JP2021154830A - バックドア構造 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本発明のバックドア構造においては、凸形状部がパネル部材の内側に配置されるフレーム部材に設けられていることになるので、外装となるパネル部材の意匠面に対して悪影響を及ぼすことなく接合構造を設定することができ、十分な接合強度でフレーム部材とパネル部材とを接合しながら、パネル部材の意匠面の外観品質を確保することができる。
また、本発明のバックドア構造では、バックドアの組付け時に、フレーム部材の凸形状部の先端がパネル部材に当接することになるので、パネル部材の面直方向の位置決めを行うことができるとともに、フレーム部材とパネル部材との間に所定のクリアランスを確保することができる。これによって、塗布された接着剤の厚みを均一に保つことが可能となり、接着剤が十分な接着強度を発揮できる厚みを確保できる。
さらに、本発明のバックドア構造においては、接着剤が凸形状部に沿って塗布されているので、接着剤が凸形状部の側面にも広がり、フレーム部材とパネル部材との接着面積を稼ぐことができ、より大きな接着強度を得ることができる。
そして、本発明のバックドア構造では、凸形状部を目印として接着剤の塗布作業や下地作業が行えるので、作業効率を向上させ、塗布不良等を低減することができる。
しかも、本発明のバックドア構造においては、塗布される接着剤の方が凸形状部よりも幅方向外側に位置しているので、接着剤層と凸形状部とによってラビリンス構造を形成することが可能となり、凸形状部よりも内側に位置するフレーム部材とパネル部材との間への水の浸入を確実に防ぐことができ、凸形状部よりも内側のフレーム部材の錆の発生を防止することができる。
図1〜図8は本発明の実施形態に係るバックドア構造を示すものである。なお、図において、矢印O方向はバックドアの幅方向外側を示し、矢印U方向はバックドアの上方側を示し、矢印X方向はバックドアの幅方向を示している。
そして、本実施形態のフレーム部材2は、車両外側に設けられ、当該フレーム部材2の外側面を構成するフレームアウタ5と、車両内側に設けられ、当該フレーム部材2の内側面を構成するフレームインナ6を備えており、これらフレームアウタ5及びフレームインナ6の外周などの重ね合わせ部分を溶接等で接合することにより形成されている。また、パネル部材4は、厚みt1(例えば、2.5mm)でフレーム部材2の幅よりも大きく形成され、フレーム部材2の下半部を覆うことが可能な大きさを有しており、外周部4aは、フレーム部材2側へ向かって折り曲げられている。
また、フレームアウタ5の外周部5aと凸形状部51との間には、図5に示すように、凸形状部51によって形成され、塗布された接着剤3に所定の厚みt2(例えば、2mm)を持たせる所定の間隔sが設けられている。すなわち、本実施形態のバックドア構造では、組付け時に、凸形状部51の先端部分51aがパネル部材4に当接し、フレーム部材2のフレームアウタ5とパネル部材4との間に所定のクリアランスが確保され、塗布された接着剤3の厚みt2が均一に保てるようになっている。しかも、塗布される接着剤3の方が凸形状部51よりも外側に位置しており、接着剤3と凸形状部51とによって、凸形状部51よりも内側箇所への水の浸入が防げる構造となっている。
本実施形態の凸形状部51は、フレーム部材2の下半部に形成されており、少なくともパネル部材設置部Pの下端部の左右両側部に形成されている。また、凸形状部51は、フレーム部材2を構成するフレームアウタ5の外周部5aの形状に沿って延びているとともに、パネル部材設置部Pの下端部の左右両側部からフレームアウタ5の外周部5aの形状に沿って上方に延びている。さらに、凸形状部51は、パネル部材設置部Pの上端部であって、テールランプ取付部Tの下側位置において、フレームアウタ5の幅方向の内側へ向かって屈曲して延びる形状を有している。
すなわち、本実施形態のバックドア構造では、凸形状部51がパネル部材4で覆われるパネル部材設置部Pの四隅と対応する位置に設けられていることにより、パネル部材設置部Pの面剛性やフレーム部材2の剛性が向上する構造となっている。しかも、凸形状部51がフレームアウタ5の外周部5aから幅方向の内側へ向かって延びるようにテールランプ取付部Tの下側に設けられていることで、テールランプ8の重量による下方への荷重が受けられるように構成されている。
したがって、本実施形態のバックドア構造においては、パネル部材4の内側に配置されるフレーム部材2の外側面(フレームアウタ5)に凸形状部51を設けることで、外装となるパネル部材4の意匠面への影響を与えずに接合構造を設定することが可能となるので、十分な接合強度でフレーム部材2とパネル部材4とを接合することができるとともに、良好な外観品質を有するパネル部材4を設置することができる。
また、本実施形態のバックドア構造では、バックドア1の組付け時に、凸形状部51の先端部分51aがパネル部材4に当接するようになっているので、パネル部材4の面直方向の位置決めを確実に行うことができる上に、フレーム部材2とパネル部材4との間に所定のクリアランスを確保することができる。したがって、本実施形態のバックドア構造によれば、塗布された接着剤3の厚みt2を均一に保つことができ、接着剤3が十分な接着強度を発揮することが可能な厚みを確保することができ、優れた接着強度を有する構造のバックドア1を得ることができる。
さらに、本実施形態のバックドア構造においては、接着剤3を凸形状部51に沿って塗布するようにしているので、接着剤3が凸形状部51の側面にも広がり、フレーム部材2とパネル部材4との接着面積を更に稼ぐことができ、より大きな接着強度を得ることができる。
また、本実施形態のバックドア構造では、凸形状部51を目印として接着剤3の塗布作業や下地作業が可能となるので、これら作業を効率的に行うことができ、生産性の向上を図ることができるとともに、接着剤3の塗布不良等を低減することができる。
それに加えて、本実施形態のバックドア構造においては、塗布される接着剤3の方が凸形状部51よりも幅方向外側に位置しているので、接着剤3の層と凸形状部51とによりラビリンス構造を得ることが可能となり、当該ラビリンス構造によって水の浸入を確実に防ぐことができ、凸形状部51よりも内側に位置するフレーム部材2の錆の発生を効果的に防ぐことができる。
したがって、本実施形態のバックドア構造では、パネル部材4で覆われるパネル部材設置部Pの四隅と対応する位置に凸形状部51が設けられていることになるので、パネル部材設置部Pの面剛性を向上させることができるとともに、フレーム部材2の剛性を向上させることができる。そのため、バックドア1の変形が少なくなり、パネル部材4とフレーム部材2との位置合わせ精度が向上し、パネル部材4とフレーム部材2との間に隙間が生じ難い構造を得ることができる。しかも、本実施形態のバックドア構造は、バックドア1の開閉時に変形が大きくなる下端部の左右両側部が補強されているので、バックドア1の変形をより一層低減することができる。
また、本実施形態のバックドア構造では、凸形状部51がフレームアウタ5の外周部5aから幅方向の内側へ向かって延びるようにテールランプ取付部Tの下側に設けられているので、テールランプ8の重量による下方への荷重を効果的に支えることができ、フレーム部材2の変形を低減することができる。
したがって、本実施形態のバックドア構造では、クッション部材9が設けられた箇所の剛性を高めることが可能となるので、バックドア1を閉めたときに車体部材と当接した衝撃でバックドア1に荷重が入力された場合に、当該入力荷重により生じる変形を低減することが可能になり、バックドア1と車体部材との均一な当接を実現でき、バックドア1におけるドア閉まりの精度を向上させることができる。
2 フレーム部材
3 接着剤
4 パネル部材
5 フレームアウタ(フレーム部材の外側面)
5a 外周部
6 フレームインナ(フレーム部材の内側面)
7 ガラス部材
8 テールランプ
9 クッション部材
51 凸形状部
51a 先端部分
G ガラス部材設置部
P パネル部材設置部
T テールランプ取付部
Claims (4)
- バックドアと対応した形状を有するフレーム部材と、該フレーム部材の外側面に接着剤を用いて接合されるパネル部材を有しているバックドア構造において、
前記フレーム部材の外側面には、前記パネル部材へ向かって突出する凸形状部が設けられ、該凸形状部は、前記フレーム部材の外周部の形状に沿って連続して設けられているとともに、前記接着剤は、前記フレーム部材の外周部と前記凸形状部との間で、前記凸形状部に沿って塗布されており、
前記フレーム部材の外周部と前記凸形状部との間には、前記凸形状部によって形成され、塗布された前記接着剤に所定の厚みを持たせる所定の間隔が設けられていることを特徴とするバックドア構造。 - 前記バックドアは、前記フレーム部材の上半部にガラス部材が設置されるガラス部材設置部と、前記フレーム部材の下半部に前記パネル部材が設置されるパネル部材設置部と、前記ガラス部材と前記パネル部材との間の位置にテールランプが取付けられるテールランプ取付部を有し、
前記凸形状部は、前記フレーム部材の下半部に形成されており、少なくとも前記パネル部材設置部の下端部の左右両側部に形成され、前記フレーム部材の外周部の形状に沿って延びているとともに、前記下端部の左右両側部から前記フレーム部材の外周部の形状に沿って上方に延び、前記パネル部材設置部の上端部であって、前記テールランプ取付部の下側位置で、前記フレーム部材の内側へ向かって屈曲して延びていることを特徴とする請求項1に記載のバックドア構造。 - 前記フレーム部材の内側面には、前記バックドアの閉状態時に車体部材との直接当接を防ぐためのクッション部材が設けられており、
該クッション部材は、前記フレーム部材の外側面の前記パネル部材設置部の左右両側部における下端部及び上端部と対応する位置に配置されているとともに、前記フレーム部材の外側面に形成された前記凸形状部と隣接する位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のバックドア構造。 - 前記凸形状部は、前記フレーム部材の下端部で幅方向に延びているとともに、前記フレーム部材の下半部の左右両側部まで延びて連続して形成され、前記フレーム部材の下半部の外周を囲んだ形状を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のバックドア構造。
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