JP2017214059A - ウインドシールド - Google Patents

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良平 小川
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和喜 千葉
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永史 小川
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Abstract

【課題】光の照射及び/または受光を行う情報取得装置が取り付け可能で、光の照射及び/または受光を正確に行うことができ、情報の処理を正確に行うことができる、ウインドシールドを提供する。【解決手段】 本発明は、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有し、外側ガラス板、内側ガラス板、及びこれらガラス板の間に配置される中間膜を有する、合わせガラスと、前記合わせガラスにおける、少なくとも前記情報取得領域に設けられる、防曇膜と、前記合わせガラスに配置され、少なくとも前記情報取得領域を加熱する、少なくとも1つの加熱線を含む加熱モジュールと、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、ウインドシールドに関する。
近年、自動車の安全性能は飛躍的に向上しつつあり、その1つとして前方車両との衝突を回避するため、前方車両との距離及び前方車両の速度を感知し、異常接近時には、自動的にブレーキが作動する安全システムが提案されている。このようなシステムは、前方車両との距離などをレーザーレーダーやカメラを用いて計測している。レーザーレーダーやカメラは、一般的に、ウインドシールドの内側に配置され、赤外線等の光を前方に向けて照射することで、計測を行う(例えば、特許文献1)。
特開2006−96331号公報
上記のように、レーザーレーダーやカメラなどの測定装置は、ウインドシールドを構成するガラス板の内面側に配置され、ガラス板を介して光の照射や受光を行っている。ところが、気温の低い日や寒冷地では、ガラス板が曇ることがある。しかしながら、ガラス板が曇ると、測定装置から正確に光を照射できなかったり、あるいは受光できないおそれがある。これにより、車間距離などが正確に算出されない可能性もある。
このような問題は、車間距離の測定装置に限られず、例えば、レインセンサー、ライトセンサー、光ビーコンなどの光の受光によって車外からの情報を取得する情報取得装置全般に生じうる問題である。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、光の照射及び/または受光を行う情報取得装置が取り付け可能なウインドシールドにおいて、光の照射及び/または受光を正確に行うことができ、情報の処理を正確に行うことができる、ウインドシールドを提供することを目的とする。
本発明は、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有し、外側ガラス板、内側ガラス板、及びこれらガラス板の間に配置される中間膜を有する、合わせガラスと、前記合わせガラスにおける、少なくとも前記情報取得領域に設けられる、防曇膜と、前記合わせガラスに配置され、少なくとも前記情報取得領域を加熱する、少なくとも1つの加熱線を含む加熱モジュールと、を備えている。
上記ウインドシールドにおいて、前記加熱線は、前記内側ガラス板の車内側の面に配置することができる。
上記ウインドシールドにおいて、前記加熱線は、前記中間膜に配置することができる。
上記各ウインドシールドにおいては、前記防曇膜を、基材層と当該基材層上に形成される防曇機能層とを備えたフィルム状に形成し、前記内側ガラス板の車内側の面に配置することができる。
上記ウインドシールドにおいて、前記防曇膜は、吸水性樹脂を含む有機物を主成分として含有することができる。
上記ウインドシールドにおいて、前記加熱モジュールは、前記防曇膜に吸収された水分の吸収量に応じて、ON/OFFするように制御することができる。
上記ウインドシールドでは、前記合わせガラスにおいて、前記情報取得領域の周縁のうち、少なくとも当該情報取得領域の上方及び下方に配置された遮蔽層をさらに備え、前記加熱モジュールは、前記遮蔽層上において、前記情報取得領域の上方及び下方にそれぞれ配置される第1及び第2バスバーを、備え、複数の前記加熱線が、前記第1及び第2バスバーを連結し、前記情報取得領域を通過するようにするように配置されているものとすることができる。
上記ウインドシールドでは、前記合わせガラスにおいて、前記情報取得領域の周縁のうち、少なくとも当該情報取得領域の両側に配置された遮蔽層をさらに備え、前記加熱モジュールは、前記遮蔽層上において、前記情報取得領域の両側にそれぞれ配置される第1及び第2バスバー、を備え、複数の前記加熱線が、前記第1及び第2バスバーを連結し、前記情報取得領域を通過するようにするように配置されているものとすることができる。
上記ウインドシールドにおいて、前記加熱線の線幅は、10μm以下とすることができる。
本発明によれば、光の照射及び/または受光を行う情報取得装置が取り付け可能なウインドシールドにおいて、光の照射及び/または受光を正確に行うことができ、情報の処理を正確に行うことができる。
本発明に係るウインドシールドの一実施形態の断面図である。 図1の正面図である。 合わせガラスの断面図である。 湾曲状の合わせガラスのダブリ量を示す正面図(a)及び断面図(b)である。 湾曲形状のガラス板と、平面形状のガラス板の、一般的な周波数と音響透過損失の関係を示すグラフである。 合わせガラスの厚みの測定位置を示す概略平面図である。 中間膜の断面図である。 合わせガラスの正面図である。 マスク層の拡大図である。 図9の断面図である。 マスク層の他の例を示す拡大図である。 防曇積層体の断面図である。 防曇膜に水滴が取り付いた状態を示す図である。 防曇膜に水滴が取り付いた状態を示す図である。 加熱モジュールを示す正面図である。 転写シートの一例を示す断面図である。 図14の転写シートによる電熱線の転写方法の一例を示す断面図である。 加熱モジュールを示す正面図である。 防曇膜と電熱線とを配置した例を示すウインドシールドの一部断面図である。 センサの断面図である。 ブラケットを示す平面図である。 ガラス板の製造工程を示す図である。 加熱モジュールを示す正面図である。 加熱モジュールを示す正面図である。
以下、本発明に係るウインドシールドに車間距離の測定ユニットを取付けた場合の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るウインドシールドの断面図、図2は図1の平面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るウインドシールドは、合わせガラス1と、この合わせガラス1の車内側の面に形成されたマスク層(遮蔽層)2と、を備え、マスク層2に、車間距離の測定を行う測定ユニット4が取付けられている。また、マスク層2には、開口231が形成されており、この開口231を通じて、測定ユニット4から光の照射が行われたり、光を受光したりする。そして、合わせガラス1の内面において、マスク層2の開口231と対応する領域には、防曇膜が形成されている。さらに、マスク層2の開口231の曇りを除去するために、加熱線(図16参照)が設けられている。以下、各部材について図面を参照しつつ説明するが、いくつかの図面の中には、加熱線及び防曇膜を省略して表示していることがある。
<1.合わせガラス>
図3は合わせガラスの断面図である。同図に示すように、この合わせガラス1は、外側ガラス板11及び内側ガラス板12を備え、これらガラス板11、12の間に樹脂製の中間膜13が配置されている。
<1−1.外側ガラス板及び内側ガラス板>
まず、外側ガラス板11及び内側ガラス板12から説明する。外側ガラス板11及び内側ガラス板12は、公知のガラス板を用いることができ、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラスやグリーンガラス、またはUVグリーンガラスで形成することもできる。但し、これらのガラス板11、12は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、外側ガラス板11により必要な日射吸収率を確保し、内側ガラス板12により可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラス、熱線吸収ガラス、及びソーダ石灰系ガラスの一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70〜73質量%
Al23:0.6〜2.4質量%
CaO:7〜12質量%
MgO:1.0〜4.5質量%
2O:13〜15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.08〜0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)の比率を0.4〜1.3質量%とし、CeO2の比率を0〜2質量%とし、TiO2の比率を0〜0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT−Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
(ソーダ石灰系ガラス)
SiO2:65〜80質量%
Al23:0〜5質量%
CaO:5〜15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10〜18質量%
2O:0〜5質量%
MgO+CaO:5〜15質量%
Na2O+K2O:10〜20質量%
SO3:0.05〜0.3質量%
23:0〜5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.02〜0.03質量%
本実施形態に係る合わせガラスの厚みは特には限定されないが、軽量化の観点からは、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、2.4〜5.0mmとすることが好ましく、2.6〜4.6mmとすることがさらに好ましく、2.7〜3.2mmとすることが特に好ましい。このように、軽量化のためには、外側ガラス板11と内側ガラス板12との合計の厚みを小さくすることが必要であるので、各ガラス板のそれぞれの厚みは、特には限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みを決定することができる。
外側ガラス板11は、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要であり、例えば、この合わせガラスを自動車のウインドシールドとして用いる場合には、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。他方、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板11の厚みは1.8〜2.3mmとすることが好ましく、1.9〜2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
内側ガラス板12の厚みは、外側ガラス板11と同等にすることができるが、例えば、合わせガラスの軽量化のため、外側ガラス板11よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、0.6〜2.3mmであることが好ましく、0.8〜2.0mmであることが好ましく、1.0〜1.4mmであることが特に好ましい。更には、0.8〜1.3mmであることが好ましい。内側ガラス板12についても、何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
また、本実施形態に係る外側ガラス板11及び内側ガラス板12の形状は、平面形状及び湾曲形状のいずれであってもよい。
合わせガラスが湾曲形状である場合には、ダブリ量が大きくなると遮音性能が低下するとされている。ダブリ量とは、合わせガラスの曲げを示す量であり、例えば、図4に示すように、合わせガラスの上辺の中央と下辺の中央とを結ぶ直線Lを設定したとき、この直線Lと合わせガラスとの距離のうち最も大きいものをダブリ量Dと定義する。
図5は、湾曲形状の合わせガラスと、平面形状の合わせガラスの、一般的な周波数と音響透過損失の関係を示すグラフである。図5によれば、湾曲形状の合わせガラスは、ダブリ量が30〜38mmの範囲では、音響透過損失に大きな差はないが、平面形状の合わせガラスと比べると、4000Hz以下の周波数帯域で音響透過損失が低下していることが分かる。したがって、湾曲形状の合わせガラスを作製する場合、ダブリ量は小さい方がよいが、例えば、ダブリ量が30mmを超える場合には、後述するように、中間膜のコア層のヤング率を18MPa(周波数100Hz,温度20℃)以下とすることが好ましい。
ここで、合わせガラス1が湾曲している場合の厚みの測定方法の一例について説明する。まず、測定位置については、図6に示すように、合わせガラスの左右方向の中央を上下方向に延びる中央線S上の上下2箇所である。測定機器は、特には限定されないが、例えば、株式会社テクロック製のSM−112のようなシックネスゲージを用いることができる。測定時には、平らな面に合わせガラスの湾曲面が載るように配置し、上記シックネスゲージで合わせガラスの端部を挟持して測定する。なお、合わせガラスが平坦な場合でも、湾曲している場合と同様に測定することができる。
<1−2.中間膜>
中間膜13は、少なくとも一層で形成されており、一例として、図3に示すように、軟質のコア層131を、これよりも硬質のアウター層132で挟持した3層で構成することができる。但し、この構成に限定されるものではなく、コア層131と、外側ガラス板11側に配置される少なくとも1つのアウター層132とを有する複数層で形成されていればよい。例えば、コア層131と、外側ガラス板11側に配置される1つのアウター層132を含む2層の中間膜13、またはコア層131を中心に両側にそれぞれ2層以上の偶数のアウター層132を配置した中間膜13、あるいはコア層131を挟んで一方に奇数のアウター層132、他方の側に偶数のアウター層132を配置した中間膜13とすることもできる。なお、アウター層132を1つだけ設ける場合には、上記のように外側ガラス板11側に設けているが、これは、車外や屋外からの外力に対する耐破損性能を向上するためである。また、アウター層132の数が多いと、遮音性能も高くなる。
コア層131はアウター層132よりも軟質であるかぎり、その硬さは特には限定されない。各層131,132を構成する材料は、特には限定されないが、例えば、ヤング率を基準として材料を選択することができる。具体的には、周波数100Hz,温度20度において、1〜20MPaであることが好ましく、1〜18MPaであることがさらに好ましく、1〜14MPaであることが特に好ましい。このような範囲にすると、概ね3500Hz以下の低周波数域で、STLが低下するのを防止することができる。一方、アウター層132のヤング率は、後述するように、高周波域における遮音性能の向上のために、大きいことが好ましく、周波数100Hz,温度20度において560MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、700MPa以上、750MPa以上、880MPa以上、または1300MPa以上とすることができる。一方、アウター層132のヤング率の上限は特には限定されないが、例えば、加工性の観点から設定することができる。例えば、1750MPa以上となると、加工性、特に切断が困難になることが経験的に知られている。
また、具体的な材料としては、アウター層132は、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)によって構成することができる。ポリビニルブチラール樹脂は、各ガラス板との接着性や耐貫通性に優れるので好ましい。一方、コア層131は、例えば、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、またはアウター層を構成するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質なポリビニルアセタール樹脂によって構成することができる。軟質なコア層を間に挟むことにより、単層の樹脂中間膜と同等の接着性や耐貫通性を保持しながら、遮音性能を大きく向上させることができる。
一般に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。したがって、それらの条件から選ばれる少なくとも1つを適切に調整することにより、同じポリビニルブチラール樹脂であっても、アウター層132に用いる硬質なポリビニルブチラール樹脂と、コア層131に用いる軟質なポリビニルブチラール樹脂との作り分けが可能である。さらに、アセタール化に用いるアルデヒドの種類、複数種類のアルデヒドによる共アセタール化か単種のアルデヒドによる純アセタール化によっても、ポリビニルアセタール樹脂の硬度を制御することができる。一概には言えないが、炭素数の多いアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂ほど、軟質となる傾向がある。したがって、例えば、アウター層132がポリビニルブチラール樹脂で構成されている場合、コア層131には、炭素数が5以上のアルデヒド(例えばn−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−へプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド)、をポリビニルアルコールでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。なお、所定のヤング率が得られる場合は、上記樹脂等に限定されることはい。
また、中間膜13の総厚は、特に規定されないが、0.3〜6.0mmであることが好ましく、0.5〜4.0mmであることがさらに好ましく、0.6〜2.0mmであることが特に好ましい。また、コア層131の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層132の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがさらに好ましい。その他、中間膜13の総厚を一定とし、この中でコア層131の厚みを調整することもできる。
コア層131及びアウター層132の厚みは、例えば、以下のように測定することができる。まず、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製VH−5500)によって合わせガラスの断面を175倍に拡大して表示する。そして、コア層131及びアウター層132の厚みを目視により特定し、これを測定する。このとき、目視によるばらつきを排除するため、測定回数を5回とし、その平均値をコア層131、アウター層132の厚みとする。例えば、図7に示すような合わせガラスの拡大写真を撮影し、このなかでコア層やアウター層132を特定して厚みを測定する。
なお、中間膜13のコア層131、アウター層132の厚みは全面に亘って一定である必要はなく、例えば、ヘッドアップディスプレイに用いられる合わせガラス用に楔形にすることもできる。この場合、中間膜13のコア層131やアウター層132の厚みは、最も厚みの小さい箇所、つまり合わせガラスの最下辺部を測定する。中間膜13が楔形の場合、外側ガラス板及び内側ガラス板は、平行に配置されないが、このような配置も本発明におけるガラス板に含まれる物とする。すなわち、本発明においては、例えば、1m当たり3mm以下の変化率で厚みが大きくなるコア層131やアウター層132を用いた中間膜13を使用した時の外側ガラス板と内側ガラス板の配置を含む。
中間膜13の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、中間膜13は、上記のような複数の層で形成する以外に、1層で形成することもできる。
<1−3.合わせガラスの赤外線透過率>
上記のように、本実施形態に係るウインドシールドは、レーザーレーダー、カメラなどの測定ユニットを用いた自動車の前方安全システム用に用いられる。このような安全システムでは、前方の車両に対して赤外線を照射して、前方の自動車の速度や車間距離を計測する。そのため、合わせガラスには、所定範囲の赤外線の透過率を達成することが要求される。
このような透過率としては、例えば、レーザーレーダーに一般的なセンサを使用する場合、波長が850〜950nmの光(赤外線)に対して20%以上80%以下、少なくとも20%以上60%以下であることが有用であるとされている。透過率の測定方法は、JIS R3106にしたがい、測定装置として、UV3100(島津製作所製)を用いることができる。具体的には、合わせガラスの表面に対して90度の角度で照射した、一方向の光の透過を測定する。
また、上記のような安全システムでは、レーザーレーダーを用いず、赤外線カメラを用いて前方車両の速度や車間距離を測定するものもあるが、その場合には、例えば、レーザーレーダーに一般的なカメラを使用する場合、波長が700〜800nmの光(赤外線)に対して30%以上80%以下、好ましくは、40%以上60%以下であることが有用とされている。透過率の測定方法は、ISO9050に従う。
<2.マスク層>
次に、マスク層2について説明する。本実施形態に係るガラス板1には、図8に示すようなマスク層2が形成される。マスク層2は、ガラス板上に積層されるのであるが、その位置は特には限定されず、外側ガラス板11の車内側の面、内側ガラス板12の車外側面、及び内側ガラス板12の車内側の面の少なくとも1つに積層することができる。このなかで、例えば、外側ガラス板11の車内側の面、及び内側ガラス板12の車内側の面の両方に概ね同一形状のマスク層2を形成すると、マスク層2が積層されている箇所において両ガラス板11,12の湾曲が一致するため、好ましい。なお、図1では、内側ガラス板12の車内側の面にマスク層2が形成されている例を示している。
このマスク層2は、ガラス板1を車体に取付ける際の接着剤が塗布されたりするなど、外部から見えないようにするための濃色の領域であり、合わせガラス1の外周縁に形成された周縁マスク層21と、この周縁マスク層21において、合わせガラス1の上縁の中央から下方に延びるセンターマスク層22と、を備えている。そして、センターマスク層22には、上述した測定ユニット4が取付けられる。測定ユニット4は、後述するようにセンサ5から照射される光が開口(情報取得領域)231を通過し、先行車および障害物からの反射光を受光できる程度に配置されていればよい。これらマスク層2は、種々の材料で形成することができるが、車外からの視野を遮蔽できるものであれば特には限定されず、例えば、黒色などの濃色のセラミックをガラス板1に塗布することで形成することができる。
次に、センターマスク層22について説明する。図9に示すように、センターマスク層22は、上下方向に延びる矩形状に形成されており、この中に、矩形状の開口231が形成されている。
センターマスク層22は、3つの領域に分かれており、開口231よりも上側の上部領域221、この上部領域221より下方で開口231を含む下部領域222、及びこの下部領域222の側部に形成された矩形状の小さい側部領域223で構成されている。
次に、各領域の層構成について説明する。図10に示すように、上部領域221は、黒色セラミックからなる第1セラミック層241により1層で形成されている。下部領域222は、合わせガラス1の内表面から積層される上記第1セラミック層241、銀層242、及び第2セラミック層243からなる3層で形成されている。銀層242は銀により形成され、第2セラミック層243は、第1セラミック層241と同じ材料で形成されている。また、側部領域223は、合わせガラス1の内表面から積層される第1セラミック層241及び銀層242の2層で形成されており、銀層242が車内側に露出している。最下層の第1セラミック層241は、各領域で共通であり、2層目の銀層242は下部領域222と側部領域223で共通である。なお、遮光性を担保するため、各セラミック層241、243の厚みは、例えば、10〜20μmとすることができる。また、センターマスク層22が、内側ガラス板12の車内側の面に形成された場合、このセンターマスク層22に測定ユニット4のブラケットが接着剤で接着されるため、接着性を担保するためにもこのような厚みが好ましい。これは、例えば、ウレタン・シリコン系の接着剤が紫外線などによって劣化するおそれがことによる。
周縁マスク層21及びセンターマスク層22は、例えば、次のように形成することができる。まず、合わせガラス1のいずれかのガラス板に第1セラミック層241を塗布する。この第1セラミック層241は周縁マスク層21と共通である。次に、この第1セラミック層241上に、下部領域222及び側部領域223に該当する領域に銀層242を塗布する。最後に、下部領域222に該当する領域に第2セラミック層243を塗布する。なお、下部領域222において、銀層242が形成されている領域は、後述する測定ユニット4のセンサが配置されている位置に相当する。また、側部領域223において露出する銀層242には接地用の配線が施される。セラミック層241,243及び銀層242は、スクリーン印刷法により形成することができるが、これ以外に、焼成用転写フィルムをガラス板に転写し焼成することにより作製することも可能である。
セラミック層241、243は、種々の材料で形成することができるが、例えば、以下の組成とすることができる。
*1,主成分:酸化銅、酸化クロム、酸化鉄及び酸化マンガン
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
また、銀層242も、特には限定されないが、例えば、以下の組成とすることができる。
*1,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
スクリーン印刷の条件として、例えば、ポリエステルスクリーン:355メッシュ,コート厚み:20μm,テンション:20Nm,スキージ硬度:80度,取り付け角度:75°,印刷速度:300mm/sとすることができ、乾燥炉にて150℃、10分の乾燥により、セラミック層及び銀層を形成することができる。なお、第1セラミック層241、銀層242、及び第2セラミック層243をこの順で積層する場合には、上述したスクリーン印刷及び乾燥を繰り返せばよい。
なお、センターマスク層22の構成は、特には限定されず、センターマスク層22によって開口231の周縁全体を覆う必要はない。また、開口231の数も特には限定されず、取り付けられる測定ユニット4の種類などに応じて適宜決定すればよい。
<3.防曇膜>
次に、防曇膜について説明する。防曇膜は、合わせガラス1に防曇効果を奏するものであり、種々の構成にすることができる。まず、防曇膜を防曇シートにより形成する場合について説明する。
図12に示すように、防曇シート7は、情報取得領域に貼り付けられるものであり、粘着層71、基材フィルム72、及び防曇層73がこの順で積層されたものである。また、開口231に固定されるまでは、粘着層71には剥離可能な第1保護シート74が取り付けられ、防曇層73にも剥離可能な第2保護シート75が取り付けられ、これら5層によって防曇積層体が構成されている。また、この防曇シート7は、開口231と対応する形状に形成されるが、例えば、開口231よりもやや小さい形状に形成することができる。あるいは、開口231よりも大きく、開口231を超えてマスク層2の一部を覆うように形成することもできる。以下、各層について説明する。
<3−1.防曇層>
防曇層73は、合わせガラス1の防曇効果を奏するものであれば、特には限定されず、公知のものを用いることができる。一般的に、防曇層73は、水蒸気から生じる水を水膜として表面に形成する親水タイプ、水蒸気を吸収する吸水タイプ、表面に水滴が凝結しにくい撥水吸水タイプ、及び水蒸気から生じる水滴を撥水する撥水タイプがあるが、いずれのタイプの防曇層73も適用可能である。以下では、その一例を挙げる。
防曇層73は、撥水基と金属酸化物成分とを含み、好ましくは吸水性樹脂をさらに含むように構成することができる。防曇層73は、必要に応じ、その他の機能成分をさらに含んでいてもよい。吸水性樹脂は、水を吸収して保持できる樹脂であればその種類を問わない。撥水基は、撥水基を有する金属化合物(撥水基含有金属化合物)から防曇層に供給することができる。金属酸化物成分は、撥水基含有金属化合物その他の金属化合物、金属酸化物微粒子等から防曇層に供給することができる。以下、各成分について説明する。
[吸水性樹脂]
まず、吸水性樹脂について説明する。吸水性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、及びポリビニルアルコール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を例示できる。ウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートとポリオールとで構成されるポリウレタン樹脂が挙げられる。ポリオールとしては、アクリルポリオール及びポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましい。エポキシ系樹脂としては、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。好ましいエポキシ樹脂は、環式脂肪族エポキシ樹脂である。以下、好ましい吸水性樹脂であるポリビニルアセタール樹脂(以下、単に「ポリアセタール」)について説明する。
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールにアルデヒドを縮合反応させてアセタール化することにより得ることができる。ポリビニルアルコールのアセタール化は、酸触媒の存在下で水媒体を用いる沈澱法、アルコール等の溶媒を用いる溶解法等公知の方法を用いて実施すればよい。アセタール化は、ポリ酢酸ビニルのケン化と並行して実施することもできる。アセタール化度は、2〜40モル%、さらには3〜30モル%、特に5〜20モル%、場合によっては5〜15モル%が好ましい。アセタール化度は、例えば13C核磁気共鳴スペクトル法に基づいて測定することができる。アセタール化度が上記範囲にあるポリビニルアセタールは、吸水性及び耐水性が良好である防曇層の形成に適している。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、200〜4500、さらに500〜4500が好ましい。高い平均重合度は、吸水性及び耐水性が良好である防曇層の形成に有利であるが、平均重合度が高すぎると溶液の粘度が高くなり過ぎて膜の形成に支障をきたすことがある。ポリビニルアルコールのケン化度は、75〜99.8モル%が好適である。
ポリビニルアルコールに縮合反応させるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルカルバルデヒド、オクチルカルバルデヒド、デシルカルバルデヒド等の脂肪族アルデヒドを挙げることができる。また、ベンズアルデヒド;2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、その他のアルキル基置換ベンズアルデヒド;クロロベンズアルデヒド、その他のハロゲン原子置換ベンズアルデヒド;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基等のアルキル基を除く官能基により水素原子が置換された置換ベンズアルデヒド;ナフトアルデヒド、アントラアルデヒド等の縮合芳香環アルデヒド等の芳香族アルデヒドを挙げることができる。疎水性が強い芳香族アルデヒドは、低アセタール化度で耐水性に優れた防曇層を形成する上で有利である。芳香族アルデヒドの使用は、水酸基を多く残存させながら吸水性が高い膜を形成する上でも有利である。ポリビニルアセタールは、芳香族アルデヒド、特にベンズアルデヒドに由来するアセタール構造を含むことが好ましい。
防曇層における吸水性樹脂の含有量は、膜硬度、吸水性及び防曇性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは65質量%以上であり、95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、特に好ましくは85質量%以下である。
[撥水基]
次に、撥水基について説明する。撥水基は、防曇層の強度と防曇性との両立を容易にすると共に、膜の表面を疎水性として水滴が形成されたとしても入射する光の直進性を確保することに貢献する。撥水基による効果を十分に得るためには、撥水性が高い撥水基を用いることが好ましい。好ましい撥水基は、(1)炭素数3〜30の鎖状又は環状のアルキル基、及び(2)水素原子の少なくとも一部をフッ素原子により置換した炭素数1〜30の鎖状又は環状のアルキル基(以下、「フッ素置換アルキル基」ということがある)から選ばれる少なくとも1種である。
(1)及び(2)に関し、鎖状又は環状のアルキル基は、鎖状アルキル基であることが好ましい。鎖状アルキル基は、分岐を有するアルキル基であってもよいが、直鎖アルキル基が好ましい。炭素数が30を超えるアルキル基は、防曇層を白濁させることがある。膜の防曇性、強度及び外観のバランスの観点から、鎖状アルキル基の炭素数は、20以下が好ましく、例えば1〜8であり、また例えば4〜16であり、好ましくは4〜8である。特に好ましいアルキル基は、炭素数4〜8の直鎖アルキル基、例えばn−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基である。(2)に関し、フッ素置換アルキル基は、鎖状又は環状のアルキル基の水素原子の一部のみをフッ素原子により置換した基であってもよく、鎖状又は環状のアルキル基の水素原子のすべてをフッ素原子により置換した基、例えば直鎖状のパーフルオロアルキル基、であってもよい。フッ素置換アルキル基は撥水性が高いため、少ない量の添加によって十分な効果を得ることができる。ただし、フッ素置換アルキル基は、その含有量が多くなり過ぎると、膜を形成するための塗工液中でその他の成分から分離することがある。
(撥水基を有する加水分解性金属化合物)
撥水基を防曇層に配合するためには、撥水基を有する金属化合物(撥水基含有金属化合物)、特に撥水基と加水分解可能な官能基又はハロゲン原子とを有する金属化合物(撥水基含有加水分解性金属化合物)又はその加水分解物を、膜を形成するための塗工液に添加するとよい。言い換えると、撥水基は、撥水基含有加水分解性金属化合物に由来するものであってもよい。撥水基含有加水分解性金属化合物としては、以下の式(I)に示す撥水基含有加水分解性シリコン化合物が好適である。
mSiY4-m (I)
ここで、Rは、撥水基、すなわち水素原子の少なくとも一部がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜30の鎖状又は環状のアルキル基であり、Yは加水分解可能な官能基又はハロゲン原子であり、mは1〜3の整数である。加水分解可能な官能基は、例えば、アルコキシル基、アセトキシ基、アルケニルオキシ基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはアルコキシ基、特に炭素数1〜4のアルコキシ基である。アルケニルオキシ基は、例えばイソプロペノキシ基である。ハロゲン原子は、好ましくは塩素である。なお、ここに例示した官能基は、以降に述べる「加水分解可能な官能基」としても使用することができる。mは好ましくは1〜2である。
式(I)により示される化合物は、加水分解及び重縮合が完全に進行すると、以下の式(II)により表示される成分を供給する。
mSiO(4-m)/2 (II)
ここで、R及びmは、上述したとおりである。加水分解及び重縮合の後、式(II)により示される化合物は、実際には、防曇層中において、シリコン原子が酸素原子を介して互いに結合したネットワーク構造を形成する。
このように、式(I)により示される化合物は、加水分解又は部分加水分解し、さらには少なくとも一部が重縮合して、シリコン原子と酸素原子とが交互に接続し、かつ三次元的に広がるシロキサン結合(Si−O−Si)のネットワーク構造を形成する。このネットワーク構造に含まれるシリコン原子には撥水基Rが接続している。言い換えると、撥水基Rは、結合R−Siを介してシロキサン結合のネットワーク構造に固定される。この構造は、撥水基Rを膜に均一に分散させる上で有利である。ネットワーク構造は、式(I)により示される撥水基含有加水分解性シリコン化合物以外のシリコン化合物(例えば、テトラアルコキシシラン、シランカップリング剤)から供給されるシリカ成分を含んでいてもよい。撥水基を有さず加水分解可能な官能基又はハロゲン原子を有するシリコン化合物(撥水基非含有加水分解性シリコン化合物)を撥水基含有加水分解性シリコン化合物と共に防曇層を形成するための塗工液に配合すると、撥水基と結合したシリコン原子と撥水基と結合していないシリコン原子とを含むシロキサン結合のネットワーク構造を形成できる。このような構造とすれば、防曇層中における撥水基の含有率と金属酸化物成分の含有率とを互いに独立して調整することが容易になる。
防曇層が吸水性樹脂を含む場合、撥水基は、吸水性樹脂を含む防曇層表面における水蒸気の透過性を向上させることにより防曇性能を向上させる。吸水と撥水という2つの機能は互いに相反するため、吸水性材料と撥水性材料とは、従来、別の層に振り分けて付与されてきたが、防曇層に含まれる撥水基は、防曇層の表面近傍における水の偏在を解消して結露までの時間を引き延ばし、防曇層の防曇性を向上させる。以下ではその効果を説明する。
吸水性樹脂を含む防曇層へと侵入した水蒸気は、吸水性樹脂等の水酸基と水素結合し、結合水の形態で保持される。量が増加するにつれ、水蒸気は、結合水の形態から半結合水の形態を経て、ついには防曇層中の空隙に保持される自由水の形態で保持されるようになる。防曇層において、撥水基は、水素結合の形成を妨げ、かつ形成した水素結合の解離を容易にする。吸水性樹脂の含有率が同じであれば、膜中における水素結合可能な水酸基の数には差がないが、撥水基は水素結合の形成速度を低下させる。したがって、撥水基を含有する防曇層において、水分は、最終的には上記のいずれかの形態で膜に保持されることになるが、保持されるまでには膜の底部まで水蒸気のまま拡散することができる。また、一旦保持された水も、比較的容易に解離し、水蒸気の状態で膜の底部まで移動しやすい。結果的に、層の厚さ方向についての水分の保持量の分布は、表面近傍から層の底部まで比較的均一になる。つまり、防曇層の厚さ方向の全てを有効に活用し、膜表面に供給された水を吸収することができるため、表面に水滴が凝結しにくく、防曇性が高くなる。
一方、撥水基を含まない従来の防曇層においては、膜中に侵入した水蒸気は極めて容易に結合水、半結合水又は自由水の形態で保持される。したがって、侵入した水蒸気は、膜の表面近傍で保持される傾向にある。結果的に、膜中の水分は、表面近傍が極端に多く、膜の底部へ進むにつれて急速に減少する。つまり、膜の底部では未だ水を吸収できるにも拘わらず、膜の表面近傍では水分により飽和して水滴として凝結するため、防曇性が限られたものとなる。
撥水基含有加水分解性シリコン化合物(式(I)参照)を用いて撥水基を防曇層に導入すると、強固なシロキサン結合(Si−O−Si)のネットワーク構造が形成される。このネットワーク構造の形成は、耐摩耗性のみならず、硬度、耐水性等を向上させる観点からも有利である。
撥水基は、防曇層の表面における水の接触角が70度以上、好ましくは80度以上、より好ましくは90度以上になる程度に添加するとよい。水の接触角は、4mgの水滴を膜の表面に滴下して測定した値を採用することとする。特に撥水性がやや弱いメチル基又はエチル基を撥水基として用いる場合は、水の接触角が上記の範囲となる量の撥水基を防曇層に配合することが好ましい。この水の接触角は、その上限が特に制限されるわけではないが、例えば150度以下、また例えば120度以下、さらには105度以下である。撥水基は、防曇層の表面のすべての領域において上記水の接触角が上記の範囲となるように、防曇層に均一に含有させることが好ましい。
ここで、図13及び図14を用いて、水の接触角と防曇層73との関係について説明する。図13及び図14は、接触角の異なる水滴(90、91)が防曇層73に取り付いた状態を示す。図13及び図14に示すように、防曇層73の表面に同量の水蒸気が凝結して形成された水滴(90、91)が防曇層73を覆う面積は、その表面の水の接触角が大きいほど小さくなる傾向を有する。また、水滴(90、91)により覆われる面積が小さいほど、防曇層73に入射する光が散乱する面積の比率も小さくなる。したがって、撥水基の存在により水の接触角が大きくなった防曇層73は、その表面に水滴が形成された状態において透過光の直進性を保持するうえで有利である。
防曇層73は、水の接触角が上述の好ましい範囲となるように、撥水基を含むことが好ましい。吸水性樹脂を含む場合、防曇層は、吸水性樹脂100質量部に対し、0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上の範囲内となるように、また、10質量部以下、好ましくは5質量部以下、の範囲内となるように、撥水基を含むことが好ましい。
[金属酸化物成分]
次に、金属酸化物成分について説明する。金属酸化物成分は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物成分であり、好ましくはSiの酸化物成分(シリカ成分)である。吸水性樹脂を含む場合、防曇層は、吸水性樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上、特に好ましくは5質量部以上、場合によっては7質量部以上、必要であれば10質量部以上、また、60質量部以下、特に50質量部以下、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下、場合によっては18質量部以下となるように、金属酸化物成分を含むことが好ましい。金属酸化物成分は、膜の強度、特に耐擦傷性を確保するために必要な成分であるが、その含有量が過多となると膜の防曇性が低下する。
金属酸化物成分の少なくとも一部は、防曇層を形成するための塗工液に添加された、加水分解性金属化合物又その加水分解物に由来する金属酸化物成分であってもよい。ここで、加水分解性金属化合物は、a)撥水基と加水分解可能な官能基又はハロゲン原子とを有する金属化合物(撥水基含有加水分解性金属化合物)及びb)撥水基を有さず加水分解可能な官能基又はハロゲン原子を有する金属化合物(撥水基非含有加水分解性金属化合物)から選ばれる少なくとも1つである。a)及び/又はb)に由来する金属酸化物成分は、加水分解性金属化合物を構成する金属原子の酸化物である。金属酸化物成分は、防曇層を形成するための塗工液に添加された金属酸化物微粒子に由来する金属酸化物成分と、その塗工液に添加された、加水分解性金属化合物又その加水分解物に由来する金属酸化物成分とを含んでいてもよい。ここでも、加水分解性金属化合物は、上記a)及びb)から選ばれる少なくとも1つである。上記b)、すなわち撥水基を有しない加水分解性金属化合物は、テトラアルコキシシラン及びシランカップリング剤から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。以下、既に説明した上記a)を除き、金属酸化物微粒子と上記b)とについて説明する。
(金属酸化物微粒子)
防曇層73は、金属酸化物成分の少なくとも一部として金属酸化物微粒子をさらに含んでいてもよい。金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であり、好ましくはシリカ微粒子である。シリカ微粒子は、例えば、コロイダルシリカを添加することにより膜に導入できる。金属酸化物微粒子は、防曇層に加えられた応力を膜を支持する透明物品に伝達する作用に優れ、硬度も高い。したがって、金属酸化物微粒子の添加は、防曇層の耐摩耗性及び耐擦傷性を向上させる観点から有利である。また、防曇層に金属酸化物微粒子を添加すると、微粒子が接触又は近接している部位に微細な空隙が形成され、この空隙から膜中に水蒸気が取り込まれやすくなる。このため、金属酸化物微粒子の添加は、防曇性の向上に有利に作用することもある。金属酸化物微粒子は、防曇層を形成するための塗工液に予め形成した金属酸化物微粒子を添加することにより、防曇層に供給することができる。
金属酸化物微粒子の平均粒径は、大きすぎると膜が白濁することがあり、小さすぎると凝集して均一に分散させることが困難となる。この観点から、金属酸化物微粒子の好ましい平均粒径は、1〜20nm、特に5〜20nmである。なお、ここでは、金属酸化物微粒子の平均粒径を、一次粒子の状態で記述している。また、金属酸化物微粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた観察により任意に選択した50個の微粒子の粒径を測定し、その平均値を採用して定めることとする。金属酸化物微粒子は、その含有量が過大となると、膜全体の吸水量が低下し、膜が白濁するおそれがある。防曇層が吸水性樹脂を含む場合、金属酸化物微粒子は、吸水性樹脂100質量部に対し、0〜50質量部、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜30質量部、特に好ましくは5〜25質量部、場合によっては10〜20質量部となるように添加するとよい。
(撥水基を有しない加水分解性金属化合物)
また、防曇層73は、撥水基を有しない加水分解性金属化合物(撥水基非含有加水分解性化合物)に由来する金属酸化物成分を含んでいてもよい。好ましい撥水基非含有加水分解性金属化合物は、撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物である。撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物は、例えば、シリコンアルコキシド、クロロシラン、アセトキシシラン、アルケニルオキシシラン及びアミノシランから選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物(ただし、撥水基を有しない)であり、撥水基を有しないシリコンアルコキシドが好ましい。なお、アルケニルオキシシランとしては、イソプロペノキシシランを例示できる。
撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物は、以下の式(III)に示す化合物であってもよい。
SiY4 (III)
上述したとおり、Yは、加水分解可能な官能基であって、好ましくはアルコキシル基、アセトキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つである。
撥水基非含有加水分解性金属化合物は、加水分解又は部分加水分解し、さらに、少なくともその一部が重縮合して、金属原子と酸素原子とが結合した金属酸化物成分を供給する。この成分は、金属酸化物微粒子と吸水性樹脂とを強固に接合し、防曇層の耐摩耗性、硬度、耐水性等の向上に寄与しうる。防曇層が吸水性樹脂を含む場合、撥水基を有しない加水分解性金属化合物に由来する金属酸化物成分は、吸水性樹脂100質量部に対し、0〜40質量部、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部、特に好ましくは3〜10質量部、場合によっては4〜12質量部の範囲とするとよい。
撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物の好ましい一例は、テトラアルコキシシラン、より具体的には炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するテトラアルコキシシランである。テトラアルコキシシランは、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン及びテトラ−tert−ブトキシシランから選ばれる少なくとも1種である。
テトラアルコキシシランに由来する金属酸化物(シリカ)成分の含有量が過大となると、防曇層の防曇性が低下することがある。防曇層の柔軟性が低下し、水分の吸収及び放出に伴う膜の膨潤及び収縮が制限されることが一因である。防曇層が吸水性樹脂を含む場合、テトラアルコキシシランに由来する金属酸化物成分は、吸水性樹脂100質量部に対し、0〜30質量部、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは3〜10質量部の範囲で添加するとよい。
撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物の好ましい別の一例は、シランカップリング剤である。シランカップリング剤は、互いに異なる反応性官能基を有するシリコン化合物である。反応性官能基は、その一部が加水分解可能な官能基であることが好ましい。シランカップリング剤は、例えば、エポキシ基及び/又はアミノ基と加水分解可能な官能基とを有するシリコン化合物である。好ましいシランカップリング剤としては、グリシジルオキシアルキルトリアルコキシシラン及びアミノアルキルトリアルコキシシランを例示できる。これらのシランカップリング剤において、シリコン原子に直接結合しているアルキレン基の炭素数は1〜3であることが好ましい。グリシジルオキシアルキル基及びアミノアルキル基は、親水性を示す官能基(エポキシ基、アミノ基)を含むため、アルキレン基を含むものの、全体として撥水性ではない。
シランカップリング剤は、有機成分である吸水性樹脂と無機成分である金属酸化物微粒子等とを強固に結合し、防曇層の耐摩耗性、硬度、耐水性等の向上に寄与しうる。しかし、シランカップリング剤に由来する金属酸化物(シリカ)成分の含有量が過大となると、防曇層の防曇性が低下し、場合によっては防曇層が白濁する。防曇層が吸水性樹脂を含む場合、シランカップリング剤に由来する金属酸化物成分は、吸水性樹脂100質量部に対し、0〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜2質量部の範囲で添加するとよい。
[架橋構造]
また、防曇層73は、架橋剤、好ましくは有機ホウ素化合物、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤、に由来する架橋構造を含んでいてもよい。架橋構造の導入は、防曇層の耐摩耗性、耐擦傷性、耐水性を向上させる。別の観点から述べると、架橋構造の導入は、防曇層の防曇性能を低下させることなくその耐久性を改善することを容易にする。
金属酸化物成分がシリカ成分である防曇層に架橋剤に由来する架橋構造を導入した場合、その防曇層は、金属原子としてシリコンと共にシリコン以外の金属原子、好ましくはホウ素、チタン又はジルコニウム、を含有することがある。
架橋剤は、用いる吸水性樹脂を架橋できるものであれば、その種類は特に限定されない。ここでは、有機チタン化合物についてのみ例を挙げる。有機チタン化合物は、例えば、チタンアルコキシド、チタンキレート系化合物及びチタンアシレートから選ばれる少なくとも1つである。チタンアルコキシドは、例えば、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラオクトキシドである。チタンキレ−ト系化合物は、例えば、チタンアセチルアセトナート、チタンアセト酢酸エチル、チタンオクチレングリコール、チタントリエタノールアミン、チタンラクテートである。チタンラクテートは、アンモニウム塩(チタンラクテートアンモニウム)であってもよい。チタンアシレートは、例えばチタンステアレートである。好ましい有機チタン化合物は、チタンキレート系化合物、特にチタンラクテートである。
吸水性樹脂がポリビニルアセタールである場合の好ましい架橋剤は、有機チタン化合物、特にチタンラクテートである。
[その他の任意成分]
防曇層73には、その他の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、防曇性を改善する機能を有するグリセリン、エチレングリコール等のグリコール類が挙げられる。添加剤は、界面活性剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、防腐剤等であってもよい。
[膜厚]
防曇層73の膜厚は、要求される防曇特性その他に応じて適宜調整すればよい。防曇層73の好ましい膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜15μm、特に3〜10μmである。
以上の説明から明らかなように、防曇層73の好ましい形態としては、以下が挙げられる。すなわち、防曇層73は、好ましくは、吸水性樹脂100質量部に対し、金属酸化物成分を0.1〜60質量部、撥水基を0.05〜10質量部含む。このとき、撥水基は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基であり、撥水基は、金属酸化物成分を構成する金属原子に直接結合しており、金属原子がシリコンであってよい。また、金属酸化物成分の少なくとも一部が、防曇層を形成するための塗工液に添加された、加水分解性金属化合物又は加水分解性金属化合物の加水分解物に由来する金属酸化物成分であって、加水分解性金属化合物は、撥水基を有する加水分解性金属化合物、及び撥水基を有しない加水分解性金属化合物から選ばれる少なくとも1種であってよい。更に、撥水基を有しない加水分解性金属化合物が、テトラアルコキシシラン及びシランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種を含んでよい。防曇層73をこのようにすることで、情報取得領域23の曇りを抑えることができ、情報取得装置による車外の情報の取得を適切に行えるようになる。
なお、上述した防曇層73は一例であり、その他の公知の防曇層を用いることができ、例えば、特開2014−14802号公報、特開2001−146585号公報に記載の防曇層など、種々のものを用いることができる。
<3−2.基材フィルム>
基材フィルム72は、透明の樹脂フィルムで形成され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンや、アクリル系樹脂で形成することができる。そして、その樹脂には紫外線吸収剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’―ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン化合物[2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等]、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物[2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン等]及びシアノアクリレート化合物[エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等]等の有機物が挙げられる。紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、紫外線吸収剤は、ポリメチン化合物、イミダゾリン化合物、クマリン化合物、ナフタルイミド化合物、ペリレン化合物、アゾ化合物、イソインドリノン化合物、キノフタロン化合物及びキノリン化合物から選ばれる少なくとも1種の有機色素であってもよい。
このような基材フィルム72は、例えば、波長380nmでの透過率が5%以下、且つ波長400nmでの透過率が50%以下であることが好ましい。
また、基材フィルム72は、防曇層73を支持するフィルムであるので、ある程度の剛性が必要である。但し、厚みが大きすぎると、ヘイズ率が高くなりやすい。したがって、基材フィルム72の厚みは、例えば、30〜200μmであることが好ましい。
<3−3.粘着層>
粘着層71は、後述するように、基材フィルム72を内側ガラス板12に十分な強度で固定できるものであればよい。具体的には、常温でタック性を有するアクリル系、ゴム系、及びメタクリル系とアクリル系のモノマーを共重合し、所望のガラス転移温度に設定した樹脂などの粘着層を使用できる。アクリル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ステアリル及びアクリル酸2エチルヘキシル等を適用することができ、メタクリル系モノマーとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル及びメタクリル酸ステアリル等を適用することができる。また、ヒートラミネートなどで施工をする場合には、ラミネート温度で軟化する有機物を用いても良い。ガラス転移温度は、例えばメタクリル系とアクリル系のモノマーを共重合した樹脂の場合、各モノマーの配合比を変更することによって調整することができる。
<3−4.保護シート>
第1保護シート74は、合わせガラス1の開口231に固定されるまでの間、粘着層71を保護するものであり、例えば、シリコーンなどの離型剤が塗布された樹脂製のシートで形成されている。同様に、第2保護シート75は、合わせガラスの撮影窓に固定されるまでの間、防曇層73を保護するためのものであり、離型剤が塗布された樹脂製のシートで形成されている。いずれも公知の一般的な離型シートを採用することができる。
<3−5.防曇シートの製造方法>
次に、防曇シート7の製造方法について説明する。まず、基材フィルム72の一方の面に防曇層73の成膜を行う。防曇層73は、防曇層73を形成するための塗工液を機材フィルム上に塗布し、塗布した塗工液を乾燥させ、必要に応じてさらに高温高湿処理等を実施することにより、成膜することができる。塗工液の調製に用いる溶媒、塗工液の塗布方法は、公知の材料及び方法を用いればよい。
このとき、雰囲気の相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持することが好ましい。相対湿度を低く保持すると、膜が雰囲気から水分を過剰に吸収することを防止できる。雰囲気から水分が多量に吸収されると、膜のマトリックス内に入り込んで残存した水が膜の強度を低下させるおそれがある。
塗工液の乾燥工程は、風乾工程と、加熱を伴う加熱乾燥工程とを含むことが好ましい。風乾工程は、相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持した雰囲気に塗工液を曝すことにより、実施するとよい。風乾工程は、非加熱工程として、言い換えると室温で実施できる。塗工液に加水分解性シリコン化合物が含まれている場合、加熱乾燥工程では、シリコン化合物の加水分解物等に含まれるシラノール基及び物品上に存在する水酸基が関与する脱水反応が進行し、シリコン原子と酸素原子とからなるマトリックス構造(Si−O結合のネットワーク)が発達する。風乾工程は、例えば、約10分間行うことができる。
吸水性樹脂等の有機物の分解を避けるべく、加熱乾燥工程において適用する温度は過度に高くしないほうがよい。この場合の適切な加熱温度は、300℃以下、例えば100〜200℃であり、加熱時間は、1分〜1時間である。
防曇層73の成膜に際しては、適宜、高温高湿処理工程を実施してもよい。高温高湿処理工程の実施により、防曇性と膜の強度との両立がより容易になりうる。高温高湿処理工程は、例えば50〜100℃、相対湿度60〜95%の雰囲気に5分〜1時間保持することにより、実施することができる。高温高湿処理工程は、塗布工程及び乾燥工程の後に実施してもよく、塗布工程及び風乾工程の後であって加熱乾燥工程の前に実施してもよい。特に前者の場合には、高温高湿処理工程の後に、さらに熱処理工程を実施してもよい。この追加の熱処理工程は、例えば、80〜180℃の雰囲気に5分〜1時間保持することにより、実施することができる。こうして、防曇層73の成膜が完了する。その後、防曇層73を保護するために、防曇層73上に第2保護シート75を取り付ける。
なお、塗工液から形成した防曇層73は、必要に応じ、洗浄及び/又は湿布拭きを行ってもよい。具体的には、防曇層73の表面を、水流に曝したり、水を含ませた布で拭いたりすることにより実施できる。これらで用いる水は純水が適している。洗浄のために洗剤を含む溶液を用いることは避けたほうがよい。この工程により、防曇層73の表面に付着した埃、汚れ等を除去して、清浄な塗膜面を得ることができる。
次に、基材フィルム72の他方の面に、粘着層71を塗布した後、第1保護シート74を取り付ける。こうして、防曇積層体が完成する。この防曇積層体は、上記のように、必要な大きさに切断された上で、後述するように、内側ガラス板12において開口231に対応する位置に貼り付けられる。
なお、防曇層73としては、上記のような防曇シート7を内側ガラス板12に貼り付ける以外に、上述した防曇層73を内側ガラス板12に直接塗布することで、防曇膜とすることもできる。
<4.加熱モジュール>
次に、加熱モジュールについて説明する。加熱モジュールは、種々の形態があるが、以下では、まず、内側ガラス板12に配置される形態について説明する。図15は、内側ガラス板12の車内側の面に形成された配線の例を示している。図15には、マスク層2の記載が省略され、開口231のみが記載されているが、加熱モジュールの一部は、マスク層2に遮蔽されることよって車外側からは見えないように配置されている。例えば、マスク層2が外側ガラス板11の車内側の面に形成される場合には、加熱モジュールは内側ガラス板12に直接形成されるが、マスク層2が内側ガラス板12の車内側の面に形成されている場合には、マスク層2上に形成されている。以下、加熱モジュールの構成について説明する。なお、加熱モジュールが、例えば、特開2015−193253に記載されている転写フィルムを用いて、内側ガラス板12の車内側の面に形成される場合には、マスク層2上に形成されにくい場合がある。この場合は、マスク層2は、外側ガラス板11の車内側の面に形成されている事が好ましい。
図15に示すように、この加熱モジュール8は、内側ガラス板12の上縁付近に配置され、電源の正極及び負極が接続される一対の矩形状の端子部81,82を備えている。以下、正極に接続される端子部を第1端子部81、負極に接続される端子部を第2端子部82と称することとする。第1端子部81からは、下方に延び、さらにマスク層の開口231の一方(同図の左側)の側縁に沿って延びる第1配線部83が形成されている。この第1配線部83は、開口231の下端付近まで延びている。一方、第2端子部82からは、下方に延び、さらに開口231の他方(同図の右側)の側縁の上端付近まで延びる第2配線部84が形成されている。第1及び第2配線部83,84の幅は、特に制限はなく、原則は、いくつでも良いが、発熱を抑制するという観点から、例えば、3〜25mmとすることが好ましく、5〜10mmとすることがさらに好ましい。
そして、第1配線部83の下端と第2配線部84の下端との間には、加熱線85が配置されている。加熱線85はS字状に配置され、開口231を三箇所において横切るように配置されている。加熱線85の線幅は、例えば、0.05〜0.5mmとすることが好ましく、0.05〜0.02mmとすることがさらに好ましく、0.05〜0.01mmとすることが特に好ましい。
このように、加熱モジュール8は、電源(電圧は一定)に対して直列に接続される第1端子部81、第1配線部83、加熱線85、第2配線部84、及び第2端子部82により構成されている。そして、電流が印加されることで、熱が発生するため、開口231において曇りが発生するのを防止することができ、また発生した曇りを解消することができる。特に、上記のような加熱モジュール8では、開口231に配置される加熱線85の幅が細いため、次の効果を得ることができる。
まず、この加熱モジュール8は、内側ガラス板12の上端付近に配置されるため、短い。そのため、例えば、線幅が大きいと抵抗が小さくなり、加熱線85に流れる電流が大きくなるおそれがある(一般的に電圧は12Vなどで一定)。これにより、発熱量が大きくなりすぎ、断線する可能性があったり、断線を防止するために余分な抵抗を配置しなければならない。これに対して、上記のように加熱線85の線幅を細くすると、このような問題の発生を防止することができる。したがって、適度な発熱量にすることができ、適切な防曇効果を得ることができる。さらに、加熱線85の線幅を細くすると、開口231の視界を妨げにくくなるため、開口231に密な配線を施すことができる。図15の例では、開口部500を三箇所において横切るように加熱線85を配置しているが、これ以上にすることもできる。これにより、抵抗が大きくなり、異常発熱を防止することができる。また、密な配線により、開口231の広い範囲に亘って、より高い防曇効果を得ることができる。なお、加熱線85の線幅は細いが、後述するブラケットにより囲まれると、外部からの接触がなくなるため、断線を防止することができる。なお、例えば、線幅が300μmを超える場合には、断線がおこりにくいため、ブラケットは不要である事は言うまでもない。必要に応じて設けておいたらよい。
なお、上述した加熱モジュール8の構造は一例であり、種々の配線形状とすることができる。例えば、上述した配線部83,84を設けず、端子部81,82から細い加熱線85を直接配置することもできる。また、加熱モジュール8を、電源に対して直列に、1本の材料で形成しているため、並列部分を有する場合に比べ、発熱量が大きくなりすぎないという利点がある。
上記のような加熱モジュール8は、導電性材料であれば、種々の材料で形成することができるが、例えば、銀、銅、タングステンなどを用いることができる。また、これらの材料を単独で用いるほか、加熱モジュール8に少なくとも一層の被覆材を被覆した積層構造を採用することもできる。例えば、加熱線を銀で形成する場合、マスク層と同様の濃色のセラミックの層を被覆材としてガラス板上に配置し、その上に銀で形成された加熱モジュール8を形成することもできる。このようにすると、車外から銀の加熱モジュール8が見えなくなるため、見栄えがよくなる。特に、このセラミック層とマスク層とが同じ色であれば、車外から見たときに違和感がない。さらに、加熱モジュール8を被覆材で挟むこともできる。すなわち、内側ガラス板12に被覆材を配置し、その上に加熱モジュール8を配置し、さらに加熱モジュール8を覆うように被覆材を配置した三層構造とすることもできる。これにより、車内側からも加熱線8が見えなくなる。特に、光が通過する開口231に銀の層が露出すると、光が反射するなど、光の通過を妨げる可能性があるため、好ましくない。したがって、銀の層の上に、被覆材として濃色のセラミックの層を形成すると、車内側から銀層が見えなくなる。また、加熱線8はガラス板の車内側の面に配置されるため、加熱モジュール8の上に接着剤を介してブラケットが取り付けられる可能性もある。この場合、接着剤の成分が銀を腐食させるおそれがある。したがって、この観点からも、銀をセラミックの層で被覆しておけば、銀が接着剤から影響を受けることを防止できる。
このような加熱モジュール8を含む層構造は、種々の態様が可能である。例えば、上述した端子部81,82を2層(ガラス板側からセラミック層、銀層をこの順で積層)、配線部83,84を3層(ガラス板側からセラミック層、銀層、セラミック層をこの順で積層)、加熱線85を銀層のみで形成することができる。なお、被覆材の線幅は、加熱モジュールよりも大きいことが好ましい。また、銀層を被覆する被覆材は、セラミック以外でもよい。
上記のような加熱モジュール8は、種々の方法でガラス板上に配置することができる。例えば、内側ガラス板12が成形された後、このガラス板12上にスクリーン印刷などで形成し、マスク層2と同様に焼成することで、加熱モジュール8を形成することができる。マスク層2をガラス板の同じ面に形成する場合には、マスク層2とともに印刷を行い、同時に焼成することもできる。その他、転写により、ガラス板上に形成することもできる。以下、一例を示す。
まず、図16に示すように、転写シートを準備する。転写シートは、剥離フィルム101と、その上にスクリーン印刷などで形成された加熱モジュール8と、加熱モジュール8を覆うように配置された接着層102とを有している。剥離フィルム101は公知のものであり、加熱モジュール8は上述したものである。また、接着層102は、例えばアクリル、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチル、セルロース、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエステルなどの樹脂が使用でき、単独もしくはこれらを混合した接着剤である。なお、転写までの間、接着層102を剥離可能な保護フィルムなどで覆っておくこともできる。
そして、図17(a)に示すように、この転写シートの接着層102を、成形後の内側ガラス板12に貼り付けた後、剥離フィルム101を剥がす。これにより、図17(b)に示すように、ガラス板1上には接着層102、加熱モジュール8がこの順で配置される。その後、このガラス板1を焼成すると、図17(c)に示すように、接着層102が溶解し、加熱モジュール8がガラス板に焼き付けられる。例えば、接着層102として、アクリル系接着剤を採用した場合には、約400〜700℃で、約3分の焼成により、加熱モジュールをガラス板に転写することができる。なお、この転写シートは、一例であり、加熱モジュール8を合わせガラス1上に転写できるのであれば、どのような転写シートであってもよく、例えば、特開2009−23255号に記載の転写シートを用いることができる。
以上のように、転写シートにより、加熱モジュール8を形成すると、次のような利点がある。まず、加熱モジュール8を内側ガラス板12上に直接形成するよりも、剥離フィルム101上に形成する方が容易であり、自由度が高い。また、このような転写フィルムを大量に作製しておけば、内側ガラス板12に加熱モジュール8を形成する際の生産性が向上する。
加熱モジュールの形状は、図15以外のものでもよく、例えば、図18に示すような形状にすることもできる。図18の例では、マスク層を省略し、開口231のみ記載している。同図に示すように、この加熱モジュール8は、図15と同様に、ガラス板1の上縁付近に配置される第1端子部81、負極に接続される第2端子部82を有している。そして、第1端子部81から下方へ開口231の上縁付近まで延びる第1配線部83が形成されている。同様に、第2端子部82から下方へ開口231の上縁付近まで延びる第2配線部84が形成されている。そして、第1配線部83及び第2配線部84の下端からは、開口231の外周に沿って延びる第3配線部(加熱線)85が形成されている。この第3配線部85は、台形状の開口231を囲むように、線状に延びる5つのパーツ、つまり第1〜第5パーツ85a〜85eが連結されることで構成されており、各パーツ85a〜85eは波形に形成されている。
このように、開口231の周囲に加熱モジュール8を配置することで、開口231の内部にまで熱を伝達することができ、開口231内の曇りを防止することができる。このように加熱モジュール8の各パーツ85a〜85eを波形に形成しているのは、加熱モジュール8の全長を長くし、抵抗を大きくするためである。これにより、一定の電源電圧(一般的に電圧は12Vなど)に対し、電流値が大きくなりすぎず、加熱モジュール8の断線を防止しつつ発熱を制御することができる。
また、図15の加熱モジュールと、図18の加熱モジュールを組み合わせた形状にすることもできる。すなわち、開口の周囲を図18のような加熱線で囲むとともに、開口の内部に、図15のような加熱線を配置することもできる。また、加熱線の抵抗を増大するため、例えば、図15の加熱モジュールにおける第1配線部83及び第2配線部84の少なくとも一部を波形に形成することもできる。このように、加熱モジュールの形状は特には限定されない。
また、防曇シート及び加熱線は次のように配置することもできる。まず、図19(a)に示すように、防曇シートの基材502を開口231よりも大きく形成し、開口231及びその周囲を覆うように、防曇シートの粘着剤503を介して合わせガラス1上に配置する。次に、基材502の周縁において、開口231からはみ出した領域に加熱線85を印刷などで形成する。最後に、加熱線85を覆うように、防曇膜501を基材502のほぼ全面に形成する。あるいは、図19(b)に示すように、基材502の周縁に加熱線85を形成した後、基材502上において、加熱線85よりも内側の領域に防曇膜501を形成する。すなわち、防曇膜501の大きさを開口231とほぼ同じにし、基材502において、開口231からはみ出している領域に加熱線85を配置する。
また、加熱モジュールは、中間膜13に配置することもできる。例えば、上述した中間膜13のコア層131に、印刷、エッチング、転写など、種々の方法で形成することができる。エッチングを採用する場合には、一例として、次のようにすることができる。まず、コア層131にプライマー層を介して金属箔をドライラミネートする。金属箔としては、例えば、銅を用いることができる。そして、金属箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したケミカルエッチング処理を行うことにより、コア層131上に、加熱モジュールをパターン形成することができる。特に、加熱モジュールの線幅を小さくする場合(例えば、15μm以下)には、薄い金属箔を用いることが好ましく、薄い金属層(例えば、5μm以下)をコア層131上に蒸着やスパッタリング等により形成し、その後、フォトリソグラフィーによりパターニングを実施してもよい。
また、中間膜13に加熱モジュール8を形成する場合には、例えば、内側ガラス板12の端縁に切欠きを形成し、この切欠きから端子部を露出させ、露出した端子部に、電源と接続された導線を接続する。
<5.測定ユニット>
次に、測定ユニット(情報取得装置)について、図20及び図21を参照しつつ説明する。図20は、ガラス板に取り付けられた測定ユニット4の概略構成を示す断面図、図21はブラケットを車外側から見た図(a)、及び車内側から見た図(b)である。図20に示すように、この測定ユニット4は、内側ガラス板12の内面に固定されるブラケット41、このブラケット41に支持されるセンサ5、及びブラケット41とセンサ5を車内側から覆うカバー42に、により構成されている。
図21に示すように、ブラケット41は、矩形状に形成されており、上述したような内側ガラス板12の車内側の面に形成されたセンターマスク層22に、接着剤401などにより固定される。また、このブラケット41には上下に並び、仕切り部415によって仕切られた2つの開口、つまり第1開口411と第2開口412とが形成されており、上側に形成された大型の第1開口411にセンサ5が取り付けられる。また、このブラケットにおいて、車外側から見て第2開口412の下側には、台形状の凹部414が形成されている。この凹部414は、上端が最も深く、下端側にいくにしたがって浅くなるように傾斜しており、上端に第2開口412が形成されている。また、図21(b)に示すように、ブラケット41の車内側の面における第1開口411の両側には、センサ5を支持する支持部413が取り付けられており、センサ5は、両支持部413の間に固定される。固定されたセンサ5の先端部(図12の下端部)には、後述するように照射レンズ552が取り付けられており、この照射レンズ552が第2開口412及び凹部414を介して外部を臨むようになっている。すなわち、凹部414は、ガラス板との間に隙間を形成し、第2開口412から照射される光の通路となる。一方、受光レンズ542は、第1開口411を介して外部を臨むようになっている。
また、図21(a)に示すように、このブラケット41における車外側の面は、センターマスク層22に固定される面であり、ビード状の接着剤401が塗布される。接着剤401は、概ねブラケット41全周に塗布され、この接着剤401を介して、ブラケット41がセンターマスク層22に固定される。なお、接着剤は、種々のものを採用できるが、例えば、ウレタン樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤などを用いることができる。但し、エポキシ樹脂接着剤は粘性が高いため、流れにくく、有利である。また、マスク層2が内側ガラス板12の車内側の面に形成されていない場合には、ブラケット41は内側ガラス板12に直接接着される。なお、ブラケット41を固定する方法は、特には限定されず、接着剤のほか、両面テープを用いることもでき、あるいは接着剤と両面テープの両者を用いることもできる。
ブラケット41には、図示を省略するハーネスなどが取り付けられた後、図20に示すように、車内側からカバー42が取り付けられる。これにより、センサ5やブラケット41が車内側から見えないようになる。こうして、センサ5は、ブラケット41、カバー42、及びガラス板1に囲まれた空間内に収容される。なお、センターマスク層22が形成されているため、開口231を除いては、車外側からも測定ユニット4は見えないようになっている。また、開口231は、ブラケット41に囲まれて、車内側からは見えないようになっている。
次に、センサ5の概要を図19を参照しつつ説明する。同図に示すように、このセンサ5は、側面視三角形状の筐体51を備え、この筐体51の内部は、上部空間501と、下部空間502とに仕切られている。また、筐体51の背面側にはコネクタ53が取付けられており、外部機器への接続に用いられる。
上部空間501には、第1支持部54が配置されており、この第1支持部54には、後方から前方へ向けて第1制御基板541、受光レンズ542が配置されている。また、第1制御基板541上には、受光素子543が実装されており、受光レンズ542を通過したレーザ光を受光し、電気信号に変換するようになっている。この電気信号は、第1制御基板541において増幅され、後述する第2制御基板56に送信される。そして、受光レンズ542は、上述したように、ブラケット41の第1開口411からセンターマスク層22の開口231を介して外部を臨むように配置されている。また、先行車や障害物から反射された多方向からの反射光が開口231を通り、その反射光を受光素子543は受光する。
一方、下部空間502には、第2支持部55が配置されており、この第2支持部55に後方から前方へ向かってレーザ発光素子551、照射レンズ552がこの順で支持されている。レーザ発光素子551は、レーザダイオードなどの波長850nm〜950nm近赤外線波長域のレーザ光を発信するものであり、照射レンズ552は、レーザ発光素子551からのレーザ光を所定のビーム状に成形するレンズである。この照射レンズ552は、上述したように、筐体51からからブラケット41の第2開口412及びセンターマスク層22の開口231を介して外部を臨むように配置されている。
また、第2支持部55の上面には、第2制御基板56が配置されており、レーザ発光素子551の駆動、第1制御基板541から送信された電気信号の処理などを行う。
次に、測定ユニット4の動作について説明する。まず、第1制御基板541は、レーザ発光素子551からレーザ光のパルスを発信する。そして、このレーザ光が先行車や障害物などで反射された反射光を、受光素子543で受光するまでの時間に基づいて、先行車両や障害物と自車との距離を算出する。算出された距離は、コネクタ53を介して外部機器に送信され、ブレーキの制御などに用いられる。
<6.ウインドシールドの製造方法>
次に、ウインドシールドの製造方法の一例について説明する。まず、ガラス板の製造ラインについて説明する。
図22に示すように、この製造ラインには、上流から下流へ、加熱炉901、成形装置902がこの順で配置されている。そして、加熱炉901から成形装置902、及びその下流側に亘ってはローラコンベア903が配置されており、加工対象となるガラス板10は、このローラコンベア903により搬送される。ガラス板10は、加熱炉901に搬入される前には、平板状に形成されており、このガラス板10に上述したマスク層2が積層された後、加熱炉901に搬入される。なお、加熱モジュールを中間膜に形成しない場合には、ガラス板10に、マスク層2とともに加熱モジュール8が積層された後に、加熱炉901に搬入される。
加熱炉901は、種々の構成が可能であるが、例えば、電気加熱炉とすることができる。この加熱炉901は、上流側及び下流側の端部が開放する角筒状の炉本体を備えており、その内部に上流から下流へ向かってローラコンベア903が配置されている。炉本体の内壁面の上面、下面、及び一対の側面には、それぞれヒータ(図示省略)が配置されており、加熱炉901を通過するガラス板10を成形可能な温度、例えば、ガラスの軟化点付近まで加熱する。
成形装置902は、上型921及び下型922によりガラス板をプレスし、所定の形状に成形するように構成されている。上型921はガラス板10の上面全体を覆うような下に凸の曲面形状を有し、上下動可能に構成されている。また、下型922はガラス板10の周縁部に対応するような枠状に形成されており、その上面は上型921と対応するように曲面形状を有している。この構成により、ガラス板10は、上型921と下型922との間でプレス成形され、最終的な曲面形状に成形される。また、下型922の枠内には、ローラコンベア903が配置されており、このローラコンベア903は、下型922の枠内を通過するように、上下動可能となっている。そして、図示を省略するが、成形装置902の下流側には、徐冷装置(図示省略)が配置されており、成形されたガラス板が冷却される。
上記のようなローラコンベア903は公知のものであり、両端部を回転自在に支持された複数のローラ931が、所定間隔をあけて配置されている。各ローラ931の駆動には種々の方法があるが、例えば、各ローラ931の端部にスプロケットを取り付け、各スプロケットにチェーンを巻回して駆動することができる。そして、各ローラ931の回転速度を調整することで、ガラス板10の搬送速度も調整することができる。なお、成形装置902の下型922はガラス板10の全面に亘って接するような形態でもよい。このほか、成形装置902は、ガラス板を成形するものであれば、上型及び下型の形態は特には限定されない。
こうして、外側ガラス板11及び内側ガラス板12が成形されると、これに続いて、中間膜13を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟み、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着する。予備接着の方法は、これ以外でも可能である。例えば、中間膜13を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟み、オーブンにより45〜65℃で加熱する。続いて、この合わせガラスを0.45〜0.55MPaでロールにより押圧する。次に、この合わせガラスを、再度オーブンにより80〜105℃で加熱した後、0.45〜0.55MPaでロールにより再度押圧する。こうして、予備接着が完了する。
なお、中間膜13に加熱モジュール8を配置する場合には、外側ガラス板11、アウター層312、コア層131、アウター層132、及び内側ガラス板12をこの順で積層する。このとき、コア131は、加熱モジュール8が形成された面を内側ガラス板12側に向ける。この状態で、上述したように予備接着を行う。
次に、本接着を行う。予備接着がなされた合わせガラスを、オートクレーブにより、例えば、8〜15気圧で、100〜150℃によって、本接着を行う。具体的には、例えば、14気圧で145℃の条件で本接着を行うことができる。こうして、本実施形態に係る合わせガラスが製造される。
続いて、防曇膜を形成する。防曇シート7を貼り付ける場合には、上述した防曇積層体から第1保護シート74を剥離し、粘着層71を内側ガラス板12において開口231に対応する部分に貼り付ける。その後、後述するブラケットを取り付ける前に、第2保護シート75を防曇層73から剥離する。
一方、液状の防曇膜を内側ガラス板12に直接塗布する場合には、次のように行う。例えば、上述した有機無機複合防曇膜は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液を透明基板等の物品上に塗布し、塗布した塗工液を乾燥させることにより、成膜することができる。塗工液の調製に用いる溶媒、塗工液の塗布方法は、公知の材料及び方法を用いればよい。
まず、内側ガラス板12における開口231と対応する位置を洗浄し、その後、防曇膜用の塗工液をスクリーン印刷などで開口231に塗布する。このとき、雰囲気の相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持することが好ましい。相対湿度を低く保持すると、有機無機複合防曇膜が雰囲気から水分を過剰に吸収することを防止できる。雰囲気から水分が多量に吸収されると、有機無機複合防曇膜のマトリックス内に入り込んで残存した水が膜の強度を低下させるおそれがある。
塗工液の乾燥工程は、風乾工程と、加熱を伴う加熱乾燥工程とを含むことが好ましい。風乾工程は、相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持した雰囲気に塗工液を曝すことにより、実施するとよい。風乾工程は、非加熱工程として、言い換えると室温で実施できる。塗工液に加水分解性シリコン化合物が含まれている場合、加熱乾燥工程では、シリコン化合物の加水分解物等に含まれるシラノール基及び物品上に存在する水酸基が関与する脱水反応が進行し、シリコン原子と酸素原子とからなるマトリックス構造(Si−O結合のネットワーク)が発達する。風乾工程は、例えば、約10分間行うことができる。
吸水性樹脂等の有機物の分解を避けるべく、加熱乾燥工程において適用する温度は過度に高くしないほうがよい。この場合の適切な加熱温度は、300℃以下、例えば100〜200℃である。具体的には、3つの工程を行うことができる。例えば、温度約120℃で約5分間焼成し、温度約80度、湿度90%で約2時間乾燥した後、温度約120℃で約30分間焼成する。こうして、防曇膜の成膜が完了する。
最後に、ブラケット41にセンサ5を取り付けた後、このブラケット41を内側ガラス板12に取り付ける。その後、ブラケット41にカバー42を取り付けると、ウインドシールドが完成する。
<7.特徴>
以上説明したウインドシールドによれば、防曇膜と加熱モジュールとが設けられているため、次のような効果を得ることができる。
<7−1>
まず、マスク層2の開口231に防曇膜を積層することで、開口231の曇りを防止することができる。そのため、測定ユニット4により、開口231を介して光を照射したり、受光する際、開口231の曇りによって、光の通過に支障を来たし、測定が正確に行えないなどの不具合を防止することができる。
特に、マスク層2の開口231,232が設けられる車内の上部は、暖房がONになっていても冷えやすく、曇りが生じやすい。したがって、このような位置に防曇膜が積層されているとは有利である。また、防曇膜が積層されているマスク層2の開口231は、測定ユニット4が対向配置されたり、あるいはブラケット41により囲まれている。そのため、暖房やデフロスターからの暖気が届きにくいという問題がある。したがって、上記のように、暖気が届きにくい領域に防曇膜を設けることには大きい意義がある。
さらに、次のような効果もある。防曇膜には、車内の内装部品(例えば、樹脂成形品など)から離脱し、空気中に流入した可塑剤が付着するおそれがある。そして、防曇膜に可塑剤が付着すると、防曇機能が低下する可能性がある。しかしながら、上記のように、防曇膜の対向する位置には、測定ユニットが配置され、さらにブラケット41で囲まれているため、防曇膜への可塑剤の付着を防止することができる。その結果、防曇機能、特に吸水タイプの防曇膜においては、吸水機能の低下を防止することができる。また、親水性タイプにおいては、可塑剤が防曇膜中の親水基と結合し易いので、上記のように、測定ユニットが対向配置されたり、ブラケット41で囲まれることが好ましい。
なお、吸水タイプの防曇膜の表面に可塑剤が付着し、長期間堆積していくと、吸水性を阻害するようになり、防曇性能が低下する。但し、水拭きなどで可塑剤を拭き取れば、また吸水性能が復活する。一方、親水タイプの防曇膜の表面に可塑剤が付着すると、親水基と強く結合してしまい、親水性能が低下する。そのため、形成される水膜の厚みの違いにより防曇膜を通した像の歪みや、防曇性能の低下が短期間で生じるおそれがある。
<7−2>
吸水タイプの防曇膜を利用した場合、所定量の水分を吸収し、飽和すると、それ以上の水分を吸収できなくなり、防曇機能が低下する。これに対して、防曇膜の周囲に加熱モジュール8を配置すると、加熱モジュール8の熱により、防曇膜から水分を蒸発させることができるため、防曇膜が飽和状態になるのを抑制することができる。その結果、防曇機能の低下を防止することができる。
<7−3>
合わせガラスが凍ってしまった場合には、防曇膜は役には立たない。このような場合であっても、加熱モジュールが設けられていれば、加熱により凍りを溶かすことができる。
<7−4>
曇りを除去する場合に、加熱モジュールだけであると、曇りが完全に除去されるまで時間を要するが、防曇膜を合わせて設けておくと、曇りの除去にようする時間を短縮することができる。
<8.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
<8−1>
上記実施形態では、マスク層2の開口231に防曇膜を成膜したが、少なくとも開口に防曇膜が成膜されていればよく、開口を含むマスク層、ガラス板の上部、あるいはガラス板全体に防曇膜が成膜されていてもよい。
<8−2>
マスク層2は、上記のように3層の構成を行っているが、これに限定されない。すなわち、上記実施形態では、電磁波を遮蔽するために、銀層242を設けたが、銀とセラミック層を混ぜ合わせた単層を設ける方法や、電磁波を遮蔽できるのであれば、他の材料、例えば、銅やニッケルなどを積層してもよい。また、銀層242が外部から見えないようにするためにセラミック層で挟んでいるが、セラミック層で覆う以外に、上述したカバーなどの部材を用いることもできる。また、必ずしも電磁波の遮蔽層である銀層242を設けなくてもよく、少なくとも外部から見えないような層であればよい。
マスク層2は、黒以外でも可能であり、車外からの視野を遮蔽し、車内側が見えないような茶色、灰色、濃紺などの濃色であれば、特には限定されない。また、マスク層の一部または全部を、ガラス板へ貼り付け可能な遮蔽フィルムで構成し、これによって車外からの視野を遮蔽することもできる。なお、遮蔽フィルムを内側ガラス板12の車外側の面に貼り付ける場合には、予備接着の前、または本接着の後に貼り付けを行うことができる。
また、ガラス板において、光の通路の曇りを防止するという観点からすれば、必ずしもマスク層は必要ではなく、光が通過する領域(情報取得領域)に防曇膜が形成されていればよい。
<8−3>
上記実施形態では、本発明の情報取得装置として、車間距離を測定するセンサ5を用いたが、これに限定されるものではなく、種々の情報取得装置を用いることができる。すなわち、車外からの情報を取得するために、光の照射及び/または受光を行うものであれば、特には限定されない。例えば、車間距離を測定するための可視光線及び/又は赤外線カメラ、光ビーコンなどの車外からの信号を受信する受光装置、道路の白線等を画像にて読み取る可視光線及び/又は赤外線を使用したカメラやステレオカメラなど、種々の装置に適用することができる。ステレオカメラを用いる場合には、開口を2つ設ける必要がある。
<8−4>
加熱モジュールの動作を、防曇膜に連動させることもできる。すなわち、加熱モジュールを常時ONにする以外に、例えば、防曇膜の水分の吸収量に応じて、ON/OFFするように制御することができる。一例として挙げると、防曇膜の露点の前に、例えば、3分前に加熱モジュールをONし、10分経過するとOFFする制御を行うことができる。防曇膜の露点は、例えば、外気温度と水分量を測定し、その測定結果から推定することができる。
<8−5>
加熱モジュールの構成は、特には限定されず、少なくとも情報取得領域を加熱できるものであればよい。したがって、例えば、図23に示すように、マスク層2上において、開口231の左右に一対の帯状のバスバー87を設け、これらバスバー87を連結するように、複数の加熱線85が水平に延びるように配置することができる。これにより、複数の加熱線85は、開口231を水平方向に通過するため、開口231を加熱することができる。同様に、図24に示すように、マスク層2上において、開口231の上下に一対の帯状のバスバー87を設け、これらバスバー87を連結するように、複数の加熱線85が水平に延びるように配置することができる。これにより、複数の加熱線85は、開口231を上下方向に通過するため、開口231を加熱することができる。なお、各バスバーは、上述した配線部83,84を介して、端子部81,82に接続されている。
以上の構成により、複数の加熱線85は並列に配置されるため、例えば、一本の加熱線85が断線したとしても、開口231を加熱することができる。なお、各バスバー87は、配線部83,84、端子部81,82及び加熱線85のいずれかと同様の材料で形成することができる。また、マスク層2の形状はバスバーが配置されるのであれば、特には限定されず、図11のような形状であってもよい。
1 外側ガラス板
2 内側ガラス板
3 中間膜
85 加熱線

Claims (9)

  1. 光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、
    前記情報取得装置と対向し前記光が通過する情報取得領域を少なくとも1つ有し、外側ガラス板、内側ガラス板、及びこれらガラス板の間に配置される中間膜を有する、合わせガラスと、
    前記合わせガラスにおける、少なくとも前記情報取得領域に設けられる、防曇膜と、
    前記合わせガラスに配置され、少なくとも前記情報取得領域を加熱する、少なくとも1つの加熱線を含む加熱モジュールと、
    を備えている、ウインドシールド。
  2. 前記加熱線は、前記内側ガラス板の車内側の面に配置されている、請求項1に記載のウインドシールド。
  3. 前記加熱線は、前記中間膜に配置されている、請求項1に記載のウインドシールド。
  4. 前記防曇膜は、基材層と当該基材層上に形成される防曇機能層とを備えたフィルム状に形成され、前記内側ガラス板の車内側の面に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載のウインドシールド。
  5. 前記防曇膜は、吸水性樹脂を含む有機物を主成分として含有する、請求項1から4のいずれかに記載のウインドシールド。
  6. 前記加熱モジュールは、前記防曇膜に吸収された水分の吸収量に応じて、ON/OFFするように制御されている、請求項5に記載のウインドシールド。
  7. 前記合わせガラスにおいて、前記情報取得領域の周縁のうち、少なくとも当該情報取得領域の上方及び下方に配置された遮蔽層をさらに備え、
    前記加熱モジュールは、前記遮蔽層上において、前記情報取得領域の上方及び下方にそれぞれ配置される第1及び第2バスバーを、備え、
    複数の前記加熱線が、前記第1及び第2バスバーを連結し、前記情報取得領域を通過するようにするように配置されている、請求項1から6のいずれかに記載のウインドシールド。
  8. 前記合わせガラスにおいて、前記情報取得領域の周縁のうち、少なくとも当該情報取得領域の両側に配置された遮蔽層をさらに備え、
    前記加熱モジュールは、前記遮蔽層上において、前記情報取得領域の両側にそれぞれ配置される第1及び第2バスバー、を備え、
    複数の前記加熱線が、前記第1及び第2バスバーを連結し、前記情報取得領域を通過するようにするように配置されている、請求項1から6のいずれかに記載のウインドシールド。
  9. 前記加熱線の線幅は、0.5mm以下である、請求項1から8のいずれかに記載のウインドシールド。
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