JP2022001358A - 卵殻微粉末、卵殻微粉末の製造方法、卵殻微粉末の使用方法及び卵殻微粉末を含有する製品 - Google Patents

卵殻微粉末、卵殻微粉末の製造方法、卵殻微粉末の使用方法及び卵殻微粉末を含有する製品 Download PDF

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Abstract

【課題】卵殻から調製され、種々の目的に使用可能な卵殻微粉末を提供する。【解決手段】本発明では、卵殻を400〜600℃で乾燥させ、1000〜1200℃で焼成し、粒度0.4〜100μmのうち所定範囲の粒度で微粉末化した後に、更に所定範囲の粒度で分級する。これにより、pH12.5以上の強アルカリ性を呈し、例えば、抗ウイルス剤又は抗菌剤や土壌改良剤として利用可能な卵殻微粉末を得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、卵殻を微粉末化して得られる卵殻微粉末、同卵殻微粉末の製造方法、同卵殻微粉末の使用方法及び同卵殻微粉末を含有する製品に関する。
卵加工品の製造過程から廃棄される卵殻は、全国で年間約220万トンに達すると言われている。従来、このような卵殻は使い道がなく、食品産業廃棄物として処理費用をかけて焼却、埋め立て処分されていた。しかしながら、近年、地球環境保護及びリサイクルの観点から、卵殻を土壌改良剤や健康食品、化粧品原料へと再資源化する技術が開発されてきている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−113661号公報
しかしながら、上述したような技術を用いたとしても、再資源化することができる卵殻は現在のところ2割程度に過ぎず、残りの8割は、依然としてそのまま処分されている。そのため、新たな卵殻利用方法の開発が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するものであって、卵殻から調製され、種々の目的に使用可能な卵殻微粉末を提供することを目的とする。
本発明の卵殻微粉末は、卵殻を400〜600℃で乾燥させ、1000〜1200℃で焼成し、粒度0.4〜100μmのうち所定範囲の粒度に微粉末化した後に、更に所定範囲の粒度で分級したことを特徴とする。
本発明によれば、pH12.5以上といった強アルカリ性を呈し、例えば、抗ウイルス剤又は抗菌剤や土壌改良剤として利用可能な卵殻微粉末を得ることができる。
本発明の実施形態に係る卵殻微粉末の製造方法を示す図。 上記卵殻微粉末を製造するための微粉末製造装置の構成を示す図。 上記微粉末製造装置を構成するサイクロンミルの断面図。 上記卵殻微粉末の顕微鏡写真。
本発明の実施形態に係る卵殻微粉末及び卵殻微粉末の製造方法について図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の卵殻微粉末は、卵加工品の製造過程等から回収された卵殻に対して、400〜600℃で乾燥させる乾燥ステップと、1000〜1200℃で焼成する焼成ステップと、粒度0.4〜100μmのうち所定範囲の粒度で微粉末化する微粉末化ステップと、所定範囲の粒度に分級する分級ステップと、を順次施すことで調製される。以下、各々のステップについて詳述する。なお、ここで言う「所定範囲」とは、本発明の卵殻微粉末が後述する用途に適応した粒度(狙いの粒度)の範囲であり、微粉末化ステップ及び分級ステップのいずれにおいても、同じ用途であれば、基本的には同じ範囲を意味する。しかし、微粉末化ステップでは粒度を高精度に調整することは困難であるから、微粉末化ステップの「所定範囲」と分級ステップの「所定範囲」とは、精度的には相違することがある。
(乾燥ステップについて)
卵殻を加熱式撹拌機により撹拌しながら加熱乾燥する。例えば、みのり産業有限会社製の菌体飼肥料製造機M−10S(モータ:2.2kW/台、バーナ:40,000kcal/時間、灯油使用量:4.5リットル/時間/台、回転数:720rpm 約6.5回転/分、処理槽:1.1m)を用いて、300キログラムの卵殻を加熱撹拌処理した場合、処理前には15.1%だった卵殻水分量が、1時間処理後には水分量9.4%、試料温度65.3℃となり、2時間処理後には水分量7.1%、試料温度78.8℃となった。この時点で水分量が7%台、試料温度も80℃近くとなったので、バーナによる加熱を停止して更に1時間40分撹拌したところ、水分量2.8%、試料温度54℃の卵殻が249キログラム得られた。
この加熱撹拌の際、スタート時の水分量が15.1%と少な目であったので、T字型粉砕羽根によるかき揚げも良く、ハンドリングは良好であった。また、卵殻にはある程度の油分も含まれているので、卵殻の加熱撹拌機へのへばり付きや焦げ付きも見られず、臭いもほとんど気にならなかった。更に撹拌を続ければ、長期保存に適した水分量1%程度とすることも可能である。なお、加熱式撹拌機は、みのり産業有限会社製のものに限定されず、他社製品や自社製造したものを用いることも可能である。
(焼成ステップについて)
乾燥ステップで得られた卵殻を、1000〜1200℃において約9時間、例えば、株式会社モアグリーン社製の電気炉又はガス炉を用いて焼成処理を行う。電気炉とガス炉の使い分けは、例えば、以下で説明する抗ウイルス剤又は抗菌剤のように色目や臭いを嫌う製品を製造する場合には電気炉を用い、土壌改良剤のように色目や臭いを気にしなくてよい製品を製造する場合にはガス炉を用いる。なお、焼成炉は、株式会社モアグリーン社製のものに限定されず、他社製品や自社製造したものを用いることも可能である。
焼成ステップで得られた卵殻は、図2に示す微粉末製造装置1により微粉末化及び分級される。微粉末製造装置1は、焼成ステップで得られた卵殻が供給される原料供給口2と、原料供給口2に供給された卵殻を微粉末化して上記微粉末化ステップを実行するサイクロンミル3と、サイクロンミル3で得られた卵殻微粉末を分級して上記分級ステップを実行する分級回収装置4と、分級回収装置4からの排気をフィルタリングするバグフィルタ5と、バグフィルタ5を通過した空気を排気するためのブロワ6と、を備える。原料供給口2に供給された焼成ステップからの卵殻は、サイクロンミル3に備え付けられた定量供給フィーダ31に送られ、定量供給フィーダ31は、所定量の卵殻をサイクロンミル3に供給する。
(微粉末化ステップについて)
図3に示すように、サイクロンミル3は、回転軸32に取り付けられた第1のインペラ33と、第1のインペラ33と対向するようにして回転軸32に取り付けられた第2のインペラ34と、回転軸32を回転させるための高速回転モータ35と、を有する。第1のインペラ33は、高速回転モータ35により回転駆動された場合に、第1のインペラ33の半径方向外側に向かい、且つ第1のインペラ33と第2のインペラ34との間の空間(以下、粉砕室36という)に向かう気流(一点鎖線矢印で示す)を生み出すように構成されている。同様に、第2のインペラ34は、高速回転モータ35により回転駆動された場合に、第2のインペラ34の半径方向外側に向かい、且つ粉砕室36に向かう気流(二点鎖線矢印で示す)を生み出すように構成されている。第1のインペラ33と第2のインペラ34との間隔は、0.1mm単位で調整可能となっている。
定量供給フィーダ31から供給された卵殻ESは、第1のインペラ33により生み出された気流により粉砕室36に入る。粉砕室36に入った卵殻ESの一部は、第2のインペラ34を通過した後、第2のインペラ34により生み出された気流により再び粉砕室36へと戻る。そして、粉砕室36において卵殻ESは、卵殻ES同士の衝突による摩擦及び気流によるせん断力によって粉砕されて微粉末化される。このようにサイクロンミル3によれば、卵殻ESを摩擦及びせん断力によって微粉末化するので、従来技術のように羽根やピンで卵殻に衝撃を与えて機械的に微粉末化する場合に比べて、卵殻ESに熱がかかり難い。微粉末化された卵殻ESの一部は、ブロワ6による吸引によってサイクロンミル3から排出される。
サイクロンミル3から排出される卵殻微粉末の粒度は、第1のインペラ33と第2のインペラ34との間隔及び卵殻ESのサイクロンミル3内における滞留時間を制御することで調整することができる。卵殻ESの滞留時間は、サイクロンミル3内における気流の風量及び風速を制御することで調整可能であり、滞留時間が長くなればなるほど卵殻微粉末の粒度は小さくなる。例えば、株式会社静岡プラント社製のサイクロンミル600S(インペラ径:600mm、インペラ羽数:8枚×2、回転数:2,000〜4,000rpm)を2台用いた場合には、粒度1μm以下であれば20〜45キログラム/時間、粒度5μmであれば200〜300キログラム/時間、粒度20μmであれば500〜700キログラム/時間、粒度70μmであれば1000キログラム/時間の卵殻微粉末が得られる。なお、粒度は、日本マイクロトラック社製の粒度測定装置により測定した。
(分級ステップについて)
図2に戻って、分級回収装置4は、サイクロンミル3により粉砕された卵殻微粉末を含む気流が導入される気流導入部41と、気流導入部41と連通した気流導入セクション42と、気流導入セクション42の下方に設けられたコニカルセクション43と、コニカルセクション43の下方に設けられ卵殻微粉末を捕集する粉体捕集セクション44と、コニカルセクション43内の気流を外部に排出するための気流排出部45と、を有する。気流導入セクション42は、下方に行くほど拡径した半球面状に形成されている。コニカルセクション43は、気流導入セクション42に連続して、下方に行くほど縮径した逆円錐面状に形成されている。粉体捕集セクション44は、コニカルセクション43の下端部と連通した箱状に形成されている。気流排出部45は、気流導入セクション42の上面中央を貫通して、上下方向に伸びる円筒状に形成されている。
サイクロンミル3からの気流に含まれる卵殻微粉末は、気流導入部41から導入された後、気流導入セクション42の内壁及びコニカルセクション43の内壁に沿って旋回する過程で遠心力により気流から分離され、粉体捕集セクション44に回収される。一方、卵殻微粉末が分離された後の気流は、コニカルセクション43の下方中央で上昇気流となり、気流排出部45を通って分級回収装置4から排気される。このような分級回収装置4によれば、粉体捕集セクション44において粒度約0.4〜100μmの卵殻微粉末を、粒度に依らず同程度のコストで回収することができる。これに対して、従来技術では粒度が小さくなればなるほど卵殻微粉末の回収コストが増大し、粒度の小さい卵殻微粉末であっても低コストに回収することができる点が本願の大きなメリットとなる。なお、0.4μmよりも小さい粒度の卵殻微粉末も、分級回収装置4からの排気をバグフィルタ5でフィルタリングし、バグフィルタ5上にトラップすることで回収可能である。
上記のようにして回収された卵殻微粉末は、その約95%が炭酸カルシウム(CaCO)により構成され、pH12.5以上の強アルカリ性を呈する。卵殻微粉末のアルカリ性は、卵殻微粉末の粒度が小さければ小さいほど溶媒との接触面積が増大するので高くなる。ここで、卵殻微粉末と類似したものとして、貝殻類から調製された焼成カルシウムが知られている。しかしながら、貝殻類の焼成カルシウムは、その性質が貝殻類の齢や保存状態により顕著に影響され、安定的にpH12.5以上の強アルカリ性を呈しない。これに対して、本発明の卵殻微粉末は、卵殻の成分が安定しており齢や保存状態による影響を受け難い上、原材料である卵殻が全国各地で入手し易いので、製品の安定性及び生産性の観点から見て貝殻類の焼成カルシウムよりも優れている。また、本発明の卵殻微粉末は、卵殻から調製された100%天然由来成分であるので、自然環境に優しく高い安全性を有する。
図4は、上述した微粉末化ステップ及び分級ステップによって得られた鰹節の微粉末の光学顕微鏡写真(1500倍)であり、微粉末の平均粒径は8μmである。図3で示したサイクロンミル3による微粉末化によれば、資料を羽根に接触させて切断するのではなく、気流により試料同士を衝突させるので、粒の角が取れて、粒形状が丸みを帯びたものとなる。その様子が、図4の写真にも表れており、試料が卵殻であっても、同様の粒形状を得ることができる。微粉末粒子が丸みを帯びると、角張っている場合に比べて、分散性が高まると共に、広い接触面積を得易くなるので、後述する抗菌剤等としての有効性をより高めることができる。
次に、上記のようにして得られた卵殻微粉末の使用方法について説明する。
(抗ウイルス剤又は抗菌剤として)
粒度0.4〜1μmに調整した卵殻微粉末は、抗ウイルス剤又は抗菌剤として使用することができる。実施例として、粒度1μmに調整した卵殻微粉末の0.15又は3%(w/v)水溶液の遠心上清に、1/10倍量のウイルス又は微生物懸濁液を添加して室温で静置し、ウイルス又は微生物を99.9%以上不活化するのに要する時間(不活化時間)を測定した。
その結果、表1に示すように、鳥インフルエンザウイルス(AIV)の場合には、0.15%の卵殻微粉末水溶液では1時間、3%の卵殻微粉末水溶液では30分間処理することでウイルスを不活化することができた。また、ニューカッスル病ウイルス(NDV)の場合には、0.15%の卵殻微粉末水溶液では1時間以内、3%の卵殻微粉末水溶液では3分間処理することでウイルスを不活化することができた。また、伝染性ファブリキウスウイルス(IBDV)の場合には、0.15%の卵殻微粉末水溶液では1分間、3%の卵殻微粉末水溶液では5秒間処理することでウイルスを不活化することができた。また、サルモネラ菌(SI)の場合には、0.15%の卵殻微粉末水溶液では5分間、3%の卵殻微粉末水溶液では3分間処理することで菌を不活化することができた。更に、大腸菌(EC)の場合には、0.15%の卵殻微粉末水溶液では3分間、3%の卵殻微粉末水溶液では3分間処理することで菌を不活化することができた。なお、ここでは0.15%又は3%卵殻微粉末水溶液の作用しか説明していないが、卵殻微粉末の濃度を高めることで不活化時間を短縮することも可能で、例えば、鳥インフルエンザウイルス(AIV)であっても高濃度の卵殻微粉末を用いれば3秒間で不活化することができる。
Figure 2022001358
本発明の卵殻微粉末は、鳥インフルエンザウイルス(AIV)及びニューカッスル病ウイルス(NDV)のようなエンベロープを有するウイルスだけでなく、伝染性ファブリキウスウイルス(IBDV)のようなエンベロープを有さず消毒薬に対する抵抗性が比較的高いウイルスにも抗ウイルス性を示すことから、種々のウイルスに対して抗ウイルス性があり汎用性が高いと考えられる。また、有機物の存在下でも抗ウイルス性の減弱が認められないので、下記のように土壌改良の目的で農場等に散布した場合であっても、抗ウイルス性は維持されると考えられる。
このように卵殻微粉末は、高い抗ウイルス性及び抗菌性を有することから、例えば、抗菌添加剤や食品洗浄剤として利用することが考えられる。この場合、卵殻微粉末の粒度は1〜5μmに調整され、単に水でカット野菜を洗浄したときには菌体を15%しか除去することができなかったのに対し、粒度5μmの卵殻微粉末を含む水でカット野菜を洗浄したときには菌体を92%以上除去することができた。一般的にカット野菜の洗浄に用いられる次亜塩素酸ナトリウムは、従来から安全性に課題があることが指摘されている。一方、本発明の卵殻微粉末は、100%天然由来成分であることから安全性が高く、カット野菜の洗浄に好適に用いることができる。なお、上記では卵殻微粉末の遠心上清を用いたが、卵殻微粉末を水に懸濁したものを噴霧して作用させてもよい。
また、本発明の卵殻微粉末は、水耕栽培において種や苗を育成する際の抗菌剤・殺菌剤として利用することもできる。特に、食用野菜を栽培する場合には、卵殻微粉末のような100%天然由来成分で、且つ高い安全性を有する抗菌剤・殺菌剤の利用は重要である。また、卵殻微粉末を既存の抗菌殺菌スプレーに添加して、更に抗菌性、殺菌性、消臭性を高めるようにしてもよい。
また、本発明の卵殻微粉末が持つ抗菌性を利用して、例えば、スーパー等で生鮮食品を包むのに用いられるフィルムに卵殻微粉末を混ぜ込んで鮮度保持フィルムとしてもよいし、ダンボールに卵殻微粉末を混ぜ込んで抗菌ダンボールとしてもよい。また、スポーツウェア繊維、自動車シート繊維又は壁や床材等の建築資材に卵殻微粉末を混ぜ込んで抗菌・消臭対策としてもよいし、従来から虫歯治療に使用されている詰め材(石灰)に卵殻微粉末を混ぜ込んで虫歯の原因菌であるミュータンス菌等を殺菌するようにしてもよい。更に、本発明の卵殻微粉末を混ぜ込むことで、例えば、キッチンスポンジ、消しゴム、子供の玩具に抗菌性を付与することも可能である。
(土壌改良剤として)
本発明の卵殻微粉末は、粒度70μmで土壌に散布された場合、有益な微生物活動及び有機物の無機化を促進し、土壌中の有効栄養素の含有量を増加させることができる。また、卵殻微粉末に含まれるカルシウムは、土壌コロイドに吸着したアンモニウムイオンを置換し、その置換物が作物に吸収されると有機リンの無機化を促進して有効なリン含有量を増加させることができる。また、卵殻微粉末を酸性土壌に適用することで、土壌の酸性度を中和すると共に、土壌中の活性鉄及びマンガンの沈殿を促進して、それらの毒性を排除することができる。更に、卵殻微粉末は、上記のような抗菌作用を有すると共に強いアルカリ性を呈するので、土壌中の細菌を直接に死滅させ、土壌中の害虫や継続的な作付けにより引き起こされる青枯病の発生を抑制したり、洪水等により下水が混濁した土壌の殺菌に用いることができる。
一方、従来から土壌改良剤として用いられている消石灰(Ca(OH))は、卵殻微粉末と同様に強いアルカリ性を呈して抗菌剤として機能し得るが、空気中の二酸化炭素を吸収することでアルカリ性が低下して抗菌性が弱まるという欠点がある。また、消石灰は、水と反応して発熱するので、例えば、雨が降ったときに作業員に危険を及ぼしたり、家畜の爪の間に入って火傷を引き起こす虞がある。更に、消石灰は、散布してから時間が経過すると徐々に大きな固まりとなる。
これに対して、本発明の卵殻微粉末は、空気中の二酸化炭素を吸収しないので、抗菌剤としての機能が衰えない。これにより、消石灰に比べて約20倍もの抗菌性効果が持続し、量的には消石灰の1/10の散布量で豚コレラ、狂牛病、鳥インフルエンザウイルス、大腸菌等に対して予防及び殺菌効果を発揮するので、鶏舎、豚舎、牛舎や果樹園等における土壌改良にかかる労力を低減することができる。また、卵殻微粉末は、水と反応せず発熱もしないので、消石灰よりも安全に扱うことができる。更に、卵殻微粉末は、消石灰のような固まりを形成しない。
(飼料又は肥料として)
上記のように本発明の卵殻微粉末は、抗菌剤として利用することができる。そこで、本発明の卵殻微粉末を、動物の飼料や植物の肥料に粒度70〜100μmで10%程度直接添加して、抗生物質を一部又は完全に代替することが考えられる。抗生物質は、ある統計によると家畜産業で全体消費の約70%が使用されており、家畜産業と人間に対する医療とでは同一の抗生物質が使用されていることも多い。そのため、家畜産業での抗生物質の乱用による耐性菌の出現は、人間に対する医療にも脅威を与える虞があり、最近でも家畜産業において2種類の抗生物質(コリスチン及びバージニアマイシン)の国内使用が禁止される等、抗生物質ではない抗菌剤の開発が要求されている。本発明の卵殻微粉末は、このような要求を満たすものであり、飼料又は肥料に含まれる抗生物質を代替することで耐性菌の出現を抑制し、ひいては人間に対する医療への脅威を低減させるものである。
また、上述のように本発明の卵殻微粉末は、その約95%が炭酸カルシウム(CaCO)により構成されているので、飼料/肥料を与えられた動植物の重要なカルシウム源となる。更に、ウニ、アワビ、ナマコ等を養殖する際に、食餌として本発明の卵殻微粉末を添加すると、生体の成長が顕著に促進され、通常の半分程度の時間で出荷することが可能となって養殖時間を短縮することができる。
(その他の使用方法)
その他にも、本発明の卵殻微粉末を粒度20μmで錆止め塗料に添加すると、錆止め持続効果が顕著に伸長される。また、卵殻微粉末を粒度20μmでセメントに添加すると、セメントの乾燥時間が短縮されるとともに、セメントの強度が増す。また、米の低温倉庫内に卵殻微粉末を置くと、米に発生する害虫であるコクゾウムシの発生が抑制される。
上記のように本発明によれば、現在廃棄されている卵殻を有効利用して、地球に優しく且つ安全性の高い卵殻微粉末を得ることができる。

Claims (7)

  1. 卵殻を400〜600℃で乾燥させ、1000〜1200℃で焼成し、粒度0.4〜100μmのうち所定範囲の粒度に微粉末化した後に、更に所定範囲の粒度で分級したことを特徴とする卵殻微粉末。
  2. 卵殻を400〜600度で乾燥させる乾燥ステップと、
    前記乾燥ステップで得られた試料を1000〜1200℃で焼成する焼成ステップと、
    前記焼成ステップで得られた試料を粒度0.4〜100μmのうち所定範囲の粒度で微粉末化する微粉末化ステップと、
    前記微粉末化ステップで得られた試料を、所定範囲の粒度で分級する分級ステップと、を備えたことを特徴とする卵殻微粉末の製造方法。
  3. 請求項1に記載に卵殻微粉末のうち、粒度0.4〜1μmのものを抗ウイルス剤又は抗菌剤として使用することを特徴とする卵殻微粉末の使用方法。
  4. 請求項1に記載に卵殻微粉末のうち、粒度1〜5μmのものを抗菌添加剤又は食品洗浄剤として使用することを特徴とする卵殻微粉末の使用方法。
  5. 請求項1に記載に卵殻微粉末のうち、粒度70μmのものを土壌改良剤として使用することを特徴とする卵殻微粉末の使用方法。
  6. 請求項1に記載に卵殻微粉末のうち、粒度70〜100μmのものを飼料又は肥料として使用することを特徴とする卵殻微粉末の使用方法。
  7. 請求項1に記載に卵殻微粉末を、フィルムに混ぜ込んで得られることを特徴とする卵殻微粉末を含有する製品。
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