JP2003081728A - 添加剤 - Google Patents

添加剤

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JP2003081728A JP2001272368A JP2001272368A JP2003081728A JP 2003081728 A JP2003081728 A JP 2003081728A JP 2001272368 A JP2001272368 A JP 2001272368A JP 2001272368 A JP2001272368 A JP 2001272368A JP 2003081728 A JP2003081728 A JP 2003081728A
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Manabu Sasaki
學 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体への摂取に問題がない天然素材を原料と
し、低コストで大量に製造することができ、しかも抗菌
効果と漂白効果の高い添加剤を提供する。 【解決手段】 ホッキ貝の貝殻と鶏卵殻を粉砕して混合
した後、不活性ガス雰囲気で加熱、昇温し、最終到達温
度700〜1300℃で焼成して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗剤と混合して或
いは単独で漂白剤として使用する添加剤、あるいは加工
食品製造業、外食産業、医療産業、医療福祉産業におけ
る抗菌剤として使用する添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な抗菌剤として使用されてきた塩
素系化合物は、廃水処理時にトリハロメタンが発生した
り、焼却処理時にダイオキシンが発生する等の原因とな
ることがあった。また、食品添加物として使用されてき
た抗菌剤の例としては、畜産、水産食品に使用されてい
る動物用医薬品としてスルファミジンやカルバドックス
等の合成抗菌剤があるが、食品の安全性の観点から残留
基準値を厳しく守る必要があった。
【0003】そこで、上記のような化学合成品からなる
抗菌剤でなく、天然素材を原料とした抗菌剤として、本
出願人はホッキ貝を焼成した粉末状抗菌剤を特開平20
01−026508号として提案した。
【0004】上記ホッキ貝を焼成した粉末状抗菌剤は、
例えばWO93/11670号公報に開示される蛎殻を
焼成した抗菌剤が濃度1%以上を必要としたのに対し、
僅か0.05%でも抗菌剤として有効であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記ホッキ
貝を焼成した粉末状抗菌剤の効果及び用途について更に
研究を重ねた結果、鶏卵を添加することで、ホッキ貝と
鶏卵について今まで知られていた単独の効果から予想で
きない相乗的殺菌効果および漂白効果が得られることを
知見した。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記知見に基づいて本願
発明をなしたものであり、本願発明に係る添加剤は、ホ
ッキ貝の貝殻と鶏卵殻を粉砕して混合した後、不活性ガ
ス雰囲気で加熱、昇温し、最終到達温度700〜130
0℃で焼成して得られる。前記ホッキ貝の割合としては
80〜98重量%、鶏卵の割合としては20〜2重量%
が好ましい。
【0007】このホッキ貝の貝殻粉末及び鶏卵殻の粉末
は、不活性ガス雰囲気中で焼成されることにより、病原
性大腸菌O−157、その他の菌に対して微量の添加で
も強くかつ継続的な抗菌性を発揮するとともに漂白剤と
しても効果的である。また、両者ともカルシウムを主体
とした人体に安全な天然性素材であるので、仮に廃棄処
理が必要となった場合でも大気、廃水、土壌を汚染する
ことがない。さらに、従来廃棄物として持て余されてい
たホッキ貝および鶏卵の殻の有効利用という効果もあ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の添加剤の原料となるホッ
キ貝は姥貝とも呼ばれる食用の二枚貝であり、本州中部
および日本海北部に分布する。このホッキ貝は缶詰、冷
凍、生食用に供されるが現状、貝殻は有効利用されてい
ないため調達コストは安価である。同様に鶏卵の殻も調
達コストは安価である。
【0009】本発明の添加剤を製造するには、先ずホッ
キ貝の貝殻と鶏卵の殻を粉砕する。粉砕の方法として
は、貝殻と卵殻を乾燥させた後にたとえばグラインドミ
ルで大まかに粉砕し最大粒子径が5mm以下となるよう
に調製する。
【0010】つぎに、この粉砕した殻を攪拌器付きオー
トクレーブに入れ、不活性ガス雰囲気中で攪拌しながら
加熱する。不活性ガスとしては窒素ガスが好ましい。昇
温方法は問わないが、最終到達温度700〜1300
℃、好ましくは900℃±50℃とし、3分以上この温
度を維持する。
【0011】最終到達温度が700℃未満では抗菌活性
及び漂白効果が発現し難く、また1300℃を超えても
粒子の活性部位が破壊されてやはり抗菌活性及び漂白効
果が低下する。また、焼成時間が3分未満では抗菌活性
及び漂白効果が発現し難い。なお、焼成時間は長くなっ
ても構わないが、コスト面から3〜5分程度が好まし
い。
【0012】焼成した貝殻粒子および卵殻粒子は不活性
雰囲気中で放冷し、その後さらに微粉砕して分級し、最
大粒子径100μm以下、平均粒子径1〜50μm、好
ましくは2〜5μmの粉体とする。最大粒子径が100
μmを超えたり、平均粒子径が50μmを超えると抗菌
処理のためにたとえば飲料水等に添加しても溶解せず、
沈殿してしまって機能を発揮できない。また、平均粒子
径1μm未満では吸湿して固化する等、取り扱いが困難
となる。
【0013】以上のようにして製造した本発明の添加剤
はO−157等の大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真
菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ等の食中毒菌さらには
ウイルスに対しても有効である。また本発明の添加剤は
漂白効果も発揮する。
【0014】また、天然素材を原料とする焼成貝殻は食
品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律に規定す
る既存添加物名簿(平成8年4月16日公示)の二百十
八に、焼成カルシウム(貝殻等を焼成して得られたカル
シウム化合物を主成分とするもの)として記載されてお
り、人体に対して安全であることが公認されている。
【0015】したがって、本発明の添加剤の用途は加工
食品製造業、外食産業および家庭内における細菌による
食品汚染防止、ならびに医療産業、医療福祉産業におけ
る殺菌、消毒、除菌に好適である。また、本発明の添加
剤は洗剤と混合してまたは単独で使用する漂白剤として
好適である。
【0016】本発明の添加剤の具体的な用途例として
は、かまぼこ等の食品への添加物としての使用、飲料
水、手洗水の殺菌、入れ歯等の歯科材料への添加、さら
には抗菌粉末パックの形態として家庭用ポットに入れた
り、災害緊急時飲料水の消毒に使用することができる。
また、シートに添加して清拭用として用いたり、紙オム
ツや壁紙、あるいは建築材料に抗菌機能性添加剤とし
て、更には漂白剤として使用することができる。その他
の使用方法としては、この添加剤そのものをセラミック
化したり、あるいは抗菌機能を利用した殺菌装置を作成
することも可能である。
【0017】本発明の添加剤、即ちホッキ貝と鶏卵とを
混合した添加剤はホッキ貝単独の抗菌剤、茶カテキンや
カキ貝殻等の抗菌剤よりも高い抗菌性を示す。したがっ
て、微量で抗菌機能を発揮でき、また効果の持続時間も
長いのが特徴である。たとえば水に対する添加量につい
ては飲料水、その他の殺菌対象物の重量に対して0.1
5重量%の添加で十分であるから、使用状況に応じてこ
の量以上を使用すればよい。また、抗菌効果の持続時間
も永く、7週間以上継続することが確認されている。
【0018】(実施例)ホッキ貝貝殻を乾燥後、約2〜
3mmに予備粉砕したもの500gを、窒素ガスを封入
した2リットル容量の攪拌器付きオートクレーブ中へ入
れ、緩く攪拌しながら昇温を開始した。この昇温を温度
が900℃になるまで継続し、900℃到達後5分間焼
成して加熱を停止し、オートクレーブ内部が常温に戻る
まで窒素ガス気流中で放冷した。
【0019】放冷後、ホッキ貝殻粉末をオートクレーブ
から取り出し、乳鉢でさらに粉砕し、分級器で50μm
以下の粒子のみを分取した。ホッキ貝殻粉末の成分濃度
を以下の(表1)に示す(山形県理化学分析センターが
行った土壌養分分析法による分析、山分セ第778
号)。
【0020】
【表1】
【0021】また、別途鶏卵殻を粉砕し、上記と同じく
50μm以下の粒子に調製したものを上記ホッキ貝貝殻
粉末と重量比98:2乃至重量比80:20で混合し、
本発明に係る添加剤を製造した。
【0022】(比較例)比較例として、上記ホッキ貝単
独、および鶏卵単独の焼成粉末を製造し、これと本発明
に係る添加剤と抗菌能力について比較実験を行った。そ
の結果を以下に説明する。
【0023】試験菌株:一般細菌および大腸菌(Escher
ichia coil ATCC 8739)の2種を用い、使用培地は一般
細菌用として標準寒天培地法、大腸菌としてデソキシコ
ール酸塩培地法を適用し、培養条件は37℃で18時間
とした。
【0024】試験方法:製造した各添加剤を蒸留水に溶
解させて所定の濃度となるように調整し、これらの添加
剤溶解蒸留水中に、前記の各試験菌を40,000個/
ml程度になるように添加した。菌添加後よく攪拌し、
その後室温で静置し、所定時間後にサンプリングを行っ
て発育菌数(個/ml)を測定した。
【0025】以下の(表2)〜(表6)に測定結果を示
す。ここで、(表1)の検体はホッキ貝98重量%、鶏
卵殻2重量%、(表2)の検体はホッキ貝80重量%、
鶏卵殻20重量%、(表3)の検体はホッキ貝単独、
(表4)の検体は鶏卵殻の焼成粉、(表5)の検体は鶏
卵殻の乾燥粉である。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】以上の(表2)〜(表6)から、ホッキ貝
と鶏卵の殻を混合してなる添加剤は、ホッキ貝殻単独の
抗菌剤や鶏卵殻単独の抗菌剤より各段に抗菌性に優れて
いることが分る。
【0032】次に、漂白効果について実験した結果を
(表7)に示す。この(表7)から、ホッキ貝と鶏卵の
殻を混合してなる添加剤は漂白効果に優れる一方、脱色
効果は少なく、極めて効果的であることが分る。
【0033】
【表7】
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明にかかる
添加剤は、ホッキ貝の貝殻粉末と鶏卵殻の粉末を不活性
ガス雰囲気中で焼成して製造されることにより高い抗菌
性を示す。具体的には、O−157等の大腸菌、黄色ブ
ドウ球菌、緑膿菌、真菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ
等の食中毒菌さらにはウイルスに対しても低濃度で殺菌
効果を示しかつ抗菌機能の保持時間も長い。また、ホッ
キ貝の貝殻粉末及び鶏卵殻は食品添加剤にも使用される
カルシウム主体の天然性素材であるため人体に対して安
全な抗菌剤を提供することができ、またもし廃棄処理が
必要となった場合でも大気、廃水、土壌を汚染すること
がない。さらに、本発明の添加剤は漂白剤としても優れ
た効果を発揮する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホッキ貝の貝殻と鶏卵殻を粉砕して混合
    した後、不活性ガス雰囲気で加熱、昇温し、最終到達温
    度700〜1300℃で焼成して得られた添加剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の添加剤において、ホッ
    キ貝の割合が80〜98重量%、鶏卵の割合が20〜2
    重量%であることを特徴とする添加剤。
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