JP2001089809A - 高周波焼入れ方法及びその装置 - Google Patents

高周波焼入れ方法及びその装置

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JP2001089809A
JP2001089809A JP26386999A JP26386999A JP2001089809A JP 2001089809 A JP2001089809 A JP 2001089809A JP 26386999 A JP26386999 A JP 26386999A JP 26386999 A JP26386999 A JP 26386999A JP 2001089809 A JP2001089809 A JP 2001089809A
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Sunao Aono
直 青野
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SEIKO KOHSHUHA CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化層が形成されることがなく表面性状が良
好な焼入れ金属部材が得られる高周波焼入れ方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 焼入れ槽(2)には、鋼部材の歯車
(1)が載置台(20)に載置され、環状の高周波誘導
コイル(3)の中に位置している。焼入れ槽(2)に
は、不活性ガスである窒素の供給口(11)及び排気口
(12)が設けられており、窒素雰囲気中で高周波誘導
コイル(3)により歯車(1)の表面を加熱を行う。所
定の温度に加熱された後、高周波誘導コイル(3)の通
電を止め、溶存酸素の除去処理部(7)で窒素ガスを吹
き込みバブリングして溶存酸素を除去した焼入液を、高
周波誘導コイル(3)に一体化して設けられている環状
の焼入れ液供給路(4)に供給し、その噴射口(5)か
ら加熱された歯車(1)に噴射して焼入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波誘導加熱に
より金属部材の表面を加熱し、これを冷却して表面を硬
化させる高周波焼入れ方法及びその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高周波焼入れは、焼入しようとする金属
部材を環状の高周波加熱コイルの中で高周波誘導加熱に
よりその表面を加熱してこれを冷却するもので、歯車、
カッター等の鋼部材の表面層だけを硬化させ、鋼部材に
粘さと硬さの両方の性質を兼ね備えた鋼部材の焼入れと
して知られている。従来の高周波焼入れは、高周波誘導
加熱による加熱及び冷却が大気中で行われているもの
で、焼入れした鋼部材の表面に酸化層が形成され、寸法
変化が生ずると同時に表面の粗度がわるくなるという問
題がある。この問題を解決するために大気との接触を避
けるように窒素雰囲気中で加熱を行うことが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の窒素雰囲気中で加熱を行うものでは、大気中の酸素
との接触は避けられるが、冷却液の水又は油中に含まれ
る酸素により、表面性状の点で問題が残るものであっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、高周波誘導加
熱により金属部材の表面を加熱、冷却する高周波焼入れ
方法において、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱に
より金属部材の表面を加熱を行い、次いで溶存酸素除去
処理をした焼入れ液で前記金属部材の冷却を行うことを
特徴とする高周波焼入れ方法である。また本発明の高周
波焼入れ方法は、その金属部材の冷却が、溶存酸素除去
処理をした焼入れ液を金属部材に噴射して冷却するもの
である。また本発明の高周波焼入れ方法は、その金属部
材の冷却が、溶存酸素除去処理をした焼入れ液に入れて
冷却するものである。
【0005】また本発明の高周波焼入れ方法は、その金
属部材の冷却が、溶存酸素除去処理をした焼入れ液中に
入れ、溶存酸素除去処理した焼入れ液を噴射して冷却す
るものである。また本発明高周波焼入れ方法は、その焼
入れ液の溶存酸素除去処理が、焼入れ液に窒素、アルゴ
ンまたはCOガスをバブリングすることによるもので
ある。また本発明高周波焼入れ方法は、金属部材が鋼部
材であり、鋼部材の表面をオーステナイト組織に高周波
誘導加熱し、Ms点〜Mf点の温度に維持されている溶
存酸素除去処理をした焼入れ液で冷却を行い、この焼入
れ液でMs点〜Mf点の温度に恒温保持してマルテンパ
ーするものである。
【0006】また本発明は、不活性ガス雰囲気中に設け
た環状高周波誘導コイル、窒素、アルゴンまたはCO
ガスを吹き込んでバブリングする焼入れ液の溶存酸素の
除去処理部、及び環状高周波誘導コイルと一体化したま
たは近傍に配設された焼入れ液を噴射する噴射口を備え
ており、加熱された金属部材に溶存酸素除去処理をした
焼入れ液を噴射して冷却を行ものであることを特徴とす
る高周波焼入れ装置である。
【0007】また本発明は、焼入れ液に窒素、アルゴン
またはCOガスを吹き込みバブリングする処理部が設
けられた焼入れ槽、前記焼入れ液槽の上部に位置する不
活性ガス雰囲気中に設けられている環状高周波誘導コイ
ル、昇降可能な金属部材の載置台を備えており、載置台
を下降して加熱された金属部材を溶存酸素除去処理をし
た焼入れ液に入れて冷却を行ものであることを特徴とす
る高周波焼入れ装置であり、また焼入れ槽には、溶存酸
素の除去処理をした焼入れ液を噴射する噴射口が設けら
れているものである。
【0008】
【作用】本発明は、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加
熱により金属部材表面の加熱を行い、次いで溶存酸素除
去処理をした焼入れ液で冷却を行うことにより、その表
面に酸化層が形成されることがなく、表面性状が良好
で、焼入れ後の仕上げ加工が不要となり、寸法精度も良
好なものを得ることができるものである。また、本発明
において、焼入れ液の溶存酸素除去処理は、焼入れ液に
窒素、アルゴンまたはCOガスをバブリングするもの
で、焼入れ液中の溶存酸素の除去を容易に、かつ安価で
効率的に行なうことできる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高周波焼入れ方法は、不
活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により金属部材の表
面を加熱を行ない、金属部材が加熱された後、高周波誘
導加熱コイルの通電を停止し、同じ位置で溶存酸素除去
処理をした焼入れ液を噴射して冷却し焼入れするもので
ある。また不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により
金属部材の表面を加熱を行ない、これを溶存酸素除去処
理をした焼入れ液に入れて冷却し焼入れするものであ
る。さらに溶存酸素除去処理をした焼入れ液中で溶存酸
素除去処理した焼入れ液を噴射して冷却焼入れするもの
である。
【0010】本発明において、焼入れ液は、窒素、アル
ゴンまたはCOガスのいずれかのガスを吹込んでバブ
リングすることにより溶存酸素の除去処理を行うもの
で、溶存酸素の除去処理をした焼入れ液で加熱された金
属部材に噴射する場合は、環状高周波誘導コイルに一体
化して設けられた噴射口あるいは環状高周波誘導コイル
の近傍に配設された噴射口から噴射するものである。ま
た、溶存酸素除去処理をした焼入れ液の槽で金属部材の
冷却を行うもので、この場合には、槽中の焼入れ液を取
り出し、窒素、アルゴンまたはCOガスのいずれかの
ガスを吹込んでバブリングし、溶存酸素の除去処理をし
た焼入れ液を槽に循環させることが好ましい。また、槽
中の焼入れ液に直接、窒素、アルゴンまたはCOガス
のいずれかのガスを吹込んでバブリングして溶存酸素の
除去処理を行ってもよい。
【0011】焼入れ液としては油を用いた場合、その溶
存酸素は5.6mg/lであった。この溶存酸素、5.
6mg/lの油で加熱した鋼材の表面の冷却を行なった
ところ、その溶存酸素の影響で表面性状に問題が残るも
のであった。溶存酸素、5.6mg/lの油に、窒素ガ
ス2l/min吹込んでバブリングすることにより、溶
存酸素0.4mg/lと減すことができ、このように溶
存酸素を除去することができた。この溶存酸素、0.4
mg/lの油で加熱された鋼材の冷却を行なったとこ
ろ、その表面は焼入れ前と同じ鏡面の状態であった。
【0012】本発明の高周波焼入れは、普通鋼、特殊鋼
等の鋼部材、ねずみ鋳鉄、ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄部
材、アルミニユム又はアルミニユム合金に用いられもの
で、具体的には、機械部品、例えば自動車の部品、農機
具の部品、具体的には歯車、ピニオンギヤ、シャフト、
カム、木工機械の切削刃等の焼入れに適するものであ
り、表面を硬化させる高周波焼入れ部品に対する高度な
要求、すなわち焼入れ後の寸法精度、表面性状が焼入れ
前と同じ鏡面という要求に対応することができるもので
ある。
【0013】本発明の高周波焼入れ方法は、鋼部品の焼
入れにおいて、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱に
より表面をオーステナイト組織にして、溶存酸素除去処
理をした焼入れ液を噴射、あるいは焼入れ液に入れて冷
却し、その表面を硬化させるものである。また、本発明
の高周波焼入れ方法において、鋼部品のマルテンパーを
行う場合には、溶存酸素除去処理をした焼入れ液として
油を用い、焼入れ液の温度を鋼部品のマルテンパーため
に恒温保持するに必要な温度であるMs点〜Mf点の温
度にする。そして高周波誘導加熱により鋼部品の表面を
オーステナイト組織に加熱し、これにMs点〜Mf点の
温度の焼入れ液を噴射、あるいはMs点〜Mf点の温度
の焼入れ液に入れて急冷し、Ms点〜Mf点の温度で恒
温保持してマルテンパーを行うものである。
【0014】また、鋼部材の高周波誘導加熱後、急冷す
るために、焼入れ液の中で鋼部品に溶存酸素の除去処理
をした油を噴射してもよい。なお、鋼部品は高周波誘導
加熱によりその表面のみがオーステナイト組織になって
いるもので、マスエフェクト(質量効果)の問題もな
く、Ms点上の温度に冷却することができる。
【0015】
【実施例1】本発明の第1実施例を図1を参照して説明
する。図1は、本発明の第1実施例の高周波焼入れを説
明する図である。図1に示すように、焼入れ槽(2)に
は、焼入をしようとする鋼部材の歯車(1)が載置台
(20)に載置され、環状の高周波誘導コイル(3)の
中に位置している。焼入れ槽(2)には、不活性ガスで
ある窒素の供給口(11)及び排気口(12)が設けら
れており、窒素雰囲気中で高周波誘導コイル(3)によ
り歯車(1)の表面を加熱を行うものである。(21)
は焼入れ槽(3)の蓋である。
【0016】環状の高周波誘導コイル(3)には一体化
した環状の焼入れ液供給路(4)が設けられ、供給路
(4)には焼入れ液を噴射する噴射口(5)が備えてい
る。焼入れ液は、管(9)より供給され、溶存酸素の除
去処理部(7)で管(8)より窒素ガスを吹き込みバブ
リングして、焼入れ液の溶存酸素の除去を行い、管
(6)より環状の焼入れ液供給路(4)に送られ、噴射
口(5)から歯車(1)に噴射されるものである。また
焼入れ液は槽(2)の出口(10)より溶存酸素の除去
処理部(7)に送り循環させることもできる。
【0017】まず、載置台(20)に載置されている焼
入をしようとする歯車(1)を窒素雰囲気中で高周波誘
導コイル(3)により表面を加熱し、所定の温度に加熱
された後、高周波誘導コイル(3)の通電を止める。次
いで、溶存酸素の除去処理部(7)で窒素ガスを吹き込
みバブリングして溶存酸素を除去した焼入液を、高周波
誘導コイル(3)に一体化して設けられている環状の焼
入れ液供給路(4)に供給し、その噴射口(5)から加
熱された歯車(1)に噴射して冷却し焼入するものであ
る。
【0018】具体的に溶存酸素の除去処理は、焼入れ液
として、油を用いた場合に、溶存酸素の除去処理部
(7)で管(8)より窒素ガスを2l/minで吹込み
バブリングして油の溶存酸素を除去し、0.4mg/l
に減少することができた。なお、溶存酸素の測定は、隔
膜形ガルバニ電池式測定方法によりおこなった。また、
歯車(1)の材質として機械構造用炭素鋼(JIS、S
45C(C:0.42〜0.48))のもの用い、窒素
雰囲気中で高周波誘導コイル(3)により表面を830
℃附近に加熱してオーステナイト組織とし、高周波誘導
コイル(3)の通電を止め、上述のように溶存酸素0.
4mg/lに除去処理した焼入れ液を噴射して冷却焼入
れを行ったところ、その表面の組織はマルテンサイトに
なり硬化され、表面性状は、焼入れ前と同じ鏡面のもの
が得られた。
【0019】また、歯車(1)として機械構造用炭素鋼
(JIS、S45C(C:0.42〜0.48))の表
面を窒素雰囲気中で高周波誘導コイル(3)により83
0℃附近に加熱してオーステナイト組織とし、窒素ガス
を吹込みバブリングして溶存酸素の除去処理を行った鉱
油系熱処理油(例えば高温熱浴用焼入油であるコスモク
エンチB−201またはB−203(コスモ石油製))
を用い、これをMs点〜Mf点の温度である140〜2
00℃に維持し、歯車(1)に噴射して恒温に保持して
マルテンパーを行った。この焼入れにより硬さが相当に
高く、衝撃値も非常に大きなものであり、かつ焼き割れ
・焼入れ歪みもないものが得られた。また表面性状は、
焼入れ前と同じ鏡面のものであった。この恒温保持によ
るマルテンパーで、表面の組織はマルテンサイト、ある
いはマルテンサイトと下部ベイナイトとの混合のもので
あった。
【0020】
【実施例2】本発明の第2実施例を図2を参照して説明
する。本発明の第2実施例の高周波焼入れは、焼入れ液
を噴射する噴射口が、環状高周波誘導コイルの近傍に配
設されているものである。図2に示すように、焼入れ槽
(2)には、歯車(1)が載置台(20)に載置され、
環状の高周波誘導コイル(3)の中に位置している。焼
入れ槽(2)には、窒素の供給口(11)及び排気口
(12)が設けられており、窒素雰囲気中で高周波誘導
コイル(3)により歯車(1)の表面を加熱を行うもの
である。
【0021】環状の高周波誘導コイル(3)の近傍には
噴射口(14)が環状に複数配設されている。焼入れ液
は、管(9)より供給され、溶存酸素の除去処理部
(7)で管(8)より窒素ガスを吹き込みバブリングし
て、焼入れ液の溶存酸素の除去を行い、管(6)より環
状の焼入れ液供給路(13)に送られ、噴射口(14)
から歯車(1)に噴射されるものである。また焼入れ液
は槽(2)の出口(10)より溶存酸素の除去処理部
(7)に送り循環させている。
【0022】まず、載置台(20)に載置されている焼
入をしようとする歯車(1)を窒素雰囲気中で高周波誘
導コイル(3)により表面を加熱し、所定の温度に加熱
された後、高周波誘導コイル(3)の通電を止め、次い
で溶存酸素の除去処理部(7)で溶存酸素を除去した焼
入液を、噴射口(14)から加熱された歯車(1)に噴
射して冷却し焼入するものである。
【0023】
【実施例3】本発明の第3実施例を図3(a)(b)を
参照して説明する。本発明の第3実施例の高周波焼入れ
は、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により金属部
材の表面を加熱を行い、次いで溶存酸素除去処理をした
焼入れ液に入れて冷却するものである。図3(a)
(b)に示すように、焼入れ槽(2)には、金属部材を
冷却するのに必要な量の溶存酸素除去処理をした焼入れ
液(24)が入れられている。
【0024】溶存酸素の除去処理は、槽(2)の出口
(10)よりポンプPで溶存酸素の除去処理部(7)に
送られ、管(8)より窒素ガスを吹き込みバブリングし
て、入口(23)より焼入れ槽(2)に供給される。こ
のポンプPによる焼入れ液の循環及び窒素ガスを吹き込
みによる溶存酸素の除去は、連続して行ってもよく、ま
た槽(2)の焼入れ液の溶存酸素を測定して、適宜循環
させ窒素ガスを吹き込みに溶存酸素の除去を行ってもよ
い。また、焼入れ槽(2)には、載置台(20)及び昇
降手段(22)、環状の高周波誘導コイル(3)、窒素
の供給口(11)及び排気口(12)が設けられてい
る。
【0025】図3(a)に示すように、載置台(20)
に載置されている歯車(1)を窒素雰囲気中で高周波誘
導コイル(3)により表面を所定の温度に加熱した後、
次いで3(b)に示すように、歯車(1)は昇降手段
(22)により高周波誘導コイル(3)の位置から下方
の位置に移動して、槽(3)の溶存酸素の除去処理され
た焼入れ液(24)中で冷却されて焼入れを行うもので
ある。
【0026】
【実施例4】本発明の第4実施例を図4(a)(b)を
参照して説明する。本発明の第4実施例の高周波焼入れ
は、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により金属部
材の表面を加熱を行い、次いで溶存酸素除去処理をした
焼入れ液中で溶存酸素除去処理した焼入れ液を噴射して
冷却するものである 図4(a)(b)に示すように、焼入れ槽(2)には、
金属部材を冷却するのに必要な量の溶存酸素除去処理を
した焼入れ液(24)が入れられおり、この溶存酸素の
除去処理は、槽(2)の出口(10)よりポンプPで溶
存酸素の除去処理部(7)に送られ、管(8)より窒素
ガスを吹き込みバブリングして、入口(23)より焼入
れ槽(2)に供給される。また焼入れ槽(2)には、載
置台(20)及び昇降手段(22)、環状の高周波誘導
コイル(3)、窒素の供給口(11)及び排気口(1
2)が設けられている。
【0027】図4(a)に示すように、載置台(20)
に載置されている歯車(1)を窒素雰囲気中で高周波誘
導コイル(3)により表面を所定の温度に加熱した後、
次いで3(b)に示すように、歯車(1)は昇降手段
(22)により高周波誘導コイル(3)の位置から下方
の位置に移動して、槽(3)の溶存酸素の除去処理され
た焼入れ液(24)中で溶存酸素を除去した焼入液を噴
射口(25)から加熱された歯車(1)に噴射して冷却
し焼入するものである。
【0028】
【発明の効果】本発明の高周波焼入れ方法及びその装置
によれば、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により
金属部材表面の加熱を行うので、加熱により酸化層が形
成されることがなく、また溶存酸素除去処理をした焼入
れ液で冷却を行うので、焼入れ液による酸化層の形成が
ないものであり、表面性状が良好で、焼入れ後の仕上げ
加工が不要となり、寸法精度も良好なものを得ることが
できるものである。また、焼入れ液の溶存酸素除去処理
は、焼入れ液に窒素、アルゴンまたはCOガスをバブ
リングするもので、焼入れ液中の溶存酸素の除去を容易
に、かつ安価で効率的に行なうことできるという効果を
有する。また溶存酸素を除去処理をした焼入れ液をMs
点〜Mf点の温度に維持して、冷却及び恒温保持を行う
ことにより、マルテンパーを行い、硬度、衝撃値ともに
優れ、焼き割れ・焼入れ歪みも少ないものを得ることが
できるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明する図
【図2】本発明の第2実施例を説明する図
【図3】本発明の第3実施例を説明する図
【図4】本発明の第4実施例を説明する図
【符号の説明】
1.歯車 2.焼入れ槽 3.高周波誘導コイル 4.液供給路 5.噴射口 7.溶存酸素の除去処理部 8.窒素ガスを吹き込み管 11.窒素の供給口 12.窒素の排気口 20.載置台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21D 1/667 C21D 1/667

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波誘導加熱により金属部材の表面を
    加熱、冷却する高周波焼入れ方法において、不活性ガス
    雰囲気中で高周波誘導加熱により金属部材の表面を加熱
    を行い、次いで溶存酸素除去処理をした焼入れ液で前記
    金属部材の冷却を行うことを特徴とする高周波焼入れ方
    法。
  2. 【請求項2】 金属部材の冷却が、溶存酸素除去処理を
    した焼入れ液を金属部材に噴射して冷却するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入れ方法。
  3. 【請求項3】 金属部材の冷却が、溶存酸素除去処理を
    した焼入れ液に入れて冷却するものであることを特徴と
    する請求項1に記載の高周波焼入れ方法。
  4. 【請求項4】 金属部材の冷却が、溶存酸素除去処理を
    した焼入れ液中に入れ、溶存酸素除去処理した焼入れ液
    を噴射して冷却するものであることを特徴とする請求項
    1に記載の高周波焼入れ方法。
  5. 【請求項5】 焼入れ液の溶存酸素除去処理は、焼入れ
    液に窒素、アルゴンまたはCOガスをバブリングする
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周
    波焼入れ方法。
  6. 【請求項6】 金属部材が鋼部材であり、鋼部材の表面
    をオーステナイト組織に高周波誘導加熱し、Ms点〜M
    f点の温度に維持されている溶存酸素除去処理をした焼
    入れ液で冷却を行い、前記焼入れ液でMs点〜Mf点の
    温度に恒温保持してマルテンパーするものであることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高周波焼入
    れ方法。
  7. 【請求項7】 不活性ガス雰囲気中に設けた環状高周波
    誘導コイル、窒素、アルゴンまたはCOガスを吹き込
    んでバブリングする焼入れ液の溶存酸素の除去処理部、
    及び環状高周波誘導コイルと一体化したまたは近傍に配
    設された焼入れ液を噴射する噴射口を備えており、加熱
    された金属部材に溶存酸素除去処理をした焼入れ液を噴
    射して冷却を行ものであることを特徴とする高周波焼入
    れ装置。
  8. 【請求項8】 焼入れ液に窒素、アルゴンまたはCO
    ガスを吹き込みバブリングする処理部が設けられた焼入
    れ槽、前記焼入れ液槽の上部に位置する不活性ガス雰囲
    気中に設けられている環状高周波誘導コイル、昇降可能
    な金属部材の載置台を備えており、載置台を下降して加
    熱された金属部材を溶存酸素除去処理をした焼入れ液に
    入れて冷却を行ものであることを特徴とする高周波焼入
    れ装置。
  9. 【請求項9】 焼入れ槽には、溶存酸素の除去処理をし
    た焼入れ液を噴射する噴射口が設けられていることを特
    徴とする請求項8に記載の高周波焼入れ装置。
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