JP2021160733A - ポリスチレン系樹脂発泡容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減できるポリスチレン系樹脂発泡容器を目的とする。【解決手段】ポリスチレン系樹脂の発泡層を有する壁部の内部又は表面に帯電防止剤を有し、特定の方法で測定されるスチレンを除く揮発性有機化合物(VOC)成分の含有量が2.0μg/L以下である、ポリスチレン系樹脂発泡容器。前記VOC成分がベンゼンを含む場合、前記ベンゼンの含有量は0.10μg/L以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡容器に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)から熱成形により成形した食品用の簡易容器は、例えば、惣菜や焼きそば、たこ焼き等々のトレー、納豆容器等種々の食品用の簡易容器として汎用的に使われている。このような簡易容器の製造方法としては、発泡シートを熱成形して複数個の容器形状が形成されたシート成形体を得て、このシート成形体を熱線(例えば、ニクロム線)によって個々の容器に分離し、製品とする方法がある。
シート成形体を熱線により連続して切断すると、切断回数、切断枚数が多くなるに伴って、熱線に付着した異物が焼けることによって煙や臭気が多く発生するという問題がある。
こうした問題に対して、例えば、特許文献1には、発泡シート中の灰分を特定量とした発泡シートが提案されている。
特許文献2には、メルトマスフローレート(MFR)及び貯蔵弾性率を特定の範囲とした発泡シートが提案されている。
特許文献1〜2の発明によれば、ニクロム線カット時の異物の付着や煙、臭気の発生の抑制が図られている。
特開2004−35712号公報 特開2007−291224号公報
ところで、発泡シートの生産性向上のために成形サイクルが短縮されると、成形ラインにおいて静電気が蓄積されることがある。このため、帯電防止性能を有する発泡シートが求められている。
帯電防止性能を付与する方法としては、例えば、発泡シートのシート表面に帯電防止剤を塗布して、帯電防止層を設ける方法がある。帯電防止剤を有する発泡シートを熱線で切断すると、煙が増加したり、臭気が強くなったりする。
そこで、本発明は、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減できるポリスチレン系樹脂発泡容器を目的とする。
[1]ポリスチレン系樹脂の発泡層を有する壁部の内部又は表面に帯電防止剤を有し、下記測定方法1で測定されるスチレンを除く揮発性有機化合物(VOC)成分の含有量が2.0μg/L以下である、ポリスチレン系樹脂発泡容器。
<測定方法1>
ポリスチレン系樹脂発泡容器の底壁部から50mm四方の正方形の試料を切り出し、前記試料の対角線を180℃に加熱したニクロム線で切断した際に発生する気体を4Lのサンプリングバッグに採取し、前記サンプリングバッグから前記気体1Lを流量0.1mL/minで吸着管に通流させ、前記気体に含まれるVOC成分を前記吸着管に吸着させ、前記吸着管を250℃で3分間加熱し、発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、前記揮発成分を200℃に加熱して前記クライオフォーカス部から脱着し、ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出されるピークのうち、トルエン換算にて定量される0.001μg/L以上のピークを有する前記揮発成分を測定対象とし、前記測定対象の含有量の総和を前記VOC成分の含有量とする。
[2]前記測定方法1で測定されるベンゼンの含有量が0.10μg/L以下である、[1]に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
[3]前記測定方法1で測定されるヘキサナールの含有量が0.005μg/L以下である、[1]又は[2]に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
[4]前記帯電防止剤に含まれるベンゼンの含有量が、前記帯電防止剤の総質量に対して、0.4mg/kg未満である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
[5]納豆容器である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡容器によれば、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減できる。
本発明の一実施形態に係るポリスチレン系樹脂発泡容器を示す斜視図である。
[ポリスチレン系樹脂発泡容器]
本発明のポリスチレン系樹脂発泡容器(以下、単に発泡容器ともいう。)は、ポリスチレン系樹脂の発泡層を有する壁部の内部又は表面に帯電防止剤を有する。
本発明の一実施形態に係る発泡容器について、図1を参照して説明する。
図1の発泡容器10は、納豆を収容するのに用いられる納豆容器である。
本実施形態の発泡容器10は、ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)を熱成形して得られる。
発泡容器10は、底壁部14とその周縁から立設された側壁部13とからなる平面視四角形の容器本体11と、容器本体11の一辺にヒンジ部17を介して連設された平面視四角形の蓋体12とからなっている。蓋体12は、天壁部で構成されている。
側壁部13の先端部分には、外方に向けて張り出してフランジが形成されている。この発泡容器10の包装時、このフランジは、折り曲げた蓋体12の周縁と接し、蓋体12に形成された突起部15が容器本体11の開口に嵌入するようになっている。
ヒンジ部17には、容器本体11から蓋体12を切り離すためのミシン目16が形成されている。
本実施形態において、「壁部」とは、発泡容器10の底壁部14、側壁部13、及び天壁部(蓋体12)を含む。
本実施形態において、「壁部」は、発泡層と、その内部又は表面の帯電防止剤とで構成されている。
発泡容器10は、下記測定方法1で測定されるスチレンを除く揮発性有機化合物(VOC)成分の含有量が2.0μg/L以下であり、1.8μg/L以下が好ましく、1.5μg/L以下がより好ましく、1.0μg/L以下がさらに好ましい。VOC成分の含有量が上記上限値以下であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減できる。VOC成分の含有量は少ないほど好ましく、0μg/Lが最も好ましい。VOC成分の含有量は、下記測定方法1で試料を切断する際に発生する気体1L当たりの質量で表される。
VOC成分の含有量は、発泡層を形成する樹脂組成物に含まれる有機化合物の種類や量、帯電防止剤の種類や量により調節できる。
VOC成分の含有量は、下記測定方法1で測定される。
<測定方法1>
発泡容器10の底壁部14から50mm四方の正方形の試料を切り出す。この際、刃物等を用いて、底壁部14を加熱せずに試料を切り出す。切り出した試料の対角線を180℃に加熱したニクロム線で切断する。試料を切断する際に発生する気体を4Lのサンプリングバッグに採取し、このサンプリングバッグから気体1Lを流量0.1mL/minで吸着管に通流させる。吸着管に気体を通流させることで、気体に含まれるVOC成分を吸着管に吸着させる。VOC成分を吸着させた吸着管を250℃で3分間加熱し、揮発成分を発生させる。発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、濃縮された揮発成分を200℃に加熱して、クライオフォーカス部から脱着する。クライオフォーカス部から脱着された揮発成分をガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定する。GC/MSで測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出する。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.001μg/L以上のピークを有する揮発成分を測定対象とし、この測定対象の含有量の総和を発泡容器10のVOC成分の含有量とする。
なお、各揮発成分の揮発成分量(μg/L)は、下記式により求められる。
揮発成分量(μg/L)=各揮発成分のトルエン換算量(μg)/ガス採取体積(L)
上記測定方法1において、サンプリングバッグは、有機溶剤に優れた耐性を示すフッ化ビニル樹脂製のバッグが好ましい。このようなバッグとしては、例えば、テドラー(登録商標)バッグが挙げられる。
吸着管は、特に限定されず、VOCを吸着できる吸着剤を充填したカラム等が挙げられる。吸着剤としては、活性炭やゼオライト等、公知の吸着剤を利用できる。
クライオフォーカス部は、GC/MS測定装置の構成部分で、トラップ管を加熱して吸着成分を脱着させ、液体窒素等で冷却して、吸着成分を濃縮する機器である。
GC/MS測定装置では、トラップ管を高速で昇温し(例えば、15℃/min)、脱着したガスをGCカラムに導入して質量分析装置で検出する。
このとき得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出する。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.001μg/L以上のピークを有する揮発成分を測定対象とする。
測定対象としては、例えば、ベンゼン、メタクリル酸メチル、トルエン、酢酸ブチル、シロキサン化合物、エチルベンゼン、ベンズアルデヒド、プロピルベンゼン、ペンタナール、ノルマル酪酸、ヘキサナール、イソペンタン酸、ペンタン酸等が挙げられる。
これらの測定対象の含有量の総和を求め、発泡容器10のVOC成分の含有量とする。
発泡容器10は、ポリスチレン系樹脂を含有する。このため、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断すると、スチレンが発生するのは当然なので、本明細書においては、スチレンは、測定対象から除外する。
上記測定方法1で測定されるベンゼンの含有量は、0.10μg/L以下が好ましく、0.08μg/L以下がより好ましく、0.06μg/L以下がさらに好ましい。ベンゼンの含有量が上記上限値以下であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する臭気をより低減できる。ベンゼンの含有量の下限値は、0μg/Lが好ましい。
上記測定方法1で測定されるヘキサナールの含有量は、0.005μg/L以下が好ましく、0.004μg/L以下がより好ましく、0.003μg/L以下がさらに好ましい。ヘキサナールの含有量が上記上限値以下であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する臭気をより低減できる。ヘキサナールの含有量の下限値は、0μg/Lが好ましい。
上記測定方法1で測定されるトルエンの含有量は、1.0μg/L以下が好ましく、0.8μg/L以下がより好ましく、0.6μg/L以下がさらに好ましい。トルエンの含有量が上記上限値以下であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する臭気をより低減できる。トルエンの含有量の下限値は、0μg/Lが好ましい。
上記測定方法1で測定されるエチルベンゼンの含有量は、0.25μg/L以下が好ましく、0.20μg/L以下がより好ましく、0.13μg/L以下がさらに好ましい。エチルベンゼンの含有量が上記上限値以下であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する臭気をより低減できる。エチルベンゼンの含有量の下限値は、0μg/Lが好ましい。
上記測定方法1で測定されるベンズアルデヒドの含有量は、0.70μg/L以下が好ましく、0.60μg/L以下がより好ましく、0.50μg/L以下がさらに好ましい。ベンズアルデヒドの含有量が上記上限値以下であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する臭気をより低減できる。ベンズアルデヒドの含有量の下限値は、0μg/Lが好ましい。
発泡容器10の各々のVOC成分の含有量は、発泡層を形成する樹脂組成物に含まれる有機化合物の種類や量、帯電防止剤の種類や量により調節できる。
発泡容器10は、下記測定方法2で測定されるVOC成分が特定の範囲であることが好ましい。
<測定方法2>
発泡容器10の底壁部14を切り取り、5mgを秤量し、試料とする。この試料をアルミ箔に包み、内径4mm、長さ100mmのガラスライニングSUSデソープションチューブ(GLT管)に入れる。該GLT管をオートサンプラーにセットし、250℃で3分間加熱し、揮発成分を発生させる。発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、濃縮された揮発成分を200℃に加熱して、クライオフォーカス部から脱着する。クライオフォーカス部から脱着された揮発成分をガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定する。GC/MSで測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出する。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.1mg/kg以上のピークを有する揮発成分を測定対象とし、この測定対象の含有量の総和を発泡容器10のVOC成分の含有量とする。
なお、各揮発成分の揮発成分量(mg/kg)は、下記式により求められる。
揮発成分量(mg/kg)=各揮発成分のトルエン換算量(mg)/試料の質量(kg)
上記測定方法2において、GLT管の内径は、3〜5mmが好ましい。GLT管の長さは、80〜120mmが好ましい。GLT管の外径は、4〜8mmが好ましい。
オートサンプラーとしては、例えば、エルシーサイエンス(株)の加熱脱着装置「TD−4J型」に付属のもの等が挙げられる。
測定方法2では、測定方法1に比べて多量かつ、多種のVOC成分が揮発する。このため、測定方法1に比べて、VOC成分の測定値の誤差を低減でき、より精度が高い測定を行える。
測定方法2で測定されるスチレンを除くVOC成分の含有量は、発泡容器10の総質量に対して、50mg/kg以下が好ましく、40mg/kg以下がより好ましく、35mg/kg以下がさらに好ましい。VOC成分の含有量が上記上限値以下であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。VOC成分の含有量は少ないほど好ましく、0mg/kgが最も好ましい。
上記測定方法2で測定されるベンゼンの含有量は、発泡容器10の総質量に対して、0.3mg/kg未満が好ましい。測定方法2におけるベンゼンの含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法2におけるベンゼンの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
上記測定方法2で測定されるヘキサナールの含有量は、発泡容器10の総質量に対して、1.2mg/kg未満が好ましく、1.0mg/kg以下がより好ましく、0.8mg/kg以下がさらに好ましい。測定方法2におけるヘキサナールの含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法2におけるヘキサナールの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
上記測定方法2で測定されるエチルベンゼンの含有量は、発泡容器10の総質量に対して、20mg/kg未満が好ましい。測定方法2におけるエチルベンゼンの含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法2におけるエチルベンゼンの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
上記測定方法2で測定されるベンズアルデヒドの含有量は、発泡容器10の総質量に対して、20mg/kg以下が好ましく、15mg/kg以下がより好ましく、10mg/kg以下がさらに好ましい。測定方法2におけるベンズアルデヒドの含有量が上記上限値以下であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法2におけるベンズアルデヒドの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
上記測定方法2で測定されるプロピルベンゼンの含有量は、発泡容器10の総質量に対して、2.0mg/kg未満が好ましく、1.7mg/kg以下がより好ましく、1.5mg/kg以下がさらに好ましい。測定方法2におけるプロピルベンゼンの含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法2におけるプロピルベンゼンの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
上記測定方法2で測定されるイソペンタン酸の含有量は、発泡容器10の総質量に対して、2.0mg/kg以下が好ましく、1.8mg/kg以下がより好ましく、1.5mg/kg以下がさらに好ましい。測定方法2におけるイソペンタン酸の含有量が上記上限値以下であると、発泡容器10を加熱した際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法2におけるイソペンタン酸の含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
(発泡層)
発泡容器10の容器本体11と蓋体12とは、ポリスチレン系樹脂の発泡層を有する。ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレンモノマーを主成分とする、スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の二官能性モノマー等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの双方又はいずれか一方を意味し、(メタ)アクリロニトリルは、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルの双方又はいずれか一方を意味する。
発泡層は、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体等のジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。また、原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法等の方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂等の、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレー等を回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料を用いることができる。また、使用することができるリサイクル原料は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットしたものを用いることができる。
発泡層の製造に用いる発泡剤としては、例えば、二酸化窒素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン等が挙げられる。これらの中でも、n−ブタン、i−ブタンが好ましい。ブタン等の炭化水素発泡剤を用いる場合、その添加量はポリスチレン系樹脂100質量部に対して1〜10質量部の範囲内とすることが好ましく、2〜8質量部の範囲内とすることがより好ましい。
発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡容器10は、ポリスチレン系樹脂、帯電防止剤、発泡剤以外に、その他成分(任意成分)を含有していてもよい。
かかる任意成分としては、発泡核剤、気泡調整剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、結晶化促進剤、滑剤、架橋剤、収縮防止剤、難燃剤、劣化防止剤等が挙げられる。
なお、ポリスチレン系樹脂、帯電防止剤及び任意成分の合計は、100質量%を超えない。
発泡層の製造に用いる発泡核剤としては、例えば、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、クレー、クエン酸等が挙げられ、これらの中でもタルクが好ましい。発泡核剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して1〜8質量部の範囲内とすることが好ましく、2〜6質量部の範囲内とすることがより好ましい。
上述した任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡容器10に含まれる任意成分の総量は、発泡容器10の総質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
発泡層の発泡倍率は、例えば、1.5〜20倍が好ましく、2〜18倍がより好ましく、3〜16倍がさらに好ましい。発泡層の発泡倍率が上記下限値以上であると、発泡容器10の断熱性をより高められる。発泡層の発泡倍率が上記上限値以下であると、発泡容器10の成形性を高めやすい。
発泡層の発泡倍率は、1を「発泡層の見掛け密度(g/cm)」で除した値である。
発泡層の見掛け密度は、JIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」に準拠して測定することによって求められる。
より具体的には、元のセル構造を変えないように切断した発泡層の試験片について、その質量と見掛け体積とを測定し、下記式により算出する。
発泡層の見掛け密度(g/cm)=試験片の質量(g)/試験片の見掛け体積(cm
発泡層の平均気泡径は、95〜160μmが好ましく、100〜155μmがより好ましく、110〜150μmがさらに好ましい。発泡層の平均気泡径が上記数値範囲内であると、発泡容器10の外観美麗性が確保できる。
(帯電防止剤)
帯電防止剤は、絶縁体に導電性を付与することにより、静電気の蓄積を防止する薬剤である。帯電防止剤としては、界面活性剤等の有機化合物、カーボンや金属フィラーを含有する薬剤が挙げられる。帯電防止剤は、発泡層の一方又は両方の面に塗布されてもよく、発泡層を構成する樹脂組成物に練り込まれていてもよい。帯電防止剤は、液体であってもよく、固体であってもよい。
帯電防止剤は、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減する観点から、VOC成分の含有量が少ないことが好ましい。
帯電防止剤のVOC成分の含有量は、例えば、下記測定方法3で測定できる。
<測定方法3>
帯電防止剤5mgを秤量し、試料とする。この試料をアルミ箔に包み、内径4mm、長さ100mmのガラスライニングSUSデソープションチューブ(GLT管)に入れる。該GLT管をオートサンプラーにセットし、250℃で3分間加熱し、揮発成分を発生させる。発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、濃縮された揮発成分を200℃に加熱して、クライオフォーカス部から脱着する。クライオフォーカス部から脱着された揮発成分をガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定する。GC/MSで測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出する。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.1mg/kg以上のピークを有する揮発成分を測定対象とし、この測定対象の含有量の総和を発泡容器10のVOC成分の含有量とする。
なお、各揮発成分の揮発成分量(mg/kg)は、下記式により求められる。
揮発成分量(mg/kg)=各揮発成分のトルエン換算量(mg)/試料の質量(kg)
上記測定方法3において、GLT管、オートサンプラーは、測定方法2と同様のものを利用できる。
測定方法3では、帯電防止剤の総質量に対するVOC成分の含有量を測定できる。すなわち、帯電防止剤自体のVOC成分の含有量を測定できる。このため、発泡容器に含まれる帯電防止剤として、どのような帯電防止剤が好ましいかを容易に判断できる。
なお、帯電防止剤には、シロキサン化合物を多く含むものがあるが、シロキサン化合物は、発泡容器を加熱したニクロム線で切断する際に揮発しにくい成分である。このため、帯電防止剤のVOC成分からは、シロキサン化合物を除いてもよい。
上記測定方法3で測定されるシロキサン化合物を除くVOC成分の含有量は、帯電防止剤の総質量に対して、0.7mg/kg未満が好ましく、0.5mg/kg以下がより好ましく、0.3mg/kg以下がさらに好ましい。帯電防止剤のVOC成分の含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。帯電防止剤のVOC成分の含有量は少ないほど好ましく、0mg/kgが最も好ましい。
上記測定方法3で測定されるベンゼンの含有量は、帯電防止剤の総質量に対して、0.4mg/kg未満が好ましい。測定方法3におけるベンゼンの含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法3におけるベンゼンの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
上記測定方法3で測定されるヘキサナールの含有量は、帯電防止剤の総質量に対して、0.3mg/kg未満が好ましく、0.2mg/kg以下がより好ましい。測定方法3におけるヘキサナールの含有量が上記上限値未満であると、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。測定方法3におけるヘキサナールの含有量の下限値は、0mg/kgが好ましい。
帯電防止剤の含有量は、発泡容器10の総質量に対して、0.2×10−5〜9.0×10−5質量%が好ましく、0.5×10−5〜7.0×10−5質量%がより好ましく、1.0×10−5〜5.0×10−5質量%がさらに好ましい。帯電防止剤の含有量が上記下限値以上であると、発泡シートに充分な帯電防止性能を付与できる。帯電防止剤の含有量が上記上限値以下であると、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。なお、帯電防止剤の含有量は、希釈しない場合の含有量である。
[発泡容器の製造方法]
本発明の発泡容器の製造方法は、発泡シートの原反を得る工程と、発泡シートを成形する工程とを有する。
(発泡シートの原反を得る工程)
発泡シートの原反の製造方法としては、従来公知の発泡シートの製造方法を用いることができる。
例えば、以下に説明する製造方法によって発泡シートの原反を製造できるが、この製造方法に限定されるものではない。
発泡シートの原反の製造装置として、第一押出機と第一押出機の出口に接続された第二押出機とからなるタンデム押出機であって、第二押出機の出口に環状ダイが取り付けられた装置を用いる。第一押出機に、ポリスチレン系樹脂組成物を供給し、溶融し、混練しながら発泡剤を注入する。続いて、第二押出機において、発泡に適した押出温度に冷却してから、環状ダイに溶融し、混練されたポリスチレン系樹脂組成物を供給し、ダイのスリットを通して円筒状の発泡体を形成する。その直後に、円筒状の発泡体を、エアーで冷却するとともに、マンドレルの外面に沿って引き取る。さらに、押出方向に沿って2枚に切り開き、発泡シートの原反を得る。
発泡シートの原反に帯電防止剤を塗布又は添加することで、発泡シートが得られる。
帯電防止剤は、得られた発泡シートの原反の表面に塗布してもよく、発泡シートの原料となるポリスチレン系樹脂組成物に添加してもよい。
帯電防止剤は、水で希釈して用いることが好ましい。帯電防止剤を水で希釈する場合の希釈倍率は、10〜500倍が好ましく、30〜300倍がより好ましく、50〜200倍がさらに好ましい。帯電防止剤の希釈倍率が上記下限値以上であると、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。帯電防止剤の希釈倍率が上記上限値以下であると、発泡シートに充分な帯電防止性能を付与できる。
帯電防止剤を発泡シートの表面に塗布する場合、ロール等を用いて発泡シートの表面の一部又は全部に帯電防止剤を塗布してもよく、スプレー等により発泡シートの表面の一部又は全部に帯電防止剤を噴霧してもよい。
帯電防止剤を発泡シートの表面に塗布することにより、帯電防止性能を有する発泡シートが得られる。
帯電防止剤を発泡シートの表面に塗布する場合、帯電防止剤の塗布量は、発泡シート1m当たり、0.2〜10mgが好ましく、0.5〜7mgがより好ましく、1〜5mgがさらに好ましい。帯電防止剤の塗布量が上記下限値以上であると、発泡シートに充分な帯電防止性能を付与できる。帯電防止剤の塗布量が上記上限値以下であると、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。
帯電防止剤をポリスチレン系樹脂組成物に添加する場合、帯電防止剤の添加量は、発泡容器10の総質量に対して、0.2×10−5〜9.0×10−5質量%となる量が好ましく、0.5×10−5〜7.0×10−5質量%となる量がより好ましく、1.0×10−5〜5.0×10−5質量%となる量がさらに好ましい。帯電防止剤の添加量が上記下限値以上であると、発泡シートに充分な帯電防止性能を付与できる。帯電防止剤の添加量が上記上限値以下であると、発泡容器10を加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気をより低減できる。
(発泡シートを成形する工程)
得られた発泡シートを熱成形して複数個の容器形状が形成されたシート成形体を得て、このシート成形体を熱線によって個々の容器に分離することで、発泡容器が得られる。
例えば、発泡容器が納豆容器である場合、以下に説明する製造方法によって本発明の発泡容器を製造できるが、この製造方法に限定されるものではない。
納豆容器の成形機として、容器本体と、容器本体と同じ大きさを有する蓋体とが連設された納豆容器が、一度の熱成形において数十個形成し得るように製品形状が形成された成形型を備えるものを用いる。
熱成形に際しては、サーキュラー金型から押出された円筒状の発泡体の内側に相当する発泡シートの第二表面を成形型に面接させ、発泡体の外側に相当する第一表面において容器本体が開口するようにして実施する。また、成形型から脱型されたシート成形体を一回の熱成形分ごとに切断してこれを積み重ね、シート成形体が複数枚重ね合わされた積層体を作製し、水平方向に張設された複数のニクロム線が格子状に配置された溶断装置で積層体を下から上に切断し、納豆容器を個々に分割する。
本発明の発泡容器は、帯電防止剤を有するため、発泡容器の原料となる発泡シートの製造時に静電気が蓄積されることを抑制できる。
本発明の発泡容器は、特定の測定方法で測定されるスチレンを除くVOC成分の含有量が2.0μg/L以下であるため、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減できる。
本発明の発泡容器は、上述した実施形態に限定されず、例えば、納豆以外の食品用容器、食品用トレー、電子機器用容器等、多様な用途の容器に使用できる。
本実施形態の発泡容器10は、壁部を形成する発泡層が単層であるが、発泡容器の壁部は、スキン層を有していてもよく、非発泡層が積層されていてもよい。
スキン層とは、発泡シートを製造する際に表面に形成される層であり、気泡を含んでいない薄皮部分のことを指す。
非発泡層を構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
<発泡シートの原反の製造>
発泡シートの製造装置として、第一押出機(スクリュー径115mm)と第一押出機の出口に接続された第二押出機(スクリュー径150mm)とからなるタンデム押出機であって、第二押出機の出口に口径170mmの環状ダイが取付けられた製造装置を用いた。
ポリスチレン系樹脂(商品名「XC−515」、DIC社製)100質量部に対し、気泡調整剤としてタルクを平均気泡径が137μmになるように調整して添加し、上記第一押出機に供給した。第一押出機のシリンダー温度は最高設定温度を240℃とし、発泡剤としてブタンガスをポリスチレン系樹脂100質量部に対し、4.0質量部注入し、続いて上記第二押出機にて、発泡に適した押出温度に冷却した。発泡後の混合物を環状ダイに供給し、ダイのスリットを通して円筒状の発泡体を形成した。その直後に、円筒状の発泡体にエアーをかけて調整して冷却すると共に、直径675mmの冷却装置(マンドレル)の外面に沿って引取り、さらに押出方向に沿って2枚に切り開き、幅1050mm、シート坪量が105g/m、厚み1.33mmになるように発泡シートの原反Aを得た。
平均気泡径が125μm、厚みが1.22mmであること以外は、発泡シートの原反Aと同様にして、発泡シートの原反Bを得た。
(平均気泡径)
発泡シートの原反の平均気泡径は、以下のようにして求めた。
発泡シートの原反の幅方向中央部からMD方向(押出方向)及びTD方向(発泡シートの原反の表面において押出方向と直交する方向)に沿って発泡シートの原反の表面に垂直に切リ出した。
断面を走査型電子顕微鏡(SU1510、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、50倍に拡大して撮影した。このとき、顕微鏡画像は、横向きのA4用紙1枚に縦横2画像(合計4画像)並んだ状態で印刷した際に所定の倍率となるように撮影した。
具体的には、画像上に、MD、TDの各方向に平行する60mmの任意の直線及び各方向に直交する方向(VD方向)に60mmの直線を描き、MD方向に沿って切断した断面(MD断面という。)及びTD方向に沿って切断した断面(TD断面という。)のそれぞれに対し、2視野ずつ合計4視野の顕微鏡画像を撮影し、A4用紙に印刷した。MD断面の2つの画像のそれぞれにMD方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描くと共に、TD断面の2つの画像のそれぞれにTD方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描いた。また、MD断面の1つの画像とTD断面の1つの画像とにVD方向に平行な3本の直線(60mm)を描き、MD方向、TD方向、及び、VD方向に平行な60mmの任意の直線を各方向6本ずつ描いた。なお、任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにし、接してしまう場合には、この気泡も数に加えた。MD方向、TD方向、VD方向の各方向の6本の任意の直線について数えた気泡数Dを算術平均し、各方向の気泡数とした。気泡数を数えた画像倍率とこの気泡数から気泡の平均弦長tを次式より算出した。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像倍率)
画像倍率は画像上のスケールバーをデジマチックキャリパ(ミツトヨ社製)にて1/100mmまで計測し、次式により求めた。
・画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
次式により各方向における気泡径を算出した。
・気泡径D(mm)=t/0.616
さらに、それらの積の3乗根を平均気泡径とした。
・平均気泡径(mm)=(DMD×DTD×DVD1/3
MD:MD方向の気泡径(mm)。
TD:TD方向の気泡径(mm)。
VD:VD方向の気泡径(mm)。
<帯電防止剤>
帯電防止剤A:表1に記載の帯電防止剤A。
帯電防止剤B:表1に記載の帯電防止剤B。
帯電防止剤C:表1に記載の帯電防止剤C。
帯電防止剤D:帯電防止剤Aと帯電防止剤Bとの混合物(帯電防止剤Aと帯電防止剤Bとの混合比率(質量比)、1:1)。
帯電防止剤E:帯電防止剤Bと帯電防止剤Cとの混合物(帯電防止剤Bと帯電防止剤Cとの混合比率(質量比)、1:1)。
[実験例1〜3]
3種類の帯電防止剤(帯電防止剤A、帯電防止剤B、帯電防止剤C)を用意し、それぞれ5mgを秤量し、試料とした。この試料をアルミ箔に包んでからGLT管に入れた後、エルシーサイエンス(株)製の加熱脱着装置「TD−4J型」に付属のオートサンプラーにセットし、250℃で3分間加熱し、揮発成分を発生させた。発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、濃縮された揮発成分を200℃に加熱して、クライオフォーカス部から脱着した。クライオフォーカス部から脱着された揮発成分をガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定した。GC/MSの測定条件を以下に示す。
<GC/MSの測定条件>
(測定装置)
・質量分析計「JMS−Q1000GCMkII」、日本電子(株)製。
・ガスクロマトグラフ装置「7890A」、アジレント・テクノロジー(株)製。
・カラム:キャピラリーカラム「ZB−1」(膜厚1.0μm、内径0.25mm、長さ60m)、Phenomenex社製。
(GCオーブン昇温条件)
・初期温度:40℃、3分間保持。
・第1段階昇温速度:15℃/min(200℃まで)。
・第2段階昇温速度:25℃/min(250℃まで)。
・最終温度:250℃、6分20秒間保持。
・キャリアガス:ヘリウム(He)、流量1mL/min、注入口温度250℃。
・インターフェイス温度:250℃。
・検出器電圧:−1100V。
・スプリット比:1/50。
・イオン源温度:250℃。
・イオン化電流:300μA。
・イオン化エネルギー:70eV。
・検出方法:スキャン法(m/z=40〜400)。
<熱脱着条件>
(装置)
・加熱脱着装置サーマルディソープション「TD−4J型」、エルシーサイエンス(株)製。
(パージ&トラップ条件)
・パージ時間:10秒間。
・注入時間:20秒間。
・脱着時間:3分間。
・遅延時間:10秒間。
・脱着温度:250℃。
・クライオフォーカス部加熱温度:200℃。
・クライオフォーカス部冷却温度:−40℃。
GC/MSで測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出した。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.1mg/kg以上のピークを有する揮発成分のうち、シロキサン化合物を除く揮発成分を測定対象とし、この測定対象の含有量の総和を帯電防止剤のVOC成分の含有量とした(測定方法3)。
なお、各揮発成分の揮発成分量(mg/kg)は、下記式により求めた。
揮発成分量(mg/kg)=各揮発成分のトルエン換算量(mg)/試料の質量(kg)
GC/MS測定の結果を表1に示す。表中、「<0.2」は、その成分の含有量が測定装置の検出限界である0.2mg/kg未満であることを示す。
Figure 2021160733
表1に示すように、帯電防止剤Aは、測定対象の全ての成分が、検出限界の0.2mg/kg未満であり、好ましい帯電防止剤であることが分かった。
帯電防止剤Bは、シロキサン化合物の含有量が突出して多く、その他の成分の含有量は、検出限界の0.2mg/kg未満であった。
帯電防止剤Cは、ベンゼンが0.4mg/kg、ヘキサナールが0.3mg/kgであった。
[実験例4〜8]
表2に記載の帯電防止剤を水で100倍に希釈し、表2に記載の発泡シートの原反を押出後巻き取る際に、1m当たり50mgとなる量で原反に塗布し、発泡シートを得た。得られた発泡シートを単発成形機(FM−6AS(東成産業社製))で成形した。
成形条件は発泡シートをセットし、オーブンヒーター温度230℃で加熱した後、図1に示す形状で容器本体が85×85×28mmのサイズの発泡容器(納豆容器)を成形した。得られた納豆容器の底壁部を切り取り、5mgを秤量し、試料とした。この試料をアルミ箔に包んでからGLT管に入れた後、エルシーサイエンス(株)製の加熱脱着装置「TD−4J型」に付属のオートサンプラーにセットし、250℃で3分間加熱し、揮発成分を発生させた。発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、濃縮された揮発成分を200℃に加熱して、クライオフォーカス部から脱着した。クライオフォーカス部から脱着された揮発成分をガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定した。GC/MSの測定条件は、実験例1〜3におけるGC/MSの測定条件と同様とした。熱脱着条件は、実験例1〜3における熱脱着条件と同様とした。
GC/MSで測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出した。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.1mg/kg以上のピークを有する揮発成分のうち、スチレンを除く揮発成分を測定対象とし、この測定対象の含有量の総和を納豆容器のVOC成分の含有量とした(測定方法2)。GC/MS測定の結果を表2に示す。表中、「<0.2」は、その成分の含有量が測定装置の検出限界である0.2mg/kg未満であることを示す。
Figure 2021160733
[実施例1〜4、比較例1〜3]
表3に記載の帯電防止剤を表3に記載の希釈倍率で水に希釈し、表3に記載の発泡シートの原反を押出後巻き取る際に、1m当たり50mgとなる量で表3に記載の原反に塗布し、発泡シートを得た。得られた発泡シートを単発成形機(FM−6AS(東成産業社製))で成形した。
成形条件は発泡シートをセットし、オーブンヒーター温度230℃で加熱した後、図1に示す形状で容器本体が85×85×28mmのサイズの発泡容器(納豆容器)を成形した。得られた納豆容器の底壁部から50mm四方の正方形の試料を切り出し、試料とした。この試料の対角線を180℃に加熱したニクロム線で切断し、発生する気体を「アドテック(有)製「ADPAC−SYSTEM」ガス捕集用ポンプ」を用いて4Lのテドラバッグに採取した。このテドラバッグから採取ガス1Lを流量0.1mL/minでTenax吸着管に通流させ、VOC成分を吸着させた。VOC成分を吸着させたTenax吸着管をGLT管に精秤後、エルシーサイエンス(株)製の加熱脱着装置「TD−4J型」に付属のオートサンプラーにセットし、250℃で3分間加熱し、揮発成分を発生させた。発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、濃縮された揮発成分を200℃に加熱して、クライオフォーカス部から脱着した。クライオフォーカス部から脱着された揮発成分をガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定した。GC/MSの測定条件は、実験例1〜3におけるGC/MSの測定条件と同様とした。熱脱着条件は、実験例1〜3における熱脱着条件と同様とした。
GC/MSで測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出される揮発成分のピークを全て抽出した。抽出されたピークをトルエン換算にて定量し、0.001μg/L以上のピークを有する揮発成分のうち、スチレンを除く揮発成分を測定対象とし、この測定対象の含有量の総和を納豆容器のVOC成分の含有量とした(測定方法1)。
なお、各揮発成分の揮発成分量(μg/L)は、下記式により求めた。
揮発成分量(μg/L)=各揮発成分のトルエン換算量(μg)/ガス採取体積(L)
GC/MS測定の結果を表3に示す。表中、「<0.001」は、その成分の含有量が測定装置の検出限界である0.001μg/L未満であることを示す。
Figure 2021160733
<臭気評価>
実施例1〜4、及び比較例1〜3で得られた発泡容器の容器本体をそれぞれ50枚重ね合わせ、180℃に加熱したニクロム線で重ね合わせた容器本体を切断した際に発生する煙の臭気をかぎ、10名の選任者が下記評価基準に従って採点した。
10名の採点を平均し、小数点以下を四捨五入して判定値とした。平均値を下記判定基準に沿って分類し、臭気評価とした。結果を表3に示す。
《評価基準》
5点:異臭を感じない。
3点:異臭をわずかに感じる。
1点:異臭をはっきり感じる。
《判定基準》
◎:判定値が4〜5点。
○:判定値が2〜3点。
×:判定値が1点。
表3に示すように、本発明を適用した実施例1〜4は、臭気評価の結果が「◎」〜「○」であった。
VOC成分の含有量が本発明の範囲外である比較例1〜3は、臭気評価の結果が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、加熱したニクロム線で切断する際に発生する煙や臭気を低減できることが分かった。
10 発泡容器
11 容器本体
12 蓋体
13 側壁部
14 底壁部
15 突起部
16 ミシン目
17 ヒンジ部

Claims (5)

  1. ポリスチレン系樹脂の発泡層を有する壁部の内部又は表面に帯電防止剤を有し、
    下記測定方法1で測定されるスチレンを除く揮発性有機化合物(VOC)成分の含有量が2.0μg/L以下である、ポリスチレン系樹脂発泡容器。
    <測定方法1>
    ポリスチレン系樹脂発泡容器の底壁部から50mm四方の正方形の試料を切り出し、前記試料の対角線を180℃に加熱したニクロム線で切断した際に発生する気体を4Lのサンプリングバッグに採取し、前記サンプリングバッグから前記気体1Lを流量0.1mL/minで吸着管に通流させ、前記気体に含まれるVOC成分を前記吸着管に吸着させ、前記吸着管を250℃で3分間加熱し、発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にトラップして濃縮し、前記揮発成分を200℃に加熱して前記クライオフォーカス部から脱着し、ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)で測定して得られるクロマトグラムにおいて、n−ヘキサンのピーク保持時間とn−ヘキサデカンのピーク保持時間との間に検出されるピークのうち、トルエン換算にて定量される0.001μg/L以上のピークを有する前記揮発成分を測定対象とし、前記測定対象の含有量の総和を前記VOC成分の含有量とする。
  2. 前記測定方法1で測定されるベンゼンの含有量が0.10μg/L以下である、請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
  3. 前記測定方法1で測定されるヘキサナールの含有量が0.005μg/L以下である、請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
  4. 前記帯電防止剤に含まれるベンゼンの含有量が、前記帯電防止剤の総質量に対して、0.4mg/kg未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
  5. 納豆容器である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡容器。
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