JP2022020649A - ウインドシールド - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板を介して光の照射及び/または受光を行う情報取得装置が取り付け可能なウインドシールドにおいて、光の照射及び/または受光を正確に行うことができ、情報の処理を正確に行うことができる、ウインドシールド及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るウインドシールドは、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、ガラス板と、前記ガラス板に設けられる防曇手段と、を備え、前記ガラス板は、前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有しており、前記防曇手段は、前記ガラス板において、少なくとも、前記情報取得領域を防曇するように設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールド及びその製造方法に関する。
近年、自動車の安全性能は飛躍的に向上しつつあり、その1つとして前方車両との衝突を回避するため、前方車両との距離及び前方車両の速度を感知し、異常接近時には、自動的にブレーキが作動する安全システムが提案されている。このようなシステムは、前方車両との距離などをレーザーレーダーやカメラを用いて計測している。レーザーレーダーやカメラは、一般的に、ウインドシールドの内側に配置され、赤外線等の光を前方に向けて照射することで、計測を行う(例えば、特許文献1)。
特開2006-96331号公報
上記のように、レーザーレーダーやカメラなどの測定装置は、ウインドシールドを構成するガラス板の内面側に配置され、ガラス板を介して光の照射や受光を行っている。ところが、気温の低い日や寒冷地では、ガラス板が曇ることがある。しかしながら、ガラス板が曇ると、測定装置から正確に光を照射できなかったり、あるいは受光できないおそれがある。これにより、車間距離などが正確に算出されない可能性もある。
このような問題は、車間距離の測定装置に限られず、例えば、レインセンサー、ライトセンサー、光ビーコンなどの光の受光によって車外からの情報を取得する情報取得装置全般に生じうる問題である。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ガラス板を介して光の照射及び/または受光を行う情報取得装置が取り付け可能なウインドシールドにおいて、光の照射及び/または受光を正確に行うことができ、情報の処理を正確に行うことができる、ウインドシールド及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るウインドシールドは、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、ガラス板と、前記ガラス板に設けられる防曇手段と、を備え、前記ガラス板は、前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有しており、前記防曇手段は、前記ガラス板において、少なくとも、前記情報取得領域を防曇するように設けられている。
上記ウインドシールドにおいては、前記防曇手段を、防曇膜とすることができ、当該防曇膜は、前記ガラス板において、少なくとも、前記情報取得領域に配置することができる。
上記防曇膜は、前記ガラス板において、前記情報取得領域と対応する配置に液剤を塗布することで形成することができる。
上記防曇膜は、表面に凹凸を形成するための無機酸化物粒子を含有することができる。
上記防曇膜の屈折率は、空気の屈折率より大きく、前記ガラス板の屈折率よりも小さいものとすることができる。
上記前記防曇膜は、吸水性樹脂を含む有機物を主成分とすることができる。
上記防曇膜は、基材層と当該基材層上に形成される防曇機能層とを備えたフィルム状に形成することができ、前記ガラス板において、前記情報取得領域と対応する配置に貼付されるように構成することができる。
上記防曇機能層は、吸水性樹脂、または親水基を有し膜表面が親水性を示す物質を主成分とすることができる。
上記防曇機能層は、表面に凹凸を形成するための無機酸化物粒子を含有したものとすることができる。
上記防曇機能層の屈折率は、空気の屈折率より大きく、前記ガラス板の屈折率よりも小さくすることができる。
上記防曇手段は、電流が印加される電熱線を備えることができ、前記電熱線は、少なくとも、前記情報取得領域に配置することができる。
上記電熱線は、電源に対して直列に接続することができる。
上記各電熱線の少なくとも一部において、少なくとも、前記情報取得領域を通過する箇所の線幅は、0.05~0.5mmとすることができる。
上記電熱線において、前記ガラス板と対向する面、及び前記車内側を向く面の少なくとも一方には、被覆材を被覆することができる。
上記被覆材は、濃色のセラミックとすることができる。
上記防曇手段は、複数の手段で構成することができる。
例えば、前記防曇手段は、少なくとも、前記ガラス板の車内側の面に配置される防曇膜と、電流が印加される電熱線と、で構成することができる。
あるいは、前記防曇手段は、少なくとも、前記ガラス板の車内側の面に配置される防曇膜と、前記防曇膜と前記ガラス板との間に配置される透明導電膜と、
で構成することができる。
上記各ウインドシールドにおいて、前記情報取得装置は、視差の生じた複数の画像を取得可能に、互いに離間した複数の撮影装置を有するステレオカメラを備えることができ、複数の前記情報取得領域が、前記各撮影装置に対応するように設けることができる。
上記各ウインドシールドにおいて、前記情報取得装置は、当該情報取得装置を前記ガラス板に取り付けるためのブラケットを有することができ、前記情報取得領域は、前記ブラケットによって囲まれるように構成することができる。
本発明に係るウインドシールドの製造方法は、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドの製造方法であって、前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有するガラス板を成形するステップと、少なくとも電熱線が配置された転写シートを準備するステップと、前記転写シートから前記電熱線を前記ガラス板の内面の前記情報取得領域に転写するステップと、を備えている。
本発明によれば、ガラス板を介して光の照射及び/または受光を行う情報取得装置が取り付け可能なウインドシールドにおいて、光の照射及び/または受光を正確に行うことができ、情報の処理を正確に行うことができる。
本発明に係るウインドシールドの一実施形態の断面図である。 図1の平面図である。 合わせガラスの断面図である。 湾曲状の合わせガラスのダブリ量を示す正面図(a)及び断面図(b)である。 、湾曲形状のガラス板と、平面形状のガラス板の、一般的な周波数と音響透過損失の関係を示すグラフである。 合わせガラスの厚みの測定位置を示す概略平面図である。 中間膜の測定に用いる画像の例である。 ガラス板の平面図である。 センターマスク層の拡大平面図である。 図9のA-A線断面図である。 ガラス板の製造方法の一例を示す側面図である。 測定ユニットを構成するパーツの平面図である。 センサの断面図である。 防曇膜の効果の一例を示す図である。 防曇膜による反射防止効果を説明する図である。 防曇膜による反射防止効果を説明する図である。 本発明に係る防曇手段を電熱線により構成した例を示す平面図である。 転写シートの一例を示す断面図である。 図18の転写シートによる電熱線の転写方法の一例を示す断面図である。 本発明に係る防曇手段を電熱線により構成した他の例を示す平面図である。 防曇膜と電熱線とを配置した例を示すウインドシールドの一部断面図である。 防曇膜、透明導電膜、及び電熱線を配置した例を示すウインドシールドの一部断面図である。 ステレオカメラが設けられたウインドシールドの一例を示す正面図である。 図23の断面図である。
以下、本発明に係るウインドシールドに車間距離の測定ユニットを取付けた場合の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るウインドシールドの断面図、図2は図1の平面図である。図1、図2、図8、及び図9に示すように、本実施形態に係るウインドシールドは、ガラス板1と、このガラス板1の車内側の面に形成されたマスク層2と、を備え、マスク層2に、車間距離の測定を行う測定ユニット4が取付けられている。また、マスク層2には、開口231,232が形成されており、この開口231,232を通じて、測定ユニット4から光の照射が行われたり、光を受光したりする。そして、ガラス板1の内面において、マスク層2の開口231,232と対応する領域には、防曇膜が形成されている。以下、各部材について説明する。
<1.ガラス板>
<1-1.ガラス板の構成/合わせガラスを構成>
ガラス板1は、種々の構成が可能であり、例えば、複数のガラス板を有する合わせガラスで構成したり、あるいは一枚のガラス板により構成することもできる。合わせガラスを用いる場合には、例えば、図3に示すように、構成することができる。図3は合わせガラスの断面図である。
同図に示すように、この合わせガラス1は、外側ガラス板11及び内側ガラス板12を備え、これらガラス板11、12の間に樹脂製の中間膜13が配置されている。まず、外側ガラス板11及び内側ガラス板12から説明する。外側ガラス板11及び内側ガラス板12は、公知のガラス板を用いることができ、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラスやグリーンガラス、またはUVグリーンガラスで形成することもできる。但し、これらのガラス板11、12は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、外側ガラス板11により必要な日射吸収率を確保し、内側ガラス板12により可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラス、熱線吸収ガラス、及びソーダ石灰系ガラスの一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70~73質量%
Al23:0.6~2.4質量%
CaO:7~12質量%
MgO:1.0~4.5質量%
2O:13~15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.08~0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)の比率を0.4~1.3質量%とし、CeO2の比率を0
~2質量%とし、TiO2の比率を0~0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、S
iO2やAl23)をT-Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とす
ることができる。
(ソーダ石灰系ガラス)
SiO2:65~80質量%
Al23:0~5質量%
CaO:5~15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10~18質量%
2O:0~5質量%
MgO+CaO:5~15質量%
Na2O+K2O:10~20質量%
SO3:0.05~0.3質量%
23:0~5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.02~0.03質量%
本実施形態に係る合わせガラスの厚みは特には限定されないが、軽量化の観点からは、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、2.4~5.0mmとすることが好ましく、2.6~4.6mmとすることがさらに好ましく、2.7~3.2mmとすることが特に好ましい。このように、軽量化のためには、外側ガラス板11と内側ガラス板12との合計の厚みを小さくすることが必要であるので、各ガラス板のそれぞれの厚みは、特には限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みを決定することができる。
外側ガラス板11は、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要であり、例えば、この合わせガラスを自動車のウインドシールドとして用いる場合には、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。他方、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板11の厚みは1.8~2.3mmとすることが好ましく、1.9~2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
内側ガラス板12の厚みは、外側ガラス板11と同等にすることができるが、例えば、合わせガラスの軽量化のため、外側ガラス板11よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、0.6~2.3mmであることが好ましく、0.8~2.0mmであることが好ましく、1.0~1.4mmであることが特に好ましい。更には、0.8~1.3mmであることが好ましい。内側ガラス板12についても、何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
また、本実施形態に係る外側ガラス板11及び内側ガラス板12の形状は、平面形状及び湾曲形状のいずれであってもよい。
ガラス板が湾曲形状である場合には、ダブリ量が大きくなると遮音性能が低下するとされている。ダブリ量とは、ガラス板の曲げを示す量であり、例えば、図4に示すように、ガラス板の上辺の中央と下辺の中央とを結ぶ直線Lを設定したとき、この直線Lとガラス板との距離のうち最も大きいものをダブリ量Dと定義する。
図5は、湾曲形状のガラス板と、平面形状のガラス板の、一般的な周波数と音響透過損失の関係を示すグラフである。図5によれば、湾曲形状のガラス板は、ダブリ量が30~38mmの範囲では、音響透過損失に大きな差はないが、平面形状のガラス板と比べると、4000Hz以下の周波数帯域で音響透過損失が低下していることが分かる。したがって、湾曲形状のガラス板を作製する場合、ダブリ量は小さい方がよいが、例えば、ダブリ量が30mmを超える場合には、後述するように、中間膜のコア層のヤング率を18MPa(周波数100Hz,温度20℃)以下とすることが好ましい。
ここで、ガラス板(合わせガラス)1が湾曲している場合の厚みの測定方法の一例について説明する。まず、測定位置については、図6に示すように、ガラス板の左右方向の中央を上下方向に延びる中央線S上の上下2箇所である。測定機器は、特には限定されないが、例えば、株式会社テクロック製のSM-112のようなシックネスゲージを用いることができる。測定時には、平らな面にガラス板の湾曲面が載るように配置し、上記シックネスゲージでガラス板の端部を挟持して測定する。なお、ガラス板が平坦な場合でも、湾曲している場合と同様に測定することができる。
<1-2.合わせガラスの中間膜>
中間膜13は、少なくとも一層で形成されており、一例として、図3に示すように、軟質のコア層131を、これよりも硬質のアウター層132で挟持した3層で構成することができる。但し、この構成に限定されるものではなく、コア層131と、外側ガラス板11側に配置される少なくとも1つのアウター層132とを有する複数層で形成されていればよい。例えば、コア層131と、外側ガラス板11側に配置される1つのアウター層132を含む2層の中間膜13、またはコア層131を中心に両側にそれぞれ2層以上の偶数のアウター層132を配置した中間膜13、あるいはコア層131を挟んで一方に奇数のアウター層132、他方の側に偶数のアウター層132を配置した中間膜13とすることもできる。なお、アウター層132を1つだけ設ける場合には、上記のように外側ガラス板11側に設けているが、これは、車外や屋外からの外力に対する耐破損性能を向上するためである。また、アウター層132の数が多いと、遮音性能も高くなる。
コア層131はアウター層132よりも軟質であるかぎり、その硬さは特には限定されない。各層131,132を構成する材料は、特には限定されないが、例えば、ヤング率を基準として材料を選択することができる。具体的には、周波数100Hz,温度20度において、1~20MPaであることが好ましく、1~18MPaであることがさらに好ましく、1~14MPaであることが特に好ましい。このような範囲にすると、概ね3500Hz以下の低周波数域で、STLが低下するのを防止することができる。一方、アウター層132のヤング率は、後述するように、高周波域における遮音性能の向上のために、大きいことが好ましく、周波数100Hz,温度20度において560MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、700MPa以上、750MPa以上、880MPa以上、または1300MPa以上とすることができる。一方、アウター層132のヤング率の上限は特には限定されないが、例えば、加工性の観点から設定することができる。例えば、1750MPa以上となると、加工性、特に切断が困難になることが経験的に知られている。
また、具体的な材料としては、アウター層132は、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)によって構成することができる。ポリビニルブチラール樹脂は、各ガラス板との接着性や耐貫通性に優れるので好ましい。一方、コア層131は、例えば、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、またはアウター層を構成するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質なポリビニルアセタール樹脂によって構成することができる。軟質なコア層を間に挟むことにより、単層の樹脂中間膜と同等の接着性や耐貫通性を保持しながら、遮音性能を大きく向上させることができる。
一般に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。したがって、それらの条件から選ばれる少なくとも1つを適切に調整することにより、同じポリビニルブチラール樹脂であっても、アウター層132に用いる硬質なポリビニルブチラール樹脂と、コア層131に用いる軟質なポリビニルブチラール樹脂との作り分けが可能である。さらに、アセタール化に用いるアルデヒドの種類、複数種類のアルデヒドによる共アセタール化か単種のアルデヒドによる純アセタール化によっても、ポリビニルアセタール樹脂の硬度を制御することができる。一概には言えないが、炭素数の多いアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂ほど、軟質となる傾向がある。したがって、例えば、アウター層132がポリビニルブチラール樹脂で構成されている場合、コア層131には、炭素数が5以上のアルデヒド(例えばn-ヘキシルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-へプチルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド)、をポリビニルアルコールでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。なお、所定のヤング率が得られる場合は、上記樹脂等に限定されることはい。
また、中間膜13の総厚は、特に規定されないが、0.3~6.0mmであることが好ましく、0.5~4.0mmであることがさらに好ましく、0.6~2.0mmであることが特に好ましい。また、コア層131の厚みは、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層132の厚みは、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~1.0mmであることがさらに好ましい。その他、中間膜13の総厚を一定とし、この中でコア層131の厚みを調整することもできる。
コア層131及びアウター層132の厚みは、例えば、以下のように測定することができる。まず、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製VH-5500)によって合わせガラスの断面を175倍に拡大して表示する。そして、コア層131及びアウター層132の厚みを目視により特定し、これを測定する。このとき、目視によるばらつきを排除するため、測定回数を5回とし、その平均値をコア層131、アウター層132の厚みとする。例えば、図7に示すような合わせガラスの拡大写真を撮影し、このなかでコア層やアウター層132を特定して厚みを測定する。
なお、中間膜13のコア層131、アウター層132の厚みは全面に亘って一定である必要はなく、例えば、ヘッドアップディスプレイに用いられる合わせガラス用に楔形にすることもできる。この場合、中間膜13のコア層131やアウター層132の厚みは、最も厚みの小さい箇所、つまり合わせガラスの最下辺部を測定する。中間膜13が楔形の場合、外側ガラス板及び内側ガラス板は、平行に配置されないが、このような配置も本発明におけるガラス板に含まれる物とする。すなわち、本発明においては、例えば、1m当たり3mm以下の変化率で厚みが大きくなるコア層131やアウター層132を用いた中間膜13を使用した時の外側ガラス板と内側ガラス板の配置を含む。
中間膜13の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、中間膜13は、上記のような複数の層で形成する以外に、1層で形成することもできる。
<1-3.ガラス板の赤外線透過率>
上記のように、本実施形態に係るウインドシールドは、レーザーレーダー、カメラなどの測定ユニットを用いた自動車の前方安全システム用に用いられる。このような安全システムでは、前方の車両に対して赤外線を照射して、前方の自動車の速度や車間距離を計測する。そのため、合わせガラス(または一枚のガラス板)には、所定範囲の赤外線の透過率を達成することが要求される。
このような透過率としては、例えば、レーザーレーダーに一般的なセンサを使用する場合、波長が850~950nmの光(赤外線)に対して20%以上80%以下、少なくとも20%以上60%以下であることが有用であるとされている。透過率の測定方法は、JIS R3106にしたがい、測定装置として、UV3100(島津製作所製)を用いることができる。具体的には、合わせガラスの表面に対して90度の角度で照射した、一方向の光の透過を測定する。
また、上記のような安全システムでは、レーザーレーダーを用いず、赤外線カメラを用いて前方車両の速度や車間距離を測定するものもあるが、その場合には、例えば、レーザーレーダーに一般的なカメラを使用する場合、波長が700~800nmの光(赤外線)に対して30%以上80%以下、好ましくは、40%以上60%以下であることが有用とされている。透過率の測定方法は、ISO9050に従う。
<2.マスク層>
次に、マスク層2について説明する。本実施形態に係るガラス板1には、図8に示すようなマスク層2が形成される。マスク層2は、ガラス板上に積層されるのであるが、その位置は特には限定されない。例えば、ガラス板が一枚のガラス板で形成されている場合には、車内側の面にマスク層2を積層することができる。一方、ガラス板が、図3に示すような合わせガラスで形成されている場合には、外側ガラス板11の車内側の面、内側ガラス板12の車外側面、及び内側ガラス板12の車内側の面の少なくとも1つに積層することができる。このなかで、例えば、外側ガラス板11の車内側の面、及び内側ガラス板12の車内側の面の両方に概ね同一形状のマスク層2を形成すると、マスク層2が積層されている箇所において両ガラス板11,12の湾曲が一致するため、好ましい。なお、図1では、ガラス板1の内側の面にマスク層2が形成されている例を示している。
このマスク層2は、ガラス板1を車体に取付ける際の接着剤が塗布されたりするなど、外部から見えないようにするための濃色の領域であり、ガラス板1の外周縁に形成された周縁マスク層21と、この周縁マスク層21において、ガラス板1の上縁の中央から下方に延びるセンターマスク層22と、を備えている。そして、センターマスク層22には、上述した測定ユニット4が取付けられる。測定ユニット4は、後述するようにセンサ5から照射される光が開口(情報取得領域)の中心を通過し、先行車および障害物からの反射光を受光できる程度に配置されていればよい。これらマスク層2は、種々の材料で形成することができるが、車外からの視野を遮蔽できるものであれば特には限定されず、例えば、黒色などの濃色のセラミックをガラス板1に塗布することで形成することができる。
次に、センターマスク層22について説明する。図9に示すように、センターマスク層22は、上下方向に延びる矩形状に形成されており、上下方向に並ぶ2つの開口、つまり上側開口231と下側開口232とが形成されている。上側開口231及び下側開口232はともに台形状に形成されているが、下側開口232の左右方向の幅は、上側開口231の半分ほどの大きさとなっている。但し、上下方向の長さは概ね同じである。開口の大きさは、特には限定されないが、例えば、上側開口231を縦が約58mm、横が約58mm、下側開口232を縦が約52mm、横が約27mmとすることができる。
センターマスク層22は、3つの領域に分かれており、上部開口231よりも上側の上部領域221、この上部領域221より下方で両開口231,232を含む下部領域222、及びこの下部領域222の側部に形成された矩形状の小さい側部領域223で構成されている。
次に、各領域の層構成について説明する。図10に示すように、上部領域221は、黒色セラミックからなる第1セラミック層241により1層で形成されている。下部領域222は、ガラス板1の内表面から積層される上記第1セラミック層241、銀層242、及び第2セラミック層243からなる3層で形成されている。銀層242は銀により形成され、第2セラミック層243は、第1セラミック層241と同じ材料で形成されている。また、側部領域223は、ガラス板1の内表面から積層される第1セラミック層241及び銀層242の2層で形成されており、銀層242が車内側に露出している。最下層の第1セラミック層241は、各領域で共通であり、2層目の銀層242は下部領域222と側部領域223で共通である。なお、遮光性を担保するため、各セラミック層241、243の厚みは、例えば、10~20μmとすることができる。また、後述するように、内側ガラス板12の車内側の面に形成されたセンターマスク層22には、測定ユニット4のブラケットが接着剤で接着されるため、接着性を担保するためにもこのような厚みが好ましい。これは、例えば、ウレタン・シリコン系の接着剤が紫外線などによって劣化するおそれがことによる。
周縁マスク層21及びセンターマスク層22は、例えば、次のように形成することができる。まず、ガラス板上に第1セラミック層241を塗布する。この第1セラミック層241は周縁マスク層21と共通である。次に、この第1セラミック層241上に、下部領域222及び側部領域223に該当する領域に銀層242を塗布する。最後に、下部領域222に該当する領域に第2セラミック層243を塗布する。なお、下部領域222において、銀層242が形成されている領域は、後述する測定ユニット4のセンサが配置されている位置に相当する。また、側部領域223において露出する銀層242には接地用の配線が施される。セラミック層241,243及び銀層242は、スクリーン印刷法により形成することができるが、これ以外に、焼成用転写フィルムをガラス板に転写し焼成することにより作製することも可能である。
セラミック層241、243は、種々の材料で形成することができるが、例えば、以下の組成とすることができる。
Figure 2022020649000002
また、銀層242も、特には限定されないが、例えば、以下の組成とすることができる。
Figure 2022020649000003
スクリーン印刷の条件として、例えば、ポリエステルスクリーン:355メッシュ,コート厚み:20μm,テンション:20Nm,スキージ硬度:80度,取り付け角度:75°,印刷速度:300mm/sとすることができ、乾燥炉にて150℃、10分の乾燥により、セラミック層及び銀層を形成することができる。なお、第1セラミック層241、銀層242、及び第2セラミック層243をこの順で積層する場合には、上述したスクリーン印刷及び乾燥を繰り返せばよい。
<3.防曇膜>
以下、防曇膜について説明する。防曇膜は、ガラス板1の防曇効果を奏するものであれば、特には限定されず、公知のものを用いることができる。一般的に、防曇膜は、水蒸気から生じる水を水膜として表面に形成する親水タイプ、水蒸気を吸収する吸水タイプ、及び水蒸気から生じる水滴を撥水する撥水タイプがあるが、いずれのタイプの防曇膜も適用可能である。以下では、その一例として、吸水タイプの防曇膜の例を説明する。
[有機無機複合防曇膜]
有機無機複合防曇膜は、ガラス板の表面に形成された単層膜もしくは積層された複層膜である。有機無機複合防曇膜は、有機物及び無機酸化物を含む。有機物は吸水性樹脂を含み、無機酸化物はシリカ成分を含む。有機無機複合防曇膜は、紫外線吸収剤及び/又は赤外線吸収剤を含んでいてもよい。以下、各成分について説明する。
(吸水性樹脂)
吸水性樹脂としては特に制限はなく、ポリエチレングリコール、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステルポリオール、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル、エポキシ系樹脂及びポリウレタン樹脂であり、より好ましいのは、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ系樹脂及びポリウレタン樹脂であり、特に好ましいのは、ポリビニルアセタール樹脂である。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールにアルデヒドを縮合反応させてアセタール化することにより得ることができる。ポリビニルアルコールのアセタール化は、酸触媒の存在下で水媒体を用いる沈澱法、アルコール等の溶媒を用いる溶解法等公知の方法を用いて実施すればよい。アセタール化は、ポリ酢酸ビニルのケン化と並行して実施することもできる。アセタール化度は、2~40モル%、さらには3~30モル%、特に5~20モル%、場合によっては5~15モル%が好ましい。アセタール化度は、例えば13C核磁気共鳴スペクトル法に基づいて測定することができる。アセタール化度が上記範囲にあるポリビニルアセタール樹脂は、吸水性及び耐水性が良好である有機無機複合防曇膜の形成に適している。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは200~4500であり、より好ましくは500~4500である。高い平均重合度は、吸水性及び耐水性が良好である有機無機複合防曇膜の形成に有利であるが、平均重合度が高すぎると溶液の粘度が高くなり過ぎて膜の形成に支障をきたすことがある。ポリビニルアルコールのケン化度は、75~99.8モル%が好ましい。
ポリビニルアルコールに縮合反応させるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルカルバルデヒド、オクチルカルバルデヒド、デシルカルバルデヒド等の脂肪族アルデヒドを挙げることができる。また、ベンズアルデヒド;2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、その他のアルキル基置換ベンズアルデヒド;クロロベンズアルデヒド、その他のハロゲン原子置換ベンズアルデヒド;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基等のアルキル基を除く官能基により水素原子が置換された置換ベンズアルデヒド;ナフトアルデヒド、アントラアルデヒド等の縮合芳香環アルデヒド等の芳香族アルデヒドを挙げることができる。疎水性が強い芳香族アルデヒドは、低アセタール化度で耐水性に優れた有機無機複合防曇膜を形成する上で有利である。芳香族アルデヒドの使用は、水酸基を多く残存させながら吸水性が高い膜を形成する上でも有利である。ポリビニルアセタール樹脂は、芳香族アルデヒド、特にベンズアルデヒドに由来するアセタール構造を含むことが好ましい。
エポキシ系樹脂としては、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、環式脂肪族エポキシ樹脂である。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートとポリオールとで構成されるポリウレタン樹脂が挙げられる。ポリオールとしては、アクリルポリオール及びポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましい。
有機無機複合防曇膜は、吸水性樹脂を主成分とする。本発明において、「主成分」とは、質量基準で含有率が最も高い成分を意味する。有機無機複合防曇膜の重量に基づく吸水性樹脂の含有率は、膜硬度、吸水性及び防曇性の観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、特に好ましくは65重量%以上であり、95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下である。
(無機酸化物)
無機酸化物は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であり、少なくとも、Siの酸化物(シリカ)を含む。有機無機複合防曇膜は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.1重量部以上、さらに好ましくは0.2重量部以上、特に好ましくは1重量部以上、最も好ましくは5重量部以上、場合によっては10重量部以上、必要であれば20重量部以上、また、好ましくは50重量部以下、より好ましくは45重量部以下、さらに好ましくは40重量部以下、特に好ましくは35重量部以下、最も好ましくは33重量部以下、場合によっては30重量部以下となるように、無機酸化物を含むことが好ましい。無機酸化物は、有機無機複合防曇膜の強度、特に耐摩耗性を確保するために必要な成分であるが、その含有量が多くなると、有機無機複合防曇膜の防曇性が低下する。
(無機酸化物微粒子)
有機無機複合防曇膜は、無機酸化物の少なくとも一部として、無機酸化物微粒子をさらに含んでいてもよい。無機酸化物微粒子を構成する無機酸化物は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であり、好ましくはシリカ微粒子である。シリカ微粒子は、例えば、コロイダルシリカを添加することにより有機無機複合防曇膜に導入できる。無機酸化物微粒子は、有機無機複合防曇膜に加えられた応力を、有機無機複合防曇膜を支持する物品に伝達する作用に優れ、硬度も高い。したがって、無機酸化物微粒子の添加は、有機無機複合防曇膜の耐摩耗性を向上させる観点から有利である。また、有機無機複合防曇膜に無機酸化物微粒子を添加すると、微粒子が接触又は近接している部位に微細な空隙が形成され、この空隙から膜中に水蒸気が取り込まれやすくなる。このため、無機酸化物微粒子の添加は、防曇性の向上に有利に作用することもある。無機酸化物微粒子は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液に、予め形成した無機酸化物微粒子を添加することにより、有機無機複合防曇膜に供給することができる。
無機酸化物微粒子の平均粒径が大きすぎると、有機無機複合防曇膜が白濁することがあり、小さすぎると凝集して均一に分散させることが困難となる。この観点から、無機酸化物微粒子の平均粒径は、好ましくは1~20nmであり、より好ましくは5~20nmである。なお、ここでは、無機酸化物微粒子の平均粒径を、一次粒子の状態で記述している。また、無機酸化物微粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた観察により任意に選択した50個の微粒子の粒径を測定し、その平均値を採用して定めることとする。無機酸化物微粒子は、その含有量が多くなると、有機無機複合防曇膜全体の吸水量が低下し、有機無機複合防曇膜が白濁するおそれがある。無機酸化物微粒子は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0~50重量部であり、より好ましくは2~30重量部、さらに好ましくは5~25重量部、特に好ましくは10~20重量部となるように添加するとよい。
(加水分解性金属化合物)
無機酸化物を有機無機複合防曇膜に配合するためには、加水分解性基を有する金属化合物(加水分解性金属化合物)又はその加水分解物を、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液に添加するとよい。加水分解性金属化合物としては、以下の式(I)で表される、加水分解性基を有するシリコン化合物が好ましい。無機酸化物に含まれるシリカは、加水分解性基を有するシリコン化合物又はその加水分解物由来のシリカを含むことが好ましい。式(I)で表される加水分解性基を有するシリコン化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、シロキサン結合で結合したシリコン化合物において、そのシリコンの一部に有機金属が直接結合しているものもシリカに含める。
mSiX4-m (I)
式(I)におけるRは、水素原子が反応性官能基に置換されていてもよい炭素数1~3の炭化水素基である。炭素数1~3の炭化水素基としては、炭素数1~3のアルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基)及び炭素数2~3のアルケニル基(ビニル基、アリル基、プロペニル基)等が挙げられる。
反応性官能基は、好ましくはオキシグリシジル基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種である。反応性官能基を有する加水分解性金属化合物は、有機物である吸水性樹脂と無機酸化物であるシリカとを強固に結合し、有機無機複合防曇膜の耐摩耗性、硬度等の向上に寄与し得る。
式(I)におけるXは、加水分解性基又はハロゲン原子である。加水分解性基としては、例えば、アルコキシル基、アセトキシ基、アルケニルオキシ基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。アルコキシル基としては、炭素数1~4のアルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)等が挙げられる。加水分解性基のうち好ましいのは、アルコキシル基であり、より好ましいのは、炭素数1~4のアルコキシル基である。ハロゲン原子としては、例えば塩素である。
式(I)におけるmは、0~2の整数であり、好ましくは0~1の整数である。
式(I)で表される加水分解性基を有するシリコン化合物の好ましい具体例は、式(I)におけるXがアルコキシル基であるシリコンアルコキシドである。また、シリコンアルコキシドは、式(I)においてm=0の化合物(SiX4)に相当する4官能シリコンアルコキシドを含むことがより好ましい。4官能シリコンアルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。シリコンアルコキシドは、単独で用いても2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合には、シリコンアルコキシドの主成分が4官能シリコンアルコキシドであることがより好ましい。
シリコンアルコキシドは、4官能シリコンアルコキシドと、式(I)においてm=1の化合物(RSiX3)に相当する3官能シリコンアルコキシドとを含むことがより好ましい。反応性官能基を有しない3官能シリコンアルコキシドの具体例としては、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。反応性官能基を有する3官能シリコンアルコキシドの具体例としては、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、アミノアルキルトリアルコキシシラン(3-アミノプロピルトリエトキシシラン等)等が挙げられる。
反応性官能基を有するシリコンアルコキシドは、シランカップリング剤と呼ばれることがある。式(I)においてm=2の化合物(R2SiX2)に相当する2官能シリコンアルコキシドも、Rの少なくとも一方が反応性官能基である場合は、シランカップリング剤である。Rの少なくとも一方が反応性官能基を有する2官能シリコンアルコキシドの具体例としては、グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシラン(3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン[N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤又は赤外線吸収剤が有機物である場合は、特に、シリコンアルコキシドは、シランカップリング剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤又は赤外線吸収剤による光遮蔽性(例えば紫外線遮蔽性)が向上するためである。シランカップリング剤によって有機無機複合防曇膜の光遮蔽性が向上する理由は、シランカップリング剤の添加によって、有機化合物である光吸収剤がシリカを含む吸水性樹脂中により均一に分散した状態になることにあると考えられる。
式(I)で表される加水分解性基を有するシリコン化合物は、加水分解及び重縮合が完全に進行すると、以下の式(II)で表される成分を供給する。
mSiO(4-m)/2 (II)
式(II)におけるR及びmは、上述したとおりである。加水分解及び重縮合の後、式(II)で表される化合物は、実際には、有機無機複合防曇膜中において、シリコン原子と酸素原子とが交互に接続し、かつ三次元的に広がるシロキサン結合(Si-O-Si)のネットワーク構造を形成する。
有機無機複合防曇膜中の4官能シリコンアルコキシド又は3官能シリコンアルコキシドに由来するシリカの含有量が多くなると、有機無機複合防曇膜の防曇性が低下することがある。これは、有機無機複合防曇膜の柔軟性が低下し、水分の吸収及び放出に伴う膜の膨潤及び収縮が制限されることが一因である。4官能シリコンアルコキシドに由来するシリカは、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0~30重量部、より好ましくは1~20重量部、さらに好ましくは3~10重量部の範囲で添加するとよい。3官能シリコンアルコキシドに由来するシリカは、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0~30重量部、より好ましくは0.05~15重量部、さらに好ましくは0.1~10重量部の範囲で添加するとよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物[2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'―ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン化合物[2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5'-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等]、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物[2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-5-メチルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-s-トリアジン等]及びシアノアクリレート化合物[エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等]等の有機物が挙げられる。紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、紫外線吸収剤は、ポリメチン化合物、イミダゾリン化合物、クマリン化合物、ナフタルイミド化合物、ペリレン化合物、アゾ化合物、イソインドリノン化合物、キノフタロン化合物及びキノリン化合物から選ばれる少なくとも1種の有機色素であってもよい。紫外線吸収剤のうち好ましいのは、有機物である紫外線吸収剤であり、より好ましいのは、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物及びシアノアクリレート化合物から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましいのは、ベンゾフェノン化合物である。ベンゾフェノン化合物は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液に含まれるアルコール系溶媒への溶解性が良く、ポリビニルアセタール樹脂により均一に分散するため好ましい。紫外線吸収剤は、ヒドロキシル基を有することが好ましく、紫外線吸収剤が有する1つのベンゼン骨格に、水酸基が2個以上結合したものがより好ましい。紫外線吸収剤は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1~50重量部、より好ましくは1.0~40重量部、さらに好ましくは2~35重量部の範囲で添加するとよい。
赤外線吸収剤としては、例えば、ポリメチン化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物、ジチオール化合物、インモニウム化合物、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ピリリウム化合物、セリリウム化合物、スクワリリウム化合物、ベンゼンジチオール金属錯体アニオンとシアニン色素カチオンとの対イオン結合体等の有機系赤外線吸収剤;酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンモン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ランタン、酸化タングステン、インジウム錫酸化物、アンチモン錫酸化物等の無機系赤外線吸収剤;等が挙げられる。赤外線吸収剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。赤外線吸収剤のうち好ましいのは、無機系赤外線吸収剤であり、より好ましいのは、インジウム錫酸化物及び/又はアンチモン錫酸化物である。インジウム錫酸化物及び/又はアンチモン錫酸化物は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液中での安定性が良く、ポリビニルアセタール樹脂により均一に分散するため好ましい。赤外線吸収剤は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1~50重量部、より好ましくは1.0~40重量部、さらに好ましくは2~35重量部の範囲で添加するとよい。
(架橋構造)
有機無機複合防曇膜は、有機ホウ素化合物、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤に由来する架橋構造を含んでいてもよい。架橋構造の導入は、有機無機複合防曇膜の耐摩耗性、耐水性を向上させる。別の観点から述べると、架橋構造の導入は、有機無機複合防曇膜の防曇性能を低下させることなくその耐久性を改善することを容易にする。
架橋剤は、用いる吸水性樹脂を架橋できるものであれば、その種類は特に限定されない。ここでは、有機チタン化合物についてのみ例を挙げる。有機チタン化合物は、例えば、チタンアルコキシド、チタンキレート化合物及びチタンアシレートから選ばれる少なくとも1つである。チタンアルコキシドは、例えば、テトラテトライソプロポキシド、チタンテトラ-n-ブトキシド、チタンテトラオクトキシドである。チタンキレ-ト化合物は、例えば、チタンアセチルアセトナート、チタンアセト酢酸エチル、チタンオクチレングリコール、チタントリエタノールアミン、チタンラクテートである。チタンラクテートは、アンモニウム塩(チタンラクテートアンモニウム)であってもよい。チタンアシレートは、例えばチタンステアレートである。好ましい有機チタン化合物は、チタンキレート化合物、特にチタンラクテートである。
吸水性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である場合の好ましい架橋剤は、有機チタン化合物、特にチタンラクテートである。
(その他の任意成分)
有機無機複合防曇膜には、その他の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、防曇性を改善する機能を有するグリセリン、エチレングリコール等のグリコール類が挙げられる。添加剤は、界面活性剤、界面調整剤、スリップ性付与剤、レベリング剤、消泡剤、防腐剤等であってもよい。
(親水性タイプ)
上述した防曇膜は、吸水性樹脂を主成分とした吸水タイプであるが、親水性タイプも採用することができる。親水性タイプは、親水性樹脂を主成分としたものであり、公知のもの、例えば、特開2011-213555号公報に記載の防曇膜を用いることができる。具体的には、以下の通りである。
防曇膜の内部には、複数の閉じた孔が形成されることが好ましい。また、防曇膜が、酸化ケイ素を主成分とするとともに、それぞれの炭素数が6以上である2本の炭素鎖を親水基から見て分岐した位置に有する2本鎖型の陰イオン性界面活性剤と、ポリオール化合物とを含むことが好ましく、前記酸化ケイ素が、酸化ケイ素微粒子と、シリコンアルコキシドの加水分解反応および縮重合反応により生成した酸化ケイ素成分とを含むことが好ましい。なお、「閉じた孔」とは、膜表面に開口していない孔である。「主成分」とは、慣用のとおり、最も多い成分を意味し、具体的には、50質量%以上を占める成分を指す。「ポリオール化合物」は、ジオール、トリオールなど多価のアルコールである。
また、このような親水性タイプの防曇膜は、シリコンアルコキシドと酸化ケイ素微粒子とを含む防曇膜の形成溶液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させて防曇膜とすることにより、得ることができる。防曇膜の形成溶液は、少なくとも、1)2本鎖型の陰イオン性界面活性剤、2)ポリオール化合物、3)酸化ケイ素微粒子(シリカ微粒子)、4)少なくともそのー部がシリコンテトラアルコキシドであるシリコンアルコキシド、5)水、6)有機溶媒、7)加水分解触媒、を混合して調製することができる。但し、親水性タイプの防曇膜はこれに限定されない。
[膜厚]
有機無機複合防曇膜の膜厚は、要求される防曇特性その他に応じて適宜調整すればよい。有機無機複合防曇膜の膜厚は、好ましくは1~20μmであり、より好ましくは2~15μm、さらに好ましくは3~10μmである。
なお、上述した防曇膜は、一例であり、紫外線吸収剤又は赤外線吸収剤は必須ではない。また、その他の公知の防曇膜を用いることができ、例えば、特開2014-14802号公報、特開2001-146585号公報に記載の防曇膜など、種々のものを用いることができる。
<4.ウインドシールドの製造方法>
次に、ウインドシールドの製造方法の一例について説明する。まず、ガラス板の製造ラインについて説明する。
図11に示すように、この製造ラインには、上流から下流へ、加熱炉901、成形装置902がこの順で配置されている。そして、加熱炉901から成形装置902、及びその下流側に亘ってはローラコンベア903が配置されており、加工対象となるガラス板10は、このローラコンベア903により搬送される。ガラス板10は、加熱炉901に搬入される前には、平板状に形成されており、このガラス板10に上述したマスク層2が積層された後、加熱炉901に搬入される。
加熱炉901は、種々の構成が可能であるが、例えば、電気加熱炉とすることができる。この加熱炉901は、上流側及び下流側の端部が開放する角筒状の炉本体を備えており、その内部に上流から下流へ向かってローラコンベア903が配置されている。炉本体の内壁面の上面、下面、及び一対の側面には、それぞれヒータ(図示省略)が配置されており、加熱炉901を通過するガラス板10を成形可能な温度、例えば、ガラスの軟化点付近まで加熱する。
成形装置902は、上型921及び下型922によりガラス板をプレスし、所定の形状に成形するように構成されている。上型921はガラス板10の上面全体を覆うような下に凸の曲面形状を有し、上下動可能に構成されている。また、下型922はガラス板10の周縁部に対応するような枠状に形成されており、その上面は上型921と対応するように曲面形状を有している。この構成により、ガラス板10は、上型921と下型922との間でプレス成形され、最終的な曲面形状に成形される。また、下型922の枠内には、ローラコンベア903が配置されており、このローラコンベア903は、下型922の枠内を通過するように、上下動可能となっている。そして、図示を省略するが、成形装置902の下流側には、徐冷装置(図示省略)が配置されており、成形されたガラス板が冷却される。
上記のようなローラコンベア903は公知のものであり、両端部を回転自在に支持された複数のローラ931が、所定間隔をあけて配置されている。各ローラ931の駆動には種々の方法があるが、例えば、各ローラ931の端部にスプロケットを取り付け、各スプロケットにチェーンを巻回して駆動することができる。そして、各ローラ931の回転速度を調整することで、ガラス板10の搬送速度も調整することができる。なお、成形装置902の下型922はガラス板10の全面に亘って接するような形態でもよい。このほか、成形装置902は、ガラス板を成形するものであれば、上型及び下型の形態は特には限定されない。
こうして、外側ガラス板11及び内側ガラス板12が成形されると、これに続いて、中間膜13を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟み、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70~110℃で予備接着する。予備接着の方法は、これ以外でも可能である。例えば、中間膜13を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟み、オーブンにより45~65℃で加熱する。続いて、この合わせガラスを0.45~0.55MPaでロールにより押圧する。次に、この合わせガラスを、再度オーブンにより80~105℃で加熱した後、0.45~0.55MPaでロールにより再度押圧する。こうして、予備接着が完了する。
次に、本接着を行う。予備接着がなされた合わせガラスを、オートクレーブにより、例えば、8~15気圧で、100~150℃によって、本接着を行う。具体的には、例えば、14気圧で145℃の条件で本接着を行うことができる。こうして、本実施形態に係る合わせガラスが製造される。
なお、ガラス板として、一枚のガラスを用いる場合には、上述したガラスのうち、一枚を用いればよい。ガラス板の製造方法も同様であり、ガラス板の内面にマスク層を形成した後、加熱を行い、その後、曲面状に成形する。
続いて、防曇膜の成膜を行う。上述した有機無機複合防曇膜は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液を透明基板等の物品上に塗布し、塗布した塗工液を乾燥させることにより、成膜することができる。塗工液の調製に用いる溶媒、塗工液の塗布方法は、公知の材料及び方法を用いればよい。
まず、マスク層2の開口を洗浄し、その後、防曇膜用の塗工液をスクリーン印刷などでマスク層2の開口に塗布する。このとき、雰囲気の相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持することが好ましい。相対湿度を低く保持すると、有機無機複合防曇膜が雰囲気から水分を過剰に吸収することを防止できる。雰囲気から水分が多量に吸収されると、有機無機複合防曇膜のマトリックス内に入り込んで残存した水が膜の強度を低下させるおそれがある。
塗工液の乾燥工程は、風乾工程と、加熱を伴う加熱乾燥工程とを含むことが好ましい。風乾工程は、相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持した雰囲気に塗工液を曝すことにより、実施するとよい。風乾工程は、非加熱工程として、言い換えると室温で実施できる。塗工液に加水分解性シリコン化合物が含まれている場合、加熱乾燥工程では、シリコン化合物の加水分解物等に含まれるシラノール基及び物品上に存在する水酸基が関与する脱水反応が進行し、シリコン原子と酸素原子とからなるマトリックス構造(Si-O結合のネットワーク)が発達する。風乾工程は、例えば、約10分間行うことができる。
吸水性樹脂等の有機物の分解を避けるべく、加熱乾燥工程において適用する温度は過度に高くしないほうがよい。この場合の適切な加熱温度は、300℃以下、例えば100~200℃である。具体的には、3つの工程を行うことができる。例えば、温度約120℃で約5分間焼成し、温度約80度、湿度90%で約2時間乾燥した後、温度約120℃で約30分間焼成する。こうして、防曇膜の成膜が完了する。
<5.測定ユニット>
次に、測定ユニット(情報取得装置)について、図12及び図13を参照しつつ説明する。図12は、ガラス板に取り付けられた測定ユニット4の概略構成を示す断面図、図13はブラケットを車外側から見た図(a)、及び車内側から見た図(b)である。図12に示すように、この測定ユニット4は、ガラス板1の内面に固定されるブラケット41、このブラケット41に支持されるセンサ5、及びブラケット41とセンサ5を車内側から覆うカバー42に、により構成されている。
図13に示すように、ブラケット41は、矩形状に形成されており、上述したような内側ガラス板12の車内側の面に形成されたセンターマスク層22に、接着剤401により固定される。また、このブラケット41には上下に並び、仕切り部415によって仕切られた2つの開口、つまり第1開口411と第2開口412とが形成されており、上側に形成された大型の第1開口411にセンサ5が取り付けられる。また、このブラケットにおいて、車外側から見て第2開口412の下側には、台形状の凹部414が形成されている。この凹部414は、上端が最も深く、下端側にいくにしたがって浅くなるように傾斜しており、上端に第2開口412が形成されている。また、図13(b)に示すように、ブラケット41の車内側の面における第1開口411の両側には、センサ5を支持する支持部413が取り付けられており、センサ5は、両支持部413の間に固定される。固定されたセンサ5の先端部(図12の下端部)には、後述するように照射レンズ552が取り付けられており、この照射レンズ552が第2開口412及び凹部414を介して外部を臨むようになっている。すなわち、凹部414は、ガラス板との間に隙間を形成し、第2開口412から照射される光の通路となる。一方、受光レンズ542は、第1開口411を介して外部を臨むようになっている。
また、図13(a)に示すように、このブラケット41における車外側の面は、センターマスク層22に固定される面であり、ビード状の接着剤401が塗布される。接着剤401は、概ねブラケット41全周に塗布され、この接着剤401を介して、ブラケット41がセンターマスク層22に固定される。なお、接着剤は、種々のものを採用できるが、例えば、ウレタン樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤などを用いることができる。但し、エポキシ樹脂接着剤は粘性が高いため、流れにくく、有利である。また、マスク層2が内側ガラス板12の車内側の面に形成されていない場合には、ブラケット41は内側ガラス板12に直接接着される。なお、ブラケット41を固定する方法は、特には限定されず、接着剤のほか、両面テープを用いることもでき、あるいは接着剤と両面テープの両者を用いることもできる。
ブラケット41には、図示を省略するハーネスなどが取り付けられた後、図12に示すように、車内側からカバー42が取り付けられる。これにより、センサ5やブラケット41が車内側から見えないようになる。こうして、センサ5は、ブラケット41、カバー42、及びガラス板1に囲まれた空間内に収容される。なお、センターマスク層22が形成されているため、上部開口231及び下部開口232を除いては、車外側からも測定ユニット4は見えないようになっている。また、上部開口231及び下部開口232は、ブラケット41に囲まれて、車内側からは見えないようになっている。
次に、センサ5の概要を図12を参照しつつ説明する。同図に示すように、このセンサ5は、側面視三角形状の筐体51を備え、この筐体51の内部は、上部空間501と、下部空間502とに仕切られている。また、筐体51の背面側にはコネクタ53が取付けられており、外部機器への接続に用いられる。
上部空間501には、第1支持部54が配置されており、この第1支持部54には、後方から前方へ向けて第1制御基板541、受光レンズ542が配置されている。また、第1制御基板541上には、受光素子543が実装されており、受光レンズ542を通過したレーザ光を受光し、電気信号に変換するようになっている。この電気信号は、第1制御基板541において増幅され、後述する第2制御基板56に送信される。そして、受光レンズ542は、上述したように、ブラケット41の第1開口411からセンターマスク層22の上部開口231を介して外部を臨むように配置されている。特に、受光素子543で受光される光の通過経路が、上部開口231の中心付近X(図12参照)を通るように、センサ5がブラケット41に支持されている。また、先行車や障害物から反射された多方向からの反射光が上部開口231の中心付近を通り、その反射光を受光素子543は受光する。
一方、下部空間502には、第2支持部55が配置されており、この第2支持部55に後方から前方へ向かってレーザ発光素子551、照射レンズ552がこの順で支持されている。レーザ発光素子551は、レーザダイオードなどの波長850nm~950nm近赤外線波長域のレーザ光を発信するものであり、照射レンズ552は、レーザ発光素子551からのレーザ光を所定のビーム状に成形するレンズである。この照射レンズ552は、上述したように、筐体51からからブラケット41の第2開口412及びセンターマスク層22の下部開口232を介して外部を臨むように配置されている。特に、レーザ発光素子551から発信されるレーザ光の通過経路が、下部開口232の中心付近Y(図12参照)を通るように下部開口232の位置、大きさ、センサ5の取付位置が調整されている。
また、第2支持部55の上面には、第2制御基板56が配置されており、レーザ発光素子551の駆動、第1制御基板541から送信された電気信号の処理などを行う。
次に、測定ユニット4の動作について説明する。まず、第1制御基板541は、レーザ発光素子551からレーザ光のパルスを発信する。そして、このレーザ光が先行車や障害物などで反射された反射光を、受光素子543で受光するまでの時間に基づいて、先行車両や障害物と自車との距離を算出する。算出された距離は、コネクタ53を介して外部機器に送信され、ブレーキの制御などに用いられる。
<6.特徴>
<6-1>
以上説明したウインドシールドによれば、次のような効果を得ることができる。まず、マスク層2の開口231,232に防曇膜を積層することで、開口231,232の曇りを防止することができる。そのため、測定ユニットにより、開口231,232を介して光を照射したり、受光する際、開口231,232の曇りによって、光の通過に支障を来たし、測定が正確に行えないなどの不具合を防止することができる。例えば、図14は、上記実施形態で示した有機無機複合防曇膜を塗布したウインドシールドの写真であるが、防曇膜を塗布しているウインドシールドの右側の領域には曇りが生じておらず、防曇膜による曇り防止の効果が非常に大きいことが分かる。
特に、マスク層2の開口231,232が設けられる車内の上部は、暖房がONになっていても冷えやすく、曇りが生じやすい。したがって、このような位置に防曇膜が積層されているとは有利である。また、防曇膜が積層されているマスク層2の開口231,232は、測定ユニットが対向配置されたり、あるいはブラケット41により囲まれている。そのため、暖房やデフロスターからの暖気が届きにくいという問題がある。したがって、上記のように、暖気が届きにくい領域に防曇膜を設けることには大きい意義がある。
さらに、次のような効果もある。防曇膜には、車内の内装部品(例えば、樹脂成形品など)から離脱し、空気中に流入した可塑剤が付着するおそれがある。そして、防曇膜に可塑剤が付着すると、防曇機能が低下する可能性がある。しかしながら、上記のように、防曇膜の対向する位置には、測定ユニットが配置され、さらにブラケット41で囲まれているため、防曇膜への可塑剤の付着を防止することができる。その結果、防曇機能、特に吸水タイプの防曇膜においては、吸水機能の低下を防止することができる。また、親水性タイプにおいては、可塑剤が防曇膜中の親水基と結合し易いので、上記のように、測定ユニットが対向配置されたり、ブラケット41で囲まれることが好ましい。
なお、吸水タイプの防曇膜の表面に可塑剤が付着し、長期間堆積していくと、吸水性を阻害するようになり、防曇性能が低下する。但し、水拭きなどで可塑剤を拭き取れば、また吸水性能が復活する。一方、親水タイプの防曇膜の表面に可塑剤が付着すると、親水基と強く結合してしまい、親水性能が低下する。そのため、形成される水膜の厚みの違いにより防曇膜を通した像の歪みや、防曇性能の低下が短期間で生じるおそれがある。
また、マスク層2の開口231,232付近を電熱線により暖めて曇りを解消する方法も考えられるが、電熱線に電流が流されてから曇りが解消されるまで時間を要するという問題があり、電気の消費も問題となる。また、電熱線により曇りを解消するには、ガラス板の厚みや外気の状況によるところがあり、一様ではない。したがって、予め曇りが生じないようにし、さらに電力も消費しない防曇膜は非常に有利である。
さらに、防曇膜は、一般的に耐久性に乏しく、外力により傷が生じやすいという問題がある。しかしながら、上記のように、防曇膜に対して測定ユニットを対向配置したり、あるいはブラケット41により囲むことで、傷が生じるのを防止することができる。
<6-2>
また、防曇膜を設けることで、反射防止効果を得ることができる。例えば、コロイダルシリカ等の上述した無機酸化物微粒子を含有することで、防曇膜の表面に光の波長よりもサイズの小さい凹凸を形成することができ、これによっていわゆる「モスアイ(Moth eye)構造」による反射防止効果、ひいては防曇膜表面での反射光に起因する二重像が生じるのを防止することができる。このような反射防止効果を得るには、例えば、5~15nm程度の粒径のコロイダルシリカを約1重量%含有した防曇膜を用いることができる。但し、これに限定されるものではなく、防曇膜の表面に凹凸を形成できる程度の粒径と、含有率であればよい。
また、以下に示すように、ガラスの屈折率よりも低い屈折率を有する防曇膜を設けることで、次のような反射防止効果を得ることもできる。図15(a)は、ガラス板(屈折率nA)からの入射光が空気界面で屈折する状態を表す模式図であり、界面で反射光が発生する。図15(b)は、ガラス板に屈折率nBの防曇膜を積層した状態の模式図である。図15(b)において、防曇膜の厚さは光の波長よりはるかに大きいので反射光の干渉は起こらないものとする。
屈折率と入射角および屈折角の関係は、屈折の法則より
AsinθA=nBsinθB=sinθ
の関係にあり、反射率は、たとえば屈折率nAとnBの境界面ではフレネル反射の式
Rp=tan2(θA-θB)/tan2(θA+θB
Rs=sin2(θA-θB)/sin2(θA+θB
で表される。Rp、Rsは、それぞれP偏光とS偏光の反射率である。
防曇膜を積層することにより反射界面は2面に増えるが、界面の屈折率差は小さくなるので全反射率は減少する。ここで、ガラス板の屈折率nA=1.52、空気中での屈折角θ=60°とし、防曇膜の屈折率nBを変化させた場合の2界面を合わせた反射率(P偏光とS偏光の平均)を上記の数式に基づいて計算した結果を図16に示す。
図16からすると、防曇膜の屈折率nBが、空気の屈折率よりも高く、ガラスの屈折率より低いと、防曇膜が無い場合(nB=1.00およびnB=1.52に相当)の比べ、2界面を合わせた反射率が低くなることが分かる。このことから、空気の屈折率よりも高く、ガラスの屈折率よりも低い屈折率を有する防曇膜を使用することで、反射防止の効果があり、これにより、二重像が生じるのを防止することもできる。
<7.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
<7-1>
上記実施形態では、マスク層2の開口231,232に防曇膜を成膜したが、少なくとも開口に防曇膜が成膜されていればよく、開口を含むマスク層、ガラス板の上部、あるいはガラス板全体に防曇膜が成膜されていてもよい。
<7-2>
また、上記実施形態では、液剤を塗布することで、防曇膜をガラス板上に成膜したが、基材層に防曇機能層が成膜された防曇性フィルムを防曇膜として、基材層側をガラス板に貼り付けることもできる。このような防曇性フィルムは、公知のものを用いることができ、例えば、特開2014-224213号公報で示された防曇性フィルムなど、種々のものを用いることができる。
防曇機能層は、上述した防曇膜の組成と同様のものとすることができ、例えば、吸水性樹脂を主成分とすることができる。あるいは、親水性樹脂を主成分とした、親水タイプとすることもできる。
このような防曇性フィルムを用いることで、次のような効果を得ることができる。すなわち、防曇膜は、上記のように耐久性が低く傷が生じやすいという問題のほか、車内の内装部品から離脱し空気中に流入した可塑剤が付着するおそれがあり、これによって、防曇機能が低下するという問題もある。これに対して、防曇性フィルムを用いると、貼り替えが容易であるため、仮に傷が付いたり、防曇機能が低下した場合であっても、容易に交換することができる。
また、防曇膜と同様に、防曇機能層においても、表面に凹凸を形成するための無機酸化物粒子を含有させ、反射防止効果をそうするようにすることができる。同様に、防曇機能層の屈折率を、空気の屈折率より大きく、ガラス板の屈折率よりも小さくすることでも反射防止効果を得ることができる。このような反射防止効果に関する詳細は、防曇膜に関して上述したとおりである。
<7-3>
マスク層2は、上記のように3層の構成を行っているが、これに限定されない。すなわち、上記実施形態では、電磁波を遮蔽するために、銀層242を設けたが、銀とセラミック層を混ぜ合わせた単層を設ける方法や、電磁波を遮蔽できるのであれば、他の材料、例えば、銅やニッケルなどを積層してもよい。また、銀層242が外部から見えないようにするためにセラミック層で挟んでいるが、セラミック層で覆う以外に、上述したカバーなどの部材を用いることもできる。また、必ずしも電磁波の遮蔽層である銀層242を設けなくてもよく、少なくとも外部から見えないような層であればよい。
マスク層2は、黒以外でも可能であり、車外からの視野を遮蔽し、車内側が見えないような茶色、灰色、濃紺などの濃色であれば、特には限定されない。また、マスク層の一部または全部を、ガラス板へ貼り付け可能な遮蔽フィルムで構成し、これによって車外からの視野を遮蔽することもできる。なお、遮蔽フィルムを内側ガラス板12の車外側の面に貼り付ける場合には、予備接着の前、または本接着の後に貼り付けを行うことができる。
また、ガラス板において、光の通路の曇りを防止するという観点からすれば、必ずしもマスク層は必要ではなく、光が通過する領域(情報取得領域)に防曇膜が形成されていればよい。
<7-4>
上記実施形態では、本発明の情報取得装置として、車間距離を測定するセンサ5を用いたが、これに限定されるものではなく、種々の情報取得装置を用いることができる。すなわち、車外からの情報を取得するために、光の照射及び/または受光を行うものであれば、特には限定されない。例えば、車間距離を測定するための可視光線及び/又は赤外線カメラ、光ビーコンなどの車外からの信号を受信する受光装置、道路の白線等を画像にて読み取る可視光線及び/又は赤外線を使用したカメラなど、種々の装置に適用することができる。ここで、光の照射または受光のいずれか一方のみを行う場合には、センターマスク層の開口は1つになる。また、光の種類に応じて、複数の開口を設けることもできる。なお、情報取得装置はガラスに接触していても接触していなくても良い。いずれにしても、ガラス板において、情報取得装置の光が通過する領域(情報取得領域)に防曇膜が形成される。
<7-5>
上記実施形態では、情報取得領域の防曇のため、ガラス板の内側に防曇膜を設けたが、これに代わり、本発明に係る防曇手段として、電熱線を設けることができる。電熱線を用いると、配線の自由度が高いため、防曇すべき領域に対して柔軟に対応することができる。以下、詳細に説明する。
以下に説明する例では、ガラス板の内面に電熱線を配置し、電流を印加することで生じる熱によって情報取得領域の防曇を行う。電熱線は種々の配線方法があるが、マスク層と干渉しないように配置されることが好ましい。一例として、ガラス板を合わせガラスで形成し、外側ガラス板の内面側にマスク層を形成するとともに内側ガラス板の内面に電熱線を配置することができる。図17は、ガラス板の内面に形成された配線の例を示しており、情報取得装置から照射される光が通過する開口部も描かれているが、これは、外側ガラス板の内面側にマスク層に形成されているものである。したがって、内側ガラス板の内面に配置される電熱線は、マスク層とは干渉しない。以下、電熱線の構成について説明する。
同図に示すように、この電熱線8は、ガラス板1の上縁付近に配置され、電源の正極及び負極が接続される一対の矩形状の端子部81,82を備えている。以下、正極に接続される端子部を第1端子部81、負極に接続される端子部を第2端子部82と称することとする。第1端子部81からは、下方に延び、さらにマスク層の開口部500の一方(同図の左側)の側縁に沿って延びる第1配線部83が形成されている。この第1配線部83は、開口部500の下端付近まで延びている。一方、第2端子部82からは、下方に延び、さらに開口部500の他方(同図の右側)の側縁の上端付近まで延びる第2配線部84が形成されている。第1及び第2配線部83,84の幅は、例えば、3~25mmとすることが好ましく、5~10mmとすることがさらに好ましい。
そして、第1配線部83の下端と第2配線部84の下端との間には、熱線部85が配置されている。熱線部85はS字状に配置され、開口部500を三箇所において横切るように配置されている。熱線部85の線幅は、例えば、0.05~0.5mmとすることが好ましく、0.1~0.3mmとすることがさらに好ましい。
このように、電熱線8は、電源(電圧は一定)に対して直列に接続される第1端子部81、第1配線部83、熱線部85、第2配線部84、及び第2端子部82により構成されている。そして、電流が印加されることで、熱が発生するため、開口部500において曇りが発生するのを防止することができ、また発生した曇りを解消することができる。特に、上記のような電熱線8では、開口部500に配置される熱線部85の幅が細いため、次の効果を得ることができる。
まず、この電熱線8は、ガラス板1の上端付近に配置されるため、短い。そのため、例えば、線幅が大きいと抵抗が小さくなり、電熱線に流れる電流が大きくなるおそれがある(一般的に電圧は12Vなどで一定)。これにより、発熱量が大きくなりすぎ、断線する可能性があったり、断線を防止するために余分な抵抗を配置しなければならない。これに対して、上記のように熱線部85の線幅を細くすると、このような問題の発生を防止することができる。したがって、適度な発熱量にすることができ、適切な防曇効果を得ることができる。さらに、熱線部85の幅を細くすると、開口部500の視界を妨げにくくなるため、開口部500に密な配線を施すことができる。図17の例では、開口部500を三箇所において横切るように熱線部85を配置しているが、これ以上にすることもできる。これにより、抵抗が大きくなり、異常発熱を防止することができる。また、密な配線により、開口部500の広い範囲に亘って、より高い防曇効果を得ることができる。なお、熱線部85の幅は細いが、上記実施形態で示したようなブラケットにより囲まれると、外部からの接触がなくなるため、断線を防止することができる。
なお、上述した電熱線8の構造は一例であり、種々の配線形状とすることができる。例えば、上述した配線部83,84を設けず、端子部81,82から細い熱線部85を直接配置することもできる。また、電熱線8を、電源に対して直列に、1本の材料で形成しているため、並列部分を有する場合に比べ、発熱量が大きくなりすぎないという利点がある。
上記のような電熱線8は、導電性材料であれば、種々の材料で形成することができるが、例えば、銀、銅、タングステンなどを用いることができる。また、これらの材料を単独で用いるほか、電熱線8に少なくとも一層の被覆材を被覆した積層構造を採用することもできる。例えば、電熱線を銀で形成する場合、マスク層と同様の濃色のセラミックの層を被覆材としてガラス板上に配置し、その上に銀で形成された電熱線8を形成することもできる。このようにすると、車外から銀の電熱線8が見えなくなるため、見栄えがよくなる。特に、このセラミック層とマスク層とが同じ色であれば、車外から見たときに違和感がない。さらに、電熱線8を被覆材で挟むこともできる。すなわち、ガラス板1に被覆材を配置し、その上に電熱線8を配置し、さらに電熱線8を覆うように被覆材を配置した三層構造とすることもできる。これにより、車内側からも電熱線8が見えなくなる。特に、光が通過する開口部500に銀の層が露出すると、光が反射するなど、光の通過を妨げる可能性があるため、好ましくない。したがって、銀の層の上に、被覆材として濃色のセラミックの層を形成すると、車内側から銀層が見えなくなる。また、電熱線8はガラス板の車内側の面に配置されるため、電熱線8の上に接着剤を介してブラケットが取り付けられる可能性もある。この場合、接着剤の成分が銀を腐食させるおそれがある。したがって、この観点からも、銀をセラミックの層で被覆しておけば、銀が接着剤から影響を受けることを防止できる。
このような電熱線8を含む層構造は、種々の態様が可能である。例えば、上述した端子部81,82を2層(ガラス板側からセラミック層、銀層をこの順で積層)、配線部83,84を3層(ガラス板側からセラミック層、銀層、セラミック層をこの順で積層)、熱線部85を銀層のみで形成することができる。なお、被覆材の線幅は、電熱線よりも大きいことが好ましい。また、銀層を被覆する被覆材は、セラミック以外でもよい。
上記電熱線8を配置するに当たっては、上記のように、マスク層を合わせガラスの異なる面に配置することで干渉を防止することができるが、電熱線とマスク層とを同じ面で形成することもできる。この場合、電熱線とマスク層とが干渉しないように、マスク層の形状を決定すればよい。例えば、電熱線が配置される部分に、マスク層を形成しないようにすればよい。さらに、電熱線8及び被覆材は、ガラス板1の内面に形成するほか、ガラス板が合わせガラスで形成される場合には、外側ガラス板の内面、内側ガラス板の外面、または内側ガラス板の内面に形成することもできる。これによってマスク層との干渉を防止することにも寄与する。
上記のような電熱線8は、種々の方法でガラス板上に配置することができる。例えば、ガラス板が成形された後、ガラス板上にスクリーン印刷などで形成し、マスク層と同様に焼成することで、電熱線を形成することができる。マスク層をガラス板の同じ面に形成する場合には、マスク層とともに印刷を行い、同時に焼成することもできる。その他、転写により、ガラス板上に形成することもできる。以下、一例を示す。
まず、図18に示すように、転写シートを準備する。転写シートは、剥離フィルム101と、その上にスクリーン印刷などで形成された電熱線8と、電熱線8を覆うように配置された接着層102とを有している。剥離フィルム101は公知のものであり、電熱線8は上述したものである。また、接着層102は、例えばアクリル、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチル、セルロース、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエステルなどの樹脂が使用でき、単独もしくはこれらを混合した接着剤である。なお、転写までの間、接着層102を剥離可能な保護フィルムなどで覆っておくこともできる。
そして、図19(a)に示すように、この転写シートの接着層102を、成形後のガラス板1に貼り付けた後、剥離フィルム101を剥がす。これにより、図19(b)に示すように、ガラス板1上には接着層102、電熱線8がこの順で配置される。その後、このガラス板1を焼成すると、図19(c)に示すように、接着層102が溶解し、電熱線8がガラス板に焼き付けられる。例えば、接着層102として、アクリル系接着剤を採用した場合には、約400~700℃で、約3分の焼成により、電熱線をガラス板に転写することができる。なお、この転写シートは、一例であり、電熱線8をガラス板1上に転写できるのであれば、どのような転写シートであってもよく、例えば、特開2009-23255号に記載の転写シートを用いることができる。
以上のように、転写シートにより、電熱線8を形成すると、次のような利点がある。まず、電熱線8をガラス板1上に直接形成するよりも、剥離フィルム101上に形成する方が容易であり、自由度が高い。また、このような転写フィルムを大量に作製しておけば、ガラス板1に電熱線8を形成する際の生産性が向上する。
電熱線の形状は、図17以外のものでもよく、例えば、図20に示すような形状にすることもできる。図20の例では、マスク層を省略し、開口500のみ記載している。同図に示すように、この電熱線8は、図17と同様に、ガラス板1の上縁付近に配置される第1端子部81、負極に接続される第2端子部82を有している。そして、第1端子部81から下方へ開口部500の上縁付近まで延びる第1配線部83が形成されている。同様に、第2端子部82から下方へ開口部500の上縁付近まで延びる第2配線部84が形成されている。そして、第1配線部83及び第2配線部84の下端からは、開口231の外周に沿って延びる第3配線部85が形成されている。この第3配線部85は、台形状の開口部を囲むように、線状に延びる5つのパーツ、つまり第1~第5パーツ85a~85eが連結されることで構成されており、各パーツ85a~85eは波形に形成されている。
このように、開口231の周囲に電熱線8を配置することで、開口231の内部にまで熱を伝達することができ、開口231内の曇りを防止することができる。このように電熱線8の各パーツ85a~85eを波形に形成しているのは、電熱線8の全長を長くし、抵抗を大きくするためである。これにより、一定の電源電圧(一般的に電圧は12Vなど)に対し、電流値が大きくなりすぎず、電熱線8の断線を防止しつつ発熱を制御することができる。
また、図17の電熱線と、図20の電熱線を組み合わせた形状にすることもできる。すなわち、開口の周囲を図20のような電熱線で囲むとともに、開口の内部に、図17のような電熱線を配置することもできる。また、電熱線の抵抗を増大するため、例えば、図17の電熱線における第1配線部83及び第2配線部84の少なくとも一部を波形に形成することもできる。このように、電熱線の形状は特には限定されない。また、電熱線8は、マスク層、ブラケット、ガラス板のいずれにも設けることができる。
さらに、電熱線と防曇膜とを組み合わせることもできる。例えば、ガラス板に、図20のような電熱線85を配置するとともに、少なくとも開口500を含む領域に上述した防曇膜を配置することもできる。
このとき、防曇膜は、ガラス板1に直接設けるほか、次のようにすることもできる。例えば、防曇膜をシート状の基材上に配置した上で、この基材を透明の粘着剤によりガラス板に貼り付けることができる。また、粘着剤、基材、及び防曇膜をこの順で積層することもできる。基材は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明の樹脂シートにより形成することができる。
防曇膜及び電熱線は次のように配置することもできる。まず、図21(a)に示すように、基材502を開口500よりも大きく形成し、開口500及びその周囲を覆うように、粘着剤503を介してガラス板1上に配置する。次に、基材502の周縁において、開口500からはみ出した領域に電熱線85を印刷などで形成する。最後に、電熱線85を覆うように、防曇膜501を基材502のほぼ全面に形成する。あるいは、図21(b)に示すように、基材502の周縁に電熱線85を形成した後、基材502上において、電熱線85よりも内側の領域に防曇膜501を形成する。すなわち、防曇膜501の大きさを開口500とほぼ同じにし、基材502において、開口500からはみ出している領域に電熱線85を配置する。なお、図21及び後述する図22では、マスク層を省略している。
図21のような態様にすると、次のような効果を得ることができる。すなわち、上述したように、吸水タイプの防曇膜を利用した場合、所定量の水分を吸収し、飽和すると、それ以上の水分を吸収できなくなり、防曇機能が低下する。これに対して、防曇膜501の周囲に電熱線85を配置すると、電熱線85の熱により、防曇膜501から水分を蒸発させることができるため、防曇膜501が飽和状態になるのを抑制することができる。その結果、防曇機能の低下を防止することができる。
また、例えば、電熱線85を印刷により形成し、焼成すると、高温になるため、防曇膜501を電熱線85より先に形成しておくと、防曇膜501が気化するおそれがあるが、上記のように、電熱線85を形成した後に、防曇膜501を形成すると、防曇膜501の気化を防止することができる。なお、基材502は、ガラス板1にのみ配置されてもよいし(開口500全体または開口500の一部)、図21のように、一部がマスク層上に配置されていてもよい。
また、次のようにすることもできる。図22に示すように、基材502の周縁に電熱線85を形成した後、基材502上の電熱線85よりも内側の領域に透明導電膜(例えば、ITOなど)504を配置し、さらにその上に防曇膜501を配置することができる。このとき、基材502は開口500よりも大きく形成し、透明導電膜504及び防曇膜501は、開口500とほぼ同じ形状に形成する。また、透明導電膜504には通電できるように配線を施しておく。このように構成することで、電熱線85及び透明導電膜504が発熱し、防曇膜501から水分を蒸発させることができるため、防曇膜501が飽和状態になるのを抑制することができる。
なお、図22の態様において、電熱線85を配置せず、透明導電膜504のみで防曇膜501を加熱することもできる。さらに、配線が施された透明導電膜504のみを、ガラス板1上、あるいは基材502及び粘着剤503を介してガラス板1上に配置することもできる。すなわち、透明導電膜504の発熱のみで防曇を行うこともできる。
以上のように、防曇手段としては、種々のものを採用することができ、防曇膜のみ、電熱線のみ、透明導電膜のみ、あるいはこれらの手段のいずれか複数を組み合わせて防曇手段とすることもできる。
<7-6>
情報取得装置として、ステレオカメラを用いることができる。ステレオカメラは、公知のものを用いることができるが、具体例として、以下、図23及び図24を参照しつつ説明する。
図23及び図24に示すように、ステレオカメラは、ガラス板の内側に配置され、視差の生じた2枚の画像を同時に取得可能なように、互いに離間した2つの撮影装置210A、210Bを有している。これに対応して、センターマスク層22には、車内に配置された各撮影装置210A、210Bが車外の状況を撮影可能なように、当該各撮影装置210A、210Bに対応する2つの撮影窓113A、113Bが形成されている。これら2つの撮影窓113A、113Bは、ルームミラーの支持部近傍に、ルームミラーを対象軸として左右対称に配置される。また、ガラス板の内面において、撮影窓113A、113Bに対応する位置には、上述した防曇膜が設けられている。
また、ステレオカメラ20は画像処理装置30に接続されており、ステレオカメラ20により取得した複数の画像によって被写体と自車との距離等を解析可能な車載システムを構成している。以下、各構成要素について説明する。
ステレオカメラ20の各撮影装置210A、210Bは、公知のものを用いることができ、例えば、複数のレンズ及び開口絞りを有するレンズ系と、レンズ系を通過した光によって撮像するCCD等のイメージセンサと、を備えることができる。イメージセンサにより、レンズ系を通過した光を受光平面で結像することで、被写体の撮像を行う。ステレオカメラ20は、このような各撮影装置210A、210Bにより、視差の生じた複数の画像を同時に取得することができる。
画像処理装置30は、ステレオカメラ20により取得された複数の画像を解析し、被写体と自車との距離、被写体の移動速度、被写体の種別等を解析する装置であり、公知のものを用いることができる。このような画像処理装置は、ハードウェア構成として、バスで接続される、記憶部、制御部、入出力部等の一般的なハードウェアを有している。
上記のようなステレオカメラ20では、2つの撮影装置210A、210Bを用いるため、2つの撮影窓113A、113Bの一方にでも曇りが生じると、正しい画像解析を行うことができない可能性がある。したがって、撮影窓113A、113Bに上述したような防曇膜、防曇性フィルム、または電熱線を形成すると非常に有利である。
1 ガラス板
2 マスク層
231,232 開口(情報取得領域)
113A、113B 撮影窓(情報取得領域)

Claims (10)

  1. 光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、
    ガラス板と、
    前記ガラス板に設けられる、少なくとも1つの防曇手段と、
    を備え、
    前記ガラス板は、前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有しており、
    前記防曇手段の1つは、少なくとも、前記情報取得領域を防曇する透明導電膜を備えている、ウインドシールド。
  2. 複数の前記防曇手段を備えている、請求項1に記載のウインドシールド。
  3. 前記透明導電膜は、前記ガラス板上に配置される、請求項1または2に記載のウインドシールド。
  4. 前記防曇手段の1つは、基材と、前記基材上に配置される前記透明導電膜と、粘着材と、を備え、前記透明導電膜は、前記基材及び前記粘着材を介して、前記ガラス板上に配置される、請求項1または2に記載のウインドシールド。
  5. 前記防曇手段の1つは、電熱線を備えている、請求項4に記載のウインドシールド。
  6. 前記電熱線は、前記基材上に配置されている、請求項5に記載のウインドシールド。
  7. 前記ガラス板に積層され、前記情報取得領域と対応する部分に開口を有するマスク層をさらに備え、
    前記基材は、前記開口よりも大きく、
    前記電熱線は、前記基材の周縁に配置され、
    前記透明導電膜は、前記電熱線よりも内側に配置されている、請求項6に記載のウインドシールド。
  8. 前記防曇手段の1つは、防曇膜を備えている、請求項4から7のいずれかに記載のウインドシールド。
  9. 前記防曇手段の1つは、防曇膜を備えている、請求項2に記載のウインドシールド。
  10. 前記情報取得領域は、ブラケットに覆われている、請求項1から9のいずれかに記載のウインドシールド。
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