JP2022025156A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物を熱処理する性能をより高くできること、熱処理装置に関して簡素な構成を実現できることにより当該熱処理装置の製造コストをより低くすること、熱処理に必要な時間をより短くできること、の少なくとも一つを実現する。【解決手段】熱処理装置1は、金属製の被処理物100を熱処理のために加熱する加熱部材4と、加熱部材4が配置された熱処理室2内に配置された噴射口11aを含む冷却ノズル11であって、熱処理のために被処理物100へ冷却ガスを噴射する冷却ノズル11と、被処理物100を保持するために前記熱処理室内に配置され前記噴射口が設けられた保持部材と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理物に加熱処理および冷却処理を施すための、熱処理装置に関する。
歯車等の金属部品(被処理物)に熱処理を施すための熱処理装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載の熱処理装置は、被処理物に焼入処理等を行うために用いられる。この熱処理装置は、加熱室および冷却室を有している。加熱室では、被処理物が加熱される。冷却室では、被処理物が冷却される。被処理物は、加熱室から冷却室へ、搬送機構によって搬送される。
国際公開WO2017/043137号 国際公開WO2017/043138号
金属部品を焼入処理する熱処理装置においては、被処理物の各部の冷却度合いにばらつきが生じると、この金属部品に歪み(すなわち意図しない変形)が発生する。このため、被処理物の各部の冷却度合いをより均等にすることが好ましい。しかしながら、特許文献1,2に記載の構成では、加熱室と冷却室とが別個に設けられている。このため、被処理物がサイズの小さい部品である場合、当該被処理物が加熱室から冷却室へ搬送される際における被処理物の温度低下に起因して、金属部品の各部の焼入タイミングにずれが発生する。その結果、被処理品の各部の均等な冷却を行い難い。
被処理物の各部の冷却度合いを均等にするために、すなわち、被処理物の歪みを抑制して熱処理品質を高めるために、被処理物を加熱室から冷却室へ搬送するための搬送機構による被処理物の搬送速度をより高速にすることも考えられる。しかしながら、この搬送速度を高速化するためには、搬送機構の能力向上が必要であり、熱処理装置の製造コストを大きく上昇させてしまう。
また、冷却室における冷却処理の際、冷媒として水や油等の液体、または、ソルトを用いると、冷却処理の後の後洗浄工程が必要になる。このため、熱処理装置とは別に洗浄装置が必要となり、熱処理に必要な設備および時間が増えてしまう。さらに、冷媒が地球環境に負荷を与えてしまう。
上記の事情に鑑み、本発明の目的の一例は、被処理物を熱処理する性能をより高くできる熱処理装置を提供することにある。
また、本発明の目的の一例は、熱処理装置に関して、簡素な構成を実現できることにより、当該熱処理装置の製造コストをより低くすることにある。
また、本発明の目的の一例は、熱処理に必要な時間をより短くできる、熱処理装置を提供することにある。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる熱処理装置は、金属製の被処理物を熱処理のために加熱する加熱部材と、前記加熱部材が配置された熱処理室内に配置された噴射口を含む冷却ノズルであって、前記熱処理のために前記被処理物へ冷却ガスを供給する冷却ノズルと、前記被処理物を保持するために前記熱処理室内に配置され前記噴射口が設けられた保持部材と、を備えている。
この構成によると、加熱部材および冷却ノズルの噴射口が同一の熱処理室内に配置されている。これにより、加熱部材による被処理物の加熱完了後、より迅速に冷却ノズルによる被処理物の冷却処理を開始できる。その結果、加熱工程完了後から冷却工程開始までの間における被処理物の意図しない温度低下量をより小さくできる。これにより、被処理物の冷却開始時における当該被処理物の各部の温度をより均等にできる。よって、被処理物の冷却度合いのばらつきの低減、すなわち、焼入温度の均等さを通じて、被処理物の歪みをより確実に低減できる。さらに、保持部材に冷却ノズルの噴射口が設けられていることにより、被処理物の冷却時における噴射口と被処理物との距離をより短くできる。これにより、冷却ノズルから被処理物へ向けてより強い噴流で冷却ガスを噴射することができるので、被処理物をより迅速に冷却できる。その結果、熱処理装置において、被処理物を熱処理する性能をより高くできる。また、熱処理装置において、加熱部材と冷却ノズルの噴射口とを別々の部屋に配置する構成ではない。このため、熱処理装置をよりコンパクトにできる上に、熱処理装置の構成の簡素化を通じて熱処理装置の製造コストをより少なくできる。また、被処理物を別個に設けられた加熱室から冷却室へ高速で搬送する装置が不要である。また、被処理物の冷却に気体であるガスを用いるので、被処理物は、冷却ノズルを用いた冷却処理後に大がかりな洗浄処理をされる必要がない。さらに、水や油等の冷媒を用いて被処理物を冷却する場合と異なり、熱処理室内が冷媒で汚染されることを防止できるので、加熱部材と冷却ノズルの噴射口とを同一の熱処理室内に配置できる。さらに、水や油等の冷媒を用いて被処理物を冷却する場合と異なり、冷媒が地球環境に負荷を与える度合いを格段に小さくできるとともに、冷却工程後の洗浄工程用の洗浄装置が不要であり、熱処理装置の製造コストをおよび運用コストをより少なくできる。また、冷却工程後の洗浄工程が不要となるため、熱処理に必要な時間をより短くできる。
(2)前記保持部材として、前記熱処理が行われるときに前記被処理物の変位を抑制するための押さえ治具が設けられている場合がある。
この構成によると、被処理物のより近くに冷却ノズルの噴射口を配置することができる。
(3)前記熱処理装置は、前記被処理物の冷却時における前記噴射口と前記被処理物との相対位置を調整する位置調整部をさらに備え、前記位置調整部は、前記押さえ治具を変位させることで、前記噴射口と前記被処理物との相対位置を調整する場合がある。
この構成によると、押さえ治具を変位させる簡易な構成で、被処理物の冷却時における冷却ノズルの噴射口と被処理物との相対位置を調整できる。
(4)前記保持部材として、前記被処理物を載せる載せ治具が設けられている場合がある。
この構成によると、被処理物のより近くに冷却ノズルの噴射口を配置することができる。
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる熱処理装置は、金属製の被処理物を熱処理のために加熱する加熱部材と、前記被処理物を載せる載せ治具と、前記載せ治具に対峙して前記被処理物の浮き上がりを抑制する押さえ治具と、前記押さえ治具の内部を通過して前記被処理物へ冷却ガスを噴射し、前記押さえ治具と一体となった冷却ノズルと、前記被処理物の冷却時における前記押さえ治具および前記冷却ノズルと前記被処理物との相対位置を調整する位置調整部と、を備えている。
本発明によると、被処理物を熱処理する性能をより高くできる熱処理装置を提供できる。また、熱処理装置に関して、簡素な構成を実現できることにより、当該熱処理装置の製造コストをより低くすることが可能である。また、熱処理に必要な時間をより短くできる。
熱処理装置の模式的な側面図であって、被処理物が加熱・冷却位置に配置されている状態を示しており、熱処理装置の一部を切断して示している。 熱処理装置における焼入処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第1変形例の主要部を示す図である。 第2変形例の主要部を示す図である。 第3変形例を示す図である。 第4変形例を示す図である。 第5変形例を示す図である。 第6変形例を示す図である。 第7変形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、熱処理装置1の模式的な側面図であって、被処理物100が加熱・冷却位置P2に配置されている状態を示しており、熱処理装置1の一部を切断して示している。
なお、以下では、熱処理装置1を正面から見た状態を基準として、左右方向X1(被処理物100の搬送方向A1)、前後方向Y1、および、上下方向Z1を規定する。
図1を参照して、熱処理装置1は、被処理物100に加熱処理および冷却処理を含む熱処理を施すために設けられている。この熱処理として、焼入処理、浸炭処理、均熱処理等を例示することができる。なお、熱処理装置1で行われる熱処理は、加熱処理および冷却処理が含まれていればよく、具体例は、特に限定されない。また、本実施形態では、被処理物100は、金属部品であり、例えば、軸受の外輪または内輪となるリングである。なお、被処理物100は、歯車等の筒状部材であってもよいし、シャフト等の中実部材であってもよい。
被処理物100を構成する金属材料として、SCM材(クロムモリブデン鋼)、SCr材(クロム鋼鋼材)、SNCM材(ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材)、SUJ(高炭素クロム軸受鋼鋼材)等の鋼材を例示できる。
また、被処理物100として、特に、質量が数グラムから数十キログラム程度までの小型の部品が好ましく、本実施形態の熱処理装置1は小型部品の熱処理に、より適している。
熱処理装置1は、熱処理室2と、搬送機構3と、加熱部材4と、保持ユニット5と、上方冷却ノズル11と、ガス供給部6と、位置調整部7と、を有している。
熱処理室2は、熱処理装置1の筐体部分であり、被処理物100に加熱処理および冷却処理を行う空間を形成している。すなわち、本実施形態では、被処理物100は、同一の空間内において加熱処理と冷却処理の双方が行われる。熱処理室2は、略直方体状の箱状に形成されている。本実施形態では熱処理室2内の空間の気圧は、大気圧であり、加圧状態でもなければ、真空状態でもない。なお、熱処理室2は、図示しない真空ポンプによって真空にされた状態で、被処理物100に加熱処理を施すように構成されていてもよい。
熱処理室2は、上下方向Z1に延びる4つの側壁21(図では、紙面の手前側の側壁の図示は省略)と、側壁21の上部に配置された天壁22と、側壁21の下部に配置された底壁23と、を有している。
4つの側壁21は、全体として中空の四角柱状に形成されている。右側壁21に、開口部である入口24が形成されている。被処理物100は、この入口24から熱処理室2内に搬入される。左側壁21に、開口部である出口25が形成されている。被処理物100は、この出口25から熱処理室2外に搬出される。
入口24に入口扉26が設けられているとともに、出口25に出口扉27が設けられている。
入口扉26は、閉位置に配置されることで、入口24を塞ぐ。また、入口扉26は、開位置に配置されることで、入口24を開く。入口扉26は、図示しない開閉機構によって開閉動作される。
出口扉27は、閉位置に配置されることで、出口25を塞ぐ。また、出口扉27は、開位置に配置されることで、出口25を開く。出口扉27は、図示しない開閉機構によって開閉動作される。
上記の構成を有する熱処理室2内に、搬送機構3が設けられている。
搬送機構3は、被処理物100を、入口24、持上げ位置P1、出口25の順に搬送する。本実施形態では、搬送機構3は、ベルトコンベア式の搬送機構である。
搬送機構3は、被処理物100が載せられる搬送トレイ31と、搬送トレイ31を左右方向X1に移動させる移動機構32と、を有している。
搬送トレイ31は、被処理物100を支持するための搬送支持部材であり、平板状に形成されている。本実施形態では、搬送トレイ31は、熱処理装置1における被処理物100の熱処理の際、被処理物100から離隔しており、加熱部材4から高熱を受けることを抑制されている。搬送トレイ31の中央部には、当該搬送トレイ31を貫通する孔部31aが形成されている。孔部31aの周縁部から片持ち梁状のステー31bが複数延びている。
被処理物100は、ステー31bに受けられており、被処理物100の下面は、搬送トレイ31の孔部31aから搬送トレイ31の下側に露呈している。前後方向Y1における搬送トレイ31の両端部は、移動機構32に支持されている。
移動機構32は、左右方向X1に延びる環状部材33と、環状部材33が巻き掛けられた一対の回転軸34,35と、一方の回転軸35を回転駆動する電動モータ36と、を有している。
環状部材33は、金属チェーンまたは金属ベルト等の無端状伝動部材であり、熱処理室2内において前後方向Y1に離隔して一対設けられている(図では、紙面の手前側に配置される一方の環状部材33の図示を省略している。)。これら一対の環状部材33上に、搬送トレイ31が載せられている。一方の回転軸35は、出口25付近に配置されており、他方の回転軸34は入口24付近に配置されている。
電動モータ36は、歯車機構等を介して一方の回転軸35に動力伝達可能に連結されており、当該一方の回転軸35を回転駆動する。上記の構成により、電動モータ36が駆動することで一方の回転軸35が回転し、これに伴い、環状部材33が回転し、その結果、搬送トレイ31が搬送方向A1に移動する。左右方向X1における熱処理室2の例えば中央に持上げ位置P1が設定されており、搬送トレイ31は、入口24から搬送されることで持上げ位置P1に配置される。持上げ位置P1の上方に、加熱部材4が配置されている。
加熱部材4は、熱処理室2内において上下方向Z1に沿って搬送機構3と離隔して配置された、被処理物100を熱処理のために加熱する部材である。加熱部材4は、本実施形態では、誘導加熱コイルであり、被処理物100に誘導加熱による加熱を行うように構成されている。加熱部材4は、熱処理室2の外部に配置された電力供給部としての誘導加熱発振器8に接続されており、この誘導加熱発振器8からの電力によって、被処理物100を誘導加熱する。
加熱部材4は、銅などの導電部材を螺旋状に形成することで構成されている。加熱部材4のうち螺旋状の部分は、被処理物100を取り囲むことが可能な大きさに形成されている。本実施形態では、加熱部材4の螺旋状部分に囲まれた空間が、加熱・冷却空間として規定されており、この螺旋状部分に囲まれた空間に、加熱・冷却位置P2が設定されている。加熱部材4の一端部および他端部は、後方に向けて直線状に延びており、熱処理装置1の後部側の側壁21に支持されている。加熱部材4の一端部および他端部は、誘導加熱発振器8に電気的に接続されており、この誘導加熱発振器8から高周波電力を供給される。
なお、本実施形態では、加熱部材4が誘導加熱コイルである形態を例に説明するけれども、この通りでなくてもよい。加熱部材として、ガスバーナー、セラミックヒーター、電熱ランプ、マイクロ波加熱装置、その他、公知の加熱部材が用いられてもよい。
持上げ位置P1に到達した搬送トレイ31に載せられている被処理物100は、保持ユニット5によって保持されることで加熱・冷却位置P2へ持上げられ、加熱・冷却位置P2において加熱処理および冷却処理を施される。保持ユニット5の少なくとも一部が熱処理室2内に配置されている。
保持ユニット5は、被処理物100を保持するための保持部材としての載せ治具41および押さえ治具42を含んでおり、これら載せ治具41および押さえ治具42が協働して、加熱処理中の被処理物100および冷却処理中の被処理物100を保持する。
載せ治具41は、被処理物100が載せられる部材であり、本実施形態では、上下方向Z1に延びている。載せ治具41は、加熱部材4によって誘導加熱されることを抑制されるために、カーボン等の非磁性の材料で形成されていることが好ましい。載せ治具41は、位置調整部7に設けられた載せ治具変位機構51によって駆動されることで、被処理物100を持上げ位置P1と加熱・冷却位置P2との間で上下方向Z1に往復移動させる。また、載せ治具41は、載せ治具変位機構51によって駆動されることで、被処理物100とともに上下方向Z1に延びる軸線S1回りを回転する。
載せ治具41は、被処理物100を載せているとき以外は、持上げ位置P1の下方の待機位置P3に配置されている。そして、搬送機構3によって被処理物100が持上げ位置P1に到達したとき、載せ治具41は、待機位置P3から載せ治具変位機構51によって上昇変位される。これにより、載せ治具41は、ステー31bを回避しつつ搬送トレイ31の孔部31aを通って孔部31aの上方に進むとともに、搬送トレイ31上の被処理物100を持上げ、この被処理物100を加熱・冷却位置P2まで持上げる。被処理物100が熱処理されているとき、載せ治具41は、加熱・冷却位置P2において、載せ治具変位機構51の駆動によって、被処理物100とともに軸線S1回りを回転可能である。このような回転動作によって、被処理物100の各部は、より均等に加熱・冷却される。なお、載せ治具41は、軸線S1回りを回転しなくてもよい。
載せ治具41は、軸部43と、軸部43の上端に設けられた台座部44と、を有している。
軸部43は、上下に延びる軸部分であり、載せ治具変位機構51からの動力が与えられる。軸部43の中心軸線が、軸線S1である。台座部44は、ステー31bとの接触を回避するように平面視で放射状に延びた形状を有している。台座部44の上面に、被処理物100が載せられる。加熱・冷却位置P2において、台座部44は、加熱部材4に取り囲まれており、且つ、加熱部材4から離隔している。台座部44の直径は、被処理物100の外径よりも大きいことが好ましいけれども、被処理物100の外径以下でもよい。上記の構成を有する載せ治具41と上下方向Z1に向かい合うようにして、押さえ治具42が配置されている。
押さえ治具42は、被処理物100に熱処理が行われるときに被処理物100の変位を抑制するために設けられている。より具体的には、押さえ治具42は、加熱部材4による被処理物100の誘導加熱時に生じる磁界の作用で被処理物100が載せ治具41から浮き上がることを抑制する。また、押さえ治具42は、上方冷却ノズル11による被処理物100のガス冷却時において冷却ガスの噴射によって被処理物100が載せ治具41に対して動くことを抑制する。
押さえ治具42は、加熱部材4によって誘導加熱されることを抑制されるために、カーボン等の非磁性の材料で形成されていることが好ましい。押さえ治具42は、位置調整部7に設けられた押さえ治具・冷却ノズル変位機構52によって駆動されることで、載せ治具41(被処理物100)に対する上下方向Z1の位置を設定される。押さえ治具42は、例えば、加熱部材4の上方の待機位置P4に配置された状態から、載せ治具41および被処理物100が加熱・冷却位置P2に到達した後に、加熱・冷却位置P2へ降下する。そして、押さえ治具42は、被処理物100の加熱時および冷却時には、加熱・冷却位置P2において載せ治具41および被処理物100と隣接している。押さえ治具42は、被処理物100の加熱工程および冷却工程の完了後に、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52によって駆動されることで、待機位置P4に戻る。
押さえ治具42は、軸部45と、軸部45の下端に設けられた押さえ部46と、を有している。
軸部45は、上下に延びる軸部分であり、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52からの動力が与えられる。本実施形態では、軸部45の上端部が熱処理室2の天壁22を貫通しているけれども、軸部45の全体が熱処理室2内に配置されていてもよい。押さえ部46は、例えば円板状に形成されており、押さえ部46の下面が、被処理物100の上面と接触可能である。本実施形態では、押さえ部46の外径は、台座部44の外径と略同じに設定されている。また、加熱・冷却位置P2において、押さえ部46は、加熱部材4に取り囲まれており、且つ、加熱部材4から離隔している。なお、押さえ部46は、常時加熱・冷却位置P2に配置されていてもよい。
本実施形態では、押さえ治具42に、冷却ノズルとしての上方冷却ノズル11が設けられている。
上方冷却ノズル11は、噴射口11aを有している。噴射口11aは、加熱部材4が配置された熱処理室2内に配置されている。噴射口11aは、熱処理のために被処理物100へ向けて冷却ガスを噴射する。本実施形態では、上方冷却ノズル11の大部分が熱処理室2内に配置されている。上方冷却ノズル11は、加熱部材4によって加熱された後の被処理物100へ向けて冷却ガスを噴射することで、被処理物100を急速に冷却する。上方冷却ノズル11は、被処理物100の上方から冷却ガスを噴射する。また、本実施形態では、上方冷却ノズル11は、近接冷却ノズルとして設けられている。
より具体的には、被処理物100の冷却時において、上方冷却ノズル11の噴射口11aは、加熱・冷却位置P2に配置される。これにより、被処理物100の熱処理時(冷却時)において、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との距離D1が、加熱部材4と被処理物100との距離D2(最短距離)よりも短くなる(D1<D2)ように、上方冷却ノズル11が配置される。上方冷却ノズル11は、被処理物100へ向けて勢いよく冷却ガスを噴射することで、被処理物100の表面に大量の冷却ガスを吹き付ける。
上方冷却ノズル11の噴射口11aは、本実施形態では、押さえ治具42の押さえ部46の下面に形成されており、例えば押さえ部46の中心に配置されている。上方冷却ノズル11の噴射口11aの内径は、冷却ガスの流量に応じて適宜設定される。上方冷却ノズルの噴射口11aは、加熱・冷却位置P2に配置された台座部44と上下に向かい合っている。本実施形態では、被処理物100が円筒状であることにより、上方冷却ノズル11は、被処理物100の中心に形成された孔部100aと向かい合っている。上方冷却ノズル11は、押さえ部46および軸部45に亘って形成された筒状部分であり、ガス供給部6に接続されており、このガス供給部6から冷却ガスを供給される。
冷却ガスとして、不活性ガス、および、還元性ガスを例示できる。不活性ガスとして、窒素ガス、ヘリウムガス、および、アルゴンガスを例示できる。還元性ガスとして、炭化水素、一酸化炭素、および、水素を例示できる。冷却ガスとして、上記のガスの一種類または二種類以上が用いられることが好ましい。なお、水のミストが上記のガスに混合されることで冷却ガスが形成されてもよい。
なお、本実施形態では、押さえ治具42に一つの噴射口11aが形成されている形態を例に説明しているけれども、この通りでなくてもよい。例えば、押さえ治具42の押さえ部46に、複数の噴射口11aが形成されていてもよい。上方冷却ノズル11の噴射口11aが押さえ部46の下面に複数設けられる場合、噴射口11aは、被処理物100の円周方向(軸線S1回りの周方向)に沿って等間隔に配置される。
ガス供給部6は、上方冷却ノズル11内の通路に接続された制御弁48を有している。制御弁48は、例えば電磁弁であり、制御信号に基づいて所定の弁開度に設定される。この制御弁48は、冷却ガスを溜められたタンク等の冷却ガス源49に接続されている。冷却ガス源49からの冷却ガスは、制御弁48を通して上方冷却ノズル11へ所定の圧力および流量で送られる。制御弁48と上方冷却ノズル11(冷却ノズル)とは、図示しないフレキシブル配管を含む配管によって接続されている。これにより、上方冷却ノズル11の上下変位に伴う上方冷却ノズル11と、制御弁48および熱処理室2と、の相対変位が可能である。
被処理物100の加熱時には、被処理物100が磁力によって浮き上がらないように、載せ治具41と押さえ治具42の相対位置を設定することが好ましい。また、被処理物100の冷却時には、被処理物100へ向かう比較的低温の冷却ガスの流量がより多くなるように、上方冷却ノズル11の噴射口11aを被処理物100のより近くに配置することが好ましい。そこで、本実施形態では、位置調整部7が設けられている。
位置調整部7は、被処理物100の加熱時における、加熱部材4と被処理物100との相対位置、および、押さえ治具42と被処理物100との相対位置を調整するように構成されている。また、位置調整部7は、被処理物100の冷却時における上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を調整するように構成されている。
位置調整部7は、載せ治具変位機構51と、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52と、制御部53と、を有している。
載せ治具変位機構51は、上方冷却ノズル11の噴射口11aに対して保持部材としての載せ治具41を変位させる保持部材変位機構である。載せ治具変位機構51は、載せ治具41を上下方向Z1に移動させる機能と、載せ治具41を軸線S1回りに回転させる機能と、を有している。載せ治具変位機構51は、例えば、搬送機構3の下方に配置されており、載せ治具41の軸部43に隣接配置されている。
載せ治具変位機構51は、直線変位機構56と、回転機構57と、を有している。
直線変位機構56は、載せ治具41を上下方向Z1に直線移動させるために設けられている。直線変位機構56は、例えば、ラックアンドピニオン機構、ボールねじ機構等を用いて形成されており、直線変位機構56に設けられた電動モータの回転力を、載せ治具41の上下運動に変換する。この構成により、直線変位機構56は、載せ治具41を、待機位置P1と加熱・冷却位置P2との間で往復移動させる。
回転機構57は、加熱・冷却位置P2に位置している載せ治具41を軸線S1回りに回転させることで、熱処理時において被処理物100を回転させる。回転機構57は、例えば、直線変位機構56および載せ治具41が載せられたテーブルと、このテーブルを軸線S1回りに回転させる回転部と、回転部に駆動力を与える電動モータと、を有しており、この電動モータの回転力を、テーブルの回転力に変換する。なお、回転機構57は、加熱・冷却位置P2に位置している載せ治具41を軸線S1回りに回転させることが可能であればよく、具体的な構成は限定されない。
押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、載せ治具41に対して押さえ治具42を変位させるための保持部材変位機構である。また、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、被処理物100に対して上方冷却ノズル11の噴射口11aを変位させる冷却ノズル変位機構である。押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を変位させることで、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を調整する。
より具体的には、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を上下方向Z1に移動させる。押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、例えば、加熱部材4の上方に配置されており、押さえ治具42の軸部45に隣接配置されている。
押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、例えば、ラックアンドピニオン機構、ボールねじ機構等を用いて形成されており、当該押さえ治具・冷却ノズル変位機構52に設けられた電動モータの回転力を、押さえ治具42の上下運動に変換する。この構成により、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を、待機位置P4と加熱・冷却位置P2との間で往復移動させる。
上記の構成により、持上げ位置P1と、加熱・冷却位置P2と、待機位置P3,P4とは、上下方向Z1に並んでいる。
載せ治具変位機構51、および、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、制御部53によって制御される。
制御部53は、所定の入力信号に基づいて、所定の出力信号を出力する構成を有し、例えば、安全プログラマブルコントローラ(PLC)などを用いて形成することができる。安全プログラマブルコントローラとは、JIS(日本工業規格) C 0508-1のSIL2またはSIL3の安全機能をもつ公的に認証されたプログラマブルコントローラをいう。なお、制御部53は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を含むコンピュータ等を用いて形成されていてもよい。
制御部53は、被処理物100の加熱時における、加熱部材4と被処理物100との相対位置、および、押さえ治具42と被処理物100との相対位置を制御するように構成されている。また、制御部53は、被処理物100の冷却時における上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を制御するように構成されている。制御部53は、例えば、熱処理室2の外部に配置されている。
制御部53は、機器としての誘導加熱発振器8、搬送機構3の電動モータ36、載せ治具変位機構51の直線変位機構56の電動モータ、回転機構57の電動モータ、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52の電動モータ、および、ガス供給部6の制御弁48のそれぞれと電気的に接続されており、これらの機器を制御する。
次に、熱処理装置1における熱処理動作の一例を説明する。図2は、熱処理装置1における焼入処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、フローチャートを参照しながら説明するときは、フローチャート以外の図も適宜参照しながら説明する。
図1および図2を参照して、熱処理装置1による熱処理動作が行われる前の待機状態では、搬送トレイ31および被処理物100は、熱処理室2内において入口24付近に配置されている。さらに、載せ治具41および押さえ治具42は、対応する待機位置P1,P4に配置されている。また、熱処理室2内の雰囲気は、予め冷却ガス供給部6から上方冷却ノズル11へ冷却ガスが所定量供給されていることで、冷却ガスと同じガスの雰囲気とされている。すなわち、冷却ガス供給部6は、熱処理室2内の雰囲気を調整するためのガス供給部でもある。
そして、熱処理装置1における熱処理動作が開始されると、制御部53は、搬送機構3の電動モータ36を駆動することで、搬送トレイ31を持上げ位置P1まで搬送する(ステップS1)。
次に、制御部53は、直線変位機構56の電動モータを駆動する。これにより、載せ治具41は、待機位置P1から搬送トレイ31の孔部31aを通って被処理物100を持ち上げ、被処理物100とともに加熱・冷却位置P2まで上昇する(ステップS2)。このとき、加熱部材4によって被処理物100が最も効率よく加熱される位置に被処理物100が到達するように、直線変位機構56の電動モータが制御部53のプログラムによって制御される。例えば、上下方向Z1における加熱・冷却位置P2の中心に被処理物100が配置されるように、載せ治具41が上昇する。
次に、制御部53は、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52の電動モータを駆動することで、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を、待機位置P4から加熱・冷却位置P2まで降下させる(ステップS3)。このとき、上方冷却ノズル11からの冷却ガスが被処理物100に最も効率よく噴射されるように、制御部53は、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を設定する。例えば、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との間隔が数mm程度となるように、押さえ治具42および上方冷却ノズル11が配置される。
なお、被処理物100を加熱・冷却位置P2へ上昇させる動作(ステップS2)と、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を加熱・冷却位置P2へ降下させる動作(ステップS3)とは、同時に行われてもよい。また、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を常時加熱・冷却位置P2に配置しておくことで、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を待機位置P4から加熱・冷却位置P2へ降下させる動作(ステップS3)を行わなくてもよい。
次に、制御部53は、誘導加熱発振器8に、加熱部材4へ誘導加熱のための電力を供給する指令を行うことで、加熱部材4による被処理物100の加熱処理を行わせる(ステップS4)。これにより、加熱部材4は、被処理物100に誘導加熱を行わせ、被処理物100を所定の加熱温度まで加熱する。このとき、制御部53は、回転機構57の電動モータを駆動して被処理物100を回転させることで、被処理物100の各部をより均等に加熱してもよい。被処理物100が所定時間の間所定温度に加熱された後、制御部53は、誘導加熱発振器8に、加熱部材4への電力供給を停止する指令を行うことで、加熱部材4による被処理物100の加熱処理を完了する。回転機構57の電動モータ(被処理物100)が回転している場合、この回転は維持される。
次に、被処理物100の冷却処理が行われる(ステップS5)。具体的には、制御部53は、制御弁48が所定の開度となるように制御弁48に指令信号を出力することで、冷却ガス供給部6から上方冷却ノズル11の噴射口11aを通して被処理物100へ冷却ガスを噴射する。これにより、冷却ガスは、矢印F1で示すように、噴射口11aから被処理物100へ噴射され、被処理物100を急速冷却する。このとき、制御部53は、回転機構57の電動モータを駆動させて被処理物100を回転することで、被処理物100の各部をより均等に冷却できる。そして、上方冷却ノズル11からの冷却ガスの流量が所定値になると、制御部53は、制御弁48を閉じるように制御弁48を制御する。これにより、被処理物100の冷却処理が完了する。すなわち、被処理物100の熱処理が完了する。回転機構57の電動モータ(被処理物100)が回転している場合、この回転も停止される。
次に、制御部53は、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52の電動モータを駆動することで、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を、待機位置P4まで上昇させる(ステップS6)。
次に、制御部53は、直線変位機構56の電動モータを駆動することで、被処理物100を持上げ位置P1まで降下させる(ステップS7)。これにより、被処理物100は、再び搬送トレイ31のステー31bの周縁部に載せられる。このとき、載せ治具41は待機位置P3まで降下される。
なお、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を待機位置P4へ上昇させる動作(ステップS6)と、被処理物100を持上げ位置P1まで降下させる動作(ステップS7)とは、同時に行われてもよい。また、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を常時加熱・冷却位置P2に配置しておくことで、押さえ治具42および上方冷却ノズル11を待機位置P4へ上昇させる動作(ステップS6)を行わなくてもよい。
次に、制御部53は、搬送機構3の電動モータ36を駆動することで、搬送トレイ31を持上げ位置P1から出口25まで搬送する(ステップS8)。その後、出口扉27が開かれ、被処理物100は、熱処理室2から搬出される。
以上説明したように、本実施形態によると、加熱部材4および上方冷却ノズル11の噴射口11aが同一の熱処理室2内に配置されている。これにより、加熱部材4による被処理物100の加熱完了後、より迅速に上方冷却ノズル11による被処理物100の冷却処理を開始できる。その結果、加熱工程完了後から冷却工程開始までの間における被処理物100の意図しない温度低下量をより小さくできる。これにより、被処理物100の冷却開始時における当該被処理物100の各部の温度をより均等にできる。よって、被処理物100の冷却度合いのばらつきの低減、すなわち、焼入温度の均等さを通じて、被処理物の歪みをより確実に低減できる。さらに、位置調整部7が設けられている。また、保持部材としての押さえ治具42に上方冷却ノズル11の噴射口11aが設けられている。これにより、被処理物100の冷却時における上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との距離をより短くできる。これにより、上方冷却ノズル11から被処理物100へ向けてより強い噴流で冷却ガスを噴射することができるので、被処理物100をより迅速に冷却できる。その結果、熱処理装置1において、被処理物100を熱処理する性能をより高くできる。また、熱処理装置1において、加熱部材4と上方冷却ノズル11の噴射口11aとを別々の部屋に配置する構成ではない。このため、熱処理装置1をよりコンパクトにできる上に、熱処理装置1の構成の簡素化を通じて熱処理装置1の製造コストをより少なくできる。また、被処理物100を別個に設けられた加熱室から冷却室へ高速で搬送する装置が不要である。また、被処理物100の冷却に気体であるガスを用いるので、被処理物100は、上方冷却ノズル11を用いた冷却処理後に大がかりな洗浄処理をされる必要がない。さらに、水や油等の冷媒を用いて被処理物100を冷却する場合と異なり、熱処理室2内が冷媒(冷却ガス)で汚染されることを防止できるので、加熱部材4と上方冷却ノズル11の噴射口11aとを同一の熱処理室2内に配置できる。さらに、水や油等の冷媒を用いて被処理物100を冷却する場合と異なり、冷媒(冷却ガス)が地球環境に負荷を与える度合いを格段に小さくできるとともに、冷却工程後の洗浄工程用の洗浄装置が不要であり、熱処理装置1の製造コストおよび運用コストをより少なくできる。また、冷却工程後の洗浄工程が不要となるため、熱処理に必要な時間をより短くできる。
また、本実施形態によると、載せ治具41によって、熱処理時の被処理物100を安定した姿勢に維持できる。
また、本実施形態によると、熱処理が行われるときに被処理物100の変位を抑制するための押さえ治具42が設けられている。この構成によると、上方冷却ノズル11から被処理物100へ冷却ガスが噴射されているとき等において、被処理物100が変位することをより確実に抑制できる。
また、本実施形態によると、載せ治具変位機構51が設けられている。この構成によると、載せ治具41を上方冷却ノズル11の噴射口11aに対して変位させる簡易な構成で、被処理物100の冷却時における上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を調整できる。
また、本実施形態によると、上方冷却ノズル11は、被処理物100の上方から被処理物100へ向けて冷却ガスを噴射する。この構成によると、被処理物100のうち上方冷却ノズル11の噴射口11aに近接する箇所を含む被処理物100の全体へ向けてより多くの冷却ガスを供給できる。
また、本実施形態によると、被処理物100の冷却時において、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との距離D1が、加熱部材4と被処理物100との距離D2よりも短くなるように上方冷却ノズル11が配置されている。この構成によると、上方冷却ノズル11の噴射口11aから被処理物100へ向けてより強い噴流が当てられるので、被処理物100をより迅速且つ均等に冷却できる。
また、本実施形態によると、位置調整部7の押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、被処理物100に対して上方冷却ノズル11の噴射口11aを変位させる。この構成によると、上方冷却ノズル11の噴射口11aを被処理物100に対して変位させる簡易な構成で、被処理物100の冷却時における上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を調整できる。
また、本実施形態によると、位置調整部7は、制御部53を含んでいる。この構成によると、被処理物100の形状等の特性に応じて、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を制御部53で制御することができる。これにより、形状の異なる種々の被処理物100に関して、制御部53による制御で上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置をより適切に設定できる。その結果、熱処理装置1の汎用性をより高くでき、仕様変更を行うことなく熱処理装置1の用途を広くできる。
また、本実施形態によると、押さえ治具42に上方冷却ノズル11が設けられている。この構成によると、押さえ治具42の下面のより近くに上方冷却ノズル11の噴射口11aを配置できるので、被処理物100のより近くに上方冷却ノズル11の噴射口11aを配置することができる。これにより、上方冷却ノズル11から被処理物100へ冷却ガスのより強い噴流を被処理物100へ供給できる。また、押さえ治具42と上方冷却ノズル11の噴射口11aとを一括して変位できるので、これら押さえ治具42および上方冷却ノズル11を別個に位置制御する構成と比べて、熱処理装置1の構成をより簡易にできる。
また、本実施形態によると、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、押さえ治具42を変位させることで、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を調整する。この構成によると、押さえ治具42を変位させる簡易な構成で、被処理物100の冷却時における上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との相対位置を調整できる。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られない。本発明は、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。なお、以下では、上述の実施形態と異なる点について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成には図に同様の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
(1)上述の実施形態では、上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との距離D1が、加熱部材4と被処理物100との距離D2(最短距離)よりも短くなる(D1<D2)ように、上方冷却ノズル11が配置される形態を例にとって説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。上方冷却ノズル11の噴射口11aと被処理物100との距離D1が、加熱部材4と被処理物100との距離D2以上となる(D1≧D2)ように、上方冷却ノズル11が配置される形態が実施されてもよい。この場合、上方冷却ノズル11の噴射口11aからの冷却ガスは、例えば、加熱部材4の外側であって加熱部材4の上方から被処理物100に吹き付けられる。この形態によっても、上述の実施形態と同様に、被処理物100を熱処理する性能をより高くできる熱処理装置を提供でき、熱処理装置の構成の簡素化を通じて熱処理装置の製造コストをより少なくすることができる。
(2)上述の実施形態では、載せ治具41の台座部44の上面が平坦である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第1変形例の主要部を示す図3を参照して、載せ治具41の台座部44に、冷却ガス案内部60が形成されていてもよい。冷却ガス案内部60は、上方冷却ノズル11から噴射された冷却ガスを押さえ治具42と載せ治具41との間の空間において、被処理物100の周囲により均等に拡散するために設けられる。冷却ガス案内部60は、例えば、台座部44の上面を窪ませることで形成された窪み部61を含んでいる。窪み部61は、台座部44の中央に配置されており、上方冷却ノズル11と上下方向Z1に向かい合っている。窪み部61は、台座部44の上面の中心から台座部44の径方向外方に進むに従い浅くなるテーパ形状に形成されている。被処理物100は、平面視において窪み部61を取り囲むように配置されていてもよいし、被処理物100の下面の一部が窪み部61と上下に向かい合うように配置されてもよい。このような構成であれば、矢印F2で示すように、上方冷却ノズル11から下方に噴射された冷却ガスは、窪み部61でスムーズに向きを変更し、被処理物100の内周面へより均等に向かう。その結果、冷却ガスによる被処理物100の各部の冷却速度をより均等にできる。
(3)上述の第1変形例では、載せ治具41の台座部44の上面が窪んだ形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第2変形例の主要部を示す図4を参照して、載せ治具41の台座部44に、冷却ガス案内部60’が形成されていてもよい。冷却ガス案内部60’は、上方冷却ノズル11から噴射された冷却ガスを押さえ治具42と載せ治具41との間の空間において、被処理物100の周囲により均等に拡散するために設けられる。冷却ガス案内部60’は、例えば、台座部44の上面を隆起させることで形成された隆起部62を含んでいる。隆起部62は、台座部44の中央に配置されており、上方冷却ノズル11と上下方向Z1に向かい合っている。隆起部62は、台座部44の上面の中心から台座部44の径方向外方に進むに従い高さが低くなる先鋭な突起形状に形成されている。なお、隆起部62は、円錐テーパ状に形成されていてもよい。また、隆起部62は、前後方向Y1と直交する鉛直断面において、台座部44および隆起部62から離隔した位置を中心62aとする円弧面62bを左右対称に配置した形状であってもよい。隆起部62が設けられている構成であれば、矢印F2’で示すように、上方冷却ノズル11から下方に噴射された冷却ガスは、隆起部62でスムーズに向きを変更し、被処理物100の内周面へより均等に向かう。その結果、冷却ガスによる被処理物100の各部の冷却速度をより均等にできる。
(4)また、上述の実施形態および変形例では、冷却ノズルとして一つの上方冷却ノズル11が設けられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第3変形例を示す図5を参照して、冷却ノズルとして、側方冷却ノズル12,13がさらに設けられていてもよい。
側方冷却ノズル12,13は、熱処理室2内に配置された細長い軸状ノズルであり、熱処理のために被処理物100へ冷却ガスを噴射する。側方冷却ノズル12,13は、水平方向における被処理物100の側方から被処理物100へ向けて冷却ガスを噴射する。側方冷却ノズル12,13は、本実施形態では、左右方向X1に沿って延びている。側方冷却ノズル12,13は、加熱部材4の誘導加熱コイルの巻部に形成された隙間E1を通って加熱部材4の外側から加熱・冷却位置P2内に延びている。側方冷却ノズル12,13は、近接冷却ノズルとして設けられており、被処理物100の熱処理時において、側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aが加熱・冷却位置P2内に配置される。被処理物100の冷却時において、側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aと被処理物100との距離D3が、加熱部材4と被処理物100との距離D2よりも短くなるように側方冷却ノズル12,13が配置されている。側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aは、それぞれ、加熱・冷却位置P2における被処理物100の外周面100b側を向いている。側方冷却ノズル12,13へは、制御弁48を通過した冷却ガスが供給される。
側方冷却ノズル12,13は、矢印F3に示すように被処理物100へ向けて勢いよく冷却ガスを噴射することで、被処理物100の表面の略全域に直接大量の冷却ガスを吹き付ける。側方冷却ノズル12,13は、特に、被処理物100の外周面100bに冷却ガスを噴射する。
この変形例によると、被処理物100のうち側方冷却ノズル12,13と向かい合う箇所を含む被処理物100の全体へ向けてより多くの冷却ガスを供給できる。
(5)なお、第4変形例を示す図6を参照して、側方冷却ノズル12,13が、加熱部材4の外側に配置されていてもよい。この場合、側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aからの冷却ガスは、矢印F3で示すように、加熱部材4の外周部から加熱部材4の隙間E1を通って加熱・冷却位置P2内に進み、被処理物100に吹き付けられる。
この第4変形例の構成であれば、冷却ガスを、加熱部材4の過熱を防止する冷却ガスとしても用いることができる。
(6)上述の第3変形例および第4変形例では、側方冷却ノズル12,13が固定式である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第5変形例を示す図7を参照して、側方冷却ノズル12,13を可動式にしてもよい。
この場合、側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aは、位置調整部7に設けられる側方冷却ノズル変位機構54,55によって、待機位置P5,P6と加熱・冷却位置P2との間を往復移動される。制御弁48と側方冷却ノズル12,13とは、図示しないフレキシブル配管を含む配管によって接続されている。これにより、側方冷却ノズル12の変位に伴う側方冷却ノズル12と、制御弁48および熱処理室2と、の相対変位が可能であるとともに、側方冷却ノズル13の変位に伴う側方冷却ノズル13と、制御弁48および熱処理室2と、の相対変位が可能である。
側方冷却ノズル変位機構54,55は、被処理物100に対して側方冷却ノズル12,13を変位させる冷却ノズル変位機構である。側方冷却ノズル変位機構54,55は、側方冷却ノズル12,13を変位させることで、側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aと被処理物100との相対位置を調整する。被処理物100の冷却時において、側方冷却ノズル12,13噴射口12a,13aと被処理物100との距離D3が、加熱部材4と被処理物100との距離D2よりも短くなるように側方冷却ノズル12,13が配置される。
側方冷却ノズル変位機構54,55は、例えば、加熱部材4の径方向外方に配置されており、対応する側方冷却ノズル12,13に隣接配置されている。
側方冷却ノズル変位機構54,55は、例えば、ラックアンドピニオン機構、ボールねじ機構等を用いて形成されており、当該側方冷却ノズル変位機構54,55に設けられた電動モータの回転力を、対応する側方冷却ノズル12,13の水平運動に変換する。この構成により、側方冷却ノズル変位機構54,55は、側方冷却ノズル12,13を、待機位置P5,P6と加熱・冷却位置P2との間で往復移動させる。
側方冷却ノズル変位機構54,55は、制御部53によって制御される。制御部53は、被処理物100が冷却されるとき以外は、側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aが待機位置P5,P6に位置するように、側方冷却ノズル変位機構54,55の電動モータを制御する。また、制御部53は、被処理物100の冷却処理時(ステップS5)における側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aと被処理物100の外周面100bとの距離が適度な値となるように、側方冷却ノズル変位機構54,55の電動モータの回転量を制御する。
この第5変形例によると、被処理物100を加熱・冷却位置P2と持上げ位置P1との間で変位させるときに側方冷却ノズル12,13が邪魔にならずに済む。その上、被処理物100の冷却時には側方冷却ノズル12,13の噴射口12a,13aを被処理物100の直ぐ近くに配置できる。これにより、冷却ガスによる被処理物100の冷却速度をより高くできる。
(7)上述の実施形態および各変形例では被処理物100が加熱される位置と被処理物100が冷却される位置とは何れも加熱・冷却位置P2で同一であった。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第6変形例を示す図8を参照して、被処理物100が加熱される位置と、被処理物100が冷却される位置とが異なっていてもよい。
この場合、実施形態における加熱・冷却位置P2が、加熱位置P2となる。被処理物100は、図2に示すステップS4で加熱位置P2において加熱部材4によって加熱された後、載せ治具変位機構51の電動モータの駆動によって載せ治具41とともに冷却位置P7まで降下され、この冷却位置P7において冷却処理(ステップS5)を施される。このとき、押さえ治具42は、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52の電動モータの駆動によって、冷却位置P7側に降下され、被処理物100との相対位置を維持されることが好ましい。冷却位置P7は、加熱・冷却位置P2の下方であればよく、持上げ位置P1の上方であってもよいし、持上げ位置P1であってもよい。冷却位置P7が持上げ位置P1と同じである場合、被処理物100は、搬送トレイ31上で冷却される。側方冷却ノズル12,13は、搬送トレイ31、および、搬送機構3によって搬送される被処理物100と接触することを避けた位置に設置される。この変形例において、側方冷却ノズル12,13は、位置を固定されていてもよいし、側方冷却ノズル変位機構54,55(図8では図示せず)によって水平方向に変位可能であってもよい。
(8)上述の実施形態および各変形例では、載せ治具41からは冷却ガスが噴射されない形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第7変形例を示す図9を参照して、冷却ノズルとして、被処理物100の下方から冷却ガスを噴射する下方冷却ノズル14が設けられていてもよい。
下方冷却ノズル14の噴射口14aは、熱処理室2内に配置されており、熱処理のために被処理物100へ向けて冷却ガスを噴射する。下方冷却ノズル14の噴射口14aは、本実施形態では、載せ治具41の台座部44の上面に形成されており、例えば台座部44の中心に配置されている。下方冷却ノズル14の噴射口14aの内径は、冷却ガスの流量に応じて適宜設定されている。下方冷却ノズル14の噴射口14aは、上方冷却ノズル11の噴射口11aと上下に向かい合っている。
本変形例では、被処理物100が円筒状であることにより、下方冷却ノズル14は、被処理物100の中心に形成された孔部100aと向かい合っている。下方冷却ノズル14は、台座部44および軸部43に亘って形成された筒状部分であり、ガス供給部6に接続されており、このガス供給部6から冷却ガスを供給される。制御弁48と下方冷却ノズル14とは、図示しないフレキシブル配管を含む配管によって接続されている。これにより、下方冷却ノズル14の変位に伴う下方冷却ノズル14と、制御弁48および熱処理室2と、の相対変位が可能である。
この変形例では、押さえ治具・冷却ノズル変位機構52は、下方冷却ノズル14の噴射口14aに対して保持部材としての押さえ治具42を変位させる保持部材変位機構として機能する。
なお、本変形例では、載せ治具41に一つの噴射口14aが形成されている形態を例に説明しているけれども、この通りでなくてもよい。例えば、載せ治具41の台座部44に、複数の噴射口14aが形成されていてもよい。下方冷却ノズル14の噴射口14aが台座部44の上面に複数設けられる場合、噴射口14aは、被処理物100の円周方向(軸線S1回りの周方向)に沿って等間隔に配置される。
また、載せ治具41に下方冷却ノズル14が設けられる場合、上方冷却ノズル11が設けられていてもよいし設けられていなくてもよい。
この変形例によると、下方冷却ノズル14は、被処理物100の下方から被処理物100へ向けて冷却ガスを噴射する。この構成によると、被処理物100のうち下方冷却ノズルに近接する箇所を含む被処理物100の全体へ向けてより多くの冷却ガスを供給できる。
(9)上述の実施形態および変形例では、冷却ノズルとして、上方冷却ノズル11、側方冷却ノズル12,13、および、下方冷却ノズル14の少なくとも一つが設けられる形態を例に説明した。この場合において、上方冷却ノズル11、側方冷却ノズル12,13、および、下方冷却ノズル14以外の冷却ノズルが設けられていてもよい。
(10)また、上方冷却ノズル11、側方冷却ノズル12,13、および、下方冷却ノズル14は、制御部53の制御によって位置調整される構成に限らず、作業員による手動操作によって位置調整されてもよい。
(11)また、上述の実施形態および変形例において、少なくとも一つの電動モータについて、液圧シリンダ等の他のアクチュエータが用いられてもよい。
本発明は、熱処理装置として、広く適用することができる。
1 熱処理装置
2 熱処理室
4 加熱部材
7 位置調整部
11 上方冷却ノズル(冷却ノズル、近接冷却ノズル)
12 側方冷却ノズル(冷却ノズル、近接冷却ノズル)
13 側方冷却ノズル(冷却ノズル、近接冷却ノズル)
14 下方冷却ノズル(冷却ノズル、近接冷却ノズル)
11a,12a,13a,14a 噴射口
41 載せ治具(保持部材)
42 押さえ治具(保持部材)
51 載せ治具変位機構(保持部材変位機構)
52 押さえ治具・冷却ノズル変位機構(保持部材変位機構、冷却ノズル変位機構)
53 制御部
100 被処理物
D1,D3 冷却ノズルの噴射口と被処理物との距離
D2 加熱部材と被処理物との距離

Claims (5)

  1. 金属製の被処理物を熱処理のために加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材が配置された熱処理室内に配置された噴射口を含む冷却ノズルであって、前記熱処理のために前記被処理物へ冷却ガスを供給する冷却ノズルと、
    前記被処理物を保持するために前記熱処理室内に配置され前記噴射口が設けられた保持部材と、
    を備えていることを特徴とする、熱処理装置。
  2. 請求項1に記載の熱処理装置であって、
    前記保持部材として、前記熱処理が行われるときに前記被処理物の変位を抑制するための押さえ治具が設けられていることを特徴とする、熱処理装置。
  3. 請求項2に記載の熱処理装置であって、
    前記被処理物の冷却時における前記噴射口と前記被処理物との相対位置を調整する位置調整部をさらに備え、
    前記位置調整部は、前記押さえ治具を変位させることで、前記噴射口と前記被処理物との相対位置を調整することを特徴とする、熱処理装置。
  4. 請求項1に記載の熱処理装置であって、
    前記保持部材として、前記被処理物を載せる載せ治具が設けられていることを特徴とする、熱処理装置。
  5. 金属製の被処理物を熱処理のために加熱する加熱部材と、
    前記被処理物を載せる載せ治具と、
    前記載せ治具に対峙して前記被処理物の浮き上がりを抑制する押さえ治具と、
    前記押さえ治具の内部を通過して前記被処理物へ冷却ガスを噴射し、前記押さえ治具と一体となった冷却ノズルと、
    前記被処理物の冷却時における前記押さえ治具および前記冷却ノズルと前記被処理物との相対位置を調整する位置調整部と、
    を備えていることを特徴とする熱処理装置。

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