JP7289050B2 - 吹雪濃度調整用噴雪ノズル、吹雪濃度調整装置および吹雪濃度調整方法並びに環境試験システム - Google Patents
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Description
その一例として、環境試験室内で人工雪により吹雪を模擬して、吹雪を車両に向かって吹き出し、エンジンルーム内への雪の混入による不具合問題、足回り部品の凍結等の着氷問題に対処することが行われている。
吹雪発生装置は、フレーク状の氷片を製造する製氷機と、製造されたフレーク状の氷片を所定粒径の氷粒に砕氷する砕氷機と、砕氷された所定粒径の氷粒により模擬された人工雪を風洞内に搬送する配管と、配管の先端に設置され、車両の前部に向かって吹き出す吹き出しノズルとを有する。
このような環境試験室によれば、吹雪発生装置を利用して、風洞内において、吹雪を車両に向かって吹き出すことにより、自然環境・気象条件を模擬した環境試験を行うことが可能である。
その一方で、車両を配置する風洞内において、車両と気流の吹き出し口との距離が短い(1ないし2メートル程度)という制約があり、この短い距離の間で自然状態の吹雪を模擬して、車両に吹き付ける必要がある。
この原理では、試験に必要な雪の量の確保が困難であるとともに、吹雪の付着性を模擬できず、適正かつ有効な環境試験を行うことが困難である。
しかしながら、この原理によると、以下のような技術的問題点が存する。
より詳細には、デフレクター方式の場合、吹雪の広がりは、先細吹き出しノズルの吹き出し口の開口面積により制限されることから、通常は吹き出し口を大口径として、吹雪の広がりを確保せざるを得ず、この場合、吹雪の広がりを調整することは困難である。
より詳細には、雪落とし用シューターからの雪は、開閉デフレクターにより偏向されるが、雪が一部、吹雪として先細吹き出しノズルから外部に流出せずにノズルの底部に落下し、時間経過とともに溜り、いったん溜まった雪の山を除去する必要が生じ、試験の継続が困難となる。
この吹雪の拡散用部材は、気流に乗せられた雪により模擬される吹雪の拡散用であり、雪を気流の進行方向に沿って吹き出す吹き出し口の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口に対向する拡散面を設け、拡散面は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および/ または頂部が吹き出し口に近づく向きに形成された円錐形状であり、吹き出し口と拡散面との間の距離は、可変であり、それにより、吹き出し口から吹き出され、気流に乗って気流進行方向に沿って発生する吹雪が、拡散面に沿って案内され、所望の拡散特性を達成しつつ、拡散面の四方外方に向かって拡散する、構成である。
以上の構成を有する吹雪の拡散用部材によれば、吹き出し口から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、吹き出し口の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口に対向するように配置された拡散面に当るところ、拡散面は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および/または頂部が吹き出し口に近づく向きに形成された円錐形状であることから、吹雪は、拡散面に付着することなく、拡散面に沿って案内され、四方外方に向かって拡散するとともに、拡散面への付着に伴う経時的な拡散特性の変動を抑制可能である。
すなわち、吹雪の拡散用部材により、吹雪の拡散範囲を調整可能であるが、吹雪の濃度分布自体を調整するのが困難な点である。
より詳細には、それぞれ、雪を気流の進行方向に沿って吹き出す吹き出し口を備える複数の吹雪ノズルは、風洞の気流の流れに直交する断面において、全体として略一様に分布配置され、各吹雪ノズルから吹き出される墳雪は、拡散面に当たって四方に拡散され、全体として、風洞の流出口から吹雪として吹き出されるが、各吹雪ノズルから吹き出される墳雪は、自重により下方に流下し、下方ほど吹雪の濃度分布が高くなる傾向となる。
また、試験条件によっては、吹雪の濃度分布を均一でなく、高さ方向および/または横方向に、位置による分布の片寄りを敢えて設定することもある。
この場合、雪の搬送流量が一定であれば、吹雪の拡散用部材により、拡散範囲を拡げれば、その分、吹雪の濃度は、低下することになり、拡散範囲を狭めれば、その分、吹雪の濃度は、高くなることになり、拡散範囲および吹雪濃度の両方を所望に調整するのは、特に困難である。
この場合、吹雪を模擬するための気流速度を減速すれば、対向面への付着の程度を軽減することはある程度可能とはいえ、吹雪を利用した環境試験において、気流速度は、静止車両を用いながら、走行車両を模擬するのに重要な試験パラメータであり、気流速度に対する制約は、根本的な解決とはならない。
内部に雪を搬送し、流出口から雪を流出するホースの流出口に回転可能に差し込み可能な噴雪ノズルであって、
出口開口から模擬吹雪を吹き出す風洞の内部に配置され、
それぞれ、前記流出口に差し込み可能な流入口を有する第1直管部と、流出口を有する第2直管部と、第1直管部と第2直管部とを接続する曲管部とを有し、該第2直管部の流出口が噴出口を構成する、複数の噴雪ノズルが設けられ、
複数の噴雪ノズルは、互いに、前記曲管部の長さが異なり、該第1直管部と該第2直管部との間の交差角度が異なる、構成としている。
内部に雪を搬送し、流出口から雪を流出するホースと、
ホースの流出口に回転可能に差し込み可能な噴雪ノズルと、
該ホースと、該噴雪ノズルとを内部に配置し、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から模擬吹雪を吹き出す風洞と、を有し、
それぞれ、前記流出口に差し込み可能な流入口を有する第1直管部と、流出口を有する第2直管部と、第1直管部と第2直管部とを接続する曲管部とを有し、該第2直管部の流出口が噴出口を構成する、複数の噴雪ノズルが設けられ、
複数の噴雪ノズルは、互いに、前記曲管部の長さが異なり、該第1直管部と該第2直管部との間の交差角度が異なる、構成としている。
その際、複数の噴雪ノズルにおいて、それぞれ、流出口に差し込み可能な流入口を有する第1直管部と、流出口を有する第2直管部と、第1直管部と第2直管部とを接続する曲管部とを有し、第2直管部の流出口が噴出口を構成し、複数の噴雪ノズルは、互いに、曲管部の長さが異なり、第1直管部と第2直管部との間の交差角度が異なることから、噴雪ノズルの選択により、噴雪ノズルからの噴雪上下方向を調整するとともに、対応するホースに対して噴雪ノズルの回転角度が調整することにより、噴雪水平方向を調整可能であり、各噴雪ノズルについて、このような噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整することにより、複数の噴雪ノズル全体として構成される吹雪の濃度を所望に調整可能である。
さらにまた、水平向きに配置されたホースと、該噴雪ノズルとは、前記風洞内で、出口開口の近傍に配置されるのがよい。
加えて、該ホースは、前記風洞内で高さ方向が調製可能であるのがよい。
また、前記複数の噴雪ノズルは、風洞内において、互いにレベルが異なる複数組に分けられ、複数組の各々は、横方向に間隔を隔てて、噴雪ノズルが配置され、風洞の断面全体内で一様に分布されるのがよい。
さらに、風洞の最下流側に縮流洞が設けられ、縮流洞の上流側に、複数の噴雪ノズルが配置されるのがよい。
加えて、第1直管部と第2直管部との間の交差角度は、10°以上45°以下であるのがよい。
さらに、前記噴雪ノズルからの噴雪を拡散する拡散用部材をさらに有し、該拡散用部材は、
前記噴雪口の外であって、噴雪方向前方の所定位置に該噴雪口に対向する拡散面を設け、
該拡散面は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および/ または頂部が前記噴雪口に近づく向きに形成された円錐形状であり、
それにより、前記噴雪口からの吹き出される噴雪が、前記拡散面に沿って案内され、前記拡散面の四方外方に向かって拡散するのがよい。
さらにまた、前記噴雪口と前記拡散面との間の距離は、吹雪の所望の拡散特性に応じて可変であるのがよい。
加えて、前記気流速度は、前記噴雪口と前記拡散面との間の距離および/ または前記広がり角度に応じて、微調整されるのがよい。
風洞内で、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から吹雪を模擬して、試験対象物に向かって吹き出す場合において、
請求項1に記載の噴雪ノズルなしで、前記風洞の出口開口において吹雪濃度分布を測定する段階と、
測定した吹雪濃度分布に応じて、複数の噴雪ノズルそれぞれにおいて、対応するホースに対する回転角度を調整することにより、左右の拡散範囲を調整するとともに、対応するホースの高さを調整することにより、噴雪の上下の拡散範囲を調整する、構成としている。
レベルが高い組の噴雪ノズルほど、対応する曲管部の長さが長いのがよい。
風洞内で、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から吹雪を模擬して、試験対象物に向かって吹き出す環境試験システムにおいて、
前記風洞内に、請求項1に記載の噴雪ノズルが設けられている、構成としている。
なお、ここに『雪』とは、自然雪のように雪の結晶が重なり合っている雪片と、氷粒からなる人工雪のような雪粒子との両方を含む広義の意味を有し、『吹雪』とは、降雪による吹雪状態のみならず、このような雪片あるいは雪粒子が風あるいは車の通過等により移動する状況をも意味する広義の意味を有する。
まず、雪環境試験システムについて説明すれば、図1に示すように、雪環境試験システム10は、氷粒からなる人工雪を利用し、人工雪をその背後からの気流に乗せて吹雪を模擬して、試験供試体である車両Vに向かって吹き付けるように構成され、そのために、吹雪供給システム12と、気流供給システム14とを有する。
特に、氷粒の粒径および水分含有率が主な影響因子である所定の雪質を具備する吹雪を必要量用いて、車両Vに向かって連続的に吹き付ける際、車両Vの高さ全体に拡散し、場合により車両Vの高さ方向に所望の吹雪濃度分布を実現できるようにするために、所定の温度および湿度管理のもとで、人工雪として利用する氷粒群を試験直前に製造して迅速に供給することが要求される。
送風機25によって送風された気流は、いったん気流全体としての風速(動圧)を低下させて中間胴部における圧力(静圧)を上昇させた後、縮流洞314を通過させることで、測定するのに必要十分な風量(風速)の気流を吹出し口316から測定室300に吹き出すことができるようにしている。
また、吹雪試験用の回流型風洞16の場合、試験後の雪を分離回収するために、車両Vの下流に、別途雪補修装置38を設けているが、いずれにせよ、雪の重力落下あるいは慣性効果により雪を分離させるのに、車両Vの下流に、敢えて気流を整流させない領域を設けている。
人工雪の分配装置34を湿雪装置32の上流側に設置するのは、人工雪の分配装置34を下流側に設置すると、湿雪化した雪が分配装置34に送られて、分配装置34内に付着して、詰まりを生じることがあり、それを防止するためである。
この点、吹雪は、ブロアー28による圧送空気により各噴雪ノズル36から吹き出される雪が、送風機25から吹き出される気流に乗って車両Vに向かって吹き付けられるところ、圧送空気の圧送速度は、雪供給管40内での雪の詰まりを生じない限り、なるべく低速であるのが好ましく、吹雪の速度は、送風機25から吹き出される気流により模擬するのが好ましい。
より詳細には、吹雪が拡散プレート74(後に説明)により拡散されて車両Vに向かって吹き付けられる際、圧送空気の圧送速度が高いと、噴雪ノズル36の部分の吹雪のみ吹雪の速度が高くなり、自然の吹雪から逸脱する一方、送風機25から吹き出される気流の速度を変えることにより、拡散される吹雪全体の速度を一様に変動させることが可能であり、特に静止車両Vにより、走行車両を模擬する場合に、送風機25から吹き出される気流の速度を変動させるのが有利である。
複数の噴雪ノズル36は、風洞16の断面内において、高さ方向および横方向に均等に分布されるのが好ましいが、均等に分布しない場合であっても、後に説明するように、複数の噴雪ノズル36の各々の高さ方向および横方向の向きを調整することにより、風洞16の流出口から流出する吹雪の濃度を高さ方向および横方向に均等にしたり、所望の濃度分布にすることが可能である。
より具体的には、複数の噴雪ノズル36は、風洞16内において、互いにレベルが異なる複数組に分けられ、複数組の各々は、横方向に間隔を隔てて、噴雪ノズル36が配置され、風洞16の断面全体内で一様に分布される。
図2に示すように、各噴雪ノズル36は、内部に雪を搬送し、雪を流出するホース204の流出口202に回転可能に差し込み可能であり、流出口202に差し込み可能な流入口208を有する第1直管部206と、流出口216を有する第2直管部212と、第1直管部206と第2直管部212とを接続する曲管部218とを有し、第2直管部212の流出口216が噴出口を構成する。
複数の噴雪ノズル36の材質は、内部で搬送空気により雪粒を搬送である限り、任意であり、樹脂製、金属製(たとえば、銅製)でもよく、噴雪ノズル36の内面は、搬送される雪粒が付着するのを抑制するように、コーティングされているのがよい。
第1直管部206、第2直管部212、および曲管部218は、たとえば、樹脂による一体成形でもよく、それぞれ別要素であり、接着、溶接により固定するのでもよい。
複数の噴雪ノズル36の曲管部218は、曲率半径Rが同じであり、曲率中心からの中心角度βが互いに異なることにより、交差角度αが異なるようにしてもよい。
具体的には、図2において、図2(A)ないし(C)において、第1直管部206の長さl1と、第2直管部212の長さl2とは共通であり、曲管部218の中心角度βが、20°(図2(A))、30°(図2(B))、および40°(図2(C))であり、それにより、交差角度αは、図2(A)において最小、図2(C)において、最大となっている。
交差角度αは、環境試験により要求される条件、および風洞16の断面内における複数の噴雪ノズル36の高さ方向および横方向の分布状態により適宜定めればよいが、0°以上90°未満であり、10°以上45°以下であるのが好ましい。
ホース204の材質は、流出口202に噴雪ノズル36が差し込み可能であり、たとえば、風洞16内で吊り下げ支持することにより保形性が維持可能なように、硬質製樹脂が好ましく、特に、氷点下の温度に対する耐久性が確保可能なものがよい。ホース204は、風洞16内で高さ方向が調製可能であるのが好ましい。
複数の噴雪ノズル36の各々において、第1直管部206の軸線方向が、水平方向、すなわち、風洞16の長手方向と平行となるように、配置されるのが好ましく、曲管部218の曲率中心からの中心角度βが大きいほど、第1直管部206と第2直管部212との間の交差角度αが大となり、対応する第2直管部212の上向き角度が大となるようにするのがよい。
以上の構成を有する吹雪濃度調整装置によれば、風洞16内において、内部に雪を搬送し、流出口202から雪を流出するホース204から、ホース204の流出口202に差し込まれる噴雪ノズル36の噴出口から噴雪され、このような噴雪ノズル36が複数設けられ、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、風洞16の出口開口から模擬吹雪を吹き出すことが可能である。
その際、複数の噴雪ノズル36において、それぞれ、流出口202に差し込み可能な流入口を有する第1直管部206と、流出口218を有する第2直管部212と、第1直管部206と第2直管部212とを接続する曲管部218とを有し、第2直管部212の流出口216が噴出口を構成し、複数の噴雪ノズル36は、互いに、曲管部218の長さが異なり、第1直管部206と第2直管部212との間の交差角度αが異なることから、噴雪ノズル36の選択により、噴雪ノズル36からの噴雪上下方向を調整するとともに、対応するホース204に対して噴雪ノズル36の回転角度を調整することにより、噴雪水平方向を調整可能であり、各噴雪ノズル36について、このような噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整することにより、複数の噴雪ノズル36全体として構成される吹雪の濃度を所望に調整可能である。
この点で、風洞16は、いわゆる空力風洞16でなく、簡易的な風洞16とすることから、噴雪ノズル36と車両Vの前部との距離は、約1メートルないし3メートルであるところ、この短い距離の間で、噴雪ノズル36より吹き出す吹雪が、車両Vの前部において高さ全体に亘って拡散するようにしている。
図3に示すように、拡散面104の形状について、円錐形状の軸線は、気流の進行方向に沿って配置され、その頂点が吹き出し口102の中心Pと重なるように配置される。噴雪ノズル36は、ほぼ水平に延び、吹き出し口102から吹き出される気流の流れはほぼ平行流となることから、拡散面104の底面の外径Dは、吹き出し口102の径より若干大きいのが好ましく、それにより、吹き出し口102から吹き出される吹雪は、拡散面104に当ることが可能である。
円錐形状の頂点まわりの広がり角度αは、吹雪の所望の拡散特性に応じて決定される。気流速度は、吹き出し口102と拡散面104との間の距離および/または広がり角度αに応じて、微調整される。
まず、風洞16内で、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から吹雪を模擬して、試験対象物に向かって吹き出す場合において、環境試験により要求される風洞16の流出口における吹雪濃度分布および拡散範囲を決定する。たとえば、図7のように、風洞16の流出口の左上部Zに吹雪を集中させるものとする。
次いで、決定した吹雪濃度分布および拡散範囲に応じて、複数の噴雪ノズル36それぞれにおいて、対応するホース204に対する回転角度を調整することにより、左右の拡散範囲を調整するとともに、対応するホース204の高さを調整することにより、噴雪の上下の拡散範囲を調整する。たとえば、図7で矢印Aで示すように、噴雪ノズル36それぞれにおいて、向きが異なる。
たとえば、図7に示すように、環境試験の条件に応じて、風洞16の流出口における吹雪濃度の要求分布が、風洞16の左上に集中する場合、各噴雪ノズル36において、矢印Aに示すように、ノズルの向きを調整するのがよい。
以上のように、噴雪ノズル36から噴雪される吹雪が、重力の影響で落下し、低レベルほど吹雪濃度が高くなるのを抑制して、高さ方向に吹雪濃度の均一化を達成したり、図7のように、所定範囲の吹雪濃度が高くなるようにしたり、逆に、所定範囲の吹雪濃度が低くなるようにしたり、拡散範囲および吹雪濃度について、柔軟に対応可能である。
吹き出し口102から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、吹き出し口102の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口102に対向するように配置された拡散面104に当るところ、拡散面104は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および頂部が吹き出し口102に近づく向きに形成された円錐形状であることから、吹雪は、拡散面104に付着することなく、拡散面104に沿って案内され、四方外方に向かって拡散するとともに、拡散面104への付着に伴う経時的な拡散特性の変動を抑制可能である。
この場合、上述の拡散面104の形成方法により、事前に準備しておいてもよい。
これにより、吹雪の広がりが狭まるように拡散特性が変動することなく、あるいは吹き出すノズルからの雪の吹き出しに支障を生じたりすることなく、特に湿雪を利用する場合に、吹雪を利用した環境試験を円滑に遂行することが可能である。
その際、複数の噴雪ノズル36において、それぞれ、流出口202に差し込み可能な流入口を有する第1直管部206と、流出口202を有する第2直管部212と、第1直管部206と第2直管部212とを接続する曲管部218とを有し、第2直管部212の流出口202が噴出口を構成し、複数の噴雪ノズル36は、互いに、曲管部218の長さが異なり、第1直管部206と第2直管部212との間の交差角度αが異なることから、噴雪ノズル36の選択により、噴雪ノズル36からの噴雪上下方向を調整するとともに、対応するホース204に対して噴雪ノズル36の回転角度が調整することにより、噴雪水平方向を調整可能であり、各噴雪ノズル36について、このような噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整することにより、複数の噴雪ノズル36全体として構成される吹雪の濃度を所望に調整可能である。
たとえば、本実施形態において、複数の噴雪ノズル36として、第1直管部206および第2直管部212は共通に、第1直管部206と第2直管部212とを接続する曲管部218として、曲率半径が同じで、中心角度が異なる(曲管部218の長さが異なる)ものとして説明したが、それに限定されることなく、所望の吹雪濃度を実現するのに、第1直管部206および曲管部218は共通に、第2直管部212について、たとえば、蛇腹状、または、互いに嵌合可能な複数の直管要素を準備して、そのいくつかにより第2直管部212を構成するようにする場合、いくつの直管要素を用いるかにより、車風速に応じて、管長を調整可能としてもよく、その場合、さらに、第2直管部212自体を高さ方向に移動可能として、所望の吹雪濃度を達成したら、その位置に固定してもよい。
たとえば、本実施形態において、複数の噴雪ノズル36として、第1直管部206および第2直管部212は共通に、第1直管部206と第2直管部212とを接続する曲管部218として、曲率半径が同じで、中心角度が異なる(曲管部218の長さが異なる)ものとして説明したが、それに限定されることなく、所望の吹雪濃度を実現するのに、曲管部218は共通に、第1直管部206および第2直管部212はいずれかの管長を異なるものとしてもよく、第1直管部206、第2直管部212および曲管部218が互いに異なるのでもよい。
たとえば、本実施形態において、複数の噴雪ノズル36により、風洞16の出口開口からの吹雪の濃度が出口開口の断面面積において、一様になるように、複数の噴雪ノズル36それぞれにおいて、噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整するものとして説明したが、それに限定されることなく、環境試験で要求される所望の吹雪濃度を実現するのに、出口開口の断面面積において、局所的に高濃度にしたり、局所的に低濃度にしたりするのでもよい。
たとえば、本実施形態において、環境試験で要求される吹雪濃度に応じて、複数の噴雪ノズル36それぞれに対して、噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整するものとして説明したが、それに限定されることなく、環境試験で要求される吹雪濃度が変更されるたびに、噴雪上下方向および噴雪水平方向を再調整するのでもよい。
たとえば、本実施形態において、新規な環境試験システムにおいて、複数の噴雪ノズル36それぞれに対して、噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整するものとして説明したが、それに限定されることなく、既存の環境試験システムにおいて、複数の噴雪ノズル36それぞれに対して、噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整可能なものに改造するのでもよい。
たとえば、本実施形態において、環境試験で要求される所望の吹雪濃度を実現するのに、複数の噴雪ノズル36それぞれに対して、噴雪上下方向および噴雪水平方向を調整するものとして説明したが、それに限定されることなく、風洞16内における背後気流速度、噴雪ノズル36における搬送空気速度、噴雪ノズル36における雪の流量、風洞16の出口開口から試験体までの間隔に応じて、いずれか変更される場合において、複数の噴雪ノズル36それぞれに対して、噴雪上下方向および噴雪水平方向を再調整するのでもよい。
さらに、本実施形態において、拡散プレートの円錐形状の軸線は、気流の進行方向に沿って配置され、その頂点が吹き出しノズルの中心と重なるように配置されるものとして説明したが、それに限定されることなく、たとえば、吹き出しノズルの設置レベルに応じて、拡散範囲を偏らせる必要がある場合には、円錐の頂点を吹き出しノズルの中心からオフセット配置してもよい。
さらにまた、本実施形態において、吹雪の拡散用部材として、板状の拡散プレートとして説明したが、それに限定されることなく、吹き出しノズルに対向する拡散面を具備する限り、板状でなくてもよい。
β 中心角度
Θ 円錐角度
d 吹き出し口と拡散面との距離
D 拡散プレートの外径
Z 吹雪の要求分布範囲
V 車両
10 雪環境試験システム
12 吹雪供給システム
14 気流供給システム
16 風洞
18 低温室
20 製氷室
22 製氷機
24 氷温安定化コンベア
26 砕氷機
28 ブロアー
30 冷却器
32 湿雪装置
34 分配装置
36 吹き出しノズル
38 吹雪捕集装置
40 雪供給管
42 吸引口
44 空気ダクト
46 ロータリーフィーダー
48 破砕ドラム
50 ホットエア供給管
52 環状スペース
54 ホットエア流入部
56 流入開口
58 分岐管
60 回転体
62 回転駆動部
64 圧送流路
66 流出開口
68 取り入れ口
70 排出口
72 流入開口
74 拡散プレート
102 吹き出し口
104 拡散面
106 外表面
120 L字部材
122 切欠き
124 スリット
202 流出口
204 ホース
206 第1直管部
208 第1流入口
210 第1流出口
212 第2直管部
214 第2流入口
216 第2流出口
218 曲管部
220 曲管流入口
222 曲管流出口
300 測定室
302 第1屈曲洞
304 第2屈曲洞
306 第3屈曲洞
308 第4屈曲洞
310 第2拡散胴
312 整流洞
314 縮流洞
316 吹き出し口
Claims (14)
- それぞれ、内部に雪を搬送し、流出口から雪を流出するホースの流出口に回転可能に差し込み可能な噴雪ノズル群であって、
出口開口から模擬吹雪を吹き出す風洞の内部に配置され、
それぞれ、前記流出口に差し込み可能な流入口を有する第1直管部と、流出口を有する第2直管部と、第1直管部と第2直管部とを接続する曲管部とを有し、該第2直管部の流出口が噴出口を構成する、複数の噴雪ノズルが設けられ、
複数の噴雪ノズルは、互いに、前記曲管部の長さが異なり、該第1直管部と該第2直管部との間の交差角度が異なる、
ことを特徴とする吹雪濃度調整用噴雪ノズル群。 - 内部に雪を搬送し、流出口から雪を流出するホースと、
ホースの流出口に回転可能に差し込み可能な噴雪ノズルと、
該ホースと、該噴雪ノズルとを内部に配置し、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から模擬吹雪を吹き出す風洞と、を有し、
それぞれ、前記流出口に差し込み可能な流入口を有する第1直管部と、流出口を有する第2直管部と、第1直管部と第2直管部とを接続する曲管部とを有し、該第2直管部の流出口が噴出口を構成する、複数の噴雪ノズルが設けられ、
複数の噴雪ノズルは、互いに、前記曲管部の長さが異なり、該第1直管部と該第2直管部との間の交差角度が異なる、
ことを特徴とする吹雪濃度調整装置。 - 複数の噴雪ノズルの曲管部は、曲率半径が同じであり、曲率中心からの中心角度が互いに異なる、請求項2に記載の吹雪濃度調整装置。
- 水平向きに配置されたホースと、該噴雪ノズルとは、前記風洞内で、出口開口の近傍に配置される、請求項2に記載の吹雪濃度調整装置。
- 該ホースは、前記風洞内で高さ方向が調製可能である、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の吹雪濃度調整装置。
- 前記複数の噴雪ノズルは、風洞内において、互いにレベルが異なる複数組に分けられ、複数組の各々は、横方向に間隔を隔てて、噴雪ノズルが配置され、風洞の断面全体内で一様に分布される、請求項5に記載の吹雪濃度調整装置。
- 風洞の最下流側に縮流洞が設けられ、縮流洞の上流側に、複数の噴雪ノズルが配置される、請求項6に記載の吹雪濃度調整装置。
- 風洞内で、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から吹雪を模擬して、試験対象物に向かって吹き出す場合において、
請求項1に記載の噴雪ノズル群なしで、前記風洞の出口開口において吹雪濃度分布を測定する段階と、
流出口から雪を流出する複数のホースのそれぞれに、前記流出口に差 し込み可能な流入口を有する第1直管部と、流出口を有する第2直管部と、第1直管部と第2直管部とを接続する曲管部とを有し、該第2直管部の流出口が噴出 口を構成する噴雪ノズルを差し込み、測定した吹雪濃度分布に応じて、複数の噴 雪ノズルそれぞれにおいて、対応するホースに対する第2 直管部の回転角度を調整することにより、左右の拡散範囲を調整するとともに、 対応するホースの高さを調整することにより、噴雪の上下の拡散範囲を調整する段階とを有する、ことを特徴とする吹雪濃度調整方法。 - 複数の噴雪ノズルは、風洞内において、互いにレベルが異なる複数組に分けられ、複数組の各々は、横方向に間隔を隔てて、噴雪ノズルが配置される場合において、
レベルが高い組の噴雪ノズルほど、対応する曲管部の長さが長い、請求項8に記載の吹雪濃度調整方法。 - 前記噴雪ノズルからの噴雪を拡散する拡散用部材をさらに有し、該拡散用部材は、
前記噴出口の外であって、噴雪方向前方の所定位置に該噴出口に対向する拡散面を設け、
該拡散面は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および/ または頂部が前記噴出口に近づく向きに形成された円錐形状であり、
それにより、前記噴出口からの吹き出される噴雪が、前記拡散面に沿って案内され、前記拡散面の四方外方に向かって拡散する、請求項2に記載の吹雪濃度調整装置。 - 前記噴出口と前記拡散面との間の距離は、吹雪の所望の拡散特性に応じて可変である、請求項10に記載の吹雪濃度調整装置。
- 前記気流の気流速度は、前記噴出口と前記拡散面との間の距離および/ または前記拡散面の四方外方に向かって拡散する広がり角度に応じて、微調整される、請求項10に記載の吹雪濃度調整装置。
- 風洞内で、噴雪を背後から出口開口に向かう気流に乗せて、出口開口から吹雪を模擬して、試験対象物に向かって吹き出す環境試験システムにおいて、
前記風洞内に、請求項1に記載の噴雪ノズル群が設けられている、環境試験システム。 - 前記第1直管部と前記第2直管部との間の交差角度は、10°以上45°以下である、請求項2に記載の吹雪濃度調整装置。
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