番号10)又はGITR(配列番号
    23)である、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体であっ
    て、E345R突然変異、E345R/E430G突然変異又はE345R/E430G
    /S440Y突然変異(残基の付番はEUインデックスに従う)を含み、癌の治療におけ
    る使用について、前記突然変異を有しない親抗体と比べて強化されたアゴニスト活性を有
    する、前記抗体。
  31. 前記癌が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCL
    C、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌
    、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌腫、食道又は胃腸管の癌腫、乳癌、卵管癌、脳癌、尿道
    癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は前記癌の転移巣である、前記癌の治療にお
    いて使用するための請求項30に記載の抗体。
  32. 癌を治療するための医薬品の製造における、E345R突然変異、E345R/E43
    0G突然変異又はE345R/E430G/S440Y突然変異(残基の付番はEUイン
    デックスに従う)を含む、単離された抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミ
    リーメンバー抗体の使用。
  33. 前記癌が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCL
    C、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌
    、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌腫、食道又は胃腸管の癌腫、乳癌、卵管癌、脳癌、尿道
    癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は前記癌の転移巣である、請求項32に記載
    の使用。
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