JP2021148047A - ガソリン直噴レール - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料レール本体を熱間鍛造にて形成することができるとともに、レイアウトの自由度が高く、燃料レール本体から燃焼室までの距離が長くなった場合でも簡易な構成でコストを低く抑えた燃料レールを提供する。【解決手段】燃料レール本体1と、この燃料レール本体1とは別体に形成したインジェクターカップアダプター6とを備えたものにおいて、上記燃料レール本体1は熱間鍛造製であるとともに、上記インジェクターカップアダプター6は切削加工製であって、当該インジェクターカップアダプター6と上記燃料レール本体1とは、Oリング15にて接続部16を密閉した状態で接続固定する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料レール本体とインジェクターカップアダプターとを備えたガソリン直噴レールに関するものである。
従来より、特許文献1に示す如く、高圧噴射内燃機関用の燃料レールの本体に、袋ナット等の接続部品を介してインジェクターを接続したものが既に公知となっている。しかしながらレイアウト等の関係により、上記の如き燃料レール本体をエンジンの上部に設置した場合などは、カムシャフトやバルブなどの周辺部品の存在により、当該燃料レール本体から燃焼室までの距離が長くなる。そのため、上記の如き従来より一般的に使用されているインジェクターを使用した場合には、燃焼室までの長い距離に対応するためには制限を受けることから、問題となっていた。
そこでこのような問題を解決するためには、上記の如き従来の燃料レール本体に、図3に示す如く当該燃料レール本体(図示せず)から燃焼室(32)までの距離に対応させて長尺に形成した特別なインジェクター(33)を接続する方法、あるいは従来インジェクターカップを使用する場合として、燃料レール本体に長尺なインジェクターカップを一体的に形成する方法、または長尺なインジェクターカップの代わりにインジェクターカップとレール本体とをつなぐパイプを接続して一体的に形成し、当該インジェクターカップに、従来より一般的に使用されているインジェクターを接続固定する方法が考えられる。
特開2010-7651号公報
しかしながら、図3に示す如くエンジン(31)の上部に設けられた燃料レール本体(図示せず)から当該エンジン(31)の下部に設けられた燃焼室(32)までの距離に対応させて長尺に形成したインジェクター(33)を接続する場合には、長尺なインジェクター(33)を特別に製作する必要があることから、コストが高くつくものとなっていた。
また、燃料レール本体に長尺なインジェクターカップを一体形成する場合には、燃料レール全体がかさ高いものとなる。よって、レイアウトの自由度が低くなるとともに製品全体がかさ高いものとなるため、取り扱いが煩雑なものとなっていた。
更に、今後ガソリン直噴エンジンは高燃圧化が予想されるが、素管に各部品を炉中ろう付けなどにより固定配置して形成した燃料レールでは強度不足を引き起こす懸念がある。そのため、当該燃料レールを熱間鍛造にて形成することが求められるが、上記のように長尺なインジェクターカップを設けた燃料レールを熱間鍛造にて形成することは困難である。
そこで、本発明は上記の如き課題を解決しようとするものであって、燃料レール本体を熱間鍛造にて形成することができるとともに、レイアウトの自由度が高く、燃料レール本体から燃焼室までの距離が長くなった場合でも簡易な構成でコストを低く抑えた燃料レールを得ようとするものである。
本願発明は上述の如き課題を解決したものであって、燃料レール本体と、この燃料レール本体とは別体に形成したインジェクターカップアダプターとを備えたものにおいて、上記燃料レール本体は熱間鍛造製であるとともに、上記インジェクターカップアダプターは切削加工製であって、当該インジェクターカップアダプターと上記燃料レール本体とは、Oリングにて接続部を密閉した状態で接続固定されて成るものである。
尚、当該インジェクターカップアダプターと上記燃料レール本体とは、Oリングにて接続部を密閉した状態で、エンジンのシリンダーブロックに、螺合締結により接続固定されたものであってもよい。
上記の如く燃料レール本体とインジェクターカップアダプターとを別体に形成することにより、燃料レール本体のみを熱間鍛造により製造することができるため、エンジンの高燃圧化に対応することが可能となる。また燃料レール本体と燃焼室との間の距離が長い場合でも、インジェクターカップアダプターの長さを当該距離に対応させて長尺なものとすることにより、燃料レール本体と燃焼室との間の距離に対応させてインジェクターを配置することが可能となる。そのため、高いコストをかけることなく容易に製造することができる。
また上記燃料レール本体は、エンジンの上部に配置されたものであっても良い。このようにエンジンの上部に燃料レール本体が配置された場合には、当該燃料レール本体と燃焼室との間の距離が長いものとなる。しかし、本発明の如く当該距離に対応した長さのインジェクターカップアダプターを燃料レール本体に接続することにより、インジェクターを燃焼室に臨ませた適切な位置に配置することが可能となる。また、長尺なインジェクターを特別に製造する必要がないため、燃料噴射システム全体の製造コストを低く抑えることができる。
また上記燃料レール本体は、上記エンジンのシリンダーブロックの上部に固定配置されるとともに、上記インジェクターカップアダプターは、上記シリンダーブロックに形成された挿通間隔内に配置されたものであってもよい。
本願発明は上記の如く、燃料レール本体とインジェクターカップアダプターとを別体に形成することにより、燃料レール本体のみを熱間鍛造により製造することができるため、エンジンの高燃圧化に耐え得る燃料レールを得ることが可能となる。また燃料レール本体と燃焼室との間の距離が長い場合でも、インジェクターカップアダプターの長さを当該距離に対応させることにより、従来より一般的に使用されているインジェクターを用いた場合であっても、当該インジェクターを適切な位置に配置することが可能となるため、特別に長尺なインジェクターを使用する必要がないため燃料噴射システム全体の製造コストを低く抑えることができるとともに、燃料レール本体の製造を容易なものとすることができる。
更にエンジンへの組付け時には、レール本体とインジェクターカップアダプターとが別体に形成されているため、エンジン固体で発生する組付け誤差に合わせてレール本体の位置を微調整することが可能となる。従って、組付け性の向上、及び燃料レールの仕上げ時の寸法精度緩和に寄与することができる。
本発明の実施例1を示す断面図。 シリンダーブロックに組付けた状態の実施例1の概念図。 従来例を示す斜視図。
本発明の実施例1について、図1、2において以下に説明する。まず、図1に示す如く(1)は熱間鍛造製の燃料レール本体であって、この燃料レール本体(1)は、内部に燃料通路(2)を設けた長尺な管状に形成されている。このように燃料レール本体(1)を熱間鍛造により形成することにより、当該燃料レール本体(1)の強度を高いものとすることができるため、今後のエンジン(11)の高燃圧化に対応可能な製品を得ることができる。
そしてこの燃料レール本体(1)には、上記燃料通路(2)とは垂直方向にアダプター挿入部(3)を一体的に突設している。そしてこのアダプター挿入部(3)には、図1に示す如くインジェクターカップアダプター(6)を接続するための接続凹部(4)を設けている。またこの接続凹部(4)と上記燃料通路(2)との間は、連通路(5)を介して連通している。
そしてこの接続凹部(4)には、切削加工製のインジェクターカップアダプター(6)を接続している。即ち、インジェクターカップアダプター(6)の一端に燃料レール本体(1)と接続するための接続凸部(7)を設けるとともに、他端にはインジェクター(12)の一端を連結するための連結凹部(8)を設けている。そしてこのインジェクターカップアダプター(6)の接続凸部(7)をアダプター挿入部(3)の接続凹部(4)内に、Oリング(15)を介して接続している。
これにより、上記インジェクターカップアダプター(6)と上記燃料レール本体(1)との接続部(16)が、当該Oリング(15)にて密閉された状態で接続固定されるものとなる。よって、上記インジェクターカップアダプター(6)と燃料レール本体(1)との接続部(16)における液漏れ等を防ぐことができる。尚、この接続凸部(7)と接続凹部(4)との間には、燃料レール本体(1)の燃料通路(2)からの燃料を流通させるための流通間隔を設けている。
また上記アダプター挿入部(3)の燃料レール本体(1)とは反対側には、ネジ穴(図示せず。)を設けたネジ固定部(10)を接続配置している。そして上記の如く形成した燃料レール本体(1)及びインジェクターカップアダプター(6)をエンジン(11)の上部(17)に組み付ける場合について説明すると、本実施例では図2に示す如く、エンジン(11)を構成する一対のシリンダーブロック(13)の間には、インジェクターカップアダプター(6)とインジェクター(12)とを挿通配置可能な挿通間隔(14)が設けられている。
そして図2に示す如く、このシリンダーブロック(13)の上方に燃料レール本体(1)を配置するとともに、この燃料レール本体(1)に組付けたインジェクターカップアダプター(6)を上記挿通間隔(14)内に挿通するとともに、インジェクター(12)の基端を連結凹部(8)内に挿入配置する。そして、この燃料レール本体(1)に一体に設けたネジ固定部(10)にネジ(図示せず。)を挿通し、上記シリンダーブロック(13)に燃料レール本体(1)をネジ固定する。
ここで、本実施例は上記の如く、エンジン(11)の上部(17)に燃料レール本体(1)を設けているため、燃料レール本体(1)と燃焼室との間の距離が長いものとなる。そのため、このような上記燃料レール本体(1)から燃焼室との長尺な距離に対応させて、インジェクターカップアダプター(6)を長尺に形成している。
これにより、図3に示す如くインジェクター(33)を、従来より広く使用されている一般的な長さのインジェクター(12)を上記長尺なインジェクターカップアダプター(6)に接続することによって、燃焼室に臨ませてインジェクター(12)を適正な位置に配置することが可能となる。そのため、長尺なインジェクター(12)を特別に使用する必要がないことから、燃料噴射システム全体の製造コストを低く抑えることができる。また上記の如くインジェクターカップアダプター(6)を長尺に形成することにより、上記燃料レール本体(1)から燃焼室との長尺な距離に対応させてインジェクター(12)を適切な位置に配置することができるため、製造を容易なものとすることができる。
またインジェクターカップアダプター(6)を燃料レール本体(1)とは別体に形成するとともに、当該インジェクターカップアダプター(6)を切削加工にて形成するものであるから、燃料レール本体(1)からインジェクター(12)までの距離との間の寸法調整を容易に行うことが可能となる。また、エンジン(11)に組付けられている他の部品の位置に対応させて、インジェクターカップアダプター(6)の長さを適宜調整することができるため、レイアウトの自由度を高めることが可能となる。
1 燃料レール本体
6 インジェクターカップアダプター
11 エンジン
13 シリンダーブロック
14 挿通間隔
15 Oリング
16 接続部
17 上部

Claims (3)

  1. 燃料レール本体と、この燃料レール本体とは別体に形成したインジェクターカップアダプターとを備えたものにおいて、上記燃料レール本体は熱間鍛造製であるとともに、上記インジェクターカップアダプターは切削加工製であって、当該インジェクターカップアダプターと上記燃料レール本体とは、Oリングにて接続部を密閉した状態で接続固定されたことを特徴とするガソリン直噴燃料レール。
  2. 上記燃料レール本体は、エンジンの上部に配置されたことを特徴とする請求項1のガソリン直噴燃料レール。
  3. 上記燃料レール本体は、上記エンジンのシリンダーブロックの上部に固定配置されるとともに、上記インジェクターカップアダプターは、上記シリンダーブロックに形成された挿通間隔内に配置されたことを特徴とする請求項2のガソリン直噴レール。
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