JP2021195530A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた難燃性、機械特性(耐衝撃性)を維持しつつ、耐候性に優れる樹脂組成物及びその成形体を提供する。【解決手段】(A)スチレン系共重合体、(B)塩素系樹脂、及び(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm3)0.5であり、かつ23℃で固体の添加剤を含む、スチレン系樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂組成物及びその成形体に関する。
スチレン系樹脂組成物は、優れた機械特性を有するため電気機器及び電子機器の筐体等、広範囲に亘って使用されている。しかしながら、スチレン系樹脂は可燃性であるため用途によっては使用することができない。
スチレン系樹脂を難燃化するにはハロゲン系難燃剤が特に有用であり、例えば、特許文献1にはスチレン系樹脂に塩素系樹脂を配合し難燃性を付与する技術が開示されている。
特開昭63−108067号公報
しかしながら、従来の技術では、スチレン系樹脂の難燃性、機械特性を維持しつつ、耐候性を満足することはできず改善の余地がある。
本発明が解決しようとする課題は、優れた難燃性、機械特性(耐衝撃性)を維持しつつ、耐候性に優れた樹脂組成物及びその成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、スチレン系共重合体に塩素系樹脂、及び特定の添加剤、すなわちFedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、かつ23℃で固体の添加剤を添加すれば、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
(A)スチレン系共重合体、(B)塩素系樹脂、及び(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、かつ23℃で固体の添加剤を含む、スチレン系樹脂組成物。
[2]
前記(A)スチレン系共重合体が、スチレン単量体とアクリロニトリル単量体との共重合体を含み、該共重合体におけるアクリロニトリル単量体由来の成分の割合が10〜40質量%である、[1]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[3]
前記(B)塩素系樹脂と前記(A)スチレン系共重合体との質量比((B)塩素系樹脂:(A)スチレン系共重合体)が1:99〜49:51である、[1]又は[2]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[4]
前記(B)塩素系樹脂が塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリエチレンとの併用である、[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[5]
前記塩化ビニル系樹脂と前記塩素化ポリエチレンとの質量比(塩素化ポリエチレン:塩化ビニル系樹脂)が1:2.1〜1:4.9である、[4]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[6]
(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、前記(C)添加剤の含有量が0.01〜10質量部である、[1]〜[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[7]
更に(D)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7〜8.5(cal/cm30.5であり、かつ23℃で液体の添加物を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[8]
(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、前記(D)添加剤の含有量が0.01〜10質量部である、[7]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[9]
(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、更に(E)酸化アンチモンを0.1〜10質量部含む、[1]〜[8]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[10]
[1]〜[9]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を含む成形体。
本発明によれば、優れた難燃性、耐衝撃性を維持しつつ、耐候性に優れた樹脂組成物及びその成形体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)について、詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[樹脂組成物]
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも記す)は、(A)スチレン系共重合体、(B)塩素系樹脂、及び(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、かつ23℃で固体の添加剤(以下、単に「(C)添加剤」とも記す)を含む。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物において、(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計を100質量部とした場合、(A)スチレン系共重合体の含有量は51〜99質量部であることが好ましく、(B)塩素系樹脂の含有量は1〜49質量部であることが好ましく、(C)添加剤の含有量は0.01〜10質量部であることが好ましい。以下、本実施形態のスチレン系樹脂組成物における各成分の含有量の基準を(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部とする。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物において、(B)塩素系樹脂と(A)スチレン系共重合体との質量比((B)塩素系樹脂:(A)スチレン系共重合体)は、1:99〜49:51であることが好ましく、5:95〜45:55であることがより好ましく、10:90〜40:60であることがさらに好ましい。
本実施形態に用いる(A)スチレン系共重合体の含有量の下限値は、より好ましくは55質量部、更に好ましくは60質量部であり、上限値は、より好ましくは95質量部、更に好ましくは90質量部である。(A)スチレン系共重合体の含有量が51質量部以上であると、熱安定性の観点から好ましく、99質量部以下であると、難燃性の観点から好ましい。
本実施形態に用いる(B)塩素系樹脂の含有量の下限値は、より好ましくは5質量部、更に好ましくは10質量部であり、上限値は、より好ましくは45質量部、更に好ましくは40質量部である。(B)塩素系樹脂の含有量が1質量部以上であると、難燃性の観点から好ましく、49質量部以下であると、熱安定性の観点から好ましい。
本実施形態に用いる(C)添加剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.01〜7質量部、更に好ましくは0.01〜5質量部である。(C)添加剤の含有量が前記範囲であると樹脂組成物の加工性が良くなる傾向にある。
[(A)スチレン系共重合体]
本実施形態の樹脂組成物において使用することができる(A)スチレン系共重合体について、詳細に説明する。
本実施形態において使用可能な(A)スチレン系共重合体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン(以下「St」ともいう)及びαメチルスチレン(以下「αMeSt」ともいう)から選ばれる少なくとも1種と、共重合可能な成分からなる重合体が挙げられる。(A)スチレン系共重合体は2成分以上からなってもよい。(A)スチレン系共重合体の具体例としては、特に限定されないが、例えば、スチレン(以下「St」ともいう)−アクリロニトリル(以下「AN」ともいう)共重合体、αMeSt−AN共重合体、St−αMeSt−AN共重合体、St−AN−マレイミド系共重合体、St−メチルメタクリレート(以下「MMA」ともいう)共重合体、St−MMA−マレイミド系共重合体、St−無水マレイン酸共重合体などがある。上記の構成成分の他に、他のビニルモノマー、例えば0−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロムスチレン、メタクリレートリル、クロロアクリロニトリル、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレートなどを多くとも10質量%更に共重合したものも同様に使用することができる。
(A)スチレン系共重合体として、好ましくは、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・αメチルスチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、2種以上の混合であってもよい。
本実施形態に用いる(A)スチレン系共重合体において、スチレン成分の比率は60〜85質量%が好ましい。より好ましくは70〜80質量%である。
本実施形態に用いる(A)スチレン系共重合体が、スチレン単量体とアクリロニトリル単量体との共重合体を含む場合、該共重合体におけるアクリロニトリル単量体由来の成分の割合は、10〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。(A)スチレン系共重合体が、このようなアクリロニトリル単量体由来の成分の割合を制御した共重合体を含む場合、樹脂組成物及びその成形体の機械的特性が向上する傾向にある。
本実施形態に用いる(A)スチレン系共重合体の数平均分子量は好ましくは40,000〜150,000である。該数平均分子量が40,000以上であることで、機械強度を保持することができる傾向にある。更に該数平均分子量が150,000以下であることで、熱安定性及び耐候性に優れた樹脂組成物及びその成形体を得ることができる傾向にある。
該数平均分子量の下限値は、より好ましくは45,000以上、さらに好ましくは50,000以上である。該数平均分子量の上限値は、より好ましくは135,000以下、さらに好ましくは120,000以下である。
なお、本実施形態において、(A)スチレン系共重合体の数平均分子量は以下の方法で測定することができる。
(A)スチレン系共重合体をテトラヒドロフラン(THF)中に浸漬し、溶解した(A)スチレン系共重合体成分をろ別する。得られたろ液を用い、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定する。当該測定結果に基づき、(A)スチレン系共重合体の数平均分子量を、ポリスチレン(PS)を標準物質として算出する。
また、本実施形態に用いる(A)スチレン系共重合体はゴム質重合体でもよく、その具体例としては、特に限定されないが、例えば、St−AN−ブタジエン(以下「BD」ともいう)共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−St−BD共重合体(MBS樹脂)が挙げられる。ゴム質重合体は、単独でも2種以上の混合であってもよい。本実施形態の樹脂組成物において、ゴム質重合体は2.5〜40質量部含むことが好ましい。より好ましくは、5〜35質量部、更に好ましくは5〜30質量部である。ゴム質重合体の含有量が2.5質量部以上であると、耐衝撃性の観点から好ましく、40質量部以下であると、耐候性の観点から好ましい。
また、ゴム質重合体の平均ゴム粒径は、0.1〜1.0μmであることが好ましく、0.1〜0.5μmであることがより好ましい。
[(B)塩素系樹脂]
本実施形態の樹脂組成物において使用することができる(B)塩素系樹脂について、詳細に説明する。
本実施形態において使用可能な(B)塩素系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン、塩素化塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、2種以上の混合でもよい。(B)塩素系樹脂は、塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリエチレンとの併用であることが好ましい。塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリエチレンとを併用すると、樹脂組成物及びその成形体の機械的特性が良くなる傾向にある。
塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリエチレンとの質量比(塩素化ポリエチレン:塩化ビニル系樹脂)は、1:2.1〜1:4.9であることが好ましく、より好ましくは1:2.1〜1:2.9、さらに好ましくは1:2.3〜1:2.9、特に好ましくは1:2.3〜1:2.6である。塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリエチレンとの質量比(塩素化ポリエチレン:塩化ビニル系樹脂)が前記範囲であると、樹脂組成物の流動性と、樹脂組成物及びその成形体の機械的特性とのバランスが良くなる傾向にある。
塩素化ポリエチレン(以下「CPE」ともいう)としては、例えば、後述のポリエチレンの粉末又は粒子を水性懸濁液中で塩素化するか、あるいは有機溶媒にポリエチレンを溶解し、塩素化することによって製造することができる。なかでも、水性懸濁中で塩素化する方法が好ましい。CPEは工業的に製造され、多方面にわたって利用されており、前記の製造方法及び各種物性は良く知られている。
原料となるポリエチレンは、エチレンを単独重合又はエチレンと多くとも20質量%(好ましくは10質量%以下)の炭素数が多くとも12個(好ましくは3〜8個)のα−オレフィンとを共重合することによって得られるものである。該ポリエチレンの密度は、一般には0.910〜0.970g/cm3であることが好ましく、とりわけ0.920〜0.970g/cm3であることがより好ましい。
本実施形態に使用されるCPEの塩素含有量は10〜45質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましく、とりわけ20〜40質量%がさらに好適である。CPEの塩素含有量が10質量%以上では、得られる樹脂組成物の耐衝撃性及び難燃性が優れる傾向にある。また、CPEの塩素含有量が45質量%以下であると、得られる樹脂組成物は、耐衝撃性が優れるのみならず、熱安定性の点でも優れる傾向にある。また、CPEのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、一般には30〜150であることが好ましく、40〜150がより好ましく、特に40〜130であることがさらに好適である。CPEのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が30以上であると得られる樹脂組成物の機械強度が高い傾向にある。また、CPEのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が150以下であると成形性の点で好ましい。
ポリ塩化ビニル(以下「PVC」ともいう)としては、重合度が400〜4500の範囲のPVCが好ましい。より好ましくは、400〜3000の範囲のPVCである。
更に、(B)塩素系樹脂としては、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレンと、これらに共重合し得る二重結合を少なくとも一個を有する化合物との共重合体であってもよい。当該共重合体の具体例としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニルが挙げられる。
PVCは、塩化ビニルを単独重合又は塩化ビニルと共重合し得る他種のモノマーを共重合することによって製造される重合体である。他種モノマーの代表例としては、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル並びにアクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸並びにそれらのエステルがあげられる。他種のモノマーの共重合割合は、通常多くとも40質量%であることが好ましく、とりわけ30質量%以下がより好ましい。
これらの単独重合及び共重合体は、一般には懸濁重合、塊状重合又は乳化重合によって製造される。本実施形態に用いるPVCの平均重合度は組成物を製造する際の混練性、得られる組成物の機械的特性、及び熱安定性の点から、一般には400〜2,000であることが好ましく、400〜1,800がより好ましく、特に400〜1,600がさらに好適である。PVCの平均重合度が400以上であれば得られる樹脂組成物の耐衝撃性の点で優れている。また、PVCの平均重合度が2,000以下であれば成形性の点で優れている。これらのPVCは工業的に製造され、多方面にわたって利用されているものでありその製造方法、物性については良く知られている。
[(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、かつ23℃で固体の添加剤]
本実施形態において使用可能な(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、かつ23℃で固体の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族アルコール、脂肪酸アマイドが挙げられる。脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。これらは動物又は植物油脂或いはそれらの脂肪酸エステルを還元し、若しくは天然ロウを分解蒸留することにより得られる脂肪族アルコールでも、或いは合成の脂肪族アルコールでもよい。また混合高級脂肪族アルコールでもよい。脂肪酸アマイドとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド等の飽和脂肪酸モノアマイド類、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド等の不飽和脂肪酸モノアマイド類、N−ステアリルステアリン酸アマイド、N−ステアリルオレイン酸アマイド、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド等の置換アマイド類、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アマイド等の飽和脂肪酸ビスアマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アマイド等の不飽和脂肪酸ビスアマイド類等が挙げられる。
本実施形態において(C)添加剤としては、脂肪族アルコールであることが好ましい。本実施形態のスチレン系樹脂組成物において、(C)添加剤が脂肪族アルコールであると、優れた難燃性、耐衝撃性を維持しつつ、耐候性に一層優れる傾向にある。
[(D)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7〜8.5(cal/cm30.5であり、かつ23℃で液体の添加物]
本実施形態の樹脂組成物において、更に(D)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7〜8.5(cal/cm30.5であり、かつ23℃で液体の添加物(以下、単に「(D)添加物」とも記す)を含むことが好ましい。(D)添加物を含むと、樹脂組成物及びその成形体の機械的特性が向上する傾向にある。
本実施形態において使用可能な(D)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7〜8.5(cal/cm30.5で、かつ23℃で液体の添加物としては、特に限定されないが、例えば、ポリオルガノシロキサン、炭化水素オイルが挙げられる。ポリオルガノシロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンが挙げられる。炭化水素オイルは、特に限定されないが、例えば、ナフテン系炭化水素オイル、パラフィン系炭化水素オイル、イソパラフィン系炭化水素オイルが挙げられる。これらは2種以上の混合であってもよい。本実施形態の樹脂組成物における(D)添加物の含有量は、(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.01〜7質量部、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
[(E)酸化アンチモン]
本実施形態の樹脂組成物において、更に(E)酸化アンチモンを含むことが好ましい。
(E)酸化アンチモンの含有量は、(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、更に好ましくは3〜9質量部である。(E)酸化アンチモンの含有量がこのような範囲にあることで、高い難燃性及び難燃性の安定化を図ることができる。(E)酸化アンチモンは、難燃助剤として広く用いられているものである。(E)酸化アンチモンとしては、特に限定されないが、例えば、三酸化アンチモン(三酸化二アンチモン)及び五酸化アンチモンなどの酸化アンチモンが代表例としてあげられる。該酸化アンチモンの平均粒子径は0.3〜150μmであることが好ましい。
[その他の安定剤]
本実施形態の樹脂組成物において、更に安定剤を含むことが好ましい。
安定剤の含有量は、(A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜4質量部である。安定剤の含有量がこのような範囲にあることで、機械特性を維持しつつ、成形時の安定性(特に熱滞留での安定性)を高め、光沢性の良好な成形体を得ることができる。
安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル・チン・ウラジオレート、オクチル・スズ安定剤、ジメチルスズ系化合物、ジブチル・チン・マレート、含イオウ有機スズ化合物スタナン・ジオール誘導体並びにこれらの有機スズ系安定剤を主成分とする混合物が挙げられる。また、亜鉛系安定剤を使用してもよく、特に限定されないが、例えば、有機酸金属塩が挙げられる。有機酸の金属塩を構成する有機酸としては、特に限定されないが、例えば、有機カルボン酸、フェノール類が挙げられる。
安定剤としては、好ましくは、ジブチルスズマレイン酸塩、ジブチルスズ−3メルカプトプロピオン酸塩、ハイドロタルサイト、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。
[樹脂組成物の製造方法]
本実施形態の樹脂組成物は、公知の方法による製造を行うことができる。具体的には、特に限定されないが、例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダ等により、以下のように原料成分を混合及び溶融混練し、成形することにより製造することができる。
原料成分を混合及び溶融混練する方法としては、特に限定されず、当業者が周知の方法を利用できる。具体的には、特に限定されないが、例えば、原料成分を、予めスーパーミキサー、タンブラー、V字型ブレンダー等で混合し、一軸押出機又は二軸押出機で一括溶融混練する方法、一部成分を二軸押出機メインスロート部に供給し溶融混練しつつ、押出機の途中から残る成分を添加する方法等が挙げられる。これらはいずれも利用できるが、本実施形態の成形体の機械的物性を高めるためには、(B)塩素系樹脂以外を二軸押出機メインスロート部に供給し溶融混練しつつ、押出機の途中から(B)塩素系樹脂を添加する方法が好ましい。最適な条件は、押出機の大きさによって変動するため、当業者の調整可能な範囲で適宜調整することが好ましい。より好ましくは、押出機のスクリューデザインに関しても、当業者に調整可能な範囲で種々調整する。
[成形体]
本実施形態における成形体は、上述のスチレン系樹脂組成物を含む。
[成形体の製造方法]
本実施形態における成形体を得るための成形方法については、特に限定されず、公知の成形方法を利用できる。具体的には、特に限定されないが、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発泡射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法のいずれかによって成形することができる。
[用途]
本実施形態の樹脂組成物は、難燃性、機械的強度及び外観が要求される成形体の原料として使用することができる。
本実施形態の成形体は電気機器及び電子機器の筐体として好適に使用でき、特に屋内外用途の電子機器、電気やガスメーターの外装、火災報知器の部品等に好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例により本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた樹脂組成物及び成形体の製造条件と評価項目は以下のとおりである。
(1)押出
原料を一括ブレンドし、シリンダ温度を160〜200℃に設定した二軸機(ZSK−25)にて押出を実施して樹脂組成物を得た。
(2)成形体の作製
射出成形機(EC−75SXII、東芝機械(株)製)を用いて、得られた樹脂組成物から、JIS K7152−1及びISO294−1に準拠した小型試験片の樹脂成形体を得た。また、燃焼試験用試験片としては、得られた樹脂組成物から、IEC−60695−11−10に準拠した小型試験片の樹脂成形体を得た。
(3)難燃性試験
前記IEC−60695−11−10に準拠して成形された125mm×13mm×1.5mmの小型試験片の樹脂成形体を用い、燃焼試験(UL94に準拠したV−0燃焼試験)を行い、V−0グレードに相当するか否かにより難燃性を以下のように評価した。
〇:(合格)V−0グレードに相当する
×:(不合格)V−0グレードに満たない
(4)耐衝撃性(シャルピー衝撃強度)
前記ISO294−1に準拠して成形された小型試験片の樹脂成形体を用い、ISO179に準拠した切削後衝撃強度試験を行い、シャルピー衝撃強度を測定し、耐衝撃性を以下のように評価した。
〇:(合格)シャルピー衝撃強度値5kJ/m2以上
×:(不合格)シャルピー衝撃強度値5kJ/m2未満
(5)耐候性
前記ISO294−1に準拠して成形された小型試験片の樹脂成形体を用い、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機製、SX75)により、63℃の温度において500時間試験をし、以下のように評価した。
〇:(合格)耐候変色ΔE=30未満
×:(不合格)耐候変色ΔE=30以上
〔原料成分〕
実施例及び比較例に用いた樹脂組成物及び成形体の原料成分を以下に説明する。
(A)スチレン系共重合体は、以下のものを用いた。
(A1)アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂):アクリロニトリル比25質量%、数平均分子量55,000
(A2)アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂(ABS樹脂):平均ゴム粒径500nm
なお、本実施例において、(A)スチレン系共重合体の数平均分子量は以下の方法で測定した。(A)スチレン系共重合体をテトラヒドロフラン(THF)中に浸漬し、溶解した(A)スチレン系共重合体成分をろ別した。得られたろ液を用い、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した。当該測定結果に基づき、(A)スチレン系共重合体の数平均分子量を、ポリスチレン(PS)を標準物質として算出した。
(B)塩素系樹脂は、以下のものを用いた。
(B1)ポリ塩化ビニル(PVC):平均重合度600
(B2)塩素化ポリエチレン(CPE):MFR1.5g/10min、塩素含有量30質量%
(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、23℃で固体の添加剤は、以下のものを用いた。
(C1)ステアリルアルコール:C12とC14との合計が1%以下、C16は10〜15%、C18は85〜90%、Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が9.49(cal/cm30.5、23℃で固体
(D)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7〜8.5とであり、23℃で液体の添加物は、以下のものを用いた。
(D1)ジメチルシリコーンオイル:基油粘度 350mm2/s(40℃)、Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7.5(cal/cm30.5、23℃で液体
(D2)流動パラフィン:動粘度 69.67mm2/s(40℃)、Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.0(cal/cm30.5、23℃で液体
(E)酸化アンチモンは、以下のものを用いた。
(E1)三酸化二アンチモン:平均粒子径1μm
(F)安定剤は、以下のものを用いた。
(F1)有機スズ安定剤:ジブチル・スズ・マレート及びジオクチル・スズ・マレート
[実施例1〜3、比較例1〜3]
各成分がそれぞれ表1に記載の割合となるように原料を配合して上記方法により押出を行い、樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用い、上記条件にて成形を行い成形体を製造した。
得られた成形体の物性を上記方法により測定し、結果を表1にまとめた。
以上の実施例及び比較例の結果から、本実施形態の樹脂組成物は難燃性、衝撃強さ、耐候性に優れることは明白である。
Figure 2021195530
本発明の樹脂組成物及び成形体は、優れた難燃性、耐衝撃性を維持しつつ、耐候性を有することから、電気機器及び電子機器の筐体等の分野において産業上の利用可能性を有する。

Claims (10)

  1. (A)スチレン系共重合体、(B)塩素系樹脂、及び(C)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が8.5〜10(cal/cm30.5であり、かつ23℃で固体の添加剤を含む、スチレン系樹脂組成物。
  2. 前記(A)スチレン系共重合体が、スチレン単量体とアクリロニトリル単量体との共重合体を含み、該共重合体におけるアクリロニトリル単量体由来の成分の割合が10〜40質量%である、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 前記(B)塩素系樹脂と前記(A)スチレン系共重合体との質量比((B)塩素系樹脂:(A)スチレン系共重合体)が1:99〜49:51である、請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. 前記(B)塩素系樹脂が塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリエチレンとの併用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 前記塩化ビニル系樹脂と前記塩素化ポリエチレンとの質量比(塩素化ポリエチレン:塩化ビニル系樹脂)が1:2.1〜1:4.9である、請求項4に記載のスチレン系樹脂組成物。
  6. (A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、前記(C)添加剤の含有量が0.01〜10質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  7. 更に(D)Fedors法による溶解度パラメータ値(SP値)が7〜8.5(cal/cm30.5であり、かつ23℃で液体の添加物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  8. (A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、前記(D)添加剤の含有量が0.01〜10質量部である、請求項7に記載のスチレン系樹脂組成物。
  9. (A)スチレン系共重合体及び(B)塩素系樹脂の合計100質量部に対して、更に(E)酸化アンチモンを0.1〜10質量部含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物を含む成形体。
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