JP2021501572A - 新規な人工核酸分子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、5’および3’非翻訳領域(UTR)因子の新規な組み合わせを含む人工核酸分子を提供する。本発明の核酸分子は、好ましくは上記UTR因子に操作可能に連結されたコーディング領域の発現効率の増加を特徴とする。上記人工核酸は、様々な疾患の治療または予防に使用することができる。本発明はさらに、上記人工核酸分子を含む(薬学的)組成物、ワクチンおよびキットを提供する。さらに、本発明の人工核酸分子を調製するためのインビトロ方法が提供される。

Description

発明の詳細な説明
今日までに、裸のDNA、ウイルスまたは細菌性DNAベクターの形態の治療用核酸が、種々の目的のために利用されている。遺伝子治療は1つ以上の治療用核酸を患者の細胞に移入すること(遺伝子付加治療)、または欠陥遺伝子を例えば遺伝子編集によって修正すること(遺伝子置換治療)により、疾患を治療しようとするものである。この技術移転は、従来の治療選択肢では治癒できないかまたは一時的にしか治癒できない疾患に対して、持続的な治療を提供することが期待され、また、以前は治療不能と分類されていた疾患に対しても治療を提供することが期待される。現在利用可能な遺伝子治療方策は、典型的には、終末分化標的細胞または組織へのインビボ遺伝子運搬か、または、自己細胞へのエクスビボ遺伝子運搬に続けて行う患者への養子免疫伝達か、のいずれかに基づく(Kumar et al. Mol Ther Methods Clin Dev. 2016; 3: 16034)。ここしばらく、臨床遺伝子治療は、いくつかの有望な結果が得られたが、いくつかの失敗もあった。遺伝子運搬の好ましい方法は、定義された組成物および製造における再現性の点で、例えば、脂質またはポリマーを用いて合成粒子などの好適な担体中に提供される裸のDNAを利用する。しかしながら、これらの方法は、インビボでの効率的摂取および持続的な遺伝子発現をまだ達成していない。このように、いくらかの臨床的利益を実証した遺伝子置換治療試験は、遺伝子運搬用のウイルスベクターに依存していた。種々のウイルス系ベクターシステムの中で、アデノ随伴ウイルス(AAV)DNAベクターは、インビボ遺伝子運搬用に最も一般的に使用される。標的細胞のゲノムに組み込むことが可能なレトロウイルスベクター(γ−レトロウイルスまたはレンチウイルス由来)の使用は、安全上および倫理上の問題により多少妨げられている。レトロウイルス遺伝子治療に関する懸念は、ベクター産生中の複製可能なレトロウイルスの生成、ゲノム中の内因性レトロウイルスによるベクターの動員、癌に至る挿入突然変異、生殖細胞系変化および遺伝子治療患者からの新規ウイルスの播種の可能性に基づいている。AAV系ベクターは一般的に患者のゲノムに組み込まれず、したがってこれらの潜在的リスクの多くを回避するが、残る懸念は、時折観察される部位特異的組み込み事象、治療患者からのベクターの排出、およびウイルス構造タンパク質への免疫応答によって引き起こされる潜在的有害作用に由来する。
免疫療法は、治療用核酸の第二の、重大な適用分野である。特に、腫瘍抗原をコードしているDNAワクチンは、癌免疫療法について評価されている。原則として、癌細胞と戦うために、患者自身の適応免疫を利用することが好ましく思われる。非ウイルスDNAベクターに基づくDNA系ワクチンは、一般的に容易に操作され、迅速に大量生産することができる。これらのDNAベクターは安定しており、容易に保存および輸送することができる。弱毒生細菌ワクチンやウイルスワクチンとは異なり、病原性感染や抗ウイルス免疫応答の誘発のリスクはない。裸のDNAは、インビボでは細胞から細胞へ容易に広がることはない。APCは発現した抗原を容易に取り込まず、満足のいく免疫応答を活性化する(Yang et al. Hum Vaccin Immunother, 2014 Nov; 10(11): 3153-3164)。一方、トランスフェクション細胞による限られた摂取および結果としての限られた抗原転写は、非ウイルスDNA系ワクチンの主要な欠点である。実際、DNAをコードしている腫瘍抗原を用いた抗腫瘍ワクチン接種は、免疫化保護実験においてある程度の成功を収め、いくつかの型の抗癌ワクチンが設計され、製造され、そして前臨床的に試験されている。しかしながら、測定可能な免疫応答の誘導および患者の全生存期間の延長における効果は、臨床試験ではわずかであった。
エレクトロポレーション法またはウイルス媒介運搬による投与はこの課題を解決するが、新しい問題が生じている。エレクトロポレーション法の場合、臨床的に承認された装置および患者の承諾の入手のしやすさに起因して、臨床でのそれらの使用が制限されてきた。ウイルス媒介運搬の場合、上記問題は、患者における抗ウイルス中和抗体を存在させながら生ウイルスを投与することに関連する潜在的な危険性に主に関係している(Lollini et al. Vaccines, Jun; 3(2): 467-489、2015)。
開発が始まって以来、核酸系ワクチンや遺伝子治療技術は、長い道のりをたどってきた。残念ながら、ヒト被験者では、摂取や転写が不十分であったことにより、遺伝子や抗原の不十分な発現に起因する限定的な臨床成果しか得られなかった。治療用DNAの実用化のためには、治療用タンパク質(遺伝子治療の場合)または免疫原性(免疫療法の場合)の不十分な運搬が依然として最大の課題となっている。Li and Petrovsky Expert Rev Vaccines, 2016; 15(3): 313-329。RNAに基づく治療は、治療用DNAの欠点の多くを克服するが、利用可能な治療用RNAについて現在観察されている発現効率に関して、依然として改善の余地がある。したがって、治療用核酸の効力を高めるのに役立つ効果的な方策が緊急に必要とされている。上述した要求に応じることが、本発明の課題である。
本発明を以下に詳細に記載するが、本発明は本明細書に記載される特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されず、これらは変化し得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図していないことも理解されたい。他の方法で定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を持つ。
以下、本発明の構成要素について説明する。これらの構成要素は特定の実施形態と共に列挙されているが、追加の実施形態を作成するために、任意の方法および任意の数で組み合わせることができることを理解されたい。種々の実施例および好ましい実施形態は、明示的に説明した実施形態のみに本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本記載は、明示的に説明された実施形態を、任意の数の開示されたおよび/または好ましい構成要素と組み合わせる実施形態を支持し、包含すると理解されるべきである。さらに、本願に記載されたすべての構成要素の任意の並べ替えおよび組み合わせは、文脈により別段示されない限り、本願の記載によって開示されたものとみなされるべきである。
本明細書および続く特許請求の範囲を通して、文脈が別段の要求をしない限り、用語「comprise(備える)」および「comprises」「comprising」などの変形は、記載された部材、整数または工程を含むことを意味するが、他の記載されていない部材、整数または工程を除外するものではないことを理解されたい。用語「consist of(からなる)」は、用語「comprise(備える)」の特定の具体化であり、他の記載されていない部材、整数、または工程を除外するものである。本発明に関して、用語「comprise(備える)」は、用語「consist of(からなる)」を包含する。したがって、用語「comprising(備える)」は、例えば、「including(含む)」ならびに「consisting(からなる)」を包含し、X「を備える(comprising)」組成物はXのみからなってもよく、または何らかの追加のもの、例えば、X+Yを含んでもよい。
用語「a」および「an」および「the」ならびに本発明を説明する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)使用される同様の指示は、本明細書中で特に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、単に、その範囲内に入る各別個の値を個別的に参照する簡潔な方法としての役割を意図している。本明細書中で特に示さない限り、個々の値はそれぞれ、それが本明細書中で個々に記載されたかのように、本明細書中に組み込まれる。明細書中のいかなる言葉も、特許請求の範囲に記載されていない構成要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものと解釈されるべきではない。
「実質的に」という用語は、例えば「完全に」という語を除外するものではなく、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まないということであってもよい。場合によっては、「実質的に」という用語は本発明の定義から省略されてもよい。
数値xに対する用語「約」は、x±1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%を意味する。
本発明では、特に断らない限り、代替形態および実施形態の異なる特徴を互いに組み合わせることができる。
明確性および可読性のために、以下の定義を与える。これらの定義についてのあらゆる技術的特徴は、本発明のそれぞれの実施形態において記載されている。さらなる定義および説明も、これらの実施形態との関係の中で具体的に記載されている場合がある。
〔定義〕
[人工核酸分子]
人工核酸分子は、典型的には、自然には存在しない核酸分子、例えば、DNAまたはRNAであると理解され得る。言い換えれば、人工核酸分子は、非天然核酸分子として理解されてもよい。このような核酸分子は、その個々の配列(自然には存在しない配列)のために、および/または自然には存在しないヌクレオチドの他の修飾、例えば、構造修飾のために、非天然であり得る。人工核酸分子は、DNA分子、RNA分子、またはDNA部分およびRNA部分を含むハイブリッド分子であり得る。典型的には、人工核酸分子は、ヌクレオチドの所望の人工配列(異種配列)に対応するように、遺伝子工学的方法によって設計および/または生成され得る。これに関して、人工配列は、通常、天然に生じ得ない配列であり、すなわち、少なくとも1つのヌクレオチドが野生型配列とは異なる。用語「野生型」は、天然に存在する配列として理解され得る。さらに、用語「人工核酸分子」は「単一分子」を意味することに限定されず、典型的には同一の分子の集合を含むと理解される。従って、用語「人工核酸分子」は、アリコート中に含まれる複数の同一の分子に関連し得る。
[DNA]
DNAは、デオキシリボ核酸の慣例的な略語である。DNAは核酸分子である。すなわち、ヌクレオチドからなるポリマーである。これらのヌクレオチドは通常、デオキシ−アデノシン−一リン酸、デオキシ−チミジン−一リン酸、デオキシ−グアノシン−一リン酸およびデオキシ−シチジン−一リン酸モノマーであり、これらは、それ自体、糖部位(デオキシリボース)、塩基部位およびリン酸部位から構成され、特徴的バックボーン構造によって重合する。バックボーン構造は、典型的には、第一のヌクレオチドの糖部位、すなわちデオキシリボースと、隣接するモノマーである第二のリン酸部分との間のリン酸ジエステル結合によって形成される。特定のモノマーの順序(すなわち、糖/リン酸バックボーンに結合している塩基の順序)は、DNA配列と呼ばれる。DNAは一本鎖であっても、二本鎖であってもよい。二本鎖形態では、典型的には、第一鎖のヌクレオチドが、例えば、A/T塩基対形成およびG/C塩基対形成によって、第二鎖のヌクレオチドとハイブリッド形成する。
[異種配列]
2つの配列は、それらが同じ遺伝子から引き出せなければ、典型的には「異種」であると理解される。つまり、異種配列は同じ生物から由来し得るが、天然(自然)では同じ核酸分子、例えば同じmRNAには存在しない。
[クローニング部位]
クローニング部位は典型的には核酸配列、例えば、オープンリーディングフレームを含む核酸配列の挿入に適した核酸分子のセグメントであると理解される。挿入は当業者に知られている任意の分子生物学的方法、例えば、制限およびライゲーションによって行うことができる。クローニング部位は、典型的には1つ以上の制限酵素認識部位(制限部位)を含む。これらの1つ以上の制限部位は、これらの部位でDNAを切断する制限酵素によって認識され得る。二つ以上の制限部位を含むクローニング部位は、マルチクローニング部位(MCS)またはポリリンカーとも呼ばれ得る。
[核酸分子]
核酸分子は、核酸成分を含む、好ましくは核酸成分からなる分子である。核酸分子という用語は、好ましくはDNAまたはRNA分子を指す。当該用語は、好ましくは、用語「ポリヌクレオチド」の同義語として使用される。好ましくは、核酸分子は、糖/リン酸バックボーンのホスホジエステル結合によって互いに共有結合しているヌクレオチドモノマーを含むか、または当該ヌクレオチドモノマーからなるポリマーである。用語「核酸分子」は、塩基修飾、糖修飾またはバックボーン修飾などのDNAまたはRNA分子などの修飾核酸分子も包含する。
[オープンリーディングフレーム]
本発明に関して、オープンリーディングフレーム(ORF)は典型的にはいくつかのヌクレオチド・トリプレットの配列であり得、これはペプチドまたはタンパク質に翻訳され得る。オープンリーディングフレームは好ましくはその5’末端に続けて、開始コドン、つまり、通常アミノ酸メチオニン(ATG)をコードする3つのヌクレオチドの組み合わせ、およびそれに続く領域を含み、当該領域は、通常、3ヌクレオチドの倍数である長さを示す。ORFは好ましくは停止コドン(例えば、TAA、TAG、TGA)によって終結される。典型的には、これはオープンリーディングフレームの唯一の停止コドンである。したがって、本発明に関しては、オープンリーディングフレームは好ましくは開始コドン(例えば、ATG)で始まり、好ましくは終止コドン(例えば、TAA、TGA、またはTAG)で終わる、3で割ることができる数の多数のヌクレオチドからなるヌクレオチド配列である。オープンリーディングフレームは単離されていてもよいし、より長い核酸配列、例えば、ベクターまたはmRNAに組み込まれていてもよい。オープンリーディングフレームはまた、「(タンパク質)コーディング配列」または好ましくは「コーディング配列」と称されてもよい。
[ペプチド]
ペプチドまたはポリぺプチドは、典型的にはペプチド結合によって連結されたアミノ酸モノマーのポリマーである。典型的には50モノマー単位未満を含む。それでもやはり、ペプチドという用語は、50モノマー単位を超える分子を除外するものではない。長いペプチドは「ポリペプチド」とも呼ぶ。ポリペプチドは、通常、50〜600のモノマー単位を有している。
[タンパク質]
タンパク質は、典型的には1つ以上のペプチドまたはポリペプチドを含む。タンパク質は、典型的には、タンパク質がその生物学的機能を発揮するために必要とされ得る三次元的形態に折り畳まれる。
[制限部位]
制限酵素認識部位とも呼ばれる制限部位は、制限酵素によって認識されるヌクレオチド配列である。制限部位は、典型的には、短い、好ましくは回文ヌクレオチド配列であり、例えば、4〜8個のヌクレオチドを含む配列である。制限部位は、好ましくは制限酵素によって特異的に認識される。制限酵素は、典型的には、この部位で制限部位を含むヌクレオチド配列を切断する。二本鎖DNA配列などの二本鎖ヌクレオチド配列では、制限酵素は典型的にはヌクレオチド配列の両方の鎖を切断する。
[RNA、mRNA]
RNAは、リボ核酸の慣例的な略語である。RNAは核酸分子である。すなわち、ヌクレオチドからなるポリマーである。これらのヌクレオチドは、通常、アデノシン一リン酸モノマー、ウリジン一リン酸モノマー、グアノシン一リン酸モノマー、およびシチジン一リン酸モノマーであり、いわゆるバックボーンに沿って、互いに連結されている。バックボーンは、第一のモノマーの糖(すなわちリボース)と、隣接する第二のモノマーのリン酸部位との間の、リン酸ジエステル結合によって形成されている。モノマーの特異的連続は、RNA配列と呼ばれる。通常、RNAは、(例えば、細胞内での)DNA配列の転写によって得られ得る。真核細胞においては、転写は、通常、核内またはミトコンドリア内で行われる。インビボでは、通常、DNAが転写されると、いわゆる未成熟RNAになる。未成熟RNAは、いわゆるメッセンジャーRNA(通常はmRNAと略記される)にプロセシングを受けねばならない。未成熟RNAの(例えば、真核生物における)プロセシングには、種々の異なる転写後修飾が含まれる(例えば、スプライシング、5’キャッピング、ポリアデニル化、核外またはミトコンドリア外への輸送、など)。これらの全過程を、RNAの成熟とも呼ぶ。成熟メッセンジャーRNAは、通常、特定のペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列に翻訳され得る、ヌクレオチド配列を提供する。通常、成熟mRNAは、5’キャップ、5’−UTR、オープンリーディングフレーム、3’−UTR、およびポリ(A)配列を含んでいる。メッセンジャーRNAに加えて、ノンコーディング型のRNAもいくつか存在する。ノンコーディング型のRNAは、転写および/または翻訳の調節に関わり得る。
[核酸分子の配列]
核酸分子の配列は、典型的には、特定のおよび個々の順序、つまり、そのヌクレオチドの連続であると理解される。タンパク質またはペプチドの配列は、典型的には、そのアミノ酸の順序、つまり連続であると理解される。
[配列同一性]
二つ以上の配列は、それらがヌクレオチドまたはアミノ酸の同じ長さおよび順序を示す場合、同一である。同一性の割合は典型的には二つの配列が同一である程度を表し、つまり、典型的には、それらの配列位置において基準配列の同一ヌクレオチドに対応するヌクレオチドの割合を表す。同一性の程度(「同一性%」)の決定のために比較される配列は、典型的には同じ長さ、つまり、比較される配列の最も長い配列の長さを示すと考えられる。これは、8個のヌクレオチドからなる第一の配列が、第一の配列を含む10個のヌクレオチドからなる第二の配列と80%同一であることを意味する。換言すれば、本発明に関して、配列の同一性は、好ましくは同じ長さを有する二つ以上の配列において同じ位置を有する配列のヌクレオチドまたはアミノ酸の割合に関連する。具体的には、二つのアミノ酸配列または二つの核酸配列の「同一性%」は、最適な比較のために配列にアライメントを施し(例えば、他方の配列との最良のアライメントのためにいずれかの配列にギャップを挿入してもよい)、対応する位置でアミノ酸またはヌクレオチドを比較することによって決定することができる。ギャップは通常、アライメント中のそれらの実際の位置にかかわらず、同一でない位置とみなされる。「最良のアライメント」は典型的には最高の同一性%をもたらす二つの配列のアライメントである。同一性%は、比較される配列中の同一ヌクレオチドの数によって決定される(つまり、同一性%=同一位置の数/位置の総数×100)。二つの配列間の同一性%の決定は、当業者に知られた数学的アルゴリズムを使用して行うことができる。
[安定化核酸分子]
安定化核酸分子は、例えば、環境要因または酵素消化(エキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼ分解などによる)によって、改変を含まない核酸分子よりも崩壊または分解に対してより安定であるように改変された核酸分子(好ましくは、DNAまたはRNA分子)である。好ましくは、本発明に関して、安定化核酸分子は、原核細胞または真核細胞などの細胞において、好ましくはヒト細胞などの哺乳類細胞において安定化される。安定化効果は、例えば、安定化核酸分子を含む薬学的組成物の製造プロセスにおいて、細胞外、例えば、緩衝液などにも及ぼされてもよい。
[トランスフェクション]
「トランスフェクション」という用語は、DNAまたはRNA(例えば、mRNA)分子などの核酸分子の細胞への、好ましくは真核細胞への導入を指す。本発明に関しては、「トランスフェクション」という用語は、核酸分子を細胞、好ましくは真核細胞(哺乳類細胞など)に導入するための当業者に既知のあらゆる方法を包含する。このような方法は、例えば、エレクトロポレーション法、リポフェクション法(例えば、カチオン性脂質および/またはリポソームに基づくリポフェクション法)、リン酸カルシウム沈殿、ナノ粒子に基づくトランスフェクション、ウイルスに基づくトランスフェクション、またはカチオン性のポリマー(例えば、DEAE−デキストランまたはポリエチレンイミンなど)に基づくトランスフェクションを包含する。好ましくは、導入は、非ウイルス的に行われる。
[ベクター]
「ベクター」という用語は、核酸分子、好ましくは人工核酸分子を指す。本発明に関して、ベクターは、所望の核酸配列(例えば、オープンリーディングフレームを含む核酸配列)を組み込むかまたは宿すのに好適である。このようなベクターは、記憶ベクター、発現ベクター、クローニングベクター、移入ベクターなどが挙げられる。記憶ベクターは、核酸分子、例えばmRNA分子の簡便な記憶を可能にするベクターである。したがって、ベクターは、例えば、所望のmRNA配列またはその一部(mRNAのコーディング配列および3’−UTRに対応する配列など)に対応する配列を含み得る。発現ベクターは、RNA、例えば、mRNA、またはペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質などの発現産物の産生のために使用され得る。例えば、発現ベクターは、ベクターの配列延伸(プロモーター配列、例えば、RNAポリメラーゼプロモーター配列など)の転写に必要な配列を含み得る。クローニングベクターは典型的にはクローニング部位を含むベクターであり、これは、核酸配列をベクターに組み込むために使用され得る。クローニングベクターは、例えば、プラスミドベクターまたはバクテリオファージベクターであり得る。移入ベクターは、核酸分子を細胞または生物、例えば、ウイルスベクターに移入するのに好適なベクターであり得る。本発明に関して、ベクターは、例えば、RNAベクターまたはDNAベクターであり得る。好ましくは、ベクターはDNA分子である。好ましくは、本願の意味におけるベクターは、クローニング部位、抗生物質耐性因子などの選択マーカー、および複製起点などのベクターの増殖に好適な配列、を含む。
[ビヒクル]
ビヒクルは、典型的には、化合物(薬学的に活性な化合物など)を保存、運搬、および/または投与するために好適な材料であると理解される。例えば、ビヒクルは、薬学的に活性な化合物を保存、運搬、および/または投与するのに好適な生理学的に許容される液体であってもよい。
本来、細胞ストレスや感染など、細胞の生理的状態を変化させる環境刺激に迅速に適応するためには、遺伝子発現の正確な制御が不可欠である。遺伝子発現プログラムは、定常調節を受け、シス(cis)およびトランス(trans)の両方で作用する多層調節因子によって厳密に調節される。このような精密な制御のために、細胞機構は転写から翻訳微調整遺伝子発現までのいくつかの段階でレギュレーターを進化させてきた。これらには、染色体DNAの構造および化学修飾、転写調節、メッセンジャーRNA(mRNA)の転写後制御、様々な翻訳効率およびタンパク質代謝回転が含まれる。これらのメカニズムが協働して遺伝子の時空間的制御を決定する。メッセンジャーRNAは、タンパク質をコードしている領域と5’および3非翻訳領域(UTR)からなる。3’−UTRは配列および大きさが可変であり、終止コドンとポリ(A)テールとの間にわたる。重要なことに、3’−UTR配列は、mRNA代謝回転、安定性および局在化を決定するいくつかの調節モチーフを有し、したがって、転写後遺伝子調節の多くの態様を支配する(Schwerk and Savan, J Immunol, 2015 Oct 1; 195(7): 2963-2971)。遺伝子治療および免疫療法の用途において、導入遺伝子発現の厳密な調節は、治療の安全および効果にとって最も重要である。導入遺伝子は、適切な場所において最適な閾値で発現される必要がある。しかしながら、治療効果と非特異的毒性との間の均衡を提供するために、導入遺伝子発現のレベルを制御する能力は、現在の遺伝子治療および免疫療法の用途において、依然として主要な課題のままである。本発明者らは、驚くべきことに、5’および3’−非翻訳領域(UTR)の特定の組み合わせが協働して作用することにより、操作可能に連結された核酸配列の発現を相乗的に増進することを発見した。本発明のUTRの組み合わせを有する人工核酸分子は、遺伝子治療または免疫療法の目的のために送達される大量の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の迅速かつ一過性の発現を可能にするという効果を奏する。さらに、本明細書に記載される新規な核酸ベースの治療剤は、好ましくは挿入突然変異のリスクの軽減、ならびに非ウイルス性運搬および摂取のより大きな効果を含む、現在利用可能な治療選択肢を超えるさらなる利点を提供する。したがって、本明細書における人工核酸は、例えば、遺伝子治療、癌免疫療法、または感染体に対するワクチン接種を含む、インビボでの様々な治療用途に特に有用である。
したがって、第一の態様において、本発明は、このように、HSD17B4、ASAH1、ATP5A1、MP68、NDUFA4、NOSIP、RPL31、SLC7A3、TUBB4B、およびUBQLN2からなる群から選択される遺伝子の5’非翻訳領域(5’−UTR)に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子と、PSMB3、CASP1、COX6B1、GNAS、NDUFA1、およびRPS9からなる群から選択される遺伝子の3’非翻訳領域(3’−UTR)に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子と、任意で、上記3’−UTRおよび上記5’−UTRに操作可能に連結される少なくとも1つのコーディング領域と、を含む、人工核酸分子に関する。
「UTR」という用語は、本明細書に記載の核酸分子のコーディング領域の上流(5’)および/または下流(3’)に位置する「非翻訳領域」を指し、これにより、典型的には、当該コーディング領域に隣接する領域である。したがって、「UTR」という用語は、一般的には3’非翻訳領域(「3’−UTR」)および5’非翻訳領域(「5’−UTR」)を包含する。UTRは、典型的には、タンパク質に翻訳されない核酸配列を含むかまたは当該核酸配列から成るものであってもよい。典型的には、UTRは、「調節因子」を含む。「調節因子」という用語は、遺伝子調節活性、つまり、操作可能に(シス(cis)またはトランス(trans)で)結合された転写可能核酸配列の発現(特に、転写または翻訳)に影響を与えることができる核酸配列を指す。当該用語は、プロモーター、エンハンサー、内部リボソーム進入部位(IRES)、イントロン、リーダー、転写終結シグナル(ポリアデニル化シグナルなど)、およびポリ−U配列、ならびに他の発現制御因子を含む。調節因子は、構成的に、または時間および/または細胞特異的な様式で作用し得る。任意で、調節因子は、遺伝子の発現、特に転写を調節(誘導、増強、抑制、排除、または予防)可能な調節タンパク質との相互作用(例えば、補充および結合)を介して、自身の機能を発揮し得る。
UTRは、好ましくはコード領域に「操作可能に連結」しており、つまり、コーディング領域に対して機能的な関係で配置される。好ましくは、上記コード配列の発現を制御(つまり、変調、調節、好ましくは増強)することを可能にする様式で連結している。好ましくは、「UTR」は、遺伝子、好ましくは本明細書で例示されるような遺伝子の(天然に存在する、野生型)UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。本明細書に使用されるとき、用語「UTR因子」は典型的には親遺伝子のUTR(「親」UTR)のより短いサブ配列に対応する核酸配列を指す。これに関して、「対応する」という用語は、UTR因子が、「親」UTRが由来する遺伝子から転写されたRNA配列(つまり、当該「親」UTRを定義するために使用されるRNA配列に等しい)、または上記RNA配列に相当するそれぞれのDNA配列(センス鎖およびアンチセンス鎖、成熟鎖および未成熟鎖を含む)、またはそれらの組み合わせを含むかまたは当該配列からなり得ることを意味する。
ある遺伝子のUTRに「由来する」UTR因子と言う場合、当該UTR因子は、上記遺伝子の任意の天然に存在するホモログ、バリアントまたは断片に由来し得る。つまり、HSD17B4遺伝子に「由来する」UTR因子と言う場合、それぞれのUTR因子は、「親」HSD17B4遺伝子のUTRのより短いサブ配列に対応する核酸配列、または任意のHSD17B4ホモログ、バリアントまたは断片(特に、「親」HSD17B4遺伝子と比較してUTR領域に変異形を有するHSD17B4ホモログ、バリアントまたは断片)からなり得る。
本明細書全体を通して、人工核酸に関して使用される「由来する」という用語は、つまり、(別の)人工核酸に「由来する」人工核酸とは、(別の)人工核酸に由来する(人工)核酸が、自身が由来する核酸と、例えば、少なくとも60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を共有することも意味する。当業者は、配列同一性が典型的には同じ型の核酸について、つまり、同じ型のDNA配列またはRNA配列について計算されることを知っている。したがって、DNAが「RNAに由来する」場合、またはRNAが「DNAに由来する」場合には、第一段階において、RNA配列が対応するDNA配列に変換される(特に、配列全体にわたってウラシル(U)をチミジン(T)に置き換えることにより変換される)、またはその逆の場合には、DNA配列が対応するRNA配列に変換される(特に、配列全体にわたってTをUに置き換えることにより変換される)と理解される。その後、DNA配列の配列同一性またはRNA配列の配列同一性が決定される。好ましくは、核酸に「由来する」核酸もまた、例えば、RNA安定性をさらに増大させるため、および/またはタンパク質産生を延長および/または増加させるために、自身が由来する核酸と比較して修飾された核酸を指す。アミノ酸配列(例えば、抗原性ペプチドまたはタンパク質)に関して、「由来する」という用語は、(別の)アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列が、例えば、少なくとも60%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を、自身が由来するアミノ酸配列と共有することを意味する。
遺伝子(またはそれに由来する、もしくはその遺伝子に含まれる核酸配列、UTRなど)に関して、「ホモログ」という用語は、共通祖先DNA配列からの子孫によって第二の遺伝子(またはそのような核酸配列)に関連する遺伝子(またはそれに由来する、もしくはその遺伝子に含まれる核酸配列)を指す。「ホモログ」という用語は、種分化事象によって分離された遺伝子(「オルソログ」)および遺伝的重複事象によって分離された遺伝子(「パラログ」)を含む。
遺伝子の核酸配列に関して、用語「バリアント」は核酸配列バリアント、つまり、基準(または「親」)核酸または遺伝子の基準(または「親」)核酸配列中の少なくとも1つの核酸が異なる核酸配列を含む核酸配列または遺伝子を指す。したがって、バリアント核酸または遺伝子は、その核酸配列において、それぞれの基準配列と比較して、少なくとも1つの変異、置換、挿入または欠失を含むことが好ましい。好ましくは、本明細書で用いられる用語「バリアント」は、天然に存在するバリアント、および核酸配列または遺伝子の操作されたバリアントを含む。したがって、本明細書に規定されている「バリアント」は、基準核酸配列に由来、単離、関連、基づく、または相同のものであり得る。「バリアント」は、好ましくは、それぞれの天然(野生型)核酸配列または遺伝子、またはその相同体、断片もしくは誘導体の核酸配列に対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有し得る。
また、タンパク質またはペプチドに関して本明細書を通して使用される「バリアント」という用語は、当業者に認識および理解されるものであり、例えば、1つ以上の変異(1つ以上の置換、挿入および/または欠失されたアミノ酸など)においてオリジナル配列とは異なっているアミノ酸配列を有するタンパク質またはペプチドのバリアントを指すことを意図する。これらの断片および/またはバリアントは、天然の全長タンパク質と比較して、同じ生物学的機能または特定の活性(例えば、特定の抗原性の性質)を有していることが好ましい。本明細書に規定されているタンパク質またはペプチドの「バリアント」は、天然の(すなわち、生理的に変異していない)配列と比較して、保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。特に、これらのアミノ酸配列(およびそれをコードしているヌクレオチド配列)は、本明細書に規定されている「バリアント」という用語に該当する。同じクラスに由来するアミノ酸が、相互に交換される置換を、保存的置換と呼ぶ。上記アミノ酸は、特に、脂肪族の側鎖を有するアミノ酸、正または負に帯電した側鎖を有するアミノ酸、側鎖に芳香族を有するアミノ酸、または、側鎖が水素結合を形成し得るアミノ酸(例えば、ヒドロキシル機能を持つ側鎖を有するアミノ酸)である。これは、(1)例えば、極性の側鎖を有するアミノ酸は、同様に極性の側鎖を有する他のアミノ酸によって置換されること、または、(2)例えば、疎水性の側鎖によって特徴付けられるアミノ酸は、同様に疎水性の側鎖を有する他のアミノ酸によって置換されることを意味する(例えば、セリンがトレオニンによって(トレオニンがセリンによって)、または、ロイシンがイソロイシンによって(イソロイシンがロイシンによって))。特に、三次元構造に変化を及ぼさない配列中の位置において、または、結合部位に影響を及ぼさない配列中の位置においては、挿入および置換があってもよい。挿入または欠失による三次元構造の変化は、例えばCDスペクトル(円二色性スペクトル)を用いて、容易に決定することができる。タンパク質またはペプチドの「バリアント」は、当該タンパク質またはペプチドの少なくとも10、20、30、50、75または100アミノ酸長に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%のアミノ酸同一性を有していてもよい。タンパク質のバリアントは、当該タンパク質の機能性バリアントを包含していることが好ましい。これは、上記バリアントが、自身が由来するタンパク質と同じ効果もしくは機能性、または少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%の上記効果もしくは機能性を発揮することを意味する。
核酸配列または遺伝子に関して、「断片」という用語は、全長基準(または「親」)核酸配列または遺伝子の連続した部分配列を指す。換言すれば、「断片」は、典型的には全長核酸配列または遺伝子のより短い一部であり得る。したがって、断片は、典型的には全長核酸配列または遺伝子内の対応する連続配列と同一である配列からなる。当該用語は、天然に存在する断片ならびに操作された断片を含む。本発明に関して、配列の好ましい断片は、当該断片が由来する全(つまり、全長)核酸配列または遺伝子の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%に相当する、当該断片が由来する核酸または遺伝子中の実体の連続配列に対応する核酸の連続配列からなる。このような断片に関して示される配列同一性は、好ましくは核酸配列または遺伝子の全体を指す。「断片」は、好ましくは、自身が由来する基準核酸配列または遺伝子に対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含み得る。
UTR因子は、好ましくは「機能的」であり、つまり、自身が由来する親UTRと同じ所望の生物学的効果を引き出すことができ、つまり、特に、操作可能に連結されたコーディング配列の発現を変調、制御または調節(誘導、増強、抑制、排除、または予防、好ましくは誘導または増強)することができる。本明細書で用いられる「発現」という用語は、一般に、タンパク質生合成、特に転写、mRNA処理、および翻訳のすべての工程を含む。UTR因子、特に、本明細書中に特定される組み合わせにおける3’−UTR因子および5’−UTR因子は、例えば、(典型的には上記UTR因子に含まれる制御領域の作用を介して)上記UTR因子を含む核酸のポリアデニル化、翻訳開始、翻訳効率、局在化、および/または安定性を調節し得る。
本発明の人工核酸分子は、有利には少なくとも1つの5’−UTR因子および少なくとも1つの3’−UTR因子を含み、それぞれ、本明細書に記載される群から選択される遺伝子に由来する。好適な5’−UTR因子は、好ましくはHSD17B4、ASAH1、ATP5A1、MP68、NDUFA4、NOSIP、RPL31、SLC7A3、TUBB4BおよびUBQLN2からなる群から選択される遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子から選択され、好ましくは、本明細書に規定されている5’−UTR因子である。好適な3’−UTR因子は、好ましくはPSMB3、CASP1、COX6B1、GNAS、NDUFA1およびRPS9からなる群から選択される遺伝子の3’−UTRに由来する3’−UTR因子から選択され、好ましくは、本明細書に規定されている3’−UTR因子である。さらに、本発明の人工核酸分子は、任意に、上記3’−UTR因子および上記5’−UTR因子に操作可能に連結された少なくとも1つのコーディング領域を含んでもよい。したがって、好ましくは、本発明の人工核酸分子は、5’→3’方向に、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコード領域(cds)に操作可能に連結された本明細書に規定された5’−UTR因子と、上記コード領域に操作可能に連結された3’−UTR因子と、を含んでもよい(5’−UTR−cds−3’−UTR)。
典型的には、本発明の人工核酸分子の5’−および/または3’−UTR因子は少なくとも1つのコーディング配列に対して「異種」であり得る。本明細書中で使用される用語「異種」は、典型的には基準核酸配列とは異なる種に由来する核酸配列を指す。したがって、「異種配列」は、基準配列と比較して異なる起源の遺伝子に由来し、典型的にはその核酸の配列が基準配列とは異なり、および/または異なる遺伝子産物をコードし得る。
[UTR]
<5’−UTR>
本明細書に記載の人工核酸は、本明細書中に示される遺伝子の5’−UTR、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子を含む。
用語「5’−UTR」は、オープンリーディングフレームの5’(つまり、「上流」)に位置し、タンパク質に翻訳されない核酸分子の一部を指す。本発明に関して、5’−UTRは転写開始点から始まり、オープンリーディングフレームの開始コドンの1つ前のヌクレオチドで終わる。5’−UTRは、遺伝子発現を調節するための因子(調節因子とも呼ぶ)を含んでいてもよい。このような調節因子は、例えば、リボソーム結合部位であり得る。5’−UTRは、転写後の修飾(例えば5’キャップの付加による修飾)を受けてもよい。したがって、5’−UTRは、好ましくは5’キャップと開始コドンとの間に位置する核酸、特に成熟mRNAの配列に対応し、より具体的には、5’キャップの3’側に位置するヌクレオチドから(好ましくは、上記5’キャップの3’に隣接するヌクレオチドから)、タンパク質をコードしている配列(転写開始点)の開始コドンの5’側に位置するヌクレオチドまで(好ましくは、上記タンパク質をコードしている配列(転写開始点)の開始コドンの5’に隣接するヌクレオチドまで)、伸長している配列に該当し得る。成熟mRNAの、上記5’キャップの3’に隣接するヌクレオチドは、通常、転写開始点に該当する。5’−UTRは、典型的には500個、400個、300個、250個または200個未満のヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態において、その長さの範囲は、少なくとも10個、20個、30個または40個であり得、好ましくは100個または150個までのヌクレオチドであり得る。
好ましくは、少なくとも1つの5’−UTR因子は、脊索動物の遺伝子、好ましくは脊椎動物の遺伝子、より好ましくは哺乳類の遺伝子、最も好ましくはヒトの遺伝子、の5’−UTRに由来する核酸配列か、または、脊索動物の遺伝子、好ましくは脊椎動物の遺伝子、より好ましくは哺乳類の遺伝子、最も好ましくはヒトの遺伝子、の3’−UTRのバリアントに由来する核酸配列を、含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。
本明細書中で特定される5’−UTR因子の一部は、TOP遺伝子の5’−UTRに、またはそのホモログ、バリアントもしくは断片に由来し得る。「TOP遺伝子」は典型的には5’末端オリゴピリミジン配列(TOP)の存在によって特徴付けられ、さらに、典型的には、成長関連翻訳調節によって特徴付けられる。しかしながら、組織特異的な翻訳調節を伴うTOP遺伝子も知られている。5’TOPを含んでいるmRNAを、通常、TOP mRNAと称する。したがって、そのようなメッセンジャーRNAを産生する遺伝子を、TOP遺伝子と称する。TOP配列は、例えば、ペプチド伸長因子およびリボソームタンパク質をコードしている遺伝子およびmRNAにおいて見つかっている。5’末端オリゴピリミジン配列(「5’TOP」または「TOP」)とは、通常、核酸分子の5’末端領域に位置する、ピリミジンヌクレオチドの連続配列である。当該核酸分子の5’末端領域とは、特定のmRNA分子の5’末端領域、または機能単位の5’末端領域(例えば、特定の遺伝子の転写領域)などである。TOP遺伝子の5’−UTRは、TOP遺伝子に由来する成熟mRNAの5’−UTR配列(5’キャップの3’側に位置するヌクレオチドから、開始コドンの5’側に位置するヌクレオチドまで伸長していることが好ましい)に対応している。上記TOP配列は、典型的にはシチジン(通常は転写開始点に該当する)から始まり、通常は約3〜30個のピリミジンヌクレオチドの連続配列が続く。ピリミジンの連続配列は(したがって5’TOPは)、TOPの下流に位置する最初のプリンヌクレオチドから、1ヌクレオチド5’側で終了する。
TOP遺伝子の5’−UTRは、通常、開始コドンを全く含んでいない(好ましくは、上流のAUG(uAUG)または上流のオープンリーディングフレーム(uORF)を含んでいない)。ここで、上流のAUGおよび上流のオープンリーディングフレームは、通常、翻訳されるべきオープンリーディングフレームの開始コドン(AUG)の5’側に存在している、AUGおよびオープンリーディングフレームであると理解される。一般的に、TOP遺伝子の5’−UTRは、やや短い。TOP遺伝子の5’−UTRの長さは、20個のヌクレオチド〜500個のヌクレオチドの間で変化し得る。上記長さは、通常は約200個のヌクレオチド未満であり、好ましくは約150個のヌクレオチド未満であり、より好ましくは約100個のヌクレオチド未満である。TOPは、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個またはそれ以上のヌクレオチドを含んでもよい。本明細書に使用されるとき、「TOPモチーフ」という用語は、上記において規定したような5’TOPに対応する核酸配列を指す。したがって、「TOPモチーフ」は、3〜30個のヌクレオチド個の長さのピリミジンヌクレオチドの連続配列であることが好ましい。TOPモチーフは、少なくとも3個のピリミジンヌクレオチドから構成されており、好ましくは少なくとも4個のピリミジンヌクレオチド、より好ましくは少なくとも6個のピリミジンヌクレオチド、より好ましくは少なくとも7個のヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも8個のピリミジンヌクレオチドから構成されていることが好ましい。このとき、ピリミジンヌクレオチドの連続配列は、その5’末端にシトシンヌクレオチドを伴って始まることが好ましい。TOP遺伝子およびTOP mRNAにおいて、「TOPモチーフ」は、その5’末端に転写開始点を伴って始まることが好ましい。また、「TOPモチーフ」は、上記遺伝子またはmRNAにおける最初のプリンヌクレオチド残基から、1ヌクレオチド5’側で終了することが好ましい。「TOPモチーフ」は、5’−UTRを表す配列の5’末端、または5’−UTRをコードする配列の5’末端、に位置していることが好ましい。したがって、3個以上のピリミジンヌクレオチドの連続配列が、それぞれの配列(人工核酸分子、人工核酸分子の5’−UTR因子、または、本明細書に記載されているTOP遺伝子の5’−UTRに由来する核酸配列など)の5’末端に位置している場合、当該連続配列を「TOPモチーフ」と称することが好ましい。言い換えれば、3個以上のピリミジンヌクレオチドの連続配列であって、5’−UTRまたは5’−UTR因子の5’末端に位置しておらず、5’−UTR内または5’−UTR因子内のどこかに位置しているものは、「TOPモチーフ」と呼ばないことが好ましい。
一実施形態では、mRNAの5’末端は「gggaga」である。
本明細書中に例示されるTOP遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子は、好ましくは、上記において規定されるようにTOPモチーフまたは5’TOPを欠失し得る。したがって、TOP遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子の核酸配列は、当該核酸配列が由来する遺伝子またはmRNAの、開始コドン(例えばA(U/T)G)の上流の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10番目に位置するヌクレオチドを伴う当該核酸配列の3’末端において終了し得る。したがって、5’−UTR因子は、タンパク質をコードしている領域のいずれの部分も含んでいない。したがって、好ましくは、人工核酸のアミノ酸をコードしている部分のみが、コーディング配列によって提供される。
本発明において想定される特定の5’−UTR因子については、以下に詳述する。
<HSD17B4由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、17−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ4またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードしている遺伝子の5’−UTRに由来する(好ましくは5’TOPモチーフを欠く)5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくは17−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ4(ペルオキシソーム多機能酵素タイプ2とも呼ばれる)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトの17−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ4(HSD17B4)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり、ここで、好ましくは5’−UTR因子は、上記遺伝子の5’TOPを含まない。上記遺伝子は、ヒト17−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ4(UniProt参照番号Q9BPX1、2017年8月30日のエントリーバージョン番号139)に対応する17−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ4タンパク質、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードすることが好ましい。
したがって、本発明に係る人工核酸は、HSD17B4遺伝子に由来する、特に上記HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含んでもよく、好ましくは、上記5’−UTR因子は、配列番号1に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号1に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号2に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号2に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<ASAH1由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、アシッドセラミダーゼ(ASAH1)またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードしている遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくはアシッドセラミダーゼ(ASAH1)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物、より好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトアシッドセラミダーゼ(ASAH1)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、ヒトアシッドセラミダーゼ(UniProt参照番号Q13510、2017年6月7日のエントリーバージョン番号177)に対応するアシッドセラミダーゼタンパク質、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードすることが好ましい。
したがって、本発明に係る人工核酸は、ASAH1遺伝子に由来する、特に上記ASAH1遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含んでもよく、好ましくは、上記5’−UTR因子は、配列番号3に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号3に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号4に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号4に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<ATP5A1由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、ミトコンドリアATPシンターゼサブユニットアルファ(ATP5A1)またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードしている遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得るものであり、ここで、上記5’−UTR因子は好ましくは5’TOPモチーフを欠く。
このような5’−UTR因子は、好ましくはミトコンドリアATPシンターゼサブユニットアルファ(ATP5A1)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのミトコンドリアATPシンターゼサブユニットアルファ(ATP5A1)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり、ここで、5’−UTR因子は、好ましくは上記遺伝子の5’TOPを含まない。上記遺伝子は、好ましくはヒト酸性ミトコンドリアATPシンターゼサブユニットアルファ(UniProt参照番号P25705、2017年8月30日のエントリーバージョン番号208)に対応するミトコンドリアATPシンターゼサブユニットアルファタンパク質、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、ATP5A1遺伝子に由来する、特に上記ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含んでもよく、好ましくは、上記5’−UTR因子は、配列番号5に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号5に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号6に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号6に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<MP68由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、MP68またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードしている遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくは6.8kDaミトコンドリアプロテオリピド(MP68)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトの6.8kDaミトコンドリアプロテオリピド(MP68)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒト6.8kDaミトコンドリアプロテオリピド(MP68)(UniProt参照番号P56378、2017年2月15日のエントリーバージョン番号127)に対応する6.8kDaミトコンドリアプロテオリピド(MP68)タンパク質、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、MP68遺伝子に由来する、特に上記MP68遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含んでもよく、好ましくは、上記5’−UTR因子は、配列番号7に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号7に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号8に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号8に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<NDUFA4由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、シトクロムcオキシダーゼサブユニット(NDUFA4)またはそのホモログ、断片、もしくはバリアントをコードしている遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくはシトクロムcオキシダーゼサブユニット(NDUFA4)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのシトクロムcオキシダーゼサブユニット(NDUFA4)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトシトクロムcオキシダーゼサブユニット(NDUFA4)タンパク質(UniProt参照番号O00483、2017年8月30日のエントリーバージョン番号149)に対応するシトクロムcオキシダーゼサブユニット(NDUFA4)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、NDUFA4遺伝子に由来する5’−UTR因子を含んでもよく、上記5’−UTR因子は、配列番号9に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号9に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号10に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号10に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<NOSIP由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、一酸化窒素シンターゼ相互作用(NOSIP)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくは一酸化窒素シンターゼ相互作用タンパク質(NOSIP)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトの一酸化窒素シンターゼ相互作用タンパク質(NOSIP)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒト一酸化窒素シンターゼ相互作用タンパク質(NOSIP)タンパク質(UniProt参照番号Q9Y314、2017年6月7日のエントリーバージョン番号130)に対応する一酸化窒素シンターゼ相互作用タンパク質(NOSIP)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、NOSIP遺伝子に由来する5’−UTR因子を含んでもよく、上記5’−UTR因子は、配列番号11に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号11に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号12に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号12に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<RPL31由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、60Sリボソームタンパク質L31またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードしている遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得るものであり、ここで、上記5’−UTR因子は好ましくは5’TOPモチーフを欠く。
このような5’−UTR因子は、好ましくは60Sリボソームタンパク質L31(RPL31)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトの60Sリボソームタンパク質L31(RPL31)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり、ここで、5’−UTR因子は、好ましくは上記遺伝子の5’TOPを含まない。上記遺伝子は、好ましくはヒト60Sリボソームタンパク質L31(RPL31)(UniProt参照番号P62899、2017年8月30日のエントリーバージョン番号138)に対応する60Sリボソームタンパク質L31(RPL31)をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、RPL31遺伝子に由来する5’−UTR因子を含んでもよく、上記5’−UTR因子は、配列番号13に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号13に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号14に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号14に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<SLC7A3由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、カチオン性アミノ酸トランスポーター3(溶質担体ファミリー7メンバー3(solute carrier family 7 member 3)、SLC7A3)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくはカチオン性アミノ酸トランスポーター3(SLC7A3)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのカチオン性アミノ酸トランスポーター3(SLC7A3)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトカチオン性アミノ酸トランスポーター3(SLC7A3)タンパク質(UniProt参照番号Q8WY07、2017年8月30日のエントリーバージョン番号139)に対応するカチオン性アミノ酸トランスポーター3(SLC7A3)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、SLC7A3遺伝子に由来する5’−UTR因子を含んでもよく、上記5’−UTR因子は、配列番号15に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号15に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号16に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号16に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<TUBB4B由来5’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、チューブリンベータ−4B鎖(TUBB4B)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくはチューブリンベータ−4B鎖(TUBB4B)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのチューブリンベータ−4B鎖(TUBB4B)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトチューブリンベータ−4B鎖(TUBB4B)タンパク質(UniProt参照番号Q8WY07、2017年8月30日のエントリーバージョン番号142)に対応するチューブリンベータ−4B鎖(TUBB4B)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、チューブリンベータ−4B鎖(TUBB4B)遺伝子に由来する5’−UTR因子を含んでもよく、上記5’−UTR因子は、配列番号17に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号17に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号18に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号18に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
[UBQLN2由来5’−UTR因子]
本発明に係る人工核酸は、ユビキリン−2(UBQLN2)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の5’−UTRに由来する5’−UTR因子を含み得る。
このような5’−UTR因子は、好ましくはユビキリン−2(UBQLN2)遺伝子の5’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのユビキリン−2(UBQLN2)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトユビキリン−2(UBQLN2)タンパク質(UniProt参照番号Q9UHD9、2017年8月30日のエントリーバージョン番号151)に対応するユビキリン−2(UBQLN2)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、ユビキリン−2(UBQLN2)遺伝子に由来する5’−UTR因子を含んでもよく、上記5’−UTR因子は、配列番号19に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号19に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号20に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号20に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<3’−UTR>
本明細書に記載の人工核酸は、本明細書に規定されている遺伝子の3’−UTR、または上記遺伝子のホモログ、バリアント、もしくは断片に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子をさらに含む。用語「3’−UTR」は、オープンリーディングフレームの3’(つまり、「下流」)に位置し、タンパク質に翻訳されない核酸分子の一部を指す。本発明に関して、3’−UTRは、タンパク質をコードしている配列の終止コドン(好ましくは、タンパク質をコードしている配列の終止コドンの3’側のすぐ隣)と、人工核酸(RNA)分子のポリ(A)配列との間に位置する配列に該当する。
好ましくは、少なくとも1つの3’−UTR因子は、脊索動物の遺伝子、好ましくは脊椎動物の遺伝子、より好ましくはマウスの遺伝子、さらにより好ましくは哺乳類の遺伝子、最も好ましくはヒトの遺伝子、の3’−UTRに由来する核酸配列か、または、脊索動物の遺伝子、好ましくは脊椎動物の遺伝子、より好ましくはマウスの遺伝子、さらにより好ましくは哺乳類の遺伝子、最も好ましくはヒトの遺伝子、の3’−UTRのバリアントに由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。
<PSMB3由来3’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、プロテアソームサブユニットベータ3型(PSMB3)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の3’−UTRに由来する3’−UTR因子を含み得る。
このような3’−UTR因子は、好ましくはプロテアソームサブユニットベータ3型(PSMB3)遺伝子の3’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのプロテアソームサブユニットベータ3型(PSMB3)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトプロテアソームサブユニットベータ3型(PSMB3)タンパク質(UniProt参照番号P49720、2017年8月30日のエントリーバージョン番号183)に対応するプロテアソームサブユニットベータ3型(PSMB3)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、PSMB3遺伝子に由来する3’−UTR因子を含んでもよく、上記3’−UTR因子は、配列番号23に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号23に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記3’−UTR因子は、配列番号24に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号24に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<CASP1由来3’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、カスパーゼ−1(CASP1)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の3’−UTRに由来する3’−UTR因子を含み得る。
このような3’−UTR因子は、好ましくはカスパーゼ−1(CASP1)遺伝子の3’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのカスパーゼ−1(CASP1)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。
したがって、本発明に係る人工核酸は、CASP1遺伝子に由来する3’−UTR因子を含んでもよく、上記3’−UTR因子は、配列番号25に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号25に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記3’−UTR因子は、配列番号26に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号26に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<COX6B1由来3’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、シトクロムcオキシダーゼサブユニット6B1(COX6B1)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の3’−UTRに由来する3’−UTR因子を含み得る。
このような3’−UTR因子は、好ましくはシトクロムcオキシダーゼサブユニット6B1(COX6B1)遺伝子の3’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトのシトクロムcオキシダーゼサブユニット6B1(COX6B1)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトシトクロムcオキシダーゼサブユニット6B1(COX6B1)タンパク質(UniProt参照番号P14854、2017年8月30日のエントリーバージョン番号166)に対応するシトクロムcオキシダーゼサブユニット6B1(COX6B1)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、COX6B1遺伝子に由来する3’−UTR因子を含んでもよく、上記3’−UTR因子は、配列番号27に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号27に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記3’−UTR因子は、配列番号28に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号28に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<GNAS由来3’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、グアニンヌクレオチド結合Gプロテインサブユニットアルファアイソフォーム短鎖(GNAS)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の3’−UTRに由来する3’−UTR因子を含み得る。
このような3’−UTR因子は、好ましくはグアニンヌクレオチド結合Gプロテインサブユニットアルファアイソフォーム短鎖(GNAS)遺伝子、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましヒトのグアニンヌクレオチド結合Gプロテインサブユニットアルファアイソフォーム短鎖(GNAS)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体の3’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトグアニンヌクレオチド結合Gプロテインサブユニットアルファアイソフォーム短鎖(GNAS)タンパク質(UniProt参照番号P63092、2017年8月30日のエントリーバージョン番号153)に対応するグアニンヌクレオチド結合Gプロテインサブユニットアルファアイソフォーム短鎖(GNAS)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、GNAS遺伝子に由来する3’−UTR因子を含んでもよく、上記3’−UTR因子は、配列番号29に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号29に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記3’−UTR因子は、配列番号30に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号30に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<NDUFA1由来3’−UTR因子>
本発明に係る人工核酸は、NADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1アルファサブコンプレックスサブユニット1(NDUFA1)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の3’−UTRに由来する3’−UTR因子を含み得る。
このような3’−UTR因子は、好ましくはNADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1アルファサブコンプレックスサブユニット1(NDUFA1)遺伝子、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましヒトのNADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1アルファサブコンプレックスサブユニット1(NDUFA1)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体の3’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくはヒトNADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1アルファサブコンプレックスサブユニット1(NDUFA1)タンパク質(UniProt参照番号O15239、2017年8月30日のエントリーバージョン番号152)に対応するNADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1アルファサブコンプレックスサブユニット1(NDUFA1)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、NDUFA1遺伝子に由来する3’−UTR因子を含んでもよく、上記3’−UTR因子は、配列番号31に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号31に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記3’−UTR因子は、配列番号32に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号32に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
<RPS9由来3’−UTR>
本発明に係る人工核酸は、40Sリボソームタンパク質S9(RPS9)タンパク質またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードする遺伝子の3’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる3’−UTR因子を含み得る。
このような3’−UTR因子は、好ましくは40Sリボソームタンパク質S9(RPS9)遺伝子の3’−UTR、好ましくは脊椎動物の、より好ましくは哺乳類の、最も好ましくはヒトの40Sリボソームタンパク質S9(RPS9)遺伝子、またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体に由来する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる。上記遺伝子は、好ましくは40Sリボソームタンパク質S9(RPS9)タンパク質(UniProt参照番号P46781、2017年8月30日のエントリーバージョン番号179)に対応する40Sリボソームタンパク質S9(RPS9)タンパク質をコードし得る。
したがって、本発明に係る人工核酸は、RPS9遺伝子に由来する3’−UTR因子を含んでもよく、上記3’−UTR因子は、配列番号33に記載のDNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号33に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するDNA配列を含むか、またはそれらからなる。あるいは、上記5’−UTR因子は、配列番号34に記載のRNA配列またはそのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むか、またはそれらからなり、特に、配列番号34に記載の核酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%もしくはさらに97%の配列同一性を有するRNA配列を含むか、またはそれらからなる。
〔UTRの組み合わせ〕
好ましくは、少なくとも1つの5’−UTR因子および少なくとも1つの3’−UTR因子は、上記UTR因子に操作可能に連結された少なくとも1つのコーディング配列の発現を調節、より好ましくは誘導または増進するように相乗的に作用する。本明細書では、本明細書で例示される5’−および3’−UTR因子のそれぞれを、任意の考え得る組み合わせで利用することが想定される。
5’−および3’−UTR因子の好ましい組み合わせを以下の表1に列挙する。
Figure 2021501572
Figure 2021501572
特に、以下のUTRの組み合わせが好ましい:5’−UTR:ASAH1+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:ASAH1+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:ASAH1+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:ASAH1+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:ASAH1+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:ASAH1+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:ATP5A1+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:ATP5A1+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:ATP5A1+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:ATP5A1+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:ATP5A1+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:ATP5A1+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:HSD17B4+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:HSD17B4+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:HSD17B4+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:HSD17B4+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:HSD17B4+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:Mp68+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:Mp68+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:Mp68+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:Mp68+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:Mp68+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:Mp68+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:Ndufa4+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:Ndufa4+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:Ndufa4+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:Ndufa4+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:Ndufa4+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:Ndufa4+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:Nosip+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:Nosip+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:Nosip+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:Nosip+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:Nosip+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:Nosip+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:Rpl31+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:Rpl31+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:Rpl31+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:Rpl31+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:Rpl31+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:Rpl31+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:Slc7a3+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:Slc7a3+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:Slc7a3+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:Slc7a3+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:Slc7a3+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:TUBB4B+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:TUBB4B+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:TUBB4B+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:TUBB4B+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:TUBB4B+3’−UTR:PSMB3;5’−UTR:TUBB4B+3’−UTR:RPS9;5’−UTR:Ubqln2+3’−UTR:CASP1;5’−UTR:Ubqln2+3’−UTR:COX6B1;5’−UTR:Ubqln2+3’−UTR:Gnas;5’−UTR:Ubqln2+3’−UTR:Ndufa1.1;5’−UTR:Ubqln2+3’−UTR:PSMB3;および5’−UTR:Ubqln2+3’−UTR:RPS9、好ましくはUTRの組み合わせ5’−UTR:HSD17B4+3’−UTR:Gnas、より好ましくはUTRの組み合わせ5’−UTR:Slc7a3+3’−UTR:Gnas。
特定の配列番号を参照することにより表1に規定されるUTR因子のそれぞれは、当該特定の配列番号に規定される核酸配列のバリアントまたは断片を含んでもよく、その特定の配列番号を参照することにより規定されるそれぞれの核酸配列に対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、さらには97%、の配列同一性を示す。それらの特定の配列番号を参照して表1において特定される配列のそれぞれは、本明細書で示されるように、その対応するDNA配列によって規定されてもよい。それらの特定の配列番号を参照して表1において特定される配列のそれぞれは、本明細書で以下に記載されるように、修飾されて(任意に、互いに独立して修飾されて)もよい。
本発明に係る好ましい人工核酸は、以下を含み得る:
a−1:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
a−2:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
a−3:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
a−4:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
a−5:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
b−1:UBQLN2遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
b−2:ASAH1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
b−3:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
b−4:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
b−5:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
c−1:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
c−2:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
c−3:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
c−4:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
c−5:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
d−1:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
d−2:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
d−3:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
d−4:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
d−5:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
e−1:TUBB4B遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
e−2:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
e−3:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
e−4:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
e−5:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
e−6:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
f−1:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
f−2:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
f−3:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
f−4:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
f−5:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
g−1:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
g−2:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
g−3:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
g−4:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
g−5:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
h−1:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
h−2:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
h−3:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
h−4:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
h−5:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
i−1:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
i−2:Ndufa4.1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子。
特に好ましい人工核酸は、a−1、a−2、a−3、a−4またはa−5、好ましくはa−1に記載のUTRの組み合わせを含み得る。
驚くべきことに、5’および3’−非翻訳領域(UTR)の特定の組み合わせが本明細書に記載するように協働して作用することにより、操作可能に連結された核酸配列の発現を相乗的に増進することを発見した。UTRの組み合わせの相乗作用の試験は当業者にとって日常的に行われることであり、例えば、相乗的な効果が存在すること、つまり、付加的な効果を超えることを証明するために、mRNAのトランスフェクション後にルシフェラーゼ発現によって相乗作用の試験を行うことができる。
[肝臓における発現]
本明細書に記載の任意のUTRの組み合わせは、操作可能に連結されたコーディング配列(cds)の発現を調節し、好ましくは誘導し、より好ましくは増進することが想定される。特定の理論に拘束されることは望まないが、本明細書に記載のUTRの組み合わせの一部は、特定のコーディング配列に関連して使用される場合、および/または特定の標的細胞もしくは組織に関連して使用される場合、特に有用であり得る。
いくつかの実施形態では、本発明に係る人工核酸分子は、上記において規定したUTR因子、つまり、a−2(NDUFA4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);c−1(NDUFA4/RPS9);a−1(HSD17B4/PSMB3);e−3(MP68/RPS9);e−4(NOSIP/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);e−5(ATP5A1/RPS9);d−4(HSD17B4/NUDFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);a−3(SLC7A3/PSMB3);b−1(UBQLN2/RPS9);b−2(ASAH1/RPS9);b−4(HSD17B4/CASP1);e−6(ATP5A1/COX6B1);b−3(HSD17B4/RPS9);g−5(RPL31/CASP1);h−1(RPL31/COX6B1);および/またはc−5(ATP5A1/PSMB3)を含んでもよい。このような人工核酸分子は、肝臓におけるコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現に特に有用であり得る。したがって、このような人工核酸分子は特に、全身投与、特に、静脈内、腹腔内、筋肉内もしくは気管内投与または注射に用いられることが想定され、任意に、本明細書中の肝臓標的化因子(以下に記載)と組み合わせて用いられることが想定される。さらに、特定の限定を意味することは望まないが、上述のUTRの組み合わせは、それらの少なくとも1つのコーディング領域において、本明細書に記載の治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、抗原性またはアレルギー性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、遺伝病、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、新生物、癌、および腫瘍関連疾患、炎症性疾患、血液および血液形成器官の疾患、内分泌、栄養摂取および代謝疾患、神経系の疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚および皮下組織の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患、ならびに、泌尿生殖器系の疾患(遺伝性または後天性である場合は独立して)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される疾患を治療するのに有用なタンパク質)をコードしている人工核酸に特に有用であり得る。
[真皮、表皮および皮下発現]
いくつかの実施形態では、本発明に係る人工核酸分子は、上記において規定したUTR因子、つまり、a−1(HSD17B4/PSMB3);a−3(SLC7A3/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);a−5(MP68/PSMB3);d−1(RPL31/PSMB3);a−2(NDUFA4/PSMB3);h−1(RPL31/COX6B1);b−1(UBQLN2/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);c−5(ATP5A1/PSMB3);b−5(NOSIP/COX6B1);d−4(HSD17B4/NDUFA1);i−1(SLC7A3/RPS9);f−3(HSD17B4/COX6B1);b−4(HSD17B4/CASP1);g−5(RPL31/CASP1);c−2(NOSIP/NDUFA1);e−4(NOSIP/RPS9);c−4(NDUFA4/NDUFA1);および/またはd−5(SLC7A3/NDUFA1)を含んでもよい。このような人工核酸分子は、皮膚におけるコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現に特に有用であり得る。したがって、このような人工核酸分子は、本明細書において、皮内投与、特に局所、経皮、皮内注入、皮下、または表皮投与または注入に用いられることが特に想定される。さらに、特定の限定を意味することは望まないが、上述のUTRの組み合わせは、それらの少なくとも1つのコーディング領域において、本明細書に記載の治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、抗原性またはアレルギー性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、遺伝病、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、新生物、癌、および腫瘍関連疾患、炎症性疾患、血液および血液形成器官の疾患、内分泌、栄養摂取および代謝疾患、神経系の疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚および皮下組織の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患、ならびに、泌尿生殖器系の疾患(遺伝性または後天性である場合は独立して)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される疾患を治療するのに有用なタンパク質)をコードしている人工核酸に特に有用であり得る。
[筋肉における発現]
いくつかの実施形態では、本発明に係る人工核酸分子は、上記において規定したUTR因子、つまり、a−4(NOSIP/PSMB3);a−1(HSD17B4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);d−3(SLC7A3/GNAS);a−2(NDUFA4/PSMB3);a−3(SLC7A3/PSMB3);d−5(SLC7A3/NDUFA1);i−1(SLC7A3/RPS9);d−1(RPL31/PSMB3);d−4(HSD17B4/NDUFA1);b−3(HSD17B4/RPS9);f−3(HSD17B4/COX6B1);f−4(HSD17B4/GNAS);h−5(SLC7A3/COX6B1);g−4(NOSIP/CASP1);c−3(NDUFA4/COX6B1);b−1(UBQLN2/RPS9);c−5(ATP5A1/PSMB3);h−4(SLC7A3/CASP1);h−2(RPL31/GNAS);e−1(TUBB4B/RPS9);f−2(ATP5A1/NDUFA1);c−2(NOSIP/NDUFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);および/またはe−4(NOSIP/RPS9)を含んでもよい。このような人工核酸分子は、骨格筋、平滑筋または心筋におけるコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現に特に有用であり得る。したがって、このような人工核酸分子は、本明細書において、筋肉内投与、より好ましくは筋肉内注入または心臓内注入に使用されることが特に想定される。さらに、特定の限定を意味することは望まないが、上述のUTRの組み合わせは、それらの少なくとも1つのコーディング領域において、本明細書に記載の治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、抗原性またはアレルギー性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、遺伝病、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、新生物、癌、および腫瘍関連疾患、炎症性疾患、血液および血液形成器官の疾患、内分泌、栄養摂取および代謝疾患、神経系の疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚および皮下組織の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患、ならびに、泌尿生殖器系の疾患(遺伝性または後天性である場合は独立して)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される疾患を治療するのに有用なタンパク質)をコードしている人工核酸に特に有用であり得る。
[腫瘍および癌細胞における発現]
いくつかの実施形態では、本発明に係る人工核酸分子は、上記において規定したUTR因子、つまり、e−1(TUBB4B/RPS9);b−2(ASAH1/RPS9);c−3(NDUFA4/COX6B1);a−1(HSD17B4/PSMB3);c−4(NDUFA4/NDUFA1);b−4(HSD17B4/CASP1);d−2(ATP5A1/CASP1);b−5(NOSIP/COX6B1);a−2(NDUFA4/PSMB3);b−1(UBQLN/RPS9);a−3(SLC7A3/PSMB3);f−4(HSD17B4/GNAS);c−2(NOSIP/NDUFA1);b−3(HSD17B4/RPS9);c−5(ATP5A1/PSMB3);a−4(NOSIP/PSMB3);d−5(SLC7A3/NDUFA1);またはf−3(HSD17B4/COX6B1)を含んでもよい。このような人工核酸分子は、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、胚細胞腫瘍または芽腫細胞を含む腫瘍または癌細胞におけるコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現に特に有用であり得る。したがって、このような人工核酸分子は、本明細書において、腫瘍内、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、腹腔内、胸膜内、骨内投与または注入に使用されることが特に想定される。さらに、特定の限定を意味することは望まないが、上述のUTRの組み合わせは、それらの少なくとも1つのコーディング領域において、本明細書に記載の治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、抗原性またはアレルギー性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、癌および腫瘍疾患からなる群から選択される疾患を治療するのに有用なタンパク質)をコードしている人工核酸に特に有用であり得る。
[腎臓細胞における発現]
いくつかの実施形態では、本発明に係る人工核酸分子は、上記において規定したUTR因子、つまり、b−2(ASAH1/RPS9);c−1(NDUFA4/RPS9.1);e−3(MP68/RPS9);c−4(NDUFA4/NDUFA1);c−2(NOSIP/NDUFA1);h−2(RPL31/CASP1);d−2(ATP5A1/CASP1);b−3(HSD17B4/RPS9);a−2(NDUFA4/PSMB3);f−4(HSD17B4/GNAS);d−3(SLC7A3/GNAS);g−1(MP68/NDUFA1);c−3(NDUFA4/COX6B1);e−5(ATP5A1/RPS9);h−3(RPL31/NDUFA1);a−1(HSD17B4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);g−4(NOSIP/CASP1);b−1(UQBLN/RPS9);d−4(HSD17B4/NDUFA1);またはe−2(RPL31/RPS9)を含んでもよい。このような人工核酸分子は、腎臓細胞におけるコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現に特に有用であり得る。したがって、このような人工核酸分子は特に、全身投与、特に、静脈内、腹腔内、筋肉内もしくは気管内投与または注射に用いられることが想定され、任意に、本明細書中の腎臓標的化因子と組み合わせて用いられることが想定される。さらに、特定の限定を意味することは望まないが、上述のUTRの組み合わせは、それらの少なくとも1つのコーディング領域において、本明細書に記載の治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、抗原性またはアレルギー性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、遺伝病、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、新生物、癌、および腫瘍関連疾患、炎症性疾患、血液および血液形成器官の疾患、内分泌、栄養摂取および代謝疾患、神経系の疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚および皮下組織の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患、ならびに、泌尿生殖器系の疾患(遺伝性または後天性である場合は独立して)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される疾患を治療するのに有用なタンパク質)をコードしている人工核酸に特に有用であり得る。
上記の観点から、本発明の人工核酸分子は、上記のように規定することができ、ここで、
−上記HSD17B4遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号1に記載のDNA配列、または配列番号1に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号2に記載のRNA配列、または配列番号2に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記ASAH1遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号3に記載のDNA配列、または配列番号3に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号4に記載のRNA配列、または配列番号4に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記ATP5A1遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号5に記載のDNA配列、または配列番号5に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号6に記載のRNA配列、または配列番号6に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記MP68遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号7に記載のDNA配列、または配列番号7に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号8に記載のRNA配列、または配列番号8に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記NDUFA4遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号9に記載のDNA配列、または配列番号9に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号10に記載のRNA配列、または配列番号10に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記NOSIP遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号11に記載のDNA配列、または配列番号11に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号12に記載のRNA配列、または配列番号12に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記RPL31遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号13に記載のDNA配列、または配列番号13に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号14に記載のRNA配列、または配列番号14に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記SLC7A3遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号15に記載のDNA配列、または配列番号15に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号16に記載のRNA配列、または配列番号16に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記TUBB4B遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号17に記載のDNA配列、または配列番号17に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号18に記載のRNA配列、または配列番号18に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記UBQLN2遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号19に記載のDNA配列、または配列番号19に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号20に記載のRNA配列、または配列番号20に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記PSMB3遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号23に記載のDNA配列、または配列番号23に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号24に記載のRNA配列、または配列番号24に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記CASP1遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号25に記載のDNA配列、または配列番号25に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号26に記載のRNA配列、または配列番号26に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記COX6B1遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号27に記載のDNA配列、または配列番号27に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号28に記載のRNA配列、または配列番号28に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記GNAS遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号29に記載のDNA配列、または配列番号29に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号30に記載のRNA配列、または配列番号30に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
−上記NDUFA1遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号31に記載のDNA配列、または配列番号31に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号32に記載のRNA配列、または配列番号32に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、および/または、
−上記RPS9遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号33に記載のDNA配列、または配列番号33に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号34に記載のRNA配列、または配列番号34に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなる。
〔コーディング領域〕
本発明に係る人工核酸は、本明細書に規定されている少なくとも1つの3’−UTR因子および少なくとも1つの5’−UTR因子に操作可能に連結(典型的には隣接)する、少なくとも1つのコーディング領域またはコーディング配列を含む。用語「コーディング配列」または「cds」および「コーディング領域」は、本明細書において交換可能に使用され、目的の(遺伝子)産物をコードする核酸のセグメントまたは一部を指す。遺伝子産物は、遺伝子発現の産物であり、(ポリ)ペプチドおよび核酸((タンパク質)コーディングRNA(mRNAなど)および非(タンパク質)コーディングRNA(tRNA、rRNA、マイクロRNA、siRNAなど))を含む。典型的には、本発明の人工核酸分子の少なくとも1つのコーディング領域は、少なくとも1つの(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(以下、「目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」と称する)をコードすることができる。コーディング領域は、典型的には、その5’末端の開始コドン(AUGなど)とその3’末端の終止コドン(UAG、UAA、UGAなど)で区切られたエクソンから構成される。本発明の人工核酸分子では、コーディング領域が、本明細書に規定されている少なくとも1つの5’−UTR因子および少なくとも1つの3’−UTR因子によって区切られている。
目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、一般に、少なくとも1つのコーディング領域の核酸配列によってコードされ得る任意の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を含み、機能的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質産物を産生するために好適な条件下において発現され得る。これに関して、「機能的」という用語は、「所望の生物学的機能を発揮することができる」および/または「所望の生物学的特性を示す」ことを意味する。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、様々な機能を有し得るものであり、例えば、抗体、酵素、シグナル伝達タンパク質、受容体、受容体リガンド、ペプチドホルモン、運搬タンパク質、構造タンパク質、神経伝達物質、増殖調節因子、血清タンパク質、担体、薬、免疫賦活剤、発癌遺伝子、腫瘍抑制因子、毒素、腫瘍抗原、およびその他を含み得る。これらのタンパク質は、タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、リンタンパク質などに翻訳後修飾することができる。さらに、本発明は、天然に存在する(野生型)形態の開示された(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のいずれか、ならびにそれらのバリアント、断片および誘導体を想定している。コードされた(ポリ)ペプチドおよびタンパク質は、異なる効果を有し得る。これに限定されるものではないが、治療的、抗原性およびアレルゲン性(ポリ)ペプチドをコードしているコーディング領域が、本明細書において特に想定される。
[治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質]
本発明の人工核酸分子の少なくとも1つのコーディング領域は、少なくとも1つの「治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」をコードすることができる。用語「治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」は、所望の診断的、予防的または治療的効果を媒介することができ、好ましくは疾病の発見、予防、改善および/または治癒をもたらす(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。
好ましくは、本発明に係る人工核酸分子は、欠如、欠損または変異タンパク質を置換する治療的タンパク質;遺伝性または後天性疾患(感染症、または新生物、例えば、癌もしくは腫瘍疾患)を治療するのに有利な治療的タンパク質;アジュバントまたは免疫賦活性の治療的タンパク質;治療的抗体または抗体断片、バリアントもしくは誘導体;ペプチドホルモン;遺伝子編集剤;免疫チェックポイント阻害因子;T細胞受容体または断片、バリアントもしくは誘導T細胞受容体;および/または酵素、をコードしている少なくとも1つのコーディング領域を含み得る。
「欠如、欠損または変異タンパク質を置換する」治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、所望の生物学的特性を示し、および/または、その欠如、欠損または変異が疾患を引き起こす野生型タンパク質の所望の生物学的機能を発揮することができる任意の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質から選択することができる。本明細書において、「欠如」とは、そのコーディング遺伝子からのタンパク質発現が、典型的には罹患した対象の身体中のその標的部位(つまり、細胞区画、細胞の種類、組織または器官)において、タンパク質が検出不能となる程度まで、妨げられるかまたは消失されることを意味する。タンパク質発現は、様々なレベルで影響を受けるものであり、罹患した患者の身体におけるタンパク質の「欠如」または「産生の欠如」は、コーディング遺伝子における変異、例えば、そのオープンリーディングフレームまたはその調節因子のいずれかの後成的変化または配列変異(例えば、遺伝子転写の妨害または排除につながるナンセンス変異または欠失)、mRNAプロセシングの欠陥(例えば、mRNAのスプライシング、成熟または核からの輸送における欠陥)、タンパク質翻訳の欠陥、または、タンパク質フォールディングにおける誤り、転座過程における誤り(つまり、分泌経路に正しく入らない)、もしくは輸送過程における誤り(つまり、その予定された輸送経路に正しく入らない)、に起因し得る。タンパク質の「欠損」、つまり、罹患した対象の身体内のその標的部位(つまり、細胞区画、細胞の種類、組織または器官)で検出可能なタンパク質の量の減少は、上記に例示されたようなタンパク質発現の完全な欠如の原因となる同じメカニズムによって引き起こされ得る。しかしながら、タンパク質の「欠損」に至る欠陥は、必ずしも罹患した遺伝子からのタンパク質発現を完全に妨げるまたは消失させるわけではなく、むしろ発現レベルの低下(例えば、一方の対立遺伝子が罹患し、他方の対立遺伝子が正常に機能する場合)を導き得る。用語「変異」は、タンパク質の翻訳後修飾におけるアミノ酸配列のバリアントおよび差異の両方を包含する。タンパク質「変異体」は、典型的には非機能性または機能不全性であり、異常なフォールディング、転座または運搬の性質または特性を示す可能性がある。
「感染症、または新生物、例えば、癌または腫瘍疾患、血液および血液形成器官の疾患、内分泌、栄養摂取および代謝疾患、神経系の疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚および皮下組織の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患、ならびに、泌尿生殖器系の疾患などの遺伝性または後天性疾患(遺伝性であるかまたは後天性であるかは問わない)を治療するために有利である」治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質には、その発現によって、遺伝性または後天性疾患を予防、改善、または治癒することができる任意の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質が含まれる。このような(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、原則として、任意の好適な生物学的作用または機能を発揮することによって、それらの治療的機能を発揮し得る。いくつかの実施形態では、このような(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、好ましくは欠如、欠損または変異タンパク質を置換することによって、および/または免疫またはアレルゲン性応答を誘導することによって作用しなくてもよい。例えば、感染症または新生物などの遺伝性または後天性疾患を治療するのに有利な(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、以下から選択される後天性または遺伝性の代謝または内分泌障害の治療において特に有利な特に好ましい治療的タンパク質を含み得る(括弧内は、治療的タンパク質が治療において使用される特定の疾病を示す):酸性スフィンゴミエリナーゼ(ニーマン−ピック病)、アディポチド(肥満)、アガルシダーゼ−ベータ(ヒトガラクトシダーゼA)(ファブリー病;腎臓および心血管合併症につながり得る脂質の蓄積を防止)、アルグルコシダーゼ(ポンペ病(糖原病II型))、アルファ−ガラクトシダーゼA(アルファ−GAL A、アガルシダーゼアルファ)(ファブリー病)、アルファグルコシダーゼ(糖原病(GSD)、ポンペ病)、アルファ−L−イズロニダーゼ(ムコ多糖症(MPS)、ハーラー症候群、シャイエ症候群)、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ(サンフィリポ症候群)、アンフィレグリン(癌、代謝性障害)、アンジオポエチン((Ang1、Ang2、Ang3、Ang4、ANGPTL2、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL5、ANGPTL6、ANGPTL7)(脈管形成、血管の安定化)、ベタセルリン(代謝性障害)、ベータ−グルクロニダーゼ(スライ症候群)、骨形成タンパク質BMP(BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP10、BMP15)(再生効果、骨関連疾患、慢性腎臓病(CKD))、CLN6タンパク質(CLN6病−非定型乳児後期型、遅発型バリアント、早期若年型、ニューロンセロイド脱褐素症(NCL))、上皮成長因子(EGF)(創傷治癒、細胞増殖の調節、増加、および分化)、エピジェン(代謝性障害)、エピレグリン(代謝性障害)、線維芽細胞増殖因子(FGF、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、FGF−12、FGF−13、FGF−14、FGF−16、FGF−17、FGF−17、FGF−18、FGF−19、FGF−20、FGF−21、FGF−22、FGF−23)(創傷治癒、脈管形成、内分泌障害、組織再生)、ガルスルファーゼ(ムコ多糖症VI型)、グレリン(過敏性腸症候群(IBS)、肥満、プラダー・ウィリー症候群、II型糖尿病)、グルコセレブロシダーゼ(ゴーシェ病)、GM−CSF(再生効果、白血球の産生、癌)、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB−EGF)(創傷治癒、心肥大および心臓の発達および機能)、肝細胞増殖因子HGF(再生効果、創傷治癒)、ヘプシジン(鉄代謝障害、ベータサラセミア)、ヒトアルブミン(アルブミンの産生低下(低タンパク血症)、アルブミン損失の増加(ネフローゼ症候群)、循環血液量減少、高ビリルビン血症)、イドルスルフェーズ(イデュロネート−2−スルファターゼ)(ムコ多糖症II型(ハンター症候群))、インテグリンアルファVベータ3、アルファVベータ5およびアルファ5ベータ1(結合マトリクスの巨大分子とプロテイナーゼ、脈管形成)、イウズロン酸スルファターゼ(ハンター症候群)、ラロニダーゼ(ムコ多糖症I型のハーラーおよびハーラー−シャイエ形態)、N−アセチルガラクトサミン−4−スルファターゼ(rhASB;ガルスルファーゼ、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB))(アリールスルファターゼB欠損症、マロトー・ラミー症候群、ムコ多糖症VI型)、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ(サンフィリポ症候群)、神経増殖因子(NGF、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、およびニューロトロフィン4/5(NT−4/5)(再生効果、心血管疾患、冠動脈硬化、肥満、2型糖尿病、メタボリックシンドローム 、急性冠状症候群、痴呆、うつ病、精神分裂病、自閉症、レット症候群、神経性食欲不振、神経性過食症、創傷治癒、皮膚潰瘍、角膜潰瘍、アルツハイマー病)、ニューレグリン(NRG1、NRG2、NRG3、NRG4)、(代謝性障害、精神分裂病)、ニューロピリン(NRP−1、NRP−2)(脈管形成、軸索誘導、細胞の生存、移動)、オベスタチン(過敏性腸症候群(IBS)、肥満、プラダー・ウィリー症候群、II型糖尿病)、血小板由来増殖因子(PDGF(PDFF−A、PDGF−B、PDGF−C、PDGF−D)(再生効果、創傷治癒、脈管形成障害、動脈硬化、線維症、癌)、TGFベータ受容体(エンドグリン、TGF−ベータ1受容体、TGF−ベータ2受容体、TGF−ベータ3受容体)(腎線維症、腎臓病、糖尿病、最終的には末期腎疾患(ESRD)、脈管形成)、トロンボポエチン(THPO)(巨核球増殖・発生因子(MGDF))(血小板障害、献血用血小板、骨髄抑制化学療法後の血小板数の回復)、交換成長因子(TGF(TGF−a、TGF−ベータ(TGFベータ1、TGFベータ2、およびTGFベータ3)))(再生効果、創傷治癒、免疫、癌、心臓病、糖尿病、マルファン症候群、ロイス・ディーツ症候群)、VEGF(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−FおよびPIGF)(再生効果、脈管形成、創傷治癒、癌、透過性)、ネシリチド(急性非代償性うっ血性心不全)、トリプシン(褥瘡性潰瘍、静脈瘤性潰瘍、エスカーの清拭、裂開創、日焼け、胎便性イレウス)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)(アジソン病、小細胞癌腫、副腎脳白質ジストロフィー、先天性副腎過形成、クッシング症候群、ネルソン症候群、乳児けいれん)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)(内分泌障害)、コレシストキニン(多様)、ガストリン(低ガストリン血症)、レプチン(糖尿病、高トリグリセリド血症、肥満)、オキシトシン(授乳を促す、分娩の進行を止める)、ソマトスタチン(カルチノイド症候群の対症療法、急性静脈瘤出血、および先端巨大症、肝臓および腎臓の多嚢胞性疾患、先端巨大症および神経内分泌腫瘍による症状)、バソプレシン(抗利尿ホルモン)(尿崩症)、カルシトニン(閉経後骨粗鬆症、高カルシウム血症、パジェット病、骨転移、幻肢痛、脊柱管狭窄症)、エキセナチド(メトホルミンおよびスルホニルウレアによる治療に耐性のある2型糖尿病)、成長ホルモン(GH)、ソマトトロピン(成長ホルモン欠乏症または慢性腎不全による成長不全、プラダー・ウィリー症候群、ターナー症候群、抗ウイルス治療によるエイズ消耗またはカヘキシー)、インスリン(糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、高カリウム血症)、インスリン様増殖因子1IGF−1(GH遺伝子欠失または重度の原発性IGF1欠損症の小児における成長不全、神経変性疾患、心血管疾患、心不全)、メカセルミンリンファベートIGF−1類縁物質(GH遺伝子欠失または重度の原発性IGF1欠損症の小児における成長不全、神経変性疾患、心血管疾患、心不全)、メカセルミン、IGF−1類縁物質(GH遺伝子欠失または重度の原発性IGF1欠損症の小児における成長不全、神経変性疾患、心血管疾患、心不全)、ペグビソマント(先端巨大症)、プラムリンタイド(糖尿病、インスリンとの併用)、テリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン残基1〜34)(重度の骨粗鬆症)、ベカプレルミン(糖尿病性潰瘍の清拭補助剤)、ジボテルミン−アルファ(骨形成タンパク質2)(脊椎固定術、骨損傷修復)、酢酸ヒストレリン(ゴナドトロピン放出ホルモン;GnRH)(思春期早発症)、オクトレオチド(先端巨大症、VIP分泌腺腫および転移性カルチノイド腫瘍の症状緩和)、およびパリフェルミン(ケラチノサイト増殖因子;KGF)(化学療法、創傷治癒を受けている患者における重度の口腔粘膜炎)、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体。
これらおよび他のタンパク質は、機能的タンパク質の不完全な内因性産生を充分な量で置換することによって対象を治療することを意味し、したがって、治療的であると理解される。
したがって、このような治療的タンパク質は、典型的には哺乳類の、特にヒトのタンパク質である。
後天性または遺伝性の血液疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、癌または腫瘍性疾患、感染症または免疫不全症の治療には、以下の治療的タンパク質を用いることができる(括弧内は治療的タンパク質が治療用に使用される特定の疾患を示す):アルテプラーゼ(組織プラスミノーゲン活性化因子;tPA)(肺塞栓症、心筋梗塞、急性虚血性脳卒中、中心静脈アクセス装置(central venous access device)の閉塞)、アニストレプラーゼ(血栓溶解)、アンチトロンビンIII(AT−III)(遺伝性AT−III欠損症、血栓塞栓症)、ビバリルジン(冠動脈形成術およびヘパリン起因性血小板減少症における血液凝固リスクを低下させる)、ダルベポエチンアルファ(慢性腎不全(chronic renal insufficiencyおよびchronic renal failure)(+/−透析)患者における貧血の治療)、ドロトレコギンアルファ(活性型タンパク質C)(死亡リスクの高い重度の敗血症)、エリスロポイエチン、エポエチンアルファ、エリスロポエチン、エルトロポイエチン(慢性疾患による貧血、骨髄異形成、腎不全または化学療法による貧血、術前準備)、第IX因子(B型血友病)、第VIIa因子(A型またはB型血友病の患者における出血および第VIII因子または第IX因子に対する阻害因子)、第VIII因子(A型血友病)、レピルジン(ヘパリン起因性血小板減少症)、C型タンパク質濃縮物(静脈血栓症、電撃性紫斑病)、レテプラーゼ(tPAの欠失突然変異タンパク質)(急性心筋梗塞の管理、心室機能の改善)、ストレプトキナーゼ(急性進行性貫壁心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症、動脈血栓症または塞栓症、動静脈カニューレの閉塞)、テネクテプラーゼ(急性心筋梗塞)、ウロキナーゼ(肺塞栓症)、アンジオスタチン(癌)、抗CD22免疫毒素(再発性CD33+急性骨髄性白血病)、デニロイキンジフチトクス(皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL))、イムノシアニン(膀胱および前立腺癌)、MPS(メタロパンスティムリン)(癌)、アフリベルセプト(非小細胞性肺癌(NSCLC)、転移性結腸直腸癌(mCRC)、ホルモン不応性転移性前立腺癌、湿性黄斑変性症)、エンドスタチン(癌、慢性関節リウマチやクローン病などの炎症性疾患、糖尿病性網膜症、乾癬、および子宮内膜症)、コラゲナーゼ(慢性皮膚潰瘍や重度の熱傷箇所の清拭、デュピュイトラン拘縮、パイロニー病)、ヒトデオキシリボヌクレアーゼI、ドルナーゼ(嚢胞性線維症;予測値の40%を超えるFVCを有する選択された患者の気道感染を低下させる)、ヒアルロニダーゼ(注射した薬、特に眼科手術およびある造影剤の麻酔薬の吸収および分散を高めるアジュバントとして使用される)、パパイン(急性および慢性病変における壊死組織の清拭または腐肉の液化、圧迫潰瘍、静脈瘤および糖尿病性潰瘍、火傷、術後創傷、毛巣嚢腫の創傷、癰、およびその他の創傷など)、L−アスパラギナーゼ(急性リンパ性白血病、増殖に外因性アスパラギンを要する)、ペグアスパラギナーゼ(急性リンパ性白血病、増殖に外因性アスパラギンを要する)、ラスブリカーゼ(小児白血病患者、リンパ腫、および、腫瘍崩壊症候群を引き起こす可能性のある抗がん治療を受けている固形腫瘍)、ヒト絨毛膜ゴナドトロピン(HCG)(生殖補助)、ヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)(生殖補助)、ルトロピンアルファ(黄体形成ホルモン欠乏症を伴う不妊症)、プロラクチン(低プロラクチン血症、血清プロラクチン欠乏症、女性の卵巣機能不全、不安、動脈性勃起不全、早漏、乏精子症、精子無力症、精嚢の機能低下、男性のアンドロゲン低下症)、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤(先天性アンチトリプシン欠乏症)、ラクターゼ(ガス、腹部膨満、ラクトース消化不能による痙攣や下痢)、膵酵素(リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ)(嚢胞性線維症、慢性膵炎、膵機能不全、ビルロートII法後胃バイパス手術(post-Billroth II gastric bypass surgery)、膵管閉塞、脂肪便、消化不良、ガス、腹部膨満)、アデノシン脱アミノ酵素(ウシペガデマーゼ、PEG−ADA)(アデノシンデアミナーゼ欠損症による重症複合型免疫不全症疾患)、アバタセプト(慢性関節リウマチ(特に、TNFa抑制に不応性の場合))、アレファセプト(尋常性乾癬)、アナキンラ(慢性関節リウマチ)、エタネルセプト(慢性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、尋常性乾癬、強直性脊椎炎)、インターロイキン−1(IL−1)受容体アンタゴニスト、アナキンラ(慢性関節リウマチに伴う炎症および軟骨劣化)、チムリン(神経変性疾患、リウマチ、神経性食欲不振症)、TNF−アルファアンタゴニスト(慢性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、化膿性汗腺炎、不応性喘息などの自己免疫障害)、エンフビルチド(HIV−1感染)、およびチモシンアルファ1(B型およびC型肝炎)、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体。
さらなる治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、0ATL3、0FC3、0PA3、0PD2、4−1BBL、5T4、6Ckine、707−AP、9D7、A2M、AA、AAAS、AACT、AASS、ABAT、ABCA1、ABCA4、ABCB1、ABCB11、ABCB2、ABCB4、ABCB7、ABCC2、ABCC6、ABCC8、ABCD1、ABCD3、ABCG5、ABCG8、ABL1、ABO、ABR ACAA1、ACACA、ACADL、ACADM、ACADS、ACADVL、ACAT1、ACCPN、ACE、ACHE、ACHM3、ACHM1、ACLS、ACPI、ACTA1、ACTC、ACTN4、ACVRL1、AD2、ADA、ADAMTS13、ADAMTS2、ADFN、ADH1B、ADH1C、ADLDH3A2、ADRB2、ADRB3、ADSL、AEZ、AFA、AFD1、AFP、AGA、AGL、AGMX2、AGPS、AGS1、AGT、AGTR1、AGXT、AH02、AHCY、AHDS、AHHR、AHSG、AIC、AIED、AIH2、AIH3、AIM−2、AIPL1、AIRE、AK1、ALAD、ALAS2、ALB、HPG1、ALDH2、ALDH3A2、ALDH4A1、ALDH5A1、ALDH1A1、ALDOA、ALDOB、ALMS1、ALPL、ALPP、ALS2、ALX4、AMACR、AMBP、AMCD、AMCD1、AMCN、AMELX、AMELY、AMGL、AMH、AMHR2、AMPD3、AMPD1、AMT、ANC、ANCR、ANK1、ANOP1、AOM、AP0A4、AP0C2、AP0C3、AP3B1、APC、aPKC、APOA2、APOA1、APOB、APOC3、APOC2、APOE、APOH、APP、APRT、APS1、AQP2、AR、ARAF1、ARG1、ARHGEF12、ARMET、ARSA、ARSB、ARSC2、ARSE、ART−4、ARTC1/m、ARTS、ARVD1、ARX、AS、ASAH、ASAT、ASD1、ASL、ASMD、ASMT、ASNS、ASPA、ASS、ASSP2、ASSP5、ASSP6、AT3、ATD、ATHS、ATM、ATP2A1、ATP2A2、ATP2C1、ATP6B1、ATP7A、ATP7B、ATP8B1、ATPSK2、ATRX、ATXN1、ATXN2、ATXN3、AUTS1、AVMD、AVP、AVPR2、AVSD1、AXIN1、AXIN2、AZF2、B2M、B4GALT7、B7H4、BAGE、BAGE−1、BAX、BBS2、BBS3、BBS4、BCA225、BCAA、BCH、BCHE、BCKDHA、BCKDHB、BCL10、BCL2、BCL3、BCL5、BCL6、BCPM、BCR、BCR/ABL、BDC、BDE、BDMF、BDMR、BEST1、ベータ−カテニン/m、BF、BFHD、BFIC、BFLS、BFSP2、BGLAP、BGN、BHD、BHR1、BING−4、BIRC5、BJS、BLM、BLMH、BLNK、BMPR2、BPGM、BRAF、BRCA1、BRCA1/m、BRCA2、BRCA2/m、BRCD2、BRCD1、BRDT、BSCL、BSCL2、BTAA、BTD、BTK、BUB1、BWS、BZX、C0L2A1、C0L6A1、C1NH、C1QA、C1QB、C1QG、C1S、C2、C3、C4A、C4B、C5、C6、C7、C7orf2、C8A、C8B、C9、CA125、CA15−3/CA 27−29、CA195、CA19−9、CA72−4、CA2、CA242、CA50、CABYR、CACD、CACNA2D1、CACNA1A、CACNA1F、CACNA1S、CACNB2、CACNB4、CAGE、CA1、CALB3、CALCA、CALCR、CALM、CALR、CAM43、CAMEL、CAP−1、CAPN3、CARD15、CASP−5/m、CASP−8、CASP−8/m、CASR、CAT、CATM、CAV3、CB1、CBBM、CBS、CCA1、CCAL2、CCAL1、CCAT、CCL−1、CCL−11、CCL−12、CCL−13、CCL−14、CCL−15、CCL−16、CCL−17、CCL−18、CCL−19、CCL−2、CCL−20、CCL−21、CCL−22、CCL−23、CCL−24、CCL−25、CCL−27、CCL−3、CCL−4、CCL−5、CCL−7、CCL−8、CCM1、CCNB1、CCND1、CCO、CCR2、CCR5、CCT、CCV、CCZS、CD1、CD19、CD20、CD22、CD25、CD27、CD27L、cD3、CD30、CD30、CD30L、CD33、CD36、CD3E、CD3G、CD3Z、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD44v、CD44v6、CD52、CD55、CD56、CD59、CD80、CD86、CDAN1、CDAN2、CDAN3、CDC27、CDC27/m、CDC2L1、CDH1、CDK4、CDK4/m、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2A/m、CDKN1A、CDKN1C、CDL1、CDPD1、CDR1、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CECR、CECR9、CEPA、CETP、CFNS、CFTR、CGF1、CHAC、CHED2、CHED1、CHEK2、CHM、CHML、CHR39C、CHRNA4、CHRNA1、CHRNB1、CHRNE、CHS、CHS1、CHST6、CHX10、CIAS1、CIDX、CKN1、CLA2、CLA3、CLA1、CLCA2、CLCN1、CLCN5、CLCNKB、CLDN16、CLP、CLN2、CLN3、CLN4、CLN5、CLN6、CLN8、C1QA、C1QB、C1QG、C1R、CLS、CMCWTD、CMDJ、CMD1A、CMD1B、CMH2、MH3、CMH6、CMKBR2、CMKBR5、CML28、CML66、CMM、CMT2B、CMT2D、CMT4A、CMT1A、CMTX2、CMTX3、C−MYC、CNA1、CND、CNGA3、CNGA1、CNGB3、CNSN、CNTF、COA−1/m、COCH、COD2、COD1、COH1、COL10A、COL2A2、COL11A2、COL17A1、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A3、COL4A4、COL4A5、COL4A6、COL5A1、COL5A2、COL6A1、COL6A2、COL6A3、COL7A1、COL8A2、COL9A2、COL9A3、COL11A1、COL1A2、COL23A1、COL1A1、COLQ、COMP、COMT、CORD5、CORD1、COX10、COX−2、CP、CPB2、CPO、CPP、CPS1、CPT2、CPT1A、CPX、CRAT、CRB1、CRBM、CREBBP、CRH、CRHBP、CRS、CRV、CRX、CRYAB、CRYBA1、CRYBB2、CRYGA、CRYGC、CRYGD、CSA、CSE、CSF1R、CSF2RA、CSF2RB、CSF3R、CSF1R、CST3、CSTB、CT、CT7、CT−9/BRD6、CTAA1、CTACK、CTEN、CTH、CTHM、CTLA4、CTM、CTNNB1、CTNS、CTPA、CTSB、CTSC、CTSK、CTSL、CTS1、CUBN、CVD1、CX3CL1、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CYB5、CYBA、CYBB、CYBB5、、CYFRA21−1、CYLD、CYLD1、CYMD、CYP11B1、CYP11B2、CYP17、CYP17A1、CYP19、CYP19A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP21A2、CYP27A1、CYP27B1、CYP2A6、CYP2C、CYP2C19、CYP2C9、CYP2D、CYP2D6、CYP2D7P1、CYP3A4、CYP7B1、CYPB1、CYP11B1、CYP1A1、CYP1B1、CYRAA、D40、DADl、DAM、DAM−10/MAGE−B1、DAM−6/MAGE−B2、DAX1、DAZ、DBA、DBH、DBI、DBT、DCC、DC−CK1、DCK、DCR、DCX、DDB1、DDB2、DDIT3、DDU、DECR1、DEK−CAN、DEM、DES、DF、DFN2、DFN4、DFN6、DFNA4、DFNA5、DFNB5、DGCR、DHCR7、DHFR、DHOF、DHS、DIA1、DIAPH2、DIAPH1、DIH1、DIO1、DISCI、DKC1、DLAT、DLD、DLL3、DLX3、DMBT1、DMD、DM1、DMPK、DMWD、DNAI1、DNASE1、DNMT3B、DPEP1、DPYD、DPYS、DRD2、DRD4、DRPLA、DSCR1、DSG1、DSP、DSPP、DSS、DTDP2、DTR、DURS1、DWS、DYS、DYSF、DYT2、DYT3、DYT4、DYT2、DYT1、DYX1、EBAF、EBM、EBNA、EBP、EBR3、EBS1、ECA1、ECB2、ECE1、ECGF1、ECT、ED2、ED4、EDA、EDAR、ECA1、EDN3、EDNRB、EEC1、EEF1A1L14、EEGV1、EFEMP1、EFTUD2/m、EGFR、EGFR/Her1、EGI、EGR2、EIF2AK3、eIF4G、EKV、ElIS、ELA2、ELF2、ELF2M、ELK1、ELN、ELONG、EMD、EML1、EMMPRIN、EMX2、ENA−78、ENAM、END3、ENG、ENO1、ENPP1、ENUR2、ENUR1、EOS、EP300、EPB41、EPB42、EPCAM、EPD、EphA1、EphA2、EphA3、EphrinA2、EphrinA3、EPHX1、EPM2A、EPO、EPOR、EPX、ERBB2、ERCC2 ERCC3、ERCC4、ERCC5、ERCC6、ERVR、ESR1、ETFA、ETFB、ETFDH、ETM1、ETV6−AML1、ETV1、EVC、EVR2、EVR1、EWSR1、EXT2、EXT3、EXT1、EYA1、EYCL2、EYCL3、EYCL1、EZH2、F10、F11、F12、F13A1、F13B、F2、F5、F5F8D、F7、F8、F8C、F9、FABP2、FACL6、FAH、FANCA、FANCB、FANCC、FANCD2、FANCF、FasL、FBN2、FBN1、FBP1、FCG3RA、FCGR2A、FCGR2B、FCGR3A、FCHL、FCMD、FCP1、FDPSL5、FECH、FEO、FEOM1、FES、FGA、FGB、FGD1、FGF2、FGF23、FGF5、FGFR2、FGFR3、FGFR1、FGG、FGS1、FH、FIC1、FIH、F2、FKBP6、FLNA、FLT4、FMO3、FMO4、FMR2、FMR1、FN、FN1/m、FOXC1、FOXE1、FOXL2、FOXO1A、FPDMM、FPF、Fra−1、FRAXF、FRDA、FSHB、FSHMD1A、FSHR、FTH1、FTHL17、FTL、FTZF1、FUCA1、FUT2、FUT6、FUT1、FY、G250、G250/CAIX、G6PC、G6PD、G6PT1、G6PT2、GAA、GABRA3、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7b、GAGE−8、GALC、GALE、GALK1、GALNS、GALT、GAMT、GAN、GAST、GASTRIN17、GATA3、GATA、GBA、GBE、GC、GCDH、GCGR、GCH1、GCK、GCP−2、GCS1、G−CSF、GCSH、GCSL、GCY、GDEP、GDF5、GDI1、GDNF、GDXY、GFAP、GFND、GGCX、GGT1、GH2、GH1、GHR、GHRHR、GHS、GIF、GINGF、GIP、GJA3、GJA8、GJB2、GJB3、GJB6、GJB1、GK、GLA、GLB、GLB1、G
LC3B、GLC1B、GLC1C、GLDC、GLI3、GLP1、GLRA1、GLUD1、GM1(fuc−GM1)、GM2A、GM−CSF、GMPR、GNAI2、GNAS、GNAT1、GNB3、GNE、GNPTA、GNRH、GNRH1、GNRHR、GNS、GnT−V、gp100、GP1BA、GP1BB、GP9、GPC3、GPD2、GPDS1、GPI、GP1BA、GPN1LW、GPNMB/m、GPSC、GPX1、GRHPR、GRK1、GROα、GROβ、GROγ、GRPR、GSE、GSM1、GSN、GSR、GSS、GTD、GTS、GUCA1A、GUCY2D、GULOP、GUSB、GUSM、GUST、GYPA、GYPC、GYS1、GYS2、H0KPP2、H0MG2、HADHA、HADHB、HAGE、HAGH、HAL、HAST−2、HB1、HBA2、HBA1、HBB、HBBP1、HBD、HBE1、HBG2、HBG1、HBHR、HBP1、HBQ1、HBZ、HBZP、HCA、HCC−1、HCC−4、HCF2、HCG、HCL2、HCL1、HCR、HCVS、HD、HPN、HER2、HER2/NEU、HER3、HERV−K−MEL、HESX1、HEXA、HEXB、HF1、HFE、HF1、HGD、HHC2、HHC3、HHG、HK1 HLA−A、HLA−A*0201−R170I、HLA−A11/m、HLA−A2/m、HLA−DPB1 HLA−DRA、HLCS、HLXB9、HMBS、HMGA2、HMGCL、HMI、HMN2、HMOX1、HMS1 HMW−MAA、HND、HNE、HNF4A、HOAC、HOMEOBOX NKX3.1、HOM−TES−14/SCP−1、HOM−TES−85、HOXA1 HOXD13、HP、HPC1、HPD、HPE2、HPE1、HPFH、HPFH2、HPRT1、HPS1、HPT、HPV−E6、HPV−E7、HR、HRAS、HRD、HRG、HRPT2、HRPT1、HRX、HSD11B2、HSD17B3、HSD17B4、HSD3B2、HSD3B3、HSN1、HSP70−2M、HSPG2、HST−2、HTC2、HTC1、hTERT、HTN3、HTR2C、HVBS6、HVBS1、HVEC、HV1S、HYAL1、HYR、I−309、IAB、IBGC1、IBM2、ICAM1、ICAM3、iCE、ICHQ、ICR5、ICR1、ICS1、IDDM2、IDDM1、IDS、IDUA、IF、IFNa/b、IFNGR1、IGAD1、IGER、IGF−1R、IGF2R、IGF1、IGH、IGHC、IGHG2、IGHG1、IGHM、IGHR、IGKC、IHG1、IHH、IKBKG、IL1、IL−1RA、IL10、IL−11、IL12、IL12RB1、IL13、IL−13Rアルファ2、IL−15、IL−16、IL−17、IL18、IL−1a、IL−1アルファ、IL−1b、IL−1ベータ、IL1RAPL1、IL2、IL24、IL−2R、IL2RA、IL2RG、IL3、IL3RA、IL4、IL4R、IL4R、IL−5、IL6、IL−7、IL7R、IL−8、IL−9、未成熟ラミニン受容体、IMMP2L、INDX、INFGR1、INFGR2、INFアルファ、IFNベータ、INFガンマ、INS、INSR、INVS、IP−10、IP2、IPF1、IP1、IRF6、IRS1、ISCW、ITGA2、ITGA2B、ITGA6、ITGA7、ITGB2、ITGB3、ITGB4、ITIH1、ITM2B、IV、IVD、JAG1、JAK3、JBS、JBTS1、JMS、JPD、KAL1、KAL2、KALI、KLK2、KLK4、KCNA1、KCNE2、KCNE1、KCNH2、KCNJ1、KCNJ2、KCNJ1、KCNQ2、KCNQ3、KCNQ4、KCNQ1、KCS、KERA、KFM、KFS、KFSD、KHK、ki−67、KIAA0020、KIAA0205、KIAA0205/m、KIF1B、KIT、KK−LC−1、KLK3、KLKB1、KM−HN−1、KMS、KNG、KNO、K−RAS/m、KRAS2、KREV1、KRT1、KRT10、KRT12、KRT13、KRT14、KRT14L1、KRT14L2、KRT14L3、KRT16、KRT16L1、KRT16L2、KRT17、KRT18、KRT2A、KRT3、KRT4、KRT5、KRT6A、KRT6B、KRT9、KRTHB1、KRTHB6、KRT1、KSA、KSS、KWE、KYNU、L0H19CR1、L1CAM、LAGE、LAGE−1、LALL、LAMA2、LAMA3、LAMB3、LAMB1、LAMC2、LAMP2、LAP、LCA5、LCAT、LCCS、LCCS1、LCFS2、LCS1、LCT、LDHA、LDHB、LDHC、LDLR、LDLR/FUT、LEP、LEWISY、LGCR、LGGF−PBP、LGI1、LGMD2H、LGMD1A、LGMD1B、LHB、LHCGR、LHON、LHRH、LHX3、LIF、LIG1、LIMM、LIMP2、LIPA、LIPA、LIPB、LIPC、LIVIN、L1CAM、LMAN1、LMNA、LMX1B、LOLR、LOR、LOX、LPA、LPL、LPP、LQT4、LRP5、LRS1、LSFC、LT−ベータ、LTBP2、LTC4S、LYL1、XCL1、LYZ、M344、MA50、MAA、MADH4、MAFD2、MAFD1、MAGE、MAGE−A1、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGEB1、MAGE−B10、MAGE−B16、MAGE−B17、MAGE−B2、MAGE−B3、MAGE−B4、MAGE−B5、MAGE−B6、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−D1、MAGE−D2、MAGE−D4、MAGE−E1、MAGE−E2、MAGE−F1、MAGE−H1、MAGEL2、MGB1、MGB2、MAN2A1、MAN2B1、MANBA、MANBB、MAOA、MAOB、MAPK8IP1、MAPT、MART−1、MART−2、MART2/m、MAT1A、MBL2、MBP、MBS1、MC1R、MC2R、MC4R、MCC、MCCC2、MCCC1、MCDR1、MCF2、MCKD、MCL1、MC1R、MCOLN1、MCOP、MCOR、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MCPH2、MCPH1、MCS、M−CSF、MDB、MDCR、MDM2、MDRV、MDS1、ME1、ME1/m、ME2、ME20、ME3、MEAX、MEB、MEC CCL−28、MECP2、MEFV、MELANA、MELAS、MEN1 MSLN、MET、MF4、MG50、MG50/PXDN、MGAT2、MGAT5、MGC1 MGCR、MGCT、MGI、MGP、MHC2TA、MHS2、MHS4、MIC2、MIC5、MIDI、MIF、MIP、MIP−5/HCC−2、MITF、MJD、MKI67、MKKS、MKS1、MLH1、MLL、MLLT2、MLLT3、MLLT7、MLLT1、MLS、MLYCD、MMA1a、MMP11、MMVP1、MN/CA IX−Antigen、MNG1、MN1、MOC31、MOCS2、MOCS1、MOG、MORC、MOS、MOV18、MPD1、MPE、MPFD、MPI、MPIF−1、MPL、MPO、MPS3C、MPZ、MRE11A、MROS、MRP1、MRP2、MRP3、MRSD、MRX14、MRX2、MRX20、MRX3、MRX40、MRXA、MRX1、MS、MS4A2、MSD、MSH2、MSH3、MSH6、MSS、MSSE、MSX2、MSX1、MTATP6、MTC03、MTCO1、MTCYB、MTHFR、MTM1、MTMR2、MTND2、MTND4、MTND5、MTND6、MTND1、MTP、MTR、MTRNR2、MTRNR1、MTRR、MTTE、MTTG、MTTI、MTTK、MTTL2、MTTL1、MTTN、MTTP、MTTS1、MUC1、MUC2、MUC4、MUC5AC、MUM−1、MUM−1/m、MUM−2、MUM−2/m、MUM−3、MUM−3/m、MUT、mutantp21ras、MUTYH、MVK、MX2、MXI1、MY05A、MYB、MYBPC3、MYC、MYCL2、MYH6、MYH7、MYL2、MYL3、MYMY、MYO15A、MYO1G、MYO5A、MYO7A、MYOC、Myosin/m、MYP2、MYP1、NA88−A、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−V、NAGA、NAGLU、NAMSD、NAPB、NAT2、NAT、NBIA1、NBS1、NCAM、NCF2、NCF1、NDN、NDP、NDUFS4、NDUFS7、NDUFS8、NDUFV1、NDUFV2、NEB、NEFH、NEM1、Neo−PAP、neo−PAP/m、NEU1、NEUROD1、NF2、NF1、NFYC/m、NGEP、NHS、NKS1、NKX2E、NM、NME1、NMP22、NMTC、NODAL、NOG、NOS3、NOTCH3、NOTCH1、NP、NPC2、NPC1、NPHL2、NPHP1、NPHS2、NPHS1、NPM/ALK、NPPA、NQO1、NR2E3、NR3C1、NR3C2、NRAS、NRAS/m、NRL、NROB1、NRTN、NSE、NSX、NTRK1、NUMA1、NXF2、NY−CO1、NY−ESO1、NY−ESO−B、NY−LU−12、ALDOA、NYS2、NYS4、NY−SAR−35、NYS1、NYX、OA3、OA1、OAP、OASD、OAT、OCA1、OCA2、OCD1、OCRL、OCRL1、OCT、ODDD、ODT1、OFC1、OFD1、OGDH、OGT、OGT/m、OPA2、OPA1、OPD1、OPEM、OPG、OPN、OPN1LW、OPN1MW、OPN1SW、OPPG、OPTB1、TTD、ORM1、ORP1、OS−9、OS−9/m、OSM LIF、OTC、OTOF、OTSC1、OXCT1、OYTES1、P15、P190マイナーBCR−ABL、P2RY12、P3、P16、P40、P4HB、P−501、P53、P53/m、P97、PABPN1、PAFAH1B1、PAFAH1P1、PAGE−4、PAGE−5、PAH、PAI−1、PAI−2、PAK3、PAP、PAPPA、PARK2、PART−1、PATE、PAX2、PAX3、PAX6、PAX7、PAX8、PAX9、PBCA、PBCRA1、PBT、PBX1、PBXP1、PC、PCBD、PCCA、PCCB、PCK2、PCK1、PCLD、PCOS1、PCSK1、PDB1、PDCN、PDE6A、PDE6B、PDEF、PDGFB、PDGFR、PDGFRL、PDHA1、PDR、PDX1、PECAM1、PEE1、PEO1、PEPD、PEX10、PEX12、PEX13、PEX3、PEX5、PEX6、PEX7、PEX1、PF4、PFBI、PFC、PFKFB1、PFKM、PGAM2、PGD、PGK1、PGK1P1、PGL2、PGR、PGS、PHA2A、PHB、PHEX、PHGDH、PHKA2、PHKA1、PHKB、PHKG2、PHP、PHYH、PI、PI3、PIGA、PIM1−KINASE、PIN1、PIP5K1B、PITX2、PITX3、PKD2、PKD3、PKD1、PKDTS、PKHD1、PKLR、PKP1、PKU1、PLA2G2A、PLA2G7、PLAT、PLEC1、PLG、PLI、PLOD、PLP1、PMEL17、PML、PML/RARアルファ、PMM2、PMP22、PMS2、PMS1、PNKD、PNLIP、POF1、POLA、POLH、POMC、PON2、PON1、PORC、POTE、POU1F1、POU3F4、POU4F3、POU1F1、PPAC、PPARG、PPCD、PPGB、PPH1、PPKB、PPMX、PPOX、PPP1R3A、PPP2R2B、PPT1、PRAME、PRB、PRB3
、PRCA1、PRCC、PRD、PRDX5/m、PRF1、PRG4、PRKAR1A、PRKCA、PRKDC、PRKWNK4、PRNP、PROC、PRODH、PROM1、PROP1、PROS1、PRST、PRP8、PRPF31、PRPF8、PRPH2、PRPS2、PRPS1、PRS、PRSS7、PRSS1、PRTN3、PRX、PSA、PSAP、PSCA、PSEN2、PSEN1、PSG1、PSGR、PSM、PSMA、PSORS1、PTC、PTCH、PTCH1、PTCH2、PTEN、PTGS1、PTH、PTHR1、PTLAH、PTOS1、PTPN12、PTPNIl、PTPRK、PTPRK/m、PTS、PUJO、PVR、PVRL1、PWCR、PXE、PXMP3、PXR1、PYGL、PYGM、QDPR、RAB27A、RAD54B、RAD54L、RAG2、RAGE、RAGE−1、RAG1、RAP1、RARA、RASA1、RBAF600/m、RB1、RBP4、RBP4、RBS、RCA1、RCAS1、RCCP2、RCD1、RCV1、RDH5、RDPA、RDS、RECQL2、RECQL3、RECQL4、REG1A、REHOBE、REN、RENBP、RENS1、RET、RFX5、RFXANK、RFXAP、RGR、RHAG、RHAMM/CD168、RHD、RHO、Rip−1、RLBP1、RLN2、RLN1、RLS、RMD1、RMRP、ROM1、ROR2、RP、RP1、RP14、RP17、RP2、RP6、RP9、RPD1、RPE65、RPGR、RPGRIP1、RP1、RP10、RPS19、RPS2、RPS4X、RPS4Y、RPS6KA3、RRAS2、RS1、RSN、RSS、RU1、RU2、RUNX2、RUNXl、RWS、RYR1、S−100、SAA1、SACS、SAG、SAGE、SALL1、SARDH、SART1、SART2、SART3、SAS、SAX1、SCA2、SCA4、SCA5、SCA7、SCA8、SCA1、SCC、SCCD、SCF、SCLC1、SCN1A、SCN1B、SCN4A、SCN5A、SCNN1A、SCNN1B、SCNN1G、SCO2、SCP1、SCZD2、SCZD3、SCZD4、SCZD6、SCZD1、SDF−1アルファ/ベータ、SDHA、SDHD、SDYS、SEDL、SERPENA7、SERPINA3、SERPINA6、SERPINA1、SERPINC1、SERPIND1、SERPINE1、SERPINF2、SERPING1、SERPINI1、SFTPA1、SFTPB、SFTPC、SFTPD、SGCA、SGCB、SGCD、SGCE、SGM1、SGSH、SGY−1、SH2D1A、SHBG、SHFM2、SHFM3、SHFM1、SHH、SHOX、SI、SIAL、SIALYL LEWISX、SIASD、S11、SIM1、SIRT2/m、SIX3、SJS1、SKP2、SLC10A2、SLC12A1、SLC12A3、SLC17A5、SLC19A2、SLC22A1L、SLC22A5、SLC25A13、SLC25A15、SLC25A20、SLC25A4、SLC25A5、SLC25A6、SLC26A2、SLC26A3、SLC26A4、SLC2A1、SLC2A2、SLC2A4、SLC3A1、SLC4A1、SLC4A4、SLC5A1、SLC5A5、SLC6A2、SLC6A3、SLC6A4、SLC7A7、SLC7A9、SLC11A1、SLOS、SMA、SMAD1、SMAL、SMARCB1、SMAX2、SMCR、SMCY、SM1、SMN2、SMN1、SMPD1、SNCA、SNRPN、SOD2、SOD3、SOD1、SOS1、SOST、SOX9、SOX10、Sp17、SPANXC、SPG23、SPG3A、SPG4、SPG5A、SPG5B、SPG6、SPG7、SPINK1、SPINK5、SPPK、SPPM、SPSMA、SPTA1、SPTB、SPTLC1、SRC、SRD5A2、SRPX、SRS、SRY、βhCG、SSTR2、SSX1、SSX2(HOM−MEL−40/SSX2)、SSX4、ST8、STAMP−1、STAR、STARP1、STATH、STEAP、STK2、STK11、STn/KLH、STO、STOM、STS、SUOX、SURF1、SURVIVIN−2B、SYCP1、SYM1、SYN1、SYNS1、SYP、SYT/SSX、SYT−SSX−1、SYT−SSX−2、TA−90、TAAL6、TACSTD1、TACSTD2、TAG72、TAF7L、TAF1、TAGE、TAG−72、TALI、TAM、TAP2、TAP1、TAPVR1、TARC、TARP、TAT、TAZ、TBP、TBX22、TBX3、TBX5、TBXA2R、TBXAS1、TCAP、TCF2、TCF1、TCIRG1、TCL2、TCL4、TCL1A、TCN2、TCOF1、TCR、TCRA、TDD、TDFA、TDRD1、TECK、TECTA、TEK、TEL/AML1、TELAB1、TEX15、TF、TFAP2B、TFE3、TFR2、TG、TGFアルファ、TGFベータ、TGFベータI、TGFベータ1、TGFベータR2、TGFベータRE、TGFガンマ、TGFベータRII、TGIF、TGM−4、TGM1、TH、THAS、THBD、THC、THC2、THM、THPO、THRA、THRB、TIMM8A、TIMP2、TIMP3、TIMP1、TITF1、TKCR、TKT、TLP、TLR1、TLR10、TLR2、TLR3、TLR4、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLX1、TM4SF1、TM4SF2、TMC1、TMD、TMIP、TNDM、TNF、TNFRSF11A、TNFRSF1A、TNFRSF6、TNFSF5、TNFSF6、TNFアルファ、TNFベータ、TNNI3、TNNT2、TOC、TOP2A、TOP1、TP53、TP63、TPA、TPBG、TPI、TPI/m、TPI1、TPM3、TPM1、TPMT、TPO、TPS、TPTA、TRA、TRAG3、TRAPPC2、TRC8、TREH、TRG、TRH、TRIM32、TRIM37、TRP1、TRP2、TRP−2/6b、TRP−2/INT2、Trp−p8、TRPS1、TS、TSC2、TSC3、TSC1、TSG101、TSHB、TSHR、TSP−180、TST、TTGA2B、TTN、TTPA、TTR、TU M2−PK、TULP1、TWIST、TYH、TYR、TYROBP、TYROBP、TYRP1、TYS、UBE2A、UBE3A、UBE1、UCHL1、UFS、UGT1A、ULR、UMPK、UMPS、UOX、UPA、UQCRC1、URO5、UROD、UPK1B、UROS、USH2A、USH3A、USH1A、USH1C、USP9Y、UV24、VBCH、VCF、VDI、VDR、VEGF、VEGFR−2、VEGFR−1、VEGFR−2/FLK−1、VHL、VIM、VMD2、VMD1、VMGLOM、VNEZ、VNF、VP、VRNI、VWF、VWS、WAS、WBS2、WFS2、WFS1、WHCR、WHN、WISP3、WMS、WRN、WS2A、WS2B、WSN、WSS、WT2、WT3、WT1、WTS、WWS、XAGE、XDH、XIC、XIST、XK、XM、XPA、XPC、XRCC9、XS、ZAP70、ZFHX1B、ZFX、ZFY、ZIC2、ZIC3、ZNF145、ZNF261、ZNF35、ZNF41、ZNF6、ZNF198、およびZWS1、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体から選択され得る。
さらに、治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、AIF、Apaf、例えば、Apaf−1、Apaf−2、Apaf−3、oder APO−2(L)、APO−3(L)、アポパイン、Bad、Bak、Bax、Bcl−2、Bcl−x[L]、Bcl−x[s]、bik、CAD、カルパイン、カスパーゼ、例えば、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11、ced−3、ced−9、c−Jun、c−Myc、crm A、シトクロム CCdR1、DcR1、DD、DED、DISC、DNA−PKc[S]、DR3、DR4、DR5、FADD/MORT−1、FAK、Fas(Fas−リガンドCD95/fas(受容体))、FLICE/MACH、FLIP、フォドリン、フォス、G−アクチン、Gas−2、ゲルゾリン、グランザイムA/BICAD、ICE、JNK、ラミンA/B、MAP、MCL−1、Mdm−2、MEKK−1、MORT−1、NEDD、NF−[カッパ]B、NuMa、p53、PAK−2、PARP、パーフォリン、PITSLRE、PKC デルタ、pRb、プレセニリン、prICE、RAIDD、Ras、RIP、スフィンゴミエリナーゼ、単純ヘルペス由来チミジンキナーゼ、TRADD、TRAF2、TRAIL−R1、TRAIL−R2、TRAIL−R3、トランスグルタミナーゼ、など、または、これらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、を含む、アポトーシス性因子またはアポトーシス関連タンパク質から選択され得る。
「アジュバント」(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は一般に、他の薬剤(典型的には同時に投与される他の活性剤)の効果を改変することができる任意の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を意味する。好ましくは、「アジュバントまたは免疫賦活性」(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、(好ましくは同時投与された)抗原に対する所望の免疫応答を増強するまたは調節することができる。特に、「アジュバントまたは免疫賦活性」(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、特定の抗原と組み合わせて使用される場合、免疫応答を促進、延長、または増進するように作用し得る。そのために、「アジュバントまたは免疫賦活性」(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、同時投与される抗原の投与および運搬を支援し、同時投与される抗原の(抗原特異的)免疫賦活性を増進し、および/または先天的免疫システムの免疫応答、つまり非特異的免疫応答を開始または増加させることができる。本発明において想定される例示的な「アジュバントまたは免疫賦活性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」には、例えば、TLRへの外因性TLRリガンドの結合反応として(哺乳類において)先天的免疫応答を誘発することができる、哺乳類タンパク質、特に、ヒトアジュバントタンパク質(典型的には任意のヒトタンパク質またはペプチド)が含まれる。より好ましくは、ヒトアジュバントタンパク質は、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11を含むTLR、NLRおよびRLH;NOD1、NOD2、NOD3、NOD4、NOD5、NALP1、NALP2、NALP3、NALP4、NALP5、NALP6、NALP6、NALP7、NALP7、NALP8、NALP9、NALP10、NALP11、NALP12、NALP13、NALP14、lIPAF、NAIP、CIITA、RIG−I、MDA5およびLGP2、を含むパターン認識受容体のシグナル伝達ネットワークの成分およびリガンド、例えばTrifおよびCardifなどのアダプタータンパク質を含むTLRシグナル伝達のシグナル伝達物質;Small−GTPasesシグナル(RhoA、Ras、Rac1、Cdc42、Rabなど)の成分、PIPシグナル(PI3K、Src−キナーゼなど)の成分、MyD88依存シグナル(MyD88、IRAK1、IRAK2、IRAK4、TIRAP、TRAF6など)の成分、MyD88非依存シグナル(TICAM1、TICAM2、TRAF6、TBK1、IRF3、TAK1、IRAK1など)の成分;例えば、Akt、MEKK1、MKK1、MKK3、MKK4、MKK6、MKK7、ERK1、ERK2、GSK3、PKCキナーゼ、PKDキナーゼ、GSK3キナーゼ、JNK、p38MAPK、TAK1、IKK、およびTAK1を含む活性化キナーゼ;例えば、NF−カッパB、c−Fos、c−Jun、c−Myc、CREB、AP−1、Elk−1、ATF2、IRF−3、IRF−7を含む活性化転写因子、または、これらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、であるタンパク質からなる群から選択される。
アジュバント(好ましくは哺乳類)(ポリ)ペプチドまたはタンパク質はさらに、熱ショックタンパク質(HSP10、HSP60、HSP65、HSP70、HSP75およびHSP90、gp96、フィブリノーゲン、フィブロネクチンのTypIIIリピートエクストラドメインA(TypIII repeat extra domain A)など);または補体系の成分(C1q、MBL、C1r、C1s、C2b、Bb、D、MASP−1、MASP−2、C4b、C3b、C5a、C3a、C4a、C5b、C6、C7、C8、C9、CR1、CR2、CR3、CR4、C1qR、C1INH、C4bp、MCP、DAF、H、I、PおよびCD59など);または誘導された標的遺伝子(例えば、ベータデフェンシン、細胞表面タンパク質など);またはヒトアジュバントタンパク質(例えば、trif、flt−3リガンド、Gp96またはフィブロネクチンなど)、またはこれらのいずれかのタンパク質のアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントまたは誘導体、からなる群から選択され得る。
アジュバント(好ましくは哺乳類)(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、さらに、IL−1アルファ、IL1ベータ、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−23、TNFアルファ、IFNアルファ、IFNベータ、IFNガンマ、GM−CSF、G−CSF、M−CSFなどの先天的免疫応答を誘引または増進するサイトカイン;IL−8、IP−10、MCP−1、MIP−1アルファ、RANTES、エオタキシン、CCL21などのケモカイン;IL−1、IL−6、IL−8、IL−12、およびTNFアルファなどのマクロファージから放出されるサイトカイン;IL−1R1、およびIL1アルファ、またはこれらのいずれかのタンパク質のアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、からなる群から選択され得る。
本明細書で用いる用語「抗体」(Ab)は、典型的にはそれらが標的に対して特異的に結合する能力である所望の生物学的機能を示す限りにおいて、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単一特異性および多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ならびに抗体断片、バリアントおよび誘導体を含む。本明細書で用いる用語「特異的に結合する」は、抗体が、その意図される標的に対して、別の非特異的標的に対してよりも容易に結合することを意味する。言い換えれば、定量可能な分析(放射性リガンド結合分析、ELISA、蛍光に基づく技術(例えば、蛍光偏光法(FP)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET))、または表面プラズモン共鳴など)によって測定可能な非標的の存在下であっても、抗体が標的に選択的に結合するかまたは標的を選択的に認識する場合、当該抗体は、その標的に対して「特異的に結合する」かまたは「結合特異性」を示す。その標的に「特異的に結合する」抗体は異なる種に由来する(相同である)標的に対して交差反応性を示してもよく、示さなくてもよい。
天然に存在する基本的な抗体は、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成されるヘテロ四量体糖タンパク質である。いくつかの抗体は、IgMおよびIgA抗体におけるJ鎖などの、さらなるポリペプチド鎖を含み得る。各L鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に連結され、一方、2つのH鎖はH鎖アイソタイプに応じて1つ以上のジスルフィド結合によって互いに連結される。それぞれのH鎖およびL鎖はまた、鎖内ジスルフィド架橋を含む。それぞれのH鎖は、N−末端可変領域(V)と、それに続く、αおよびγ鎖に対するそれぞれの3つの定常領域(C)と、μおよびεアイソタイプに対する4つのC領域を含む。それぞれのL鎖は、N末端に可変領域(V)を有し、その反対側の端に定常領域が続く。VはVに揃えられ、Cは重鎖の最初の定常領域(C1)に揃えられる。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変領域と重鎖可変領域との間のインターフェイスを形成すると考えられる。
いずれの脊椎動物種のL鎖も、その定常領域のアミノ酸配列に基づいて、カッパとラムダとよばれる2つの明確に異なる型のうちの1つに割り当てることができる。それらの重鎖の定常領域(C)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てられ得る。免疫グロブリンには5つのクラスがある:つまり、それぞれがα、β、ε、γ、およびμと指定された重鎖を有するIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMである。γおよびμクラスは、CHの配列および機能における比較的小さな差異に基づいてサブクラスにさらに分割され、例えば、ヒトは、以下のサブクラスを発現する:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2。
とVとの対合は、単一の抗原結合部位を形成する。用語「可変」とは、可変領域の特定のセグメントの配列が抗体によって大きく異なるという事を指す。V領域は抗原結合を媒介し、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を規定する。しかしながら、可変領域の全範囲にわたり、可変性が均等に分布しているわけではない。代わりに、V領域は、約15〜30個のアミノ酸残基のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変な連続配列からなり、それぞれが約9〜12個のアミノ酸残基分の長さを有する「高度可変領域」と呼ばれる(「相補性決定領域」(CDR)とも呼ばれる)、極端な可変性を有するより短い領域によって分離されている。天然重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ4つのFRを含み、当該4つのFRは、主にβシート構造をとり、βシート構造を連結する(場合によってはその一部を形成する)ループを形成する3つの高度可変領域によって連結される。それぞれの鎖における高度可変領域は、FRによって近接して一緒に保持され、他の鎖の高度可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。定常領域は抗体の抗原への結合に直接的には関与しないが、抗体依存性細胞障害作用(ADCC)の関与などの様々なエフェクター機能を示す。「高度可変領域」(「相補性決定領域」またはCDRとしても知られる)という用語は、本明細書で用いる場合、抗原結合部位を形成し、抗原結合特異性の主要な決定因子である免疫グロブリンのV領域内に存在する抗体のアミノ酸残基(通常、極端な配列可変性を有する3つまたは4つの短い領域)を指す。CDR残基は、抗原抗体複合体の種間配列可変性または結晶学的研究に基づいて同定され得る。
したがって、本明細書で用いられる「抗体」という用語は、好ましくは少なくとも1つの相補性決定領域を介して標的エピトープに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子、またはそのバリアント、断片もしくは誘導体を指す。この用語は、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、単一特異性、二重特異性および多重特異性抗体、IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgE抗体を含む任意のアイソタイプの抗体、および、任意の手段によって得られた抗体を含み、上記抗体には、天然に存在する抗体、宿主生物における免疫化によって生成された抗体、天然に存在する抗体または宿主生物における免疫化によって生成された抗体から単離・同定され、当該技術分野において知られた生体分子法によって組換え的に生成された抗体、ならびにキメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、イントラボディー(つまり、細胞において発現され、場合によっては特異的細胞区画に局在化される抗体)、ならびにこれらの抗体のいずれかのバリアント、断片および誘導体が含まれる。
「モノクローナル抗体」(mab)という用語は、本明細書に使用されるとき、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、つまり、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る天然の突然変異を除いて、同一である。モノクローナル抗体は、単一の抗原部位に対して高度に特異的である。さらに、異なるエピトープに対する異なる抗体を含む「ポリクローナル」抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一のエピトープに対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体によって汚染されずに合成され得るという点で有利である。「モノクローナル」という形容詞は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明において有用なモノクローナル抗体は、Kohler et al., Nature 256: 495 (1975)に最初に記載されたハイブリドーマ法によって調製され得るか、またはそれらは、細菌性もしくは真核動物または植物細胞における組換えDNA法を使用して作製され得る(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991)およびMarks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1991)に記載される技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離され得る。
モノクローナル抗体には、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の種に由来する、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一または相同であり、一方、鎖の残りは別の種に由来する、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一または相同である、「キメラ」抗体が含まれる。キメラ抗体には、例えば、非ヒト動物、例えば、マウスまたは非ヒト霊長類動物(例えば、旧世界ザル(Old World Monkey)、類人猿など)に(部分的または完全に)由来する可変領域抗原結合配列、ならびに、好ましくはFcエフェクター機能を効果的に媒介することができ、および/またはヒト体内に導入された場合に免疫原性の低下を示すヒト定常領域配列、を含む「ヒト化」抗体が含まれる。「ヒト化」抗体は、最初の工程として「キメラ」抗体(ヒトFcに移植された非ヒトFab)を作製し、分子のFab部分において(非CDR)アミノ酸を選択的に変異させることで調製することができる。あるいは、「ヒト化」抗体は、非ヒト動物に由来する適切な「ドナー」CDRコーディングセグメントをヒト抗体「アクセプター」骨格上に移植し、場合により、最適化された結合のために(非CDR)アミノ酸を変異させることによって、直接得ることができる。
「抗体バリアント」または「抗体変異体」とは、基準または「親」抗体と比較して、アミノ酸残基の1つ以上が改変されたアミノ酸配列を含むか、または当該アミノ酸配列からなる抗体を指す。したがって、このような抗体バリアントは、基準または「親」抗体に対して、またはその軽鎖もしくは重鎖に対して、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、好ましくは少なくとも約70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、より好ましくは少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、最も好まし少なくとも約95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を示す。考えられるアミノ酸変異には、1つ以上のアミノ酸残基の欠失、挿入または変化が含まれる。変異は、定常領域または抗原結合領域(例えば、高度可変領域または可変領域)に位置し得る。アミノ酸を、同様の生化学的特性(例えば、電荷、疎水性および大きさ)を有する別のアミノ酸に変化させる保存的アミノ酸変異が好ましい場合もある。
「抗体断片」は、インタクト抗体の一部(つまり、抗原結合部位ならびにCおよび少なくとも重鎖領域、C1、C2およびC3を含む抗体)、好ましくはインタクト抗体の抗原結合および/または可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)およびFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体、一本鎖抗体、およびこのような抗体断片を含む二重特異性または多重特異性抗体が含まれる。
抗体のパパイン消化は、「Fab」(断片、抗原結合)断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、および残留「Fc」(断片、結晶化性)断片を生成した。Fab断片は、H鎖の可変領域(V)ならびにL鎖全体と、一本の重鎖の最初の定常領域(C1)と、からなる。それぞれのFab断片は、抗原結合に対して一価であり、つまり、単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処理は、異なる抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合Fab断片におおよそ対応し、なお抗原を架橋することができる単一の大きなF(ab’)断片と、pFc’断片と、を生じる。F(ab’)断片は、2つのFab’断片に分割できる。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含むC1領域のカルボキシ末端に数個の追加残基を有する点で、Fab断片とは異なる。Fab’−SHは、本明細書において、定常領域のシステイン残基が遊離チオール基を有するFab’を指す。F(ab’)抗体断片は、元々、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片のペアとして産生された。他の抗体断片およびその化学断片も知られている。Fab/cまたはFabc抗体断片は、1つのFab領域を欠いている。Fd断片はFabの重鎖部に対応し、C末端定常領域(C1)およびN端末可変領域(V)を含む。
Fc断片は、ジスルフィドによって一緒に保持された両方のH鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、細胞の特定の型に見出されるFc受容体(FcR)によっても認識されるFc領域における配列によって決定される。
「Fv」は、完全な抗原結合部位を含有する最小抗体断片である。この断片は、密接に非共有会合した1つの重鎖および1つの軽鎖可変領域の二量体からなる。これらの2つの領域のフォールディングから、抗原結合のアミノ酸残基に寄与し、抗体に抗原結合特異性を付与する6つの高度可変ループ(H鎖およびL鎖それぞれからの3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変領域(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、結合部位全体よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識し、結合することができる。
「sFv」または「scFv」とも略記される「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に連結されたVHおよびVLの抗体領域を含む抗体断片である。好ましくはsFvポリペプチドはVH領域とVL領域との間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これにより、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することが可能になる。
「ダイアボディ」という用語(二価一本鎖可変断片、「di−scFvs」、「bi−scFvs」とも称する)とは、V領域の鎖間対合はするが鎖内対合はしないように、2つのscFv断片(上記段落参照)を、典型的には短いリンカー(約5〜10残基)で、V領域とV領域との間に連結させることによって調製される抗体断片を指す。もう1つの可能性は、2つのVおよび2つのV領域(「タンデムscFv」)を有する単一ペプチド鎖を構築することである。得られた二価断片は、2つの抗原結合部位を有する。同様に、三価scFv三量体(「トリアボディ」または「トリボディ」とも称する)および四価scFv四量体(「テトラボディ」)を生成することができる。二価または多価の抗体または抗体断片は、単一特異的であってもよく、つまり、それぞれの抗原結合部位が、同じ標的に対するものであってもよい。このような、単一特異的な二価または多価の抗体または抗体断片は、好ましくは高い結合親和性を示す。あるいは、二価または多価の抗体または抗体断片の抗原結合部位は、異なる標的に対してのものであり、二重特異性または多重特異性抗体または抗体断片を形成してもよい。
「二重特異性または多重特異性抗体または抗体断片」は、それぞれが異なる標的に特異的に結合することができる2つ以上の特異性抗原結合部位を含む。「二重特異性抗体」は、典型的には2つの抗体のVおよびV領域が異なるポリペプチド鎖上に存在する2つの「クロスオーバー」scFv断片のヘテロダイマーである。二重特異性または多重特異性抗体は、エフェクターとそれぞれの標的との間のアダプター分子として作用することができ、それによって、典型的には癌細胞などの標的細胞によって発現される目的の抗原に、エフェクター(例えば、毒素、薬、サイトカイン、またはCTL、NK細胞、マクロファージ、および顆粒球などのエフェクター細胞)を補充することができる。それによって、「二重特異性または多重特異性抗体」は、好ましくはエフェクター分子または細胞および所望の標的を近接させ、および/またはエフェクターと標的との間の相互作用を媒介する。二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE抗体構成物)として知られる二重特異性タンデムdi−scFvsは、本発明に関して、二価および二重特異性抗体の一例である。
抗体の構造および特性は当該技術分野で周知であり、特に、Janeway's Immunobiology, 9th ed. (rev.), Kenneth Murphy and Casey Weaver (eds), Taylor & Francis Ltd. 2008に記載されている。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、本明細書において「抗体」と交換可能に使用される。抗体の例としては、AAB-003;Abagovomab;Abciximab;Abituzumab;Abrilumab;Actoxumab;Adalimumab;Aducanumab;Afasevikumab;Aflibercept;Afutuzuab;Afutuzumab;Alacizumab_pegol;Alemtuzumab;Alirocumab;ALX-0061;Amatuximab;Anetumab_ravtansine;Anifrolumab;Anrukinzumab;Apolizumab;Apomab;Aquaporumab;Arcitumomab_99tc;Ascrinvacumab;Aselizuab;Atezolizumab;Atinumab;Atlizuab;Aurograb;Avelumab;Bapineuzumab;Basiliximab;Bavituximab;Begelomab;Benralizumab;Betalutin;Bevacituzuab;Bevacizumab_154-アスパラギン酸;Bevacizumab_154置換体;Bevacizumab_180-セリン;Bevacizumab_180置換体;Bevacizumab_beta;Bevacizumab;Bevacizumab-rhuMAb-VEGF;Bezlotoxumab;Bimagrumab;Bimekizumab;Bleselumab;Blinatumomab;Blinatumumab;Blontuvetmab;Blosozumab;Bococizumab;Brentuximab_vedotin;Briakinumab;Brodalumab;Brolucizumab;Brontictuzumab;BTT-1023;Burosumab;Canakinumab;Cantuzumab;Cantuzumab_mertansine;Cantuzumab_ravtansine;Caplacizumab;Carlumab;Cergutuzumab_amunaleukin;Certolizumab_pegol;Cetuximab;Citatuzumab_bogatox;Cixutumumab;Clazakizumab;Clivatuzumab_tetraxetan;Codrituzumab;Coltuximab_ravtansine;Conatumumab_CV;Conatumumab;Concizumab;Crenezumab;Crotedumab;Dacetuzumab;Dacliximab;Daclizumab;Dalotuzumab;Dapirolizumab_pegol;Daratumumab;Dectrekumab;Demcizumab;Denintuzumab_mafodotin;Denosumab;Depatuxizumab;Depatuxizumab_mafodotin;Dinutuximab_beta;Dinutuximab;Diridavumab;Domagrozumab;Drozituab;Drozitumab;Duligotumab;Duligotuzumab;Dupilumab;Durvalumab;Dusigitumab;Ecromeximab;Eculizumab;Efalizumab;Efungumab;Eldelumab;Elgemtumab;Elotuzumab;Emactuzumab;Emibetuzumab;Emicizumab;Enavatuzumab;Enfortumab;Enfortumab_vedotin;Enoblituzumab;Enokizumab;Enoticumab;Ensituximab;Entolimod;Epratuzumab;Eptacog_beta;Erlizuab;Etaracizumab;Etrolizuab;Etrolizumab;Evinacumab;Evolocumab;Exbivirumab;Farletuzumab;Fasinumab;Fezakinumab;FG-3019;Fibatuzumab;Ficlatuzumab;Figitumumab;Firivumab;Flanvotumab;Fletikumab;Fontolizumab;Foralumab;Foravirumab;Fresolimumab;Fulranumab;Futuximab;Galcanezumab;Galiximab;Ganitumab;Gantenerumab;Gemtuzumab;Gemtuzumab_ozogamicin;Gevokizumab;Girentuximab;Glembatumumab;Goilixiab;Guselkumab;HuMab-001;HuMab-005;HuMab-006;HuMab-019;HuMab-021;HuMab-025;HuMab-027;HuMab-032;HuMab-033;HuMab-035;HuMab-036;HuMab-041;HuMab-044;HuMab-049;HuMab-050;HuMab-054;HuMab-055;HuMab-059;HuMab-060;HuMab-067;HuMab-072;HuMab-084;HuMab-091;HuMab-093;HuMab-098;HuMab-100;HuMab-106;HuMab_10F8;HuMab-111;HuMab-123;HuMab-124;HuMab-125;HuMab-127;HuMab-129;HuMab-132;HuMab-143;HuMab-150;HuMab-152;HuMab-153;HuMab-159;HuMab-160;HuMab-162;HuMab-163;HuMab-166;HuMab-167;HuMab-169;HuMab-7D8;huMAb-anti-MSP10.1;huMAb-anti-MSP10.2;HUMAB-Clone_18;HUMAB-Clone_22;HuMab-L612;HuMab_LC5002-002;HuMab_LC5002-003;HuMab_LC5002-005;HuMab_LC5002-007;HuMab_LC5002-018;Ibalizumab;Ibritumomab_tiuxetan;Icrucumab;Idarucizumab;Igatuzuab;IGF-IR_HUMAB-1A;IGF-IR_HUMAB-23;IGF-IR_HUMAB-8;ImAb1;Imalumab;Imgatuzumab;Inclacumab;Indatuximab_ravtansine;Indusatumab_vedotin;Inebilizumab;Insulin_peglispro;Interferon_beta-1b;Intetumumab;Iodine_(124I)_Girentuximab;Iodine_(131I)_Derlotuxiab_biotin;Iodine_(131I)_Derlotuximab_biotin;Ipilimumab;Iratumumab;Isatuximab;Itolizumab;Ixekizumab;Labetuzumab_govitecan;Lambrolizumab;Lampalizumab;Lanadelumab;Landogrozumab;Laprituximab_emtansine;Lealesoab;Lebrikizumab;Lenercept_chain1;Lenzilumab;Lerdelimumab;Lexatumumab;Libivirumab;Lifastuzumab;Lifastuzumab_vedotin;Ligelizumab;Lilotomab;Lintuzumab;Lirilumab;Lodelcizumab;Lokivetmab;Lorvotuzumab_mertansine;Lpathomab;Lucatumumab;Lulizumab_pegol;Lumiliximab;Lumretuzumab;Lutetium_(177Lu)_lilotomab_satetraxetan;Margetuximab;Marzeptacog_alfa;Matuzumab;Mavrilimumab;MDX-1303;Mepolizumab;Metelimumab;Milatuzumab;Mirvetuximab;Modotuximab;Mogamulizumab;Monalizumab;Motavizumab;Moxetumomab_pasudotox;Muromonab-CD3;Namilumab;Naptumomab_estafenatox;Narnatumab;Natalizumab;Navicixizumab;Navivumab;Ndimab-varB;Necitumumab;Neliximab;Nemolizumab;Nesvacumab;Neuradiab;Nimotuzumab;Nivolumab;Obiltoxaximab;Obinutuzumab;Ocaratuzumab;Ocrelizumab;Ofatumumab;Olaratumab;Olizuab;Olokizumab;Omalizumab;Onartuzumab;Ontuxizumab;Opicinumab;Oportuzumab_monatox;Oreptacog_alfa;Orticumab;Otelixizumab;Otlertuzumab;Oxelumab;Ozanezumab;Ozoralizumab;Palivizumab;Pamrevlumab;Panitumumab;Pankoab;PankoMab;Panobacumab;Parsatuzumab;Pascolizumab;Pasotuxizumab;Pateclizumab;Patritumab;Pembrolizumab;Perakizumab;Pertuzuab;Pertuzumab;Pexelizumab_h5g1.1-scFv;Pexelizumab;PF-05082566;PF-05082568;Pidilizumab;Pinatuzumab_vedotin;Placulumab;Plozalizumab;Pogalizumab;Polatuzumab_vedotin;Ponezumab;Pritoxaximab;Pritumumab;Quilizumab;Racotumomab;Radretumab;Rafivirumab;Ralpancizumab;Ramucirumab;Ranibiziuab;Ranibizumab;Refanezumab;REGN2810;rhuMab_HER2(9CI);rhuMab_HER2;rhuMAb-VEGF;Rilotumumab;Rinucumab;Risankizumab;Rituximab;Rivabazumab_pegol;Robatumumab;Roledumab;Romosozumab;Rontalizuab;Rontalizumab;Rovalpituzumab_tesirine;Rovelizumab;Ruplizumab;Sacituzumab_govitecan;Samalizumab;Sarilumab;Satumomab_pendetide;Secukinumab;Seribantumab;Setoxaximab;Sifalimumab;Siltuximab;Simtuzumab;Sirukumab;Sofituzumab_vedotin;Solanezumab;Solitomab;Sonepcizumab;Stamulumab;Suptavumab;Suvizumab;Tabalumab;Tacatuzuab;Tadocizumab;Talizumab;Tamtuvetmab;Tanezumab;Tarextumab;Tefibazumab;Tenatumomab;Teneliximab;Teplizumab;Teprotumumab;Tesidolumab;Tezepelumab;ThioMAb-chMA79b-HC(A118C);ThioMab-hu10A8.v1-HC(A118C);ThioMab-hu10A8.v1-HC(V205C);ThioMab-hu10A8.v1-LC(A118C);ThioMab-hu10A8.v1-LC(V205C);ThioMAb-huMA79b.v17-HC(A118C);ThioMAb-huMA79b.v18-HC(A118C);ThioMAb-huMA79b.v28-HC(A118C);ThioMAb-huMA79b.v28-LC(V205C);Ticiliuab;Tigatuzumab;Tildrakizumab;Tisotumab_vedotin;Tocilizumab;Tosatoxumab;Tositumomab;Tovetumab;Tralokinumab;Trastuzuab;Trastuzumab_emtansine;Trastuzumab;TRC-105;Tregalizumab;Tremelimumab;Trevogrumab;Tucotuzumab_celmoleukin;Ublituximab;Ulocuplumab;Urelumab;Urtoxazumab;Ustekinumab;Vadastuximab_talirine;Vandortuzumab_vedotin;Vantictumab;Vanucizumab;Varlilumab;Vatelizumab;Vedolizumab;Veltuzumab;Vesencumab;Visilizumab;Volociximab;Vorsetuzumab;Vorsetuzumab_mafodotin;Yttrium_(90Y)_clivatuzumab_tetraxetan;Yttrium_Y_90_epratuzumab_tetraxetan;Yttrium_Y_90_epratuzumab;Zalutumumab;Zanolimumab;Zatuximab;Andecaliximab;Aprutumab;Azintuxizumab;Brazikumab;Cabiralizumab;Camrelizumab;Cosfroviximab;Crizanlizumab;Dezamizumab;Duvortuxizumab;Elezanumab;Emapalumab;Eptinezumab;Erenumab;Fremanezumab;Frunevetmab;Gatipotuzumab;Gedivumab;Gemetuzumab;Gilvetmab;Ifabotuzumab;Lacnotuzumab;Larcaviximab;Lendalizumab;Lesofavumab;Letolizumab;Losatuxizumab;Lupartumab;Lutikizumab;Oleclumab;Porgaviximab;Prezalumab;Ranevetmab;Remtolumab;Rosmantuzumab;Rozanolixizumab;Sapelizumab;Selicrelumab;Suvratoxumab;Tavolixizumab;Telisotuzumab;Telisotuzumab_vedotin;Timigutuzumab;Timolumab;Tomuzotuximab;Trastuzumab_duocarmazine;Varisacumab;Vunakizumab;Xentuzumab;抗狂犬病_SO57;抗狂犬病_SOJB;抗狂犬病_SOJA;抗狂犬病;抗RSV_5ITB;抗アルファ毒素_4U6V;抗IsdB_5D1Q;抗IsdB_5D1X;抗IsdB_5D1Z;抗HIV_b12;抗HIV_2G12;抗HIV_4E10;抗HIV_VRC01;抗HIV_PG9;抗HIV_VRC07;抗HIV_3BNC117;抗HIV_10-1074;抗HIV_PGT121;抗HIV_PGDM1400;抗HIV_N6;抗HIV_10E8;抗HIV_12A12;抗HIV_12A21;抗HIV_35022;抗HIV_3BC176;抗HIV_3BNC55;抗HIV_3BNC60;抗HIV_447-52D;抗HIV_5H/I1-BMV-D5;抗HIV_8ANC195;抗HIV_cap256-176-723043/600049/531926/504134;抗HIV_CAP256-VRC26.01/VRC26.02/VRC26.03/VRC26.04/VRC26.05/VRC26.06/ 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105516/095709/069468/060026/053668/052864/050968/046422/045120/039932/038595/035082/029204/025235/015192/007060/006953/005953/003725/002618/001522/000731/000634;抗HIV_206-314431;抗HIV_206-247594;抗HIV_206-116890;抗HIV_206-072383;抗HIV_206-037527;抗HIV_206-009095;抗HIV_176-503620;抗HIV_176-478726;抗HIV_176-245056;抗HIV_176-164413;抗HIV_176-094308;抗HIV_176-065321;抗HIV_038-221120;抗HIV_038-197677;抗HIV_038-196765;抗HIV_038-186200;抗HIV_038-126170;抗HIV_038-108545;抗HIV_038-107263;抗HIV_038-104530;抗HIV_038-099169;抗HIV_038-075067;抗HIV_038-072368;抗HIV_038-068503;抗HIV_038-068016;抗HIV_038-063958;抗HIV_038-033733;抗HIV_038-030557;抗HIV_038-024298;抗HIV_038-011154;;抗HIV_5CIN;抗HIV_5CIL;抗HIV_5CIP;抗HIV_4JKP;抗HIV_3TNN;抗HIV_3BQU;抗HIV_IgG;抗HIV_4P9M;抗HIV_4P9H;抗HIV_Ig;抗HIV;抗インフルエンザ;抗インフルエンザ_Apo;抗インフルエンザ-A;および抗OX40、またはこれらの抗体のいずれかのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体からなる群から選択することができる。
好ましい抗体をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは国際特許出願PCT/EP2017/060226に記載の、配列番号1〜61734または表3、表4、表5、表6または表9のそれぞれのいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得るものであり、特に、これらの配列またはこれらのRNA配列のいずれかの断片もしくはバリアントに対して、同一であるか、または少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、PCT/EP2017/060226の開示も参照により本願に援用される。当業者は、他の(冗長)mRNA配列もまた、上記参照に示されるようなタンパク質をコードし得ることを知っており、したがって、mRNA配列は、それに限定されない。
好ましい治療用タンパク質をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは米国出願番号15/585,561に記載の、配列番号1〜配列番号345916または表Iのそれぞれに示す配列番号のいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得るものであり、特に、これらの配列またはこれらのRNA配列のいずれかの断片もしくはバリアントに対して、同一であるか、または少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、米国出願番号15/585,561の開示も参照により本願に援用される。当業者は、他の(冗長)mRNA配列もまた、上記参照に示されるようなタンパク質をコードし得ることを知っており、したがって、mRNA配列は、それに限定されない。
好ましい治療用タンパク質をコードしている本発明のさらなる人工核酸分子は、好ましくは国際特許出願PCT/EP2017/060692に記載の、配列番号1〜配列番号345916または表Iのそれぞれに示す配列番号のいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得るものであり、特に、これらの配列またはこれらのRNA配列のいずれかの断片もしくはバリアントに対して、同一であるか、または少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、国際特許出願PCT/EP2017/060692の開示も参照により本願に援用される。当業者は、他の(冗長)mRNA配列もまた、上記参照に示されるようなタンパク質をコードし得ることを知っており、したがって、mRNA配列は、それに限定されない。
用語「ペプチドホルモン」は、動物生体における内分泌機能を有するペプチドまたはタンパク質のクラスを指す。典型的には、ペプチドホルモンは、標的細胞表面の受容体に結合し、細胞内のセカンドメッセンジャーを介して信号を伝達することによってその機能を発揮する。ペプチドホルモンの代表例には、アディポネクチン、つまりAcrp30;副腎皮質刺激ホルモン(またはコルチコトロピン)、つまりACTH;アミリン(または膵島アミロイドポリペプチド)、つまりIAPP;アンジオテンシノーゲンおよびアンジオテンシン、つまりAGT;抗ミュラー管ホルモン(またはミュラー管抑制因子またはホルモン)、つまりAMH;抗利尿ホルモン(またはバソプレシン、アルギニンバソプレシン)、つまりADH;心房性ナトリウム利尿ペプチド(またはアトリオペプチン)、つまりANP;脳性ナトリウム利尿ペプチド、つまりBNP;カルシトニン、つまりCT;コレシストキニン、つまりCCK;コルチコトロピン放出ホルモン、つまりCRH;コルチスタチン、つまりCORT;エンドセリン、つまり;エンケファリン、つまり;エリスロポイエチン、つまりEPO;卵胞刺激ホルモン、つまりFSH;ガラニン、つまりGAL;胃抑制ポリペプチド、つまりGIP;ガストリン、つまりGAS;グレリン、つまり;グルカゴン、つまりGCG;グルカゴン様ペプチド−1、つまりGLP1;ゴナドトロピン放出ホルモン、つまりGnRH;成長ホルモン、つまりGHまたはhGH;成長ホルモン放出ホルモン、つまりGHRH;グアニリン、つまりGN;ヘプシジン、つまりHAMP;ヒト絨毛膜ゴナドトロピン、つまりhCG;ヒト胎盤性ラクトーゲン、つまりHPL;インヒビン、つまり;インスリン、つまりINS;インスリン様増殖因子(またはソマトメジン)、つまりIGF;レプチン、つまりLEP;リポトロピン、つまりLPH;黄体形成ホルモン、つまりLH;メラノサイト刺激ホルモン、つまりMSHまたはa−MSH;モチリン、つまりMLN;オレキシン、つまり;オステオカルシン、つまりOCN;オキシトシン、つまりOXT;膵臓ポリペプチド、つまり副甲状腺ホルモン、つまりPTH;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド、つまりPACAP;プロラクチン、つまりPRL;プロラクチン放出ホルモン、つまりPRH;リラキシン、つまりRLN;レニン、つまり;セクレチン、つまりSCT;ソマトスタチン、つまりSRIF;トロンボポエチン、つまりTPO;甲状腺刺激ホルモン(またはチロトロピン)、つまりTSH;チロトロピン放出ホルモン、つまりTRH;ウログアニリン、つまりUGN;または、血管作動性腸管ペプチド、つまりVIP、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、が含まれる。
「遺伝子編集剤」という用語は、遺伝子の発現を修飾する(つまり、改変する、誘導する、増大させる、減少させる、抑制する、消失させる、または予防する)ことができる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。遺伝子発現は、いくつかのレベルで修飾され得る。遺伝子編集剤は、典型的には以下によって作用する:(a)後成的な修飾を導入または除去すること、(b)例えば、目的の遺伝子の核酸配列において核酸残基を導入、欠失または変化させることによって遺伝子の配列を改変すること、(c)目的の遺伝子に操作可能に連結された調節因子の生物学的機能を修飾すること、(d)mRNA転写、プロセシング、スプライシング、成熟または細胞質への輸送を修飾すること、(e)mRNA翻訳を修飾すること、(f)翻訳後修飾を修飾すること、(g)タンパク質転座または輸送を修飾すること。より狭い意味では、用語「遺伝子編集剤」は、好ましくは機能(a)〜(d)、より好ましくは(a)〜(c)を発揮することによって、遺伝子発現を修飾するために細胞のゲノムを標的とする(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指し得る。したがって、本明細書で用いられる用語「遺伝子編集剤」は、好ましくは(例えば、相同的な指向性修復または非相同的な末端結合を介して)突然変異を誘導するために標的DNAを切断または改変する遺伝子編集剤を包含するが、標的切断無しに発現を低下させることができる遺伝子編集剤(例えば、遺伝子発現を低下させることができる転写リプレッサーまたは後成的修飾因子などの発現モジュレーターに融合または結合される遺伝子編集剤)も含む。特定の遺伝子編集剤は、転写活性化剤、転写リプレッサー、リコンビナーゼ、ヌクレアーゼ、DNA結合タンパク質、またはそれらの組み合わせを含む。
本発明はまた、人工核酸、特にRNAに関するものであり、CRISPR関連タンパク質、および(薬学的)組成物およびそれを含むパーツのキットをコードしているものである。上記人工核酸、特にRNA、(薬学的)組成物およびキットは、医薬、例えば、遺伝子編集、ノックイン、ノックアウトまたは目的の標的遺伝子の発現の調節による、例えば、遺伝子治療、特に、CRISPR関連タンパク質による治療を適用可能な疾患の治療および/または予防における使用が特に想定される。
用語「CRISPR関連タンパク質」は、外来DNA因子に対する適応免疫を付与するために原核生物によって使用される、CRISPR(規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列)システム(およびそれらのホモログ、バリアント、断片または誘導体)の一部であるRNA誘導エンドヌクレアーゼを指す。CRISPR関連タンパク質には、Cas9、Cpf1(Cas12)、C2c1、C2c3、C2c2、Cas13、CasXおよびCasYが含まれるが、これらに限定されるものではない。本明細書で用いられる用語「CRISPR関連タンパク質」は、野生型タンパク質、ならびにそのホモログ、バリアント、断片および誘導体を含む。したがって、Cas9、Cpf1(Cas12)、C2c1、C2c3、およびC2c2、Cas13、CasX、およびCasYをコードしている人工核酸分子を参照する場合、上記人工核酸分子は、それぞれの野生型タンパク質、またはそのホモログ、バリアント、断片および誘導体をコードし得る。
好ましくは、少なくとも1つの5’−UTR因子および少なくとも1つの3’−UTR因子は、上記UTRに操作可能に連結された少なくとも1つのコーディング配列の発現を増加させるように相乗的に作用する。本明細書では、記載されている5’−UTRおよび3’−UTR因子を、任意の有用な組み合わせで利用することが想定される。さらに詳細には、本発明の好ましい実施形態は、選ばれたCDSの組み合わせを含み、つまり、Cas9、Cpf1、CasX、CasY、およびCas13からなる群から選択されるCDSと共に、HSD17B4/Gnas.1;Slc7a3.1/Gnas.1;ATP5A1/CASP.1;Ndufa4.1/PSMB3.1;HSD17B4/PSMB3.1;RPL32var/アルブミン7;32L4/アルブミン7;HSD17B4/CASP1.1;Slc7a3.1/CASP1.1;Slc7a3.1/PSMB3.1;Nosip.1/PSMB3.1;Ndufa4.1/RPS9.1;HSD17B4/RPS9.1;ATP5A1/Gnas.1;Ndufa4.1/COX6B1.1;Ndufa4.1/Gnas.1;Ndufa4.1/Ndufa1.1;Nosip.1/Ndufa1.1;Rpl31.1/Gnas.1;TUBB4B.1/RPS9.1;およびUbqln2.1/RPS9.1の群から選択されるUTRの組み合わせ、を含む。
用語「免疫チェックポイント阻害因子」は、免疫チェックポイントタンパク質の生物学的活性を阻害(つまり、妨害、遮断、中和、低減、抑制、消失、予防)することができる任意の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。免疫チェックポイントタンパク質は、典型的にはT細胞の活性化または機能を調節し、当技術分野で周知である。免疫チェックポイントタンパク質は、CTLA−4、PD−1、VISTA、B7−H2、B7−H3、PD−L1(B7−H1、CD274)、B7−H4、B7−H6、2B4、ICOS、HVEM、PD−L2(B7−DC、CD273)、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD70、CD80、CD86、CD137、CD160、CD226、CD276、CD160、gp49B、PIR−B、KIRファミリー受容体、TIM−1、TIM−3、TIM−4、LAG−3、BTLA、SIRPアルファ(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT−2、ILT−4、TIGIT、A2aR、DR3、IDOL、IDO2、LAIR−2、LIGHT、MARCO(膠原構造を有するマクロファージ受容体)、PS(ホスファチジルセリン)、OX−40、SLAM、TIGHT、VISTA、および/またはVTCN1、を含むが、これらに限定されない。免疫チェックポイントタンパク質を阻害するのに有用な薬剤の代表例には、1つ以上の免疫チェックポイントタンパク質とそれらの天然受容体との間の相互作用を遮断するために、および/または上記免疫チェックポイントタンパク質とそれらの天然受容体との結合によって媒介される阻害シグナル伝達を防止するために、例えば、それらの受容体または下流シグナル伝達分子に対して、結合、不活性化、および/または阻害をすることによって、免疫チェックポイントタンパク質に直接結合する(およびそれによって不活性化または阻害する)か、当該免疫チェックポイントタンパク質を間接的に不活性化または阻害する、抗体(および抗体断片、バリアントまたは誘導体)、ペプチド、天然リガンド(およびリガンド断片、バリアントまたは誘導体)、融合タンパク質、が含まれる。免疫チェックポイント阻害因子の代表例には、A2AR;B7−H3、つまりcD276;B7−H4、つまりVTCN1;BTLA;CTLA−4;IDO、つまりインドレアミン2、3−ジオキシゲナーゼ;KIR、つまりキラー細胞免疫グロブリン様受容体;LAG3、つまりリンパ球活性化遺伝子−3;PD−1、つまりプログラム死亡1(PD−1)受容体;PD−L1、TIM−3、つまり、T細胞免疫グロブリン領域およびムチン領域3;VISTA(タンパク質)、つまりT細胞活性化のV領域Ig抑制因子;GITR、つまりグルココルチコイド起因性TNFRファミリー関連遺伝子;刺激性チェックポイント分子、つまり、CD27、CD40、CD122、OX40、GITRおよびCD137またはB7−CD28上科に属する刺激性チェックポイント分子、つまり、CD28およびICOS、または、これらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、が含まれる。
用語「T細胞受容体」または「TCR」は、任意に不変のCD3−ゼータ(ζ)鎖および/またはFcR、CD27、CD28、4−1BB(CD137)、DAP10および/またはOX40などの付加的な(共)刺激性シグナル伝達のための領域と複合体を形成する、可変の、ジスルフィド結合アルファ(α)鎖およびベータ(β)鎖、またはガンマおよびデルタ(γ/δ)鎖のヘテロダイマーからなるT細胞特異的タンパク質受容体を指す。用語「T細胞受容体」は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む、そのような天然に存在するTCRの(操作された)バリアント、断片および誘導体を含む。用語「キメラ抗原受容体(CAR)」は一般に、T細胞を活性化することができる細胞内シグナル伝達領域に融合した結合領域を含む、操作された融合タンパク質を指す。典型的には、CARは、CD3−ゼータ鎖、FcR、CD27、CD28、4−1BB(CD137)、DAP10、および/またはOX40などの(共)刺激分子に由来する機能的シグナル伝達領域を含む、少なくとも細胞外抗原結合領域、膜貫通領域および細胞質シグナル伝達領域(本明細書では「細胞内シグナル伝達領域」とも称する)を含むキメラポリペプチド構築物である。細胞外抗原結合領域は、典型的にはモノクローナル抗体またはその断片、バリアントまたは誘導体に由来し得る。特定の態様において、CARは、CD3−ゼータ膜貫通および細胞内エンド領域に融合された、モノクローナル抗体由来の一本鎖可変断片(scFv)の融合物を含む。
腫瘍または癌疾患を治療するための好ましい配列をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは国際特許出願WO2016170176A1に記載の、配列番号1〜10071、好ましくは配列番号1、3、5、6、389または399、または表1〜12または表14〜17のそれぞれのいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得るものであり、特に、これらの配列またはこれらのRNA配列のいずれかの断片もしくはバリアントに対して、同一であるか、または少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2016170176A1の開示も参照により本願に援用される。当業者は、他の(冗長)mRNA配列もまた、上記参照に示されるようなタンパク質をコードし得ることを知っており、したがって、mRNA配列は、それに限定されない。
腫瘍または癌疾患を治療するための好ましい配列をコードしている本発明のさらなる人工核酸分子は、好ましくは国際特許出願WO2009046974、WO2015024666、WO2009046739、WO2015024664、WO2003051401、WO2012089338、WO2013120627、WO2014127917、WO2016170176、またはWO2015135558に記載の、配列番号のそれぞれのいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得るものであり、特に、これらの配列またはこれらのRNA配列のいずれかの断片もしくはバリアントに対して、同一であるか、または少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2009046974、WO2015024666、WO2009046739、WO2015024664、WO2003051401、WO2012089338、WO2013120627、WO2014127917、WO2016170176、またはWO2015135558の開示も参照により本願に援用される。当業者は、他の(冗長)mRNA配列もまた、上記参照に示されるようなタンパク質をコードし得ることを知っており、したがって、mRNA配列は、それに限定されない。
「酵素」という用語は、当該技術分野で周知であり、化学反応の(ポリ)ペプチドおよびタンパク質触媒を指す。酵素には、完全インタクト酵素またはその断片、バリアントもしくは誘導体が含まれる。酵素の代表例には、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、およびリガーゼが含まれる。
上述の治療的タンパク質の断片、バリアントおよび誘導体はまた、それらが好ましくは機能的であり、したがって所望の生物学的効果または機能を媒介することができるという条件で、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質として想定される。
[抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質]
本発明の人工核酸分子の少なくとも1つのコーディング領域は、少なくとも1つの「抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」をコードすることができる。用語「抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」、または略して「抗原」は、一般に、適切な条件下で免疫系の構成要素(抗原受容体、例えば、B細胞受容体(BCR)またはT細胞受容体(TCR)を介して抗体または免疫細胞など)と相互作用するか当該構成要素によって認識されることができ、好ましくは(適応)免疫応答を誘発することができる、任意の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。用語「免疫系の構成要素」は、好ましくは免疫細胞、免疫細胞受容体および適応免疫系の抗体を指す。「抗原性ペプチドまたはタンパク質」は、好ましくはその「エピトープ」または「抗原決定因子」を介して免疫系の構成要素と相互作用するか当該構成要素によって認識される。
「エピトープ」または「抗原決定因子」という用語は、免疫系によって認識される抗原性ペプチドまたはタンパク質の一部または断片を指す。上記断片は、典型的には約5〜約20個以上のアミノ酸から構成され得る。エピトープは「配座的(comformational)」(または「不連続的」)であり得る、つまり、それらが由来する抗原性ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸の不連続配列から構成され得るが、例えば、MHC複合体の三次元構造にまとめられ得る、または「直鎖状」、つまり、それらが由来する抗原性ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸の連続配列からなり得る。「エピトープ」という用語は一般に、「T細胞エピトープ」(それらのT細胞受容体を介してT細胞によって認識される)および「B細胞エピトープ」(それらのB細胞受容体を介してB細胞によって認識される)を包含する。「B細胞エピトープ」は典型的には本明細書に規定された(天然の)タンパク質またはペプチド抗原の外表面に位置し、好ましくは5〜15個のアミノ酸、より好ましくは5〜12個のアミノ酸、さらにより好ましくは6〜9個のアミノ酸を含み得るか、またはこれらのアミノ酸からなり得る。「T細胞エピトープ」は典型的にはMHC−IまたはMHC−II結合形態でT細胞によって認識され、つまり、エピトープおよびMHC−IまたはMHC−II表面分子を含む抗原性タンパク質またはペプチド断片によって形成される複合体として認識される。「T細胞エピトープ」は典型的には約6〜約20個またはそれ以上のアミノ酸の長さを有してもよく、MHCクラスI分子によって提示されるT細胞エピトープは好ましくは約8〜約10個のアミノ酸、例えば、8、9、または10(または11、または12個のアミノ酸)の長さを有し得る。MHCクラスII分子によって提示されるT細胞エピトープは好ましくは約13個またはそれ以上のアミノ酸、例えば、13、14、15、16、17、18、19、20個またはそれ以上のアミノ酸の長さを有し得る。本発明に関して、「エピトープ」という用語は、特にT細胞エピトープを指し得る。
したがって、「抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」という用語は、少なくとも1つの(機能的)エピトープを含むか、それからなるか、またはそれを提供することができる(ポリ)ペプチドを指す。本発明の人工核酸(RNA)分子は、全長抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、または好ましくはその断片をコードし得る。上記断片は、上記抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の(機能的)エピトープを含むか、またはそれからなるか、またはそれを提供することができ得る。「機能的」エピトープは、対象において所望の適応免疫応答を誘導することができるエピトープを指す。
その少なくとも1つのコーディング領域において少なくとも1つの抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子は、標的細胞(例えば、プロフェッショナル抗原提示細胞(APC))に入り得るものであり、ここで、少なくとも1つの抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、MHC分子上の免疫細胞(例えば、T細胞)に発現され、プロセシングされ、そして提示され、好ましくは、抗原特異的免疫応答(例えば、細胞媒介性免疫または抗体の形成)を生じる。あるいは、その少なくとも1つのコーディング領域において少なくとも1つの抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子は、標的細胞(例えば、筋肉細胞、真皮細胞)に入り得るものであり、ここで、少なくとも1つの抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は発現され、また例えば、標的細胞によって細胞外環境に分泌され、そこで、免疫系の細胞(例えば、B細胞、マクロファージ)に遭遇し、そして好ましくは抗原特異的免疫応答(例えば、抗体の形成)を誘導する。
本明細書において「少なくとも1つの抗原性ペプチドまたはタンパク質」をコードしている人工核酸(RNA)分子と言う場合、上記人工核酸(RNA)分子は、上記抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の1つ以上の全長抗原(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、または1つ以上の断片、特に(機能的)エピトープをコードし得ることが想定される。上記全長抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、またはその断片は、好ましくは少なくとも1つの(機能的)エピトープを含むか、それからなり、またはそれを提供することができ、つまり、上記抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質またはその断片は、好ましくは天然エピトープ(好ましくはB細胞によって認識される)を含むかまたはそれからなり、またはMHC結合エピトープ(好ましくはT細胞によって認識される)を提供するためにMHC−IまたはMHC−II分子によってプロセシングおよび提示され得る。
特定の抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の選択は一般に、治療または予防される疾病に依存する。概して、人工核酸(RNA)分子は、上記抗原(例えば、癌、感染症)に対する免疫応答を誘導することによって治療を受けやすい疾病に関連する任意の抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードすることができる。
好ましくは、本発明に係る人工核酸分子は、腫瘍抗原、病原性抗原、自己抗原、アロ抗原、またはアレルゲン性抗原をコードしている少なくとも1つのコーディング領域を含み得る。
用語「腫瘍抗原」とは、(好ましくは悪性の)腫瘍または癌疾患に由来する、または関連する抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。本明細書で用いる用語「癌」および「腫瘍」は交換可能に使用され、周囲組織を冒し、遠隔身体部位に転移しやすい細胞の、制御不能であって、通常急速な増加を特徴とする新生物を指す。この用語は、良性および悪性の新生物を包含する。癌における悪性は典型的には退形成、侵襲性、および転移性によって特徴付けられ、一方、良性悪性腫瘍は典型的にはこれらの性質のいずれも有さない。「癌」および「腫瘍」という用語は特に、腫瘍増殖によって特徴付けられた新生物を指すだけでなく、血液およびリンパ系の癌も指す。「腫瘍抗原」は典型的には腫瘍/癌細胞、好ましくは哺乳類腫瘍/癌細胞に由来し、全身性腫瘍または固形腫瘍などの、哺乳類腫瘍、好ましくは、ヒト腫瘍に由来する腫瘍細胞の中または表面に位置し得る。「腫瘍抗原」は一般的に、腫瘍特異抗原(TSA)および腫瘍関連抗原(TAA)を含む。TSAは典型的には腫瘍特異的変異に起因し、腫瘍細胞に特異的に発現する。TAAはより一般的であるが、通常、腫瘍細胞と「正常」(健常、非腫瘍)細胞の両方によって提示される。
タンパク質またはポリペプチドは、腫瘍抗原、腫瘍抗原の断片、バリアントまたは誘導体を含むか、またはそれらのいずれかからなり得る。このような核酸分子は、治療的目的、特に遺伝的ワクチン接種に特に有用である。
好ましくは、腫瘍抗原は、メラノサイト特異抗原、癌精巣抗原または腫瘍特異抗原、好ましくはCT−X抗原、非X CT抗原、CT−X抗原の結合パートナーまたは非X CT抗原もしくは腫瘍特異抗原の結合パートナー、より好ましくはCT−X抗原、非X CT抗原または腫瘍特異抗原または上記腫瘍抗原の断片、バリアント、もしくは誘導体の結合パートナー;を含む群から選択され得るものであり、ここで、それぞれの核酸配列は、異なるペプチドまたはタンパク質をコードし;ここで、少なくとも1つの核酸配列は、5T4、707−AP、9D7、AFP、AlbZIP HPG1、アルファ−5−ベータ−1−インテグリン、アルファ−5−ベータ−6−インテグリン、アルファ−アクチニン−4/m、アルファ−メチルアシルコエンザイムAラセマーゼ、A T−4、ARTC1/m、B7H4、BAGE−1、BCL−2、bcr/abl、ベータ−カテニン/m、BING−4、BRCAI/m、BRCA2/m、CA 1 5−3/CA 27−29、CA 19−9、CA72−4、CA125、カルレチクリン、CAMEL、CASP−8/m、カテプシンB、カテプシンL、CD19、CD20、CD22、CD25、CDE30、CD33、CD4、CD52、CD55、CD56、CD80、CDC27/m、CDK4/m、CDKN2A/m、CEA、CLCA2、CML28、CML66、COA−1/m、コアクトシン様タンパク質、コラージュXIII、COX−2、CT−9/BRD6、Cten、サイクリンB1、サイクリンD1、cyp−B、CYPB1、DAM−10、DAM−6、DEK−CAN、EFTUD2/m、EGFR、ELF2/m、EMMPRIN、EpCam、EphA2、EphA3、ErbB3、ETV6−AML1、EZH2、FGF−5、FN、Frau−1、G250、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE7b、GAGE−8、GDEP、GnT−V、gp100、GPC3、GPNMB/m、HAGE、HAST−2、ヘプシン、Her2/neu、HERV−K−MEL、HLA−A*0201−R1 7I、HLA−A1 1/m、HLA−A2/m、HNE、ホメオボックスNKX3.1、HOM−TES−14/SCP−1、HOM−TES−85、HPV−E6、HPV−E7、HSP70−2M、HST−2、hTERT、iCE、IGF−1 R、IL−13Ra2、IL−2R、IL−5、未成熟ラミニン受容体、カリクレイン−2、カリクレイン−4、i67、KIAA0205、KIAA0205/m、KK−LC−1、K−Ras/m、LAGE−A1、LDLR−FUT、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−B1、MAGE−B2、MAGE−B3、MAGE−B4、MAGE−B5、MAGE−B6、MAGE−B10、MAGE−B16、MAGE−B17、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−D1、MAGE−D2、MAGE−D4、MAGE−E1、MAGE−E2、MAGE−F1、MAGE−H I、MAGEL2、マンマグロビンA、MART−1/メラン−A、MART−2、MART−2/m、マトリクスタンパク質22、MC1 R、M−CSF、ME 1/m、メソテリン、MG50/PXDN、MMP1 1、MN/CA IX抗原、MRP−3、MUC−1、MUC−2、MUM−1/m、MUM−2/m、MUM−3/m、ミオシンクラスl/m、NA88−A、N−アセチルグルコサミニトランスフェラーゼV、Neo−PAP、Neo−PAP/m、NFYC/m、NGEP、NMP22、NPM/ALK、N−Ras/m、NSE、NY−ESO−1、NY−ESO−B、OA1、OFA−iLRP、OGT、OGT/m、OS−9、OS−9/m、オステオカルシン、オステオポンチン、pi 5、p190マイナーbcr−abl、p53、p53/m、PAGE−4、PAI−1、PAI−2、PAP、PART−1、PATE、PDEF、Pim−1キナーゼ、Pin−1、Pml/PARアルファ、POTE、PRAME、PRDX5/m、プロステイン、プロテイナーゼ−3、PSA、PSCA、PSGR、PSM、PSMA、PTPRK/m、RAGE−1、RBAF600/m、RHAMM/CD1 68、RU1、RU2、S−100、SAGE、SART−1、SART−2、SART−3、SCC、SIRT2/m、Sp1 7、SSX−1、SSX−2/HOM−MEL−40、SSX−4、STAMP−1、STEAP−1、サバイビン、サバイビン−2B、SYT−SSX−1、SYT−SSX−2、TA−90、TAG−72、TARP、TEL−AML1、TGFベータ、TGFベータRII、TGM−4、TPI/m、TRAG−3、TRG、TRP−1、TRP−2/6b、TRP/INT2、TRP−p8、チロシナーゼ、UPA、VEGFR1、VEGFR−2/FLK−1、WT1およびリンパ様血球の免疫グロブリンイディオタイプまたはリンパ様血球のT細胞受容体イディオタイプ、または、これらの腫瘍抗原のいずれかのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体;好ましくはそれらのサバイビンまたはホモログ、またはMAGEファミリーからの抗原またはその結合パートナー、または上記腫瘍抗原の断片、バリアントもしくは誘導体、をコードする。
これに関して、特に好ましくは、腫瘍抗原はNY−ESO−1、5T4、MAGE−C1、MAGE−C2、サバイビン、Muc−1、PSA、PSMA、PSCA、STEAPおよびPAP、またはこれらの腫瘍抗原のいずれかのホモログ、断片、バリアントまたは誘導体である。
「病原性抗原」という用語は、病原体、つまり、ウイルス、微生物、または、ウイルスに加えて、細菌、原生動物または真菌を含む、感染症および典型的には疾病を引き起こす他の物質、に由来するか関連する、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。特に、このような「病原性抗原」は、対象、好ましくは哺乳類の対象、より好ましくはヒト、において免疫応答を誘発することができ得る。典型的には、病原性抗原は、病原体(例えば、そのカプシド、血漿膜または細胞壁)の表面に位置する表面抗原、例えば、(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(またはタンパク質の断片、例えば、表面抗原の外側部分)であり得る。
したがって、いくつかの好ましい実施形態において、人工核酸(RNA)分子は、その少なくとも1つのコーディング領域において、細菌性、ウイルス性、真菌性または原生動物性抗原から選択される少なくとも1つの病原性抗原をコードし得る。コードされた(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、病原性抗原またはその断片、バリアントもしくは誘導体からなるか、またはそれらを含んでもよい。
病原性抗原は、好ましくは、病原体、つまり、Acinetobacter baumannii、アナプラズマ属、Anaplasma phagocytophilum、Ancylostoma braziliense、十二指腸虫、Arcanobacterium haemolyticum、Ascaris lumbricoides、アスペルギルス属、Astroviridae、バベシア属、炭疽菌、セレウス菌、Bartonella henselae、BKウイルス、Blastocystis hominis、Blastomyces dermatitidis、Bordetella pertussis、Borrelia burgdorferi、ボレリア属、ボレリア種、ブルセラ属、Brugia malayi、ブニヤウイルス科、Burkholderia cepaciaおよび他のBurkholderia種、Burkholderia mallei、Burkholderia pseudomallei、カリチウイルス科、カンピロバクター属、Candida albicans、カンジダ種、Chlamydia trachomatis、Chlamydophila pneumoniae、Chlamydophila psittaci、CJDプリオン、Clonorchis sinensis、ボツリヌス菌、Clostridium difficile、ウェルシュ菌、ウェルシュ菌、クロストリジウム種、破傷風菌、コクシジオイデス種、コロナウイルス、ジフテリア菌、Coxiella burnetii、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、Cryptococcus neoformans、クリプトスポリジウム属、サイトメガロウイルス(CMV)、デングウイルス(DEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4)、二核アメーバ、エボラウイルス(EBOV)、エキノコッカス属、Ehrlichia chaffeensis、Ehrlichia ewingii、Ehrlichia属、赤痢アメーバ、エンテロコッカス属、エンテロウイルス属、エンテロウイルス、主にコクサッキーAウイルスおよびエンテロウイルス71(EV71)、表皮菌種、EBウイルス(EBV)、大腸菌01 57:H7、01 1 1およびO1 04:H4、肝蛭および巨大肝蛭、FFIプリオン、糸状虫目上科、フラビウイルス、野兎病菌、フソバクテリウム属、Geotrichum candidum、ランブル鞭毛虫、顎口虫種、GSSプリオン、Guanaritoウイルス、軟性下疳菌、ヘモフィルス・インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、ヘニパウイルス(ヘンドラウイルス、ニパウイルス)A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1および2(HSV−1およびHSV−2)、ヒストプラスマカプスラツーム、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、Hortaea werneckii、ヒトボカウイルス(HBoV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)およびヒトヘルペスウイルス7(HHV−7)、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、フニンウイルス、キンゲラ・キンゲ、クレブシエラ・グラニュロマティス、クーループリオン、ラッサウイルス、レジオネラ菌、リーシュマニア属、レプトスピラ属、リステリア・モノサイトゲネス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、マチュポウイルス、マラセチア種、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、横川吸虫、微胞子虫門、伝染性軟属腫ウイルス(MCV)、ムンプスウイルス、らい菌およびマイコバクテリウム・レプロマトーシス、結核菌、Mycobacterium ulcerans、肺炎マイコプラズマ、ネグレリアフォーレリ、アメリカ鉤虫、淋菌、髄膜炎菌、ノカルジア・アステロイデス、ノカルジア種、回旋糸状虫、オリエンティア・ツツガムシ、オルソミクソウイルス科(インフルエンザ)、Paracoccidioides brasiliensis、肺吸虫種、ウェステルマン肺吸虫、パルボウイルスB19、パスツレラ属、プラズモディウム属、ニューモシスチス・イロベチイ、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルス、ライノウイルス、リケッチア・アカリ、リケッチア属、リケッチア・プロワツェキイ、リケッチア・リケッチイ、リケッチア・チフィ、リフトバレー熱ウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、サビアウイルス、サルモネラ属、ヒゼンダニ、SARSコロナウイルス、住血吸虫属、赤痢菌属、シンノンブレウイルス、ハンタウイルス、スポロトリックス・シェンキィ、ブドウ球菌属、ブドウ球菌属、Streptococcus agalactiae、肺炎レンサ球菌、化膿レンサ球菌、糞線虫、テニア属、有鉤条虫、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)、イヌ蛔虫またはネコ蛔虫、トキソプラズマ原虫、トレポネーマ・パリダム、旋毛虫、膣トリコモナス、白癬菌種、鞭虫、トリパノソーマ・ブルセイ、クルーズトリパノソーマ、ウレアプラズマ・ウレアリチカム、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、天然痘または小痘瘡、vCJDプリオン、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、コレラ菌、西ナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス、腸炎エルシニア、ペスト菌、および仮性結核菌、または、これらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、に由来する抗原から選択され得る。
さらに好ましい病原性抗原は、インフルエンザウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス(RSV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、プラズモディウム、黄色ブドウ球菌、デングウイルス、Chlamydia trachomatis、サイトメガロウイルス(CMV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、結核菌、狂犬病ウイルス、および黄熱病ウイルス、または、これらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、に由来し得る。
さらに好ましい病原性抗原は、アグロバクテリウムチュメファシエンス、アジェロミセス・デルマチチジスATCC60636、アルファパピローマウイルス10、アンデスオルソハンタウイルス、アンデスウイルスCHI−7913、アスペルギルス・テレウスNIH2624、鳥類E型肝炎ウイルス、バベシア・ミクロチ、炭疽菌、細菌、ベータコロナウイルスイングランド1型、チャバネゴキブリ、Bordetella pertussis、ボルナ病ウイルスギーセン株He/80、Borrelia burgdorferi B31、Borrelia burgdorferi CA12、Borrelia burgdorferi N40、Borrelia burgdorferi ZS7、Borrelia garinii IP90、Borrelia hermsii、Borreliella afzelii、Borreliella burgdorferi、Borreliella garinii、Bos taurus、ブルセラ・メリテンシス、Brugia malayi、Bundibugyoエボラウイルス、Burkholderia pseudomallei、Burkholderia pseudomallei K96243、カンピロバクター・ジェジュニ、Campylobacter upsaliensis、Candida albicans、モルモット、チクングニアウイルス、チクングニアウイルス MY/08/065、チクングニアウイルス シンガポール/11/2008、チクングニアウイルス株 LR2006_OPY1 IMT/レユニオン島/2006、チクングニアウイルス株 S27−アフリカ原型、肺炎クラミジア、Chlamydia trachomatis、Chlamydia trachomatis血清型D、クラミジア、Clostridioides difficile、Clostridium difficile BI/NAP1/027、破傷風菌、Convict Creek 107ウイルス、ジフテリア菌、牛痘ウイルス(Brighton Red)White−pock、コクサッキーウイルスA16、コクサッキーウイルスA9、コクサッキーウイルスB1、コクサッキーウイルスB2、コクサッキーウイルスB3、コクサッキーウイルスB4、クリミア・コンゴ出血熱オルソナイロウイルス、クリプトスポリジウムパルブム、デングウイルス、デングウイルス1型、デングウイルス1型 ナウル/ウエストパック/1974、デングウイルス1型 PVP159、デングウイルス1型 シンガポール/S275/1990、デングウイルス2型、デングウイルス2型 D2/SG/05K4155DK1/2005、デングウイルス2型 ジャマイカ/1409/1983、デングウイルス2型 プエルトリコ/PR159−S1/1969、デングウイルス2型43株、デングウイルス2型 タイ/16681/84、デングウイルス2型 タイ/NGS−C/1944、デングウイルス3型、デングウイルス4型、デングウイルス4型 ドミニカ/814669/1981、デングウイルス4型 タイ/0348/1991、デングウイルス1型 ハワイ、エボラウイルス−Mayinga,Zaire,1976、エボラウイルス、Echinococcus granulosus、Echinococcus multilocularis、エコーウイルスE11、エコーウイルスE9、Ehrlichia canis str.Jake、Ehrlichia chaffeensis、Ehrlichia chaffeensis str.Arkansas、赤痢アメーバ、赤痢アメーバYS−27、Enterococcus faecium、エンテロウイルスA、エンテロウイルスA71、エンテロウイルスC、大腸菌、巨大肝蛭、肝蛭、Four Cornersハンタウイルス、野兎病菌、野兎病菌亜種holarctica LVS、野兎病菌亜種tularensis SCHU S4、Gambierdiscus toxicus、GBウイルスC、Glossina morsitans morsitans、Gnathostoma binucleatum、Gp160、H1N1サブタイプ、H5N1サブタイプ、ヘモフィルス・インフルエンザ菌NTHi 1128、ヘモフィルス・インフルエンザ菌血清型B、ヘモフィルス・インフルエンザ菌サブタイプ1H、ハンターンオルソハンタウイルス、ハンターンウイルス76−118、HBV遺伝子型D、ヘリコバクター・ピロリ、ヘリコバクター・ピロリ26695、Heligmosomoides polygyrus、B型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスadr4、B型肝炎ウイルスayw/フランス/Tiollais/1979、B型肝炎ウイルス遺伝子型D、B型肝炎ウイルスサブタイプadr、B型肝炎ウイルスサブタイプadw、B型肝炎ウイルスサブタイプadw2、B型肝炎ウイルスサブタイプadyw、B型肝炎ウイルスサブタイプAYR、B型肝炎ウイルスサブタイプayw、C型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス(隔離集団1)、C型肝炎ウイルス(隔離集団BK)、C型肝炎ウイルス(隔離集団Con1)、C型肝炎ウイルス(隔離集団Glasgow)、C型肝炎ウイルス(隔離集団H)、C型肝炎ウイルス(隔離集団H77)、C型肝炎ウイルス(隔離集団HC−G9)、C型肝炎ウイルス(隔離集団HCV−K3a/650)、C型肝炎ウイルス(隔離集団日本)、C型肝炎ウイルス(隔離集団JK049)、C型肝炎ウイルス(隔離集団NZL1)、C型肝炎ウイルス(隔離集団台湾)、C型肝炎ウイルス遺伝子型1、C型肝炎ウイルス遺伝子型2、C型肝炎ウイルス遺伝子型3、C型肝炎ウイルス遺伝子型4、C型肝炎ウイルス遺伝子型5、C型肝炎ウイルス遺伝子型6、C型肝炎ウイルスHCT18、C型肝炎ウイルスHCV−KF、C型肝炎ウイルス隔離集団HC−J1、C型肝炎ウイルス隔離集団HC−J6、C型肝炎ウイルス隔離集団HC−J8、C型肝炎ウイルスJFH−1、C型肝炎ウイルスサブタイプ1a、C型肝炎ウイルスサブタイプ1a Chiron Corp.、C型肝炎ウイルスサブタイプ1b、C型肝炎ウイルスサブタイプ1b AD78、C型肝炎ウイルスサブタイプ1b隔離集団BE−11、C型肝炎ウイルスサブタイプ1b JK1、C型肝炎ウイルスサブタイプ2a、C型肝炎ウイルスサブタイプ2b、C型肝炎ウイルスサブタイプ3a、C型肝炎ウイルスサブタイプ5a、C型肝炎ウイルスサブタイプ6a、デルタ型肝炎ウイルス、デルタ型肝炎ウイルスTW2667、E型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス(ビルマ株)、E型肝炎ウイルス(メキシコ株)、E型肝炎ウイルスSAR−55、E型肝炎ウイルス3型Kernow−C1、E型肝炎ウイルス4型JAK−Sai、A型肝炎ウイルス、サギB型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス(1型/17株)、ヘルペスウイルス科、HIV−1 CRF01_AE、HIV−1グループO、HIV−1 M:A、HIV−1 M:B、HIV−1 M:B_89.6、HIV−1 M:B_HXB2R、HIV−1 M:B_MN、HIV−1 M:C、HIV−1 M:CRF01_AE、HIV−1 M:G、HIV−1 O_ANT70、ヒトアデノウイルス11、ヒトアデノウイルス2、ヒトアデノウイルス40、ヒトアデノウイルス5、ヒトアルファヘルペスウイルス1、ヒトアルファヘルペスウイルス2、ヒトアルファヘルペスウイルス3、ヒトベータヘルペスウイルス5、ヒトベータヘルペスウイルス6B、ヒトボカウイルス1、ヒトボカウイルス2、ヒトボカウイルス3、ヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスOC43、ヒト内因性レトロウイルス、ヒト内因性レトロウイルスH、ヒト内因性レトロウイルスK、ヒトエンテロウイルス71サブジェノグループC4、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトガンマヘルペスウイルス8、ヒトA型肝炎ウイルスHu/オーストラリア/HM175/1976、ヒトヘルペスウイルス1 KOS株、ヒトヘルペスウイルス2 333株、ヒトヘルペスウイルス2 HG52株、ヒトヘルペスウイルス3 H−551、ヒトヘルペスウイルス3 Oka株ワクチン(strain Oka vaccine)、ヒトヘルペスウイルス4 B95−8株、ヒトヘルペスウイルス4 1型、ヒトヘルペスウイルス4 2型、ヒトヘルペスウイルス5 AD169株、ヒトヘルペスウイルス5 Towne株、ヒトヘルペスウイルス6(Uganda−1102株)、ヒトヘルペスウイルス7JI株、ヒト免疫不全ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス2、ヒト免疫不全ウイルス1型(隔離集団YU2)、ヒト免疫不全ウイルス1型(JRCSF隔離集団)、ヒト免疫不全ウイルス1型(NEW YORK−5隔離集団)、ヒト免疫不全ウイルス1型(SF162隔離集団)、ヒト免疫不全ウイルス1型(SF33隔離集団)、ヒト免疫不全ウイルス1型BH10、ヒトメタニューモウイルス、ヒトオルソニューモウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス11型、ヒト乳頭腫ウイルス16型、ヒト乳頭腫ウイルス18型、ヒト乳頭腫ウイルス29型、ヒト乳頭腫ウイルス31型、ヒト乳頭腫ウイルス33型、ヒト乳頭腫ウイルス35型、ヒト乳頭腫ウイルス39型、ヒト乳頭腫ウイルス44型、ヒト乳頭腫ウイルス45型、ヒト乳頭腫ウイルス51型、ヒト乳頭腫ウイルス52型、ヒト乳頭腫ウイルス58型、ヒト乳頭腫ウイルス59型、ヒト乳頭腫ウイルス6型、ヒト乳頭腫ウイルス68型、ヒト乳頭腫ウイルス6b型、ヒト乳頭腫ウイルス73型、ヒトパラインフルエンザ3ウイルス(NIH 47885株)、ヒトパレコウイルス1、ヒトパルボウイルス4、ヒトパルボウイルスB19、ヒトポリオウイルス1ヒトポリオウイルス1 Mahoney、ヒトポリオウイルス3、ヒトポリオーマウイルス1、ヒト呼吸器系合胞体ウイルス(RSB1734株)、ヒト呼吸器系合胞体ウイルス(RSB6190株)、ヒト呼吸器系合胞体ウイルス(RSB6256株)、ヒト呼吸器系合胞体ウイルス(RSB642株)、ヒト呼吸器系合胞体ウイルス(サブグループB/18537株)、ヒト呼吸器系合胞体ウイルスAヒト呼吸器系合胞体ウイルスA Long株、ヒト呼吸器系合胞体ウイルスA2、ヒト呼吸器系合胞体ウイルスS2、ヒトレスピロウイルス3、ヒトライノウイルスA89、ヒトロタウイルスA、ヒトT細胞白血球ウイルス1型(カリブ人隔離集団)、ヒトT細胞白血球ウイルス1型(MT−2隔離集団)、ヒトT細胞白血球ウイルス1型(ATK株)、ヒトT細胞白血球ウイルス1型(アフリカ人隔離集団)、ヒトT白血球ウイルス1、ヒトT白血球ウイルス2、インフルエンザAウイルス、インフルエンザAウイルス(A/安徽/1/2005(H5N1))、インフルエンザAウイルス(A/安徽/PA−1/2013(H7N9))、インフルエンザAウイルス(A/アルゼンチン/3779/94(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/オークランド/1/2009(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/Bar−headed Goose/青海/61/05(H5N1))、インフルエンザAウイルス(A/Brevig Mission/1/1918(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/カリフォルニア/04/2009(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/カリフォルニア/07/2009(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/カリフォルニア/08/2009(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/カリフォルニア/10/1978(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/クライストチャーチ/2/1988(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/コルドバ/3278/96(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/フランス/75/97(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/福建/411/2002(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/香港/01/2009(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/香港/1/1968(H3N2
))、インフルエンザAウイルス(A/インドネシア/CDC699/2006(H5N1))、インフルエンザAウイルス(A/イラン/1/1957(H2N2))、インフルエンザAウイルス(A/メンフィス/13/1978(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/メンフィス/4/1980(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/南昌/58/1993(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ニューヨーク/232/2004(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ニューヨーク/15/94(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ニューヨーク/17/94(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/オハイオ/3/95(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/オタゴ/5/2005(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/プエルトリコ/8/1934(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/山東/5/94(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ソロモン諸島/3/2006(Egg passage)(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/サウスカロライナ/1/1918(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/ブタ/香港/126/1982(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ブタ/アイオワ/15/1930(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/シドニー/05/97−like(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/テキサス/1/1977(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/Udorn/307/1972(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ウルグアイ/716/2007(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/USSR/26/1985(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A/ベトナム/1203/2004(H5N1))、インフルエンザAウイルス(A/ベトナム/1194/2004(H5N1))、インフルエンザAウイルス(A/ウェリントン/75/2006(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/ウィルソン・スミス/1933(H1N1))、インフルエンザAウイルス(A/武漢/359/1995(H3N2))、インフルエンザAウイルス(A株/ウマ/ニューマーケット/76)、インフルエンザBウイルス、日本脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス ナカヤマ株、日本脳炎ウイルスVellore P20778、JCポリオーマウイルス、フニンマムアレナウイルス、肺炎桿菌、クムリンゲウイルス、ビクトリア湖マールブルグウイルス−Poppラッサマムアレナウイルス、ラッサウイルスJosiah、リーシュマニア、Leishmania aethiopica、Leishmania braziliensis、Leishmania braziliensis MHOM/BR/75/M2904、Leishmania chagasi、Leishmania donovani、Leishmania infantum、Leishmania major、Leishmania major Friedlin株、Leishmania panamensis、Leishmania pifanoi、Leptospira interrogans、Leptospira interrogans Australis血清型、Leptospira interrogans Copenhageni血清型、Leptospira interrogans Copenhageni血清型Fiocruz L1−130株、Leptospira interrogans Lai血清型、Leptospira interrogans Lai血清型HY−1株、Leptospira interrogans Pomona血清型、リトルチェリーウイルス1、リンパ球性脈絡髄膜炎マムアレナウイルス、麻疹ウイルス、麻疹ウイルス Edmonston株、メルケル細胞ポリオーマウイルス、モバラマムアレナウイルス、改造ワクシニアアンカラウイルス、モラクセラカタラーリスO35E、ムパピローマウイルス1、Mus musculus、マイコバクテリウム、Mycobacterium abscessus、Mycobacterium avium、Mycobacterium avium 8血清型、Mycobacterium avium亜種paratuberculosiMycobacterium bovis AN5、Mycobacterium bovis BCG、Mycobacterium bovis BCG Pasteur 1173P2株、Mycobacterium fortuitum亜種fortuitum、Mycobacterium gilvum、Mycobacterium intracellulare、Mycobacterium kansasii、らい菌、らい菌TN、マリナム菌、Mycobacterium neoaurum、Mycobacterium phlei、スメグマ菌、結核菌、結核菌CDC1551、結核菌H37Ra、結核菌H37Rv、Mycobacterium ulcerans、肺炎マイコプラズマ、肺炎マイコプラズマFH、肺炎マイコプラズマM129、アメリカ鉤虫、淋菌、髄膜炎菌B H44/76血清型群、ニパヘニパウイルス、ノロウイルスジェノブループ2 Camberwell 1890、回旋糸状虫、オリエンティア・ツツガムシ、アナウサギ、Pan troglodytes、Paracoccidioides brasiliensis、Paracoccidioides brasiliensis B339、熱帯熱マラリア原虫、熱帯熱マラリア原虫3D7、熱帯熱マラリア原虫7G8、熱帯熱マラリア原虫FC27/パプアニューギニア熱帯熱マラリア原虫FCR−3/ガンビア、熱帯熱マラリア原虫WELLCOME隔離集団、熱帯熱マラリア原虫K1、熱帯熱マラリア原虫LE5、熱帯熱マラリア原虫Mad20/パプアニューギニア、熱帯熱マラリア原虫NF54、熱帯熱マラリア原虫Palo Alto/ウガンダ、熱帯熱マラリア原虫RO−33、チンパンジーマラリア原虫、三日熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫NK、三日熱マラリア原虫Sal−1、三日熱マラリア原虫Belem株、三日熱マラリア原虫様種、Porphyromonas gingivalis、Porphyromonas gingivalis 381、Porphyromonas gingivalis OMZ 409、Prevotella種 oral taxon 472 F0295株、緑膿菌、プーマラオルソハンタウイルス、プーマラウイルス(Umea株/hu)、プーマラウイルスsotkamo/v−2969/81、Pythium insidiosum、Ravnウイルス−Ravn,ケニア,1987、呼吸器系合胞体ウイルス、Rhodococcus fascians、Rhodococcus hoagii、風疹ウイルス、風疹ウイルス株M33、風疹ウイルス株Therien、風疹ウイルスワクチン株RA27/3、Saccharomyces cerevisiae、サイミリガンマヘルペスウイルス2、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型チフィ、サルモネラ・グループA、サルモネラ・グループD、サルモネラ種・グループB、サッポロラットウイルス、SARSコロナウイルス、SARSコロナウイルスBJ01、SARSコロナウイルスTJF、SARSコロナウイルスTor2、SARSコロナウイルスUrbani、住血吸虫、住血吸虫japonicum、住血吸虫mansoni、住血吸虫mansoni プエルトリコ、シンノンブレオルソハンタウイルス、シンドビスウイルス、黄色ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌亜種aureus COL、黄色ブドウ球菌亜種aureus MRSA252、連鎖球菌、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ミュータンスMT 8148、ストレプトコッカス・オラーリス、肺炎レンサ球菌、化膿レンサ球菌、化膿レンサ球菌血清型M24、化膿レンサ球菌血清型M3 D58、化膿レンサ球菌血清型M5、化膿レンサ球菌血清型M6、連鎖球菌種・グループA、Taenia crassiceps、Taenia saginata、有鉤条虫、ダニ媒介性脳炎ウイルス、イヌ蛔虫、トキソプラズマ原虫、トキソプラズマ原虫ME49、トキソプラズマ原虫RH、トキソプラズマ原虫I型、トキソプラズマ原虫II型、トキソプラズマ原虫III型、トキソプラズマ原虫VEG、トレポネーマ・パリダム、トレポネーマ・パリダム亜種パリダムNichols株、膣トリコモナス、Triticum aestivum、トリパノソーマ・ブルセイ・ブルセイ、ガンビアトリパノソーマ、クルーズトリパノソーマ、クルーズトリパノソーマDm28c、クルーズトリパノソーマCL Brener株、ワクシニアウイルス、水疱性口内炎ウイルス、コレラ菌、西ナイルウイルス、西ナイルウイルスNY−99、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス17D/Tiantan、腸炎エルシニア、ザイールエボラウイルス、ジカウイルス、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、に由来し得る。
好ましいインフルエンザ由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号PCT/EP2017/060663の図1、図2、図3もしくは図4または表1、表2、表3もしくは表4のそれぞれに示される配列番号のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、PCT/EP2017/060663の開示が、参照により本願に援用される。
さらに好ましいインフルエンザ由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号PCT/EP2017/064066の図20、図21、図22もしくは図23または表1、表2、表3もしくは表4のそれぞれに示される配列番号のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、PCT/EP2017/064066の開示が参照により本願に援用される。
好ましい狂犬病ウイルス由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号WO2015/024665A1の配列番号24または配列番号25に記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2015/024665A1の開示が参照により本願に援用される。
さらに好ましい狂犬病ウイルス由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号PCT/EP2017/064066の配列番号24または表5に記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、PCT/EP2017/064066の開示が参照により本願に援用される。
好ましいRSV由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号WO2015/024668A2の配列番号31〜35のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2015/024668A2の開示が参照により本願に援用される。
好ましいエボラまたはマールブルグウイルス由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号WO2016/097065A1の配列番号20〜233のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2016/097065A1の開示が参照により本願に援用される。
好ましいジカウイルス由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号WO2017/140905A1の配列番号1〜11759または表1、表1A、表2、表2A、表3、表3A、表4、表4A、表5、表5A、表6、表6A、表7、表8、または表14のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2017/140905A1の開示が参照により本願に援用される。
好ましいノロウイルス由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号PCT/EP2017/060673の配列番号1〜39746または表1のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、PCT/EP2017/060673の開示が参照により本願に援用される。
好ましいロタウイルス由来病原性抗原をコードしている本発明の人工核酸分子は、好ましくは、国際特許出願番号WO2017/081110A1の配列番号1〜3593または表1〜20のいずれか1つに記載の核酸配列、またはこれらの配列のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなるコーディング領域を含み得る。これに関して、WO2017/081110A1の開示が参照により本願に援用される。
「自己抗原」という用語は、正常な身体成分であるにもかかわらず、宿主において自己免疫応答を誘導する内因性の「自己」抗原を指す。本発明に関して、自己抗原は、好ましくはヒトに由来する。自己抗原由来の抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子の提供は、例えば、上記自己抗原に対する免疫耐性を誘導するために使用することができる。本発明に関して、自己抗原の例には、60kDaシャペロニン2、リポタンパク質LpqH、T細胞1に認識される黒色腫抗原、MHCクラスIポリペプチド関連配列A、親タンパク質、構造ポリタンパク質、チロシナーゼ、ミエリンプロテオリピドタンパク質、エプスタイン−バー核抗原1、エンベロープ糖タンパク質GP350、ゲノムポリタンパク質、コラーゲンアルファ−1(II)鎖、アグレカンコアタンパク質、メラノサイト刺激ホルモン受容体、アセチルコリン受容体サブユニットアルファ、60kDa熱ショックタンパク質、ミトコンドリア、ヒストンH4、ミオシン−11、グルタミン酸デカルボキシラーゼ2、60kDaシャペロニン、PqqC様タンパク質、チモシンベータ−10、ミエリン塩基性タンパク質、エプスタイン−バー核抗原4、メラノサイトタンパク質PMEL、HLAクラスII組織適合性抗原、DQベータ1鎖、潜在膜タンパク質2、インテグリンベータ−3、核タンパク質、60Sリボソームタンパク質L10、タンパク質BOLF1、60S酸性リボソームタンパク質P2、潜在膜タンパク質1、コラーゲンアルファ−2(VI)鎖、エクソデオキシリボヌクレアーゼV、ガンマ、トランス活性化タンパク質BZLF1、S−アレスチン、HLAクラスI組織適合性抗原、A−3アルファ鎖、タンパク質CT_579、マトリン−3、エンベロープ糖タンパク質B、ATP依存性亜鉛メタロプロテアーゼFtsH、U1核内低分子リボ核タンパク質70kDa、CD48抗原、チューブリンベータ鎖、アクチン、細胞質1、エプスタイン−バー核抗原3、NEDD4ファミリー相互作用タンパク質1、60Sリボソームタンパク質L28、前初期タンパク質2、インスリン、アイソフォーム2、ケラチン、II型細胞骨格3、マトリクスタンパク質1、ヒストンH2A.Z、mRNA輸送因子ICP27ホモログ、核内低分子リボ核タンパク質関連タンパク質BおよびB’、大型システインリッチペリプラスムタンパクOmcB質、スムーセリン、核内低分子リボ核タンパク質SmD1、アセチルコリン受容体サブユニットイプシロン、インバシン反復ファミリーホスファターゼ、アルファ−クリスタリンB鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−13ベータ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−4ベータ鎖、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体のジヒドロリポイルリジン残留アセチルトランスフェラーゼ成分、ミトコンドリア、ケラチン、I型細胞骨格18、エプスタイン−バー核抗原6、タンパク質Tax−1、ビメンチン、ケラチン、I型細胞骨格16、ケラチン、I型細胞骨格10、HLAクラスI組織適合性抗原、B−27アルファ鎖、チログロブリン、アセチルコリン受容体サブユニットガンマ、シャペロンタンパク質DnaK、タンパク質U24、Na(+)−トランスロケーティングNADH−キノンレダクターゼサブユニットA、65kDaリンタンパク質、推定ATP依存性ClpプロテアーゼATP結合サブユニット、推定外膜タンパク質PmpC、熱ショック70kDaタンパク質1B、血球凝集素、破傷風毒素、エノラーゼ、Ras関連およびプレクストリン相同ドメイン含有タンパク質1、ケラチン、II型細胞骨格7、ミオシン−9、ヒストンH1様タンパク質Hc1、エンベロープ糖タンパク質gp160、ウレアーゼサブユニットベータ、血管作動性腸管ポリペプチド受容体1、ウイルス性インターロイキン−10ホモログ、ヒストンH3.3、複製タンパク質A32kDaサブユニット、推定外膜タンパク質PmpD、インスリン−2、L−ドーパクロムトートメラーゼ、ケラチン、I型細胞骨格9、エンベロープ糖タンパク質H、DNAポリメラーゼ触媒サブユニット、ベータ−2−糖タンパク質1、エンベロープ糖タンパク質gp62、血清アルブミン、主DNA結合タンパク質、HLAクラスI組織適合性抗原、A−2アルファ鎖、ミエロブラスチン、POTEアンキリンドメインファミリーメンバーI、タンパク質E7、予測流出タンパク質、複製・転写活性化剤、Gag−Pro−Polポリタンパク質、カプシドタンパク質VP26、主カプシドタンパク質、アポトーシス調節因子BHRF1、エプスタイン−バー核抗原2、HLAクラスI組織適合性抗原、B−7アルファ鎖、カルレチクリン、ガンマセクレターゼC末端断片59、インスリン、グルコース−6−ホスファターゼ2、膵島アミロイドポリペプチド、受容体型チロシンタンパク質ホスファターゼN2、受容体型チロシンタンパク質ホスファターゼ様N、島細胞自己抗原1、Bos d 6、グルタミン酸デカルボキシラーゼ1、60Sリボソームタンパク質L29、28Sリボソームタンパク質S31、ミトコンドリア、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−16ベータ鎖、コラーゲンアルファ−3(IV)鎖、グルコース−6−ホスファターゼ、グルコース−6−ホスファターゼ3、コラーゲンアルファ−5(IV)鎖、タンパク質Nef、グリア線維酸性タンパク質、フィブリリン−1、テナシン、ストロメリシン−1、間質性コラゲナーゼ、カルパイン−2触媒サブユニット、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4、フィブリノーゲンベータ鎖、シャペロンタンパク質DnaJ、キチナーゼ−3様タンパク質1、マトリクスメタロプロテイナーゼ−16、DNAトポイソメラーゼ1、フォリスタチン関連タンパク質1、Igガンマ−1鎖C領域、Igガンマ−3鎖C領域、コラーゲンアルファ−2(XI)鎖、デスモグレイン−3、フィブリノーゲンアルファ鎖、フィラグリン、T細胞受容体ベータ鎖V領域CTL−L17、T細胞受容体ベータ−1鎖C領域、Ig重鎖V−I領域EU、コラーゲンアルファ−1(IV)鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、Cw−7アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−35アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−38アルファ鎖、高移動性群タンパク質B2、Ig重鎖V−II領域ARH−77、HLAクラスII組織適合性抗原、DRベータ4鎖、Igカッパ鎖C領域、アルファ−エノラーゼ、リソソーム関連膜貫通タンパク質5、HLAクラスI組織適合性抗原、B−52アルファ鎖、不均一核リボ核タンパク質A2/B1、T細胞受容体ベータ鎖V領域YT35、Igガンマ−4鎖C領域、T細胞受容体ベータ−2鎖C領域、DnaJホモログサブファミリーBメンバー2、DnaJホモログサブファミリーAメンバー1、Igカッパ鎖V−IV領域Len、Ig重鎖V−II領域OU、Igカッパ鎖V−IV領域B17、2’,3’−環状ヌクレオチド3’−ホスホジエステラーゼ、Ig重鎖V−II領域MCE、Igカッパ鎖V−III領域HIC、Ig重鎖V−II領域COR、ミエリン−希突起膠細胞糖タンパク質、Igカッパ鎖V−II領域RPMI 6410、Igカッパ鎖V−II領域GM607、免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド5、Ig重鎖V−II領域WAH、ビオチンタンパク質リガーゼ、希突起膠細胞ミエリン糖タンパク質、トランスアルドラーゼ、DNAヘリカーゼ/プライマーゼ複合体関連タンパク質、インターフェロンベータ、ミエリン関連希突起膠細胞塩基性タンパク質、ミエリン関連糖タンパク質、融合糖タンパク質F0、ミエリンタンパク質P0、Igラムダ鎖V−II領域MGC、DNAプライマーゼ、マイナーカプシドタンパク質L2、ミエリンP2タンパク質、末梢ミエリンタンパク質22、レチノール結合タンパク質3、ブチロフィリンサブファミリー1メンバーA1、アルカリヌクレアーゼ、クラウディン−11、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼCwlH、GTPase Der、考えられるトランスポーゼース、BACトランスポーター、ATP結合タンパク質、推定、コラーゲンアルファ−2(IV)鎖、カルパスタチン、Igカッパ鎖V−III領域SIE、E3ユビキチン−タンパク質リガーゼTRIM68、イオンチャネル型グルタミン酸受容体、NMDA 2A、スペクトリンアルファ鎖、非赤血球1、ルプスLaタンパク質、補体C1qサブコンポーネントサブユニットA、U1核内低分子リボ核タンパク質A、60kDa SS−A/Roリボ核タンパク質、DNA修復タンパク質XRCC4、ヒストンH3様動原体タンパク質A、ヒストンH1.4、推定HTLV−1関連内因性配列、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−3鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−1ベータ鎖、核内低分子リボ核タンパク質SmD3、腫瘍壊死因子受容体上科メンバー6、ホスホマンノムターゼ/ホスホグルコムターゼ、トリパータイトターミナーゼサブユニットUL15、プロテアソームサブユニットベータ3型、増殖性細胞核抗原、内部カプシドタンパク質シグマ−2、ヒストンH2B 1型、E3ユビキチン−タンパク質リガーゼTRIM21、DNA指向性RNAポリメラーゼIIサブユニットRPB1、X線修復相補タンパク質6、U1核内低分子リボ核タンパク質C、カスパーゼ−8、60Sリボソームタンパク質L7、5−ヒドロキシトリプタミン受容体4、核内低分子リボ核タンパク質関連タンパク質N、エクスポチン−1、60S酸性リボソームタンパク質P0、神経細線維重ポリペプチド、推定エンベロープ、T細胞受容体アルファ鎖C領域、T細胞受容体アルファ鎖V領域CTL−L17、RNAポリメラーゼシグマ因子SigA、核内低分子リボ核タンパク質SmD2、免疫グロブリンイオタ鎖、Igカッパ鎖V−III領域WOL、ヒストンH2B 1−F/J/L型、高移動性群タンパク質B1、X線修復相補タンパク質5、ムスカリンアセチルコリン受容体M3、主ウイルス性転写因子ICP4、電圧依存性P/Q型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1A、熱ショックタンパク質HSP90−ベータ、DNAトポイソメラーゼ2−ベータ、ヒストンH3.1、腫瘍壊死因子リガンド上科メンバー6、リン酸−N−アセチルムラモイル−ペンタペプチド−トランスフェラーゼ、ヘモグロビンサブユニットアルファ、アポリポタンパク質E、CD99抗原、ATPシンターゼサブユニットベータ、ミトコンドリア、アセチルコリン受容体サブユニットデルタ、アシルCoAデヒドロゲナーゼファミリーメンバー10、KNモチーフおよびアンキリン反復ドメイン含有タンパク質3、SAMおよびSH3ドメイン含有タンパク質1、延長因子1−アルファ1、GTP結合核タンパク質Ran、ミオシン−7、Sal様タンパク質1、IgGFc結合タンパク質、E3ユビキチン−タンパク質リガーゼSIAH1、Muscleblind様タンパク質2、アネキシンA1、タンパク質PET117ホモログ、ミトコンドリア、核遍在性カゼインおよびサイクリン依存性キナーゼ基質1、多面発現性調節因子1、NADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1アルファサブ複合体サブユニット3、グアニンヌクレオチド結合Gプロテイン(o)サブユニットアルファ、微小管関連タンパク質1B、L−セリンデヒドラターゼ/L−トレオニンデアミナーゼ、セントロメアタンパク質J、SH3およびアンキリン多重反復ドメインタンパク質3、フマル酸ヒドラターゼ、ミトコンドリア、コフィリン−1、Rho GTPアーゼ活性化タンパク質9、ホスファチジン酸シチジリルトランスフェラーゼ1、神経細線維軽ポリペプチド、カルシンテニン−1、GPIトランスアミダーゼ成分PIG−T、ペリリピン−3、タンパク質unc−13ホモログD、WD40反復含有タンパク質SMU1、神経細線維中間ポリペプチド、タンパク質S100−B、カルボキシペプチダーゼE、ニューレキシン−2−ベータ、NAD依存性タンパク質デアセチラーゼサーチュイン−2、トリパータイトモチーフ含有タンパク質40、ニューレキシン−1−ベータ、アネキシンA11、ヘモグ
ロビンサブユニットベータ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヒスチジントライアドヌクレオチド結合タンパク質3、ATPシンターゼサブユニットe、ミトコンドリア、10kDa熱ショックタンパク質、ミトコンドリア、細胞腫瘍抗原p53、白血球関連免疫グロブリン様受容体1、チューブリンアルファ−1B鎖、スプライシング因子、プロリンリッチおよびグルタミンリッチ、嗅覚受容体10A4、ヒストンH2B 2−F型、カルモジュリン、RNA結合タンパク質Raly、ホスホイノシチド−3−キナーゼ相互作用タンパク質1、アルファ−2−マクログロブリン、グリコーゲンホスホリラーゼ、脳型、THO複合体サブユニット4、神経芽細胞分化関連タンパク質AHNAK、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼ、ミトコンドリア葉酸トランスポーター/担体、セントリン特異的プロテアーゼ3、細胞質Fe−Sクラスターアセンブリ因子NUBP2、ヒストンデアセチラーゼ7、セリン/トレオニン−タンパク質ホスファターゼ2A 55kDa調節サブユニットBアルファアイソフォーム、セリン/トレオニン−タンパク質ホスファターゼ2A調節サブユニットB’’サブユニットアルファ、ゲルゾリン、インスリン様増殖因子II、タイト結合タンパク質ZO−1、Hsc70相互作用タンパク質、FXYDドメイン含有イオン輸送調節因子6、AP−1複合体サブユニットmu−1、シンテニン−1、NADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]鉄−硫黄タンパク質7、ミトコンドリア、低密度リポタンパク質受容体、LIMドメイン転写因子LMO4、スペクトリンベータ鎖、非赤血球1、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー2、NADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]1サブユニットC2、SPARC様タンパク質1、電子伝達フラビンタンパク質サブユニットアルファ、ミトコンドリア、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ1、ミトコンドリア、コンプレキシン−2、タンパク質−セリンO−パルミトレオイルトランスフェラーゼポーキュピン、プレキシンドメイン含有タンパク質2、トレオニンシンターゼ様2、テスチカン−2、C−X−Cケモカイン受容体1型、アラキドン酸塩5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質、ニューロガイディン、脂肪酸2−ヒドロキシラーゼ、核因子1X型、LanC様タンパク質1、グルタミンシンテターゼ、リソソーム関連膜糖タンパク質1、アポリポタンパク質A−I、アルファ−アデュシン、グアニンヌクレオチド結合プロテインG(I)/G(S)/G(T)サブユニットベータ−3、内在性膜タンパク質GPR137B、ユビキリン−1、アルドースレダクターゼ、クラスリン軽鎖B、V型プロトンATPアーゼサブユニットF、アポリポタンパク質D、40Sリボソームタンパク質SA、Bcl−2関連転写因子1、ホスファチジン酸シチジリルトランスフェラーゼ2、ATPシンターゼ結合因子6、ミトコンドリア、受容体チロシンタンパク質キナーゼerbB−2、棘皮動物微小管関連タンパク質様5、ホスファチジルエタノールアミン結合タンパク質1、Mycボックス依存性相互作用タンパク質1、膜関連ホスファチジルイノシトール移送タンパク質1、40Sリボソームタンパク質S29、小型酸性タンパク質、ガレクチン−3結合タンパク質、脂肪酸シンターゼ、バキュロウイルスIAP反復含有タンパク質5、セプチン−2、cAMP依存性タンパク質キナーゼII型アルファ調節サブユニット、リーリン、アポトーシス促進因子Bcl−2様タンパク質14、ブドウ球菌ヌクレアーゼドメイン含有タンパク質1、メチル−CpG結合ドメインタンパク質2、形質転換/転写ドメイン関連タンパク質、転写因子HES−1、タンパク質運搬タンパク質Sec23B、パラレミン−2、C−Cモチーフケモカイン15、ナトリウム/カリウム運搬ATPアーゼサブユニットアルファ−1、スタスミン、不均一核リボ核タンパク質L−様、節性モジュレーター3、インターフェロン起因性GTP結合タンパク質Mx2、インテグリンアルファ−D、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5様タンパク質、マクロファージ移動阻害因子、フェリチン軽鎖、ジヒドロピリミジナーゼ関連タンパク質2、ニューロン膜糖タンパク質M6−b、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー5、シナプトソーム関連タンパク質25、インスリン様増殖因子I、アンキリン反復ドメイン含有タンパク質29、タンパク質スピンスターホモログ3、ペフリン、コンタクチン−1、細線維関連糖タンパク質3、フォン・ウィルブランド因子、核内低分子リボ核タンパク質G、インターロイキン−12受容体サブユニットベータ−1、エポキシドヒドロラーゼ1、シトクロムb−c1複合体サブユニット10、モノグリセリドリパーゼ、セロトランスフェリン、アルファ−シヌクレイン、細胞質非特異的ジペプチダーゼ、トランスゲリン−2、テスチシン、Fms関連チロシンキナーゼ3リガンド、ノエリン−2、セリン/トレオニン−タンパク質キナーゼDCLK1、インターフェロンアルファ−2、アセチルコリン受容体サブユニットベータ、ヒストンH2A 1型、ベータ−2アドレナリン受容体、プトレッシンアミノトランスフェラーゼ、インターフェロンアルファ−1/13、タンパク質NEDD1、DnaJホモログサブファミリーBメンバー1、チューブリンベータ6鎖、非ヒストン染色体タンパク質HMG−17、ポリタンパク質、エクソソーム成分10、天然細胞毒性誘引受容体3リガンド1、Gagポリタンパク質、バンド3アニオン運搬タンパク質、プロテアーゼ、ヒスチジン−tRNAリガーゼ、細胞質、コラーゲンアルファ−1(XVII)鎖、エンボプラキン、ヒストンH2B 1−C/E/F/G/I型、ジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼ、ヒストンH2B 2−E型、シトクロムP450 2D6、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体のジヒドロリポイルリジン残留サクシニルトランスフェラーゼ成分、ヒストンH2B 1−H型、甲状腺ペルオキシダーゼ、プロリンリッチ膜貫通タンパク質2、ペリプラキン、インテグリンアルファ−6、ジストニン、デスモプラキン、ヒストンH2B 1−J型、ヒストンH2B 1−B型、6,7−ジメチル−8−リビチルルマジンシンターゼ、チロトロピン受容体、インテグリンアルファ−IIb、核孔膜糖タンパク質210、タンパク質U2、DSTタンパク質、プレクチン、Sll0397タンパク質、Bos d 10、外側カプシドタンパク質VP4、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸オキシダーゼ、O−ホスホセリル−tRNA(Sec)セレントランスフェラーゼ、ATP依存性Clpプロテアーゼタンパク分解サブユニット、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質、リンタンパク質85、L1タンパク質、アクチン、アルファ骨格筋、ジヒドロリポイルデヒドロゲナーゼ、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体のジヒドロリポイルリジン残留サクシニルトランスフェラーゼ成分、ミトコンドリア、肝臓カルボキシルエステラーゼ1、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体のジヒドロリポイルリジン残留アセチルトランスフェラーゼ成分、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体のアセチルトランスフェラーゼ成分、ピルビン酸デヒドロゲナーゼタンパク質X成分、ミトコンドリア、ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ、タンパク質ジスルフィド−イソメラーゼA3、フロチリン−2、ベータ−ガラクトシダーゼ、TSHRタンパク質、分枝鎖アルファ−ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体のリポアミドアシルトランスフェラーゼ成分、ミトコンドリア、核自己抗原Sp−100、デスモグレイン−1、グルカゴン受容体、膜糖タンパク質US8、ナトリウム/ヨウ化物共輸送体、ORF2、カプシドタンパク質、未同定タンパク質LF3、ホルムイミドイルトランスフェラーゼ−シクロデアミナーゼ、コア−カプシド架橋性タンパク質、神経毒性因子ICP34.5、推定RNA結合タンパク質、コレステロール側鎖開裂酵素、ミトコンドリア、ヒストンH1.0、非ヒストン染色体タンパク質HMG−14、ヒストンH5、60S酸性リボソームタンパク質P1、ピルビン酸デヒドロゲナーゼE1成分サブユニットアルファ、体細胞形態、ミトコンドリア、レイオモジン−1、未同定タンパク質RP382、未同定タンパク質U95、(IV型)ピリ繊毛アセンブリタンパク質PilB、2−スクシニルベンゾアート−CoAリガーゼ、TAZタンパク質、タファジン、推定ラクトース特異的ホスホトランスフェラーゼシステム(PTS)、IIBC成分、クラウディン−17、中心体周辺物質1タンパク質、Yopタンパク質転座タンパク質L、ラミニンサブユニットアルファ−1、トロンボスポンジンモチーフ13を有するジスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ、ケラチン、I型細胞骨格14、凝固因子VIII、ケラチン、I型細胞骨格17、好中球デフェンシン1、Igアルファ−1鎖C領域、BRCA1関連RINGドメインタンパク質1、トリヌクレオチド反復含有遺伝子6Aタンパク質、トロンボポエチン、プラスミノーゲン結合タンパク質PgbA、ステロイド17−アルファ−ヒドロキシラーゼ/17,20リアーゼ、仁RNAヘリカーゼ2、ヒストンH2B 1−N型、ステロイド21−ヒドロキシラーゼ、UreB、メラニン凝集ホルモン受容体1、血液型Rh(CE)ポリペプチド、HLAクラスII組織適合性抗原、DPベータ1鎖、血小板糖タンパク質Ibアルファ鎖、ムスカリンアセチルコリン受容体M1、外側カプシド糖タンパク質VP7、フィブロネクチン、HLAクラスI組織適合性抗原、B−8アルファ鎖、AhpC、細胞骨格関連タンパク質5、スクラーゼ−イソマルターゼ、腸管、ロイコトリエンB4受容体2、グルタチオンペルオキシダーゼ2、コラーゲンアルファ−1(VII)鎖、ヌクレオソームアセンブリタンパク質1様4、アラニン−tRNAリガーゼ、細胞質、細胞外カルシウム感知受容体、主セントロメア自己抗原B、大外被タンパク質deneddylase、血液型Rh(D)ポリペプチド、キニノゲン−1、ペルオキシレドキシン−2、エズリン、DNA複製・修復タンパク質RecF、ケラチン、II型細胞骨格6C、トリガー因子、セルピンB5、熱ショックタンパク質ベータ−1、タンパク質−アルギニンデイミナーゼ4型、カリウム輸送ATPアーゼアルファ鎖1、カリウム輸送ATPアーゼサブユニットベータ、フォークヘッドボックスタンパク質E3、コンデンシン−2複合体サブユニットD3、ミオトニン−タンパク質キナーゼ、亜鉛トランスポーター8、ABCトランスポーター、基質結合タンパク質、推定、アクアポリン−4、軟骨中間層タンパク質1、HLAクラスII組織適合性抗原、DRベータ5鎖、核内低分子リボ核タンパク質F、核内低分子リボ核タンパク質E、Igカッパ鎖V−V領域L7、Ig重鎖Mem5、Ig重鎖V−III領域J606、ヘモグロビンサブユニットデルタ、コラーゲンアルファ−1(XV)鎖、78kDaグルコース調節タンパク質、60Sリボソームタンパク質L22、アルファ−1−酸糖タンパク質1、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア、60Sリボソームタンパク質L8、セリンプロテアーゼHTRA2、ミトコンドリア、60Sリボソームタンパク質L23a、補体C3、コラーゲンアルファ−1(XII)鎖、アンジオテンシノーゲン、タンパク質S100−A9、アネキシンA2、アルファ−アクチニン−4、HLAクラスII組織適合性抗原、DQアルファ1鎖、アポリポタンパク質A−IV、アクチン、大動脈平滑筋、HLAクラスII組織適合性抗原、DPアルファ1鎖、クレアチンキナーゼB型、HLAクラスII組織適合性抗原、DRベータ3鎖、ヒストンH1x、不均一核リボ核タンパク質U様タンパク質2、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質、カドヘリン−5、40Sリボソームタンパク質S13、アルファ−1−アンチトリプシン、マルチメリン−2、セントロメアタンパク質F、40Sリボソームタンパク質S18、40Sリボソームタンパク質S25、Na(+)/H(+)交換調節補因子NHE−RF1、アクチ
ン、細胞質2、ヘモグロビンサブユニットガンマ−1、ヘモグロビンサブユニットガンマ−2、タンパク質NipSnapホモログ3A、カテプシンD、1−ホスファチジルイノシトール4,5−ビスリン酸ホスホジエステラーゼイプシロン−1、40Sリボソームタンパク質S17、アポリポタンパク質B−100、ヒストンH2B 1−K型、コラーゲンアルファ−1(I)鎖、コラーゲンアルファ−2(I)鎖、3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ2型、60Sリボソームタンパク質L27、ヒストンH1.2、ニドゲン−2、カドヘリン−1、60Sリボソームタンパク質L27a、HLAクラスII組織適合性抗原、DRアルファ鎖、ジペプチジルペプチダーゼ1、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a、クエン酸シンターゼ、ミトコンドリア、Tax1結合タンパク質1、ミエロペルオキシダーゼ、プレキシンドメイン含有タンパク質1、グリコーゲンシンターゼ、[ピルビン酸デヒドロゲナーゼ[アセチル基転移]−ホスファターゼ1、ミトコンドリア、ホルボール−12−ミリスタート−13−アセタート誘導タンパク質1、ペルオキシレドキシン−5、ミトコンドリア、14−3−3タンパク質ゼータ/デルタ、ATPシンターゼサブユニットd、ミトコンドリア、ビトロネクチン、リポ多糖結合タンパク質、Ig重鎖V−III領域GAL、タンパク質CREG1、60Sリボソームタンパク質L6、スタビリン−1、血漿プロテアーゼC1阻害剤、Igカッパ鎖V−III領域VG、インター−アルファ−トリプシン阻害剤重鎖H4、アルファ−1B−糖タンパク質、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5型、スルフヒドリルオキシダーゼ1、補体成分C6、グリコーゲンホスホリラーゼ、筋肉形態、SH3ドメイン結合グルタミン酸リッチ様タンパク質3、形質転換タンパク質RhoA、アルブミン、アイソフォームCRA_k、V型プロトンATPアーゼサブユニットG1、フラビンレダクターゼ(NADPH)、熱ショック同族71kDaタンパク質、リポタンパク質リパーゼ、プラスミノーゲン、アネキシン、シンタキシン−7、膜貫通糖タンパク質NMB、凝固因子XIIIA鎖、アポリポタンパク質A−II、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ、補体C1qサブコンポーネントサブユニットB、タンパク質S100−A10、細線維関連糖タンパク質4、72kDa IV型コラゲナーゼ、コラーゲンアルファ−1(XI)鎖、カテプシンB、パルミトイル−タンパク質チオエステラーゼ1、マクロシアリン、ヒストンH1.1、ヒストンH1.5、フィブロモジュリン、トロンボスポンジン−1、Rho GDP−解離阻害剤2、アルファ−ガラクトシダーゼA、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn]、HLAクラスI組織適合性抗原、アルファ鎖E、ホスファチジルコリン−ステロールアシルトランスフェラーゼ、レグメイン、低親和性免疫グロブリンガンマFc領域受容体II−c、フルクトース−ビスリン酸アルドラーゼA、シトクロムcオキシダーゼサブユニット8A、ミトコンドリア、ピルビン酸キナーゼPKM、エンドグリン、Nesh−SH3の標的、シトクロムcオキシダーゼサブユニット5A、ミトコンドリア、EGF含有フィブリン様細胞外基質タンパク質2、精巣上体分泌性タンパク質E1、カテプシンS、アネキシンA5、同種移植片炎症性因子1、デコリン、補体C1sサブコンポーネント、低親和性免疫グロブリンガンマFc領域受容体II−b、ロイシンリッチアルファ−2−糖タンパク質、リソソームアルファ−グルコシダーゼ、ジスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメイン含有タンパク質9、トランスサイレチン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、細胞質、フィラミン−A、レチノイン酸受容体応答タンパク質1、T細胞表面糖タンパク質CD4、プロコラーゲン−リジン,2−オキソグルタル酸5−ジオキシゲナーゼ1、フィブリノーゲンガンマ鎖、コラーゲンアルファ−2(V)鎖、シスタチン−B、リソソーム保護タンパク質、グラニュリン、コラーゲンアルファ−1(XIV)鎖、C−反応性タンパク質、ベータ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ1、プロ低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1、Ig重鎖V−III領域23、ホスホグリセリン酸キナーゼ1、アルファ−2−アンチプラスミン、Vセットおよび免疫グロブリンドメイン含有タンパク質4、推定セリンカルボキシペプチダーゼCPVL、NEDD8、ガングリオシドGM2活性化因子、クラステリン、アルファ−2−HS−糖タンパク質、HLAクラスI組織適合性抗原、B−37アルファ鎖、アデノシン脱アミノ酵素CECR1、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−11ベータ鎖、単球分化抗原CD14、赤血球バンド7内在性膜タンパク質、プロフィリン−1、E3ユビキチン−タンパク質リガーゼTRIM9、トリパータイトモチーフ含有タンパク質67、TNF受容体関連因子1、アルファ−クリスタリンA鎖、有糸分裂チェックポイントセリン/トレオニン−タンパク質キナーゼBUB1、TATA結合タンパク質関連因子2N、サイクリン−F、セントロメアタンパク質C、アポトーシス調節因子Bcl−2、2−オキソ吉草酸デヒドロゲナーゼサブユニットベータ、ミトコンドリア、コイリン、ヌクレオプラスミン−3、ホメオボックスタンパク質Hox−A1、セリン/トレオニンタンパク質キナーゼChk1、有糸分裂チェックポイントタンパク質BUB3、デオキシリボヌクレアーゼ−1、rRNA2’−O−メチルトランスフェラーゼフィブリラリン、ヒストンH1.3、DNA指向性RNAポリメラーゼIIIサブユニットRPC1、DNA指向性RNAポリメラーゼIIIサブユニットRPC2、セントロメア関連タンパク質E、キネシン様タンパク質KIF11、ヒストンH4様G型タンパク質、チロシン3−モノオキシゲナーゼ、ABCトランスポーター、パーミアーゼ/ATP結合タンパク質、翻訳開始因子IF−1、タンパク質FAN、レチクロン−4受容体、骨髄細胞核分化抗原、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、高親和性免疫グロブリンガンマFc受容体I、トリプトファン5−ヒドロキシラーゼ1、トリプトファン5−ヒドロキシラーゼ2、分泌型ホスホリパーゼA2受容体、アクアポリンTIP4−1、ヒストンH2B F−S型ヒストンH2AX、ヒストンH2A 1−C型、ATP感受性内向き整流カリウムチャネル10、pVII、仮想タンパク質TTV27_gp4、仮想タンパク質TTV25_gp2、アルファ−1Dアドレナリン受容体、アルファ−1Bアドレナリン受容体、パッケージングタンパク質3、仮想タンパク質TTV14_gp2、KRR1小サブユニットプロセソーム成分ホモログ、ベストロフィン−4、アルファ−2Cアドレナリン受容体、未同定ORF3タンパク質、レチノイン酸受容体ベータ、レチノイン酸受容体アルファ、B細胞リンパ腫3タンパク質、炭水化物スルホトランスフェラーゼ8、ハーモニン、プロラクチン放出ペプチド受容体、スフィンゴシン1−リン酸受容体1、アシル−CoA結合ドメイン含有タンパク質5、ORF1、仮想タンパク質TTMV3_gp2、ミトコンドリア輸入内膜トランスロカーゼサブユニットTim17−B、仮想タンパク質TTV2_gp2、黒色腫1タンパク質における欠如、仮想タンパク質TTV28_gp1、仮想タンパク質TTV26_gp2、仮想タンパク質TTV4_gp2、仮想タンパク質TTV28_gp4、中脳星状細胞由来神経栄養因子、仮想タンパク質TTMV7_gp2、仮想タンパク質TTV19_gp2、pORF1、プレヒストン様核タンパク質、仮想タンパク質TTV8_gp4、仮想タンパク質TTV16_gp2、仮想タンパク質TTV15_gp2、ORF2/4タンパク質、P2Xプリン受容体2、膜糖タンパク質E3 CR1−ベータ、D(2)ドーパミン受容体、トール様受容体9、ホスファチジルコリン移送タンパク質、転写因子HIVEP2、推定ペプチジルアルギニンデイミナーゼ、60Sリボソームタンパク質L9、インテグリンベータ−4、ケラチン、II型細胞骨格1、クロモグラニン−A、ヒストンH3.1t、電圧依存性L型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1D、熱ショック70kDaタンパク質1様、ABCトランスポーター関連、UDP−N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ、タンパク質GREB1、Aldo/ketoレダクターゼ、TOM(外膜のトランスロカーゼ)複合体の成分、エクシヌクレアーゼABC Cサブユニットドメインタンパク質、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アリールアセトアミドデアセチラーゼ様4、ダイニン重鎖10、軸糸、推定ウラシル−DNAグリコシラーゼ、胞子発芽タンパク質PE、テネウリン−1、推定デヒドロゲナーゼ、多糖類生合成タンパク質、VCBS、グルタミン酸/アスパラギン酸輸送系パーミアーゼタンパク質GltK、ノギン、スクレロスチン、HLAクラスI組織適合性抗原、A−30アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、A−69アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−15アルファ鎖、イオンチャネル型グルタミン酸受容体、NMDA1、NarH、40Sリボソームタンパク質S21、セルロプラスミン、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAレダクターゼ、60Sリボソームタンパク質L30、HLAクラスII組織適合性抗原ガンマ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、Cw−6アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、Cw−16アルファ鎖、リソソームアルファ−マンノシダーゼ、熱ショックタンパク質HSP90−アルファ、ヒストンH3.2、ヒストンH2A.J、電圧依存性T型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1G、シンシチン−1、カテリシジン抗菌ペプチド、チューブリンベータ−3鎖、ストレス−70タンパク質、ミトコンドリア、推定1,4−アルファ−グルカン分岐酵素Rv3031、ヌクレアーゼ感受性エレメント結合タンパク質1、補体因子H関連タンパク質1、グルタレドキシン−1、ガンマ−エノラーゼ、血小板由来成長因子受容体アルファ、コラーゲンアルファ−1(VIII)鎖、マトリクスメタロプロテイナーゼ−25、インターフェロン調節因子5、シトクロムcオキシダーゼサブユニット7c、ミトコンドリア、熱ショック関連70kDaタンパク質2、システインリッチタンパク質1、NADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]フラビンタンパク質2、ミトコンドリア、グルタチオンS−トランスフェラーゼP、HLAクラスI組織適合性抗原、A−68アルファ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DMベータ鎖、フルクトース−ビスリン酸アルドラーゼC、ベータ−2−ミクログロブリン、シトクロムcオキシダーゼサブユニット5B、ミトコンドリア、熱ショック70kDaタンパク質13、ATPシンターゼタンパク質8、60Sリボソームタンパク質L13a、TRNAヌクレオチジルトランスフェラーゼファミリー酵素、フェレドキシン依存性グルタミン酸シンターゼ2、アルカリホスファターゼ、組織非特異的アイソザイム、SLAMファミリーメンバー5、Slitホモログ3タンパク質、交換成長因子−ベータ誘導タンパク質ig−h3、マンノース結合タンパク質C、カルパイン−1触媒サブユニット、アクチン、ガンマ−腸平滑筋、クレアチンキナーゼM型、タンパク質THEM6、ヒストン−リジンN−メチルトランスフェラーゼASH1L、C2カルシウム依存性ドメイン含有タンパク質4A、Ras会合ドメイン含有タンパク質10、肝細胞接着分子、ADAMTS様タンパク質5、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−15ベータ鎖、アノクタミン−2、ホスホグリセリン酸ムターゼ1、Por分泌系タンパク質porV(Pg27、lptO)、ベータ−エノラーゼ、受容体抗原A、3−オキソアシル−[アシル−担体−タンパク質]シンターゼ2、推定熱ショックタンパク質HSP90−ベータ2、ラジキシン、チューブリンベータ−1鎖、液胞タンパク質選別関連タンパク質26A、セリン/トレオニン−タンパク質ホスファターゼ5、カタラーゼ、トランスケトラーゼ、タ
ンパク質S100−A1、アルファ−セントラクチン、チューブリンベータ−4A鎖、ベータ−セントラクチン、推定ホスホグリセリン酸ムターゼ4、ベータ−アクチン様タンパク質2、チューブリンベータ−4B鎖、ホスホグリセリン酸ムターゼ2、アルファ−インターネキシン、チューブリンベータ−2A鎖、ジヒドロピリミジナーゼ関連タンパク質3、推定熱ショックタンパク質HSP90−ベータ−3、フルクトース−ビスリン酸アルドラーゼB、タンパク質P、エンドプラスミン、ATPシンターゼサブユニットO、ミトコンドリア、熱ショック70kDaタンパク質6、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、精巣特異的、新生ポリペプチド関連複合体サブユニットアルファ−2、炭酸アンヒドラーゼ2、アネキシンA6、E3ユビキチン−タンパク質リガーゼRNF13、骨髄由来成長因子、チロシン−タンパク質ホスファターゼ非受容体型基質1、ラミニンサブユニットガンマ−1、トリコヒアリン、トロンボスポンジン−2、シアロアドヘシン、GTPアーゼIMAPファミリーメンバー1、C4b結合タンパク質アルファ鎖、電圧依存性アニオン選択的チャネルタンパク質1、ヘモペキシン、補体C5、FYVE、RhoGEFおよびPHドメイン含有タンパク質2、ハプトグロビン、シトクロムP450 1B1、チチン、骨髄腫過剰発現遺伝子2タンパク質、脂肪細胞エンハンサー結合タンパク質1、タンパク質−グルタミンガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ2、タンパク質Trim21、ADAMTS様タンパク質3、N−アルファ−アセチルトランスフェラーゼ16、NatA補助サブユニット、交換成長因子ベータ−1、エラスチン、タンパク質ジスルフィド−イソメラーゼA5、プラスチン−2、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーBメンバー1、ヒスタミンH2受容体、延長因子2、カベオリン−1、Igガンマ−2鎖C領域、ロイシンリッチ反復タンパク質を含む免疫グロブリン上科、40Sリボソームタンパク質S9、プロリル4−ヒドロキシラーゼサブユニットアルファ−1、小胞体−ゴルジ中間区画タンパク質1、テトラネクチン、セリンプロテアーゼHTRA1、不均一核リボ核タンパク質A1、ホスデューシン様タンパク質3、Igラムダ鎖V−VI領域EB4、フィブロネクチンIII型ドメイン含有タンパク質1、ケラチン、II型細胞骨格2表皮、フェリチン重鎖、Yボックス結合タンパク質3、補体C4−B、HLAクラスI組織適合性抗原、Cw−15アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−42アルファ鎖、コラーゲンアルファ−1(V)鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−73アルファ鎖、内在性膜タンパク質2B、リソソーム関連膜糖タンパク質3、プロテオグリカン4、リボソームタンパク質S6キナーゼアルファ−6、メタロプロテイナーゼ阻害因子2、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−12ベータ鎖、ATP感受性内向き整流カリウムチャネル15、ビタミンD結合タンパク質、オステオポンチン、デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ末端相互作用タンパク質2、嗅覚受容体5K4、ミオシン軽鎖キナーゼ2、骨格/心筋、非POUドメイン含有オクタマー結合タンパク質、ユビキリン−2、HLAクラスI組織適合性抗原、B−51アルファ鎖、マイナー組織適合性抗原H13、グリコホリン−C、好酸球カチオン性タンパク質、SWI/SNF複合体サブユニットSMARCC2、マクロファージマンノース受容体1、tRNAスプライシングリガーゼRtcBホモログ、レチクロカルビン−2、不均一核リボ核タンパク質L、40Sリボソームタンパク質S30、コラーゲンアルファ−3(VI)鎖、マトリクスメタロプロテイナーゼ−14、アンチトロンビン−III、60Sリボソームタンパク質L10a、レチノール結合タンパク質4、不均一核リボ核タンパク質R、リトスタチン−1−アルファ、Retフィンガータンパク質様2、亜鉛−アルファ−2−糖タンパク質、カルボキシペプチダーゼQ、HLAクラスI組織適合性抗原、B−56アルファ鎖、コンドロアドヘリン、システインリッチタンパク質2、プロサポシン、補体成分C9、アポリポタンパク質C−II、プロトカドヘリン−16、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーBメンバー4、ガラクトキナーゼ、補体因子H、未同定タンパク質YEL014C、グリセロホスホコリンホスホジエステラーゼGPCPD1、棘皮動物微小管関連タンパク質様6、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、に由来するまたはそれらから選択される自己抗原が含まれるが、これらに限定されない。
用語「アロ抗原」(「同種異系抗原(allogeneic antigen)」または「同種抗原(isoantigen)」とも呼ばれる)は、種において選択的(対立遺伝子)形態で存在する抗原を指し、したがって、例えば、輸血時、組織もしくは臓器移植時、または時には妊娠時に、同種のメンバーにおいてアロ免疫(または同種免疫(isoimmunity))を誘導することができる。典型的な同種異系抗原には、組織適合性抗原および血液型抗原が含まれる。本発明に関して、アロ抗原は、好ましくはヒトに由来する。アロ抗原由来の抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子を使用して、例えば、上記アロ抗原に対する免疫耐性を誘導することができる。
本発明に関して、同種異系抗原の例には、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ2B17前駆体、MHCクラスI抗原HLA−A2、凝固第VIII因子前駆体、凝固第VIII因子、トロンボポエチン前駆体(巨核球コロニー刺激因子)(骨髄増殖性白血病ウイルス発癌遺伝子リガンド)(C−mplリガンド)(ML)(巨核球増殖および発達因子)(MGDF)、インテグリンベータ−3、組織適合性(マイナー)HA−1、SMCY、チモシンベータ−4、Y−染色体、ヒストン脱メチル化酵素UTY、HLAクラスII組織適合性抗原、DP(W2)ベータ鎖、リジン特異的脱メチル化酵素5Dアイソフォーム1、ミオシン−Ig、推定ユビキチンカルボキシル末端ヒドロラーゼFAF−Y、プロカテプシンH、DRB1、MHC DRベータDRw13バリアント、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−15ベータ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−1ベータ鎖前駆体、マイナー組織適合性タンパク質HMSDバリアント形態、HLA−DR3、B鎖、Hla−Dr1(Dra、Drb1 0101)内因性ペプチドと複合体化された ヒトクラスII組織適合性タンパク質(細胞外ドメイン)、MHCクラスII HLA−DRB1、MHCクラスI HLA−A、ヒト白血球抗原B、RASタンパク質活性化因子様3、アノクタミン−9、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3Y、プロトカドヘリン−11 Y結合、KIAA0020、血小板糖タンパク質IIIaロイシン−33型特異性抗体軽鎖可変領域、デッドボックス、Yアイソフォーム、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3Xアイソフォーム2、HLA−DRB1タンパク質、切断型インテグリンベータ3、糖タンパク質IIIa、血小板膜糖タンパク質IIb、炭酸アンヒドラーゼ1、HLAクラスI組織適合性抗原、A−11アルファ鎖前駆体、HLA−A11抗原−A11.2、HLAクラスI組織適合性抗原、A−68アルファ鎖、MHC HLA−B51、MHCクラスI抗原HLA−A30、HLAクラスI組織適合性抗原、A−1アルファ鎖前駆体バリアント、HLAクラスI組織適合性抗原B−57、MHCクラスI抗原、MHCクラスII抗原、MHC HLA−DR−ベータ細胞表面糖タンパク質、DR7ベータ鎖糖タンパク質、MHC DR−ベータ、リンパ球抗原、V型コラーゲンアルファ1、コラーゲンアルファ−2(V)鎖プレプロタンパク質、sp110核小体タンパク質アイソフォームd、インテグリン、アルファ2b(IIb/IIIa複合体の血小板糖タンパク質IIb、抗原CD41)、アイソフォームCRA_c、40Sリボソームタンパク質S4、Yアイソフォーム1、未同定タンパク質KIAA1551、因子VIII、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ2B17、HLAクラスI組織適合性抗原、A−2アルファ鎖、トロンボポエチン、マイナー組織適合性タンパク質HA−1、リジン特異的脱メチル化酵素5D、HLAクラスII組織適合性抗原、DPベータ1鎖、非定型ミオシン−IgHLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−13ベータ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−1ベータ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−3鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−46アルファ鎖、Pumilioホモログ3、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X、インテグリンアルファ−IIb、HLAクラスI組織適合性抗原、A−11アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−51アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、A−30アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、A−1アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−57アルファ鎖、HLAクラスI組織適合性抗原、B−40アルファ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−7ベータ鎖、HLAクラスII組織適合性抗原、DRB1−12ベータ鎖、コラーゲンアルファ−1(V)鎖、コラーゲンアルファ−2(V)鎖、Sp110核小体タンパク質、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、に由来するかまたはそれらから選択される同種異系抗原、が含まれるが、これらに限定されるものではない。
[アレルゲン性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質]
本発明の人工核酸分子の少なくとも1つのコーディング領域は、少なくとも1つの「アレルゲン性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」をコードすることができる。用語「アレルゲン性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」または「アレルゲン」は、対象に暴露されたときに、アレルギー反応、つまり、変化した身体反応度(過敏症など)を特徴とする病理学的免疫反応を誘導することができる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。典型的には、「アレルゲン」は「アトピー」、つまり、免疫グロブリンE(IgE)に関連した有害な免疫反応に関与する。したがって、用語「アレルゲン」は、典型的にはアトピーに関与し、IgE抗体を誘導する物質(ここでは(ポリ)ペプチドまたはタンパク質)を意味する。本明細書で想定される典型的なアレルゲンには、タンパク質性甲殻類由来アレルゲン、昆虫由来アレルゲン、哺乳類アレルゲン、軟体動物由来アレルゲン、植物アレルゲンおよび真菌アレルゲンが含まれる。
本発明に関して、アレルゲンの例には、アレルゲンPen n 18、抗原名、Ara h 2.01アレルゲン、T細胞1に認識される黒色腫抗原、非特異的脂質輸送タンパク質前駆体(LTP)(アレルゲンMal d 3)、オバルブミン、パルブアルブミンベータ、花粉アレルゲンLol p VA前駆体、花粉アレルゲンPhl p 5b前駆体、pru p 1、花粉アレルゲンPhl p 5a、Der p 1アレルゲン前駆体、花粉アレルゲンKBG 60前駆体、主要アレルゲンTur c1−Turbo cornutus、ダニグループ2アレルゲンLep d 2前駆体、Lep D 2前駆体、主要ラテックスアレルゲンHev b 5、主要アレルゲンCor a 1.0401、主要花粉アレルゲンArt v 1前駆体、主要花粉アレルゲンBet v 1−A、ベータ−ラクトグロブリン前駆体、アルファ−アミラーゼ阻害剤0.28前駆体(CIII)(WMAI−1)、グループVアレルゲンPhl p 5.0203前駆体、ポリガラクツロナーゼ前駆体、花粉アレルゲンPhl pI、Der f 2アレルゲン、推定非特異的脂質輸送タンパク質2前駆体、毒アレルゲン5前駆体、花粉アレルゲンPhl p 1前駆体、グループVアレルゲン、A鎖、カルシウム結合花粉アレルゲンPhl P7(ポルカルシン)At 1.75オングストロームの結晶構造、Tri r 2アレルゲン、病因関連タンパク質前駆体、グロビンCTT−III前駆体、主要アレルゲンAlt a 1、13Sグロブリン種子貯蔵タンパク質3前駆体(レグミン様タンパク質3)(アレルゲンFag e 1)、Lit v 1トロポミオシン、ゴム延長因子タンパク質、オボムコイド前駆体、ゴム小粒子タンパク質、Mag3、アレルゲンAra h 1、クローンP41B前駆体、13Sグロブリン種子貯蔵タンパク質1前駆体(レグミン様タンパク質1)、花粉アレルゲンLol p 1前駆体、主要花粉アレルゲンJun a 1前駆体、スギ塩基性タンパク質前駆体、プロフィリン、グロビンCTT−IV前駆体、アルカリセリンプロテアーゼ、グリシニン、コングルチン−7前駆体、2Sタンパク質1、グロビンCTT−VI前駆体、リボヌクレアーゼミトギリン前駆体、主要花粉アレルゲンCyn d 1、メラノサイト刺激ホルモン受容体、P34推定チオールプロテアーゼ前駆体、ビシリン様タンパク質、主要アレルゲンEqu c 1前駆体、主要アレルゲンBet v 1、主要アレルゲンCan f 1前駆体、Bd 30K(34kDa成熟化種子タンパク質)、主要花粉アレルゲン、主要花粉アレルゲンHol l 1前駆体、カッパカゼイン前駆体、主要アレルゲンDau c 1/1、ストレス誘導タンパク質SAM22、主要アレルゲンApi g 1、グリシニンG2前駆体、アレルゲンArah3/Arah4、Der f 1アレルゲン、ペプチダーゼ1前駆体(ダニグループ1アレルゲンEur m 1)(アレルゲンEur m I)、オリジン前駆体、アルファS1カゼイン、主要花粉アレルゲンCha o 1前駆体、非特異的脂質輸送タンパク質1、コラーゲン、I型、アルファ2、Der P 1、ペプチダーゼ1前駆体(主要ダニ糞アレルゲンDer p 1)(アレルゲンDer p I)、花粉アレルゲンBet v 1、ホスホリパーゼA2前駆体、ダニグループ2アレルゲンDer p 2、アレルゲンMag、主要尿タンパク質前駆体、主要アレルゲンIポリペプチド鎖2前駆体、Pen a 1アレルゲン、Fag e 1、血清アルブミン前駆体、花粉アレルゲンAmb a 3、推定アルファ−アミラーゼ阻害剤0.28、アルブミン種子貯蔵タンパク質、2S硫黄リッチ種子貯蔵タンパク質前駆体(アレルゲンBer e 1)、種子貯蔵タンパク質SSP2、プロヘベイン前駆体、花粉アレルゲン、Der p 2 アレルゲン前駆体、2S種子貯蔵タンパク質1前駆体、プロヘベイン、2sアルブミン、主要アレルゲンI、ポリペプチド鎖1、主要アレルゲンIポリペプチド鎖1前駆体、Cry j IB前駆体、ダニグループ2アレルゲンDer f 2前駆体、ベータ−カゼイン前駆体、Lep D 2アレルゲン前駆体、アレルゲンCry j 2(花粉アレルゲン)、KIAA1224タンパク質、疎水性種子タンパク質、アレルゲンBos d 2前駆体、アレルゲンII、ダニグループ2アレルゲンDer p 2前駆体、ダニアレルゲンBlo t 5、ペプチダーゼ1前駆体(主要ダニ糞アレルゲンDer f 1)(アレルゲンDer f I)、Par j、Can f I、花粉アレルゲンLol p 2−A(Lol p II−A)、パラミオシン、アルファ−S2−カゼイン前駆体、P34推定チオールプロテアーゼ、ベータ−ラクトグロブリン、主要アレルゲンPhl p 5、A鎖、1.4オングストローム分解能で精製された異なるリガンド状態のエリトロクルオリンの構造、グロビンCTT−VIII、主要アレルゲンAsp f 2前駆体、トロポミオシン、コアタンパク質[B型肝炎ウイルス]、オメガグリアジン貯蔵タンパク質、アルファ/ベータ−グリアジンA−V、グループ14アレルゲンタンパク質、花粉アレルゲンAmb a 1.1前駆体、グリシニンG1前駆体、花粉アレルゲンAmb a 2前駆体、Cry j 1前駆体、アレルゲンZiz m 1、グリシンリッチ細胞壁構造タンパク質1.8前駆体、推定ペクチン酸リアーゼ17前駆体、ペクチン酸リアーゼ、ペクチン酸リアーゼ前駆体、推定ペクチン酸リアーゼ18前駆体、主要アレルゲンベータ−ラクトグロブリン、主要アレルゲンMal d 1、アルファ−S1−カゼイン前駆体、2S種子貯蔵タンパク質1、プレクトロウイルスspv1−r8a2b orf 14膜貫通タンパク質、アレルゲンI/a、アレルゲンCr−PI、推定非特異的脂質輸送タンパク質1、Cr−PIIアレルゲン、黒色腫抗原gp100、アルファ−ラクトアルブミン前駆体、A鎖、アルファ−ラクトアルブミンの異常下部構造、ピロスリン−1前駆体(主要アレルゲンMyr p 1)(Myr p I)、花粉アレルゲンLol p 3(Lol p III)、リポカリン1(涙プレアルブミン)、主要花粉アレルゲンCup a 1、メラノサイトタンパク質Pmel 17前駆体、主要ハウスダストアレルゲン、非特異的脂質輸送タンパク質1(LTP 1)(主要アレルゲンPru d 3)、非特異的脂質輸送タンパク質1(LTP 1)(主要アレルゲンPru ar 3)、花粉アレルゲンLol p 1、アルファ−グリアジン、Cr−PII、アルブミン、アルファ−S1−カゼイン、主要アレルゲンI、リボヌクレアーゼミトギリン、ベータ−カゼイン、UA3認識アレルゲン、2S硫黄リッチ種子貯蔵タンパク質1、未同定タンパク質産物、ポリガラクツロナーゼ、主要アレルゲンPru av 1、Der p 1アレルゲン、リアーゼアレルゲン、主要花粉アレルゲンBet v 1−F/I、ガンマ−グリアジン前駆体、5−ヒドロキシトリプタミン受容体2C(5−HT−2C)(セロトニン受容体2C)(5−HT2C)(5−HTR2C)(5HT−1C)、オメガ−5グリアジン、エノラーゼ1(2−ホスホグリセリン酸デヒドラターゼ)(2−ホスホ−D−グリセリン酸ヒドロ−リアーゼ)、推定非特異的脂質輸送タンパク質、アレルゲンSin a 1、グルテニン、低分子量サブユニット前駆体、主要ピーナッツアレルゲンAra H 1、mal d 3、真核翻訳開始因子3サブユニットD、チロシナーゼ関連タンパク質−2、PC4およびSFRS1相互作用タンパク質、RAD51様1アイソフォーム1、抗菌ペプチド2、プロテアソームサブユニットアルファ3型、神経細線維重ポリペプチド(NF−H)(神経細線維トリプレットHタンパク質)(200kDa神経細線維タンパク質)、スーパーオキシドジスムターゼ、主要花粉アレルゲンCor a 1アイソフォームs 5、6、11および16、チェリーアレルゲンPRUA1、アレルゲンAsp f 4前駆体、A鎖、主要ハウスダスト・ダニアレルゲンDer P 2の三次構造、Nmr、10構造、RNA結合タンパク質NOB1、デルマタン硫酸エピメラーゼ前駆体、T細胞3に認識される扁平上皮癌抗原、ペプチジル−プロリルシストランスイソメラーゼB前駆体、推定グリコシダーゼcrf1、A鎖、カバ花粉プロフィリン、プロフィリン−1、アベニン前駆体(クローンpAv122)−オートムギ、ガンマ3アベニン、セリアック免疫反応性タンパク質2、CIP−2、プロラミン2{N末端}、アベニンガンマ−3−小型裸オートムギ(断片)、主要花粉アレルゲンOle e 1、シトクロムP450 3A1、Ole e 1タンパク質、Ole e 1.0102タンパク質、Der f 2、GroEL様シャペロニン、主要アレルゲンArah1、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ、ベータ−1,3−グルカナーゼ様タンパク質、Ara h 1アレルゲン、主要アレルゲンAlt a 1前駆体、Bla g 4アレルゲン、Per a 4アレルゲンバリアント1、Lyc e 2.0101、ペクチン酸リアーゼ2、アレルゲン、仮想タンパク質、推定ペクチン酸リアーゼP59、花粉アレルゲンAmb a 1.4、パタチン−2−Kuras 1、カルシウム結合タンパク質、ビシリン種子貯蔵タンパク質、主要アレルゲン性タンパク質Mal f4、pelタンパク質、成熟関連ペクチン酸リアーゼ、ペクチン酸リアーゼ/Ambアレルゲン、Bet v 4、ポルカルシンBet v 4、ダニアレルゲンDer f 6、アレルゲンAlt a 2、細胞外エラスチン分解性メタロプロテイナーゼ、ペクチン酸リアーゼ様タンパク質、ペクチン酸リアーゼE、プロフィリン−2、毒アレルゲン5、ククミシン、推定ペルオキシレドキシン、推定ペクチン酸リアーゼ前駆体、血清アルブミン、花粉アレルゲンPhl p 11、セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害因子、分岐群B(オバルブミン)、メンバー3、アレルゲンBla g 4前駆体(Bla g IV)、アレルゲンPen n 13、ヒアルロニダーゼA、ペクチン酸リアーゼホモログ、推定アレルゲンCup a 1、主要花粉アレルゲンJun v 1、推定アレルゲンjun o 1、花粉アレルゲンAmb a 1.2、推定ペクチン酸リアーゼ13、P8タンパク質、シトクロムc、グルカンエンド−1,3−ベータ−グルコシダーゼ、塩基性液胞アイソフォーム、13Sグロブリン、ベータ−1,3−グルカナーゼ、ベータ−1、3−グルカナーゼ、グルテニン、高分子量サブユニットDX5前駆体、X型HMWグルテニン、グルテニン、高分子量サブユニットDX5、高分子量グルテニンサブユニット1Dx2.1、高分子量グルテニンサブユニット、11Sグロブリン様タンパク質、種子貯蔵タンパク質、アルファ−L−Fucp−(1−>3)−[アルファ−D−Manp−(1−>6)−[ベータ−D−Xylp−(1−>2)]−ベータ−D−Manp−(1−>4)−ベータ−D−GlcpNAc−(1−>4)]−D−GlcpNAc、ベータカゼインB、1型非特異的脂質輸送タンパク質前駆体、Fas AMA、カスパーゼ−8前駆体、H抗原糖タンパク質、H抗原gl、熱ショックタンパク質HSP90−ベータ、ジヒドロリポアミドS−アセチルトランスフェラーゼ(ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体のE2成分)、アイソフォームCRA_a、グループVアレルゲンPhl p 5.0103前駆体、Phl p6アレルゲン前駆体、グループVアレルゲンPhl p 5、主要花粉アレルゲンPhl p 4前駆体、花粉アレルゲンPhl p V、Phl p 3アレルゲン、花粉アレルゲンPhl pI前駆体、A鎖、Phl P 1の結晶構造、主要オオアワガエリ花粉アレルゲン、花粉アレルゲンPhl p 4、プロフィリン−3、プロフィリン−2/4、花粉アレルゲンPhl p 2、Phl p6 IgE結合断片、Phlp5、N鎖、Phl P 6の結晶構造、亜鉛と共結晶化した主要オオアワガエリ花粉アレルゲン、グループ
VアレルゲンPhl p 5.0206前駆体、アレルゲン性タンパク質、主要アレルゲンAni s 1、アレルゲンAna o 2、ENSP様タンパク質、BW 16kDaアレルゲン、アルファ2(I)コラーゲン、コラーゲンa2(I)、1型コラーゲンアルファ2、Cyn d 1、主要花粉アレルゲンAln g 1(アレルゲンAln g I)、アレルゲンLen c 1.0101、ガラクトマンナン、アスパラギン酸プロテアーゼBla g 2、アルコールデヒドロゲナーゼ、脂質輸送タンパク質前駆体、アルファ/ベータグリアジン前駆体、Der f 7アレルゲン、Der p 7アレルゲンポリペプチド、非特異的脂質輸送タンパク質、主要アレルゲンIポリペプチド鎖1、プルニン1前駆体、プルニン2前駆体、11Sレグミンタンパク質、Ara h 7アレルゲン前駆体、ビシリン様タンパク質前駆体、アレルゲンArah6、パルブアルブミン様2、パルブアルブミン様1、カゼインカッパ、リボソーム生物発生タンパク質LAS1L、Pen c 1、SchS21タンパク質、不活性ヒアルロニダーゼB、Mup1タンパク質、マクロファージ移動阻害因子、真核翻訳開始因子2サブユニット3、CR2/CD21/C3d/エプスタイン−バーウイルス受容体前駆体、DNAトポイソメラーゼ2−アルファ、花粉アレルゲンCyn d 23、主要アレルゲンBla g 1.02、ペクチンメチルエステラーゼアレルゲン性タンパク質、主要アレルゲンPha a 5アイソフォーム、2Sアルブミン種子貯蔵タンパク質、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(NAD+)、花粉アレルゲンPoa p 5、Bla g 1.02バリアントアレルゲン、部分的、主要花粉アレルゲンLol p 5b、アレルゲンBla g 6.0301、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、推定マンニトールデヒドロゲナーゼ、花粉アレルゲンLol p 4、アスパラギン酸プロテアーゼpep1、エノラーゼ、IgE結合タンパク質、マイナーアレルゲンAlt a 5、HDMアレルゲン、A鎖、Mbp−Der P 7融合タンパク質の結晶構造、アレルゲンBla g 6.0201、主要アレルゲンBla g 1.0101、アルファ−アミラーゼ、マイナーアレルゲン、リボソームタンパク質P2、メタロプロテアーゼ(MEP)、オートファジーセリンプロテアーゼAlp2、アレルゲン性イソフラボンレダクターゼ様タンパク質Bet v 6.0102、A鎖、抗体およびアレルゲンBla G 2の複合体の結晶構造、マイナーアレルゲン、チオレドキシンTrxA、エノラーゼ、アレルゲンCla h 6、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、分子シャペロンおよびアレルゲンMod−E/Hsp90/Hsp1、主要アレルゲンAsp F2、ダニアレルゲンDer p 3、B鎖、Aspergillus Fumigatus Mnsodの結晶構造、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GSTクラス−シグマ)(主要アレルゲンBla g 5)、マイナーアレルゲンCla h 7、未知タンパク質、アレルゲン性セラトプラタニンAsp F13、art v 2アレルゲン、ポルカルシンAln g 4、主要アレルゲンおよび細胞毒素AspF1、花粉アレルゲンQue a 1アイソフォーム、トリプシン様セリンプロテアーゼ、ダニグループ6アレルゲンDer p 6、アレルゲンAsp F7、細胞壁タンパク質PhiA、60kDaアレルゲンDer f 18p、hsp70、Sal k 3花粉アレルゲン、酸性リボソームタンパク質P2、B鎖、Cladosporium Herbarum由来Nadp依存性マンニトールデヒドロゲナーゼの結晶構造、Art v 3.0301アレルゲン前駆体、60Sリボソームタンパク質L3、Der p 20アレルゲン、花粉アレルゲンSal k 1、Per a 6アレルゲン、ゲルゾリン様アレルゲンDer f 16、A鎖、主要CatアレルゲンFel D 1の四量体形態の構造的特徴付け、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、Fel d 4アレルゲン、主要花粉アレルゲンDac g 4、グループIアレルゲンAnt o I(1型)、花粉、アレルゲンBla g 6.0101、シスタチン、ダニアレルゲンDer p 5、アレルゲンFra e 1、アレルゲンAsp F4、主要抗原様タンパク質、PR5アレルゲンCup s 3.1前駆体、熱ショックタンパク質、アレルゲン前駆体、アルギニンエステラーゼ前駆体、Sal k 4花粉アレルゲン、60S酸性リボソームタンパク質P1、花粉アレルゲンJun o 4、ポルカルシンCyn d 7、グループI花粉アレルゲン、ペプチジル−プロリルシストランスイソメラーゼ/シクロフィリン、推定、プロフィリン2、花粉アレルゲンCyn d 15、Der f 13アレルゲン、Can f 2、ペルオキシソーム様タンパク質、ペプチジルプロリルイソメラーゼ(シクロフィリン)、MHCクラスII抗原、BETV4タンパク質、主要花粉アレルゲンPla l 1、ペプチダーゼ、MPA3アレルゲン、オオバコ花粉主要アレルゲン、Pla l 1.0103、主要アレルゲンBla g 1.0101、部分的、花粉アレルゲンAmb p 5a、Der f 16アレルゲン、花粉アレルゲンDac g 2、IgE結合タンパク質C末端断片(148 AA)、花粉アレルゲンDac g 3、PPIase、rAsp f 9、ダニアレルゲンDer p 7、チオレドキシン、ヒドロラーゼ、主要花粉アレルゲンPha a 1、Der p 13アレルゲン、B鎖、Der P 2のX線構造、主要ハウスダスト・ダニアレルゲン、オレオシン3、ペプチジル−プロリルシストランスイソメラーゼ、A鎖、主要ハウスダスト・ダニアレルゲンの結晶構造、Derf 2、A鎖、主要アレルゲンの結晶構造、ゴキブリ類由来Bla G 4、Amb a 1様タンパク質、D型LMWグルテニンサブユニット、グルタチオンS−トランスフェラーゼ2、酸性Cyn d 1イソアレルゲンアイソフォーム4前駆体、アルブミン種子貯蔵タンパク質前駆体、チロシン3−モノオキシゲナーゼアイソフォームb、N−糖タンパク質、FAD結合オキシドレダクターゼBG60、Blo t 21アレルゲン、ユビキチンD、ヌクレオポリンNup37、非POUドメイン含有オクタマー結合タンパク質、転写延長因子SPT5、主要アレルゲンMal d 1(Ypr10タンパク質)、セルピン−Z2B、Pas n 1アレルゲン前駆体、アルギニンキナーゼ、Lit v 3アレルゲンミオシン軽鎖、筋形質カルシウム結合タンパク質、ベータコングリシニンのアルファサブユニット、プルニン、アレルゲンCry j 2、プレキシン−A4、非特異的脂質輸送タンパク質、低分子量グルテニンサブユニット前駆体、ガンマ−グリアジン、GATA−1の仲間、ウィルムス腫瘍タンパク質、ユビキチン結合酵素E2 C、脂肪酸シンターゼ、ヒストンH4、フルクトース−ビスリン酸アルドラーゼA、オキシドレダクターゼ、ラクトグロブリンベータ、免疫グロブリンガンマ3重鎖定常領域、Phlp5前駆体、ダスト・ダニアレルゲン前駆体、熱ショックタンパク質70、主要アレルゲンIポリペプチド鎖2、アルファ−ラクトアルブミン前駆体タンパク質、30kDa花粉アレルゲン、グループ5アレルゲン前駆体、グループ1アレルゲンDac g 1.01前駆体、未同定タンパク質、未知オオアワガエリタンパク質、カッパ−カゼイン、アルファ−S1カゼイン、SXP/RAL−2ファミリータンパク質、リポカリン−1前駆体、アルファプロチオニン、主要アレルゲンBet v 1.01A、P2タンパク質、オスモチン、主要ピーナッツアレルゲンAra H 2、Der f 3アレルゲン、コングルチン、Ara h 6アレルゲン、カテリシジン抗菌ペプチド、コリンエステラーゼ、Per a 2アレルゲン、顎下腺アンドロゲン調節タンパク質3B、キチナーゼ、部分的、アレルゲンCan f 4前駆体、Can f 4バリアントアレルゲン前駆体、新生ポリペプチド会合複合体サブユニットアルファ−2、ポルカルシンPhl p 7(カルシウム結合花粉アレルゲンPhl p 7)(P7)、Der p IIアレルゲン、主要アレルゲンAra h1、アレルゲンAra h 2.02、脂肪酸結合タンパク質、グルタミン酸受容体、グリシニンA3B4サブユニット、プロフィリンイソアレルゲン2、花粉アレルゲンAmb p 5b、カルシウム結合タンパク質イソアレルゲン2、カルシウム結合タンパク質イソアレルゲン1、システインプロテアーゼ、プロフィリンイソアレルゲン1、Art v 1前駆体のブタクサホモログ、Amb p 5、Art v 1のブタクサホモログ(アイソフォーム1)、部分的、抗原E、推定ペクチン酸リアーゼ前駆体、部分的、花粉アレルゲンAmb a 5、Amb p Vアレルゲン、ヘモシアニンサブユニット6、主要花粉アレルゲンCha o 2、トリコヒアリン、アスパラチルエンドペプチダーゼ、NCRA10、アレルゲンbla g 8、ビテロゲニン、NCRA3、NCRA4、アレルゲンBla g 3アイソフォーム2前駆体、部分的、NCRA2、NCRA13、NCRA8、NCRA1、Bla g 11、活性化タンパク質キナーゼC様の受容体、NCRA5、NCRA14、トリオースリン酸イソメラーゼ、NCRA12、NCRA7、NCRA11、トリプシン、トリオースリン酸イソメラーゼ、部分的、NCRA6、構造タンパク質、NCRA15、NCRA9、NCRA16、Der f 4アレルゲン、Der f 5アレルゲン、Phl p6アレルゲン、Der f Gal d 2アレルゲン、Derp_19830、グルコシルセラミダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、Der f 8アレルゲン、部分的、フルクトースビスリン酸アルドラーゼ、ATPシンターゼ、Der f Alt a 10アレルゲン、グルタミンシンテターゼ、Derp_c23425、ミオシン、Der f 8アレルゲン、LytFM、Der f 11アレルゲン、セリンプロテアーゼ、グルタチオントランスフェラーゼmu、トリオース−リン酸イソメラーゼ、ユビキノール−シトクロムcレダクターゼ結合タンパク質様タンパク質、フェリチン、イソメラーゼ、フィラミンC、Der p 5、Mag44、部分的、毒、筋特異的タンパク質、Der f 5.02アレルゲン、Mag44、Derp_c21462、グループ18アレルゲンタンパク質、Derf_c9409、napin型2Sアルブミン1前駆体、napin型2Sアルブミン3、イソフラボンレダクターゼ様タンパク質CJP−6、ペクチン酸リアーゼ1、アレルゲンCry j 2、部分的、主要アレルゲンDau c 1、フィラミン−C、推定、Pis v 5.0101アレルゲン11Sグロブリン前駆体、Pis v 5、48kDa糖タンパク質前駆体、ビシリン、またはこれらのアレルゲンのいずれかのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、に由来するかまたはそれらから選択されるアレルゲンが含まれるが、これらに限定されない。
[レポータータンパク質]
本発明の人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング領域は、少なくとも1つの「レポーター(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」をコードし得る。
用語「レポーター(ポリ)ペプチドまたはタンパク質」は、レポーター遺伝子から発現される(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。レポーター(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、典型的には使用される発現系に対して異種である。それらの存在および/または機能性は、好ましくは容易に検出、視覚化および/または測定することができる(例えば、蛍光発光、分光法、ルミノメトリーなどによって)。
レポーター(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の例には、(細菌遺伝子IacZによってコードされた)ベータ−ガラクトシダーゼ;ルシフェラーゼ;クロラムフェニルアセチルトランスフェラーゼ(CAT);GUS(ベータ−グルクロニダーゼ);アルカリホスファターゼ;緑色蛍光タンパク質(GFP)ならびにそのバリアントおよび誘導体(強化された緑色蛍光タンパク質(eGFP)、CFP、YFP、GFP+など);アルカリホスファターゼまたは分泌アルカリホスファターゼ;ペルオキシダーゼ、ベータ−キシロシダーゼ;キシルE(カテコールジオキシゲナーゼ);TreA(トレハラーゼ);イソギンチャクモドキ(Discosoma)種赤色蛍光タンパク質(dsRED)およびそのバリアントおよび誘導体(mCherryなど);HcRed;AmCyan;ZsGreen;ZsYellow;AsRed;および他の生物発光タンパク質および蛍光タンパク質、が含まれる。「ルシフェラーゼ」という用語は、生物発光を生成することができる酸化酵素のクラスを指す。多くのルシフェラーゼ、例えば、ホタルルシフェラーゼ(例えば、ホタルPhotinus pyralis由来)、ウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla reniformis)、メトリディアルシフェラーゼ(MetLuc、海洋カイアシ類Metridia longa由来)、エクオレアルシフェラーゼ、渦鞭毛藻ルシフェラーゼ、またはガウシアルシフェラーゼ(Gluc)、またはこれらのタンパク質のいずれかのアイソフォーム、ホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体が、当該技術分野で知られている。
[追加のドメイン、タグ、リンカー、配列または因子]
本発明の人工核酸分子の少なくとも1つのコーディング領域は、好ましくは、少なくとも1つの目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に加えて、さらなる(ポリ)ペプチドドメイン、タグ、リンカー、配列または因子をコードし得る。上記の追加のドメイン、タグ、リンカー、配列または因子をコードしている核酸配列は、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている領域に対してフレームにおいて操作可能に結合しており、それにより、コーディング配列の発現が、好ましくは、追加のドメイン、タグ、リンカー、配列または因子に連結された目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の融合産物(または誘導体)を生成する。
例えば、さらなる(ポリ)ペプチドドメイン、タグ、リンカー、配列または因子をコードしている核酸配列は、好ましくは目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている核酸配列に対してインフレームである。コドン使用頻度は、本発明の人工核酸(RNA)分子を発現するために想定される宿主に適合し得る。
好ましくは、本発明の人工核酸分子の少なくとも1つのコーディング領域は、(a)エフェクタードメイン;(b)ペプチドまたはプロテインタグ;(c)局在化シグナルまたは配列;(d)核局在化シグナル(NLS);(e)シグナルペプチド;(f)ペプチドリンカー;(g)分泌シグナルペプチド(SSP)、(h)二量体化因子、三量体化因子因子、四量体化因子、またはオリゴマー化因子を含む多量体化因子;(i)ウイルス様粒子(VLP)形成因子;(j)膜貫通因子;(k)樹状細胞標的化因子;(l)免疫学的アジュバント因子;(m)抗原提示促進因子;(n)2Aペプチド;(o)タンパク質半減期を延長する因子;および/または(p)翻訳後修飾用因子(例えば、グリコシル化)、の少なくとも1つをさらにコードし得る。
<エフェクタードメイン>
「エフェクタードメイン」という用語は、典型的には標的と相互作用すること、例えば、酵素活性、標的(例えば、配位子、受容体、タンパク質、核酸、ホルモン、神経伝達物質小有機分子)結合、シグナル伝達、免疫賦活などによって、生物学的エフェクター機能を付与する(ポリ)ペプチドまたはタンパク質ドメインを指す。
エフェクタードメインは、本明細書に記載のような任意の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって好適に(追加的に)コードされ得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合または挿入されたエフェクタードメインは、有利には上記(ポリ)ペプチドまたはタンパク質にさらなる生物学的機能または活性を付与し得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わされてコードされる場合、エフェクタードメインは、N末端、C末端、および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内、またはそれらの組み合わせに配置され得る。別のエフェクタードメインを組み合わせてもよい。核酸レベルでは、このようなエフェクタードメインのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のコーディング配列の中、3’から当該コーディング配列、もしくは5’から当該コーディング配列、あるいはそれらの組み合わせに配置される。
<ペプチドまたはプロテインタグ>
「ペプチドまたはプロテインタグ」は、所望の生物学的機能性または特性を付与するために、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に導入される短いアミノ酸配列である。典型的には、「ペプチドタグ」が特定の所望の生物学的特性または機能性の検出、精製、分別、または付加のために使用され得る。
したがって、ペプチドまたはプロテインタグは、様々な目的のために配置することができる。ウェスタンブロット法、ELISA、ChIP、免疫細胞化学、免疫組織化学、および蛍光計測により、ほとんどすべてのペプチドタグを用いて目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の検出が可能である。ほとんどのプロテインまたはペプチドタグは、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の精製のために利用され得る。いくつかのタグは、生物学的タンパク質半減期を延長するか、または目的の(ポリ)ペプチドおよびタンパク質の溶解性を増加させるか、または(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を細胞区画に局在化させるのを助けるために、探索され得る。
プロテインまたはペプチドタグは、本明細書に記載のような任意の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(追加的に)コードされ得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合または挿入されたプロテインまたはペプチドタグは、例えば、有利には上記(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の検出、精製または分別を可能にし得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせてコードされる場合、プロテインまたはペプチドタグは、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のN末端、C末端および/または内部、またはそれらの組み合わせに配置され得る。別のプロテインまたはペプチドタグを組み合わせてもよい。プロテインまたはペプチドタグは、繰り返され得るものであり、例えば、タンデムまたはトリプレットで発現され得る。核酸レベルでは、このようなプロテインまたはペプチドタグのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のコーディング配列の中、3’から当該コーディング配列、もしくは5’から当該コーディング配列、あるいはそれらの組み合わせに配置される。
プロテインおよびペプチドタグは、それらの(主要な)機能に基づいて分類することができる。本発明に関して想定されるプロテインおよびペプチドタグの例には以下の群から選択されるタグが含まれるが、これらに限定されない。アフィニティタグは、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の精製を可能にし、キチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質(MBP)、Strepタグ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、および典型的にはニッケル結合構造を形成する6つのタンデムヒスチジン残基を含むポリ(His)タグを含むが、これらに限定されない。可溶化タグは、適切なフォールディングを補助し、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の沈殿を防止し、チオレドキシン(TRX)およびポリ(NANP)を含む。MBPタグおよびGSTタグは、可溶化タグとしても利用され得る。クロマトグラフィタグは、目的のタンパク質または(ポリ)ペプチドのクロマトグラフィ特性を変化させ、クロマトグラフィ技術によるそれらの分別を可能にする。典型的には、クロマトグラフィタグはFLAGタグ(典型的にはアミノ酸配列N−DYKDDDDK−C(配列番号378)を含み得る)などのポリアニオン性アミノ酸からなる。エピトープタグは、例えば、ウェスタンブロット法、免疫蛍光法または免疫沈降法において、高い親和性抗体に結合することができる短いペプチドシーケンスであるが、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の精製に使用することもできる。エピトープタグは、ウイルスなどの病原性抗原に由来してもよく、V5タグ(典型的にはパラミクソウイルスSV5のP/Vタンパク質に由来する短いアミノ酸配列GKPIPNPLLGLDSTを含み得る)、Mycタグ(典型的にはヒト癌原遺伝子Myc(EQKLISEEDL(配列番号379)の10アミノ酸セグメントを含み得る)、HAタグ(典型的にはヒトインフルエンザ血球凝集素タンパク質由来の短いセグメントYPYDVPDYA(配列番号380)を含み得る)、およびNEタグを含むが、これらに限定されない。GFPおよびそのバリアントおよび誘導体(例えば、mfGFP、EGFP)のような蛍光タグは、(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の検出のために(直接的な視覚的読み出しによって、または抗GFP抗体への結合によって)、またはレポーターとして使用することができる。プロテインタグは、特定の酵素的修飾(ビオチンリガーゼによるビオチン化など)または化学修飾(蛍光撮影用FlAsH−EDT2との反応など)を可能にし得る。チオレドキシン、ポリ(NANP)のようなタグは、タンパク質溶解性を増大させることができ、一方、他のものは、標的タンパク質を所望の細胞区画に局在化させるのを助けることができる。さらなるタグとしては、ABDz1タグ、アデニレートキナーゼ(AKタグ)、カルモジュリン結合ペプチド、CusF、Fh8、HaloTag、ヘパリン結合ペプチド(HBタグ)、ケトステロイドイソメラーゼ(KSI)、Inntag、PA(NZ−1)、ポリアルギニンタグ、ポリリジンタグ、SタグおよびSUMOが含まれる。ペプチドまたはプロテインタグは、組み合わせてもよく、または繰り返してもよい。精製後、プロテインまたはペプチドタグは、特異的タンパク質分解(例えば、TEVプロテアーゼ、トロンビン、第Xa因子またはエンテロペプチダーゼによる)によって除去され得る場合もある。
<核局在化シグナルまたは配列(NLS)>
「核局在化シグナル」または「核局在化配列」(NLS)は、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を核に標的化することができるアミノ酸配列であり、言い換えれば、核局在化シグナルは、核移入のために目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を「標識する」。一般に、タンパク質は核外膜を通って核内に入る。核外膜は、同心膜、外膜および内膜からなる。内膜および外膜は複数の部位で連結し、細胞質と核質との間にチャネルを形成している。これらのチャネルは、核膜を横切る運搬を媒介する多タンパク質構造の複合体である核孔複合体(NPC)によって占められる。
核局在化シグナルは、本明細書に記載のような任意の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(追加的に)コードされ得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合または挿入された核局在化シグナルは、有利には上記(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のインポーチン(別名カリオフェリン)結合および/または核移入を促進し得る。特定の理論に拘束されるべきではないが、核標的化、例えば、遺伝子編集剤、転写誘導因子またはリプレッサーを意図する治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合または挿入される場合、NLSは特に有用であり得る。しかしながら、NLSは、本明細書に記載される任意の他の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を用いてコードされてもよい。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせてコードされる場合、このような核局在化シグナルは、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内、またはそれらの組み合わせに配置され得る。また、人工核酸(RNA)分子は、コードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合/挿入された2つ以上のNLSをコードし得ることも想定される。核酸レベルでは、このような核局在化シグナル用のコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のコーディング配列の中、3’から当該コーディング配列、もしくは5’から当該コーディング配列、あるいはそれらの組み合わせに配置される。
典型的には、「NLS」は正に帯電したリジンまたはアルギニンの1つ以上の短い配列を含み得るか、またはそれらからなり得るものであり、これらは好ましくはタンパク質表面上に露出される。当該技術分野では、様々なNLS配列が知られている。本発明で使用するために選択することができる代表例なNLS配列には以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない。最もよく特徴付けられた輸送シグナルは、核タンパク質移入のための古典的NLS(cNLS)であり、これは、塩基性アミノ酸の1つ(単節型)または2つ(双節型)の連続配列のいずれかからなる。典型的には、単節型モチーフは、ヘリックス破壊残基に先行された塩基性残基のクラスターを特徴とする。同様に、双節型モチーフは、9〜12残基によって分離された塩基性残基の2つのクラスターからなる。単節型cNLSの例としては、SV40巨大T抗原NLS(126PKKKRRV132(配列番号381))が挙げられ、双節型cNLSの例としては、ヌクレオプラスミンNLS(155KRPAATKKAGQAKKKK170(配列番号382))が挙げられる。単節型NLSのN末端リジンからの連続残基は、P1、P2などと称される。単節型cNLSは、典型的にはP1位にリジンを必要とし、続いてP2およびP4の位置に塩基性残基を必要とし、これにより、K(K/R)X(K/R)の緩いコンセンサス配列を生じる(配列番号384)(Lange et al. J Biol Chem. 2007 Feb 23; 282(8): 5101-5105)。
<シグナルペプチド>
用語「シグナルペプチド」(分泌シグナルペプチドまたはSSP、シグナル配列、リーダー配列またはリーダーペプチドと呼ばれることもある)は、典型的には分泌経路に向けられた新たに合成されたタンパク質のN末端に通常存在する短いペプチド(通常、16〜30アミノ酸長)を指す。これらのタンパク質には、ある細胞小器官(小胞体、ゴルジ、エンドソーム)の内部に存在するもの、細胞から分泌されるもの、あるいはほとんどの細胞膜に挿入されるものなどがある。真核細胞において、シグナルペプチドは典型的にはそれが小胞体の膜に転位された直後に、発生期のポリペプチド鎖から切断される。転座は翻訳と同時に起こり、細胞質のタンパク質−RNA複合体(シグナル認識粒子、SRP)に依存している。タンパク質フォールディングおよび特定の翻訳後修飾(例えば、グリコシル化)は、典型的には小胞体(ER)内で起こる。その後、タンパク質は典型的にはゴルジ小胞に輸送され、分泌される。
シグナルペプチドは、本明細書に記載のような任意の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(追加的に)コードされ得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合または挿入されたシグナルペプチドは、規定された細胞区画(例えば、細胞表面、小胞体(ER)またはエンドソーム−リソソーム区画)への上記目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の輸送を有利に媒介し得る。好ましくは、シグナルペプチドは、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に導入して、上記(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の分泌を促進することができる。特に、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸がシグナルペプチドに融合している場合、その放出および分布が好ましくは天然に存在するウイルス感染を模倣し、プロフェッショナル抗原提示細胞(APC)がコードされた抗原に曝露されることを確実にするので、適切な分泌は上記抗原に対する免疫応答を誘引するのに役立ち得る。しかしながら、シグナルペプチドは、本明細書に記載される任意の他の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と有用に組み合わせることもできる。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせてコードされる場合、このようなシグナルペプチドは、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内、好ましくはそのN末端に配置され得る。核酸レベルでは、このようなシグナルペプチドのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、5’もしくは3’、または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のコーディング配列内、またはそれらの組み合わせ、好ましくは上記コーディング配列の3’に配置される。
シグナルペプチドは、典型的にはn−およびc−領域に挟まれた疎水性コア領域からなるトリパータイト構造を示し得る。典型的には、n−領域は長さが1〜5個のアミノ酸であり、大部分が正に帯電したアミノ酸を含む。疎水性コア領域とシグナルペプチダーゼ切断部位との間に位置するc−領域は、典型的には3〜7極であるが、ほとんどが帯電していない、アミノ酸からなる。(いわゆる「(3,1)−規則」に従う)アミノ酸の特定のパターンは、切断部位の近傍に見られ、(切断部位に対して)3位および1位のアミノ酸残基は典型的には小さく、中性である。
本発明に関して想定されるシグナルペプチドの例には、古典的MHC分子または非古典的MHC分子のシグナル配列(例えば、MHC IおよびII分子のシグナル配列、例えば、MHCクラスI分子HLA−A*0201)、サイトカインまたは免疫グロブリンのシグナル配列、免疫グロブリンまたは抗体の不変鎖のシグナル配列、Lamp1、タパシン、Erp57、カルレティキュリン、カルネキシン、PLAT、EPOまたはアルブミンのシグナル配列、およびさらなる膜関連タンパク質、または小胞体(ER)またはエンドソーム−リソソーム区画に関連するタンパク質が含まれるが、これらに限定されない。最も好ましくは、シグナル配列は、(ヒト)HLA−A2、(ヒト)PLAT、(ヒト)sEPO、(ヒト)ALB、(ヒト)IgE−リーダー、(ヒト)CD5、(ヒト)IL2、(ヒト)CTRB2、(ヒト)IgG−HC、(ヒト)Ig−HC、(ヒト)Ig−LC、GpLuc、(ヒト)Igカッパまたは上述のタンパク質のいずれかの断片もしくはバリアント、特に、HLA−A2、HsPLAT、sHsEPO、HsALB、HsPLAT(aa1−21)、HsPLAT(aa1−22)、IgE−リーダー、HsCD5(aa1−24)、HsIL2(aa1−20)、HsCTRB2(aa1−18)、IgG−HC(aa1−19)、Ig−HC(aa1−19)、Ig−LC(aa1−19)、GpLuc(1−17)、またはMmIgカッパ、に由来し得る。
本発明において使用することを想定された、特定のシグナルペプチドおよびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
<ペプチドリンカー>
「ペプチドリンカー」または「スペーサー」は、本明細書に記載のような目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、マルチドメインタンパク質または融合タンパク質)の、ドメイン、一部、または部分を連結する短いアミノ酸配列である。(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分は、好ましくは機能的であり、つまり特定の生物学的機能を果たす。
ペプチドリンカーは、本明細書に記載のような任意の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(追加的に)コードされ得る。ペプチドリンカーは目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に挿入されてもよく、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分の適切なフォールディング、柔軟性および機能を有利に確保し得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせてコードされる場合、このようなシグナルペプチドは、典型的には上記(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質、またはそれらのドメイン、一部もしくは部分の間に配置される。核酸レベルでは、このようなペプチドリンカーのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、そのドメイン、一部もしくは部分をコードしているコーディング配列の中、5’から当該コーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
ペプチドリンカーは、典型的には短く(1〜150個のアミノ酸、好ましくは1〜50個のアミノ酸、より好ましくは1〜20個のアミノ酸を含む)、好ましくは小さい、非極性アミノ酸(例えば、Gly)または極性アミノ酸(例えば、SerまたはThr)から構成され得る。ペプチドリンカーは当該技術分野において一般に知られており、三つの種類、つまり、柔軟性リンカー、剛性リンカー、および切断可能リンカーに分類することができる。柔軟性リンカーは、通常、結合された(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分が、ある程度の動き、柔軟性および/または相互作用を必要とする場合に適用される。柔軟性リンカーは一般に、小さい、非極性アミノ酸(例えば、Gly)または極性アミノ酸(例えば、SerまたはThr)に富み、良好な柔軟性および溶解性を提供し、結合した(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分の移動性を支持する。例示的な柔軟性リンカーアーム配列は、典型的には約4〜約10個のグリシン残基を含有する。SerまたはThrの組み込みは、水分子と水素結合を形成することによって水溶液中のリンカーの安定性を維持することができ、したがって、リンカーとタンパク質部分との間の好ましくない相互作用を低減する。
最も一般的に使用される柔軟性リンカーは、主にGlyおよびSer残基の連続配列からなる配列を有する(「GS」リンカー)。例えば、リンカーは、以下の配列を有し得る:GS、GSG、SGG、SG、GGS、SGS、GSS、およびSSG。同じ配列を多数回(例えば、二回、三回、四回、五回、または六回)繰り返して、より長いリンカーを生成してもよい。ペプチドリンカーとしてSまたはGなどの単一のアミノ酸残基を導入することも考えられる。最も広く使用されている柔軟性リンカーの例としては、(G−G−G−G−S)(配列番号383)の配列がある。複製数「n」を調節することによって、このGSリンカーの長さを最適化して、結合した(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分の適切な分離および/または柔軟性を達成することができ、または必要なドメイン間相互作用を維持することができる。GSリンカーの他に、多くの他の柔軟性リンカーが当該技術分野で知られている。これらの柔軟性リンカーはまた、GlyおよびSerなどの小型または極性アミノ酸に富むが、柔軟性を維持するためにThrおよびAlaなどの追加のアミノ酸、ならびに溶解性を改善するためにLysおよびGluなどの極性アミノ酸を含有してもよい。剛性リンカーを用いて、結合した(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分の分離を確実にし、干渉または立体障害を低減することができる。一方、切断可能なリンカーは、インビボで、遊離機能性(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質、またはそのドメイン、一部もしくは部分を放出するために導入され得る。例えば、切断可能なリンカーは、カテプシンまたはトリプシンなどの酵素による切断に敏感なArg−ArgまたはLys−Lysであり得る。ペプチドリンカーは非免疫原性であってもよく、なくてもよい(つまり、免疫応答を誘引することができる)。Chen et al. Adv Drug Deliv Rev. 2013 Oct 15; 65(10): 1357-1369は最も一般的に使用されるペプチドリンカーおよびそれらの用途を概説し、参照によりその全部が本願に援用される。目的の特定のペプチドリンカーおよびそれをコードしている核酸配列は特に、WO2017/081082A2、WO2017/WO2002/014478A2、WO2001/008636A2、WO2013/171505A2、WO2008/017517A1およびWO1997/047648A1に開示されており、これらも参照によりその全部が援用される。
<多量体化因子>
「多量体化因子」または「多量体化ドメイン」という用語は、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の多量体化を誘導または促進することができる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。当該用語は、オリゴマー化因子、四量体化因子、三量体化因子または二量体化因子を含む。
多量体化因子は、例えば、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(追加的に)コードされ得る。目的の抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に挿入または融合された多量体化因子は、多量体抗原−複合体または抗原性ナノ粒子の形成を有利に媒介し得るものであり、これらは好ましくは上記抗原に対する免疫応答を誘導、促進または増強し得る。それによって、多量体化因子は、互いに隣り合う複数の抗原(例えば、インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(HA)抗原)を示す病原体(例えば、ウイルス)による「自然の」感染を模倣するために使用され得る。しかしながら、多量体化因子は、任意の他の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とも有用に組み合わせることができる。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせてコードされる場合、このような多量体化因子は、そのN末端、またはC末端、またはその両方に配置され得る。核酸レベルでは、このような多量体化因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、5’から目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
本発明に関して、目的のポリペプチドまたはタンパク質と組み合わせて使用される場合、このような多量体化因子は、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内に配置され得る。核酸レベルでは、このような多量体化因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、5’から目的のポリペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
例示的な二量体化因子は、例えば、熱ショックタンパク質の二量体化因子/ドメイン、免疫グロブリンFcドメインおよびロイシンジッパー(転写因子の塩基性領域ロイシンジッパークラスの二量体化ドメイン)から選択され得る。例示的な三量体化因子および四量体化因子は、例えば、操作されたロイシンジッパー(平行三量体状態を採用する操作されたa−螺旋コイル化コイルペプチド)、腸内細菌ファージT4、GCN4pll、CCN4−pLI、およびp53由来のフィブリチンフォルドンドメインから選択され得る。例示的なオリゴマー化因子は、例えば、フェリチン、界面活性剤D、パラミクソウイルスのリンタンパク質のオリゴマー化ドメイン、補体阻害因子C4結合タンパク質(C4bp)オリゴマー化ドメイン、ウイルス感染性因子(Vif)オリゴマー化ドメイン、無菌アルファモチーフ(SAM)ドメイン、およびフォン・ウィルレブランド因子型Dドメインから選択され得る。
フェリチンはオリゴマーを形成し、すべての動物、細菌、および植物において見出される高度に保存されたタンパク質である。フェリチンは、24個の同一サブユニットのナノ粒子を自発的に形成するタンパク質である。フェリチン−抗原融合構築物は、免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成する可能性がある。界面活性剤Dタンパク質(SPD)は、自発的に自己組織化してオリゴマーを形成する親水性糖タンパク質である。SPD−抗原融合構築物は、免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成し得る。パラミクソウイルス(ネガティブセンスRNAウイルス)のリンタンパク質は、ウイルスポリメラーゼの転写トランス活性化因子として機能する。リンタンパク質のオリゴマー化は、ウイルスのゲノム複製に重要である。リンタンパク質−抗原融合構築物は、免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成し得る。補体阻害因子C4結合タンパク質(C4bp)もまた、オリゴマー抗原凝集体を生成するための融合パートナーとして使用することができる。C4bpのC末端ドメイン(ヒトでは57アミノ酸残基、マウスでは54アミノ酸残基)はC4bpまたはそれに融合した他のポリペプチドのオリゴマー化に必要かつ十分である。C4bp−抗原融合構築物は免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成し得る。ウイルス感染性因子(Vif)多量体化ドメインは、インビトロおよびインビボの両方でオリゴマーを形成することが示されている。Vifのオリゴマー化は、C末端ドメインにおける残基151〜164間の配列マッピング、161 PPLP 164モチーフ(ヒトHIV−1では、TPKKIKPPLP)を含む。Vif−抗原融合構築物は、免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成し得る。
無菌アルファモチーフ(SAM)ドメインは、多くの生物学的プロセシングに関与する多種多様なタンパク質に存在するタンパク質相互作用モジュ−ルである。約70残基にわたって広がるSAMドメインは、多様な真核生物に見られる。SAMドメインは、ホモオリゴマー化およびヘテロオリゴマー化して、複数の自己会合オリゴマー構造を形成することが示されている。SAM−抗原融合構築物は、免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成し得る。フォン・ウィルブランド因子(vWF)は、いくつかのD型ドメインを含む:D1およびD2はN末端プロペプチド内に存在する一方、残りのDドメインはオリゴマー化に必要である。vWFドメインは、様々な血漿タンパク質に見られる:補体因子B、C2、C3およびCR4;インテグリン(l−ドメイン);VI、VII、XIIおよびXIV型コラーゲン;および他の細胞外タンパク質。vWF−抗原融合構築物は、免疫応答を増強し得る抗原のオリゴマー凝集体または「クラスター」を形成し得る。
本発明において使用することを想定された、特定の多量体化因子およびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
<ウイルス様粒子形成因子>
「ウイルス様粒子形成因子」または「VLP−形成因子」という用語は、ウイルス粒子と構造的に類似する非複製および/または非感染ウイルスのような粒子に組み込むことのできる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。VLPは本質的に、感染性および/または複製性のウイルスゲノムまたはゲノム機能を欠いている。典型的には、VLPはウイルスゲノムの複製および感染成分の全部または一部を欠いている。
VLP−形成因子は、典型的にはウイルスタンパク質またはファージ構造タンパク質(つまり、エンベロープタンパク質またはカプシドタンパク質)であり、好ましくは、強い適応免疫応答を誘発することができる立体配座エピトープを形成する抗原の反復高密度提示を含む。
VLP−形成因子は、例えば、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(付加的に)コードされ得るものであるが、しかしながら、任意の他の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とも有用に組み合わせられてもよい。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に挿入または融合されたVLP−形成因子は、例えば、目的の抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の抗原クラスター化および免疫原性を促進または改善するために使用され得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせてコードされる場合、このようなVLP−形成因子は、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質内に配置され得る。核酸レベルでは、このようなVLP−形成因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列の中、5’から当該コーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
例示的なVLP−形成因子は、RNAバクテリオファージ、バクテリオファージ、B型肝炎ウイルス(HBV)、好ましくはそのカプシドタンパク質またはそのエンベロープタンパク質、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、ノーウォークウイルス、アルファウイルス、レトロウイルス、好ましくはそのGAGタンパク質、レトロトランスポゾンTy、好ましくはタンパク質pi、ヒト乳頭腫ウイルス、ポリオーマウイルス、タバコモザイクウイルス、フロックハウスウイルス、カウピーモザイクウイルス(CPMV)、カウピークロロティックモットルウイルス(CCMV)、またはソベモウイルスに由来し得る。本発明において使用することを想定された、特定のVLP−形成因子およびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
<膜貫通因子>
「膜貫通因子」または「膜貫通ポリペプチド因子」(「膜貫通ドメイン」または「TM」とも呼ばれる)は、細胞血漿膜に組み込まれるかまたは固定されるタンパク質中に存在する。したがって、膜貫通因子は、好ましくは、リン脂質膜の融合(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に及ぶことが可能であり、それによって好ましくは固着することが可能な、アミノ酸残基の配列を含むか、またはそれからなる。膜貫通因子は、少なくとも約15個のアミノ酸残基、好ましくは少なくとも18、20、22、24、25、30、35または40個のアミノ酸残基を含み得る。典型的な膜貫通因子は、約20±5個のアミノ酸の長さである。膜貫通因子を構成するアミノ酸残基は、好ましくは非極性の、主に疎水性アミノ酸から選択される。好ましくは、膜貫通因子のアミノ酸の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上は疎水性であり、例えば、ロイシン、イソロイシン、チロシン、またはトリプトファンであり得る。膜貫通因子は特に、一連の保存されたセリン、トレオニン、およびチロシン残基を含み得る。典型的な膜貫通因子はアルファヘリックス膜貫通因子である。膜貫通因子は、単一疎水性アルファヘリックスまたはベータバレル構造を含み得る;一方、疎水性アルファヘリックスは通常、膜に固定されたタンパク質(例えば、七個の膜貫通ドメイン受容体)中に存在するタンパク質中に存在し、ベータバレル構造は細孔またはチャネルを生成するタンパク質中に存在することが多い。
膜貫通因子は、例えば、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(付加的に)コードされ得るものであるが、しかしながら、任意の他の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質ともに有用に組み合わせられ得る。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に融合または挿入されたTM因子は、細胞血漿膜において、上記(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に有利に固定され得る。抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の場合、このような固定は、抗原のクラスター化を促進し、その結果、好ましくは増進された免疫応答を生じ得る。しかしながら、TM因子は、任意の他の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とも組み合わせることもできる。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わされてコードされる場合、このような膜貫通因子は、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のN末端、C末端および/または内部に配置され得る。核酸レベルでは、このような膜貫通因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列の中、5’から当該コーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
例示的な膜貫通因子は、インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(HA)、HIV−1のEnv、EIAV(ウマ感染性貧血ウイルス)、MLV(マウス白血病ウイルス)、マウス乳腺腫瘍ウイルス、VSV(水疱性口内炎ウイルス)のGタンパク質、狂犬病ウイルスの膜貫通ドメイン、または七回膜貫通ドメイン受容体の膜貫通因子、から選択され得る。本発明において使用することを想定された、特定の膜貫通因子およびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
<樹状細胞標的化因子>
「樹状細胞標的化因子」という用語は、樹状細胞(CD)を標的とすることができる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。最も強力な抗原提示細胞(APC)である樹状細胞(DC)は、先天的免疫応答を適応免疫応答に結びつける。それらは病原体/抗原を結合および内部化し、それらの病原体/抗原に対するT細胞応答を刺激するために、(MHC分子を介して)それらの膜上の抗原の断片を提示する。
樹状細胞標的化因子は、効果的な免疫応答を刺激および誘導するために、抗原の標的がDCになるように、例えば、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(付加的に)コードされ得る。しかしながら、樹状細胞標的化因子は、任意の他の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とも有用に組み合わせることができる。本発明に関して目的のポリペプチドまたはタンパク質と組み合わせて使用される場合、このような樹状細胞標的化因子は、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内に配置され得る。核酸レベルでは、このような樹状細胞因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、5’から目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
樹状細胞標的化因子には、好ましくはC型レクチン(マンノース受容体(例えば、MR1、DEC−205(CD205))、CD206、DC−SIGN(CD209)、Clec9a、DCIR、Lox−1、MGL、MGL−2、Clec12A、デクチン−1、デクチン−2、ランゲリン(CD207))、スカベンジャー受容体、F4/80受容体(EMR1)、DC−STAMP、抗体のFc部分のための受容体(Fc受容体)、トール様受容体(例えば、TLR2、5、7、8、9)、および補体受容体(例えば、CR1、CR2)などのDC表面受容体と相互作用または結合することができる(ポリ)ペプチドおよびタンパク質(例えば、抗体断片、受容体リガンド)が含まれる。
例示的な樹状細胞標的化因子は、抗DC−SIGN抗体、CD1.1c特異性一本鎖断片(scFv)、DEC205特異性一本鎖断片(scFv)、可溶性PD−1、ケモカイン(Cモチーフ)リガンドXCL1、CD40リガンド、ヒトIgG1、マウスIgG2a、抗Celec 9A、抗MHCII scFvから選択され得る。本発明において使用することが想定される、特定の樹状細胞標的化因子およびそれらをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2、ならびにApostolopoulos et al. J Drug Deliv. 2013; 2013:869718およびKastenmuller et al. Nat Rev Immunol. 2014 Oct;14(10):705-11、に特に開示されており、参照によりそれらの全部が本願に援用される。
<免疫学的アジュバント因子>
「免疫学的アジュバント因子」または「アジュバント因子」という用語は、危険応答(例えば、損傷関連分子パターン分子(DAMP))を誘引し、補体系(例えば、古典的補体経路、代替補体経路、およびレクチン経路に関与するペプチド/タンパク質)を活性化し、または先天的免疫応答(例えば、病原体関連分子パターン分子、PAMP)を誘発することによって、免疫応答を増強する(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。
免疫学的アジュバント因子は、コードされた抗原への免疫応答を増強するために、例えば、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(付加的に)コードされ得る。しかしながら、免疫学的アジュバント因子は、任意の他の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とも有用に組み合わせることができる。本発明に関して目的のポリペプチドまたはタンパク質と組み合わせて使用される場合、免疫学的アジュバント因子は、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内に配置され得る。核酸レベルでは、このような免疫学的アジュバント因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列の中、5’から当該コーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
例示的な免疫学的アジュバント因子は、熱ショックタンパク質(例えば、HSP60、HSP70、gp96)、フラジェリンFliC、高移動性群ボックス1タンパク質(例えば、HMGN1)、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)、C3タンパク質断片(例えば、C3d)、トランスフェリン、β−デフェンシン、または補体系を活性化する任意の他のペプチド/タンパク質PAMP受容体(PR)リガンド、DAMPまたは因子、から選択され得る。本発明において使用することを想定された、特定の免疫学的アジュバント因子およびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
<抗原提示促進因子>
「抗原提示促進因子」という用語は、リソソーム/プロテアソームまたはエクソソーム経路への進入の促進、および/または加工された(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の主要組織適合性複合体(MHC)分子(MHC−IまたはMHC−II)への装填および提示、および細胞表面上のMHC結合形態における提示、を媒介することができる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を指す。
抗原提示促進因子は、コードされた抗原のプロセシングおよびMHC提示を増進するために、例えば、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって適切に(付加的に)コードされ得る。しかしながら、抗原提示促進因子は、任意の他の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とも有用に組み合わせることができる。目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質と組み合わせて使用する場合、抗原提示促進因子は、N末端、C末端および/または上記目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内、またはそれらの組み合わせに配置することができる。核酸レベルでは、このような抗原提示促進因子のためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列の中、5’から当該コーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
例示的な抗原提示促進因子は、MHC不変鎖(li)、不変鎖(li)リソソーム標的シグナル、リソソーム関連膜タンパク質LAMP−1、リソソーム内在性膜タンパク質ll(LIMP−ll)およびC1C2ラクトアドヘリンドメインの選別シグナル、から選択され得る。本発明において使用することを想定された、特定の抗原提示促進因子およびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
<2Aペプチド>
ウイルスの「2Aペプチド」(「自己切断」ペプチドとも呼ばれる)は、単一のオープンリーディングフレームからの複数タンパク質の発現を可能にする(ポリ)ペプチドまたはタンパク質である。用語「2Aペプチド」および「2A因子」は、本明細書中で交換可能に使用される。1つの転写物から2つのタンパク質を生成するための2A配列による機構は、リボソームスキップによるものであり、つまり、正常なペプチド結合が2Aにおいて損なわれ、それにより、1つの翻訳事象から2つの不連続なタンパク質断片が得られる。
2Aペプチドは、例えば、切断を必要とする(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子によって、適切に(付加的に)コードされ得る。例えば、2Aペプチドは、2つ以上の抗原性(ポリ)ペプチドの間、または目的のタンパク質とシグナルペプチドとの間、のポリペプチド融合に挿入され得る。このような2Aペプチドのためのコーディング配列は、典型的には(ポリ)ペプチドまたはタンパク質コーディング配列の間に配置される。2Aペプチドの自己切断は、好ましくは、少なくとも1つの別個の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、そのシグナルペプチドのない目的のタンパク質、または2つの目的の抗原性(ポリ)ペプチドもしくはタンパク質)を生じる。2Aペプチドはまた、適切には、目的の多鎖(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(例えば、抗体)をコードしている人工核酸(RNA)分子によってコードされ得る。このような人工核酸(RNA)分子は、例えば、2Aペプチドをコードしている核酸配列によって分離された2つの抗体鎖をコードしている2つのコーディング配列を含み得る。
本発明に関して、目的のポリペプチドまたはタンパク質と組み合わされて使用される場合、2Aペプチドは、N末端、C末端および/または目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質内、またはそれらの組み合わせに配置され得る。核酸レベルでは、このような2Aペプチドのためのコーディング配列は、典型的にはフレーム内(つまり、同じリーディングフレーム内)、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のためのコーディング配列の中、5’から当該コーディング配列、または3’から当該コーディング配列、に配置される。
例示的な2Aペプチドは、口蹄疫ウイルス、ウマ鼻炎Aウイルス、Thosea asignaウイルス、豚テシオウイルス−1に由来し得る。本発明において使用することを想定された、特定の2Aペプチドおよびそれをコードしている核酸配列は、WO2017/081082A2に特に開示されており、参照によりその全部が本願に援用される。
アイソフォーム、ホモログ、バリアント、断片、および誘導体
本明細書に記載される目的の(ポリ)ペプチドおよびタンパク質のそれぞれ、ならびに、適用可能な場合には、追加のタグ、配列、リンカー、因子またはドメインのそれぞれはまた、それらのアイソフォーム、ホモログ、バリアント、断片および誘導体を含む。したがって、本発明の人工核酸(RNA)分子は、それらの少なくとも1つのコーディング領域において、少なくとも1つの治療的、抗原性またはアレルゲン性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、および、場合により、本明細書に記載される少なくとも1つの追加のタグ、配列、リンカー、因子もしくはドメイン、またはそれらのアイソフォーム、ホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体をコードし得る。このようなアイソフォーム、ホモログ、バリアント、断片および誘導体は、好ましくは機能的であり、つまり、同じ所望の生物学的特性を示し、および/またはそれぞれの基準(ポリ)ペプチド、タンパク質、タグ、配列、リンカー、因子またはドメインと同じ所望の生物学的機能を発揮することができる。例えば、治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のアイソフォーム、ホモログ、バリアント、断片および誘導体は、好ましくは所望の治療的効果を媒介することができる。抗原性またはアレルゲン性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のアイソフォーム、ホモログ、バリアント、断片および誘導体は、好ましくは所望の抗原性またはアレルゲン性効果を媒介することができ、つまり、より好ましくは、免疫応答またはアレルゲン性反応を誘導することができる。
「アイソフォーム」という用語は、本明細書に記載される(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列の翻訳後修飾(PTM)バリアントを指す。PTMは、所定のタンパク質の共有結合または非共有結合修飾をもたらし得る。一般的な翻訳後修飾には、グリコシル化、リン酸化、ユビキチン化、S−ニトロシル化、メチル化、N−アセチル化、脂質化、ジスルフィド結合形成、硫酸化、アシル化、脱アミノ化などが含まれる。異なるPTMは、例えば、異なる化学的性質、活性、局在、相互作用または立体配座を生じ得る。
「ホモログ」という用語は「オルソログ」および「パラログ」を包含する。「オルソログ」は種分化によって共通の祖先遺伝子から進化した異なる種の遺伝子によってコードされた(ポリ)ペプチドまたはタンパク質またはアミノ酸配列である。「パラログ」は、ゲノム内の遺伝子重複を介して生成された遺伝子である。
(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列に関して、「バリアント」という用語は、「(アミノ酸)配列バリアント」、つまり、基準(または「親」)アミノ酸配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸変異を有する(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列を指す。アミノ酸変異は、アミノ酸の置換、挿入または欠失を含む。用語(アミノ酸)「置換」は、保存的または非保存的アミノ酸置換を指し得る。いくつかの実施形態において、「バリアント」は本質的に保存的アミノ酸置換を含むことが好ましい場合があり、ここで、同じクラスに由来するアミノ酸は互いに交換される。特に、これらは、脂肪族の側鎖、正または負に帯電した側鎖、側鎖またはアミノ酸における芳香族基、水素結合を形成することができる側鎖、例えば、ヒドロキシル機能を有する側鎖、を有するアミノ酸である。保存的構成によって、例えば、極性側鎖を有するアミノ酸は、対応する極性の側鎖を有する別のアミノ酸によって置換されてもよく、または、例えば、疎水性の側鎖によって特徴付けられたアミノ酸は、対応する疎水性側鎖を有する別のアミノ酸によって置換されてもよい(例えば、セリン(トレオニン)をトレオニン(セリン)に置換、またはロイシン(イソロイシン)をイソロイシン(ロイシン)に置換)。
好ましくは、本明細書で用いる用語「バリアント」は、翻訳後タンパク質分解プロセシング(これはN末端メチオニン、シグナルペプチドの除去、および/または不活性もしくは非機能性タンパク質の活性もしくは機能性タンパク質への変換を含み得る)に供されたプレペプチド、プレプロタンパク質、プロタンパク質、などの天然に存在するバリアント、転写バリアント、ならびに天然および操作された変異体(ポリ)ペプチド、タンパク質およびアミノ酸配列を含む。用語「転写バリアント」または「スプライスバリアント」は、最初に同じ遺伝子から転写されるが、その後、選択的(または差分的)スプライシング(ここで、遺伝子の特定のエクソンは最終的に得られるプロセシングされたメッセンジャーRNA(mRNA)内に含まれ得るか、またはそれから除外され得る)に供されるメッセンジャーRNAから産生される(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列のバリアントを指す。本明細書に規定された「バリアント」は、基準(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列に対して、由来するか、単離するか、関連するか、基づくか、または相同であり得る。「バリアント」(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列は、好ましくはそれぞれの基準(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列のアミノ酸配列と、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%、の配列同一性を有し得る。
(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列に関して、用語「断片」とは、基準(または「親」)(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列の全長アミノ酸配列の連続した部分配列からなる(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列を指す。「断片」とは、そのアミノ酸配列に関して、基準アミノ酸配列と比較してN末端、C末端および/または配列内で切断されたものである。このような切断は、それぞれアミノ酸レベルまたは核酸レベルのいずれかで起こりうる。換言すれば、「断片」は、典型的には全長アミノ酸配列のより短い部分からなり得るものであり、したがって、好ましくは全長基準アミノ酸配列内の対応する連続配列と同一のアミノ酸配列からなる。当該用語は、天然に存在する断片(例えば、天然に存在するインビボプロテアーゼ活性から生じる断片)ならびに操作された断片を含む。断片は、本明細書に記載のような天然に存在する(ポリ)ペプチド、タンパク質もしくはアミノ酸配列、またはそのアイソフォーム、ホモログもしくはバリアントに由来し得る。
「断片」は、それぞれの基準アミノ酸残基の、少なくとも5個の連続するアミノ酸残基、少なくとも10個の連続するアミノ酸残基、少なくとも15個の連続するアミノ酸残基、少なくとも20個の連続するアミノ酸残基、少なくとも25個の連続するアミノ酸残基、少なくとも40個の連続するアミノ酸残基、少なくとも50個の連続するアミノ酸残基、少なくとも60個の連続するアミノ残基、少なくとも70個の連続するアミノ酸残基、少なくとも80個の連続するアミノ酸残基、少なくとも90個の連続するアミノ酸残基、少なくとも100個の連続するアミノ酸残基、少なくとも125個の連続するアミノ酸残基、少なくとも150個の連続するアミノ酸残基、少なくとも175個の連続するアミノ酸残基、少なくとも200個の連続するアミノ酸残基、または少なくとも250個の連続するアミノ酸残基、を含み得る。
「断片」は、基準アミノ酸配列における連続アミノ酸連続配列に対応するアミノ酸の連続配列からなることが好ましく、ここで、断片は、総(つまり、全長)基準アミノ酸配列の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%に相当する。「断片」に対して示される配列同一性は、好ましくは全長基準アミノ酸配列に対するものであり得る。(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列の「断片」は、基準アミノ酸配列に対して、好ましくは少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の、アミノ酸配列同一性を有し得る。
(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列に関して、「誘導体」という用語は、追加の生物学的特性または機能性を含むまたは欠く基準または「親」(ポリ)ペプチド、タンパク質またはアミノ酸配列の修飾を指す。例えば、(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の「誘導体」は、特定の生物学的機能性((さらなる)標的への結合能力または酵素活性など)を付与するドメインの導入または除去によって修飾され得る。他の修飾は、薬物動態学的/薬力学的特性(安定性、生物学的半減期、生体利用効率、吸収;分布および/または減少したクリアランス)を調節し得る。「誘導体」は、アミノ酸配列を、翻訳後にまたは核酸配列レベルで導入または除去することによって調製され得る(標準的な遺伝子操作技術を用いて(Sambrook J et al., 2012 (4th ed.), Molecular cloning: a laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York参照))。「誘導体」は、修飾された全長野生型(ポリ)ペプチド、タンパク質もしくはアミノ酸配列、またはそのアイソフォーム、ホモログ、断片もしくはバリアントに由来し得る、つまり、相当しうる。用語「誘導体」には、さらに、翻訳後に例えばPEG化またはPAS化によって化学的に修飾されるまたは修飾可能な、(ポリ)ペプチド、タンパク質、またはアミノ酸配列が含まれる。
いくつかの実施形態によれば、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質に加えて、さらなる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質が本明細書に規定された少なくとも1つのコーディング配列によってコードされる場合、コードされたペプチドまたはタンパク質は、好ましくはヒストンタンパク質ではなく、レポータータンパク質(例えば、ルシフェラーゼ、GFPおよびそのバリアント(eGFP、RFPまたはBFPなど))ではなく、および/またはアルファ−グロビン、ガラクトキナーゼおよびキサンチン:グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(GPT)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)、ベータ−ガラクトシダーゼ、ガラクトキナーゼ、アルカリホスファターゼ、分泌胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、または抵抗遺伝子(ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシンおよびゼオシンに対する抵抗遺伝子など)を含むマーカーまたは選択タンパク質ではないことが特に好ましい。好ましい実施形態において、人工核酸(RNA)分子は、レポーター遺伝子またはマーカー遺伝子をコードしない。好ましい実施形態において、人工核酸(RNA)分子はルシフェラーゼをコードしない。他の実施形態において、人工核酸(RNA)分子は、GFPまたはそのバリアントをコードしない。
<核酸配列>
本発明の人工核酸(RNA)分子は、本明細書に記載の任意の所望の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードし得る。具体的には、上記人工核酸(RNA)分子は、配列番号42〜45のいずれか一つに記載のアミノ酸配列、または、そのホモログ、バリアント、断片、もしくは誘導体を含むかもしくはそれからなる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている少なくとも一つのコーディング領域を含み得るものであり、好ましくは、配列番号42〜45のいずれか一つに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有すアミノ酸配列、またはこれらの配列のいずれかのバリアントもしくは断片、を有する(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている少なくとも一つのコーディング領域を含み得る。
したがって、本発明の人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号46〜49のいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり得るか;または、上記核酸配列のいずれか1つに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり得る。
本発明は、好ましくは上記コードされたタンパク質の発現を増大させるために、本明細書に規定されているUTR因子に操作可能に連結された目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域の有利な組み合わせを想定する。したがって、好ましくは、上記人工核酸は、配列番号50〜368のいずれか1つに記載の核酸配列、またはその(機能的)バリアント、断片、もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列、を含んでいるかまたはそれからなり得る。
〔核酸分子およびRNA〕
「核酸」、「核酸分子」または「人工核酸分子」という用語は、任意のDNA分子またはRNA分子を意味し、ポリヌクレオチドと同義で使用される。本明細書において、特定のタンパク質および/またはペプチドをコードしている核酸または核酸配列に言及する場合、上記核酸または核酸配列はそれぞれ、好ましくは、適当な宿主(例えば、人間)において、その発現、つまり、特定のタンパク質またはペプチドをコードしている核酸配列の転写および/または翻訳を可能にする調節配列も含む。
本発明の人工核酸分子はDNAであってもよく、好ましくはRNAであってもよい。「RNA」という用語は、上記分子(つまり、それらのRNA配列)を形成するために連結されたそれらのヌクレオチドの特異的な連続性によって特徴付けられるリボ核酸分子を指すことが理解されるのであろう。したがって、「RNA」という用語は、それぞれの文脈において当業者によって容易に理解されるように、RNA分子またはRNA配列を指すために使用され得る。例えば、本発明に関して使用される「RNA」という用語は、好ましくはRNA分子を指す(上記分子は、特に、その特定のRNA配列によって特徴付けられる)。本明細書に記載される配列修飾に関して、「RNA」という用語は、(修飾された)RNA配列に関連すると理解されるものであるが、典型的には(それらのRNA配列に関して修飾された)得られるRNA分子も含む。好ましい実施形態において、RNAは、mRNA、ウイルスRNA、自己複製RNAまたはレプリコンRNA、好ましくはmRNAであり得る。
[モノシストロン性、バイシストロン性またはマルチシストロン性RNA]
好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、モノシストロン性、バイシストロン性、またはマルチシストロン性であってもよい。バイシストロン性またはマルチシストロン性RNAは、典型的には2つ(バイシストロン性)以上(マルチシストロン性)のオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。
これに関して、オープンリーディングフレームは、ペプチドまたはタンパク質に翻訳可能なコドンの配列である。バイシストロン性またはマルチシストロン性人工核酸(RNA)分子中のコーディング配列は、同じか、または好ましくは別個の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードし得る。これに関して、「別個の」(ポリ)ペプチドまたはタンパク質とは、異なるアミノ酸配列を有する異なる遺伝子によってコードされ、異なる生物化学的または生物学的特性を示し、異なる生物学的機能を有し、および/または異なる種に由来する(ポリ)ペプチドまたはタンパク質を意味する。換言すれば、二つ以上の「別個の」(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング配列は、例えば、(a)タンパク質Aおよびタンパク質B(ここで、AおよびBはそれぞれ、遺伝子A’およびB’に由来する)、または(b)ヒトタンパク質Aおよびマウスタンパク質A、または(c)タンパク質Aおよびタンパク質A’(ここで、タンパク質A’はAのバリアント、断片、または誘導体であり、任意に、Aと比較して異なるアミノ酸配列および/または異なる生物化学的または生物学的特性を示す)をコードし得る。
バイシストロン性またはマルチシストロン性人工核酸(RNA)分子は、例えば、2つ以上、つまり、少なくとも2、3、4、5、6またはそれ以上の(好ましくは別個の)目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードし得る。
いくつかの実施形態において、二つ以上の(好ましくは別個の)目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング配列は、少なくとも1つのIRES(内部リボソーム進入部位)配列によって、バイシストロン性またはマルチシストロン性人工核酸(RNA)分子中で分離され得る。「IRES」(内部リボソーム進入部位)という用語は、翻訳開始を可能にするRNA配列を指す。IRESは、単独のリボソーム結合部位として機能することができるが、互いに独立してリボソームによって翻訳されるべきいくつかの(好ましくは別個の)目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質(またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体)をコードするバイシストロン性またはマルチシストロン性人工核酸(RNA)分子さえも提供する役割も果たすことができる。本発明において使用することができるIRES配列の例は、ピコルナウイルス(例えば、FMDV)、ペスチウイルス(CFFV)、ポリオウイルス(PV)、脳心筋炎ウイルス(ECMV)、口蹄疫ウイルス(FMDV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、古典的豚コレラウイルス(CSFV)、マウス角膜白斑ウイルス(MLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)またはコオロギ麻痺ウイルス(CrPV)に由来するものである。
さらなる実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング配列は、アミノ酸リンカー配列と連結された、または連結されていない、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個以上の、好ましくは別個の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードし得るものであり、ここで、上記リンカー配列は、剛性リンカー、柔軟性リンカー、切断可能リンカー(例えば、自己切断ペプチド)またはそれらの組み合わせを含み得る。
好ましくは、人工核酸(RNA)分子は約50〜約20000、または100〜約20000個のヌクレオチド、好ましくは約250〜約20000個のヌクレオチド、より好ましくは約500〜約10000、さらにより好ましくは約500〜約5000個のヌクレオチドの長さを含む。
本発明の人工核酸(RNA)分子は、さらに一本鎖構造または、二本鎖構造を有する。二本鎖RNAまたはDNAとして提供される場合、人工核酸分子は、好ましくはセンス鎖および対応するアンチセンス鎖を含む。
[核酸修飾]
本発明の人工核酸分子、好ましくはRNAは、修飾核酸の形態で提供され得る。本発明に関して想定される適切な核酸修飾を以下に記載する。
好ましい実施形態によれば、本発明の少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子は「修飾されている」、つまり、本明細書に規定されたような少なくとも1つの修飾を含み得る。上記修飾は好ましくは本明細書に記載された配列修飾または(化学)核酸塩基修飾であってもよい。本明細書に規定された「修飾」は、好ましくは上記人工核酸(RNA)分子の安定化をもたらす。より好ましくは、したがって、本発明は「安定化された」人工核酸(RNA)分子を提供する。好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、したがって、「安定化された」人工核酸(RNA)分子、特にmRNAとして提供することができ、これは、(例えば、エキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼによる)インビボ分解に対して本質的に耐性を有する。
<核酸塩基修飾>
本発明の人工核酸分子は、そのヌクレオチドにおいて、より具体的にはリン酸バックボーン、糖部位または核酸塩基において修飾されてもよい。換言すれば、「修飾された」人工核酸(RNA)分子は、ヌクレオチド/ヌクレオシドアナログ/修飾(修飾ヌクレオチドまたはヌクレオシド)、例えば、バックボーン修飾、糖修飾または核酸塩基修飾を含み得ることが本発明において想定される。
<リン酸バックボーン修飾>
本発明の人工核酸分子はバックボーン修飾、つまり、そのリン酸バックボーンにおいて修飾されたヌクレオチドを含んでもよい。「バックボーン修飾」という用語は、バックボーン修飾された核酸分子を安定化させ得るヌクレオチドのリン酸バックボーンの化学修飾を指す。したがって、「バックボーン修飾」は。上記人工核酸(RNA)分子に含まれるヌクレオチドのバックボーンのリン酸塩を化学的に修飾する修飾と理解される。
バックボーンのリン酸基は、1つ以上の酸素原子を別の置換基で置換することによって修飾され得る。さらに、修飾ヌクレオチドは、本明細書に記載のように、修飾されていないリン酸部分を修飾されたリン酸塩で全置換することを含み得る。
修飾リン酸基の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸、ボラノリン酸エステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルまたはアリールホスホネートおよびホスホトリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。ホスホロジチオエートは、両方の非リンク酸素が硫黄に置き換えられている。ホスファートリンカーはまた、リンク酸素を窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)および炭素(架橋メチレン−ホスホネート)で置換することによって修飾され得る。
好ましくは、「バックボーン修飾」人工核酸分子、好ましくはRNAは、ホスホロチオエート修飾バックボーンを含み得るものであり、ここで、リン酸バックボーンに含まれるリン酸酸素の好ましくは少なくとも1つは硫黄原子で置換される。さらに適切なリン酸バックボーン修飾としては、例えば、帯電ホスホネート酸素がアルキルまたはアリール基、または帯電酸素残基がアルキル化形態で存在するホスホジエステルおよびアルキルホスホトリエステルで置換されている、アルキルおよびアリールホスホネートなどの非イオン性リン酸アナログの組み込みが挙げられる。このようなバックボーン修飾は、典型的にはメチルホスホネート、ホスホロアミダートおよびホスホロチオエート(例えば、シチジン−5’−O−(1−チオリン酸))からなる群からの修飾を含むが、これらに限定されない。
<糖修飾>
本発明の人工核酸分子は糖修飾、つまり、その糖部位が修飾されたヌクレオチドを含み得る。「糖修飾」という用語は、ヌクレオチドの糖部位の化学修飾を意味する。したがって、「糖修飾」は、人工核酸(RNA)分子のヌクレオチドの糖質の化学修飾として理解される。
例えば、2’ヒドロキシル基(OH)は、多くの異なる「オキシ」または「デオキシ」置換基で修飾または置換することができる。「オキシ」2’ヒドロキシル基修飾の例としては、アルコキシまたはアリールオキシ(−OR、例えば、R=H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖);ポリエチレングリコール(PEG)、−O(CHCHO)nCHCHOR;2’ヒドロキシルが例えばメチレン架橋によって同じリボース糖の4’炭素に連結される「固定」核酸(locked nucleic acids:LNA);およびアミノ基(−O−アミノ、ここで、アミノ基(例えば、NRR)は、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノまたはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、ポリアミノであり得る)またはアミノアルコキシが含まれるが、これらに限定されない。
「デオキシ」修飾は、水素、アミノ(例えば、NH;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸)を含み;あるいは、アミノ基はリンカーを介して糖に結合してもよく、ここで、リンカーは原子C、N、およびOの1つ以上を含む。
修飾糖部位は、リボース中の対応する炭素の立体化学的構成と比較して反対の立体化学的構成を有する1つ以上の炭素を含み得る。したがって、糖修飾人工核酸(RNA)分子は、糖として、例えば、アラビノースを含むヌクレオチドを含み得る。
<核酸塩基修飾>
発明の人工核酸分子は核酸塩基修飾、つまり、その核酸塩基部分が修飾されたヌクレオチドを含み得る。「核酸塩基修飾」という用語はヌクレオチドの核酸塩基部分の化学修飾を指す。したがって、「核酸塩基修飾」は人工核酸(RNA)分子のヌクレオチドの核酸塩基の化学修飾として理解される。その核酸塩基部分(「ヌクレオシドアナログ」または「ヌクレオチドアナログ」とも呼ばれる)が修飾された適切なヌクレオチドまたはヌクレオシドは、有利に、人工核酸(RNA)分子の安定性を増大させ、および/またはその少なくとも1つのコーディング領域によってコードされた(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現を増進することができる。
RNA中に見られる核酸塩基の例としては、アデニン、グアニン、シトシンおよびウラシルが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本明細書に記載のヌクレオチドは、主溝面上で化学的に修飾され得る。いくつかの実施形態では、主溝の化学修飾は、アミノ基、チオール基、アルキル基、ハロゲン基を含み得る。
以下の好ましい「ヌクレオシド修飾(ヌクレオシドアナログ)」に言及する場合、それぞれの修飾ヌクレオチド(ヌクレオチドアナログ)が等しく想定され、逆もまた同様である。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチドアナログ/修飾は、核酸塩基修飾から選択され、好ましくは、2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5’−三リン酸、2−アミノプリン−リボシド−5’−三リン酸;2−アミノアデノシン−5’−三リン酸、2’−アミノ−2’−デオキシシチジン−三リン酸、2−チオシチジン−5’−三リン酸、2−チオウリジン−5’−三リン酸、2’−フルオロチミジン−5’−三リン酸、2’−O−メチル−イノシン−5’−三リン酸、4−チオウリジン−5’−三リン酸、5−アミノアリルシチジン−5’−三リン酸、5−アミノアリルウリジン−5’−三リン酸、5−ブロモシチジン−5’−三リン酸、5−ブロモウリジン−5’−三リン酸、5−ブロモ−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン−5’−三リン酸、5−ヨードシチジン−5’−三リン酸、5−ヨード−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸、5−ヨードウリジン−5’−三リン酸、5−ヨード−2’−デオキシウリジン−5’−三リン酸、5−メチルシチジン−5’−三リン酸、5−メチルウリジン−5’−三リン酸、5−プロピニル−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸、5−プロピニル−2’−デオキシウリジン−5’−三リン酸、6−アザシチジン−5’−三リン酸、6−アザウリジン−5’−三リン酸、6−クロロプリンリボシド−5’−三リン酸、7−デアザアデノシン−5’−三リン酸、7−デアザグアノシン−5’−三リン酸、8−アザアデノシン−5’−三リン酸、8−アジドアデノシン−5’−三リン酸、ベンズイミダゾール−リボシド−5’−三リン酸、N1−メチルアデノシン−5’−三リン酸、N1−メチルグアノシン−5’−三リン酸、N6−メチルアデノシン−5’−三リン酸、O6−メチルグアノシン−5’−三リン酸、プソイドウリジン−5’−三リン酸、またはピューロマイシン−5’−三リン酸、キサントシン−5’−三リン酸、から選択される。特に好ましいのは、5−メチルシチジン−5’−三リン酸、7−デアザグアノシン−5’−三リン酸、5−ブロモシチジン−5’−三リン酸、およびプソイドウリジン−5’−三リン酸から成る塩基修飾ヌクレオチドの群から選択された、塩基修飾のためのヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドには、ピリジン−4−オン リボヌクレオシド、5−アザ−ウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオウリジン、4−チオ−プソイドウリジン、2−チオ−プソイドウリジン、5−ヒドロキシウリジン、3−メチルウリジン、5−カルボキシメチル−ウリジン、1−カルボキシメチル−プソイドウリジン、5−プロピニル−ウリジン、1−プロピニル−プソイドウリジン、5−タウリノメチルウリジン、1−タウリノメチル−プソイドウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウリジン、1−タウリノメチル−4−チオ−ウリジン、5−メチル−ウリジン、1−メチル−プソイドウリジン、4−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、2−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−ジヒドロプソイドウリジン、2−メトキシウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−プソイドウリジン、および4−メトキシ−2−チオ−プソイドウリジン、が含まれる。
いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドには、5−アザ−シチジン、プソイドイソシチジン、3−メチル−シチジン、N4−アセチルシチジン、5−ホルミルシチジン、N4−メチルシチジン、5−ヒドロキシメチルシチジン、1−メチル−プソイドイソシチジン、ピロロ−シチジン、ピロロ−プソイドイソシチジン、2−チオ−シチジン、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−チオ−プソイドイソシチジン、4−チオ−1−メチル−プソイドイソシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドイソシチジン、1−メチル−1−デアザ−プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−プソイドイソシチジン、および4−メトキシ−1−メチル−プソイドイソシチジン、が含まれる。
他の実施形態では、修飾ヌクレオシドには、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノプリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチルアデノシン、N6−メチルアデノシン、N6−イソペンテニルアデノシン、N6−(cis−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2−メチルチオ−N6−(cis−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6−グリシニルカルバモイルアデノシン、N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、2−メチルチオ−N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6−ジメチルアデノシン、7−メチルアデニン、2−メチルチオ−アデニン、および2−メトキシ−アデニンが含まれる。
他の実施形態において、修飾ヌクレオシドには、イノシン、1−メチル−イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7−デアザ−グアノシン、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−グアノシン、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−メチルイノシン、6−メトキシ−グアノシン、1−メチルグアノシン、N2−メチルグアノシン、N2,N2−ジメチルグアノシン、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、1−メチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシン、およびN2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン、が含まれる。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチドは主溝面上で修飾されてもよく、ウラシルのC−5上の水素をメチル基またはハロ基で置換することを含んでもよい。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシドは5’−O−(1−三リン酸)−アデノシン、5’−O−(1−三リン酸)−シチジン、5’−O−(1−三リン酸)−グアノシン、5’−O−(1−三リン酸)−ウリジンまたは5’−O−(1−三リン酸)−プソイドウリジンである。
いくつかの実施形態では、本発明の修飾人工核酸(RNA)分子は、6−アザ−シチジン、2−チオ−シチジン、α−チオ−シチジン、プソイド−イソ−シチジン、5−アミノアリル−ウリジン、5−ヨード−ウリジン、N1−メチル−プソイドウリジン、5,6−ジヒドロウリジン、α−チオ−ウリジン、4−チオ−ウリジン、6−アザ−ウリジン、5−ヒドロキシ−ウリジン、デオキシ−チミジン、5−メチル−ウリジン、ピロロ−シチジン、イノシン、α−チオ−グアノシン、6−メチル−グアノシン、5−メチル−シトジン、8−オキソ−グアノシン、7−デアザ−グアノシン、N1−メチル−アデノシン、2−アミノ−6−クロロ−プリン、N6−メチル−2−アミノ−プリン、プソイド−イソ−シチジン、6−クロロ−プリン、N6−メチル−アデノシン、α−チオ−アデノシン、8−アジド−アデノシン、7−デアザ−アデノシン、から選択されるヌクレオシド修飾を含み得る。
いくつかの実施形態において、修飾人工核酸(RNA)分子(または本明細書に規定されている任意の他の核酸、特にRNA)は、本明細書に記載のような化学修飾のいずれも含まない。このような修飾人工核酸は、それでも、以下に記載されるような脂質修飾または配列修飾を含み得る。
<脂質修飾>
さらなる実施形態によれば、本発明の人工核酸分子(RNA)は、少なくとも1つの脂質修飾を含み得る。
本発明のこのような「脂質修飾」人工核酸分子(RNA)は、典型的には(i)本明細書に規定されている人工核酸分子(RNA)、(ii)上記人工核酸分子(RNA)に共有結合した少なくとも1つのリンカー、(iii)それぞれのリンカーに共有結合した少なくとも1つの脂質、を含む。
あるいは、「脂質修飾」人工核酸分子(RNA)は、上記人工核酸分子(RNA)と(リンカーなしで)共有結合した少なくとも1つの人工核酸分子(RNA)および少なくとも1つの(二官能性)脂質を含み得る。
あるいは、「脂質修飾」人工核酸分子(RNA)は、(i)人工核酸分子(RNA)、(ii)上記人工核酸分子(RNA)に共有結合した少なくとも1つのリンカー、および(iii)それぞれのリンカーに共有結合した少なくとも1つの脂質、さらに(iv)上記人工核酸分子(RNA)に(リンカーなしで)共有結合した少なくとも1つの(二官能性)脂質を含み得る。
これに関して、脂質修飾が直鎖状人工核酸分子(RNA)の末端に存在することが特に好ましい。
<配列修飾>
好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸分子(RNA、好ましくはmRNA)は、「配列修飾されている」、つまり、以下に記載するような少なくとも1つの配列修飾を含む。特定の理論に拘束されるべきではないが、このような配列修飾は、本発明の人工核酸分子(RNA)の安定性を増大させ、および/または発現を増進し得る。
<G/C含有量修飾>
好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子、より好ましくはmRNAは、そのグアノシン/シトシン(G/C)含有量を修飾することによって、好ましくは少なくとも1つのコーディング配列のG/C含有量を修飾することによって修飾され、それにより、安定化され得る。換言すれば、人工核酸分子(RNA)は好ましくはG/C修飾されていてもよく、つまり、好ましくは、G/C修飾(コーディング)配列を含んでもよい。
「G/C修飾」核酸(RNA)配列は、典型的には修飾野生型核酸(RNA)配列に基づき、上記野生型核酸(RNA)配列と比較して変更された数のグアノシンおよび/またはシトシンヌクレオチドを含む核酸(RNA)配列を含む核酸(RNA)を指す。このような変更された数のG/Cヌクレオチドは、アデノシンまたはチミジンヌクレオチドを含むコドンをグアノシンまたはシトシンヌクレオチドを含む「同義」コドンで置換することによって生成され得る。したがって、コドン置換は、好ましくは、コードされたアミノ酸残基を変化させずに核酸(RNA)のG/C含有量のみを変化させる。
本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の人工核酸分子(RNA)のコーディング配列のG/C含有量は、それぞれの野生型、つまり修飾されていない核酸(RNA)のコーディング配列のG/C含有量と比較して、修飾されており、特に、増加している。本発明の人工核酸分子(RNA)によってコードされたアミノ酸配列は、好ましくはそれぞれの野生型核酸(RNA)によってコードされたアミノ酸配列と比較して修飾されていない。
「G/C修飾」核酸分子(RNA)の提供は、増加したG(グアノシン)/C(シトシン)含有量を有する核酸(RNA)配列は、一般的に、増加したA(アデノシン)/U(ウラシル)含有量を有する核酸(RNA)配列よりも安定であるという発見に基づく。
したがって、本発明によれば、本発明の人工核酸分子(RNA)のコドンは、翻訳されたアミノ酸配列を保持しながら、それぞれの野生型核酸(RNA)と比較して量の増加したG/Cヌクレオチドを含むように変化している。
いくつかのコドンが1つの同じアミノ酸をコードするという事(いわゆる遺伝暗号の縮重)に関しては、安定性に最も好ましいコドンを決定することができる(いわゆる代替コドン使用頻度)。本発明の人工核酸分子(RNA)によってコードされるアミノ酸に依存して、その野生型配列と比較して、その核酸配列を修飾するための種々の可能性が存在する。コドンにコードされるアミノ酸は、GまたはCヌクレオチドのみを含むので、コドンの修飾は不要である。
したがって、Pro(CCCまたはCCG)、Arg(CGCまたはCGG)、Ala(GCCまたはGCG)およびGly(GGCまたはGGG)のコドンは、AまたはUが存在しないので、修飾を必要としない。一方、Aおよび/またはUヌクレオチドを含むコドンは、同じアミノ酸をコードするがAおよび/またはUを含まない他のコドンに置換されることによって修飾され得る。これらの例は以下の通りである:Proのコドンは、CCUまたはCCAからCCCまたはCCGに変更され得る;Argのコドンは、CGUまたはCGAまたはAGAまたはAGGからCGCまたはCGGに変更され得る;Alaのコドンは、GCUまたはGCAからGCCまたはGCGに変更され得る;Glyのコドンは、GGUまたはGGAからGGCまたはGGGに変更され得る。他の場合、AまたはUヌクレオチドがコドンから排除できずとも、Aおよび/またはUヌクレオチドの含有量がより少ないコドンを使用することによって、AおよびUの含有量を低下させることができる。これらの例は、以下の通りである:Pheのコドンは、UUUからUUCに変更され得る;Leuのコドンは、UUA、UUG、CUUまたはCUAからCUCまたはCUGに変更され得る;Serのコドンは、UCUまたはUCAまたはAGUからUCC、UCGまたはAGCに変更され得る;Tyrのコドンは、UAUからUACに変更され得る;Cysのコドンは、UGUからUGCに変更され得る;HisのコドンはCAUからCACに変更され得る;Glnのコドンは、CAAからCAGに変更され得る;Ileのコドンは、AUUまたはAUAからAUCに変更され得る;Thrのコドンは、ACUまたはACAからACCまたはACGに変更され得る;Asnのコドンは、AAUからAACに変更され得る;Lysのコドンは、AAAからAAGに変更され得る;Valのコドンは、GUUまたはGUAからGUCまたはGUGに変更され得る;Aspのコドンは、GAUからGACに変更され得る;Gluのコドンは、GAAからGAGに変更され得る;終止コドンUAAは、UAGまたはUGAに変更され得る。一方、メチオニン(Met)(AUG)およびトリプトファン(Trp)(UGG)のコドンの場合、配列の修飾はできない。上記に列挙した置換は、その特定の野生型核酸配列(つまり、オリジナル配列)と比較して、本発明の人工核酸配列、好ましくはRNA配列(または本明細書に規定されている任意の他の核酸配列)のG/C含有量を増大させるために、個別に、またはすべての考えられる組み合わせで使用することができる。したがって、例えば、野生型配列中に存在するThrについての全てのコドンは、ACC(またはACG)に変更され得る。しかしながら、好ましくは、例えば、上記の置換可能性の組み合わせが使用される:
オリジナル配列(野生型RNA)中のThrをコードするすべてのコドンのACC(またはACG)への置換および
Serを元来コードするすべてのコドンのUCC(またはUCGまたはAGC)への置換;オリジナル配列においてIleをコードする全てのコドンをAUCにした置換、および、
元来Lysをコードする全てのコドンをAAGにした置換、および、
元来Tyrをコードする全てのコドンをUACにした置換;オリジナル配列においてValをコードする全てのコドンをGUC(またはGUG)にした置換、および、
元来Gluをコードする全てのコドンをGAGにした置換、および、
元来Alaをコードする全てのコドンをGCC(またはGCG)にした置換、および、
元来Argをコードする全てのコドンをCGC(またはCGG)にした置換;オリジナル配列においてValをコードする全てのコドンをGUC(またはGUG)にした置換、および、
元来Gluをコードする全てのコドンをGAGにした置換、および、
元来Alaをコードする全てのコドンをGCC(またはGCG)にした置換、および、
元来グリシンをコードする全てのコドンをGGC(またはGGG)にした置換、および、
元来Asnをコードする全てのコドンをAACにした置換;オリジナル配列においてValをコードする全てのコドンをGUC(またはGUG)にした置換、および、
元来Pheをコードする全てのコドンをUUCにした置換、および、
元来Cysをコードする全てのコドンをUGCにした置換、および、
元来Leuをコードする全てのコドンをCUG(またはCUC)にした置換、および、
元来Glnをコードする全てのコドンをCAGにした置換、および、
元来Proをコードする全てののコドンをCCC(またはCCG)にした置換;など。
好ましくは、本発明の人工核酸分子(RNA)のコーディング配列のG/C含有量は、同じ目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードする野生型核酸(RNA)のコーディング配列のG/C含有量と比較して、少なくとも7%、より好ましくは少なくとも15%、特に好ましくは少なくとも20%増加し得る。
好ましい実施形態によれば、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードする領域中の置換可能コドンの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%、95%、またはさらに100%、または野生型核酸(RNA)配列の全配列を置換することができ、それによって得られた「G/C修飾」配列のG/C含有量を増加させる。
これに関して、野生型核酸(RNA)配列と比較して、人工核酸分子(RNA)、好ましくはその少なくとも1つのコーディング配列のG/C含有量を最高(つまり、置換可能コドンの100%)まで増大させることが特に好ましい。
<レアコドンの置換>
人工核酸分子(RNA)の別の好ましい修飾は、翻訳効率は、細胞におけるtRNAの発生の異なる頻度によっても決定されるという発見に基づく。したがって、いわゆる「レアコドン」が人工核酸分子(RNA)中に増加した程度で存在する場合、対応する修飾核酸(RNA)配列は、比較的「頻出する」tRNAをコードするコドンを含む核酸(RNA)配列よりも低い効果で翻訳される。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の修飾人工核酸分子(RNA)において、コーディング領域はこのように対応する野生型核酸(RNA)のコーディング領域と比較して修飾され、その結果、細胞において比較的まれなtRNAをコードする野生型配列の少なくとも1つのコドンが、細胞内で比較的頻出するものであり、比較的稀なtRNAと同じアミノ酸を有するtRNAをコードするコドンと交換される。
これにより、頻繁に存在するtRNAが利用可能なコドンが挿入されるように、本発明の人工核酸分子(RNA)の配列が修飾される。
そのため、細胞において比較的まれなtRNAをコードする野生型核酸(RNA)配列のすべてのコドンは、細胞において比較的頻出し、それぞれの場合において、比較的まれなtRNAと同じアミノ酸を運ぶtRNAをコードするコドンと交換され得る。細胞中の特定tRNAの頻度は、当業者に周知である;例えば、Akashi, Curr. Opin. Genet. Dev. 2001, 11(6): 660-666を参照のこと。(ヒト)細胞中の所定のアミノ酸(例えば、Gly)に対して最も頻出するtRNAを動員するコドンが特に好ましい。
本発明によれば、修飾された(好ましくは増加した、より好ましくは最大化された)G/Cを、上記人工核酸分子(RNA)のコーディング配列によってコードされたアミノ酸配列を修飾することなく、上記のような「頻出する」コドン使用頻度と組み合わせることが特に好ましい。このような「組み合わせられた」修飾は、好ましくは結果として得られた修飾人工核酸分子(RNA)の翻訳効果および安定化の向上をもたらす。
本明細書に記載の配列修飾(例えば、G/C含有量の増加、およびtRNAの交換)を示す修飾人工核酸分子(RNA)は、WO02/098443に説明されているように、コンピュータプログラムの助けを借りて提供することができ、その開示内容は、その全範囲が本発明に含まれる。このコンピュータプログラムを用いて、任意の所望の核酸、特にRNAのヌクレオチド配列をコンピュータを用いて修飾し、それにより、それぞれの野生型核酸(RNA)配列と同じ(非修飾)アミノ酸配列をコードしながら、頻出するtRNAを動員するコドンと組み合わされた最大G/C含有量を示す核酸(RNA)配列を有する修飾人工核酸分子(RNA)を得ることができる。
あるいは、基準配列と比較して、G/C含有量またはコドン使用のいずれかを個別に変更することもできる。Visual Basic 6.0のソースコード(使用した開発環境:Microsoft Visual Studio Enterprise 6.0 with Servicepack 3)もWO02/098443に記載されている。
<A/U含有量修飾>
さらに好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸分子(RNA)のリボソーム結合部位のまたはその付近のA/U含有量は、それぞれの野生型核酸(RNA)のリボソーム結合部位のまたはその付近のA/U含有量と比較して増加している。リボソーム結合部位の周りのA/U含有量を増加させることによって、好ましくはリボソーム結合効果が向上し得る。リボソーム結合部位(コザック配列)に結合する効果的なリボソームは、好ましくは人工核酸分子(RNA)の効率的な翻訳を促進する。
<DSE修飾>
さらに好ましい実施形態によれば、人工核酸分子(RNA)は、潜在的に不安定化する配列エレメントに対して修飾され得る。特に、上記人工核酸分子(RNA)のコーディング配列および/または5’および/または3’非翻訳領域は、任意の不安定化配列エレメント(DSE)を除去することによって、それぞれの野生型核酸(RNA)と比較して修飾され得るが、修飾された人工核酸分子(RNA)のコードされたアミノ酸配列は好ましくはそのそれぞれの野生型核酸(RNA)と比較して修飾されない。
真核生物RNAは、インビボで核酸分子(RNA)の酵素分解を媒介するシグナルタンパク質を引き出すことができる不安定化配列エレメント(DSE)を含み得る。例示的なDSEにはAUリッチ配列(AURES)が含まれ、これは多数の不安定RNAの3’−UTRにおいて生じる(Caput et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1986, 83: 1670 to 1674)。トランスフェリン受容体をコードしている遺伝子の3’−UTRセグメントに含まれる、考えられるエンドヌクレアーゼ、例えば、配列GAACAAGによって認識される配列モチーフもまた、この用語に包含される(Binder et al., EMBO J. 1994, 13: 1969 to 1980)。
このようなDSEを本発明の人工核酸分子(RNA)の核酸配列から、特にそのコーディング領域および/またはその3’および/または5’−UTR因子から除去または実質的に除去することによって、人工核酸分子(RNA)が好ましくは安定化される。
したがって、本発明の人工核酸分子(RNA)は、上記人工核酸分子(RNA)が不安定化配列エレメント(DSE)を欠くように、それぞれの野生型核酸(RNA)と比較して修飾され得る。
<ヒトコドン使用頻度に適応した配列>
本発明の人工核酸(RNA)分子のさらに好ましい修飾は、同じアミノ酸をコードしているコドンが典型的には種々の頻度で生じるという知見に基づく。
さらに好ましい実施形態によれば、修飾された人工核酸分子(RNA)において、コーディング配列は、それぞれの野生型核酸(RNA)の対応する領域と比較して修飾される。ここで、当該修飾は、例えば表2に示されるヒトコドン使用頻度において、同じアミノ酸をコードしているコドンの頻度が、そのコドンの自然発生頻度に相当するように行われる。
例えば、野生型核酸分子(RNA)のコーディング配列は、コドン「GCC」(Ala用)が0.40の頻度で使用され、コドン「GCT」(Ala用)が0.28の頻度で使用され、コドン「GCA」(Ala用)が0.22の頻度で使用され、コドン「GCG」(Ala用)が0.10などの頻度で使用されるなどように適応させられ得る(表2参照)。
Figure 2021501572
Figure 2021501572
Figure 2021501572
<コドン最適化された配列>
上述したように、本発明の好ましい実施形態では、比較的まれなtRNAをコードする野生型核酸配列の全てのコドンを、同じアミノ酸を担持する比較的頻出するtRNAを比較的まれなtRNAとしてコードするコドンと交換することができる。
最も頻出するコドンが、それぞれのコードされたアミノ酸に対して使用されることが特に好ましい(表2参照、最も頻出するコドンはアスタリスクでマークされている)。このような最適化工程によって、コドン適応指数(CAI)を増加させ、最終的にCAIを最大化する。本発明に関して、CAIが増加または最大化した核酸(RNA)配列は、典型的には「コドン最適化」および/または「CAI増加」および/または「最大化」核酸(RNA)配列と呼ばれる。好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸分子(RNA)は少なくとも1つのコーディング配列を含み、ここで、コーディング配列は本明細書に記載のように「コドン最適化」される。より好ましくは、少なくとも1つのコーディング配列のコドン適応指数(CAI)は、少なくとも0.5、少なくとも0.8、少なくとも0.9または少なくとも0.95であり得る。最も好ましくは、少なくとも1つのコーディング配列のコドン適応指数(CAI)は1であり得る。
例えば、野生型核酸分子(RNA)のコーディング配列は、最も頻出する(ヒト)コドンがそれぞれのコードされたアミノ酸、例えば、Alaの「GCC」またはCysの「TGC」について常に使用されるように適応させられ得る。
<C最適化配列>
好ましい実施形態によれば、人工核酸分子(RNA)は、特にその少なくとも1つのコーディング配列において、その核酸(RNA)配列のシトシン(C)含有量を変化させる、好ましくは増加させることによって修飾される。
好ましい実施形態において、本発明の人工核酸分子(RNA)のコーディング配列のC含有量は、それぞれの野生型(非修飾)核酸(RNA)のコーディング配列のC含有量と比較して、修飾され、好ましくは増加される。本発明の人工核酸分子(RNA)の少なくとも1つのコーディング配列によってコードされたアミノ酸配列は、好ましくはそれぞれの野生型核酸(RNA)によってコードされたアミノ酸配列と比較して修飾されていない。
好ましい実施形態において、上記修飾人工核酸分子(RNA)は、理論上考えられる最大シトシン含有量の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%、または少なくとも90%、あるいは、最大シトシン含有量さえ達成されるように修飾されてもよい。
さらに好ましい実施形態において、「シトシン含有量を最適化可能」である野生型核酸(RNA)配列のコドンの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはさらには100%が、野生型配列中に存在するものよりも高いシトシン含有量を有するコドンによって置換される。
さらに好ましい実施形態において、比較的頻出するtRNAの置換コドンが元の野生型コドンの比較的まれなtRNAと同じアミノ酸を担持しているならば、細胞において比較的まれなtRNAのコドンが細胞において比較的頻出するtRNAのコドンと交換されるように、野生型コーディング配列のいくつかのコドンをさらに修飾してもよい。好ましくは、比較的まれなtRNAの全てのコドンは、いかなるシトシンも含まないコドンによって排他的にコードされたアミノ酸をコードしているコドンを除き、またはそれぞれ同数のシトシンを含む2つのコドンによってコードされたグルタミン(Gln)を除き、細胞において比較的頻出するtRNAのコドンによって置換され得る。
本発明のさらに好ましい実施形態において、修飾人工核酸分子(RNA)は、理論上考えられる最大シトシン含有量の少なくとも80%、または少なくとも90%、あるいは最大シトシン含有量さえも、細胞中の比較的頻出するtRNAをコードするコドンによって達成されるように修飾され得るものであり、ここで、少なくとも1つのコーディング領域によってコードされたアミノ酸配列は変化しないままである。
遺伝暗号の天然の縮退により、2つ以上のコドンが、特定のアミノ酸をコードし得る。したがって、20個の天然に存在するアミノ酸のうちの18個は、二つ以上のコドン(TrypおよびMetを除く)、例えば、2個のコドン(例えば、Cys、Asp、Glu)、3個のコドン(例えば、Ile)、4個のコドン(例えば、Al、Gly、Pro)または6個のコドン(例えば、Leu、Arg、Ser)によってコードされる。しかしながら、同じアミノ酸をコードしている全てのコドンがインビボ状態で同じ頻度で利用されるわけではない。それぞれの単一の生体によって、典型的なコドン使用プロフィール(profile)が確立される。
用語「シトシン含有量最適化可能コドン」は、同じアミノ酸をコードしている他のコドンよりも低いシトシン含有量を示すコドンを指す。したがって、同じアミノ酸をコードしており、そのコドン内でより多くのシトシンを示す別コドンに置換され得る任意の野生型コドンは、シトシン最適化可能(C最適化可能)であると考えられる。野生型コーディング配列内の特定のC最適化コドンによるC最適化可能野生型コドンのこのような置換は、その全体C含有量を増加させ、Cに富む修飾核酸(RNA)配列を反映する。
いくつかの好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子、特にその少なくとも1つのコーディング配列は、全ての潜在的なC最適化可能コドンに対してC最適化コドンを含んでいるC最大化された配列を含むか、またはそれからなる。したがって、理論上置換可能なC最適化可能コドンの100%または全部を、好ましくは、コーディング配列の全長にわたってC最適化コドンで置き換えてもよい。
これに関して、シトシン含有量最適化可能コドンは、同じアミノ酸をコードする他のコドンよりも少ない数のシトシンを含むコドンである。
アミノ酸AlaをコードするコドンGCG、GCA、GCUは、同じアミノ酸をコードしているコドンGCCによって交換され得、および/または
CysをコードするコドンUGUは、同じアミノ酸をコードしているコドンUGCによって交換され得るものであり、および/または
AspをコードするコドンGAUは、同じアミノ酸をコードしているコドンGACによって交換され得るものであり、および/または
PheをコードするコドンUUUは、同じアミノ酸をコードしているコドンUUCによって交換され得るものであり、および/または
GlyをコードするコドンGGG、GGA、GGUのいずれかは、同じアミノ酸をコードしているコドンGGCによって交換され得るものであり、および/または
HisをコードするコドンCAUは、同じアミノ酸をコードしているコドンCACによって交換され得るものであり、および/または
IleをコードするコドンAUA、AUUのいずれかは、コドンAUCによって交換され得るものであり、および/または
LeuをコードするコドンUUG、UUA、CUG、CUA、CUUは、同じアミノ酸をコードしているコドンCUCによって交換され得るものであり、および/または
AsnをコードするコドンAAUは、同じアミノ酸をコードしているコドンAACによって交換され得るものであり、および/または
ProをコードするコドンCCG、CCA、CCUのいずれかは、同じアミノ酸をコードしているコドンCCCによって交換され得るものであり、および/または
ArgをコードするコドンAGG、AGA、CGG、CGA、CGUのいずれかは、同じアミノ酸をコードしているコドンCGCによって交換され得るものであり、および/または
SerをコードするコドンAGU、AGC、UCG、UCA、UCUのいずれかは、同じアミノ酸をコードしているコドンUCCによって交換され得るものであり、および/または
ThrをコードするコドンACG、ACA、ACUのいずれかは、同じアミノ酸をコードしているコドンACCによって交換され得るものであり、および/または
ValをコードするコドンGUG、GUA、GUUは、同じアミノ酸をコードしているコドンGUCによって交換され得るものであり、および/または
TyrをコードするコドンUAUは、同じアミノ酸をコードしているコドンUACによって交換され得る。
上記のいずれの場合でも、シトシンの数は交換されたコドン当たり1個増加する。コーディング配列のC最適化されていない全てのコドン(C最適化可能コドンに対応する)の交換によって、「C最大化」コーディング配列が得られる。本発明に関して、本発明の人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング配列内のC最適化されていないコドンの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%を「C最適化」コドンで置き換えることができる。
いくつかのアミノ酸については、C最適化コドンで置換されたC最適化可能コドンの割合は70%未満であることが好ましく、一方、他のアミノ酸については、C最適化の全体の割合がコーディング配列の全C最適化可能な野生型コドンの少なくとも70%であることを満たすように、置換されたコドンの割合は70%よりも高くてもよい。
好ましくは、「C最適化」人工核酸(RNA)分子において、任意の所定のアミノ酸についてのC最適化可能な野生型コドンの少なくとも50%が「C最適化」コドンによって置き換えられてもよく、例えば、任意の修飾されたCに富む核酸(RNA)分子は、好ましくは上記のアミノ酸Ala、Cys、Asp、Phe、Gly、His、Ile、Leu、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、ValおよびTyrのいずれか1つをコードしているC最適化可能な野生型コドンにおいて、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%のC最適化コドンを含む。
これに関して、シトシン含有量最適化可能ではなく、少なくとも2つのコドンによってコードされるアミノ酸をコードしているコドンは、さらなる選択プロセシングなしに使用され得る。しかしながら、例えば、ヒト細胞である細胞において比較的まれなtRNAをコードする野生型配列のコドンは、両方が同じアミノ酸をコードする場合、細胞において比較的頻出するtRNAをコードするコドンと交換することができる。
したがって、Gluをコードしている比較的まれなコドンGAAは、同じアミノ酸をコードしている比較的頻出するコドンGAGによって交換され得るものであり、および/または
Lysをコードしている比較的まれなコドンAAAは、同じアミノ酸をコードしている比較的頻出するコドンAAGによって交換され得るものであり、および/または
Glnをコードしている比較的まれなコドンCAAは、同じアミノ酸をコードしている比較的頻出するコドンCAGによって交換され得る。
これに関して、アミノ酸Met(AUG)およびTrp(UGG)は、それぞれ1つのコドンのみによってコードされ、変化しないままである。終止コドンはシトシン含有量が最適化されていないが、比較的まれな終止コドンであるアンバーやオーカー(UAA、UAG)は、比較的頻出する終止コドンであるオパール(UGA)に交換され得る。
上記に列挙した単一の置換は、それぞれの野生型核酸(RNA)配列と比較して、修飾人工核酸分子(RNA)のシトシン含有量を最適化するために、個々に、ならびに考えられるすべての組み合わせで使用することができる。
したがって、本明細書に規定されている少なくとも1つのコーディング配列は、さらなるシトシンを含み同じアミノ酸をコードするC最適化コドンとコドンが交換されるように、つまり、コードされたアミノ酸配列が、コードされた野生型アミノ酸配列と比較して好ましくは修飾されないように、それぞれの野生型核酸(RNA)配列のコーディング配列と比較して、修飾され得る。
特に好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、(本明細書中で特定される5’−UTRおよび3’−UTR因子に加えて)少なくとも1つの本明細書に規定されているコーディング配列を含み、ここで、(a)上記人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング配列のG/C含有量は、対応する野生型核酸(RNA)、のコーディング配列のG/C含有量と比較して増加している、および/または(b)ここで、上記人工核酸分子(RNA)の少なくとも1つのコーディング配列のC含有量は、対応する野生型核酸(RNA)のコーディング配列のC含有量と比較して増加している、および/または(c)ここで、上記人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング配列におけるコドンはヒトコドン使用頻度に適合し、ここで、コドン適応指数(CAI)は好ましくは上記人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング配列において増加または最大化され、ここで、上記人工核酸(RNA)分子によってコードされるアミノ酸配列は好ましくは対応する野生型核酸(RNA)によってコードされるアミノ酸配列と比較して修飾されていない。
<修飾核酸配列>
上記の配列修飾は、概して、本明細書に記載の核酸(RNA)配列のいずれかに適用され得るものであり、本明細書に規定されている目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている核酸配列を含むかまたはそれらからなるコーディング配列に適用されることが特に想定される。修飾(化学修飾、脂質修飾および配列修飾を含む)は、適切であるかまたは必要であれば、組み合わされた修飾が互いに干渉しないことを条件として、かつ好ましくはコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質が好ましくは機能的である、つまり所望の生物学的特性を示すかまたは所望の生物学的機能を発揮することを条件として、任意の組み合わせで互いに組み合わされてもよい。
したがって、好ましい実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子は、目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている少なくとも1つのコーディング配列を含み、上記コーディング配列は、上述したように修飾されている。
したがって、いくつかの好ましい実施形態では、本発明に係る人工核酸(RNA)分子は、本明細書に規定された少なくとも1つの5’−UTR因子、本明細書に規定された少なくとも1つの3’−UTR因子、および目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング配列を含み、上記人工核酸(RNA)分子は、配列番号50〜368に記載の核酸配列、または当該配列のいずれか1つのバリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
[5’キャップ]
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、修飾人工核酸(RNA)分子は、好ましくは上記人工核酸(RNA)分子を安定化させるいわゆる「5’キャップ」の付加によって修飾される。
「5’キャップ」は、概して成熟mRNAの5’末端を「キャップ」するエンティティ、典型的には修飾ヌクレオチドエンティティである。5’キャップは、一般的には、修飾ヌクレオチドによって形成されてもよく、特に、グアニンヌクレオチドの誘導体によって形成されてもよい。好ましくは、5’キャップは、5’末端に対して5’−5’−三リン酸結合を介して連結される。5’キャップは、メチル化されてもよく、例えばm7GpppNであってもよい。7GpppNにおいて、Nは、5’キャップを保有する核酸の、5’末端のヌクレオチドであり、通常、mRNAの5’末端である。m7GpppNは、ポリメラーゼIIによって転写されたmRNA中に天然に存在する5’キャップ構造であり、それ故に、m7GpppNは、好ましくは、これに関して、修飾mRNAにおいて含まれる「修飾」とは見なされない。したがって、「修飾」人工核酸(RNA)分子(または本明細書に規定されている任意の他の核酸、特にRNA)は、5’キャップとしてm7GpppNを含み得るが、さらに、上記修飾人工核酸(RNA)分子(または他の核酸)は典型的には本明細書に規定されている少なくとも1つのさらなる修飾を含む。
5’キャップ構造のさらなる例には、グリセリル、逆位デオキシ脱塩基残基(部分)、4’,5’メチレンヌクレオチド、1−(ベータ−D−エリトロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、炭素環状ヌクレオチド、1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L−ヌクレオチド、アルファ−ヌクレオチド、修飾塩基ヌクレオチド、トレオ−ペントフラノシルヌクレオチド、非環状3’,4’−セコヌクレオチド、非環状3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド、非環状3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’−3’−逆位ヌクレオチド部位、3’−3’−逆位脱塩基部位、3’−2’−逆位ヌクレオチド部位、3’−2’−逆位脱塩基部位、1,4−ブタンジオールホスファート、3’−ホスホロアミダート、リン酸ヘキシル、リン酸アミノヘキシル、3’−リン酸塩、3’ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、または橋絡もしくは非架橋性メチルホスホナート部位、が含まれる。これらの修飾5’キャップ構造は、これに関して、少なくとも1つの修飾として見なされる。
特に好ましい修飾5’キャップ構造は、cap1(m7Gの隣のヌクレオチドのリボースのメチル化)、cap2(m7Gの下流2番目ヌクレオチドのリボースのさらなるメチル化)、cap3(m7Gの下流3番目ヌクレオチドのリボースのさらなるメチル化)、cap4(m7Gの下流4番目ヌクレオチドのリボースのメチル化)、ARCA(アンチリバースキャップアナログ)、修飾ARCA(例えば、ホスホチオアート修飾ARCA)、イノシン、N1−メチル−グアノシン、2’−フルオロ−グアノシン、7−デアザ−グアノシン、8−オキソ−グアノシン、2−アミノ−グアノシン、LNA−グアノシン、および2−アジド−グアノシンである。
好ましい実施形態によれば、人工核酸は、RNAの5’末端のキャップ構造(cap−1)に隣接する1番目のヌクレオチドのリボース−2’−O位置の2’−O位置にメチル基を含む。典型的には、基質としてm7GpppNキャップされた人工核酸(好ましくはRNA)を利用し、メチル供与体としてS−アデノシルメチオニン(SAM)を利用して、キャップされたRNA(cap−0)をメチル化してcap−1構造を得る、Cap 2’−O−メチルトランスフェラーゼの作用によってメチル化が達成され得る。cap−1構造は、mRNA翻訳効率を増加させることが報告されており、したがって、本明細書に記載の本発明の人工核酸、好ましくはRNAの発現効果の改善を促進し得る。
[ポリ(A)]
さらに好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ポリ(A)配列を含んでいてもよい。
用語「ポリ(A)配列」はまた、「ポリ(A)テール」または「3’ポリ(A)テール」とも呼ばれ、アデノシンヌクレオチドの配列、例えば、約400までのアデノシンヌクレオチド、例えば、約20〜約400、好ましくは約50〜約400、より好ましくは約50〜約300、さらにより好ましくは約50〜約250、最も好ましくは約60〜約250個のアデノシンヌクレオチドを意味する。本明細書で用いられるように、「ポリ(A)配列」はまた、約10〜200個のアデノシンヌクレオチド、好ましくは約10〜100個のアデノシンヌクレオチド、より好ましくは約40〜80個のアデノシンヌクレオチド、またはさらにより好ましくは約50〜70個のアデノシンヌクレオチドを含み得る。「ポリ(A)配列」は、典型的にはRNA、特にmRNAの3’末端に位置する。
したがって、さらに好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、その3’末端において、典型的には約10〜200個のアデノシンヌクレオチド、好ましくは約10〜100個のアデノシンヌクレオチド、より好ましくは約40〜80個のアデノシンヌクレオチド、さらにより好ましくは約50〜70個のアデノシンヌクレオチドのポリ(A)テールを含み得る。
人工核酸(RNA)分子中のポリ(A)配列は、好ましくはRNAインビトロ転写によるDNA鋳型に由来し得る。あるいは、ポリ(A)配列はまた、DNA鋳型から必ずしも転写されることなく、化学合成の一般的な方法によってインビトロで得られ得る。
さらに、「ポリ(A)配列」または「ポリ(A)テール」は、市販のポリアデニル化キットおよび当該分野で既知の対応するプロトコルを使用して、人工核酸(RNA)分子の酵素的ポリアデニル化によって生成され得る。ポリアデニル化は、典型的にはポリ(A)配列の核酸(RNA)分子への、例えば、早期mRNAへの付加であると理解される。ポリアデニル化はいわゆるポリアデニル化シグナルによって誘発され得る。このシグナルは、好ましくはポリアデニル化される核酸(RNA)配列の3’末端の一連のヌクレオチド内に位置する。ポリアデニル化シグナルは、典型的にはアデニンおよびウラシル/チミンヌクレオチドからなる六量体、好ましくは六量体配列AAUAAAを含む。他の配列、好ましくは六量体配列も考えられる。ポリアデニル化は、例えば、pre−mRNA(早期mRNAとも呼ばれる)のプロセシング過程で起こり得る。典型的には、RNAの成熟(pre−mRNAから成熟mRNAへの成熟)はポリアデニル化工程を含む。
したがって、本発明の人工核酸(RNA)分子は、特定のタンパク質因子(例えば、切断ポリアデニル化特異因子(CPSF)、切断促進因子(CstF)、切断因子IおよびII(CF IおよびCF II)、ポリ(A)ポリメラーゼ(PAP))によってポリアデニル化を(転写された)RNAに搬送するポリアデニル化シグナルを含み得る。
これに関して、NN(U/T)ANAコンセンサス配列を含むコンセンサスポリアデニル化シグナルが好ましい。特に好ましい態様において、ポリアデニル化シグナルは、以下の配列の1つを含んでいる:AA(U/T)AAAまたはA(U/T)(U/T)AAA(ここで、ウリジンは通常RNAにおいて存在し、チミジンは通常DNAにおいて存在する)。
[ポリ(C)]
いくつかの実施形態によれば、人工核酸(RNA)分子は、典型的には約10〜200個のシトシンヌクレオチド、好ましくは約10〜100個のシトシンヌクレオチド、より好ましくは約20〜70個のシトシンヌクレオチド、またはさらにより好ましくは約20〜60個またはさらに10〜40個のシトシンヌクレオチドの3’末端上のポリ(C)テールを含み得る。
[ヒストンステムループ(ヒストンSLまたはHSL)]
いくつかの実施形態によれば、人工核酸(RNA)分子は、ヒストンステムループ配列/構造を含み得る。このようなヒストンステムループ配列は、好ましくはWO2012/019780に開示されるようなヒストンステムループ配列から選択され、その開示は参照により本願に援用される。
本発明において好適に使用されるヒストンステムループ配列としては、以下の式(I)または(II)の少なくとも1つから選ばれるものが好ましい:
式(I)(ステム境界エレメントを有さないステムループ配列):
Figure 2021501572
式(II)(ステム境界エレメントを有するステムループ配列):
Figure 2021501572
式中、
ステム1またはステム2の境界エレメントN1−6は、1〜6個の、好ましくは2〜6個の、より好ましくは2〜5個の、さらにより好ましくは3〜5個の、最も好ましくは4〜5個または5個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;
ステム1[N0−2GN3−5]は、ステム2のエレメントと逆相補的、または、部分的に逆相補的であり、かつ、5〜7個のヌクレオチドが連続した配列であり;
ここでN0−2は、0〜2個の、好ましくは0〜1個の、より好ましくは1個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;
ここでN3−5は、3〜5個の、好ましくは4〜5個の、より好ましくは4個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され、ならびに、
ここでGは、グアノシンまたはその類似物であり、ステム2におけるその相補的なヌクレオチドであるシチジンがグアノシンによって置き換えられている条件の下で、任意にシチジンまたはその類似物によって置換されてもよく;
ループ配列[N0−4(U/T)N0−4]は、ステム1およびステム2のエレメントの間に位置しており、かつ、3〜5個のヌクレオチド、より好ましくは4個のヌクレオチドが連続した配列であり;
ここで、それぞれのN0−4は、別のN0−4から独立して、0〜4個の、好ましくは1〜3個の、より好ましくは1〜2個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;ならびに、
ここで、U/Tは、ウリジン、または任意でチミジンであり;
ステム2[N3−5CN0−2]は、ステム1のエレメントと逆相補的または部分的に逆相補的であり、かつ、5〜7個のヌクレオチドが連続した配列であり;
ここでN3−5は、3〜5個の、好ましくは4〜5個の、より好ましくは4個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され、ならびに、
ここでN0−2は、0〜2個の、好ましくは0〜1個の、より好ましくは1個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;
ここでCは、シチジンまたはその類似物であり、ステム1におけるその相補的なヌクレオシドであるグアノシンがシチジンによって置換されている条件の下で、任意でグアノシンまたはその類似物によって置換されてもよく;
ここで、
ステム1およびステム2は、互いに、逆相補的配列である塩基対の形成が可能であり、
ここで、当該塩基対の形成は、例えば、ヌクレオチドAおよびU/TもしくはGおよびCのワトソン−クリック塩基対形成によって、または、非ワトソン−クリック塩基対形成(例えば、ゆらぎ塩基対形成、逆ワトソン−クリック塩基対形成、フーグスティーン型塩基対形成、逆フーグスティーン型塩基対形成)によって、ステム1およびステム2の間で生じ得る。または、ステム1およびステム2は、互いに、部分的に逆相補的配列である塩基対の形成が可能であり、ここで、一方のステムにおける1つ以上の塩基が、他方のステムの逆相補的な配列における相補的な塩基を有していないことに基づいて、不完全な塩基対形成がステム1およびステム2の間で生じる場合がある。
さらなる実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、以下の特定の式(Ia)または(IIa)の少なくとも1つに記載の少なくとも1つのヒストンステムループ配列を含み得る:
式(Ia)(ステム境界エレメントを有さないステムループ配列):
Figure 2021501572
式(IIa)(ステム境界エレメントを有するステムループ配列):
Figure 2021501572
式中、
N、C、G、TおよびUは上記において規定した通りである。
さらなる実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、以下の特定の式(Ib)または(IIb)の少なくとも1つに記載の少なくとも1つのヒストンステムループ配列を含み得る:
式(Ib)(ステム境界エレメントを有さないステムループ配列):
Figure 2021501572
式(IIb)(ステム境界エレメントを有するステムループ配列):
Figure 2021501572
式中、
N、C、G、TおよびUは上記において規定した通りである。
特に好ましいヒストンステムループ配列は、配列CAAAGGCTCTTTTCAGAGCCACCA(配列番号37)またはより好ましくは対応するRNA配列CAAAGGCUCUUUUCAGAGCCACCA(配列番号38)である。
[構成物]
少なくとも1つの5’−UTR因子、少なくとも1つの3’−UTR因子および任意に少なくとも1つの本明細書に規定されているコーディング配列を含む本発明の人工核酸(RNA)分子は、任意に、少なくとも1つのヒストンステムループ、ポリ(A)および/またはポリ(C)配列をさらに含んでもよい。その中において、因子は、人工核酸(RNA)分子の配列に沿って5’から3’までにおいて任意の順序で起こり得る。
さらに、本発明の人工核酸(RNA)分子は本明細書に規定されている安定化配列(例えば、グロビン遺伝子のUTRに由来するもの)、IRES配列などの、本明細書に記載のさらなる因子を含み得る。因子のそれぞれはまた、少なくとも1回、例えば、2回以上、本発明の人工核酸(RNA)分子中で(特に、二シストロン性またはマルチシストロン性構成物において)、繰り返され得る。例えば、個々の因子は、以下の順序で本発明の人工核酸(RNA)分子中、好ましくはRNA中に存在し得る:
5’−コーディング配列−ヒストンステムループ−ポリ(A)/(C)配列−3’;または
5’−コーディング配列−ポリ(A)/(C)配列−ヒストンステムループ−3’;または
5’−コーディング配列−ヒストンステムループ−ポリアデニル化シグナル−3’;または
5’−コーディング配列−ポリアデニル化シグナル−ヒストンステムループ−3’;または
5’−コーディング配列−ヒストンステムループ−ヒストンステムループ−ポリ(A)/(C)配列−3’;または
5’−コーディング配列−ヒストンステムループ−ヒストンステムループ−ポリアデニル化シグナル−3’;または
5’−コーディング配列−安定化配列−ポリ(A)/(C)配列−ヒストンステムループ−3’;または
5’−コーディング配列−安定化配列−ポリ(A)/(C)配列−ポリ(A)/(C)配列−ヒストンステムループ−3’など。
さらなる実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、任意で、以下の構造因子の少なくとも1つをさらに含み得る:ヒストンステムループ構造、好ましくはその3’非翻訳領域におけるヒストンステムループ;5’キャップ構造;ポリ−Aテール;および/またはポリ(C)配列。
具体的には、本発明の人工核酸(RNA)分子は、好ましくは5’から3’の方向に以下の因子を含み得る:
a)5’キャップ構造、好ましくはm7GpppNまたはCap1;
b)本明細書に規定されている5’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる5’−UTR因子であって、好ましくは配列番号項1〜22に記載の核酸配列に対応する核酸配列またはそのホモログ、断片もしくはバリアントを含む5’−UTR因子;
c)少なくとも1つの本明細書に規定されているコーディング配列;
d)本明細書に規定されている3’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる3’−UTR因子であって、好ましくは配列番号23〜36に記載の核酸配列に対応する核酸配列またはそのホモログ、断片もしくはバリアントを含む3’−UTR因子、
e)任意に、好ましくは10〜1000、10〜500、10〜300、10〜200、10〜100、40〜80または50〜70個のアデノシンヌクレオチドからなるポリ(A)テール、
f)任意に、好ましくは10〜200、10〜100、20〜70、20〜60または10〜40個のシトシンヌクレオチドからなるポリ(C)テール、および
g)任意に、ヒストンステムループ。
好ましい人工核酸構成物を、以下に詳細に記載する。
HSD17B4由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号54〜60のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NDUFA4由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NDUFA4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびPSMB3遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号188〜193のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
SLC7A3由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、SLC7A3遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびPSMB3遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号313〜319のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NOSIP由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NOSIP遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびPSMB3遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号229〜235のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NOSIP由来5’−UTR因子およびGNAS由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NOSIP遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号250〜256のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
MP68由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、MP68遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびPSMB3遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号145〜151のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
MP68由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、MP68遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号152〜158のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
MP68由来5’−UTR因子およびGNAS由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、MP68遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号166〜172のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
UBQLN2由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、UBQLN2遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号362〜368のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ASAH1由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ASAH1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号96〜102のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
HSD17B4由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号89〜95のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
HSD17B4由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号61〜67のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NOSIP由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NOSIP遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号243〜249のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NDUFA4由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係る人工核酸は、NDUFA4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸は、配列番号222〜228のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NOSIP由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NOSIP遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号257〜263のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NDUFA4由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NDUFA4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号201〜207のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NDUFA4由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NDUFA4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号215〜221のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ATP5A1由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号110〜116のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
SLC7A3由来5’−UTR因子およびGNAS由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、SLC7A3遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号334〜340のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
HSD17B4由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号82〜88のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
SLC7A3由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、SLC7A3遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号341〜347のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
SLC7A3由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、SLC7A3遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号348〜354のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
TUBB4B由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、TUBB4B遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号355〜361のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
RPL31由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、RPL31遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号306〜312のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
MP68由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、MP68遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号180〜187のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NOSIP由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NOSIP遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号264〜270のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ATP5A1由来5’−UTR因子およびRPS9由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびRPS9遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号138〜144のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ATP5A1由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号117〜123のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ATP5A1由来5’−UTR因子およびGNAS1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号124〜130のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ATP5A1由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号131〜137のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
ATP5A1由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ATP5A1遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびPSMB3遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号103〜109のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
HSD17B4由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号68〜74のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
HSD17B4由来5’−UTR因子およびGNAS1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、HSD17B4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号75〜81のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
MP68由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、MP68遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号159〜165のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
MP68由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、MP68遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号173〜179のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NDUFA4由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NDUFA4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号194〜200のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NDUFA4由来5’−UTR因子およびGNAS1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NDUFA4遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号208〜214のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
NOSIP由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、NOSIP遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号236〜242のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
RPL31由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、RPL31遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号278〜284のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
RPL31由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、RPL31遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号285〜291のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
RPL31由来5’−UTR因子およびGNAS1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、RPL31遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびGNAS1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号292〜298のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
RPL31由来5’−UTR因子およびNDUFA1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、RPL31遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号299〜305のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
SLC7A3由来5’−UTR因子およびCASP1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、SLC7A3遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCASP1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号320〜326のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
SLC7A3由来5’−UTR因子およびCOX6B1由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、SLC7A3遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号327〜333のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
RPL31由来5’−UTR因子およびPSMB3由来3’−UTR因子:
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、RPL31遺伝子の5’−UTRに由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体、およびPSMB3遺伝子の3’−UTRに由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、またはそのホモログ、断片、バリアントもしくは誘導体を含み;ここで、上記人工核酸(RNA)分子は、好ましくは配列番号271〜277のいずれか1つに記載の核酸配列、またはそのホモログ、バリアント、断片もしくは誘導体、特に、これらの配列のいずれかに対して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、またはさらに97%の配列同一性を有する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる。
[複合体形成]
好ましい実施形態において、本発明の少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子は複合形態で提供され得るものであり、つまり、1つ以上の(ポリ)カチオン性化合物、好ましくは(ポリ)カチオン性ポリマー、(ポリ)カチオン性ペプチドまたはタンパク質、例えば、プロタミン、(ポリ)カチオン性多糖類および/または(ポリ)カチオン性脂質と複合体化または会合され得る。これに関して、用語「複合体化された」または「会合された」は、少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子と1つ以上の上述の化合物との、より大きな複合体またはアセンブリへの、典型的には共有結合なしの、本質的に安定な組み合わせを指す。
<脂質>
好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は脂質(特に、カチオン性および/または中性脂質)と複合体化または会合して、1つ以上のリポソーム、リポプレックス、脂質ナノ粒子、またはナノリポソームを形成する。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子は、脂質ベース製剤の形態で、特に、上記人工核酸(RNA)分子を含むリポソーム、リポプレックス、および/または脂質ナノ粒子の形態で提供されてもよい。
<脂質ナノ粒子>
いくつかの好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は脂質(特に、カチオン性および/または中性脂質)と複合体化または会合して、1つ以上の脂質ナノ粒子を形成する。
好ましくは、脂質ナノ粒子(LNP)は、(a)本発明の少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子、(b)カチオン性脂質、(c)凝集抑制剤(ポリエチレングリコール(PEG)脂質またはPEG修飾脂質など)、(d)任意に、非カチオン性脂質(中性脂質など)、および(e)任意に、ステロール、を含み得る。
いくつかの実施形態では、LNPは、本発明の少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子に加えて、(i)少なくとも1つのカチオン性脂質;(ii)中性脂質;(iii)ステロール、例えば、コレステロール;および(iv)PEG脂質を、カチオン性脂質約20〜60%:中性脂質5〜25%:ステロール25〜55%:PEG脂質0.5〜15%のモル比で含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子がアミノアルコールリピドイド中に配合され得る。本発明で使用され得るアミノアルコールリピドイドは、米国特許番号8,450,298(参照によりその全部が本願に援用される)に記載されている方法で調製することができる。
(i)カチオン性脂質
LNPは、脂質ナノ粒子を形成するのに好適な任意のカチオン性脂質を含み得る。好ましくは、カチオン性脂質は生理的pH程度の正味の陽電荷を帯びている。
カチオン性脂質はアミノ脂質であってもよい。本明細書で用いられる「アミノ脂質」という用語は、1つまたは二つの脂肪酸または脂肪アルキル鎖と、プロトン化されて生理的pHでカチオン性脂質を形成することができるアミノ頭基(アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基を含む)とを有する脂質を含むことを意味する。
カチオン性脂質は、例えば、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウム塩化物(DODAC)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウム臭化物(DDAB)、1,2−ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパン塩化物(DOTAP)(N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩化物および1,2−ジオレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパン塩化物塩としても知られる)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩化物(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、1,2−ジ−y−リノレニルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(γ−DLenDMA)、1,2−ジリノレイルカルバモイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−C−DAP)、1,2−ジリノレイオキシ−3−(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(DLin−DAC)、1,2−ジリノレイオキシ−3−モルホリノプロパン(DLin−MA)、1,2−ジリノレオイル−3−ジメチルアミノプロパン(DLinDAP)、1,2−ジリノレイルチオ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−S−DMA)、1−リノレオイル−2−リノレイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−2−DMAP)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパン塩化物塩(DLin−TMA.Cl)、1,2−ジリノレオイル−3−トリメチルアミノプロパン塩化物塩(DLin−TAP.Cl)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−(N−メチルピペラジノ)プロパン(DLin−MPZ)、または3−(N,N−ジリノレイルアミノ)−l,2−プロパンジオール(DLinAP)、3−(N,N−ジオレイルアミノ)−1,2−プロパンジオ(DOAP)、1,2−ジリノレイルオキソ−3−(2−N,N−ジメチルアミノ)エトキシプロパン(DLin−EG−DMA)、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−K−DMA)またはそのアナログ、(3aR,5s,6aS)−N,N−ジメチル−2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニル)テトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−アミン、(6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,31−テトラエン−19−イル−4−ジメチルアミノ)ブタノエート(MC3)、1,1’−(2−(4−(2−((2−(ビス(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)エチルアザネジイル)ジドデカン−2−オール(C12200)、2,2−ジリノレイル−4−(2−ジメチルアミノエチル)−[1,3]−ジオキソラン(DLin−K−C2−DMA)、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−K−DMA)、(6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,31−テトラエン−19−イル−4−(ジメチルアミノ)ブタノエート(DLin−M−C3−DMA)、3−((6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,3−1−テトラエン−19−イルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(MC3エーテル)、4−((6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,31−テトラエン−19−イルオキシ)−N,N−ジメチルブタン−1−アミン(MC4エーテル)、またはこれらのいずれかの組み合わせ、であり得る。
他の好適なカチオン性脂質には、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウム臭化物(DDAB)、3P−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル)コレステロール(DC−Chol)、N−(l−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−2−(スペルミンカルボキシアミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオラセテート(DOSPA)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(DOGS)、l,2−ジレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(DOPE)、l,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、N−(l,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウム臭化物(DMRIE)、および2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[l,3]−ジオキソラン(XTC)、が含まれるが、これらに限定されない。さらに、例えば、リポフェクチン(GIBCO/BRLから利用可能なDOTMAおよびDOPEを含む)、およびリポフェクタミン(GIBCO/BRLから利用可能なDOSPAおよびDOPEを含む)などのカチオン性脂質の市販の製剤を使用することができる。
他の好適なカチオン性脂質は、国際公開番号WO09/086558、WO09/127060、WO10/048536、WO10/054406、WO10/088537、WO10/129709、およびWO2011/153493; 米国特許公開番号2011/0256175、2012/0128760、おひょび2012/0027803;米国特許番号8,158,601;およびLove et al, PNAS, 107(5), 1864-69, 2010に開示されている。
他の好適なアミノ脂質としては、別の脂肪酸基および他のジアルキルアミノ基を有するアミノ脂質が挙げられる。当該アミノ脂質としては、そのアルキル置換基が違っている(例えば、N−エチル−N−メチルアミノ−、およびN−プロピル−N−エチルアミノ−)ものが挙げられる。一般的に、飽和アシル鎖が少ないアミノ脂質は、特に、濾過滅菌する目的のために複合体の大きさを約0.3ミクロン未満にする必要がある場合に、より簡単に大きさを調整することができる。炭素鎖長がC14〜C22の範囲である不飽和脂肪酸を含むアミノ脂質を使用してもよい。アミノ脂質において、アミノ基と脂肪酸または脂肪アルキル部分とを分離するために、他の骨格を使用してもよい。
さらに好ましい実施形態では、LNPは、特許出願PCT/EP2017/064066に記載の式(III)に示すカチオン性脂質を含む。これに関して、PCT/EP2017/064066の開示も参照により本願に援用される。
いくつかの実施形態において、本発明のアミノまたはカチオン性脂質は、少なくとも1つのプロトン化され得る官能基または脱プロトン化され得る官能基を有し、それにより、当該脂質は、生理的pH(例えばpH7.4)以下のpHで正に帯電し、第二のpH(好ましくは、生理的pH以上)で中性になる。当然、pHの機能としてのプロトンの付加または除去は平衡プロセスであり、帯電した脂質またはニュートラルな脂質に関する言及は、優勢な種の特性に関する言及であって、全ての脂質が帯電した形態またはニュートラルな形態で存在する必要はないことが、理解されるべきである。二つ以上のプロトン化され得る官能基もしくは脱プロトン化され得る官能基を有する脂質、または、双性イオン性である脂質も、本発明に使用することができる。
いくつかの実施形態において、プロトン化され得る脂質におけるプロトン化され得る官能基のpKaは、約4〜約11の範囲であり、例えば、約5〜約7のpKaである。
LNPは、二つ以上のカチオン性脂質を含んでもよい。カチオン性脂質は、異なる有用な特性に寄与するように選択することができる。例えば、アミンpKa、化学的安定性、循環中の半減期、組織中の半減期、組織中の正味の蓄積、または毒性などの特性が異なるカチオン性脂質をLNPに使用することができる。特に、混合LNPの特性が個々の脂質の単一LNPの特性よりも望ましくなるように、カチオン性脂質を選択することができる。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、LNP中に存在する全脂質の約20mol%〜約70または75mol%、または約45〜約65mol%、または約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、または約70mol%の比率で存在する。さらなる実施形態では、LNPは、モル基準で約25%〜約75%、例えば、(脂質ナノ粒子中の脂質の総モル数を100%とした場合の)モル基準で約20〜約70%、約35〜約65%、約45〜約65%、約60%、約50%または約40%のカチオン性脂質を含む。いくつかの実施形態では、核酸に対するカチオン性脂質の比率は、約3〜約15、例えば約5〜約13または約7〜約11などである。
いくつかの実施形態において、リポソームは、カチオン性脂質中の窒素原子とRNA中のリン酸とのモル比(N:P比)が、国際公開番号WO2013/006825A1(参照によりその全部が本願に援用される)に記載されているように、1:1〜20:1であってもよい。他の実施形態において、リポソームは、20:1より大きいかまたは1:1未満のN:P比を有し得る。
(ii)中性および非カチオン性脂質
「非カチオン性脂質」は、中性脂質、アニオン性脂質、または両親媒性脂質であってもよい。
中性脂質は、帯電していないかまたは中性のいずれかの、生理的pHの双性イオン性形態で存在する多数の脂質種のいずれかであってもよい。そのような脂質には、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、ケファリン、およびセレブロシドが含まれる。本明細書に記載のLNPにおいて使用するための中性脂質の選択は一般に、例えば、LNPの大きさおよび血流中のLNPの安定性を考慮して行われる。好ましくは、中性脂質は、二つのアシル基(例えば、ジアシルホスファチジルコリンおよびジアシルホスファチジルエタノールアミン)を有する脂質であり得る。
いくつかの実施形態では、中性脂質がC10〜C20の炭素鎖長を有する飽和脂肪酸を含有する。他の実施形態では、C10〜C20の炭素鎖長を有する一価または二価不飽和脂肪酸を含む中性脂質が使用される。さらに、飽和および不飽和脂肪酸鎖の混合物を有する中性脂質を使用してもよい。
好適な中性脂質には、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸塩(DOPE−mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイル−ホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、SM、16−0−モノメチルPE、16−O−ジメチルPE、18−1−トランスPE、1−ステアロイル−2−オレオイル−ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、コレステロール、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明のLNPに好適に使用されるアニオン性脂質には、ホスファチジルグリセロール、カルジオライピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールoアミン、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロール、および、中性脂質に結合した他のアニオン性の修飾物(anionic modifying groups)が含まれるが、これらに限定されない。
「両親媒性脂質」は、脂質材料の疎水性部分が疎水性相に配向し、親水性部分が水相に配向する任意の好適な材料を意味する。このような化合物には、リン脂質、アミノ脂質、およびスフィンゴ脂質が含まれるが、これらに限定されない。代表的なリン脂質としては、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレオイルホスファチジルコリンが挙げられる。スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質ファミリー、ジアシルグリセロール、およびベータ−アシルオキシ酸などの他のリン欠乏化合物も使用することができる。
いくつかの実施形態では、非カチオン性脂質が、LNP中に存在する全脂質の約5mol%〜約90mol%、約5mol%〜約10mol%、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または約90mol%の比率で存在してもよい。
いくつかの実施形態では、LNPは、モル基準で約0%〜約15または45%、例えば、約3〜約12%、または約5〜約10%の中性脂質を含む。例えば、LNPは、(LNP中の脂質の総モル数を100%とした場合に)モル基準で約15%、約10%、約7.5%、または約7.1%の中性脂質を含み得る。
(iii)ステロール
ステロールは、好ましくはコレステロールであってもよい。
ステロールは、LNPの約10mol%〜約60mol%または約25mol%〜約40mol%の比率で存在してもよい。いくつかの実施形態では、ステロールは、LNP中に存在する総脂質の約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または約60mol%の比率で存在する。他の実施形態では、LNPは、(LNP中の脂質の総モル数を100%とした場合に)モル基準で約5%〜約50%、例えば、モル基準で約15%〜約45%、約20%〜約40%、約48%、約40%、約38.5%、約35%、約34.4%、約31.5%または約31%のステロールを含む。
(iv)凝集抑制剤
凝集抑制剤は、凝集を抑制することが可能な脂質であってもよい。
そのような脂質の例には、ポリエチレングリコール(PEG)に修飾された脂質、モノシアロガングリオシドGml、および米国特許第6,320,017号に記載のようなポリアミドオリゴマー(PAO)が含まれるが、これらに限定されない。米国特許第6,320,017号は、参照によりその全部が本願に援用される。帯電していない、親水性の立体バリア部分を有する他の化合物であって、調合中の凝集を防止する他の化合物(PEG、Gml、またはATTA等)も、脂質に結合してもよい。ATTA脂質は、例えば、、米国特許第6,320,017号に記載されており、PEG脂質結合物については、例えば、米国特許第5,820,873号、5,534,499号、および5,885,613号に記載されており、当該それぞれの文献は、参照によりその全部が本願に援用される。
凝集抑制剤には、例えば、PEG−ジアシルグリセロール(DAG)、PEG−ジアルキルグリセロール、PEG−ジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEG−リン脂質、PEG−セラミド(Cer)、またはそれらの混合物(PEG−Cerl4またはPEG−Cer20等)が含まれるがこれらに限定されないポリエチレングリコール(PEG)脂質から選択される。PEG−DAA結合物には、例えば、PEG−ジラウリルオキシプロピル(C12)、PEG−ジミリスチルオキシプロピル(C14)、PEG−ジパルミチルオキシプロピル(C16)、またはPEG−ジステアリルオキシプロピル(C18)が含まれる。他のペグ化された脂質には、ポリエチレングリコール−ジジミリストイルグリセロール(C14−PEGまたはPEG−C14(PEGは2000Daの平均分子量を有する)(PEG−DMG);(R)−2,3−ビス(オクタデシルオキシ)プロピル−1−(メトキシポリ(エチレングリコール)2000)プロピルカルバメート)(PEG−DSG);PEG−カルバモイル−1,2−ジミリスチルオキシプロピルアミン(PEGは2000Daの平均分子量を有する)(PEG−cDMA);N−アセチルガラクトサミン−((R)−2,3−ビス(オクタデシルオキシ)プロピル−1−(メトキシポリ(エチレングリコール)2000)プロピルカルバメート))(GalNAc−PEG−DSG);mPEG(mw2000)−ジアステアロイルホスファチジル−エタノールアミン(PEG−DSPE);およびポリエチレングリコール−ジパルミトイルグリセロール(PEG−DPG)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態においては、凝集抑制剤はPEG−DMGである。他の実施形態では、凝集抑制剤はPEG−c−DMAである。
さらに好ましい実施形態において、LNPはPEG脂質代替物を含み、PEGを含まず、および/またはホスファチジルコリン(PC)置換脂質(例えば、オレイン酸またはそのアナログ)を含む。
さらに好ましい実施形態において、LNPは、特許出願PCT/EP2017/064066に記載の式(IV)を有する凝集抑制剤を含む。
<LNP組成物>
LNPの組成は特に、カチオン性脂質成分の選択、カチオン性脂質飽和度、PEG化の特性、すべての成分の比率、およびその大きさなどの生物物理学的パラメータによって影響され得る。Sempleら(Semple et al. Nature Biotech. 2010 28: 172-176;参照によりその全部が本願に援用される)による一例では、LNP組成物は、57.1%のカチオン性脂質、7.1%のジパルミトイルホスファチジルコリン、34.3%のコレステロール、および1.4%のPEG−c−DMA(Basha et al. Mol Ther. 2011 19:2186-2200;参照によりその全部が本願に援用される)からなる。
いくつかの実施形態では、LNPは、約35〜約45%のカチオン性脂質、約40%〜約50%のカチオン性脂質、約50%〜約60%のカチオン性脂質、および/または約55%〜約65%のカチオン性脂質を含むことができる。いくつかの実施形態では、脂質対核酸の比率が約5:1〜約20:1、約10:1〜約25:1、約15:1〜約30:1および/または少なくとも30:1であってもよい。
PEG修飾脂質におけるPEG部分の平均分子量は、約500〜約8,000ダルトンの範囲(例えば、約1,000〜約4,000ダルトン)であってもよい。ある好ましい実施形態では、PEG部分の平均分子量は、約2,000ダルトンである。
凝集抑制剤の濃度は、LNP中の脂質の総モル量を100%とした場合に、約0.1〜約15mol%の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、LNPは、LNP中の脂質の総モル数に対して、約3、2、または1mol%未満のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。さらなる実施形態では、LNPは、(LNP中の脂質の総モル数を100%とした場合に)モル基準で約0.1%〜約20%、例えば、モル基準に対して約0.5〜約10%、約0.5〜約5%、約10%、約5%、約3.5%、約1.5%、約0.5%、または約0.3%のPEG修飾脂質を含む。
カチオン性脂質、非カチオン性(または中性)脂質、ステロール(例えば、コレステロール)および凝集抑制剤(PEG修飾脂質など)のモル基準(脂質ナノ粒子中の脂質の総モル数に基づく)のモル比が異なる様々なLNPを以下の表3に示す。好ましい実施形態において、本発明の脂質ナノ粒子製剤は、本質的に、モル比で約20〜70%のカチオン性脂質:5〜45%の中性脂質:20〜55%のコレステロール、0.5〜15%のPEG修飾脂質の脂質混合物からなり、より好ましくはモル比で約20〜60%のカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質の脂質混合物からなる。
Figure 2021501572
いくつかの実施形態において、LNPは、以下にさらに詳細に記載するように、リポソームまたはリポプレックスとして生じ得る。
LNPサイズ
いくつかの実施形態では、LNPは、約50nm〜約300nm、例えば約50nm〜約250nm、例えば約50nm〜約200nmの中央径を有する。
いくつかの実施形態では、より小さいLNPを使用することができる。そのような粒子は、0.1um未満から100nmまでの直径を有し得るものであり、例えば、0.1um未満、1.0um未満、5um未満、10um未満、15um未満、20um未満、25um未満、30um未満、35um未満、40um未満、50um未満、55um未満、60um未満、65um未満、70um未満、75um未満、80um未満、85um未満、90um未満、95um未満、100um未満、125um未満、150um未満、175um未満、200um未満、225um未満、250um未満、275um未満、300um未満、325um未満、350um未満、375um未満、400um未満、425um未満、450um未満、475um未満、500um未満、525um未満、550um未満、575um未満、600um未満、625um未満、650um未満、675um未満、700um未満、725um未満、750um未満、775um未満、800um未満、825um未満、850um未満、875um未満、900um未満、925um未満、950um未満、975um未満の径を有し得るが、これらに限定されない。他の実施形態では、核酸は、より小さいLNPを用いて運搬され得るものであり、当該LNPは、約1nm〜約100nm、約1nm〜約10nm、約1nm〜約20nm、約1nm〜約30nm、約1nm〜約40nm、約1nm〜約50nm、約1nm〜約60nm、約1nm〜約70nm、約1nm〜約80nm、約1nm〜約90nm、約5nm〜約100nm、約5nm〜約10nm、約5nm〜約20nm、約5nm〜約30nm、約5nm〜約40nm、約5nm〜約50nm、約5nm〜約60nm、約5nm〜約70nm、約5nm〜約80nm、約5nm〜約90nm、約10〜約50nM、約20〜約50nm、約30〜約50nm、約40〜約50nm、約20〜約60nm、約30〜約60nm、約40〜約60nm、約20〜約70nm、約30〜約70nm、約40〜約70nm、約50〜約70nm、約60〜約70nm、約20〜約80nm、約30〜約80nm、約40〜約80nm、約50〜約80nm、約60〜約80nm、約20〜約90nm、約30〜約90nm、約40〜約90nm、約50〜約90nm、約60〜約90nmおよび/または約70〜約90nm、の直径を有し得る。
いくつかの実施形態では、LNPの直径は、100nmよりも大きく、150nmよりも大きく、200nmよりも大きく、250nmよりも大きく、300nmよりも大きく、350nmよりも大きく、400nmよりも大きく、450nmよりも大きく、500nmよりも大きく、550nmよりも大きく、600nmよりも大きく、650nmよりも大きく、700nmよりも大きく、750nmよりも大きく、800nmよりも大きく、850nmよりも大きく、900nmよりも大きく、950nmよりも大きく、または1000nmよりも大きい。
他の実施形態では、LNPは単一モード粒径分布を有する(つまり、LNPは二モード(bi-modal)または多モード(poly-modal)ではない)。
<他の成分>
LNPは、上記のものに加えて、1つ以上の脂質および/または他の成分をさらに含み得る。
他の脂質は、種々の目的のため(例えば、脂質の酸化を防止するため、またはリガンドをリポソーム表面上に結合させるため)に、リポソーム組成物に含まれ得る。両親媒性、中性、カチオン性およびアニオン性脂質を含む多くの脂質のいずれかがLNP中に存在し得る。このような脂質は、単独で、または組み合わせて使用することができる。
LNP中に存在し得るさらなる成分としては、ポリアミドオリゴマー(例えば、米国特許第6,320,017号参照;参照によりその全部が本願に援用される)、ペプチド、タンパク質、および洗剤などの二重層安定化成分が挙げられる。
<リポソーム>
いくつかの実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、リポソームとして調製される。
カチオン性の脂質をベースとしたリポソームは、静電相互作用によって、負に帯電した核酸(例えば、RNA)と複合体化することができ、この結果、生体適合性、低毒性、および、インビボでの臨床応用のために必要な大規模製造の可能性を提供する複合体が得られる。リポソームは、摂取のために血漿膜と融合することができ、リポソームは、一旦細胞の内部でエンドサイトーシス経路を介して処理され、その後、核酸が、エンドソーム/担体から細胞質へと放出される。リポソームが基本的に生物学的膜の類縁物質であることを考えると、リポソームは、長い間、その優れた生体適合性ゆえ、薬剤運搬ビヒクル媒体として認識されてきており、天然および合成のリン脂質のいずれからも調製が可能である(Int J Nanomedicine. 2014; 9:1833-1843)。
リポソームは、典型的に、水性のコアを囲むカチオン性、アニオン性、または中性の(リン)脂質とコレステロールとで構成され得る、脂質二重層からなっている。脂質二重層と水性の空間とは、いずれも、それぞれ、疎水性または親水性の化合物を組み込むことができる。リポソームは、1つ以上の脂質膜を有し得る。リポソームは、単ラメラと呼ばれる単層であっても、多重ラメラと呼ばれる多層であってもよい。
インビボでのリポソームの特性および挙動は、立体的な安定性を与えるために、親水性のポリマーコーティング(例えばポリエチレングリコール(PEG)をリポソームの表面に加えること)によって、修飾されることができる。さらに、リポソームは、リガンド(例えば、抗体、ペプチドおよび炭水化物)を、その表面へ、または、結合されたPEG鎖の末端へ、結合させることによって、特定のターゲッティングのために使用され得る(Front Pharmacol. 2015 Dec 1;6:286)。
リポソームは、典型的には球形小胞として存在し得るものであり、20nm〜数ミクロンの大きさであり得る。
リポソームは、直径が数百ナノメートルであり、狭い水性の区画によって分離された一連の同心二重層を含み得る多重ラメラ小胞(MLV)、直径が50nm未満であり得る小型単細胞小胞(SUV)、および直径が50〜500nmであり得る大型単ラメラ小胞(LUV)など、様々なサイズであってもよいが、これらに限定されるものではない。リポソームの設計は、不健康な組織へのリポソームの結合を向上させるために、またはエンドサイトーシス(これに限定されない)等の事象を活性化させるために、オプソニンもしくはリガンドを含んでもよいが、これらに限定されない。リポソームは、医薬製剤の運搬を改善するために、低pHまたは高pHを含み得る。
非限定的な例として、合成膜小胞などのリポソームは、米国特許公開番号US20130177638、US20130177637、US20130177636、US20130177635、US20130177634、US20130177633、US20130183375、US20130183373、およびUS20130183372(これらのそれぞれの内容は参照によりその全部が本願に援用される)に記載された方法、器具、およびデバイスによって調製され得るものである。本発明の少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子は、リポソームによってカプセル化され得るものであり、そして/または水性コア中に含まれてからリポソームによってカプセル化され得るものである(国際公開番号WO2012031046、WO2012031043、WO2012030901およびWO2012006378ならびに米国特許公開番号US20130189351、US20130195969およびUS20130202684を参照のこと;これらのそれぞれの内容は参照によりその全部が本願に援用される)。
いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子はリポソーム中に配合され得るものであり、リポソームには、例えば、DiLa2リポソーム(Marina Biotech、Bothell、WA)、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech、Bothell、WA)、中性DOPC(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)ベースのリポソーム(例えば、卵巣癌のためのsiRNA運搬(Landen et al. Cancer Biology & Therapy 2006 5(12)1708-1713);参照によりその全部が本願に援用される)、およびヒアルロナン被覆リポソーム(Quiet Therapeutics、イスラエル)が含まれるが、これらに限定されない。
<リポプレックス>
いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子は、リポプレックス、つまり、核酸層の間に挟まれたカチオン性脂質二重層として配合される。
DOTAP(1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン)およびDOTMA(N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチル−アンモニウムメチル硫酸塩)などのカチオン性脂質は、負に帯電した核酸と静電相互作用により複合体またはリポプレックスを形成してナノ粒子を形成し、高いインビトロトランスフェクション効率を提供することができる。
<ナノリポソーム>
いくつかの実施形態において、本発明の人工核酸(RNA)分子は、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン(DOPC)ベースのナノリポソーム(Adv Drug Deliv Rev. 2014 Feb; 66: 110-116)などの中性脂質系ナノリポソームとして配合される。
<エマルジョン>
いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子は、エマルジョンとして配合される。他の実施形態では、上記人工核酸(RNA)分子は、エマルジョン粒子が分子をエマルジョン粒子に固定する核酸と相互作用可能なオイルコアおよびカチオン性脂質を含む、カチオン性水中油型エマルジョン中に配合される(国際公開番号WO2012006380参照;参照によりその全部が本願に援用される)。いくつかの実施形態では、上記人工核酸(RNA)分子は、親水性相が分散された連続疎水性相を含む油中水型エマルジョン中に配合される。非限定的な例として、エマルジョンは、国際公開番号WO201087791に記載された方法によって作製され得るものであり、その内容は参照によりその全部が本願に援用される。
<(ポリ)カチオン性化合物および担体>
好ましい実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子は、カチオン性またはポリカチオン性の化合物(「(ポリ)カチオン性化合物」)および/またはポリマー担体と複合体化または会合する。
用語「(ポリ)カチオン性化合物」は、典型的には、1〜9のpH値、好ましくは9以下(例えば、5〜9)、または8以下(例えば、5〜8)、または7以下(例えば、5〜7)のpH値、最も好ましくは生理的pH(例えば7.3〜7.4)で正に帯電した(カチオン)荷電分子を指す。
したがって、「(ポリ)カチオン性化合物」は、任意の正に帯電した化合物またはポリマー、好ましくは生理的条件下で、特にインビボでの生理的条件下で、正に帯電したカチオン性のペプチドまたはタンパク質であり得る。「(ポリ)カチオン性のペプチドまたはタンパク質」は、例えば、Arg、His、Lys、またはOrnから選択される、少なくとも1つの正に帯電したアミノ酸、または2つ以上の正に帯電したアミノ酸、を含有し得る。
<(ポリ)カチオン性アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質>
(ポリ)カチオン性化合物は、本発明の人工核酸(RNA)分子の複合体形成または会合のために特に好ましい薬剤であり、プロタミン、ヌクレオリン、スペルミンまたはスペルミジン、あるいはポリ−L−リジン(PLL)、ポリアルギニン、塩基性ポリペプチド、細胞貫通ペプチド(CPP)、(HIV結合ペプチド、HIV−1 Tat(HIV)、Tat由来ペプチド、ペネトラチン、VP22由来ペプチドまたはアナログペプチドを含む)、HSV VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALA、またはタンパク質形質導入ドメイン(PTD)、PpT620、プロリンリッチペプチド、アルギニンリッチペプチド、リジンリッチペプチド、MPG−ペプチド、Pep−1、L−オリゴマー、カルシトニンペプチド、アンテナペディア由来ペプチド(特に、ショウジョウバエのアンテナペディア由来)、pAntp、pIsl、FGF、ラクトフェリン、トランスポータン、ブフォリン−2、Bac715−24、SynB、SynB(1)、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、またはヒストン、などの他のカチオン性ペプチドまたはタンパク質、が含まれる。
好ましくは、本発明の人工核酸(RNA)分子は、1つ以上の(ポリ)カチオン、好ましくはプロタミンまたはオリゴフェクタミン(後述)、最も好ましくは、プロタミンと複合体化され得る。
さらに好ましい(ポリ)カチオン性タンパク質またはペプチドは、以下の式(III)に記載のタンパク質またはペプチドから選択され得る:
Figure 2021501572
式中、l+m+n+o+x=8〜15であり、l、m、nまたはoは、互いと独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15から選択される任意の数であってよく、ただし、Arg、Lys、HisおよびOrnの全含有量が、オリゴペプチドの全てのアミノ酸の少なくとも50%に相当することが条件であり、また、Xaaは、Arg、Lys、HisおよびOrn以外の、天然(=自然界に存在する)アミノ酸または非天然アミノ酸から選択される任意のアミノ酸であってよく、また、xは、0、1、2、3、4から選択される任意の数であってよく、ただし、Xaaの全含有量が、オリゴペプチドの全てのアミノ酸の50%を超えないことが条件である。これに関して、特に好ましいカチオン性ペプチドは、例えば、Arg、Arg、Arg、H、R、H、YSSRSSY、(RKH)、Y(RKH)Rなどである。これに関して、WO2009/030481の開示が参照により本願に援用される。
<(ポリ)カチオン性多糖類>
本発明の人工核酸(RNA)分子と複合体を形成するまたは会合するさらに好ましい(ポリ)カチオン性化合物には、(ポリ)カチオン性多糖類、例えば、キトサン、ポリブレン、カチオン性ポリマー、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)が含まれる。
<(ポリ)カチオン性脂質>
本発明の人工核酸(RNA)分子と複合体を形成するまたは会合するさらに好ましい(ポリ)カチオン性化合物には、(ポリ)カチオン性脂質、例えば、DOTMA:[1−(2,3−シオレイルオキシ)プロピル)]−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩化物、DMRIE、ジ−C14−アミジン、DOTIM、SAINT、DC−Chol、BGTC、CTAP、DOPC、DODAP、DOPE:ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、DOSPA、DODAB、DOIC、DMEPC、DOGS:ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン、DIMRI:ジミリスト−オキシプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム臭化物、DOTAP:ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン、DC−6−14:O,O−ジテトラデカノイル−N−(アルファ−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミン塩化物、CLIP1:rac−[(2,3−ジオクタデシルオキシプロピル)(2−ヒドロキシエチル)]−ジメチルアンモニウム塩化物、CLIP6:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピル−オキシメチルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、CLIP9:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピル−オキシスクシニルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、またはオリゴフェクタミン、が含まれる。
<(ポリ)カチオン性のポリマー>
本発明の人工核酸(RNA)分子と複合体を形成するまたは会合するさらに好ましい(ポリ)カチオン性化合物には、(ポリ)カチオン性ポリマー(例えば、ベータ−アミノ酸ポリマーまたは逆ポリアミドなどの修飾されたポリアミノ酸、PVP(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウム臭化物))などの修飾されたポリエチレン、pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチルメチルアクリレート))などの修飾されたアクリレート、pAMAM(ポリ(アミドアミン))などの修飾されたアミドアミン、ジアミン末端修飾1,4ブタンジオールジアクリレート−co−5−アミノ−1−ペンタノールポリマーなどの修飾されたポリベータアミノエステル(PBAE)、ポリプロピルアミンデンドリマーまたはpAMAM系デンドリマーなどのデンドリマー、PEI:ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)などのポリイミン、ポリアリルアミン、シクロデキストリン系ポリマー、デキストラン系ポリマー、キトサンなどの糖骨格系ポリマー、PMOXA−PDMSコポリマーなどのシラン骨格系ポリマー、または、1つ以上のカチオン性ブロック(例えば、上述のカチオン性ポリマーから選択される)と1つ以上の親水性または疎水性のブロック(例えば、ポリエチレングリコール)との組み合わせからなるブロックポリマー、が含まれる。
<ポリマー担体>
好ましい実施形態によれば、本発明の人工核酸(RNA)分子は、ポリマー担体と複合体を形成するか、または会合することができる。
本発明において使用される「ポリマー担体」としては、ジスルフィド架橋されたカチオン性成分により形成されたポリマー担体を用いることができる。ジスルフィド架橋されたカチオン性成分は、互いに同じであっても異なっていてもよい。ポリマー担体はまた、さらなる成分を含有してもよい。
本発明に用いられるポリマー担体は、本明細書に記載のようにジスルフィド結合によって架橋された、カチオン性ペプチドと、タンパク質またはポリマーと、任意で本明細書に規定されているさらなる成分と、の混合物を含むことが特に好ましい。これに関して、WO2012/013326の開示が参照により本願に援用される。
これに関して、ジスルフィド架橋によるポリマー担体の基礎を形成するカチオン性成分は、典型的にはこの目的に適した任意の好適な(ポリ)カチオン性ペプチド、タンパク質またはポリマー、特に、本発明の人工核酸(RNA)分子を複合体化し、それにより好ましくは縮合することができる任意の(ポリ)カチオン性ペプチド、タンパク質またはポリマーから選択される。(ポリ)カチオン性ペプチド、タンパク質またはポリマーは、好ましくは直線状の分子であり得るが、枝分かれした(ポリ)カチオン性ペプチド、タンパク質またはポリマーもまた使用され得る。
人工核酸(RNA)分子を複合体化するために使用され得る、ポリマー担体のジスルフィド架橋(ポリ)カチオン性タンパク質、ペプチドまたはポリマーは、いずれも、典型的には少なくとも1つの−SH部分を含み、最も好ましくは、本明細書に記載のようなポリマー担体のカチオン性成分として、少なくとも1つのさらなる(ポリ)カチオン性タンパク質、ペプチドまたはポリマーと縮合するとジスルフィド結合を形成することができる、少なくとも1つのシステイン残基または−SH部分を示す任意のさらなる化学基を含む。
上記において規定した通り、本発明の人工核酸(RNA)分子を複合体化するために使用され得るポリマー担体は、ジスルフィド架橋されたカチオン性(またはポリカチオン性)成分によって形成され得る。好ましくは、少なくとも1つの−SH部分を含むか、またはそれを含むようにさらに修飾された、ポリマー担体の(ポリ)カチオン性ペプチドまたはタンパク質またはポリマーは、本明細書に規定されているタンパク質、ペプチドおよびポリマーから選択される。
いくつかの実施形態では、ポリマー担体は、式(IV)に記載のポリマー担体分子から選択され得る:
Figure 2021501572
式中、
およびPは、互いに異なっているか同一であり、直鎖状または分枝鎖状の親水性ポリマー鎖を表し、PおよびPのそれぞれは、成分Pと、あるいは(AA)、(AA)、または[(AA)(これらの成分がPおよびP間またはPおよびP間のリンカーとして使用された場合)および/またはさらなる成分(例えば、(AA)、(AA)、[(AA)またはL)、と縮合するとジスルフィド結合を形成することができる、少なくとも1つの−SH−部分を示し、直鎖状または分枝鎖状の親水性ポリマー鎖は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、ポリ−2−(メタクリロイロキシ)エチルホスホリルコリン、ポリ(ヒドロキシアルキルL−アスパラギン)、ポリ(2−(メタクリロイロキシ)エチルホスホリルコリン)、ヒドロキシエチルスターチまたはポリ(ヒドロキシアルキルL−グルタミン)、から互いに独立して選択され、ここで、親水性ポリマー鎖は、約1kDa〜約100kDa、好ましくは、約2kDa〜約25kDa、またはより好ましくは約2kDa〜約10kDa、例えば、約5kDa〜約25kDaまたは5kDa〜約10kDa、の分子量を示し;
は、例えば、ジスルフィド架橋されたカチオン性成分によって形成されるポリマー担体用の上記において規定した(ポリ)カチオン性ペプチドまたはタンパク質であり、好ましくは、約3〜約100アミノ酸長、より好ましくは約3〜約50アミノ酸長、さらにより好ましくは約3〜約25アミノ酸長、例えば、約3〜10、5〜15、10〜20または15〜25アミノ酸長、より好ましくは約5〜約20の長さ、およびさらにより好ましくは約10〜約20の長さを有し;または、
は、例えば、ジスルフィド架橋されたカチオン性成分によって形成されるポリマー担体用の上記において規定した(ポリ)カチオン性ポリマーであり、典型的には約0.5kDa〜約30kDa、約1kDa〜約20kDa、さらにより好ましくは約1.5kDa〜約10kDa、または約0.5kDa〜約100kDa、約10kDa〜約50kDa、さらにより好ましくは約10kDa〜約30kDa、の分子量を有し;
のそれぞれは、さらなる成分Pまたは成分Pおよび/またはPと縮合すると、あるいはさらなる成分(例えば、(AA)、(AA)、[(AA))と縮合すると、ジスルフィド結合を形成することができる、少なくとも二つの−SH−部分を示し;
−S−S−は、(可逆的)ジスルフィド結合であり(括弧は読みやすのために省略されている)、ここで、Sは、好ましくは(可逆的)ジスルフィド結合を形成した硫黄または−SHを有する部分を表す。(可逆的)ジスルフィド結合は、好ましくは成分PおよびP、PおよびP、またはPおよびP、または任意に本明細書に規定されているさらなる成分(例えば、L、(AA)、(AA)、[(AA)など)のいずれかの−SH−部分の縮合によって形成される;−SH−部分はこれらの成分の構造の一部であってもよく、または以下に規定する改変によって追加されてもよく;
Lは存在しても存在しなくてもよい任意のリガンドであり、RGD、トランスフェリン、葉酸塩、シグナルペプチドまたはシグナル配列、局在化シグナルまたは配列、核局在化シグナルまたは配列(NLS)、抗体、細胞貫通ペプチド(例えば、TATまたはKALA)、受容体のリガンド(例えば、サイトカイン、ホルモン、増殖因子など)、小分子(例えば、マンノースまたはガラクトースまたは合成リガンドなどの炭水化物)、小分子アゴニスト、受容体の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、RGDペプチド模倣性の類縁物質)、または本明細書に規定されている任意のさらなるタンパク質、などからそれぞれ独立して選択され得るものであり;
nは、整数であり、典型的には、約1ないし50の範囲から選択され、好ましくは、約1、2または3ないし30の範囲から選択され、より好ましくは、約1、2、3、4または5ないし25の範囲から選択され、または、約1、2、3、4または5ないし20の範囲から選択され、または、約1、2、3、4または5ないし15の範囲から選択され、または、約1、2、3、4または5ないし10の範囲から選択され、または、例えば、約4ないし9、4ないし10、3ないし20、4ないし20、5ないし20または10ないし20の範囲、または、約3ないし15、4ないし15、5ないし15または10ないし15の範囲、または、約6ないし11または7ないし10の範囲を含む。最も好ましくは、nは、約1、2、3、4または5ないし10の範囲であり、より好ましくは、約1、2、3または4ないし9の範囲、約1、2、3または4ないし8の範囲、または約1、2または3ないし7の範囲である。
これに関して、WO2011/026641の開示が、参照により本願に援用される。親水性ポリマーPおよびPのそれぞれは、典型的には少なくとも1つの−SH−部分を示し、ここで、少なくとも1つの−SH−部分は、成分Pと、あるいは(下記に規定するようにPおよびP間またはPおよびP間のリンカーとして使用された場合の)成分(AA)または(AA)と、(例えば、2つ以上の−SH−成分が含まれている場合の)任意のさらなる成分(例えば、Lおよび/または(AA)または(AA))と、反応するとジスルフィド結合を形成することができる。上記の一般式(IV)内の以下の副式「P−S−S−P」および「P−S−S−P」(括弧は読みやすさのために省略される)(S、PおよびPはいずれも本明細書に規定されている通り)は、典型的には以下の状態を表す:親水性ポリマーPおよびPの1つのSH−部分は上記の一般式(IV)の成分Pの1つのSH−部分で縮合され、これらの−SH−部分の両方の硫黄は式(IV)において本明細書で規定されるジスルフィド結合−S−S−を形成する。これらの−SH−部分は、典型的には親水性ポリマーPおよびPによって、例えば、内部のシステインまたは−SH部分を担持する任意のさらなる(修飾された)アミノ酸または化合物を介して、提供される。したがって、−SH−部分がシステインによって提供される場合、副式「P−S−S−P」および「P−S−S−P」は、「P−Cys−Cys−P」および「P−Cys−Cys−P」とも表記することができる。ここで、Cys−Cysという用語は、ペプチド結合を介してではなく、ジスルフィド結合によって結合された2つのシステインを表す。この場合、これらの式中の用語「−S−S−」は、「−S−Cys」、「−Cys−S」または「−Cys−Cys−」と表記することもできる。これに関して、用語「−Cys−Cys−」は、ペプチド結合を指すものではなく、それらの−SH−部分を介して2つのシステインを連結し、ジスルフィド結合を形成することを指す。したがって、用語「−Cys−Cys−」は、一般に「−(Cys−S)−(S−Cys)−」としても理解され得るものであり、この特定の場合において、Sはシステインの−SH−部分の硫黄を指す。同様に、用語「−S−Cys」および「−Cys−S」は、−SH含有部分とシステインとの間のジスルフィド結合を示し、「−S−(S−Cys)」および「−(Cys−S)−S」とも表記され得る。あるいは、親水性ポリマーPおよびPは、好ましくは−SH部分を担持する化合物との化学反応を介して、−SH部分で修飾され得るものであり、それにより、親水性ポリマーPおよびPのそれぞれは、少なくとも1つのそのような−SH部分を担持する。−SH部分を担持するこのような化合物は、例えば、(追加の)システイン、または−SH部分を担持する任意のさらなる(修飾された)アミノ酸であってもよい。このような化合物は、−SH部分を含むか、本明細書に規定されたような親水性のポリマーPおよびPに−SH部分を導入することが可能な、任意の非アミノ化合物または部分であってもよい。このような非アミノ化合物は、化合物の化学反応または結合を介して、例えば、3−チオプロピオン酸またはチオイモラン(thioimolane)の結合によって、アミド形成(例えばカルボン酸、スルホン酸、アミンなど)によって、Michael付加(例えばマレイニミド(maleinimide)部分、α、β不飽和カルボニルなど)によって、クリック(click)化学(例えばアジドまたはアルキン)によって、アルケン/アルキンメタテシス(methatesis)(例えばアルケンまたはアルキン)によって、イミンまたはヒドロゾン(hydrozone)形成(アルデヒドまたはケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミン)、複合体形成反応(アビジン、ビオチン、Gプロテイン)またはSnタイプの置換反応を可能にする成分(例えばハロゲンアルカン、チオール、アルコール、アミン、ヒドラジン、ヒドラジド、スルホン酸エステル、オキシホスホニウム塩)、または、さらなる成分の結合に利用可能な他の化学部分によって、本発明に係るポリマー担体の式(IV)の親水性のポリマーPおよびPに結合されてもよい。これに関して、特に好ましいPEG誘導体は、アルファ−メトキシ−オメガ−メルカプトポリ(エチレングリコール)である。それぞれの場合において、例えばシステインまたは任意のさらなる(修飾された)アミノ酸もしくは化合物のSH−部分は、親水性ポリマーPおよびPの末端または内部の任意の位置に存在し得る。本明細書に規定されている通り、親水性のポリマーPおよびPのそれぞれは、典型的には、好ましくは1つの末端において、少なくとも1つの−SH−部分を提示するが、2つまたはそれよりも多い−SH−部分を含んでいてもよく、当該−SH−部分は、本明細書に規定されているさらなる成分を追加的に結合させるために用いられてもよい。上記成分は、好ましくは、さらなる機能的なペプチドまたはタンパク質であり、例えば、リガンド、アミノ酸成分(AA)もしくは(AA)、抗体、細胞貫通ペプチド、またはエンハンサーペプチド(例えばTATもしくはKALA)などである。
<重量比率およびN/P比率>
本発明のいくつかの実施形態では、人工核酸(RNA)分子は、(ポリ)カチオン性化合物またはポリマー担体と会合または複合体化され、ここで、核酸と(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体との重量比率は、任意に、約6:1(w/w)〜約0.25:1(w/w)、より好ましくは約5:1(w/w)〜約0.5:1(w/w)、さらにより好ましくは約4:1(w/w)〜約1:1(w/w)または約3:1(w/w)〜約1:1(w/w)、最も好ましくは約3:1(w/w)〜約2:1(w/w)でから選択され、または、任意に、(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体に対する核酸(RNA)の窒素/リン酸(N/P)比率は、約0.1〜10の範囲であり、好ましくは約0.3〜4または0.3〜1の範囲であり、最も好ましくは約0.5〜1または0.7〜1の範囲であり、さらに最も好ましくは約0.3〜0.9または0.5〜0.9の範囲である。より好ましくは、1つ以上のポリカチオンに対する少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子のN/P比率は、約0.1〜10の範囲であり、約0.3〜4、約0.5〜2、約0.7〜2、および約0.7〜1.5の範囲を含む。
本発明の人工核酸(RNA)分子はまた、上記人工核酸(RNA)分子のトランスフェクション効率を増加させるためのビヒクル、トランスフェクションまたは複合体形成剤と会合され得る。
これに関して、人工核酸(RNA)分子は、好ましくは少なくとも部分的に、(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体、好ましくはカチオン性タンパク質またはペプチドと複合体化され得る。これに関して、WO2010/037539およびWO2012/113513の開示が参照により本願に援用される。「部分的に」とは、上記人工核酸(RNA)分子の一部のみが(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体と複合体化され、一方、上記人工核酸(RNA)分子の残りは複合体化されていない(「遊離」)形態で存在することを意味する。
好ましくは、複合体化された人工核酸(RNA)分子の遊離人工核酸(RNA)分子に対するモル比は、約0.001:1〜約1:0.001のモル比(約1:1の比を含む)から選択され得る。より好ましくは、複合体化された人工核酸(RNA)分子の遊離人工核酸(RNA)分子に対する比率は、約5:1(w/w)〜約1:10(w/w)の範囲から、より好ましくは約4:1(w/w)〜約1:8(w/w)の範囲から、さらにより好ましくは約3:1(w/w)〜約1:5(w/w)または1:3(w/w)の範囲から、最も好まし約1:1(w/w)の比率から選択され得る。
本発明の複合体化された人工核酸(RNA)分子は、好ましくは、第一段階として、人工核酸(RNA)分子を、(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体、好ましくは本明細書に規定されているもの、と特定の比率で複合体化して、安定な複合体を形成することによって調製される。これに関して、上記人工核酸(RNA)分子を複合体化した後、複合体化された人工核酸(RNA)分子の画分中に、遊離(ポリ)カチオン性化合物またはポリマー担体が残存しないか、またはそれらのごくわずかな量のみが残存することが非常に好ましい。したがって、人工核酸(RNA)分子と複合体化された人工核酸(RNA)分子の画分中の(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体との比率は、典型的には人工核酸(RNA)分子が完全に複合体化され、遊離(ポリ)カチオン性化合物またはポリマー担体が上記画分中に全く残らないか、または無視できるほど少量しか残らないような範囲で選択される。
好ましくは、人工核酸(RNA)分子と(好ましくは本明細書に規定されている)(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体との比率は、約6:1(w/w)〜約0.25:1(w/w)の範囲、より好ましくは約5:1(w/w)〜約0.5:1(w/w)、さらにより好ましくは約4:1(w/w)〜約1:1(w/w)、または約3:1(w/w)〜約1:1(w/w)、および最も好ましくは約3:1(w/w)〜約2:1(w/w)の比率から選択される。
あるいは、人工核酸(RNA)分子と(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体との比率はまた、複合体全体の窒素/リン酸塩の比率(N/P比率)に基づいて計算され得る。本発明に関して、N/P比率は、好ましくは本明細書に規定の通り、複合体中の人工核酸(RNA)分子と(ポリ)カチオン性化合物および/またはポリマー担体との比率に関して、好ましくは約0.1〜10の範囲、好ましくは約0.3〜4の範囲、最も好ましくは約0.5〜2または0.7〜2の範囲であり、好ましくは複合体中の(ポリ)カチオン性タンパク質が上記において規定した(ポリ)カチオン性タンパク質またはペプチドおよび/またはポリマー担体であることを条件として、最も好ましくは約0.7〜1.5、0.5〜1または0.7〜1の範囲、さらに最も好ましくは約0.3〜0.9または0.5〜0.9の範囲である。
他の実施形態では、人工核酸(RNA)分子が提供され、さらなるビヒクル、トランスフェクション剤または複合体形成剤と会合することなく、遊離形態または裸の形態で使用される。
<標的化された運搬>
いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子(またはそれを含む(薬学的)組成物またはキット)は、目的の生体、組織、または細胞への標的化された運搬に適合される。「標的化された運搬」は、典型的には特定の組織または細胞への人工核酸(RNA)分子の転座を特異的に増進する標的化因子の使用を伴う。
このような(タンパク質性)標的化因子は、好ましくは所望の治療用、抗原性、アレルゲン性またはレポータータンパク質をコードしているコーディング配列とインフレームで、人工核酸(RNA)分子によってコードされ得るものであり、その結果、このタンパク質は上記タンパク質性標的化因子を含む融合タンパク質として発現される。あるいは、上記(タンパク質性または非タンパク質性)標的化因子は、上記人工核酸(RNA)分子を複合体化している(ポリ)カチオン性化合物または担体中に存在する、その一部を形成する、またはそれと会合してもよく、および/または、上記人工核酸(RNA)分子をリポソーム、脂質ナノ粒子、リポプレックスなどとして封入または複合体化している脂質中に存在する、その一部を形成する、またはそれと会合してもよい。
「標的」とは、人工核酸(RNA)分子の取り込み、および好ましくはコードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の発現が意図される、特定の生体、組織、または細胞である。「取り込み」とは人工核酸(RNA)分子の細胞外区画から細胞内区画への転座を意味する。これには、受容体媒介プロセシング、細胞膜との融合、エンドサイトーシス、ポトサイトーシス、飲作用または他の転座機構が関与し得る。人工核酸(RNA)分子は、単独で取り込まれてもよく、または複合体の一部として取り込まれてもよい。
非限定的な例として、本発明の人工核酸(RNA)分子と会合または複合体化している(ポリ)カチオン性化合物、担体、リポソームまたは脂質ナノ粒子は、標的化因子または標的化機能性を付与され得る。さらにまたはあるいは、人工核酸(RNA)分子は、好ましくは共有結合を介して、標的化因子を保有する(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードし得る。標的化因子は、タンパク質(例えば、糖タンパク質、またはペプチド、例えば、上皮細胞、ケラチノサイトなどの特定の細胞の種類に結合するコリガンド、または抗体、例えば、抗体に特異的な親和性を有する分子)、ホルモンおよびホルモン受容体、非ペプチド性種(例えば、脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン多価マンノース、多価フコース、またはアプタマー)、ならびに、生体、組織または細胞などの目的の部位に、人工核酸(RNA)分子を標的化することができる任意のリガンド、から選択され得る。
いくつかの実施形態では、人工核酸(RNA)分子、またはそれを含む(薬学的)組成物またはキットは、肝臓に対して(肝臓中に)標的化するように適合される。そのような人工核酸(RNA)分子または(薬学的)組成物またはキットは、遺伝病、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、新生物、癌および腫瘍関連疾患、炎症性疾患、血液および血液形成器官の疾患、内分泌、栄養摂取および代謝疾患、神経系の疾患、遺伝性疾患、循環器系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚および皮下組織の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患、ならびに、泌尿生殖器系の疾患(遺伝性または後天性である場合は独立して)、およびそれらの組み合わせ、からなる群から選択される疾患の、治療、予防、暴露後予防、または弱化に特に適したものであり得る。いくつかの実施形態では、肝臓標的とするのに適合した人工核酸(RNA)分子は、上記において規定した、a−2(NDUFA4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);c−1(NDUFA4/RPS9);a−1(HSD17B4/PSMB3);e−3(MP68/RPS9);e−4(NOSIP/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);e−5(ATP5A1/RPS9);d−4(HSD17B4/NUDFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);a−3(SLC7A3/PSMB3);b−1(UBQLN2/RPS9);b−2(ASAH1/RPS9);b−4(HSD17B4/CASP1);e−6(ATP5A1/COX6B1);b−3(HSD17B4/RPS9);g−5(RPL31/CASP1);h−1(RPL31/COX6B1);および/またはc−5(ATP5A1/PSMB3)、に記載のUTR因子を含む。このようなRNA分子を含むこのような人工核酸(RNA)分子または粒子は、例えば、ガラクトースまたはラクトース(アシアロ糖タンパク質受容体を標的とする);アポリポタンパク質E;マンノース;フコース;ヒアルラン;マンノース−6−リン酸;ラクトース;マンノース;ビタミンA;ガラクトサミン、GalNac、およびシナプトフィシンを標的とする、Poelstraら(J Control Release 161:188-197, 2012)またはMishraら(Biomed Res Int. 2013:382184, 2013)に記載の抗体または断片、からなる群から選択される標的化因子または修飾を含み得る。
いくつかの実施形態では、人工核酸(RNA)分子、またはそれを含む(薬学的)組成物またはキットは、皮膚に対して標的化するように適合される。いくつかの実施形態では、そのような人工核酸(RNA)分子は、上記において規定した、a−2(NDUFA4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);c−1(NDUFA4/RPS9);a−1(HSD17B4/PSMB3);e−3(MP68/RPS9);e−4(NOSIP/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);e−5(ATP5A1/RPS9);d−4(HSD17B4/NUDFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);a−3(SLC7A3/PSMB3);b−1(UBQLN2/RPS9);b−2(ASAH1/RPS9);b−4(HSD17B4/CASP1);e−6(ATP5A1/COX6B1);b−3(HSD17B4/RPS9);g−5(RPL31/CASP1);h−1(RPL31/COX6B1);および/またはc−5(ATP5A1/PSMB3)、に記載のUTR因子を含む。このようなRNA分子を含むこのような人工核酸(RNA)分子または粒子は、例えば、本明細書中、以下に記載されるような標的化因子を含む。
いくつかの実施形態では、人工核酸(RNA)分子、またはそれを含む(薬学的)組成物またはキットは、筋肉に対して標的化するように適合される。いくつかの実施形態では、そのような人工核酸(RNA)分子は、上記において規定した、a−2(NDUFA4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);c−1(NDUFA4/RPS9);a−1(HSD17B4/PSMB3);e−3(MP68/RPS9);e−4(NOSIP/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);e−5(ATP5A1/RPS9);d−4(HSD17B4/NUDFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);a−3(SLC7A3/PSMB3);b−1(UBQLN2/RPS9);b−2(ASAH1/RPS9);b−4(HSD17B4/CASP1);e−6(ATP5A1/COX6B1);b−3(HSD17B4/RPS9);g−5(RPL31/CASP1);h−1(RPL31/COX6B1);および/またはc−5(ATP5A1/PSMB3)、に記載のUTR因子を含む。このようなRNA分子を含むこのような人工核酸(RNA)分子または粒子は、例えば、本明細書中、以下に記載されるような標的化因子を含む。
本発明に関連して使用するのに好適な標的化因子としては、レクチン、糖タンパク質、脂質およびタンパク質、例えば、抗体が挙げられる。特に、標的化因子は、チロトロピン、メラノトロピン、レクチン、糖タンパク質、界面活性剤タンパク質A、ムチン炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸塩、ビタミンB12、ビオチン、RGDペプチド、RGDペプチド模倣物またはアプタマー、から選択され得る。
さらなる標的化因子はタンパク質、例えば、糖タンパク質、またはペプチド、例えば、肝臓、腫瘍、筋肉、皮膚または腎臓細胞などの特定の細胞の種類に結合することができる、コリガンドまたは抗体に対して特異的な親和性を有する分子、から選択され得る。さらなる標的化因子は、ホルモンおよびホルモン受容体から選択され得る。さらなる標的化因子は、脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン多価マンノース、多価フコース、またはアプタマーから選択することができる。標的化因子は、例えば、リポ多糖、またはp38 MAPキナーゼの活性化因子から選択される任意の好適なリガンドに結合し得る。
さらなる標的化因子は、特定の受容体を標的とすることができるリガンドから選択され得る。例には、限定するものではないが、葉酸塩、GalNAc、ガラクトース、マンノース、マンノース−6P、アパタマー、インテグリン受容体リガンド、ケモカイン受容体リガンド、トランスフェリン、ビオチン、セロトニン受容体リガンド、PSMA、エンドセリン、GCPII、ソマトスタチン、(KKEEE)3K、LDL、およびHDLリガンドが含まれる。さらなる標的化因子は、アプタマーから選択され得る。アプタマーは、修飾されていなくてもよく、または本明細書に記載される修飾のいずれかの組み合わせを有していてもよい。
〔(薬学的)組成物およびワクチン〕
さらなる態様において、本発明は、本発明の人工核酸(RNA)分子、および好ましくは少なくとも1つの薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含む組成物を提供する。好ましい実施形態によれば、組成物は薬学的組成物として提供される。さらに好ましい実施形態によれば、(薬学的)組成物は、ワクチンとして提供され得る。「ワクチン」は典型的には少なくとも1つの抗原、好ましくは抗原性ペプチドまたはタンパク質を提供する予防的または治療的材料であると理解される。「少なくとも1つの抗原を提供する」とは、例えば、ワクチンが抗原を含むこと、またはワクチンが、例えば、抗原をコードする分子を含むことを意味する。したがって、本発明のワクチンは、例えば、腫瘍抗原、細菌性、ウイルス性、真菌性または原生動物性抗原、自己抗原、アレルゲン、または同種抗原に由来し得る、本明細書に規定されている少なくとも1つの抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子を含み、好ましくは、それが発現して免疫系に提示される場合に、それぞれの抗原に対する免疫応答を誘導するということが、本明細書中で特に想定される。しかしながら、目的の非抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている人工核酸(RNA)分子もまた、本発明のワクチンにおいて使用され得る。
本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、好ましくは少なくとも1つの、好ましくは複数の少なくとも2つの本明細書に記載の人工核酸(RNA)分子を含む。上記複数の少なくとも2つの人工核酸(RNA)分子は、本明細書に記載の通り、モノシストロン性、バイシストロン性またはマルチシストロン性であってもよい。(薬学的)組成物またはワクチン中の人工核酸(RNA)分子のそれぞれは、少なくとも1つの、または複数の少なくとも2つの(同一のまたは異なる)目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードすることができる。人工核酸(RNA)分子は、上記のような「複合体化」または「遊離」形態の(薬学的)組成物もしくはワクチン、またはそれらの混合物において提供され得る。(薬学的)組成物またはワクチンは、人工核酸(RNA)分子またはそれを含む(薬学的)組成物またはワクチンと共に、治療対象の疾病または病状の治療に有効な少なくとも1つの追加の活性剤、をさらに含んでもよい。
[薬学的に許容される賦形剤および担体]
好ましくは、本発明に係る(薬学的)組成物またはワクチンは、少なくとも1つの薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含む。用語「薬学的に許容される」は、1つ以上の活性剤(ここでは人工核酸(RNA)分子および任意に追加の活性剤)と適合性を有し、その/それらの薬学的効果を妨げないおよび/または実質的に減少させない化合物または薬剤を指す。薬学的に許容される担体および賦形剤は、好ましくは治療される対象への投与に好適なものにするために、十分に高い純度および十分に低い毒性を有する。
<賦形剤>
薬学的に許容される賦形剤は、種々の機能的役割を示し得るものであり、限定されないが、希釈剤、充填剤、増量剤、担体、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、コーティング、溶媒および共溶媒、緩衝剤、防腐剤、アジュバント、酸化防止剤、湿潤剤(wetting agent)、消泡剤、増粘剤、甘味剤、風味剤および湿潤剤(humectant)を包含する。
液体形態中の(薬学的)組成物について、有用な薬学的に許容される担体および賦形剤は、溶媒、希釈剤、または担体を含み、例えば、(発熱物質を含まない)水、(等張)生理食塩水(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝食塩水)、固定油、植物油(例えば、落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど);レシチン;界面活性剤;ベンジルアルコール、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどの防腐剤;糖、マンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムなどの多価アルコールなどの等張剤;モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチン;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝液および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張性を調節するための薬剤、が含まれる。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基を用いて調節することができる。緩衝液は、特定の基準媒質を基準として高張性、等張性または低張性であってもよく、つまり、緩衝液は、特定の基準媒質を基準にしてより高い、同一の、またはより低い塩分を有してもよく、好ましくは、浸透性または他の濃縮効果による細胞のダメージをもたらさない、そのような濃度の上述の塩が使用されてもよい。基準媒質は、例えば、「インビボ」方法で生じる液体(血液、リンパ液、細胞質液、または他の体液など)であり、または、例えば、「インビトロ」方法において基準媒質として使用され得る液体(例えば、一般的な緩衝液または液体)である。このような一般的な緩衝液または液体は、当業者に既知である。
液体担体としては、リンゲル液または乳酸リンゲル液が特に好ましい。
(半)固体形態の(薬学的)組成物について、有用な薬学的に許容される担体および賦形剤には、微結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトース;例えば、ラクトース、グルコース、スクロースなどの糖;例えば、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなどのデンプン;例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤;硫酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素など;スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤;および/またはペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料などの風味剤、が含まれる。
<配合>
適切な薬学的に許容される担体および賦形剤は、典型的には(薬学的)組成物の所望の配合に基づいて選択することができる。
注入および特に静脈内注入によって投与される液体(薬学的)組成物は、製造および保管の状況下において無菌かつ安定であるべきである。このような組成物は典型的には発熱物質を含まず、適切なpHを有し、等張性であり、有効成分の安定性を維持する非経口的に許容される水溶液として配合される。本発明に係る液体(薬学的)組成物用の特に有用な薬学的に許容される担体および賦形剤には、水、典型的には発熱物質を含まない水;等張性塩水または緩衝化(水性)溶液、例えば、リン酸塩、クエン酸塩などの緩衝化溶液が含まれる。特に、本発明の(薬学的)組成物の注射には、ナトリウム塩、好ましくは少なくとも50mMのナトリウム塩、カルシウム塩、好ましくは少なくとも0.01mMのカルシウム塩、および任意に、カリウム塩、好ましくは少なくとも3mMのカリウム塩を含む、水または好ましくは緩衝液、より好ましくは水性緩衝液を使用することができる。
好ましい実施形態によれば、ナトリウム塩、カルシウム塩、および任意にカリウム塩は、それらのハロゲン化物、例えば、塩化物、ヨウ化物、または臭化物の形態で、それらの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、または硫酸塩などの形態で存在し得るが、これらに限定されるものではない。ナトリウム塩の例には、例えば、NaCl、NaI、NaBr、NaCO、NaHCO、NaSOが挙げられ、任意のカリウム塩の例としては、例えば、KCl、KI、KBr、KCO、KHCO、KSOが挙げられ、カルシウム塩の例としては、例えば、CaCl、CaI、CaBr、CaCO、CaSO、Ca(OH)が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、上記カチオンの有機アニオンを緩衝液中に含有させてもよい。
好ましい実施形態によれば、上記において規定した注入用に好適な緩衝液は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl)、および任意で塩化カリウム(KCl)から選択される塩を含み得るものであり、さらなるアニオンが当該塩化物に加えて存在してもよい。CaClはまた、KClのような別の塩によって置換され得る。典型的には、注入緩衝液中の塩は、少なくとも50mMの塩化ナトリウム(NaCl)、少なくとも3mMの塩化カリウム(KCl)および少なくとも0.01mMの塩化カルシウム(CaCl)の濃度で存在する。注入緩衝液は、特定の基準媒質を基準として高張性、等張性または低張性であってもよく、つまり、緩衝液は、特定の基準媒質を基準にしてより高い、同一の、またはより低い塩分を有してもよく、好ましくは、浸透性または他の濃縮効果による細胞のダメージをもたらさない、そのような濃度の上述の塩が使用されてもよい。基準媒質は、例えば、「インビボ」方法で生じる液体(血液、リンパ液、細胞質液、または他の体液など)であり、または、例えば、「インビトロ」方法において基準媒質として使用され得る液体(例えば、一般的な緩衝液または液体)である。
このような一般的な緩衝液または液体は、当業者に既知である。液体基剤としては、乳酸リンゲル液が特に好ましい。
局所投与のための(薬学的)組成物は、本明細書の他の箇所に記載されるように、適切な液体および/または(半)固体賦形剤または担体を使用して、クリーム、軟膏、ゲル、ペーストまたは粉体として配合され得る。経口投与のための(薬学的)組成物は、本明細書の他の箇所に記載されるようように、適切な液体および/または(半)固体賦形剤または担体を使用して、錠剤、カプセル、液体、粉体として、または徐放性フォーマットで配合することができる。
いくつかの好ましい実施形態によれば、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、非経口的に、特に、皮内注射または筋肉内注射によって、経口的に、経鼻的に、経肺的に、吸入によって、局所的に、直腸的に、口腔的に、膣的に、または埋め込み式リザーバを介して投与され、本明細書の他の箇所に記載するように、非経口投与のために液体製剤または凍結乾燥製剤において提供される。非経口製剤は、典型的にはバイアル、静脈内袋、アンプル、カートリッジ、または予め充填された注射器に格納され、注射剤、吸入剤、またはエアロゾルとして投与することができ、注射剤が好ましい。
好ましい実施形態によれば、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、本明細書の他の箇所に記載されるように、好ましくは脂質ナノ粒子、リポソーム、リポプレックスまたはエマルジョンの形態で、脂質と複合体化された本発明の人工核酸(RNA)分子を含み得る。
さらに好ましい実施形態によれば、(薬学的)組成物またはワクチンは、凍結乾燥状態で提供される。好ましくは、凍結乾燥(薬学的)組成物またはワクチンは、投与前に、適切な緩衝液、有利には水性担体に基づいて、例えば、乳酸リンゲル液、好ましくはリンゲル溶液、リン酸緩衝液中で再構成される。いくつかの実施形態では、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の異なる本明細書に規定されている人工核酸(RNA)分子を含有し、これは凍結乾燥状態で別々に(任意で、少なくとも1つのなさらなる添加剤と一緒に)提供されてもよく、それらの使用前に、好適な緩衝液(例えば、乳酸リンゲル液)中で別々に再構成されて、上記人工核酸(RNA)分子のそれぞれが個別投与可能となってもよい。
<アジュバント>
好ましい実施形態によれば、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、少なくとも1つのアジュバントをさらに含んでもよい。
最も広義における「アジュバント」または「アジュバント成分」は、典型的には他の活性剤、例えば、治療剤またはワクチンの作用を改変、例えば、増進し得る薬理学的および/または免疫学的薬剤である。これに関して、「アジュバント」は、本発明の(薬学的)組成物の投与および運搬を補助するのに好適な任意の化合物として理解することができる。具体的には、アジュバントは、好ましくはそれが添加される(薬学的)組成物またはワクチンの免疫賦活性を増進し得る。さらに、このようなアジュバントは、先天的免疫システムの免疫応答、つまり、非特異的免疫応答を開始させ得るかまたは増加させ得るものであるが、それに拘束されない。
「アジュバント」は、典型的には適応免疫応答を誘発しない。その範囲において、「アジュバント」は抗原として適格ではない。言い換えれば、投与される場合、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、典型的には上記(薬学的)組成物またはワクチンに含まれる人工核酸(RNA)分子の少なくとも1つのコーディング配列によってコードされる抗原性ペプチドまたはタンパク質による適応免疫応答を開始させる。さらに、(薬学的)組成物またはワクチン中に存在するアジュバントは、(支持)先天的免疫応答を発生させ得る。
好適なアジュバントは、当業者に既知であり、本件に好適な、つまり、哺乳類における免疫応答の誘発を補助する任意のアジュバントから選択することができ、TDM、MDP、ムラミルジペプチド、プルロニック、ミョウバン液、水酸化アルミニウム、ADJUMER(商標)(ポリホスファゼン);リン酸アルミニウムゲル;藻類由来のグルカン;アルガムリン;水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン);高タンパク質吸着性水酸化アルミニウムゲル;低粘度水酸化アルミニウムゲル;AFまたはSPT(スクアラン(5%)、Tween 80(0.2%)、プルロニックL121(1.25%)、リン酸緩衝食塩水、pH 7.4のエマルジョン);AVRIDINE(商標)(プロパンジアミン);BAY R1005(商標)(N−(2−デオキシ−2−L−ロイシルアミノ−b−D−グルコピラノシル)−N−オクタデシル−ドデカノイル−アミド酢酸水素塩);CALCITRIOL(商標)(1−アルファ,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3);リン酸カルシウムゲル;CAP(商標)(リン酸カルシウムナノ粒子);コレラホロトキシン、コレラ毒素−A1−タンパク質−A−D−断片融合タンパク質、コレラ毒素のサブユニットB;CRL 1005(ブロック共重合体P1205);サイトカイン含有リポソーム;DDA(ジメチルジオクタデシルアンモニウム臭化物);DHEA(デヒドロエピアンドロステロン);DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン);DMPG(ジミリストイルホスファチジルグリセロール);DOC/ミョウバン複合体(デオキシコール酸ナトリウム塩);フロイント完全アジュバント;フロイント不完全アジュバント;ガンマイヌリン;ゲルブアジュバント(i)N−アセチルグルコサミニル−(P1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ii)ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩化物(DDA)、iii)亜鉛−L−プロリン塩複合体(ZnPro−8)の混合物;GM−CSF);GMDP(N−アセチルグルコサミニル−(b1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン);イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン);ImmTher(商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミテート);DRV(脱再水小胞から得られる免疫リポゾーム);インターフェロン−ガンマ;インターロイキン1ベータ;インターロイキン−2;インターロイキン−7;インターロイキン−12;ISCOMS(商標);ISCOPREP7.0.3.(商標);リポソーム;LOXORIBINE(商標)(7−アリル−8−オキソグアノシン);LT経口アジュバント(大腸菌不安定エンテロトキシン−プロトキシン);任意の組成物の微小球および微粒子;MF59(商標);(スクアレン水エマルジョン);MONTANIDE ISA 51(商標)(精製不完全フロイントアジュバント);MONTANIDE ISA 720(商標)(代謝性油アジュバント);MPL(商標)(3−Q−デスアシル−4’−モノホスホリルリピッドA);MTP−PEおよびMTP−PEリポソーム(N−アセチル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシホスホリルオキシ))−エチルアミド,モノナトリウム塩);MURAMETIDE(商標)(Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH3);MURAPALMITINE(商標)およびD−MURAPALMITINE(商標)(Nac−Mur−L−Thr−D−isoGIn−sn−グリセロールジパルミトイル);NAGO(ノイラミニダーゼガラクトースオキシダーゼ);任意の組成物のナノ球体またはナノ粒子;NISV(非イオン界面活性小胞);PLEURAN(商標)(β−グルカン);PLGA、PGAおよびPLA(乳酸およびグリコール酸の単独および共重合体;微小球/ナノ球体);PLURONIC L121(商標);PMMA(ポリメチルメタクリレート);PODDS(商標)(プロテノイド微小球);ポリエチレンカルバメート誘導体;poly−rA:poly−rU(ポリアデニル酸−ポリウリジル酸複合体);ポリソルベート80(Tween 80);タンパク質コクリエート(protein cochleate)(Avanti Polar Lipids, Inc., Alabaster, AL);STIMULON(商標)(QS−21);Quil−A(Quil−Aサポニン);S−28463(4−アミノ−otec−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5c]キノリン−1−エタノール);SAF−1(商標)(「Syntex adjuvant formulation」);センダイ蛋白リポソームおよびセンダイ含有脂質マトリクス;Span−85(ソルビタントリオレアート);スぺコール(Marcol52、Span85およびTween85のエマルジョン);スクアレンまたはRobane(登録商標)(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサンおよび2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサン);ステアリルチロシン(オクタデシルチロシン塩酸塩);Theramid(登録商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−isoGlu−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド);スレオニル−MDP(Termurtide(商標)または[thr 1]−MDP;N−アセチルムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン);Ty粒子(Ty−VLPまたはウイルス様粒子);特にAdju−phos、Alhydrogel、Rehydragelなどの、Pam3Cys、特にアルミニウム塩を含むWalter−Reedリポソーム(水酸化アルミニウムに吸着している脂質Aを含むリポソーム)、およびリポペプチド;CFA、SAF、IFA、MF59、Provax、TiterMax、Montanide、Vaxfectinなどのエマルジョン;Optivax(CRL1005)、L121、Poloaxmer4010)などの共重合体;リポソーム(Stealthを含む)、コクリエート(BIORAL);QS21、Quil A、Iscomatrix、ISCOMなどの植物由来アジュバント;PLG、PMM、Inulinなどのトマチン、生体高分子を含む、同時刺激に適したアジュバント;ロムルチド、DETOX、MPL、CWS、マンノース、CpG核酸配列、CpG7909、ヒトTLR1−10のリガンド、マウスTLR1−13のリガンド、ISS−1018、IC31、イミダゾキノリン、アンプリゲン、Ribi529、IMOxine、IRIVs、VLPs、コレラ毒素、易熱性毒素、Pam3Cys、フラジェリン、GPIアンカー、LNFPIII/Lewis X、抗菌ペプチド、UC−1V150、RSV融合タンパク質、cdiGMP、を含む微生物由来アジュバント;、およびCGRPニューロペプチドを含むアンタゴニストに好適なアジュバント、が含まれるが、これらに限定されない。
好適なアジュバントはまた、複合体形成剤として本明細書に記載の(ポリ)カチオン性化合物(「(ポリ)カチオン性化合物および担体」の章を参照)、特に、本明細書に記載の(ポリ)カチオン性ペプチドまたはタンパク質、(ポリ)カチオン性多糖類、(ポリ)カチオン性脂質、またはポリマー担体から選択され得る。(薬学的)組成物またはワクチンの人工核酸(RNA)分子をこれらの(ポリ)カチオン性化合物または担体と会合または複合体化させることは、好ましくはアジュバントの特性を提供し、安定化作用を付与し得る。
アジュバント成分中の人工核酸(RNA)分子と(ポリ)カチオン性化合物との比率は、複合体全体の窒素/リン酸塩の比率(N/P比率)、つまり人工核酸(RNA)分子の負に帯電したリン酸原子に対する(ポリ)カチオン性化合物の正に帯電した(窒素)原子の比率に基づいて計算することができる。
以下において、「RNA」に言及する場合、それぞれの記載は、必要な変更を加えて他の人工核酸分子にも適用可能であることが理解されるのであろう。
例えば、1μgのRNAは、当該RNAが塩基の統計的分布を示すならば、約3nmolのリン酸残基を含み得る。さらに、1μgのペプチドは、典型的には分子量および塩基性アミノ酸の数に応じて、約x nmolの窒素残基を含有する。(Arg)9(分子量1424g/mol、窒素原子9個)について例示的に計算した場合、1μg(Arg)9は約700pmol(Arg)9を含有し、したがって、700×9=6300pmol塩基性アミノ酸=6.3nmol窒素原子を含有する。約1:1のRNA/(Arg)9の質量比について、約2のN/P比率を計算することができる。プロタミン(サケからのプロタミンが使用される場合、分子量約4250g/mol、21個の窒素原子)について2μgのRNAと約2:1の質量比で例示的に計算される場合、6nmolのリン酸がRNAについて計算され;1μmolのプロタミンは約235pmolのプロタミン分子を含有し、したがって235×21=4935pmolの塩基性窒素原子=4.9nmolの窒素原子を含有する。RNA/プロタミンの質量比約2:1について、約0.81のN/P比率を計算することができる。RNA/プロタミンの質量比約8:1について、約0.2のN/P比率を計算することができる。本発明に関して、複合体中のRNA:ペプチドの比率について、N/P比率は好ましくは約0.1〜10の範囲であり、好ましくは約0.3〜4の範囲であり、最も好ましくは約0.5〜2または0.7〜2の範囲であり、最も好ましくは約0.7〜1.5の範囲である。
本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、上記(薬学的)組成物またはワクチンに含まれる人工核酸(RNA)分子の効率的免疫賦活性作用および効率的翻訳の両方を得るために、2つの別々の工程で得ることができる。
第一段階において、RNAは、(ポリ)カチオン性化合物と特定の比率で複合体化されて、安定な複合体(「複合体化されたRNA」)を形成する。これに関して、複合体化されたRNAの画分中に、遊離の(ポリ)カチオン性化合物は残存しないか、または無視できる少量しか残存しないことが重要である。したがって、RNAと(ポリ)カチオン性化合物との比率は、典型的にはRNAが完全に複合体化し、遊離(ポリ)カチオン性化合物が全くない、または無視できるほど少量しか組成物に残らないような範囲において選択される。好ましくは、(ポリ)カチオン性化合物に対するRNAの比率は、約6:1(w/w)〜約0.25:1(w/w)、より好ましくは約5:1(w/w)〜約0.5:1(w/w)、さらにより好ましくは約4:1(w/w)〜約1:1(w/w)、または約3:1(w/w)〜約1:1(w/w)の範囲から選択され、最も好ましくは、約3:1(w/w)〜約2:1(w/w)の比率である。
第二段階において、RNAは本発明の(薬学的)組成物またはワクチンを得るために、複合体化されたRNAに添加される。ここで、上記添加されたRNAは、遊離RNAとして、好ましくは遊離mRNAとして存在し、他の化合物と複合体を形成しない。添加の前に、遊離RNAは複合体化されず、好ましくは、複合体化されたRNAへの添加の際に検出可能なまたは有意な複合体形成反応を受けない。これは、(ポリ)カチオン性化合物が複合体化されたRNAに強く結合するためである。言い換えれば、遊離RNAが複合体化されたRNAに添加される場合、好ましくは遊離の(ポリ)カチオン性化合物が存在せず、または実質的に存在せず、これにより、上記遊離RNAと複合体を形成し得る。したがって、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンの遊離RNAは、インビボで効率的に転写され得る。
遊離RNAは、治療の具体的な要件に応じて、複合体化されたRNAと同一であることが好ましい場合もあり、また、異なっていることが好ましい場合もある。さらにより好ましくは、(薬学的)組成物またはワクチンに含まれる遊離RNAは、複合エピトープコーディングRNAと同一であり、言い換えれば、組み合わせ、(薬学的)組成物またはワクチンは、遊離形態および複合形態の両方で別の同一のRNAを含む。
特に好ましい実施形態において、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、したがって、本明細書に規定されているRNAを含み、ここで、上記RNAは上記(薬学的)組成物またはワクチン中に、部分的には遊離RNAとして、また、部分的には複合体化されたRNAとして存在する。好ましくは、本明細書に規定されているRNA、好ましくはmRNAは、上記のように複合体化され、次いで、同じ(m)RNAが遊離RNAの形態で添加され、ここで、好ましくはRNAを複合体化するために使用される化合物は、遊離RNAを添加する時に、組成物中に遊離形態で存在しない。
複合体化されたRNAと遊離RNAの比率は、特定の治療の具体的な要件に応じて選択することができる。典型的には、複合体化されたRNAと遊離RNAの比率は、複合体化されたRNAの存在により先天的免疫システムの有意な刺激が誘発されるように選択される。並行して、この比率は、有意な量の遊離エピトープコーディングRNAがインビボで提供され、それによりインビボで発現した抗原性融合タンパク質の効率的な翻訳および濃縮を導くように選択される。好ましくは、本発明の(薬学的)組成物またはワクチン中の複合体化されたRNAの遊離RNAに対する比率は、約5:1(w/w)〜約1:10(w/w)の範囲から選択され、より好ましくは約4:1(w/w)〜約1:8(w/w)の範囲から選択され、さらにより好ましくは約3:1(w/w)〜約1:5(w/w)または1:3(w/w)の範囲から選択され、最も好まし約1:1(w/w)である。
これに加えて、またはこれに代えて、複合体化されたRNAと遊離RNAとの比率は、RNA複合体全体の窒素/リン酸塩の比率(N/P比率)に基づいて計算することができる。本発明に関して、複合体中のRNA:ペプチドの比率について、N/P比率は好ましくは約0.1〜10の範囲であり、好ましくは約0.3〜4の範囲であり、最も好ましくは約0.5〜2または0.7〜2の範囲であり、最も好ましくは約0.7〜1.5の範囲である。
これに加えて、またはこれに代えて、複合体化されたRNAと遊離RNAとの比率は、両方のRNAの互いのモル比に基づいて選択されてもよい。典型的には、遊離RNAに対する複合体化されたRNAのモル比は、モル比が上記の(w/w)および/またはN/P規定を十分に満たすように選択することができる。より好ましくは、遊離RNAに対する複合体化されたRNAのモル比は、例えば、約0.001:1、0.01:1、0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1:0.9、1:0.8、1:0.7、1:0.6、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2、1:0.1、1:0.01、1:0.001、などのモル比から、または、上記値のいずれか2つからなるいずれかの範囲から、例えば、約0.001:1〜1:0.001から選択される範囲、約0.01:1〜1:0.001、0.1:1〜1:0.001、0.2:1〜1:0.001、0.3:1〜1:0.001、0.4:1〜1:0.001、0.5:1〜1:0.001、0.6:1〜1:0.001、0.7:1〜1:0.001、0.8:1〜1:0.001、0.9:1〜1:0.001、1:1〜1:0.001、1:0.9〜1:0.001、1:0.8〜1:0.001、1:0.7〜1:0.001、1:0.6〜1:0.001、1:0.5〜1:0.001、1:0.4〜1:0.001、1:0.3〜1:0.001、1:0.2〜1:0.001、1:0.1〜1:0.001、1:0.01〜1:0.001、の範囲など、または約0.01:1〜1:0.01、0.1:1〜1:0.01、0.2:1〜1:0.01、0.3:1〜1:0.01、0.4:1〜1:0.01、0.5:1〜1:0.01、0.6:1〜1:0.01、0.7:1〜1:0.01、0.8:1〜1:0.01、0.9:1〜1:0.01、1:1〜1:0.01、1:0.9〜1:0.01、1:0.8〜1:0.01、1:0.7〜1:0.01、1:0.6〜1:0.01、1:0.5〜1:0.01、1:0.4〜1:0.01、1:0.3〜1:0.01、1:0.2〜1:0.01、1:0.1〜1:0.01、1:0.01〜1:0.01、の範囲など、または、約0.001:1〜1:0.01、0.001:1〜1:0.1、0.001:1〜1:0.2、0.001:1〜1:0.3、0.001:1〜1:0.4、0.001:1〜1:0.5、0.001:1〜1:0.6、0.001:1〜1:0.7、0.001:1〜1:0.8、0.001:1〜1:0.9、0.001:1〜1:1、0.001〜0.9:1、0.001〜0.8:1、0.001〜0.7:1、0.001〜0.6:1、0.001〜0.5:1、0.001〜0.4:1、0.001〜0.3:1、0.001〜0.2:1、0.001〜0.1:1、の範囲など、または、約0.01:1〜1:0.01、0.01:1〜1:0.1、0.01:1〜1:0.2、0.01:1〜1:0.3、0.01:1〜1:0.4、0.01:1〜1:0.5、0.01:1〜1:0.6、0.01:1〜1:0.7、0.01:1〜1:0.8、0.01:1〜1:0.9、0.01:1〜1:1、0.001〜0.9:1、0.001〜0.8:1、0.001〜0.7:1、0.001〜0.6:1、0.001〜0.5:1、0.001〜0.4:1、0.001〜0.3:1、0.001〜0.2:1、0.001〜0.1:1、の範囲など、から選択することができる。
さらにより好ましくは、複合体化されたRNAの遊離RNAに対するモル比は、例えば、約0.01:1〜1:0.01から選択され得る。最も好ましくは、複合体化されたRNAの遊離RNAに対するモル比は、例えば、約1:1のモル比から選択することができる。(w/w)および/またはN/P比率に関する上記規定のいずれも適用することができる。
好ましい実施形態によれば、(薬学的)組成物またはワクチンは、別の核酸を、好ましくはアジュバントとして含む。
したがって、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンスRNA(asRNA)、環状RNA(circRNA)、リボザイム、アプタマー、リボスイッチ、免疫賦活性RNA(isRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、マイクロRNA(miRNA)、およびPiwi−結合RNA(piRNA)からなる群から選択される、ノンコーディング核酸、好ましくはRNAをさらに含む。
本発明に関して、特定の目的のノンコーディング核酸、好ましくはRNAは、「免疫賦活性(immune-stimulatory)」核酸、すなわち「is」核酸、好ましくはRNAを含む。「免疫賦活性」、すなわち「is」核酸またはRNAは、典型的には本発明の(薬学的)組成物またはワクチンにおいてアジュバントとして使用される。
特に好ましい実施形態によれば、アジュバント核酸は、以下の式(VI)または(VII)の核酸を含む:
Figure 2021501572
式中、
Gは、グアニン、ウラシル、またはグアニンもしくはウラシルのアナログを含むヌクレオチドであり;
Xはグアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシンまたはそれらのアナログを含むヌクレオチドであり;
lは、1〜40の整数であり、
ここで、
l=1の場合、Gはグアニンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
l>1の時、ヌクレオチドの少なくとも50%がグアニンまたはそのアナログを含み;
mは、整数、かつ、少なくとも3であり、
ここで、
m=3の場合、Xはウラシルまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
m>3の場合、ウラシルまたはウラシルのアナログを含む少なくとも3つの連続したヌクレオチドが生じ;
nは、1〜40の整数であり、
ここで、
n=1の場合、Gはグアニンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
n>1の場合、ヌクレオチドの少なくとも50%はグアニンまたはそのアナログを含み;
Figure 2021501572
式中、
Cは、シトシン、ウラシル、またはシトシンもしくはウラシルのアナログを含むヌクレオチドであり;
Xはグアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシンまたはそれらのアナログを含むヌクレオチドであり;
lは、1〜40の整数であり、
ここで、
l=1の場合、Cはシトシンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
l>1の場合、ヌクレオチドの少なくとも50%はシトシンまたはそのアナログを含み;
mは、整数、かつ、少なくとも3であり、
ここで、
m=3の場合、Xはウラシルまたはそのアナログを含み、
m>3の場合、少なくとも三つの連続したヌクレオチドはウラシルまたはウラシルのアナログを含み;
nは、1〜40の整数であり、
ここで、
n=1の場合、Cはシトシンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
n>1の場合、ヌクレオチドの少なくとも50%はシトシンまたはそのアナログを含む。
isRNAとして使用され得る式(VI)または(VII)の核酸は、比較的短い核酸分子であり、その典型的な長さは約5〜100個のヌクレオチドであり(しかしながら、特定の実施形態については100個のヌクレオチドより長くてもよく、例えば、200個のヌクレオチドまで)、5〜90個のまたは5〜80個のヌクレオチドの長さを有し、好ましくは約5〜70個のヌクレオチドの長さ、より好ましくは約8〜60個のヌクレオチドの長さ、より好ましくは約15〜60個のヌクレオチドの長さ、より好ましくは20〜60個のヌクレオチド、最も好ましくは30〜60個のヌクレオチドの長さを有し得る。エピトープコーディングRNA(または本明細書に記載の任意の他の核酸、特にRNA)が、例えば、100個のヌクレオチドの最大長さを有する場合、mは、典型的には≦98である。
式(VI)の核酸におけるヌクレオチド「G」の数は、lまたはnによって決定される。lおよびnは互いに独立して、それぞれ1〜40の整数であり、ここで、lまたはnが=1の場合、Gはグアニンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、lまたはnが>1である場合、ヌクレオチドの少なくとも50%がグアニンまたはそのアナログを含む。
例えば、いかなる限定も意味しないが、lまたはnが=4の場合、GlまたはGnは、例えば、GUGU、GGUU、UGUG、UUGG、GUUG、GGGU、GGUG、GUGG、UGGGまたはGGGGなどであり;lまたはnが=5の場合、GlまたはGnは、例えば、GGGUU、GGUGU、GUGGU、UGGGU、UGGUG、UGUGG、UUGGG、GUGUG、GGGGU、GGGUG、GGUGG、GUGGG、UGGGG、またはGGGGGなどであり得る。
式(VI)の核酸におけるXmに隣接するヌクレオチドは、好ましくはウラシルを含まない。
同様に、式(VII)の核酸におけるヌクレオチド「C」の数は、lまたはnによって決定される。lおよびnは互いに独立して、それぞれ1〜40の整数であり、ここで、lまたはnが=1の場合、Cはシトシンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、lまたはnが>1である場合、ヌクレオチドの少なくとも50%がシトシンまたはそのアナログを含む。
例えば、いかなる限定も意味しないが、lまたはnが=4の場合、ClまたはCnは、例えば、CUCU、CCUU、UCUC、UUCC、CUUC、CCCU、CCUC、CUCC、UCCCまたはCCCCなどであり;lまたはnが=5の場合、ClまたはCnは、例えば、CCCUU、CCUCU、CUCCU、UCCCU、UCCUC、UCUCC、UUCCC、CUCUC、CCCCU、CCCUC、CCUCC、CUCCC、UCCCC、またはCCCCCなどであり得る。
式(VII)の核酸におけるXmに隣接するヌクレオチドは、好ましくはウラシルを含まない。好ましくは、式(VI)において、lまたはnが>1の場合、ヌクレオチドの少なくとも60%、70%、80%、90%、またはさらには100%が、上記において規定したように、グアニンまたはそのアナログを含む。
フランキング配列G1および/またはGn中の残りのヌクレオチド〜100%のヌクレオチド(グアニンを含むヌクレオチドがヌクレオチドの100%未満を構成する場合)は、上記において規定したように、ウリジンまたはそのアナログである。また、lおよびnは、互いに独立に、それぞれ、2〜30の整数、より好ましくは2〜20の整数、さらにより好ましくは2〜15の整数である。lまたはnの下限は、必要であれば変更することができ、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、4、5、6、7、8、9または10である。この規定は、式(VII)にも同様に適用される。
さらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載のisRNAは、式(VIII)または(IX)の核酸からなるか、またはそれを含む:
Figure 2021501572
式中、
Gはグアニン、ウラシルまたはグアニンもしくはウラシルのアナログを含む、好ましくはグアニンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり;
Xはグアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、またはそれらのアナログを含む、好ましくはウラシルまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり;
Nは約4〜50個、好ましくは約4〜40個、より好ましくは約4〜30個または4〜20個の核酸の長さを有する核酸配列であり、それぞれのNは、独立して、グアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシンまたはそれらのアナログを含むヌクレオチドから選択され;
aは、1〜20、好ましくは1〜15、最も好ましくは1〜10の整数であり;
lは、1〜40の整数であり、
ここで、l=1の場合、Gはグアニンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
l>1の場合、これらのヌクレオチドの少なくとも50%がグアニンまたはそのアナログを含み;
mは、整数、かつ、少なくとも3であり、
ここで、m=3の場合、Xはウラシルまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
m>3の場合、ウラシルまたはウラシルのアナログを含む少なくとも三つの連続したヌクレオチドが生じ;
nは、1〜40の整数であり、
ここで、n=1の場合、Gはグアニンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
n>1の場合、これらのヌクレオチドの少なくとも50%がグアニンまたはそのアナログを含み;
u、および、vは、互いに独立して、0〜50の整数であり、
好ましくは、u=0の場合、v≧1であり、または、v=0の場合、u≧1であり;
ここで、式(VIII)の核酸分子は、少なくとも50個のヌクレオチドの長さ、好ましくは少なくとも100個のヌクレオチドの長さ、より好ましくは少なくとも150個のヌクレオチドの長さ、さらにより好ましくは少なくとも200個のヌクレオチドの長さ、および最も好まし少なくとも250個のヌクレオチドの長さを有する。
Figure 2021501572
式中、
Cは、シトシン、ウラシルまたはシトシンもしくはウラシルのアナログ、好ましくはシトシンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり;
Xはグアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシンまたはそれらのアナログを含む、好ましくはウラシルまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり;
Nはそれぞれ、互いに独立して約4〜50、好ましくは約4〜40個、より好ましくは約4〜30個または4〜20個の核酸の長さを有する核酸配列であり、それぞれのNは独立してグアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシンまたはそれらのアナログを含むヌクレオチドから選択され;
aは、1〜20、好ましくは1〜15、最も好ましくは1〜10の整数であり;
lは、1〜40の整数であり、
ここで、l=1の場合、Cはシトシンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
l>1の場合、これらのヌクレオチドの少なくとも50%がシトシンまたはそのアナログを含み;
mは、整数、かつ、少なくとも3であり、
ここで、m=3の場合、Xはウラシルまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
m>3の場合、ウラシルまたはウラシルのアナログを含む少なくとも3つの連続したヌクレオチドが生じ;
nは、1〜40の整数であり、
ここで、n=1の場合、Cはシトシンまたはそのアナログを含むヌクレオチドであり、
n>1の場合、これらのヌクレオチドの少なくとも50%がシトシンまたはそのアナログを含み、
uおよびvは互いに独立して、0〜50の整数であってもよく、
好ましくは、u=0の場合、v≧1であり、または、v=0の場合、u≧1であり;
ここで、本発明の式(IX)の核酸分子は、少なくとも50個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも100個のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも150個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも200個のヌクレオチド、最も好まし少なくとも250個のヌクレオチドの長さを有する。
式(IX)については、因子N(つまり、NuおよびNv)およびX(Xm)について上記に与えられた定義のいずれか、特に上記において規定したコア構造、ならびに整数a、l、m、n、uおよびvについては同様に、式(V)の因子にも同様に適用され、ここで、式(IX)においては、コア構造はCによって定義される。境界エレメントNuおよびNvの定義は、NuおよびNvについて上記で与えられた定義と同一である。
特に、上記の式(VI)〜(IX)に関して、「ヌクレオチド」は窒素塩基(好ましくはアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、またはウラシル(U)、ペントース糖(リボースまたはデオキシリボース)、および少なくとも1つのリン酸基から選択される)を含むか、または好ましくはそれらからなる分子として理解される。「ヌクレオシド」は、核酸塩基およびペントース糖(つまり、「リン酸基を有さないヌクレオチド」と呼ばれることもある)からなる。したがって、特定の塩基(A、C、G、T、またはU)を含む「ヌクレオチド」は、好ましくは、1つ(2つ、3つ以上)のリン酸基に加えて、それぞれのヌクレオシド(アデノシン、シチジン、グアノシン、チミジンまたはウリジンのそれぞれ)も含む。
つまり、用語「ヌクレオチド」は、ヌクレオシド一リン酸(AMP、CMP、GMP、TMPおよびUMP)、ヌクレオシド二リン酸(ADP、CDP、GDP、TDPおよびUDP)、ヌクレオシド三リン酸(ATP、CTP、GTP、TTPおよびUTP)を含む。上記式(VI)〜(IX)に関して、ヌクレオシド一リン酸が特に好ましい。「ヌクレオチドは、(・・・)またはそのアナログを含む」という記載は、修飾(リン酸)バックボーン、ペントース糖または核酸塩基を含む修飾ヌクレオチドを指す。これに関して、核酸塩基の修飾が特に好ましい。一例として、「グアニン、ウラシル、アデニン、チミン、シトシンまたはそれらのアナログを含むヌクレオチド」と言う場合、用語「それらのアナログ」は、ヌクレオチドおよび列挙された核酸塩基の両方を指し、好ましくは列挙された核酸塩基を指す。
好ましい実施形態では、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、式(VI)(G)、式(VII)(C)、式(VIII)(N、および/または式(IX)(N)に記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる少なくとも1つの免疫賦活性RNAを含む。特に好ましい実施形態において、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、WO2008014979、WO2009030481、WO2009095226、またはWO2015149944に示されるようないずれかの配列番号の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる少なくとも1つの免疫賦活性RNAを含む。
特に好ましい実施形態において、本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、好ましくはジスルフィド架橋されたカチオン性ペプチド、好ましくはCys−Arg12、および/またはCys−Arg12−Cys、および少なくとも1つのisRNAを含み、好ましくはWO2008014979、WO2009030481、WO2009095226、またはWO2015149944に示されるいずれかの配列番号の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる、ポリマー担体によって形成されるポリマー担体カーゴ複合体を含む。
本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、必要に応じて、その免疫原性または免疫賦活性能を増大させるために、1つ以上の補助的な物質をさらに含み得る。本明細書に規定されている本発明のポリマー担体カーゴ複合体および補助的な物質の相乗的作用は、本明細書に規定されている本発明の(薬学的)組成物またはワクチンに任意に含まれていてもよく、それによって当該相乗的作用が達成されることが好ましい。補助的な物質の様々な種類に応じて、これに関して様々な機構を考慮することができる。例えば、樹状細胞(DC)、例えば、リポ多糖、TNF−アルファまたはCD40リガンドの成熟を可能にする化合物は、好適な補助的な物質の第一クラスを形成する。一般的には、補助的な物質として、「危険信号」(LPS、GP96など)として免疫系に影響を与える任意の薬剤、または、ターゲットを絞って免疫応答を増強するおよび/または免疫応答に影響を与えるGM−CFSなどのサイトカインを使用することができる。特に好ましい補助的な物質は、先天的免疫応答をさらに促進するモノカイン、リンフォカイン、インターロイキンまたはケモカインなどのサイトカインであり、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、INF−アルファ、IFN−ベータ、INF−ガンマ、GM−CSF、G−CSF、M−CSF、LT−ベータまたはTNF−アルファ、hGHなどの成長因子が含まれる。
本発明の(薬学的)組成物またはワクチンはさらに、ヒトトール様受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10に対するその(リガンドとしての)結合アフィニティにより、またはマウストール様受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12またはTLR13に対するその(リガンドとしての)結合アフィニティにより、免疫賦活性であることが知られている任意のさらなる化合物を含むことができる。
本発明の(薬学的)組成物またはワクチンは、CpG核酸、特にCpG−RNAまたはCpG−DNAをさらに含有し得る。CpG−RNAまたはCpG−DNAは、一本鎖CpG−DNA(ss CpG−DNA)、二本鎖CpG−DNA(dsDNA)、一本鎖CpG−RNA(ss CpG−RNA)または二本鎖CpG−RNA(ds CpG−RNA)であり得る。CpG核酸は、好ましくはCpG−RNAの形態であり、より好ましくは一本鎖CpG−RNA(ss CpG−RNA)の形態である。CpG核酸は、好ましくは少なくとも1つ以上の(分裂促進性)シトシン/グアニンジヌクレオチド配列(CpGモチーフ)を含む。第一の好ましい別の選択肢によれば、これらの配列に含まれる少なくとも1つのCpGモチーフ、つまり、CpGモチーフのC(シトシン)およびG(グアニン)は、メチル化されていない。これらの配列に任意に含まれる全てのさらなるシトシンまたはグアニンは、メチル化されていてもメチル化されていなくてもよい。しかしながら、さらなる好ましい別の選択肢によれば、CpGモチーフのC(シトシン)およびG(グアニン)はまた、メチル化された形態で存在し得る。
〔キット〕
さらなる態様において、本発明は、本発明の人工核酸(RNA)分子および/または(薬学的)組成物もしくはワクチンを含むキットまたはパーツのキットに関する。
本発明のキットまたはパーツのキットにおいて、少なくとも1つの人工核酸(RNA)分子は、薬学的組成物に関して上述したように、任意に1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤またはさらなる薬剤と共に、凍結乾燥状態または液体形態である。
任意で、本発明のキットまたはパーツのキットは、薬学的組成物に関して本明細書に規定されている、少なくとも1つのさらなる薬剤、抗菌剤、RNAse阻害剤、可溶化剤などを含み得る。
パーツのキットは、2つ以上のパーツのキットであってもよく、典型的には好適な容器中にその成分を含む。例えば、それぞれの容器は、バイアル、ボトル、スクイーズボトル、ジャー、密封スリーブ、エンベロープもしくはパウチ、チューブもしくはブリスターパッケージの形態、または、容器が成分の早すぎる混合を防止するように構成されるならば、任意の他の好適な形態であってもよい。異なる成分のそれぞれは、別々に提供されてもよく、または、異なる成分の一部は一緒に(つまり、同じ容器内に)提供されてもよい。
1つの区画の内容物が薬剤師または医師による意図的な混合の前に別の区画の内容物と物理的に会合することができないという条件で、容器は、バイアル、管、ジャー、またはエンベロープ、またはスリーブ、またはブリスターパッケージまたはボトル内の区画またはチャンバであってもよい。
パーツのキットはさらに、その成分のいずれかの投与および用量に関する情報を有する技術的使用説明書を含んでもよい。
〔医療的使用および治療〕
本発明の人工核酸(RNA)分子、または(薬学的)組成物もしくはワクチン、またはキットは、ヒトおよび獣医学的医療目的、好ましくはヒトの医療目的のために使用され得る。
したがって、さらなる態様によれば、本発明は、医薬として使用するための本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットに関する。
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、遺伝病、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、および感染症、または他の疾患または病状の治療のために使用され得る。
したがって、さらなる態様によれば、本発明は、遺伝病、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、および感染症、または他の疾患または病状の治療法において使用するための、本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットに関する。
「遺伝子治療」は、治療的効果を達成するために、好ましくは、対象における遺伝子発現を調節すること(つまり、回復させること、増進させること、減少させること、または阻害すること)を含む。この目的のために、遺伝子治療は、典型的には細胞への核酸の導入を包含する。この用語は一般に、治療目的のためのゲノムの操作を指し、疾病を引き起こす突然変異の修正のためのゲノム編集技術の使用、ゲノムへの治療用遺伝子の追加、有害な遺伝子またはゲノム配列の除去、および遺伝子発現の変調を含む。遺伝子治療は、ホスト細胞のインビボまたはエクスビボ形質転換を含み得る。
疾病の「治療(treatment)」または「治療すること(treating)」とは、疾病を予防することまたは疾病から防御すること(つまり、臨床症状が発現しないようにすること);疾病を抑制すること(つまり、臨床症状の発現を停止または抑制すること);および/または疾病を緩和すること(つまり、臨床症状の退行を引き起こすこと)を含む。理解されるように、最終的な誘発事象は不明であるかまたは潜伏している可能性があるため、疾病または病気を「予防」および「抑制」することを必ずしも区別することはできない。したがって、用語「予防」は、「予防」および「抑制」の両方を包含する「治療」の種類を構成するものと理解される。したがって、用語「治療」には「予防」が含まれる。
本明細書で用いる用語「対象」、「患者」または「個体」は、一般にヒトおよびヒト以外の動物、好ましくは哺乳類(例えば、マーモセット、タマリン、クモザル、フクロウザル、バーベットサル、リスザル、およびヒヒヒ、マカク、チンパンジー、オランウータン、ゴリラを含むヒト以外の霊長類動物;ウシ;ウマ;ヒツジ;子豚(pigs);ニワトリ;ネコ;イヌ;マウス;ラット;ウサギ;モルモットなど)を含み、キメラ動物およびトランスジェニック動物および疾患モデルを含む。本発明に関して、用語「対象」は、好ましくはヒト以外の霊長類動物またはヒト、最も好ましくはヒトを指す。
したがって、本発明はさらに、薬学的に効果のある量の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを、その投与を必要とする対象に投与することによって、本明細書に記載のような疾病を治療する方法を提供する。このような方法は、本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを準備する任意の第一段階と、(薬学的に効果のある量の)上記人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを必要とする患者/対象に投与する第二段階と、を含み得る。
[投与経路]
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、例えば、全身的または局所的に投与することができる。
全身性投与のための経路は概して、例えば、経皮、経口、および、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内および腹腔内の注射および/または鼻腔内投与経路を含む非経口経路を含む。
局所投与のための経路は概して、例えば、局所投与経路のほか、皮内、経皮、皮下、または筋肉内の注射、または病変内、腫瘍内、頭蓋内、肺内、心臓内、および舌下の注射を含む。
2つ以上の異なる人工核酸(RNA)分子が投与される場合、上記異なる人工核酸(RNA)分子のそれぞれに対して異なる投与経路を使用してもよい。
好ましい実施形態によれば、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、非経口経路によって、好ましくは皮内、皮下、または筋肉内経路によって投与される。好ましくは、上記人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、注射、例えば、皮下、筋肉内または皮内注射によって投与され得るものであり、これは無針および/または針による注射であり得る。したがって、好ましい実施形態において、本発明に係る医学的使用および/または治療の方法は、皮下、筋肉内または皮内注射による、好ましくは筋肉内または皮内注射による、より好ましくは皮内注射による、上記人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットの投与を含む。このような注射は、従来の針による注射または(無針)ジェット注射を使用することによって、好ましくは(無針)ジェット注射を使用することによって実施することができる。
[投与計画]
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、一日に数回、毎日、一日おきに、週に一回、または月に一回、その投与を必要とする対象に投与され得るものであり;連続的にまたは同時に投与され得る。
異なる人工核酸(RNA)分子が投与されるか、または(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットがいくつかの成分、例えば、異なる人工核酸(RNA)分子、および場合により本明細書に記載のような追加の活性剤を含む場合、それぞれの成分は、同時に(同じまたは異なる投与経路を介して同時に)または別々に(同じまたは異なる投与経路を介して異なる時間に)投与されてもよい。このような逐次投与計画は、「時間ずらし」投与とも呼ばれる。時間ずらし投与とは、本発明の人工核酸(RNA)分子が、本発明の別の人工核酸(RNA)分子、または任意の他の追加の活性剤の、例えば、前、同時、または後に投与されることを意味し得る。
「用量」
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、好ましくは安全かつ治療的に有効な量で投与され得る。
本明細書で用いる場合、「安全かつ(治療的に)有効な量」とは、求められている組織、系、動物またはヒトにおいて所望の生物学的または薬学的応答を誘発するのに十分である活性剤の量を意味する。安全かつ治療的に有効な量は、好ましくは、治療される疾患の好ましい変化(positive modification)を誘導するために、つまり、治療される疾患の症状の緩和、疾患の進行の減少、または予防される疾患の症状の予防のために、十分な量である。しかしながら、同時に、「安全かつ治療的に有効な量」は、重篤な副作用を回避するために、つまり、メリットとリスクとの間の実用的な関係を成り立たせるために、十分に少ないことが好ましい。
「安全かつ(治療的に)有効な量」はさらに、治療される特定の病状、また、治療される患者の年齢、身体状態、体重、性別および食事、病状の重篤度、治療の期間、付随する治療の性質、使用される特定の薬学的に許容される担体または賦形剤、治療計画および類似の要因に関連して変化する。
人工核酸(RNA)分子の「安全かつ(治療的に)有効な量」はさらに、人工核酸(RNA)分子のタイプ(例えば、モノシストロン性、バイシストロン性、またはさらにマルチシストロン性RNA)に応じて、選択され得る。これは、等量のモノシストロン性RNAに比べて、バイシストロン性またはさらにマルチシストロン性のRNAが、コードされた目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の有意に高い発現を導き得るためである。
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットの治療的効果および毒性は、例えば、LD50(集団の50%までの致死用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定する、細胞培養物または実験動物における標準的な医薬手順によって決定され得る。本明細書に記載される「安全かつ(治療的に)有効な量の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物、またはキット」を決定するのに好適な動物モデルの例には、これらに限定されないが、ウサギ、ヒツジ、マウス、ラット、イヌおよびヒト以外の霊長類動物モデルが含まれる。毒性効果と治療的効果との間の用量比は治療指数であり、LD50/ED50比として表すことができる。大きな治療指数を示す人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物またはキットが一般に好ましい。細胞培養分析および動物実験から得られたデーターは、ヒトにおける使用のための用量範囲を策定する際に使用することができる。このような化合物の用量は、毒性がほとんどないかまたは全くないED50を含む血中濃度の範囲内にあることが好ましい。
例えば、本明細書に記載の本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットの治療的に有効な用量は、用量単位あたり約0.001mg〜10mg、好ましくは約0.01mg〜5mg、より好ましくは約0.1mg〜2mg、または用量単位あたり約0.01nmol〜1mmol、特に用量単位あたり1nmol〜1mmol、好ましくは用量単位あたり1μmol〜1mmolであり得る。本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットの治療的に有効な用量は、(体重kgあたり)約0.01mg/kg〜10g/kg、好ましくは約0.05mg/kg〜5g/kg、より好ましくは約0.1mg/kg〜2.5g/kgであり得ることもまた想定される。
[遺伝病]
好ましい実施形態において、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、遺伝病の治療または予防のために使用される。
本明細書で用いる用語「遺伝病」は、ゲノム中の異常(つまり、野生型、健康および非症候性の状態からの逸脱)によって引き起こされ、それによって特徴づけられ、またはそれに関連する、あらゆる疾患、病気または病状を含む。このような異常には、染色体のコピー数の変化(例えば、異数性)またはその一部(例えば、欠失、重複、増幅);または染色体の構造の変化(例えば、転座、点突然変異)が含まれ得る。ゲノム異常は、遺伝性(劣性または優性のいずれか)の場合もあれば、非遺伝性の場合もある。ゲノム異常は、生体の一部の細胞またはその生体のすべての細胞に存在し得るものであり、常染色体、X連鎖、Y連鎖およびミトコンドリア異常を含む。
さらに、本発明は、WO2012/013326A1(参照によりその全部が本願に援用される)に記載されている全ての疾患、遺伝性疾患または遺伝病を治療することが可能である。
[癌]
好ましい実施形態において、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、癌の治療または予防のために使用される。
本明細書で用いられる用語「癌」は、周囲の組織に侵入し、遠隔の身体部位に転移する傾向がある、制御されない、通常は迅速な細胞の増殖を特徴とする新生物を指す。この用語は、良性および悪性の新生物を包含する。癌における悪性は典型的には退形成、侵襲性、および転移性によって特徴付けられ、一方、良性悪性腫瘍は典型的にはこれらの性質のいずれも有さない。この用語には、腫瘍増殖ならびに血中およびリンパ系の癌を特徴とする新生物が含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを、特に腫瘍または癌疾患の治療のための医薬品として使用することができる。これに関して、治療は、好ましくはとりわけ腫瘍内注射による腫瘍内使用を含む。したがって、本発明に係る人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、腫瘍または癌疾患の治療のための医薬品の調製に使用することが可能であり、上記医薬品は、腫瘍または癌疾患の治療のための腫瘍内使用(投与)に特に適している。
好ましくは、本明細書に記載の腫瘍または癌疾患は、例えば、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨の癌、骨肉腫/悪性線維性組織球腫、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、上衣細胞腫、髄芽細胞腫、未分化神経外胚葉性テント上腫瘍、視覚路および視床下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、バーキットリンパ腫、小児カルチノイド腫瘍、胃腸管系のカルチノイド腫瘍、未知の原発性の癌、原発性の中枢神経系リンパ腫、小児小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、皮膚T細胞性リンパ腫、結合組織形成性小細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣細胞腫、食道癌、ユーイング腫瘍群におけるユーイング肉腫、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、生殖腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆のう癌、胃癌、胃腸管系のカルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、頭蓋外、生殖腺外、または卵巣生殖細胞腫瘍、妊娠性の栄養膜腫瘍、脳幹の神経膠腫、小児大脳星状細胞腫、小児視覚路・視床下部神経膠腫、胃カルチノイド、毛様細胞白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、小児視床下部・視覚路神経膠腫、眼内黒色腫、島細胞癌(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎臓癌(腎細胞癌)、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、毛様細胞白血病、口唇癌、口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌、非小細胞性肺癌、小細胞性肺癌、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性の中枢神経系リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、小児髄芽細胞腫、黒色腫、眼内黒色腫、メルケル細胞癌、成人悪性中皮腫、小児中皮腫、顕性および原発性を有している転移性扁平上皮頸癌、口腔癌、小児多発性内分泌腺腫症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、成人急性骨髄性白血病、小児急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫(骨髄の癌)、慢性骨髄増殖性障害、鼻腔癌および副鼻腔癌、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌(表面上皮間質腫瘍)、卵巣生殖細胞腫瘍、悪性の低い潜在性の卵巣腫瘍、膵臓癌、島細胞膵臓癌、副鼻腔癌および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、クロム親和細胞腫、松果体星状細胞種、松果体胚細胞腫、小児松果体芽細胞腫および未分化神経外胚葉性テント上腫瘍、下垂体腺腫、形質細胞腫/多発性骨髄腫、肺強膜芽細胞腫、原発性中枢神経系白血病、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌(腎臓癌)、腎盂および尿管の癌、網膜芽細胞腫、小児横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング腫瘍群の肉腫、カポジ肉腫、軟組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(非黒色腫)、皮膚癌(黒色腫)、メルケル細胞皮膚肉腫、小腸癌、扁平上皮細胞肉腫、顕性および原発性を有している転移性扁平上皮頸癌、小児未分化神経外胚葉性テント上腫瘍、精巣癌、咽頭癌、小児胸腺腫、腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、小児甲状腺癌、腎盂および尿管の移行細胞癌、妊娠性の栄養膜腫瘍、尿道口癌、子宮内膜性子宮癌、子宮肉腫、膣癌、小児視覚路・視床下部神経膠腫、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ならびに小児ウィルムス腫瘍(腎臓癌)、を含む腫瘍または癌疾患から選択される。
さらに、本発明は、WO2012/013326A1またはWO2017/109134A1(参照によりその全部が本願に援用される)に記載されているすべての疾患または癌疾患を治療することが可能である。
[感染症]
好ましい実施形態では、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、感染症の治療または予防のために使用される。
用語「感染」または「感染症」は、体内に通常存在しない細菌、ウイルス、および寄生虫などの微生物の侵入および増殖に関連する。感染は、症状を引き起こさず無症状の場合もあれば、症状を引き起こし臨床的に明らかな場合もある。感染は局在性のままの場合もあれば、血液またはリンパ系を介して広がり、全身性になる場合もある。これに関して、感染症には、好ましくはウイルス性、細菌性、真菌性または原生動物学的感染症が含まれる。
特に、感染症は、アシネトバクター感染症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、エイズ(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、炭疽病、虫垂炎、溶血性分泌菌感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、乾疱状白せん、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性膣炎(BV)、バクテロイデス感染症、ビルハルチア病、Baylisascaris感染症、ビルハルツ住血吸虫症、BKウイルス感染症、黒色砂毛症、Blastocystis hominis感染症、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボレリア感染症(ボレリア症)、ボツリヌス中毒症(および乳児ボツリヌス中毒症)、ウシ条虫、ブラジル出血熱、ブルセラ症、バークホルデリア感染症ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター病、カンジダ症(カンジダ症(Candidosis))、イヌ条虫感染症、猫ひっかき病、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、クラミジア感染症、Chlamydia trachomatis感染症、Chlamydophila pneumoniae感染症、コレラ、クロモブラストミセス症、鼠径リンパ肉芽腫、肝吸虫症、Clostridium difficile感染症、コクシジオイデス症、悪寒、コロラドダニ熱(CTF)、風邪(急性ウイルス性鼻咽頭炎;急性鼻感冒)、尖圭コンジローマ、結膜炎、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、皮膚リーシュマニア症、サイクロスポーラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、皮膚真菌症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、ドノヴァン症(Donavanosis)、メジナ虫症、初夏脳髄膜炎(FSME)、エボラ出血熱、エキノコッカス症、エールリヒア症、蟯虫症(蟯虫感染)、エンテロコッカス感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、喉頭蓋炎、EBウイルス感染性単核球症、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹、肥大吸虫症、肝蛭症、致死性家族性不眠症(FFI)、第五病、フィラリア症、魚類中毒(シガテラ)、魚類条虫、インフルエンザ、ウェルシュ菌による食中毒、キツネ条虫、自由生アメーバ感染症、フソバクテリウム感染症、ガス壊疽、ジオトリクム症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径部肉芽腫(ドノヴァン症)、グループA連鎖球菌感染症、グループB連鎖球菌感染症、ヘモフィルス・インフルエンザ菌感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ヘリコバクター・ピロリ感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘニパウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペスII型、帯状疱疹、ヒストプラズマ症、凹窩いぼ(Hollow wart)、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエールリヒア症、ヒト顆粒球アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球エールリヒア症、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、膜様条虫症、インフルエンザ、イソスポラ症、日本脳炎、川崎病、角膜炎、キンゲラ・キンゲ感染症、クールー、ランブル鞭毛虫症(ジアルジア症)、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病、ポンティアック熱)、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、シラミ、リステリア症、ライムボレリア症、ライム病、リンパ管フィラリア症(象皮病)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、マールブルグウイルス、麻疹、類鼻疽(ホイットモア病)、髄膜炎、髄膜炎菌性感染症、横川吸虫症、小胞子虫症、微小条虫、流産(前立腺炎症)、伝染性軟属腫(MC)、単核症、おたふく風邪、マウスチフス(発疹熱)、菌腫、Mycoplasma hominis、マイコプラズマ肺炎、ハエ蛆症、おむつ(nappy)/おしめ(diaper)皮膚炎、新生児結膜炎(新生児眼炎)、新生児敗血症(絨毛羊膜炎)、ノカルジア症、水癌、ノーウォークウイルス感染症、糸状虫症(河川盲目症)、骨髄炎、中耳炎、パラコクシジオイド症(南米ブラストミセス症)、肺吸虫症、パラチフス、パスツレラ症、アタマジラミ寄生症(アタマジラミ)、コロモジラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ寄生症(ケジラミ)、骨盤内炎症性疾患(PID)、ペルツシス(百日咳)、Pfeiffer腺熱、伝染病、肺炎球菌感染症、ニューモシスチス肺炎(PCP)、肺炎、ポリオ(小児跛行)、灰白髄炎、豚条虫、プレボテーラ感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、仮性クループ、オウム病、Q熱、野兎病、狂犬病、鼠咬症、ライター症候群、呼吸器合胞体ウイルス感染症(RSV)、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラパラチフス、サルモネラチフス、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症(ビルハルツ住血吸虫症)、ツツガムシ病、敗血症、シゲラ症(細菌性赤痢)、帯状疱疹、天然痘(痘瘡)、軟性下疳、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、梅毒、テニヤ条虫症、破傷風、三日熱、ダニ媒介性脳炎、白癬性毛瘡(床屋疹)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(身体の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒色輪癬、足部白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(なまず)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM)および内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラズマ症、施毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、トリッパー、トリパノソーマ症(睡眠病)、ツツガムシ病、結核、ツラレミア、チフス、チフス熱、ウレアプラズマ・ウレアリチカム感染症、膣炎(コルピティス)、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、ウイルス性肺炎、内臓リーシュマニア症、いぼ、西ナイル熱、西部ウマ脳炎、白色砂毛(しらくも)、百日咳、酵母菌斑点、黄熱病、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、および接合菌症、から選択し得る。
さらなる感染症には、Acinetobacter baumannii、アナプラズマ属、Anaplasma phagocytophilum、Ancylostoma braziliense、十二指腸虫、Arcanobacterium haemolyticum、Ascaris lumbricoides、アスペルギルス属、Astroviridae、バベシア属、炭疽菌、セレウス菌、Bartonella henselae、BKウイルス、Blastocystis hominis、Blastomyces dermatitidis、Bordetella pertussis、Borrelia burgdorferi、ボレリア属、ボレリア種、ブルセラ属、Brugia malayi、ブニヤウイルス科、Burkholderia cepaciaおよび他のBurkholderia種、Burkholderia mallei、Burkholderia pseudomallei、カリチウイルス科、カンピロバクター属、Candida albicans、カンジダ種、Chlamydia trachomatis、Chlamydophila pneumoniae、Chlamydophila psittaci、CJDプリオン、Clonorchis sinensis、ボツリヌス菌、Clostridium difficile、ウェルシュ菌、ウェルシュ菌、クロストリジウム種、破傷風菌、コクシジオイデス種、コロナウイルス、ジフテリア菌、Coxiella burnetii、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、Cryptococcus neoformans、クリプトスポリジウム属、サイトメガロウイルス、デングウイルス(DEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4)、二核アメーバ、エボラウイルス(EBOV)、エキノコッカス属、Ehrlichia chaffeensis、Ehrlichia ewingii、Ehrlichia属、赤痢アメーバ、エンテロコッカス属、エンテロウイルス属、エンテロウイルス、主にコクサッキーAウイルスおよびエンテロウイルス71(EV71)、表皮菌種、EBウイルス(EBV)、大腸菌O157:H7、O111およびO104:H4、肝蛭および巨大肝蛭、FFIプリオン、糸状虫目上科、フラビウイルス、野兎病菌、フソバクテリウム属、Geotrichum candidum、ランブル鞭毛虫、顎口虫種、GSSプリオン、Guanaritoウイルス、軟性下疳菌、ヘモフィルス・インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、ヘニパウイルス(ヘンドラウイルス、ニパウイルス)A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1および2(HSV−1およびHSV−2)、ヒストプラスマカプスラツーム、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、Hortaea werneckii、ヒトボカウイルス(HBoV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)およびヒトヘルペスウイルス7(HHV−7)、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、フニンウイルス、キンゲラ・キンゲ、クレブシエラ・グラニュロマティス、クーループリオン、ラッサウイルス、レジオネラ菌、リーシュマニア属、レプトスピラ属、リステリア・モノサイトゲネス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、マチュポウイルス、マラセチア種、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、横川吸虫、微胞子虫門、伝染性軟属腫ウイルス(MCV)、ムンプスウイルス、らい菌およびマイコバクテリウム・レプロマトーシス、結核菌、Mycobacterium ulcerans、肺炎マイコプラズマ、ネグレリアフォーレリ、アメリカ鉤虫、淋菌、髄膜炎菌、ノカルジア・アステロイデス、ノカルジア種、回旋糸状虫、オリエンティア・ツツガムシ、オルソミクソウイルス科、Paracoccidioides brasiliensis、肺吸虫種、ウェステルマン肺吸虫、パルボウイルスB19、パスツレラ属、プラズモディウム属、ニューモシスチス・イロベチイ、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルス、ライノウイルス、リケッチア・アカリ、リケッチア属、リケッチア・プロワツェキイ、リケッチア・リケッチイ、リケッチア・チフィ、リフトバレー熱ウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、サビアウイルス、サルモネラ属、ヒゼンダニ、SARSコロナウイルス、住血吸虫属、赤痢菌属、シンノンブレウイルス、ハンタウイルス、スポロトリックス・シェンキィ、ブドウ球菌属、ブドウ球菌属、Streptococcus agalactiae、肺炎レンサ球菌、化膿レンサ球菌、糞線虫、テニア属、有鉤条虫、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)、イヌ蛔虫またはネコ蛔虫、トキソプラズマ原虫、トレポネーマ・パリダム、旋毛虫、膣トリコモナス、白癬菌種、鞭虫、トリパノソーマ・ブルセイ、クルーズトリパノソーマ、ウレアプラズマ・ウレアリチカム、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、天然痘または小痘瘡、vCJDプリオン、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、コレラ菌、西ナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス、腸炎エルシニア、ペスト菌、およびYersinia pseudotuberculosisによって引き起こされる感染症が含まれる。これに関して、感染性疾患、好ましくは、ウイルス性、細菌性または原虫性感染症は、典型的に、インフルエンザ、マラリア、SARS、黄熱病、エイズ、ライムボレリア症、リーシュマニア症、炭疽病、髄膜炎、エイズなどのウイルス性感染症、尖圭コンジローマ、凹窩いぼ(Hollow wart)、デング熱、三日熱、エボラウイルス、悪寒、初夏脳髄膜炎(FSME)、インフルエンザ、帯状疱疹、肝炎、単純ヘルペスI型、単純ヘルペスII型、帯状疱疹、インフルエンザ、日本脳炎、ラッサ熱、マールブルグウイルス、麻疹、口蹄疫、単核症、おたふく風邪、ノーウォークウイルス感染症、Pfeiffer腺熱、天然痘、ポリオ(小児跛行)、仮性クループ、第五病、狂犬病、いぼ、西ナイル熱、水痘、巨細胞性ウイルス(CMV)、流産(前立腺炎症)などの細菌性感染症、炭疽病、虫垂炎、ボレリア症、ボツリヌス中毒症、カンピロバクター、Chlamydia trachomatis(尿道の炎症、結膜炎)、コレラ、ジフテリア、ドノヴァン症(donavanosis)、喉頭蓋炎、チフス熱、ガス壊疽、淋疾、野兎病、ヘリオバクター・ピロリ、百日咳、鼠径リンパ肉芽腫、骨髄炎、レジオネラ病、ハンセン病、リステリア症、肺炎、髄膜炎、細菌性髄膜炎、炭疽病、中耳炎、Mycoplasma hominis、新生児敗血症(絨毛羊膜炎)、水癌、パラチフス、伝染病、ライター症候群、ロッキー山紅斑熱、サルモネラパラチフス、サルモネラチフス、猩紅熱、梅毒、破傷風、トリッパー、ツツガムシ病、結核、チフス、膣炎(コルピティス)、軟性下疳、ならびに、アメーバ症、ビルハルツ住血吸虫症、シャーガス病、エキノコッカス症、魚類条虫、魚類中毒(シガテラ)、キツネ条虫、乾疱状白せん、イヌ条虫、カンジダ症、酵母菌斑点、疥癬、皮膚リーシュマニア症、ランブル鞭毛虫症(ジアルジア症)、シラミ、マラリア、顕微鏡法、糸状虫症(河川盲目症)、真菌性疾患、ウシ条虫、住血吸虫症、豚条虫、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症(睡眠病)、内臓リーシュマニア症、おむつ(nappy)/おしめ(diaper)皮膚炎、または微小条虫、などの、寄生虫、原生動物、または菌類、によって引き起こされる感染症、から選択される。
<自己免疫疾患>
好ましい実施形態では、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、自己免疫疾患の治療または予防のために使用される。
用語「自己免疫疾患」は、対象の自己の細胞、組織および/または臓器に対する免疫学的反応によって引き起こされる細胞、組織および/または臓器の損傷を特徴とする、対象におけるあらゆる疾患、障害または病状を指す。典型的には、「自己免疫疾患」は自己抗原、つまり、健康な体細胞によって発現される抗原、に反応する抗体の産生に起因するか、またはそれによって悪化する。
自己免疫疾患は、それぞれの疾患の主要な臨床病理学的特徴に応じて、全身性および臓器特異性または局在性の自己免疫異常に大別できる。自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症、慢性関節リウマチおよび多発性筋炎、を含む全身性症候群、または内分泌学的(I型糖尿病(糖尿病1型)、橋本甲状腺炎、
アジソン病など)、皮膚学的(尋常性天疱瘡)、血液学的(自己免疫性溶血性貧血)、神経的(多発性硬化症)、であり得る局在性症候群、のカテゴリーに分けられ得るが、これらに限定されるものではなく、あるいは、実質的にあらゆる限局性の身体組織の塊を含み得る。本発明に関して、自己免疫疾患は、例えば、多発性硬化症(MS)、慢性関節リウマチ、糖尿病、I型糖尿病(糖尿病1型)、慢性多発性関節炎、バセドウ病、慢性肝炎の自己免疫形態、潰瘍性大腸炎、I型アレルギー疾患、II型アレルギー疾患、III型アレルギー疾患、IV型アレルギー疾患、線維筋痛症、抜け毛、ベヒテレフ病、クローン病、重症筋無力症、神経皮膚炎、リウマチ性多発筋痛、進行性全身性硬化症(PSS)、ライター症候群、慢性関節リウマチ、乾癬、脈管炎、およびII型糖尿病などの、I型自己免疫疾患またはII型自己免疫疾患またはIII型自己免疫疾患またはIV型自己免疫疾患、からなる群から選択され得る。
<炎症性疾患>
好ましい実施形態では、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、炎症性疾患の治療または予防のために使用される。
用語「炎症性疾患」は、炎症、好ましくは慢性炎症によって特徴付けられるか、それによって引き起こされるか、それに起因するか、またはそれを伴う、対象における任意の疾患、病気または病状を指す。自己免疫異常は、炎症を伴うこともあれば伴わないこともある。さらに、炎症は、自己免疫異常に起因することもあれば、起因しないこともある。したがって、ある種の病気は、自己免疫性および炎症性異常の両方として特徴付けられ得る。
本発明に関して、炎症性疾患の例には、慢性関節リウマチ、クローン病、糖尿病性網膜症、乾癬、子宮内膜症、アルツハイマー、強直性脊椎炎、関節炎(変形性関節症、慢性関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎)、喘息、アテローム性動脈硬化症、大腸炎、皮膚炎、憩室炎、線維筋痛症、肝炎、過敏性腸症候群(IBS)、全身性ループスエリテマトーデス(SLE)、腎炎、パーキンソン病、および潰瘍性大腸炎、が含まれるが、これらに限定されるものではない。
<アレルギー>
好ましい実施形態では、人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットは、アレルギーの治療または予防のために使用される。
用語「アレルギー」または「アレルギー性過敏症」は、しばしば遺伝的素因を有する個体(アトピー)において、物質(アレルゲン)に応答する免疫学的機構によって開始される過敏症反応によって引き起こされるかまたは特徴付けられるあらゆる疾患、病気または病状を指す。アレルギーは、抗体または細胞を媒介し得る。ほとんどの患者において、アレルギー反応の典型的な原因となる抗体は、IgEアイソタイプ(IgE媒介アレルギー、I型アレルギー)に属する。IgEを介さないアレルギーでは、抗体はIgGアイソタイプに属し得る。アレルギーは、過敏性反応を引き起こす抗原の供給源によって分類され得る。本発明に関して、アレルギーは、(a)食物アレルギー、(b)薬アレルギー、(c)ハウスダストアレルギー、(d)昆虫毒または咬傷アレルギー、および(e)花粉アレルギーから選択され得る。あるいは、アレルギーは過敏性反応の主要症状に基づいて分類してもよい。本発明に関して、アレルギーは、(a)喘息、(b)鼻炎、(c)結膜炎、(d)鼻結膜炎、(e)皮膚炎、(f)じん麻疹および(g)アナフィラキシー、の群から選択され得る。
[併用療法]
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットはまた、併用療法で使用され得る。本明細書中に規定される疾患および病気を治療または予防するために有用な任意の他の治療は、本明細書に記載の使用および方法と組み合わせられ得る。
例えば、本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを受けている対象は、化学療法(例えば、第一選択または第二選択化学療法)、放射線療法、化学放射線(化学療法および放射線療法の組み合わせ)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)、抗体療法、および/または阻害性および/または刺激性チェックポイント分子(例えば、CTLA4阻害剤)、を受けている、(好ましくは本明細書に規定されている)癌、または関連する病状を有する患者、あるいは、上記で特定された治療の1つ以上を受けた後に部分奏効または安定を達成した患者、であり得る。あるいは、本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを受けている対象は、抗生物質、抗真菌療法または抗ウイルス療法を受けている、(好ましくは本明細書に規定されている)感染症を有する患者であり得る。
したがって、さらなる態様において、本発明はまた、上記人工核酸分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはキットを用いた治療に適している、癌、感染症、または任意の他の疾病の別の治療を補助するための、本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはパーツのキットの使用に関する。
本発明の人工核酸(RNA)分子、(薬学的)組成物もしくはワクチンまたはパーツのキットの投与は、他の治療薬を投与する前に、同時に、および/またはその後に実施してもよく、または、治療対象となる特定の疾病または病状の治療に有用な別の治療を患者に施す前に、同時に、および/またはその後に、実施してもよい。
〔インビトロ方法〕
さらなる態様では、本発明は、適切なUTRの組み合わせ、適切なUTRの組み合わせを有する人工核酸分子を決定および調製することを可能にする有用なインビトロ方法を提供し、好ましくは、操作可能に連結されたコーディング配列の発現効率を増加させることができるインビトロ方法を提供する。
したがって、本発明は、好ましくは本明細書に記載のような(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしている少なくとも1つのコーディング領域を含む人工核酸(RNA)分子の発現効率を増加させる方法を提供し、当該方法は、(a)上記コーディング領域を、HSD17B4、ASAH1、ATP5A1、MP68、NDUFA4、NOSIP、RPL31、SLC7A3、TUBB4BおよびUBQLN2からなる群から選択される遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、に会合させる工程;(b)上記コーディング領域を、PSMB3、CASP1、COX6B1、GNAS、NDUFA1およびRPS9からなる群から選択される遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子に会合させる工程;および(c)人工核酸(RNA)分子を得る工程、を含む。
さらなる態様において、本発明は、所望の組織または所望の組織由来の細胞における発現効率を増加させることができる5’−UTRおよび3’−UTRの組み合わせを同定する方法を提供し、当該方法は:
a)それぞれが、請求項3に定義される5’−UTRの1つおよび/または3’−UTRの1つに操作可能に連結された、検出可能なレポーターポリヌクレオチド、好ましくは選択されたルシフェラーゼまたはeGFPをコードしている、「レポーターORF」を含む、人工核酸分子のライブラリー(「試験構成物」)を生成する工程;
b)参照5’および3’−UTR、好ましくは「参照構成物」としてのRPL32およびALB7に操作可能に連結された上記「レポーターORF」を含む人工核酸分子を提供する工程;
c)上記試験構成物および上記参照構成物を、それらの発現を可能にする好適な条件下で、所望の組織または細胞に導入する工程;
d)上記試験構成物および上記参照構成物からの「レポーターORF」からの上記ポリペプチドの発現を検出および定量する工程;
e)上記試験構成物と参照構成物からのポリペプチド発現を比較する工程;を含み、
ここで、参照構成物と比較して増加したポリぺポリペプチド発現によって特徴付けられた試験構成物が、所望の組織または細胞において発現効率を増加させることができると同定される。
本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物から選択された目的の(ポリ)ペプチドおよびタンパク質の平均発現プロファイルを示す。 種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせ、およびA64ポリ(A)配列、続いて3’−UTRとしてN5を含むRNA構成物からの平均発現プロファイルを示す。 異なる細胞株中の種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせに加えて、ポリCおよびヒストンステムループを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 異なる細胞株中のエリスロポイエチン(EPO)をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 ヒト二倍体線維芽細胞(HDF)中の種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 異なる細胞株中の目的のタンパク質の抗原構成物をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 HeLa細胞中の種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 HepG2細胞中の種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 HSkMC細胞中の種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 異なる細胞株中の狂犬病ウイルス糖タンパク質(RAVG)をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。 HEK293T細胞中の種々の目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを示す。
以下では、本発明の様々な実施形態および態様を示す特定の例を提示する。しかしながら、本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲が限定されるべきではない。以下の調製および例は当業者が本発明をより明確に理解し、実施することを可能にするために与えられる。しかしながら、本発明は例示された実施形態によって範囲が限定されるものではなく、例示された実施形態は本発明の単一の態様の例示としてのみ意図され、機能的に同等の方法も本発明の範囲に含まれる。実際、本明細書に記載されたものに加えて、本発明の様々な変形例が、上述の記載、付随する図面および以下の実施例から当業者に容易に明らかになるのであろう。そのようなすべての変形例は、添付の特許請求の範囲に含まれる。
〔実施例1:特定のUTRの組み合わせによるRAV−G発現の増加〕
細胞を、黒色縁および光学透明底部を有する96ウェルプレート(Nunc Microplate;Thermo Fisher)上に播種した。HeLa細胞またはHDFを24時間播種した後、適合性完全細胞培地(200μl/ウェル中10,000細胞)にトランスフェクションした。HSkMCを48時間播種した後、2%ウマ血清(Gibco)を含む分化培地中でトランスフェクションして、分化(200μl/ウェル中48,000細胞)を誘導した。細胞を37℃、5%COで維持した。
トランスフェクションの日に、HeLaまたはHDF上の完全培地を、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher)に置き換えた。HSkMC上の培地を新鮮な完全分化培地と交換した。
それぞれのRNAを、1/1.5(w/v)の比率でLipofectamine2000(HeLaおよびHDF)と、または1/2.5(w/v)の比率でLipofectamine3000(HSkMC)と、Opti−MEMで20分間複合体化した。
次いで、リポコンプレックスされた(Lipocomplexed)mRNAを細胞に添加し、総容量200μl中のウェルあたり100ngのRNA(HeLaおよびHDF)または70ngのRNA(HSkMC)のいずれかとトランスフェクションさせた。
トランスフェクション開始から90分後、HeLaまたはHDF上のトランスフェクション溶液150μl/ウェルを、150μl/ウェルの完全培地と交換した。細胞をさらに37℃、5%CO2で維持した後、インセルウェスタン(In-Cell-Western)を実施した。
トランスフェクション開始から24、48または72時間後、RAV−G発現を、E−タグ(ウサギ多クローン性IgG;Bethyl)に対する原発性抗体、続いてIRDye結合二次抗体(IRDye 800CWヤギ抗ウサギIgG;LI−COR)を用いてインセルウェスタン(In-Cell-Western)により定量した。インセルウェスタンの全ての工程は、室温で行った。
最初に、細胞をPBSで一回洗浄し、PBS中の3.7%ホルムアルデヒドで20分間固定した。PBS中で一回洗浄した後、細胞をPBS中の0.1%Triton X−100で10分間透過化した。PBS中の0.1%Tween 20で3回洗浄した後、細胞をオデッセイブロッキングバッファー(Odyssey Blocking Buffer)(PBS)(LI−COR)で30分間ブロックした。
次に、細胞を原発性抗体(オデッセイブロッキングバッファー(PBS)で1:1000に希釈)と共に90分間培養した。次いで、細胞を3回洗浄した(Tween/PBS)。
続いて、二次抗体およびCell−Tag 700 Stain(LI−COR)(それぞれ、オデッセイブロッキングバッファー(PBS)で1:200および1:1000に希釈)の混合物と共に、暗所で一時間、細胞を培養した。
4回の洗浄(Tween/PBS)後、Odyssey(登録商標) CLx Imaging system(LI−COR)を用いてスキャンした細胞およびプレートにPBSを加えた。
蛍光(800nm)を、Image Studio Lite Softwareを使用して定量し、結果を、100%に設定したRPL32/ALB7−UTRの組み合わせを含む参照構成物からの発現と比較した。RPL32由来5’−UTRの配列を配列番号21(DNA)および22(RNA)に示す。ALB7由来3’−UTRの配列を配列番号35(DNA)および36(RNA)に示す。
異なる細胞株中の狂犬病ウイルス糖タンパク質(RAVG)をコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを図10に示す。
明らかなように、コーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを使用することによって、発現を有意に増加させることができた。
種々のmRNA3’配列、つまり、A64N5(つまり、64Aとそれに続くN5を有するポリ(A)配列)および3’配列としてのC30−HSL(つまり、30Cとそれに続くヒストンステムループを有するポリ(C)配列;上述のヒストンSLまたはHSL)の使用に関するさらなる詳細な結果を、以下の表4A−Iに示す。表4A−Iの左側はA64N5についての結果を示し、右側はC30−HSLについての結果を示す。上記の図10は、両方の実験の平均値である。全ての実施例と同様に、UTRの組み合わせRPL32/ALB7.1を100%に正規化した。
Figure 2021501572
Figure 2021501572
本実施例で使用した配列を表4A−IIに示す。
Figure 2021501572
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〔実施例2:特定のUTRの組み合わせによるHsEpoおよびPpluc発現の増加〕
細胞を96ウェルプレートに播種した。HDFおよびHepG2(200μl/ウェル中10,000細胞)を24時間播種した後、適合性完全細胞培地にトランスフェクションした。HSkMC(200μl/ウェル中48,000細胞)を48時間播種した後、2%ウマ血清(Gibco)を含む分化培地中でトランスフェクションし、分化を誘導した。細胞を37℃、5%COで維持した。
トランスフェクションの日に、完全培地(HDFおよびHepG2)を無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher)に置き換えた。HSkMC上の培地を新鮮な完全分化培地と交換した。
それぞれのRNAを、1/1.5(w/v)の比率でLipofectamine2000(HDFおよびHepG2)と、または1/2.5(w/v)の比率でLipofectamine3000(HSkMC)と、Opti−MEMで20分間複合体化した。
次いで、リポコンプレックスされたmRNAを細胞に添加し、総容量200μl中のウェルあたり100ngでトランスフェクションさせた。
トランスフェクション開始から90分後、HDFおよびHepG2上のトランスフェクション溶液150μl/ウェルを完全培地150μl/ウェルに交換した。細胞をさらに37℃、5%CO2で維持した後、インセルウェスタンを実施した。
HsEPO:
トランスフェクション開始から24時間後、市販のELISAキット(RNDsystems、カタログ番号DEP00)およびHidex Chameleonプレートリーダーを用いて、細胞上清中のHsEpo発現を測定した。
PPluc:
トランスフェクション開始から24時間後、Ppluc発現を細胞溶解液中で測定した。100μlの1倍のパッシブ溶解緩衝液(passive lysis buffer)(Promega、カタログ番号E1941)を少なくとも15分間添加することによって、細胞を溶解した。溶解した細胞を−80℃で少なくとも1時間培養した。溶解した細胞を解凍し、20μlを白色LIA分析プレート(Greiner カタログ番号655075)に添加した。プレートを、ホタルルシフェラーゼの基質を含有するビートルジュース用の注入デバイスを有するHidex Chameleonプレートリーダーに導入した。ウェルあたり100μlのビートルジュースを添加した。Ppluc発光を、Hidex Chameleonプレートリーダーによって測定した。
結果を、100%に設定したRPL32/ALB7−UTRの組み合わせを含む参照構成物からの発現と比較した。RPL32由来5’−UTRの配列を配列番号21(DNA)および22(RNA)に示す。ALB7由来3’−UTRの配列を配列番号35(DNA)および36(RNA)に示す。
異なる細胞株中のEPOをコードしているコーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNA構成物の平均発現プロファイルを図4に示す。
明らかなように、コーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを使用することによって、発現を有意に増加させることができた。
種々のmRNA3’配列、つまり、A64N5(つまり、64Aとそれに続くN5を有するポリ(A)配列)および3’配列としてのC30−HSL(つまり、30Cとそれに続くヒストンステムループを有するポリ(C)配列;上述のヒストンSLまたはHSL)の使用に関するEPOのさらなる詳細な結果を、以下の表4B−Iに示す。表4B−Iの左側はA64N5についての結果を示し、右側はC30−HSLについての結果を示す。上記の図4は、両方の実験の平均値である。全ての実施例と同様に、UTRの組み合わせRPL32/ALB7.1を100%に正規化した。
Figure 2021501572
Figure 2021501572
本実施例で使用した配列を表4B−IIに示す。
Figure 2021501572
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Figure 2021501572
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〔実施例3:特定のUTRの組み合わせによる目的のタンパク質(POI)発現の増加〕
HeLa、HDFおよびHSkM細胞を、インセルウェスタンブロッティングによって分析した:
細胞を、黒色縁および光学透明底部を有する96ウェルプレート(Nunc Microplate;Thermo Fisher)上に播種した。HeLa細胞またはHDF(200μl/ウェル中10,000細胞)を24時間播種した後、適合性完全細胞培地にトランスフェクションした。HSkMC(200μl/ウェル中48,000細胞)を48時間播種した後、2%ウマ血清(Gibco)を含む分化培地中でトランスフェクションし、分化を誘導した。細胞を37℃、5%COで維持した。
トランスフェクションの日に、HeLaまたはHDF上の完全培地を、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher)に置き換えた。HSkMC上の培地を新鮮な完全分化培地と交換した。
それぞれのRNAを、1/1.5(w/v)の比率でLipofectamine2000(HeLaおよびHDF)と、または1/2.5(w/v)の比率でLipofectamine3000(HSkMC)と、Opti−MEMで20分間複合体化した。
次いで、リポコンプレックスされたmRNAを細胞に添加し、総容量150μl中のウェルあたり200ngのRNA(HeLaおよびHDF)または100ngのRNA(HSkMC)のいずれかとトランスフェクションさせた。
トランスフェクション開始から90分後、HeLaまたはHDF上の100μl/ウェルのトランスフェクション溶液を100μl/ウェルの完全培地と交換した。細胞をさらに37℃、5%CO2で維持した後、インセルウェスタンを実施した。
トランスフェクション開始から36時間後、POI発現を、POI(マウス単クローン性抗POI;Santa Cruz)に対する原発性抗体、続いてIRDye結合二次抗体(IRDye 800CWヤギ抗ウサギIgG;LI−COR)を用いてインセルウェスタンにより定量した。インセルウェスタンの全ての工程は、室温で行った。
最初に、細胞をPBSで一回洗浄し、PBS中の3.7%ホルムアルデヒドで10分間固定した。PBS中で一回洗浄した後、細胞をPerm/Wash緩衝液(BD)で30分間透過化した。細胞を、オデッセイブロッキングバッファー(PBS)(LI−COR)およびPerm/Wash緩衝液(BD)(1:1)の混合物で30分間ブロックした。
次に、細胞を原発性抗体(Perm/Wash緩衝液(BD)で1:200に希釈)と共に150分間培養した。次いで、細胞を3回洗浄した(Perm/Wash緩衝液(BD))。
続いて、細胞を二次抗体とCell−Tag 700 Stain(LI−COR)(Perm/Wash緩衝液(BD)でそれぞれ1:200および1:1000に希釈)との混合物と共に暗所で一時間培養した。
4回洗浄(Perm/Wash緩衝液(BD))後、Odyssey(登録商標) CLx Imaging system(LI−COR)を用いてスキャンした細胞とプレートにPBSを添加した。
蛍光(800nm)を、Image Studio Lite Softwareを使用して定量し、結果を、100%に設定したRPL32/ALB7−UTRの組み合わせを含む参照構成物からの発現と比較した。RPL32由来5’−UTRの配列を配列番号21(DNA)および22(RNA)に示す。ALB7由来3’−UTRの配列を配列番号35(DNA)および36(RNA)に示す。
Sol8細胞を、ルーチンFACS解析を介して分析した。
細胞をTCプレート24ウェル標準Fプレート(Sarstedt)に播種した。Sol8細胞(1000μl/ウェル中40,000細胞)を24時間播種した後、適合性完全細胞培地にトランスフェクションした。細胞を37℃、5%COで維持した。
トランスフェクションの日に、完全培地を、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher)に置き換えた。
それぞれのRNAを、Opti−MEMで20分間、1/1.5(w/v)の比率で、Lipofectamine2000のいずれかと複合体化した。
次いで、リポコンプレックスされたmRNAを細胞に添加し、(総容量1500μl中のウェルあたり)500ngのRNAとトランスフェクションさせた。
トランスフェクション開始から190分後、Sol8細胞上の全トランスフェクション溶液(1500μl)を2000μl/ウェルの完全培地に交換した。細胞を37℃、5%COでさらに維持した後、FACS解析を実施した。
トランスフェクション開始から36時間後、pri発現を、POI(マウス単クローン性抗POI;Santa Cruz)、続いてAPC結合二次抗体(ヤギ抗マウスIgG APC;Biolegend)に対する原発性抗体を用いたFACS解析によって定量した。FACS解析の全ての工程は、室温または4℃で行った。
最初に、細胞を分離し(H20中、40mM Tris HCl pH7.5 150mM NaCl、1mM EDTA;RTで5分)、PBSで一回洗浄した。PBSで洗浄した後、POIに対する抗体を用いて細胞内染色を行った。したがって、細胞を最初にCytofix/Cytoperm(BD)と共に4℃で30分間培養した。次に、細胞をPerm/Wash緩衝液(PBS中0.5%BSAおよび0.1%サポニン)中で3分間洗浄した。続いて、細胞を原発性抗体(Perm/Wash緩衝液で1:200に希釈)と共に4℃で30分間培養した。
細胞をPerm/Wash緩衝液(BD)で洗浄した後、細胞を二次抗体(Perm/Wash緩衝液で1:500に希釈)と共に4℃で30分間培養した。
次いで、細胞を洗浄し(Perm/Wash緩衝液(BD))、100μlのPFEA緩衝液(PBS+2%FCS+2mM EDTA+0.01%NaN3)に再懸濁し、BD FACS Canto IIを使用して分析した。
アクア蛍光反応性色素(Invitrogen)を用いてLive/Dead染色を行った。
平均蛍光強度を測定し、その結果を、100%に設定したRPL32/ALB7−UTRの組み合わせを含む参照構成物からの発現と比較した。RPL32由来5’−UTRの配列を配列番号21(DNA)および22(RNA)に示す。ALB7由来3’−UTRの配列を配列番号35(DNA)および36(RNA)に示す。
明らかなように、コーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを使用することによって、発現を有意に増加させることができた。
〔実施例4:特定のUTRの組み合わせによる目的の一本鎖抗体構成物の発現の増加〕
細胞を、黒色縁および光学透明底部を有する96ウェルプレート(Nunc Microplate;Thermo Fisher)上に播種した。HeLa細胞(200μl/ウェル中10,000細胞)を24時間播種した後、適合性完全細胞培地にトランスフェクションした。細胞を37℃、5%COで維持した。
トランスフェクションの日に、HeLaまたはHDF上の完全培地を、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher)に置き換えた。HSkMC上の培地を新鮮な完全分化培地と交換した。
1μgの目的の一本鎖抗体構成物mRNA[c=0.1g/l]をLipofectamine2000と複合体化した。次に、トランスフェクション複合体の一部を5倍に希釈し、一部を10倍に希釈した(中用量)。次いで、目的の一本鎖抗体構成物500ngを細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションの24時間後、細胞を顕微鏡で検査した。コーティング抗体ヤギ抗ヒトIgG(SouthernBiotech)およびヤギ抗ヒトIgGビオチン(Dianova)の検出抗体を用いて、抗体−ELISA/抗Fc−ELISA分析で上清を採取して定量した。
明らかなように、コーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを使用することによって、発現を有意に増加させることができた。
この実施例において使用された配列の概要は以下の表4Dに示され、ここで、実施例4由来の目的の非開示抗体構成物の配列は496個のアミノ酸からなり、CDSは1491個の核酸からなり、一方、実施例5由来の目的の抗原構成物(表4D)は553個のアミノ酸からなり、CDSは1662個の核酸からなる。当業者は、実施例4についての表4Dの記載から対応する配列を得ることができる。
〔実施例5:特定のUTRの組み合わせによる目的の抗原構成物の発現の増加〕
HEK293T細胞をFACSによって分析した。293T細胞を200000細胞/ウェル(200000細胞/2mL)の密度で6ウェルプレートに播種した。それぞれのRNAを、Opti−MEMで20分間、1/1.5(w/v)の比率で、Lipofectamine2000と複合体化した。次いで、リポコンプレックスされたmRNAを細胞に添加し、総容量500μl中のウェルあたり2μgのRNAとトランスフェクションさせた。トランスフェクション開始から4時間後、トランスフェクション溶液を2000μl/ウェルの完全培地に交換した。細胞を37℃、5%COでさらに維持した後、FACS解析を実施した。本実施例で使用した配列を表4Dに示す。
Figure 2021501572
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トランスフェクションから24時間後、目的の抗原の発現を、通常の手順を用いたFACS解析によって定量した。簡潔に述べると、細胞を分離し(H20中、40mM Tris HCl pH7.5 150mM NaCl、1mM EDTA;RTで5分)、PBSで洗浄し、抗原に対するマウス抗体で表面を染色した。細胞を100μlのPFEA緩衝液(PBS+2%FCS+2mM EDTA+0.01%NaN)に再懸濁し、BD FACS Canto IIを用いて分析した。アクア蛍光反応性色素(Invitrogen)を用いてLive/Dead染色を行った。
種々の目的のタンパク質をコードしているコーディング配列に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを含むRNAからのタンパク質発現の結果を図1〜11に示す。
明らかなように、コーディング領域に操作可能に連結された本発明のUTRの組み合わせを使用することによって、発現を有意かつ相乗的に増加させることができた。
〔実施例6:mRNAのトランスフェクション後のルシフェラーゼ発現によるUTRの組み合わせの相乗作用の試験〕
ヒト真皮線維芽細胞(HDF)を24時間播種した後、96ウェルプレート上の適合性完全細胞培地(200μl/ウェル中10,000細胞)にトランスフェクションした。トランスフェクションの日に、完全培地を、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher)に置き換えた。
それぞれのRNAを、1/1.5(w/v)の比でLipofectamine2000と複合体化した。次いで、リポコンプレックスされたmRNAを細胞に添加し、総容量200μl中のウェルあたり25ngでトランスフェクションした。トランスフェクション開始から90分後、HDF上のトランスフェクション溶液150μl/ウェルを完全培地150μl/ウェルに交換した。細胞を37℃、5%CO2でさらに維持した。本実施例で使用した配列は、5’または3’−UTRのそれぞれがあるもしくは無い、または5’および3’−UTRの両方がある、のいずれかで、実施例2に示す配列に対応する。
第一の組の実験では、Ppluc発現を、トランスフェクションの開始から6時間後に細胞溶解液中で測定した。トランスフェクション開始から24、48、または72時間後に、さらなる組の実験を行った。
100μlの1倍のパッシブ溶解緩衝液(Promega、カタログ番号E1941)を少なくとも15分間添加することによって、細胞を溶解した。溶解した細胞を−80℃で少なくとも1時間培養した。溶解した細胞を解凍し、20μlを白色LIA分析プレート(Greiner カタログ番号655075)に添加した。
ルシフェラーゼ活性は、プレートリーダー(Berthold Technologies TriStar2 LB 942)において相対光単位(RLU)として測定した。
プレートを、ホタルルシフェラーゼの基質を含有するビートルジュース(PJK GmbH)用の注入デバイスを用いてプレートリーダーに導入した。ウェルあたり50μlのビートルジュースを添加した。
次いで、別々の時点で、種々のUTRの組み合わせの効果を判定した:
・5’−UTRによる発現の増加;
・3’−UTRによる発現の増加;
1つのmRNA分子における5’−UTRと3’−UTRの組み合わせによる発現の増加。
次に、5’−UTRと3’−UTRの組み合わせによる実際の増加を、5’−UTRと3’−UTRが相加的に作用した場合の予測増加で割り算し、相乗レベルを計算した。>1の値は相乗作用、つまり、相加効果よりも大きい相乗効果を示す。
これらの実験の結果を、表4、5、6、および7、つまり、トランスフェクション開始から6、24、48、または72時間後のPpluc発現に示す。
Figure 2021501572
Figure 2021501572
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明らかなように、ルシフェラーゼ発現によるUTRの組み合わせの相乗効果を明確に証明することができた。

Claims (54)

  1. a.HSD17B4、ASAH1、ATP5A1、MP68、NDUFA4、NOSIP、RPL31、SLC7A3、TUBB4BおよびUBQLN2からなる群から選択される遺伝子の5’非翻訳領域(5’−UTR)に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子;
    b.PSMB3、CASP1、COX6B1、GNAS、NDUFA1およびRPS9からなる群から選択される遺伝子の3’非翻訳領域(3’−UTR)に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;および、任意に、
    c.上記5’−UTRおよび上記3’−UTRに操作可能に連結された少なくとも1つのコーディング領域、
    を備える、人工核酸分子。
  2. 上記5’−UTRおよび/または上記3’−UTRは、上記コーディング領域に対して異種である、請求項1に記載の人工核酸分子。
  3. 上記UTRのそれぞれは、自然界に存在するDNA配列およびそのホモログ、バリアント、断片、および対応するRNA配列を含む、請求項1または2に記載の人工核酸分子。
  4. a−1:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    a−2:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    a−3:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    a−4:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    a−5:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    b−1:UBQLN2遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    b−2:ASAH1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    b−3:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    b−4:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    b−5:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    c−1:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    c−2:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    c−3:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    c−4:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    c−5:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    d−1:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびPSMB3遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    d−2:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    d−3:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    d−4:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    d−5:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    e−1:TUBB4B遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    e−2:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    e−3:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    e−4:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    e−5:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    e−6:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    f−1:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    f−2:ATP5A1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    f−3:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    f−4:HSD17B4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    f−5:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    g−1:MP68遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    g−2:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    g−3:NDUFA4遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    g−4:NOSIP遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    g−5:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    h−1:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    h−2:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびGNAS遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    h−3:RPL31遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびNDUFA1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    h−4:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    h−5:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCOX6B1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    i−1:SLC7A3遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびRPS9遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子;または
    i−2:Ndufa4.1遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの5’−UTR因子、およびCASP1遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアント、に由来する少なくとも1つの3’−UTR因子、
    を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  5. a−1、a−2、a−3、a−4またはa−5、好ましくはa−1に記載のUTR因子を備える、請求項4に記載の人工核酸分子。
  6. a−2(NDUFA4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);c−1(NDUFA4/RPS9);a−1(HSD17B4/PSMB3);e−3(MP68/RPS9);e−4(NOSIP/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);e−5(ATP5A1/RPS9);d−4(HSD17B4/NUDFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);a−3(SLC7A3/PSMB3);b−1(UBQLN2/RPS9);b−2(ASAH1/RPS9);b−4(HSD17B4/CASP1);e−6(ATP5A1/COX6B1);b−3(HSD17B4/RPS9);g−5(RPL31/CASP1);h−1(RPL31/COX6B1);および/またはc−5(ATP5A1/PSMB3)に記載のUTR因子を備える、請求項4に記載の人工核酸分子。
  7. a−1(HSD17B4/PSMB3);a−3(SLC7A3/PSMB3);e−2(RPL31/RPS9);a−5(MP68/PSMB3);d−1(RPL31/PSMB3);a−2(NDUFA4/PSMB3);h−1(RPL31/COX6B1);b−1(UBQLN2/RPS9);a−4(NOSIP/PSMB3);c−5(ATP5A1/PSMB3);b−5(NOSIP/COX6B1);d−4(HSD17B4/NDUFA1);i−1(SLC7A3/RPS9);i−2(Ndufa4.1/CASP1);f−3(HSD17B4/COX6B1);b−4(HSD17B4/CASP1);g−5(RPL31/CASP1);c−2(NOSIP/NDUFA1);e−4(NOSIP/RPS9);c−4(NDUFA4/NDUFA1);および/またはd−5(SLC7A3/NDUFA1)に記載のUTR因子を備える、請求項4に記載の人工核酸分子。
  8. a−4(NOSIP/PSMB3);a−1(HSD17B4/PSMB3);a−5(MP68/PSMB3);d−3(SLC7A3/GNAS);a−2(NDUFA4/PSMB3);a−3(SLC7A3/PSMB3);d−5(SLC7A3/NDUFA1);i−1(SLC7A3/RPS9);d−1(RPL31/PSMB3);d−4(HSD17B4/NDUFA1);b−3(HSD17B4/RPS9);f−3(HSD17B4/COX6B1);f−4(HSD17B4/GNAS);h−5(SLC7A3/COX6B1);g−4(NOSIP/CASP1);c−3(NDUFA4/COX6B1);b−1(UBQLN2/RPS9);c−5(ATP5A1/PSMB3);h−4(SLC7A3/CASP1);h−2(RPL31/GNAS);e−1(TUBB4B/RPS9);f−2(ATP5A1/NDUFA1);c−2(NOSIP/NDUFA1);b−5(NOSIP/COX6B1);および/またはe−4(NOSIP/RPS9.1)に記載のUTR因子を備える、請求項4に記載の人工核酸分子。
  9. −上記HSD17B4遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号1に記載のDNA配列、または配列番号1に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号2に記載のRNA配列、または配列番号2に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記ASAH1遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号3に記載のDNA配列、または配列番号3に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号4に記載のRNA配列、または配列番号4に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記ATP5A1遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号5に記載のDNA配列、または配列番号5に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号6に記載のRNA配列、または配列番号6に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記MP68遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号7に記載のDNA配列、または配列番号7に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号8に記載のRNA配列、または配列番号8に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記NDUFA4遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号9に記載のDNA配列、または配列番号9に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号10に記載のRNA配列、または配列番号10に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記NOSIP遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号11に記載のDNA配列、または配列番号11に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号12に記載のRNA配列、または配列番号12に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記RPL31遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号13に記載のDNA配列、または配列番号13に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号14に記載のRNA配列、または配列番号14に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記SLC7A3遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号15に記載のDNA配列、または配列番号15に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号16に記載のRNA配列、または配列番号16に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記TUBB4B遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号17に記載のDNA配列、または配列番号17に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号18に記載のRNA配列、または配列番号18に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記UBQLN2遺伝子に由来する5’−UTR因子は、配列番号19に記載のDNA配列、または配列番号19に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号20に記載のRNA配列、または配列番号20に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記PSMB3遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号23に記載のDNA配列、または配列番号23に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号24に記載のRNA配列、または配列番号24に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記CASP1遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号25に記載のDNA配列、または配列番号25に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号26に記載のRNA配列、または配列番号26に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記COX6B1遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号27に記載のDNA配列、または配列番号27に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号28に記載のRNA配列、または配列番号28に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記GNAS遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号29に記載のDNA配列、または配列番号29に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号30に記載のRNA配列、または配列番号30に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、
    −上記NDUFA1遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号31に記載のDNA配列、または配列番号31に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号32に記載のRNA配列、または配列番号32に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、および/または、
    −上記RPS9遺伝子に由来する3’−UTR因子は、配列番号33に記載のDNA配列、または配列番号33に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するDNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなり、あるいは、配列番号34に記載のRNA配列、または配列番号34に記載の核酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有するRNA配列、またはその断片もしくはバリアントを含むかまたはそれからなる、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  10. 上記コーディング領域は、上記5’−UTRおよび上記3’−UTRの間に位置し、好ましくは、上記5’−UTRの下流かつ上記3’−UTRの上流に位置する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  11. 上記少なくとも1つのコーディング領域は、少なくとも1つの目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、任意に、抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、アレルゲン性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、抗体、から選択される少なくとも1つの目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質、あるいは上記目的の(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の断片、バリアント、または誘導体、をコードする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  12. 上記少なくとも1つの抗原性(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、腫瘍抗原、病原性抗原、自己抗原、アロ抗原、またはアレルゲン性抗原から選択される、請求項11に記載の人工核酸分子。
  13. 上記少なくとも1つの病原性抗原は、細菌性、ウイルス性、真菌性または原生動物性抗原から選択される、請求項12に記載の人工核酸分子。
  14. 上記治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質は、
    −欠如、欠損または変異タンパク質を置換する治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質;
    −遺伝性または後天性疾患、感染症、または新生物(例えば、癌または腫瘍疾患)を治療するのに有利な治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質;
    −アジュバントまたは免疫賦活性治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質;
    −治療的抗体;
    −ペプチドホルモン;
    −遺伝子編集剤;
    −免疫チェックポイント阻害因子;
    −T細胞受容体;
    −酵素;および/または
    −上記治療的(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のいずれかのバリアント、断片、もしくは誘導体、
    から選択される、請求項11に記載の人工核酸分子。
  15. 上記少なくとも1つのコーディング領域は、さらに、
    (a)少なくとも1つのエフェクタードメイン;
    (b)少なくとも1つのペプチドまたはプロテインタグ;
    (c)少なくとも1つの局在化シグナルまたは配列;
    (d)少なくとも1つの核局在化シグナル(NLS);
    (e)少なくとも1つのシグナルペプチド;および/または
    (f)少なくとも1つのペプチドリンカー;
    (g)分泌シグナルペプチド(SSP)、
    (h)二量体化因子、三量体化因子、四量体化因子、またはオリゴマー化因子を含む多量体化因子;
    (i)ウイルス様粒子(VLP)形成因子;
    (j)膜貫通因子;
    (k)樹状細胞標的化因子;
    (l)免疫学的アジュバント因子;
    (m)抗原提示促進因子;
    (n)2Aペプチド;
    (o)タンパク質半減期を延長する因子;および/または
    (p)翻訳後修飾(例えば、グリコシル化)用因子、を
    コードし、
    上記人工核酸分子は、任意に、少なくとも1つの内部リボソーム進入部位(IRES)および/または少なくとも1つのmiRNA結合部位をさらに備える、請求項10〜14のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  16. 上記少なくとも1つのコーディング領域は、配列番号41〜45のいずれか1つに記載のアミノ酸配列、または、配列番号42〜45のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有すアミノ酸配列、または、これらの配列のいずれかのバリアントもしくは断片、を含むかまたはそれからなる(ポリ)ペプチドまたはタンパク質をコードする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  17. 上記人工核酸分子の上記少なくとも1つのコーディング領域は、配列番号46〜49のいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり;または、上記核酸配列のいずれか1つに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  18. 上記人工核酸分子は、配列番号50〜368のいずれか1つに記載の核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなり、または、上記核酸配列のいずれか1つに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%(高いものほど好ましい)の配列同一性を有する核酸配列を含んでいるかまたは当該核酸配列からなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  19. 上記人工核酸分子は、RNAである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の人工核酸分子。
  20. 上記RNAは、モノシストロン性、バイシストロン性、またはマルチシストロン性である、請求項19に記載のRNA。
  21. 上記RNAは、mRNA、ウイルスRNA、自己複製RNA、またはレプリコンRNAである、請求項19または20に記載のRNA。
  22. 上記人工核酸は、修飾核酸、好ましくは安定化核酸であり、または、上記人工核酸は、少なくとも1つの修飾または非天然ヌクレオチド、バックボーン修飾、糖修飾、または塩基修飾を含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  23. −上記人工核酸の上記少なくとも1つのコーディング領域の上記G/C含有量は、上記対応する野生型人工核酸の上記対応するコーディング配列の上記G/C含有量と比較して増加しており、および/または
    −上記人工核酸の上記少なくとも1つのコーディング領域の上記C含有量は、上記対応する野生型人工核酸の上記対応するコーディング配列の上記C含有量と比較して増加しており、および/または
    −上記人工核酸の上記少なくとも1つのコーディング領域における上記コドンは、ヒトコドンの使用頻度に適合し、上記コドン適応指数(CAI)は好ましくは上記人工核酸の上記少なくとも1つのコーディング配列において増加しているかまたは最大化されており、
    −上記人工核酸によってコードされた上記アミノ酸配列は、好ましくは上記対応する野生型人工核酸によってコードされた上記アミノ酸配列と比較して修飾されていない、
    請求項1〜22のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  24. 5’キャップ構造、好ましくはm7GpppNまたはCap1を備える、請求項1〜23のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  25. 少なくとも1つのヒストンステムループを含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  26. 上記少なくとも1つのヒストンステムループは、以下の式(I)または(II)に示す核酸配列を有し、
    式(I)(ステム境界エレメントを有さないステムループ配列):
    Figure 2021501572

    式(II)(ステム境界エレメントを有するステムループ配列):
    Figure 2021501572

    式中、
    ステム1またはステム2の境界エレメントN1−6は、1〜6個の、好ましくは2〜6個の、より好ましくは2〜5個の、さらにより好ましくは3〜5個の、最も好ましくは4〜5個または5個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;
    ステム1[N0−2GN3−5]は、ステム2のエレメントと逆相補的、または、部分的に逆相補的であり、かつ、5〜7個のヌクレオチドが連続した配列であり;
    ここでN0−2は、0〜2個の、好ましくは0〜1個の、より好ましくは1個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;
    ここでN3−5は、3〜5個の、好ましくは4〜5個の、より好ましくは4個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され、ならびに、
    ここでGは、グアノシンまたはそのアナログであり、ステム2におけるその相補的なヌクレオチドであるシチジンがグアノシンによって置換されている条件下で、任意にシチジンまたはそのアナログによって置換されてもよく;
    ループ配列[N0−4(U/T)N0−4]は、ステム1およびステム2のエレメントの間に位置しており、かつ、3〜5個のヌクレオチド、より好ましくは4個のヌクレオチドが連続した配列であり;
    ここで、それぞれのN0−4は、別のN0−4から独立して、0〜4個の、好ましくは1〜3個の、より好ましくは1〜2個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;ならびに、
    ここで、U/Tは、ウリジン、または任意でチミジンであり;
    ステム2[N3−5CN0−2]は、ステム1のエレメントと逆相補的または部分的に逆相補的であり、かつ、5〜7個のヌクレオチドが連続した配列であり;
    ここでN3−5は、3〜5個の、好ましくは4〜5個の、より好ましくは4個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され、
    ここでN0−2は、0〜2個の、好ましくは0〜1個の、より好ましくは1個のNが連続した配列であり、ここで、それぞれのNは、別のNから独立して、A、U、T、GおよびCから選択されるヌクレオチド、または、それらのヌクレオチドアナログ、から選択され;ならびに、
    ここでCは、シチジンまたはそのアナログであり、ステム1におけるその相補的なヌクレオチドであるグアノシンがシチジンによって置換されている条件下で、任意にグアノシンまたはそのアナログによって置換されてもよく;
    ここで、
    ステム1およびステム2は、互いに、逆相補的配列である塩基対の形成が可能であり、ここで、当該塩基対の形成は、ステム1およびステム2の間で生じ得るものであり、または、
    ステム1およびステム2は、互いに、部分的に逆相補的配列である塩基対の形成が可能であり、ここで、不完全な塩基対形成は、ステム1およびステム2の間で生じ得る、
    請求項25に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  27. 上記少なくとも1つのヒストンステムループは、以下の式(Ia)または(IIa)に示す核酸配列を有す、請求項25または26に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
    式(Ia)(ステム境界エレメントを有さないステムループ配列):
    Figure 2021501572

    式(IIa)(ステム境界エレメントを有するステムループ配列):
    Figure 2021501572
  28. ポリ(A)配列、好ましくは10個〜200個、10個〜100個、40個〜80個、または50個〜70個のアデノシンヌクレオチドを含むポリ(A)配列を任意に含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  29. ポリ(C)配列、好ましくは10個〜200個、10個〜100個、20個〜70個、20個〜60個、または10個〜40個のシトシンヌクレオチドを含むポリ(C)配列を任意に含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  30. 好ましくは5’から3’の方向に、以下の因子:
    a)5’キャップ構造、好ましくはm7GpppNまたはCap1;
    b)請求項1〜9のいずれか一項に規定されている5’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる5’−UTR因子であって、好ましくは配列番号1〜20に記載の核酸配列に対応する核酸配列またはそのホモログ、断片もしくはバリアントを含む5’−UTR因子、
    c)請求項10〜18のいずれか一項に規定されている少なくとも1つのコーディング配列;
    d)請求項1〜9のいずれか一項に規定されている3’−UTRに由来する核酸配列を含むかまたは当該核酸配列からなる3’−UTR因子であって、好ましくは配列番号23〜34に記載の核酸配列に対応する核酸配列またはそのホモログ、断片もしくはバリアントを含む3’−UTR因子、
    e)任意に、ポリ(A)テール、好ましくは10〜1000個、10〜500個、10〜300個、10〜200個、10〜100個、40〜80個または50〜70個のアデノシンヌクレオチドからなるポリ(A)テール、
    f)任意に、ポリ(C)テール、好ましくは10〜200個、10〜100個、20〜70個、20〜60個または10〜40個のシトシンヌクレオチドからなるポリ(C)テール、および
    g)任意に、ヒストンステムループ、
    を含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の人工核酸、好ましくはRNA。
  31. 請求項1〜30のいずれか一項に記載の少なくとも1つまたは複数の人工核酸分子、好ましくはRNAと、薬学的に許容される担体および/または賦形剤と、を含む、組成物。
  32. 上記複数の人工核酸分子の少なくとも2つは、それぞれ、(a)請求項1〜9のいずれか一項に記載のUTR因子の同じまたは異なる組み合わせを有し、および/または(b)任意に、請求項11〜17のいずれか一項に記載のペプチドまたはタンパク質から選択される異なるペプチドまたはタンパク質をコードする、請求項31に記載の組成物。
  33. 医薬品として使用され、任意に、ワクチンとして使用される、請求項31または32に記載の組成物。
  34. 好ましくは、請求項6に記載のUTRの組み合わせを有する少なくとも1つの人工核酸分子を含み、上記(薬学的)組成物および/または上記人工核酸分子は、肝臓を標的とする送達用に適合化されている、請求項33に記載の(薬学的)組成物。
  35. 好ましくは、請求項7に記載のUTRの組み合わせを有する少なくとも1つの人工核酸分子を含み、上記(薬学的)組成物および/または上記人工核酸分子は、皮下投与、皮内(ntracutaneous)投与、皮内(intradermal)投与、局所投与、または経皮投与用に適合化されている、請求項33に記載の(薬学的)組成物。
  36. 好ましくは、請求項8に記載のUTRの組み合わせを有する少なくとも1つの人工核酸分子を含み、上記(薬学的)組成物および/または上記人工核酸分子は、筋肉内投与用に適合化されている、請求項33に記載の(薬学的)組成物。
  37. 上記人工核酸分子、好ましくはRNAは、1つ以上のカチオン性またはポリカチオン性の化合物と、好ましくは、カチオン性またはポリカチオン性のポリマー、カチオン性またはポリカチオン性のペプチドまたはタンパク質、例えば、プロタミン、カチオン性またはポリカチオン性の多糖、および/またはカチオン性またはポリカチオン性の脂質、またはポリマー担体と、複合体を形成する、請求項31〜36のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  38. 上記1つ以上のカチオン性またはポリカチオン性のペプチドまたはタンパク質に対する上記人工核酸分子、好ましくはRNAのN/P比率は、約0.1〜10の範囲であり、約0.3〜4、約0.5〜2、約0.7〜2、および約0.7〜1.5の範囲を含む、請求項37に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  39. 上記人工核酸分子、好ましくはRNAは、1つ以上の脂質と複合体を形成し、それにより脂質ナノ粒子、リポプレックス、および/または好ましくはリポソームを形成する、請求項31〜38のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  40. 少なくとも1つのさらなる活性剤および/または少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項31〜39のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  41. 低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンスRNA(asRNA)、環状RNA(circRNA)、リボザイム、アプタマー、リボスイッチ、免疫賦活性RNA(isRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、マイクロRNA(miRNA)、およびPiwi−結合RNA(piRNA)、からなる群から選択されるノンコーディングRNAをさらに含む、請求項31〜40のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  42. 上記免疫賦活性RNA(isRNA)は、式(III)(G)、式(IV)(C)、式(V)(N、および/または式(VI)(Nに記載の少なくとも1つのRNA配列を含む、請求項41に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  43. カチオン性ペプチド、好ましくはジスルフィド架橋されたカチオン性ペプチド、好ましくはCys−Arg12、および/またはCys−Arg12−Cys、およびisRNAを含む、ポリマー担体によって形成されたポリマー担体カーゴ複合体を含む、請求項41または42に記載の(薬学的)組成物またはワクチン。
  44. 請求項1〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、または請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、および、任意に、液体ビヒクルおよび/または任意に上記人工核酸分子または上記(薬学的)組成物もしくはワクチンの用法および用量に関する情報を含む技術的使用説明書、を含む、キット、好ましくはパーツのキット。
  45. 上記キットは、パーツとして乳酸リンゲル液を含む、請求項44に記載のキット。
  46. 医薬品として使用するための、請求項1〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、または請求項44または45に記載のキット。
  47. 遺伝病、癌、感染症、炎症性疾患、(自己)免疫疾患、アレルギーの治療に使用するための、および/または遺伝子治療および/または免疫調節に使用するための、請求項1〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、または請求項44または45に記載のキット。
  48. 上記使用は、(a)上記人工核酸分子、好ましくはRNA、上記(薬学的)組成物、または上記キットを、その投与を必要とする患者に投与する事を含む、請求項47に記載の使用のための人工核酸分子、好ましくはRNA、(薬学的)組成物またはワクチン、またはキット。
  49. 肝臓組織、肝臓細胞、または肝臓細胞系における、上記人工核酸分子の発現効率を上昇させる方法に使用するための、請求項6〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、請求項6〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子を少なくとも1つ含む請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、または請求項44または45に記載のキット。
  50. 皮膚組織、皮膚細胞、または皮膚細胞系における、上記人工核酸分子の発現効率を上昇させる方法に使用するための、請求項7〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、請求項7〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子を少なくとも1つ含む請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、または請求項44または45に記載のキット。
  51. 筋肉組織、筋肉細胞、または筋肉細胞系における、上記人工核酸分子の発現効率を上昇させる方法に使用するための、請求項8〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、請求項8〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子を少なくとも1つ含む請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、または請求項44または45に記載のキット。
  52. 任意に、遺伝病、癌、感染症、炎症性疾患、(自己)免疫疾患、アレルギー、から選択される病気を治療または予防する方法、および/または、遺伝子治療および/または免疫調節に使用する方法であって、請求項1〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNA、請求項31〜43のいずれか一項に記載の(薬学的)組成物またはワクチン、または請求項44または45に記載のキットを、その投与を必要とする対象に有効量投与することを含む、方法。
  53. 好ましくは請求項11〜16のいずれか一項に記載のタンパク質またはペプチドをコードしている少なくとも1つのコーディング領域を備えている人工核酸分子、好ましくはRNAの発現効率を増加させる方法であって、
    (a)上記コーディング領域を、HSD17B4、ASAH1、ATP5A1、MP68、NDUFA4、NOSIP、RPL31、SLC7A3、TUBB4BおよびUBQLN2からなる群から選択される遺伝子の5’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアントに由来する、少なくとも1つの5’−UTR因子と会合させる工程;
    (b)上記コーディング領域を、PSMB3、CASP1、COX6B1、GNAS、NDUFA1、およびRPS9からなる群から選択される遺伝子の3’−UTR、またはその対応するRNA配列、ホモログ、断片、もしくはバリアントに由来する、少なくとも1つの3’−UTR因子と会合させる工程;および
    (c)請求項1〜30のいずれか一項に記載の人工核酸分子、好ましくはRNAを得る工程、を含む、方法。
  54. 所望の組織または所望の組織由来の細胞における発現効率を増加させることができる5’−UTRおよび3’−UTRの組み合わせを同定する方法であって、
    a)それぞれが、請求項3に定義される5’−UTRの1つおよび/または3’−UTRの1つに操作可能に連結された、検出可能なレポーターポリヌクレオチド、好ましくは選択されたルシフェラーゼまたはeGFPをコードしている、「レポーターORF」を含む、人工核酸分子のライブラリー(「試験構成物」)を生成する工程;
    b)参照5’および3’−UTR、好ましくは「参照構成物」としてのRPL32およびALB7に操作可能に連結された上記「レポーターORF」を含む人工核酸分子を提供する工程;
    c)上記試験構成物および上記参照構成物を、それらの発現を可能にする好適な条件下で、所望の組織または細胞に導入する工程;
    d)上記試験構成物および上記参照構成物からの「レポーターORF」からの上記ポリペプチドの発現を検出および定量する工程;
    e)上記試験構成物と参照構成物からのポリペプチド発現を比較する工程;
    を含み、
    ここで、参照構成物と比較して増加したポリぺポリペプチド発現によって特徴付けられた試験構成物が、所望の組織または細胞において発現効率を増加させることができると同定される、方法。

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