JP2022000704A - 紫外線透過フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の小型化に対応可能な板厚の薄さを有するとともに、可視光および近赤外光を十分に遮断しつつ、所定の紫外線透過特性を有する、紫外線透過フィルタを提供する。【解決手段】紫外線透過フィルタは、300nm以下に透過率が50%未満となる吸収波長帯を有する吸収特性を有する樹脂と吸収剤を含有する吸収剤含有吸収層を含む吸収体を有し、入射角0°の光に対し下記(A)〜(E)の光学特性を有する。(A)波長280〜400nmの範囲に透過最大波長λTmax(0°)を有する半値全幅が10nm以上の透過波長帯を有する。(B)Tmaxが30%以上である。(C)Tmaxを1と規格化したときにTAVE(400〜1100)が0.3以下である。(D)波長λ(0°1/2L)が380〜420nmである。(E)TMAX(425〜1100)が10%以下である。厚さが0.5mm以下である。【選択図】図1E

Description

本発明は、紫外線透過フィルタに関する。
近年、人体への影響がある紫外線照射レベルのモニタリングをする等、紫外線のセンシング技術を高める動きが活発になっている。このように、紫外線の照射レベルを高性能にモニタリングするためには、感知すべきではない可視光や近赤外光を遮断し、紫外光のみを透過する光学フィルタが求められている。
従来は、ガラス組成を調整することで、所定の波長領域の紫外線を透過する吸収型ガラスを得、該吸収型ガラスを所定の形状に成形して光学フィルタとする技術(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)や、このような吸収型ガラスと干渉膜を組み合わせた光学フィルタ(例えば、特許文献3を参照)とする技術が知られている。
しかし、これらの光学フィルタは所定の紫外線透過特性を得るために、少なくとも1mm以上の厚さを必要としており、このような光学フィルタを搭載する機器の小型化には限界があった。
特開平9−188542号公報 特開2005−314150号公報 特開2006−163046号公報
本発明は上記観点からなされたものであって、装置の小型化に対応可能な薄さを実現するとともに、可視光および近赤外光を十分に遮断しつつ、所定の紫外線透過特性を有する、紫外線透過フィルタの提供を目的とする。
本発明の紫外線透過フィルタは、300nm以下に透過率が50%未満となる吸収波長帯を有する吸収特性を有する樹脂と吸収剤を含有する吸収剤含有吸収層を含む吸収体を有し、入射角0°の光に対する波長250〜1100nmの分光透過率曲線において、下記(A)〜(E)の光学特性を有する。(A)波長280〜400nmの範囲に透過最大波長λTmax(0°)を有する半値全幅が10nm以上の透過波長帯を有する。(B)前記透過最大波長λTmax(0°)における透過率Tmaxが30%以上である。(C)Tmaxを1と規格化したときに、波長400〜1100nmの光に対する平均透過率TAVE(400〜1100)が0.3以下である。(D)Tmaxを1と規格化したときにλTmax(0°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2L)が380〜420nmである。(E)波長425〜1100nmの光に対する最大透過率TMAX(425〜1100)が10%以下である。厚さが0.5mm以下である。
本発明によれば、装置の小型化に対応可能な薄さを実現するとともに、可視光および近赤外光を十分に遮断しつつ、所定の紫外線透過特性を有する、紫外線透過フィルタを提供できる。
一実施形態の紫外線透過フィルタの一例を概略的に示す断面図である。 一実施形態の紫外線透過フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。 一実施形態の紫外線透過フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。 一実施形態の紫外線透過フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。 一実施形態の紫外線透過フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。 一実施形態の紫外線透過フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。 一実施形態の紫外線透過フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。 実施例1で得られた紫外線透過フィルタについて入射角0°と30°の光に対して測定された分光透過率曲線を示す図である。 実施例2で得られた紫外線透過フィルタについて入射角0°と30°の光に対して測定された分光透過率曲線を示す図である。 実施例3で得られた紫外線透過フィルタについて入射角0°と30°の光に対して測定された分光透過率曲線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書において、必要に応じて、紫外線または紫外光を「UV」、近赤外線または近赤外光を「NIR」と略記する。
<UV透過フィルタ>
本発明の一実施形態のUV透過フィルタ(以下、「本フィルタ」ともいう。)は、吸収体を有し、厚さが0.5mm以下であって、入射角0°の光に対する波長250〜1100nmの分光透過率曲線において、以下の(1)〜(3)の光学特性を有する。
(1)波長280〜400nmの範囲に透過最大波長λTmax(0°)を有する半値全幅が10nm以上の透過波長帯を有する。
(2)透過最大波長λTmax(0°)における透過率が30%以上である。
(3)透過最大波長λTmax(0°)における透過率を1と規格化したときに、波長400〜1100nmの光に対する平均透過率が0.3以下である。
透過最大波長λTmax(0°)(以下、単に「λTmax(0°)」で示す。)は、本フィルタに入射角0°で光を入射させて測定される波長250〜1100nmの分光透過率曲線において、透過率が最大値を示す波長を示す。以下、λTmax(0°)を有する透過波長帯の半値全幅を「FWHMmax」で示し、λTmax(0°)における透過率を「Tmax」で示す。
本フィルタは、吸収体上に反射層を備える構成であってもよい。反射層は、後述する所定の反射波長帯を有すればよく、単層や多層の膜から構成できる。反射層は、反射波長帯の設計自由度の観点から、誘電体多層膜から構成されることが好ましい。以降、特に断りが無い限り、誘電体多層膜からなる反射層を単に「反射層」として説明する。また、「吸収体上に反射層を備える」とは、吸収体に接触して反射層が備わる場合に限らず、吸収体と反射層との間に、別の機能層が備わる場合も含む。以下、「・・・上に備える」とは、同様の意味を有する。
本フィルタは、少なくとも1つの吸収体を有する。本フィルタにおける吸収体とは、入射角0°の光に対して波長250〜1100nmの範囲において、少なくともλTmax(0°)に最大吸収波長を有しない吸収波長帯を有する層状の部材をいう。本フィルタは、吸収体を1層有してもよく、2層以上有してもよい。
本フィルタが吸収体を2層以上有する場合、各層は同じ構成であっても異なってもよい。一例を挙げれば、吸収体を2層有する本フィルタにおいて、第1の層を、吸収剤と樹脂(樹脂は吸収特性を有しても、有しなくてもよい)を含む吸収層として、第2の層をそれ自体が吸収特性を有する樹脂やガラス等で形成された吸収層として構成してもよい。この場合、各吸収層において吸収波長帯は同一でも異なってもよい。
また、本フィルタが吸収体として、吸収剤と樹脂を含む吸収層を有する場合、吸収波長帯が異なる2種以上の吸収剤をそれぞれ含有する2層以上の吸収層を組み合わせた構成としてもよい。さらに、吸収体は、吸収波長帯が異なる2種以上の吸収剤を1層の吸収層に含有する構成としてもよい。また、吸収特性を有する樹脂やガラスで形成された吸収層は、それそのものが基板として機能可能である。また、吸収剤と樹脂を含む吸収層についても樹脂の種類や厚さを調整することにより基材として機能させることもできる。なお、本明細書において、「吸収体」と「吸収層」は同じ意味で用いられる。
本フィルタが反射層を備える場合、該反射層は、入射角0°の光に対して波長250〜1100nmの範囲において少なくとも1つの反射波長帯を有する層状の部材で構成される。ただし反射層は、λTmax(0°)を含む反射波長帯を有しない。なお、本フィルタは、反射層を1層有してもよく、2層以上有してもよい。本フィルタが反射層を2層以上有する場合、各層は同じ構成であっても異なってもよい。
本フィルタは、全体の厚さが0.5mm以下であるとともに、上記(1)〜(3)の光学特性を満足する。本フィルタは、吸収層と反射層の両方を有する場合、反射層が主として可視光を反射し、吸収層がNIRと本フィルタの透過波長帯の長波長側、または、透過波長帯の短波長側および長波長側の紫外光を吸収する組み合わせや、反射層が主として可視光およびNIRを反射し、吸収層が本フィルタの透過波長帯の長波長側、または、透過波長帯の短波長側および長波長側の紫外光を吸収する組み合わせが好ましい。
また、本フィルタは、剛性を高める目的等より、透明基材をさらに有してもよい。吸収層と反射層の両方を有する場合、吸収層と反射層は、透明基材の同一主面上に有してもよく、異なる主面上に有してもよい。吸収層と反射層を透明基材の同一主面上に有する場合、これらの積層順は特に限定されない。本フィルタは、さらに、UVにおける透過波長帯の透過率損失を抑制する反射防止層等の他の機能層を有してもよい。本フィルタにおいて、透明基材とは、入射角0°の光に対する波長280〜1100nmの分光透過率曲線において選択的に光を遮蔽する波長帯を有しない光学特性を有する基材をいう。言い換えれば、上記分光透過率曲線の全領域において、所定の透過率、例えば、50%以上を略一定に保持できる基材をいう。透明基材は、波長280〜1100nmの透過率が70%以上あれば好ましく、80%以上あればより好ましく、90%以上あればさらに好ましい。
図1Aは、吸収層11の一方の主面に反射層12を備えたUV透過フィルタ10の構成例である。
図1Bは、2層の吸収層11a、11bと反射層12を有するUV透過フィルタ10において、吸収層11bの一方の主面に吸収層11aを備え、吸収層11bの他方の主面に反射層12を備えた構成例である。この場合、吸収層11bは、例えば剛性を高める基材としての機能を併せ持つ吸収層が好ましい。吸収層11aと吸収層11bの吸収波長帯は同一でも異なってもよい。吸収層11aと吸収層11bの吸収波長帯が異なる例としては以下が挙げられる。例えば、反射層12が主として可視光を反射する場合、吸収層11aと吸収層11bが、各々、NIRを主として吸収するNIR吸収層と近紫外光を主に吸収する近紫外光吸収層としての組合せ、または、近紫外光吸収層とNIR吸収層としての組合せが好ましい。
図1Cは、透明基材13の一方の主面に吸収層11を備え、透明基材13の他方の主面に反射層12を備えたUV透過フィルタ10の構成例である。
図1Dは、図1Bに示すUV透過フィルタ10の吸収層11aの主面上に反射防止層14を備えた構成例である。反射層が設けられず、吸収層が最表面の構成をとる場合、例えば、図1Bに示すUV透過フィルタ10以外に、図1Aや図1Cに示すUV透過フィルタ10にも、吸収層上に反射防止層を設けるとよい。なお、反射防止層は、吸収層の最表面だけでなく、吸収層の側面全体を覆う構成でもよい。その場合、吸収層の防湿効果を高められる。
図1Eは、2層の吸収層11a、11bを有するUV透過フィルタ10において、吸収層11bの一方の主面に吸収層11aを備えた構成例である。図1Fは、1層の吸収層11を有するUV透過フィルタである。図1Gは、透明基材13とその一方の主面に吸収層11を有するUV透過フィルタである。図1Eおよび図1Fには図示しないが、一方または両方の最表面側(空気との界面)に反射防止層を備えてもよい。図1Gには図示しないが、吸収層11の空気との界面に反射防止層を備えてもよい。
図1Eの構成としては、例えば、吸収層11aとして後述するガラス吸収層、吸収層11bとして後述する吸収剤含有吸収層、の組合せが挙げられる。この場合、吸収剤含有吸収層には、例えば、可視光を吸収する吸収剤を1種以上含有させるとよい。図1Fおよび図1Gの吸収層11としては、例えば、後述する吸収剤含有吸収層が挙げられる。この場合、吸収剤含有吸収層には、例えば、可視光を吸収する吸収剤の1種以上とNIRを吸収する吸収剤の1種以上を組み合せて含有させるとよい。図1E〜図1Gに示すUV透過フィルタは反射層を有しない構成であり、入射角により光学特性が変化することはない。
前述のとおり、本フィルタは、上記(1)〜(3)の要件を満たす。
(1)および(2)の要件は、本フィルタがUVの積算透過量を確保するための要件である。波長280〜400nmの範囲に、Tmaxが30%以上であるλTmax(0°)を有し、FWHMmaxが10nm以上の透過波長帯を有することで、UVセンサ等で十分検知可能なUVの透過量が確保できる。なお、FWHMmaxは、20nm以上が好ましく、25nm以上がより好ましい。
λTmax(0°)を有する透過波長帯は、それの長波長側が可視域に及ぶ範囲が狭いことが好ましく可視域に及ばないことがより好ましい。これは、UVセンサ等でUVの正確なモニタリングをするうえで、可視光の感知はとくにノイズの原因となり得るためである。このような観点から、λTmax(0°)は、波長290〜390nmの範囲内が好ましく、波長300〜380nmの範囲内がより好ましい。
同様の観点から、Tmaxを1と規格化したとき、λTmax(0°)より長波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2L)は、波長380〜420nmの範囲内が好ましく、波長380〜410nmの範囲内がより好ましい。さらに、Tmaxを1と規格化したとき、λTmax(0°)より長波長側で透過率が0.3となる波長λ(0°3/10L)は、波長390〜430nmの範囲内が好ましく、波長390〜415nmの範囲内がより好ましい。
また、UVの積算透過量を高める観点からTmaxは、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。同様の観点からFWHMmaxは、60nm以上が好ましく、120nm以上がより好ましい。可視光の短波長側の透過率を抑える観点からFWHMmaxは150nm以下が好ましい。
なお、UV領域のうち透過波長域をより特化して、例えば、波長域が315〜400nmであるUVAに対して感度の高いセンシングを行う場合、FWHMmaxは、10〜85nmが好ましい。この場合のλTmax(0°)は、波長325〜390nmの範囲内が好ましい。同様に例えば、波長域が280〜315nmであるUVBに対して感度の高いセンシングを行う場合にはFWHMmaxは、10〜35nmが好ましい。この場合、λTmax(0°)は、波長290〜305nmの範囲内が好ましい。
また、(3)の要件は、UV領域に比べて可視域からNIR領域において透過量が十分に小さいことを示す。(3)の要件を満たす本フィルタは、UVセンサ等において不要な波長領域の光が十分に遮蔽され高感度のUV検知が可能となる。Tmaxを1と規格化したときに400〜1100nmの光に対する平均透過率(以下、「TAve(400−1100)」と示す。)は、0.3以下であり、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましい。また、TAve(400−1100)の絶対値は、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。さらに、波長400〜1100nmの光に対する最大透過率は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
本フィルタは、入射角依存性を小さくできる理由から、下記(4)を満たすことが好ましく、下記(4)に加え下記(5)の要件も満たすことがより好ましい。
(4)Tmaxを1と規格化したとき、λTmax(0°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2L)と、入射角30°での透過最大波長λTmax(30°)(以下、単に「λTmax(30°)」で示す。)における透過率を1と規格化したときのλTmax(30°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(30°1/2L)と、の差の絶対値は、15nm以下である。
(5)Tmaxを1と規格化したとき、λTmax(0°)よりも短波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2S)と、λTmax(30°)における透過率を1と規格化したときのλTmax(30°)よりも短波長側で透過率が0.5となる波長λ(30°1/2S)と、の差の絶対値は、15nm以下である。
波長λ(0°1/2L)と波長λ(30°1/2L)との差の絶対値は、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、2nm以下がさらに好ましい。また、波長λ(0°1/2S)と波長λ(30°1/2S)との差の絶対値は、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく2nm以下がさらに好ましい。
次に、本フィルタの透明基材、吸収層、反射層および反射防止層について説明する。
[透明基材]
透明基材は、入射角0°の光に対する波長280〜1100nmの分光透過率曲線において、所定の透過率、例えば、50%以上を略一定に保持できる基材であれば、材料は特に制限されない。透明基材の形状は、板状、フィルム状のいずれでもよい。なお、上述のとおり、透明基材は、波長280〜1100nmの分光透過率曲線における透過率は70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
透明基材の厚さは、本フィルタの厚さが0.5mm以下であるため、この要件に適合させるために、0.03〜0.3mmが好ましく、強度および薄型化の点から、0.05〜0.2mmがより好ましい。
透明基材としては、樹脂、ガラス、結晶材料等が使用できる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
上記の樹脂の中でも、熱耐性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が100℃を超える樹脂が好ましく、UV側の透明性の観点からアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂が特に好ましい。
また、透明基材に使用できるガラスとしては、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。透明基材に使用できる結晶材料としては、水晶、フッ化カルシウム、サファイヤ等の複屈折性結晶が挙げられる。
透明基材の光学特性は、吸収層や、吸収層および反射層等を積層して得られる本フィルタとして、前述した光学特性を有するとよい。透明基材は、その主面上に吸収層を積層させるにあたり、その積層面にシランカップリング剤による表面処理を施してもよい。シランカップリング剤による表面処理が施された透明基材を用いることで、吸収層との密着性を高められる。なお、図1Eに示すUV透過フィルタ10として、例えば、ガラス吸収層(11b)と吸収剤含有吸収層(11a)とが隣接して積層される場合でも、その積層面にシランカップリング剤による表面処理を施してもよい。
[吸収層]
吸収層としては、樹脂と吸収剤を含有する吸収剤含有吸収層、それ自体が例えば、250〜1100nmの範囲の分光透過率曲線において透過率50%未満となる帯域を持つ吸収特性を有する、樹脂やガラス等で形成された樹脂吸収層、ガラス吸収層が挙げられる。これらは1層を単独で、または2層以上を組み合わせて使用できる。
(ガラス吸収層)
ガラス吸収層に使用できるガラスとしては、上記吸収体が有する吸光特性を有するガラス(以下、「吸収型ガラス」ともいう)であれば制限なく使用できる。吸収型ガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラス等にCuO等を添加したガラス(以下、これらをまとめて「CuO含有ガラス」ともいう。)、ソーダライムガラス等のアルカリ含有ガラス等が挙げられる。なお、「リン酸塩系ガラス」は、ガラスの骨格の一部がSiOで構成されるケイリン酸塩ガラスも含む。
CuO含有ガラスは、入射角0°の光に対する波長250〜1100nmの分光透過率曲線において、典型的には、近赤外域(700〜1100nm)の光を吸収する能力を有する。アルカリ含有ガラスは、同様の分光透過率曲線において、典型的には、紫外域(300nm以下)の光を吸収する能力を有する。
CuO含有ガラスにおいては、CuO含有量および厚さを調節することで、近赤外域における吸収能を調整できる。CuO含有ガラスとしては、例えば、以下の組成のものが挙げられる。
(G1)質量%表示で、P;46〜70%、AlF;0.2〜20%、LiF+NaF+KF;0〜25%、MgF+CaF+SrF+BaF+PbF;1〜50%、ただし、F;0.5〜32%、O;26〜54%を含む基礎ガラス100質量部に対し、外割でCuO;0.5〜7質量部を含むガラス。
(G2)質量%表示で、P;25〜60%、AlOF;1〜13%、MgO;1〜10%、CaO;1〜16%、BaO;1〜26%、SrO;0〜16%、ZnO;0〜16%、LiO;0〜13%、NaO;0〜10%、KO;0〜11%、CuO;1〜7%、ΣRO(R=Mg、Ca、Sr、Ba);15〜40%、ΣR'O(R'=Li、Na、K);3〜18%(ただし、39%モル量までのO2−イオンがFイオンで置換されている)からなるガラス。
(G3)質量%表示で、P;5〜45%、AlF;1〜35%、RF(RはLi、Na、K);0〜40%、R'F(R'はMg、Ca、Sr、Ba、Pb、Zn);10〜75%、R"F(R"はLa、Y、Cd、Si、B、Zr、Ta、mはR"の原子価に相当する数);0〜15%(ただし、フッ化物総合計量の70%までを酸化物に置換可能)、およびCuO;0.2〜15%を含むガラス。
(G4)カチオン%表示で、P5+;11〜43%、Al3+;1〜29%、Rカチオン(Mg、Ca、Sr、Ba、Pb、Znイオンの合量);14〜50%、R'カチオン(Li、Na、Kイオンの合量);0〜43%、R"カチオン(La、Y、Gd、Si、B、Zr、Taイオンの合量);0〜8%、およびCu2+;0.5〜13%を含み、さらにアニオン%表示でF;17〜80%を含有するガラス。
(G5)カチオン%表示で、P5+;23〜41%、Al3+;4〜16%、Li;11〜40%、Na;3〜13%、R2+(Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合量);12〜53%、およびCu2+;2.6〜4.7%を含み、さらにアニオン%表示でF;25〜48%、およびO2−;52〜75%を含むガラス。
(G6)質量%表示で、P;70〜85%、Al;8〜17%、B;1〜10%、LiO;0〜3%、NaO;0〜5%、KO;0〜5%、ただし、LiO+NaO+KO;0.1〜5%、SiO;0〜3%からなる基礎ガラス100質量部に対し、外割でCuOを0.1〜5質量部含むガラス。
市販品を例示すると、(G1)のガラスとしては、NF−50E、NF−50EX、NF−50T、NF−50TX(旭硝子社製、商品名)等、(G2)のガラスとしては、BG−60、BG−61(以上、ショット社製、商品名)等、(G5)のガラスとしては、CD5000(HOYA社製、商品名)等が挙げられる。
また、上記したCuO含有ガラスは、金属酸化物をさらに含有してもよい。金属酸化物として、例えば、Fe、MoO、WO、CeO、Sb、V等の1種または2種以上を含有するCuO含有ガラスは、紫外域の短波長側、例えば、波長300nm以下に吸収特性を有する。
該金属酸化物の含有量は、上記CuO含有ガラス100質量部に対して、Fe、MoO、WOおよびCeOからなる群から選択される少なくとも1種を、Fe;0.6〜5質量部、MoO;0.5〜5質量部、WO;1〜6質量部、CeO;2.5〜6質量部、またはFeとSbの2種をFe;0.6〜5質量部+Sb;0.1〜5質量部、もしくはVとCeOの2種をV;0.01〜0.5質量部+CeO;1〜6質量部とすることが好ましい。
アルカリ含有ガラスとしては、例えば、アルカリ含有ガラスの基本的な組成に、以下の金属酸化物を添加したガラスが挙げられる。金属酸化物のうち、例えば、酸化鉄は380nm付近に鋭い吸収があり、これを含有するアルカリ含有ガラスにおける360nm以下の透過率は低くなる。酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛が挙げられ、これらの金属酸化物が含まれるアルカリ含有ガラスにおいても酸化鉄の場合と同様の傾向が得られる。
アルカリ含有ガラスの市販品としては、BK7、B270、D263Teco、テンパックス(以上、ショット社製、商品名)、TAFシリーズ、FCDシリーズ(HOYA社製、商品名)等が挙げられる。
ガラス吸収層の厚さは、本フィルタの厚さが0.5mm以下であるので、この要件に適合させるために、0.03〜0.5mmが好ましく、薄型化および強度の点から、0.05〜0.2mmがより好ましい。
ガラス吸収層は吸収層として用いられるとともにそれ自体が基板として機能できる。例えば、CuO含有ガラス吸収層による光の吸収ピークは、典型的には、染料(色素)や顔料等の吸収剤に比べると吸収波長帯の幅が大きく、吸収波長帯と透過波長帯の境界が急峻ではない。このような、ガラス吸収層を吸収層として用いる場合、特に、可視域と紫外域の境界に急峻な吸光特性が求められる場合には、例えば、図1B、図1D、図1Eに示すUV透過フィルタ10のように、吸収層はガラス吸収層と吸収剤含有吸収層の組み合わせが好ましい。
(樹脂吸収層)
樹脂吸収層は、それ自体が本発明における吸収体に定義される吸収特性を有する樹脂により構成される。該吸収特性を有する樹脂としては、例えば、入射角0°の光に対してλTmax(0°)より短波長側に最大吸収波長を有する吸収波長帯を有し、それ以外の波長領域では透明基材を構成する樹脂と同様の透過性を有する樹脂(以下、「透明樹脂」)が挙げられる。さらに、このような樹脂においては、例えば、厚さ0.5mm以下の板状体で測定される光吸収スペクトルにおいて透過率が50%未満となる吸収波長帯が300nm以下にあることが好ましい。
本フィルタにおいては、このような樹脂吸収層と、ガラス吸収層および/または吸収剤含有吸収層を組み合わせてもよい。樹脂吸収層と透明樹脂を用いた吸収剤含有吸収層を組み合わせる場合、樹脂吸収層の樹脂の吸収と吸収剤含有吸収層の吸収剤の吸収の両方が利用でき好ましい。ただし、上記吸収特性を有する樹脂と吸収剤を含有する吸収剤含有吸収層であれば、一層で樹脂および吸収剤の吸収特性を併せもつ吸収層が得られることから、吸収層の薄膜化の観点からは、該構成の吸収剤含有吸収層とすることが好ましい。
(吸収剤含有吸収層)
吸収剤含有吸収層は、典型的には、樹脂中に吸収剤が均一に溶解または分散した層または樹脂基板である。樹脂は層を形成するためのマトリックス成分であり、透明基材として使用可能な樹脂でもよく、透明樹脂を含むそれ自体で樹脂吸収層を構成しうる吸収波長帯を有する樹脂であってもよい。吸収剤の吸光特性を、吸収剤含有吸収層に反映できる樹脂が好ましい。
<吸収剤>
吸収剤としては、上記吸収体の条件を満たす吸収特性を吸収剤含有吸収層に付与できるものであれば制限されない。すなわち、波長250〜1100nmの範囲において本フィルタの透過最大波長λTmax(0°)以外に吸収ピークを有する吸収剤が使用できる。
上記吸収剤としては、例えば、主として可視光を吸収する吸収剤、主としてNIRを吸収する吸収剤、主として近紫外光を吸収する吸収剤(ただし、透過最大波長λTmax(0°)以外に吸収ピークを有する)等が挙げられる。
主として可視光を吸収する吸収剤としては、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、メチン系色素、キノリン系色素、アジン系色素、ジケトピロロピロール(DPP)系色素、クロコニウム系色素、金属錯体、ジインモニウム系色素等の色素が挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いてよい。
主としてNIRを吸収する吸収剤としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール金属錯体系色素、ジイモニウム系色素、ポリメチン系色素、フタリド系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、スクアリリウム系色素等の色素が挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いてよい。
主として近紫外光を吸収する吸収剤としては、オキサゾール系色素、メロシアニン系色素、シアニン系色素、ナフタルイミド系色素、オキサジアゾール系色素、オキサジン系色素、オキサゾリジン系色素、ナフタル酸系色素、スチリル系色素、アントラセン系色素、環状カルボニル系色素、およびトリアゾール系色素等が挙げられる。これらは、透過最大波長λTmax(0°)以外に吸収ピークを有する1種または2種以上を用いてよい。
なお、用いる吸収剤によっては所期の吸収以外の吸収を有するものがある。吸収剤を選択する際には、本フィルタのUV透過を大きく阻害しない程度の吸収剤を適宜選択するとよい。
吸収剤含有吸収層が含有する吸収剤の種類は、UV透過フィルタの他の構成要素を勘案して適宜選択される。例えば、図1A〜図1Dに示すUV透過フィルタにおいては、少なくとも反射層が有する反射波長帯以外の波長帯を吸収する吸収剤が用いられる。図1Eに示すUV透過フィルタにおいて、ガラス吸収層と吸収剤含有吸収層を積層する場合の、吸収剤含有吸収層が含有する吸収剤としては、主として可視光を吸収する吸収剤が用いられる。
また、例えば、図1F、図1Gに示すUV透過フィルタにおける吸収層が、吸収剤含有吸収層で構成される場合、吸収剤は、主として可視光を吸収する吸収剤と主としてNIRを吸収する吸収剤を組み合わせて用いるとよい。さらに、主として近紫外光を吸収する吸収剤を用いてもよい。
この場合、吸収剤は、例えば、波長250〜1100の光吸収スペクトルにおける樹脂中の最大吸収波長がそれぞれ、400nm以上500nm未満の範囲にある吸収剤(D1)、500nm以上600nm未満の範囲にある吸収剤(D2)、600nm以上700nm未満の範囲にある吸収剤(D3)、700nm以上800nm未満の範囲にある吸収剤(D4)、800nm以上900nm未満の範囲にある吸収剤(D5)、900nm以上1100nmの範囲にある吸収剤(D6)を組み合わせることが好ましい。吸収剤(D1)〜吸収剤(D6)の各吸収剤において、吸収剤は1種または2種以上を用いてもよい。
吸収剤(D1)としては、アゾ系色素、メロシアニン系色素、クマリン系色素が好ましい。吸収剤(D2)としては、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、オキソノール系色素、スチリル系色素が好ましい。吸収剤(D3)としては、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素が好ましい。吸収剤(D4)としては、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素が好ましい。吸収剤(D5)としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素が好ましい。吸収剤(D6)としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ジインモニウム系色素、クロコニウム系色素、DPP系色素、Ni錯体系色素が好ましい。
吸収剤(D1)〜吸収剤(D6)は、それぞれ市販品を用いてもよく、上に例示した各色素において、公知の方法により、その骨格を有する化合物に最大吸収波長が所望の波長範囲となるように選択された置換基を導入することにより合成した色素を用いてもよい。
ここで、本フィルタに用いる吸収剤は、以下の理由により、吸収剤含有吸収層とした際に、可視域と紫外域の境界に急峻な吸光特性を有する吸収ピークが得られる吸収剤を含むことが好ましい。
本フィルタにおいて、UV透過波長帯以外の波長域の光の透過率はできる限り小さいことが好ましい。特に、高感度でUVのモニタリングをする際に可視光の感知はノイズの原因となり得るため、紫外域と可視域の境界の透過率変化は急峻であることが好ましい。例えばCuO含有ガラスでは、上記のとおり吸収波長帯と透過波長帯の境界が急峻な吸収ピークを得難いことから、本フィルタに上記特性を付与する際には、上記吸光特性を有する吸収剤の使用が好ましい。また、誘電体多層膜による反射層で該特性を得ようとしても、光の入射角度により反射波長帯がシフトするため、入射角依存性を抑制するためには上記吸光特性を有する吸収剤の使用が好ましい。
上記観点から吸収剤含有吸収層は、具体的には、以下の(iv−1)を満たす吸収剤(以下、吸収剤(U)ともいう)を含有することが好ましい。以下、特に断りのない限り、吸収剤の光学特性をいう場合、入射角0°における光学特性である。
(iv−1)ジクロロメタンに溶解して測定される波長280〜800nmの光吸収スペクトルにおいて、波長300〜420nmの範囲に吸収最大波長λmax(UV)を有する。
吸収剤(U)は、さらに、以下の(iv−2)を満たすことが好ましい。
(iv−2)ジクロロメタンに溶解して測定される分光透過率曲線において、吸収最大波長λmax(UV)における透過率を10%としたとき、吸収最大波長λmax(UV)と、吸収最大波長λmax(UV)より短波長で透過率が50%となる波長λs50との差λmax(UV)−λs50が60nm以下である。
(iv−1)を満たす吸収剤(U)のうち、(iv−2)を満たす吸収剤を吸収剤(U1)という。以下、吸収剤(U1)をジクロロメタンに溶解して測定される分光透過率曲線において得られる吸収最大波長λmax(UV)を、単に「λmax(UV)」で示す。λmax(UV)における透過率を10%としたとき、λmax(UV)より短波長で透過率が50%となる波長λs50を単に「λs50」で示す。
また、吸収剤(U1)について、ジクロロメタンに溶解して測定される分光透過率曲線においてλmax(UV)における透過率を10%としたとき、λmax(UV)より短波長で透過率が、70%となる波長を「λs70」、80%となる波長を「λs80」、90%となる波長を「λs90」でそれぞれ示す。吸収剤(U1)は、(iv−2)に加えて、λmax(UV)とλs70、λs80、λs90が以下の関係を満たすことがより好ましい。
λmax(UV)−λs70≦70nm
λmax(UV)−λs80≦75nm
λmax(UV)−λs90≦80nm
(iv−1)を満たす吸収剤(U)の吸収最大波長は、透明樹脂中においても大きく変化しない。すなわち、(iv−1)を満たす吸収剤(U)を透明樹脂に溶解または分散して得られる吸収剤含有吸収層においても、入射角0°で測定される波長280〜800nmの光吸収スペクトルにおける吸収最大波長λmax・P(UV)が、概ね波長300〜420nm内に存在するため、好ましい。
吸収剤(U1)は、透明樹脂に含まれる場合にも優れた急峻性を示す。すなわち、吸収剤(U1)は、該吸収剤(U1)を透明樹脂に溶解または分散して得られる吸収剤含有吸収層においても、吸収最大波長λmax・P(UV)における透過率を10%としたとき、吸収最大波長λmax・P(UV)と、吸収最大波長λmax・P(UV)より短波長で透過率が50%となる波長λs50・Pとの差λmax・P(UV)−λs50・Pが概ね60nm以下でありジクロロメタン中と同等の急峻性を示し、好ましい。
吸収剤(U1)を使用すれば、本フィルタにおいて、例えば、Tmaxを1と規格化したとき、λTmax(0°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2L)を、容易に波長380〜420nmの範囲内にできる。また、それにより(3)の要件の達成に貢献できる。
吸収剤(U)を含有する吸収剤含有吸収層を備える場合、本フィルタは、吸収剤含有吸収層の吸収最大波長λmax・P(UV)における入射角0°における透過率が30%以下であることが好ましい。該透過率が30%以下であれば、可視光の短波長側の光を十分に遮蔽でき、本フィルタにおける(3)の要件を達成しやすい。吸収剤含有吸収層の吸収最大波長λmax・P(UV)における本フィルタの透過率は、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。
吸収剤(U1)の具体例としては、(iv−1)および(iv−2)を満たす、オキサゾール系色素、メロシアニン系色素、シアニン系色素、ナフタルイミド系色素、オキサジアゾール系色素、オキサジン系色素、オキサゾリジン系色素、ナフタル酸系色素、スチリル系色素、アントラセン系色素、環状カルボニル系色素、およびトリアゾール系色素等が挙げられる。
吸収剤(U1)の市販品としては、例えば、オキサゾール系として、Uvitex(登録商標)OB(Ciba社製 商品名)、Hakkol(登録商標)RF−K(昭和化学工業(株)製、商品名)、Nikkafluor EFS、Nikkafluor SB−conc(以上、いずれも日本化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。メロシアニン系として、S0511、S0512(Few Chemicals社製、商品名)等が挙げられる。シアニン系として、SMP370、SMP416(以上、いずれも(株)林原製、商品名)等が挙げられる。ナフタルイミド系として、Lumogen(登録商標)F violet570(BASF社製、商品名)等が挙げられる。また、SMP471((株)林原製、商品名)等も使用できる。
吸収剤(U1)として、式(N)で示される色素も挙げられる。なお、本明細書中、特に断らない限り、式(N)で表される色素を色素(N)と記す。他の式で表される色素も同様に記す。また、式(1n)で表される基を基(1n)と記す。他の式で表される基も同様に記す。
Figure 2022000704
式(N)中、R18は、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。具体的には、直鎖状または分枝状のアルキル基、アルケニル基、飽和環状炭化水素基、アリール基、アルアリール基等が挙げられる。また、式(N)中、R19は、それぞれ独立に、シアノ基、または式(n)で示される基である。
−COOR30 ・・・(n)
式(n)中、R30は、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。具体的には、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、アルケニル基、飽和環状炭化水素基、アリール基、アルアリール基等が挙げられる。
色素(N)中のR18としては、式(1n)〜(4n)で示される基が中でも好ましい。また、色素(N)中のR19としては、式(5n)で示される基が中でも好ましい。
Figure 2022000704
色素(N)の具体例としては、表1に示す構成の色素(N−1)〜(N−4)が例示できる。なお、表1におけるR18およびR19の具体的な構造は、式(1n)〜(5n)に対応する。表1には対応する色素略号も示した。なお、色素(N−1)〜(N−4)において、2個存在するR18は同じであり、R19も同様である。
Figure 2022000704
以上例示した吸収剤(U1)の中でも、オキサゾール系、メロシアニン系の色素が好ましく、その市販品としては、例えば、Uvitex(登録商標)OB、Hakkol(登録商標)RF−K、S0511が挙げられる。吸収剤(U1)としては、特に、式(M)で示されるメロシアニン系色素が好ましい。
Figure 2022000704
式(M)中、Yは、1個の炭素原子にQおよびQが結合したメチレン基または酸素原子を示す。ここで、QおよびQは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を表す。QおよびQは、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基が好ましく、いずれも水素原子であるか、少なくとも一方が水素原子で他方が炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。特に好ましくは、QおよびQはいずれも水素原子である。
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。有してもよい置換基が炭化水素基である場合の1価の炭化水素基としては、水素原子の一部が脂肪族環、芳香族環もしくはアルケニル基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、水素原子の一部が芳香族環、アルキル基もしくはアルケニル基で置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、および水素原子の一部が脂肪族環、アルキル基もしくはアルケニル基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基が好ましい。Qが無置換のアルキル基である場合、そのアルキル基は直鎖状であっても、分岐状であってもよく、その炭素数は1〜6がより好ましい。
水素原子の一部が脂肪族環、芳香族環もしくはアルケニル基で置換された炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、フェニル基で置換された炭素数1または2のアルキル基が特に好ましい。なお、アルケニル基で置換されたアルキル基とは、全体としてアルケニル基であるが1、2位間に不飽和結合を有しないものを意味し、例えばアリル基や3−ブテニル基等をいう。
炭化水素基以外の置換基を有する炭化水素基としては、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基または塩素原子を1個以上有する炭化水素基が好ましい。これらアルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基およびジアルキルアミノ基の炭素数は1〜6が好ましい。
好ましいQは、水素原子の一部がシクロアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。特に好ましいQは炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
〜Qは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を表す。アルキル基およびアルコキシ基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。QおよびQは、少なくとも一方が、アルキル基が好ましく、いずれもアルキル基がより好ましい。QまたはQがアルキル基でない場合は、水素原子がより好ましい。QおよびQは、いずれも炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。QおよびQは、少なくとも一方が、水素原子が好ましく、いずれも水素原子がより好ましい。QまたはQが水素原子でない場合は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
Zは、式(Z1)〜(Z5)で表される2価の基のいずれかを表す。
Figure 2022000704
式(Z1)において、QおよびQは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。QおよびQは、異なる基であってもよいが、同一の基が好ましい。
有してもよい置換基が炭化水素基である場合の1価の炭化水素基としては、水素原子の一部が脂肪族環、芳香族環もしくはアルケニル基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、水素原子の一部が芳香族環、アルキル基もしくはアルケニル基で置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、および、水素原子の一部が脂肪族環、アルキル基もしくはアルケニル基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
およびQが無置換のアルキル基である場合、そのアルキル基は直鎖状であっても、分岐状であってもよく、その炭素数は1〜6がより好ましい。水素原子の一部が脂肪族環、芳香族環もしくはアルケニル基で置換された炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、フェニル基で置換された炭素数1または2のアルキル基が特に好ましい。なお、アルケニル基で置換されたアルキル基とは、全体としてアルケニル基であるが1、2位間に不飽和結合を有しないものを意味し、例えばアリル基や3−ブテニル基等をいう。
炭化水素基以外の置換基を有する1価の炭化水素基としては、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基または塩素原子を1個以上有する炭化水素基が好ましい。これらアルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基およびジアルキルアミノ基の炭素数は1〜6が好ましい。
好ましいQおよびQは、いずれも、水素原子の一部がシクロアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。特に好ましいQおよびQは、いずれも、炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
式(Z2)〜(Z4)において、Q10〜Q19は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基は、前記Q、Qと同様の炭化水素基である。置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、置換基を有しない炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
10とQ11は、いずれも、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、それらは同一のアルキル基が特に好ましい。Q12、Q15は、いずれも水素原子であるか、置換基を有しない炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。同じ炭素原子に結合した2つの基(Q13とQ14、Q16とQ17、Q18とQ19)は、いずれも水素原子であるか、いずれも炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
色素(M)としては、Yが酸素原子であり、Zが基(Z1)または基(Z2)である化合物、および、Yが、1個の炭素原子にQおよびQが結合したメチレン基であり、Zが基(Z1)または基(Z5)である化合物が好ましい。
Yが酸素原子であり、Zが基(Z1)または基(Z2)である場合の色素(M)としては、Qが炭素数1〜6のアルキル基、QとQがいずれも水素原子であるかいずれも炭素数炭素数1〜6のアルキル基、Q、Qがいずれも水素原子ある、色素(M)がより好ましい。特に、Qが炭素数1〜6のアルキル基、QとQがいずれも炭素数1〜6のアルキル基、Q、Qがいずれも水素原子ある、色素(M)が好ましい。
Yが、1個の炭素原子にQおよびQが結合したメチレン基であり、Zが基(Z1)または基(Z5)である色素(M)としては、Qが炭素数1〜6のアルキル基、QとQがいずれも水素原子であるかいずれも炭素数1〜6のアルキル基、Q〜Qがいずれも水素原子ある、色素(M)が好ましく、Qが炭素数1〜6のアルキル基、Q〜Qがいずれも水素原子ある、色素(M)がより好ましい。色素(M)としては、Yが酸素原子であり、Zが基(Z1)または基(Z2)である化合物が好ましく、Yが酸素原子であり、Zが基(Z1)である化合物が特に好ましい。
色素(M)の具体例としては、式(M−1)〜(M−11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022000704
Figure 2022000704
また、吸収剤(U1)として、Exiton社製のABS407、QCR Solutions Corp.社製のUV381A、UV381B、UV382A、UV386A、VIS404A、HW Sand社製のADA1225、ADA3209、ADA3216、ADA3217、ADA3218、ADA3230、ADA5205、ADA2055、ADA6798、ADA3102、ADA3204、ADA3210、ADA2041、ADA3201、ADA3202、ADA3215、ADA3219、ADA3225、ADA3232、ADA4160、ADA5278、ADA5762、ADA6826、ADA7226、ADA4634、ADA3213、ADA3227、ADA5922、ADA5950、ADA6752、ADA7130、ADA8212、ADA2984、ADA2999、ADA3220、ADA3228、ADA3235、ADA3240、ADA3211、ADA3221、ADA5220、ADA7158、CRYSTALYN社製のDLS381B、DLS381C、DLS382A、DLS386A、DLS404A、DLS405A、DLS405C、DLS403A等を用いてもよい。
上に例示した吸収剤(U1)として用いられる各化合物のうち、本発明に好ましく用いられる化合物の、製品名、名称、または式番号とジクロロメタンに溶解して測定されるλmax(UV)、λs50、λs70、λs80、およびλs90ならびに、λmax(UV)と、λs50、λs70、λs80、およびλs90の差をそれぞれ表2に示す。
Figure 2022000704
本実施形態においては、吸収剤(U1)として、上記の吸光特性を有する複数の化合物から選ばれる1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
吸収剤は、好ましくは吸収剤(U)の1種または2種以上を、より好ましくは吸収剤(U1)の1種または2種以上を含有する。なお、吸収剤は、本効果を損なわない範囲で必要に応じて、吸収剤(U)以外のその他の吸収剤を含有してもよい。
<樹脂>
吸収剤含有吸収層に用いられる樹脂は、上記透明基材として使用可能な樹脂や透明樹脂が好ましい。または、同一の吸収剤を用いて得られる吸収剤含有吸収層を本フィルタに適用した場合、透明樹脂を使用した場合と同様のUV透過波長帯が得られる樹脂であれば、上記透明基材として使用可能な樹脂や透明樹脂と同様に好ましく使用できる。このような樹脂と上記透明基材として使用可能な樹脂および透明樹脂を合わせて以下、「樹脂(B)」という。
樹脂(B)として、具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、およびポリエステル樹脂が挙げられる。樹脂(B)としては、これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記の中でも、樹脂(B)に対する吸収剤の溶解性および耐熱性の観点から、樹脂(B)は、ガラス転移温度(Tg)の高い樹脂が好ましい。樹脂(B)のTgは具体的には140℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。
Tgが高い樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる1種以上が好ましい。さらに、樹脂(B)は、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上がより好ましく、ポリイミド樹脂が特に好ましい。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等が好ましい。
樹脂(B)としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、アクリル樹脂として、オグソール(登録商標)EA−F5003(大阪ガスケミカル(株)製、商品名)、ポリメチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート(以上、いずれも東京化成工業(株)製、商品名)、BR50(三菱レイヨン(株)製、商品名)等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂として、OKP4HT、OKP4、B−OKP2、OKP−850(以上、いずれも大坂ガスケミカル(株)製、商品名)、バイロン(登録商標)103(東洋紡(株)製、商品名)等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂として、LeXan(登録商標)ML9103(sabic社製、商品名)、EP5000(三菱ガス化学(株)社製、商品名)、SP3810(帝人化成(株)製、商品名)、SP1516(帝人化成(株)製、商品名)、TS2020(帝人化成(株)製、商品名)、xylex(登録商標)7507(sabic社製、商品名)等が挙げられる。環状オレフィン樹脂として、ARTON(登録商標)(JSR(株)製、商品名)、ZEONEX(登録商標)(日本ゼオン(株)製、商品名)等が挙げられる。
ポリイミド樹脂として、ネオプリム(登録商標)C3G30(三菱ガス化学(株)製、商品名)、同C3450(三菱ガス化学(株)製、商品名)、JL−20(新日本理化製、商品名)(これらのポリイミド樹脂には、シリカが含まれていてもよい)等が挙げられる。
吸収剤含有吸収層は、本発明の効果を損なわない範囲で各種任意成分を含有してもよい。任意成分としては、例えば、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、1重項酸素クエンチャー等が挙げられる。
<吸収剤含有吸収層の製造方法>
吸収剤含有吸収層は、例えば、吸収剤と樹脂(B)または樹脂(B)の原料成分とを、溶媒に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材に塗工し乾燥・硬化させて形成できる。基材は、本フィルタの構成部材として適用可能な透明基材、ガラス吸収層、樹脂吸収層(以下、「透明基材等」)であってもよく吸収剤含有吸収層を形成する際にのみ使用する、例えば剥離性の基材でもよい。なお、本フィルタが構成部材として透明基材等を含む場合でも、剥離性の支持基材を使用でき、ガラス板や、離型処理されたプラスチックフィルム、ステンレス鋼板等が使用できる。
溶媒としては、特に限定されず、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、エステル類、クロロホルム、脂肪族ハロゲン化炭化水素類、脂肪族炭化水素類、フッ素系溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で、または2種以上を混合して使用できる。なお、本明細書において「溶媒」の用語は、分散媒および溶媒の両方を含む概念で用いられる。
また、塗工液は、界面活性剤を含有させることにより、外観、特に、微小な泡によるボイド、異物等の付着による凹み、乾燥工程でのはじきを改善できる。界面活性剤は、特に限定されず、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の公知のものを任意に使用できる。
塗工液の塗工には、浸漬コーティング法、キャストコーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、インクジェット法、またはコンマコーター法等のコーティング法を使用できる。その他、バーコーター法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等も使用できる。
また、吸収剤含有吸収層は、押出成形によりフィルム状にも製造可能であり、さらに、複数のフィルムを積層し熱圧着等により一体化させてもよい。本フィルタが構成部材として透明基材等を含む場合、吸収剤含有吸収層を透明基材等の上に貼着してもよい。
吸収剤含有吸収層の厚さは、UV透過フィルタ全体の厚さが0.5mm以下となれば、とくに制限されない。例えば、図1Fのような吸収剤含有吸収層11が主構成のUV透過フィルタの場合、吸収剤含有吸収層11と不図示の反射防止層で構成できるので、吸収剤含有吸収層11そのものの厚さは、0.5mm未満であればよく、例えば0.45mm以下としてもよい。
さらに、吸収剤含有吸収層が他の構成部材とともに本フィルタを構成する場合、吸収剤含有吸収層の厚さは、0.1〜100μmが好ましい。吸収剤含有吸収層が複数の吸収層からなる場合、各吸収層の合計の厚さが0.1〜100μmであればよい。厚さが0.1μm未満では、所望の光学特性を十分に発現できないおそれがあり、厚さが100μm超では層の平坦性が低下し、吸収率に面内のバラツキが生じるおそれがある。吸収剤含有吸収層の厚さは、0.3〜50μmがより好ましい。また、反射防止層等の他の機能層を備えた場合、その材質によっては、吸収剤含有吸収層の厚さが厚すぎると割れ等が生じるおそれがある。このような観点から、吸収剤含有吸収層の厚さは、0.3〜10μmが好ましい。
[反射層]
反射層は、好ましくは、誘電体多層膜からなり、入射角0°の光に対して波長250〜1100nmの範囲において、λTmax(0°)を除く少なくとも1つの反射波長帯を有すればよい。反射層は、例えば上記吸収層と相補的に機能することにより、入射角0°の光に対して波長250〜1100nmの範囲で本フィルタにおけるUV透過波長帯の波長域以外の全域の光を遮蔽できる。これにより、本フィルタの特に(3)の要件を満足しやすくなる。
本フィルタが反射層を有する場合、反射層と吸収層のいずれの層が、上記遮蔽が必要とされる波長域のどの波長域を分担しても、全体として必要とされる波長域の光が、必要な程度に遮蔽できれば、各層が遮蔽する波長域は特に制限されない。各層の吸光特性、設計のし易さ、入射角依存性等を勘案すれば、反射層が主として可視光を反射し、吸収層がNIRと近紫外光を吸収する組み合わせ、反射層が主として可視光およびNIRを反射し、吸収層が近紫外光を吸収する組み合わせが好ましい。
このような観点から、吸収層がNIRと近紫外光を吸収し、反射層が主として可視光を反射する構成の場合、反射層は波長470〜520nmの光の最大透過率TMAX(470〜520)が10%以下であれば好ましく、5%以下であればより好ましい。また、反射層は、波長470〜520nmの光の平均透過率TAVE(470〜520)が2%以下であれば好ましく、1%以下であればより好ましい。
また、反射層は、波長425〜530nmの光の最大透過率TMAX(425〜530)が10%以下であれば好ましく、5%以下であればより好ましい。また、反射層は、波長425〜530nmの光の平均透過率TAVE(425〜530)が、5%以下が好ましく、2%以下であればより好ましく、1%以下であればさらに好ましい。
さらに、反射層は、波長425〜745nmの光の最大透過率TMAX(425〜745)が10%以下であれば好ましく、5%以下であればより好ましい。また、反射層は、波長425〜745nmの光の平均透過率TAVE(425〜745)が2%以下であれば好ましく、1%以下であればより好ましい。
このような構成例としては、例えば、図1Bに示すUV透過フィルタ10において、吸収層11bがCuO含有ガラスからなるガラス吸収層、吸収層11aが吸収剤(U)、好ましくは吸収剤(U1)と樹脂(B)を含有する吸収剤含有吸収層、反射層12が上記反射特性を有する反射層、である組み合わせが挙げられる。また、例えば、図1Cに示すUV透過フィルタ10において、透明基材13の、一方の主面上に吸収剤(U)、好ましくは吸収剤(U1)およびNIRを主として吸収する吸収剤と樹脂(B)を含有する吸収剤含有吸収層である吸収層11、および他方の主面上に上記反射特性を有する反射層12を備える組み合わせが挙げられる。
また、反射層が主として可視光およびNIRを反射する構成の場合、波長800〜1000nmの光の最大透過率TMAX(800〜1000)が15%以下であれば好ましく、10%以下であればより好ましい。また、波長800〜1000nmの光の平均透過率TAVE(800〜1000)が10%以下であるのが好ましく、5%以下であればより好ましい。
また、波長750〜1050nmの光の最大透過率TMAX(750〜1050)が15%以下であれば好ましく、10%以下であればより好ましい。また、波長750〜1050nmの光の平均透過率TAVE(750〜1050)が10%以下であれば好ましく、5%以下であればより好ましい。
さらに、波長425〜1100nmの光の最大透過率TMAX(425〜1100)が15%以下であれば好ましく、10%以下であればより好ましい。また、波長425〜1100nmの光の平均透過率TAVE(425〜1100)が10%以下であれば好ましく、5%以下であればより好ましい。
また、波長425〜530nmの光の最大透過率TMAX(425〜530)が10%以下であれば好ましく、5%以下であればより好ましい。また、波長425〜530nmの光の平均透過率TAVE(425〜530)が、5%以下が好ましく、2%以下であればより好ましく、1%以下であればさらに好ましい。
このような構成例としては、例えば、図1Cに示すUV透過フィルタ10において、透明基材13の、一方の主面上に吸収剤(U)、好ましくは吸収剤(U1)と樹脂(B)を含有する吸収剤含有吸収層である吸収層11、および他方の主面上に上記反射特性を有する反射層12を備える組み合わせが挙げられる。
本フィルタが反射層を有する場合、反射層は、吸収層の光学特性によらず、波長425〜530nmの光の平均透過率TAVE(425〜530)が、5%以下が好ましく、2%以下であればより好ましく、1%以下であればさらに好ましい。
また、反射層を構成する誘電体多層膜を適切に設計することにより、本フィルタは、上記(4)の要件、さらに、上記(4)および(5)の要件を満たすことが可能となり、入射角依存性の少ないUV透過フィルタが得られる。
反射層は、低屈折率材料からなる誘電体膜(低屈折率膜)と高屈折率材料からなる誘電体膜(高屈折率膜)とを交互に積層した誘電体多層膜から構成される。上記反射特性を有する誘電体多層膜は、それぞれ、求められる光学特性に応じて、その具体的な層数や膜厚、および使用する高屈折率材料および低屈折率材料の屈折率を、従来の手法を用いて設計できる。さらに、誘電体多層膜は、該設計のとおりに製造できる。
高屈折率膜は、好ましくは、屈折率が1.6以上であり、より好ましくは2.2〜2.5である。高屈折率材料としては、例えばTa、TiO、Nbが挙げられる。これらのうち、成膜性、屈折率等における再現性、安定性等の点から、Ta、TiOが好ましく、Taがより好ましい。
一方、低屈折率膜は、好ましくは、屈折率1.6未満であり、より好ましくは1.45以上1.55未満である。低屈折率材料としては、例えばSiO、SiO等が挙げられる。成膜性における再現性、安定性、経済性等の点から、SiOが好ましい。
さらに、反射層は、透過域と遮光域の境界波長領域で透過率が急峻に変化することが好ましい。この目的のためには、反射層を構成する誘電体多層膜の合計積層数は、15層以上が好ましく、25層以上がより好ましく、30層以上がさらに好ましい。ただし、合計積層数が多くなると、反り等が発生したり、膜厚が増加したりするため、合計積層数は120層以下が好ましく、75層以下がより好ましく、60層以下がより一層好ましい。また、誘電体多層膜の膜厚は、2〜10μmが好ましい。
誘電体多層膜の合計積層数や膜厚が上記範囲内であれば、反射層は小型化の要件を満たし、高い生産性を維持しながら入射角依存性の程度を上記範囲内にできる。また、誘電体多層膜の形成には、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等の真空成膜プロセスや、スプレー法、ディップ法等の湿式成膜プロセス等を使用できる。
反射層は、単層(1群の誘電体多層膜)で所定の光学特性を与えたり、複数層で所定の光学特性を与えたりしてもよい。複数層設ける場合、例えば、透明基材等の一方の主面側に設けてもよく、透明基材等を挟んでその両主面側に設けてもよい。
なお、本明細書において、特定の波長域について、透過率が例えば90%以上とは、その全波長領域において透過率が90%を下回らないことをいい、同様に透過率が例えば1%以下とは、その全波長領域において透過率が1%を超えないことをいう。
[反射防止層]
反射防止層としては、誘電体多層膜や中間屈折率媒体、屈折率が漸次的に変化するモスアイ構造などが挙げられる。中でも光学的効率、生産性の観点から誘電体多層膜が好ましい。反射防止層は、反射層と同様に低屈折率膜と高屈折率膜を交互に積層して得られる。反射防止層の膜厚は、0.1〜1μmが好ましい。
本フィルタは、他の構成要素として、例えば、特定の波長域の光の透過と吸収を制御する無機微粒子等による吸収を与える構成要素(層)などを備えてもよい。無機微粒子の具体例としては、ITO(Indium Tin Oxides)、ATO(Antimony-doped Tin Oxides)、タングステン酸セシウム、ホウ化ランタン等が挙げられる。
本フィルタの厚さは、0.5mm以下であり、0.3mm以下が装置の小型化、軽量化のために好ましく、0.1mm以下がより好ましい。一方、強度を維持する観点から本フィルタの厚さは、0.05mm以上が好ましい。
本フィルタは、装置の小型化に対応可能な板厚の薄さを有するとともに、可視光および近赤外光を十分に遮断しつつ、所定のUV透過特性を有する、UV透過フィルタであり、UVセンサ、UVカメラ等に使用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の各例における各構成部材およびUV透過フィルタの光学特性の測定は、全て日立ハイテクサイエンス製分光光度計U4100を用いて行った。
[例1]
図1Dと同様の断面図を有するUV透過フィルタAを作製した。
(反射層としての可視光反射性の誘電体多層膜の成膜)
厚さ0.3mmの旭硝子製フツリン酸ガラス基板、NF−50EX(以下、「吸収ガラス基板A」という。)を超音波洗浄機で洗浄した。洗浄した吸収ガラス基板Aについて、入射角0°で波長250〜1100nmの分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルは、吸収ガラス基板Aが波長800〜1000nmのNIR領域および波長250〜310nmのUV領域に吸収波長帯を有することを示していた。
上記で得られた洗浄した吸収ガラス基板Aの一方の主面上に、各層について表3に示す膜材料および膜厚となるように、層番号1から成膜して合計44層(合計層厚さ:3470nm)の、反射層としての可視光反射性の誘電体多層膜(以下、「誘電体多層膜R」という。)を成膜した。
また同時に、上記誘電体多層膜Rの透過率測定用の検体として、波長300〜400nmの光に対するNF−50EXと屈折率の差が0.1以下のSchott製、ホウケイ酸ガラスD263ガラス基板上にも、上記と同様の誘電体多層膜Rを成膜した。
上記で得られた透過率測定用の検体について、波長250〜1100nmにおける入射角0°の分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルから誘電体多層膜Rの透過スペクトルを算出した。誘電体多層膜Rの透過スペクトルから、波長425〜745nmの光の最大透過率TMAX(425〜745)を求めたところ4.31%、平均透過率TAVE(425〜745)を求めたところ0.83%であった。また、波長425〜530nmの光の最大透過率TMAX(425〜530)を求めたところ1.60%、平均透過率TAVE(425〜530)を求めたところ0.22%であった。
Figure 2022000704
(吸収剤含有吸収層の成膜)
吸収剤(U1)として、表2に吸収特性を示すS0512を、樹脂100質量部に対して7質量部となるようにポリイミド樹脂(C3G30)の10質量%シクロヘキサノン溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。
得られた塗工液を、上記で得られた誘電体多層膜Rを有する吸収ガラス基板Aの誘電体多層膜Rを有しない主面上にギャップ30μmのアプリケーターを用いてダイコート法により塗布し、100℃で5分間加熱乾燥させ、膜厚1.1μmの、吸収剤含有吸収層に相当する近紫外線吸収層Aを形成して、誘電体多層膜R、吸収ガラス基板A、近紫外線吸収層Aの順に積層された積層体を得た。
同様にして吸収ガラス基板A上に近紫外線吸収層Aのみを有する検体を作製し、波長250〜1100nmにおける入射角0°の分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルから吸収ガラス基板Aの透過スペクトルを差し引いて近紫外線吸収層Aの透過スペクトルを得た。得られた透過スペクトルは、λmax・P(UV)は414nmであり、λmax・P(UV)−λs50・Pは414−372=42nmの吸収ピークを有していた。
(反射防止層の成膜)
上記で得られた積層体の近紫外線吸収層Aの上に、各層において表4に示す膜材料、膜厚となるように、層番号1から合計6層(合計層厚さ:139nm)の、紫外光に対する反射防止層(以下、「誘電体多層膜AR」という。)を成膜した。このようにして、例1のUV透過フィルタAを得た。
図1Dに示すUV透過フィルタ10において、反射層12が誘電体多層膜Rに、吸収層11bが吸収ガラス基板Aに、吸収層11aが近紫外線吸収層Aに、反射防止層14が誘電体多層膜ARに相当する。
Figure 2022000704
得られたUV透過フィルタAの波長250〜1100nmにおける入射角0°および30°の分光透過率を測定した。透過スペクトルを図2に示す。実線が0°の、破線が30°の透過スペクトルである。透過スペクトルから得られたUV透過フィルタAの光学特性を、他の例と合わせて表8に示す。
[例2]
図1Cに断面図を示すUV透過フィルタ10の吸収層11上に、図1Cでは不図示の反射防止層が形成された構成のUV透過フィルタBを作製した。
(反射層としての可視光およびNIR反射性の誘電体多層膜の成膜)
厚さ0.21mmのSchott製、ホウケイ酸ガラスD263ガラス基板(以下、「透明ガラス基板B」という。)を、超音波洗浄機で10分間洗浄した。洗浄した透明ガラス基板Bについて、入射角0°で波長250〜1100nmの分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルによれば、透明ガラス基板Bの波長250〜1100nmの全領域における透過率は、90%以上で略一定であった。
上記で得られた洗浄した透明ガラス基板Bの一方の主面上に、表5に示す膜材料および膜厚となるように、層番号1から成膜して合計104層(合計層厚さ:7084nm)の、反射層としての可視光からNIR反射性の誘電体多層膜(以下、「誘電体多層膜R2」という。)を成膜した。
上記で得られた誘電体多層膜R2付き透明ガラス基板Bについて、波長250〜1100nmにおける入射角0°の分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルから誘電体多層膜R2の透過スペクトルを算出した。誘電体多層膜R2の透過スペクトルから、波長425〜1100nmの光の最大透過率TMAX(425〜1100)を求めたところ9.94%、平均透過率TAVE(425〜1100)を求めたところ2.43%であった。また、波長425〜530nmの光の最大透過率TMAX(425〜530)を求めたところ4.97%、平均透過率TAVE(425〜530)を求めたところ0.94%であった。
Figure 2022000704
(吸収剤含有吸収層の成膜)
吸収剤(U1)として、表2に吸収特性を示すS0512を、樹脂100質量部に対して7質量部となるようにポリイミド樹脂(C3G30)の10質量%シクロヘキサノン溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。
得られた塗工液を、上記で得られた誘電体多層膜R2を有する透明ガラス基板Bの誘電体多層膜R2を有しない主面上にギャップ30μmのアプリケーターを用いてダイコート法により塗布し、100℃で5分間加熱乾燥させ、膜厚3μmの、吸収剤含有吸収層に相当する近紫外線吸収層Bを形成して、誘電体多層膜R2、透明ガラス基板B、近紫外線吸収層Bの順に積層された積層体を得た。
同様にして透明ガラス基板B上に近紫外線吸収層Bのみを有する検体を作製し、波長250〜1100nmにおける入射角0°の分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルから吸収ガラス基板Bの透過スペクトルを差し引いて近紫外線吸収層Bの透過スペクトルを得た。得られた透過スペクトルにおいて、λmax・P(UV)は414nmであった。
(反射防止層の成膜)
上記で得られた積層体の近紫外線吸収層Bの上に、実施例1と同じ誘電体多層膜ARを成膜した。このようにして、例2のUV透過フィルタBを得た。
図1Cに示すUV透過フィルタ10において、反射層12が誘電体多層膜R2に、透明基材13が透明ガラス基板Bに、吸収層11が近紫外線吸収層Bに相当する。なお、UV透過フィルタBは、図1Cには図示されない反射防止層としての誘電体多層膜ARを吸収層11(近紫外線吸収層B)上に有する。
得られたUV透過フィルタBの波長250〜1100nmにおける入射角0°および30°の分光透過率を測定した。透過スペクトルを図3に示す。実線が0°の、破線が30°の透過スペクトルである。透過スペクトルから得られたUV透過フィルタBの光学特性を、他の例と合わせて表8に示す。
[例3]
図1Cに断面図を示すUV透過フィルタ10の吸収層11上に反射防止層14が形成された構成のUV透過フィルタCを作製した。
例2において、透明ガラス基板Bを、厚さ0.3mmの日東樹脂工業製、クラレックスS−0樹脂透明基板(以下、「透明樹脂基板C」という。)とし、反射層を表6に示す構成(合計104層、合計層厚さ:7059nm)の反射層としての可視光からNIR反射性の誘電体多層膜(以下、「誘電体多層膜R3」という。)とした以外は、例2と同様にして誘電体多層膜R3付き透明樹脂基板Cを得た。
上記で得られた誘電体多層膜R3付き透明樹脂基板Cについて、波長250〜1100nmにおける入射角0°の分光透過率を測定した。得られた透過スペクトルから誘電体多層膜R3の透過スペクトルを算出した。誘電体多層膜R3の透過スペクトルから、波長425〜1100nmの光の最大透過率TMAX(425〜1100)を求めたところ9.42%、平均透過率TAVE(425〜1100)を求めたところ2.62%であった。また、波長425〜530nmの光の最大透過率TMAX(425〜530)を求めたところ4.59%、平均透過率TAVE(425〜530)を求めたところ0.97%であった。
Figure 2022000704
誘電体多層膜R3付き透明樹脂基板Cの誘電体多層膜R3を有しない主面上に例1と同様にして近紫外線吸収層Aを成膜した後、その上に反射防止層を成膜しUV透過フィルタCを得た。
図1Cに示すUV透過フィルタ10において、反射層12が誘電体多層膜R3に、透明基材13が透明樹脂基板Cに、吸収層11が近紫外線吸収層Aに相当する。なお、UV透過フィルタCは、図1Cには図示されない反射防止層としての誘電体多層膜ARを吸収層11(近紫外線吸収層A)上に有する。
得られたUV透過フィルタCの波長250〜1100nmにおける入射角0°および30°の分光透過率を測定した。透過スペクトルを図4に示す。実線が0°の、破線が30°の透過スペクトルである。透過スペクトルから得られたUV透過フィルタCの光学特性を、他の例と合わせて表8に示す。
[例4]
図1Gと同様の断面図を有するUV透過フィルタDを作製した。本例においては、透明基材として例2で用いたのと同様の透明ガラス基板Bを超音波洗浄機で10分間洗浄して用いた。
(吸収剤含有吸収層の成膜)
吸収剤として、表7に吸収特性を示す吸収剤(D1)〜吸収剤(D6)にそれぞれ分類される10種類の吸収剤を、樹脂100質量部に対してそれぞれ表7に示す質量部となるようにポリイミド樹脂(C3G30)の10質量%シクロヘキサノン溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。色素D11、D21、D22は市販品であり、色素D31、D41は、例えば、国際公開第2014/088063号、国際公開第2016/133099号等で示されるスクアリリウム系色素の合成品、D42、D51、D52、D53、D61は、例えば、国際公開第2017/094858号等で示されるシアニン系色素の合成品である。
得られた塗工液を、上記で得られた洗浄した透明ガラス基板Bの一方の主面上に、ギャップ30μmのアプリケーターを用いてダイコート法により塗布し、100℃で5分間加熱乾燥させ、膜厚10μmの、吸収剤含有吸収層に相当する可視光・NIR吸収層Dを形成して、例4のUV透過フィルタDを得た。
得られたUV透過フィルタDの波長250〜1100nmにおける入射角0°および30°の分光透過率を測定した。なお、測定された透過率から内部透過率(=測定された透過率/(100−反射率))を算出し評価に用いた。透過スペクトルから得られたUV透過フィルタDの光学特性を、他の例と合わせて表8に示す。
Figure 2022000704
Figure 2022000704
表8からわかるように、例1〜4のUV透過フィルタは装置の小型化に対応可能な板厚の薄さを有するとともに、可視光および近赤外光を十分に遮断しつつ、所定の紫外線透過特性を有する。
10・・・UV透過フィルタ、11,11a,11b・・・吸収層、12・・・反射層、13・・・透明基材、14・・・反射防止層。

Claims (12)

  1. 300nm以下に透過率が50%未満となる吸収波長帯を有する吸収特性を有する樹脂と吸収剤を含有する吸収剤含有吸収層を含む吸収体を有し、
    入射角0°の光に対する波長250〜1100nmの分光透過率曲線において、
    波長280〜400nmの範囲に透過最大波長λTmax(0°)を有する半値全幅が10nm以上の透過波長帯を有し、
    前記透過最大波長λTmax(0°)における透過率Tmaxが30%以上であり、
    maxを1と規格化したときに、波長400〜1100nmの光に対する平均透過率TAVE(400〜1100)が0.3以下であり、
    maxを1と規格化したときにλTmax(0°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2L)が380〜420nmであり、
    波長425〜1100nmの光に対する最大透過率TMAX(425〜1100)が10%以下であり、
    厚さが0.5mm以下である、紫外線透過フィルタ。
  2. 前記平均透過率TAVE(400〜1100)が5%以下である、請求項1記載の紫外線透過フィルタ。
  3. さらに、誘電体多層膜からなる反射層を備え、
    前記反射層は、入射角0°の光に対する波長250〜1100nmの範囲において、少なくとも1つの反射波長帯を有し、前記反射波長帯は前記透過最大波長λTmax(0°)を含まない請求項1または2に記載の紫外線透過フィルタ。
  4. 前記吸収体は、さらにガラス吸収層を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  5. 前記ガラス吸収層は、CuOを含有するフツリン酸塩系ガラスまたはCuOを含有するリン酸塩系ガラスを含む、請求項4に記載の紫外線透過フィルタ。
  6. 前記ガラス吸収層は、アルカリ含有ガラスを含む請求項4に記載の紫外線透過フィルタ。
  7. 前記吸収剤は、ジクロロメタンに溶解して入射角0°で測定される波長280〜800nmの光吸収スペクトルにおいて、波長300〜420nmの範囲に吸収最大波長(λmax(UV))を有する吸収剤を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  8. 前記吸収剤は、オキサゾール系色素、メロシアニン系色素、シアニン系色素、ナフタルイミド系色素、オキサジアゾール系色素、オキサジン系色素、オキサゾリジン系色素、ナフタル酸系色素、スチリル系色素、アントラセン系色素、環状カルボニル系色素、およびトリアゾール系色素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7に記載の紫外線透過フィルタ。
  9. 前記紫外線透過フィルタは、前記吸収剤含有吸収層に対して入射角0°で測定される波長280〜800nmの光吸収スペクトルにおける吸収最大波長(λmax・P(UV))において、入射角0°での透過率が30%以下である請求項7または8記載の紫外線透過フィルタ。
  10. maxを1と規格化したときにλTmax(0°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2L)と、入射角30°での透過最大波長λTmax(30°)における透過率を1と規格化したときにλTmax(30°)よりも長波長側で透過率が0.5となる波長λ(30°1/2L)との差は、15nm以下である、請求項1〜9いずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  11. maxを1と規格化したときにλTmax(0°)よりも短波長側で透過率が0.5となる波長λ(0°1/2S)と、入射角30°での透過最大波長λTmax(30°)における透過率を1と規格化したときにλTmax(30°)よりも短波長側で透過率が0.5となる波長λ(30°1/2S)との差は、15nm以下である、請求項1〜10いずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  12. 前記反射層は、波長425〜530nmの光の平均透過率TAVE(425〜530)が5%以下である、請求項3に記載の紫外線透過フィルタ。
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