JP2021137775A - 分流装置 - Google Patents
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特許文献1は、その一例を開示する。
この粉体分流器は、粉体を連行した気体を導入する導入口に絞り部を設け、この絞り部の下流側に切頭円錐形の混合室を設け、この混合室の内部には周面に複数個の開口を有する筒を内挿し、混合室の底板に複数個の分流管を連通して設けて構成している。
このような構成によれば、曲管を経て混合室に粉体が導入される際、粉体は曲管の曲がりの外側方向に高い密度に濃縮するように偏析しやすいが、絞り部でいったん絞られた後、混合室内に入るので粉体の混合が促進され、絞り部から混合室へ入る際にさらに混合が生じ、混合室内では大部分の粉体が筒内に入り、複数個の開口を経て噴出した粉体は混合室内において十分に混合された状態となり、分流器に導入される際に管の断面方向で粉体の濃度に偏析がある場合にも均一な濃度で分流ができるという効果が奏される。
すなわち、混合室内において、粉体の付着により、場合により管の詰まりが生じることがある。
より詳細には、粉体が絞り部から混合室内に流入する際、粉体の流速は低下することから、粉体が筒または混合室の内周面、あるいは分流管に接続する開口を有する底板に付着することがある。これは、特に、粉体が水分を含んだ雪粒の場合に顕著であり、搬送空気の速度が低速の場合、底板に付着した雪粒が山状となって、場合により筒の開口を閉塞する事態も生じ得る。
この粉粒体の分流装置は、
管内で気流により粉粒体を圧送する本管と、それぞれの上流側端面が、該本管の下流側端面と平行に配置される複数の分岐管との間に配置される粉粒体の分流装置であって、
前記粉粒体の分流装置は、上流側端面および下流側端面それぞれが前記本管の下流側端面および該複数の分岐管それぞれの上流側端面と平行に配置された回転体と、該回転体をその軸線方向を中心に所定回転速度で回転させる回転駆動部とを有し、
該回転体はその内部に、該回転体を軸線方向に貫通する圧送流路を有し、
該圧送流路は、前記上流側端面に、前記本管の下流側端面に設けられる流出開口に近接対向して非接触式に配置される取り入れ口を備え、前記下流側端面に、前記複数の分岐管それぞれの上流側端面に設けられる流入開口に近接対向して非接触式に配置される排出口とを備え、
前記排出口は、前記回転体の回転による前記排出口の通過軌跡上に前記複数の分岐管それぞれの流入開口が位置するように設けられる、構成としている。
より具体的には、圧送される粉粒体は気流とともに本管の流出開口から流出し、回転駆動部により回転体の軸線方向を中心に所定回転速度で回転する回転体の内部の圧送流路に取り入れ口から流入し、排出口から流出して、排出口と近接対向して配置される複数の分岐管それぞれの流入開口から複数の分岐管それぞれに分流される。
この場合、排出口は、回転体の回転による排出口の通過軌跡上に複数の分岐管それぞれの流入開口が位置するように設けられることから、回転中の回転体の圧送流路の排出口と位置合わせされる複数の分岐管それぞれの流入開口が順次切り替えられることにより、気流により圧送される粉粒体を本管から複数の分岐管に分流する際、分岐管ごとの粉粒体の分流量の偏りを低減することが可能である。
上記課題を達成するために、本発明の分流装置は、
搬送気流により雪粒を搬送する直管路と、
該直管路の内部の所定位置に、流路面積を狭めるように設けられた絞り部と、
該直管路の流出口を複数の領域に区分する仕切りと
該絞り部の搬送方向上流側に、設けられた整流格子と、を有し、
該仕切りは、前記流出口の中心部から周縁に向かって放射状に延び
該整流格子は、該直管路の延び方向に交差する断面が、全面メッシュ状に形成されている、構成としている。
さらに、前記縮径部および前記拡径部いずれも、前記直管路の中心軸線に関して回転対称の環状をなすのがよい。
さらに、最小流路断面の面積は、搬送気流の速度および流路圧損に応じて、設定されるのがよい。
さらにまた、前記縮径部の絞り部角度は、搬送気流の速度、絞り部頂点と直管路中心との距離および拡散距離に応じて、設定されるのがよい。
加えて、前記整流格子160は、前記全面メッシュ状断面の各格子が、該直管路の延び方向に所定長さに亘って流路状に延びるのがよい。
さらに、同じ形状または/および異なる形状の前記絞り部を前記直管路の延び方向に沿って、直列に複数設けるのでもよい。
さらにまた、前記直管路の流出口において、区分された各領域は、分流管に連通接続されるのがよい。
加えて、前記整流格子160は、複数設けられ、隣接する整流格子160は、該直管路の延び方向に所定間隔を隔てているのがよい。
さらに、前記境界部における接線が、搬送気流の方向に沿うように設けられるのがよい。
まず、雪環境試験システムについて説明すれば、図1に示すように、雪環境試験システム10は、氷粒からなる人工雪を利用し、人工雪をその背後からの気流に乗せて吹雪を模擬して、試験供試体である車両Vに向かって吹き付けるように構成され、そのために、吹雪供給システム12と、気流供給システム14とを有する。
特に、氷粒の粒径および水分含有率が主な影響因子である所定の雪質を具備する吹雪を必要量用いて、車両Vに向かって連続的に吹き付ける際、車両Vの高さ全体および幅方向全体に拡散し、場合により車両Vの高さ方向に所望の吹雪濃度分布を実現できるようにするために、所定の温度および湿度管理のもとで、人工雪として利用する氷粒群を試験直前に製造して迅速に供給することが要求される。
ホットエアの温度および/または流量、および搬送気流の温度および/または流量を調整することにより、雪供給管40内の雰囲気温度の調整を通じて湿雪の水分含有率を調整する。湿雪の水分含有率は、たとえば、車両を供試体とする雪環境試験の場合、1%ないし30%である。
この場合、雪供給管40内を湿雪化された氷粒Pが気流により圧送される間に、雪供給管40の内表面に付着して、圧送される氷粒Pの流量の経時変動を引き起こしたり、あるいは場合により雪供給管40の閉塞による氷粒Pの圧送不能を確実に防止するために、搬送気流の所定速度は、毎秒3メートル以上であるのが好ましい。湿雪の水分含有率が高いほど、雪供給管40の内表面への付着性が高まる傾向にあるので、その分搬送気流の速度を上げる必要がある。後に説明するように、雪供給管40に対して、分流装置100を介して接続される複数の分流管210各々は、雪供給管40の内径より小さい内径を有することから、この点が、より当てはまる。
吹き出しノズル36について、各系統ごとに、車両Vの前方所定距離の位置に、複数機で組をなす吹雪の吹き出しノズル36が車両Vの幅方向に亘って幅方向に所定間隔を隔てて配置される。各系統の組の吹き出しノズル36は、車両Vの車高に亘って高さ方向に所定間隔を隔てて配置され、各系統の組の吹き出しノズル36ごとに、供給する吹雪の濃度を調整可能にしている。車両Vの後方所定距離の位置には、雪捕集装置38が配置され、雪捕集装置38を通過した吹雪は、風洞16内の吸引口42を介して低温室18内に配置されたブロアー28により引かれ、冷却器30により冷却され、砕氷機26に戻され、製氷機22により製氷され氷温安定化コンベア24により砕氷機26に供給され砕氷される氷粒と混合され、再び雪供給管40および分流管210を介して吹き出しノズル36から吹雪を吹き出すのに利用されるようにしている。
この点で、風洞16は、いわゆる空力風洞16でなく、簡易的な風洞16とすることから、吹き出しノズル36と車両Vの前部との距離は、約1メートルないし3メートルであるところ、この短い距離の間で、吹き出しノズル36より吹き出す吹雪が、車両Vの前部において高さ全体に亘って拡散するようにしている。
図2に示すように、整流格子160は、絞り部120の搬送方向上流側に、設けられ、例えば硬質の塩化ビニールフィルム製であり、直管路110の流入口167から旋回流Fを形成して流入する雪粒流れが、整流格子160によって整流されて、絞り部120に到るようにしている。
整流格子160は、複数(図2において、160A, 160Bの2つ)設けられ、隣接する整流格子160は、直管路110の延び方向に所定間隔dを隔てている。所定間隔dは、搬送気流速度、雪粒の雪質、雪粒径等に応じて、適宜に設定すればよい。
整流格子160各々において、直管路110の延び方向に交差する断面が、全面メッシュ状に形成され、全面メッシュ状断面の各格子165が、直管路110の延び方向に所定長さに亘って流路状に延びる。
整流格子160の直管路110の延び方向の長さ、格子165の目の粗さ等の条件は、搬送気流速度、雪粒の雪質、雪粒径等によって適宜変更することができる。整流格子160内の流路は、直管路110の長手方向に沿って水平となるように形成され、換言すれば、直管路110の延び方向に直交する断面が、全面メッシュ状に形成されている。
なお、整流格子160は、図示した碁盤目状のメッシュとすることにより、各格子165が矩形断面を有する流路により構成されているが、それに限定されることなく、各格子165は、円形断面やハニカムブロックに構成されていてもよい。各格子165により構成される流路は、雪粒流れの流れ方向に流路面積が傾斜(拡大又は縮小)していてもよいし、直管路110の断面位置に応じて目の粗さ(流路の辺の長さ)が異なっていてもよい。
変形例として、整流格子160は、所定の吹出断面積を有するパイプの集合体でもよく、各パイプの断面形状は円形、矩形、多角形等何れでもよいが、左右上下対称の形状が好ましい。
縮径部180および拡径部190いずれも、直管路110の中心軸線に関して回転対称の環状をなし、これにより、絞り部120を通過した雪粒Sが直管路110の内周面220に向かって拡散する際、断面が直管路110の流路断面と同心状の拡散領域を形成することにより、直管路110の流出口130において、均等に分流されるようにしている。
この点、拡散しきれない雪粒を直管路110内中央へ誘導する観点から、絞り部120の直管路110の気流搬送方向における位置を調整するのがよい。
縮径部180および拡径部190の上面はそれぞれ、平面状をなし、縮径部180は、直管路110の内周面220から徐々に境界部200に向かって上方に傾斜角度Θで傾斜し、それにより、直管路110に対して直交する流路断面が徐々に狭まり、一方、拡径部190は、境界部200から徐々に直管路110の内面に向かって下方に傾斜し、それにより、直管路110に対して直交する流路断面が徐々に拡がり、直管路110の流路断面に一致する。
また、縮径部180および拡径部190の上面がそれぞれ、曲面状をなし、直管路110の気流搬送方向に沿う山形断面について、境界部200における接線が、搬送気流の方向に沿うように設けられるのでもよい。
または、縮径部180の絞り部角度Θは、搬送気流Fの速度、絞り部頂点と直管路中心との距離および拡散距離に応じて、設定される。
この点について、絞り部角度Θが大きいほど、直管路長さL1は短くて良い傾向にある一方、絞り部角度Θが小さいほど、直管路長さL1を長くする必要がある傾向にある。
この場合において、雪粒Sの搬送速度、すなわち、搬送気流Fの速度は、環境試験での時間当たりの人工雪要求量および/または雪粒Sの種類により決定されるところ、気流の搬送速度によって、絞り部角度Θまたは直管路長さL1は影響を受ける。
より詳細には、たとえば、雪粒Sが水分含有率が30%に近い高い含有率の場合、直管路110の内周面220への付着を防止する観点から、搬送気流Fの速度は高いのが好ましいところ、それにより、絞り部120下流側の直管路110を通過する時間、つまり、雪粒Sが拡散する時間が短くなることから、流出開口130に至るまでの雪粒Sの拡散領域を確保する観点から、直管路長さL1を長くするのがよい。
この場合、絞り部角度Θを大きくし過ぎると、雪粒Sの搬送速度ベクトルが急激に変化し、それにより、雪粒Sの絞り部への着雪の可能性が大となることから、絞り部角度Θを大きくせずに、直管路長さL1を確保するのがよい。
その場合、絞り部角度Θ、最小流路面積の異なる絞り部120を複数設けて置き、雪粒Sの種類、搬送速度等に応じて、複数の絞り部120から適当な絞り部120を選択するのでもよく、その場合、絞り部120の直管路110上の位置を変動してもよい。さらに、同じ形状および/または異なる形状の絞り部120を直管路110の延び方向に沿って、直列に複数設けるのでもよい。異なる形状の絞り部120としては、たとえば、絞り部角度Θおよび/または最小流路面積が異なるが含まれ、直管路110の延び方向に沿って、適宜、間隔を隔てて設けるのがよい。
より詳細には、仕切り150は、流出開口130の周方向に等角度間隔(120°)を隔てて、3コ配置され、各々は、面の向きが気流搬送方向に沿うように設けられた薄板状をなし、可能な範囲で、流出開口130における流路面積を阻害することがないような厚みに設定される。これにより、搬送気流により搬送される雪粒が、仕切り150に衝突することにより、雪粒自体がこわされたり、搬送方向が偏向されることがないようにしている。
このような仕切り150により、分流管210ごとの雪粒Sの濃度のバラツキを抑制することが可能である。
仕切り150の数は、雪粒Sをどれだけ分流するかに応じて、適宜定めればよい。
たとえば、各系統において、雪供給管40に連通接続される直管路110の流出開口130から車両の幅方向に所定間隔を隔てて、全体で車両の幅全体をカバーするように配置された複数の分流管210それぞれに分流されるのでもよい。
より具体的には、まず、製氷機22によって製氷された氷片が砕氷機26によって砕氷され、所定粒径の氷粒となり、雪供給管40により気流により圧送され、湿雪装置34によって所定の水分含有率を有する湿雪とされ、さらに雪供給管40および分流管210により、試験体である車両Vに向けて気流により圧送される。
より具体的には、3系統それぞれにおいて、雪供給管40から車両の幅方向に所定間隔を隔てて、全体で車両の幅全体をカバーするように配置された複数の分流管210それぞれに分流される。
この場合、各吹き出しノズル36から吹き出される吹雪の量にばらつきが少なく、また各吹き出しノズル36からの吹き出しが間欠的でなく、試験実施に支障のない範囲で連続的にすることが可能であることから、自然の吹雪の再現に近づけた適正な雪環境試験を実施することが可能である。
たとえば、本実施形態において、整流格子160について、各格子165が直管路110の延び方向に流路を形成するように、整流格子160が直管路110の延び方向に長さを有するものとして説明したが、それに限定されることなく、たとえば、雪粒流れが絞り部120に到るまでに整流される限り、整流格子160は、プレート状を構成し、各格子165が貫通孔を形成するものでもよい。
たとえば、本実施形態において、絞り部120下流側の直管路長さL1と、絞り部120の縮径部180の傾斜角度Θとの関係について、分流管それぞれに分流される雪粒の状況に応じて、設定する場合を説明したが、それに限定されることなく、たとえば、設置スペースの制約により、直管路長さL1を短くする代わりに、傾斜角度Θを大きくしたり、または、絞り部120の設置をより整流格子160側(上流側)にするのでもよい。
たとえば、本実施形態において、分流すべき粉粒体として、氷片を破砕することにより形成される人工湿雪であるものとして説明したが、それに限定されることなく、自然雪であったり、あるいは所定湿度および所定温度の冷風を利用して生成される人工結晶雪であってもよく、これらは湿雪でなくてもよい。
L 直管路長
Θ 絞り部角度
F 旋回流
S 雪粒
V 車両
X 回転軸線
C 中心部
10 雪環境試験システム
12 吹雪供給システム
14 気流供給システム
16 風洞
18 低温室
20 製氷室
22 製氷機
24 氷温安定化コンベア
26 砕氷機
28 ブロアー
30 冷却器
34 湿雪装置
36 吹き出しノズル
38 吹雪捕集装置
40 雪供給管
42 吸引口
44 空気ダクト
46 ロータリーフィーダー
48 破砕ドラム
100 分流装置
105 流入口
110 直管路
120 絞り部
130 流出口
140 複数の領域
150 仕切り
160 整流格子
165 格子
170 周縁
180 縮径部
190 拡径部
200 境界部
210 分流管
220 内周面
Claims (11)
- 搬送気流により雪粒を搬送する直管路と、
該直管路の内部の所定位置に、流路面積を狭めるように設けられた絞り部と、
該直管路の流出口を複数の領域に区分する仕切りと
該絞り部の搬送方向上流側に、設けられた整流格子と、を有し、
該仕切りは、前記流出口の中心部から周縁に向かって放射状に延び
該整流格子は、該直管路の延び方向に交差する断面が、全面メッシュ状に形成されている、ことを特徴とする分流装置。 - 前記絞り部は、搬送下流側に向かって縮径する縮径部と、搬送下流側に向かって拡径する拡径部とを有し、該縮径部と該拡径部との境界部が、最小流路断面を構成する、請求項1に記載の分流装置。
- 前記縮径部および前記拡径部いずれも、前記直管路の中心軸線に関して回転対称の環状をなす、請求項2に記載の分流装置。
- 前記最小流路断面の面積は、搬送気流の速度および流路圧損に応じて、設定される、請求項2または請求項3に記載の分流装置。
- 前記縮径部の絞り部角度は、搬送気流の速度、絞り部頂点と直管路中心との距離および拡散距離に応じて、設定される、請求項2または請求項3に記載の分流装置。
- 前記整流格子は、前記全面メッシュ状断面の各格子が、該直管路の延び方向に所定長さに亘って流路状に延びる、請求項4または請求項5に記載の分流装置。
- 雪粒は、氷粒による人工雪である、請求項1に記載の分流装置。
- 同じ形状または/および異なる形状の前記絞り部を前記直管路の延び方向に沿って、直列に複数設ける、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の分流装置。
- 前記直管路の流出口において、区分された各領域は、分流管に連通接続される、請求項1に記載の分流装置。
- 前記整流格子は、複数設けられ、隣接する整流格子は、該直管路の延び方向に所定間隔を隔てている、請求項6に記載の分流装置。
- 前記境界部における接線が、搬送気流の方向に沿うように設けられる、請求項2に記載の分流装置。
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