JP7468568B2 - 光学フィルタおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可視光を透過し近赤外光を遮断する光学フィルタ、および該光学フィルタを備えた撮像装置に関する。
固体撮像素子を用いた撮像装置には、色調を良好に再現し鮮明な画像を得るため、可視域の光(以下「可視光」ともいう)を透過し近赤外域の光(以下「近赤外光」ともいう)を遮断する光学フィルタが用いられる。該光学フィルタとしては、近赤外吸収色素を含む吸収層と、近赤外光を遮断する誘電体多層膜からなる反射層とを備えた近赤外カットフィルタが知られている。つまり、誘電体多層膜そのものは、入射角によって分光透過率曲線が変化するため、反射層と吸収層の両方を含む近赤外線カットフィルタは、吸収層の吸収特性により入射角依存性が抑制された分光透過率曲線が得られる。
ところが、近年、撮像装置の小型化や高品質化に伴い、より高い角度で入射した光に対する入射角依存性を抑制する要求がある。この様な要求に対して、例えば、特許文献1には、波長600nm以上750nm未満に吸収極大を有する化合物と、波長750nm以上1050nm以下に吸収極大を有する化合物とを含有する吸収層と誘電体多層膜からなる反射層を組み合わせることで、近赤外光が斜めの方向から入射した際の多重反射を低減可能とした光学フィルタが記載されている。
国際公開第2016/158461号
しかしながら、入射角依存性を十分に低減させるために複数の近赤外線吸収色素を添加すると、色素添加量の増加に繋がり、副次的に可視光透過率、特に青色の透過率が下がり、色再現性が乏しい、耐光性の低下を招く、といった問題があった。
本発明は、近赤外光の遮光性に優れ、高い角度で入射した光に対する、透過率の入射角依存性を広い波長範囲で抑制するため、反射層設計の自由度が増すとともに、青色を含む可視光の透過率が高く、耐光性にも優れる光学フィルタ、および該光学フィルタを用いた色再現性に優れる撮像装置の提供を目的とする。
本発明は、下記(1)~(3)の特性を有する、第1の近赤外線吸収色素(D1)および第2の近赤外線吸収色素(D2)と、透明樹脂を含有する吸収層と、誘電体多層膜からなる反射層とを有する光学フィルタを提供する。
(1)第1の近赤外線吸収色素(D1)は、下式(I)~(III)のいずれかで示される化合物であって、前記透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmax(D1)が680~730nmの波長領域にあり、最大吸収波長λmax(D1)の透過率を10%に濃度調整したときに最大吸収波長λmax(D1)より短波長側で透過率が80%を示す波長と最大吸収波長λmax(D1)の差が100nm以下である。
(2)第2の近赤外線吸収色素(D2)は、下式(I)~(III)のいずれかで示される化合物であって、前記透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmax(D2)が720~770nmの波長領域にある。
(3)最大吸収波長λmax(D2)から最大吸収波長λmax(D1)を引いた値が30nm以上85nm以下である。
Figure 0007468568000001
ただし、式(I)中の記号は以下のとおりである。
24およびR26は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、-NR2728(R27およびR28は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-C(=O)-R29(R29は、水素原子、置換基を有していてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)、-NHR30、または、-SO-R30(R30は、それぞれ1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)を示す。)、または、下記式(S)で示される基(R41、R42は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。kは2または3である。)を示す。
Figure 0007468568000002
21とR22、R22とR25、およびR21とR23は、互いに連結して窒素原子
と共に員数が5または6のそれぞれ複素環A、複素環B、および複素環Cを形成してもよい。
複素環Aが形成される場合のR21とR22は、これらが結合した2価の基-Q-として、水素原子が炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基または置換基を有していてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示す。
複素環Bが形成される場合のR22とR25、および複素環Cが形成される場合のR21とR23は、これらが結合したそれぞれ2価の基-X-Y-および-X-Y-(窒素に結合する側がXおよびX)として、XおよびXがそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、YおよびYがそれぞれ下記式(1y)~(5y)から選ばれるいずれかで示される基である。XおよびXが、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、YおよびYはそれぞれ単結合であってもよく、その場合、炭素原子間に酸素原子を有してもよい。
Figure 0007468568000003
式(1x)中、4個のZは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または-NR3839(R38およびR39は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を示す)を示す。R31~R36はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を、R37は炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を示す。
27、R28、R29、R31~R37、複素環を形成していない場合のR21~R23、およびR25は、これらのうちの他のいずれかと互いに結合して5員環または6員環を形成してもよい。R31とR36、R31とR37は直接結合してもよい。
複素環を形成していない場合の、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基もしくはアリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6~11のアリール基もしくはアルアリール基を示す。複素環を形成していない場合の、R23およびR25は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
Figure 0007468568000004
ただし、式(II)中の記号は以下のとおりである。
環Zは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を環中に0~3個有する5員環または6員環であり、環Zが有する水素原子は置換されていてもよい。
とR、RとR、およびRと環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子は、互いに連結して窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1を形成していてもよく、その場合、ヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1が有する水素原子は置換されていてもよい。ヘテロ環を形成していない場合のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、置換基を有してもよい炭化水素基を示す。Rおよびヘテロ環を形成していない場合のRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有してもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
Figure 0007468568000005
ただし、式(III)中の記号は以下のとおりである。
51は、それぞれ独立にハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~3のアルキル基を示し、
52~R58は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基を示す。
52とR53は、互いに連結して、炭素数5~15の飽和または不飽和の炭化水素環B2を形成していてもよく、炭化水素環B2の水素原子はハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基に置換されていてもよく、
54とR55は、互いに連結してベンゼン環A2を形成していてもよく、ベンゼン環A2の水素原子はハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基に置換されていてもよい。
本発明はまた、固体撮像素子と、撮像レンズと、上記の光学フィルタとを備えた撮像装置を提供する。
本発明によれば、近赤外光の遮光性に優れ、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を広い波長範囲で抑制するため、反射層設計の自由度が増すとともに、青色を含む可視光の透過率が高く、耐光性にも優れる光学フィルタを提供できる。さらに、本発明によれば、該光学フィルタを用いた色再現性に優れる撮像装置を提供できる。
実施形態の光学フィルタの一例を概略的に示す断面図である。 実施形態の光学フィルタの別の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本明細書において、近赤外線吸収色素を「NIR色素」、紫外線吸収色素を「UV色素」と略記することもある。
本明細書において、式(I)で示される化合物からなるNIR色素をNIR色素(I)ともいい、他の色素についても同様である。例えば、後述の式(I-1)で示される化合物からなるNIR色素をNIR色素(I-1)ともいう。また、例えば、式(1n)で表される基を基(1n)とも記し、他の式で表される基も同様である。
本明細書において、特定の波長域について、透過率が例えば90%以上とは、その全波長領域において透過率が90%を下回らないことをいい、同様に透過率が例えば1%以下とは、その全波長領域において透過率が1%を超えないことをいう。特定の波長域における平均透過率は、該波長域の1nm毎の透過率の相加平均である。
本明細書において、数値範囲を表す「~」では、上下限を含む。
<光学フィルタ>
本発明の一実施形態の光学フィルタ(以下、「本フィルタ」ともいう)は、下記(1)~(3)の特性を有する、第1のNIR色素(D1)(以下、「色素(D1)」ともいう)および第2のNIR色素(D2)(以下、「色素(D2)」ともいう)と、透明樹脂を含有する吸収層と、誘電体多層膜からなる反射層とを有する。以下の説明において「反射層」は、誘電体多層膜からなる反射層を指す。
(1)色素(D1)は、上記式(I)~(III)のいずれかで示される化合物であって、透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmax(D1)が680~730nmの波長領域にあり、最大吸収波長λmax(D1)の透過率を10%に濃度調整したときに最大吸収波長λmax(D1)より短波長側で透過率が80%を示す波長(以下、「λSH80(D1)」で示す。)と最大吸収波長λmax(D1)の差が100nm以下である。
(2)色素(D2)は、上記式(I)~(III)のいずれかで示される化合物であって、透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmax(D2)が720~770nmの波長領域にある。
(3)最大吸収波長λmax(D2)から最大吸収波長λmax(D1)を引いた値が30nm以上85nm以下である。
本フィルタは、吸収層が(1)の特性を有する色素(D1)を含有することで、近赤外域の短波長側の光吸収を可能とするとともに、近赤外光と可視光の境界付近の透過率曲線が急峻となる特性を有する。
また、本フィルタは、吸収層が、(2)の特性を有し、色素(D1)との関係が(3)を満足する色素(D2)を含有することで、色素(D1)による吸収と色素(D2)による吸収が重なり合って、幅広い吸収帯を発現できる。これにより、反射層を有することで生じる、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を抑制できる。
色素(D1)および色素(D2)は、(1)、(2)に示されるとおり、いずれも式(I)~(III)のいずれかで示される特定の構造を有するスクアリリウム化合物であり、これらの使用により、吸収層は青色を含む可視光の透過率が高く、耐光性にも優れる。
本フィルタは、透明基板をさらに有してもよい。この場合、吸収層および反射層は、透明基板の主面上に設けられる。本フィルタは、吸収層と反射層を、透明基板の同一主面上に有してもよく、異なる主面上に有してもよい。吸収層と反射層を同一主面上に有する場合、これらの積層順は特に限定されない。
本フィルタは、また他の機能層を有してもよい。他の機能層としては、例えば可視光の透過率損失を抑制する反射防止層が挙げられる。特に、吸収層が最表面の構成をとる場合には、吸収層と空気との界面で反射による可視光透過率損失が発生するため、吸収層上に反射防止層を設けるとよい。
次に、図面を用いて本フィルタの構成例について説明する。図1は、吸収層11の一方の主面上に反射層12を備えた光学フィルタ10Aの構成例である。光学フィルタ10Aにおいて、吸収層11は、色素(D1)および色素(D2)と透明樹脂とを含有する層で構成できる。なお、「吸収層11の一方の主面(上)に、反射層12を備える」とは、吸収層11に接触して反射層12が備わる場合に限らず、吸収層11と反射層12との間に、別の機能層が備わる場合も含み、以下の構成も同様である。
図2は、透明基板と吸収層と反射層を有する実施形態の光学フィルタの一例を概略的に示す断面図である。光学フィルタ10Bは、透明基板13と透明基板13の一方の主面上に配置された吸収層11と透明基板13の他方の主面上に設けられた反射層12を有する。光学フィルタ10Bにおいて、吸収層11は、色素(D1)および色素(D2)と透明樹脂とを含有する層で構成できる。光学フィルタ10Bはさらに、吸収層11の透明基板13とは反対側の主面上に反射防止層14を有する。
以下、吸収層、反射層、透明基板および反射防止層について説明する。
(吸収層)
吸収層は、上記(1)~(3)の特性を有する、色素(D1)および色素(D2)と、透明樹脂とを含有する。
[色素(D1)]
色素(D1)は、下記式(I)~(III)のいずれかで示される化合物であり、λmax(D1)が680~730nmの波長領域にあり、λSH80(D1)とλmax(D
1)との差が100nm以下である。λSH80(D1)とλmax(D1)の差は、85nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましい。また、色素(D1)は、透明樹脂に含有させたときの質量吸光係数が、1000/(cm・質量%)以上が好ましく、1500/(cm・質量%)以上がより好ましい。
Figure 0007468568000006
ただし、式(I)中の記号は以下のとおりである。
24およびR26は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、-NR2728(R27およびR28は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-C(=O)-R29(R29は、水素原子、置換基を有していてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)、-NHR30、または、-SO-R30(R30は、それぞれ1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)を示す。)、または、下記式(S)で示される基(R41、R42は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。kは2または3である。)を示す。
Figure 0007468568000007
21とR22、R22とR25、およびR21とR23は、互いに連結して窒素原子と共に員数が5または6のそれぞれ複素環A、複素環B、および複素環Cを形成してもよい。
複素環Aが形成される場合のR21とR22は、これらが結合した2価の基-Q-として、水素原子が炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基または置換基を有していてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示す。
複素環Bが形成される場合のR22とR25、および複素環Cが形成される場合のR21とR23は、これらが結合したそれぞれ2価の基-X-Y-および-X-Y-(窒素に結合する側がXおよびX)として、XおよびXがそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、YおよびYがそれぞれ下記式(1y)~(5y)から選ばれるいずれかで示される基である。XおよびXが、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、YおよびYはそれぞれ単結合であってもよく、その場合、炭素原子間に酸素原子を有してもよい。
Figure 0007468568000008
式(1x)中、4個のZは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または-NR3839(R38およびR39は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を示す)を示す。R31~R36はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を、R37は炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を示す。
27、R28、R29、R31~R37、複素環を形成していない場合のR21~R23、およびR25は、これらのうちの他のいずれかと互いに結合して5員環または6員環を形成してもよい。R31とR36、R31とR37は直接結合してもよい。
複素環を形成していない場合の、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基もしくはアリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6~11のアリール基もしくはアルアリール基を示す。複素環を形成していない場合の、R23およびR25は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
なお、式(I)において、特に断りのない限り、炭化水素基はアルキル基、アリール基、またはアルアリール基である。特に断りのない限り、アルキル基および、アルコキシ基、アリール基またはアルアリール基におけるアルキル部分は、直鎖状、分岐鎖状、環状またはこれらの構造を組み合わせた構造でもよい。以下の他の式における炭化水素基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルアリール基においても、同様である。式(I)において、R29における置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、炭素数1~6のアシルオキシ基が挙げられる。R29を除いて「置換基を有してもよい」という場合の置換基としては、ハロゲン原子または炭素数1~15のアルコキシ基が例示できる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子および塩素原子が好ましい。
Figure 0007468568000009
ただし、式(II)中の記号は以下のとおりである。
環Zは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を環中に0~3個有する5員環または6員環であり、環Zが有する水素原子は置換されていてもよい。水素原子が置換される場合、置換基としては、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基が挙げられる。
とR、RとR、およびRと環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子は、互いに連結して窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1を形成していてもよく、その場合、ヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1が有する水素原子は置換されていてもよい。水素原子が置換される場合、置換基としては、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基が挙げられる。
ヘテロ環を形成していない場合のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、置換基を有してもよい炭化水素基を示す。Rおよびヘテロ環を形成していない場合のRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有してもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
式(II)において、炭化水素基の炭素数は1~15が挙げられる。アルキル基もしくはアルコキシ基の炭素数は1~10が挙げられる。式(II)において、「置換基を有してもよい」という場合の置換基としては、ハロゲン原子または炭素数1~10のアルコキシ基が例示できる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子および塩素原子が好ましい。
Figure 0007468568000010
ただし、式(III)中の記号は以下のとおりである。
51は、それぞれ独立にハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~3のアルキル基を示し、
52~R58は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基を示す。
52とR53は、互いに連結して、炭素数5~15の飽和または不飽和の炭化水素環B2を形成していてもよく、炭化水素環B2の水素原子はハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基に置換されていてもよく、
54とR55は、互いに連結してベンゼン環A2を形成していてもよく、ベンゼン環A2の水素原子はハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基に置換されていてもよい。
式(III)において、「置換基を有してもよい」という場合の置換基としては、ハロゲン原子または炭素数1~10のアルコキシ基が例示できる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子および塩素原子が好ましい。
色素(D1)としては、上記化合物(I)、下式(II-1)または(II-2)で示される化合物のうちいずれかから選ばれることが、λmax(D1)を有する吸収領域における吸収能が高くかつ可視光の透過率が優れる点で好ましい。
Figure 0007468568000011
ただし、式(II-1)、式(II-2)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基を示し、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基を示す。
ここで、化合物(I)は、式(I’)の構造をとる場合があってもよい。なお、化合物(I’)と化合物(I)は互いに共鳴する構造であり、本明細書においては、化合物(I’)も化合物(I)として扱う。
Figure 0007468568000012
ただし、式(I’)中の記号は、式(I)における同記号の各規定と同じである。
化合物(I)としては、例えば、式(I-1)~(I-4)のいずれかで示される化合物が挙げられ、色素(D1)としては、式(I-1)~(I-3)のいずれかで示される化合物が好ましく、式(I-1)で示される化合物(I-1)が特に好ましい。
Figure 0007468568000013
ただし、式(I-1)~式(I-4)中の記号は、式(I)における同記号の各規定と同じであり、好ましい態様も同様である。
化合物(I-1)において、Xとしては、基(2x)が好ましく、Yとしては、単結合または基(1y)が好ましい。この場合、R31~R36としては、水素原子または炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましい。なお、-Y-X-として、具体的には、式(11-1)~(12-3)で示される2価の有機基が挙げられる。
-C(CH-CH(CH)- …(11-1)
-C(CH-CH- …(11-2)
-C(CH-CH(C)- …(11-3)
-C(CH-C(CH)(nC)- …(11-4)
-C(CH-CH-CH- …(12-1)
-C(CH-CH-CH(CH)- …(12-2)
-C(CH-CH(CH)-CH- …(12-3)
また、化合物(I-1)において、R21は、溶解性、耐熱性、さらに分光透過率曲線における可視域と近赤外域の境界付近の変化の急峻性の観点から、独立して、式(4-1)または式(4-2)で示される基がより好ましい。
Figure 0007468568000014
式(4-1)および式(4-2)中、R71~R75は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~4のアルキル基を示す。
化合物(I-1)において、R24は-NR2728が好ましい。-NR2728としては、透明樹脂や吸収層を形成する際に用いる溶媒(以下、「ホスト溶媒」ともいう)への溶解性の観点から、-NH-C(=O)-R29が好ましい。化合物(I-1)において、R24が-NH-C(=O)-R29の化合物を式(I-11)に示す。
Figure 0007468568000015
化合物(I-11)における、R23およびR26は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基が好ましく、いずれも水素原子がより好ましい。
化合物(I-11)において、R29としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~10のアリール基、または置換基を有していてもよく、炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数7~18のアルアリール基が好ましい。置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフロロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のアシルオキシ基等が挙げられる。
29としては、フッ素原子で置換されてもよい直鎖状、分岐鎖状、環状の炭素数1~17のアルキル基、炭素数1~6のフロロアルキル基および/または炭素数1~6のアル
コキシ基で置換されてもよいフェニル基、および炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数7~18の、末端に炭素数1~6のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基および/または、炭素数1~6のアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基を有するアルアリール基から選ばれる基が好ましい。
29としては、独立して1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい、少なくとも1以上の分岐を有する炭素数5~25の炭化水素基である基も好ましく使用できる。このようなR29としては、例えば、下記式(1a)、(1b)、(2a)~(2e)、(3a)~(3e)で示される基が挙げられる。
Figure 0007468568000016
Figure 0007468568000017
化合物(I-11)としては、より具体的に、以下の表1に示す化合物が挙げられる。なお、表1において、基(11-1)を(11-1)と示す。他の基についても同様である。
Figure 0007468568000018
化合物(I-1)において、R24は、可視光の透過率、特に波長430~550nmの光の透過率を高める観点からは、-NH-SO-R30が好ましい。化合物(I-1)において、R24が-NH-SO-R30の化合物を式(I-12)に示す。
Figure 0007468568000019
化合物(I-12)における、R23およびR26は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基が好ましく、いずれも水素原子がより好ましい。
化合物(I-12)において、R30は耐光性の点から、独立して、分岐を有してもよい炭素数1~12のアルキル基もしくはアルコキシ基、または不飽和の環構造を有する炭素数6~16の炭化水素基が好ましい。不飽和の環構造としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、フラン、ベンゾフラン等が挙げられる。R30は、独立して、分岐を有しても
よい炭素数1~12のアルキル基もしくはアルコキシ基がより好ましい。なお、R30を示す各基において、水素原子の一部または全部がハロゲン原子、特にはフッ素原子に置換されていてもよい。なお、本フィルタが透明基板を含む構成の場合、水素原子のフッ素原子へ置換は、化合物(I-12)を含有する吸収層と透明基板との密着性が落ちない程度とする。
不飽和の環構造を有するR30として具体的には、下記式(P1)~(P8)で示される基が挙げられる。
Figure 0007468568000020
化合物(I-12)としては、より具体的に、以下の表2に示す化合物が挙げられる。
Figure 0007468568000021
化合物(II-1)および化合物(II-2)におけるRおよびRは、透明樹脂への溶解性、可視光透過性等の観点から、独立して、炭素数1~15のアルキル基が好ましく、炭素数7~15のアルキル基がより好ましく、RとRの少なくとも一方が、炭素数7~15の分岐鎖を有するアルキル基がさらに好ましく、RとRの両方が炭素数8~15の分岐鎖を有するアルキル基が特に好ましい。
は、透明樹脂への溶解性、可視光透過性等の観点から、独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基がより好ましい。Rは、可視域と近赤外域の境界付近の変化の急峻性の観点から、水素原子、ハロゲン原子が好ましく、水素原子が特に好ましい。化合物(II-1)におけるRおよび化合物(II-2)におけるRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基がより好ましい。
化合物(II-1)および化合物(II-2)としては、より具体的に、それぞれ以下の表3および表4に示す化合物が挙げられる。表3および表4において、-C17、-C、-C13は、直鎖のオクチル基、ブチル基、ヘキシル基をそれぞれ示す。
Figure 0007468568000022
Figure 0007468568000023
[色素(D2)]
色素(D2)は、上記式(I)~(III)のいずれかで示される化合物であって、λmax(D2)が720~770nmの波長領域にある。λmax(D2)は、720~760nmの波長領域にあると好ましく、740~760nmの波長領域にあるとより好ましい。また、色素(D2)は、色素(D1)との関係において、λmax(D2)-λmax(D1)が30nm以上85nm以下となる化合物が用いられる。λmax(D2)-λmax(D1)は35nm以上80nm以下がより好ましい。
色素(D2)としては、下式(II-3)、下式(III-1)または下式(III-2)で示される化合物のうちいずれかから選ばれると、可視光、特に青色の透過率が高く、λmax(D2)がより好ましい範囲にあり、耐光性に優れる点から好ましい。
Figure 0007468568000024
ただし、式(II-3)中、R、R、およびR~R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基を示し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキル基を示す。
Figure 0007468568000025
ただし、(III-1)、(III-2)中、R52~R62は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基を示す。
化合物(II-3)におけるRは、透明樹脂への溶解性、可視光透過性等の観点から、独立して、炭素数1~15のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、エチル基、イソプロピル基が特に好ましい。
は、可視光透過性、合成容易性の観点から、水素原子、ハロゲン原子が好ましく、水素原子が特に好ましい。RおよびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~5のアルキル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基がより好ましい。
~R12は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~5のアルキル基が好ましい。-CR10-CR1112-として、上記基(11-1)~(11-3)または、以下の式(11-5)で示される2価の有機基が挙げられる。
-C(CH)(CH-CH(CH)-CH(CH)-…(11-5)
化合物(II-3)としては、より具体的に、以下の表5に示す化合物が挙げられる。
Figure 0007468568000026
化合物(III-1)、化合物(III-2)中、R52、R53は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基がより好ましい。R58は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基が好ましく、合成容易性の観点から、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。R54、R55、R56、R57、R59~R62は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基が好ましく、合成容易性の観点から、水素原子がより好ましい。化合物(III-1)、化合物(III-2)としては、より具体的に、以下の表6、表7にそれぞれ示す化合物が挙げられる。
Figure 0007468568000027
Figure 0007468568000028
なお、化合物(I-4)のうち、例えば、R21およびR22が、置換基を有していてもよい炭素数6~11のアリール基もしくはアルアリール基である化合物は、色素(D2)として使用できる。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~15のアルコキシ基が挙げられる。なお、アリール基もしくはアルアリール基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
上記条件で、化合物(I-4)を色素(D2)として使用する場合、R24は-NR2728が好ましい。-NR2728としては、ホスト溶媒や透明樹脂への溶解性の観点から、-NH-C(=O)-R29が好ましい。R29としては、化合物(I-11)におけるR29と好ましい態様を含めて同様とできる。
上記条件で、化合物(I-4)を色素(D2)として使用する場合、R24は、可視光の透過率、特に波長430~550nmの光の透過率を高める観点からは、-NH-SO-R30が好ましい。R30としては、化合物(I-12)におけるR29と好ましい態様を含めて同様とできる。
色素(D2)として使用できる化合物(I-4)としては、より具体的に、以下の表8に示す化合物が挙げられる。表8において、-Ph-は1,4-フェニレン基を示し、-Cは、直鎖のブチル基を示す。
Figure 0007468568000029
色素(D2)は、λmax(D2)が720~770nmの波長領域にあり、色素(D1)との関係において、λmax(D2)-λmax(D1)が30nm以上85nm以下となる組合せで用いられる。また、色素(D2)は、透明樹脂に含有させたときの質量吸光係数が、1000/(cm・質量%)以上が好ましく、1500/(cm・質量%)以上がより好ましい。
なお、化合物(I)~(III)のうち、透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmaxが720~730nmの範囲にあり、λmaxの透過率を10%に濃度調整したときにλmaxより短波長側で透過率が80%を示す波長λSH80と最大吸収波長λmaxの差が100nm以下である化合物は、色素(D1)としての使用も、色素(D2)としての使用も可能である。
上に説明した式(I)~(III)のいずれかで示されるスクアリリウム化合物について、透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線の特性を表9に示す。具体的には、スクアリリウム色素(D1)および(D2)と、ポリイミド樹脂C3G30(商品名;三菱瓦斯化学製)と、シクロヘキサノンを添加後、十分に撹拌して均一に溶解した。そして、得られた溶液を用いてガラス板(D263;SCHOTT製)上に膜厚1.0μmのNIR色素含有樹脂層を形成した。なお、用いる透明樹脂についは、後述の透明性の要件を満たすものであれば、いずれの透明樹脂を用いても、同様の光学特性が得られる。
透明樹脂中におけるスクアリリウム化合物の添加量は、最大吸収波長λmaxで透過率が10%になるように調整した。波長400~1100nmのNIR色素含有樹脂層付きガラス板の分光透過率曲線とガラス板の分光透過率曲線を用いて、NIR色素含有樹脂層の分光透過率曲線を得る。
表9中、T435-480およびT590-630は、それぞれ波長435~480nmの光の平均透過率および波長590~630nmの光の平均透過率を示す。λmax、λSH80は上記のとおりであり、吸光係数は、透明樹脂に含有させたときの質量吸光係数[/(cm・質量%)]を示す。表9には、各化合物が、それぞれ色素(D1)または色素(D2)として使用が可の場合を「○」で示し、不可の場合を「×」で示す。
比較のために、市販品のフタロシアニン化合物、シアニン化合物の上記同様にして測定された光学特性を示す。表9の構造における記号は、「SQ」がスクアリリウム化合物を、「PC」がフタロシアニン化合物を、「Cy」がシアニン化合物をそれぞれ示す。色素略号は、フタロシアニン化合物については、商品名(山田化学社製)である。シアニン化合物については、商品名(FEW CHEMICAL社製)である。シアニン化合物の4種については、以下に構造式を示す。
Figure 0007468568000030
Figure 0007468568000031
化合物(I)~(III)は、それぞれ公知の方法で、製造できる。化合物(I)について、化合物(I-11)は、例えば、米国特許第5,543,086号明細書に記載された方法で製造できる。化合物(I-12)は、例えば、米国特許出願公開第2014/0061505号明細書、国際公開第2014/088063号明細書に記載された方法で製造可能である。化合物(II)については、国際公開第2017/135359号明細書に記載された方法で製造可能である
なお、色素(D1)および色素(D2)を、それぞれ単独で透明樹脂に含有させたときにλmax(D1)およびλmax(D2)の透過率が10%となる濃度で、透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、(i-1)~(i-3)を満足することが好ましい。すなわち、色素(D1)および色素(D2)を、それぞれ単独で透明樹脂に含有させたときにλmax(D1)およびλmax(D2)の透過率が10%となる濃度条件を求める。そして、色素(D1)および色素(D2)の両方を該濃度条件で透明樹脂に含有させて測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、(i-1)~(i-3)を満足することが好ましい。
(i-1)650~800nmの波長領域の光に対し透過率が20%を示す波長を2つ有し、前記2つの波長の差が70nm以上である。
(i-2)最大吸収波長λmax(D1)から最大吸収波長λmax(D1)+50nmまでの波長領域の光における最大透過率が20%以下である。
(i-3)最大吸収波長λmax(D1)-20nmから最大吸収波長λmax(D1)+80nmまでの波長領域の光における平均透過率が30%以下である。
上記濃度条件で色素(D1)と色素(D2)を含有する透明樹脂層において、吸収ピーク(以下、「吸収ピーク(D1・D2)」ともいう。)は、幅の広い1つの吸収ピークが好ましい。(i-1)において、650~800nmの波長領域に透過率が20%を示す波長を2つ有するとは、上記幅の広い1つの吸収ピークを有することを示す指標である。上記透過率が20%を示す2つの波長の差が70nm以上であると、反射層の入射角依存性を抑制する能力が高くなる。上記波長の差は、80nm以上がより好ましく、90nm以上がさらに好ましい。
(i-2)で示すλmax(D1)からλmax(D1)+50nmまでの波長領域における最大透過率が20%以下であれば、吸収ピーク(D1・D2)は、短波長側における透過率が小さいことを示す。上記最大透過率は15%以下がより好ましく、12%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。
(i-3)で示すλmax(D1)-20nmからλmax(D1)+80nmまでの波長領域における平均透過率が30%以下であれば、吸収ピーク(D1・D2)は、透過率の低い領域を幅広く有すると言える。上記平均透過率は、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がより好ましく、12%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。
吸収層に用いる色素(D1)および色素(D2)については、上記濃度条件で色素(D1)と色素(D2)を含有する透明樹脂層において測定される波長400~1100nmの分光透過率曲線において、さらに以下の(i-4)を満足することが好ましい。
(i-4)波長400~500nmの光の平均透過率が85%以上である。
(i-4)において波長400~500nmの光の平均透過率は、86%以上がより好ましく、88%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
以上、色素(D1)および色素(D2)について説明した。色素(D1)および色素(D2)は、それぞれ1種の化合物からなってもよく、2種以上の化合物からなってもよい。2種以上の化合物からなる場合は、個々の化合物が色素(D1)および色素(D2)の性質を必ずしも有する必要はなく、混合物として、色素(D1)および色素(D2)の性質をそれぞれ有すればよい。ただし、作業効率の観点から色素(D1)および色素(D2)はそれぞれ1種の化合物からなることが好ましい。
吸収層は、典型的には、透明樹脂中に色素(D1)および色素(D2)が均一に溶解または分散した層または(樹脂)基板である。吸収層は、本発明の効果を損なわない範囲で色素(D1)および色素(D2)以外にその他のNIR色素を含有してもよい。さらに、吸収層は、本発明の効果を損なわない範囲でNIR色素以外の色素、特にはUV色素を含有してもよい。
UV色素は、具体例に、オキサゾール系、メロシアニン系、シアニン系、ナフタルイミド系、オキサジアゾール系、オキサジン系、オキサゾリジン系、ナフタル酸系、スチリル系、アントラセン系、環状カルボニル系、トリアゾール系等の色素が挙げられる。この中でも、オキサゾール系、メロシアニン系の色素が好ましい。また、UV色素は、吸収層に1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
透明樹脂は、波長400~900nmの光を透過する樹脂であれば、種類は特に制限されない。透明樹脂がこのような性質を有することで、上記色素(D1)および色素(D2)は、透明樹脂の吸収を考慮せずに、上記評価が可能である。
透明樹脂として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂)等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記透明樹脂は、透明性、色素(D1)および色素(D2)の溶解性、ならびに耐熱性の観点からは、ガラス転移点(Tg)の高い樹脂が好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる1種以上が好ましく、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上がより好ましい。
吸収層は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、密着性付与剤、色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等の任意成分を有してもよい。
吸収層は、入射角0度の光に対して透過率が20%を示す波長の短波長側の波長λAB-SHT20が650~720nmの波長領域に有ることが好ましい。そして、λAB-SHT20は、反射層を含む光学フィルタが、該反射層において入射角0度の光に対して透過率が20%を示す短波長側の波長λRE-SHT20との関係が(ii-1)を満足することが好ましい。
(ii-1)λAB-SHT20+30nm≦λRE-SHT20≦790nm
吸収層において色素(D1)および色素(D2)の含有量は、それぞれ、光学フィルタの設計に応じて、例えば、反射層との関係において(ii-1)や、後述の光学フィルタとしての(iii-1)~(iii-3)の特性を満足するように適宜選択される。
吸収層において色素(D1)および色素(D2)の合計含有量は、可視光、特に青色光の透過率を確保しつつ、近赤外光を遮光し、高い角度で入射した光に対する反射層の入射角依存性を抑制する観点から、透明樹脂100質量部に対して0.01~20質量部が好ましい。
本フィルタにおいて、吸収層の厚さは、0.1~100μmが好ましい。吸収層が複数層からなる場合、各層の合計の厚さは、0.1~100μmが好ましい。厚さが0.1μm未満では、所望の光学特性を十分に発現できないおそれがあり、厚さが100μm超では、層の平坦性が低下し、吸収率の面内バラツキが生じるおそれがある。吸収層の厚さは、0.3~50μmがより好ましい。また、反射層や、反射防止層等の他の機能層を備えた場合、その材質によっては、吸収層が厚すぎると割れ等が生ずるおそれがある。そのため、吸収層の厚さは、0.3~10μmがより好ましい。
吸収層は、例えば、色素(D1)および色素(D2)と、透明樹脂または透明樹脂の原料成分と、必要に応じて配合される各成分とを、溶媒に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材に塗工し乾燥させ、さらに必要に応じて硬化させて形成できる。上記基材は、本フィルタに含まれる透明基板でもよいし、吸収層を形成する際にのみ使用する剥離性の基材でもよい。また、溶媒は、安定に分散できる分散媒または溶解できる溶媒であればよい。
また、塗工液は、微小な泡によるボイド、異物等の付着による凹み、乾燥工程でのはじき等の改善のため界面活性剤を含んでもよい。さらに、塗工液の塗工には、例えば、浸漬コーティング法、キャストコーティング法、またはスピンコート法等を使用できる。上記塗工液を基材上に塗工後、乾燥させることにより吸収層が形成される。また、塗工液が透明樹脂の原料成分を含有する場合、さらに熱硬化、光硬化等の硬化処理を行う。
また、吸収層は、押出成形によりフィルム状に製造可能でもあり、このフィルムを他の部材に積層し熱圧着等により一体化させてもよい。例えば、本フィルタが透明基板を含む場合、このフィルムを透明基板上に貼着してもよい。
吸収層は、本フィルタの中に1層有してもよく、2層以上有してもよい。2層以上有する場合、各層は同じ構成であっても異なってもよい。例として、一方の層を、色素(D1)および色素(D2)と透明樹脂を含む近赤外吸収層とし、もう一方の層を、UV色素と透明樹脂を含む近紫外吸収層としてもよい。他の例として、一方の層を色素(D1)と透明樹脂を含む第1の近赤外吸収層とし、もう一方の層を、色素(D2)とUV色素と透明樹脂を含む第2の近赤外吸収層としてもよい。また、吸収層は、それ自体が基板(樹脂基板)として機能するものでもよい。
(透明基板)
本フィルタに透明基板を用いる場合、透明基板は、略400~700nmの可視光を透過すれば、構成する材料は特に制限されず、近赤外光や近紫外光を吸収する材料でもよい。例えば、ガラスや結晶等の無機材料や、透明樹脂等の有機材料が挙げられる。
透明基板に使用できるガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラス等に銅イオンを含む吸収型のガラス(近赤外線吸収ガラス)、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。ガラスとしては、色素(D2)より長波長側の近赤外光を吸収できる点から吸収型のガラスが好ましい。なお、「リン酸塩系ガラス」は、ガラスの骨格の一部がSiOで構成されるケイリン酸塩ガラスも含む。
ガラスとしては、ガラス転移点以下の温度で、イオン交換により、ガラス板主面に存在するイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン)を、イオン半径のより大きいアルカリイオン(例えば、Liイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換して得られる化学強化ガラスを使用してもよい。
透明基板として使用できる透明樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、透明基板に使用できる結晶材料としては、水晶、ニオブ酸リチウム、サファイア等の複屈折性結晶が挙げられる。透明基板の光学特性は、上記吸収層、反射層等と積層して得られる光学フィルタとして、前述した光学特性を有するとよい。結晶材料としてはサファイアが好ましい。
透明基板は、光学フィルタとしての光学特性、機械特性等の長期にわたる信頼性に係る形状安定性の観点、フィルタ製造時のハンドリング性等から、無機材料が好ましく、特にガラス、サファイアが好ましい。
透明基板の形状は特に限定されず、ブロック状、板状、フィルム状でもよく、その厚さは、例えば、0.03~5mmが好ましく、薄型化の観点からは、0.03~0.5mmがより好ましい。加工性の観点から言えば、板状のガラスからなる板厚0.05~0.5mmの透明基板が好ましい。
(反射層)
反射層は、誘電体多層膜からなり、特定の波長域の光を遮蔽する機能を有する。反射層としては、例えば、可視光を透過し、吸収層の遮光域以外の波長の光を主に反射する波長選択性を有するものが挙げられる。反射層は、近赤外光を反射する反射領域を有することが好ましい。この場合、反射層の反射領域は、吸収層の近赤外域における遮光領域を含んでもよい。反射層は、上記特性に限らず、所定の波長域の光、例えば、近紫外域をさらに遮断する仕様に適宜設計してよい。
反射層が近赤外光を反射する反射領域を有する場合、吸収層と反射層は以下の関係を有することが好ましい。
吸収層は、入射角0度の吸収領域において透過率が20%を示す波長の短波長側の波長λAB-SHT20が650~720nmの波長領域に有り、反射層は、入射角0度の反射領域において透過率が20%を示す短波長側の波長λRE-SHT20が(ii-1)を満足するとよい。
(ii-1)λAB-SHT20+30nm≦λRE-SHT20≦790nm
反射層は、さらに(ii-2)を満足することが好ましい。
(ii-2)λRE-SHT20からλRE-SHT20+300nmまでの波長領域の光における平均透過率が10%以下である。
本フィルタは、吸収層が、(1)~(3)の特性を有する、色素(D1)および色素(D2)を含有することで近赤外域に1つの吸収ピークを有する、幅広い吸収帯域を付与できる。これにより、反射層のλRE-SHT20の設計の自由度を(ii-1)で示す広い範囲とすることができる。また、反射層における高い角度で入射した光に対する入射角依存性を吸収層により抑制できる。
反射層は、低屈折率の誘電体膜(低屈折率膜)と高屈折率の誘電体膜(高屈折率膜)と
を交互に積層した誘電体多層膜から構成される。高屈折率膜は、好ましくは、屈折率が1.6以上であり、より好ましくは2.2~2.5である。高屈折率膜の材料としては、例えばTa、TiO、Nbが挙げられる。これらのうち、成膜性、屈折率等における再現性、安定性等の点から、TiOが好ましい。
一方、低屈折率膜は、好ましくは、屈折率が1.6未満であり、より好ましくは1.45以上1.55未満である。低屈折率膜の材料としては、例えばSiO、SiO等が挙げられる。成膜性における再現性、安定性、経済性等の点から、SiOが好ましい。
さらに、反射層は、透過域と遮光域の境界波長領域で透過率が急峻に変化することが好ましい。この目的のためには、反射層を構成する誘電体多層膜の合計積層数は、15層以上が好ましく、25層以上がより好ましく、30層以上がさらに好ましい。ただし、合計積層数が多くなると、反り等が発生したり、膜厚が増加したりするため、合計積層数は100層以下が好ましく、75層以下がより好ましく、60層以下がより一層好ましい。また、誘電体多層膜の膜厚は、2~10μmが好ましい。
誘電体多層膜の合計積層数や膜厚が上記範囲内であれば、反射層は小型化の要件を満たし、高い生産性を維持しながら、透過域と遮光域の境界波長領域での透過率の急峻性を満足できる。また、誘電体多層膜の形成には、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等の真空成膜プロセスや、スプレー法、ディップ法等の湿式成膜プロセス等を使用できる。
反射層は、1層(1群の誘電体多層膜)で所定の光学特性を与えたり、2層で所定の光学特性を与えたりしてもよい。2層以上有する場合、各反射層は同じ構成でも異なる構成でもよい。反射層を2層以上有する場合、通常、反射帯域の異なる複数の反射層で構成される。
例として、2層の反射層を設ける場合、一方を、近赤外域のうち短波長帯の光を遮蔽する近赤外反射層とし、他方を、該近赤外域の長波長帯および近紫外域の両領域の光を遮蔽する近赤外・近紫外反射層としてもよい。また、例えば、本フィルタが透明基板を有する場合に、2層以上の反射層を設ける際には、全てを透明基板の一方の主面上に設けてもよく、各反射層を、透明基板を挟んでその両主面上に設けてもよい。
(反射防止層)
反射防止層としては、誘電体多層膜や中間屈折率媒体、屈折率が漸次的に変化するモスアイ構造などが挙げられる。中でも光学的効率、生産性の観点から誘電体多層膜が好ましい。反射防止層は、反射層と同様に誘電体膜を交互に積層して得られる。
本フィルタは、他の構成要素として、例えば、特定の波長域の光の透過と吸収を制御する無機微粒子等による吸収を与える構成要素(層)などを備えてもよい。無機微粒子の具体例としては、ITO(Indium Tin Oxides)、ATO(Antimony-doped Tin Oxides)、タングステン酸セシウム、ホウ化ランタン等が挙げられる。ITO微粒子、タングステン酸セシウム微粒子は、可視光の透過率が高く、かつ1200nmを超える赤外波長領域の広範囲に光吸収性を有するため、かかる赤外光の遮蔽性を必要とする場合に使用できる。
本フィルタは、反射層と、色素(D1)と色素(D2)を含有する吸収層を有することで、近赤外光の遮光性に優れ、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を抑制するとともに、青色を含む可視光の透過率が高く、耐光性にも優れる。
本フィルタは、具体的には、以下の(iii-1)~(iii-3)の光学特性を満足するのが好ましい。
(iii-1)703~739nmの波長領域における、入射角0度と入射角35度の透過率の差の平均が、10%/nm以下である。
(iii-2)400~500nmの波長領域における平均透過率が75%以上である。
(iii-3)713~763nmの波長領域における最大透過率が20%以下である。
上記(iii-1)における透過率の差の平均は、8%/nm以下がより好ましく、5%/nm以下がさらに好ましい。なお、(iii-1)における透過率の差の平均とは、波長703~739nmの範囲で、1nmおきに、入射角0度の透過率と入射角35度の透過率の差分(差の絶対値)をとり、それら差分の合計の透過率[%]を、サンプリングした波長の数(=37点)で割った結果に相当する。(iii-2)における平均透過率は80%以上がより好ましい。(iii-3)における最大透過率は、15%以下がより好ましく、12%以下がさらに好ましい。
本フィルタは、例えば、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に使用した場合に、色再現性に優れる撮像装置を提供できる。本フィルタを用いた撮像装置は、固体撮像素子と、撮像レンズと、本フィルタとを備える。本フィルタは、例えば、撮像レンズと固体撮像素子との間に配置されたり、撮像装置の固体撮像素子、撮像レンズ等に粘着剤層を介して直接貼着されたりして使用できる。
以下に本発明の実施例を説明する。まず、本フィルタの吸収層に用いる色素(D1)と色素(D2)の組み合わせを例示する。次いで、光学フィルタの実施例について説明する。
[例D-1~例D-15]
上記表9に示す各種化合物を組み合わせて、本フィルタの吸収層が含有する色素(D1)と色素(D2)の組み合わせを検討した。表10の例D-1~例D-7、例D-14、例D-15に実施例となる組み合わせを示す。また、表11に、例D-8~例D-13として、本フィルタの色素(D1)に相当する色素(I-12-23)と、色素(D2)に相当しない色素(Dx)を組み合わせた比較例を示す。
表10、表11に示す、色素(D1)、色素(D2)または色素(Dx)と、ポリイミド樹脂C3G30(商品名;三菱瓦斯化学製)、シクロヘキサノンを十分に撹拌し、均一に溶解した。得られた溶液をガラス板(D263;SCHOTT製)上に塗布し、乾燥して膜厚1.0μmの吸収層を得た。色素の添加量は2種類の色素とも各々、単独の色素でポリイミド樹脂C3G30に添加したときの最大吸収波長での光の透過率が10%になるように調整した。波長400~1100nmの吸収層付きガラス板の分光透過率曲線とガラス板の分光透過率曲線を用いて、吸収層の分光透過率曲線を得た。
吸収層の分光透過率曲線から、表10および表11における、各項目を評価した。なお、各項目は以下を意味する。ただし、上に説明した項目については説明を省略する。
(i-1)λAB-LOT20-λAB-SHT20;(i-1)の要件の指標である。650~800nmの波長領域の光の透過率が20%を示す2つの波長のうち、短波長側の波長をλAB-SHT20、長波長側の波長をλAB-LOT20とした際の差を示す。なお、例D-1~例D-12、例D-14、例D-15において、650~800nmの波長領域の光の透過率が20%を示す波長は2つであった。例D-13においては、透過率が20%を示す光の波長のうち長波長側の波長が800nmを超えていた。
(i-2)の最大透過率;(i-2)の要件の指標である。λmax(D1)からλmax(D1)+50nmまでの波長領域における光の最大透過率を示す。
(i-3)の平均透過率;(i-3)の要件の指標である。λmax(D1)-20nmからλmax(D1)+80nmまでの波長領域における光の平均透過率を示す。
(i-4)T400-500ave;(i-3)の要件の指標である。400~500nmの光の平均透過率を示す。
T500-600ave;500~600nmの光の平均透過率を示す。
T600-700ave;600~700nmの光の平均透過率を示す。
T700-730ave;700~730nmの光の平均透過率を示す。
T700-750ave;700~750nmの光の平均透過率を示す。
色素(D1)含有量、色素(D2)含有量、色素(Dx)含有量;各色素のポリイミド樹脂100質量部に対する質量部を示す。
Figure 0007468568000032
Figure 0007468568000033
<耐光性試験>
表12に示す色素(D1)と色素(D2)または色素(Dx)とポリイミド樹脂C3G30(商品名;三菱瓦斯化学製)、シクロヘキサンを十分に撹拌し、均一に溶解させた。色素の添加量は2種類の色素とも各々、単独の色素でポリイミド樹脂C3G30に添加したときの最大吸収波長での光の透過率が10%になるように調整した。得られた溶液をガラス板(D263;SCHOTT製)上に塗布し、乾燥して膜厚1.0μmの吸収層を得た。さらに、吸収層付きガラス板の吸収層上に蒸着機で誘電体多層膜からなる反射防止層を形成し耐光性試験用のサンプルとした。表12において、例D-14、例D-15(表10に光学特性が示される。)が実施例であり、例D-11、例D-12(表11に光学特性が示される。)が比較例である。
キセノンランプを光源とするウエザーメーター試験機(スガ試験機社製)を用いて得られたサンプルの耐光性試験を行った。波長300~400nmにおいて積算光量で6000J/m照射後に、710nm、730nm、750nm、770nmの光に対する色素の残存率を評価した。
残存率は照射前の質量吸光係数に対する照射後の質量吸光係数の百分率として算出した。なお、質量吸光係数は、波長350~1200nmの範囲における最大吸収波長での内部透過率T[%](=実測透過率[%]/[100[%]-実測反射率[%]])を算出し、-log10(T/100)によって計算した。残存率が90%以上のものを「○」、90%未満を「×」とした。総合判定は、4つの波長全てで「○」の場合を、耐光性ありとして「○」、いずれか1つの波長でも「×」がある場合は、耐光性なしとして「×」とした。
Figure 0007468568000034
[例1~例6]
板状の赤外線吸収ガラス、NF50GX(商品名、旭硝子製、厚さ;0.12mm)の一方の主面上に表14に示す吸収層をそれぞれ作製した。例3については、例D-3の吸収層において色素(D2)を含有しない以外は、例D-3と同様にして、色素(D1)のみを含有する吸収層を作製した。得られた吸収層付きガラス板の他方の主面に誘電体多層膜からなる近赤外線反射領域を有する表13に示す6種類の反射層1~6を設計して光学フィルタとした。
例1、例2は、例D-3、例D-4の吸収層を用いた実施例であり、例4、例5、例6はそれぞれ、例D-8、例D-10、例D-13の吸収層を用いた比較例である。
表13には、入射角0度における反射層1~6の光学特性を示す。λRE-SHT20は、吸収領域の短波長側で透過率が20%となる波長である。
Figure 0007468568000035
得られた光学フィルタについて、以下の光学特性を評価した。結果を表14に示す。
透過率20%波長の差;λRE-SHT20-λAB-SHT20
斜入射特性;703~739nmの波長領域における、入射角0度と入射角35度の透過率の差の平均である。
T400-500の平均透過率;400~500nmの平均透過率である。
T713-763nmの最大透過率;713~763nmの最大透過率である。
Figure 0007468568000036
表14から本フィルタの実施例である例1および例2においては反射層のλRE-SHT20が、λAB-SHT20+30nm≦λRE-SHT20≦790nmの範囲で変化しても、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を十分に抑制できることがわかる。さらに、400~500nmにおける青色の透過率が高く、近赤外光の遮蔽性も良好であることがわかる。
例3においては、色素(D1)のみを使用しているため、反射層のλRE-SHT20が、λAB-SHT20+30nm≦λRE-SHT20≦790nmの範囲で変化すると、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を十分に抑制できない範囲が現れることがわかる。
例4および例5は、色素(D1)と本発明の色素(D2)の範囲外の色素(X)を使用しているため、反射層のλRE-SHT20が、λAB-SHT20+30nm≦λRE-SHT20≦790nmの範囲で変化すると、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を十分に抑制できない範囲が現れることがわかる。また、例5は色素(X)がフタロシアニン化合物であり、波長400~500nmにおける青色の透過率が低い。
例6は色素(D1)と本発明の色素(D2)の範囲外の色素(X)を使用しているが、反射層のλRE-SHT20が、λAB-SHT20+30nm≦λRE-SHT20≦790nmの範囲で変化しても、高い角度で入射した光に対する入射角依存性を抑制できることがわかる。しかしながら、例6は色素(X)がシアニン化合物であることから、耐光性が十分でないことが想定できる。
本発明の光学フィルタは、可視光、特に青色の透過性が良好であり、特に高い入射角における近赤外光の遮蔽性の低下が抑制された良好な近赤外線遮蔽特性を有し、入射角依存性を広い波長範囲で抑制するため、反射層設計の自由度が増すとともに、さらに耐光性にも優れるので、近年、高性能化が進むデジタルスチルカメラ等の撮像装置等の用途に有用である。
10A,10B…光学フィルタ、11…吸収層、12…反射層、13…透明基板、14…反射防止層。

Claims (19)

  1. 近赤外線吸収色素及び透明樹脂を含有し、かつ、下記(i―1)及び(i-4)を満たす吸収層と、誘電体多層膜からなる反射層とを有し、
    前記近赤外線吸収色素は、下式(I)~(III)のいずれかで示される第1の近赤外線吸収色素(D1)および下式(I)~(III)のいずれかで示される第2の近赤外線吸収色素(D2)を含み、
    下記(iii-1)~(iii-3)を満たす光学フィルタ。
    (i-1)650~800nmの波長領域の光に対し透過率が20%を示す波長を2つ有し、前記2つの波長の差が70nm以上
    (i-4)波長400~500nmの波長領域の光の平均透過率が85%以上
    (iii-1)703~739nmの波長領域における、入射角0度と入射角35度の透過率の差の平均が、10%/nm以下
    (iii-2)400~500nmの波長領域における平均透過率が75%以上
    (iii-3)713~763nmの波長領域における最大透過率が20%以下
    Figure 0007468568000037
    ただし、式(I)中の記号は以下のとおりである。
    24 およびR 26 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、-NR 27 28 (R 27 およびR 28 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-C(=O)-R 29 (R 29 は、水素原子、置換基を有していてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)、-NHR 30 、または、-SO -R 30 (R 30 は、それぞれ1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)を示す。)、または、下記式(S)で示される基(R 41 、R 42 は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。kは2または3である。)を示す。
    Figure 0007468568000038
    21 とR 22 、R 22 とR 25 、およびR 21 とR 23 は、互いに連結して窒素原子と共に員数が5または6のそれぞれ複素環A、複素環B、および複素環Cを形成してもよい。
    複素環Aが形成される場合のR 21 とR 22 は、これらが結合した2価の基-Q-として、水素原子が炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基または置換基を有していてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示す。
    複素環Bが形成される場合のR 22 とR 25 、および複素環Cが形成される場合のR 21 とR 23 は、これらが結合したそれぞれ2価の基-X -Y -および-X -Y -(窒素に結合する側がX およびX )として、X およびX がそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、Y およびY がそれぞれ下記式(1y)~(5y)から選ばれるいずれかで示される基である。X およびX が、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、Y およびY はそれぞれ単結合であってもよく、その場合、炭素原子間に酸素原子を有してもよい。
    Figure 0007468568000039
    式(1x)中、4個のZは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または-NR 38 39 (R 38 およびR 39 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を示す)を示す。R 31 ~R 36 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を、R 37 は炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を示す。
    27 、R 28 、R 29 、R 31 ~R 37 、複素環を形成していない場合のR 21 ~R 23 、およびR 25 は、これらのうちの他のいずれかと互いに結合して5員環または6員環を形成してもよい。R 31 とR 36 、R 31 とR 37 は直接結合してもよい。
    複素環を形成していない場合の、R 21 およびR 22 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基もしくはアリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6~11のアリール基もしくはアルアリール基を示す。複素環を形成していない場合の、R 23 およびR 25 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
    Figure 0007468568000040
    ただし、式(II)中の記号は以下のとおりである。
    環Zは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を環中に0~3個有する5員環または6員環であり、環Zが有する水素原子は置換されていてもよい。
    とR 、R とR 、およびR と環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子は、互いに連結して窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1を形成していてもよく、その場合、ヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1が有する水素原子は置換されていてもよい。ヘテロ環を形成していない場合のR およびR は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、置換基を有してもよい炭化水素基を示す。R およびヘテロ環を形成していない場合のR は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有してもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
    Figure 0007468568000041
    ただし、式(III)中の記号は以下のとおりである。
    51 は、それぞれ独立にハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~3のアルキル基を示し、
    52 ~R 58 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基を示す。
    52 とR 53 は、互いに連結して、炭素数5~15の飽和または不飽和の炭化水素環B2を形成していてもよく、炭化水素環B2の水素原子はハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基に置換されていてもよく、
    54 とR 55 は、互いに連結してベンゼン環A2を形成していてもよく、ベンゼン環A2の水素原子はハロゲン原子、または、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基に置換されていてもよい。
  2. 前記第1の近赤外線吸収色素(D1)は、波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmax(D1)が680~730nmの波長領域にあり、
    前記第2の近赤外線吸収色素(D2)は、波長400~1100nmの分光透過率曲線において、最大吸収波長λmax(D2)が720~770nmの波長領域にある、請求項に記載の光学フィルタ。
  3. 前記吸収層がさらに下記(i-1)’の特性を有する、請求項1又は2に記載の光学フィルタ。
    (i-1)’650~800nmの波長領域の光に対し透過率が20%を示す波長を2つ有し、前記2つの波長の差が90nm以上
  4. 前記吸収層がさらに下記(i-1)’’の特性を有する、請求項に記載の光学フィルタ。
    (i-1)’’650~800nmの波長領域の光に対し透過率が20%を示す波長を2つ有し、前記2つの波長の差が99nm以上
  5. 前記吸収層がさらに下記(i-4)’の特性を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (i-4)’波長400~500nmの波長領域の光の平均透過率が88%以上
  6. 前記吸収層がさらに下記(i-4)’’の特性を有する、請求項に記載の光学フィルタ。
    (i-4)’’400~500nmの波長領域の光の平均透過率が90%以上
  7. さらに下記(iii-1)’を満たす請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (iii-1)’703~739nmの波長領域における、入射角0度と入射角35度の透過率の差の平均が、8%/nm以下
  8. さらに下記(iii-1)’’を満たす請求項に記載の光学フィルタ。
    (iii-1)’’703~739nmの波長領域における、入射角0度と入射角35度の透過率の差の平均が、5%/nm以下
  9. さらに下記(iii-2)’を満たす請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (iii-2)’400~500nmの波長領域における平均透過率が80%以上
  10. さらに下記(iii-3)’を満たす請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (iii-3)’713~763nmの波長領域における最大透過率が15%以下
  11. さらに下記(iii-3)’’を満たす請求項10に記載の光学フィルタ。
    (iii-3)’’713~763nmの波長領域における最大透過率が12%以下
  12. さらに下記(iii-3)’’’を満たす請求項11に記載の光学フィルタ。
    (iii-3)’’’713~763nmの波長領域における最大透過率が8.9%以下
  13. さらに下記(iii-3)’’’’を満たす請求項12に記載の光学フィルタ。
    (iii-3)’’’’713~763nmの波長領域における最大透過率が4.7%以下
  14. 前記第1の近赤外線吸収色素(D1)及び前記第2の近赤外線吸収色素(D2)として、前記透明樹脂に含有させたときに最大吸収波長λmaxが650~800nmの波長領域にあるスクアリリウム色素を2種以上含むことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  15. 前記透明樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、およびポリスチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1~14のいずれか1項記載の光学フィルタ。
  16. さらに透明基板を有し、前記吸収層および前記反射層は、それぞれ前記透明基板の主面上に設けられる請求項1~15のいずれか1項記載の光学フィルタ。
  17. 前記透明基板はガラスまたはサファイアからなる請求項16記載の光学フィルタ。
  18. 前記ガラスは、銅イオンを添加したフツリン酸塩系ガラス、または、銅イオンを添加したリン酸塩系ガラスである請求項17に記載の光学フィルタ。
  19. 求項1~18のいずれか1項に記載の光学フィルタとを備えたことを特徴とする撮像装置。
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