JP5478320B2 - ポリスチレン系樹脂発泡シート - Google Patents
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Description
特許文献1には、容器の底板形状に沿わせて折曲形成できる周側枠材であって、ポリスチレン系発泡樹脂シートにて形成されてあり、当該シートは、厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心部のほぼ1/2の厚みの気泡形状が、1.05≦MD/VD≦1.81.0 ≦TD/VD≦1.80.85≦MD/TD≦1.2を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4の厚みの気泡形状が、1.4≦MD/VD≦2.51.3≦TD/VD≦2.20.9≦MD/TD≦1.8(ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMDと直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさが前記1/4の表面側の気泡に比し、大きいことを特徴とする容器形成用の周側枠材が開示されている。
また、特に近年では、ミニサイズの弁当が流行している傾向にあり、それに伴い小型の弁当容器が求められている。そのため、従来品よりもさらに柔軟性が高く、曲げに対して小皺、折れを発生せず、容器内に食品を入れても型崩れしない周側枠材を得るためのポリスチレン系樹脂発泡シートの提供が求められている。
また、曲面を有する物品に貼り付けるシート状の断熱材において、曲げた際に小皺や折れを生じ難い断熱材の提供が求められている。
さらに、各種物品を包む包装材としてポリスチレン系樹脂発泡シートを利用する場合に、従来品よりもさらに柔軟性が高く、曲げに対して小皺、折れを発生せず、包装状態で外観に優れ、緩衝性にも優れた包装材の提供が求められている。
また、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、容器の底板の周縁が嵌入される溝や、仕切り板の両端が嵌入される溝を設けた場合でも、該枠材を曲げた際に該溝から折れることが少なくなる。
さらに、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、曲げ易く、曲げても小皺や折れが生じ難いので、曲面のある物体に貼り付ける断熱材として有用である。また各種物品を包装した際に、外観に優れ、緩衝性にも優れた包装材として有用である。
図1は、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの気泡構造の概要を示す模式図である。このポリスチレン系樹脂発泡シート1は、MD方向の平均気泡径L1とTD方向の平均気泡径L2との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲内である気泡構造を有することを特徴としている。前記比(L1/L2)は、1.21〜1.50の範囲とすることが好ましく、1.21〜1.45の範囲とすることがより好ましい。
<平均気泡径・気泡径比の測定方法>
本発明での平均気泡径(L1,L2)は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定された平均弦長に基づいて算出されたものをいう。具体的には、ポリスチレン系樹脂発泡シートをその表面に対して垂直な方向(厚み方向)に切断し、この切断面における厚み方向にほぼ4等分しその厚みの中央部分のほぼ1/2の厚みを走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−3000N)を用いて17〜20倍(場合によっては200倍)に拡大して撮影した。
次に、撮影した写真における写真上の長さが60mmで且つポリスチレン系樹脂発泡シートの厚み方向に指向する一直線上にある気泡数から、各気泡の平均弦長(t)を下記式1に基づいて算出した。そして、下記式2により平均気泡径Dを算出した。なお、ポリスチレン系樹脂発泡シートの層が薄く、長さが60mmの直線を写真上に描くことができない場合は、できるだけ長い長さの直線を写真上に描き、この直線の長さを60mmに換算して平均気泡径Dを算出した。
平均弦長(t)=60/(気泡数×写真の倍率) ・・・式1
平均気泡径D=t/0.616 ・・・式2
この平均気泡径の測定及び算出を、ポリスチレン系樹脂発泡シートのMD方向とTD方向に沿った切断面でそれぞれ行って(測定箇所数n=6以上)、ポリスチレン系樹脂発泡シートのMD方向の平均気泡径(L1)、TD方向の平均気泡径(L2)を求め、さらに式3から気泡径比(L1/L2)を算出した。
気泡径比(L1/L2)=L1(μm)÷L2(μm) ・・・式3
なお、図1は、あくまでもこのポリスチレン系樹脂発泡シート1における気泡の構造を理解し易いように強調し示した模式図であり、図1に記された気泡の形状は、実際のポリスチレン系樹脂発泡シートの気泡の形状とは必ずしも一致していない。
なお、本発明において、スキン層とは、ポリスチレン系樹脂発泡シート1の厚み方向断面を拡大して見たときに、表層に形成された気泡を含んでいない薄皮部分のことを指す。また、このスキン層の厚みは、以下の測定方法によって測定した厚みの平均値(測定箇所数n=24以上)のことを言う。
<スキン層の厚みの測定方法>
ポリスチレン系樹脂発泡シートをその表面に対して垂直な方向(厚み方向)に切断し、この切断面付近を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)を用いて300〜700倍に拡大して撮影し、スキン層の厚みを測定した。スキン層の厚みは、発泡シート表面から最表層側の気泡表面までの長さとし、任意に選んだ最表層側の8つの気泡について各気泡につき3箇所測定した。24箇所測定した厚みの平均値を、スキン層の厚み(μm)とした。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡シート1の厚みは、以下の厚み測定方法によって測定した値をいう。
<厚み測定方法>
ポリスチレン系樹脂発泡シートのTD方向の両端20mmを除いた部分を、TD方向50mm間隔の位置を測定点とした。この測定点をダイヤルシックネスゲージSM−112(テクロック社製)を使用し、厚みを最小単位0.01mmまで測定した。この測定値の平均値(測定箇所数n=12以上)を、ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚み〔mm〕とした。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡シート1の密度は、以下の密度測定方法によって測定した値をいう。
<密度測定方法>
50cm3以上(半硬質及び軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えないように切断し、その質量及び体積を測定し、次式により全体密度を算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
ただし、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃・50RH%±5RH%、または27℃±2℃・65RH%±5RH%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
そして、この一次シート製造の際、MD方向に延伸を加えておく。前記延伸の量は、MD方向の平均気泡径(L1)とTD方向の平均気泡径(L2)との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲となるように適宜調整する。
また、この二次シートは、一定長さの四角形状に裁断し、次いで該四角形状シートの表面に印刷を施し、次いで印刷後の四角形状シートを、元のシートのMD方向が短手方向に、シートのMDと直交する方向(以下、TD方向と記す。)が長手方向になるように、長矩形状に裁断し、容器用周側枠材を得るために用いられる。この容器用周側枠材は、長手方向に沿って容器の底板の周縁に嵌入される溝を設けることができる。また、この容器用周側枠材には、短手方向に沿って容器の仕切板の両端が嵌入される溝を設けることもできる。これらの溝は、発泡シートの加工分野で周知の方法、装置によって形成することができ、またそれぞれの溝深さは、底板や仕切り板の板圧に応じて適宜設定されることが望ましい。そして、この容器用周側枠材を用いて容器を製造するには、円形、楕円形、長円形などの所望の形状の底板を用意し、この底板の周縁に、前記容器用周側枠材を巻き付け、長手方向に沿って設けた溝に底板の周縁を嵌入し、容器用周側枠材の両端を密接又は重ねた状態で溶着又は接着することによって組立固定する。本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートを使用して折箱、桶、箱等の容器の周側部として使用する場合、木目、板目等の印刷を行って容器等をつくることにより、木目調をアピールしたり、また、表面に印刷を施した前記ポリスチレン系樹脂発泡シートと同質の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより、より艶のある、細かな文字、模様のある容器とすることができる。
また、裁断前の二次シート全体を、一般成形用発泡ポリスチレンシートに使用されている着色剤を用いて着色しておくことにより、漆調、檜、桐等の種々の風合いを出すことができ、これらと熱可塑性樹脂フィルム、若しくは印刷の施していない前記フィルムとを組み合わせて、より高級感にあふれた容器をつくることができる。
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMAX401−2HP(商品名)を4.2質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度240℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して6.3質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度153.1℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径128mmφでスリットクリアランス0.94mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量140kg/h、せん断速度626s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却するエアー(温度は39℃)の風量は0.14m3/m2とした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引き取り速度を10.5m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートをトンネル型電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
なお、(1)一次シート厚み、(2)一次シート密度、(3)二次シート厚み、(4)二次シート密度、(6)平均気泡径(L1,L2)及び気泡径比(L1/L2)、(7)スキン層厚みの測定方法は、前述したそれぞれの測定方法により行った。
MD方向100mm、TD方向100mmのサンプルを125℃のオーブンで2.5分加熱し、室温にて冷却し、加熱後のサンプルのMDの長さ・TD方向の長さを測定した。そして、次式により加熱変形収縮比を計算した。
加熱変形収縮比=加熱後のMDの長さ(mm)÷加熱後のTDの長さ(mm)
二次シートを、MD方向が短手方向となり、TD方向が長手方向となるように、幅55mm、長さ510mmの長矩形状に裁断してサンプルとした。JIS K7171−2009に準拠してサンプルの最大点変位・弾性率を測定した。
テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ社製、商品名「RTG−1310」)を用い、3点押し曲げ試験により容器用周側枠材の曲げ強度の最大値を測定した。測定条件は次の通りとした。
・治具間距離:100mm
・圧縮治具:先端寸法(R)が5mmである圧子と、試験片と接する部分を起点に5°の傾斜を有する幅67mmの支持台。
・圧縮速度:50mm/min
・押し曲げ距離:30mm
エー・アンド・デイ社製の汎用試験器用データ処理システム MSAT0002RTF/RTGのプログラム中に試験片の厚み、幅、長さを入力し、3点押し曲げ試験を行い、自動的に算出されたデータとして最大変位(mm)、弾性率(MPa)を求めた。
二次シートを、MD方向が短手方向となり、TD方向が長手方向となるように、幅55mm、長さ510mmの長矩形状に裁断し、その短手方向に沿って、長手方向の片端から35mm、及び235mmの位置に、短手方向に沿って幅4mm、深さ1mmの縦溝加工を施してサンプルとした。その後、サンプルを円形に曲げ、両端を加熱融着させ枠材とし、長径183mm、短径133mm、楕円の周502mmの楕円形の底板を入れ、周側枠材と底板からなる容器とした。なお、加熱融着された枠材の両端が底板の短径方向に重なるようにした。この容器の周側部の溝加工部分について、折れの角度を分度器にて測定した。評価基準は次の通りとした。
折れなし:163°以上
少しあり:159°以上、163°未満
折れあり:159°未満
前記<溝加工後の折れの評価>において作製した容器について、周側部の内側の小皺発生状況を目視観測した。評価基準は次の通り。
小皺なし:内側の湾曲部に全く小皺がない。
小皺あり:内側の湾曲部に1つでも小皺がある。
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMO−60(商品名)を4.0質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度240℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して2.0質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度152.0℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径138mmφでスリットクリアランス0.99mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量150kg/h、せん断速度561s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却する冷却エアー(温度39℃)の風量を0.09m3/m2とした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引き取り速度は10.5m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートを電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
このように製造した実施例2のシートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
一次シートの引き取り速度を11.0m/minとしたこと、及び冷却エアーの風量を0.06m3/m2としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた実施例3の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
冷却エアーの風量を0.16m3/m2としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた実施例4の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
一次シートの引き取り速度を11.2m/minとしたこと、及び冷却エアーの風量を0.05m3/m2としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた実施例5の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMAX401−2HP(商品名)を3.3質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度245℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して6.3質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度153.1℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径128mmφでスリットクリアランス0.94mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量144kg/h、せん断速度648s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却する冷却エアー(温度39℃)の風量を0.20m3/m2とした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引取速度は9.9m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートを電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
得られた比較例1の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
溶融樹脂の吐出量を144kg/h、せん断速度を644s−1としたこと、一次シートの引き取り速度を9.5m/minとしたこと、及びエアー風量を0.22m3/m2としたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた比較例2の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMAX401−2HP(商品名)を3.3質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度245℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して6.3質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度153.1℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径170mmφでスリットクリアランス1.15mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量140kg/h、せん断速度315s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却する冷却エアー(温度39℃)の風量を0.14m3/m2とした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引き取り速度は10.8m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートを電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。得られた二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
得られた比較例3の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
比較例2は、引き取り速度を実施例1〜5よりも低くし、冷却エアー風量を増やして製造した結果、気泡径比(L1/L2)が1.08となり本発明の比の下限値(1.21)未満となった。また、スキン層厚さが5.0μmと実施例1〜5よりも厚くなった。この比較例2のポリスチレン系樹脂発泡シートは、最大点変位が実施例1〜5よりも低く、弾性率が高くなり、容器製造のために曲げた際、溝形成部に折れを生じ、また周側部に小皺も生じた。
比較例3は、せん断速度を実施例1〜5よりも小さくした結果、気泡径比(L1/L2)が1.61となり本発明の比の上限値(1.55)以上となった。この比較例2のポリスチレン系樹脂発泡シートは、弾性率が高くなり、容器製造のために曲げた際、溝形成部に折れを生じた。
2 気泡
Claims (1)
- MD方向の平均気泡径L1とTD方向の平均気泡径L2との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲内である気泡構造を有し(ここで、MD方向とは押出発泡法により発泡シートを製造した際に発泡シートの押出方向のことであり、またシート表面におけるMD方向と直交する方向をTD方向と言う)、表裏いずれか一方又は両方のスキン層の厚みが2.0〜4.5μmの範囲内であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
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